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K 6239-1:2017  

(1) 

目 次 

ページ 

序文  1 

1 適用範囲 1 

2 引用規格 2 

3 1H-NMR法(絶対法)  2 

3.1 試験法の概要  2 

3.2 試薬  2 

3.3 装置及び器具  2 

3.4 試料の採取  3 

3.5 手順  3 

3.6 ミクロ構造の計算  3 

4 IR法(相対法) 5 

4.1 試験法の概要  5 

4.2 試薬  5 

4.3 装置及び器具  5 

4.4 試料の採取  5 

4.5 手順  6 

4.6 ミクロ構造の計算  7 

4.7 IRで得られた相対量から絶対量を求める方法 8 

5 試験精度 9 

6 試験報告書  9 

附属書A(参考)試料の製膜手順  10 

附属書B(参考)試験精度  12 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表  14 

 

 


 

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まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本ゴム工業会(JRMA)及び

一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があ

り,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。これによって,JIS 

K 6239:2007は廃止され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS K 6239の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS K 6239-1 第1部:1H-NMR及びIR(キャストフィルム)法 

JIS K 6239-2 第2部:FTIR(ATR)法 

 

 


 

 

日本工業規格          JIS 

 

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原料ゴム− 

溶液重合SBRのミクロ構造の求め方(定量)− 

第1部:1H-NMR及びIR(キャストフィルム)法 

Styrene-butadiene rubber(SBR)-Determination of the microstructure of 

solution-polymerized SBR-Part 1: 1H-NMR and IR with cast-film method 

 

序文 

この規格は,2015年に第1版として発行されたISO 21561-1を基とし,技術的内容及び構成を変更して

作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

 

適用範囲 

この規格は,溶液重合で合成されたスチレンとブタジエンとのゴム状共重合体(以下,S-SBRという。)

のミクロ構造(ブタジエン成分のビニル,トランス及びシス,並びにスチレン)を定量する二つの方法,

すなわち,プロトン核磁気共鳴法(以下,1H-NMR法という。)及びキャストフィルムによる赤外分光法(以

下,IR法という。)について規定する。 

また,この規格のIR法は,IR測定で得られた相対量から1H-NMR法による検量線を用いて絶対量を求

める方法である。 

なお,この規格は,原料ゴムに適用する。 

注記1 IR法(相対法)は,1H-NMR法単独では求められないブタジエン成分のシス,トランスを定

量する場合に特に有効である。 

注記2 ブタジエン成分のビニル,トランス及びシスは,一般に次の表現が用いられるが,この規格

においては,“ビニル”,“トランス”及び“シス”に統一している。 

− ビニル:ビニルユニット,ビニル結合,1,2-ユニット,1,2-ビニルユニット,1,2-ビニル

結合など。 

− トランス:1,4-トランスユニット,1,4-トランス結合,トランス1,4ユニット,トランス

1,4結合など。 

− シス:1,4-シスユニット,1,4-シス結合,シス1,4ユニット,シス1,4結合など。 

注記3 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 21561-1:2015,Styrene-butadiene rubber (SBR)−Determination of the microstructure of 

solution-polymerized SBR−Part 1: 1H-NMR and IR with cast-film method(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”


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ことを示す。 

警告 この規格の利用者は,通常の実験室での作業に精通していることを前提とする。この規格は,

その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。この規格の

利用者は,各自の責任において,安全及び健康に対する適切な措置をとらなければならない。 

 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 6229 ゴム−溶剤抽出物の求め方(定量) 

注記 対応国際規格:ISO 1407,Rubber−Determination of solvent extract 

JIS K 6298 原料ゴム−天然ゴム・合成ゴム−サンプリング及びその後の準備手順 

注記 対応国際規格:ISO 1795,Rubber, raw natural and raw synthetic−Sampling and further preparative 

procedures 

JIS K 8034 アセトン(試薬) 

JIS K 8101 エタノール(99.5)(試薬) 

JIS K 8464 シクロヘキサン(試薬) 

JIS K 8680 トルエン(試薬) 

 

1H-NMR法(絶対法) 

