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K 6268 : 1998 (ISO 2781 : 1988) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。 

今回の制定は,国際規格に整合させるため,ISO 2781 : 1988, Rubber, vulcanized−Determination of density

を基礎として用いた。

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 6268 : 1998 

(ISO 2781 : 1988) 

加硫ゴム−密度測定 

Rubber, vulcanized−Determinaion of density 

序文 この規格は,1988年に第3版として発行されたISO 2781, Rubber, vulcanized−Determination of density

を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。 

1. 適用範囲 

1.1 

この規格は,加硫ゴムの密度を測定するための2種類の試験方法について規定する。このような測

定は,配合ゴムの品質管理及び所定の体積の加硫ゴムを製造するために必要なゴムの質量計算にとって重

要である。 

1.2 

この規格は,ある温度におけるある体積のゴムの質量と同体積の純粋な水の質量の比として表され

るゴムの相対密度の測定には適用しない。 

1.3 

この規格では,様々な条件下で重力を測定して密度を求めるが,便宜を図るために重力を質量単位

で表す。 

備考 この規格の国際規格を,次に示す。 

ISO 2781 : 1988 Rubber, vulcanized−Determination of density 

2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。 

密度 規定した温度における単位体積当たりのゴムの質量。1立方メートル当たりのメガグラムで表す 

(Mg/m3)。 

3. 種類 加硫ゴムの密度測定には,2種類の方法,A法及びB法がある。 

4. 試験の一般条件 

4.1 

試験器具 通常の実験器具に加えて,次の器具を用いる。 

4.1.1 

化学天びん 精度が1mgのものを使用する。 

4.1.2 

天びん用振り分け皿 ビーカーを支持し,水中で試験片の質量を測定するために便利な大きさのも

のを用いる(A法に用いる。)。 

4.1.3 

ビーカー 容量250cm3(天びんの構造上必要ならば更に小型のもの)(A法に用いる。) 

4.1.4 

比重瓶 B法に用いる。 

4.2 

試験片 

4.2.1 

寸法 試験片は,表面が滑らかで,すき間やごみの付着がなく,質量が少なくとも2.5gの1個の

ゴム片とする。B法については,試験片は適宜の小片に切断できる形状のものとする。 

4.2.2 

試験回数 試験は,最低2回行うものとする。

K 6268 : 1998 (ISO 2781 : 1988) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.3 

加硫から試験までの間隔 技術的な理由から特に規定されていない場合には,時間間隔については,

次の要求事項を守らなければならない。 

4.3.1 

試験までの時間 全試験について,加硫から試験までの時間は最低16時間とする。 

4.3.2 

非製品の試験 非製品の試験は,加硫から試験までの時間は最高4週間とし,比較を目的とした評

価については,できる限り同じ時間間隔後に試験を行うものとする。 

4.3.3 

製品の試験 製品の試験については,加硫から試験までの時間は,可能な限り3か月間を超えない

ものとする。他の場合には,ユーザーが製品を受け取る日から2か月以内に試験を行うものとする。 

4.4 

試料又は試験片の調製及び保存 

4.4.1 

試料の保存 試料及び試験片は,加硫から試験までの間,直射日光から保護しなければならない。 

4.4.2 試料の調製 試験片に繊維が付着又は埋め込まれている場合には,試験片を切り出す前に除去する。

除去方法には,望ましくは膨潤させるような溶液の使用を避けることが望ましいが,必要ならば,毒性の

ない低沸点の適切な溶液を用いて接触面を濡らしてもよい。 

繊維を分離する際に,ゴムを引っ張らないように注意する。溶剤を用いた場合には,分離後ゴム表面か

ら溶剤を完全に蒸発させなければならない。 

表面に布の模様が付いているときには,バフ磨きによって表面を滑らかにしなければならない。 

4.4.3 

調製後の保存 必要な調製を行った後の試料は,標準温度(すなわち,23℃±2℃,又は27℃±2℃)

