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K 6226-2

:2003

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本ゴム工業会(JRMA)/財団法人日本規格

協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の

審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 9924-2:2000,Rubber and rubber

products - Determination of the composition of vulcanizates and uncured compounds by thermogravimetry - Part 2:

Acrylonitrile-butadiene and halobutyl rubbers

を基礎として用いた。

JIS K 6226-2

には,次に示す附属書がある。

附属書 1(参考)精度

附属書 2(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS K 6226

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS K 6226-1

第 1 部:ブタジエンゴム,エチレンプロピレンゴム及びターポリマー,ブチルゴム,イ

ソプレンゴム,スチレンブタジエンゴム

JIS K 6226-2

第 2 部:アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR,XNBR,HNBR)及びハロゲン化ブチル

ゴム


K 6226-2

:2003

目  次

ページ

序文  1

1.

  適用範囲 1

2.

  引用規格 2

3.

  原理 2

4.

  試薬 3

4.1

  乾燥窒素  3

4.2

  乾燥空気又は乾燥酸素  3

5.

  試験装置 3

5.1

  熱重量測定装置 3

6.

  熱重量測定装置の検査  3

6.1

  パージ時間 tp の測定 3

6.2

  カーボンブラック及び炭酸カルシウムの識別 4

7.

  手順 5

8.

  試験結果の表示  5

8.1

  記録 5

8.2

  可塑剤及び非ゴム有機成分量の概算値の定量 6

8.3

  全有機成分  6

8.4

  カーボンブラック 8

8.5

  無機充てん剤及び灰分  8

9.

  試験報告書  8

附属書 1(参考)精度 9

附属書 2(参考)JIS と対応する国際規格との対比表 10 


日本工業規格

JIS

 K

6226-2

:2003

ゴム―熱重量測定による加硫ゴム及び未加硫ゴム組

成の求め方(定量)―第 2 部:アクリロニトリルブ

タジエンゴム(NBR,XNBR,HNBR)及びハロゲン化

ブチルゴム

Rubber and rubber products - Determination of the composition of

vulcanizates and uncured compounds by thermogravimetry -

Part 2: Acrylonitrile-butadiene and halobutyl rubbers

序文  この規格は,2000 年に第 1 版として発行された ISO 9924-2,Rubber and rubber products - Determination

of the composition of vulcanizates and uncured compounds by thermogravimetry - Part 2: Acrylonitrile-butadiene

and halobutyl rubbers

を翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変更の一覧

表をその説明をつけて,

附属書 2(参考)に示す。

警告  この規格の利用者は,通常の試験室での作業に精通しているものとする。この規格は,その使用に

関連して起こるすべての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。この規格の利用者は,各自の責

任において安全及び健康に対する適切な措置を取らなければならない。

1. 

適用範囲

1.1

この規格は,熱分解によって炭素質残さを生成するようなポリマーを含む未加硫ゴム配合物及び加

硫ゴム中の全有機成分,炭素質残さ,カーボンブラック及び灰分の定量に用いる熱重量測定法について規

定する(1.2 参照)。

なお,300  ℃付近までの質量減少量は,配合物の揮発成分量を表すおおまかな指標となる。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 9924-2:2000

,Rubber and rubber products - Determination of the composition of vulcanizates and

uncured compounds by thermogravimetry - Part 2: Acrylonitrile-butadiene and halobutyl rubbers

(MOD)

参考  精度について附属書 1(参考)に示す。原国際規格の制定時,我が国は精度測定に参加していない

ため,参考として記載した。


2

K 6226-2

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1.2

この方法は,

JIS K 6226-1

で規定されている炭化水素系ポリマーに未加硫ゴム配合物及び加硫ゴムに

加えて,熱分解で炭素質残さを形成する極性基をもつ次のような共重合体の未加硫ゴム配合物及び加硫ゴ

ムに適用する。

a)

アクリロニトリルブタジエン共重合体(NBR)

b)

カルボキシル化アクリロニトリルブタジエン共重合体(XNBR)

c)

水素化アクリロニトリルブタジエン共重合体(HNBR)

d)

塩素化イソブチレンイソプレン共重合体(CIIR)

e)

臭素化イソブチレンイソプレン共重合体(BIIR)

備考1.  この箇条で規定している以外のゴムについては,あらかじめ内容既知の未加硫ゴム配合物及

び加硫ゴムを用いて検討した結果,適用可能と判断できる場合は適用範囲に含んでもよい。

2.

