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K 6557-9:2018  

(1) 

目 次 

ページ 

序文  1 

1 適用範囲 1 

2 引用規格 1 

3 用語及び定義  2 

4 原理 2 

5 試験の適用  2 

6 装置及び器具  2 

7 試料の採取及び試験片の作製  4 

7.1 試料の採取  4 

7.2 試験片の作製  4 

7.3 試験片の状態調節  6 

8 試験手順 7 

9 試験報告書  9 

附属書A(参考)研究室間の共同実験による精度に関するデータ 11 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表  12 

 

 


 

K 6557-9:2018  

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まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本皮革産業連合会(JLIA)

及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

これによって,JIS K 6555:1995は廃止され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS K 6557の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS K 6557-1 第1部:厚さの測定 

JIS K 6557-2 第2部:引張強さ及び伸びの測定 

JIS K 6557-3 第3部:シングルエッジ法による引裂荷重の測定 

JIS K 6557-4 第4部:ダブルエッジ法による引裂荷重の測定 

JIS K 6557-5 第5部:耐水圧の測定 

JIS K 6557-6 第6部:静的吸水度の測定 

JIS K 6557-7 第7部:液中熱収縮温度の測定 

JIS K 6557-8 第8部:耐屈曲性の測定−フレクソメータ法 

JIS K 6557-9 第9部:仕上膜の剝離強さの測定 

JIS K 6557-10 第10部:銀面割れの測定−ボールバースト法 

 

 


 

 

日本工業規格          JIS 

 

K 6557-9:2018 

 

革試験方法−物理試験− 

第9部:仕上膜の剝離強さの測定 

Leather-Physical and mechanical tests- 

Determination of adhesion of finish 

 

序文 

この規格は,2009年に第2版として発行されたISO 11644を基とし,対応国際規格にない老化剝離試験

及び屈曲剝離試験を追加し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

 

適用範囲 

この規格は,革の仕上膜の剝離強さの測定方法について規定する。 

この方法は,塗装仕上げした革で,仕上膜の厚さが15 μm以上の表面が滑らかな全ての革に適用できる。 

この測定では,接着剤が仕上膜内部に浸透せずに接着プレートに接着することが必要であり,これらの

条件に適合しているか判断するために,予備試験が必要となる場合がある。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 11644:2009,Leather−Test for adhesion of finish(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 6556-1 革試験方法−試料採取及び調製−第1部:試料採取部位 

注記 対応国際規格:ISO 2418,Leather−Chemical, physical and mechanical and fastness tests−

Sampling location 

JIS K 6556-2 革試験方法−試料採取及び調製−第2部:試料調製及び状態調節 

注記 対応国際規格:ISO 2419,Leather−Physical and mechanical tests−Sample preparation and 

conditioning 

JIS K 6557-8 革試験方法−物理試験−第8部:耐屈曲性の測定−フレクソメータ法 

JIS L 0801 染色堅ろう度試験方法通則 

JIS L 0804 変退色用グレースケール 

注記 対応国際規格:ISO 105-A02,Textiles−Tests for colour fastness−Part A02: Grey scale for 


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assessing change in colour 

 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 6556-1による。 

 

原理 

革の表面仕上面の一部を,接着剤を用いて接着プレートの表面に接着する。接着プレートホルダに固定

した後,接着していない部分の革の一端に荷重を加え,革を仕上膜から剝がす。このとき,仕上膜又は仕

上層が接着プレートに残るようにする。仕上膜を剝離させるために必要な荷重を測定し,これを仕上膜の

剝離強さとして報告する。 

試験は,一般的に,試験前にJIS K 6556-2に規定する状態調節を行った試験片を用いる。必要に応じて,

湿潤した試験片又は他の処理を行った試験片を用いて試験する場合もある。 

 

試験の適用 

試験は,乾燥剝離試験,湿潤剝離試験,老化剝離試験及び屈曲剝離試験の4種類とする。仕上膜の剝離

強さの試験は,通常,乾燥剝離試験を基本とするが,試験の目的によって選択して行う。 

 

