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K 6920-1 : 2000

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本プラスチック

工業連盟 (JPIF) /財団法人日本規格協会 (JSA) から工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきと

申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日本工業規格である。これによ

って,JIS K 6920-1 : 1996 は改正されこの規格に置き換えられる。

今回の改正では,国際規格に整合させるために,ISO 1874-1 : 1992 を基礎として用い,従来の JIS K 6810 :

1994

附属書 に添付したものである。

なお,JIS K 6920-1 : 2000 には,次に示す附属書がある。

附属書 A(規定)  脂肪族ポリアミドの定義と呼び方

附属書 B(規定)  ポリアミド樹脂(ナイロン)成形材料試験方法

附属書 は,従来の JIS K 6810 : 1994 と一致しており,国際規格を日本工業規格に導入するための

経過処置として添付する。

JIS K 6920

は,一般名称を“プラスチック−ポリアミド (PA) 成形用及び押出材料”として,次の各部

によって構成する。

第 1 部:呼び方のシステム及び仕様表記の基礎

第 2 部:試験片の作り方及び諸性質の求め方


日本工業規格

JIS

 K

6920-1

 : 2000

プラスチック−ポリアミド (PA)

成形用及び押出用材料−

第 1 部:呼び方のシステム及び

仕様表記の基礎

Plastics

−Polyamide (PA) moulding and extrusion materials−

Part 1 : Designation

序文  この規格は,1992 年に第 2 版として発行された ISO 1874-1,Plastics−Polyamide (PA) moulding and

extrusion materials

−Part 1 : Designation を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成し

た日本工業規格である。

附属書 には,従来の JIS K 6810 : 1994 で規定していたポリアミド樹脂(ナイロン)成形材料試験方法に

ついて規定した。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。

1.

適用範囲

1.1

この規格は,熱可塑性材料ポリアミド (PA) の呼び方について規定する。この呼び方は,仕様表記

の基礎として用いることができる。この規格は,PA 6,PA 66,PA 69,PA 610,PA 612,PA 11,PA 12,PA

MXD6

,PA 46 及び PA 1212 からなる成形用及び押出用のポリアミドホモポリマーと種々の組成のポリアミ

ドコポリマーに適用する。

1.2

ポリアミド (PA) を,次の性質の適切なレベル並びにポリマーの基本パラメータ,用途及び/又は

加工方法,重要な性質,添加剤,着色剤,充てん材,強化材に基づいて区分する。

a)

粘度数

b)

引張弾性率

c)

造核剤の有無

1.3

この規格は,すべてのポリアミドホモポリマー及びコポリマーに適用する。

この規格は,粉状,か粒状又はペレット状で使用する材料及び着色剤,添加剤,充てん材などの添加又

は無添加の材料に適用する。

この規格は,PA 6,PA 12 のモノマーキャスティングタイプのポリアミドには適用しない。

1.4

この規格の呼び方が同じ材料であっても,必ずしも同一の性能を示すとは限らない。したがって,

この呼び方は,特定の用途及び/又は加工方法に必要な材料を特定するものではない。この規格は,エン

ジニアリングデータ,性能データ又は加工条件に関するデータを提供するものでもない。


2

K 6920-1 : 2000

そのような追加データが必要な場合は,この規格の

第 部に規定する試験方法が適用できるならば,そ

れによって測定する。

1.5

特定の用途向けに材料を規定するため,又は成形加工を再現性あるものにするための要求事項をデ

ータブロック 5 として追加してもよい(3.の最初の段落参照)

1.6

附属書 B(規定)は,2002 年 3 月 31 日まで適用する。

2.

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。記載され

た発効年(又は発行年)の版だけがこの規格の規定を構成するものであって,その後の改正版・追補には

適用しない。

JIS K 6899 : 1992

  プラスチック−記号−第 1 部:基本重合体(ポリマー)及びそれらの特性

備考  ISO 1043-1 : 1987, Plastics−Symbols−Part 1 : Basic polymers and their special characteristics が,

この規格と一致している。

JIS K 6899-2 : 1996

  プラスチック−記号−第 2 部:充てん材及び強化材

備考  ISO 1043-2 : 1988, Plastics−Symbols−Part 2 : Fillers and reinforcing materials が,この規格と一

致している。

JIS K 6920-2 : 2000

  プラスチック−ポリアミド (PA) 成形用材料及び押出用材料−第 2 部:試験片の

作り方及び諸性質の求め方

備考  ISO 1874-2 : 1995, Plastics − Polyamide (PA) moulding and extrusion materials − Part 2 :

Preparation of test specimens and determination of properties

が,この規格と一致している。

JIS K 7161 : 1994

  プラスチック−引張特性の試験方法−通則

備考  ISO 527-1 : 1993, Plastics−Determination of tensile properties−Part 1 : General principles が,この

規格と一致している。

参考  原国際規格には,ISO/R 527 : 1966, Plastics−Determination of tensile properties が引用されている

が,この規格の第 2 部と整合させるために上記規格に変えて引用した。

JIS K 7162 : 1994

  プラスチック−引張特性の試験方法−型成形,押出成形及び注型プラスチックの測

定条件

備考  ISO 527-2 : 1993, Plastics−Determination of tensile properties−Part 2 : Test conditions for

moulding and extrusion plastics

が,この規格と一致している。

参考  原国際規格には,ISO/R 527 : 1966, Plastics−Determination of tensile properties が引用されている

が,この規格の第 2 部と整合させるために上記規格に変えて引用した。

ISO 307 : 1984, Plastics

−Polyamides−Determination of viscosity number.

ISO 3451-4 : 1986, Plastics

−Determination of ash−Part 4 : Polyamides.

3.

呼び方のシステム 

熱可塑性プラスチックの呼び方のシステムは,次の標準様式(

図 1)による。


3

K 6920-1 : 2000

呼び方

識別項目ブロック

個別項目ブロック

種類 
ブロック

(記載任意)

規格番号 
ブロック

データ

ブロック

1

データ

ブロック

2

データ

ブロック

3

データ

ブロック

4

データ

ブロック

5

図 1  データブロック呼び方のシステム

この呼び方は,記載任意な種類ブロック(熱可塑性プラスチックと記す)及び識別項目ブロックによっ

て構成し,さらに,識別項目ブロックは,規格番号ブロック及び個別項目ブロックによって構成する。

規格番号ブロックには,国際規格番号“ISO 1874”及び括弧内に入れたこの規格の番号“JIS K 6920

の両者を記す。

あいまいな表示を避けるため,個別項目ブロックを,更に次の五つのデータブロックに細分する。

データブロック 1: JIS K 6899 に従った記号 (PA) によるプラスチックの識別と,その化学構造及び組成

に関する情報(3.1 参照)

データブロック 2: 位置 1:用途又は加工方法(3.2 参照)

位置 2∼8:重要な性質,添加剤及びその他補足情報(3.2 参照)

データブロック 3: 区分用の性質(3.3 参照)

データブロック 4: 充てん材又は強化材,及びそれらの公称含有率(3.4 参照)

