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K 6270 : 2001

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本ゴム工業会  (JRMA)  /財団法人日本規

格協会  (JSA)  から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査

会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

JIS K 6270

には,次に示す附属書がある。

附属書(参考)  JIS と対応する国際規格との対比表


K 6270 : 2001

(1) 

目次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

2

3.

  定義

2

4.

  原理

3

5.

  試験装置

3

5.1

  試験装置の構成

3

5.2

  つかみ具

3

5.3

  駆動装置

3

5.4

  カウンタ

3

5.5

  力測定装置

3

5.6

  力−伸び測定装置

3

6.

  試験片

4

6.1

  試験片の形状及び寸法

4

6.2

  試験片の採取・作製

4

6.3

  試験片の数

4

6.4

  試験片の厚さ及び幅の測定

5

6.5

  試験片のひずみ測定用の標線

5

6.6

  試験片の選別

5

7.

  試験方法

5

7.1

  試験条件

5

7.2

  試験片の準備・取付け

6

7.3

  疲労寿命の測定

6

7.4

  残留ひずみの測定

7

7.5

  最大ひずみの測定

7

7.6

  最大応力及び最大ひずみエネルギー密度の測定

7

8.

  計算

7

8.1

  疲労寿命

7

8.2

  残留ひずみの計算

8

8.3

  最大ひずみの計算

8

8.4

  最大応力の計算

8

8.5

  最大ひずみエネルギー密度の計算

9

9.

  試験結果のまとめ方

9

10.

  記録

9

附属書(参考)  JIS と対応する国際規格との対比表

10


日本工業規格

JIS

 K

6270

 : 2001

加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−

引張疲労特性の求め方−定ひずみ方法

Rubber, vulcanized or thermoplastics

Determination of tension fatigue

−Constant strain method

序文  この規格は,1984 年に第 1 版として発行された ISO 6943 (Rubber, vulcanized−Determination of tension

fatigue)

を翻訳し,技術的内容を変更し作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変更の一覧表

をその説明を付けて,

附属書(参考)に示す。

警告  この規格の利用者は,通常の実験室での作業に精通しているものとする。この規格は,その使用に

関連して起こるすべての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。この規格の利用者は,各自の責

任において安全及び健康に対する適切な措置を取らなければならない。

1.

適用範囲  この規格は,加硫ゴム及び熱可塑性ゴム(以下,加硫ゴムという。)の試験片に,発熱がほ

とんど生じない範囲の周波数で,零から所定ひずみまでの一定振幅の引張変形を与える疲労試験を行った

ときの疲労寿命及び関連する諸特性の求め方について規定する。このような条件下では,試験片にき裂が

発生し,成長して試験片が最終的に破壊に至る。

引張変形の与え方は,一定ひずみ振幅及び一定荷重振幅を与える方法があり,さらに,1 サイクル中に

ひずみ又は荷重が零点を通る方法,若しくは通らない方法など様々な方法がある。この規格では,1 サイ

クル中に零から所定ひずみまでの一定振幅の引張変形を与える方法だけの引張疲労特性の求め方を規定す

る。一定振幅で引張変形を与えているため,試験中に疲労によって生じる残留ひずみの影響で,試験片の

実際のひずみが次第に低下するので,厳密には定ひずみ引張疲労試験ではないが,広義の意味で定ひずみ

引張疲労試験と呼称する。このため,粘性挙動の大きいゴム,残留ひずみの大きいゴムには適さない。適

度な応力−ひずみ特性をもつゴムに適しており,

一般的には,

残留ひずみが 10%以内のゴムを対象とする。

この疲労試験と JIS K 6265 及び ISO 4666-2 に規定するフレクソメータによる疲労試験とを明確に区別

することが望ましい。フレクソメータによる疲労破壊は,応力と熱の同時作用によって発生する。また,

この疲労試験は,JIS K 6260 に規定する屈曲き裂試験に比べて試験結果が使用者の主観に頼らず定量的に

得られ,自動記録することができ,また,初期変形を明確に規定したり,用途ごとの異なる試験条件に対

応できるなどの利点をもつ。

備考  この規格の対応国際規格を次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD


2

K 6270 : 2001

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 6943 : 1984

  Rubber, vulcanized−Determination of tension fatigue (MOD)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構

成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年(又は,発行年)を付記していない

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 6200

  ゴム用語

JIS K 6250

  ゴム−物理試験方法通則

備考  ISO 471 : 1995  Rubber−Temperatures, humidities and times for conditioning and testing,ISO 

