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日本工業規格

JIS

 K

6504

-1976

植物タンニンエキスの分析方法

Analytical Method for Vegetable Tannin Extracts

1.

適用範囲  この規格は,皮をなめすのに用いる塊状,粉末状及び液状の植物タンニンエキスの分析方

法について規定する。

備考  この規格の中で  {  }  を付けて示してある単位及び数値は,国際単位系 (SI) によるものであっ

て,参考として併記したものである。

引用規格:5 ページに示す。

2.

分析条件

2.1

温度及び湿度  分析は,温度 20±5℃,相対湿度 65±10%の室内で行う。ただし,恒温,恒湿の設

備のない場合は,常温,常湿の状態で分析してもよい。この場合は,分析時の温度及び湿度を付記する。

2.2

時間  分析は下記例の要領で行い,試料液の調製から分析終了まで,4 日以上にわたってはならない。

第 1 日

試料溶液の調製及び皮粉のクロム処理

第 2 日

湿潤皮粉の調製,全固形分,可溶性固形分,非タンニン分の測定液の粗乾燥及び色,

pH

の測定まで。

第 3 日

乾燥及びひょう量

3.

装置,器具及び薬品

3.1

装置

3.1.1

乾燥器  恒温装置付で 100±2℃に保つことができるものを用いる。

3.1.2

回転振とう機  300ml の振とうびんをその側面と軸の中心との距離が 5∼8cm になるように取り付

けられるようになっているもので,回転速度は 1 分間当たり 60±2 回転であること。


2

K 6504-1976

図  振とう機側面図

3.2

器具

3.2.1

メスフラスコ  JIS R 3505(ガラス製化学用体積計)の 1000ml のものを用いる。

3.2.2

ピペット  JIS R 3505 の全量ピペット 50ml 及び 100ml のものを用いる。

3.2.3

振とうびん  内容 300ml で密せんできるガラスびんを用いる。

3.2.4

漏斗  JIS R 3503(化学分析用ガラス器具)の外径 120mm のものを用いる。

3.2.5

平底蒸発ざら  硬質ガラス製,外径約 70mm,高さ約 30mm でその切口をまるくし,特に底は平ら

なものを用いる。

3.2.6

布  さらしてない綿布(

1

)

を用いる。

(

1

)

糸の太さ20番 (30tex) で,幅2.54cm 間に縦・横総本数136本のもの,又はこれに類似のもの。

3.2.7

ろ紙  JIS P 3801〔ろ紙(化学分析用)〕の 5 種 B 径 18.5cm のものを用いる。

3.2.8

デシケーター  JIS R 3503 の内径 210mm のもの。乾燥剤として塩化カルシウム又はシリカゲル(

2

)

を用いる。

(

2

)

常に乾燥したものを用いる。それには塩化コバルトで着色したものを用いると便利である。

3.3

薬品

3.3.1

蒸留水  pH5.5∼7.0 で,その 100ml を蒸発・乾燥し,ひょう量したとき,固形分が 0.5mg 以下のも

のを用いる。

3.3.2

カオリン  微粉末状で,その 1g を 100ml の蒸留水  (3.3.1)  に分散させたとき,液の pH が 4.0∼6.0

であること。また,その 1g を 100ml の蒸留水  (3.3.1)  に分散させ,10 分後ろ紙  (3.2.7)  でろ過し,ろ液 50ml

を蒸発・乾燥・ひょう量したとき,固形分が 1mg 以下であるものを用いる。

3.3.3

3%

クロムみょうばん溶液  JIS K 8310〔硫酸クロムカリウム(試薬)〕の特級 3g を 100ml の蒸留

水に室温で溶かす。ただし,調製してから 1 箇月以内に使用する。

3.3.4

皮粉  白色又は淡黄色の繊維状粉末,灰分 0.3%以下であって,その 7g を N/10 塩化カリウム (KCl)

溶液 100ml で振り混ぜ,液の pH を測定したとき 5.0∼5.5 であり,また非タンニン分定量  (5.3.1)  の際の空

試験で,4mg 以上の固形分を残さないものを用いる。


3

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参考  皮粉は,次の機関で品質の証明が得られる。

日本皮革技術協会皮粉委員会

4.

試料溶液の作り方  塊状及び粉末状の場合は試料を清浄なつや紙上に広げ,水分の蒸発をできるだけ

防ぐように注意しながら,大きな塊は砕き(

3

)

