>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

日本工業規格

JIS

 K

6892

-1995

四ふっ化エチレン樹脂ペースト

押出成形粉試験方法

Testing methods for polytetrafluoroethylene

powder for paste extrusion

1.

適用範囲  この規格は,ペースト押出成形に用いられる四ふっ化エチレン樹脂成形粉(

1

)

(以下,成形

粉という。

)の試験方法について規定する。

(

1

)

ここにいう四ふっ化エチレン樹脂成形粉とは,充てん剤及び顔料を含まないものをいう。

備考1.  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS B 2401

  O リング

JIS B 7420

  限界ゲージ

JIS B 7502

  マイクロメータ

JIS B 7507

  ノギス

JIS B 7516

  金属製直尺

JIS G 3101

  一般構造用圧延鋼材

JIS G 4051

  機械構造用炭素鋼鋼材

JIS G 4303

  ステンレス鋼棒

JIS G 4304

  熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯

JIS G 4305

  冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯

JIS G 4308

  ステンレス鋼線材

JIS G 4309

  ステンレス鋼線

JIS H 3250

  銅及び銅合金棒

JIS H 3300

  銅及び銅合金継目無管

JIS K 6889

  四ふっ化エチレン樹脂丸棒

JIS K 8680

  トルエン(試薬)

JIS R 1301

  化学分析用磁器るつぼ

JIS Z 8401

  数値の丸め方

JIS Z 8703

  試験場所の標準状態

JIS Z 8801

  試験用ふるい

2.

この規格の中で{  }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,

参考として併記したものである。


2

K 6892-1995

2.

試料の採り方  品質が同一とみなすことのできるロットから表 に示す数の容器をランダムに選び,

それぞれの容器からほぼ等表の成形粉を採り,よく混合して試料とする。

表 1

ロット内容器数

試料採取最小容器数

1

1

2

2

3

5

3

6

10

4

11

100

5

101

1 000

6

3.

試験片の作り方  試験片は,外径約 5mm,内径約 4mm の管状とする。試験片は,次の方法によって

作る。

3.1

予備成形  成形粉は,25±2℃の温度に 1 時間以上放置した後,その温度で JIS Z 8801 の 1.7mm の

ふるいでよくふるい,通過したもの 100±0.1g を量り取り試料とする。これを 500ml の広口ガラス瓶に入

れ,25±0.1g の JIS K 8680 の特級品を器壁をぬらさないように少しずつ加え(

2

)

,栓をして 3 分間よく振っ

て試料とトルエンを混合させる。

直ちにこれを

図 に示す予備成形金型に加圧しないように均一に入れる。

圧縮試験機又は油圧プレスなどで押棒の移動速度が 50mm/min 以上にならないように静かに加圧し,成形

圧 0.98±0.098MPa {10±1kgf/cm

2

}

で 1 分間保ち,予備成形を行う。

(

2

)

トルエンはあらかじめ容積に換算して,ビュレット又はメスピペットで量り取り,試料の上に

注入するとよい。


3

K 6892-1995

図 1  予備成形金型

3.2

押出成形  押出成形には図 に示す押出成形金型を用いる。押出成形試験機の参考例を図 に示す。

3.1

によって作られた予備成形品を予備成形金型から取り出し,直ちに金型下部を 60±5℃の温度に保った

押出成形試験機に移す。次に,これを容量 3 トン以上の圧縮試験機又は油圧プレスなどに取り付け,5∼

10mm/min

の速度でラムを移動させ,押出成形を行う。成形品が出はじめてから約 1m を切り捨て,以後の

成形品は鋭利な刃物で 25±1cm の長さに 15 本切り取り,

図 に示す試料保持台の棒に差し込んで室温で

12

∼24 時間放置する。


4

K 6892-1995

図 2  押出成形金型

単位 mm

符号

名称

寸法

D

1

上部ダイ径 35.0

D

2

下部ダイ径

5.0

D

3

サーモカップル差込孔径

2

d

1

上部マンドレル径

5.0

d

2

下部マンドレル径

4.0

R

1

上部ダイ半径 29

R

2

下部ダイ半径

0.5

R

3

マンドレル先端半径

0.5

L

1

ダイランド 25

L

2

マンドレルランド 56

L

3

中心からの距離 17

a

ダイ角度 30°


5

K 6892-1995

図 3  押出成形試験機(参考例)


6

K 6892-1995

図 4  試料保持台

3.3

焼成  次に試料保持台を 365±5℃に保たれた電気炉に入れ,炉内の温度が再び 365±5℃になってか

ら 30±3 分間加熱して焼成した後取り出し,室温で放冷する。

4.