4648 : 1991

  Rubber, vulcanized or thermoplastic−Determination of dimensions of test pieces

and products for test purposes

及び ISO 4661-1 : 1993  Rubber, vulcanized or thermoplastic−

Preparation of samples and test pieces

−Part 1 : Physical tests からの引用事項は,この規格の

該当事項と同等である。

JIS K 6251

  加硫ゴムの引張試験方法

備考  ISO 37  Rubber, vulcanized or thermoplastic−Determination of tensile stress-strain properties から

の引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

JIS K 6260

  加硫ゴム及び熱可塑性ゴムのデマチャ屈曲き裂試験方法

備考  ISO/DIS 132 : 1997  Rubber, vulcanized or thermoplastic−Determination of flex cracking and

crack growth (De Mattia)

からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

JIS K 6265

  加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−フレクソメータによる発熱及び耐疲労性の求め方

備考  ISO 4666-1 : 1982  Rubber, vulcanized−Determination of temperature rise and resistance to fatigue

in flexometer testing

−Part 1 : Basic principles 及び ISO 4666-3 : 1982  Rubber, vulcanized−

Determination of temperature rise and resistance to fatigue in flexometer testing

−Part 3 :

Compression flexometer

からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

JIS Z 8401

  数値の丸め方

ISO 4666-2

  Rubber, vulcanized−Determination of temperature rise and resistance to fatigue in flexometer

testing

−Part 2 : Rotary flexometer

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 6200 によるほか,次による。

a)

引張疲労 (tension fatigue)    試験片に繰り返し一定振幅の引張変形を与えることによって,き裂が発

生・成長して破壊する現象。

b)

疲労寿命 (fatigue life)    試験片に繰り返し一定振幅の引張変形を与えて,試験片が破断するまでに要

した繰返し回数。

c)

残留ひずみ (set)   引張疲労によって,試験片の標線間距離が元の標線間距離に対して伸びた割合。

d)

最大ひずみ (maximum strain)   引張変形 1 サイクル中で,最大振幅時に試験片に掛かる実際のひずみ。

e)

試験ひずみ (test strain)   試験開始時に,試験片に与えられる最大ひずみ。

f)

最大応力 (maximum stress)   試験片に最大ひずみまでの変形を与えたときの応力。

g)

最大ひずみエネルギー密度 (maximum strain energy density)   試験片に最大ひずみまでの変形を与え

たときのエネルギーを試験片の体積で除した値。


3

K 6270 : 2001

4.

原理  この試験は,ダンベル状又はリング状試験片に,1 サイクル中に零点を通る引張変形を繰り返

し与える。試験片は,疲労によってき裂を発生し,き裂が成長して破断に至るがこのときの寿命(疲労寿

命)を求める。疲労寿命は,最大ひずみの関数として表され,必要に応じて,最大応力,最大ひずみエネ

ルギー密度の関数として表すこともできる。

5.

試験装置

5.1

試験装置の構成  試験装置は,試験片の一端を保持する固定側のつかみ具,試験片の他端を保持し

往復運動するつかみ具,つかみ具を一定の周波数で一定の振幅を往復させる駆動装置,つかみ具の往復運

動回数を表示するカウンタなどによって構成される。また,最大応力,最大ひずみエネルギー密度などの

測定のため,力測定装置,力−伸び測定装置などが必要となるが,力測定装置及び力−伸び測定装置は,

疲労試験装置自体に備えているか,又は,JIS K 6251 に規定する引張試験機などを用いてもよい。

5.2

つかみ具  ダンベル状試験片のつかみ具は,試験片の滑りがなく十分に保持できるものとする。リ

ング状試験片のつかみ具は,摩擦を最小にするために自由回転する二組の円筒ローラ(

図 参照)とし,

ステンレス鋼又はクロムめっきが施された鋼で作られ,試験片の接触面が滑らかで,試験中ローラの定ま

った場所に試験片を保持できるものとする。

図 1  リング状試験片のつかみ具の一例

5.3

駆動装置  駆動装置は,移動側のつかみ具を 1 回ごとにひずみが零と試験ひずみの間を 1∼5Hz の周

波数で往復運動できるもので,モータなどはオゾンを発生しないタイプのものでなければならない。

5.4

カウンタ  カウンタは,任意に設定した回数でつかみ具の往復運動を停止させる機能と,各試験片

が破断したときの往復運動回数を表示する機能をもつものとする。

5.5

力測定装置  力測定装置は,残留ひずみ,最大応力を求めるときに用い,試験片のひずみ零の状態

及び試験片に加わった力 (N) を測定できる装置でなければならない。

5.6

力−伸び測定装置  力−伸び測定装置は,力と標線間の伸びを同時に測定できるものでなければな

らない。自動記録式のものが望ましい。ダンベル状試験片の場合は,JIS K 6251 に規定する引張試験機を

用いてもよい。


4

K 6270 : 2001

6.

