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まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。

今回の制定では,国際規格に整合させるために,ISO 6528-1 : 1992 (Rubber−Determination of total sulfur

content

−Part 1 : Oxygen combustion flask method)  を基礎として用いた。

JIS K 6233-1

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(参考)  参考文献

JIS K 6233

は,一般名称を“ゴム−全硫黄の定量”として,次の各部によって構成する。

第 1 部:酸素燃焼フラスコ法

(Part 1 : Oxygen combustion flask method)

第 2 部:過酸化ナトリウム融解法

(Part 2 : Sodium peroxide fusion method)

第 3 部:電気炉燃焼法

(Part 3 : Furnace combustion method)


2

K 6233-1 : 1998 (ISO 6528-1 : 1992)

日本工業規格

JIS

 K

6233-1

 : 1998

 (I

6528-1

: 1992

)

ゴム−全硫黄の定量−

第 1 部:酸素燃焼フラスコ法

Rubber

−Determination of total sulfur content−

Part 1 : Oxygen combustion flask method

序文  この規格は,1992 年に第 2 版として発行された ISO 6528-1, Rubber−Determination of total sulfur

content

−Part 1 : Oxygen combustion flask method を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することな

く作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にない事項である。

1.

適用範囲  この規格は,ゴム中の全硫黄の定量に用いる酸素燃焼フラスコ法について規定する。

この方法は,硫酸バリウムに含まれるものを除きゴム又はゴム製品中に含まれるすべての硫黄の定量に

適用できる。

この方法は,NR,CR,SBR,BR,IR,IIR,EPDM,NBR 及びエボナイトに適用できる(これらの呼び

記号は ISO 1629 : 1987, Rubber and latices−Nomenclature による。

鉛,アンチモン,亜鉛,バリウム及びカルシウム化合物が存在する場合には,この方法は信頼性のない

(通常は低い)結果を与える。カルシウム化合物が炭酸カルシウムだけ存在する場合には,吸収液を変え

ることによって良好な結果を得ることができる。

2.

原理  試験片を過酸化水素を入れた酸素燃焼フラスコに入れ,酸素雰囲気中で燃焼させる。有機物中

の炭素及び水素は酸化され,硫黄は硫酸に変わる。必要ならば,生成した溶液を陽イオン交換カラムに通

し,妨害金属を除去する。トリンを指示薬とし,溶出液を過塩素酸バリウムで滴定する。

警告  この分析法を実施するときには,必要と認められる健康及び安全に対する措置をすべて講じなけ

ればならない。

3.

試薬及び材料  分析には,日本工業規格に規定する最上級の試薬,及び蒸留水又は同等の純度の水を

用いる。

備考1.  指示薬の調製については,2種類の方法を規定する(3.8参照)。分析者はその中から経験,設

備,要求の最も適合する方法を選択してよい。

3.1

吸収液

3.1.1

過酸化水素 2% (m/m)  吸収液  JIS K 8230 に規定する過酸化水素水 (H

2

O

2

) 1

容を水で希釈して全

容を 15 容とする。

警告  過酸化水素水は皮膚に対して強い浸食作用がある。したがって,取扱い時にはゴム又はプラスチ


3

K 6233-1 : 1998 (ISO 6528-1 : 1992)

ック製手袋及び保護眼鏡を着用しなければならない。

3.1.2

過酸化水素/塩酸  JIS K 8230 に規定する過酸化水素水 (H

2

O

2

) 4

容を水で希釈して全量を 60 容と

し,JIS K 8180 に規定する塩酸  (

ρ

20

=1.18mg/m

3

) 5

容を加えて十分かくはんする。

3.2

塩酸  0.5mol/dm

3

溶液。JIS K 8180 に規定する塩酸で調製したもの。

3.3

2-

プロパノール  JIS K 8839 に規定するもの。

3.4

過塩素酸バリウム  0.01mol/dm

3

溶液(3.4.1 参照)