3.1 

試験法の概要 

伸展油,老化防止剤などのミクロ構造の測定に影響する成分を除いた試験片を,重水素化クロロホルム

に溶解し,1H-NMRスペクトルを測定する。1H-NMRスペクトルから得られるピーク面積を用いて,ミク

ロ構造を計算する。 

なお,1H-NMR法によって求められるミクロ構造は,ビニル含有量,トランスとシスとの合計含有量及

びスチレン含有量である。 

また,ビニル含有量及びトランスとシスとの合計含有量は,ブタジエン成分に対するモル分率,スチレ

ン含有量は,S-SBRに対する質量分率で表す。 

3.2 

試薬 

試薬は,次による。 

3.2.1 

重水素化クロロホルム(CDCl3) 重水素化率99.8 %以上のCDCl3に,体積分率0.03 %テトラメチ

ルシラン(以下,TMSという。)を内部標準として含有したもの。 

3.2.2 

エタノール-トルエン共沸混合物(ETA) JIS K 8101に規定するエタノール70容とJIS K 8680に

規定するトルエン30容とを混合して調製したもの。 

3.2.3 

アセトン JIS K 8034による。 

3.3 

装置及び器具 

装置及び器具は,次による。 

3.3.1 

1H-NMR装置 プロトンの共鳴周波数が,150 MHz以上のフーリエ変換型核磁気共鳴装置。 

3.3.2 

抽出装置 JIS K 6229による。 

3.3.3 

真空乾燥器 50 ℃〜60 ℃に制御できるもの。 

3.3.4 

はかり 1 mgまで読み取れるもの。 


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3.4 

試料の採取 

JIS K 6298に従って,試験試料を採取する。 

3.5 

手順 

手順は,次による。 

a) 伸展油,老化防止剤などを除去するためにJIS K 6229に従い,ETA又はアセトンを用いて試験試料の

抽出を行う。抽出処理した試験試料を50 ℃〜60 ℃の真空乾燥器で乾燥する。 

b) 乾燥した試験試料から15 mg〜50 mgを採取し,試験片とする。その試験片を,0.5 mlのCDCl3に完全

に溶解して試験溶液とする。試験溶液の濃度は,用いる1H-NMR装置によって増減する。 

c) 試験溶液及び試料を溶かしていない空試験用のCDCl3の1H-NMRスペクトルを,次の条件で測定する。 

− 測定モード:シングルパルスモード 

− 測定温度:室温〜50 ℃ 

− データポイント数:32 k 

− オフセット:5 ppm 

− 観測幅:15 ppm以上 

− パルス幅:30°パルス 

− 繰返し時間:4秒〜30秒 

− 積算回数:32回〜256回 

3.6 

ミクロ構造の計算 

3.6.1 

ピーク面積の求め方 

1H-NMRスペクトルから,それぞれのピーク面積を求める方法は,表1による。また,図1に共鳴周波

数500 MHzの装置を用いて測定したスペクトルの例を示す。 

 

表1−ピーク面積の求め方 

面積 

求め方 

Ha 

4.3 ppm〜5.0 ppm付近の最低強度位置までを積分する。 

Hb 

5.0 ppm付近の最低強度位置〜6.1 ppm付近の最低強度位置までを積分する。 

Hc 

6.1 ppm付近の最低強度位置〜7.7 ppmまでを積分する。 

Hd 

空試験測定時のTMS(0 ppm)のピークを積分する。 

He 

空試験測定時の6.1 ppm〜7.7 ppmまでを積分する。 

Hf 

試験溶液測定時のTMS(0 ppm)のピークを積分する。 

 


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 X 化学シフト(ppm) 

Ha,Hb,Hc及びHf スペクトル中に破線で示した範囲の積分値(ピーク面積) 

 

図1−1H-NMRスペクトルの例 

 

3.6.2 

ピーク面積Hcの補正 

CDCl3中の不純物であるクロロホルムの影響を補正するために,式(1)を用いてHgを算出する。 

Hg=Hc−He×(Hf/Hd)  (1) 

ここに, 

Hg: CDCl3中の不純物を補正したピーク面積Hc 

3.6.3 

ミクロ構造の計算 

3.6.1で求めたピーク面積Ha及びHb,並びに3.6.2で求めたHgを用いて式(2)〜式(4)によって,ミクロ構

造を計算する。 

100

54

4

2

104

5

104

5

a

b

g

g

m

H

H

H

H

S

  (2) 

100

4

2

2

a

b

H

H

H

V

  (3) 

Hb 

Ha 

Hc 

Hf 


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100

4

2

4

2

a

b

a

b

H

H

H

H

G

  (4) 

ここに, 

Sm: スチレン含有量(質量分率 %) 

 

V: ビニル含有量(モル分率 %) 

 

G: トランス及びシスの合計含有量(モル分率 %) 

 

IR法(相対法) 