試験片

6.1

試験片の形状及び寸法  試験片は,ダンベル状試験片又はリング状試験片とする。試験片の形状及

び寸法が変わると,変形した試験片の断面内での応力分布が変化するため試験結果が異なるので,報告し

なければならない。比較試験は,同一形状及び寸法の試験片で行わなければならない。形状及び寸法は,

次による。

a)

ダンベル状試験片  ダンベル状試験片の形状及び寸法は,JIS K 6251 に規定するダンベル状 3 号形,5

号形及び 6 号形の 3 種類とする(

図 参照)。試験片の厚さは,1.5±0.2mm 又は 2.0±0.2mm とする(

1

)

1

個の試験片において平行部分の厚さは,平均厚さから 2%を超える部分があってはならない。また,

二組の試験片の結果を比較するときは,その組の平均厚さは,互いに 10%以内でなくてはならない。

(

1

)

疲労寿命は,試験片の厚さに依存しており,厚さ1.5mm の場合が,厚さの変化に対して最も影

響を受けにくいことが知られている。

なお,試験片の厚さによって試験結果が異なるため,使用した厚さを記録しなければならな

い。

図 2  ダンベル状試験片の寸法

b)

リング状試験片  リング状試験片の形状及び寸法は,表 による。標準試験片は,リング状 A 形試験

片とする。試験片の幅は,

表 の範囲内で,かつ,0.2mm を超える変化があってはならない。また,

各々の試験片の厚さは,平均厚さから 2%を超える部分があってはならない。

表 1  リング状試験片の寸法

単位 mm

形状

内径 外径

厚さ

リング状 A 形 44.6

52.6

4.0

±0.2 1.5±0.2

リング状 B 形 44.6

52.6

4.0

±0.2 2.0±0.2

リング状 C 形 44.6

48.6

2.0

±0.2 3.0±0.2

6.2

試験片の採取・作製  試験片の採取・作製は,JIS K 6250 の 8.5(試験片の採取・作製)及び 8.6(試

験片打抜き刃)による。疲労寿命は,きずに敏感であるため打抜き刃及び回転刃は,刃が鋭敏で欠けきず

がないものを使用する。打抜き刃の下敷きに用いる板は,試験片を保持する部分に切りきずや他の欠陥が

あってはならない。回転刃で作業する場合は,潤滑剤として水を使用してもよいが,試験前に完全に乾燥

させなければならない。ダンベル状試験片は,等方性で残留応力のない部分から採取する。疑わしい場合

には,応力−ひずみを確認し,違った方向又は違った場所の試験片を採取し,試験を行うことが望ましい。

6.3

試験片の数  各試験ひずみにおける疲労寿命の測定に必要な試験片の数は,試験目的や材料などに

よって異なる。既に特性の判明している材料について,日常の品質管理用の試験を行う場合でも 5 個以上

必要である。試験目的や材料によっては,代表的な結果を得るためにそれ以上の数が必要である。


5

K 6270 : 2001

6.4

試験片の厚さ及び幅の測定  試験片の厚さの測定は,JIS K 6250 の 9.2(板状試験片の厚さの測定)

による。ダンベル状試験片の場合は,標線部と中央部の 3 か所を測定し,その平均値を用いる。リング状

試験片の場合は,リング上の 6 か所を測定しその平均値を用いる。試験片の幅の測定は,打抜き刃の幅を

0.05mm

まで測定し,代用する。

6.5

試験片のひずみ測定用の標線

6.5.1

ダンベル状試験片の場合は,次の方法によって引張ひずみ測定用の標線を付ける。

a)

標線間距離  標線間距離は,表 による。標線間距離は,0.2mm まで読み取る。

表 2  標線間距離

単位 mm

試験片の形状

標線間距離

ダンベル状 3 号

20

ダンベル状 5 号

25

ダンベル状 6 号

20

b)

標線  標線は,試験片の平行部分に,その中央部を中心として正確に,かつ,鮮明に付けなければな

らない。また,試験片にきずを付けたり,試験片に有害な影響を与える物質を用いてはならない。

6.5.2

リング状試験片の場合は,内周長を標線間距離とする。内径の測定には,円すい形のゲージを使用

することが望ましい。内径は,0.2mm まで読み取る。

6.6

試験片の選別  異物の混入したもの,気泡のあるもの及びきずのある試験片は,使用してはならな

い。

7.

