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K 6253-1:2012  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 硬さ測定の原理 ················································································································ 3 

5 試験の種類 ······················································································································ 3 

6 硬さと弾性率との関係 ······································································································· 5 

7 硬さ試験の用途 ················································································································ 5 

8 試験法の選択 ··················································································································· 5 

9 試験片···························································································································· 6 

10 硬さ試験機確認用ゴム試験片 ···························································································· 6 

11 硬さ試験法の比較 ··········································································································· 6 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 8 

K 6253-1:2012  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本ゴム工業会(JRMA)及び財団法人日本

規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準

調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

これによって,JIS K 6253:2006は廃止され,その一部を分割して制定したこの規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS K 6253の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS K 6253-1 第1部:通則 

JIS K 6253-2 第2部:国際ゴム硬さ(10 IRHD〜100 IRHD) 

JIS K 6253-3 第3部:デュロメータ硬さ 

JIS K 6253-4 第4部:IRHDポケット硬さ 

JIS K 6253-5 第5部:硬さ試験機の校正及び検証 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 6253-1:2012 

加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方− 

第1部:通則 

Rubber, vulcanized or thermoplastic-Determination of hardness- 

Part 1: General guidance 

序文 

この規格は,2005年に第1版として発行されたISO 18517を基に,技術的内容を変更して作成した日本

工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さの求め方の通則について規定する。 

なお,この規格は,加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さの求め方の種類及びその選択方法について示して

いる。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 18517:2005,Rubber, vulcanized or thermoplastic−Hardness testing−Introduction and guide

(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

警告 この規格の利用者は,通常の実験室での作業に精通している者とする。この規格は,その使用

に関して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。この規格の利用者は,

各自の責任において安全及び健康に対する適切な措置をとらなければならない。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 6200 ゴム−用語 

JIS K 6253-2 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方−第2部:国際ゴム硬さ(10 IRHD〜100 

IRHD) 

注記 対応国際規格:ISO 48,Rubber, vulcanized or thermoplastic−Determination of hardness (hardness 

between 10 IRHD and 100 IRHD)(MOD) 

JIS K 6253-3 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方−第3部:デュロメータ硬さ 

注記 対応国際規格:ISO 7619-1,Rubber, vulcanized or thermoplastic−Determination of indentation 

K 6253-1:2012  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

hardness−Part 1: Durometer method (Shore hardness)(MOD) 

JIS K 6253-4 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方−第4部:IRHDポケット硬さ 

注記 対応国際規格:ISO 7619-2,Rubber, vulcanized or thermoplastic−Determination of indentation 

hardness−Part 2: IRHD pocket meter method(MOD) 

JIS K 6253-5 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方−第5部:硬さ試験機の校正及び検証 

注記 対応国際規格:ISO 18898,Rubber−Calibration and verification of hardness testers(MOD) 

ISO 7267-1,Rubber-covered rollers−Determination of apparent hardness−Part 1: IRHD method 

ISO 7267-2,Rubber-covered rollers−Determination of apparent hardness−Part 2: Shore-type durometer 

method 

ISO 7267-3,Rubber-covered rollers−Determination of apparent hardness−Part 3: Pusey and Jones method 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 6200によるほか,次による。 

3.1 

国際ゴム硬さ,IRHD(international rubber hardness degrees) 

下端が球面のプランジャを,試験片表面に垂直に規定の押込み力で押し付けたときのプランジャの押込

み深さを,換算表(JIS K 6253-2参照)を用いて換算して得られる硬さ。 

注記 ヤング率0の材料の硬さを“0”とし,ヤング率無限大の材料の硬さを“100”としたときの硬

さの尺度である。ほとんどの硬さの範囲で,次の条件を満たす。 

1) 国際ゴム硬さで1 IRHDの差のある二つの試験片のヤング率を比較すると,その比率は,

ほとんどの硬さ範囲で,ほぼ同じとなる。 

2) 高弾性のゴム(国際ゴム硬さ測定時に,押込み力負荷後,指示値がほとんど低下しないゴ

ム)に対しては,国際ゴム硬さの測定値とタイプAデュロメータの測定値とは,共通の測

定値として,相互に比較できる。 

3.2 

デュロメータ硬さ(durometer hardness) 