4.1 

試験法の概要 

伸展油,老化防止剤などのミクロ構造の測定に影響する成分を除いた試料をシクロヘキサンに溶かし,

臭化カリウム結晶板(以下,KBr板という。)上で製膜し,KBr板上に製膜した試料のIRスペクトルを1 200 

cm−1〜600 cm−1の領域で測定する。四つの指定した波数における吸光度から,ミクロ構造をハンプトン法

(参考文献[1]を参照)を用いて計算する。次に,1H-NMR法で求めたスチレン含有量及びビニル含有量が

既知の試料を用いて検量線を作成する。この検量線を用いて,スチレン含有量及びビニル含有量の絶対量

を求める。 

また,ビニル含有量及びトランスとシスとの合計含有量は,ブタジエン成分に対するモル分率,スチレ

ン含有量は,S-SBRに対する質量分率で表す。 

4.2 

試薬 

試薬は,次による。 

4.2.1 

ETA JIS K 8101に規定するエタノール70容とJIS K 8680に規定するトルエン30容とを混合し

て調製する。 

4.2.2 

アセトン JIS K 8034による。 

4.2.3 

シクロヘキサン JIS K 8464による。 

4.3 

装置及び器具 

装置及び器具は,次による。 

4.3.1 

赤外分光光度計 フーリエ変換型赤外分光光度計(以下,FTIRという。),又は複光束分散型赤外

分光光度計(以下,分散型IRという。)。 

4.3.2 

抽出装置 JIS K 6229による。 

4.3.3 

真空乾燥器 50 ℃〜60 ℃に制御できるもの。 

4.3.4 

はかり 0.1 gまで読み取れるもの。 

4.3.5 

試料瓶 20 mlで蓋付きのもの。 

4.3.6 

パスツールピペット及び10 mlメスピペット 

4.3.7 

KBr板 赤外分光測定用のもの。 

4.3.8 

ホルダ KBr板を固定するもの。 

4.3.9 

金属製スペーサ 厚さ0.1 mmのもの。 

4.4 

試料の採取 

JIS K 6298に従って,試験試料を採取する。 


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4.5 

手順 

4.5.1 

試験溶液の調製 

試験溶液の調製は,次による。 

a) 伸展油,老化防止剤などを除去するためにJIS K 6229に従い,抽出溶媒としてETA又はアセトンを

用いて試験試料の抽出を行う。抽出処理した試験試料を,50 ℃〜60 ℃の真空乾燥器で乾燥する。 

b) 乾燥した試験試料0.2 gを20 mlの試料瓶にはかりとり,試験片とする。 

c) メスピペットを用いて,試料瓶にシクロヘキサン10 mlを加える。 

d) 試料瓶に蓋をし,試験片を完全に溶解させて試験溶液とする。 

4.5.2 

製膜 

製膜は,次による。 

a) 厚さ0.1 mmの金属製スペーサをKBr板上に置き,パスツールピペットを用いて,試験溶液をスペー

サ内に均一に広げる。 

b) フィルムの厚さを均一にするために,スペーサから余分な試験溶液を除く。フィルムの厚さは,試験

溶液量で調整する。 

c) KBr板上でシクロヘキサンを蒸発させた後,スペーサを外す。 

注記 製膜用の器具及び手順について,更なる詳細は,附属書Aを参照する。 

4.5.3 

IRスペクトルの測定 

4.5.3.1 

FTIRによる測定 

FTIRによる測定手順は,次による。 

a) KBr板だけのバックグラウンドスペクトルを1 200 cm−1〜600 cm−1の範囲で測定する。 

b) 4.5.2で製膜したKBr板のスペクトルを1 200 cm−1〜600 cm−1の範囲で測定し,これを試料スペクトル

とする。 

c) 再現性の良いデータを得るために,試料スペクトルの最大吸光度を0.10〜0.15の範囲に入るようにす

る。範囲に入らなかった場合は,4.5.2 b)でフィルムの厚さを調整しなおす。 

d) IRスペクトルの例を,図2に示す。 

4.5.3.2 

分散型IRによる測定 

分散型IRによる測定手順は,次による。 

a) 4.5.2で製膜したKBr板を試料側光路に,KBr板だけを対照側光路に置き,吸光度モードで1 200 cm− 1

〜600 cm−1の範囲を測定する。これを,試料スペクトルとする。 

b) 再現性の良いデータを得るために,試料スペクトルの最大吸光度を0.10〜0.15の範囲に入るようにす

る。範囲に入らなかった場合は,4.5.2 b)でフィルムの厚さを調整しなおす。 

 