試験方法

7.1

試験条件  試験条件は,次による。

a)

試験室の標準状態  試験室の標準状態は,JIS K 6250 の 5.1(試験室の標準温度)及び 6.1(試験室の

標準湿度)による。

b)

試料及び試験片の保管  試料及び試験片の保管は,JIS K 6250 の 8.2(試料及び試験片の保管)による。

保管場所は,試験室の標準状態の温度で暗所とし,成分の異なる試料及び試験片を接触させてはなら

ない。

c)

試験片の状態調節  試験片の状態調節は,JIS K 6250 の 8.3(試験片の状態調節)による。

d)

試験環境  試験環境は,紫外線ランプのようなオゾンを発生する装置のない部屋でなければならない。

また,通常の室内空気に含まれる以上のオゾンを含む環境(

2

)

で行ってはならない。

(

2

)

オゾン濃度が,1pphm (parts per hundred million)  未満であることを定期的に点検することを推奨

する。この環境では,疲労寿命に重大な影響がないことが知られている。

e)

試験温度  試験温度は,通常,試験室の標準状態で行う。特殊な試験のときは,JIS K 6250 の 5.3(そ

の他の試験温度)の中から選ぶのが望ましい(

3

)

(

3

)

極端な温度で行う場合は,注意が必要である。例えば,高温の場合は試験中に残留ひずみが非

常に大きくなり,試験結果に著しい影響を受ける。

f)

試験ひずみ  試験ひずみは,通常,50∼125%の範囲で行う。特別な目的のために,他の試験ひずみで

行ってもよい。

試験ひずみの水準及び水準数は,試験目的によって異なる。疲労寿命の試験ひずみ,最大応力,最

大ひずみエネルギー密度などに対する依存性を求めることが強く推奨されているが,これらの目的の


6

K 6270 : 2001

ためには最低 4 水準以上必要である。一般的には,水準は 25%間隔がよい。試験は,最も高い試験ひ

ずみから始めるとよい。

g)

試験周波数  試験周波数は,通常,1∼5Hz の範囲で行う。比較試験を行う場合は,同一の周波数で行

う。特別な目的のために,他の周波数で行ってもよい。

7.2

試験片の準備・取付け

a)

ダンベル状試験片の準備・取付け  ダンベル状試験片の準備及びつかみ具への取付けは,次による。

1)

試験片の厚さを測定し,標線を付ける。試験を開始する前に試験片にひずみを与えてはならない。

2)

試験片を試験装置のつかみ具に引張ひずみを与えない状態で取り付ける。このとき締付けが強すぎ

ると,つかみ具の部分で早期破壊が起こるので注意する。

3)

試験装置を静かに動かし,1 分以内に試験片の標線間距離が試験ひずみになるように,つかみ具の

距離を調整する。標線間距離の精度は,試験ひずみの±2%以内とし,ノギス又は他の方法で測定す

る。調整中に試験片に試験ひずみを超えるひずみを与えてはならない。試験ひずみに対応する試験

片の標線間の設定距離は,次による。

0

100

100

l

e

×

÷

ø

ö

ç

è

æ +

ここに,

e

試験ひずみ

 (%)

l

0

試験前の試験片の標線間距離

 (mm)

試験ひずみ

100%

の場合,標線間の設定距離は試験前の標線間隔の

2

倍になる。

4)

つかみ具をひずみを与えない元の位置に戻す。

b)

リング状試験片の準備・取付け  リング状試験片の準備及びつかみ具への取付けは,次による。

1)

試験片の厚さ,円周方向の幅及び内径を測定する。試験を開始する前に試験片にひずみを与えては

ならない。標線間距離(内周長)l

0

は,次による。

l

0

π

×d

i

ここに,

d

i

内径

 (mm)

π

円周率

2)

2

個のローラの円の周りを通る全周長が,試験ひずみの周長になるように試験装置のローラ間隔を

調整する(

4

)

。試験ひずみの周長の設定精度は,±

2%

以内とする。試験ひずみに対応する周長は,次

による。

0

100

100

l

e

×

÷

ø

ö

ç

è

æ +

ここに,

e

試験ひずみ

 (%)

l

0

試験前の試験片の内周長

 (mm)

(

4

)

ローラ間隔は,ローラの寸法及び試験片の内周長によって定まる。

3)