デュロメータ硬さ試験機を用いて,規定の形状の押針を,規定のスプリングの力で試験片表面に押し付

け,そのときの押針の押込み深さから得られる硬さ。 

注記 押針は,試験片表面に押し付けていないときには,試験機下面から規定の寸法で突き出ている。

この突出し寸法が最大のときの硬さを“0”,突出し寸法が0のときの硬さを“100”とし,その

間を100等分した指示機構を用いる。 

3.3 

IRHDポケット硬さ(IRHD pocket hardness) 

IRHD ポケット硬さ試験機を用いて,規定の形状の押針を,規定のスプリングの力で試験片表面に押し

付け,そのときの押針の押込み深さから得られる硬さ。 

注記 押針は,試験片表面に押し付けていないときには,試験機下面から規定の寸法で突き出ている。

この突出し寸法が最大のときの硬さを“30 IRHD”,突出し寸法が0のときの硬さを“100 IRHD”

とし,その間の国際ゴム硬さ(IRHD)を,簡便に読み取ることができる指示機構を用いる。 

3.4 

標準硬さ(standard hardness) 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS K 6253-2で規定する国際ゴム硬さ(IRHD)を求める方法において,規定を満足する形状及び寸法の

試験片を用いて測定したときの硬さ。 

3.5 

見掛け硬さ(apparent hardness) 

JIS K 6253-2で規定する国際ゴム硬さ(IRHD)を求める方法において,規定を満足しない形状及び寸法

の試験片を用いて測定したときの硬さ。 

硬さ測定の原理 

ゴム用語で用いる“硬さ”とは,図1に示す押針を用いて行う押込み試験で得られる,剛性の一つの尺

度である。押針をゴムの表面に押し付ける力(押込み力)を得る方法としては,定荷重式(分銅による静

荷重を用いる方法)と,スプリング式(スプリングを用いて押し付ける力を与える方法)とがある。定荷

重式では,測定される押込み深さは,微小な一次押込み力による押込み深さと,その後の二次押込み力に

よる押込み深さとの差である。ほとんどの場合,押針の周囲には,規定の力で試験片を押さえる加圧板が

組み込まれているが,試験片の形状によっては加圧板を用いないこともある。 

注記 “押針”という用語には,JIS K 6253-2におけるプランジャの先端球も含まれる。 

押込み力 

押針 

加圧板 

試験片 

押込み深さ 

図1−硬さ測定の原理 

試験の種類 

この規格群における硬さ試験は,押込み力を分銅などによる定荷重で得る国際ゴム硬さ試験並びに押込

み力をスプリングで得るデュロメータ硬さ試験及びIRHDポケット硬さ試験に分類される。 

国際ゴム硬さ(IRHD)として表される硬さの試験法は,球状の押針(プランジャの先端球)を用いてお

り,JIS K 6253-2に規定している。この硬さの尺度は,JIS K 6253-2の附属書A[国際ゴム硬さ(IRHD)

