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K 6410-1

:2015

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  用語及び定義  

2

4

  記号 

5

5

  種類 

7

6

  要求事項  

8

6.1

  一般  

8

6.2

  ゴム材料  

8

6.3

  フランジ,連結鋼板,キープレート及び中間鋼板に用いる材料  

8

6.4

  鉛プラグの使用材料  

8

6.5

  積層ゴム支承  

9

7

  検査 

12

7.1

  形式検査及び受渡検査  

12

7.2

  ゴム材料の検査  

12

7.3

  積層ゴム支承の検査  

13

8

  製品の表示  

15

8.1

  表示項目  

15

8.2

  表示の場所及び方法  

16

8.3

  表示例  

16

附属書 A(規定)圧縮剛性の算出方法  

17

附属書 B(規定)せん断特性の算出方法  

19

附属書 C(参考)座屈による終局特性線図の予測法  

23

附属書 D(参考)せん断特性に及ぼす中心孔径及び二次形状係数の影響  

28

附属書 JA(参考)フランジ接合方式  

30

附属書 JB(規定)設計通則  

31

附属書 JC(参考)引張特性の繰返し載荷による影響  

36

附属書 JD(参考)JIS と対応国際規格との対比表  

38


K 6410-1

:2015

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本

工業規格である。これによって,JIS K 6410-1:2011 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

JIS K 6410

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

K

6410-1

  第 1 部:仕様

JIS

K

6410-2

  第 2 部:試験方法

 


日本工業規格

JIS

 K

6410-1

:2015

建築免震用積層ゴム支承−第 1 部:仕様

Elastomeric seismic-protection isolators for buildings-Part 1: Specifications

序文 

この規格は,2010 年に第 2 版として発行された ISO 22762-3 を基とし,技術的内容を変更して作成した

日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,

附属書 JD に示す。

適用範囲 

この規格は,建築物を地震から保護するための免震構造に用いる積層ゴム支承について規定する。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 22762-3:2010

,Elastomeric seismic-protection isolators−Part 3: Applications for buildings−

Specifications(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

警告  この規格の利用者は,積層ゴム支承及びゴム材料の試験に関わる通常の作業に精通しているも

のとする。この規格は,その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするも

のではない。この規格の利用者は,各自の責任において安全及び健康に対する適切な措置をと

らなければならない。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS G 3101

  一般構造用圧延鋼材

JIS G 3106

  溶接構造用圧延鋼材

JIS G 3131

  熱間圧延軟鋼板及び鋼帯

JIS G 3136

  建築構造用圧延鋼材

JIS G 3141

  冷間圧延鋼板及び鋼帯

JIS H 2105

  鉛地金

JIS K 6410-2

  建築免震用積層ゴム支承−第 2 部:試験方法

注記  対応国際規格:ISO 22762-1,Elastomeric seismic-protection isolators−Part 1: Test methods(MOD)

JIS Z 9015-0

  計数値検査に対する抜取検査手順−第 0 部:JIS Z 9015 抜取検査システム序論

JIS Z 9015-1

  計数値検査に対する抜取検査手順−第 1 部:ロットごとの検査に対する AQL 指標型抜


2

K 6410-1

:2015

取検査方式

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

3.1 

積層ゴム支承(elastomeric isolator)

ゴムと鋼板とを交互に積層し,加硫成形したものに,上下にフランジを接合した支承。建築物を水平方

向に柔軟に支持して,建築物の振動の長周期化を図ることで地震力を低減しようとするもの及びそれに加

えて,地震エネルギーの伝達を減少させる減衰能力を併せもつものがある。

3.2 

天然ゴム系積層ゴム支承,NRB(natural rubber bearing)

天然ゴムを用いて製造したほぼ線形のせん断剛性をもつ積層ゴム支承。

3.3 

高減衰ゴム系積層ゴム支承,HDR(high-damping rubber bearing)

内部ゴム自体が高い減衰性をもつ積層ゴム支承。

3.4 

鉛プラグ入り積層ゴム支承,LRB(lead rubber bearing)

積層ゴム面内に孔を設けて,1 本又は複数本の鉛プラグを圧入して減衰性能をもたせた積層ゴム支承。

3.5 

内部ゴム(inner rubber)

積層ゴム支承の中間鋼板及び上下の連結鋼板間にあるゴム。

注記  内部ゴムは,積層ゴム支承の圧縮剛性,せん断剛性,等価粘性減衰定数,変形性能,耐久性な

どの特性を決定する要素である。

3.6 

被覆ゴム(cover rubber)

積層ゴム支承の内部ゴム,中間鋼板,上下の連結鋼板などを保護するゴム。

注記  被覆ゴムは,酸素,オゾン,紫外線,雨水などによる内部ゴムの老化又は中間鋼板の腐食を防

止する。加硫前に被覆し,内部ゴムと同時に成形するものと内部ゴム加硫後に被覆するものと

がある。

3.7 

中間鋼板(reinforcing steel plates)

積層ゴム支承の内部ゴムと積層する鋼板。内部鋼板ともいう。

注記  積層ゴム支承に加わる圧縮力による内部ゴムの横方向へのはらみ出しを拘束し,圧縮剛性又は

鉛直力支持能力を高める。

3.8 

有効面積(effective loaded area)

鉛プラグ用孔などの孔を含まない内部ゴム平面の面積。

3.9 

自由面積(free surface area)

圧縮力によって,変形が拘束されない内部ゴム 1 層の側面の面積。


3

K 6410-1

:2015

3.10 

一次形状係数,S

1

(first shape factor)

内部ゴム 1 層の自由面積に対する有効面積の比率。

3.11 

二次形状係数,S

2

(second shape factor)

内部ゴムの総厚さに対する内部ゴムの直径又は辺長の比率。

3.12 

積層ゴム支承の圧縮特性(compressive properties of elastomeric isolators)

積層ゴム支承の圧縮力に対する性能を表す特性。その特性として,圧縮剛性及び圧縮変位がある。

3.13 

積層ゴム支承のせん断特性(shear properties of elastomeric isolators)

積層ゴム支承の水平方向の性能を表す特性。その特性として,せん断剛性,等価粘性減衰定数,二次剛

性,降伏荷重特性値などがある。

3.14 

終局特性(ultimate properties)

積層ゴム支承に高い圧縮力,引張力,大きなせん断変形などを加えることで生じる座屈,破断などの特

性。

注記  終局特性を面圧とせん断ひずみとの組合せで表現した線図を,終局特性線図という。

3.15 

破断(breaking)

圧縮せん断又は引張せん断時における積層ゴム支承の破壊。ゴム層及び/又は接着面の破壊によるせん

断力−せん断変位曲線(履歴曲線)上に急激なせん断力の低下を生じる状態。

3.16 

座屈(buckling)

圧縮せん断試験において,破断が生じる前にせん断力−せん断変位曲線(履歴曲線)上に負勾配を生じ,

復元性を失うなど,積層ゴム支承が安定性を失った状態。

3.17 

基準値(standard value)

ゴム材料及び積層ゴムの各性能項目について,試験結果及び設計通則を基に設定する値。

注記  基準値は,製造業者が設定する値である。

3.18 

面圧(compressive stress)

積層ゴム支承の支持する圧縮力を積層ゴム支承の有効面積で除した値。

3.19 

規定面圧(nominal compressive stress)

製品の形式検査をするときの,基準となる面圧。

注記  規定面圧は,製造業者が定める値である。

3.20 

規定せん断ひずみ(nominal shear strain)

製品の形式検査をするときの,基準となるせん断ひずみ。


4

K 6410-1

:2015

注記  規定せん断ひずみは,製造業者が定める値である。

3.21 

規定振動数(nominal frequency)

積層ゴム支承の試験をするときの,基準となる振動数。

注記  規定振動数は,製造業者が定める値である。

3.22 

規定温度(nominal temperature)

積層ゴム支承の試験をするときの,基準とする温度(20  ℃)

3.23 

せん断限界ひずみ(ultimate shear strain)

規定面圧において,積層ゴム支承に座屈,破断又は転倒が生じるせん断ひずみ。

3.24 

圧縮限界応力(ultimate compressive stress)

積層ゴム支承がせん断変形をした状態を含めて,座屈又は破断することなく安全に圧縮力を支持できる

面圧。

3.25 

実大試験体(full-scale isolator)