,手早く混合して四分法により約 50g を採る。これを磁製乳

ばちで粉砕して,茶かっ色びんに密封して貯蔵する。

液状の場合は,試料をよくかき混ぜてから約 50g を採り,茶かっ色びんに密封して貯蔵する。

分析するときの試料溶液の濃度が,できるだけ純タンニン分として 1000ml 当たり 4g となるように,純

タンニン分相当量 4g の試料をはかりびんで 0.1mg まで正確に量り取る。もし分析の結果,純タンニン分

が 1000ml 当たり 3.75∼4.25g の範囲内になかったときは繰り返して行う。これをビーカー500ml に移し,

更に 90±20C の蒸留水ではかりびん中に残った試料をビーカー中に洗い落とす。液量を約 300ml とし,90

±2℃の水浴上でよくかき混ぜて溶かす。この溶液をメスフラスコ  (3.2.1)  に移し,90±2℃の蒸留水で全

量を約 1000ml とする。これを 15∼25℃の場所に 1 夜静置する。翌朝 20℃の水中にこのメスフラスコを浸

し,静かに揺り動かしながら 20∼22℃の蒸留水を加えて正確に 1000ml とし,これを試料溶液とする。

備考  発酵しやすい試料溶液(ミラボラン,デビイデビイなど)には,溶液に約 40%ホルマリン 1ml

を加える。また,かびの発生防止には,トルエンを 2∼3 滴加えると効果がある。

(

3

)

鉄製品を使用してはならない。

5.

試験方法

5.1

全固形分及び水分

5.1.1

全固形分  よく混合した試料溶液 50ml をピペット  (3.2.2)  で蒸発ざら  (3.2.5)  に正確に採り,水浴

上で蒸発し,ほとんど液が流動しなくなってから乾燥器  (3.1.1)  に入れ,100±2℃で 5 時間乾燥し,デシ

ケーター  (3.2.8)  中で 20 分間冷却し,0.1mg まで量る(

4

)

。更に 1 時間乾燥し,冷却・ひょう量を行い,恒

量となる(

5

)

まで繰り返す。全固形分を次の式により算出する。

100

20 ×

×

S

W

TS

ここに

TS

:  全固形分 (%)

W

:  固形量 (g)

S

:  試料の重量 (g)

(

4

)

デシケーターには蒸発ざら3個を入れる。

(

5

)

  2

回のひょう量の差が 1mg 以下になったときをもって恒量とする。

5.1.2

水分

  水分を次の式により算出する。

M

=100−

TS

ここに

M

:  水分 (%)

TS

:  全固形分 (%)

5.2

可溶性固形分及び不溶性固形分

5.2.1

可溶性固形分

  カオリン  (

3.3.2

) 1g

を入れたビーカー200ml に試料溶液約 5ml を加えてよくかき混

ぜ,均一な乳状とする。これに試料溶液 100ml を加え,良くかき混ぜる。この液を漏斗  (

3.2.4

)

上に置い

たひだ付ろ紙  (

3.2.7

)

でろ過する。ろ液が約 40ml 出たとき,そのろ液をろ紙上にもどす。この操作を 1 時

間繰り返す。

1

時間後ろ紙上に残った液をサイホンにより静かに取り除き捨てる。新たに試料溶液 100ml をろ紙上の


4

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カオリンをできるだけ壊さないようにろ紙上に入れる。最初のろ液 20ml を捨て,ろ液の受器を乾燥した

フラスコに取り替え,次のろ液 50ml をピペットで蒸発ざらに採り

(

6

)

5.1.1

の要領で,蒸発・乾燥・ひょ

う量する

(

5

)

。可溶性固形分を次の式により算出する。

100

20 ×

×

S

W

SS

ここに

SS

:  可溶性固形分 (%)

W

:  固形量 (g)

S

:  試料の質量 (g)

(

6

)

これらの操作中は,できるだけ蒸発を防ぐために,容器類は時計ざらなどでふたをしておくこ

と。

5.2.2

可溶性固形分

  不溶性固形分を次の式により算出する。

I

TS

SS

ここに

I

:  不溶性固形分 (%)

TS

:  全固形分 (%)

SS

:  可溶性固形分 (%)

5.3

非タンニン分及びタンニン分

5.3.1

非タンニン分

  非タンニン分の求め方は,次のとおりとする。

(1)

湿潤皮粉の調製

  定量用

(

7

)

,空試験用

(

8

)

,水分定量用及び機械的損失を含めた乾燥皮粉

(

9

)

の所要量を

次の式により算出し,この量  (

W

)

に相当する風乾皮粉を量り採る。

W

=6.3×  (

n

+1) +10

ここに

W

:  乾燥皮粉の所要量 (g)

n

:  試験回数

これに風乾皮粉の 10 倍量の 20℃の蒸留水を加え,よくかき混ぜた後 30 分間放置する。この間 3∼4

回かき混ぜ,次に 3%クロムみょうばん溶液  (

3.3.3

)

を風乾皮粉 1g につき 1ml の割合で加えて,よく

混ぜ合わせる。これを 2 時間にわたり時々かき混ぜた後,ふたをして 15∼25℃の所に 1 夜放置する。

翌朝漏斗上に広げた布  (

3.2.6

)

の上に全部を空け,水分が約 75%となるように軽く絞る。布ごとビー

カーにもどし,風乾皮粉の 15 倍の蒸留水を加えてよくかき混ぜ,15 分間放置し,この間時々かき混

ぜ,再び軽く絞る。この操作を 4 回繰り返して行い,最後に水分が 72.5±1.5%となるように絞り,こ

れを湿潤皮粉とする。

(

7

)