試験項目  成形粉の試験項目は,表 のとおりとする。


7

K 6892-1995

表 2

試験項目

粉末で行う
試験

成形して行
う試験

試験回数

試験結果の求め
る位

該当試験項目番号

外観

1

5.2

ふるい分け試験

2

回(平均値)

整数位

5.3

見掛け密度

1

小数点以下 2 位

5.4

水分及び高温揮発分

2

回(平均値) 小数点以下 2 位

5.5

融点

1

整数位

5.6

寸法変化率

3

回(平均値) 小数点以下 1 位

5.7

比重

2

回(平均値) 小数点以下 2 位

5.8

引張強さ

小数点以下 2 位

伸び

3

回(平均値)

整数位

5.9

耐電圧

5

5.10

備考  表中の○印は,該当する試験項目を示す。 

5.

試験方法

5.1

試験条件  試料及び試験片は,次の試験状態に 1 時間以上放置した後試験を行う。

(1)  5.2

(外観)

5.5(水分及び高温揮発分)

5.6(融点)及び 5.10(耐電圧)の場合は,JIS Z 8703 の標

準温度状態 4 級 (20±15℃),標準湿度状態 3 級 [(65±20) %]  の室内で行う。

(2) 5.3

(ふるい分け試験)

5.4(見掛け密度)

5.7(寸法変化率)

5.8(比重)及び 5.9(引張強さ及び伸

び)の場合は,JIS Z 8703 の標準湿度状態 3 級 [(65±20) %]  の室内で行い,試験温度は 25±2℃とす

る。

5.2

外観  成形粉については,適当量をガラス板上に広げ,不純物,着色などの有無を,また 3.2 によっ

て作られた押出成形品及び 3.3 によって作られた試験片については,き裂,着色,異物などの有無を肉眼

で調べる。

5.3

ふるい分け試験

5.3.1

装置及び器具

(1)

はかりは,上皿はかりを用いる。

(2)

ふるいは,

ふるい目の大きさ 1.7mm の JIS Z 8801 

付表 の網ふるいを用い,枠は付表 の直径 150mm,

深さ 45mm を用いる。

5.3.2

操作  試料 50∼100g を 0.5g まで量り採る。下部に受皿を付けたふるいに試料を入れ,ふたをして

手動で 3 分±15 秒間振とうする。受皿に移った試料の質量を 0.5g まで正確に量る。

5.3.3

計算  次の式によって通過量 W

p

 (%)

を算出する。

100

1

0

×

=

W

W

W

P

ここに,  W

0

:  試料の質量 (g)

W

1

:  受皿に移った試料の質量 (g)

5.4

見掛け密度

5.4.1

装置及び器具  見掛け密度測定装置は,図 に示す形状・寸法の金属製(黄銅又はステンレス鋼)

のものとする。


8

K 6892-1995

5.4.2

操作  5.3 によってふるい分けてふるい目を通過した試料約 120ml を採取し,ダンパーを差し込ん

だ見掛け密度測定装置の漏斗に入れる。速やかにダンパーを引き抜き,

図 のはかり瓶に落とす。試料が

漏斗に付着して落ちない場合には,漏斗の器壁を軽くたたくか,細い針金で突いて落とす。はかり瓶から

盛り上がった試料は,振動させないように静かに平板ですり落とした後,試料の入ったはかり瓶の質量を

0.5g

まで正確に量る。

5.4.3

計算  次の式によって見掛け密度 D

A

 (g/ml)

を算出する。

B

A

C

D

A

=

ここに,

A

:  はかり瓶の質量 (g)

B

:  はかり瓶の内容積 (ml)

C

:  試料の入ったはかり瓶の質量 (g)

図 5  見掛け密度測定装置

5.5

水分及び高温揮発分

5.5.1

装置及び器具

(1)

るつぼは,白金製又は磁製るつぼを用いる。

磁製るつぼを用いる場合は,JIS R 1301 の A 形 50ml のものとする。

(2)

加熱装置は,電気恒温乾燥器及び電気炉とする。

(3)

デシケーターは,塩化カルシウム入りのものとする。


9

K 6892-1995

5.5.2

操作  試料約 10g を採り,質量既知の白金製又は磁製るつぼ(

3

)

に入れて,1mg まで正確に量る。次

に,これを 150±5℃に保たれた電気恒温乾燥器中に移し,その内部の温度が 150±5℃になってから 2 時間

乾燥した後,デシケーター中に室温になるまで放冷し,再び 1mg まで正確に量る。

次に,試料をるつぼに入れたままで 370±5℃に加熱した電気炉に移し,試料付近の温度が 370±5℃にな

ってから 2 時間加熱した後取り出し,再びデシケーター中に室温になるまで放冷する。冷却後 1mg まで正

確に量る。

5.5.3

計算  次の式によって水分 W

L

 (%)