実際の建物に用いる積層ゴム支承と材料,形状及び寸法とが同一な試験体。

3.26 

縮小試験体(scaled-model isolator)

実際の建物に用いる積層ゴム支承と一次形状係数及び二次形状係数とが等しい相似に縮小した形状の試

験体。

3.27 

せん断試験片(shear-block test piece)

金属板間にゴムを接着したせん断試験用試験片。


5

K 6410-1

:2015

記号 

この規格に用いる主な記号は,次による。

記号

単位

定義

mm

2

有効面積:被覆ゴム部を除いた積層ゴム支承の断面積

A

free

 

mm

2

自由面積:ゴム 1 層当たりの中心孔を含む側面積

mm

角形積層ゴム支承の内部ゴムの一辺の長さ

a' 

mm

角形積層ゴム支承の一辺の長さ(被覆ゴム厚さを含む値)

D

f

 

mm

フランジの外径

D

p

 

mm

フランジの中心(円形)又は対称軸(角形)に対して向かい合うボルト孔の中心間
距離

d

i

 

mm

積層ゴム支承の内部ゴムの内径

d

0

 

mm

積層ゴム支承の内部ゴムの外径

d' 

mm

積層ゴム支承の外径(被覆ゴム厚さを含む値)

E

c

 

MPa

圧縮性を考慮した見掛けの縦弾性係数

E

 

MPa

ゴムの体積弾性係数

E

0

 

MPa

ゴムの縦弾性係数

F

ty

 

N

積層ゴム支承の引張降伏力

MPa

せん断弾性係数

G

eq

 

MPa

等価せん断弾性係数

mm

フランジを含む高さ

H

n

 

mm

フランジを含まない高さ

mm

内部ゴムの総厚さ

h

eq

 

等価粘性減衰定数

K

d

 

N/mm

二次剛性

K

h

 

N/mm

せん断剛性

K

v

 

N/mm

圧縮剛性

L

f

 

mm

角形フランジの一辺の長さ

内部ゴムの層数

N

圧縮力

P

Ty

 

N

引張降伏力

N

せん断力

Q

d

 

N

降伏荷重特性値

S

1

 

一次形状係数

S

2

 

二次形状係数

t

r

 

mm

内部ゴム 1 層の厚さ

t

s

 

mm

中間鋼板 1 枚の厚さ

W

d

 

N・mm 1 サイクル当たりの吸収エネルギー

γ 

せん断ひずみ

γ

max

 

使用最大せん断ひずみ

γ

nom

 

規定せん断ひずみ

γ

u

 

せん断限界ひずみ

δ

H

 

mm

水平方向のずれ

δ

V

 

mm

対称な向かい合う位置で計測した高さの差

ε

c

 

積層ゴム支承の圧縮ひずみ


6

K 6410-1

:2015

記号

単位

定義

κ 

ゴム硬さによる見掛けの縦弾性係数に関する補正係数

σ 

MPa

面圧

σ

cr

 

MPa

積層ゴム支承の圧縮限界面圧

σ

max

 

MPa

使用最大面圧

σ

min

 

MPa

使用最小面圧(引張応力を含む。

σ

nom

 

MPa

規定面圧

σ

s

 

MPa

中間鋼板の最大応力

σ

sa

 

MPa

中間鋼板の許容引張応力

σ

t

 

MPa

積層ゴム支承の引張降伏力を支承の有効面積で除した値

τ

p

MPa

鉛プラグの降伏せん断応力

ξ 

限界面圧の計算に関する係数

Ψ 

傾き


7

K 6410-1

:2015

種類 

積層ゴム支承の種類は,構成する材料によって,天然ゴム系積層ゴム支承(以下,NRB という。

,高減

衰ゴム系積層ゴム支承(以下,HDR という。

)及び鉛プラグ入り積層ゴム支承(以下,LRB という。

)に

分け,

表 による。断面形状は,円形又は角形とする。また,上下フランジの接合方式は,附属書 JA 

参照する。

表 1−積層ゴム支承の種類 

種類

略号

用いるゴム材料

天然ゴム系積層ゴム支承 NRB

天然ゴムを主体とするゴム

構造の例(円形)

せん断特性の例

高減衰ゴム系積層ゴム支承 HDR

高減衰系ゴム

構造の例(円形)

せん断特性の例

鉛プラグ入り積層ゴム支承 LRB

天然ゴムを主体としたゴム及び鉛プラグ

構造の例(円形)

せん断特性の例


8

K 6410-1

:2015

要求事項 

6.1 

一般 

積層ゴム支承に用いる材料,積層ゴム支承の性能,並びに形状及び寸法について,適切な試験結果及び

附属書 JB を基に,基準値を定める。

なお,基準値は,各項目で規定する要求値を満足しなければならない。

6.2 

ゴム材料 

積層ゴムに使用するゴム材料は,

表 に示す性能項目について基準値を定める。ただし,ゴム材料試験

に用いる試験片は,

積層ゴム支承の製造工程時に採取した未加硫のゴム材料によって作製するものとする。

また,被覆ゴムの耐オゾン性は,JIS K 6410-2 の 5.3 によって試験したとき,亀裂が発生してはならない。

なお,ゴム材料の基準値は,

表 に示す要求性能を満足しなければならない。

表 2−ゴム材料の基準値を設定する性能 

特性

性能項目

内部ゴム

被覆ゴム

試験方法

引張特性

引張強さ MPa ○

JIS K 6410-2

の 5.1 

切断時伸び %

100 %引張応力

硬さ

ゴム硬さ

JIS K 6410-2

の 5.2 

○:実施する。

−:実施しない。

表 3−ゴム材料の要求性能 

特性

要求項目

内部ゴム

被覆ゴム

試験方法

NRB,LRB

HDR

引張特性

引張強さ MPa

11 以上

    6 以上

JIS K 6410-2

5.1 

切断時伸び %

550 以上 650 以上

100 %引張応力

基準値に対する

許容差 %

±40

硬さ

ゴム硬さ

基準値に対する 
許容差

±5

JIS K 6410-2

5.2 

6.3 

フランジ,連結鋼板,キープレート及び中間鋼板に用いる材料 

フランジ,連結鋼板,キープレート及び中間鋼板に用いる材料は,

表 による。

表 4−フランジ,連結鋼板,キープレート及び中間鋼板に用いる材料 

材料

適用 JIS

材料記号

フランジ,連結鋼板

及びキープレート

JIS G 3101 

SS400

JIS G 3106 

SM490

JIS G 3136 

SN400 又は SN490

中間鋼板

JIS G 3101 

SS400

6.4 

鉛プラグの使用材料 

LRB に用いる鉛プラグの材料は,JIS H 2105 の 3.(品質)の表 に規定する“特種”とする。 


9

K 6410-1

:2015

6.5 

積層ゴム支承 

6.5.1 

性能 

表 に示す積層ゴム支承に関する項目について,附属書 JB に基づき,基準値を定める。

なお,積層ゴム支承の基準値は,

表 に示す要求値を満足しなければならない。

引張特性の繰返し載荷による影響については,参考として

附属書 JC に示す。

表 5−性能に関する項目 

特性

項目

試験方法

圧縮特性

a)

圧縮剛性 K

v

JIS K 6410-2

の 6.2.1 

せん断特性

b)

JIS K 6410-2

の 6.2.2 

せん断特性の依存性

面圧依存性

b)

規定面圧の値に対する変化率  %

JIS K 6410-2

の 6.3.2 

繰返し数依存性-1

c)

3 サイクル目の値に対する変化率  %

JIS K 6410-2

の 6.3.4  方法 1 

繰返し数依存性-2

c)

JIS K 6410-2

の 6.3.4  方法 2 

温度依存性

b)

規定温度(20  ℃)の値に対する変化率  %

JIS K 6410-2

の 6.3.5 

JIS K 6410-2

附属書 JB 

せん断ひずみ依存性

b)

 %

JIS K 6410-2

の 6.3.1 

振動数依存性

b)

 %

JIS K 6410-2

の 6.3.3 

耐久性

せん断特性

初期値に対する変化率  %

JIS K 6410-2

の 6.7.1 

せん断限界ひずみ

初期値に対する変化率  %

クリープ %

JIS K 6410-2

の 6.7.2 

引張特性

d)

引張降伏応力 MPa

JIS K 6410-2

の 6.6 

終局特性

せん断限界ひずみ  %,終局特性線図

e)