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 D 吸光度 

トランス 

ビニル 

シス 

スチレン 

 

図2−IRスペクトル例 

 

4.6 

ミクロ構造の計算 

4.6.1 

ミクロ構造に対応する吸光度の読取り 

ミクロ構造に対応する波数における吸光度の読取り方は,表2による。 

 

表2−ミクロ構造に対応する吸光度の読取り方 

吸光度 

ミクロ構造 

吸光度の読取り方 

Dt 

トランス 

980 cm−1〜960 cm−1のピークの最大値の吸光度を読み取る。 

Dv 

ビニル 

920 cm−1〜900 cm−1のピークの最大値の吸光度を読み取る。 

Dc 

シス 

最大ピークの波数は,スチレン含有量などの影響を受ける。ピークが明確な場合は,740 
cm−1〜720 cm−1のピークの最大値の吸光度を読み取る。スチレン含有量が質量分率約
30 %を超える場合,シスのピークは,スチレンに起因する755 cm−1及び699 cm−1の二
つの吸収に隠れる。この場合は,固定波数724 cm−1における吸光度を読み取る。 

Ds 

スチレン 

710 cm−1〜690 cm−1のピークの最大値の吸光度を読み取る。 

 

4.6.2 

計算 

4.6.2.1 

一般 

ミクロ構造の相対量は,ハンプトン法によって対応する波数の吸光度(Dt,Dv,Dc及びDs)から算出す

る。 

4.6.2.2 

ミクロ構造の計算 

ミクロ構造を,次の式によって算出する。 

100

c

t

v

S

S

m

C

C

C

C

C

S

  (5) 

100

c

t

v

v

C

C

C

C

V

  (6) 


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100

c

t

v

t

C

C

C

C

T

  (7) 

100

c

t

v

c

C

C

C

C

C

  (8) 

ここに, 

Sm: スチレン含有量(質量分率 %) 

 

V: ブタジエン成分のビニル含有量(モル分率 %) 

 

T: ブタジエン成分のトランス含有量(モル分率 %) 

 

C: ブタジエン成分のシス含有量(モル分率 %) 

 

Cs 1): Cs=−0.013 8×Dv−0.260 4×Dc+0.373 9×Ds 

 

Cv 1): Cv=−0.006 7×Dt+0.314 0×Dv−0.015 4×Dc−0.007 1×Ds 

 

Ct 1): Ct=0.393 7×Dt−0.011 2×Dv−0.036 1×Dc−0.006 5×Ds 

 

Cc 1): Cc=−0.004 4×Dt−0.027 4×Dv+1.834 7×Dc−0.025 1×Ds 

注1) Cs,Cv,Ct及びCcを求める式は,参考文献[1]を参照する。 

4.7 

IRで得られた相対量から絶対量を求める方法 

ビニル及びスチレンの絶対量の求め方は,次による。 

a) 検量線用の試料を1H-NMR法(箇条3参照)及びIR法(4.5及び4.6参照)の両方で測定する。 

注記 仕様書などで,ミクロ構造が既知であり,その値が信頼できるなど1H-NMR法を測定しなく

てもよい場合がある。 

b) 得られた結果を用いて検量線を作成する。図3及び図4に,検量線の例を示す。 

c) 未知試料のIRスペクトルの結果(4.6参照)から,検量線を用いて絶対量を求める。 

d) 未知試料のIRスペクトルを測定する条件(分解能,積算回数など)は,検量線を作成するための試料

を測定するときと同じでなければならない。 

 

 

 X 

1H-NMR法によるビニル含有量(ブタジエン成分に対するモル分率 %) 

Y IRによるビニル含有量(ブタジエン成分に対するモル分率 %) 
 

図3−1H-NMR法とIR法とのビニル含有量の検量線の例 

 


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 X 

1H-NMR法によるスチレン含有量(S-SBRに対する質量分率 %) 

Y IRによるスチレン含有量(S-SBRに対する質量分率 %) 
 

図4−1H-NMR法とIR法とのスチレン含有量の検量線の例 

 

試験精度 

参考として試験精度を,附属書Bに示す。 

 

試験報告書 

試験報告書には,次の事項を記載する。 

a) 試料の詳細 

1) 試料及びその由来に関する詳細な記載 

2) 試料から試験片を作製した方法(記載することが適切な場合) 

b) この規格の番号及び試験方法(1H-NMR法又はIR法) 

c) この規格で規定しない操作を含む試験の詳細 

d) 試験結果(試験結果は,小数点以下第1位まで表す。) 

e) 試験の回数 

f) 

