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C 5916

:2012

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義

1

3.1

  基本用語の定義

1

3.2

  部品の定義

2

3.3

  性能パラメータの定義

2

4

  分類

5

5

  外観及び構造

5

5.1

  外観

5

5.2

  構造

5

6

  性能

5

6.1

  光学特性

5

6.2

  環境及び耐久性特性

5

7

  試験方法

6

8

  表示

6

9

  包装

6

10

  安全

6

附属書 A(参考)光ファイバ形分散補償器の技術例

7

附属書 B(参考)ファイバ・ブラッグ・グレーティング形分散補償器の技術例

10

附属書 C(参考)VIPA 形分散補償器の技術例

13

附属書 D(参考)GT エタロン形分散補償器の技術例

15

附属書 JA(参考)光伝送用分散補償器の個別規格の様式例

16

附属書 JB(参考)JIS と対応国際規格との対比表

18


C 5916

:2012

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般財団法人光産

業技術振興協会(OITDA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業

規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業

規格である。

これによって,JIS C 5916:2006 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 C

5916

:2012

光伝送用分散補償器通則

General rules of dispersion compensators for fiber optic transmission

序文

この規格は,2009 年に第 2 版として発行された IEC 61978-1 を基とし,我が国の実情に合わせるため,

技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,

附属書 JB に示す。また,附属書 JA は対応国際規格にはない事項である。

1

適用範囲

この規格は,光ファイバを用いた光伝送に用いる分散補償器(以下,分散補償器という。

)の用語,分類

などの一般的な共通事項について規定する。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 61978-1:2009

,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Fibre optic passive

chromatic dispersion compensators−Part 1: Generic specification(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 5900

  光伝送用受動部品通則

JIS C 5901

  光伝送用受動部品試験方法

注記  対応国際規格:IEC 61300 (all parts),Fibre optic interconnecting devices and passive components

−Basic test and measurement procedures(MOD)

JIS C 5970

  F01 形単心光ファイバコネクタ

注記  対応国際規格:IEC 61754-13,Fibre optic connector interfaces−Part 13: Type FC-PC connector

(MOD)

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 5900 の 3.(定義)によるほか,次による。

3.1

基本用語の定義

3.1.1

端子(port)


2

C 5916

:2012

光パワーの入力及び/又は出力のための光ファイバ又は光コネクタ。

3.2

部品の定義

3.2.1

分散補償器(passive chromatic dispersion compensator)

波長分散を補償するために用いる,2 端子のインライン形光受動部品。分散補償器は,通常,光路中の

波長分散に対し正負反対の波長分散を加えることによって,波長分散を補償する。典型的な光路は,シン

グルモード 1 310 nm ゼロ分散形光ファイバ,シングルモード 1 550 nm 分散シフト形光ファイバ,シング

ルモードノンゼロ分散シフト形光ファイバなどである。分散補償器は,適用する光路の波長分散の符号に

応じて,負又は正の波長分散をもつ。

3.2.2

分散補償ファイバ,DCF(dispersion compensating fiber)

光路の波長分散を補償するための特殊光ファイバ。

3.2.2A

光ファイバ形分散補償器(passive DCF based dispersion compensator)

DCF を用いた分散補償器。適用する光路の波長分散に対し逆符号の波長分散をもつ DCF によって,波

長分散を補償する。技術例を,

附属書 に示す。

3.2.3

ファイバ・ブラッグ・グレーティング,FBG(fiber Bragg grating)

光ファイバコア部分に光ファイバ軸方向の周期的な屈折率変化を形成した光伝送用部品。長手方向に周

期が変わる屈折率変化をもつものをチャープ FBG という。

3.2.3A

ファイバ・ブラッグ・グレーティング形分散補償器(passive FBG based dispersion compensator)

チャープ FBG を使用した分散補償器。線形な周期変化をもつチャープ FBG によって,波長分散を補償

する。技術例を,

附属書 に示す。

3.2.4

VIPA

板(Virtually imaged phased array)

