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K 6854-4 : 1999 (ISO 4578 : 1997) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 6854-4 : 1999 

(ISO 4578 : 1997) 

接着剤−はく離接着強さ試験方法 

−第4部:浮動ローラ法 

Adhesives−Determination of peel strength of bonded assemblies 

−Part 4 : Floating-roller method 

序文 この規格は,1997年に第2版として発行されたISO 4578, Adhesives−Determination of peel resistance 

of high-strength adhesive bonds−Floating-roller methodを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更するこ

となく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にない事項である。 

1. 適用範囲 この規格は,剛性被着材とたわみ性被着材との高強度接着接合のはく離抵抗を,規定され

た処理及び試験条件下で測定するための浮動ローラ法について規定する。 

参考 浮動ローラ法は,他のはく離試験方法よりも一定した数値が得られることが示される。しかし,

たわみ性被着材が,ローラ面に沿うとは期待しないほうがよい。 

90度はく離試験は,JIS K 6854-1(接着剤−はく離接着強さ試験方法−第1部:90度はく離)に規定す

る。 

180度はく離試験は,JIS K 6854-2(接着剤−はく離接着強さ試験方法−第2部:180度はく離)に規定

する。 

T形はく離試験は,JIS K 6854-3(接着剤−はく離接着強さ試験方法−第3部:T形はく離)に規定する。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発効年(又は発行年)を記してあるものは,記載の年の版だけがこの規

格の規定を構成するものであって,その後の改正・追補には適用されない。発効年(又は発行年)を付記

していない引用規格は,その最新版(追補を含む)を適用する。 

JIS B 7721 引張試験機−力の検証方法 

備考 ISO 7500-1 : 1986, Metalic materials−Verification of static uniaxial testing machines−Part 1 : 

Tensile testing machinesが,この規格と同等である。 

JIS K 6848-2 接着剤−接着強さ試験方法−第2部:金属の表面調整のための指針 

備考 ISO 4588 : 1995, Adhesives−Guidelines for the preparation of surfaces of metalsが,この規格と一

致している。 

JIS K 6848-3 接着剤−接着強さ試験方法−第3部:プラスチックの表面調整のための指針 

備考 ISO 13895: 1996, Adhesives−Guidelines for the preparation of surfaces of plasticsが,この規格と

一致している。 

K 6854-4 : 1999 (ISO 4578 : 1997) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS K 6866 接着剤−主要破壊様式の名称 

備考 ISO 10365 : 1992 Adhesives−Designatin of main failure patternsが,この規格と一致している。 

JIS K 6900 プラスチック−用語 

備考 ISO 472 : 1988 Plastics−Vocabularyが,この規格と一致している。 

JIS K 7100 プラスチックの状態調節及び試験のための標準雰囲気 

備考 ISO 291 : 1997 Plastics−Standard atomospheres for conditioning and testingが,この規格と一致

している。 

ISO 5893 : 1993 Rubber and plastics test equipment−Tensile, flexural and compression types 

(constant rate of traverse) −Description 

ISO 9142 : 1990 Adhesives−Guide to the selection of standard laboratory ageing conditions for 

testing bonded joints 

3. 定義 この規格に用いる用語の定義は,JIS K 6900によるほか,次による。 

はく離抵抗 (peel resistance)  規定された試験条件下で,接着した試験片を徐々に二つに分けるのに必

要な,接着剤層に沿って測定した試験片単位幅当たりの平均力。m幅当たりkN (kN/m) で表す。 

4. 原理 この方法は,はく離試験片取付け具によって決められた角度で,たわみ性被着材を剛性被着材

からはく離するのに要する力を測定すること及びローラを使用して,たわみ性被着材のはく離された部分

と引張試験機のつかみ具とを一直線に配置することによって構成される。 

5. 装置 

5.1 

引張試験機 あらかじめ,決められた一定のつかみ移動速度を維持できるもの。試験機は,最大荷

重を測定可能であるもの。測定する強さは,荷重測定装置の容表の15%〜85%の間とする。試験機は,加

えた力の計測と記録の正確さを1%とする。 

試験機は,試験片を保持するのに適した自動調心つかみ具をもつものとする。このつかみ具のつかみ部

分は,たわみ性被着材の端の外側25mmにしっかりかみ合わなければならない。つかみ具と取付け具は,

試験片のたわみ性部分がつかみ具の中央線を通って引張り方向と一致するように,荷重が加わると同時に

試験片と一列になって動くような機構のものとする。 

試験機は,一方の座標につかみの移動距離をmmで,他方の座標に加えた力を読み取ることのできるチ

ャートが得られる自記記録式とする。慣性のない機器を使用することを勧める。 

機器は,すべて金属被着材の場合はJIS B 7721によって,ゴム及びプラスチックの場合はISO 5893に

よって定期的に調整しなければならない。 

5.2 

はく離試験片取付け具(図1参照) 引張試験機(5.1)のクロスアームの方に取り付ける。直径25mm

のローラは自由に回転するものとする。ローラと2個のローラベアリングによって定まる角度が重要であ

るため,ローラは注意深く保持しなければならない。 

6. 試験片 

6.1 

図2に示す寸法の試験片は,個々に作製しても,接着した板を切って作製してもよい。張合せ試験

板,又は個々に作製する試験片は,適切に処理して互いに接着した2枚の被着材で構成しなければならな

い。 

K 6854-4 : 1999 (ISO 4578 : 1997) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6.2 