データブロック 5: 仕様の基礎とするために,追加情報を含む第 5 番目のデータブロックを加えてもよい

が,その情報の種類及び使用するコード文字については,この規格では特に規定しな

い。

個別識別ブロックの最初の文字は,ハイフンとする。

それぞれのデータブロックは,互いにコンマで区切る。

使わないデータブロックがある場合は,そのデータブロックを二つ続きの分離記号,すなわち,二つの

コンマ“,

”によって示す。

3.1

データブロック 1  ハイフンの次にくるこのデータブロックでは,ポリアミドプラスチックを表 1

及び

表 に示される記号と呼び方によって識別する。

JIS K 6899

の記号を使用した例を示す。

可塑剤を含むポリアミドは,記号の後にハイフンを付けて文字 P を加えて表示する。

(例:PA 610-P)

衝撃改良材を含むポリアミドは,記号の後にハイフンを付けて文字 HI を加えて表示する。

(例:PA 6-HI)


4

K 6920-1 : 2000

表 1  データブロック のホモポリアミド材料の化学構造を示す記号 

記号

名称と化学構造

PA 6

ポリアミド 6

ε-カプロラクタムからのホモポリマー

PA 66

ポリアミド 66

;ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸からのホモポリマー

PA 69

ポリアミド 69

;ヘキサメチレンジアミンとアゼライン酸からのホモポリマー

PA 610

ポリアミド 610

;ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸からのホモポリマー

PA 612

ポリアミド 612

;ヘキサメチレンジアミンとドデカン二酸(

1

)

からのホモポリマー

PA 11

ポリアミド 11

;11-アミノウンデカン酸からのホモポリマー

PA 12

ポリアミド 12

ω-アミノドデカン酸又はラウロラクタムからのホモポリマー

PA MXD6

ポリアミド MXD6  ;m-キシリレンジアミンとアジピン酸からのホモポリマー

PA 46

ポリアミド 46

;テトラメチレンジアミンとアジピン酸からのホモポリマー

PA 1212

ポリアミド 1212

;ドデカンジアミンとドデカン二酸(

1

)

からのホモポリマー

(

1

) 1,

10-

デカンジカルボン酸

表 2  データブロック のコポリアミド材料の化学構造を示す記号(例)

記号

名称と化学構造

PA 66/610

ヘキサメチレンジアミン,アジピン酸及びセバシン酸からのポリアミドコポリマー

PA 6/12

ε-カプロラクタム及びラウロラクタムからのポリアミドコポリマー

PA 6T/6I

ヘキサメチレンジアミン,テレフタル酸及びアジピン酸イソフタル酸からのポリアミドコポリ
マー

PA 6/66PACM6

ε-カプロラクタム,ヘキサメチレンジアミン,アジピン酸,ビス(P-アミノシクロヘキシル)
メタン及びアジピン酸からのポリアミド三元コポリマー

PA 12/IPDI

ラウロラクタム,イソホロンジアミン及びイソフタル酸からのポリアミドコポリマー

次の二つの呼び方は,組成比の表示を含む

PA 66/6 (90/10)

90% (m/m)

ヘキサメチレンジアミンおよびアジピン酸と 10% (m/m)

ε-カプロラクタムからのポ

リアミドコポリマー

PA 66/6 (20/80)

20% (m/m)

ヘキサメチレンジアミンおよびアジピン酸と 80% (m/m)

ε-カプロラクタムからのポ

リアミドコポリマー

3.2

データブロック 2  このデータブロックでは,位置 1 に用途及び/又は加工方法についての情報を,

位置 2∼8 に重要な性質,添加剤及び着色剤についての情報を,

表 に示すコード(文字)を用いて表示す

る。位置 2∼8 の情報があり,位置 1 の情報がない場合には,位置 1 にコード“X”を挿入する。


5

K 6920-1 : 2000

表 3  データブロック に使用するコード

コード

位置 1

コード

位置 2∼8

A

加工安定処方

B

ブロー成形用

B

ブロッキング防止処方

C1

透明着色

C2

不透明着色

D

粉末,ドライブレンド処方

E

パイプ押出,異形押出,シート押出用

E

発泡処方

F

フィルム,薄肉シート押出用

F

特殊燃焼性処方

G

一般用

G

ペレット,か粒

H

コーティング用

H

熱老化安定処方

K

ケーブル,ワイヤーコーティング用

L

モノフィラメント押出用

L

耐光又は耐候処方

M

射出成形用

N

自然色(非着色品)

R

回転成形用

R

離型剤処方

S

パウダーコーティング用又は焼結用

S

滑剤処方

T

テープ製造用

T

透明

W

耐加水分解処方

X

表示なし

Z

帯電防止処方

3.3

データブロック 3  このデータブロックでは,粘度数の範囲を 2 けたのコード(数字)で表し(3.3.1

参照)

,また引張弾性率の範囲を 3 けたのコード(数字)で表す(3.3.2 参照)

。粘度数と引張弾性率のコー

ドの間には,ハイフンを入れる。造核剤処方のされたポリアミドは,データブロック 3 の最後尾に文字 N

をついて表示することができる。

粘度数及び引張弾性率の値がその範囲の境界上にあるか,又はそれに近い場合,製造業者はその材料が

どちらの範囲に入るかを決める。その後,その材料の個々の試験値が,仮にその範囲から外れても製造許

容範囲にあるならば,そのコードを変える必要はない。

備考1.  粘度数及び引張弾性率のコードのすべてについての組合せのポリアミドが,現在入手できる

とは限らない。

3.3.1

粘度数  粘度数は表 で規定した溶媒を用い,ISO 307 に従って測定されなければならない。粘度

数の平均値は,

表 で規定した 2 けた数字のコードによって表示する。

コポリアミドに対して,好ましくは 96% (m/m)  硫酸が溶媒として使用されるべきであるが,いくつかの

コポリアミドは m-クレゾールの方によく溶ける。

表 の最後の欄に含まれていないコポリアミドとホモポ

リアミドの最適な溶媒に関する情報は,それぞれの供給者から得る。


6

K 6920-1 : 2000

表 4  データブロック の粘度数に使用するコード 

粘度数範囲  ml/g

コード

溶媒:96% (m/m)  硫酸

溶媒:m

-

クレゾール

適用

09

≦ 90

PA 6

10 90

<∼≦110

PA 66

12 110

<∼≦130

PA 69

14 130

<∼≦160

PA 610

18 160

<∼≦200

PA 612

22 200

<∼≦240

PA

MXD6

27 240

<∼≦290

コポリアミド

32 290

<∼≦340

34

340

11

≦110 PA

1212

12

110

<∼≦130 PA

11

14

130

<∼≦150 PA

12

16

150

<∼≦170

コポリアミド

18

170

<∼≦200

22

200

<∼≦240

24

240

備考2.  溶媒として90% (m/m)  ぎ酸で測定した粘度数は,以下の式によって,96% (m/m)  硫酸で測定

した粘度数に換算できる。

PA 6

  :ln y=0.416 1+0.927 6 ln x

PA 66

:ln y=0.454 1+0.926 1 ln x

PA 69

:ln y=0.463 4+0.909 5 ln x

PA 610

:ln y=0.982 3+0.793 2 ln x

ここに,  x: 90%

(m/m)