及び高温揮発分 W

H

 (%)

を算出する。

100

100

0

2

1

0

1

0

×

=

×

=

W

W

W

W

W

W

W

W

H

L

ここに,

W

0

試料の質量

 (g)

W

1

 150

±

5

℃で

2

時間加熱後の試料の質量

 (g)

W

2

 370

±

5

℃で

2

時間乾燥後の試料の質量

 (g)

(

3

)

磁製るつぼを使用する場合は,なるべく早く量るようにする。

5.6

融点

5.6.1

試験片  試料約

0.05g

を直径約

10mm

の円筒形金型に入れ,圧力約

98MPa {1tf/cm

2

}

を加え,厚さ

0.2mm

のシートを成形する。このシートの乳白色半透明な部分を

3mm

角程度の大きさに切り取って試

験片とする。

5.6.2

装置及び器具  融点測定装置は,図 に示す構造のものとする。

5.6.3

操作  試験片を,融点測定器のアルミニウム製試験片加熱体の中央のくぼみの底に置き,その上に

板ガラス(約

20mm

角,厚さ

0.5mm

以下)を重ねる。試験片の加熱体のくぼみの上部を更に板ガラスで覆

う。試験片加熱体の外周に巻き付けたニクロム線ヒーターの端子電圧を電圧調整器によって加減し,試験

片加熱体の温度を調節する。

室温から

310

℃までは温度上昇速度を約

15

/min

とし,

310

℃になったら電圧を下げて温度上昇速度を

1

/min

になるように調節する。

310

℃以後は

1

℃ごとに試験片を観察し,試験片の外側の一端が乳白色か

ら透明に変化した温度を記録し,これを未焼成物の融点とする。試験片が全部透明になってから電流を断

ち,約

300

℃まで冷却する。次に,その試験片について前述の昇温操作を繰返し,再び試験片の外側の一

端が乳白色から透明に変化した温度を記録し,焼成物の融点とする。

5.7

寸法変化率

5.7.1

試験片  3.2 によって作られた焼成前の管の中央部に標点間距離

100mm

の標点を付け,これを試験

片とする。

5.7.2

装置及び器具

(1)

外径の寸法変化率の測定には JIS B 7502(目盛

0.01mm

)に規定するもの又はこれと同等以上のものを

使用する。

(2)

長さの寸法変化率の測定には JIS B 7516 

1

級品で最小読取り長さ

0.5mm

のもの又はこれと同等以上

のものを使用する。

5.7.3

操作  試験片の標点間距離を

1mm

まで測る。金型の内径を

0.1mm

まで測っておき,それぞれ焼成

前の長さ及び外径とする。

次に 3.3 の方法によって焼成し,再び標点間距離を

1mm

まで,外径を

0.1mm

まで測り,焼成後の長さ


10

K 6892-1995

及び外径とする。

5.7.4

計算  次の式によって長さの寸法変化率

L

v

 (%)

及び外径の寸法変化率

D

v

 (%)

を算出する。測定は

それぞれ

3

個の試験片について行い,長さの変化率は

3

個の平均値で,また外径は

1

本につき

3

か所の測

定を行い,

9

個の算術平均値で表す。


11

K 6892-1995

図 6  融点測定器


12

K 6892-1995

100

100

0

0

1

0

0

1

×

=

×

=

D

D

D

D

L

L

L

L

V

V

ここに,

L

0

焼成前の試験片の長さ

 (mm)

L

1

焼成後の試験片の長さ

 (mm)

D

0

金型の内径

 (mm)

D

1

焼成後の試験片の外径

 (mm)

5.8

比重

5.8.1

試験片  3.3 によって作られた管から切り取った約

50mm

の長さのものを試験片とする。

5.8.2

装置及び器具  てんびんは,感度

1mg

のものとする。

5.8.3

操作  試験片の質量を空気中で量り,次に細線で結び,蒸留水中につるしたまま量る。更に,使用

した細線を同じ状態で水中につるして量る。質量の測定は,規定された温度の空気中及び水中で行い,

1mg

まで読み取る。

5.8.4

計算  次の式によって比重

G (25/25

)

を求める。

(

)

B

A

W

W

G

=

ここに,

W

試験片の空気中の質量

 (g)

A

細線に取り付けた試験片の水中における質量

 (g)

B

細線の水中における質量

 (g)

5.9

引張強さ及び伸び

5.9.1

試験片  3.3 によって作られた管の約

150mm

の長さのものを試験片とする。

5.9.2

装置及び器具

(1)