薄いガラス板の両面に,高い反射率の膜をコーティングし,回折格子の機能をもつ光学素子。

3.2.4A

VIPA

形分散補償器,VIPA(passive VIPA based dispersion compensator)

VIPA 板,レンズ及び 3 次元ミラーによって構成した分散補償器。3 次元ミラーを動かすことによって,

正及び負の波長分散を発生させ,波長分散を補償する。技術例を,

附属書 に示す。

3.2.5

GT

エタロン(Gires-Tournois etalon)

平行に置いた一対のミラーからなり,入出力端子側のミラーはハーフミラー,もう一方は全反射ミラー

で構成している光キャビティである光受動部品。GT(Gires-Tournois)干渉計ともいう。

3.2.5A

GT

エタロン形分散補償器(passive G-T-etalon based dispersion compensators)

GT エタロンを用いた分散補償器。技術例を,附属書 に示す。

3.3

性能パラメータの定義


3

C 5916

:2012

3.3.1

使用波長(operating wavelength)

分散補償器が規定した性能で動作する波長 λ

3.3.2

使用波長範囲(operating wavelength range)

分散補償器が規定した性能で動作する,使用波長 λ を含む波長範囲。この波長範囲が複数ある場合は,

それら全てを含んだものを使用波長範囲という。

注記  対応国際規格は,“使用波長 λ を含む最短波長から最長波長までの波長範囲”と規定しているが,

この波長範囲が複数ある場合について規定していないため,追記した。

3.3.3

挿入損失(insertion loss)

伝達を意図する光受動部品の入力端子と出力端子との間での光パワーの減衰量。

デシベル単位で表示し,

次の式で定義する。

0

a

10

log

10

P

P

a

=

ここに,

a: 光損失(dB)

P

0

入力端子に入射した光パワー(W)

P

a

出力端子で受光した光パワー(W)

3.3.4

反射減衰量(return loss)

入射した端子から反射する光パワーの割合。デシベル単位で表示し,次の式で定義する。

0

r

10

log

10

P

P

RL

=

ここに,

RL: 反射減衰量(dB)

P

0

端子に入射した光パワー(W)

P

r

同じ端子から出射した光パワー(W)

注記  対応国際規格は,反射減衰量を,入力端子だけについて規定しているが,間違いであるため修

正した。

3.3.5

反射率(reflectance)

反射減衰量の逆符号の値。通常,デシベル単位ではなく,P

r

 / P

0

を割合又はパーセントで表示する。

3.3.6

偏光依存性損失,PDL(polarization dependent loss)

全ての偏光状態に対する,偏光状態の変化による挿入損失変動の最大値。

3.3.7

波長依存性損失,WDL(wavelength dependent loss)

使用波長範囲にわたる挿入損失変動の最大値。

3.3.8

偏波モード分散,PMD(polarization mode dispersion)

光信号が,光ファイバ,光部品,サブシステムなどを通過する場合に起きる,二つの主偏光状態(principal

states of polarization: PSP)間の群遅延差。


4

C 5916

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3.3.9

波長分散補償(chromatic dispersion compensation)

望ましくない過剰な波長分散によるシステム障害を抑制するための,一定量の波長分散の影響に対する

補償。

3.3.10

群遅延(group delay)

光部品中でパルスが遅れる時間。群遅延は,一般に,使用波長によって異なる値となる。

3.3.11

波長分散(chromatic dispersion)

群遅延の波長又は周波数に対する導関数。代表的な単位は ps/nm 又は ps/GHz。波長分散は,一般に,使

用波長によって異なる値となる。

注記 ps/GHz の単位は通常使われていないが,システムへの影響を考慮すると,定義として優れてい

る。

3.3.12

波長)分散スロープ(dispersion slope)

