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K 6558-10-1:2018  

(1) 

目 次 

ページ 

序文  1 

1 適用範囲 1 

2 引用規格 1 

3 用語及び定義  2 

4 原理 2 

5 試薬 2 

6 装置及び器具  3 

7 手順 4 

7.1 試料の採取及び調製  4 

7.2 分析溶液の調製  4 

7.3 分析溶液中の6価クロムの測定  4 

7.4 ブランク溶液  5 

7.5 検量線の作成  5 

7.6 回収率の測定  5 

8 計算及び結果の表し方  6 

8.1 6価クロム含有量の算出  6 

8.2 回収率  6 

8.3 結果の記載  7 

9 試験報告書  7 

附属書A(参考)固相抽出材  8 

附属書B(参考)比色法(この規格)とイオンクロマトグラフ法(JIS K 6558-10-2)とによって得られた

結果の比較  9 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表  10 

 

 


 

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まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本皮革産業連合会(JLIA)

及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS K 6558の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS K 6558-1 第1部:化学試験用試料の調製 

JIS K 6558-2 第2部:揮発性物質の測定 

JIS K 6558-3 第3部:硫酸化全灰分,硫酸化不溶性灰分及び全灰分の測定 

JIS K 6558-4 第4部:ジクロロメタン又はヘキサン可溶性物質の測定 

JIS K 6558-5 第5部:水溶性物質,水溶性無機物及び水溶性有機物の測定 

JIS K 6558-6 第6部:窒素含有量及び皮質分の測定−滴定法 

JIS K 6558-7 第7部:なめし度の測定 

JIS K 6558-8-1 第8-1部:酸化クロム含有量の測定−滴定法 

JIS K 6558-8-2 第8-2部:酸化クロム含有量の測定−比色法 

JIS K 6558-8-3 第8-3部:酸化クロム含有量の測定−原子吸光分析法 

JIS K 6558-8-4 第8-4部:酸化クロム含有量の測定−ICP発光分光分析(ICP-OES) 

JIS K 6558-9 第9部:pHの測定 

JIS K 6558-10-1 第10-1部:6価クロム含有量の測定−比色法 

JIS K 6558-10-2 第10-2部:6価クロム含有量の測定−クロマトグラフ法 

 

 


 

 

日本工業規格          JIS 

 

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革試験方法−化学試験− 

第10-1部:6価クロム含有量の測定−比色法 

Leather-Chemical tests-Determination of chromium (VI) content- 

Part 1: Colorimetric method 

 

序文 

この規格は,2017年に第1版として発行されたISO 17075-1を基に,技術的内容を変更して作成した日

本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

 

適用範囲 

この規格は,革中の6価クロム含有量を比色法によって測定する方法について規定する。この試験方法

は,6価クロムを3 mg/kg以上含む革の測定に適している。この規格は,全ての種類の革に適用できる。 

この規格によって得られた結果は,抽出条件に依存する。この規格で規定した抽出条件以外の抽出方法

(抽出溶液,pH,抽出時間など)を適用して得られた結果は,この規格で規定した方法によって得た結果

と比較することはできない。 

試料を,この規格及びJIS K 6558-10-2の両方で試験した場合,JIS K 6558-10-2によって得た結果は参

考値とみなす。JIS K 6558-10-2に規定する方法の利点は,抽出物の色の影響がないことである。試験所間

の比較試験では,両者の方法によって得られた結果は類似しており,有意差はなかった。試験所間の比較

試験の結果を附属書Bに示す。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 17075-1:2017,Leather−Chemical determination of chromium (VI) content in leather−Part 1: 

Colorimetric method(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 6556-1 革試験方法−試料採取及び調製−第1部:試料採取部位 

注記 対応国際規格:ISO 2418,Leather−Chemical, physical and mechanical and fastness tests−

Sampling location 

JIS K 6556-2 革試験方法−試料採取及び調製−第2部:試料調製及び状態調節 


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JIS K 6558-1 革試験方法−化学試験−第1部:化学試験用試料の調製 

