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日本工業規格

JIS

 K

7011

-1989

構造用ガラス繊維強化プラスチック

Glass Fiber Reinforced Plastics for Structural Use

1.

適用範囲  この規格は,構造用材料として使用するガラス繊維強化プラスチック(以下,GFRP とい

う。

)について規定する。

2.

用語の意味  この規格で用いる主な用語の意味は,JIS K 6900(プラスチック用語)によるほか,次

のとおりとする。

(1)

引張強さの限界値  GFRP の区分の基礎となる引張強さの値で,測定された引張強さから標準偏差を

求め,その 3 倍の値を引張強さの平均値から引いた値。

(2)

面内方向  GFRP の板厚に対して直角方向の面内におけるガラス繊維の配列の方向。

(3)

プリフォーム  ガラス繊維を約 50mm の長さに切断し,樹脂系結合剤(バインダー)を用いて最終成

形品に近い形状に予備成形したもの。

(4)

シートモールディングコンパウンド  一般に,ガラス繊維を 10∼50mm に切断し,分散したストラン

ドに硬化剤,充てん材,増粘剤などを配合した樹脂を含浸し,樹脂を増粘させた後,常温で安定な状

態にしたシート状の成形材料。

(5)

バルクモールディングコンパウンド  一般に,3∼15mm の長さに切断したガラスチョップドストラン

ドと硬化剤,充てん材,増粘剤などを配合した熱硬化性樹脂を混合し,樹脂をそのまま又は増粘させ

た後,常温で安定な状態にした塊状の成形材料。

(6)

コールドプレス成形法  熱伝導率の小さい樹脂型又は金属型を用い,不飽和ポリエステル樹脂の硬化

時に発生する反応熱を利用して,常温から 100℃以下の温度でプレスする成形方法。

(7)

レジンインジェクション成形法  型の中にガラス繊維などをあらかじめ封入し,型に設けられた注入

孔から樹脂などを圧入して成形する方法。

(8)

引抜き成形法  連続したガラス繊維(マット材及びクロス材の併用もある。)に樹脂などを含浸させた

ものを,加熱した型内に引き込み又は型内で含浸させて,型内又は型を出たところで硬化させて,型

から連続的に引き出す成形方法。

(9)

遠心成形法  高速で回転する円筒型内にガラス繊維,樹脂などを供給し,遠心力を利用して成形する

方法。

(10)

テープラッピング成形法  回転するマンドレル上に,シート状のガラス繊維に樹脂などを含浸させな

がら巻き付けて積層し,成形する方法。

(11)

ローリング成形法  シート状のプリプレグをローリング成形機を用いて,マンドレル上に巻き付けて

積層し,加熱硬化して筒状に成形する方法。

                                                        

引用規格:4 ページに示す。


2

K 7011-1989

(12)

回転積層成形法  比較的低速で回転している型の内面に,ガラス繊維,樹脂などをスプレーアップ法

などで積層して成形する方法。

(13)

スタンパブルシート成形法  ガラス繊維に熱可塑性樹脂を含浸させたシート状のものを所定の形状に

切断し,樹脂の溶融温度以上に加熱した後,直ちに加圧冷却して成形する方法。

3.

種類,区分及び呼び記号  GFRP の種類は,面内方向性及び板厚方向の構造によって第 I 類,第 II 類

及び第 III 類の 3 種類に分け,更に,引張強さの限界値及び空洞率の最大値によって第 1 類は 1 種∼5 種,

第 II 類は 1 種∼4 種,第 III 類は 1 種∼5 種に区分し,その呼び記号は

表 による。

表 1  種類,区分及び呼び記号

種類

区分

呼び記号

1

種 GL-5

2

種 GL-10

3

種 GL-15

4

種 GL-20

第 I 類

5

種 GL-25

1

種 GM-2.5

2

種 GM-5

3

種 GM-10

第 II 類

4

種 GM-15

1

種 GU-20

2

種 GU-40

3

種 GU-60

4

種 GU-80

第 III 類

5

種 GU-100

4.