JIS K 6410-2

の 6.4 

水平二方向せん断限界ひずみの低減率

f)

  %

JIS K 6410-2

の 6.5 

a)

  圧縮剛性 K

v

は,

附属書 によって算出する。

b)

  せん断特性の性能項目は,NRB で K

h

,HDR で K

h

及び h

eq

,並びに LRB で K

d

及び Q

d

とする。

なお,各性能項目の基準値は

附属書 によって算出する。

c)

 HDR 及び LRB について実施する。せん断特性の性能項目は,HDR で K

h

h

eq

及び W

d

,並びに LRB で K

d

Q

d

及び W

d

とする。

d)

  規定せん断ひずみ γ

nom

における値を示す(

附属書 JC 参照)。

e)

  終局特性線図を作成し,規定面圧 σ

nom

及びその 2 倍の 2.0 σ

nom

での限界ひずみを示す(

附属書 参照)。

f)

 HDR についてだけ実施し,規定面圧 σ

nom

での値を示す。

2

K 64

10
-1


201

5


10

K 6410-1

:2015

表 6−積層ゴム支承の要求性能 

特性

要求項目 NRB

HDR

LRB

試験方法

圧縮特性

圧縮剛性 K

v

基準値に対する許容差  %

−30 以上

JIS K 6410-2

の 6.2.1 

せん断特性

a)

せん断弾性係数 GG

eq

の基準値  MPa 0.2∼0.8

JIS K 6410-2

の 6.2.2 

等価粘性減衰定数 h

eq

の基準値

− 0.15∼0.30

降伏応力 τ

p

の基準値  MPa

− 7.0∼8.5

基準値に対する許容差  %

±20

せん断特性

a)

の依存性

面圧依存性

b)

規定面圧の値に対する

変化率  %

±30

K

h

  : ±20

h

eq

 : ±50

K

d

:−40∼+20

Q

d

:±15

JIS K 6410-2

の 6.3.2 

繰返し数依存性

c)

3 サイクル目の値に対する 
変化率  %

−10 以上

K

h

  : −30 以上

h

eq

 : ±20

K

d

:−10 以上

Q

d

:−30 以上

JIS K 6410-2

の 6.3.4 

方法 1

温度依存性

d)

規定温度(20  ℃)の値に対

する変化率  %

±20

K

h

  : −20 以上(40  ℃)

 +50 以下(0  ℃)

h

eq

 : ±20

K

d

:±20

Q

d

:±40

JIS K 6410-2

の 6.3.5 

JIS K 6410-2

附属書 JB 

耐久性

せん断特性

初期値に対する変化率  %

+20 以下

K

h

  : +20 以下

h

eq

 : −20 以上

K

d

:+20 以下

Q

d

:±5

JIS K 6410-2

の 6.7.1 

せん断限界ひずみ

e)

初期値に対する変化率  %

−20 以上

クリープひずみの基準値  % 10 以下

JIS K 6410-2

の 6.7.2 

終局特性

せん断限界ひずみ

e)

規定面圧における値  %

座屈の場合:2/3 S

2

×100 以上,破断の場合:400 以上

JIS K 6410-2

の 6.4 

a)

  せん断特性の性能項目は,NRB で K

h

,HDR で K

h

及び h

eq

,並びに LRB で K

d

及び Q

d

とする。

b)

  面圧は,0.5 σ

nom

及び 2.0 σ

nom

の値について判定する(面圧依存性については,

附属書 参照)。

c)

 50 サイクル目の値について判定する。

d)

 0 ℃及び 40  ℃の値について判定する。

e)

  せん断限界ひずみは,座屈又は破断のいずれか先に発生したときのひずみとする(附属書 参照)。

2

K 64

10
-1


201

5


11

K 6410-1

:2015

6.5.2 

形状及び寸法 

表 に示す積層ゴム支承の形状及び寸法に関する項目について,基準値を設定する。

なお,各基準値は,

表 に示す要求値を満足しなければならない。また,各部の形状及び寸法の許容値

は,6.5.2.16.5.2.4 による。

表 7−形状及び寸法に関する項目 

項目

①  円形:内部ゴムの外径 d

0

⑥  内部ゴム総厚さ h

    角形:内部ゴムの一辺の長さ a

⑦  一次形状係数 S

1

②  内部ゴム内径 d

i

(LRB の場合,プラグ径 d

p

⑧  二次形状係数 S

2

③  1 層ゴム厚 t

r

⑨  フランジ外径 D

f

④  ゴム層数 n

⑩  フランジ(連結鋼板)最小厚さ t

f

⑤  中間鋼板厚 t

s

⑪  製品総高さ H

表 8−形状及び寸法に関する要求値 

項目

単位

NRB HDR LRB

円形:ゴム外径 d

0

角形:ゴム辺長 a

mm

500∼2 000

ゴム内径比率

a)

 d

i

/d

0

d

i

/a

0∼0.12 0.13∼0.30

一次形状係数 S

1

− 20∼60

二次形状係数 S

2

3∼10

内部ゴム総厚さ h mm

80∼400

中間鋼板厚の 1 層ゴム厚に対する比率(t

s

/t

r

− 0.3∼1.0

a)

  複数の内径をもつ場合は,合計面積と等価な面積をもつ内径の比率とする。

6.5.2.1 

平面寸法 

積層ゴム支承の外径 d' 及び一辺の長さ a' の許容差は,JIS K 6410-2 の 7.3 によって試験したとき,

表 9

による。

表 9−積層ゴム支承の平面寸法の許容差 

積層ゴム支承の平面寸法 d' 及び a'

mm

許容差

を超え

以下

500

±5 mm

 500

1

500

±1 %

 1

500

±15 mm

6.5.2.2 

高さ 

積層ゴム支承の高さ 又は H

n

の許容差は,JIS K 6410-2 の 7.4 によって試験したとき,基準値の±1.5 %

又は±6.0 mm のいずれか小さい値とする。

6.5.2.3 

傾き 

積層ゴム支承の傾き Ψ は,JIS K 6410-2 の 7.5 によって試験したとき,次に適合するものとする。

Ψ≦0.25 %  及び  |δ

V

|≦3.0(mm)


12

K 6410-1

:2015

6.5.2.4 

水平方向のずれ 

積層ゴム支承の水平方向のずれ δ

H

の許容値は,JIS K 6410-2 の 7.6 によって試験したとき,次に適合す

るものとする。

δ

H

≦5.0(mm)

6.5.3 

製品外観 

積層ゴム支承の外観は,使用上有害なきず,しわ,気泡,剝離などの異状があってはならない。

6.5.4 

フランジ,連結鋼板及びキープレートの防せい(錆)処理 

フランジ,連結鋼板及びキープレートには,適切な防せい(錆)処理を施されなければならない。

なお,防せい(錆)仕様については受渡当事者間の協定に基づく。ただし,防せい(錆)膜厚の測定は

JIS K 6410-2

の 7.7 によってフランジにだけ実施する。

検査 

7.1 

形式検査及び受渡検査 

積層ゴム支承及び積層ゴム支承に用いるゴム材料の検査は,形式検査

1)

 と受渡検査

2)

 とに区分し,検査

の項目は,7.2 及び 7.3 による。形式検査は,更に形式検査 A と形式検査 B とに区分する。形式検査 B は,

形式検査 A と同等

3)

 と認められる検査を,実施されている場合に限り用いることができる。

なお,形式検査は同一形式で,受渡検査は同一形式及び同一サイズで行う。

1)

  製品の品質が,設計で示す全ての特性を満足するか否かを判定するための検査。

2)

  既に形式検査に合格したものと同じ設計・製造による製品の受渡しをする場合,必要と認める

特性が満足するものであるか否かを判定するための検査。

3)

  同等とは,建設省告示第 1446 号(平成 12 年 5 月 31 日)に適合した大臣認定を取得している場

合などをいう。

なお,

表 10 に示す項目及び形式の区分を満足し,かつ,技術的生産条件が同等の製品を同一の形式とす

ることができる。

表 10−形式 

項目

形式の区分

積層ゴム支承の種類 NRB,HDR 又は LRB のいずれか

ゴム材料

NRB 及び LRB:ゴムのせん断弾性率

a)

HDR:ゴムのせん断弾性率

a)

 及び等価粘性減衰定数

a)