と押込み深さとの関係]に規定するlog10E(E:ゴムのヤング率)とIRHDとの関係を示す正規分布の累積

確率密度曲線で定義されている。この定義の結果,0〜100の測定値は,無限に軟らかいゴム材料から無限

に硬いゴム材料に対応し,またIRHDの測定値が,後述するタイプAデュロメータの測定値とある程度一

致するように決められている。 

中硬さゴム材料用のN法は,35 IRHD〜85 IRHDの範囲のゴム材料で使用される。これより低い又は高

い硬さのゴム材料に対しては,試験機の押針の寸法などがN法と異なる。低硬さ材料用のL法は,10 IRHD

〜35 IRHDの範囲を,高硬さ材料用のH法は,85 IRHD〜100 IRHDの範囲を測定できる。薄い材料用のM

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

法は,N法の1/6の直径の押針を使用し,35 IRHD〜85 IRHDの範囲を測定できる。 

JIS K 6253-2では,曲面試験片の国際ゴム硬さの求め方についてもCN法,CH法,CL法及びCM法と

して規定し,この試験で得られる測定値は,常に見掛け硬さとして扱われる。 

ゴムロール用の硬さの求め方については,国際ゴム硬さ(IRHD)試験機を用いた方法をISO 7267-1に,

デュロメータ試験機を用いた方法をISO 7267-2に,更にプセイ・ジョーンズ静荷重試験機と呼ばれる硬さ

試験機を用いた方法をISO 7267-3に,それぞれ規定している。 

デュロメータは,硬さの範囲の異なるゴム材料を測定するため数種類の形式がある。JIS K 6253-3で規

定しているデュロメータは,一般的な中硬さゴム材料用としてタイプAを規定し,高硬さゴム材料用とし

てタイプDを規定し,低硬さゴム材料用としてタイプEを規定し,更に微小試験片用としてタイプAMの

4種類を規定している。タイプAでは,円すい(錐)形の先端を切った形の押針を用い,タイプD及び

AMでは,円すい(錐)形の先端を丸めた押針を用い,タイプEでは,球状の押針を用いる。デュロメー

タは,正確な一定の加圧面圧を得るために,分銅付きのスタンドに取り付けて用いることがある。 

注記 デュロメータは,一般にショア硬さ試験機と呼ばれることが多いが,ショア社以外にも多数の

メーカによって製造されている。 

IRHDポケット硬さ試験機は,携帯形の手で持って国際ゴム硬さ(IRHD)を測定できるように設計され

た簡便な硬さ試験機で,JIS K 6253-4で規定している。球状の押針を用い,スプリングを用いて近似的に

定荷重の押込み力を得ている。 

硬さ試験は,上記のように測定原理,測定範囲,試験機の種類などによって分類される。加硫ゴム及び

熱可塑性ゴムの硬さ試験の種類と用いる試験片とを表1及び表2に示す。 

表1−国際ゴム硬さ(IRHD)試験の種類及び試験片 

試験の種類 

(測定原理) 

硬さ測定範囲 

試験機の種類 

試験方法 

3.4の定義に基づく 

標準硬さの条件を満たす試験片 

形状 

厚さ 

 
 

mm 

プランジャ先端
球から試験片端
までの距離 

mm 

国際ゴム硬さ 
(定荷重式) 

中硬さ用 

(35〜85 IRHD)

ノーマルサイズ 

国際ゴム硬さ試験機 

N法 

CN法 

上下面が平
滑な平面で,
平行である
こととする。 

最小 8.0 

9.0 

最大 10.0 

10.0 

高硬さ用 

(85〜100 IRHD)

ノーマルサイズ 

国際ゴム硬さ試験機 

H法 

CH法 

最小 8.0 

9.0 

最大 10.0 

10.0 

低硬さ用 

(10〜35 IRHD)

ノーマルサイズ 

国際ゴム硬さ試験機 

L法 

CL法 

最小 10.0 

10.0 

最大 15.0 

11.5 

中硬さ用 

(35〜85 IRHD)

マイクロサイズ 

国際ゴム硬さ試験機 

M法 

CM法 

2.0±0.5 

2.0 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表2−国際ゴム硬さ(IRHD)以外の硬さ試験の種類及び試験片 

試験の種類 

(測定原理) 

硬さ測定範囲 

試験機の種類 

試験片 

形状 

厚さ 

mm 

押針から試験片

端までの距離 

mm 

デュロメータ硬さ 
(スプリング式) 

中硬さ用 

(A20〜90) 

タイプAデュロメータ 

上下面が平
滑な平面で,
平行である
こととする。 

6.0以上 

12.0 

高硬さ用 

(>A90) 

タイプDデュロメータ 

6.0以上 

12.0 

低硬さ用 

(<A20) 

タイプEデュロメータ 

10.0以上 

15.0 

中硬さ用 

(A20〜90) 

タイプAMデュロメータ 

(マイクロサイズ試験片用) 

1.5以上 

4.5 

IRHDポケット硬さ 

(定荷重スプリング式)

中硬さ用 

(30〜95 IRHD) 