ローラ間隔をひずみを与えない位置にして,試験片をローラに取り付ける。

7.3

疲労寿命の測定  各試験ひずみにおける疲労寿命の測定は,試験片を 7.2 によってつかみ具に取り付

けて試験装置を動かし,各試験片が破断するまでの繰返し回数を測定する(

5

)

なお,試験は,特に必要のない限り,繰返し回数が

2

×

10

6

回で破断しなければ試験を終了してもよい。

(

5

)

疲労寿命のばらつきを測定する必要がなければ,試験片の過半数が破断すれば,すべての試験

片が破断する前に試験を終了してもよい。


7

K 6270 : 2001

7.4

残留ひずみの測定  残留ひずみの測定は,各試験ひずみにおいて

2

個の試験片を 7.2 によってつかみ

具に取り付けて試験装置を動かし,繰返し回数

1

×

10

3

回後停止させる。

1

個の試験片に応力が掛からない

ような位置に停止し,

1

分後に試験片の標線間距離を測定する。ダンベル状試験片の場合は,試験片を試

験装置に取り付けたまま静かに動かし,試験片に応力が掛からない位置で標線間距離を測定する。リング

状試験片の場合は,試験片を試験装置から外し内周長を測定するか,自動の力−伸び測定装置を用いて,

力が零のときの円筒ローラ間隔から内周長を算出してもよい。さらに,

100

回繰り返した後,もう

1

個の

試験片についても同様に測定する。必要に応じ,試験装置に試験片を再び取り付けて,全体で繰返し回数

1

×

10

4

回後及び

10

のべき乗回ごとに(例えば,

1

×

10

5

回後,

1

×

10

6

回後など)この測定を繰り返す。

7.5

最大ひずみの測定  一定振幅で試験片に引張変形を加えると,試験片に残留ひずみが生じるため,

試験片に実際に掛かる引張ひずみは徐々に低下する。繰返し疲労中の最大ひずみは,その時点での

1

サイ

クル中の引張ひずみ零での標線間距離(又は試験片内周長)と最大変形時の標線間距離(又は試験片内周

長)とから,計算によって求めることができる。各試験ひずみにおける最大ひずみの測定は,

2

個の試験

片を 7.2 によってつかみ具に取り付けて行う。引張ひずみ零における標線間距離の測定は,残留ひずみの

測定と同じ手順で行う。最大変形時の標線間距離は,ダンベル状試験片の場合,残留ひずみの測定手順と

同じ手順で試験装置を動かし,停止時に

2

個のつかみ具を最大間隔の位置にして

1

分後に標線間距離を測

定する。リング状試験片の場合は,円筒ローラの周りを通る線長になるので,試験ひずみから算出される。

2

個の試験片が交互に引張変形を繰り返す試験装置の場合は,残留ひずみの測定と同時に測定してもよ

い。

7.6

最大応力及び最大ひずみエネルギー密度の測定  各試験ひずみにおける最大応力及び最大ひずみエ

ネルギー密度の測定は,7.2 によって寸法と標線間距離を測定した疲労試験前の試験片を,試験ひずみの範

囲で力−伸び測定装置を用いて力−伸び関係を一定速度で測定する。

参考

引張速度は,

20mm/min

が好ましい。

なお,これらの測定を手動で行う場合は,力測定装置を用いて標線間距離を

10

20%

ずつ伸

張するのが好ましい。

試験片に

1

分間隔におもりをかけ,その後

30

秒経過後に,ダンベル状試験片の場合は力と標

線間距離を測定し,リング状試験片の場合は力と円筒ローラ間の距離を測定する。次にその試

験片を 7.2 によってつかみ具に取り付けて,試験ひずみで疲労寿命の中央値と同じ

10

のべき乗

回数まで疲労試験を行う。

中央値が

6

×

10

4

の場合は

1

×

10

4

回の疲労試験を行う。

疲労試験後,再度同様に力−伸びの関係を測定する。

8.

