>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

K 7148-1

:2015 (ISO 14322:2012)

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  用語及び定義  

2

4

  原理 

2

5

  試料 

3

6

  装置及び器具  

3

7

  試験手順  

3

8

  結果の表示  

4

9

  精度 

4

10

  試験報告書  

5

附属書 A(参考)予備試験における測定手順の例  

6


K 7148-1

:2015 (ISO 14322:2012)

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,エポキシ樹脂技術協会(JSERT)及び一般財

団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日

本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 K

7148-1

:2015

(ISO 14322

:2012

)

プラスチック−エポキシ樹脂−

示差走査熱量測定(DSC)による硬化度の測定法

Plastics-Epoxy resins-Determination of degree of crosslinking of

crosslinked epoxy resins by differential scanning calorimetry

序文 

この規格は,2012 年に第 1 版として発行された ISO 14322 を基に,技術的内容及び構成を変更すること

なく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

適用範囲 

この規格は,示差走査熱量測定(DSC)によるエポキシ樹脂の硬化発熱の測定法を用いて,エポキシ樹

脂の硬化度を求める方法について規定する。また,この測定法は,架橋反応速度が遅いエポキシ樹脂硬化

配合物に適用する。

なお,室温下で進行する速硬化配合物では,測定が難しい場合がある。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 14322:2012

,Plastics−Epoxy resins−Determination of degree of crosslinking of crosslinked

epoxy resins by differential scanning calorimetry

(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”こ

とを示す。

警告  この規格に基づいて試験を行うものは,通常の実験室での作業に精通していることを前提とす

る。この規格は,その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするものでは

ない。この規格の利用者は,各自の責任において安全及び健康に対する適切な措置を取らなけ

ればならない。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

ISO 11357-1:2009

,Plastics−Differential scanning calorimetry (DSC)−Part 1: General principles

ISO 11409

,Plastics−Phenolic resins−Determination of heats and temperatures of reaction by differential

scanning calorimetry


2

K 7148-1

:2015 (ISO 14322:2012)

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,ISO 11357-1 によるほか,次による。

3.1 

硬化度(degree of crosslinking)

箇条 の式(2)によって算出される値で,エポキシ樹脂硬化物の硬化状態を示す単位として用い,パーセ

ント(%)で表す。

3.2 

未硬化配合物(uncrosslinked epoxy resin system)

エポキシ樹脂主剤と硬化剤とを配合した直後のもので,硬化反応が全く進行していないもの。

3.3 

硬化総発熱量(total heat of reaction)

エポキシ樹脂硬化配合物において,未硬化配合物(3.2 参照)を試料として,硬化反応が完了するまでの

間に発生する反応熱の総量。DSC によって求められ,J/g によって表す。

原理 

エポキシ樹脂硬化配合物において,未硬化配合物を試料にして,硬化開始から硬化が完了するまでの間

に発生する反応熱の総和を,DSC によって測定する。

図 にこの DSC 曲線の例を示す(曲線 A)。

次いで,測定試料である硬化物(部分的に硬化が進んだもの)を同じ条件で DSC にかけ,発熱量を測定

することによって,硬化物中に未硬化の状態で存在する残存反応基が反応を完了するまでに発生する熱量

の総和を求める。

図 にこの測定方法で得られる DSC 曲線の例を示す(曲線 B1 及び曲線 B2)。

曲線 B1 は硬化が余り進んでいない例を,曲線 B2 は硬化がかなり進んでいる例をそれぞれ示す。

硬化度は,硬化物(部分的に硬化が進んだもの)の発熱量と未硬化配合物の硬化総発熱量とから求める

[式(2)参照]

X

軸:温度又は時間

Y

軸:発熱量

図 1DSC 曲線(概略図) 


3

K 7148-1

:2015 (ISO 14322:2012)

エポキシ樹脂硬化配合物は,極めて多様性に富んだものであり,測定面での制約でこの方法が実際に適

用できる硬化配合物には限界がある。例えば,硬化成分を配合し,DSC に供するまでに硬化反応が速やか

に進んでしまうような系では,硬化総発熱量が正しく測定できないので,この方法は適用できない。

このため,適用できるか否かを事前に確認するため,予備試験を行う(7.2 参照)

試料 

5.1 

校正試料  ISO 11357-1:2009 の 8.2 による。

注記  通常,インジウムを用いる。

5.2 

エポキシ樹脂硬化系  次の条件を満たす組成で構成されるもの。

5.2.1 

エポキシ樹脂  所定の硬化配合物で用いられているもの。

注記  例えば,JIS K 7238 に規定するものなどがある。

5.2.2 

硬化剤  所定の硬化配合物で用いられているもの。

注記  例えば,JIS K 6929-1 に規定するものなどがある。

5.2.3 

触媒  所定の硬化配合物で用いられているもの。

注記  例えば,JIS K 6929-1 に規定するものなどがある。

装置及び器具 

6.1 

示差走査熱量計  示差走査熱量計は,次の条件を満たすものを用いる。 

a)

毎分 10  ℃で昇温できる。

b)

測定試料と参照物質との発熱量差を,自動で記録できる。

c)

熱流束又は熱エネルギーの精度が,1 %以内である。

d)