装置及び器具 

6.1 

引張試験機 引張試験機は,次による。 

a) 試験片に適した荷重の範囲をもつもの。 

b) 100 mm/min±5 mm/minの一定速度でつかみ器具を移動できるもの。 

c) 接着プレートホルダ(6.3)及び連結フック(6.4)又はつかみ器具(6.5)を固定するための適切な手

段をもつもの。 

d) 試験中に荷重−剝離間隔曲線を記録できるもの。 

6.2 

接着プレート 革の試験片を接着するプレートで,形状及び寸法を図1に示す。接着プレートの素

材は,硬質ポリ塩化ビニル(PVC)又は試験に適したその他の素材でもよいが,PVCが望ましい。接着プ

レートの寸法は,長さ約70 mm,高さ約10 mm,幅10 mmとする。 

 

単位 mm 

 

図1−接着プレートの形状及び寸法 

 

6.3 

接着プレートホルダ 試験片を接着した接着プレートを引張試験機の下部クランプに固定できる適

切な素材で作製したジグ。接着プレートホルダは,金属製(例えば,アルミニウム)とし,図2に一例を

示す。プレートホルダの両脇からねじなどでプレートを固定する構造としてもよい。 

接着プレートホルダにボルトで取り付けるための穴 


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単位 mm 

 

図2−接着プレートホルダの一例 

 

6.4 

連結フック 直径1 mm〜2 mm,長さが少なくとも200 mmの鋼線製のフックとする。引張試験機の

上部クランプに,試験片の接着していない一端を取り付けるために使用する(図3及び図4参照)。連結

フックは,剝がす角度が常に90°を保てるような長さにする。 

 

単位 mm 

 

図3−連結フックの一例 

 

6.5 

つかみ器具 試験片の接着していない一端を固定し,クランプを引張試験機の上部締付け部に接続

するのに適した取付け部品。例えば,ホフマン式ピンチコックなどが適している。つかみ器具は,その上

部に連結フックに取り付けられる輪を備えたものでもよい。図4につかみ器具の一例を示す。 

 

 

図4−つかみ器具の一例 

200以上 

接着プレートを固定する穴 


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6.6 

パンチ 連結フック(6.4)に,試験片を直接取り付ける場合,試験片に直径2 mm〜3 mmの穴を開

ける用途に適したものとする。 

6.7 

接着剤 試験片を接着プレートに接着する用途に適したものを使用する。例えば,次に示す2種類

の接着剤は再現性が高い。 

a) 一液型シアノアクリレート系接着剤 接着剤が仕上層に浸透せず,非常に短時間で硬化及び接着する

瞬間接着タイプ。 

b) 二液型ウレタン系接着剤 樹脂及び硬化剤から成る。 

市販の接着剤を使用する場合は,取扱説明書の記載に基づき,適切に使用しなければならない。 

6.8 

定温乾燥機 50 ℃±2 ℃に温度を制御できるもの。老化剝離試験に使用する。 

6.9 

おもり 質量が約4.5 kgで底が平らで試験片に均等に負荷できる形状のもの。 

6.10 洗浄用溶剤 40 ℃〜80 ℃で沸騰するヘキサン又はアルカン混合物(例えば,石油エーテル)。接着

する前に,接着プレートの表面及び試験片の仕上面を洗浄するために用いる。 

6.11 カッタ よく切れるもので,革を一気に切り落とせるもの。 

6.12 試験片の湿潤装置及び器具 次に規定するもので,湿潤した革を試験する場合にだけ必要となる。 

a) 真空排気の容器 真空デシケータ又は真空にできるその他の容器。真空ポンプ[b)]を用いて真空に

する。 

b) 真空ポンプ 約4分間以内に,真空デシケータ[a)]内の絶対圧力を約5 kPa未満に減圧できるもの。 

c) ビーカー 試験片(接着プレートに接着した革)を完全に水中に沈めることができる大きさのもの。 

6.13 変退色用グレースケール JIS L 0804に規定したもの。試験後の革表面について色の変化を評価す

る場合に必要となる。 

6.14 イオン交換水 イオン交換水又はこれと同等の水。 

6.15 抜型 抜型は,JIS K 6556-2に規定されたデザインによるもので,試験片を(100±2)mm×(15±

1)mmの寸法に切断できるものとする。 

6.16 耐屈曲性試験装置 JIS K 6557-8の5.1(耐屈曲性試験装置)に規定するもの。 

 