注記 対応国際規格:ISO 4044,Leather−Chemical tests−Preparation of chemical test samples 

JIS K 6558-2 革試験方法−化学試験−第2部:揮発性物質の測定 

注記 対応国際規格:ISO 4684,Leather−Chemical tests−Determination of volatile matter 

JIS K 8034 アセトン(試薬) 

JIS K 8355 酢酸(試薬) 

JIS K 8488 1,5-ジフェニルカルボノヒドラジド(試薬) 

JIS K 8517 二クロム酸カリウム(試薬) 

JIS K 9005 りん酸(試薬) 

JIS K 9017 りん酸水素二カリウム(試薬) 

 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 6556-1によるほか,次による。 

3.1 

6価クロム含有量[chromium (VI) content] 

pH7.0〜pH8.0のりん酸塩溶液で抽出した後,比色法によって測定される抽出溶液中の6価クロム量。 

注記 6価クロム含有量は,試料の乾燥質量として,試料1 kg当たりのミリグラム量(mg/kg)で表

す。 

 

原理 

革中の6価クロムを,pH7.0〜pH8.0のりん酸塩溶液を用いて試料から抽出する。それと同時に抽出され

る着色物質は,検出に影響を及ぼすため,必要に応じて固相抽出法によって除去する。溶液中の6価クロ

ムによって,1,5-ジフェニルカルバジドが1,5-ジフェニルカルバゾンに酸化され,6価クロムは3価クロム

に還元される。生成した1,5-ジフェニカルバソンと3価クロムとが複合して赤紫の錯体を生じる。この錯

体を吸光光度法に基づき,540 nmの吸光度を測定することによって定量する。 

革の抽出マトリックスは複雑であり(例えば,着色など),3 mg/kg未満の結果は,ばらつきが大きく信

頼性が低い。このため,定量下限は3 mg/kgとする。 

6価クロム含有量が3 mg/kg以上の場合は,試験溶液のUV/VISスペクトルを標準液と比較し,結果が着

色物質などの干渉物質によるものかどうかを判別しなければならない。 

 

試薬 

全ての試薬は,特級以上の純度のものを使用する。 

5.1 

抽出溶液 りん酸水素二カリウム三水和物(K2HPO4・3H2O)22.8 g,又はJIS K 9017に規定するり

ん酸水素二カリウム(K2HPO4)17.4 gを1 000 mLの蒸留水(5.7)に溶解し,りん酸溶液(5.3)でpH8.0

±pH0.1に調製する。この溶液は,アルゴン若しくは窒素を用いて酸素を置換するか,又は超音波洗浄を

用いて減圧脱気する。 

抽出溶液は,使用時に調製する。抽出溶液は,冷蔵庫(庫内温度4 ℃±3 ℃)で1週間は保存してもよ

いが,使用時には室温に温め,使用前にアルゴン若しくは窒素を用いて酸素を置換するか,又は超音波洗

浄を用いて減圧脱気する。 

5.2 

ジフェニルカルバジド溶液 JIS K 8488に規定する1,5-ジフェニルカルバジド(C13H14N4O)1.0 gを


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JIS K 8034に規定するアセトン(CH3COCH3)100 mLに溶解し,JIS K 8355に規定する酢酸(CH3COOH)

