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K 6806

:2003  

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本接着剤工業会(JAI)/財団法人日

本規格協会(JSA)から工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申し出があり日本工業標

準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS K 6806:1995 は改正され,この規格に置き換えられる。


K 6806

:2003  

(2)

目  次

ページ

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  種類

1

3.1

  接着剤の種類 

1

3.2

  ホルムアルデヒド放散による区分 

1

4.

  品質

2

5.

  試験方法

3

5.1

  試験室の温湿度

3

5.2

  試料の採取方法及び扱い方 

3

5.3

  試験値の丸め方

3

5.4

  外観

3

5.5

  不揮発分 

3

5.6

  粘度

3

5.7

  pH  

3

5.8

  水混和性 

3

5.9

  保存性

4

5.10

  NCO 

4

5.11

  接着強さ 

5

6.

  表示

8

 


日本工業規格

JIS

 K

6806

:2003

水性高分子−イソシアネート系木材接着剤

Water based polymer

−Isocyanate adhesives for woods

1.

適用範囲  この規格は,主として木材の接着に使用する水性高分子−イソシアネート系木材接着剤(

1

)

(以下,接着剤という。

)について規定する。

(

1

)

ここでいう水性高分子−イソシアネート系木材接着剤とは,高分子の水溶液若しくは水性分散

体又はそれらを組み合わせたものを主成分とする主剤と,イソシアネート系化合物を主成分と

する架橋剤からなるものとする。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 7411

  一般用ガラス製棒状温度計

JIS K 1556

  トリレンジイソシアネート試験方法

JIS K 6833

  接着剤の一般試験方法

JIS K 8001

  試薬試験方法通則

JIS K 8180

  塩酸(試薬)

JIS K 8839

  2−プロパノール(試薬)

JIS R 3503

  化学分析用ガラス器具

JIS R 3505

  ガラス製体積計

JIS Z 8401

数値の丸め方

3.

種類

3.1

接着剤の種類  接着剤の種類は,表 による。

  1  種類

種類

備考

1

主として構造用集成材,耐力パネル用

1

種(常温接着用)

2

主として造作用集成材,家具,一般木工用

1

主として構造用合板用

2

種(加熱接着用)

2

主として化粧単板,一般合板用

3.2

ホルムアルデヒド放散による区分  接着剤のホルムアルデヒド放散による区分は,表 による。


2

K 6806

:2003  

  2  ホルムアルデヒド放散による区分

区分

記号

内容

F

☆☆☆☆等級

F

☆☆☆☆

ユリア樹脂,メラミン樹脂,フェノール樹
脂,レゾルシノ−ル樹脂,ホルムアルデヒ

ド系防腐剤,メチロール基含有モノマー及
びロンガリット系触媒のいずれをも使用し
てはならない。

4.

品質  接着剤の品質は,5.によって試験し,表 及び表 の規定に適合しなければならない。

  なお,接着剤には,ユリア樹脂,メラミン樹脂,フェノール樹脂,レゾルシノ−ル樹脂,ホルムアルデ

ヒド系防腐剤,メチロール基含有モノマー及びロンガリット系触媒のいずれをも使用してはならない。

  3  品質

品質

適用箇条

試験項目

単位

試験条件

主剤(

2

)

架橋剤(

3

)

外観

異物の混入がない。

均質な液状である。

5.4

不揮発分 %  105±1.5℃ 30.0 以上

5.5

粘度 Pa. s

23

±0.5℃ 0.1 以上 0.01∼3.5

5.6

pH

− 23±1℃ 3.5∼8.5

5.7

水混和性  (倍)

23

±1℃

2

以上

5.8

保存性 H 60±2℃ 15 以上

5.9

NCO

量 %

− 10 以上

5.10

(

2

)

主剤は,経時変化する製品であるので,製造後なるべく早期に使用し,保管中は,10

∼30℃で密封しておく。

(

3

)

架橋剤は,空気中の水分と反応しやすい性質があるので,10∼30℃で完全に気密な状
態で保管する。また,皮ふ(膚)に触れたり目に入らないように注意して取り扱う。 


3

K 6806

:2003  

  4  性能

性能

1

2

試験項目

単位

試験条件

1

2

1

2

適用箇条

常態 N/cm

2

− 981 以上

981

以上

耐温水 N/cm

2

D

, 60±3℃, 3h(

4

)

− 588 以上

圧縮せ

ん断接
着強さ

煮沸 
繰返し

N/cm

2

D

, 100℃, 4h(

4

)

