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K 6220-3:2018  

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 略語及び化学成分名 ·········································································································· 2 

5 試料採取方法 ··················································································································· 2 

6 純度の測定方法 ················································································································ 2 

6.1 一般 ···························································································································· 2 

6.2 ガスクロマトグラフ法(GC法)による純度の測定方法 ························································ 2 

6.3 高速液体クロマトグラフ法(HPLC法)による純度の測定方法 ··············································· 5 

附属書A(参考)PPD系老化防止剤の純度試験方法の精度 ··························································· 9 

附属書JA(参考)PPD系老化防止剤のガスクロマトグラム ························································ 11 

附属書JB(参考)老化防止剤の代表的な品質特性値 ·································································· 14 

附属書JC(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 15 

K 6220-3:2018  

(2) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

ゴム工業会(JRMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を

改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格で

ある。これによって,JIS K 6220-3:2001は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS K 6220の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS K 6220-1 ゴム用配合剤−有機薬品−試験方法−第1部:全般 

JIS K 6220-2 ゴム用配合剤−有機薬品−試験方法−第2部:スルフェンアミド促進剤 

JIS K 6220-3 ゴム用配合剤−有機薬品−試験方法−第3部:パラフェニレンジアミン(PPD)系老化

防止剤 

JIS K 6220-4 ゴム用配合剤−有機薬品−第4部:略語 

日本工業規格          JIS 

K 6220-3:2018 

ゴム用配合剤−有機薬品−試験方法−第3部: 
パラフェニレンジアミン(PPD)系老化防止剤 

Rubber compounding ingredients-Organic chemicals-Test methods- 

Part 3: p-Phenylenediamine antidegradants (PPDs) 

序文 

この規格は,2017年に第2版として発行されたISO 11236を基とし,技術的内容を変更して作成した日

本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,附属書JCに示す。 

適用範囲 

この規格は,ゴム用配合剤として使用するパラフェニレンジアミン系老化防止剤(以下,PPD系老化防

止剤という。)の純度の試験方法について規定する。 

警告 この規格の利用者は,通常の実験室の作業に精通していることを前提とする。この規格は,こ

の使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。 

この規格の利用者は,各自の責任において安全及び健康に対する適切な措置をとらなければ

ならない。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 11236:2017,Rubber compounding ingredients−p-Phenylenediamine antidegradants (PPDs)−Test 

methods(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門) 

JIS K 5600-1-2 塗料一般試験方法−第1部:通則−第2節:サンプリング 

注記 対応国際規格:ISO 15528,Paints, varnishes and raw materials for paints and varnishes−Sampling 

JIS K 6220-4 ゴム用配合剤−有機薬品−第4部:略語 

JIS K 8032 アセトニトリル(試薬) 

JIS K 8109 2-アミノエタノール(試薬) 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

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用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 0211による。 