計算

8.1

疲労寿命  疲労寿命(回)は,各試験ひずみごとに測定結果の中央値で表す。ただし,ダンベル状

試験片が中央の平行部以外で破断したときは,測定結果から除く。

疲労寿命(対数目盛)対試験ひずみ(等分目盛)の関係を,グラフ表示するのが望ましい。

必要に応じ疲労寿命の最大と最小の比を,次によって算出する。

min

f

max

f

N

N

ここに,

N

f max

最大疲労寿命(回)

N

f min

最小疲労寿命(回)


8

K 6270 : 2001

8.2

残留ひずみの計算  残留ひずみ

 (%)

は,次によって算出する。

100

0

0

×

÷÷ø

ö

ççè

æ −

l

l

l

n

ここに,  ダンベル状試験片の場合 

l

0

試験前の標線間距離 (mm)

l

n

n

回繰返し引張り後の,ひずみを与えない状態での標線間

距離 (mm)

リング状試験片の場合

l

0

試験前の内周長 (mm)

l

n

n

回繰返し引張り後の,ひずみを与えない状態での内周長

(mm)

結果は,2 個の平均値で表す。

8.3

最大ひずみの計算  最大ひずみ (%) は,次の式によって算出する。

100

×

÷÷ø

ö

ççè

æ

=

n

n

n

n

l

l

L

e

ここに,  ダンベル状試験片の場合 

e

n

最大ひずみ (%)

l

n

n

回繰返し引張り後の,ひずみを与えない状態での標線間

距離 (mm)

L

n

n

回繰返し引張り後の,試験片を最大に伸張した位置での

標線間距離 (mm)

リング状試験片の場合

l

n

n

回繰返し引張り後の,ひずみを与えない状態での内周長

(mm)

L

n

試験片を最大に伸張した位置での内周長 (mm)

結果は,2 個の平均値で表す。

必要に応じ,ひずみは伸張比

λで表せる。これは,ひずみを与えない状態での標線間距離又は内周長と,

伸張したときの標線間距離又は内周長との比である。ここで,75%伸張時のひずみは,

λが 1.75 となる。

8.4

最大応力の計算  疲労試験前  (

σ

)

と疲労試験後の最大応力  (

σ

n

)

は,次の式によって算出する。

S

F

=

σ

ここに,

σ

:  試験前の最大応力 (MPa)

F

:  試験前のひずみ−力測定で求めた最大の力 (N)

S

:  試験前の試験片断面積 (mm

2

)

 

リング状試験片の場合は,

S

を 2 倍にする。

S

F

n

n

=

σ

ここに,

σ

n

n

回繰返し引張り後の最大応力 (MPa)

F

n

n

回繰返し引張り後の力−伸長測定で求めた最大の力 (N)

S

試験前の試験片断面積 (mm

2

)

リング状試験片の場合は,

S

を 2 倍にする。

各試験ひずみについて最大応力を求め,疲労寿命(対数目盛)対最大応力(対数目盛)の関係をグラフ

表示するのが望ましい。この場合,グラフは直線関係が得られる。


9

K 6270 : 2001

8.5

最大ひずみエネルギー密度の計算  疲労試験前と疲労試験後の最大ひずみエネルギー密度 (J/m

3

)

は,最大ひずみエネルギーを試験片の体積で除して算出される。最大ひずみエネルギーは,力−伸び曲線

から最大力,最大伸びまでのひずみエネルギーを数値積分法によって求める。これは,力−伸び曲線で最

大力と最大伸びまでに囲まれる面積に等しい。試験片の体積は,リング状試験片の場合は試験片全体の体

積,ダンベル状試験片の場合は標線間の体積とする。

各試験ひずみにおいて最大ひずみエネルギー密度を求め,疲労寿命(対数目盛)対最大ひずみエネルギ

ー密度(対数目盛)の関係をグラフ表示するのが好ましい。この場合,グラフは直線関係が得られる。

9.

試験結果のまとめ方  試験結果は,計算によって求められた値を JIS Z 8401 に従って丸めて表す。

10.

記録  試験結果には,次の事項を記録しなければならない。

a)

適用規格番号

b)

試験片の採取・作製方法

c)

試験の詳細

1)

使用した試験片の種類と試験片の厚さ

2)

試験周波数

3)

試験温度

4)

試験環境[7.1 d)と異なる場合]

5)

残留ひずみ及び最大ひずみの測定方法

6)

必要に応じ,最大応力及び最大ひずみエネルギー密度の測定方法

d)

試験結果

1)

試験片の数

2)

各試験ひずみにおける個々の疲労寿命,疲労寿命の中央値,及び必要に応じ疲労寿命の最大と最小

の比

3)

各試験ひずみにおける繰返し引張回数と残留ひずみ

4)

各試験ひずみにおける繰返し引張回数と最大ひずみ

5)

必要に応じ,疲労寿命の中央値対試験ひずみのグラフ

6)

必要に応じ,疲労寿命の中央値対試験前及び/又は試験終了後の最大応力のグラフ

7)

必要に応じ,疲労寿命の中央値対試験前及び/又は試験終了後の最大ひずみエネルギー密度のグラ

e)