3.4.1

調製  JIS K 9551 に規定する過塩素酸バリウム [Ba (ClO

4

)

2

・3H

2

O] 3.903g

を 200cm

3

の水に溶解す

る。塩酸溶液(3.2 参照)で pH を約 3.5 に調節する。2−プロパノール(3.3 参照)を加え,全量を 1dm

3

とする。

3.4.2

標定  過塩素酸バリウム溶液を次の手順で標定する。

JIS K 8987

に規定する無水硫酸ナトリウム (Na

2

SO

4

) 0.10g

を 0.1mg まで量り採り,水 10cm

3

を入れた

100cm

3

全量フラスコに入れて溶解する。標線まで水を加える。

この溶液 10cm

3

をピペットで正確に量り,小形フラスコ又はビーカーに分取する。2−プロパノール(3.3

参照)40cm

3

を加えて溶液のアルコール分を 80% (v/v)  とし,7.3.3 に規定する方法で滴定する。

過塩素酸バリウム溶液の濃度 C (mol/dm

3

)

は,次の式を用いて求める。

s

V

m

C

×

×

×

=

06

.

142

000

1

1

.

0

1

ここに,  m

1

:  使用した硫酸ナトリウムの質量 (g)

V

S

:  滴定に要した過塩素酸バリウム溶液の体積 (cm

3

)

3.4.3

保管  過塩素酸バリウム溶液は保管中に劣化する。このため,0.0005mol/dm

3

の濃度変化が検知で

きるように頻繁に標定しなければならない。

3.5

陽イオン交換樹脂  芳香族スルホン酸活性基をもつ強酸性物質

イオン交換カラム管(4.6 参照)に樹脂を充てんする前に,蒸留水を入れたビーカーに樹脂を浸し,水を

吸収させて膨潤させる。

使用前及び樹脂再生後には,次の要求事項が満たされていることを確認する(樹脂の妨害イオン除去能

力は大きく,再生が必要になる前に 5∼10 回使用できることもある。

a)

JIS K 8951

に規定する硫酸で調製した 0.02mol/dm

3

硫酸溶液 10cm

3

が 15cm

3

の水で完全に溶離できなけ

ればならない(トリン溶液を用いて溶出液の最後の部分に硫酸イオンがないことを確認する。

b)

イオン交換カラムは,ゴムの分析において最も一般的な妨害陽イオンである亜鉛 0.1g を除去できなけ

ればならない。

2mol/dm

3

の塩酸(3.6 参照)10cm

3

を毎秒 2∼3 滴の速さで樹脂層に通し,樹脂を再生する。次に水 20cm

3

をそれより速い流速で通過させ,樹脂層を洗浄する。トリン溶液を用いて洗浄液の最後の数滴に硫酸イオ

ンがないことを確認する。

3.6

塩酸  2mol/dm

3

塩酸溶液。JIS K 8180 に規定する塩酸で調製したもの。

3.7

酸素  燃焼フラスコ(4.1 参照)への導入に適したアウトレットを備えたボンベに圧縮されたもの。

3.8

指示薬  2 種類の指示薬,すなわちトリン単体(3.8.1 参照)及びトリン・メチレンブルー混合指示

薬(3.8.2 参照)について説明する。どちらもこの規格に規定する手順での使用に適している。トリンは均

一な赤色粉末で,水に溶解すると透明なオレンジ色の溶液が得られるものを用いなければならない。

3.8.1

トリン〔4−[

(2−アルソンフェニル)アゾ]−3−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジスルホン酸ニ

ナトリウム塩〕0.2% (m/m)  溶液。


4

K 6233-1 : 1998 (ISO 6528-1 : 1992)

トリン 0.2g を水 100cm

3

に溶解する。

3.8.2

トリン・メチレンブルー混合指示薬

3.8.2.1

トリン 0.5% (m/m)  溶液。

トリン 0.5g を水 100cm

3

に溶解する。

3.8.2.2

メチレンブルー[3,7−ビス(ジメチルアミノ)−5−フェノチアジニウムクロリド]