を1滴加えて酸性にする。この溶液を保存する場合には,褐色ガラス瓶に保存しなければならない。 

なお,保存期限は,温度4 ℃±3 ℃で2週間までとする。 

5.3 

りん酸溶液 蒸留水約200 mLを1 000 mLの全量フラスコ(6.5)に入れ,JIS K 9005に規定するり

ん酸700 mLを加え,蒸留水で標線まで希釈する。 

5.4 

6価クロム原液 二クロム酸カリウム(K2Cr2O7)(5.8)2.829 gを蒸留水で溶解し,1 000 mLの全量

フラスコに入れ,蒸留水を加えて1 000 mLとする。この溶液1 mLは,1 mgの6価クロムを含む。 

市販されている同濃度の6価クロム標準液を使用してもよい。 

5.5 

6価クロム標準液 6価クロム原液(5.4)を全量ピペット(6.6)で1 mL採取し,1 000 mLの全量フ

ラスコに入れ,抽出溶液(5.1)を標線まで入れる。この溶液1 mLは,1 μgの6価クロムを含む。 

この6価クロム標準液は,冷蔵庫(庫内温度4 ℃±3 ℃)で1週間保存できる。市販されている同濃度

の6価クロム標準液を使用してもよい。 

5.6 

アルゴン又は窒素 酸素を含まないもの。アルゴンの方が大気よりも比重が大きいため,使用する

不活性ガスは窒素よりアルゴンの方が望ましい。 

5.7 

蒸留水又はこれと同等の純度の水 

5.8 

二クロム酸カリウム(K2Cr2O7) JIS K 8517に規定する二クロム酸カリウム(K2Cr2O7)を102 ℃

±2 ℃で,16時間±2時間乾燥したもの。 

5.9 

メタノール HPLCグレードのもの。 

5.10 pH標準液 ガラス電極の校正用。市販のpH標準液を購入することを推奨する。pH標準液の保存期

間は,組成及び使用方法によって異なる。このため,pH標準液の精度管理が不可欠である。また,使用済

みのpH標準液は,廃棄しなければならない。 

 

装置及び器具 

6.1 

振とう器 往復動式又は旋回式で,1分間に100回±10回振とうできるもの。 

6.2 

共栓付三角フラスコ 容量300 mLのもの。 

6.3 

ばっ(曝)気用チューブ及びストッパ付き流量計 アルゴン又は窒素(5.6)の流量を1分間に50 mL

±10 mLに調整できるもの。 

6.4 

メンブレンフィルタ 孔径0.45 μm[ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又はポリアミド66(PA66)]

のもの。 

6.5 

全量フラスコ 25 mL,100 mL及び1 000 mLのもの。 

6.6 

全量ピペット 適切な容量のもの。 

6.7 

分光光度計 波長540 nmで測定できるもの。 

6.8 

光度測定用セル 石英製で光路長が40 mm,又は適正な光路長のもの。 

6.9 

固相抽出材を充塡したガラス,又はポリプロピレン製のカートリッジセル 例えば,逆相C18

(RPC18)又は適切な活性けい酸マグネシウム。附属書Aに記載した固相抽出材の例を参照。 

6.10 固相抽出システム 真空装置又は耐溶剤性メディカルシリンジ附属のもの。 

6.11 鋭利な裁断機又は刃 革を細切するために適切なもの。 

6.12 分析用天びん(秤) 0.1 mgまで測定できるもの。 

6.13 pH計 ガラス電極を装備し,測定範囲が0〜14,目盛が0.01間隔のもの。一連の測定を行う前に,

pH標準液(5.10)を用いて,pH計をそのマニュアルに従って,ガラス電極を校正する。 


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手順 

7.1 

試料の採取及び調製 

JIS K 6556-1に規定する方法で化学試験用の試料を採取する。JIS K 6556-1に規定する方法で試料を採

取できない靴,衣類などの革の場合は,試料採取方法の詳細を試験報告書に記載する。 

JIS K 6558-1に規定する方法によって,鋭利な裁断機又は刃(6.11)で革を細切する。ただし,大きさは

一辺が3 mm〜5 mmとする。 

細切した試料を分析用天びん(6.12)によって,質量2 g±0.1 gはかりとり,その試料の質量を0.001 g

の桁まで求めておく。 

なお,試料数は2個とする。 

7.2 

分析溶液の調製 

JIS K 6556-2に規定する基準標準状態の温度(23 ℃±2 ℃)に調整し,脱気した抽出溶液を全量ピペッ

トで100 mL(V0)採取し,300 mLの共栓付三角フラスコ(6.2)に入れる。酸素を含まないアルゴン又は

窒素をストッパ付き流量計を付けたばっ気用チューブ(6.3)から,1分間に50 mL±10 mLの流量で5分

間吹き込み,酸素と置換する。ばっ気用チューブを取り外し,質量を正確に測定した試料(7.1)を加え,

共栓で蓋をする。 

試料を入れた共栓付三角フラスコを,JIS K 6556-2に規定する基準標準状態の温度で,振とう器(6.1)