E

, 60±3℃, 20h

D

, 100℃, 4h

588

以上

5.11.1

常態 N/cm

2

− 118 以上

118

以上

耐温水 N/cm

2

D

, 60±3℃, 3h(

4

)

− 98 以上

合板引

張りせ
ん断接
着強さ

煮沸 
繰返し

N/cm

2

D

, 100℃, 4h(

4

)

E

, 60±3℃, 20h

D

, 100℃, 4h

− 98 以上

5.11.2

接 着 強 さ 保 持
時間(

5

)

min 23

±0.5℃ 10 以上

5.12

(

4

)  D

は恒温水中,E は恒温空気中での処理を表す。

(

5

)

接着強さ保持時間とは,接着強さの規格値を保証できる接着作業(接着剤を配合してから圧

締するまでの作業)の限界時間である。この時間を超過すると接着強さは漸次低下する。 

5.

試験方法

5.1

試験室の温湿度  JIS K 6833 の 4.1(試験室の温湿度)による。

5.2

試料の採取方法及び扱い方  JIS K 6833 の 5.(試料の採取方法及び取扱方法)による。

5.3

試験値の丸め方  JIS K 6833 の 4.3(試験値の丸め方)による。

5.4

外観  主剤試料を清浄なガラス板上にガラス棒などで均一に薄く広げ,直ちに粗粒子,砂,ごみ,

さびなど,接着に有害と認められる異物の有無を目視で調べる。架橋剤は,均質な液状であるかどうかを

目視で調べる。

5.5

不揮発分  JIS K 6833 の 6.4(不揮発分)による。この場合,試料の質量,乾燥温度及び乾燥時間は,

同項

表 の“その他の接着剤”による。

5.6

粘度  JIS K 6833 の 6.3(粘度)による。

5.7

pH

  JIS K 6833 の 6.2 (pH)  による。

5.8

水混和性

5.8.1

器具  器具は,次による。

a)

はかり  ひょう量 100g,感量 100mg のもの。

b)

三角フラスコ  JIS R 3503 に規定する 200ml の三角フラスコ。

c)

ビュレット  JIS R 3505 に規定するビュレット。

d)

温度計  JIS B 7411 に規定する 50 度温度計。

e)

恒温浴槽  23±1  ℃に保持できるもの。


4

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5.8.2

操作  試料約 5g を三角フラスコに量り取り,温度計を入れ,23±1℃に保った浴液中に浸して,試

料を 23±1℃にしておく。これにあらかじめ 23±1℃に保った水をビュレットから徐々に加え,水と樹脂が

よく混和するようにかき混ぜる。よく混和したら再び水を加えてかき混ぜ,ついに樹脂が混和できなくな

ってフラスコ内壁に不溶物として付着したり,分離を起こすまで加えた水の量を ml 単位で読み取り,次

の式によって水混和性を整数倍数で求める。この測定は 20 倍まで行い,

それ以上は 20 倍以上として表す。

S

W

L

ここに,

L

:  水混和性を表す倍数

S

:  試料の質量 (g)

W

:  加えた水の量 (ml)

5.9

保存性

5.9.1

器具  器具は,次による。

a)

恒温浴槽  この試験中,浴液温度を 60±2℃に保持できるもの。

b)

試験管  JIS R 3503 に規定する 18mm 試験管。

c)

はかり  ひょう量 100g,感量 100mg のもの。

d)

温度計  JIS B 7411 に規定する 100 度温度計。

5.9.2

操作  試験管に試料 10g を量り取り,コルク又はゴム栓で軽くふたをして,60±2℃に保った浴液

中に試料面が浴液面下約 2cm になるように浸して開始時間を読み取る。約 10 分経過後栓を固くして,開

始時間から 1 時間経過ごとに試験管を傾けてみて,試料がゲル化,又は分離して流れなくなるまでの時間

を計る。

5.10  NCO

5.10.1

器具  器具は,次による。

a)

化学天びん  ひょう量 100g 又は 200g,感量 1mg のもの。

b)

共通すり合わせ三角フラスコ  JIS R 3503 の付図 11-1 の 300ml のもの。

c)

全量ピペット  JIS R 3505 の付表 の 25ml のもの。

d)

ビュレット  JIS R 3505 の付表 の 50ml のもの。

e)

メスシリンダ  JIS R 3505 の付表 の 200ml のもの。

f)

メスピペット  JIS R 3505 の付表 の 1ml のもの。

5.10.2

試薬  試薬は,次による。

a)

