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K 6927-1 : 1997 (ISO 4894-1 : 1990)

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。

今回の制定は,国際規格に整合させるために,ISO 4894-1 : 1990 を基礎として用いた。

JIS K 6927 : 1997

は,一般名称を“プラスチック−スチレン/アクリロニトリル (SAN) 成形用及び押出

用材料”として,次の各部によって構成する。

第 1 部:呼び方

(Part 1 : Designation)

第 2 部:試験片の作り方及び諸性質の求め方

(Part 2 : Preparation of test specimens and determination of properties)


日本工業規格

JIS

 K

6927-1

 : 1997

 (ISO

4894-1

 : 1990

)

プラスチック−スチレン/アクリロニトリル

(SAN)

成形用及び押出用材料−

第 1 部:呼び方

Plastics

−Styrene/acrylonitrile (SAN) moulding and extrusion materials−

Part 1 : Designation

序文  この規格は,1990 年に第 2 版として発行された ISO 4894-1 : 1990, Plastics−Styrene/acrylonitrile (SAN)

moulding and extrusion materials

−Part 1 : Designation を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更するこ

となく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。

1.

適用範囲

1.1

この規格は,熱可塑性材料スチレン/アクリロニトリル (SAN) の呼び方について規定する。この呼

び方は,仕様の基礎として用いることができる。

1.2

スチレン/アクリロニトリル樹脂を,次の性質の適切なレベル並びに組成,用途,加工方法,重要

な性質,添加剤,着色剤に関する情報に基づいて区分する。

a)

ビカット軟化温度

b)

メルトマスフローレイト (MFR)

1.3

この規格は,スチレン及び/又は置換スチレンと,10% (m/m)  から 50% (m/m)  のアクリロニトリル

からなるコポリマーに適用する。

この規格は,着色剤,添加剤,充てん材などを加えたもので,粉状,か粒状又はペレット状の,通常使

用される材料に適用する。

1.4

この規格の呼び方では,同じ呼び方の材料が必ずしも同一の性能を示すとは限らない。この規格は,

特定用途の材料又は加工方法を特定するのに必要なエンジニアリングデータ,性能データ又は加工条件に

関するデータを提供するものではない。

このような追加データが必要な場合は,この規格の第 2 部に規定した試験方法が適用できれば,それに

よって測定する。

1.5

特定の用途向けに熱可塑性材料を規定するため,追加要求事項をデータブロック 5 に入れてもよい

3.の最初の段落参照)


2

K 6927-1 : 1997 (ISO 4894-1 : 1990)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発効年(又は発行年)を付記してあるものは,その年の版だけがこの規

格の規定を構成するものであって,その後の改正版・追補には適しない。

JIS K 6899 : 1992

  プラスチック−記号−第 1 部:基本重合体(ポリマー)及びそれらの特性

備考  ISO 1043-1 : 1987, Plastics−Symbols−Part 1 : Basic polymers and their special characteristics が,

この規格と一致している。

JIS K 6899-2 : 1996

  プラスチック−記号−第 2 部:充てん材及び強化材

備考  ISO 1043-2 : 1988, Plastics−Symbols−Part 2 : Fillers and reinforcing materials が,この規格と同

等である。

JIS K 6927-2 : 1997

  プラスチック−スチレン/アクリロニトリル (SAN) 成形用及び押出用材料−第 2

部:試験片の作り方及び諸性質の求め方

備考  ISO 4894-2 : 1995, Plastics−Styrene/acrylonitrile (SAN) moulding and extrusion materials−Part 2 :

Preparation of test specimens and determination of properties

が,この規格と一致している。

ISO 306 : 1994, Plastics

−Determination of Vicat softening temperature (VST)

ISO 1133 : 1991, Plastics

− Determination of the melt mass-flow rate (MFR) and the melt

volume-flow rate (MVR) of thermoplastics

ISO 1656 : 1988, Rubber, raw natural, and rubber latex, natural

−Determination of nitrogen content

3.