試料の採取及び試験片の作製 

7.1 

試料の採取 

JIS K 6556-1に規定する方法によって,試料を採取する。 

7.2 

試験片の作製 

試験片の作製は,次による。 

a) 7.1で採取した試料から,JIS K 6556-2に規定する方法によって,試験を行う革の仕上面に抜型(6.15)

を置き,(100±2)mm×(15±1)mmの試験片を採取する。 

革の採取位置及び試験片の状態調節の違いに合わせて,少なくとも4個の試験片を採取する。この

うち,2個の試験片は長軸が背線に対して平行に,他の2個の試験片は長軸が背線に対して垂直にな

るように採取する。 

仕上膜の剝離強さは,1枚の革の中[ベンズ,尻(バット),腹(ベリー)又は肩(ショルダ)]で

も大幅に異なる場合がある。このようなばらつきを評価する必要がある場合は,JIS K 6556-1に規定

する部位からだけ試験片を採取するのではなく,ショルダ及びベリーからも採取することを推奨する。 

靴甲革用の革のタイプによっては,より幅の広い試験片,及びこれに対応する幅の広い接着プレー

トを使用することが望ましい場合がある。他の寸法の試験片を用いる場合は,必ず報告書に記載する。 


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b) つかみ器具を使用しないで,連結フックシステムに,直接試験片を取り付ける場合は,パンチ(6.6)

を使用して,試験片の長さ方向の中心線上で,両端から約5 mmの位置に,直径約2 mm〜3 mmの穴

を開ける。 

c) 洗浄用溶剤(6.10)を含ませた清潔な布で,接着プレート(6.2)の試験片を接着する面,及び試験片

の仕上面の汚れを除去する。 

警告 適切な換気装置を使用し,溶剤が皮膚に付着しないように注意する。 

d) 接着プレートの接着面に,接着剤(6.7)を均一な薄い層になるように塗布する。使用する接着剤の取

扱説明書の指示に従って,粘着性が得られるまで一定時間静置する。規定時間後,接着剤を塗布した

接着プレートの上に,試験片の仕上面が接するように下向きにして置く。このとき,試験片の長片の

両端が接着プレートの各辺から15 mm程度,短辺の両端が接着プレートの各辺から2.5 mmずつはみ

出すようにして置く。試験片の裏面を指又はペーパーナイフなどで強く押し,気泡を取り除く。この

ときに,接着プレートの側面に接着剤ができるだけはみ出さないようにする。次いで,平らな板状に

四つの試験片が下になるようにして並べ,接着プレートの上に,接着のために適切な質量となるよう

におもり(6.9)を置いて,接着剤の取扱説明書にある完全硬化時間以上放置する。 

試験片を接着した接着プレートを引張試験機に取り付ける前に,接着プレートの長軸からはみ出し

ている試験片の短辺の端を,カッタ(6.11)を用いて,接着プレートの端に合わせて切り落とす(図5

参照)。 

e) 複雑なプリント,型押しが施された革の仕上膜の剝離強さを試験する場合,試験片におもりを乗せる

前に,適度な圧力でハンドローラをかけることによって,接着を均一にしてもよい。 

f) 

仕上げの種類によって,十分な接着性が得られない場合,きめの細かいサンドペーパ(P600)で,仕

上面を2回程度前後に摩擦した後,洗浄用溶剤で汚れを除去し,仕上面を少しだけ粗くするという操

作を行ってもよい。この場合,仕上層に到達するほど摩擦してはならない。 

g) 接着剤が試験片の側面に流れ出し,切断面に入り込んだ形跡がある場合は,その試験片は処分して新

しい試験片で試験を行う。 

h) 試験片の仕上面にも接着剤を塗ってもよい。ただし,この場合には試験片の長片の両端約15 mmずつ

は接着剤を塗ってはならない。 

警告 接着剤が皮膚に付着しないように注意する。 

 

