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日本工業規格

JIS

 K6505

-1995

靴甲用人工皮革試験方法

Testing method for man-made upper material of shoes

1.

適用範囲  この規格は,靴の甲材料に使用する人工皮革の試験方法について規定する。

備考1.  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS K 6544

  革の吸湿度試験方法

JIS K 6545

  革の耐屈曲性試験方法

JIS K 6546

  革の半球状可塑性試験方法

JIS K 6547

  革の染色摩擦堅ろう度試験方法

JIS K 6548

  革の銀面割れ試験方法

JIS K 6549

  革の透湿度試験方法

JIS K 6550

  革試験方法

JIS L 0849

  摩擦に対する染色堅ろう度試験方法

JIS L 1096

  一般織物試験方法

JIS R 6253

  耐水研磨紙

JIS Z 8401

  数値の丸め方

JIS Z 8703

  試験場所の標準状態

2.

この規格の中で{  }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,

参考として併記したものである。

2.

用語の定義  靴甲用人工皮革とは,高分子物質を繊維層に浸透させ革の組織構造に準拠して造られた

もので,高分子物質は連続微細多孔構造を持ち,繊維層にランダム三次元立体構造を持つ靴の甲材料をい

う。

3.

試験の一般的条件

3.1

試験片の標準状態  JIS Z 8703 の標準温湿度状態 1 類[温度 20±1℃,相対湿度 (65±2) %]中に 24

時間放置し,水分が平衡に達した状態とする。

3.2

試験室の標準状態  JIS Z 8703 の標準温度状態 3 (20±5℃)  及び相対湿度 (65±10) %とする。

4.

試験項目,試験片数及び求める試験値の位数  この規格に規定する試験項目,試験片数及び求める試

験値のけた数は,

表 のとおりとする。求める試験値の数値の丸め方は,JIS Z 8401 による。


2

K6505-1995

表 1  試験項目,試験片数及び求める試験値のけた数

試験項目

単位

試験片数

測定値

求める数値のけた数

厚さ mm

3(

1

)

小数点以下 2 けた

小数点以下 1 けた

質量 mg/cm

2

 2

小数点以下 1 けた

整数位

見掛密度 g/cm

3

 2

小数点以下 3 けた

小数点以下 2 けた

ロール方向 MPa

{kgf/mm

2

} 3

小数点以下 3 けた

小数点以下 2 けた

引張強さ

ロールに垂直方向 MPa

{kgf/mm

2

/} 3

小数点以下 3 けた

小数点以下 2 けた

ロール方向 %

3(

2

)

小数点以下 1 けた

整数位

伸び

ロールに垂直方向 % 3(

2

)

小数点以下 1 けた

整数位

ロール方向 N/mm

{kgf/mm}

3

小数点以下 2 けた

小数点以下 1 けた

引裂強さ

ロールに垂直方向 N/mm

{kgf/mm}

3

小数点以下 2 けた

小数点以下 1 けた

常温

− 2  −

耐屈曲性(

3

)

低温

− 2  −

耐熱粘着性

− 1  −

表面摩耗強さ

− 2  −

荷重 N

{kgf}

3

小数点以下 1 けた

整数位

表面割れ

高さ mm

3(

4

)

小数点以下 1 けた

小数点以下 1 けた

半球状可塑性 %

3

小数点以下 1 けた

整数位

耐水度 min

2

小数点以下 1 けた

整数位

吸水度 %

2

小数点以下 1 けた

整数位

吸湿度 mg/cm

2

 2

小数点以下 2 けた

小数点以下 1 けた

透湿度 mg/

(cm

2

・h) 2

小数点以下 2 けた

小数点以下 1 けた

  A

− 1  −

染色摩擦堅ろう度

  B

− 1  −

(

1

)

表面割れ試験片を用いて測定する。

(

2

)

引張強さと同じ試験片を用いる。

(

3

)

試験片はロール方向に平行に採取する。

(

4

)

荷重と同じ試験片を用いる。

5.