IRHDポケット硬さ試験機 

6.0以上 

12.0 

注記 タイプEデュロメータは,ISO 7619-1(参考文献[1]参照)では,“Type AO durometer”となっている。 

硬さと弾性率との関係 

硬さとゴムの弾性率との関係は,文献で経験的な計算式などが紹介されている。球状押針に関してJIS K 

6253-2では,硬さとlog10E(ゴムのヤング率)との関係を表すグラフが記されている。この関係は,完全

な弾性をもつと仮定した場合のゴム材料に対してだけ有効であり,現実には近似的である。 

硬さは,ヤング率又はせん断弾性率との関係が必ずしも一定しないため,ゴム材料の中で一義的に説明

できる特性とはいえない。しかしながら硬さ試験は,簡便に低費用で行え,更に非破壊的な方法であるた

め,変形強さの便利な測定方法として一般的に用いられている。 

国際ゴム硬さ(IRHD)で得られる精度は,最も良い場合で±1 IRHDである。これは弾性率に置き換え

ると,測定範囲の中心部で±4 %,非常に低い硬さ又は高い硬さで±16 %程度となる。 

硬さ試験の用途 

一般に硬さ試験は,品質管理,ゴム配合物及び加硫製品の等級分け,製品仕様の要求項目などに用いる。

さらに,硬さ試験は,加硫製品の加硫程度,劣化の追跡,汚染,多孔性などを診断する目的にも用いる。 

試験法の選択 

スプリングで押付け力を与えるデュロメータ試験機又はIRHDポケット硬さ試験機は,製品試験などの

ために,手で持って測定できるように設計してある。一般的には,中硬さゴム材料用のタイプAデュロメ

ータが,広く普及している。また,IRHDポケット硬さ試験機は,硬さの全測定範囲においてスプリング

で与える力の変化が非常に少ないので,定荷重式の国際ゴム硬さ試験機の測定結果とよく一致する。非常

に硬いゴム材料に対しては,タイプDデュロメータが,薄い試験片に対しては,タイプAMデュロメータ

が適している。タイプDデュロメータは,タイプAデュロメータの測定値で90又は国際ゴム硬さ(IRHD)

の測定値で90 IRHDを超えるゴム材料で用いるのが望ましい。また,通常プラスチック材料で用いるが,

硬質の熱可塑性ゴム又はエボナイトにも適している。低硬さゴム材料用のタイプEデュロメータは,タイ

プAデュロメータの測定値で20又は国際ゴム硬さ(IRHD)の測定値で20 IRHD以下のゴム材料で用いる

のが望ましい。また,発泡ゴム(スポンジゴム)の硬さ測定にも適している。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注記 デュロメータは,測定者による加圧面への測定圧のばらつきを解消し,正しい測定圧を得るた