積層ゴム支承の平面寸法

最小値及び最大値によって範囲を定める。

一次形状係数  S

1

二次形状係数  S

2

a)

  規定面圧下において,規定せん断ひずみ時の値とする。

7.2 

ゴム材料の検査 

ゴム材料における形式検査及び受渡検査の項目を

表 11 に示す。受渡検査における材料試験の頻度は,1

ロットごと,又は受渡当事者間の協定によって決定し,積層ゴム支承の製造工程時に採取したゴム材料に

ついて検査を行う。ただし,ロットは,1 圧延単位又は 1 練り単位とする。


13

K 6410-1

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表 11−ゴム材料の検査項目 

特性

検査項目

形式検査 A

形式検査 B

受渡検査

内部ゴム

被覆ゴム

内部ゴム

被覆ゴム

内部ゴム

被覆ゴム

引張特性

引張強さ

切断時伸び

100 %引張応力

硬さ

ゴム硬さ

耐オゾン性

亀裂観察

○:実施する。

−:実施しない。

7.3 

積層ゴム支承の検査 

7.3.1 

検査項目 

積層ゴム支承における形式検査及び受渡検査の項目を

表 12 に示す。

受渡検査は,圧縮基本特性及びせん断基本特性について,規定面圧及び規定せん断ひずみによって試験

を実施する。また,受渡検査は,通常,全数検査とするが,受渡当事者間の協定によって抜取検査によっ

てもよい。この場合の抜取検査は JIS Z 9015-0JIS Z 9015-1 又は合理的な抜取検査方式に従って実施する。

表 12−積層ゴム支承の検査項目 

特性

検査項目

形式検査 A

形式検査 B

受渡検査

圧縮特性

圧縮剛性

せん断特性

各種せん断特性

a)

せん断特性の

各種依存性

せん断ひずみ依存性

面圧依存性

振動数依存性

繰返し数依存性-1

繰返し数依存性-2

温度依存性

耐久性

せん断特性 
せん断限界ひずみ

クリープ

引張特性

引張降伏応力

終局特性

せん断限界ひずみ

終局特性線図

水平二方向終局特性

水平二方向限界ひずみ

寸法

b)

各部の寸法

防せい(錆)膜厚

総膜厚

製品外観

異状の有無

○:実施する。

−:実施しない。 

a)

  各種せん断特性項目は,NRB で K

h

,HDR で K

h

及び h

eq

,並びに LRB で K

d

及び Q

d

する。

b)

  形式検査 A は,6.5.2.1(平面寸法),6.5.2.2(高さ),6.5.2.3(傾き)及び 6.5.2.4(水平

方向のずれ)について,形式検査 B 及び受渡検査は,6.5.2.2(高さ)

6.5.2.3(傾き)

及び 6.5.2.4(水平方向のずれ)について実施する。


14

K 6410-1

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7.3.2 

試験体の種類 

試験体は,

表 13 による。積層ゴム支承の特性が,変形履歴に依存する場合,特性を安定させるためにあ

らかじめ大きなせん断変形を与えてよい。このせん断変形を予備変形という。予備変形を与えた後に受け

渡す製品の場合は,形式検査の試験体に対しても,実製品と同じ予備変形を与えるものとする。

試験体は,次によって決定する。

a)

実大試験体又は縮小試験体を用いる。

b)

縮小試験体は,

表 14 による。

c)

縮小試験体の次の寸法について,寸法縮尺率に合わせることが困難な場合は,特性への影響を考慮し

て定めてもよい。

・  中間鋼板  :厚さ

・  フランジ又は連結鋼板  :厚さ,外径(丸形)又は辺長(角形)

,ボルト孔位置及びボルト孔径

d)

縮小試験体の中間鋼板,フランジ,連結鋼板及びキープレートの材質について,実大試験体に合わせ

ることが困難な場合は,特性への影響を考慮して,次のいずれかを用いてもよい。

・  中間鋼板  :JIS G 3131 に規定する SPHC,又は JIS G 3141 に規定する SPCC

・  フランジ,連結鋼板,キープレート  :

表 に示す材料

表 13−積層ゴム支承の試験体 

特性

試験項目

試験体

種類

基数

形式検査 A

形式検査 B

圧縮特性

圧縮剛性

実大試験体

7.3.3 a) 

せん断特性

せん断剛性

等価粘性減衰定数

実大試験体

引張特性

a)

引張降伏応力

試験体 B 3 体以上

せん断特性の

依存性

せん断ひずみ依存性

実大試験体又は試験体 C

3 体以上

b)

面圧依存性

実大試験体又は試験体 C

3 体以上

b)

振動数依存性

試験体 A 3 体以上

繰返し数依存性-1

試験体 B 2 体以上

繰返し数依存性-2

試験体 A

2 体以上

温度依存性

試験体 A 又はせん断試験片(SBS)

3 体以上

終局特性

せん断限界ひずみ

実大試験体又は試験体 C

7.3.3 b) 

終局特性線図

水平二方向

終局特性

水平二方向

せん断限界ひずみ

基準せん断破断試験

試験体 D

3 体以上

二方向低減率評価試験

試験体 A

3 体以上

耐久性

せん断特性

せん断限界ひずみ

試験体 A

2 体以上

クリープ

2 体以上

c)

寸法

各部の寸法

実大試験体

7.3.3 a) 

a)

  引張試験では,フランジの面外変形の影響を考慮して,実大試験体の特性を推定できるようにフランジ形状

を定める。

b)

  一次形状係数 S

1

が当該形式の最小値±10 %である試験体,及び二次形状係数 S

2

が当該形式の最小値±5 %で

ある試験体を含まなければならない。

c)

  一次形状係数 S

1

が当該形式の最小値±10 %である試験体とする。


15

K 6410-1

:2015

表 14−縮小試験体の種類及び定義 

種類

直径(円形)

辺長(角形)

S

1

S

2

試験体 A 150

mm 以上 100

mm 以上

当該形式の範囲内

3 以上

試験体 B 450

mm 以上 400

mm 以上

当該形式の範囲内

当該形式の範囲内

試験体 C

当該形式の最大値の 1/2 以上かつ

800 mm 以上

当該形式の範囲内

当該形式の範囲内

試験体 D

600 mm 以上

500 mm 以上

当該形式の範囲内

7 以上

せん断試験片(SBS)

附属書 に規定するせん断試験片を表し,NRB 又は HDR に対して用いることがで
きる。

7.3.3 

形式検査における試験体数 

試験体数は,次によって決定する。

a)

形式検査における圧縮特性,せん断特性及び寸法については,次による。

・  形式検査 A においては,同一形式で複数のサイズを検査する場合は,代表するサイズで 3 体,その

近辺のサイズで 2 体,それ以外のサイズでは各 1 体とする。ただし,検査実施サイズのゴム外径±

10 %のサイズにおいては,検査を省略してもよい。

・  形式検査 B においては,代表するサイズで 1 体とする。

b)

終局特性試験については,次による。

・  形式検査 A においては,JIS K 6410-2 の 6.4 に規定する終局特性線図を作成することができる試験

体数とする。

・  同一形式においても,S

2

が異なるサイズについては,各々について終局特性線図を作成する。ただ

し,形式内の最小,中間,最大(規定の仕方要検討)の S

2

をもつ代表サイズについて実験に基づく

終局特性線図を作成し,その結果を基に,適切な手法を用いて(

附属書 参照),その他のサイズ

の終局特性線図を作成してもよい。

・  形式検査 B においては,σ

nom

におけるせん断限界ひずみの基準値を確認する試験とし,試験体数は

二次形状係数 S

2

が当該形式の最小値±5 %である試験体を含む 1 体以上とする。

c)

その他の試験項目については,

表 13 に示すとおりとする。

d)

各試験に同一試験体を用いる場合は,繰返し履歴の影響に注意する。

製品の表示 

8.1 

表示項目 

この規格の全ての要求事項に適合した積層ゴム支承には,次の項目を表示する。

なお,d)  及び e)  については,表示場所の大きさによって表示が困難な場合には,表示を省略すること

ができる。

a)

製造業者名又はその略号

b)

積層ゴム支承の種類又は略号

c)

製造番号

d)

積層ゴム支承の外径又は一辺の長さ

例 1  断面形状が円形で直径(D)800 mm の場合:略号  D-800

例 2  断面形状が角形で一辺の長さ(S)800 mm の場合:略号  800×800 又は S-800

e)

内部ゴムのせん断弾性係数又は略号(略号は,せん断弾性係数の記号及び係数で示す。


16

K 6410-1

:2015

なお,内部ゴムのせん断弾性係数(G)については,JB.4.2 によって算出する。

例 3  0.39 MPa の場合:略号  G3.9

8.2 

表示の場所及び方法 

表示の場所及び方法は,次による。

a)

表示の場所は,積層ゴム部の側面又はフランジの側面とする。

b)

表示は,十分な耐久性をもつものとする。

c)

表示は,識別が容易な大きさとし,文字の寸法は,幅,高さ共に 5 mm 以上とする。

8.3 

表示例 

表示は,

例 に示すように 1 列,又は例 に示すように 2 列に表示してもよい。

1

2

製造者の名称又は会社ロゴマークなど

シリアル番号

種類

寸法

(mm)

(選択項目)

UNIVERSAL CO ,LTD.