略語及び化学成分名 

この規格で用いるPPD系老化防止剤の略語及び化学成分名は,JIS K 6220-4による。 

試料採取方法 

試料の採取は,JIS K 5600-1-2によって行う。 

純度の測定方法 

6.1 

一般 

純度の測定方法は,ガスクロマトグラフ法(GC法)及び高速液体クロマトグラフ法(HPLC法)の二つ

の方法がある。 

6.2 

ガスクロマトグラフ法(GC法)による純度の測定方法 

6.2.1 

概要 

この試験方法は,試料をガスクロマトグラフ(GC)によって分析し,得られたクロマトグラムから,被

検成分のピーク面積をデータ処理装置を用いて算出し,面積百分率法によって純度を求める。測定方法は,

使用するカラムによって次の二つの方法がある。 

a) A法 充塡カラムを使用する方法 

b) B法 キャピラリーカラムを使用する方法 

6.2.2 

A法 

6.2.2.1 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。 

a) ガスクロマトグラフ 熱伝導度検出器(TCD)付きで,高性能の温度プログラムを備えたもの。 

注記 TCDが望ましいが,ガス流量と試料の注入量とを適切に調整できる場合,水素炎イオン化検

出器(FID)も使用できる。 

b) 充塡カラム 充塡カラムは,次による。 

1) カラム 1.8 m×3.54 mm(内径)のガラスカラム。 

2) 液相 メチルシリコン(質量分率100 %純度):液相含浸率質量分率10 % 

3) 担体 粒径0.15〜0.18 mm(100〜80メッシュ)のけい(珪)藻で,酸で洗浄した後,シラン処理を

したもの。 

4) 前処理 充塡カラムは,20 cm3/minのヘリウムを流しながら2〜3 ℃/minの昇温速度で室温から

350 ℃まで昇温させ,350 ℃に保持して一晩空焼きをする。このとき,カラムは検出器につながず,

ヘリウムをTCDに導入しないようにする。また,TCDの電源は切っておく。 

5) 理論段数 理論段数(N)は,次の式(1)によって算出する。 

表1の条件で6PPDのピークを測定するとき,理論段数は,5 000段以上を必要とする。 

()

()

2

5.0

R

5.5×

=

Y

X

 ······································································ (1) 

ここに, 

N: 理論段数 

background image

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X (R): 注入からピークの保持時間までのチャート紙上の長さ

(mm) 

Y (0.5): ピークの半値幅(mm) 

c) データ処理装置 クロマトグラム,保持時間,ピーク面積又はピーク高さなどが表示できるもの。 

d) 全量フラスコ 容量10 cm3のもの。 

e) 乳鉢及び乳棒 

f) 

はかり 1 mgの桁まではかることができるもの。 

g) マイクロシリンジ 適切な容量のもの。 

6.2.2.2 

試料の調製 

試料の調製は,次による。 

なお,調製は,試料を計量する前に行う。 

a) 固体の場合は,均一になるように乳鉢ですり潰す。 

b) 固体と液体とが混在している場合は,分解しない温度で加温し,時々かき混ぜながら液体にする。 

注記 代表的な老化防止剤の品質特性値を,附属書JBに示す。 

6.2.2.3 

GC条件 

GC条件は,表1による。 

表1−A法のGC条件 

ヘリウム流量 cm3/min 

50 

注入口温度 ℃ 

300 

昇温開始カラム温度 ℃ 

100 

カラム昇温速度 ℃/min 

最終到達カラム温度 ℃ 

350 

検出器温度 ℃ 

350 

検出器 

TCD 

6.2.2.4 

試験方法の手順 

試験方法の手順は,次による。 

a) 試料約2.5〜3.0 gをはかりとり,10 cm3の全量フラスコに入れ,塩化メチレンで溶解したものを試料

溶液とする。 

b) 装置が表1の分析開始条件に達したときに,試料溶液5.0 mm3をマイクロシリンジでガスクロマトグ

ラフに注入し,測定を開始する。オートサンプラーを用いて注入してもよい。 

注記1 径の小さいカラムを使用するとき,ガス流量と試料の注入量との調整は,カラムの断面積

比に比例して行うとよい。 

c) 試験終了後,クロマトグラムを解析する。 

d) 試験は,同じ試料について2回行う。 

注記2 A法によるガスクロマトグラムの例を,附属書JAに示す。 

6.2.3 

B法 

6.2.3.1 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。 

a) ガスクロマトグラフ 水素炎イオン化検出器(FID)付きの高性能温度プログラムを備えたものとし,

かつ,次による。 

background image

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1) 内径0.25 mmのキャピラリーカラムを使用する場合は,スプリット導入装置を必要とする。 

2) ワイドボアキャピラリーカラム(内径0.53 mm)の場合は,コールドオンカラム導入装置が望まし

い。 

b) キャピラリーカラム 次の標準キャピラリーカラム又はワイドボアキャピラリーカラムを用いる。 

1) 標準キャピラリーカラム 30 m×0.25 mm(内径)の溶融シリカキャピラリーカラムの内壁に,膜

厚0.25 μmのメチルシリコンをコーティングしたもの。 

2) ワイドボアキャピラリーカラム 15 m×0.53 mm(内径)の溶融シリカキャピラリーカラムの内壁

に,膜厚3.0 μmの5 %フェニルシリコン(HP-5又は同等品)をコーティングしたもの。 

c) データ処理装置 クロマトグラム,保持時間,ピーク面積又はピーク高さなどが表示できるもの。 

d) 全量フラスコ 容量10 cm3のもの。 

e) 乳鉢及び乳棒 

f) 