ぎ酸における粘度数

y

: 96%

(m/m)

硫酸における粘度数

PA 612

に対しては,ISO 307 に添って測定した m-クレゾールでの粘度数と 96% (m/m)  硫酸

で測定された粘度数との間には,次の換算式を適用する。

ln y

=0.285 7+0.985 9 ln x

ここに,  x: 96%

(m/m)

硫酸における粘度数

y

: m-クレゾールにおける粘度数

上記の換算式は,1982 年に行われたラウンドロビンテストの結果から計算したものである(ISO 307 :

1984

13

節参照)。換算の正確さは,その粘度数の大きさとポリアミドのタイプの双方に影響される。ポ

リアミドのタイプによって

表 の数字が異なるのは,上記共同実験でポリアミドのタイプによって実験点

数が違うためである。他の溶媒による公称粘度数の種々の値から換算された 96% (m/m)  硫酸における公称

粘度数の値に対する 95%信頼限界幅を

表 に示す。


7

K 6920-1 : 2000

表 5  信頼限界幅

96% (m/m)

硫酸で換算した公称粘度数の 95%信頼限界幅

公称粘度数(

2

)

PA 6

PA 66

PA 69

PA 610

PA 612

100

±0.8

±1.6

±2.0

±4.7

±4.4

140

±0.8

±1.4

±1.9

±4.1

±4.9

180

±0.7

±1.2

±2.9

±5.8

±10.2

220

±0.7

±1.3

±4.7

±9.0

±17.6

260

±0.8

±1.7

±6.9

±12.9

±26.0

300

±1.0

±2.4

±9.3

±17.2

±35.3

340

±1.3

±3.3

±11.9

±21.8

±45.3

(

2

)

溶媒:PA 6,PA 66,PA 69及び PA 610に対しては90% (m/m)  ぎ酸 PA 612

に対しては m-クレゾール

3.3.2

引張弾性率  引張弾性率は,JIS K 6920-2 で規定した条件下で,JIS K 7162 に従って絶乾状態で測

定する。その引張弾性率の平均値は,

表 で規定された 3 けたの数字コードで表示する。


8

K 6920-1 : 2000

表 6  データブロック で引張弾性率に使用するコード

引張弾性率

コード

範囲  MPa

001

    ≦

150

002 150

<∼≦

250

003 250

<∼≦

350

004 350

<∼≦

450

005 450

<∼≦

600

007 600

<∼≦

800

010 800

<∼≦ 1 500

020 1

500

<∼≦ 2 500

030 2

500

<∼≦ 3 500

040 3

500

<∼≦ 4 500

050 4

500

<∼≦ 5 500

060 5

500

<∼≦ 6 500

070 6

500

<∼≦ 7 500

080 7

500

<∼≦ 8 500

090 8

500

<∼≦ 9 500

100 9

500

<∼≦ 10 500

110 10

500

<∼≦ 11 500

120 11

500

<∼≦ 13 000

140 13

000

<∼≦ 15 000

160 15

000

<∼≦ 17 000

190 17

000

<∼≦ 20 000

220 20

000

<∼≦ 23 000

250 23

000

3.4

データブロック 4  このデータブロックでは,位置 1 に充てん材及び/又は強化材の種類を 1 けたの

コード(文字)で表示し,位置 2 にその物理的形状を 2 番目のコード(文字)で表示する。それらのコー

ドは,

表 に示すとおりとする。このコードに続いて(空白なしで)その含有率% (m/m)  を位置 3 と 4 に

2

けたの数字で表示する。

数種の物質及び/又は異なる形状の混合物を表す場合,

“+”の記号を使ってコードをつなぎ,その全体

を括弧でくくる。例えば,25%ガラス繊維 (GF) と 10%ミネラル粉末 (MD) の混合物は,(GF25+MD10)  と

表示する。


9

K 6920-1 : 2000

表 7  データブロック で使用する充てん材及び強化材のコード 

コード

物質(位置 1)

コード

形状(位置 2)

B

ボロン

B

ボール;ビーズ;球

C

カーボン(

3

)

D

粉末;ドライブレンド

F

繊維

G

ガラス

G

か粒;粉砕品

H

ウイスカー

K

チョーク (CaCO

3

)

M

ミネラル(

3

)

;金属(

4

)

S

有機物;合成物(

3

)

T

タルク

X

規定なし

X

規定なし

Z

その他(

3

)

Z

その他

(

3

)

これらの物質は,例えば,化学記号または関連規格に定められ
た略号で詳しく表示してもよい。

(

4

)

金属 (M) の場合,その含有率の後に化学記号(大文字)によっ

て金属の種類を表示する。例えば,スチールウイスカーは,
“MH05FE”と表示してもよい。

4.

呼び方の例

4.1

射出成形用 (M) として製造され,

成形離型剤 (R) を含み,粘度数 150ml/g (14),

引張弾性率 2 700MPa

(030)

,造核剤 (N) を添加した熱可塑性プラスチック材料,ポリアミド (PA 6) は,次のように表示する。

4.2

射出成形用 (M) で,特殊燃焼性 (F) をもち,熱老化安定剤 (H) を含み,粘度数 140ml/g (14)  引張

弾性率,10 200MPa (100),ガラス繊維強化 (GF) 37%入り熱可塑性プラスチック材料,ポリアミド (PA 66)

は,次のように表示する。


10

K 6920-1 : 2000

4.3

押出用 (E) で,熱老化安定剤 (H) を含み,耐光及び耐候安定剤 (L) が添加され,粘度数 210ml/g (22),

引張弾性率 280MPa (003)  の可塑剤入り熱可塑性プラスチック材料,ポリアミド (PA 12-P) は,次のように

表示する。


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K 6920-1 : 2000

附属書 A(規定)  脂肪族ポリアミドの定義と呼び方

ポリアミド材料は,線状ポリマー鎖中に規則正しい配列でカルボン酸アミド基,-CONH-を含む熱可塑性

材料である。

ポリアミドホモポリマーは,単一出発材料(アミノカルボン酸又はそのラクタム)から合成する。この

場合,そのポリアミドは出発材料の炭素原子に相当する数によって表示する(

附属書 表 参照)。

附属書 表 1  一般式− [NH (CH

2

x

CO] 

n

−の 

線状脂肪族ポリアミドの呼び方

記号

xの値

出発材料の C 原子の数

 PA 6

5

6

 PA

11

10

11

 PA

12

11

12

しかし,ポリアミドホモポリマーは,アミノ基をもった一つの出発材料とカルボン酸基をもった一つの

出発材料からも合成される。ジアミンとジカルボン酸からのこれらのポリアミドは,それぞれ二つ,三つ

又は四つのアラビア数字で表示する。四つのアラビア数字の場合,最初のアラビア数字(又は最初と 2 番

目のアラビア数字)は,線状脂肪族ジアミンの炭素原子の数に相当し,2 番目のアラビア数字(又は幾つ

かの材料では,2 番目と 3 番目,若しくは 3 番目と 4 番目のアラビア数字)は,線状脂肪族ジカルボン酸

の炭素原子の数に相当する(

附属書 表 参照)。

附属書 表 2  一般式− [NH (CH

2

x

NHCO (CH

2

y

CO] 