この方法は,炭酸塩又は酸化アルミニウムの水和物など 25∼800  ℃で分解するような無機充

てん剤を含む試料の場合,あらかじめ充てん剤の挙動を把握する必要がある。

3.

JIS K 6229

によって定められている溶剤抽出を行っても,非ゴム有機成分が完全に除去でき

ない試料に対して全ポリマー量の測定には適用しない。

参考  以下,この規格においては、a),,b),c)をアクリロニトリルブタジエンゴム,d),e)をハロゲン

化ブチルゴムという。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発効年又は発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格

の規定を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。

JIS K 6226-1:2003

ゴム―熱重量測定による加硫ゴム及び未加硫ゴム組成の求め方(定量)―第 1 部:

ブタジエンゴム,エチレンプロピレンゴム及びターポリマー,ブチルゴム,イソプレンゴム,ス

チレンブタジエンゴム

JIS K 6229:1998

  ゴム―溶剤抽出物の定量

備考 ISO 

1407:1992

  Rubber - Determination of solvent extract からの引用事項は,この規格の該当

項目と一致している。

3. 

原理

3.1

質量を測定した試料を,あらかじめセットしたプログラムに従って窒素気流中で 40  ℃から 600  ℃

(すべての有機化合物が熱分解するまで)加熱する。この規格で取り扱うゴムが存在する場合は,その一

部は炭素質残さを形成するので,正確な全有機物量を得るためには,その炭素質残さの量を測定しなけれ

ばならない。

3.2

この目的のため,窒素気流中で加熱炉温度を 400  ℃まで下げ,400  ℃で 5 分間保持する。次にガス

を窒素から空気又は酸素に切り替え,加熱炉温度をゆっくりと 800  ℃まで上げる。空気又は酸素雰囲気下

で加熱する間に,燃焼によって次の 2 段階の質量減少が起こる。最初の燃焼は炭素質残さであり,その量

を求め,3.1 の窒素気流中 600  ℃における減少量に加えて,全有機物量を得る。2 段目は,通常のカーボン

ブラックの燃焼によるものである。

備考  非ゴム有機成分をすべて抽出することができるならば,全有機物量から JIS K 6229 によって求

められた溶剤抽出量を差し引いた値が全ゴム量になる。

3.3 800

℃での残さは,無機充てん剤及び灰分に相当する。


3

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4. 

試薬

4.1

乾燥窒素  酸素含有量が 10 mg/kg 未満のもの。

4.2

乾燥空気又は乾燥酸素

5.

試験装置

5.1

熱重量測定装置  多種類の熱重量測定装置が市販されている。すべての装置がこの規格の使用に適

しているはずであるが,6.によって適合性を確認してから使用することが望ましい。装置の校正及び操作

方法については,使用装置の取扱説明書に従う。熱重量測定装置は,次に示す基本要素からなる。

5.1.1

熱天びん

5.1.2

温度調節器付加熱炉

5.1.3

加熱炉用温度制御装置

5.1.4

切替器  窒素及び空気又は酸素を,あらかじめ定めた一定の流量で流すことができるように設計さ

れているもの。

5.1.5

X/Y

レコーダ  温度/質量曲線を記録するために用いる。又は,2 ペン式の Y/T レコーダを用いて

温度/時間曲線及び質量/時間曲線を同時に記録してもよい。温度/質量曲線,及び/又は,時間/質量

曲線を記録するためのソフトウェアが動作するデジタルデータ取込みステーションも適用できる。この場

合は,より正確に減少量を計算できる。

5.1.6

微分曲線を描くための補助装置(この規格では必須)

5.1.7

化学天びん  0.1 mg までひょう量できるもの。

6.