試験機は,クロスヘッド速度を一定に保つことのできる材料試験機とする。ただし,その試験機の許

容誤差は,標準荷重に対し±

1%

以内とする。

(2)

寸法測定器は,外径の測定には JIS B 7502 の外側マイクロメータ,内径の測定には JIS B 7420 の限界

ゲージ,また長さの測定には JIS B 7507 の最小読み取り長さ

0.05mm

のもの又はこれと同等以上のも

のとする。

5.9.3

操作  試験片の両端部の外径及び内径を,それぞれ内側マイクロメータ及び限界ゲージを用いて測

り,断面積を算出し,両端の断面積の平均値を試験片の断面積とする。試験片の中央部に標点間距離

40mm

の標点を付け,つかみの間隔が

80mm

になるように試験機に取り付ける。クロスヘッド速度は

200

±

20mm/min

とする。試験片に荷重を加え,標点内で切断したときの荷重及び伸びを測る。

5.9.4

計算  引張強さ

T (MPa) {kgf/mm

2

}

及び伸び

L

E

 (%)

は,次の式によって算出する。

A

P

T

=

100

0

0

1

×

=

L

L

L

L

E

ここに,

P

切断時の荷重

 (N) {kgf}

A

試験前の試験片の断面積

 (mm

2

)

L

0

試験前の標点間距離

 (mm)

L

1

切断時の標点間距離

 (mm)

5.10

耐電圧


13

K 6892-1995

5.10.1

試験片  3.3 によって作られた管の約

150mm

の長さのものを試験片とする。

5.10.2

装置及び器具

(1)

電極は試験片の内径によく密着する,よく磨いた金属棒と幅

25mm

の金属はくとする。

(2)

試験用変圧器は,

50Hz {50c/s}

又は

60Hz {60c/s}

の商用周波数の電圧を加えることのできる最大電圧

15kV

以上のものとする。電極間にかかる電圧の波高率は,

1.34

1.48

であること。

5.10.3

操作  試験は,空気中で行う。図 に示すように金属棒を試験片に挿入して内部電極とし,金属は

くを中央に巻き付けて外部電極とする。外部電極に高圧印加用リード線を接続し,内部電極は接地する。

印加電圧を速やかに

5kV

まで上昇させ,この電圧で

1

分間耐えるかどうかを調べる。

図 7  耐電圧試験片の電極配置図

6.

数値の丸め方  試験結果は,各試験項目において決められる数値より

1

けた下の位まで算出して,JIS 

Z 8401

により丸める。

関連規格

JIS Z 8203

  国際単位系

 (SI)

及びその使い方


14

K 6892-1995

高分子部会  四ふっ化エチレン樹脂押出成形粉試験方法専門委員会  構成表(昭和 42 年 5 月 1 日制定のとき)

氏名

所属

(委員会長)

桜  井  高  景

明治大学工学部

太  田  清  水

日本国有鉄道鉄道技術研究所

丸  田  幸  栄

工業技術院標準部

代  永  久  寿

通商産業省化学工業局

梅  原      稔

三井フロロケミカル株式会社販売部

木  村  茂  夫

ダイキン工業株式会社東京営業部

野間口  兼  良

日本弗素化学協会

森  山  康  弘

日東電気工業株式会社茨木工場

柿  沼  弥  一

日本ダッジファイバース株式会社東京出張所

荒  木  義  男

日本バルカー工業株式会社厚木工場

三  枝  幸次郎

日本ピラー工業株式会社技術部

田  中  年  男

日本アスベスト株式会社鶴見工場

渡  辺  雅  夫

住友電気工業株式会社研究部

三  浦  勇  三

東京芝浦電気株式会社中央研究所

藤  井  一  正

スターライト工業株式会社徳庵工場

鳥  居  忠  一

藤倉電線株式会社本社工場

樫  村  寿  雄

日立化成株式会社山崎工場

吉  田  恒  美

古河電工株式会社横浜電線製造所

今  本      正

電子機械工業会

浅  田  光  雄

三井物産株式会社合成樹脂部

山  田  平八郎

三菱商事株式会社合成樹脂部

(事務局)

山  脇  政  次

工業技術院標準部繊維化学規格課

山  田  耕  平

工業技術院標準部繊維化学規格課

(事務局)

青  木  誠  治

工業技術院標準部繊維化学規格課(昭和 51 年 3 月 1 日改正のとき)

石  川  哲之介

工業技術院標準部繊維化学規格課(昭和 51 年 3 月 1 日改正のとき)

(事務局)

小  林      勝

工業技術院標準部繊維化学規格課(平成 7 年 4 月 1 日改正のとき)

砂  川  輝  美

工業技術院標準部繊維化学規格課(平成 7 年 4 月 1 日改正のとき)