に少なくとも3時間置いてから試験片を切り出すものとする。 

試験片は,直ちに試験に供してもよいが,直ちに試験を行わない場合には,供試されるまで標準温度に

保たなければならない。 

試験片の調製にバフ磨きを行う場合には,バフ磨きから試験までの時間が72時間を超えないものとする。 

4.5 

試験温度 通常,試験は標準温度(すなわち,23℃±2℃,又は27℃±2℃)で行い,1回の試験又

は結果を比較しようとする一連の試験の間,同じ温度を用いるものとする。 

5. 手順 

5.1 

A法 適宜の長さの糸を用いて,試験片の底辺が振り分け皿から約25mm上になるように,天びん

上のフックから試験片をつり下げる。 

糸は,水に不溶で,結果に影響を及ぼす量の水を吸収しない材料でできたものを用いる。 

糸はつり合わせるか,又は質量を量る。質量を量る際は,試験片の質量から糸の質量を差し引かなけれ

ばならない。(備考1.参照)。 

大気中で試験片の質量をmgまで量る。 

振り分け皿の上に置いたビーカーに煮沸後冷却した蒸留水を満たし,再度,その中に浸せきした試験片

(必要ならば,おもりを用いる。備考2.参照)の質量を標準温度(23℃±2℃,又は27℃±2℃)で量る。 

このとき,試験片表面に付着した気泡を取り除き(備考4.参照),天びんの指針の動きを数秒間観察し,

対流によって指針が徐々に触れないことを確認して質量をmg単位まで求める。 

備考1. 細いナイロン製の糸を用いる場合,質量が0.010g未満であれば,最終結果の公認精度を保証

するために糸の質量を補正する必要はない。しかし,試験片が規定する大きさ以下のときは

(例えば,小さなOリングの密度を測定する場合),糸の質量を補正しないと結果に誤りを

生じる可能性があるため,最終計算において糸の質量を考慮する必要がある。糸以外のつり

下げ方法を用いる場合には,つり下げジグの体積及び質量を最終計算において考慮しなけれ

ばならない。 

K 6268 : 1998 (ISO 2781 : 1988) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2. 密度が1Mg/m3未満のゴムに,この方法を用いるときには,おもりが必要である。 

さらに,水中におけるおもりだけの質量を量る必要がある。 

別の方法として,水の代わりに水と密度の異なる液体を用いてもよい。 

その場合には,6.に示す計算式にMg/m3で表した液体の密度を乗じて補正する。 

3. 誤差の主な原因には,次のものがある。 

a) 水中でのひょう量の間に試験片に付着する気泡 

b) 糸にかかる表面張力の影響 

c) つり下げた試験片への水の対流の影響。対流を抑制するために,水温と天びんの外箱内の空

気の温度を同じにしなければならない。 

4. 試験片に付着する気泡を最小にするために,ごく微量(例えば,0.01%)の界面活性剤を蒸

留水に添加したり,メチルアルコール及び工業用メチルアルコールのように水と混合でき,

ゴムに対する膨潤又は浸せき作用が無視できる適宜の液体に試験片を瞬間的に浸せきしても

差し支えない。 

後者を採用する場合には,アルコールによる影響を最小にする対策を講じなければならな

い。 

5.2 

B法 洗浄して乾燥した比重瓶及び栓の質量を量り,適切な大きさに切断した試験片(4.2参照)を

入れて,再び質量を量る。 

試験片の正確な大きさ及び形状は,元の試験片の厚さに依存する。切断した試験片は,二辺の寸法が4mm

以下で,残りの一辺が6mm以下とする。この範囲内で試験片は,できるだけ大きくしなければならない。 

切断部はすべて滑らかにする。ゴムを入れた比重瓶に標準温度(23℃±2℃,又は27℃±2℃)の蒸留水

を完全に満たす。 

ゴム,又は比重瓶の壁面に付着した気泡を除去する(5.1備考4.を参照)。 

瓶,又は毛細管に気泡がないように注意しながら,栓をする。 

瓶の外側を注意深く乾燥させる。 

再度,瓶と内容物の質量を量る。瓶を完全に空にして新たに蒸留水を満たす。 

気泡を取り除き,栓をして乾燥した後,瓶及び水の質量を量る。 

上記の質量はすべて1mg単位まで量る。 

備考 誤差の主要因は瓶内壁の気泡である。瓶と内容物を約50℃まで加熱して気泡を追い出す必要が

あるかもしれないが,その場合には,瓶及び内容物を冷却した後に,質量を量る。 

別の方法として,比重瓶を減圧デシケーターの中に入れ,空気が出なくなるまで減圧,開放

を数回行ってもよい。 

6. 結果の表示 

6.1 

A法 密度ρは,次の式によって算出し,Mg/m3で表す。 

2

1

1

m

m

m

ρ

ここに, m1: 試験片の質量 
 

m2: 標準温度[(23±2) ℃又は (27±2) ℃]で,水中ひょう量で求

められる,試験片と同じ容積の水の質量を差し引いた(軽くな
った)試験片の質量 

K 6268 : 1998 (ISO 2781 : 1988) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