熱重量測定装置の検査

6.1

パージ時間 t

p

の測定

6.1.1

使用装置の取扱説明書に従って,カーボンブラック又はカーボンブラックを配合したゴム試料を熱

天びんの試料ホルダに置き,加熱炉を用いて窒素雰囲気下で温度制御装置によって最大昇温速度で 650  ℃

まで加熱する。

6.1.2

温度を 650  ℃に保持したまま,空気又は酸素を加熱炉内に流入して試料を完全に燃焼させる。

6.1.3

質量の変化が認められなくなってから加熱炉のヒータを切り,空気又は酸素を流したまま室温まで

放冷する。この時点で加熱炉は,空気又は酸素でパージされている。次の操作は,完全に元の不活性な窒

素雰囲気に戻すために必要な時間 t

p

を決めるために行う。

6.1.4

加熱炉温度が 25  ℃±5  ℃まで下がったとき,使用装置の取扱説明書に従って質量既知の新たなカ

ーボンブラック試料を,熱天びんの試料ホルダに置き,装置を閉じる。

6.1.5

時刻 t

1

を記録し,窒素ガスに切り替え加熱炉温度を 10  ℃/min で 650  ℃まで昇温し,その温度に保

つ。

6.1.6

熱重量測定装置の質量記録を観察し,質量の減少を示さなくなった時刻 t

2

を記録する。

備考  質量減少は,加熱中のカーボンブラックが完全に燃焼してしまう前に一定にならなければなら

ない。したがって,測定後に試料容器にカーボンブラックが残っていることを目視で確認する。

6.1.7

装置内の経路からすべての酸素を追い出すのに要するパージ時間 t

p

は,次の式から得られる。

1

2

p

t

t

t

=

6.2

カーボンブラック及び炭酸カルシウムの識別


4

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6.2.1

炭酸カルシウムは,800  ℃まで加熱すると酸化カルシウムに変化する。カーボンブラックは窒素雰

囲気下では,この温度まで熱的に安定である。ただし,空気又は酸素雰囲気下ではカーボンブラックは

800

℃で酸化され二酸化炭素になる。

6.2.2

酸素濃度が十分低い窒素ガスを使用し,6.1 で得られたパージ時間 t

p

より十分に長く装置内をパー

ジする。装置に漏れがなく,すべての二酸化炭素をサンプルチャンバから確実に排気するガス流量であれ

ば,問題なくカーボンブラックと炭酸カルシウムとを区別し,個々に測定できる。熱重量測定装置の作動

状態の確認は,次に示す方法で行う。

6.2.3

炭酸カルシウム(分析用)と,カーボンブラック(入手可能なものの中で最高純度のものを用いる。)