 

図5−試験片の裁断 

 


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7.3 

試験片の状態調節 

7.3.1 

一般 

試験片は,試験を行う前に,湿潤剝離試験を行うものを除き7.2に規定する方法で試験片を接着プレー

トに接着した後,JIS K 6556-2に規定する基準標準状態で16時間以上状態調節をする。 

試験片は,乾燥状態で試験を行う場合を除き,次の状態調節を行う。 

7.3.2 

湿潤剝離試験用試験片の状態調節 

湿潤した革の試験は,有益な情報をもたらす場合が多い。ただし,革の不均一な湿潤状態,革の膨張,

及び接着剤に対する水分の影響によって,試験が困難になる場合があるので注意が必要である。 

湿潤剝離試験を行う場合は,7.2に規定する方法によって試験片を接着した接着プレートを,次のように

状態調節を行う。 

イオン交換水(6.14)を満たしたビーカー[6.12 c)]に,試験片を完全に浸す。ビーカーを真空デシケ

ータ[6.12 a)]に入れ,約4分間で約5 kPaになるように脱気する。真空状態を約2分間保持した後開放

する。この脱気及び圧力開放を2回以上繰り返し,試験片が完全に湿潤していることを確認する。試験片

を最初に水に浸してから,30分間〜120分間の間に試験を行う。試験を行うため,試験片を取り出した後,

ろ紙などで余分な水分を取り除き,湿潤剝離試験までポリエチレンのフィルムに包んで保管する。 

7.3.3 

老化剝離試験用試験片の状態調節 

7.2に規定する方法によって,試験片を接着した接着プレートを,50 ℃±2 ℃に保った定温乾燥機(6.8)

に48時間放置する。 

7.3.4 

屈曲剝離試験用試験片の状態調節 

耐屈曲性試験装置(6.16)を用いて,JIS K 6557-8の箇条7(試験手順)に規定する方法によって試験片

を5 000回屈曲する。試験片の屈曲が著しい部分(図6参照)から,剝離強さ測定用試験片を採取する。 

7.2に規定する方法によって,試験片を接着プレートに接着するが,試験片の大きさは50 mm×15 mm

とし,試験片を接着するときは,接着プレートの中央部で2個の試験片が接するように取り付ける。 

 

 

図6−屈曲剝離試験用試験片 


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試験手順 

8.1 

接着プレートホルダ(6.3)を引張試験機(6.1)の下部クランプに固定する。 

8.2 

試験の目的によって状態調節した試験片を接着した接着プレートについて,接着プレートホルダか

らはみ出している試験片の長辺の両端を,それぞれ軽く引っ張り,両端から試験片の接着面を数mmずつ

剝がし接着プレートホルダに取り付け,ボルトなどで固定する。この場合,接着プレートホルダの一端ま

でが17.5 mmとなるようにする。 

8.3 

8.3.1〜8.3.3の方法から接着プレートの取付方法を選択する。試験片の取付け例を,図7に示す。 

8.3.1 

連結フックの一端を引張試験機の上部クランプに取り付け,もう一端を試験片の端の穴に引っ掛け

ることによって試験片を取り付ける[図7 a)]。 

8.3.2 

試験片の接着プレートに接着されていない部分を,端から約5 mmのところまでつかみ器具に挟む。

このとき,つかみ器具のフック連結輪は上を向かせる。連結フックの一方を,引張試験機の上部クランプ

に取り付け,他方のフックをつかみ器具の連結輪に引っ掛ける[図7 b)]。 

8.3.3 

つかみ器具の一端(6.5)又は二つの連結フックを引張試験機の上部クランプに取り付け,もう一

端は,試験片の一端にしっかりと締め付けられたつかみ器具に取り付ける[図7 c)]。 

8.3.4 

取付け部品を引張試験機の上部クランプに取り付け終えたら,質量を考慮して必ず目盛をゼロに合

わせる(又は風袋の質量を減じておく。)。 

注記 仕上膜を剝がす場合は,幅全体にわたってできるだけ均等に剝がす必要がある。革のタイプに

よっては,仕上膜を剝がすにつれて革が丸まってしまうことを防ぐために,つかみ器具を使用

する方が望ましい場合がある。つかみ器具を使うと,試料の幅全体にわたって力が一定に保た

れる。 

 