n/2

−の 

線状脂肪族ポリアミドの呼び方

記号

x

の値

y

の値

 PA

66

6

4

 PA

610

6

8

 PA

612

6

10

 PA

46

4

4

 PA

1212

12

10

コポリアミドとも呼ばれるポリアミドコポリマーは,様々な出発材料(ラクタム,アミノカルボン酸,

等モル量のジアミンとジカルボン酸)から合成する。これらのコポリアミドは,PA とコポリアミドの組成

を表す数,斜線で分離された数字で表示する[JIS K 6899 (ISO 1043-1 : 1987),

附属書 A A.6 節を参照]。

しかし,同じ数又はシンボルをもつコポリアミドは,出発材料の比率が異なることによって全く異なった

特性をもつことがある。そのため,より正確な表示が必要な場合には,その量比を含まねばならない。そ

の量比を示す必要がある場合,斜線で分離された 2 けたの数字は,表示の最後に括弧で示す(

表 参照)。

コポリアミドの出発材料(モノマー)は,ホモポリマーと同等に,線状の脂肪族化合物だけでなく,分

岐の脂肪族,脂肪族・芳香族,環状脂肪族,芳香族などの化合物を含む。これらの線状脂肪族化合物以外

のモノマー単位は,

附属書 表 にそれらの表示と共に記載されている物質を示す。

コポリアミドについて数多くの組み合わせがあり,一例が,

表 に記載されている。


12

K 6920-1 : 2000

附属書 表 3  線状脂肪族以外のモノマー単位の記号

モノマー単位の記号

モノマー単位

 T

テレフタル酸 (CAS No.100-21-0)

 I

イソフタル酸 (CAS No.121-95-5)

 N

2,

6-

ナフタレンジカルボン酸 (CAS No.1141-38-4)

 PACP  2,

2-

ビス(p-アミノシクロヘキシル)プロパン (CAS No.3377-24-0)

 MACM 3,

3-

ジメチル-4, 4-ジアミノシクロヘキシルメタン (CAS No.6864-37-5)

 PACM

ビス(P-アミノシクロヘキシル)メタン (CAS No.1761-71-3)

 IPD

イソホロンジアミン (CAS No.2855-13-2)

 ND

1,

6-

ジアミノ-2, 2, 4-トリメチルヘキサン (CAS No.3236-53-1)

 IND

1,

6-

ジアミノ-2, 4, 4-トリメチルヘキサン (CAS No.3236-54-2)

 PPGD

ポリプロピレングリコールジアミン (CAS No.9046-10-0)

 PBGD

ポリブチレングリコールジアミン (CAS No.27417-83-0)

 MXD  m-

キシリレンジアミン (CAS No.1477-55-0)

 PTD

P-

トリレンジアミン (CAS No.95-70-5)

 MTD  m-

トリレンジアミン (CAS No.95-80-7)

 PABM

ジフェニルメタン-4, 4’-ジアミン (CAS No.101-77-9)

 MC

1,

3-

ビス(アミノメチル)シクロヘキサン (CAS No.2579-20-6)

 X

規定なし

備考

表示 ND と IND は,表示に数字を示さず,ノニルジアミンとイソノニ
ルジアミンの化学名で表示する。


13

K 6920-1 : 2000

附属書 B(規定)  ポリアミド樹脂(ナイロン)成形材料試験方法 

Testing methods for polyamides (nylon) molding materials

まえがき 

この

附属書 は,国際規格を日本工業規格に導入するため,経過措置として添付するが,2002 年 3 月

31

日まで適用する。

参考:この附属書 は,従来の日本工業規格 JIS K 6810 : 1994 に一致している。

1.

適用範囲

この

附属書 は,ポリアミド樹脂(ナイロン)成形材料(

1

)

(以下,成形材料という。

)の試験方法につ

いて規定する。

(

1

)

ここにいうポリアミド樹脂(ナイロン)成形材料とは,最大長12mm 以下のペレット状のもの

であり粉末状及び溶液状のものは含まない。

備考1.  この附属書 の引用規格を次に示す。

JIS B 7502 : 1994

  外側マイクロメータ 

JIS K 7507 : 1993

  ノギス 

JIS K 0068 : 1992

  化学製品の水分測定方法 

JIS K 0113 : 1997

  電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則 

JIS K 1321 : 1994

  硫酸 

JIS K 8264 : 1992

  ぎ酸(試薬) 

JIS K 8295 : 1994

  グリセリン(試薬) 

JIS K 8459 : 1995

  四塩化炭素(試薬) 

JIS K 8680 : 1996

  トルエン(試薬) 

JIS K 8741 : 1996

  発煙硫酸(試薬) 

JIS K 8951 : 1995

  硫酸(試薬) 

JIS K 3503 : 1994

  化学分析用ガラス器具 

JIS K 8401 : 1961

  数値の丸め方 

2.

試験項目  試験項目は次のとおりとする。

(1)

比重及び密度

(2)

融点

(3)

水分

(4)

相対粘度

a)

硫酸溶液による方法

b)

ぎ酸溶液による方法

(5)

単量体及び低分子量重合体の含有率

(6)

引張強さ

(7)

伸び


14

K 6920-1 : 2000

(8)

曲げ弾性率

(9)

衝撃強さ

(10)

熱変形温度

3.

試験の一般条件

3.1

試料の取り方 

試料の取り方は,品質が同一とみなすことができる成形材料のロットごとに,合理的な方法によって行

う。

3.2

試験片の作り方 

試料を成形して試験片を作るための成形条件は,成形材料製造業者の指定による。ただし,成形に使用

する試料のロットは,受渡当事者間の協定による。

3.3

試験条件 

この規格で他に規定がなければ,試験条件は温度 23±5℃,相対湿度 65±5%とする。

3.4

試験片の状態調節 

この規格で他に規定がなければ,試験片は成形直後,試験前に温度 23±5℃,相対湿度 (65±5) %の室内

で規定時間,状態調節を行う。

3.5

試験の回数 

この規格で他に規定がなければ,5 個試験して,その算術平均値を試験結果とする。平均値は規定の数

値より 1 桁下の位まで求め,JIS Z 8401 によって丸める。

4.