指示薬  JIS K 8001 の 4.4(指示薬)によって調製されたブロモクレゾールグリーン。

b)  0.5mol/L

  JIS K 8180 に規定する塩酸を用いて JIS K 8001 による調製,標定を行ったもの。

c)

ジ−n−ブチルアミントルエン溶液  JIS K 1556 の 5.5.3(2)(ジ−n−ブチルアミン溶液)によって,ジ

n−ブチルアミン 130g を乾燥トルエンに溶解して 1L にしたもの。

d)

イソプロピルアルコール  JIS K 8839 に規定されたもの。

5.10.3

操作  300ml 共通すり合わせ三角フラスコに,試料約 2g を取り,その量を正確に量った後,ジ−n

−ブチルアミントルエン溶液 25ml を全量ピペットで正確に加える。栓をして 15 分間緩やかに振り混ぜた

後,イソプロピルアルコール 150ml と指示薬ブロモクレゾールグリーン 0.8ml を加え,振り混ぜる。次に

0.5mol/L

塩酸で滴定を行い,液の青又は青紫の色が消えて,少なくとも 15 秒間黄が持続する点を終点とす

る。


5

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なお,空試験を行い,次の式によって NCO 量を算出する。

100

)

(

01

021

.

0

×

×

×

S

f

A

B

NCO

ここに,  NCO

NCO

量 (%)

B

空試験における 0.5mol/L 塩酸使用量 (ml)

A

試料による 0.5mol/L 塩酸使用量 (ml)

f

0.5mol/L

塩酸の力価

S

試料の質量 (g)

5.11

接着強さ

5.11.1

圧縮せん断接着強さ  1 種 1 号は,常態及び煮沸繰返し,1 種 2 号は,常態及び耐温水の試験を行

う。

a)

試験片の材料  試験片の材料は,含水率 6∼15%に乾燥した容積密度 0.5g/cm

3

以上のかばまさ目で,

接着しようとする面は平滑に仕上げた厚さ 10mm のものを用いる。その主繊維方向が

図 の材軸と平

行するようにする。

b)

試験片の作製  主剤に製造業者の指定する架橋剤を指定量加え,均一になるまでかき混ぜる。調製し

た接着剤を a)で用意した材料の接着しようとする面のそれぞれに,

125

±25g/m

2

の割合で均等に塗り,

材軸に平行な両側面が一致するようにその接着面を密着させ,981∼1 471kPa の圧力で締めつけたま

まの状態で 20∼25℃に 24 時間静置後,除圧する。引き続き同温度で 72 時間静置してから,

図 の形

状・寸法に仕上げ,接着面周辺の余分の接着剤を削り取って,12 個の試験片を作製する。このとき個々

の接着面積を実測しておく。


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K 6806

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  1  圧縮せん断接着強さの試験片の形状・寸法

c)

試験片の処理  試験片の処理は,次によって行う。

1)

常態  試験片作製後,直ちに試験に供する。

2)

耐温水  試験片を 60±3℃の温水中に 3 時間浸せきした後,室温の水中に冷めるまで浸し,ぬれた

ままの状態で試験に供する。

3)

煮沸繰返し  試験片を沸騰水中に 4 時間浸せきした後,60±3℃の空気中で 20 時間乾燥し,更に沸

騰水中に 4 時間浸せきしてから,室温の水中に冷めるまで浸し,

ぬれたままの状態で試験に供する。

d)

試験機  試験機は,試験片の破断荷重がその容量の 15∼85%に当たるもので,その標準荷重に対し許

容誤差±1%のものを用いる。荷重速度は,毎分 9.81kN 以下とする。

e)

取付具  取付具は,ねじれ又ははく離の応力がかからないような構造のものを用いる。

f)

測定  取付具に試験片を荷重面が一致するように取り付け,d)の試験機により試験片が破断するまで

の最大荷重 (N) を測り,実測した接着面積 (cm

2

)

で除して接着強さ (N/cm

2

)

を求める。このとき木

部において破断した面積のせん断面積に対する百分率を 10%刻みで読み取り,木部破断率 (%) とす

る。順次 12 個の測定を行い,それぞれの平均値をもって圧縮せん断接着強さ及び木部破断率とする。

圧縮せん断接着強さは JIS Z 8401 によって,有効数字 3 けたで表示し,平均木部破断率は 2 捨 3 入し

て 5%刻みで表示する。木部破断率 50%以上で平均接着強さが規定以下のときは,再度試験片を作製

して再試験を行う。

5.11.2

合板引張りせん断接着強さ  2 種 1 号は,常態及び煮沸繰返し,2 種 2 号は,常態及び耐温水の試

験を行う。

a)