はかり 1 mgの桁まではかることができるもの。 

g) マイクロシリンジ 適切な容量のもの。 

6.2.3.2 

試料の調製 

試料の調製は,6.2.2.2による。 

6.2.3.3 

GC条件 

GC条件は,表2による。 

表2−B法のGC条件 

標準キャピラリーカラム 

ワイドボアキャピラリーカラム 

カラムサイズ 長さ(m)×内径(mm) 

30×0.25 

15×0.53 

固定相 

結合形メチルシリコン 

結合形5 %フェニルシリコン 

膜厚 μm 

0.25 

3.0 

キャリヤーガス 

ヘリウム 

ヘリウム 

線速度(100 ℃) m/s 

0.34 

− 

流量 cm3/min 

1.0 

30 

ヘッド圧力(ゲージ) kPa 

60 

− 

検出器 

FID 

FID 

検出器温度 ℃ 

300 

300 

注入口温度 ℃ 

300 

オーブントラッキング 

水素流量a) cm3/min 

30 

30 

空気流量a) cm3/min 

300 

300 

付加ガス 

窒素又はヘリウム 

窒素又はヘリウム 

付加ガス流量a) cm3/min 

29 

10 

スプリット比 

180:1 

− 

カラム温度 
プログラム 

設定1 

設定2 

設定3 

昇温開始カラム温度 ℃ 

42 

35 

240 

カラム昇温速度 ℃/min 

15 

最終到達カラム温度 ℃ 

300 

240 

290 

最終温度保持時間 min 

22 

17 

注入量 mm3(μL) 

0.4 

試料濃度 mg/cm3 

10 

溶剤 

塩化メチレン 

塩化メチレン 

注a) 機種が異なる場合の流量に関しては,装置の取扱説明書を参照。 

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6.2.3.4 

試験方法の手順 

試験方法の手順は,次による。 

a) 表2の条件に従って試料溶液を調製する。 

b) 装置が表2の分析開始条件になったとき,試料溶液をマイクロシリンジでガスクロマトグラフに注入

し,測定を開始する。オートサンプラーを用いて注入してもよい。 

c) 試験終了後,クロマトグラムを解析する。 

d) 試験は,同じ試料について2回行う。 

6.2.4 

計算 

次の式(2)によって,純度を算出する。 

100

T

C

1

×

=AA

P

 ············································································ (2) 

ここに, 

P1: 被検成分の相対面積比による純度(%) 

AC: 被検成分のピーク面積 

AT: 全成分のピーク面積 

6.2.5 

試験結果の表し方 

試験結果は,JIS Z 8401によって丸め,小数点以下1桁で表す。 

6.2.6 

試験精度 

試験精度は,附属書Aを参照する。 

6.2.7 

試験報告書 

試験報告書は,次の事項を含まなければならない。 

a) この規格の名称及び番号 

b) 試料の履歴 

c) 試験方法 

d) 試験条件 

e) 試験結果(2回の測定値及び平均値) 

f) 

この規格に含まれない操作及び測定中に認められた異常事項 

g) 試験年月日 

6.3 

高速液体クロマトグラフ法(HPLC法)による純度の測定方法 

6.3.1 

概要 

この試験方法は,試料を高速液体クロマトグラフ(HPLC)によって分析し,得られたクロマトグラム

から,被検成分のピーク面積をクロマトデータ処理装置で算出し,外部標準法によって純度を求める。 

注記 外部標準法は,測定した試料のピーク面積に換算値を乗じ,それを試料濃度で除して被検成分

の含有量を計算する方法である。 

6.3.2 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。 

a) 高速液体クロマトグラフ 次の装置で構成されるもの。 

1) 注入器 規定の試料溶液を正しく注入できるもの。オートサンプラーを用いてもよい。 

2) カラム槽 25 ℃に保つための温度制御機構をもつもの。 

3) プレカラム ODSカラム,35〜50 μm(粒径) 