  1

回の定量に要する乾燥皮粉は6.3g である。

(

8

)

3.3.4

にある空試験に該当し,乾燥皮粉 6.3g が必要である。

(

9

)

風乾皮粉をはかりびんに正確にはかり採り,乾燥器中で 17±2 時間,100±2℃で乾燥,ひょう

量して水分を求め,乾燥量に換算して乾燥皮粉量とする。

(2)

操作

  試料溶液 100ml をピペットで振とうびん  (

3.2.3

)

に採り,

5.3.1(1)

により調製した湿潤皮粉の

22.9g

(乾燥皮粉量で 6.3g 相当)を速やかに投入し,直ちにせんをして振とう機  (

3.1.2

)

に取り付け,

正確に 10 分間,毎分 60±2 回の速度で回転する。次に内容物を漏斗上に置いた乾いた布  (

3.2.6

)

の上

に空け,

皮粉を軽く絞り,

出た液をビーカーに集める。

皮粉と試料溶液の接触時間は 15 分以内とする。

この液にカオリン 1g を加えてよくかき混ぜ,均一に乳状とし,ひだ付ろ紙を用いてろ過する。ろ液が

約 40ml 出たとき,そのろ液をろ紙上にもどし,透明となるまで繰り返しろ過する。透明となった液

50ml

をピペットで蒸発ざらに採り

(

6

)

5.1.1

の要領で,蒸発・乾燥・ひょう量する。

非タンニン分を次の式により算出する。


5

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100

20 ×

×

×

S

F

W

N

ここに

N

:  非タンニン分 (%)

W

:  固形量 (g)

S

:  試料の質量 (g)

F

100

)

g

(

g

9

.

22

100

中の含水量

湿潤皮粉

+

(

10

)

S

:  資料の質量 (g)

(

10

)

湿潤皮粉は,調製後3∼5g をはかりびんに正確にはかり採り,乾燥器で17±2時間,100±2℃で

乾燥ひょう量して水分を求める。

5.3.2

タンニン分  タンニン分を次の式により算出する。

T

SSN

ここに

T

:  タンニン分 (%)

SS

:  可溶性固形分 (%)

N

:  非タンニン分 (%)

6.

色  可溶性固形分測定時のろ液の一部をロビボンド比色計の 1cm セルで測定し,次の式により試料溶

液 1当たり 5g のタンニン分濃度に補正する。

T

CD

C

5

×

ここに

C

色度

CD

比色計による測定値

T

試料溶液 1中のタンニン量 (g)

7.

pH

  試料溶液を用い,JIS Z 8802(pH 測定方法)のガラス電極による pH 測定方法で pH を測定する。

8.

報告  各分析結果の値は,色は小数点以下 1 けたまで,その他は小数点以下 2 けたまで求め,JIS Z 8401

(数値の丸め方)により小数点以下 1 けたに丸め,次の順序で報告する。

(1)

水分

(2)

全固形分

(3)

可溶性固形分

(4)

不溶性固形分

(5)

非タンニン分

(6)

タンニン分

(7)

(8)

 pH

引用規格: 

JIS K 8310

  硫酸クロムカリウム(クロムみょうばん)

(試薬)

JIS P 3801

  ろ紙(化学分析用)

JIS R 3503

  化学分析用ガラス器具

JIS R 3505

  ガラス製化学用体積計


6

K 6504-1976

JIS Z 8401

  数値の丸め方

JIS Z 8802

  pH 測定方法

高分子部会  植物タンニンエキス分析方法専門委員会  構成表(昭和 39 年 7 月 1 日制定のとき)

氏名

所属

(委員会)

井  上  吉  之

東京農工大学

仏  木  敏  行

日本皮革株式会社

池  田  敬  二

山陽皮革株式会社

内  富      実

明治製革株式会社

三  好  富士彦

大阪帯革製造所

山  口  寿  男

新田帯革株式会仕

増  井  諟  司

東京皮革株式会社

井  上  統  五

宝皮革株式会社

相  沢  孝  亮

森本産業株式会社

篠      正  一

川村商店

山  崎  金五郎

川真田化学工業株式会社

服  部      裕

兵庫県皮革工業指導所

飯  塚  義  富

近畿大学

中  城      真

和歌山県工業試験所

菅  野  英二郎

工業技術院東京工業試験所

小  幡  八  郎

工業技術院標準部繊維化学規格課

(事務局)

山  脇  政  次

工業技術院標準部繊維化学規格課

安  達  孝  明

工業技術院標準部繊維化学規格課

(事務局)

青  木  誠  治

工業技術院標準部繊維化学規格課(昭和 51 年 3 月 1 日改正のとき)

石  川  哲之介

工業技術院標準部繊維化学規格課(昭和 51 年 3 月 1 日改正のとき)