を等量(質量差が 1  %以下)となるようにはかりとり,一緒にすりつぶす。

備考  炭素含有量が低いカーボンブラックを使用すると測定値の誤差原因となるので,純度 96  %以

上のものを使用する。

6.2.4

装置を窒素ガスでパージ時間 t

p

 (6.1

参照)より 10 分間長くパージする。

6.2.5

レコーダのスイッチを入れ,加熱炉温度を 25  ℃±5  ℃に設定する。

6.2.6

使用装置の取扱説明書に示されている最適量のカーボンブラック/炭酸カルシウム(6.2.3 参照)の

混合物を,熱天びんの試料ホルダに置き,装置を閉じる。

6.2.7

使用装置の取扱説明書に従ってあらかじめ定めた一定流量の窒素を流し,装置内をパージする。窒

素ガスによるパージはパージ時間 t

p

 (6.1

参照)よりも長い時間行う。

参考  窒素パージが不十分で,酸素又は空気が残っていると測定値の誤差原因となる。

6.2.8 10

℃/min で 800  ℃まで加熱炉温度を上げる。

6.2.9

質量/温度曲線(又は質量/時間曲線)上で質量が一定になるまで加熱炉温度を 800  ℃に保つ。

6.2.10

雰囲気ガスを窒素から空気又は酸素に切り替える。試料の見掛け質量に変化を及ぼさないようにガ

ス流量を調節する。この操作は,密度の異なる混合ガス中での試料容器と試料の浮力の変化を補正するた

めに行う。

備考 800 ℃のまま,雰囲気ガスを窒素から空気又は酸素に切り替えると,急激な燃焼が起こる場合

があるため,一度,加熱炉温度を 300  ℃まで下げ雰囲気ガスを窒素から空気又は酸素に切り替

えた後,加熱炉温度を 800  ℃に上げるほうが望ましい。

6.2.11

加熱炉温度を 15 分間又は質量が一定になるまで 800  ℃に保つ。

6.2.12

加熱炉のヒータを切り,ガスを空気又は酸素から窒素に切り替える。レコーダのスイッチを切り,

次の測定準備のため試料ホルダから残留灰分を取り除く。

この操作は,

次の測定に入るための準備である。

6.2.13  2

種の異なった雰囲気における質量変化の比 を,次の式から求める。

2

1

∆m

∆m

R

=

ここに,

m

1

窒素雰囲気下の質量減少(又はチャート紙の目盛)

m

2

空気又は酸素雰囲気下での質量減少(又はチャート紙の目盛)

6.2.14  R

の値は,0.44±0.022 でなければならない。この条件が満たされた場合は,その装置は十分に機

能しているものとする。

参考 0.44 は炭酸カルシウム中の二酸化炭素の質量比であり,±0.022 はばらつき範囲±5  %を意味し

ている。

7.

手順


5

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7.1

熱天びん及びレコーダのスイッチを入れ,加熱炉温度を 40  ℃に設定する。

7.2

薄く板状にした試料を 0.1 mg まではかりとり,熱天びんの試料ホルダに置く。試料の採取量は,装

置の取扱説明書に記載されている最適量に従うが,通常 4∼10 mg である。

備考  装置によっては,試料挿入後にレコーダを 100  %に合わせることができる機種もある。この場

合は,質量をあらかじめ正確にはかっておく必要はない。

7.3

装置を閉じ,使用装置の取扱説明書に示されている一定流量の窒素ガスを流し,系内の酸素を追い

出す。窒素ガスによるパージは,パージ時間 t

p

 (6.1

参照)よりも長い時間をかけて行う。

備考  窒素雰囲気下での加熱中に装置内に微量の空気又は酸素が存在すると,誤った結果を導くこと

があり,600  ℃での加熱中にカーボンブラック配合試料では恒量を得ることができなくなるの

で注意が必要である。また,パージ時間を短縮するためには,用いていないときも装置内に窒

素ガスを流し続けることが望ましい。

7.4

窒素雰囲気下,加熱炉の温度を昇温速度 20  ℃/min で 600  ℃まで上げる。温度が 600  ℃に達したと

き,ポリマーは完全に熱分解され,質量/温度曲線上で,質量が一定でなければならない。一定でない場

合,質量が一定になるまで,温度を 600  ℃に保つ。

7.5

窒素雰囲気下,加熱炉の温度を 600  ℃から 400  ℃に下げ,400  ℃で 5 分間保つ。

7.6

窒素ガスを止めて,空気又は酸素に切り替える。次に浮力の変化を補正するため,試料の見掛け質

量に変化が認められないように全体のガス流量を調整する。

7.7

加熱炉の温度を昇温速度 10  ℃/min で 400  ℃から 800  ℃まで上げる。

7.8

加熱炉の温度を 5 分間又は質量が一定になるまで 800  ℃に保つ。

7.9

加熱炉のヒータを切った後,窒素ガスによって空気又は酸素を置換する。レコーダのスイッチを切

り,加熱炉温度が十分に下がった後,試料容器内の灰分の色を確認する。

備考 800 ℃において質量が一定にならない場合や,灰分の色が黒い場合,黒鉛ブラックが含まれて

いることが考えられ,この方法は適用できない。

8.

試験結果の表示

8.1

記録  各配合成分の含有量の計算に必要な,次の 2 種の記録を作成する。

a)

温度に対する質量分率(%)の減少曲線  (

図 1  曲線 1)

b)

質量変化の温度微分曲線

T

d

)

%

(

d

分率

  (

図 1  曲線 2)

備考1.  図 は,アクリロニトリルを 33  %(質量分率)含有するアクリロニトリルブタジエン共重合体

の分析結果である。窒素中で NBR の熱分解によって生じた炭素質残さの質量減少は,空気

又は酸素雰囲気下における熱分解の初期に現れる。

2.