4) 分析カラム ODSカラム,3〜5 μm(粒径),150 mm(長さ)×4.6 mm(内径) 

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5) 検出器 波長可変型紫外吸光検出器。 

6) データ処理装置 

b) はかり 0.1 mgの桁まではかることができるもの。 

c) 振とう器又は超音波洗浄器 

d) 全量フラスコ 100 cm3のもの。 

e) スクリュー管瓶 150 cm3のもの。 

f) 

マイクロシリンジ 2 cm3のもの。 

g) 乳鉢及び乳棒 

6.3.3 

試薬 

試薬は,次による。 

a) アセトニトリル JIS K 8032に規定するHPLC用のもの。 

警告 アセトニトリルは,有毒な引火性溶剤であるため,取扱いには十分注意する。 

b) 2-アミノエタノール JIS K 8109に規定するHPLC用のもの。 

c) 純水 HPLC用のもの又は抵抗値が200 MΩ・m以上のもの。 

d) 標準物質 適切な方法で精製されたもの。 

6.3.4 

試験方法の手順 

6.3.4.1 

HPLC条件 

HPLC条件は,次による。 

a) 移動相及び流量 用いるカラム又は測定する試料によって,移動相の組成及び流量の条件を決める。

移動相は,アセトニトリルと純水とを混合したものに,2-アミノエタノールを加え,使用前に脱気し

ておく。移動相の組成及び流量は,試料の種類によって異なる。 

表3に,試料の種類の違いによる移動相の組成及び流量の例を示す。 

b) 分配係数及び分離度 PPD系老化防止剤を分析するには,被検成分での分配係数(k')が3〜15の間

で,かつ,被検成分と不純物との分離度RSが1より大きくなるように,移動相の組成と流量とを調整

する。異なるカラムを使用する場合は,それに合った移動相を用いる。 

c) 分配係数k'の計算 分配係数k'は,次の式(3)によって求める。 

S

S

A

t

t

t

k

=

 ··············································································· (3) 

ここに, 

k': 分配係数 

tA: 被検成分の保持時間 

tS: 溶媒の保持時間 

d) 分離度RSの計算 分離度RSは,次の式(4)によって求める。 

2

w

1

w

1

2

S

2

t

t

t

t

R

+

×

=

 ········································································ (4) 

ここに, 

RS: 分離度 

t1: 被検成分の保持時間 

t2: 被検成分の前後に溶出する不純物のうち,被検成分との

溶出時間の差が小さい不純物の保持時間 

tw1: 被検成分のピーク高さの10 %のところの幅 

tw2: 被検成分の前後に溶出する不純物のうち,被検成分との

溶出時間の差が小さい不純物のピーク高さの10 %のと
ころの幅 

background image

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6.3.4.2 

試料の調製 

試料の調製は,次による。 

なお,調製は試料を計量する前に行う。 

a) 固体の場合は,均一になるように乳鉢ですり潰す。 

b) 固体と液体とが混在している場合は,分解しない温度で加温し,時々かき混ぜながら液体にする。 

注記 老化防止剤の代表的な品質特性値を,附属書JBに示す。 

6.3.4.3 

試料溶液の調製 

試料溶液の調製は,次による。 

なお,試料溶液は,2個準備する。 

a) 試料約20 mgを150 cm3のスクリュー管瓶に0.1 mgの桁まではかりとる。 

b) アセトニトリル80 cm3をスクリュー管瓶に加え,振とう器又は超音波洗浄器で溶解する。 

c) 溶解した液を100 cm3の全量フラスコに注意深く移す。 

d) スクリュー管瓶に新しいアセトニトリル5 cm3を加えてすすぎ,全量フラスコに加える。この手順を

更に2回行う。 

e) 新しいアセトニトリルを標線まで加え,試料溶液とする。 

6.3.4.4 

標準液の調製 

標準物質を使用して,6.3.4.3と同じ操作で標準液を調製する。 

6.3.4.5 

試験方法の手順 

試験方法の手順は,次による。 

a) 検出波長及び移動相の流量は,表3による。 

b) カラム槽を25 ℃に調節する。 

c) 移動相をカラムに流す。 

d) 100 mm3の試料溶液及び標準液を,装置に注入する。オートサンプラーを用いて注入してもよい。 

e) 試料溶液及び標準液の測定は,それぞれ2回行う。 

表3−各試料の移動相の組成及び流量の例 

PPDの種類 

77PD 

IPPD,6PPD 



アセトニトリル(vol%) 