試験年月日 

 


10 

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附属書A 

(参考) 

試料の製膜手順 

 

A.1 器具 

試料の製膜及びFTIR測定に使用する器具を図A.1に示す。 

 

 

 1 

パスツールピペット 

35 mm×35 mm×5 mmのKBr板 

KBr板用ホルダ 

厚さ0.1 mmの金属製スペーサ 

 

図A.1−器具一式 

 

A.2 手順 

手順は,次による。 

a) KBr板上にスペーサを置く(図A.2参照)。 

b) パスツールピペットを用い,スペーサ内に試験溶液を数滴滴下する(図A.3参照)。 

c) スペーサ上に別のKBr板を重ねて過剰溶液を付着させ,その後はずす。必要に応じてこの操作を2,3

度繰り返し,過剰溶液を取り除く(図A.4参照)。 

d) KBr板上の溶媒を蒸発させる。 

e) スペーサをKBr板から取り除き,製膜したKBr板をホルダに取り付ける(図A.5参照)。 

 

 

図A.2−KBr板上にスペーサを置く 

 


11 

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図A.3−パスツールピペットを用い,試験溶液をスペーサ内に滴下する 

 

 

 

図A.4−過剰の試験溶液を取り除く 

 

 

 

図A.5−製膜したKBr板をホルダに取り付ける 

 


12 

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附属書B 

(参考) 
試験精度 

 

B.1 

一般 

この規格の試験室間試験プログラム(以下,ITPという。)を実施した。 

試験室内繰返し精度及び試験室間再現精度の値を算出した全ての計算は,ISO/TR 9272 [2]に従って行っ

た。試験精度の概念及び用語は,ISO/TR 9272を参照する。 

 

B.2 

ITPによる試験精度の結果 

B.2.1 プログラムの詳細 

プログラムの詳細は,次による。 

a) ISO/TR 9272に従ったITPを,2003年に日本が計画し,実施した。 

b) ミクロ構造が異なる2種のS-SBRを用意し,SBR-1及びSBR-2と命名した。 

c) 試料SBR-1及びSBR-2の試験を,1H-NMR法については7試験室,IR法については8試験室で実施

した。 

d) ITPは,1週間おいて繰り返し,計2日間行った。1日の試験は,各試料についてn=2で測定した。 

これらのデータから計算した結果を表B.1〜表B.4に示す。用いた記号は,次のとおりである。 

 

Sr 試験室内繰返し精度の標準偏差 

測定値の試験室内繰返し精度 

(r) パーセントで表した試験室内繰返し精度 

SR 試験室間再現精度の標準偏差 

測定値の試験室間再現精度 

(R) パーセントで表した試験室間再現精度 

 

表B.1−1H-NMR法によるS-SBRのスチレン含有量の試験精度 

試料 

平均値 

(質量分率 %) 

試験室内 

試験室間 

試験室数a) 

Sr 

(r) 

SR 

(R) 

SBR-1 

25.2 

0.04 

0.12 

0.47 

0.13 

0.37 

1.46 

SBR-2 

24.7 

0.07 

0.19 

0.75 

0.13 

0.36 

1.44 

注a) 外れ値を除外した後の試験室数(ITP参加の全試験室数:7) 

 

表B.2−1H-NMR法によるS-SBRのビニル含有量の試験精度 

試料 

平均値 

(モル分率 %) 

試験室内 

試験室間 

試験室数a) 

Sr 

(r) 

SR 

(R) 

SBR-1 

10.4 

0.08 

0.22 

2.15 

0.25 

0.72 

6.88 

SBR-2 

32.6 

0.25 

0.71 

2.18 

0.29 

0.81 

2.50 

注a) 外れ値を除外した後の試験室数(ITP参加の全試験室数:7) 

 


13 

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表B.3−IR法によるS-SBRのスチレン含有量の試験精度 

試料 

平均値 

(質量分率 %) 

試験室内 

試験室間 

試験室数a) 

Sr 

(r) 

SR 

(R) 

SBR-1 

24.9 

0.45 

1.27 

5.09 

0.60 

1.71 

6.87 

SBR-2 

25.4 

0.41 

1.15 

4.53 

0.67 

1.89 

7.45 

注a) 外れ値を除外した後の試験室数(ITP参加の全試験室数:7) 

 

表B.4−IR法によるS-SBRのビニル含有量の試験精度 

試料 

平均値 

(モル分率 %) 

