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日本工業規格

JIS

 K

6891

-1995

四ふっ化エチレン樹脂

成形粉試験方法

Testing methods for polytetrafluoroethylene molding powder

1.

適用範囲  この規格は,圧縮成形又は押出成形に用いられる四ふっ化エチレン樹脂成形粉(

1

)

(以下,

成形粉という。

)の試験方法について規定する。

(

1

)

ここにいう四ふっ化エチレン樹脂成形粉とは,充てん剤及び顔料などを含まないものをいい,

ペースト押出しに用いられる成形粉を除く。

備考1.  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS B 7502

  マイクロメータ

JIS B 7507

  ノギス

JIS K 6251

  加硫ゴムの引張試験方法

JIS R 1301

  化学分析用磁器るつぼ

JIS Z 8401

  数値の丸め方

JIS Z 8703

  試験場所の標準状態

JIS Z 8801

  試験用ふるい

2.

この規格の中で{  }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,

参考として併記したものである。

2.

用語の定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。

(1)

フリーベーキング  ここでいうフリーベーキングとは,常温で圧縮成形(予備成形)されたものを金

型から取り出して焼成炉に入れ,結晶が十分無定形化するまで焼成を行い,そのまま炉中で冷却する

方法をいう。

(2)

ホットコイニング  ここでいうホットコイニングとは,常温で圧縮成形されたものを加熱成形用金型

に移して金型とともに焼成炉に入れ,結晶が十分無定形化するまで焼成を行った後に直ちに成形機に

移し,加圧しながら冷却する方法をいう。

3.

試料の取り方及び試験片用素材の作り方

3.1

試料の取り方  品質が同一とみなすことのできるロットから,表 に示す数の容器をランダムに選

び,それぞれの容器からほぼ等量の成形粉を取り,よく混合して試料とする。その量は,試験に必要な量

の約 2 倍とする。


2

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表 1

ロット内容器数

試料採取最小容器数

1 1

2 2

3

∼ 5

3

6

∼ 10

4

11

∼ 100

5

101

∼ 1  000

6

3.2

試験片用素材の作り方

3.2.1

フリーベーキング法による板  試料を JIS Z 8801 の 1.7mm のふるいでよくふるい,通過したもの

約 40g を

図 に示す金型に均等の高さに入れる。次に成形機によって徐々に加圧し,34.3±4.9MPa {350±

50kgf/cm

2

}

の圧力で 1 分間保ち,予備成形を行う。次に予備成形物を金型から取り出し焼成炉に移し,90

±30℃/h の割合で温度を上げ,365±5℃で 3 時間焼成する。次いで炉の温度を 50±5℃/h の割合で 200℃

まで下げた後,焼成物を室内に取り出して放冷する。

図 1  板成形用金型

3.2.2

フリーベーキング法によるテープ素材  試料を JIS Z 8801 の 1.7mm のふるいでよくふるい,通過

したもの約 150g を

図 に示す予備成形用金型に均等の高さに入れる。次に成形機によって徐々に加圧し,

34.3

±4.9MPa {350±50kgf/cm

2

}

の圧力で 1 分間保ち,予備成形を行う。次に予備成形物を金型から取り出

し焼成炉内に垂直に置き,90±30℃/h の割合で温度を上げ,365±5℃で 3 時間焼成する。次いで炉の温度

を 50±5℃/h の割合で 200℃まで下げた後,焼成物を室内に取り出して放冷する。


3

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3.2.3

ホットコイニング法によるテープ素材  3.2.2 と同じ方法で作った成形体を図 に示す加熱成形用

金型に移し,そのまま焼成炉内で 90±30℃/h の割合で温度を上げ,365±5℃で 3 時間焼成する。次に焼成

物を直ちに成形機に移して加圧し,14.7±4.9MPa {150±50kgf/cm

2

}

の圧力で 30 分間保った後,圧力を除

いて室温まで金型内で放冷する。


4

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図 2  予備成形用金型


5

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図 3  加熱成形用金型


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4.

試験項目及び試験回数  成形粉の試験項目及び試験回数は,表 による。

表 2  成形粉の試験項目及び試験回数

試験項目

粉末で行う試験

成形して行う試験

試験回数

該当試験項目番号

外観

1

5.2

見掛け密度

1

5.3

粒度分布

1

5.4

水分及び高温揮発分

2

回(平均値)

5.5

融点

1

5.6

比重

1

5.7

引張強さ及び伸び

3

回(平均値)

5.8

絶縁破壊電圧

        平均値

10

回    及び

        最低値

5.9

備考  表中の○印は,該当する試験項目を示す。 

5.