85 

65 

純水(vol%) 

15 

35 

2-アミノエタノール(g/dm3) 

0.2 a) 

0.1 a) 

流量(cm3/min) 

検出波長(nm) 

260 

290 

注a) アセトニトリル及び純水の容量に対して添加する量。 

6.3.5 

計算 

6.3.5.1 

試料の純度計算 

次の式(5)によって,純度を算出する。 

1

1

f

2

C

A

R

P

×

=

 ············································································· (5) 

ここに, 

P2: 純度(%) 

K 6220-3:2018  

A1: 被検成分のピーク面積値 

C1: 試料溶液の濃度(mg/cm3) 

Rf: 換算値 

6.3.5.2 

標準液による換算値の算出 

次の式(6)によって,換算値(Rf)を算出する。 

0

0

0

f

P

A

C

R

×

=

 ············································································· (6) 

ここに, 

Rf: 換算値 

A0: 標準物質のピーク面積値 

C0: 標準物質の濃度(mg/cm3) 

P0: 標準物質の純度(%) 

6.3.6 

試験結果の表し方 

試験結果は,JIS Z 8401によって丸め,小数点以下1桁で表す。 

6.3.7 

試験報告書 

試験報告書には,次の事項が含まれていなければならない。 

a) この規格の名称及び番号 

b) 試料の履歴 

c) 試験条件 

d) 試験結果(2回の測定値及び平均値) 

e) この規格に含まれない操作及び測定中に認められた異常事項 

f) 

試験年月日 

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附属書A 

(参考) 

PPD系老化防止剤の純度試験方法の精度 

A.1 一般 

この附属書で示す試験精度は,次に示す試験室間試験プログラム[Interlaboratory Test Program(以下,ITP

という。)]で老化防止剤を試験した結果であり,これらの試験方法の精度の判断基準となるものである。 

精度パラメータを,老化防止剤の受入検査に使用する場合は,適用する老化防止剤の種類とこれらの試

験方法を含む測定条件を文書で確認して行う。 

ISO/TR 9272に従って,老化防止剤の純度の求め方の試験精度を,1987年にITPを行って評価した。試

験室内繰返し精度及び試験室間再現精度は,いずれも短期間の評価結果で,数日の間隔をあけて実施した

試験の結果である。一つの試験結果は,これらの試験方法で規定されているように,2回の測定値の平均

値である。 

ガスクロマトグラフ法(A法)による,純度測定のITPでは,4試験室が参加し,3種の試料が使用され,

間隔をあけた2日間で実施した。 

純度試験方法の試験室内繰返し精度及び試験室間再現精度の計算結果を,表A.1に示す。 

A.2 試験室内繰返し精度 

これらの試験方法の試験室内繰返し精度rは,各表のrの欄に示す。 

通常の試験条件で,同一試験室で得られた二つの試験結果の差がこれらの表中のrの値より大きい場合

は,異なるサンプル母集団から得られた結果であると判断する。 

A.3 試験室間再現精度 

これらの試験方法の試験室間再現精度Rは,各表のRの欄に示す。 

通常の試験条件で,異なる試験室で得られた二つの試験結果の差がこれらの表中のRの値より大きい場

合は,異なるサンプル母集団から得られた結果であると判断する。 

A.4 偏り 

偏りは,試験値と標準値(真値)との差である。 

これらの試験方法の標準値は評価しなかったため,偏りは決定できなかった。 

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10 

K 6220-3:2018  

表A.1−ガスクロマトグラフ法による純度(A法) 

試料 

平均 

(%) 

試験室内a) 

試験室間a) 