HDR D-800 G59 00001

UNIVERSAL CO ,LTD.

HDR D-800 G59 00001

内部ゴムのせん断弾性係数の規格値

(選択項目)

製造業者の名称,会社ロゴマークなど


17

K 6410-1

:2015

附属書 A

(規定)

圧縮剛性の算出方法

A.1 

圧縮剛性の算出方式 

圧縮剛性 K

v

は,式(A.1)によって算出する。

r

c

v

t

n

E

A

K

×

×

=

  (A.1)

ここに,

1

ap

c

1

1

+

=

E

E

E

  (A.2)

見掛けの弾性試験 E

ap

の計算には,様々な算定式が提案されているが代表的な 2 例を,次に示す。

a) 

算定式 1(参考文献[1]及び[2]参照)

(

)

2

1

0

ap

2

1

S

E

E

κ

+

=

  (A.3)

なお,E

0

は,せん断弾性係数から E

0

3

として近似的に定めてもよい。

天然ゴムの材料定数を

表 A.1 に例示する。積層ゴム支承の実設計において,表 A.1 によらず独自の材料

定数を適用してもよい。

表 A.1−積層ゴム支承の設計用材料定数の例 

IRHD

E

0

(MPa)

G(MPa)

κ 

E

(MPa)

30 0.92 0.30 0.93 1.00×10

3

40 1.50 0.45 0.85 1.00×10

3

50 2.20 0.64 0.73 1.03×10

3

60 5.34 1.06 0.57 1.15×10

3

70 7.34 1.72 0.53 1.27×10

3

b) 

算定式 

(

)

2

1

eq

ap

2

1

3

S

G

E

+

=

  (A.4)

ここで,G

eq

は,圧縮力によって生じる平均せん断ひずみ γ におけるせん断弾性係数に相当し,平均せん

断ひずみ γ は,式

(A.5)

で算出することができる。

c

1

6

ε

γ

S

=

  (A.5)

ここで,ε

c

は,積層ゴム支承の圧縮ひずみを表す。

なお,ここで示した算定式の

2

例は,いずれも圧縮ひずみ ε

c

0.1

程度を超えたときに生じる非線形性

を考慮したものではない。

また,E

0

及び E

は,式

(A.6)

の関係を用いて,実験から定めることもできる。


18

K 6410-1

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+

+

×

=

E

S

E

E

1

2

1

1

1

1

2

1

0

c

κ

  (A.6)

S

1

の異なる積層ゴム支承の圧縮剛性を測定して,

2

1

2

1

1

S

κ

+

c

1

E

との関係でまとめると,

図 A.1 に示す

ような結果を得る。

プロット点を直線で最適に近似すると,

直線勾配

a

及び

Y

切片

b

が,

それぞれ

0

1

E

E

1

とに対応しており,E

0

及び E

を求めることができる。補正係数 κ は,近似直線の精度に影響を与えない

範囲で任意に定めてもよい。

図 A.1

2

1

2

1

1

κS

+

c

1

E

との関係

中心孔が大きい又は鉛プラグを挿入していない積層ゴム支承の圧縮剛性に関して,式

(A.6)

では中心孔を

考慮に入れた S

1

を用いても信頼性の高い結果が得られない可能性がある。

注記

このような積層ゴム支承の圧縮剛性の算定式は,参考文献

[1]

に示されている。


19

K 6410-1

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附属書 B

(規定)

せん断特性の算出方法

B.1 NRB

のせん断特性

NRB

のせん断剛性 K

h

は,式

(B.1)

によって算出する。

r

h

t

n

A

G

K

×

=

   (B.1)

せん断特性を,接線剛性 K

t

で表すこともできる。この場合,K

t

は,

JIS K 6410-2

附属書

C

に従って求

める。

B.2 HDR

のせん断特性

HDR

のせん断履歴特性の例を

B.1

に示す。

せん断剛性 K

h

(履歴曲線の頂点間を結んだ直線の勾配で定義される等価剛性)は変位に依存するので,

(B.2)

によって算出する。

r

eq

h

t

n

A

G

K

×

=

  (B.2)

ここで G

eq

は,測定結果から定める。

記号 

X  せん断変位(mm)

Y  せん断力(kN)

B.1

HDR

のせん断履歴特性の例

HDR

の G

eq

及び h

eq

のせん断ひずみ依存性の例を,

B.2

に示す。


20

K 6410-1

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記号 

 X

せん断ひずみ  γ

Y

1

  せん断弾性係数  G

eq

 (γ)(MPa)

Y

2

  等価粘性減衰定数  h

eq

B.2

HDR

G

eq

及び

h

eq

のせん断ひずみ依存性の例

G

eq

及び h

eq

は,式

(B.3)

及び式

(B.4)

に示すように,せん断ひずみの多項式による関数として定める。

=

×

=

+

×

+

×

+

×

+

×

+

×

+

=

m

j

j

j

a

a

a

a

a

a

a

G

0

5

5

4

4

3

3

2

2

1

0

eq

γ

γ

γ

γ

γ

γ

   (B.3)

=

×

=

m

j

j

j

b

h

0

eq

γ

   (B.4)

ここで,a

j

及び b

j

 (

j

0

m

)

は各関数の 次の項にかかる係数を,は多項式の次数を表す。

なお,h

eq

は,式

(B.5)

によって測定結果から算出する。

(

)

2

r

h

d

eq

2

π

1

γ

×

×

×

=

t

n

K

W

h

  (B.5)

ここで,W

d

は,1 サイクル当たりの吸収エネルギーを表す。

降伏荷重特性値は,せん断ひずみ振幅の関数 から算出する。を,式(B.6)に示すように履歴曲線の最


21

K 6410-1

:2015

大せん断荷重に対する降伏荷重特性値の比として定義し,G

eq

及び h

eq

と同様にせん断ひずみの関数として

試験的に定める。

(

)

γ

×

×

=

r

h

d

t

n

K

Q

U

  (B.6)

=

×

=

m

j

j

j

c

U

0

γ   (B.7)

ここで,c

j

 ( j=0∼m)  は関数の 次の項にかかる係数を,は多項式の次数を表す。

履歴曲線をバイリニア型でモデル化するとき,二次剛性 K

d

は,式(B.8)によって,一次剛性 K

i

は,式(B.9)

によって算出する。

(

)

h

d

1

K

U

K

=

  (B.8)

( )

h

eq

eq

i

π

2

)

1

(

π

2

K

h

U

U

h

U

K

×

×

×

=

γ

  (B.9)

B.3 LRB

のせん断特性

LRB

のせん断履歴特性の例を

B.3

に示す。

せん断特性は,せん断剛性

K

h

,二次剛性

K

d

及び降伏荷重特性値

Q

d

を用いて式

(B.10)

で表す。

d

r

d

h

K

t

n

Q

K

+

×

×

=

γ

  (B.10)

ここで

Q

d

は,式

(B.11)

で求める。

p

p

d

A

Q

×

=

τ

  (B.11)

ここに,

τ

p

鉛プラグの降伏せん断応力(推奨値

8.0 MPa

A

p

鉛プラグの断面積

τ

p

は,測定結果から基準値を求め,他サイズの

Q

d

の算出に用いる。

また,二次剛性

K

d

は,式

(B.12)

によって算出する。

p

p

r

r

d

K

C

K

C

K

×

+

×

=

  (B.12)