品質

4.1

GFRP

の面内方向性及び板厚方向の構造  GFRP の面内方向性及び板厚方向の構造は,表 による。

表 2  GFRP の面内方向性及び板厚方向の構造

種類

面内方向性及び板厚方向の構造

参考(代表的な成形方法)

第 I 類

面内方向性が小さく,板厚方向に積層構造をもつ

もの。ただし,織物などで強化されたものは,面
内方向性があるものもある。

成形方法には,ハンドレイアップ成形法,スプレ

イアップ成形法,バッグ成形法,マッチドダイ成
形法(プリフォーム・マット),コールドプレス
成形法,レジンインジェクション成形法,テープ

ラッピング成形法,ローリング成形法,遠心成形
法,回転積層成形法,連続波板・平板成形法など
がある。

第 II 類

面内方向性が小さく,板厚方向に積層構造をもた
ないもの。

成形方法には,マッチドダイ成形法(シートモー
ルディングコンパウンド,バルクモールディング

コンパウンド,プリミックス),射出成形法,ト
ランスファー成形法,スタンバブルシート成形法
などがある。

第 III 類

面内方向性が大きいもの。 
基本構成部材は,単一方向だけのもの及び複数方

向に配列を変化させた積層構造をもつものがあ
る。 
また,単一方向だけのものは,積層構造をもたな

成形方法には,フィラメントワインディング成形
法,引抜き成形法,ローリング成形法,遠心成形

法,回転積層成形法などがある。


3

K 7011-1989

いものと面内方向性の小さい部材(第 I 類の材料)
を組み合わせたものがある。

4.2

性能  GFRP の性能は,次による。

(1) GFRP

の引張強さの限界値及び空洞率の最大値は,5.2 によって試験を行い,

表 の規定に適合しなけ

ればならない。

表 3  引張強さの限界値及び空洞率の最大値

種類

区分

呼び記号

引張強さの限界値

MPa

空洞率の最大値

%

1

種 GL-5

50

以上 3.0

2

種 GL-10  100 以上 2.5

3

種 GL-15  150 以上 2.0

4

種 GL-20  200 以上 1.5

第 I 類

5

種 GL-25  250 以上 1.5

1

種 GM-2.5  25 以上

2

種 GM-5

50

以上

3

種 GM-10  100 以上

第 II 類

4

種 GM-15  150 以上

1

種 GU-20  200 以上 3.0

2

種 GU-40  400 以上 3.0

3

種 GU-60  600 以上 2.0

4

種 GU-80  800 以上 1.0

第 III 類

5

種 GU-100

1

000

以上 1.0

備考1.  引張強さの限界値は,面内方向について規定する。この場合,第 I 類のうち

織物などで強化され面内方向性がある材料の場合及び第 III 類の場合は,面

内方向の引張強さの限界値のほか,その最弱方向の引張強さの限界値も必要
である。ただし,最弱方向の引張強さの限界値は規定しない。

2.

第 II 類については空洞率を規定しない。

また,第 I 類及び第 III 類のうち充てん材を含む場合には,空洞率を適用

しない。

(2)

引張弾性率,ガラス繊維含有率,樹脂含有率及びバーコル硬さは,受渡当事者間の協定による。この

場合,試験は,5.3 に規定する方法によって行う。

5.