Sr 

(r) 

SR 

(R) 

6PPD 

97.09 

0.165 

0.467 

0.481 

1.926 

5.45 

5.61 

IPPD 

96.05 

0.279 

0.790 

0.822 

1.239 

3.50 

3.65 

77PD 

96.05 

0.112 

0.317 

0.330 

1.382 

3.91 

4.07 

全体の平均値 

96.40 

0.185 

0.525 

0.544 

1.516 

4.29 

4.44 

注a) Sr: 試験室内繰返し標準偏差 
 

r: 試験室内繰返し精度(2.83×試験室内繰返し分散の平方根) 

(r): 試験室内繰返し精度(平均値のパーセント表示) 

SR: 試験室間再現標準偏差 

R: 試験室間再現精度(2.83×試験室間再現分散の平方根) 

(R): 試験室間再現精度(平均値のパーセント表示) 

background image

11 

K 6220-3:2018  

附属書JA 

(参考) 

PPD系老化防止剤のガスクロマトグラム 

JA.1 A法(充塡カラムを使用した方法)によるガスクロマトグラムの例を,図JA.1,図JA.2及び図JA.3

に示す。 

図JA.1−6PPD 

図JA.2−IPPD 

IP

P

D

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12 

K 6220-3:2018  

図JA.3−77PD 

JA.2 B法(キャピラリーカラムを使用した方法)によるガスクロマトグラムの例を,図JA.4,図JA.5

及び図JA.6に示す。 

図JA.4−6PPD 

6PPD 

background image

13 

K 6220-3:2018  

図JA.5−IPPD 

図JA.6−77PD 

77PD 

IPPD 

background image

14 

K 6220-3:2018  

附属書JB 

(参考) 

老化防止剤の代表的な品質特性値 

老化防止剤の代表的な品質特性値を,表JB.1に示す。 

表JB.1−老化防止剤の代表的な品質特性値 

略語 

試験項目 

融点℃ 

(溶け始め) 

灰分 

加熱減量 

比重 

25/25 ℃ 

屈折率 

25 ℃ 

ふるい残分% 

150 μm 

75 μm 

IPPD 

70.0以上 

0.3以下 

0.5以下 

− 

− 

− 

− 

6PPD 

44.0以上 

0.1以下 

0.5以下 

− 

− 

− 

− 

DNPD 

225.0以上 

0.3以下 

0.3以下 

− 

− 

0.0以下 

0.5以下 

77PD 

− 

0.3以下 

0.5以下 

− 

− 

− 

− 

8PPD 

− 

0.3以下 

0.5以下 

− 

− 

− 

− 

CPPD 

112.0以上 

0.3以下 

− 

− 

− 

− 

− 

TMQ 

(80〜110) a) 

0.5以下 

0.7以下 

− 

− 

− 

− 

ETMQ 

− 

0.5以下 

1.0以下 

1.02〜1.06 

1.560〜1.580 

− 

− 

ADPA 

− 

0.3以下 

0.3以下 

1.06〜1.12 

− 

− 

− 

AANA 

140.0以上b) 