試験年月日

f)

その他必要事項


 

10

K 6270

: 20

01

附属書(参考)  JIS と対応する国際規格との対比表

JIS K 6270 : 2001

  加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張疲労特性の求め方−定ひ

                  ずみ方法

国際規格  ISO 6943 : 1984  加硫ゴム−引張疲労の求め方

(I)  JIS

の規定 (II)

国 際 規
格番号

(III)

国際規格の規定 (IV) JIS と国際規格との技術的差異の項目ごとの評価

及びその内容

  表示箇所:本体

  表示方法:点線の下線又は実線の側線

(V)  JIS

と国際規格との技術的差異

の理由及び今後の対策

項目番号

内容

項目

番号

内容

項目ごとの

評価

技術的差異の内容

1. 

適用範囲  1 サイクルごとにひずみを零

にする繰返し引張変形を与

える疲労に適用

ISO 6943 1  JIS

に同じ IDT

2. 

引用規格

2

JIS K 6200

記述なし MOD/追加

JIS

は,ゴム用語の規格を追加。

JIS K 6250

2

ISO 471 IDT

2

ISO 4648 IDT

2

ISO 4661-1 IDT

JIS K 6251

2

ISO 37 IDT

JIS K 6260

2

ISO 132 IDT

JIS K 6265

2

ISO 4666-1 IDT

2

ISO 4666-3 IDT

JIS Z 8401

記述なし MOD/追加

JIS

は,数値の丸め方の規格を追加。

数値の 丸め 方を規 定に 追加 したた

め。

2

ISO 4666-2 IDT


 

11

K 6270

: 20

01

(I)  JIS

の規定 (II)

国 際 規

格番号

(III)

国際規格の規定 (IV) JIS と国際規格との技術的差異の項目ごとの評価

及びその内容

  表示箇所:本体 
  表示方法:点線の下線又は実線の側線

(V)  JIS

と国際規格との技術的差異

の理由及び今後の対策

項目番号

内容

項目
番号

内容

項目ごとの

評価

技術的差異の内容

3. 

定義

3

引張疲労

3.2

JIS

に同じ IDT

疲労寿命

3.1

JIS

に同じ IDT

残留ひずみ

記述なし MOD/追加

JIS

は,分かりやすくするため定義を追加。

最大ひずみ

記述なし MOD/追加

JIS

は,分かりやすくするため定義を追加。

試験ひずみ

記述なし MOD/追加

JIS

は,分かりやすくするため定義を追加。

最大応力

記述なし MOD/追加

JIS

は,分かりやすくするため定義を追加。

最大ひずみエネルギー密度

記述なし MOD/追加

JIS

は,分かりやすくするため定義を追加。

4. 

原理

4

JIS

に同じ IDT

5. 

試験装置

5

試験装置の構成

記述なし MOD/追加

JIS

は,分かりやすくするため追加。

つかみ具

5.1

MOD/

追加

JIS

は,分かりやすくするため図を追加。

駆動装置

5.1

JIS

に同じ IDT

カウンタ

5.1

JIS

に同じ IDT

力測定装置

5.1

JIS

に同じ IDT

力−伸び測定装置   5.1

JIS

に同じ IDT

6. 

試験片

6

ダンベル状試験片   6.1.1

MOD/

追加

JIS

は,ダンベル状 3 号形を追加。

JIS K 6251

の引張試験で優位性が確

認されており,ISO に提案中。

リング状試験片

6.1.2 JIS

に同じ IDT

試験片の採取・作製

5.2

JIS

に同じ IDT

試験片の数

6.2

JIS

に同じ IDT

試験片の厚さ及び幅の測定

 8.2

JIS

に同じ IDT

試験片のひずみ測定用の標

 5.3

MOD/

削除

JIS

は,標線マーカ形状及び標線の線幅

を削除。

技術的に軽微な差であるが,ISO 
今後提案。

8.1

試験片の選別

6.1

JIS

に同じ IDT


 

12

K 6270

: 20

01

(I)  JIS

の規定 (II)

国 際 規

格番号

(III)

国際規格の規定 (IV) JIS と国際規格との技術的差異の項目ごとの評価

及びその内容

  表示箇所:本体 
  表示方法:点線の下線又は実線の側線

(V)  JIS

と国際規格との技術的差異

の理由及び今後の対策

項目番号

内容

項目
番号

内容

項目ごとの

評価

技術的差異の内容

7. 