波長分散の波長又は周波数に対する導関数。代表的な単位は ps/nm

2

又は ps/GHz

2

。分散スロープは,一

般に,使用波長によって異なる値となる。

注記 1  対応国際規格は,代表的な単位の一つを ps/GHz で規定しているが,間違いであるため修正

した。

注記 2 ps/GHz

2

の単位は通常使われていないが,システムへの影響を考慮すると,定義として優れて

いる。

3.3.13

性能指数,FOM(figure of merit)

特定の使用波長における,分散補償器の挿入損失に対する波長分散の比。

3.3.14

通過帯域リップル(passband ripple)

通過帯域での挿入損失の,最大値と最小値との差。

3.3.15

群遅延リップル(group delay ripple)

通過帯域において,群遅延と,群遅延特性の線形近似との最大最小差分。

注記  対応国際規格は,使用波長範囲での群遅延の最大値と最小値との差で規定しているが,間違い

であるため修正した。

3.3.16

位相リップル(phase ripple)

通過帯域において,群遅延によって発生する位相の遅延と,位相の遅延の二次曲線近似との最大最小差

分。

注記  対応国際規格は,使用波長範囲での位相の最大値と最小値の差で規定しているが,間違いであ

るため修正した。


5

C 5916

:2012

4

分類

分散補償器の分類例を,

表 に示す。特に分散補償器の用途及び適用技術についての具体的な分類例を,

表 に示す。

表 1−分散補償器の分類例

分類項目

種類

形式(適用技術)

光ファイバ形,ファイバ・ブラッグ・グレーティング形,GT エタ

ロン形,VIPA 形など

分散補償方式

分散スロープ補償形,非分散スロープ補償形など

使用波長 1

300

nm 帯,1 550 nm 帯,C バンド(1 530 nm∼1 565 nm),

L バンド(1 565 nm∼1 610 nm)など

入出力光ファイバ SSMA-9/125 など

接続形態

プラグ形,レセプタクル形,光ファイバピッグテール形など

適用光コネクタ FC(F01 形:JIS C 5970

,光コネクタなしなど

使用光ファイバコード

シース外径 2.8 mm,心線径 0.9 mm など

表 2−分散補償器の用途及び形式

用途

形式(適用技術)

アプリケーション

チャネル数

通過帯域

TDM(Time division 
multiplexing)

単一チャネル

狭帯域

光ファイバ形 
ファイバ・ブラッグ・グレーティング形 
GT エタロン形

WDM(Wavelength 
division multiplexing)

単一チャネル

狭帯域

ファイバ・ブラッグ・グレーティング形

複数チャネル

a)

狭帯域

ファイバ・ブラッグ・グレーティング形 
GT エタロン形 
VIPA 形

広帯域

光ファイバ形

a)

 WDM の複数チャネル用途の分散補償器は,単一チャネル用途として用いることができる。

5

外観及び構造

5.1

外観

外観は,目視によって検査したとき,著しいきず,ディグ(くぼみ)

,欠け,クラック,汚れなどの異常

があってはならない。

5.2

構造

分散補償器の構造は,個別規格の規定による。難燃性材料を用いる必要がある場合は,個別規格に規定

する。

6

性能

6.1

光学特性

光学特性は,個別規格に規定する。個別規格の様式例を,

附属書 JA に示す。

6.2

環境及び耐久性特性

環境及び耐久性に対する性能に関する試験条件は,性能項目ごとに個別規格に規定する。試料数及び合

格判定数,又は検査水準は,必要に応じ,性能項目ごとに個別規格で規定してもよい。個別規格の様式例

を,

附属書 JA に示す。


6

C 5916

:2012

7

試験方法

分散補償器の試験方法は,JIS C 5901 の規定による。

なお,その他の分散補償器の試験方法は,受渡当事者間の協議による。

8

表示

分散補償器には,次の項目を表示する。ただし,個々の分散補償器に表示することが困難な場合には,

包装に表示してもよい。

a)

形名(製造業者の規定による。

b)

製造業者名又はその略号

c)

