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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 6863-1994 

ホットメルト接着剤の軟化点試験方法 

Testing methods for the softening point of hot melt adhesives 

1. 適用範囲 この規格は,ホットメルト接着剤(以下,接着剤という。)の環球法による軟化点試験方法

について規定する。 

備考1. ホットメルト接着剤とは,溶融状態で被着材の面に塗布し,冷却することによって固化し,

固体状態での接合を形成する熱可塑性接着剤である。 

2. この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS B 1501 玉軸受用鋼球 

JIS B 7410 石油類試験用ガラス製温度計 

JIS K 6800 接着剤・接着用語 

JIS K 6833 接着剤の一般試験方法 

JIS K 6900 プラスチック−用語 

JIS K 7100 プラスチックの状態調節及び試験場所の標準状態 

JIS R 3503 化学分析用ガラス器具 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

3. この規格の対応国際規格を,次に示す。 

ISO 4625 : 1980 Binders for paints and varnishes−Determination of softening point−Ring-and-ball 

method 

2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 6800及びJIS K 6900による。 

3. 試料の状態調節及び試験室の温湿度 試料の状態調節及び誠験室の温湿度は,次のとおりとする。 

(1) 試料は,原則として試験前にJIS K 7100に規定する標準温度状態3級及び標準湿度状態3級[温度23

±5℃及び相対湿度(50

20

10

−)%]において12時間以上状態調節を行う。 

備考 試料の状態調節の時間が試験結果に影響しないことが分かっている場合は,当事者間の協定に

よってほかの時間を用いてもよい。この場合は,その時間を記録する。 

(2) 試験は,原則として(1)に規定した温度及び湿度[温度23±5℃,相対湿度(50

20

10

−)%]の室内で行う。 

4. 試料の採取方法及び取扱方法 JIS K 6833の5.(試料の採取方法及び取扱方法)による。 

K 6863-1994  

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5. 試験方法 

5.1 

測定方法の概要 規定の環に試料を充てんし,熱媒体浴中に水平に保持する。試料の中央に規定質

表の球を置き,浴温を規定の速さで上昇させたとき,試料が軟化し球の重みで試料又は球が環台の底板に

触れたときの温度を軟化点として測定する。 

5.2 

器具及び熱媒体 

(1) 環 図1に示すような形状・寸法の黄銅製,又はニッケルめっき若しくはクロムめっきの黄銅製段付

き環。 

(2) 球 球は,JIS B 1501に規定する鋼球で,直径9.53mmで質量3.5±0.05gのもの。 

(3) 球案内 図2に示すような形状・寸法の黄銅製又はニッケルめっき若しくはクロムめっきの黄銅製。 

(4) 環台 図3に示すような黄銅製又はニッケルめっき若しくはクロムめっきの黄銅製環台で,温度計及

び環を次に示すように保持できるもの(図4参照)。環台には2個掛けと4個掛けがある。 

(a) 環をその上面が加熱浴上端から75mm以上,浴液面から50mm以上下方にあるように,水平に保持

できるもの。 

(b) 環の下面と環台の底板上面との距離は,25.4±0.2mmとし,底板は加熱浴の底から13mm以上上方

とする。 

(c) 温度計を,その水銀球下端が環の下面と同一面上で環から10mm以内の位置にあるよう,また,試

料棚と触れないように保持できるもの。 

(5) 加熱浴 ビーカー1 000ml(外径110±2mm,高さ150±3mm)で,その品質はJIS R 3503に規定する

硬質1級とする。 

(6) 加熱器 加熱浴液を毎分5℃以上の割合で上昇させることができるもの。加熱器には電気加熱式とガ

ス加熱式がある。 

(7) 温度計 JIS B 7410に規定するSP-33(低軟化点用)又はSP-34(高軟化点用)。 

(8) 熱媒体 80℃までは水を,200℃まではグリセリン(1)を用いてもよい。200℃以上ではその使用温度域

で安定で,かつ,試料に影響を及ぼさない熱媒体を選ぶ。鉱油やシリコーンオイルは安定した熱媒体

である。 

注(1) グリセリンのような吸湿性の強いものを使用する場合は,使用の都度できる限り新しいものを

用いるようにする。 

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図1 環 

図2 球案内 

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図3 環台 

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図4 軟化点試験器(一例) 