試験方法

5.1

試験片の採取方法  試験片は,ロール端末から 50cm,両側端から 5cm を除いた部分から無作為に採

取する。

5.2

操作

5.2.1

厚さ  厚さは,次の方法によって測定する。

(1)

測定器は,

100

1

 mm

の目盛を持ち,加圧面は平滑な,直径 10±0.1mm の円形で,その圧荷重は 3.854

±0.981N {393±10gf}  とする。ただし,加圧面の直径が 5∼10mm,圧荷重 49.03±1.177kPa {500±

12gf/cm

2

}

の測定器を使用してもよい。

(2)

試験片は,5.2.8 の試験用のものを用い,測定箇所はその中心と,その円周の直径から約 5mm 小さい

同心円上の等間隔な 4 か所,計 5 か所とする。

(3)

厚さの測定は,試料の表面を上にして測定器の下部台上に置き,加圧面を静かに試料の上に置き,加

圧し,5 秒経過してから 0.01mm まで測定する。

(4)

厚さは,3 個の試験片のそれぞれの 5 か所,計 15 か所の平均値を取る。

5.2.2

質量及び見掛密度  試験片は 5.2.12 の試験用のものを用い 5.2.12 の試験の際,測定された試験片の

厚さ,直径及び質量から,次の式によって質量及び見掛密度を算出する。


3

K6505-1995

2

785

.

0

d

W

W

=

ここに,

W

:  質量 (mg/cm

2

)

W'

:  試験片の質量 (mg)

d

:  試験片の直径 (cm)

000

1

10

1

×

×

=

t

W

AD

ここに,  AD

見掛密度 (g/cm

3

)

W

質量 (mg/cm

2

)

t

試験片の厚さ (mm)

5.2.3

引張強さ及び伸び  引張強さ及び伸びは,JIS K 6550 の 5.2(引張強さ及び伸び)によって試験す

る。ただし,試験片はつかみ部分を 20mm ず固定し,つかみ部分の間隔が正確に 50mm となるように取り

付ける。引張強さ及び伸びは,ロール方向に平行及び垂直のそれぞれの平均値を算出する。ただし,伸び

はつかみ間隔で測定する。

5.2.4

引裂強さ  引裂強さは,JIS K 6550 の 5.3(引裂強さ)によって試験し,ロール方向に平行及び垂

直のそれぞれの平均値を算出する。

5.2.5

耐屈曲性  耐屈曲性は,試験条件によって常温試験及び低温試験に区分し,それぞれ JIS K 6545

の 4.(装置)の装置を使用し,その 5.(試験方法)の(1)(3)の方法によって試験して表・裏両面の損傷を

検査し,

表 の基準によって参考図 を参考として判定する。

(1)

常温試験  3.1 の試験片の標準状態によって調整した 70×40mm の長四角形の試験片を 3.2 の試験室の

標準状態によって調整された室内で 10 000,

30 000

100 000

及び 200 000 回屈曲後それぞれ判定する。

(2)

低温試験  3.1 の試験片の標準状態によって調整した試験片を温度−10±3℃中に 30 分間放置後,同温

度中で試験を行い,5 000,10 000 及び 25 000 回屈曲後それぞれ判定する。

表 2  耐屈曲性の判定基準

判定基準

区分

等級

1

部分的に切断を生じたもの。

部分的に切断を生じたもの。

2

不織布又は織布層にき裂を生じたもの。

連続微細多孔層にき裂を生じたもの。

3

表面仕上層を越えてき裂を生じたもの。

織布又は不織布層にき裂を生じたもの。

4

わずかにき裂が認められるもの。

わずかに異常が認められるもの。

スムーズ(

5

)

5

き裂の認められないもの。

異常の認められないもの。

1

部分的に切断を生じたもの。

部分的に切断を生じたもの。

2

表面(毛羽状)層を越えて織布又は不織布層に
き裂を生じたもの。

織布又は不織布層と表面(毛羽状)層との界面
に達するき裂を生じたもの。

3

表面(毛羽状)層と織布又は不織布層との界面
に達するき裂を生じたもの。

織布又は不織布層にき裂を生じたもの。

4

わずかに異常の認められるもの。

わずかに異常の認められるもの。

ナップ(

6

)

5

異常の認められないもの。

異常の認められないもの。

(

5

)

スムーズとは,革の銀面様の外観をもつものをいう(

3及び表4)。

(

6

)

ナップとは,革のスエード,ベロアなどの外観をもつものをいう(

表 及び表 4)。


4

K6505-1995

参考図 1  耐屈曲性の判定基準の参考図

5.2.6

耐熱粘着性  60±1mm×90±1mm の 2 枚の試験片の表面を向かい合わせ,60±1mm×60±1mm の

平滑なガラス板 2 枚の間にその短辺の線を合わせてはさむ。これに底面が 60±1mm×60±1mm,質量 3kg

のおもりを載せ,100±2℃の空気恒温器中に 1 時間放置した後取り出し,おもりを除き,3.2 によって調整

された室内に 1 時間放置した後,2 枚の試験片を静かにはがし,表面の損傷(異常)の有無を検査し,

表 3

の基準によって判定する。

表 3  耐熱粘着性の判定基準

区分

等級

判定基準

1

表面仕上層を越えた損傷の認められるもの。

2

表面仕上層の損傷が認められるもの。

3

光沢及び表面形状が変化するもの。

4

光沢及び表面形状がわずかに変化するもの。

スムーズ(

5

)