製造年月若しくは製造ロット番号,又はそれらの略号

9

包装

包装は,輸送中及び保管中に振動,衝撃などによる製品の破損又は品質の低下のおそれがないように行

う。また,短期間に劣化するおそれがある材料を含む場合には,安全管理,保管環境条件などに関する注

意及び要求事項とともに,有効期限を包装に表示する。

10

安全

光伝送システム及び装置に用いる場合は,出力端子から人体に影響を及ぼす光の放射が生じる可能性が

ある。したがって,製造業者は,システム設計者及び使用者に対して,安全性に関する十分な情報及び確

実な使用方法を明示する。


7

C 5916

:2012

附属書 A

参考)

光ファイバ形分散補償器の技術例

A.1

  概要

光ファイバの波長分散は,ガラス材料の屈折率の波長依存性による材料分散と,光ファイバの屈折率分

布による構造分散との和として表す(

図 A.1 参照)。光ファイバとして石英ガラスを用いる場合は,材料分

散は,その値を大きく変えて制御することができない。構造分散は,光ファイバの屈折率分布を変えるこ

とによって制御できる。分散補償ファイバを設計するには,構造分散を制御することで所望の分散を得る

ことが一般的に行われている。

図 A.1 に,一般的に伝送路として用いられているシングルモード 1 310 nm ゼロ分散形光ファイバの波長

分散の波長依存性を示す。長距離光伝送システムにおいて一般的に用いられる波長 1 550 nm では,約 17

ps/nm/km の波長分散をもつ。

注記  光ファイバにおける波長分散は,通常,単位長さ当たりの波長分散をいい,単位は ps/nm/km で

表す。

図 A.1−シングルモード 1 310 nm ゼロ分散形光ファイバの波長分散

一般的な光ファイバは,純石英のクラッドに対しコアの石英にゲルマニウムをドープすることによって

屈折率差をもたらせる。

図 A.2 の挿入図は,クラッドとコアとの間の比屈折率差が

Δ

であるステップイン

デックスコア形光ファイバの屈折率分布を示す。ここで,横軸は光ファイバの中心軸からの距離を表し,

縦軸は屈折率を表す。このような光ファイバの,波長 1 550 nm での波長分散の等高線を,コア径及び比屈

折率差

Δ

の関数として

図 A.2 に示す。この図から,大きな負の波長分散をもつ DCF を得るには,光ファイ

バの設計として,比屈折率差

Δ

を大きく,かつ,コア径を小さくすればよいことが分かる。

2.0

1.8

1.6

1.4

1.2

1.0

-60

-40

-20

0

20

40

材料分散

構造分散

波長分散

波長(

μm

)

Chro

matic disper

sin (ps/

nm

/km

)

波長

分散(

ps

/

n

m

/

km)


8

C 5916

:2012

図 A.2−ステップインデックスコア形光ファイバの,波長 1 550 nm における波長分散の等高線の計算値,

及び同光ファイバの屈折率分布(挿入図)

DCF の屈折率分布の二つの例を,図 A.3 に示す。いずれも,シングルモード 1 310 nm ゼロ分散形光ファ

イバに対し,コアとクラッドとの屈折率差は大きく,コア直径は小さくなっている。これらの光ファイバ

は,構造分散を負の方向に大きくして設計した事例である。ダブルクラッドタイプの DCF は,マッチドク

ラッドタイプの DCF よりもはるかに大きい構造分散をもっている。

ダブルクラッドタイプの DCF は,C バンド及び/又は L バンドにおいて,負の分散スロープを与えるこ

とができる。したがって,この DCF を用いることによって,シングルモード 1 310 nm ゼロ分散形光ファ

イバの正の分散スロープを補償することができる。分散スロープ補償は,WDM 伝送システムにおいて全

波長帯域にわたって一定の波長分散を得るための重要な特性となっている。


9

C 5916

:2012

図 A.3DCF における屈折率分布の例

GeO

2

-SiO

2

F-SiO

2

Δ

+

=2.5 %

Δ

-

=0.45 %

2a

=2.6 μm

SiO

2

GeO

2

-SiO

2

F-SiO

2

Δ

+

=2.5 %

Δ

-

=0.35 %

2a

=2.2 μm

SiO

2

レベル

a)