試験方法 7.1  試験条件

7

試験室の標準状態   7.3

JIS

に同じ IDT

試料及び試験片の保管

6.3

JIS

に同じ IDT

試験片の状態調節   6.3

JIS

に同じ IDT

試験環境

7.4

JIS

に同じ IDT

試験温度

7.3

JIS

に同じ IDT

試験ひずみ

7.1

JIS

に同じ IDT

試験周波数

7.2

JIS

に同じ IDT

 7.2 

試験片の準備・取付け

8.3  JIS

に同じ IDT

ダンベル状試験片の準備・取
付け

 8.3.1 JIS

に同じ IDT

リング状試験片の準備・取付

 8.3.2 JIS

に同じ IDT

 7.3 

疲労寿命の測定

8.4

JIS

に同じ IDT

 7.4 

残留ひずみの測定

8.5

JIS

に同じ IDT

 7.5 

最大ひずみの測定

8.5

MOD/

追加

JIS

は,試験片を交互に引張変形する装

置の場合,残留ひずみと同時測定可能を
追加。

試験期間短縮のため。今後 ISO に提

案。

 7.6

最 大 応 力 及 び 最 大 ひ ず

み エ ネ ル ギ ー 密 度 の 測

 8.6

JIS

に同じ IDT


 

13

K 6270

: 20

01

(I)  JIS

の規定 (II)

国 際 規

格番号

(III)

国際規格の規定 (IV) JIS と国際規格との技術的差異の項目ごとの評価

及びその内容

  表示箇所:本体 
  表示方法:点線の下線又は実線の側線

(V)  JIS

と国際規格との技術的差異

の理由及び今後の対策

項目番号

内容

項目
番号

内容

項目ごとの

評価

技術的差異の内容

8. 

計算

疲労寿命

9

疲労寿命の最大と最小の比

 9.1

JIS

に同じ IDT

残留ひずみの計算   9.1

JIS

に同じ IDT

最大ひずみの計算   9.2

JIS

に同じ IDT

最大応力の計算

9.3

JIS

に同じ IDT

最大ひずみエネルギー密度
の計算

 9.4

9.5

JIS

に同じ

MOD/

変更

IDT

JIS

は,疲労後の応力値を疲労後の断面積

でなく,試験前の断面積で除して計算。

残留ひずみが 10%以内の試験片が対
象なので,寸法変化が微小であり断
面積がほとんど変わらないため。今

後 ISO に提案。

9. 

試 験 結 果
の ま と め

数値の丸め方

記述なし MOD/追加

JIS

は,数値の丸め方を追加。

数値の丸め方を統一するため。軽微
な差である。

10. 

記録

 10

MOD/

追加

JIS

は,最大ひずみ測定において,残留ひ

ずみと同時測定したとき報告を追加。

軽微な差である。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 6943 ; MOD

備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    −  IDT…………… 技術的差異がない。 
    −  MOD/削除…… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
    −  MOD/追加…… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

    −  MOD/変更…… 国際規格の規定内容を変更している。

2.  JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    −  MOD…………  国際規格を修正している。 

 
 
 
 
 
 
 


14

K 6270 : 2001

JIS K 6270

  原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

濱  田      裕

浜田技術士事務所

(委員)

西  出  徹  雄

通商産業省基礎産業局

橋  本      進

財団法人日本規格協会

當  間  満  義

日本ゴム工業会

三  橋  健  八

日本ゴム工業会 ISO/TC45 国内審議委員会(横浜ゴム株式会社)

鈴  木      守

社団法人日本ゴム協会

平  田  博  之

ゴムベルト工業会

服  部  和  洋

日本ゴムホース工業会(東海ゴム工業株式会社)

塚  原      登

日本試験機工業会(株式会社東洋精機製作所)

和  田  法  明

バンドー化学株式会社

隠  塚  裕  之

財団法人化学物質評価研究機構

菊  地  尚  彦

住友ゴム工業株式会社

鈴  木  勝  雄 NOK 株式会社

高  嶋  正  昭 JSR 株式会社

安  藤      巽

元・鬼怒川ゴム工業株式会社

北  畠  知  幸

鬼怒川ゴム工業株式会社

湖  中  泰  徳

株式会社島津製作所

篠  田      茂

横浜ゴム株式会社

仙  田  弘  二

東海ゴム工業株式会社

鍋  島  正  和

株式会社明治ゴム化成

林      浩  文

東洋ゴム工業株式会社

山  田      晃

株式会社上島製作所

(オブザーバ)

八  田      勲

工業技術院標準部

(事務局)

長  田      浩

日本ゴム工業会 ISO/TC45 国内審議委員会