試験方法

4.1

比重及び密度

4.1.1

試料  試料は,ペレット(気泡又は異物を含まないもの)を用いる。

4.1.2

試料の状態調節  試料を試験前に温度 50±5℃の恒温乾燥器中で,48 時間乾燥し,塩化カルシウム

入りデシケーター中で放冷する。

4.1.3

ピクノメーターによる比重の測定方法

(1)

装置  装置は次による。

a)

ピクノメーター  JIS R 3503 のゲーリュサック形温度計付比重びんを用いる。

附属書 図 参照)

b)

化学はかり  感量 1mg のもの

c)

恒温槽  温度 23±0.1℃

d)

真空デシケーター


15

K 6920-1 : 2000

附属書 図 1  ピクノメーター

(2)

操作

a)

あらかじめ洗浄し乾燥したピクノメーターの質量を 0.1mg まで正確に量る。

b)  a)

のピクノメーターに 23±0.1℃の温度で,その標線まで正確に蒸留水を満たし,その質量を 0.1 mg

まで正確に量る。

c)

次に,そのピクノメーターを乾燥してから試料を 1∼5g 取り,再び 0.1mg まで正確に量り,a)の結

果を差し引いて試料の質量を求める。

d)

試料の入っているピクノメーターに蒸留水を加えて試料が覆われるようにしてから,真空デシケー

ター中で蒸留水中の空気を排除する。

e)

次に,そのピクノメーターにその標線付近まで蒸留水を満たし,恒温槽の中で 23±0.1℃の温度にな

るまで放置する。

f)

蒸留水の量が正確にピクノメーターの標線まで入るように,ピクノメーター中の蒸留水の量を加減

してから,その質量を 0.1 mg まで正確に量る。

g)

次の式によって比重 S (23/4℃)  を算出する。

a

c

b

d

a

S

+

×

=

ここに,

a

:  試料の質量 (g)

b

:  ピクノメーターの標線まで蒸留水を入れたときの質量 (g)

c

:  試料の入ったピクノメーターの標線まで蒸留水を満たしたとき

の質量 (g)

d

: 23℃における蒸留水の比重 (0.997 56)

4.1.4

密度こうばい管による密度の測定方法

(1)

装置  装置は次による。

a)

ガラス円筒  長さ約 1m,内径 4.5∼6.0cm で,少なくとも 85cm の長さにわたって 1mm 間隔の目盛

をもち,その上部に擦り合わせキャップのついているもの。

b)

恒温水槽  ガラス円筒を入れることができ,かつ,23±0.1℃の温度に調節できるもの。


16

K 6920-1 : 2000

c)

ビーカー  同一直径のもの 2 個。容器 2 000ml のもの。

d)

標準フロート  直径 3∼5mm の中空ガラス球。密度 1.12∼1.16 (g/cm

3

)

用のもの。

e)

サイホン

附属書 図 に示すもの。

f)

マグネチックスターラー

(2)

試薬  試薬は次による。

a)

四塩化炭素  JIS K 8459 相当品

b)

トルエン  JIS K 8680 相当品

(3)

密度こうばい管の作り方

a)

トルエン,四塩化炭素の適量をビーカー中で混合して,重液,軽液の 2 種類を調製する(

2

)

(

2

)

こうばい管目盛40cm の間の密度が1.12∼1.16 (g/cm

3

)

になるように調製する。このためには,

重液の密度約1.180(g/cm

3

)

,軽液の密度1.100(g/cm

3

)

がよい。目安として

附属書 1によって調

製するのがよい。

附属書 表 1

単位  ml

四塩化炭素

トルエン

軽液 322

678

重液 431

569

b)

軽液を

附属書 図 のビーカーA に,重液をビーカーB に入れ,両液を同じ高さにしてサイホンで

連結する。

c)

ビーカーB をマグネチックスターラーでかき混ぜながら,その中の液をサイホンによりガラス円筒

に 10ml/min 以下の速度で,その器壁を伝わらせながら注ぎ入れる。

d)

この操作によりビーカー中の液の高さが低下するので,ビーカーA の中の液が順次ビーカーB に流

入するようになり,次いでガラス円筒に注ぎ入れられ,ガラス円筒内の液は連続的な密度こうばい

を示すことになる。

e)

b)

から d)までの操作は,23℃付近の温度で行う。

f)

液を注ぎ終わったガラス円筒は,静かに恒温水槽に入れる。

g)

次に標準フロートをビーカーA の液(軽液)でぬらしてからガラス円筒に静かに入れ,これを密度

こうばい管とする。

h)

密度こうばい管は,恒温水槽中で 23±0.1℃の温度に保持する。

i)

標準フロートは密度 1.12∼1.16 のものを用い,密度差 0.01g/cm

3

につき 1 個以上が適当である。

j) 24

時間経過してから密度こうばい管中の標準フロートの密度と密度こうばい管の目盛との補正曲

線を作る。

k)

この補正曲線がジグザグや著しい弓形を示す場合には,再び a)から j)までの操作を繰り返す。


17

K 6920-1 : 2000

附属書 図 2  密度こうばい管の作り方

(4)

操作

a)

試料細片中に気泡部分が包含されないようにするため,試料 20∼50

µm の厚さに切削する。

b)

切削細片化した試料 3 個を軽液でぬらした後,密度こうばい管の中へ静かに入れる。

c)

3

個の試験片が液の中で平衡位置に達して静止した後,それらの重心の高さを 1mm まで密度こうば

い管の目盛から正確に読み取る。

d)  c)

の結果を補正曲線と比較し,それぞれの測定結果に対応する比重を,小数点 3 桁まで求める。3

個の平均値を小数点以下 3 桁で丸めて密度とする。

e)

標準フロート及び試料を金網で 1cm/min 以下の速度で徐々にすくい上げる。

4.2

融点

4.2.1

試料  試料はペレットを用いる。

4.2.2

装置  装置は次による。

(1)

ミクロトーム

(2)

加熱ブロック型微量融点測定器  次のものからなる(

附属書 図 参照)。

a)

水平円形ステージ  直径約 20mm

b)

アルミニウムブロック温度計のバルブがステージのすぐ下に接近して置けるような位置に温度計を


18

K 6920-1 : 2000

差し込むことができる水平の円筒孔を持つもの。

c)

電熱器  ブロックに内蔵し,ブロックを加熱するためのもの。

d)

変圧抵抗器  電力調節用のもの。

e)

レンズ  倍率 3∼5 のもの。

f)

コリメータ付照明灯

(3)

温度計  1℃の目盛で 200∼300℃に目盛したもの。

(4)

円形カバーガラス  直径約 18mm のもの。

(5)

ピンセット

(6)

押え用針

附属書 図 3  加熱ブロック装置

4.2.3

試薬  試薬は次による。

・シリコーン油

4.2.4

操作  操作は次による。

(1)

ペレットをミクロトームによって約 0.1mm の厚さに薄く切り,この薄片から約 1.5×1.5mm の正方形

の細片をいくつか切り取る。

(2)

シリコーン油 3 滴をブロックの熱板の上に置く。試験片 2∼3 をシリコーン油中に入れる。

(3)

カバーガラスを試験片の上に置き,ガラスが試験片で支えられ,わずかに傾いているように置く。こ

の場合,油がカバーガラスの全面に触れてはならない。また,試験片のわずか前方でメニスカスを形

成しなければならない(

附属書 図 参照)。

(4)