試験室内 

試験室間 

試験室数a) 

Sr 

(r) 

SR 

(R) 

SBR-1 

10.4 

0.17 

0.48 

4.60 

0.24 

0.69 

6.61 

SBR-2 

32.5 

0.14 

0.40 

1.24 

0.36 

1.01 

3.10 

注a) 外れ値を除外した後の試験室数(ITP参加の全試験室数:7) 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

参考文献 

[1] HAMPTON, R.R.: Anal. Chem. , 21, 923 (1949) 

[2] ISO/TR 9272:2005,Rubber and rubber products−Determination of precision for test method standards 


14 

K 6239-1:2017  

 

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

 

JIS K 6239-1:2017 原料ゴム−溶液重合SBRのミクロ構造の求め方(定量)−
第1部:1H-NMR及びIR(キャストフィルム)法 

ISO 21561-1:2015,Styrene-butadiene rubber (SBR)−Determination of the microstructure 
of solution-polymerized SBR−Part 1: 1H-NMR and IR with cast-film method 

 

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評
価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

3 1H-NMR
法(絶対法) 

3.1 試験法の概要 

 

3.1 

 

変更 

対応国際規格では適用範囲に記載のあ
るミクロ構造の詳細を,箇条3で規定す
るよう変更した。 

規格使用者の利便性を考慮した。 
技術的な差異はない。 

3.2.1 重水素化クロロ
ホルム 

 

3.2.1 

 

追加 

CDCl3及びTMSの純度単位を追加した。 純度をより正確に表示した。 

技術的な差異はない。 

3.3.4 はかり 

 

3.3.4 

 

変更 

測定下限を0.1 mgから1 mgに変更した。 過剰な仕様を修正した。 

技術的な差異はない。 

3.6.1 

 

3.6.1 

 

追加 

図1の測定に用いた1H-NMR装置の共鳴
周波数を追加した。 

規格使用者の利便性を考慮した。 
技術的な差異はない。 

表1 

 

3.6.1 

 

変更 

表中の記号A,B,C,TMSblank,CDblank,

TMSを,それぞれHa,Hb,Hc,Hd,He,
Hfに変更した。 

記号を第2部と統合した。 
技術的な差異はない。 

図1 

 

3.6.1 

 

変更 

図中の記号A,B,CをそれぞれHa,Hb,

Hcに変更した。また,図中に記号Hfを

追加した。 

記号を第2部と統合した。また,
規格使用者の利便性を考慮した。 
技術的な差異はない。 

3.6.2 ピーク面積Hcの
補正 

 

3.6.2 

 

変更 

記号CcalibをHgに変更した。 

記号を第2部と統合した。 
技術的な差異はない。 

3.6.3 ミクロ構造の計
算 

 

3.6.3 

 

変更 

式の記号A,B,Ccalib,TCを,それぞれ

Ha,Hb,Hg,Gに変更した。 

記号を第2部と統合した。 
技術的な差異はない。 

4 IR法(相
対法) 

4.3.4 はかり 

 

4.3.4 

 

変更 

測定下限を0.1 mgから0.1 gに変更した。 過剰な仕様を修正した。 

技術的な差異はない。 

4.5.3.1 FTIRによる測
定 

 

4.5.3.1.3 

 

追加 

規定の範囲に入らなかった場合の対処
法を追記した。 

規格利用者の利便性を考慮した。 
技術的な差異はない。 

2

 

K

 6

2

3

9

-1

2

0

1

7

 

 

 

 

 


15 

K 6239-1:2017  

 

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評
価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

4 IR法(相
対法) 
(続き) 

4.5.3.2 分散型IRによ
る測定 

 

4.5.3.2.3 

 

追加 

規定の範囲に入らなかった場合の対処
法を追記した。 

規格利用者の利便性を考慮した。 
技術的な差異はない。 

4.6.2.2 ミクロ構造の
計算 
式(5)〜式(8) 

 

4.6.2.2 
4.6.2.3 

式(5)〜式(12) 

変更 

式の文字記号を説明する中で規定する
ように変更した。 

技術的な差異はない。 

4.7 IRで得られた相対
量から絶対量を求める
方法 

 

4.7 

 

追加 

検量線の作成方法及び未知試料の絶対
量を求める方法を,より具体的に規定し
た。 

規格利用者の利便性を考慮した。 
技術的な差異はない。 

 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 21561-1:2015,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 追加  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
− 変更  国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD  国際規格を修正している。 

 

2

 

K

 6

2

3

9

-1

2

0

1

7