,Cl 52015

0.012% (m/m)

溶液。

JIS K 8897

に規定するメチレンブルー0.012g を水 100cm

3

に溶解する。

3.9

硝酸カリウム (KNO

3

)

  0.4% (m/m)  溶液。

JIS K 8548

に規定する硝酸カリウム 0.4g を水 100cm

3

に溶解する。

3.10

黒色紙又は白色紙  試験片を包むのに用いる。

備考2.  この紙は通常図1に示すような形で供給される。紙より小さな白金バスケットを用いる場合に

は,

2に示すように切断してもよい。

市販の紙類はほとんど即座に燃えるが,通常のろ紙から切り取って,ゴムの燃焼を助けるために硝酸カ

リウム溶液(3.9 参照)に含浸してもよい。過剰な溶液を滴下させ,100℃で乾燥させる。これらの処理を

施した紙を用いる場合には,燃焼後に 7.3.2.2 に規定する手順を行わなければならない。

備考3.  電気点火装置を用いる紙類には,図1及び図2に示すような導火端は不要である。

4.

赤外線点火装置では,通常黒色紙の方が迅速に着火する。

4.

装置  通常の実験室機器に加えて,次の機器を用いる。

4.1

酸素燃焼フラスコ(シェーニガーフラスコ)  容量 1dm

3

,肉厚で白金製試料バスケット及び強力ピ

ンチクランプ又は締付け金具付きのもの。

4.2

燃焼装置  安全型赤外線点火装置。ドア付きの安全キャビネットで囲われ,電気式点火装置又はア

ルコールランプを備えたもの(

図 及び図 参照)。

赤外線点火装置は内蔵式で,燃焼中はフラスコを適切に覆うため,これを用いるのが望ましい。安全に

作業するため,機器はすべて製造業者の取扱説明書に従って操作しなければならない。

参考  同等のもので,同様の結果が得られるならば形状,寸法が多少異なっていても差し支えない。

4.3

マイクロビュレット  容量が 5cm

3

又は 10cm

3

で,0.01cm

3

目盛付きのもの。

4.4

マグネチックスターラー

4.5

高輝度ランプ(オプション)

4.6

イオン交換カラム管  長さ約 170mm,内径 10mm の小管で,一端に焼結ガラス円盤と活栓を備えた

もの。焼結ガラス円盤がない場合には,底に約 10mm の厚さにグラスウールを充てんし,その上に樹脂(3.5

参照)を充てんしてカラムを調製する。

4.7

はかり  0.1mg がひょう量できるもの。

5.

試験試料の調製

5.1

試料を実験室用ミルで粉砕し,十分に均質化する。

5.2

測定に用いる試験片が少量のため,試験片やそれを包むために用いる紙が汚染されないようにしな

ければならない。試験片及び紙を扱うときには,

ピンセットを用いることによって汚染の危険が減少する。

参考  試料の調製に関しては,JIS K 6225 : 1998(加硫ゴム−試料及びテストピースの調製方法−化学

試験)を参照にするとよい。


5

K 6233-1 : 1998 (ISO 6528-1 : 1992)

6.

安全上の予防措置

酸素燃焼フラスコは長年にわたって多くの実験室で使用され,すぐれた安全性をもっていることが示さ

れている。

安全上の予防措置を厳密に実行すれば,爆発の危険はほとんどない。

6.1

質量が 80mg 以上の試験片については,容量が 1dm

3

のフラスコを用いてはならない。

試料が多い場合にはより大きなフラスコを用いることもできるが,同じフラスコで溶液を変えずに少し

ずつ何度も燃焼させれば,実際上は大きなフラスコを用いて多量の試料を燃焼させるのと同じことである。

また,その方が安全性も高い。

6.2

使用に先立って,フラスコに微小なき(亀)裂がないか検査しなければならない。不完全なフラス

コは廃棄する。

6.3

フラスコに有機溶剤又は蒸気が残存してはならない。これらが残っていると,爆発を起こすことが

ある。洗浄に有機溶剤を用いた場合には,水で繰り返しすすいでおかなければならない。

6.4

有機物を急激に燃焼させると,生じた圧力によってフラスコが爆発することがある。したがって,

燃焼作業はフードごしに行わなければならない。炎が試験片に到達したら,作業者は手や顔を遮へい(蔽)