ブロックの温度を変圧抵抗器を用いて調節しながら予期融点の約 20℃下まで温度を急速に上げ,その


19

K 6920-1 : 2000

後は 1 分間に 2∼3℃の割合で温度を上げる。

(5)

照明灯を点ずる。

(6)

温度が 1℃上昇するごとにカバーガラスの上を押え用針で軽く押し,その間レンズを用いて試験片を

観察する。

(7)

融点においてはカバーガラスが試験片で支えられなくなり,シリコーン油のメニスカスがカバーガラ

スに沿って動き始める。この運動が始まるときの温度を±0.5℃の精度で読む。

(8)  2

個の試験片について測定した温度の平均値を小数点以下 1 桁で丸めて融点とする。

附属書 図 4  加熱ブロック装置内の試験片の位置

4.3

水分

4.3.1

装置  装置は次による。

(1)

カールフィッシャー滴定フラスコ  容量 250ml,首部擦り合わせのもの。

(2)

化学はかり  感量 1mg のもの。

(3)

還流冷却器(塩化カルシウム管付)300mm,カールフィッシャー滴定フラスコとジョイントできるも

の。

(4)

加熱器  ガスバーナー又は電気ヒーター

(5)

ホールピペット  30ml

(6)

カールフィッシャー水分測定用電気滴定装置  JIS K 0113 による。

4.3.2

試薬  試薬は次による。

(1)

メタノール  JIS K 0068 の 4.3.3(1)

メタノール)による。

(2)

カールフィッシャー試薬  JIS K 0068 の 4.3.3(7)

カールフィッシヤー試薬)による。

(3)

水−メタノール溶液  JIS K 0068 の 4.3.3(8)

水−メタノール溶液)による。

4.3.3

操作 

カールフィッシャー滴定フラスコに試料を化学はかりで 10g(

3

)

を速やかに量り取り,メチルアルコール


20

K 6920-1 : 2000

30ml

をホールピペットにより加える。このフラスコに還流冷却器を取り付け,フラスコをガス又は電熱で

3

時間ゆるく煮沸した後室温まで冷却し,直ちにカールフィッシャー滴定装置に装着し,カールフィッシ

ャー試薬で滴定する。滴定の方法については,JIS K 0068 の 4.

カールフィッシャー滴定法)によって行

う。

別に空試験として,メチルアルコール 30ml をカールフィッシャー滴定フラスコに取り,同様に煮沸し

た後,カールフィッシャー試薬で滴定する。測定は 1 回とする。

(

3

)

試料の量は水分の含有量が0.1%以下で,更に精度を必要とするときは20g とする。

4.3.4

計算  次の式によって水分 w (%)  を小数点以下 1 桁まで求める。

100

1000

)

(

2

1

×

×

×

=

S

t

t

F

w

ここに,

F

: カールフィッシャー試薬の力価(mgH

2

O/ml

試薬)

t

1

: 試料の滴定に用いられたカールフィッシャー試薬の使用量 (ml)

t

2

: 空試験に用いられたカールフィッシャー試薬の使用量 (ml)

S

: 試料の質量 (g)

4.4

相対粘度

4.4.1

硫酸溶液による方法

(1)

装置  装置は次による。

a)

恒温水槽

b)

粘度計  オストワルド形又はこれに相当する他の粘度計を用いてもよい。25℃で水の流下時間が 10

∼15 秒のものを用いる。

c)

温度計  ベックマン温度計

d)

化学はかり  感量 1mg のもの

e)

ストップウォッチ

f)

ホールピペット  15ml のもの

g)

自動ビュレット  98%濃硫酸計量用

h)

共せん付三角フラスコ  100ml のもの

i)

恒温乾燥器

(2)

試薬  試薬は次による。

98.0

±0.2%濃硫酸 JIS K 8951 の特級で 98%のもの。

98%

未満のものは JIS K 8741 の特級を用いて 98%に調製する。この場合の濃度検定方法は,JIS K 

1321

及び標準比重法による。

(3)

試料の状態調節

試料は 4.3 によって測定した水分が 0.3%以下のものを用いる。0.3%以上の水分を含む試料について

は,105±5℃の恒温乾燥器中で乾燥して水分 0.3%以下にする。

(4)

操作

試料約 0.25g を化学はかりで量り取り,共せん三角フラスコ 100ml に移す。これに 98.0±0.2%の濃

硫酸を,この硫酸 25ml に対して試料が 0.250±0.001g になるように加えて試料を溶かす(

4

)

次に完全に溶かした試料溶液 15ml を粘度計に取り,恒温水槽中で 25.0±0.1℃に温度調節を行った

後,粘度計の上部刻線から下部刻線の間を流下する時間をストップウォッチで測定する。

同様に溶媒硫酸について使用粘度計の空試験を行う。


21

K 6920-1 : 2000

流下時間の測定は 4 回行い,最初の測定値は捨てて平均値を取る。

(

4

)

溶解時の温度は,50℃を越えないように調節する。

(5)

計算  次の式によって相対粘度

η

r

を小数点以下 1 桁まで求める。

0

T

T

r

=

η

ここに,

T

:  試料溶液の流下時間 (s)

T

0

:  溶媒硫酸の流下時間 (s)

4.4.2

ぎ酸溶液による方法

(1)

装置  装置は次による。

a)

恒温水槽

b)

粘度計  オスワルド計又はこれに相当する他の粘度計を用いてもよい。試料溶液用には 25℃で水の

流下時間が 10∼15 秒のもの。溶媒ぎ酸用には 25℃で水の流下時間が 100∼200 秒のものを用いる。

c)

温度計  ベックマン温度計

d)

化学はかり  感量 1mg のもの

e)

ストップウォッチ

f)

ホールピペット  15ml のもの

g)

自動ビュレット  ぎ酸計量用

h)

共せん付三角フラスコ  150ml のもの

i)

ピクノメーター  4.1.3(1)-a)に規定したもの

(2)

試薬  試薬は次による。

a)

 (90.0

±0.2) %ぎ酸  JIS K 8264 の特級で調整する。この場合の濃度検定方法は,JIS K 8264 によっ

て行う。

b)

グリセリン  JIS K 8295 の 1 級又は相当品を用いて,5,10,75,85,90%の各水溶液を調製する。

(3)

試料の調製  4.4.1(3)による。

(4)

操作

試料約 5.5g を化学はかりで量り,共せん付三角フラスコ 150ml に移す。これに (90.0±0.2) %のぎ

酸を,このぎ酸 50ml に対して試料が 5.5±0.001g になるように加え,よくかき混ぜて試料を完全に溶

かす。

次に完全に溶かした試料溶液 15ml を粘度計に取り,恒温水槽中で 25.0±0.1℃に温度調節を行った

後,粘度計の上部刻線から下部刻線の間を流下する時間をストップウォッチで測定する。

同様に溶媒ぎ酸についても,15ml を溶媒用粘度計に取り,同様の操作を行い流下時間を測定する。

流下時間の測定は 4 回行い,最初の測定値は捨てて平均値をとる。また,試料溶液及び溶媒ぎ酸の密

度は,ピクノメーターを用いて 25.0±0.1℃の恒温水槽に 30 分間放置した後,小数点以下 3 桁まで求

める。

(5)

