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K 6821:2020  

(1) 

目 次 

ページ 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 PLAフィラメントの形状 ··································································································· 2 

5 材料特性························································································································· 2 

6 試験······························································································································· 3 

6.1 試験の一般条件 ············································································································· 3 

6.2 試験方法 ······················································································································ 3 

7 検査······························································································································· 6 

8 表示······························································································································· 7 

9 報告······························································································································· 8 

附属書A(規定)吐出試験機 ·································································································· 9 

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(2) 

まえがき 

この規格は,産業標準化法に基づき,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本

産業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

  

日本産業規格          JIS 

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3Dプリンタ用ポリ乳酸フィラメント 

PLA filaments for 3D printers 

適用範囲 

この規格は,材料押出(Material Extrusion)方式1) による3Dプリンタ用のポリ乳酸フィラメント(以

下,PLAフィラメントという。)のうち,公称PLAフィラメント径1.75 mmのPLAフィラメントの材料特

性について規定する。ただし,この規格は,乳酸ポリマー含有量が質量分率50 %未満のPLAフィラメン

トには適用しない。 

注1) 熱溶解積層法(Fused Deposition Modelling)などの加工技術の総称 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 7502 マイクロメータ 

JIS K 0114 ガスクロマトグラフィー通則 

JIS K 0123 ガスクロマトグラフィー質量分析通則 

JIS K 0124 高速液体クロマトグラフィー通則 

JIS K 0136 高速液体クロマトグラフィー質量分析通則 

JIS K 0138 定量核磁気共鳴分光法通則(qNMR通則) 

JIS K 0804 検知管式ガス測定器(測長形) 

JIS K 7121 プラスチックの転移温度測定方法 

JIS L 0105 繊維製品の物理試験方法通則 

JIS L 0204-3 繊維用語(原料部門)−第3部:天然繊維及び化学繊維を除く原料部門 

JIS L 0208 繊維用語−試験部門 

JIS L 1013 化学繊維フィラメント糸試験方法 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

JIS Z 8703 試験場所の標準状態 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS L 0105,JIS L 0204-3及びJIS L 0208によるほか,次による。 

3.1 

ポリ乳酸 

乳酸エステル単位を質量比で50 %以上含む長鎖状合成高分子から成る繊維(JIS L 0204-2参照)。 

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3.2 

内層部 

PLAフィラメントのスプール又はボビンの巻始めから6 mまでの部分。 

PLAフィラメントの形状 

PLAフィラメントの形状は,公称PLAフィラメント径が1.75 mmで断面が円形の連続した1本のPLA

フィラメントがスプール又はボビンに巻かれたものとする。 

材料特性 

PLAフィラメントの材料特性は,6.2に規定する試験をしたとき,表1の規定に適合しなければならな

い。 

表1−材料特性 

項目 

性能 

品質の区分 

の記号 

試験方法 

乳酸ポリマー含有量 

質量分率50 %以上 

− 

6.2.1 

融解温度(融点) 

180 ℃以下 

− 

6.2.2 

PLAフィラメント径 

直径1.75 mm±0.15 mm 

− 

6.2.3 

揮発性化学物質 
(対象物質:スチレン,トルエン,
アセトアルデヒド,キシレン及び
ホルムアルデヒド) 

対象5物質がいずれも体積分率2 ppm未満 
対象5物質のいずれかが体積分率2 ppm以上体積
分率5 ppm未満 
対象5物質のいずれかが体積分率5 ppm以上 

A3 
A2 

A1 

6.2.4 

真円性 

1.030以下 
1.030を超え1.060以下 
1.060を超え1.090以下 

B3 
B2 
B1 

6.2.5 

引張強さ 

200 N以上 
100 N以上200 N未満 
50 N以上100 N未満 

C3 
C2 
C1 

6.2.6 

引掛強さ 

200 N以上 
100 N以上200 N未満 
50 N以上100 N未満 

D3 
D2 
D1 

6.2.7 

安定吐出性 

0以上2以下 
2を超え4以下 
4を超え8以下 

E3 
E2 
E1 

6.2.8 

連続吐出性 

15時間以上又は規定条件a) を満たすもの 
10時間以上15時間未満 
5時間以上10時間未満 

F3 
F2 
F1 

6.2.9 

耐加水分解性 
(劣化促進後の引張強さ) 