K 6863-1994  

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5.3 

試料の準備 

(1) 試料を清浄な容器に入れ,できるだけ低温で速やかに溶融し,これを離型性のよい平板(例えば,シ

リコーン板など)上に置いた環の中に泡ができないようにやや過剰に注ぎ込み,試料の状態調節のた

め,23±5℃で12時間以上放冷する。 

(2) 過剰の試料は,温めた小刀で環の上端を含む平面から盛り上った部分を削り取る。 

5.4 

測定方法 

(1) 熱媒体を,加熱浴に深さ103〜110mmとなるまで満たす。試料中央に球を置くために,球案内をはめ

る(2)。試料の入った環を環台の試料棚に置き,環中の表面中央に球を載せる。加熱浴の中に環台を入

れ,温度計の水銀球の中心の位置が環の中心と同じ高さになるように調節し,加熱を開始する。温度

計は,予想軟化点80℃未満では低軟化点用温度計を,80℃以上では高軟化点用温度計を使用する。 

注(2) 球案内を用意できなかったときは,球又は丸棒を試料中央に軽く押し当ててくぼみを付ける。

このとき,硬い試料に対しては球又は丸棒を温めてもよい。 

(2) 昇温速度は,次のとおりとする。 

(a) 予想軟化点が80℃未満の場合は,加熱開始後40℃になったら,毎分5±1℃の割合で加熱する。 

(b) 予想軟化点が80℃以上の場合は,予想軟化点の45℃下から,毎分5±1℃の割合で加熱する。 

(3) 試料が徐々に軟化して環から流れ落ち,試料又は球が底板に触れたときの温度計の示度を最小目盛ま

で読み取り,これを記録する。 

(4) 測定は,5.4の(1)〜(3)の操作を同時に2個以上行い,測定値の最大値と最小値の差が100℃未満では2℃

以上,100℃以上では4℃以上ある場合は再試験を行う。 

6. 結果の表し方 2個以上の平均値を採り,JIS Z 8401によって0.5℃に丸める。 

7. 報告 試験結果の報告には,必要に応じて次の事項を記録する。 

(1) 接着剤の種類,記号及び製造ロット番号 

(2) 試料の状態調節の温度,湿度及び時間 

(3) 試験室の温度及び湿度 

(4) 使用熱媒体の種類 

(5) 試験結果(軟化点) 

(6) 試験年月日 

(7) その他特記すべき事項 

K 6863-1994  

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JIS K 6863制定原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

小 野 昌 孝 

実践女子大学 

宮 入 裕 夫 

東京医科歯科大学 

長 沢 長八郎 

工業技術院物質工学工業技術研究

所 

大 黒 昭 夫 

農林水産省森林総合技術研究所 

池 田 喜 好 

工業技術院標準部繊維化学規格課 

中 里 敞 一 

通商産業省基礎産業局化学製品課 

芥 川 和 彦 

日本たばこ産業株式会社 

斎 藤   満 

株式会社東洋精機製作所 

弓 山 泰 吉 

大日本製本株式会社 

岩 田 立 男 

ヤマハ株式会社 

柳 沢 誠 一 

横浜ゴム株式会社 

永 田 宏 二 

セメダイン株式会社 

中 島 常 雄 

コニシ株式会社 

池 田   修 

日立化成ポリマー株式会社 

佐 藤 勝 亮 

旭化学合成株式会社 

川 崎 明 男 

新田ゼラチン株式会社 

(事務局) 

岡 崎   久 

日本接着剤工業会