ここに,

K

r

積層ゴム支承のせん断剛性





×

=

r

r

t

n

A

G

K

N/mm

K

p

見掛けの鉛プラグの剛性(

N/mm

C

r

積層ゴム支承のせん断剛性に関する補正係数

C

p

挿入した鉛プラグの剛性に関する補正係数

なお,C

r

及び C

p

は,測定結果から定める。

一次剛性 K

i

は,式

(B.13)

に示すように K

d

に定数 α

i

を乗じることによって求めることができる。

d

i

i

K

K

×

=

α

  (B.13)

注記

一般的に,α

i

は,

5

15

の値が用いられている。


22

K 6410-1

:2015

記号 

 X

せん断変位(mm)

 Y

せん断力(kN)

B.3

LRB

のせん断履歴特性の例


23

K 6410-1

:2015

附属書 C 
(参考)

座屈による終局特性線図の予測法

C.1 

座屈限界式

積層ゴム支承の座屈限界は,式

(C.1)

によって表すことができる。





cr

2

1

σ

σ

γ

S

  (C.1)

ここに,

G

E

S

×

×

×

=

b

2

cr

4

π

ξ

σ

   (C.2)

+

+

=

E

S

E

E

1

3

2

1

1

1

2

1

0

b

κ

   (C.3)

ここに,

E

b

曲げ変形に対する見掛けの縦弾性係数

座屈限界を表す直線を,終局特性線図とともに

C.1

に示す。

S

2

γ

b

の場合

S

2

γ

b

の場合

記号 

X  せん断ひずみ  γ

1  安定(性能維持)

Y  面圧  σ

2  不安定

3  破断

C.1

終局特性線図

C.2 

積層ゴム支承の試験による式

(C.1)

の検証

C.1

の提案式の妥当性を,NRB,LRB 及び HDR について,複数の大きさ及び形状の積層ゴム支承の試

験によって検証している。試験体の数,寸法,一次形状係数,二次形状係数及びゴム材料のせん断弾性係

数を

C.1

に示す。


24

K 6410-1

:2015

C.1

積層ゴム支承試験体の構造・寸法

外径 d

0

(mm)

内径 d

i

(mm)

S

1

S

2

(MPa)

NRB:試験体数 59 体

最小   482

0

17.1  3.00  0.29

最大   820

150

43.7  5.41  0.49

平均   602

22.6

32.7  4.75  0.39

LRB:試験体数 25 体

最小   120

24

20.0  3.00  0.390

最大   950

190

43.6  5.59  0.392

平均   618

113

33.8  4.20  0.391

HDR:試験体数 35 体

最小   500

0

25.0  3.00  0.354

最大  1

100

200

38.3  5.40  0.810

平均   683

52.4

32.7  4.33  0.486

積層ゴム支承の種類及び二次形状係数 S

2

の範囲ごとに,

試験面圧 σ 及びせん断ひずみ γ を,

それぞれ σ/σ

cr

及び γ/S

2

の関係でプロットした図を

C.2

C.10

に示す。試験結果は,おおむね式(C.1)を上回るせん断

ひずみで座屈が生じている。

なお,

C.2

C.10

中の“○座屈”は,その面圧・せん断ひずみ条件で座屈が発生したことを意味す

る。また,

“●安定”は,その面圧・せん断ひずみ条件で座屈が発生せず,当該●点より高い面圧で,又は

大きいせん断ひずみで座屈することを意味する。


25

K 6410-1

:2015

記号 
○座屈 

C.2

NRB

:(

S

2

3.5

記号 
○座屈

●安定 

C.3

NRB

:(

3.5

S

2

4.5

記号 
○座屈

●安定 

C.4

NRB

:(

4.5

S

2


26

K 6410-1

:2015

記号 
○座屈

●安定 

C.5

LRB

:(

S

2

3.5

記号 
○座屈 
●安定 

C.6

LRB

:(

3.5

S

2

4.5

記号 
○座屈 
●安定 

C.7

LRB

:(

4.5

S

2


27

K 6410-1

:2015

記号 
○座屈

●安定 

C.8

HDR

:(

S

2

3.5

記号 
○座屈 
●安定 

C.9

HDR

:(

3.5

S

2

4.5

記号 
○座屈 
●安定 

C.10

HDR

:(

4.5

S

2


28

K 6410-1

:2015

附属書 D 
(参考)

せん断特性に及ぼす中心孔径及び二次形状係数の影響

D.1 

せん断剛性の面圧依存性に及ぼす中心孔径の影響

積層ゴム支承の中心孔径は,せん断剛性の面圧依存性に大きな影響を及ぼす。

D.1

は,

D.1

の試験

体を用いて得られた結果であり,この図が示すように,中心孔径が大きいほど面圧依存性は大きい。

D.1

異なる中心孔の積層ゴム支承のせん断剛性の面圧依存性の例

D.1

試験体

a)

記号

単位 G4.0−40 G4.0−120

MPa 0.39  0.39

d

0

 mm 800

800

d

i

 mm  40

120

d

i

/d

0

− 0.05  0.15

t

r

 mm  6.5

6.5

− 25

25

S

1

− 29.2

26.2

S

2

− 4.9

4.9

a)

  試験体の種類は,NRB である。

D.2 

せん断剛性の面圧依存性に及ぼす二次形状係数の影響

D.2

に示すように,二次形状係数が小さいほど,せん断剛性の面圧依存性は大きくなる。

(MPa)


29

K 6410-1

:2015

D.2

二次形状係数が異なる場合のせん断剛性の面圧依存性の例

D.3 

圧縮せん断載荷時の積層ゴム支承の高さ変化に及ぼす二次形状係数の影響

中心孔径が大きくなるほど,また,二次形状係数が小さくなるほど,圧縮せん断載荷時の積層ゴム支承

の高さ変化は大きくなる。

D.3

に圧縮せん断載荷時の積層ゴム支承の高さ変化に及ぼす中心孔径の影響

を示す。

D.3

圧縮せん断載荷時の積層ゴム支承の高さ変化に及ぼす中心孔径の影響

(MPa)

S

S

S

2


30

K 6410-1

:2015

附属書 JA

(参考)

フランジ接合方式

JA.1 

フランジ接合方式

積層ゴム支承をフランジ接合部方式によって,

JA.1

に示すように分類することができる。積層ゴム部

とフランジとの結合部は,せん断変形時に生じるせん断力及び曲げモーメントに対して,かつ,引抜き状

態も考慮に入れる場合は,引張力に対しても十分な構造及び強度を保有するものとする。また,それらを

満足する構造であれば,

JA.1

に示す方式以外のものも適用可能である。

被覆ゴムについては,内部ゴムと一体になった被覆ゴム一体形及び加硫後に付与された被覆ゴム後巻き

形に分類される。

JA.1

フランジ接合方式

フランジ

一体方式

積層ゴム部とフランジとが一
体となるように加硫接着され

ている構造。

フランジ

組立方式

積層ゴム部上下に加硫接着す
るように埋め込まれた連結鋼

板と,フランジとが連結ボル

トによって接合されている構
造。

フランジ

かん(嵌)

合方式

積層ゴム部上下に加硫接着す
るように埋め込まれた連結鋼

板と,フランジとが連結ボル

トによって接合されている構
造。フランジにはせん断力伝

達のための溝が設けられてい

る。

注記  フランジ組立方式において,キープレートを使用しない場合もある。

フランジ

フランジ

連結鋼板

連結ボルト

キープレート

かん(嵌)合溝

フランジ

連結鋼板

連結ボルト


31

K 6410-1

:2015

附属書 JB

(規定) 
設計通則

JB.1 

一般事項

積層ゴム支承の圧縮特性及びせん断特性については,次の方法に従って設計する。ただし,十分な実験

データを基に,適切に定められた方法であれば,それらを用いてもよい。

JB.2 

面圧及びせん断ひずみ

積層ゴム支承の面圧 σ と圧縮力 との関係及びせん断ひずみ γ とせん断変位 との関係を,式(JB.1)及

び式(JB.2)で定義する。

A

P

σ

=

  (JB.1)

r

t

n

X

γ

×

=

   (JB.2)

ここに,

n: 内部ゴムの層数

t

r

ゴム 1 層の厚さ(mm)

A: 積層ゴム支承の有効面積(mm

2

JB.3 

形状係数

JB.3.1 

一次形状係数

一次形状係数 S

1

を,式(JB.3)によって定義する。

free

1

A

A

S

=

  (JB.3)