計算  次の式によって相対粘度

η

r

を整数値で求める。

a

s

a

s

a

s

a

s

r

S

S

T

T

K

K

×

×

=

=

η

η

η

ここに,

η

r

試料溶液の粘度 (mPa・s)

η

a

溶媒ぎ酸の粘度 (mPa・s)

K

a

溶媒ぎ酸に用いた粘度計定数(

5

)

K

s

試料溶液に用いた粘度計定数(

6

)


22

K 6920-1 : 2000

S

s

試料溶液の 25℃における密度 (g/cm

3

)

S

a

溶媒ぎ酸の 25℃における密度 (g/cm

3

)

T

s

試料溶液の流下時間 (s)

T

a

溶媒ぎ酸の流下時間 (s)

(

5

)

溶媒ぎ酸用粘度計定数の測定法

あらかじめ蒸留水及び 5.0%,10.0%のグリセリン水溶液を調製し,それぞれについて 15ml

を溶媒用粘度計に取り,恒温水槽中で 25.0±0.1℃に温度調節を行った後,粘度計の上部刻線か

ら下部刻線の間を流下する時間をストップウォッチで測定する。

5.0%

及び 10.0%グリセリン水溶液の密度は,ピクノメーターを用いて 25.0±0.1℃において測

定する。粘度計定数 K

a

は,次の式から求める。

S

T

K

a

×

=

η

ここに,

η

蒸留水又はグリセリン水溶液 (5.0%, 10.0%) の粘度 (mPa・s)

T

蒸留水又はグリセリン水溶液 (5.0%, 10.0%) の流下時間 (s)

S

蒸留水又はグリセリン水溶液 (5.0%, 10.0%) の密度 (g/cm

3

)

K

a

は 3 個の平均値とする。

(

6

)

試料溶液用粘度計定数の測定法

あらかじめ 75%,85%,90%のグリセリン水溶液を調製し,以下

(

5

)

と同様の操作を行って,

K

s

を求める。25℃におけるグリセリン水溶液の粘度としては次の

附属書 表 の値を用いる。

附属書 表 2  グリセリン水溶液の粘度

グリセリン水溶液の濃度 (%)

粘度 (mPa・s)

0

(蒸留水) 0.893

5.00 1.010

10.00 1.153

75.00 27.73

85.00 81.50

90.00 163.60

4.5

単量体及び低分子量重合体の含有率

4.5.1

装置  装置は次による。

(1)

化学はかり  感量 1mg のもの

(2)

恒温乾燥器

(3)

丸底フラスコ  500ml のもの

(4)

加熱器  ガスバーナー又は電気ヒーター

(5)

還流冷却器  300mm のもの

(6)

ステンレス鋼製金網袋  ふるい目の開き 710

µm のもの

(7)

デシケーター  塩化カルシウム入り

(8)

水分測定装置

4.5.2

水分測定用試薬  4.3.2(1)(2)及び(3)による。

4.5.3

操作  あらかじめ 4.3 によって水分を測定した試料約 10g をステンレス鋼製金網袋に入れ,それを

はかりびんに入れて質量を量る。

次に試料を金網袋とともに 500ml の丸底フラスコに入れ,蒸留水 250ml を加え,還流冷却器を付けて 6

時間煮沸する。その後デカンテーションによって抽出液を捨て,新たに 250ml の蒸留水を加えて 10 分間


23

K 6920-1 : 2000

煮沸し,煮沸後抽出液を捨てる。この 10 分間の煮沸,洗浄を繰り返した後,金網袋をフラスコから取り出

し,はかりびんに入れ,ふたをしないで 105±5℃で約 4 時間乾燥する。デシケー夕ー中で放冷した後,は

かりびんにふたをして質量を量る。

次に,この抽出乾燥された試料の水分を 4.3 によって測定する。測定は 1 回とする。

4.5.4

計算  次の式によって単量体及び低分子量重合体の含有率

η

0

を小数点以下 1 桁まで求める。

100

)

100

(

)

100

(

)

100

(

1

1

2

2

1

1

0

×

=

W

P

W

P

W

P

η

ここに,

P

1

:  試料の質量 (g)

W

1

:  試料中の水分 (%)

P

2

:  抽出乾燥後の試料の質量 (g)

W

2

:  抽出乾燥後の試料中の水分 (%)

4.6

引張強さ及び伸び

4.6.1

試験片  試験片は附属書 図 に示すとおりの形状,寸法に成形するか,又は成形した板又は棒

から切り取って作る。

4.6.2

装置  装置は次による。

(1)

試験機  クロスヘッド速度一定型で,固定部分と可動部分にそれぞれつかみ具をもち,荷重が加わる

とつかみ具が自由に動いて試験片の長軸が引張応力の方向に一致するよう一列に並ぶ自己一列式のも

のを使用する。試験機には試験片に加わる全引張荷重を示すことができる適当な荷重指示装置を装備

する。この機構は規定する試験速度において本質的に慣性遅れがなく,荷重を±1%以上の正確さで示

すものでなければならない。

(2)

マイクロメータ  JIS B 7502 に規定するもの

4.6.3

状態調節  試験前に試験片を 48 時間状態調節する。

4.6.4

操作

(1)

試験機の速度を 5mm/min にセットする。マイクロメーターを用いて試験片の寸法を測定する。

(2)

試験片を試験機のつかみ具に取り付け,試験片の長軸が二つのつかみ具のそれぞれ機械に取り付けら

れる点を結ぶ線と同一線上に並ぶように注意して取り付ける。このときつかみ具の間の距離は,

附属

書 図 に示すとおりとし,試験片の中心がつかみ具の間の中央にくるようにする。試験中に試験片

が滑らないように,つかみ具を平均にしっかり締める。

(3)

機械を作動させ,試験片が破断するまでの最大荷重と破断時の標線間距離の伸びを測定する。


24

K 6920-1 : 2000

附属書 図 5  引張試験片

4.6.5

計算

(1)

次の式によって引張強さ T (MPa)  を求める。

T

WA

ここに,  W:  試験片が破断するまでの最大荷重 (N) 

A

:  試験片のもとの最小断面積 (mm

2

)

(2)

次の式によって伸び

ε (%)  を求める。

ε=(⊿ll)×100

ここに,

l

もとの標線間距離 (mm)

l

試験片が破断した時の標線間の伸び (mm)

4.7

曲げ弾性率

4.7.1

試験片  試験片は附属書 図 に示すとおりの形状,寸法に成形するか,又は成形した板又は棒

から切り取って作る。

4.7.2

装置  装置は次による。

(1)

試験機  クロスヘッド速度を一定に保てる適当な材料試験機で,試験片に加わる全荷重及びクロスヘ

ッドの移動距離を示すことができる適当な記録装置をもつもの。ただし,試験機及び記録装置は,標

準荷重及びクロスヘッドの移動距離に対して許容誤差が±1%以下でなければならない。

(2)