200 N以上 
100 N以上200 N未満 
50 N以上100 N未満 

G3 
G2 
G1 

6.2.10 

注a) F3とする規定条件を,次に示す。 

供試体1個当たりのPLAフィラメントの質量が500 g以上の場合に,全量を連続で吐出した場合。 

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試験 

6.1 

試験の一般条件 

6.1.1 

供試体の保管 

PLAフィラメントの試料は,個別包装の状態で高温多湿を避け,直射日光の当たらない場所で保管する。 

6.1.2 

試料の採取方法 

供試体の個別包装を開封後,直ちに,各試験に必要となる適当な量のPLAフィラメントを試料として採

取する。また,PLAフィラメントの内層部の試料は,3.2の範囲から採取する。 

6.1.3 

試験片の状態調節 

試験片は,特に規定がない限り,試験前にJIS Z 8703に規定する温度20 ℃±2 ℃,相対湿度(65±10)%

の条件下で4時間以上放置し,状態調節する。 

6.1.4 

数値の丸め方 

試験結果の数値は,性能に規定する数値より一桁下の位まで求めて,JIS Z 8401の規則B(四捨五入)

によって丸める。 

6.2 

試験方法 

6.2.1 

乳酸ポリマー含有量(1HqNMR) 

乳酸ポリマー含有量の測定は,次による。 

a) 6.1.2で採取した試料から試験片を一つ採取する。 

b) 試験片の質量を測定する。 

c) 試験片を乳酸ポリマーの溶媒の重水素化溶媒(例えば,重水素化クロロホルムなど)に溶解する。 

d) c) で得られた溶液中に不溶物がある場合,不溶物をろ過し室温で3時間以上真空乾燥後,不溶物の質

量を測定する。 

e) 不溶物の質量分率は,式(1)によって算出する。 

100

×

=Ww

d

 ·············································································· (1) 

ここに, 

d: 不溶物の質量分率(%) 

W: 材料片の質量 

w: 不溶物の質量 

f) 

JIS K 0138に規定する1H核定量核磁気共鳴分光法(1HqNMR)によって,乳酸単位の質量分率(%)

を算出する。 

g) 乳酸ポリマー含有量の質量分率は,式(2)によって算出する。 

(

)

100

100d

s

D

×

=

 ········································································ (2) 

ここに, 

D: 乳酸ポリマー含有量[質量分率(%)] 

d: 不溶物の質量分率(%) 

s: 乳酸単位の質量分率(%) 

6.2.2 

融解温度(融点) 

融解温度(融点)は,JIS K 7121に規定する示差熱分析(DTA)又は示差走査熱量測定(DSC)によっ

て融解ピーク温度を求める。融解ピーク温度が複数測定された場合は,最も高温のピーク温度を融解温度

(融点)とする。測定試験片数は,1点とする。 

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6.2.3 

PLAフィラメント径 

PLAフィラメント径の測定は,6.1.3の規定で状態調節した試験片(10 m以上)を20 ℃±2 ℃の環境下

でJIS B 7502に規定するマイクロメータを用いて,PLAフィラメントの直径を無作為に30か所で測定し,

平均値を算出する。 

6.2.4 

揮発性化学物質 

表1に規定する揮発性化学物質の測定は,次に示すA法(機器分析法)又はB法(検知管法)のいずれ

かによる。 

区分判定が困難な場合は,A法によって測定する。 

a) A法(機器分析法) 