物の前に出してはならない。燃焼作業中は保護眼鏡又はフェイスシールドを着用する。このようなことか

ら,点火装置内蔵式の安全チャンバーの使用が強く望まれる。

6.5

最後の火花が消えるまでフラスコを安全チャンバーの中に入れておかなければならない。フラスコ

内はわずかに減圧状態になっているため,フラスコを取り出すときには保護眼鏡又はフェイスシールドの

着用が望ましい。

7.

手順  この測定は 2 回行う。

7.1

試験片  試料(5.参照)40∼80mg を量り採る[硫黄量が 4% (m/m)  以下の場合]。硫黄量がそれ以上

の場合には,採取する試料の質量を適宜少なくする(測定に用いる試験片には硫黄が 3mg 以上含まれてい

てはならない。

7.2

装置の準備  炭酸カルシウムがゴム中に存在しない場合には,燃焼フラスコ(4.1 参照)に過酸化水

素吸収液(3.1.1 参照)5cm

3

を入れる。炭酸カルシウムが存在する疑いがある場合には,燃焼フラスコに過

酸化水素/塩酸吸収液(3.1.2 参照)5cm

3

を入れる。かくはん用の回転子を用いる場合にはフラスコ内に入

れる。

試験片(7.1 参照)を紙(3.10 参照)に包み,試験片が完全に包まれるように紙を折りたたむ。白金バス

ケットに入れるときには,導火端がバスケットの上に出るようにする。試験片を包んだ紙が吸収液でぬれ

ないようにする。

酸素ボンベ(3.7 参照)に接続した管をフラスコの底近くまで挿入し,少なくとも 30 秒間酸素を勢いよ

く出す(吸収溶液が飛び散らないようにする。

。酸素の管を素早く抜き取り,燃焼装置でフラスコを閉じ,

ピンチクランプ又は締付け金具でしっかり固定する。

7.3

定量

7.3.1

燃焼  試験片を包んだ紙の突起部が赤外線点火装置の光線の焦点にくるようにフラスコを安全チ

ャンバー内に置く。紙がフラスコの側面に触れていないことを確認する。電気式点火装置を用いる場合に

は,フラスコをリード線に正しく接続する。

紙に点火し,完全に燃焼させる。試験片及び紙が完全に灰化したら,フラスコを安全チャンバーから取


6

K 6233-1 : 1998 (ISO 6528-1 : 1992)