試験方法

5.1

試験片の採り方  該当する成形方法で成形した GFRP から原則として長さ 300mm 以上,幅 150mm

以上,板厚 3.0±0.5mm の平板を作製し,これから所定の大きさの試験片を切り取る。ただし,平板の成

形ができない場合には,受渡当事者間の協定による。

備考  試験片を採取するときには,加工中に試験片が過度に発熱しないように注意しなければならな

い。

5.2

引張強さ,引張強さの限界値及び空洞率  引張強さ,引張強さの限界値及び空洞率の試験は,次に

よる。

(1)

引張強さは,JIS K 7054(ガラス繊維強化プラスチックの引張試験方法)による。ただし,試験片の

形状が平板でない場合には,受渡当事者間の協定による。

なお,試験片の数は,20 個以上採ることが望ましい。

(2)

引張強さの限界値は,次の式によって算出し,JIS Z 8401(数値の丸め方)によって,有効数字 3 け

たで表す。


4

K 7011-1989

(

)

1

3

1

3

2

å

å

=

=

n

X

X

X

n

X

X

i

i

σ

ここに,

X

引張強さの限界値 (MPa)

X

引張強さの平均値 (MPa)

X

i

引張強さの測定値 (MPa)

n

試験片の数

σ: 標準偏差

(3)

空洞率は,JIS K 7053(ガラス繊維強化プラスチックの空洞率測定方法)による。

5.3

その他の試験  引張弾性率,ガラス繊維含有率,樹脂含有率及びバーコル硬さの試験は,次による。

(1)

引張弾性率は,JIS K 7054 による。ただし,試験片の形状が平板でない場合には,受渡当事者間の協

定による。

(2)

ガラス繊維含有率及び樹脂含有率は,JIS K 7052(ガラス繊維強化プラスチックの繊維含有率測定方

法)による。

(3)

バーコル硬さは,JIS K 7060(ガラス繊維強化プラスチックのバーコル硬さ試験方法)による。ただ

し,試験片の形状が平板でない場合には,受渡当事者間の協定による。

6.

表示  製品には,次の事項のうち(1)(3)を表示する。(4)(6)については,送り状などに記載しても

よいこととし,また,(7)(14)については,受渡当事者間の協定による。

(1)

種類及び区分(又は呼び記号)

(2)

製造年月又はその略号

(3)

製造業者名又はその略号

(4)

引張強さの限界値及び標準偏差

(5)

最弱方向の引張強さの限界値及び標準偏差(第 I 類のうち織物などで強化され面内方向性がある材料

の場合及び第 III 類の場合)

(6)

空洞率

(7)

引張弾性率

(8)

バーコル硬さ

(9)

ガラス繊維含有率及び樹脂含有率

(10)

ガラス繊維の種類及び構成

(11)

使用樹脂,充てん材及び触媒の種類

(12)

硬化条件

(13)

成形方法

(14)

試験年月日

引用規格: 

JIS K 6900

  プラスチック用語

JIS K 7052

  ガラス繊維強化プラスチックの繊維含有率測定方法

JIS K 7053

  ガラス繊維強化プラスチックの空洞率測定方法

JIS K 7054

  ガラス繊維強化プラスチックの引張試験方法

JIS K 7060

  ガラス繊維強化プラスチックのバーコル硬さ試験方法


5

K 7011-1989

JIS Z 8401

  数値の丸め方

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

宮  入  裕  夫

東京医科歯科大学医用器材研究所

金  原      勲

東京大学工学部

池  上  皓  三

東京工業大学精密工学研究所

安  宅  信  行

横浜国立大学工学部

剣  持      潔

工業技術院製品科学研究所

宮  崎  正  浩

通商産業省基礎産業局

池  田  喜  好

工業技術院標準部

西  本      敬

大日本硝子工業株式会社製造技術部

中  丸  庫  成

町田レジン工業株式会社

後  藤  卒土民

日東紡績株式会社 FRP 研究所

安  藤  友  憲

昭和高分子株式会社東京研究所

水  野      正

防衛庁技術研究本部第 1 研究所

大  石  不二男

日本国有鉄道鉄道技術研究所

黒  川  育  二

日本楽器製造株式会社生産技術部

阿  部  義  行

日立化成工業株式会社結城工場

須  藤  作  幸

財団法人建材試験センター

高  野  忠  夫

財団法人高分子素材センター

(事務局)

栗  原  貞  夫

社団法人強化プラスチック協会