1) 温度20 ℃±15 ℃,相対湿度85 %以下の環境下に設置した附属書Aに規定する吐出試験機に個別包

装を開封した供試体をPLAフィラメントスタンドにセットする。 

2) ノズル孔径0.4 mmのノズルをヒータに取り付ける。 

3) ノズル温度を240 ℃,送込み速度を100 mm/minに設定する。 

4) 装置を作動させ,ノズル温度が240 ℃±1 ℃になったことを確認し,10分間の予備運転を行う。 

5) 試験装置のノズル直下に直径約7 mmの孔が開いているステンレス製の蓋付きのガラス容器(950 

mL±50 mL)をセットする。 

6) ノズル温度が240 ℃±1 ℃になっていることを確認後,ステンレス製の蓋の孔からガラス容器内に

PLAフィラメントの溶融押出を2分間行い,試験装置を停止させる。 

7) ガラス容器を吐出試験機から取り外し,素早くステンレス製の蓋の孔にセロハンテープを貼り付け

る。 

8) ガラス容器を上下逆さまにするなど,ガラス容器の内容物をかくはんする。 

9) ステンレス製の蓋の孔にガスクロマトグラフィー又は高速液体クロマトグラフィー専用のガスタイ

トシリンジを挿入する。 

10) ガラス容器内部の気体をガスタイトシリンジで規定量吸引する。 

11) JIS K 0114及びJIS K 0123に規定するガスクロマトグラフィー,又はJIS K 0124及びJIS K 0136

に規定する高速液体クロマトグラフィーによって対象の化学物質濃度を測定する。 

12) 試験結果は,化学物質濃度を整数位に丸めて記録する。測定供試体数は,1点とする。 

b) B法(検知管法) 

1) 温度20 ℃±15 ℃,相対湿度85 %以下の環境下に設置した附属書Aに規定する吐出試験機に個別包

装を開封した供試体をPLAフィラメントスタンドにセットする。 

2) ノズル孔径0.4 mmのノズルをヒータに取り付ける。 

3) ノズル温度を240 ℃,送込み速度を100 mm/minに設定する。 

4) 装置を作動させ,ノズルの温度が240 ℃±1 ℃になったことを確認し,10分間の予備運転を行う。 

5) 試験装置のノズル直下に,直径約7 mmの孔が開いているステンレス製の蓋付きのガラス容器(950 

mL±50 mL)をセットする。 

6) ノズル温度が240 ℃±1 ℃になっていることを確認後,ステンレス製の蓋の孔からガラス容器内に

PLAフィラメントの溶融押出を2分間行い,試験装置を停止させる。 

7) ガラス容器を吐出試験機から取り外し,素早くステンレス製の蓋の孔にセロハンテープを貼り付け

る。 

8) ガラス容器を上下逆さまにするなど,ガラス容器の内容物をかくはんする。 

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9) ステンレス製の蓋の孔に検知管を挿入し,検知管の化学物質吸引口の先端がガラス容器底面から5 

cmの高さになるように固定する。使用する検知管は,JIS K 0804に規定する対象化学物質を検知で

き,最低検知濃度体積分率1 ppm以下の検知管とする。 

10) ガラス容器内部の気体を検知管で規定量吸引し,化学物質濃度を測定する。 

11) 4)〜10) の手順で2回繰返し,測定を行う。 

12) 試験結果は,2回の平均化学物質濃度を整数位に丸めて記録する。ただし,検知されなかった場合

又は検知濃度が体積分率2 ppm未満であった場合は,体積分率2 ppm未満と記録する。 

注記 検知管は,干渉化学物質の影響によって必ずしも対象化学物質だけを検知している訳ではない。

そのため,対象化学物質以外の影響で検知された場合,対象化学物質以外であることを確認で

きればその結果を表示に付記してもよい。 

6.2.5 

真円性 

真円性の測定は,次による。 

a) 6.2.3によって測定した30か所の測定値から最大値Nmax及び最小値Nminを抽出する。 

b) 式(3)によって真円性を算出する。 

min

max

N

N

r=

 ················································································· (3) 

ここに, 

r: 真円性 

6.2.6 

引張強さ 

引張強さの測定は,JIS L 1013の8.5(引張強さ及び伸び率)の標準時試験による。 

注記 引張強さは,切断時の強さを指す。 

6.2.7 

引掛強さ 

引掛強さの測定は,JIS L 1013の8.7(引掛強さ)の標準時試験による。 

6.2.8 

安定吐出性 

安定吐出性の測定は,次による。 

a) 温度20 ℃±15 ℃,相対湿度85 %以下の環境下に設置した附属書Aに規定する吐出試験機に個別包装

を開封した供試体をPLAフィラメントスタンドにセットする。 

b) ノズル孔径0.4 mmのノズルをヒータに取り付ける。 

c) ノズル温度は,推奨造形温度2),送込み速度を100 mm/minに設定する。 

なお,推奨造形温度2) に,幅がある場合は,中央値とし,推奨造形温度がない場合は,200 ℃とす

る。 

注2) PLAフィラメント製造業者が,推奨するノズル温度をいう。 

d) 装置を作動させ,ノズル温度が設定温度±1 ℃になったことを確認し,10分間の予備運転を行う。 

e) 30分間運転した後,更に30分間運転し,負荷率3) を記録する。 

f) 