を用いて機械的に1分間に100回±10回で3時間±5分間振とうし,6価クロムを抽出する。このとき,

試料がフラスコの壁面に付着しないように注意する。 

3時間±5分間振とうした後,直ちに共栓付三角フラスコの内容物をメンブレンフィルタ(6.4)でろ過

し,蓋付きのガラス容器又はプラスチック容器に入れ,分析溶液のpHをpH計(6.13)で測定する。この

ときの溶液のpHは,7.0〜8.0でなければならない。pHがこの範囲に入っていない場合は,全ての操作を

もう一度やり直す。 

pHが7.0〜8.0の間にない場合は,採取する試料の質量を減らすことを考慮する。ただし,この場合は定

量下限が高くなることに注意する必要がある。 

7.3 

分析溶液中の6価クロムの測定 

着色された革試料の場合は,ある種の着色物質,例えば,染料が同時に抽出されている可能性がある。

これらは,6価クロムの検出に影響するため,分析溶液(7.2)を適切な固相抽出材を含むカートリッジセ

ル(6.9)に通過させて着色物質を次によって除去する。 

固相抽出材を含むカートリッジセルは,着色物質を除去する前に次に示す前処理を行う。 

a) 最初に5 mLのメタノール(5.9)で洗浄する。 

b) 次に,5 mLの蒸留水で洗う。 

前処理中及び前処理後に,カートリッジセルは乾燥しないようにする。 

7.2で調製した分析溶液から,全量ピペットで10 mL(V1)を採取し,固相抽出システム(6.10)に装着

したカートリッジセルを通過,25 mLの全量フラスコに入れる。次に,カートリッジセルの固相内に残っ

たものを10 mLの抽出溶液で洗い,全量フラスコに加え,更に,標線まで抽出溶液を加え,25 mL(V2)

とする。この溶液をS1とする。 

溶液S1から,全量ピペットで10 mL(V3)を採取し,別の25 mLの全量フラスコに入れる。この全量フ

ラスコの容量の3/4まで抽出溶液を加えて希釈する。これにりん酸溶液0.5 mLを加えた後,ジフェニルカ

ルバジド溶液(5.2)0.5 mLを加える。抽出溶液を標線まで加え,25 mL(V4)とし,よくかくはん(撹拌)

する。 


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かくはん後,少なくとも15分間±5分間放置した後,溶液の一部を光度測定用セル(6.8)に移し,ブラ