0.3以下 

0.5以下 

− 

− 

0.0以下 

0.5以下 

PAN 

50.0以上 

0.1以下 

0.3以下 

− 

− 

− 

− 

ODPA 

70.0以上 

0.5以下 

0.5以下 

− 

− 

− 

− 

SDPA 

− 

0.5以下 

0.5以下 

− 

− 

− 

− 

DCD 

90.0以上 

0.3以下 

0.3以下 

− 

− 

− 

− 

SPH 

− 

0.3以下 

0.5以下 

1.07〜1.09 

1.598〜1.603 

− 

− 

BHT 

69.0以上 

0.3以下 

− 

− 

− 

− 

− 

o-MBp14 

120.0以上 

0.3以下 

0.3以下 

− 

− 

0.0以下 

0.5以下 

o-MBp24 

115.0以上 

0.3以下 

0.3以下 

− 

− 

0.0以下 

0.5以下 

p-BBp14 

208.0以上 

0.3以下 

0.3以下 

− 

− 

0.0以下 

0.5以下 

p-TBp14 

155.0以上 

0.3以下 

0.3以下 

− 

− 

0.0以下 

0.5以下 

DBHQ 

200.0以上 

0.3以下 

0.3以下 

− 

− 

0.0以下 

0.5以下 

DAHQ 

170.0以上 

0.3以下 

0.3以下 

− 

− 

0.0以下 

0.5以下 

DLTDP 

37.0以上 

0.1以下 

− 

− 

− 

− 

− 

MBI 

280.0以上 

0.3以下 

0.5以下 

− 

− 

0.0以下 

0.5以下 

ZMBI 

(270.0) c) 

25.0以下 

1.0以下 

− 

− 

0.0以下 

0.5以下 

NDIBC 

85.0以上 

20.0以下 

0.5以下 

− 

− 

− 

− 

注a) 軟化点を示す。 

b) 試料の色が黄に変わり膨らみ始めたときの温度を融点(溶け始め)とする。 

c) 分解点を示す。 

参考文献 ISO/TR 9272,Rubber and rubber products−Determination of precision for test method standards 

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15 

K 6220-3:2018  

附属書JC 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS K 6220-3:2018 ゴム用配合剤−有機薬品−試験方法−第3部:パラフェニレ
ンジアミン(PPD)系老化防止剤 

ISO 11236:2017,Rubber compounding ingredients−p-Phenylenediamine antidegradants 
(PPDs)−Test methods 

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

1 適用範囲  

PPD系老化防止剤の純度,
灰分及び揮発分の試験方
法を規定。 

変更 

PPD系老化防止剤の純度の試験方
法だけを規定する適用範囲に変更
した。 

国際規格の見直しのとき,提案を
行う。 

3 用語及び
定義 

変更 

用語及び定義は,JIS K 0211を引用
した。 

JISとして必要であるため。 

4 略語及び
化学成分名 

追加 

略語及び化学成分名の箇条を追加
し,JIS K 6220-4を引用した。 

第1部との整合性を重視した。 
ISO規格見直し時に追加を提案す
る。 

6 純度の測
定方法 


箇条7にガスクロマトグ
ラフ法による純度の測定
方法を,箇条8に高速液体
クロマトグラフ法による
純度の測定方法を規定。 

変更 

ガスクロマトグラフ法による純度
の測定方法と高速液体クロマトグ
ラフ法による純度の測定方法とを
箇条6にまとめた。 

技術的差異はない。 

6.2.2.1 式(1) 

7.3.2.1 

式(1) 

変更 

理論段数TPを理論段数Nへ変更し
た。 

JIS K 0114(ガスクロマトグラフ
ィー通則)に合わせた。技術的差
異はない。 

7.5.2.3 

内径の異なるカラムの流
量の算出方法を規定。 

削除 

内径の異なるカラムの流量の算出
方法の規定を削除した。 

器具及び装置の箇条で,カラム内
径を規定しており,不要なため削
除した。技術的差異はない。 

灰分の測定方法 

削除 

JIS K 6220-1及びISO 28641と重複
する試験項目であるため,削除し
た。 

国際規格の見直しのとき,提案を
行う。 

2

K

 6

2

2

0

-3

2

0

1

8

background image

16 

K 6220-3:2018  

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

6 純度の測
定方法(続
き) 

10 

揮発分の測定方法 

削除 

JIS K 6220-1又はISO 28641の加熱
減量の試験方法で代用できるため,
削除した。 

国際規格の見直しのとき,提案を
行う。 

附属書JA 
(参考) 

PPD系老化防止剤
のガスクロマトグ
ラム 

7.5.2.6 
7.5.3.6 

追加 

ガスクロマトグラムの例を,この規
格では附属書を追加してまとめた。 

国際規格の見直しのとき,提案を
行う。 

附属書JB 
(参考) 

老化防止剤の代表
的な品質特性値 

追加 

老化防止剤の代表的な品質特性値
の一覧表を追加した。 

使用者の利便性を考慮した。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 11236:2017,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD ··············· 国際規格を修正している。 

2

K

 6

2

2

0

-3

2

0

1

8