り出し,黒炭が付着していないかどうか確認する。黒炭が認められた場合には,新しい試験片を用いて初

めからやり直す(燃焼の目的は,できるだけ高温にして紙と試験片を完全に燃焼させることである。

適切に燃焼していたら密封したままフラスコをマグネチックスターラー(4.4 参照)を使用している場合

はその上に置き,1 時間かくはんする。マグネチックスターラーを用いない場合には,フラスコを 2 時間

静置し,吸収液中にガスを吸収させる。ときどきフラスコを振ると吸収が早くなる場合がある。

7.3.2

妨害物質の除去

7.3.2.1

妨害イオンがない場合には,フラスコの内容物を 250cm

3

ビーカー又はフラスコに注ぎ入れる。

燃焼フラスコ及び試料キャリアーの側面を 5cm

3

の水で洗い,洗浄液を上記と同じ 250cm

3

のビーカー又は

フラスコに入れる。

水洗を更に 2 回行う。溶液及び洗浄水を 100cm

3

の三角フラスコに集め,煮沸して過剰の過酸化水素を分解

させる。

溶液の体積が 5∼10cm

3

になるまで蒸発させ,滴定を行う(7.3.3 参照)。

7.3.2.2

妨害物質がある場合には,溶液をイオン交換カラム(4.6 参照)に通す。このとき,イオン交換

カラムを通った溶液が 1 秒間に 2∼3 滴の速さで 250cm

3

フラスコにたまるように活栓で調整する。フラス

コの側面,ストッパー,白金バスケットを水 5cm

3

ずつでそれぞれ 3 回洗浄し,洗浄液をイオン交換カラム

に通し,溶液を集めたときと同じ容器に回収する。洗浄後の最後の部分は上から圧力をかけるか,下から

吸引して流出させる。

7.3.3

滴定

7.3.3.1

試験液のアルコール分が 70∼90% (v/v)  となるように十分な量の 2-プロパノール(3.3 参照)を加

える。フラスコ内に回転子を入れ,フラスコをマグネチックスターラーの上に載せる。

7.3.3.2

トリン溶液(3.8.1 参照)を指示薬として用いる場合には,トリン溶液 2∼3 滴を加える。高輝度

ランプを用いる場合にはビーカーをランプの光が当たる場所に置く。マイクロビュレット(4.3 参照)を用

いて過塩素酸バリウム溶液(3.4 参照)を 1 滴ずつ滴下して滴定する。溶液が安定なピンク色を呈した点が

終点である。終点までに要した過塩素酸バリウム溶液の体積を 0.01cm

3

まで読み取る。

7.3.3.3

トリン・メチレンブルー混合指示薬(3.8.2 参照)を用いる場合には,トリン溶液(3.8.2.1 参照)

を 1 滴加え,更に試験液の色がだいだい色から黄色に変化するまで十分な量のメチレンブルー溶液(3.8.2.2

参照)を加える。メチレンブルー溶液を過剰に加えてはならない。メチレンブルー溶液が過剰の場合には

溶液が緑色を呈する。マイクロビュレット(4.3 参照)を用いて過塩素酸バリウム溶液(3.4 参照)を 1 滴

ずつ滴下して滴定する。溶液が安定なピンク色を呈した点が終点である。終点までに要した過塩素酸バリ

ウム溶液の体積を 0.01cm

3

まで読み取る。終点が近づいたら,1 滴加えるごとに 2∼3 秒放置し十分にかく

はんする。

7.4

空試験  試験片を加えずに同じ手順を繰り返し,空試験を行う。

8.

結果の表示

8.1

計算  全硫黄量の質量百分率は,次の式によって求める。

2

100

1

032

.

0

)

(

m

c

v

v

b

t

×

×

×

ここに,

v

b

空試験において滴定に要した過塩素酸バリウム溶液の
体積 (cm

3

)

v

t

試験片の滴定に要した過塩素酸バリウム溶液の体積 
(cm

3

)


7

K 6233-1 : 1998 (ISO 6528-1 : 1992)

c

過塩素酸バリウム溶液の濃度 (mol/dm

3

)

m

2

試験片の質量 (g)

0.032 1

1m mol

の硫黄の質量 (g)

各測定について硫黄量を 0.01% (m/m)  まで計算する。

繰返し精度に対する要求事項(8.2 参照)が満たされた場合には,2 回の定量結果の算術平均値を最終結

果とする。

硫黄量の平均値を 0.05% (m/m)  まで表示する。

8.2

繰返し精度  同じ測定者による 2 回の定量結果が表 に示す基準に適合する場合には,その結果を

採用することができる。

表 1  繰返し精度データ

全硫黄量の測定値の平均

% (m/m)

平均値からのずれ

% (m/m)

<1

±0.1

1

∼5

±0.2

>5

±0.3

試験結果 No.1

:全硫黄量 2.8%

(m/m)

試験結果 No.2

:全硫黄量 3.2%

(m/m)

平均値

:全硫黄量 3.0%

(m/m)

2

回の試験結果は全硫黄量の平均値 3.0% (m/m) の±0.2% (m/m) 以内に入っている。したがって,この

試験結果は採用することができる。

9.