温度微分曲線の代わりに時間微分曲線を用いてもよい。

8.2

可塑剤及び非ゴム有機成分量の概算値の定量

8.2.1

曲線 2 における最初の極大値(

図 点 A)は,窒素中での揮発成分(主に可塑剤と非ゴム有機成分)の

質量減少の変化率が最大の点に対応する。この極大後の谷(点 B)を,これらの成分の熱分解の終点とする。


6

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8.2.2

曲線 2 上の点 B から真上に線を引き,曲線 1 との交点 B′を求め,その点の質量分率(%)を読み

取る。必要ならば,どちらか一方の曲線を少し Y 軸方向にシフトさせてもよい。点 B′と 100  %との差(P1)

が,可塑剤を含む揮発成分の質量分率(%)である。この温度範囲で,揮発成分の質量減少と重合体の低

分子量成分の質量減少とが重なる場合があるので,得られた可塑剤及び非ゴム有機成分量は,概算値であ

る。

8.3

全有機成分

8.3.1

炭化水素系ポリマー

8.3.1.1

曲線 2 の二番目の極大値(点 C)では,窒素雰囲気下での炭化水素の質量減少の変化率が最大の点

に対応する。非ゴム有機成分と同様に,この極大後の谷(点 D)を,窒素雰囲気下 600  ℃で,ゴムが完全に

熱分解した点とみなす。

8.3.1.2

曲線 2 の点 D から真上に線を引き,曲線 1 との交点である点 D′を求め,その点の質量分率(%)

を読み取る。100  %と点 D′の読取値との差 (P1+P2) が,全有機成分の質量分率(%)である。

8.3.1.3

全ゴム含有量は,

全有機成分から,

JIS K 6229

によって求めた溶剤抽出量を差し引いて算出する。

ただし,非ゴム有機成分は,この方法ですべて抽出できるものでなければならない。

8.3.2

アクリロニトリルブタジエンゴム及びハロゲン化ブチルゴム

8.3.2.1

アクリロニトリル又はハロゲンを含有するゴムは,窒素中で完全に熱分解せず,少量の炭素質残

さが残る。炭素質残さを完全に燃焼させるために,いったん,加熱炉を 400  ℃まで冷却し,ガスを窒素か

ら空気又は酸素に切り替える。次に,加熱炉の温度を 800  ℃まで上げ,質量が一定になるまで 800  ℃に保

つ。これによって追加された質量分率(%)の減少分が,炭素質残さの熱分解に対応する。

8.3.2.2

アクリロニトリルブタジエンゴム及びハロゲン化ブチルゴムの微分曲線は,上述した窒素雰囲気

下での熱分解ピークの後,空気又は酸素雰囲気下での熱分解の初期に,やや小さいピークを示す(点 E)。

この点は,窒素ガス中の熱分解によって生成した炭素質残さの酸化雰囲気中での質量減少の変化率が最大

の点に対応する。ここで求めた炭素質残さの寄与は,全有機成分 (P1+P2) に加える。

8.3.2.3

微分曲線上の炭素質残さの極大後の谷(点 F)から真上に線を引き,質量減少曲線との交点である

点 F′を求め,その点の質量分率(%)を読み取る。100  %と点 F′の読取値との差 (P1+P4) が,補正さ

れたアクリロニトリルブタジエンゴムとハロゲン化ブチルゴムとの全有機物の質量分率(%)である。

備考  炭素質残さの量は,図 の P3 から求める。

8.3.2.4

全ゴム含有量は,

全有機成分から,

JIS K 6229

によって求めた溶剤抽出量を差し引いて算出する。

ただし,非ゴム有機成分は,この方法ですべて抽出できるものでなければならない。


7

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温度(℃)

曲線1

曲線2

P1

P2

P3

P4

P5

P6

B'

A

B

F

E

D

H'

H

C

D'

G

F'

100

75

50

25

0

100

200

300

400

500

600

700

0

(

%

)

(

図の説明)

曲線 1  主曲線(質量/温度) 
曲線 2  温度微分曲線

可塑剤及び非ゴム有機成分含有率の定量  (8.2 参照) 
A

微分曲線の最初の極大

B

点 A の後の最初の谷

B

′微分曲線の点 B に対応する主曲線上の点

P1

揮発分[質量分率(%)]