マッチドクラッドタイプ

b)

ダブルクラッドタイプ


10

C 5916

:2012

附属書 B

参考)

ファイバ・ブラッグ・グレーティング形分散補償器の技術例

B.1

  概要

ファイバ・ブラッグ・グレーティング(FBG)は,コアの長手方向に対して周期的な屈折率変化をもつ,

光ファイバ形の光デバイスである。反射フィルタとしての FBG の反射波長は,式(B.1)で決まる。一般的

に,周期的な屈折率変化は,紫外線照射によって屈折率の変化を与えることで実現できる。

eff

B

2

n

Λ

×

×

=

λ

   (B.1)

ここに,

λ

B

反射波長(ブラッグ波長)

Λ: 屈折率変調周期

n

eff

実効屈折率

ファイバ・ブラッグ・グレーティングのうち,光ファイバの長手方向にグレーティング周期を徐々に変

化させたものを,チャープ FBG という。チャープ FBG を用いた分散補償の基本原理を,

図 B.1 に示す。

チャープ FBG では,グレーティング周期は徐々に変化しており,反射波長はファイバの軸に沿って変化す

る。一般的に伝送路として用いられているシングルモード 1 310 nm ゼロ分散形光ファイバを伝わってきた

信号は,長距離光伝送システムにおいて用いられる C バンド及び L バンドの波長帯では正の波長分散をも

ち,短波長成分は長波長成分よりも早く伝わる。チャープ FBG は,信号の短波長成分を長波長成分よりも

遅延させることによって,波長分散の影響を補償する。群遅延の波長依存性の傾きは,FBG が与える波長

分散に相当する。

注記  対応国際規格では,“長波長成分は短波長成分よりも先に伝わる,チャープ FBG は,信号の長

波長成分を遅延させる”と記載しているが,間違いであるため修正した。

FBG 形分散補償器の入力端子及び出力端子を確保するため,一般に光サーキュレータを用いる。

FBG 形分散補償器は,FBG に温度及び/又は外力を加えることによって波長分散を変化させることが可

能である。


11

C 5916

:2012

 

図 B.1−波長分散補償のためのチャープ FBG の図解

波長

波長

λ

1

λ

2

群遅

挿入


12

C 5916

:2012

FBG は,WDM システムの全てのチャンネルの波長分散を同時に補償する,多チャンネル用として用い

ることができる。FBG の多チャンネル特性は,通常,FBG の物性の周期的な変化のうち,必要な帯域部分

を抜き取って用いることで実現できる。例えば,JIS C 6835 に規定する SSMA-9.3/125 のうち,シングル

モード 1 310 nm ゼロ分散形光ファイバ 100 km にわたって蓄積した波長分散を補償する,

多チャンネル FBG

の波長特性について,10 nm の幅に拡大したものを,

図 B.2 に示す。

a)

  挿入損失

b)

  群遅延

図 B.2−シングルモード 1 310 nm ゼロ分散形光ファイバ 100 km にわたって蓄積した波長分散を補償する

ための,多チャンネル FBG に関する,光サーキュレータを含む波長特性の 10 nm 帯域拡大図

0

25

20

15

10

5

30

挿入

損失

(d

B

)

1540

154 1

1542

1543

1544

1545

1546

154 7

1 548

1549

155 0

波 長 (nm)


13

C 5916

:2012

附属書 C

参考)