表面処理は,接着接合物が適切な強さが得られるようなものとする。表面調整は,金属の場合には

JIS K 6848-2,プラスチックの場合にはJIS K 6848-3によるか,又は接着剤の製造業者の指示によるもの

とし,試験報告書に記載する。 

接着剤は,最小のばらつきで適切な接着が得られるように製造業者の指示によって使用する。 

参考 試験片の構成,被着材の材質と寸法,及び試験条件が同一である場合に限り,異種の接着剤に

ついて直接比較してもよい。 

6.3 

たわみ性被着材の厚さは,金属の場合0.5mm±0.01mmとし,剛性被着材の変形を少なくするために

他の被着材を使用する場合には少し厚くする。 

6.4 

試験片は,接着した板(図2参照)の接着部を傷めない方法で切断しなければならない。 

試験片の幅は,次のいずれかとする。 

a) 25mm(推奨幅)又は 

b) 試験機器に適切に対応するように適切な幅で,報告書に記載する。 

参考 試験片の切断方法は,被着材及び接着剤組成によって,幅の許容差は,図2に規定する。この

ために一般に使用されているものはフライス盤又は帯のこの二つがある。 

6.5 

たわみ性被着材の接着していない端を,試験機のつかみ具に止めるために,剛性被着材と直角にな

るまで曲げる。 

6.6 

試験する試験片の数は,材料規格に規定される数か,もし規定がない場合には,5個以下であっては

ならない。 

6.7 

接着剤層の平均厚さは,個々の試験片について,2枚の接着した被着材すべての厚さを測り,被着材

の厚さを差し引いて求める。 

6.8 

もし,試験片を試験前に養生するときは,ISO 9142に規定された養生条件から選ぶ。 

7. 状態調節及び試験環境 試験片は,JIS K 7100に規定する標準試験室環境の一つで調節して,試験し

なければならない。 

8. 手順 

8.1 

試験片を図1に示すとおりはく離試験片取付け具(5.2)に挿入し,たわみ性被着材の接着していない

端を試験機のつかみ具で止める。試験片を,他に規定がない場合には,毎分100mmの一定のつかみ速度

で,はく離する。もし,試験中に剛性被着材が,曲がったり変形したりするときには,均一なはく離が続

けられるような硬さの剛性被着材で試験片を設計し直す。 

8.2 

はく離試験中,力対つかみの移動速度(力対はく離距離)を,初期はく離25mmを除いた接着部分

の最低15mm以上について自記記録する。 

8.3 

図1に示したはく離領域の外側で破壊が生じたときには,結果は無視する。 

9. 結果の表示 最低115mmのはく離長さ(最初の25mmと最後の20mmを除き)を記録した曲線から,

被着材をはく離するのに要した平均はく離力を試験片のm幅当たりのkNで求める。平均はく離力は,次

の方法の一つによって曲線から求めてもよい。 

a) 面積計 

b) 次に示す質量法 曲線と基準線(横座標)で囲まれたチャート紙の範囲を切り出して測る。その質量

を,あらかじめ測ってあるチャート紙の表面積当たりの質量で除して面積を求める。この面積を基準

K 6854-4 : 1999 (ISO 4578 : 1997) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

線の長さ(はく離長さ80mmに対応)で除して,曲線の平均高さ(したがって平均はく離力)が得ら

れる。 

c) 最適直線法 

d) コンピュータ支援のような他の方法 個々の試験片についての平均,最大及び最小はく離力を記録す

る。 

10. 精度 この試験方法の精度は,試験室間のデータがないので不明である。精度は,そのデータが得ら

れた時点で,次の改訂版に追加される。 

11. 報告 試験報告には,次の項目を含むものとする。 

a) この規格の引用 

b) 接着剤の種類,主成分,原料,製造業者のコード番号,バッチ又はロット番号,形状,その他 

c) 被着材について,材料の厚さ,幅及び表面調整 

d) 接着剤の適用方法,乾燥又は前処理条件(適用した場合)及び硬化時間,温度と圧力を含む接着工程 

e) 接着後の接着剤層の平均厚さ(できるだけ正確に) 

f) 

試験片の寸法と構成,個々の試験片の切断条件,相当する試験板と個々の試験片の数を,個別に作製

したか,板を切断したかについての詳細な記載(試験片の端を試験した場合には,“端試験片”と記載

する。) 

g) 試験前の状態調節及び試験環境 

h) つかみ移動速度が毎分100mm以外のときは,実際の移動速度 

i) 

平均はく離力の算出方法 

j) 

各試験片についての平均,最大及び最小はく離抵抗値 (kN/m) (端の試料は,別に報告する。) 

k) JIS K 6866による破壊の様式,すなわち接着破壊,凝集破壊又は被着材破壊 

l) 

結果に影響を及ぼすと思われる規定手順からの変更 

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図1 はく離試験片取付け具 

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K 6854-4 : 1999 (ISO 4578 : 1997) 

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図2 試験片 

原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

小 野 昌 孝 

実践女子大学 

(委員) 

西 出   徹 

通商産業省基礎産業局 

八 田   勲 

工業技術院標準部 

長 沢 長八郎 

工業技術院物質工学工業技術研究所 

石 垣 康 三 

財団法人日本規格協会 

滝 沢   稔 

日本接着学会 

元 起   巌 

富士電材株式会社総合研究所 

尾 形 知 秀 

ヤマハ株式会社 

芦 田   正 

日産自動車株式会社 

池 田   修 

日立化成ポリマー株式会社 

石 田   茂 

横浜ゴム株式会社 

立 花 光 男 

コニシ株式会社 

永 田 宏 二 

日本接着剤工業会 

(事務局) 

吉 木   健 

日本プラスチック工業連盟