5

外観上変化が認められないもの。

1

表面(毛羽状)層を越えた損傷の認められるもの。

2

表面(毛羽状)層の大部分が損傷するもの。

3

表面(毛羽状)層の一部が損傷するもの。

4

わずかに異常が認められるもの。

ナップ(

6

)

5

外観上変化が認められないもの。

5.2.7

表面摩耗強さ  表面摩耗強さは,JIS L 1096 の 6.17(摩耗強さ)の A-1 法による。ただし試験片は

表面を上方にして取り付ける。試験には,JIS R 6253 の CwCC400 を使用し,125,250,500 及び 1 000 回

の摩耗の後,損傷の有無を検査し,

表 の基準によって判定する。

表 4  表面摩耗強さの判定基準

区分

等級

判定基準

1

貫通孔を生じたもの。

2

不織布又は織布層の露出が著しいもの。

3

表面仕上層が全く消滅し,微細多孔層の大部分が露出したもの。

4

着色表面仕上層の一部が消滅したもの。

スムーズ(

5

)

5

外観上変化が認められないもの。

1

貫通孔を生じたもの。

2

表面(毛羽状)層を越えて不織布又は織布層の一部が破壊されたもの。

3

表面(毛羽状)層の大部分が消滅したもの。

4

表面(毛羽状)層の一部が消滅したもの。

ナップ(

6

)

5

外観上変化が認められないもの。


5

K6505-1995

5.2.8

表面割れ  表面割れは,JIS K 6548 によって試験する。

5.2.9

半球状可塑性  半球状可塑性は,JIS K 6546 によって試験する。ただし,成形温度は 100±2℃,

成形加熱時間は 30±1 分間とする。

5.2.10

耐水度  耐水度は,JIS K 6550 の 5.4(耐水度)によって試験する。

5.2.11

吸水度  吸水度は,JIS K 6550 の 5.5(吸水度)によって試験する。

5.2.12

吸湿度  吸湿度は,JIS K 6544 によって試験する。ただし,試験片の調整及び時間並びに試験室の

標準状態の調整は,3.1 及び 3.2 による。

5.2.13

透湿度  透湿度は,JIS K 6549 によって試験する。

5.2.14

染色摩擦堅ろう度  染色摩擦堅ろう度は,次の方法のいずれかの方法によって試験する。

A

法  JIS K 6547 によって試験する。

B

法  JIS L 0849 の 4.(装置および材料)の(1)に規定の摩擦試験機 II 形を用い,その 6.1(摩擦試験機

Ⅰ形による場合)によって試験する。

関連規格  JIS Z 8203  国際単位系 (SI) 及びその使い方

高分子部会  人工皮革専門委員会  構成表(昭和 46 年 8 月 1 日制定のとき)

氏名

所属

(委員会長)

菅  野  英二郎

東京農工大学

山  口  正  隆

東京工業大学

松  本  健  次

株式会社松本繊維化学研究所

土  林  貞  雄

工業技術院繊維高分子材料研究所

和  田      裕

通商産業省繊維雑貨局

赤  羽  信  久

工業技術院標準部

長  浜  宗  保

ヒカリシューズ株式会社

大  野  里  美

新興製靴工業株式会社

島  田  勝  治

日本製靴株式会社

春  田  謙  三

ハルタ製靴株式会社

中  山  克  郎

東レ株式会社

高  山  剛  三

株式会社クラレ

藤  田  寛  治

東洋ゴムエ業株式会社

横  田  匡  史

日本クロス工業株式会社

櫛  原  光  也

株式会社櫛原商店

片  岡  寛  一

株式会社日興

(事務局)

遠  山  雄  一

工業技術院標準部繊維化学規格課

中  軸  美智雄

工業技術院標準部繊維化学規格課

(事務局)

青  木  誠  治

工業技術院標準部繊維化学規格課(昭和 52 年 5 月 1 日改正のとき)

石  川  哲之介

工業技術院標準部繊維化学規格課(昭和 52 年 5 月 1 日改正のとき)

(事務局)

渡  辺  武  夫

工業技術院標準部繊維化学規格課(平成 7 年 12 月 1 日改正のとき)

稲  葉  知  英

工業技術院標準部繊維化学規格課(平成 7 年 12 月 1 日改正のとき)