VIPA

形分散補償器の技術例

C.1

  概要

VIPA 形分散補償器(VIPA)の構造を,図 C.1 に示す。シングルモード光ファイバからの入力光は,VIPA

板に線焦点化する。

VIPA 板は両側がコーティングされており,コリメート光は VIPA 板で多重反射した後,

ガラスの反対側から放出する。VIPA 板からの光は,曲面鏡上に焦点を結ぶ。反射光は VIPA 板に戻り,最

終的にファイバに入る。

図 C.1VIPA の構造

図 C.2 に VIPA の光路の詳細を示す。VIPA 板の右側で反射する光は,その度に,数%のパワーが反射コ

ーティングを透過する。これが複数のビームを生み出し,対応するビームウェストの虚像から光を発して

いるようにみえる。これらの複数の発散ビームのうち,コリメート光成分が互いに干渉する。この干渉し

たコリメート光は,波長に依存した角度で出射する。波長分散,すなわち伝搬距離の波長依存性は,VIPA

板から出た干渉したコリメート光の進行角度の波長依存性,及び反射鏡の表面形状によって決まる。凸面

鏡は,負の波長分散(D

c

0)を生成し,凹面鏡は正の波長分散(D

c

0)を生成する。図 C.1 はコリメ

ート光が凹面鏡の表面(3 次元ミラー表面の灰色の線状部分)で反射される状態,つまり正の波長分散を

生成する状態を示している。3 次元ミラーの位置を X 軸に沿って動かすことによって,コリメート光が凸

面鏡の表面で反射する状態,つまり負の波長分散を生成する状態にすることもできる。ミラー表面の曲率

が,X 軸に沿って変化するように 3 次元ミラーの表面形状を設計すると,3 次元ミラーを X 軸に沿って動

かすことで,波長分散を容易に変化させることが可能になる。

長波長光

短波長光

コリメートレンズ

フォーカシン

グレンズ

線焦点レンズ

D

c

>0

c

D >0

D <0

光 サ ー キ ュ レ

ータ

VIPA 板

3 次元ミラー

X 軸


14

C 5916

:2012

図 C.2−光路詳細及び波長分散生成のメカニズム

Line-focusing lens 

R~98%

AR (R~0%)

Input li

t

Incident angle

Center beam waist

Glass Plate 

R=100%

i

c(y)

y

3-dimensional

Mirror

Shorter wavelength

Middle wavelength

Focusing lens

Longer wavelength

h=dC(y)/dy

f

a

q

VIPA 板

フォーカシング

レンズ

短波長

3 次元ミラー

センタービーム

ウェスト

角度 i

入力光

線焦点レンズ

長波長

中間波長


15

C 5916

:2012

附属書 D

参考)

GT

エタロン形分散補償器の技術例

D.1

  概要

エタロンは,平行な反射鏡の組からなる光のキャビティである。二つのフィルタ間での多重反射による

干渉が,周期的なスペクトル及び分散特性をもたらす。周期的なスペクトルの間隔は,自由スペクトル領

域(FSR)と呼ばれる。使用波長及び FSR は,二つのミラーの光学距離を変えることによって調節できる。

代表的なエタロンには,FP(Fabri-Perot)エタロン及び GT(Gires-Tournois)エタロンがある。分散補償

には,GT エタロン(GT 干渉計ともいう,

図 D.1 参照)が適している。GT エタロンは異なる反射率をも

つミラーからなる光キャビティであり,入出力端子側のミラーはハーフミラー,その後ろのミラーは全反

射ミラーで構成する。この場合は,反射光の位相は波長に強く依存するが,反射パワーのスペクトルは比

較的平たんとなる。複数の異なるキャビティをもつ GT エタロンを,最適に組み合わせて設計することで,

高次の分散を補償できる。

GT エタロン形分散補償器は,キャビティ長を,機械的に,又は温度などによる内部の屈折率変化を用

いて,制御することで,波長分散を変化させることが可能である。

図 D.1GT エタロン

ハーフ

ミラー

全反射

ミラー

入力光

出力光

光キャビティ


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C 5916

:2012

附属書 JA

参考)

