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C 5951 : 1997

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって JIS C 5951-1989 は改正され,この規格に置き換えられる。

今回の改正では,日本工業規格と国際規格との一致に留意したが,これについては解説にその詳細を記

述した。この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開

後の実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。通商産業大臣及び日本工業標準調

査会は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用

新案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 C

5951

: 1997

光伝送用発光ダイオード測定方法

Measuring methods of light emitting diodes for fiber optic transmission

序文  規格を適用するに当たっては,その規格が引用している規格も同時に参照しなければならない。ま

た,同類の規格があれば,これとの比較検討が必要なことも多い。

この規格は,1992 年に発行された IEC 747-5 (Semiconductors devices. Discrete devices and integrated circuits

−Part 5 : Optoelectronic devices),及び 1994 年に発行された IEC 747-5 Amendment 1 を元に,技術的内容を

変更することなく作成した日本工業規格である。

1.

適用範囲  この規格は,光源として使用する光伝送用発光ダイオード(電子回路内蔵形を除く。以下,

発光ダイオードという。

)の測定方法について規定する。

備考1.  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS C 0301

  電気用図記号

JIS C 1102

  指示電気計器

JIS C 5001

  電子部品通則

JIS C 5941

  光伝送用半導体レーザ測定方法

JIS C 5950

  光伝送用発光ダイオード通則

2.

この規格の対応国際規格を,次に示す。

IEC 747-5 : 1992 Semiconductors devices. Discrete devices and integrated circuits

− Part 5 :

Optoelectronic devices

IEC 747-5 Amendment 1 : 1994

2.

用語の定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS C 5950 による。

3.

測定の状態

3.1

標準状態  測定は,規定がない限り,JIS C 5001 の 4.1 に規定の標準状態(温度 15∼35℃,相対湿

度 25∼85%,気圧 860∼1 060hPa)のもとで行う。ただし,この標準状態での測定値の判定に疑義を生じ

た場合,又は特に要求された場合は,3.3 による。

また,標準状態で測定することが困難な場合には,判定に疑義が生じない限り,標準状態以外の状態で

測定を行ってもよい。

3.2

基準状態  基準状態は,JIS C 5001 の 4.2 に規定の基準状態(温度 25℃,相対湿度 45%,気圧 860

∼1 060hPa)とする。ただし,温度だけをもって基準状態としてもよい。

3.3

判定状態  判定状態は,JIS C 5001 の 4.3 に規定の判定状態 I,温度 2 級及び相対湿度 2 級(温度 25

±2℃,相対湿度 45∼55%,気圧 860∼1 060hPa)とする。


2

C 5951 : 1997

4.

測定機器及び装置

4.1

測定用電源  直流電源はリプル含有率 3%以下,交流電源の高調波含有率及び交流が流れる直流電源

回路の交流インピーダンスは,測定に影響を与えないように小さい値とする。

また,サージの侵入に対する十分な防護処置が施されていなければならない。

4.2

計器及び測定器  規定がない限り,計器は JIS C 1102 に規定する 0.5 級以上のもの,測定器はこれ

と同等以上の確度をもつものとし,これらのインピーダンスは測定系への影響を無視できる値とする。

備考  標準品として 0.5 級以上の計器又はこれに相当するような確度をもつ測定器がない場合は,4.2

の規定は適用しない。

4.3

光パワーメータ  測定に使用する光パワーメータは,該当する波長で校正され,かつ,受光面感度

分布が十分に平たんなものを用いることとする。

5.

外観  外観は,実体顕微鏡及び/又は金属顕微鏡によって調べる。

6.

測定方法

6.1

順電流  (I

f

)

6.1.1

目的  規定された状態での,発光ダイオードの順電流を測定することを目的とする。

6.1.2

測定回路  順電流の測定は,図 によって次の方法で行う。

図 1  順電流及び順電圧測定

6.1.3

測定方法  発光ダイオードの電極端子間に規定の順電圧 V

f

を印加したときの発光ダイオードの順

電流 I

f

を測定する。ただし,この測定は,1kHz 以下の交流電源を用いてオシロスコープの画面上に電流−

電圧波形を描く方法によってもよい。

6.1.4

注意事項  発光ダイオードで相当程度の電力消費があり,それに伴う接合部温度上昇が測定値に大

きな影響を与える場合には,次のいずれかの方法によって行い,その方法を明記する。

(1)