ンク溶液(7.4)を対照として,波長540 nmの吸光度を分光光度計(6.7)で測定する。得られた吸光度を

A1として記録する。 

次に,溶液S1から,全量ピペットで10 mL(V3)を採取し,別の25 mLの全量フラスコに入れる。全量

フラスコの容量の3/4まで抽出溶液を加えて希釈する。さらに,りん酸溶液0.5 mLを加えた後,抽出溶液

を標線まで加え,25 mL(V4)とし,よくかくはんする。 

かくはん後,少なくとも15分間±5分間放置した後,溶液の一部を光度測定用セルに移し,ブランク溶

液を対照として,波長540 nmの吸光度を分光光度計で測定する。得られた吸光度をA2として記録する。 

7.4 

ブランク溶液 

25 mLの全量フラスコの3/4まで抽出溶液を入れ,0.5 mLのりん酸溶液及び0.5 mLのジフェニルカルバ

ジド溶液を加え,抽出溶液を標線まで加え,よく混合する。この溶液は,使用時に調製し,暗所に保存す

る。この溶液は,固相抽出の手順を除いて,分析溶液と同様に処理を行う。 

7.5 

検量線の作成 

6価クロム標準液(5.5)を用いて,濃度を段階的に変えて,少なくとも5点の検量線測定用の標準溶液

を調製し,適切な検量線を作成する。これらの検量線溶液の6価クロム濃度の範囲は,革から抽出する6

価クロム量で予想される濃度を含むものとする。 

6価クロム標準液から,0.5 mL〜15 mLの範囲で全量ピペットを用いて,少なくとも5点を採取し,そ

れぞれを別々の25 mLの全量フラスコに入れる。りん酸溶液0.5 mLを加えた後,ジフェニルカルバジド

溶液0.5 mLをそれぞれの全量フラスコに加える。さらに,それぞれの全量フラスコに抽出溶液を標線まで

加え,25 mLとし,かくはんし,検量線測定用の標準液とする。 

かくはん後,少なくとも15分間±5分間放置した後,それぞれの全量フラスコの溶液の一部を光度測定

用セルに移し,ブランク溶液を対照として,波長540 nmの吸光度を分光光度計で測定する。このとき,

光度測定用セルは同じものを使用する。 

7.6 

回収率の測定 

7.6.1 

マトリックスの影響 

回収率の測定は,試験結果に影響を及ぼす可能性のあるマトリックス効果に関する情報を得ることがで

きるため重要である。 

7.2で調製した分析溶液から全量ピペットで10 mLを採取し,6価クロム標準液を加え,6価クロム濃度

が10 mg/kgになるように調製する。加える6価クロム標準液の濃度は,添加後の容量が最大で11 mLにな

るように選択する。この溶液を試料と同様に測定する(吸光度をA1s及びA2sとして記録する。)(7.3参照)。 

溶液の吸光度は,検量線の範囲内になければならない。範囲内にない場合は,試料の採取量を少なくし

て再測定を行う。 

注記1 追加した6価クロムが検出できない場合は,革中に還元性物質が含有していることを示して

いる可能性がある。7.6.2で得られた回収率が90 %以上の場合は,分析した革には6価クロ

ムを含有していない(定量下限未満)という結果になる。 

注記2 回収率は,操作が良好に行われたかどうか,又はマトリックス効果が結果に影響を及ぼして

いるかどうかの指標になる。一般的に,回収率は80 %以上になる。 

7.6.2 

固相抽出材の影響 

革中の6価クロム含有量に相当する6価クロム標準液を,100 mLの全量フラスコに入れ,抽出溶液を標

線まで加える。この溶液を,革からの抽出操作と同様に処理を行う。この溶液中の6価クロム濃度を,革


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から抽出操作で得られた溶液と同様に測定し,計算した濃度を比較する。 

6価クロムが検出されなかった試料の場合は,溶液の6価クロム濃度を6 μg/100 mLに調製して,同様に

試験を行う。 

このときの回収率は,90 %以上でなければならない。回収率が90 %未満の場合は,固相抽出材がこの方

法には適していないので,代替のものを使用しなければならない。 

 

計算及び結果の表し方 

8.1 

6価クロム含有量の算出 

革から抽出した6価クロム含有量の算出は,次の式から求める。 

 

F

m

V

V

V

V

V

A

A

w

3

1

2

4

0

2

1

)

VI

(

Cr

)

(

 

ここに, wCr(VI): 革から抽出した6価クロム含有量(mg/kg) 
 

A1: ジフェニルカルバジドを添加した試料溶液の吸光度 

 

A2: ジフェニルカルバジドを添加しない試料溶液の吸光度 

 

F: 検量線の傾き(y/x)(mL/μg) 

 

m: 採取した革試料の質量(g) 

 

V0: 抽出溶液の容量(mL),100 mL 

 

V1: 試料から抽出した後の抽出溶液から分取した容量(mL),10 mL 

 

V2: V1を固相抽出カラムに通過した後,抽出溶液で希釈後の最終

的な容量(S1),25 mL 

 

V3: 溶液S1から分取した容量(mL),10 mL 

 