測定試料の温度の精度が,±0.1 %である。

e) 20

∼300  ℃の温度範囲で,測定可能である。

注記  測定試料が充塡材を含まない場合,参照物質側のサンプル容器には,通常,何も入れない。測

定試料が充塡材を含む場合,参照物質側のサンプル容器には,充塡材を入れるのが望ましい。

6.2 

ガス流入装置  測定試料の周りにガスを流入できる構造のもの。流量計は,毎分 10∼50 mL の範囲

を測定できるものとする。 

6.3 

サンプル容器(サンプルパン)  測定試料によって侵されることがない熱伝導率の高い材料のもの。 

6.4 

記録計  DSC 曲線を自動的に記録できるもの。 

6.5 

はかり  0.01 mg の桁まで読み取れるもの。 

試験手順 

7.1 

示差走査熱量計の校正 

測定に先立って,ISO 11357-1:2009 の箇条 に従い,示差走査熱量計の校正を行う。

7.2 

予備試験の実施 

7.2.1

予備試験では,未硬化状態の配合試料から別々に試料を採取し,同じ装置かつ同じ条件で,2 回連

続して硬化総発熱量を測定する。この規定は,2 回の総発熱量が許容範囲内で一致する系(7.2.7 参照)に

限り適用する。

7.2.2

エポキシ樹脂と硬化剤等とを配合し,未硬化配合物を得る。

7.2.3

上記配合物から速やかに 1 回目の試験サンプル 10∼20 mg を採取し,はかりで 0.01 mg の桁までは


4

K 7148-1

:2015 (ISO 14322:2012)

かりとり,示差走査熱量計のサンプル容器に収める。

7.2.4

規定の試験温度プログラム(開始温度,昇温速度,到達温度及び冷却時間)で測定を行い,ISO 11409

の 4.5.3.1 に従って総発熱量(H

T1

)を求める。

注記 1  測定開始温度は,反応開始時の温度より少なくとも 30  ℃低い温度にし,昇温速度は毎分

10

℃に,到達温度は 250  ℃にすることが望ましい。

注記 2  ISO 11409 の概要は,JIS K 6910 の 5.23 参照。

7.2.5 

1

回目の測定終了後,直ちに冷却速度毎分 30  ℃で冷却する。 

7.2.6 7.2.2

で作成した未硬化配合物から 7.2.3 に従って 2 回目のサンプルの質量をはかりとり,1 回目と

同じ条件で 2 回目の測定を行う。その後,ISO 11409 の 4.5.3.1 に従って総発熱量(H

T2

)を求める。 

7.2.7 

H

T1

及び H

T2

が式(1)を満たす場合には,7.3 の本試験に進む。 

10

100

2

/

)

(

|

|

2

T

1

T

2

T

1

T

×

+

H

H

H

H

  (1)

注記

予備試験の例を,

附属書 A

に示す。

7.3 

本試験の実施 

7.3.1 

測定に供する硬化物試料 10∼20 mg を採取し,はかりで 0.01 mg の桁まではかりとり,示差走査熱

量計のサンプル容器に収める。

7.3.2 

予備試験(

7.2

参照)と同一の試験条件下で DSC を行い,

ISO 11409

4.5.3.1

に従って発熱量を求

める。

7.3.3 

試験は 2 回行い,その平均値を測定値(硬化物の発熱量 H

S

)とし,箇条

8

で用いる。

結果の表示 

この硬化物の硬化度を,式(2)によって算出する。

Cr

=(1−H

S 

/H

T

)×100  (2)

ここに,

Cr

硬化度(%)

H

T

予備試験(

7.2

参照)で求めた硬化総発熱量で,2 回の

測定値(H

T1

H

T2

)を平均した値(J/g)

H

S

この硬化物試料の測定(

7.3

参照)で得られた発熱量で,

2

回の測定値を平均した値(J/g)

精度 

9.1 

一般 

この試験の精度は,

日本において 2007 年に 6 か所の研究機関で実施されたラウンドロビンテストの結果

から求めた。

9.2 

試料及び試験条件 

試料及び試験条件は,次による。

試料

  エポキシ樹脂:ビスフェノール A 形エポキシ樹脂,硬化剤:酸無水物

試験条件

  硬化条件 3 水準(100  ℃×60 分,100  ℃×90 分,及び 150  ℃×120 分)

9.3 

試験精度 

JIS Z 8402-2

に従って解析した試験結果を,

表 1

に示す。


5

K 7148-1

:2015 (ISO 14322:2012)

表 1

精度データ 

測定試料

(硬化条件)

硬化度,%

(平均値)

反復性

s

r

再現性

s

R

試料 A 
(100  ℃×60 分)

69.3

1.24

3.14

試料 B

(100  ℃×90 分)

84.6

0.95

5.23

試料 C

(150  ℃×120 分)

98.1

0.69

1.94

10 

試験報告書 

試験報告書には,次の事項を記載する。

a)

この規格の番号

b)

試料の詳細:エポキシ樹脂硬化配合物(エポキシ樹脂,硬化剤,触媒など)を同定できる情報

c)

示差走査熱量計の装置名

d)

昇温速度(℃/min)

e)

予備試験の試験結果(

7.2

参照)

f)

各曲線を積分したときの積分方法

g)

箇条

8

の算出式によって求めた硬化度

h)

得られた DSC 曲線の写し(グラフの添付)

i)

試験年月日


6

K 7148-1

:2015 (ISO 14322:2012)

附属書 A

(参考)

予備試験における測定手順の例

予備試験における測定手順の例を,次に示す。

関連規格 

JIS K 6910

:2007

  フェノール樹脂試験方法

JIS K 6929-1

  プラスチック−エポキシ樹脂用硬化剤及び促進剤−第 1 部:指定分類

JIS K 7238

  エポキシ樹脂の指定分類

JIS Z 8402-2

  測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第 2 部:標準測定方法の併行精度

及び再現精度を求めるための基本的方法

注記

対応国際規格:

ISO 5725-2

,Accuracy (trueness and precision) of measurement methods and

results

−Part 2: Basic method for the determination of repeatability and reproducibility of a

standard measurement method

(IDT)