試験片の材料  試験片の材料は,厚さ 1.2∼1.5mm,含水率 6∼10%に乾燥した容積密度 0.45∼0.60g/cm

3

のラワン類ロータリー単板を用いる。

b)

試験片の作製  主剤に製造業者の指定する架橋剤及び添加剤(ただし指定のある場合)を指定量加え,

均一になるまでかき混ぜる。調製した接着剤を a)で用意した心板単板の両面にそれぞれ 200±25g/m

2

の割合で均等に塗り,表板及び裏板をそれぞれ木表が外側になるように,かつ繊維方向が心板と直交

するように重ね,981±98kPa  の圧力を 30 分間均一にかけ,次に 115±3℃に保たれたホットプレスに


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挟み,785±98kPa  の圧力を 3 分間均一にかけて,等厚 3 枚合わせの合板を 3 枚作製し,室温下で 24

時間静置する。

作製した 3 枚の合板から,

図 の形状・寸法に,心板の裏割れの順方向と逆方向のはり合わせ面が

試験できるように切り込みを入れた試験片をそれぞれ 5 個ずつ合計 30 個を作製する。このとき個々の

接着面積を実測しておく。

  2  合板引張せん断接着強さの試験片の形状・寸法

c)

試験片の処理  試験片の処理は,5.11.1c)によって行う。

d)

試験機  試験機は,5.11.1d)に規定されたものを用いる。この場合,荷重速度は,毎分 5.88kN  以下,

又はクロスヘッド移動速度毎分 0.5∼1.0mm とする。

e)

取付具  取付具は,5.11.1e)に規定されたものを用いる。

f)

測定  取付具に試験片の両端を固く取り付け,d)の試験機によって試験片が破断するまでの最大荷重

(N)

を測り,二つの切り込みの間の実測した接着面積 (cm

2

)

で除して接着強さ (N/cm

2

)

を求める。

このとき木部において破断した面積のせん断面積に対する百分率を 10%刻みで読み取り,木部破断

率 (%) とする。順次 30 個の測定を行い,それぞれの平均値をもって合板引張りせん断接着強さ及び

平均木部破断率とする。

合板引張りせん断接着強さは JIS Z 8401 によって,

有効数字 3 けたで表示し,

平均木部破断率は 2 捨 3 入して 5%刻みで表示する。木部破断率 50 %以上で平均接着強さが規定以下

のときは,再度試験片を作製して再試験を行う。

5.11.3

記録  測定結果の記録は,次によって行う。

a)

接着剤の名称

b)

測定年月日と場所

c)

接着剤の配合,塗付け量

d)

試験片木材の容積密度,含水率

e)

圧締条件及び除圧後の放置時間とその条件

f)

試験の種類

g)

試験機の荷重速度

h)

試験体の数と全試験片数

i)

接着強さの平均値及び最大値,最小値

j)

木部破断率の平均値及び最大値,最小値


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5.12 

接着強さ保持時間  接着強さ保持時間の測定は,次によって行う。

a)

主剤 150∼200g に製造業者の指定する架橋剤及び添加剤(ただし指定のある場合)を指定量加え,均

一になるまでかき混ぜる。主剤及び架橋剤は,あらかじめ 23±0.5℃としておく。

b)

試料を容器に入ったままの状態で 23±0.5℃に調節し,混合を終わったときを始点として少なくとも

10

分刻みの経過時間ごとに 5.11.1 又は 5.11.2 によって試験片を作製する。

c)

作製した試験片を用いて 5.11.1 又は 5.11.2 によって 1 号は煮沸繰返し,2 号は耐温水の試験を行い,

表 の接着強さを満足できる最大経過時間を接着強さ保持時間とし,これを測定結果として接着剤の

配合と共に記録する。

6.

表示  接着剤は,その容器の見やすいところに次の事項を表示する。

a)

名称

b)

種類及び主剤,架橋剤の別

c)

正味質量

d)

製造年月日又はその略号

e)

製造業者名又はその略号

f)

連絡先

g)

ホルムアルデヒド放散による区分を表す記号

F

☆☆☆☆  (

6

)

(

6

)  4

.の規定によって,ホルムアルデヒド放散による区分が F☆☆☆☆等級であることを示す。