V4: S1から分取し,りん酸溶液及びジフェニルカルバジドを追加

し,抽出溶液で希釈後の最終的な容量(mL),25 mL 

 

結果は,揮発性物質を0 %として換算する。 

 

D

w

w

)

VI

(

Cr

dry

)

VI

(

Cr

 

ここに, 

D: 揮発性物質を0 %として換算するための係数 

 

w

D

    

 

ここに, 

w: JIS K 6558-2に規定する方法で測定した揮発性物質の質量分

率(%) 

 

8.2 

回収率 

回収率は,次の式によって求める。 

 

100

)

(

)

(

2

1

s2

s1

F

A

A

A

A

 

ここに, 

η: 回収率(%) 

 

ρ: 添加した6価クロムの質量濃度(μg/mL) 

 

F: 検量線の傾き(mL/μg) 

 

A1s: 6価クロム及びジフェニルカルバジドを加えた後の吸光度 

 

A2s: 6価クロムを加えた後の吸光度(ジフェニルカルバジドは加

えない) 

 

A1: ジフェニルカルバジドを添加した試料溶液の吸光度 

 

A2: ジフェニルカルバジドを添加しない試料溶液の吸光度 


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8.3 

結果の記載 

6価クロム含有量は,キログラム当たりのミリグラム量(mg/kg)で表し,結果は,算術平均で表し,四

捨五入によって,小数点1桁とする。結果は揮発性物質を0 %として換算する。揮発性物質は,JIS K 6558-2

に規定する方法で測定し,パーセント(%)で表し,結果は,四捨五入によって,小数点以下1桁とする。 

 

試験報告書 

試験報告書には,次の事項を記載する。 

a) 試験結果の算術平均(mg/kg,小数点以下1桁,揮発性物質を0 %として換算) 

b) この規格の規格番号 

c) 試料を識別するための詳細情報及び試料採取に関する7.1との相違点 

d) 40 mm以外の光路長を使用した場合に,セルの光路長 

e) 試料の揮発性物質の質量分率(%,小数点以下1桁) 

f) 

回収率が80 %未満又は120 %より高い場合の回収率(%) 

g) この規格で規定した方法との相違点 

 


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附属書A 

(参考) 

固相抽出材 

 

着色物質,例えば染料などが,7.2の抽出過程で抽出された場合,これらの潜在的な干渉物質は抽出溶液

から除去する必要がある。 

種々のタイプの固相抽出材を小さなカラムに充塡し,実験したところ,効果的に着色物質を除去するこ

とが示された。 

革から抽出された着色物質の量は,染色処方及び固着工程によって異なる。抽出された染料は,固相抽

出カラムによって除去することが重要である。 

適切な固相抽出材の例 

試験所間の試験では,1 gの逆相C18(RPC18)がパックされたカートリッジ及びDionexカートリッジ

[DionexTM OnGuardTMRP 1)]を試験した。 

その他の適切なカートリッジはWatersによって提供されるSep-Pak® Plus tC182)である。 

また,活性化けい酸マグネシウムを含み適切な固相抽出材,例えば,Florisil®3)がある。 

着色物質を除去するために,1 g以上の固相抽出材を使用する場合,又はその他の固相を使用する場合も

ある。いずれの場合も,回収率を慎重に試験する必要がある。 

活性炭は,抽出物の脱色には不向きであることが分かっている。 

注1) DionexTM OnGuardTMRPは,Dionexが供給する製品である。この情報は,規格の利用者の便宜を

図って記載するもので,この製品を推奨するものではない。 

2) Sep-Pak® Plus tC18は,Watersが供給する製品の商標名である。この情報は,規格の利用者の便

宜を図って記載するもので,この製品を推奨するものではない。 

3) Florisil®は,U.S.Silica Companyが供給する製品の商標名である。この情報は,規格の利用者の

便宜を図って記載するもので,この製品を推奨するものではない。 


K 6558-10-1:2018  

 

附属書B 

(参考) 

比色法(この規格)とイオンクロマトグラフ法(JIS K 6558-10-2) 