めに,保持装置に組み込んで使用できるように製造されている。 

定荷重式の国際ゴム硬さ試験のN法,H法及びL法は,実験室で標準硬さの条件を満たす試験片を用い

て測定するのに望ましい。M法は,薄い試験片しか得られない場合に用いられる。高硬さ用のH法及び低

硬さ用のL法は,85 IRHD以上及び35 IRHD以下の測定範囲での測定を可能にすることを目的としたもの

であるが,少なくともH法の測定値では,その有効性はないとみなされている(参考文献[2]参照)。 

定荷重式の国際ゴム硬さ試験を用いると,分銅で一定の力を得ることができ,スプリングの力より安定

していることが,理論的に解釈できる。測定精度に影響を与えるパラメータの体系的な評価で,定荷重式

試験法は,この点に関してより優れていると報告されている(参考文献[3]参照)。 

試験片 

試験片の形状及び寸法を表1及び表2に示す。 

硬さの測定は,さまざまな形状及び寸法の試験片又は製品に対して行う。測定結果は,試験片の寸法,

特に厚さの影響を受けるので,結果を比較する場合,国際ゴム硬さ(IRHD)では,標準硬さの条件を満た

す試験片だけを用いることが必要である。見掛け硬さの測定結果を相互に比較する場合は,同じ幾何学的

形状を用いて,同じ方法で測定する。 

国際ゴム硬さ(IRHD)以外の硬さにおいても,結果を相互に比較する場合,同じ幾何学的形状を用いて,

同じ方法で測定することが必要である。 

国際ゴム硬さ試験M法のマイクロ硬さ試験機が利用できないほど,試験片が薄い場合,十分な試験片厚

さを得るために数枚を積み重ねた試験片を用いることができるが,この場合の測定結果は,標準硬さの条

件を満たす試験片を用いて得られる結果とは異なる。 

10 硬さ試験機確認用ゴム試験片 

硬さ試験機は,いずれもJIS K 6253-5に従って校正するが,デュロメータ及びIRHDポケット硬さ試験

機では,簡便な方法として正式な校正とは別に,硬さ試験機確認用ゴム試験片の標準硬さブロックのセッ

トを利用して確認するとよい。 

注記 硬さ試験機確認用ゴムは,ゴム硬さ試験機のメーカから入手可能である。  

11 硬さ試験法の比較 

ゴムが完全な弾性体とみなされる場合,国際ゴム硬さ(IRHD)とタイプAデュロメータとの測定結果

は,測定範囲両端の低硬さ及び高硬さを除いて相関がある。しかしながら,現実の材料では,ゴムが完全

な弾性体ではないために,相関性は,材料によって異なる。 

一方,タイプAデュロメータの測定結果とタイプDデュロメータの測定結果との相関について,文献が

あるが(参考文献[4]参照),それらは,経験的なものである。重要な要因の一つに,押込み力が負荷され

る時間の差の影響があり,この影響は,特に高いヒステリシスを示す加硫ゴム及び熱可塑性ゴムでは顕著

である。 

理論では,定荷重式の国際ゴム硬さ(IRHD)のN法硬さ試験機とM法硬さ試験機とでは,同等の測定

結果が得られることになっているが,試験片の厚さ及び表面層の影響(表面は,内部より硬くなり得る。)

又は表面の細かい凹凸のため,同等でない場合もあり,著しい差が生じることがある。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

参考文献 

[1] ISO 7619-1,Rubber, vulcanized or thermoplastic−Determination of indentation hardness−Part 1: 

Durometer method (Shore hardness) 

[2] KUCHERSKII, A.M., and KAPOROVSKII, B.M.: Polymer Testing, 14, 1995, 3 

[3] BROWN, R.P., and SOEKARNEIN, A.: Polymer Testing, 10, 1991, 2 

[4] BROWN, R.P.: Physical Testing of Rubber, Chapman and Hall, London, 1996 

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附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS K 6253-1:2012 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方−第1部:通則 

ISO 18517:2005 Rubber, vulcanized or thermoplastic−Hardness testing−Introduction 
and guide 

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

3 用語及び
定義 

追加 

JIS K 6200を追加。 

JISとして必要なため。 

3.1 国際ゴム硬さ 

3.1 

変更 

対応国際規格の定義では,理解し
にくいので,分かりやすくするた
めに変更した。 

分かりやすくするための変更で技術
的な差異はない。 

3.2 デュロメータ硬さ 

− 

追加 

3.2及び3.3の用語についても定
義した。 

JIS K 6253の規格群,第1部〜第5
部の部編成における統一性をもたせ
るためで,技術的な差異はない。 

3.3 IRHDポケット硬さ 

4 硬さ測定
の原理 

押込み力についての説明 

− 

追加 

本文及び図1に押込み力の説明
を追加した。 

分かりやすくするための追加で技術
的な差異はない。 

5 試験の種
類 

表1及び表2を記載 

− 

追加 

JIS K 6253の規格群における試
験の種類及び各試験における試
験片を表1及び表2にまとめた。 

JIS K 6253の規格群,第1部〜第5
部の部編成の全体を,分かりやすく
するためで,技術的な差異はない。 

8 試験法の
選択 

タイプEデュロメータの説
明 

− 

追加 

タイプEデュロメータの説明を
追加。 

分かりやすくするための追加で技術
的な差異はない。 

9 試験片 

表1及び表2を引用 
国際ゴム硬さ以外の硬さに
おいて,結果を相互に比較す
る場合の記述を追加した。 

− 

追加 

表1及び表2に関する記述を追加
した。 

分かりやすくするための追加で技術
的な差異はない。 

11硬さ試
験法の比較 

− 

11 

− 

追加 

国際ゴム硬さM法における,試
験片の表面の細かい凹凸の記述
を追加。 

より厳密な誤差要因を追加した。
ISOに提案する。 

2

K

 6

2

5

3

-1

2

0

1

2

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K 6253-1:2012  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 18517:2005,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 
 

− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 

− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 
 

− MOD ··············· 国際規格を修正している。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。