試験方法

5.1

試験条件  試料及び試験片は,下記の試験状態に 1 時間以上放置した後,試験を行う。

(1)  5.2

(外観)

5.3(見掛け密度)

5.4(粒度分布)

5.5(水分及び高温揮発分)

5.6(融点)及び 5.9(絶

縁破壊電圧)の場合は,JIS Z 8703 の標準温度状態 4 級 (20±15℃)  ,標準湿度状態 3 級 [(65±20) %]

の室内で行う。

(2)  5.7

(比重)

5.8(引張強さ及び伸び)の場合は,JIS Z 8703 の標準湿度状態 3 級 [(65±20) %]  の室内

で行う。ただし試験温度は,25±2℃とする。

5.2

外観  適当量をガラス板上に広げた成形粉及び 3.2 によって作られた試験片について,不純物,ちり,

着色の有無などを肉眼で調べる。

5.3

見掛け密度

5.3.1

装置及び器具

(1)

見掛け密度測定装置は,

図 に示す形状寸法の金属製(黄銅又はステンレス鋼)のものとする。

(2)

ふるいは,ふるい目の大きさ 1.7mm の JIS Z 8801 

付表 の網ふるいとする。


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図 4  見掛け密度測定装置

5.3.2

操作  試料の適当量を下部に受皿を付けたふるいに挿入した後,ふたをして機械的方法又は手動に

より約 3 分間ふるい分ける。

ふるい目を通過した試料約 120ml を採取し,ダンパーを差し込んだ見掛け密度測定装置の漏斗に挿入す

る。速やかにダンパーを引き抜き,

図 のはかり瓶に落とす。試料が漏斗に付着して落ちない場合には,

漏斗の器壁を軽くたたくか,細い針金で突いて落とす。

はかり瓶から盛り上がった試料は平板で擦り落とした後,試料の入ったはかり瓶の質量を 0.1g まで正確

に量る。

5.3.3

計算  次の式によって見掛け密度 D

A

 (g/ml)

を算出する。

B

A

C

D

A

ここに,

A

はかり瓶の質量

 (g)

B

はかり瓶の内容積

 (ml)

C

試料の入ったはかり瓶の質量

 (g)

5.4

粒度分布

5.4.1

装置及び器具

(1)

ふるいは,ふるいの大きさ

1.7mm

850

µm

500

µm

300

µm

250

µm

180

µm

150

µm

JIS Z 8801

付表 2

及び

付表 3

の網ふるいを用い,枠は

付表 5

の直径

150mm

,深さ

45mm

を標準とする

(

2

)


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(2)

ふるい機は,機械振動式のものとする

(

3

)

(

2

)

必要なふるい目の大きさについては,当事者間において協議の上決定する。

(

3

)

ふるい振動機は,ふるい直径

150mm

200mm

兼用で,深さ

45mm

のもの

6

個架けで,振動は

4

4.8Hz {240

290c/min}

,ハンマリング

2.28

2.75Hz {137

165c/min}

のものとする。

5.4.2

操作

  試料

50

100g

0.1g

まで正確に量り取る。ふるい目の小さいふるいから順次に重ね,最下

部に受皿を付けて,最上部のふるいに試料を挿入しふたをする。ふるい振動機をもって

10

分±

15

秒ふる

い分ける。

ふるい分けの終わった試料は各ふるいごとに,それぞれの質量を

0.1g

まで量る。

5.4.3

計算

  各粒度ごとの質量のふるい分け前の全試料に対する百分率を小数第

1

位まで算出する。誤差

は求めた百分率の和と

100%

との差をもって示す。求めた百分率の和が

100%

を超えるときは,誤差をマイ

ナスとして表す。

5.5

水分及び高温揮発分

5.5.1

装置及び器具

(1)

るつぼは白金製又は磁製るつぼを用いる。磁製るつぼを用いる場合は,

JIS R 1301

A

50ml

のも

のとする。

(2)

加熱装置は,電気恒温乾燥器及び電気炉とする。

(3)