直流を用い,熱的平衡に達した後測定する。ただし,熱的に平衡に達しない場合は,規定の電圧を印

加し始めた後,定められた時間に測定する。

(2)

パルスを用いるか又は接合部温度上昇が無視できるような短い時間で測定する。

パルスを用いるときは,パルス幅及びデューティサイクルを明記する。

電圧計の内部抵抗は,発光ダイオードの抵抗値に比べて測定値に影響を与えない程度に十分大きい

ものでなければならない。

6.1.5

個別規格に規定すべき項目


3

C 5951 : 1997

(1)

順電圧 V

f

(2)

動作温度 T

op

6.2

順電圧  (V

f

)

6.2.1

目的  規定された状態での,発光ダイオードの順電圧を測定することを目的とする。

6.2.2

測定回路  順電圧の測定は,図 によって次の方法で行う。

6.2.3

測定方法  発光ダイオードに規定の順電流 I

f

を流し,そのときの順電圧 V

f

を測定する。ただし,

この測定は,1kHz 以下の交流電流を用いてオシロスコープの画面上に電流−電圧波形を描く方法によって

もよい。

6.2.4

注意事項  発光ダイオードで相当程度の電力消費があり,それに伴う接合部温度上昇が測定値に大

きな影響を与える場合には,次のいずれかの方法によって行い,その方法を明記する。

(1)

直流を用い,熱的平衡に達した後測定する。ただし,熱的に平衡に達しない場合は,規定の電流を流

し始めた後,定められた時間に測定する。

(2)

パルスを用いるか又は接合部温度上昇が無視できるような短い時間で測定する。

パルスを用いるときは,パルス幅及びデューティサイクルを明記する。

6.2.5

個別規格に規定すべき項目

(1)

順電流 I

f

及びその印加条件

(2)

動作温度 T

op

6.3

逆電流  (I

r

)

6.3.1

目的  規定された状態での,発光ダイオードの逆電流を測定することを目的とする。

6.3.2

測定回路  逆電流の測定は,図 によって次の方法で行う。

図 2  逆電流及び逆電圧測定

6.3.3

測定方法  発光ダイオードの電極端子間に規定の逆電圧 V

r

を印加し,そのときの逆電流 I

r

を測定

する。ただし,この測定は,1kHz 以下の交流電源を用いてオシロスコープの画面上に電流−電圧波形を描

く方法によってもよい。

6.3.4

注意事項  発光ダイオードで相当程度の電力消費があり,それに伴う接合部温度上昇が測定値に大

きな影響を与える場合には,次のいずれかの方法によって行い,その方法を明記する。

(1)

直流を用い,熱的平衡に達した後測定する。ただし,熱的に平衡に達しない場合は,規定の電圧を印

加し始めた後,定められた時間に測定する。

(2)

パルスを用いるか又は接合部温度上昇が無視できるような短い時間で測定する。

パルスを用いるときは,パルス幅及びデューティサイクルを明記する。

規定の逆電圧が最大直流逆電圧よりも高く,最大せん頭逆電圧よりも低い場合は,上記(2)の方法だ

けを用いる。


4

C 5951 : 1997

電圧計の内部抵抗は,発光ダイオードの抵抗値に比べて測定値に影響を与えない程度に十分大きい

ものでなければならない。

6.3.5

個別規格に定義すべき項目

(1)

逆電圧 V

r

(2)

動作温度 T

op

6.4

逆電圧  (V

r

)

6.4.1

目的  規定された状態での,発光ダイオードの逆電圧を測定することを目的とする。

6.4.2

測定回路  逆電圧の測定は,図 によって次の方法で行う。

6.4.3

測定方法  発光ダイオードに規定の逆電流 I

r

を流し,そのときの逆電圧 V

r

を測定する。ただし,

この測定は,1kHz 以下の交流電源を用いてオシロスコープの画面上に電流−電圧波形を描く方法によって

もよい。

6.4.4

注意事項  発光ダイオードで相当程度の電力消費があり,それに伴う接合部温度上昇が測定値に大

きな影響を与える場合には,次のいずれかの方法によって行い,その方法を明記する。

(1)