この方法は,小数点以下第2位まで正確である。 

標準的な実験室温度における水の密度は,1.00Mg/m3としてよい。 

備考1. おもりを用いたときには,計算式を次のように修正しなければならない。 

3

2

1

1

m

m

m

m

ρ

ここに, m1: 試験片の質量 
 

m2: おもりの水中ひょう量で求められる,おもりと同じ容積の水の

質量を差し引いた(軽くなった)おもりの質量 

m3: 水中ひょう量で求められる,おもりと試験片の容積の和と同じ

容積の水の質量を差し引いた(軽くなった)おもりと試験片の
質量 

2. 正確な作業のためには,試験温度における水の密度を考慮する係数を用いるものとする。 

6.2 

B法 密度ρは,次の式によって算出し,Mg/m3で表す。 

1

2

3

4

1

2

m

m

m

m

m

m

ρ

ここに, m1: 比重瓶の質量 
 

m2: 比重瓶と試験片の質量 

m3: 比重瓶,試験片及び水の質量 

m4: 水を満たした比重瓶の質量 

備考 正確な作業のためには,試験温度における水の密度を考慮する係数を用いるものとする。 

7. 試験報告書 試験報告書には,次の事項を記載する。 

a) この規格を引用した旨の記述 

b) 平均密度 

c) 試験温度 

d) この規格に含まれない操作,及び任意の操作をしたときの記述 

K 6268 : 1998 (ISO 2781 : 1988) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ゴム製品分析方法原案作成委員会・分科会 構成表 

氏名 

所属 

委員会 

分科会 

(委員長) 

本 間 輝 武 

神奈川工科大学応用化学科 

◎ 

西 本 右 子 

神奈川大学理学部 

○ 

◎ 

増 田   優 

通商産業省基礎産業局化学製品課 

○ 

大 嶋 清 治 

通商産業省工業技術院標準部材料規格課 

○ 

中 室 輝 夫 

通商産業省工業技術院標準部材料規格課 

○ 

橋 本 繁 晴 

財団法人日本規格協会 

○ 

○ 

鈴 木   守 

社団法人日本ゴム協会 

○ 

神 代   啓 

社団法人日本化学工業協会 

○ 

秋 山 節 夫 

株式会社ブリヂストン研究部 

○ 

○ 

永 武 寿 宏 

横浜ゴム株式会社 

○ 

○ 

浅 田 美佐子 

株式会社ゼオン分析センター 

○ 

○ 

伊 藤 政 幸 

日本原子力研究所 

○ 

○ 

小 野 茂 之 

NOK株式会社筑波技術研究所 

○ 

○ 

鹿 庭 正 昭 

国立衛生試験所療品部 

○ 

○ 

塩 沢   功 

鬼怒川ゴム工業株式会社 

○ 

○ 

岩 田 知 晴 

株式会社明治ゴム化成 

○ 

○ 

福 岡   清 

ニチアス株式会社鶴見研究所 

○ 

○ 

橋 本 和 信 

東海ゴム工業株式会社 

○ 

○ 

中 村 修 蔵 

株式会社興国ゴム技術研究所 

○ 

○ 

栗 田 光 造 

古河電気工業株式会社平塚研究所 

○ 

○ 

中 村 博 雄 

日本合成ゴム株式会社四日市工場 

○ 

○ 

鈴 木 裕 次 

財団法人化学品検査協会 

○ 

○ 

(事務局) 

三 須   武 

社団法人日本化学工業協会 

○ 

○ 

濱 島 俊 行 

社団法人日本化学工業協会 

○ 

○ 

伊 藤 茂 樹 

財団法人化学品検査協会 

○ 

○ 

備考 ◎印は,委員長又は分科会主査を示す。 

文責 小野 茂之 NOK株式会社筑波技術研究所