0分〜30分間の負荷率3) の最大値P(0-30) max及び最小値P(0-30) min,並びに30分〜60分間の負荷率3) の最

大値P(30-60) max及び最小値P(30-60) minを読み取る。 

注3) 負荷率の定義は,附属書Aに規定している。 

g) 0分〜30分間の負荷率3) の最大値と最小値との差ΔP(0-30)を式(4)を用いて,及び30分〜60分間の最大

値と最小値との差ΔP(30-60)を式(5)を用いて,計算する。 

ΔP(0-30)=P(0-30) max−P(0-30) min··························································· (4) 

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ΔP(30-60)=P(30-60) max−P(30-60) min ························································ (5) 

h) 測定回数は1回とし,ΔP(0-30)とΔP(30-60)との平均値を算出する。 

6.2.9 

連続吐出性 

連続吐出性の測定は,次による。 

a) 温度20 ℃±15 ℃,相対湿度85 %以下の環境下に設置した附属書Aに規定する吐出試験機に個別包装

を開封した供試体をPLAフィラメントスタンドにセットする。 

b) ノズル孔径0.4 mmのノズルをヒータに取り付ける。 

c) ノズル温度を240 ℃,送込み速度を200 mm/minに設定する。 

d) 装置を作動させ,ノズル温度が240 ℃±1 ℃になったことを確認し,10分間の予備運転を行う。 

e) ノズル温度が240 ℃±1 ℃になっていることを確認後,連続運転する。 

f) 

15時間以上連続運転した場合,供試体1個を全量吐出したとき,又はノズル詰り,PLAフィラメント

折れ,PLAフィラメント巻き姿不良などPLAフィラメントに起因する要因で吐出試験機の運転が停

止したときには測定を終了し,運転時間及び停止した理由を試験結果に記録する。 

g) 測定供試体は,1点とする。 

6.2.10 

耐加水分解性 

耐加水分解性の測定は,供試体1個をa) の処理後,b) によって測定する。 

a) 促進加水分解 供試体1個の個別包装を開封した後,スプール又はボビンに巻かれた状態で,次のA

法(恒温恒湿槽を用いる方法)又はB法(熱風乾燥機を用いる方法)を用いて,温度50 ℃±2 ℃,相

対湿度80 %以上の環境中に,14日間放置する。 

1) A法(恒温恒湿槽を用いる方法) 温度50 ℃±2 ℃,相対湿度80 %以上に調整された恒温恒湿槽

中に,14日間放置する。恒温恒湿槽を使用する場合,PLA分解生成物の影響で槽内が腐食すること

があるので,頻繁に槽内洗浄する。 

2) B法(熱風乾燥機を用いる方法) 水を入れた密閉した容器を50 ℃±2 ℃の熱風乾燥機に入れて,

容器内に温度50 ℃±2 ℃,相対湿度80 %以上(以下,既定の環境という。)を作り,この容器の中

に供試体を14日間放置する。容器内が既定の環境に保たれているかの確認は必ず行い,記録する。 

b) 加水分解処理後の引張強さの測定 加水分解処理を行った供試体の内層部及び内層部以外から試料を

必要量採取し,6.2.6に規定する方法によって引張強さを測定する。 

加水分解処理後の内層部及び内層部以外の引張強さの測定値のうち,小さい数値を加水分解処理後

の引張強さとする。 

検査 

検査は,受渡当事者間の協定による抜取検査を行い,規定に適合したものを合格とし,また,品質の区

分を行う。検査は,形式検査と受渡検査とに区分し,形式検査及び受渡検査の項目は,それぞれ次のとお

りとする。 

なお,形式検査は,当該生産装置による生産の初回及び製造の要因変更(製造方法,製造設備,製品設

計,原料などの変更)があった場合に行う。受渡検査は,既に形式検査に合格したものと同じ製品設計,

原料及び製造方法による製品の受渡しをする場合,必要と認める特性が満足されているかどうかを判定す

るための検査であり,製造ロットごとに行う。 

a) 形式検査項目 

1) 乳酸ポリマー含有量 

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2) 融解温度(融点) 