直流を用い,熱的平衡に達した後測定する。ただし,熱的に平衡に達しない場合は,規定の電流を流

し始めた後,定められた時間に測定する。

(2)

パルスを用いるか又は接合部温度上昇が無視できるような短い時間で測定する。

パルスを用いるときは,パルス幅及びデューティサイクルを明記する。

6.4.5

個別規格に規定すべき項目

(1)

逆電流 I

r

(2)

動作温度 T

op

6.5

端子間容量

6.5.1

目的  規定された状態での,発光ダイオードの両端の容量を測定することを目的とする。

6.5.2

測定回路  端子間容量の測定は,図 によって次の方法で行う。

図 3  端子間容量測定

6.5.3

測定方法  発光ダイオードに規定の逆電圧 V

r

を印加した後,電圧計を切り離し,交流ブリッジで

発光ダイオード両端の容量を測定する。この容量値から発光ダイオードを取り除いたときの容量値を差し

引き,その値を端子間容量 C

t

とする。

6.5.4

注意事項

(1)

交流ブリッジは,測定精度を低下させないで発光ダイオードをバイアスする回路が附属していてもよ

い。測定信号電圧は,バイアス電圧に比べて十分低い信号とする。

(2)

測定容量値が小さく,マウント条件が精度に影響するような場合には,その条件を規定しなければな

らない。


5

C 5951 : 1997

(3)

ケース容量 C

c

が別に決まっているならば,接合容量 C

j

は,C

j

C

t

C

c

として求められる。

6.5.5

個別規格に規定すべき項目

(1)

バイアス電圧 V

r

(2)

測定周波数 f

(3)

動作温度 T

op

6.6

光出力 P

o

6.6.1

目的  規定された状態での,発光ダイオードの光出力を測定することを目的とする。

6.6.2

測定回路  光出力窓形,開放形などの発光ダイオードの光出力測定は,図 によって次の方法で行

う。

図 4  光出力窓形,開放形などの発光ダイオードの光出力測定

6.6.3

測定方法  規定の順電流 I

f

を発光ダイオードに流し,光出力 P

o

を測定する。

6.6.4

注意事項  図 での光パワーメータの受光面は,発光ダイオードから放射される全光量を十分に受

けられる大きさでなければならない。場合によっては,アパーチャによる一定の開口数  (NA)  で受光する。

また,測定系からの戻り光量を十分小さく抑えるように注意しなければならない。

6.6.5

個別規格に規定すべき項目

(1)

順電流 I

f

(2)

動作温度 T

op

6.7

積分球を用いた光出力

6.7.1

目的  規定された状態での,発光ダイオードの光出力を測定することを目的とする。

6.7.2

測定回路  積分球を用いた光出力窓形,開放形などの発光ダイオードの光出力測定は,図 によっ

て次の方法で行う。発光ダイオードからの放射光は,積分球の壁で多重反射され,表面積に比例した一定

の照度となる。積分球の壁に置かれたディテクタは,この照度を測定する。遮へい板は,測定デバイスの

直接放射光からディテクタを隠れるようにする。


6

C 5951 : 1997

図 5  積分球を用いた発光ダイオードの光出力測定

6.7.3

測定方法  発光ダイオードを積分球の入口に,放射光が直接ディテクタに届かないように配置し,

規定の順電流 I

f

を発光ダイオードに流して光出力 P

o

を測定する。

6.7.4

注意事項  測定デバイスとアパーチャは,積分球の表面積に比べて十分小さくなければならない。

また,積分球の内側の表面と遮へい板は,高拡散反射率(最小 0.8)をもつ塗料でコーティングされてい

なければならない。

6.7.5

個別規格に規定すべき項目

(1)

順電流 I

f

(2)

動作温度 T

op

6.8

光ファイバピグテイル形発光ダイオードの光出力

6.8.1

目的  規定された状態での,光ファイバピグテイル形発光ダイオードの光出力を測定することを目

的とする。

6.8.2

測定回路  光ファイバピグテイル形発光ダイオードの光出力測定は,図 によって次の方法で行う。

図 6  光ファイバピグテイル形発光ダイオードの光出力測定

6.8.3

測定方法  発光ダイオードに規定の順電流 I

f

を流し,光ファイバから出る光出力 P

f

を光パワーメ

ータで測定する。


7

C 5951 : 1997

6.8.4

注意事項  光パワーメータの受光面は,光ファイバ端から放射される全光量を十分に受けられる大

きさでなければならない。

また,光ファイバ端面や光パワーメータの受光部から発光ダイオードヘの戻り光量を極力抑え,かつ,

光ファイバ中のクラッドモードを除去する(

図 参照)。

図 7  測定系からの戻り光防止法の例及びクラッドモード除去法の例

6.8.5

個別規格に規定すべき項目

(1)