ここに,

A

free

自由面積

A: 有効面積

a)

中心孔がない場合は,式(JB.4)及び(JB.5)で算出する。

円形積層ゴム支承:

r

0

1

t

d

S

×

=

  (JB.4)

角形積層ゴム支承:

r

1

t

a

S

×

=

  (JB.5)

角形積層ゴム支承で隅切りなどによって完全な正方形でない場合は,有効面積 及び自由面積 A

free

を正確に算出し,式(JB.3)によって求める。

b)

中心孔がある場合は,式(JB.6)及び式(JB.7)で算出する。

円形積層ゴム支承:

r

i

0

1

t

d

d

S

×

=

   (JB.6)

角形積層ゴム支承:

(

)

i

r

2

i

2

1

π

4

4

π

4

d

a

t

d

a

S

+

×

=

  (JB.7)

なお,積層ゴム支承の中心孔がゴム又は鉛プラグで隙間なく充

されている場合は,自由面積及び拘束

面積は孔がないものとして算出することができる。角形積層ゴム支承で隅切りなどによって完全な正方形


32

K 6410-1

:2015

でない場合,

及び円形又は角形で中心径が複数ある場合は,

有効面積 及び自由面積 A

free

を正確に算出し,

式(JB.3)によって求める。

JB.3.2 

二次形状係数

二次形状係数 S

2

を,内部ゴムの総厚さに対する有効幅の比で定義する。

円形積層ゴム支承:

r

0

2

t

n

d

S

×

=

  (JB.8)

角形積層ゴム支承:

r

2

t

n

a

S

×

=

  (JB.9)

JB.4 

圧縮特性及びせん断特性

JB.4.1 

圧縮剛性

圧縮剛性 K

v

を,式(JB.10)によって算出する。

r

c

v

t

n

A

E

K

×

×

=

  (JB.10)

ここで,E

c

は,式(A.2)による。

また,圧縮変位 及び圧縮ひずみ ε

c

を,式(JB.11)及び式(JB.12)によって求める。

v

K

P

Y

=

  (JB.11)

r

c

t

n

Y
×

=

ε

  (JB.12)

JB.4.2 

せん断剛性及び等価粘性減衰定数

せん断剛性 K

h

を,式(JB.13)によって算出する。

r

h

t

n

A

G

K

×

=

  (JB.13)

せん断弾性係数のひずみ依存性を考慮する場合,せん断剛性を式(JB.14)によって算出する。

r

eq

h

t

n

A

G

K

×

=

  (JB.14)

ここで,GG

eq

は,実大試験体又は縮小試験体による動的加力試験の結果を基に,せん断ひずみとせん

断弾性係数との関係を回帰して定めるものとする。ただし,GG

eq

を測定する面圧 σ と実際に使用される

ときの面圧とに大きな差がある場合,GG

eq

は面圧依存性を考慮して使用時の面圧における値に補正しな

ければならない。

LRB については,K

h

K

d

及び Q

d

は,次の関係が成り立つ。

X

Q

X

K

K

d

d

h

+

×

=

  (JB.15)

HDR の等価粘性減衰定数 h

eq

については,1 サイクル当たりの吸収エネルギーW

d

を履歴曲線から求め,

式(JB.16)によって算出する。

2

h

d

eq

π

2

1

X

K

W

h

×

×

=

  (JB.16)

注記

 NRB,HDR 及び LRB のせん断特性値の算出方法は,

附属書

B

を参照する。


33

K 6410-1

:2015

JB.5 

終局特性

JB.5.1 

せん断変位ゼロでの安定性

積層ゴム支承がせん断変形していない状態で安定性を失う面圧を限界面圧 σ

cr

として定義し,式(JB.17)

によって算出する。

G

E

S

×

×

=

b

2

cr

ξ

σ

  (JB.17)

ここで,

E

b

は曲げ変形に対する見掛けの縦弾性係数であり,式(JB.18)で算出する。

+

+

=

E

S

E

E

1

)

3

2

1

(

1

1

2

1

0

b

κ

  (JB.18)

G

は,

γ

100 %

時のせん断弾性係数を表す。

ξ

は,積層ゴム支承の断面形状による係数で,次の値を用いる。また,実験データに基づき別の値を定

めてもよい。

      円形断面の場合:

4

π

=

ξ

      角形断面の場合:

3

2

π

=

ξ

κ

の値は,

A.1

を参照する。

なお,鉛プラグ入り積層ゴム支承の場合,

G

は,鉛プラグを除いたゴム部分のせん断弾性係数を表す。

JB.5.2 

圧縮力下での終局特性

積層ゴム支承の終局状態におけるせん断ひずみと面圧との関係を,終局特性線図として表す(

附属書

C

参照)

。終局特性線図は,

JB.1

に示すように,圧縮限界応力とせん断限界ひずみ(規定面圧における終

局せん断ひずみ)とを用いて定めるものとする。

JB.1

終局特性線図

γ

σ

圧縮限界応力

γ

u

γ

max

σ

max

σ

nom

σ

cr

γ

u

:せん断限界ひずみ


34

K 6410-1

:2015

JB.5.3 

引張特性

積層ゴム支承は,引張降伏応力を超えない範囲であれば,繰返し載荷に対して安定した復元力特性が得

られる。

引張降伏応力は,

JB.2

に示すような積層ゴム支承の引張方向の力−変位特性曲線から,JIS K 6410-2

の 6.6 の方法によって求める。

なお,引張方向の繰返し載荷(引張力が引張降伏力を超えた場合)における力−変位特性曲線を

附属書

JC

に示す。

JB.2

積層ゴム支承の引張特性

注記

引張力及び引張変位から引張応力及び引張ひずみを算出する場合,それらの値は単に平均値を

表しているにすぎない。実際には,引張応力及び引張ひずみは不均一な分布をしており,フラ

ンジの曲げに大きく影響される。

JB.6 

規定面圧の設定

積層ゴム支承の規定面圧

σ

nom

は,終局特性線図及びせん断特性の面圧依存性を考慮して次のように設定

する。

a) 

終局特性線図に基づく設定  附属書

C

における終局特性線図の予測法及びその試験結果を考慮し,式

(C.2)

で求める積層ゴム支承の圧縮限界応力

σ

cr

30 %

以下で

σ

nom

を設定する。

b) 

せん断特性の面圧依存性に基づく設定

積層ゴム支承のせん断剛性は,面圧の上昇に伴い低下する傾

向にある。

その低下の度合いは,

ゴム材料のせん断弾性係数及び形状係数に依存する

附属書

D

参照)

この面圧依存性を考慮して,面圧変動に伴うせん断特性の変動が

6

に示す範囲に収まるように

σ

nom

を設定する。

JB.7 

中間鋼板

積層ゴム支承の中間鋼板は,式

(JB.19)

を満たすように設計する。

sa

s

0

s

r

s

1

65

.

1

2

σ

ρ

σ

σ





+

=

t

t

  (JB.19)

ここに,

σ

s

規定面圧における中間鋼板の最大応力

σ

sa

鋼材の降伏点又は耐力に基づいて定める許容応力

注記

中間鋼板の最大応力の算定式は,積層ゴム支承のせん断変位ゼロの状態におけるものであり,

引張変位

引張力

破断点

×

P

Ty

δ

ty


35

K 6410-1

:2015

積層ゴム支承のせん断変形に伴い,中間鋼板の最大応力も増大する傾向にある。安全係数

ρ

s

定めるときには,地震時の圧縮力の増加及びせん断変形に伴う応力の増加を見込んで十分に大

きな値にする必要があり,その値は

3

以上が望ましい。

JB.8 

連結部材

固定用ボルト,フランジ及びキープレートなどの連結部材は,使用最大圧縮力,使用最小圧縮力及び使

用最大せん断変位に対して設計を行う。


36

K 6410-1

:2015

附属書 JC

(参考)