 

 

a) 8.3.1の取付け例 

b) 8.3.2の取付け例 

c) 8.3.3の取付け例 

 

図7−試験片の取付け例 

 

8.4 

試験片を100 mm/min±5 mm/minの一定速度で,試験片の接着面が約30 mm剝がれるまで引っ張り,


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荷重−剝離間距離曲線を記録する。次いで,引張試験機を停止及び逆転させ,元の位置まで戻す。 

このとき,接着プレートに対して約90°の角度で剝がれるように引っ張り,仕上膜が革から剝がれる様

子を観察する。試験後,革及び仕上膜の外観,特に,仕上膜の剝がれ方(例えば,滑らかな膜として剝が

れた,個別の層として剝がれたなど)を記録する。また,荷重−剝離間距離曲線では明らかにならない可

能性のある,試験片に生じた不具合の詳細(例えば,接着剤が接着プレートから分離した,革が引き裂か

れたなど)も記録する。 

接着不良(例えば,接着剤が接着プレートから分離した,一部又は全てが接着していないなど)が生じ

た場合,その測定値は平均値を計算する場合に使用してはならない。全ての試験片に接着不良が生じた場

合は,それらの結果は破棄し,異なる接着方法を使用して再試験を行う。ただし,仕上膜の大半が革に残

ってしまった場合は,接着方法を変更して,新しい試験片で再試験を行う。 

8.5 

固定した接着プレートを取り外し,接着プレートの向きを変えて反対側を再び接着プレートホルダ

に取り付けて,8.2,8.3及び8.4に従って,反対方向に剝がす操作を繰り返す。 

革への仕上膜の接着性は,毛包の方向及びガラス張り革などのバフィングの方向によって異なる場合が

ある。このため,仕上膜の接着性は,各試験片の両方向から測定することが不可欠である。 

8.6 

図8に模式的に示す荷重−剝離間距離曲線について,約30 mm間にわたって革から仕上膜が剝離す

るときの平均荷重(剝離強さ)を求める。この値を,試験片の幅(10 mm)当たりの剝離強さ(N/10 mm)

で表し,四捨五入によって小数点以下1桁とする。 

試験片の幅が10 mm以外の場合は,そのことを必ず試験報告書に記載する。 

荷重は,最初に荷重が最大に達した(初期の急激な上昇)後から記録する。全てのピークを記録するが,

最初及び最後の10 %の変位は評価には使用しない。電子機器によって評価する場合は,全てのピークから

平均値を算出する。電子機器によって評価しない場合は,荷重のピーク及び谷の平均値から計算する。荷

重のピークがない場合は,全ての剝離間距離から最初及び最後の10 %を除く部分を,等距離の九つの区間

に分ける。剝離強さは,各区間における最初に得られる荷重の平均値から計算する。 

 

 

 


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記号 

A  平均荷重(N) 

X 距離(mm) 
Y 荷重(N) 

図8−荷重−剝離間距離曲線の評価 

 

8.7 

試験片の状態ごとに(乾燥,湿潤,老化及び屈曲),適切に測定できた全ての剝離強さの平均値を計

算し,四捨五入によって小数点以下1桁とする。 

8.8 

必要に応じて,仕上膜を剝がした面又は剝がした面を研磨した後について,剝離試験前の革の色の

違いを,変退色用グレースケール(6.13)を使用して評価する。 

注記 革が染色されていない場合,又は仕上げの色と調和しない色で染色されている場合,仕上膜を

剝がした革表面の色は,多かれ少なかれ元の仕上加工された革の色とは異なる。 

 