炭化水素系ポリマー分の定量  (8.3.1 参照) 
C

微分曲線上の第二の極大

D

微分曲線上の第二の谷

D

′微分曲線の点 D に対応する主曲線上の点

P2

炭化水素系ポリマー分[質量分率(%)]

アクリロニトリルブタジエンゴム及びハロゲン化ブ
チルゴム分の定量  (8.3.2 参照) 
E

微分曲線上の第三の極大

F

微分曲線上の第三の谷

F

′微分曲線の点 F に対応する主曲線上の点

P3

炭素質残さ[質量分率(%)]

P4

アクリロニトリルブタジエンゴム及びハロゲン化

ブチルゴム分[質量分率(%)]

カーボンブラックの定量  (8.4 参照) 
G

微分曲線上の第四の極大

H

微分曲線上の第四の谷

H

′微分曲線の点 H に対応する主曲線上の点

P5

カーボンブラック含有率[質量分率(%)]

無機充てん剤及び灰分の定量  (8.5 参照) 
P6

無機充てん剤及び灰分含有率[質量分率(%)]

  1  質量/温度曲線


8

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8.4

カーボンブラック

8.4.1

空気又は酸素中で 800  ℃まで加熱したとき,すべての炭素質残さが熱分解した後の質量分率(%)

の減少分が,試料中のカーボンブラック分である。

8.4.2

空気又は酸素雰囲気下において,アクリロニトリルブタジエンゴムとハロゲン化ブチルゴムの炭素

質残さの燃焼によるピークより高温で現れる微分曲線の極大値(点 G)は,カーボンブラックの質量減少の

変化率が最大の点に対応する。

8.4.3

上述のように,この極大(点 G)の後の谷(点 H)をカーボンブラックの燃焼が完了した点とみなす。

この点から真下に線を引き,質量減少曲線との交点である点 H′の質量分率(%)を読み取る。点 H′の値

と,全有機成分及び炭素質残さの燃焼が終了した点(点 F′)の値との差が,カーボンブラックの質量分率

(

%) (P5)である。

8.5

無機充てん剤及び灰分

8.5.1

ここでは,800  ℃で熱的に安定な無機配合物だけの質量分率(%)が求まる。これには,炭酸塩の充

てん剤や,無機配合物の水和水は含まれない。

8.5.2

空気又は酸素中での燃焼終了後(点 H′)に試料容器に残った残さは,脱水又は変性した無機充てん

剤,並びにより低い温度で熱分解した各種有機及び無機成分由来の灰分である。したがって,脱水及び変

性した無機充てん剤,並びに灰分の質量分率(%) (P6)が得られる。

8.5.3

カオリン,炭酸カルシウム,シリカ又は水和アルミナのような無機充てん剤を含有する組成物では,

P6

に対して,(あらゆる形態の)水分の質量減少及び熱分解生成物(例えば,炭酸カルシウムからの二酸化炭

素)の質量減少を補正する必要がある。この補正は,既知の配合物を同じ手順で測定して行う。吸着水の質

量減少は,100  ℃以上の温度での測定全体に影響する。この質量減少の大きさは,充てん剤だけの測定に

よって,全測定温度域にわたって調べておく必要がある。

9.

試験報告書  試験報告書には,次の事項を含む。

a)

試料の特定に必要なすべての必要事項

b)

この規格を引用した旨の記述

c)

得られた結果

d)

この規格又はこの規格が引用する規格に含まれない操作で,結果に影響を及ぼした可能性のある測定

操作についての記述

e)

測定日


9

K 6226-2

:2003

附属書 1(参考)精度

この

附属書(参考)は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

1.

この方法の精度は,ISO/TR 9272 に基づき決定した。この方法の精度は,1 種類のアクリロニトリル

ブタジエン共重合体,及び可塑剤とカーボンブラックの種類と含有量が異なる組成物を含む 7 種類の組成

物を,7 か所の試験室間でラウンドロビンテストを実施した。測定は,それぞれの材料について 2 回実施

し,次の精度データを得た。

2.