引張特性の繰返し載荷による影響

JC.1 

引張特性の繰返し載荷による影響

積層ゴム支承に引張力が作用すると,比較的高い初期剛性を示すが,引張応力が引張降伏応力を超える

と剛性が急激に低下し,大きな変形を生じるようになる。

JC.1

及び

JC.1

に示す試験体を用いて得ら

れた積層ゴム支承の引張力−変位特性図を

JC.2

に示す。この結果は,一定の振幅の引張ひずみを

10

イクルずつ与え,その振幅を次第に増加させたときの特性を示したものであるが,引張降伏応力を超える

力を繰り返し加えると,復元力(剛性)が低下していく傾向を示している。

積層ゴム支承に引張力が作用する場合には,このような復元力特性の繰返し負荷による変化を考慮に入

れて設計することが望ましい。

単位  mm

JC.1

試験体


37

K 6410-1

:2015

JC.1

試験体

a)

のゴム材料及び寸法

項目

単位

特性値

MPa 0.39

d

0

 mm

504

d

i

 mm 0

d

i

/d

0

− 0.0

t

r

 mm 4.2

− 24

S

1

− 30

S

2

− 5.0

a)

  試験体の種類は,NRB である。

JC.2

引張特性(引張力−変位特性図)

参考文献

   

[1]  J. M. Kelly, Earthquake-Resistant Design with Rubber, 2nd Edition, Springer-Verlag, London, 1997

[2]  P.B.Lindley, Engineering Design with Natural Rubber, Malaysian Rubber Producers Research Association,

London, 1974


38

K 6410-1

:2015

附属書 JD

(参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS K 6410-1:2015

  建築免震用積層ゴム支承−第 1 部:仕様

ISO 22762-3:2010

,Elastomeric seismic-protection isolators−Part 3: Applications for

buildings−Specifications

(I)JIS の規定

(II)国際 
規格番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

3  用語及び
定義

中 間 鋼 板 , 自 由 面

積,せん断特性,せ
ん断片,基準値,規

定面圧,規定温度,

規 定 振 動 数 に 関 す
る用語などを記載。

規定温度は,20  ℃。

 3

ISO 22762-1

と 重 複 し

て,全ての用語及び定義
を記載。

規定温度は,23  ℃又は
27  ℃。

削除

追加

この規格で用いていない用語は,

削除。分かりやすくするため JIS
で用語を追加。規定温度を国内で

の運用事情に合わせ,20  ℃に変

更。

天然ゴム系の記号 LNR は,

NRB

へ変更。

技術的差異はない。

4  記号

こ の 規 格 で 用 い て

い る 記 号 だ け を 記
載。規定せん断ひず

みを追加。

 4

ISO 22762-1

及 び ISO 

22762-3

にまたがる記号

を記載。

削除

追加

この規格で用いていない記号を削

除。 
分かりやすくするため追加。

技術的差異はない。

5  種類 NRB,HDR,LRB の

区 分 を 図 及 び 特 性
曲線図で定義。

 5

構造及びせん断特性の

許容公差によって分類。

削除

変更

構 造 に よ る 分 類 を 本 体 か ら 削 除

し,附属書 JA へ移動。許容公差に
よる分類は削除。

技術的差異はない。

6  要求事項
6.1  一般

基 準 値 の 設 定 に つ

いて規定。

追加

製造業者が要求性能に収まる基準

値を設定し,項目によっては検査

値の基準値に対するばらつきを規
定。

建設省告示第 1446 号(平成 12 年
5 月 31 日)に準拠。

2

K 64

10
-1


201

5


39

K 6410-1

:2015

(I)JIS の規定

(II)国際 
規格番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

6.2  ゴム 材

表 2 にゴム材料の基

準 値 を 設 定 す る 項
目を規定。表 3 に基

準 値 の 要 求 特 性 値

を規定。

 6.6

Table

8 にゴム材料の要

求試験項目を記載。

削除

追加

基準値の設定を要求。

せん断破断特性,接着強度特性,
低温結晶化特性及び熱老化特性を

削除。

引張特性の要求特性値を規定。

せん断破断特性,接着強度特性,

低 温 結 晶 化 特 性 及 び 熱 老 化 特 性
は,大臣認定で要求されないため

削除。また,基準値の要求特性値

を可能な項目について,具体的に
規定。これらの内容を ISO に提案

する。

6.3  フラ ン
ジ,連結鋼
板,キープ

レート及び

中間鋼板に
用いる材料

表 4 にフランジ,連

結鋼板,キープレー
ト 及 び 中 間 鋼 板 に

用 い る 材 料 と し て

JIS

を引用。

 6.8

Table

10 に鋼材の要求特

性を記載。

変更

JIS

(SS400,SM490,SN400 及び

SN490)の使用を規定。連結鋼板,
キープレートの材質規定を追加。

技術的差異はない。

6.4  鉛プ ラ
グの使用材

LRB に用いる鉛プ
ラ グ の 材 料 に つ い

て規定。

追加

ISO

規格に該当箇条がない。

ISO

に提案する。

6.5  積層 ゴ
ム支承

表 5 に積層ゴム支承
の 基 準 値 を 定 め る

性能項目を規定。表
6 に基準値の要求性
能値を規定。 
6.5.2  形状及び寸法 
6.5.3  製品外観 
6.5.4  フランジ,連
結 鋼 板 及 び キ ー プ

レ ー ト の 防 せ い
(錆)処理

 6.5

Table

5 に積層ゴム支承

の要求試験項目を規定。
Table 9 に積層ゴム支承
の代表寸法を記載。

追加 
変更

削除

基準値の設定を要求。圧縮剛性の
許容差を−30 %以上とした。その

他,せん断特性の各種依存性,耐

久性で基準値の要求値を規定。繰
返し数依存性-2 を追加。水平二方

向終局特性を追加。面圧依存性は

形式検査で必須とした。 
代表的な寸法例は削除。

防せい(錆)処理の規定を追加。

基準値の要求性能値を具体的に規
定。繰返し数依存性-2,終局特性

の終局特性線図,せん断特性の面

圧依存性及び水平二方向終局特性
は,国内で重要な特性項目であり

追加,変更した。これらの内容を

ISO

へ提案する。

2

K 64

10
-1


201

5


40

K 6410-1

:2015

(I)JIS の規定

(II)国際 
規格番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

7  検査 7.1

形式検査及び受

渡検査 
7.2  ゴム材料の検査 
7.3  積層ゴム支承の
検査

 6.5

Table

5 及び Tabe 8 に,

積層ゴム支承及びゴム
材料に関する Type test

( 形 式 検 査 ) 及 び
Routine test(受渡検査)
の検査項目を規定。

追加

変更

同一の形式についての定義を規定

(表 10)

。形式検査を,大臣認定取

得有無に応じて,A と B とに区分。

当該製品について,大臣認定を取

得している場合(形式検査 B)は,
検査項目を軽減(表 11 及び表 12)

大臣認定を取得している場合は,

該当検査項目については,既に実
施済みのため,必要検査項目を水

平特性試験及び終局特性試験に限

定。技術的差異はない。

7.3.2  試 験
体の種類

検 査 に 用 い る 試 験

体 の 種 類 及 び 基 数

を規定。

 6.1

Table

4 に試験体を規定。 変更

追加

試験体の必要基数を,検査項目ご

とに規定。また,新規追加の水平

二方向終局特性試験用に試験体 D
を追加(表 13 及び表 14)

変更及び追加内容について,ISO

に提案。

8  製品の表

表示する項目,場所

及 び 方 法 の 規 定 並

びに表示例

 9

JIS

にほぼ同じ。

追加

表示場所の大きさによって表示困

難な場合,表示の省略を可とする。

ISO

に提案。

附属書 JA 
(参考)

フランジ接合方式

5  Table

2

削除 
追加

Type III を削除し,フランジかん
(嵌)合方式を追加。

Type III は,日本国内では使用実績
が少ないので削除し,一方で使用

実績の多いフランジかん(嵌)合

方式を追加。

附属書 JB 
(規定)

設計通則  7

JIS

にほぼ同じ。

変更 
追加

削除

終局特性線図の採用,中間鋼板の
最大応力の算定式の変更,規定面

圧の設定,鋼材の許容応力に対す

る安全係数 ρ

s

を追加。Roll-out に関

する項目を削除。

ISO

規格の Annex

H を削除。

ISO

に提案する。

附属書 JC

(参考)

引 張 特 性 の 繰 返 し

載荷による影響

追加

ISO

規格には該当箇条がない。

2

K 64

10
-1


201

5


41

K 6410-1

:2015

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 22762-3:2010,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

−  削除  国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

−  追加  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

−  変更  国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

− MOD

国際規格を修正している。

2

K 64

10
-1


201

5