試験報告書 

試験報告書には,次の事項を記載する。 

a) この規格の規格番号 

b) 試料を識別するための詳細情報,及び試料採取に関するJIS K 6556-1との相違点 

c) 試験条件の記載(乾燥,湿潤,老化及び屈曲) 

d) 使用した接着剤の種類 

e) 試験を行った試験片の数,試験片を採取した部位,及びJIS K 6556-2に示す基準標準状態以外で状態

調節した場合の詳細 

f) 

測定した剝離強さの平均値(N/10 mm,小数点1桁)。必要に応じて,同一条件下で試験を行った全て

の試験片の背線に対する各方向における剝離強さの値 

g) 仕上膜が革から剝がれる様子(8.4を参照)(例えば,滑らかな膜として剝がれた,個別の相として剝

がれた,接着剤が接着プレートから剝がれた,革が引き裂かれたなど) 

約30 mm 


10 

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h) 必要に応じて,剝離試験前の革と,仕上膜を剝離した革及び剝離した面を研磨した後の革との色の相

違を変退色用グレースケールで評価し,JIS L 0801の箇条11(試験報告書)に規定する方法で記載 

i) 

この規格で規定した方法との相違点 

 


11 

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附属書A 

(参考) 

研究室間の共同実験による精度に関するデータ 

 

A.1 研究室間の共同実験 

2003年,ドイツ皮革学会(VGCT)の革試験委員会によって実施した。六つの研究室が参加し,一液型

接着剤及び二液型接着剤を用いて,基準標準状態で行った。結果を表A.1に示す。 

 

表A.1−研究室間の共同実験による精度に関するデータ 

試料 

剝離強さ 

N/10 mm 

標準偏差 

革A 

8.8 

1.3 

革B 

4.5 

0.6 

 

A.2 試料調製手順の比較 

2004年,ドイツのロイトリンゲン皮革学校によって実施した。二液型接着剤を用いて,基準標準状態で

行った。結果を表A.2に示す。 

 

表A.2−背線に平行な試験片5個及び背線に垂直な試験片5個に対する20個の剝離強さの平均 

試料 

標準方法 

表面を粗くした場合 

平均剝離強さ 

N/10 mm 

標準偏差 

平均剝離強さ 

N/10 mm 

標準偏差 

革C 

 3.2 

0.2 

 2.9 

0.2 

革D 

 3.7 

0.4 

 4.3 

0.6 

革E 

 8.2 

0.7 

 8.3 

0.7 

革F 

 8.8 

1.1 

 8.3 

0.7 

革G 

13.3 

0.7 

13.0 

0.8 

革H 

 6.9 

0.5 

 7.5 

0.5 

革I 

 9.8 

1.2 

 9.3 

0.6 

 

 


12 

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附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

 

JIS K 6557-9:2018 革試験方法−物理試験−第9部:仕上膜の剝離強さの測定 

ISO 11644:2009,Leather−Test for adhesion of finish 

 

(I)JISの規定 

(II)国際 
規格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

3 用語及び
定義 

6.1 剝離強さ 

 

3.1 

JISとほぼ同じ。 

削除 

試験手順に記載があるため削除し
た。 

実質的な差異はない。 

5 試験の適
用 

 

 

− 

− 

追加 

JISでは,湿潤,老化,及び屈曲試
験の適用を追加した。 

試験の種類の選択を分かりやすく
した。実質的な差異はない。 

6 装置及び
器具 

6.2 接着プレート 

 

5.2 

JISとほぼ同じ。 

追加/
変更 

JISでは,PVC以外のプレートを使
えるようにした。また,寸法につい
ては,現行のジグに取り付けられる
ようにした。 

我が国の試験事情による。実質的
な差異はない。 

 

6.3接着プレートホ
ルダ 

 

5.3 

JISとほぼ同じ。 

追加 

ISO規格では,適切な素材という記
載であるが,JISでは,接着プレー
トホルダの素材について規定した。 

我が国の試験事情による。実質的
な差異はない。 

 

6.5 つかみ器具 

 