3) PLAフィラメント径 

4) 揮発性化学物質 

5) 真円性 

6) 引張強さ 

7) 引掛強さ 

8) 安定吐出性 

9) 連続吐出性 

10) 耐加水分解性 

b) 受渡検査項目 

1) 真円性 

2) 引張強さ 

3) 引掛強さ 

表示 

この規格の全ての要求事項に適合したPLAフィラメントには,見やすい箇所に容易に消えない方法で次

の事項を表示する。 

a) 製造業者名又はその略号 

b) 製品の名称,型番,製造番号など 

c) 製品の質量及びPLAフィラメント径 

d) 材料特性項目及び品質の区分の記号 

e) 保管方法 

f) 

使用時に配慮する事項がある場合は,使用上の注意喚起事項 

なお,材料特性項目及び品質の区分の記号は,製品の外面又は包装ごとに,図1のように表示してもよ

い。 

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a) クリアタイプA(1.75 mm) 

b) クリアタイプB(1.75 mm) 

図1−表示の一例 

報告 

PLAフィラメントの製造業者又は供給業者は,購入者から要求があった場合は,試験報告書を提出しな

ければならない。試験報告書の例を表2に示す。 

表2−試験報告書の例 

PLAフィラメント試験報告書(JIS K 6821) 

製品名 

製造番号 

製造業者名又は供給業者名 

試験報告書作成者名 

試験実施日又は報告書作成日 

試験実施日 

      年      月      日 

報告書作成日 

      年      月      日 

試験項目及び試験方法 

試験項目 

試験方法 

試験条件 

試験結果 

品質の区分の記号 

a) 形式検査 1) 乳酸ポリマー含有量  

− 

2) 融解温度(融点) 

− 

3) PLAフィラメント径 

− 

4) 揮発性化学物質 

5) 真円性 

6) 引張強さ 

7) 引掛強さ 

8) 安定吐出性 

9) 連続吐出性 

10) 耐加水分解性 

b) 受渡検査 1) 真円性 

2) 引張強さ 

3) 引掛強さ 

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附属書A 

(規定) 

吐出試験機 

揮発性化学物質,連続吐出性及び安定吐出性の試験に使用する吐出試験機の装置は,次に示す要件を満

たさなければならない。 

a) スプール又はボビンに巻いたPLAフィラメントをベアリング式のフィラメントスタンドに設置し,定

格トルクモータ付きのフィラメント送り装置(フィーダ)によってPLAフィラメントをノズルに送り

込む装置を備える。 

b) PLAフィラメントスタンドとフィーダとの間には,送り速度計測装置(エンコーダ)を取り付け,こ

のエンコーダによってPLAフィラメントの送り速度を測定する装置を備える。 

c) 設定した送り速度において外部負荷がかかった場合,トルクを一定に維持するために,定格トルクモ

ータに負荷電流を流す装置を備える。 

d) この定格トルクモータに係る負荷電流を計測することで,PLAフィラメントをノズルに送り込んだと

きに係る圧力負荷を評価する。すなわち,外部負荷がかかっていない場合,流れる定格電流に対する

負荷電流の百分率を負荷率として定義し,負荷率をモニタリングする装置を備える。 

e) 使用するノズルは,容易に変更できる機構を備える。 

f) 

ノズル温度は,温度センサなどによって常時モニタリングする装置を備える。 

参考として,吐出試験機の概略図を図A.1に示す。 

図A.1−吐出試験機の概略図 

参考文献 JIS L 0204-2 繊維用語(原料部門)−第2部:化学繊維 

ノズル 

ヒータ 

フィーダ 

エンコーダ 

スプール 

PLAフィラメント 

温度センサ 

PLAフィラメントスタンド