順電流 I

f

(2)

動作温度 T

op

6.9

光コネクタ形発光ダイオードの光出力

6.9.1

目的  規定された状態での,光コネクタ形発光ダイオードの光出力を測定することを目的とする。

6.9.2

測定回路  光コネクタ形発光ダイオードの光出力測定は,図 4,図 及び図 に準じて次の方法で

行う。

6.9.3

測定方法  光コネクタ形発光ダイオードの光出力測定は,6.6 に規定の方法によって,光コネクタ

面から放射される全光出力を測定するか,又は光出力コネクタと整合性のある光入力コネクタをもち,か

つ,光コネクタ入力面での光パワーが校正された光パワーメータに直接接続して行う。

6.9.4

注意事項  測定系からの戻り光量を十分小さく抑えるよう注意しなければならない(図 参照)。

6.9.5

個別規格に規定すべき項目

(1)

順電流 I

f

(2)

動作温度 T

op

6.10

ピーク発光波長及びスペクトル半値幅

6.10.1

目的  規定された状態での,発光ダイオードのピーク発光波長及びスペクトル半値幅を測定するこ

とを目的とする。

6.10.2

測定回路  ピーク発光波長

λ

p

及びスペクトル半値幅⊿

λの測定は,図 によって次の方法で行う。


8

C 5951 : 1997

図 8  ピーク発光波長及びスペクトル半値幅測定

6.10.3

測定方法  発光ダイオードを規定の光出力の状態で駆動し,放出された光を集光レンズによって分

光器の入射スリット上に結像する。分光器に分離した各スペクトル光は,検出器によって電気信号に変換

する。X-レコーダ,オシロスコープなどに記録又は表示されたスペクトル分布から,

図 に示すように

ピーク発光波長及びスペクトル半値幅を読み取る。ここで,集光レンズと入射スリットによって定まる角

θ

1

は,分光器のコリメータレンズ(又は鏡)によって定まる角度

θ

2

以内とする。

測定では,測定系,光ファイバ端面などからの戻り光量を十分小さく抑える(

図 参照)。

図 9  スペクトル分布

6.10.4

個別規格に規定すべき項目

(1)

順電流 I

f

(2)

動作温度 T

op

6.11

発光面積

6.11.1

目的  規定された状態での,発光ダイオードの発光面積を測定することを目的とする。

6.11.2

測定回路  発光面積の測定は,図 10 によって次の方法で行う。


9

C 5951 : 1997

6.11.3

測定方法  図 10 に示す構成で,発光ダイオードに規定の光出力を得る順電流 I

f

を流し,受光素子

には規定の直流バイアス電圧 V

b

を与える。レンズを用いて発光ダイオードの発光部を拡大する。このとき

の拡大倍率を とする。

結像面上を発光領域の中心を通って受光素子を走査し,光パワー分布を求める。ピーク値の 50%になる

2

点間の距離を測定し,それを とする。W/を直径とし,発光面積を求める。

発光領域が円形でない場合は,長径,短径方向について測定することが望ましい。受光素子の受光面の

幅は,拡大された像の 1/5 以下とする。

また,出力電圧 V

out

が,受光素子への入射光パワーに比例するように受光素子負荷抵抗 R

L

を調整する。

6.11.4

注意事項  端面発光形発光ダイオードの場合は,発光面積を JIS C 5941 の 6.10 に規定の近視野像

幅に準じて表してもよい。

6.11.5

個別規格に規定すべき項目

(1)

順電流 I

f

(2)

直流バイアス電圧 V

b

(3)

拡大倍率 M

(4)