5.5 

JISとほぼ同じ。 

変更 

JISでは,既存JISのつかみ器具を
使えるようにした。 

我が国の試験事情による。実質的
な差異はない。 

 

6.7 接着剤 

 

5.7 

JISとほぼ同じ。 

変更 

JISでは,接着剤は,それぞれの取
扱説明書に従うことを明記した。 

我が国の試験事情による。実質的
な差異はない。 

 

6.8 定温乾燥機 

 

5.8 

JISとほぼ同じ。 

変更 

JISでは,赤外線ランプを削除した。 我が国の試験事情による。実質的

な差異はない。 

 

6.14 イオン交換水 

 

5.14 

JISとほぼ同じ。 

変更 

ISO規格では,ISO 3696のグレー
ド3の水と規定しているが,JISで
は,イオン交換水とした。 

実質的な差異はない。 

 

6.15 抜型 

 

− 

− 

追加 

JISでは,抜型を追加した。 

我が国の試験事情による。実質的
な差異はない。 

 

2

 

K

 6

5

5

7

-9

2

0

1

8

 

 

 

 

 


13 

K 6557-9:2018  

 

(I)JISの規定 

(II)国際 
規格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

6 装置及び
器具(続き) 

6.16 耐屈曲性試験
装置 

 

− 

− 

追加 

JISでは,耐屈曲性試験装置を追加
した。 

我が国の試験事情による。 

7 試料の採
取及び試験
片の作製 

7.1 試料の採取 

 

− 

− 

追加 

JISでは,試料の採取方法を追加し
た。 

実質的な差異はない。 

7.2 試験片の作製 

 

6.1 

JISとほぼ同じ。 

変更 

JISでは,試験片の大きさを変更し
た。 

我が国の試験事情による。実質的
な差異はない。 

 

 

 

6.1の注記 JISとほぼ同じ。 

変更 

JISでは,規定とした。 

規定事項のため。 

 

 

 

6.4.2の注
記 

JISとほぼ同じ。 

変更 

JISでは,規定とした。 

規定事項のため。 

 

 

 

6.3及び
6.4 

JISとほぼ同じ。 

変更 

JISでは,接着方法を変更した。 

我が国の試験事情による。実質的
な差異はない。 

 

7.3.3老化剝離試験
用試験片の状態調
節 

 

− 

− 

追加 

JISでは,老化剝離試験用試験片の
状態調節を追加した。 

我が国の試験事情による。 

 

7.3.4 屈曲剝離試験
用試験片の状態調
節 

 

− 

− 

追加 

JISでは,屈曲剝離試験用試験片の
状態調節を追加した。 

我が国の試験事情による。 

8 試験手順 8.2及び8.3 

 

8.2及び
8.3 

JISとほぼ同じ。 

変更 

JISでは,手順の一部を変更した。 実質的な差異はない。 

8.3.4 

 

8.3の注記

JISとほぼ同じ。 

変更 

JISでは,注記を削除し,8.3.4に規
定した。 

実質的な差異はない。 

8.3.4の注記 

 

8.3 

JISとほぼ同じ。 

変更 

JISでは,注記とした。 

実質的な差異はない。 

9 試験報告
書 

b) 

 

b) 

 

変更 

JISでは,“試料採取に関するJIS K 
6556-1との相違点”を追加した。 

明記したもので,実質的な差異は
ない。 

 

c) 

 

− 
 

 

追加 
 

JISでは,試験条件の記載を追加し
た。 

我が国の試験事情による。 

 

h) 

 

g) 

 

変更 

JISでは,変退色用グレースケール
の評価を追加した。 

我が国の試験事情による。 

− 

− 

 

附属書A 
(参考) 

装置及び材料の購
入先 

削除 

JISでは,削除した。 

実質的な差異はない。 

 

2

 

K

 6

5

5

7

-9

2

0

1

8

 

 

 

 

 


14 

K 6557-9:2018  

 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 11644:2009,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 削除  国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
− 追加  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
− 変更  国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD  国際規格を修正している。 

 

2

 

K

 6

5

5

7

-9

2

0

1

8