呼び方のシステム

熱可塑性プラスチックの呼び方は,次の標準様式による。

呼び方

識別項目ブロック

個別項目ブロック

種類

ブロック

(

記載任意)

規格番号

ブロック

データ

ブロック

1

データ

ブロック

2

データ

ブロック

3

データ

ブロック

4

データ

ブロック

5

この呼び方は,記載任意の種類ブロック(熱可塑性プラスチックと記す。

)及び識別項目ブロックによっ

て構成し,さらに,識別項目ブロックは,規格番号ブロック及び個別項目ブロックによって構成する。

規格番号ブロックには,この規格の番号“JIS K 6927-1”及び括弧内に入れた国際規格番号“  (ISO 

4894-1)

”の両者を記す。

あいまいな表示を避けるため,個別項目ブロックを,更に次の四つのデータブロックに細分する。

データブロック 1:  JIS K 6899 に規定する記号 SAN で,スチレン/アクリロニトリルコポリマーを

識別,及びコポリマーの組成に関する情報を表示(3.1 参照)

データブロック 2:  位置 1:用途又は加工方法(3.2 参照)

位置 2∼4:重要な性質,添加剤及びその他補足情報(3.2 参照)

データブロック 3:  区分用の性質(3.3 参照)

データブロック 4:  充てん材又は強化材,及びそれらの公称含有率(3.4 参照)

仕様書を作成するために 5 番目のデータブロックを追加して,追加情報を加えてもよい。この情報の種

類及び使用するコードは,この規格では規定しない。

個別項目ブロックの最初の文字は,ハイフンとする。それぞれのデータブロックは,互いにコンマで区

切る。


3

K 6927-1 : 1997 (ISO 4894-1 : 1990)

使わないデータブロックがある場合は,そのデータブロックを二つ続きの分離記号,すなわち,二つの

コンマ“,

”によって示す。

3.1

データブロック 1  このデータブロックでは,ハイフンの後に,スチレン/アクリロニトリルコポリ

マーを JIS K 6899 による記号 (SAN) を記して識別する。その記号の後の空白の後に,アクリロニトリル

(AN)

の含有率を,

表 に示すコードを付けて示す。

AN

含有率は,ISO 1656 で規定する Kjeldahl 法によるか,熱分解/熱伝導率法によるか,いずれかの方

法で測定する。

表 1  データブロック に使用するアクリロニトリル含有率のコード

コード AN 含有率の範囲

% (m/m)

1 10

<∼≦20

2 20

<∼≦30

3 30

<∼≦50

3.2

データブロック 2  このデータブロックでは,位置 1 に用途及び/又は加工方法についての情報を,

位置 2∼4 に重要な性質,添加剤及び着色剤についての情報を,

表 に示すコード(文字)を用いて表示す

る。位置 2∼4 の情報があって,位置 1 の情報がない場合には,位置 1 にコード“X”を挿入する。

表 2  データブロック に使用するコード

コード

位置  1

位置 2∼4

C

着色品

E

パイプ,異形,シート押出用

F

特殊燃焼特性処方

G

一般用

L

耐光又は耐候処方

M

射出成形用

N

自然色(非着色品)

R

離型剤処方

S

滑剤処方

T

透明

X

表示なし

Z

帯電防止処方

3.3

データブロック 3  このデータブロックでは,ビカット軟化温度を 3 けたのコード(番号)で表し

3.3.1 参照)

,MFR を 2 けたのコード(番号)で表す(3.3.2 参照)

。ビカット軟化温度と MFR のコードの

間にはハイフンを入れる。

ビカット軟化温度及び MFR の値が範囲の境界上にあるか,又はそれに近い場合,製造業者はその材料

がどちらの範囲に入るかを決める。その後,その材料の試験値が仮にその範囲から外れても製造許容範囲

にあるならば,そのコードを変える必要はない。

備考1.  ビカット軟化温度及び MFR のコードのすべての組合せのポリマーが,現在入手できるとは

限らない。

3.3.1

ビカット軟化温度  ビカット軟化温度 (VST) は,ISO 306 の B 法に従って,試験荷重 50N±1N,

昇温速度 50℃/h±5℃/h の条件で測定する。

表 のとおり,ビカット軟化温度の値を,四つの範囲に分割し,それぞれ 3 けたのコード(番号)で表

示する。


4

K 6927-1 : 1997 (ISO 4894-1 : 1990)