繰返し性  同一測定者,同一試料に対して同一操作条件のもと同じ装置を用いて 2 回測定した。長期

的に見ると,通常及び適正な測定において試験結果の差異が

附属書 表 の値を超えるのは,20 測定中 1

回にすぎない。

附属書   1

項目

繰返し性

全有機成分[質量分率(%)] 1.18

カーボンブラック[質量分率(%)]

0.61

炭素質残さ[質量分率(%)] 0.94

灰分[質量分率(%)] 1.00

3.

再現性  同一試料に対して異なる試験室に所属する測定者によって 2 回測定した。長期的に見ると,

通常及び適正な測定において試験結果の差異が

附属書 表 の値を超えるのは,20 測定中 1 回にすぎない。

附属書   2

項目

再現性

全有機成分[質量分率(%)] 2.92

カーボンブラック[質量分率(%)]

1.90

炭素質残さ[質量分率(%)] 2.89

灰分[質量分率(%)] 2.70

関連規格  ISO/TR 9272:1986,  Rubber and rubber products―Determination of precision for test method

standards


10

K 6226-2

:2003


11

K 6226-2

:2003

附属書 2(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS K 6226-2 : 2003

  ゴム―熱重量測定による加硫ゴム及び未加硫ゴム組成の求め方(定

量)―第 2 部:アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR,XNBR,HNBR)及びハロゲン
化ブチルゴム

ISO 9924-2 : 2000

  ゴム及びゴム製品―熱重量測定による加硫ゴム及び未加

硫ゴム組成の求め方―第 2 部:アクリロニトリルブタジエンゴム及びハロゲ
ン化ブチルゴム

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅱ)  国際

規格番号

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の

項目ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:点線の下線

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異の理

由及び今後の対策

項目 
番号

内容

項目 
番号

内容

項目ごとの
評価

技術的差異の内容

1.

適用 範

1.

IDT

JIS

では,次の事項を

“参考”として追加し

た。 
1) 1.2

ゴムの表記方法

2.

引用 規

JIS K 6229 

2.

ISO/TR 9272 

MOD/

削除

“精度”の項目を附属
書 1

(参考)

としたため,

本体の引用規格項から

削除し,関連規格とし
た。

3.

原理

3.

IDT

4.

試薬

4.

IDT

10

K 6226-2


2003

K 6226-2


2001


12

K 6226-2

:2003

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅱ)  国際

規格番号

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の

項目ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:点線の下線

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異の理

由及び今後の対策

項目

番号

内容

項目

番号

内容

項目ごとの

評価

技術的差異の内容

5.

試験 装

5.

IDT

6.

熱重 量

測定装置

の検査

6.

MOD/

追加

JIS

では,次の事項を

“備考”として追加し

た。

1) 6.2.3

カーボンブラ

ックの純度

2) 6.2.10

加熱炉の温度

操作

次回、ISO の見直し時に提案する。 

次回、ISO の見直し時に提案する。

7.

手順

7.

MOD/

追加

JIS

では,次の事項を

“備考”として追加し
た。

1) 7.9

適用除外

次回、ISO の見直し時に提案する。

8.

試験 結

果の表示

8.

MOD/

選択

JIS

では,次の事項を

“備考”として追加し
た。 
1) 8.1

微分曲線の種類

ISO

と技術的差異はない。

9.

試験 報

告書

10.

IDT

  −

        −

9.

熱 重 量 測 定 法 の 精 度
について規定。

MOD/

削除

我が国は,

ITP

に参加し

ておらず,内容が分か
らないため,ISO の規

定事項を削除し JIS で
は附属書(参考)とし
た。

JIS K6226-1

と形式をそろえるため

構成の変更を行った。

附属書 1
(参考)

熱 重 量 測 定 法 の 精 度に つ
いて記述。

我が国は,

ITP

に参加し

ておらず,内容が分か

らないため,ISO の規
定事項を削除し JIS で

K 6226-2


2001

11

K 6226-2


2003


13

K 6226-2

:2003

は附属書(参考)とし
た。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD

備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  IDT………………  技術的差異がない。

    ―  MOD/削除………  国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
    ―  MOD/追加………  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
    ―  MOD/変更………  国際規格の規定内容を変更している。

2. JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  MOD……………  国際規格を修正している。

12

K 6226-2


2003

K 6226-2


2001