動作温度 T

op

6.12

ビーム広がり角

6.12.1

目的  規定された状態での,発光ダイオードの光パワー分布,すなわち遠視野像のピーク値の 50%

になる出力電圧を示す 2 点間の角度(半値全角)を測定し,ビーム広がり角を求めることを目的とする。

6.12.2

測定回路  ビーム広がり角の測定は,図 11 によって次の方法で行う。

図 11  ビーム広がり角測定

6.12.3

測定方法  図 11 に示す構成で,発光ダイオードに規定の光出力を得る順電流 I

f

を流し,受光素子

には規定の直流バイアス電圧 V

b

を与える。発光ダイオードの発光領域の中心を通って円弧上に受光素子を

走査し,出力電圧 V

out

を記録することによって,光パワー分布,すなわち遠視野像を求める。ピーク値の

50%

になる出力電圧を示す 2 点間の角度(半値全角)を測定し,ビーム広がり角

θ

を求める。

なお,受光素子を走査する代わりに発光ダイオードを回転させてもよい。受光素子の受光面の幅及び受

光面と発光ダイオードとの距離は十分な分解能が確保できるようにする。

6.12.4

注意事項  端面発光形発光ダイオードの場合は,ビーム広がり角を JIS C 5941 の 6.11 の規定に準

じて表してもよい。

6.12.5

個別規格に規定すべき項目


10

C 5951 : 1997

(1)

順電流 I

f

(2)

発光ダイオードと受光面との距離,受光素子の受光面の幅

(3)

動作温度 T

op

6.13

高調波ひずみ

6.13.1

目的  規定された状態での,発光ダイオードの高調波ひずみを測定することを目的とする。

6.13.2

測定回路  高調波ひずみの測定は,図 12 によって次の方法で行う。

図 12  高調波ひずみ測定

6.13.3

測定方法  発光ダイオードに規定の順電流 I

f

を流し,規定の振幅の交流電流 i

s

を重畳する。発光ダ

イオードから放出された光を受光素子に入射し,電気信号に変換する。この電気信号の基本波出力 P

1

及び

n

次高調波出力 P

n

をスペクトラムアナライザで測定し,式(1)から 次高調波ひずみ D

n

を求める。

D

n

 (dB)

=−10 log

10

 (P

n

/P

1

)  (1)

6.13.4

注意事項  受光素子は,発光ダイオードのひずみよりも十分小さいひずみのものを用いる。

また,受光素子などからの発光ダイオードへの戻り光量は極力小さくする。さらに,受光素子及びスペ

クトラムアナライザは,測定する高調波の周波数よりも十分広い帯域幅をもっているものとする。スペク

トラムアナライザの代わりに,選択レベルメータなどを用いてもよい。

6.13.5

個別規格に規定すべき項目

(1)

順電流 I

f

,交流電流 i

s

(2)

動作温度 T

op

6.14

応答時間

6.14.1

目的  規定された状態での,発光ダイオードの遅延時間,上昇時間及び下降時間を測定することを

目的とする。

6.14.2

測定回路  応答時間の測定は,図 13 によって次の方法で行う。


11

C 5951 : 1997

図 13  応答時間測定

6.14.3

測定方法  発光ダイオードに規定の順電流 I

f

又は規定の光出力を得る順電流 I

f

を流し,

規定の振幅,

パルス幅及び繰り返し周波数のく(矩)形電流パルスを重畳する。発光ダイオードから放出された光を受

光素子に入力し,電気信号に変換する。この電気信号をオシロスコープなどで測定し,上昇時間及び下降

時間を求める。

図 14  応答時間

6.14.4

注意事項  く(矩)形電流パルス発生器及び光パルス測定系の上昇時間及び下降時間は,発光ダイ

オードの上昇時間及び下降時間よりも十分小さくする。

また,発光ダイオードから出た光パルスが反射して発光ダイオードに戻って測定に影響するのを防ぐた

め,発光ダイオードへの戻り光量を極力小さくする。

なお,駆動パルス波形,発光ダイオード駆動回路,受光素子周辺回路などが測定結果に影響する場合が

あるので,必要に応じ,これらを明示することが望ましい。

6.14.5

個別規格に規定すべき項目

(1)

入力パルス信号(パルス電流,パルス幅,デューティ比)


12

C 5951 : 1997

(2)