試験報告書  試験報告書には,次の情報が含まれていなければならない。

a)

試料を完全に特定するために必要なすべての詳細情報。

b)

この規格を引用した旨の記述。

c)

規定された手順からの逸脱及び測定中に観察され,測定結果に影響を及ぼした可能性がある異常現象。

d)

  2

回の測定結果の平均値。


8

K 6233-1 : 1998 (ISO 6528-1 : 1992)

図 1  試験片を包む紙の形状

図 2  試験片を包む紙の切断形状(小型の白金バスケットを用いる場合)


9

K 6233-1 : 1998 (ISO 6528-1 : 1992)

図 3  酸素燃焼フラスコ法による硫黄の 

定量に用いる典型的な燃焼装置

図 4  酸素燃焼フラスコ法に用いる 

典型的な燃焼装置


10

K 6233-1 : 1998 (ISO 6528-1 : 1992)

附属書 A(参考)  参考文献

[1]

  BS 903-B6 : 1958 Methods of testing vulcanized rubber

−Part B6 : Total sulphur.

[2]

  ASTM D 297-81 Standard methods for rubber products

−Chemical analysis−Section 30 : Sulfur in rubber

products by oxygen flask combustion.

[3]

  FRITZ, J. S. and YAMAMURA, S. S. Anal. Chem, 27 (9) 1955. p.1461.

付表,引用規格(試薬)

JIS K 8180 

: 1994

  塩酸(試薬)

JIS K 8230 

: 1994

  過酸化水素(試薬)

JIS K 8548 

: 1996

  硝酸カリウム(試薬)

JIS K 8839 

: 1995

  2-プロパノール(試薬)

JIS K 8897 

: 1992

  メチレンブルー(試薬)

JIS K 8951 

: 1995

  硫酸(試薬)

JIS K 8987 

: 1995

  硫酸ナトリウム(試薬)

JIS K 9551 

: 1994

  過塩素酸バリウム(試薬)


11

K 6233-1 : 1998 (ISO 6528-1 : 1992)

ゴム製品分析方法原案作成委員会・分科会  構成表

氏名

所属

委員会

分科会

(委員長)

本  間  輝  武

神奈川工科大学応用化学科

(委員)

西  本  右  子

神奈川大学理学部

増  田      優

通商産業省基礎産業局化学製品課

大  嶋  清  治

工業技術院標準部材料規格課

中  室  輝  夫

工業技術院標準部材料規格課

橋  本  繁  晴

財団法人日本規格協会

鈴  木      守

社団法人日本ゴム協会

神  代      啓

社団法人日本化学工業協会

秋  山  節  夫

株式会社ブリヂストン研究部

永  武  寿  宏

横浜ゴム株式会社

浅  田  美佐子

株式会社ゼオン分析センター

伊  藤  政  幸

日本原子力研究所

小  野  茂  之 NOK 株式会社筑波技術研究所

鹿  庭  正  昭

国立衛生試験所療品部

塩  沢      功

鬼怒川ゴム工業株式会社

岩  田  知  晴

株式会社明治ゴム化成

福  岡      清

ニチアス株式会社鶴見研究所

橋  本  和  信

東海ゴム工業株式会社

中  村  修  蔵

株式会社興国ゴム技術研究所

栗  田  光  造

古河電気工業株式会社平塚研究所

中  村  博  雄

日本合成ゴム株式会社四日市工場

鈴  木  裕  次

財団法人化学品検査協会

(事務局)

三  須      武

社団法人日本化学工業協会

濱  島  俊  行

社団法人日本化学工業協会

伊  藤  茂  樹

財団法人化学品検査協会

◎委員長,分科会主査を示す。

文責  福岡  清