とによって得られた結果の比較 

 

参加した13の試験所間の実験(2015年9月)によって得られた結果を表B.1に示す。6価クロム含有量

が未知の試料1点を分析した。 

 

表B.1−比色法(この規格)の結果とイオンクロマトグラフ法(JIS K 6558-10-2)の結果との比較 

単位 mg/kg 

比色法(この規格) 

イオンクロマトグラフ法(JIS K 6558-10-2) 

平均 

標準偏差 

平均 

標準偏差 

3.71 

0.93 

2.56 

1.17 

 

 

 


10 

K 6558-10-1:2018  

 

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

 

JIS K 6558-10-1:2018 革試験方法−化学試験−第10-1部:6価クロム含有量の
測定−比色法 

ISO 17075-1:2017,Leather−Chemical determination of chromium (VI) content in leather
−Part 1: Colorimetric method 

 

(I)JISの規定 

(II)国際 
規格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

1 適用範囲 附属書B 

 

附属書A 

変更 

JISでは,附属書Bとした。 

実質的な差異はない。 

4 原理 

革のマトリックス
の複雑さについて
の記載 

 

8.3 

− 

変更 

原理についての規定なので,規定す
る箇所を原理に変更した。 

実質的な差異はない。 

5 試薬 

5.1,5.2,5.3,5.8各
試薬にJIS番号を記
載 

 

JISとほぼ同じ 

追加 

JISでは,試薬名を明確にし,規定
内容を明確にした。 

実質的な差異はない。 

 

5.7 蒸留水又はこれ
と同等の水 

 

5.7 

− 

変更 

JISでは,蒸留水又はこれと同等の
純度の水とした。 

実質的な差異はない。 

 

5.10 pH標準液 

 

− 

追加 

ISO規格には規定がなかったが,
JISでは,規定に追加した。 

実質的な差異はない。 

6 装置及び
器具 

6.1 振とう器 

 

6.1 

旋回式を採用 

追加 

JISでは,往復動式を追加した。 

我が国の試験事情による。実質的
な差異はない。 

 

6.2 共栓付三角フラ
スコ 

 

6.2 

容量が250 mL 

変更 

JISでは,300 mLとした。 

我が国の試験事情による。実質的
な差異はない。 

 

6.13 pH計 

 

− 

追加 

ISO規格には規定がなかったが,
JISでは,規定に追加した。 

実質的な差異はない。 

 

 

 

2

 

K

 6

5

5

8

-1

0

-1

2

0

1

8

 

 

 

 

 


11 

K 6558-10-1:2018  

 

(I)JISの規定 

(II)国際 
規格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

7 手順 

7.1 試料の採取及び
調製 

 

7.1 

− 

追加 

ISO規格には分析試料数の規定が
ないため,JISでは,試料数を追加
した。 

実質的な差異はない。 

 

7.2 分析溶液の調製 

 

7.2 

− 

追加 

ISO規格には抽出温度の規定がな
いため,JISでは,抽出温度をJIS K 
6556-2に規定する温度とし追加し
た。 

ISO規格に抽出温度を規定するよ
うに提案している。 

 

 

 

 

 

追加 

分析溶液のpH値の測定方法を明確
にした。 

実質的な差異はない。 

 

7.5 検量線の作成 

 

7.5 

検量線用の標準液 
6点 

変更 

ISO規格には検量線用の標準液は6
点であるが,JISでは,5点とした。 

ISO 17075-1では6点,ISO 17075-2
では5点であるので,5点とした。
実質的な差異はない。 

− 

− 

 

附属書B 

− 

削除 

JISでは,附属書Bを削除した。 

実質的な差異はない。 

附属書B 

 

 

附属書C 

− 

変更 

JISでは,附属書Bとした。 

実質的な差異はない。 

 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 17075-1:2017,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 削除  国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
− 追加  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
− 変更  国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD  国際規格を修正している。 

 

2

 

K

 6

5

5

8

-1

0

-1

2

0

1

8