動作温度 T

op

6.15

遮断周波数

6.15.1

目的  規定された状態での,発光ダイオードの遮断周波数を測定することを目的とする。

6.15.2

測定回路  遮断周波数の測定は,図 15 によって次の方法で行う。

図 15  遮断周波数測定

6.15.3

測定方法  発光ダイオードに規定の順電流 I

f

又は規定の光出力を得る順電流 I

f

を流し,小信号交流

電流を重畳する。発光ダイオードから放射された光を集光レンズを通して,受光素子に入射して電気信号

に変換し,その交流成分を取り出して選択レベルメータ,スペクトラムアナライザなどの測定器によって

変調光に対応した交流成分を測定する。遮断周波数は変調光出力が基準とする低周波  (f

0

f

c

/100)

重畳時

よりも 3dB 低下する周波数として,式(2)から求める。

( )

( )

0

10

log

10

3

f

i

f

i

dB

p

c

p

  (2)

ここに,

i

p

 (f

0

)

基準周波数 f

o

のときの交流電流

i

p

 (f

c

)

遮断周波数 f

c

のときの交流電流

6.15.4

注意事項

  受光素子については発光ダイオードよりも十分高い遮断周波数をもつものを使用し,ケ

ーブルなどを含めた受光系の周波数特性を校正する。

また,交流信号源出力の周波数変動は十分小さいものを用い,更に,受光素子からの発光ダイオードへ

の戻り光量は極力小さくする。

なお,発光ダイオード駆動回路又は受光素子周辺回路の特性が,測定結果に影響する場合があるので,

必要に応じ,測定回路などを明示することが望ましい。

6.15.5

個別規格に規定すべき項目

(1)

順電流 I

f

(2)

動作温度 T

op

6.16

電流−光出力特性の線形性(電流−光出力変換効率が 1dB 低下するときの変調電流)

6.16.1

目的

  規定された状態での,発光ダイオードの電流−光出力特性の線形性を測定することを目的と

する。

6.16.2

測定回路

  電流−光出力特性の線形性の測定は,

図 16

によって次の方法で行う。


13

C 5951 : 1997

図 16  変調電流測定

6.16.3

測定方法

  供試発光ダイオードの光出力を受光素子で受け,規定の光出力になるように電源 E

1

電流を印加する。交流信号源 I

s

より規定の変調周波数で変調電流を印加する。交調電流の増加による変調

電圧 V

1

と受信信号電圧 V

2

の変化を記録する。変調電流 I

1

 (I

1

V

1

/R

L1

)

は,抵抗 R

L1

の値を用いて V

1

より求

められる。

図 17

のように V

2

と I

1

の対数を取り,線形領域の延長部分との差が 1dB となる変調電流値 I

f (1dB)

を求める。

図 17  変調電流

6.16.4

注意事項

  受光素子については発光ダイオードよりも十分高い遮断周波数をもつものを使用し,ケ

ーブルなどを含めた受光系の周波数特性を校正する。

また,交流信号源出力の周波数変動は十分小さいものを用い,更に,受光素子からの発光ダイオードへ

の戻り光量は極力小さくする。


14

C 5951 : 1997

なお,発光ダイオード駆動回路又は受光素子周辺回路の特性が,測定結果に影響する場合があるので,

必要に応じ,測定回路などを明示することが望ましい。

6.16.5

個別規格に規定すべき項目

(1)

光出力

(2)

動作温度 T

op

(3)

負荷抵抗 R

L1

R

L2

(4)

変調周波数 f

 

関連規格

IEC 747-1 

: 1983 Semiconductors devices. Discrete devices and integrated circuits

−Part 1 : General

IEC 747-1

  Amendment 1 : 1991

光能動部品標準化委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

福  田  光  男

日本電信電話株式会社

井  沢      浩

三菱電機株式会社

北相模  博  夫

富士通株式会社

北  原  知  之

株式会社日立製作所

城  野  順  吉

アンリツ株式会社

堀  川  英  明

沖電気工業株式会社

本  田  和  生

ソニー株式会社

御神村  泰  樹

住友電気工業株式会社

宮  島  博  文

浜松ホトニクス株式会社

本  舘  淳  哉

株式会社東芝

竹  川      浩

シャープ株式会社

加  山  英  男

財団法人日本規格協会

兼  谷  明  男

通商産業省

増  田  岳  夫

財団法人光産業技術振興協会

(事務局)

山  田  康  之

財団法人光産業技術振興協会