支点

附属書 図 に示すように先端に 3.2±0.1mm の丸みをもち,支点間距離を適当に調節できる

金属製の支点。

(3)

加圧子

附属書 図 に示すように先端に 3.2±0.1mm の丸みをもった金属製の加圧子。

(4)

マイクロメーター  4.6.2(2)に規定したもの。

(5)

ノギス  JIS B 7507 のもの。


25

K 6920-1 : 2000

附属書 図 6  曲げ試験片

附属書 図 7  曲げ試験方法

4.7.3

状態調節  試験前に試験片を 96 時間状態調節する。

4.7.4

操作  操作は次による。

(1)

試験機のクロスヘッド速度を 3mm/min にセットする。

(2)

試験片の中央部の幅と厚さをマイクロメーターで測定し,長さをノギスで測定する。

(3)

次に試験片を 101.6mm の支点間距離で支え,

附属書 図 に示すようにその中央に加圧子で荷重を加

え,荷重とたわみ量を記録し,最大荷重を示してから試験機を止める。

4.7.5

計算  次に式によって曲げ弾性率 E (MPa)  を求める。

3

3

4bd

m

L

E

=

ここに,

L

:  支点間距離 (mm)

b

:  試験片の幅 (mm)

d

:  試験片の厚さ (mm)

m

:  荷重−たわみ曲線において初期の直線部分のこうばい (N/mm)

4.8

衝撃強さ

4.8.1

試験片  試験片は附属書 図 に示すとおりの形状,寸法に成形するか,成形した板又は棒から

切り取って作る。ノッチはフライス盤又は旋盤で,なるべく 1 枚歯のカッターを使って試験片に付ける。

ノッチ角は 45±1°とし,ノッチ先端は,半径 0.25±0.025mm の丸みをもたせる。


26

K 6920-1 : 2000

附属書 図 8  アイゾット衝撃試験片

4.8.2

装置  装置は次による。

(1)

振り子型片持ばりアイゾット衝撃試験機  試験機の打撃すい(錐)の打点中心が衝撃点すなわち打撃

刃の中心にあるようにする。打撃刃の先端は,半径 0.8mm の円筒形とする。試験片を支持台の面の縁

と直角になるよう,垂直にしっかり締め付けられるような装置を備える。

(2)

マイクロメータ  4.6.2(2)に規定したもの。

(3)

ノギス  JIS B 7507 のもの。

4.8.3

状態調節  試験前に試験片を 96 時間状態調節する。

4.8.4

操作  操作は次による。

(1)

試験片は

附属書 図 に示すように試験片の切り込み面を試験機の打撃刃の方向に向け,試験片切込

部の中心線を支持台の上面と同一平面にあるように正確に合せて確実にはさむ。

(2)

次に,振子を打撃刃の中心の線速度がほぼ 3.35m/s になるような位置に持ち上げてセットする。

(3)

附属書 図 に示す位置を打撃刃で衝撃を加える。試験片を破壊するのに要したエネルギーの量を記

録する。

附属書 図 9  アイゾット衝撃試験におけるハンマー及び支持台

4.8.5

計算

(1)

次の式によって衝撃強さ a

ki

 (J/m)

を求める。

3

10

×

=

b

E

a

ki

ここに,  E:  試験片の破壊に要したエネルギー (J) 

b

:  ノッチ幅 (mm)

(2)

アイゾット法  ノッチ付きを明記する。

4.9

熱変形温度


27

K 6920-1 : 2000

4.9.1

試験片  試験片は附属書 図 10 に示すとおりの形状,寸法に成形するか,又は成形した板又は棒

から切り取って作る。

附属書 図 10  熱変形温度試験片

4.9.2

装置  装置は次による。

(1)

加熱変形試験機

附属書 図 11 に示すような加熱変形試験機を使用する。

試験片を載せる支持台は鋼製で,支持台間のスパンは 101.6mm とする。荷重棒を通して荷重がスパ

ンの中央の点で試験片の面に垂直に加えられるようになっている。

試験片に触れる支持台の先端と荷重棒の加圧子の先端は,いずれも 3.2mm の半径で丸める。試験機

のひずみ指示計の部品の線膨張係数がひずみ測定値に影響があるので,あらかじめ線膨張係数の分か

ったガラス板で試験して,試験温度の全域にわたって各温度に対する補正値を求めておく。

附属書 図 11  加熱変形試験機

4.9.3

状態調節  試験前に試験片を 96 時間状態調節する。

4.9.4

操作

(1)

熱伝導媒体として鉱油又はシリコーン油を使用する。

(2)

試験片を油中に浸して,支持台に置き,1.824MPa±2.5 %の最大曲げ応力が作用するよう,試験片の中

央部に 5 分間荷重をかけ(

7

)

,ダイヤルゲージの零点を合わせてから浴温を 2.0±0.2℃/min の速度で上

昇させ,試験片が 0.254mm たわんだときの温度を求める。

(

7

)

荷重棒,ダイヤルゲージのスプリング圧も含め,荷重 P (N)  は,次の式によって算出する。


28

K 6920-1 : 2000

P

=2

σ

bd

2

/3l

ここに,

P

荷重 (N)

σ

試験片にかかる最大曲げ応力 (MPa)

b

試験片の厚さ (mm)

d

試験片の幅 (mm)

l

試験片の支点間(スパン)の距離 (mm)

5.

報告

(1)

材料の種類,名称

(2)

試験項目と結果

(3)

この規格と異なった試験片,試験機,状態調節,試験条件を使用したときはその詳細

(4)

試験場所

(5)

試験年月日

(6)

その他必要と思われる事項

関連規格  JIS Z 8203  国際単位系 (SI) 及びその使い方

JIS K 6920-1

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

植  村      勝

工学院大学

八  田      勲

通商産業省工業技術院標準部

西  出  徹  雄

通商産業省基礎産業局

橋  本      進

財団法人日本規格協会技術部

高  杉  和  徳

株式会社東芝映像メディア事業本部

吉  川  高  雄

財団法人鉄道総合技術研究所技術支援部

清  水  邦  明

旭化成工業株式会社樹脂技術センター

森  田  修  司

宇部興産株式会社化学・樹脂事業本部開発部

駒  田      肇

ダイセル・ヒュルス株式会社開発営業部

大  野  禎  史 DSM

JSR

エンプラ株式会社

林      健  一

デュポン株式会社宇都宮事業所 EP 品質保証部

葭  原      法

東洋紡績株式会社樹脂技術センター

菅      尚  彦

東レ株式会社生産技術 2 部

前  田  昌  宏 BASF ジャパン株式会社ポリマー本部技術開発グループ

横  内      満

ポリプラスチック株式会社技術部

桜  井  正  憲

三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社品質保証部

山  口  泰  彦

ユニチカ株式会社東京本社化成品事業本部

木  庭  道  夫

工業用熱可塑性樹脂技術連絡会

酒  井  昌  利

日本プラスチック工業連盟

◎は委員長,○は委員を示す。

JIS K 6920-1 

: 2000

の原案のまとめ及び解説担当者は、桜井正憲である。