表 3  データブロック のビカット軟化温度に使用するコード

コード

ビカット軟化温度の範囲

085

≦90

095 90

<∼ ≦100

105 100

<∼  ≦110

115 110

3.3.2

メルトマスフローレイト (MFR)   MFR は,ISO 1133 に従って,試験温度 220℃,試験荷重 98.07N

の条件で測定する。

表 のとおり,MFR の値を,四つの範囲に分割し,それぞれ 2 けたのコードで表示す

る。

3.4

データブロック 4  このデータブロックでは,位置 1 に充てん材又は強化材の種類を 1 けたのコード

(文字)で表示し,位置 2 にその物理的形状を,2 番目のコード(文字)で表示する(

表 及び ISO 1043-2

参照)

。このコードに続いて(空白なしで)

,その含有率% (m/m)  を,位置 3 と 4 に 2 けたの数字で表示す

る。

数種の物質又は異なる形状の混合物を表す場合,

“+”の記号を使ってコードをつないで,その全体を括

弧でくくる。例えば,25% (m/m)  のガラス繊維 (GF) と 10% (m/m)  の鉱物粉末 (MD) の混合物は (GF25

+MD10)  と表示する。

表 4  データブロック の MFR に使用するコード

コード

MFR

の範囲

g/10 min

04

≦5

08 5

< ∼ ≦10

15 10

< ∼ ≦20

25 20

表 5  データブロック で使用する充てん材及び強化材のコード

コード

物質(位置 1)

形状(位置 2)

B

ボロン

ボール,ビーズ,スフェア

C

カーボン

D

粉末,ドライブレンド

F

繊維

G

ガラス

か粒,粉砕品(繊維状粉砕

品も含む。

H

ウィスカ

K

炭酸カルシウム (CaCO

3

)

M

鉱物

1)

,

金属

2)

S

りん片,フレーク

T

タルク

X

指定なし

指定なし

Z

その他

1)

その他

1)

これらの物質は,例えば,化学記号又は同意された別のコード

で,データブロックの位置 4 の後に二つの文字で詳しく表示し
てもよい。

2)

金属充てん材は,含有率の後に化学記号(大文字)によって詳

しく表示する。例えば,スチールウィスカは,

“MH05FE”と表

示してもよい。


5

K 6927-1 : 1997 (ISO 4894-1 : 1990)

4.

呼び方の例  射出成形用 (M) で,耐光又は耐候処方 (L) 処理を行い,自然色(非着色品)(N)  で,

ビカット軟化温度 101℃ (105),MFR6g/10min (08),アクリロニトリル含有率 25% (m/m)(2)である熱可塑性

プラスチック材料,スチレン/アクリロニトリル (SAN) は,次のように表示する。

JIS K 6927-1, -2 (SAN)

  原案作成委員会  構成表

本委員会

分科会

氏名

所属

植  村      勝

工学院大学講師

大  嶋  清  治

工業技術院標準部

増  田      優

通商産業省基礎産業局

橋  本  繁  晴

財団法人日本規格協会

塚  野      隆

財団法人高分子素材センター

本  橋  健  司

建設省建築研究所

吉  川  高  雄

財団法人鉄道総合技術研究所

高  杉  和  徳

株式会社東芝映像メディア事業本部

狩  野  佐登視

富士重工業株式会社スバル開発本部

西  山      浩

日本ポリエチレン製品工業連合会

伊  藤  治  之

日本ポリオレフィンフィルム工業組合

鈴  木  照  彦

東燃化学株式会社千鳥工場

久  米  和  男

出光石油化学株式会社樹脂研究所

石  本  亮  治

三井・デュポンポリケミカル株式会社テクニカルセンター

横  山      昭

三井石油化学工業株式会社環境保安品質保証部

雨  宮  英  夫

三井東圧化学株式会社樹脂事業本部

瀬  沼  昭  高

日本ユニカー株式会社樹脂技術研究所

佐  藤  裕  之

大日本インキ化学工業株式会社石油化学技術本部

岡  島      修

旭化成工業株式会社技術センター

服  部  靖  郎

旭化成工業株式会社樹脂技術センター

石  橋  正  雄

三井東圧化学株式会社大阪工業所

江  沢      洋

三井東圧化学株式会社樹脂事業部

飯  尾  恵  司

三井東圧化学株式会社樹脂事業部

(事務局)  濱  島  俊  行

日本プラスチック工業連盟

◎は,委員長を示す。