デシケーターは,塩化カルシウム入りのものとする。

5.5.2

操作

  試料約

10g

を取り,質量既知の白金製又は磁製るつぼ

(

4

)

に入れて

1mg

まで正確に量る。次

に電気恒温乾燥器中に移し,器内の温度が

150

±

5

℃になってから

2

時間乾燥した後,デシケーター中に室

温になるまで放冷し,再度

1mg

まで正確に量る。

次に試料をるつぼに入れたままで電気炉に移し,炉内の温度が

370

±

5

℃になってから,

2

時間加熱した

後取り出し,デシケーター中に室温になるまで放冷する。冷却後

1mg

まで正確に量る。

(

4

)

磁製るつぼを使用する場合は,なるべく早く量るようにする。

5.5.3

計算

  次の式によって水分 W

L

 (%)

及び高温揮発分 W

H

 (%)

を算出する。値はそれぞれ

2

回の算術

平均をもって表す。

100

0

1

0

×

W

W

W

W

L

100

0

2

1

×

W

W

W

W

H

ここに,  W

0

:  試料の質量 (g)

W

1

: 150±5℃で 2 時間乾燥後の試料の質量 (g)

W

2

: 370±5℃で 2 時間加熱後の試料の質量 (g)

5.6

融点

5.6.1

試験片  試料約 0.05g を直径約 10mm の円筒形金型に入れ圧力約 98.1MPa {1tf/cm

2

}

を加え,厚さ

約 0.2mm のシートを成形する。このシートの乳白色半透明な部分を 3mm 角程度の大きさに切り取って試

験片とする。

5.6.2

装置及び器具  融点測定器は,図 に示す構造のものとする。


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図 5  融点測定器

5.6.3

操作  試験片を融点測定器のアルミニウム製試験片加熱体の中央のくぼみの底に置き,その上に板

ガラス(約 20mm 角,厚さ 0.5mm 以下)を重ねる。試験片の加熱体のくぼみの上部を,更に板ガラスで覆

う。


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試験片加熱体の外周に巻き付けたニクロム線ヒーターの端子電圧を電圧調整器によって加減し,試験片

の温度を調節する。

室温から 310℃までは温度上昇速度を約 15℃/min とし,310℃になったら印加電圧を下げて,温度上昇

速度を 1℃/min になるように調節する。

310

℃以後は 1℃ごとに(1 分間ごとに)試験片を観察し,試験片の外側が乳白色から透明に変化したと

きの温度を記録する。次に,電流を断ち放冷する。

以上の操作を 2 回繰り返す。第 1 回目の測定値及び第 2 回目の測定値を,それぞれ“未焼成物の融点”

及び“焼成物の融点”とする。

5.7

比重

5.7.1

試験片  3.2.1 によって作られた板から切り取った約 2g の質量のものを試験片とする。

5.7.2

装置及び器具  てんびんは,感度 1mg のものとする。

5.7.3

操作  試験片の質量を空気中で量り,次に細線で結び,蒸留水中につるしたまま量る。更に使用し

た細線を同じ状態で水中につるして量る。

質量の測定は,規定された温度の空気中及び水中で行い,1mg まで読み取る。

5.7.4

計算  次の式によって比重 G (25/25℃)  を求める。

)

(

B

A

W

W

G

ここに,  W:  試験片の空気中における質量 (g) 

A

:  細線に取り付けた試験片の蒸留水中における質量 (g)

B

:  細線の蒸留水中における質量 (g)

5.8

引張強さ及び伸び

5.8.1

試験片  3.2.1 で作られた板又は(

5

)5.9.1

によって切削されたテープから,

図 に示す JIS K 6251 

ダンベル状 3 号形を作り試験片とする。

(

5

)

試験片は当事者間の協定によって,いずれの試験片を選んでもよい。

図 6  引張強さ試験片

5.8.2

装置

(1)

試験機は,クロスヘッド速度を一定に保つことのできる材料試験機とする。ただし,その試験機の許

容誤差は,標準荷重に対し±1%以内とする。

(2)

寸法測定器は,JIS B 7502 の 0.01mm 目盛のもの又はこれと同等以上の精度をもつもの,JIS B 7507

の最小読取り長さ 0.02mm のノギス又はこれと同等以上の精度をもつものとする。


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5.8.3

操作  試験片の標点間隔内の 3 か所の厚さを外側マイクロメータで測定し,その算術平均を求めて

試験片の厚さとする。幅は打抜型の幅をそのまま用いる。クロスヘッド速度は 200±20mm/min とする。試

験片に荷重を加え,標点間隔内で切断したときの荷重及び伸びを測る。

切断箇所が試験片の標点間隔の内部以外である場合には,これを試験値に採用せず再試験を行う。

5.8.4

計算  引張強さ T (MPa) {kgf/mm

2

}

及び伸び L (%)  は,次の式によって算出する。値は 3 個の算術

平均をもって表す。

A

P

T

ここに,  P:  切断時の荷重 (N) {kgf} 

A

:  試験片の断面積 (mm

2

)

100

1

1

2

×

l

l

l

L

ここに,  l

1

:  試験前の標点間隔 (mm)

l

2

:  切断時の標点間隔 (mm)

5.9

絶縁破壊電圧

5.9.1

試験片  3.2.2 又は 3.2.3 によって作られた素材を旋盤などの適当な切削機を用いて,幅 30mm 及び

厚さ 0.10±0.01mm のテープに切削し,その中央部から約 1m を切り取り試験片とする。

5.9.2

装置

(1)

電極は,直径 12.5mm のよく磨いた 1 対の黄銅製球状のものとする。ただし電極の表面は,滑らかで

あること。

(2)

試験用変圧器は 50Hz {c/s}  又は 60Hz {c/s}  の商用周波数の電圧を加えることのできる最大電圧 15kV

以上のものとする。電極間にかかる電圧の波高率は,1.34∼1.48 の間であること。

5.9.3

操作  試験は空気中で行う。試験片を電極の間に挟み 4.9N {500gf} の荷重を加える。両電極は試

験片を挟んだとき,それらの中心線が上下一致するようにしなければならない。電圧を零から 1kV/s の割

合で一様に上昇させ,破壊電圧を測定する。試験は測定点を相互に 50mm 以上離して 10 回行う。

5.9.4

計算  10 回の試験による測定値について,その算術平均値 (kV) 及び最低値 (kV) を求める。

6.

数値の丸め方  試験結果は,各試験項目において決められる数値より 1 けた下の位まで求めて,JIS Z 

8401

によって丸める。

関連規格  JIS Z 8203  国際単位系 (SI) 及びその使い方


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高分子部会  四ふっ化エチレン樹脂成形粉専門委員会  構成表(昭和 39 年 3 月 1 日制定のとき)

氏名

所属

(委員会長)

太  田  清  水

日本国有鉄道鉄道技術研究所

里  川  孝  臣

大阪金属工業株式会社東京支店

梅  原      稔

日東フロロケミカル株式会社

大  野      裕

藤倉電線株式会社

村  田  建  太

東京芝浦電気株式会社小向工場製造技術部

荒  木  義  男

日本バルカー工業株式会社厚木工場

田  中  年  男

日本アスベスト株式会社鶴見工場

西  村  悦  男

スターライト工業株式会社

大  野      隆

日本ピラー工業株式会社

森  山  康  弘

日東電気工業株式会社

鈴  木  長  行

菅原工業株式会社製造部

渡  辺  雅  夫

住友電気工業株式会社研究部

田  中  弘  久

三菱商事株式会社合成樹脂部

浅  田  光  雄

三井物産株式会社

野間口  兼  良

日本弗素化学協会

中曾根  成  雄

防衛庁装備局

片  桐  正  昭

電気通信研究所

樫  村  寿  雄

工業技術院電気試験所

松  原      清

工業技術院機械試験所

長  坂  秀  雄

茨城大学工学部

斎  藤  太  一

通商産業省軽工業局

小  幡  八  郎

工業技術院

(事務局)

山  脇  政  次

工業技術院標準部繊維化学規格課

猪  野  時  雄

工業技術院標準部繊維化学規格課

(事務局)

青  木  誠  治

工業技術院標準部繊維化学規格課(昭和 52 年 5 月 1 日改正のとき)

石  川  哲之介

工業技術院標準部繊維化学規格課(昭和 52 年 5 月 1 日改正のとき)

(事務局)

小  林      勝

工業技術院標準部繊維化学規格課(平成 7 年 4 月 1 日改正のとき)

砂  川  輝  美

工業技術院標準部繊維化学規格課(平成 7 年 4 月 1 日改正のとき)