光伝送用分散補償器の個別規格の様式例

JA.1

  概要

この附属書は,分散補償器の個別規格の様式例を示す。

個別規格の項目の例を次に示す。

a)

適用範囲

b)

引用規格

c)

構造

d)

試験成績書

e)

定格  定格の規定項目は,表 JA.1 による。

表 JA.1−定格の規定項目

項目

記号

条件

最大定格値

単位

使用温度範囲

T

a

−    ∼+

保存温度範囲

T

stg

−    ∼+

使用波長範囲

λ

band

      ∼

nm

最大入射光パワー

P

max

dBm

f)

光学特性  光学特性試験として,光伝送用分散補償器の光学特性の試験は,表 JA.2 による。

表 JA.2−光伝送用分散補償器の光学特性

項目

記号

試験方法

試験条件

最小値

標準値

最大値

単位

挿入損失

d

反射減衰

入力端子入射

RL

i

 

d

出力端子入射

RL

o

 

d

偏光依存性損失

PDL 

d

波長分散

CD 

p n

分散スロープ

/ m

2

偏波モード分散

PMD 

g)

環境及び耐久性特性  環境及び耐久性特性の試験条件は,表 JA.3 による。


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C 5916

:2012

表 JA.3−光伝送用分散補償器の環境及び耐久性特性

項目

試験方法

試験条件

要求性能

耐寒性

耐熱性

耐湿性(定常状態)

温度サイクル

耐振性

光ファイバクランプ強度

(軸方向引張り)

耐衝撃性

コネクタの横荷重

ストレインリリーフ強度

参考文献

JIS C 6835

  石英系シングルモード光ファイバ素線

注記  対 応 国 際 規 格 : IEC 60793-2-50 , Optical fibres− Part 2-50: Product specifications− Sectional

specification for class B single-mode fibres(MOD)


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C 5916

:2012

附属書 JB

参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS C 5916:2012

  光伝送用分散補償器通則

IEC 61978-1:2009

  Fibre optic interconnecting devices and passive components−

Fibre optic passive chromatic dispersion compensators−Part 1: Generic specification

(I)JIS の規定 (II)

国際規格
番号

(III)国際規格の規定 (IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条

ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇 条 番 号
及び題名

内容

箇条番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

1  適 用 範

1

一致

適用範囲は一致しているが,

JIS

と IEC 規格とで,全体を通

して構成を変更している。

2  引 用 規

3  用 語 及
び定義

分 散 補 償 器 の 用 語
及び定義を規定。

 3

変更

IEC

規格の代わりに JIS を引

用した。

光受動部品の用語を定義してい
る JIS が存在するため。

 3.1

基本用語の定義

3.1

一致

 3.2

部品の定義

3.2  JIS とほぼ同じ。

変更

IEC

規格では分散補償器の説

明だけであるが,分散補償器と
部品を分けて規定した。

利用者が分かりやすいように用
語を分けて記載した。

 3.3

性能パラメータ

の定義

 3.3

JIS

とほぼ同じ。

変更

IEC

規格の順番を採用せず,関

連する性能パラメータを一緒
に配置するように変更した。

反射減衰量の定義及び波長分
散スロープの単位を変更した。

利用者が分かりやすいように用
語を配置した。 
定義の変更は IEC 規格が間違っ

ているため。IEC 規格見直しの
際,提案を行う。

 
 
 
 
 

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C

 591

6


2

012


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C 5916

:2012

(I)JIS の規定 (II)

国際規格
番号

(III)国際規格の規定 (IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条

ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇 条 番 号
及び題名

内容

箇条番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

4  分類

分 散 補 償 器 の 分 類

例を規定。

 4.1

4.2.1 
4.2.2 
4.2.3

分類例を,型式,接続形

態及びバリアントに階層
化して規定。

変更

IEC

規格では分類項目を 3 階

層に分けているが,階層化せず
に表に列記することによって,
分類例を規定した。 
Table.1 を表 2 に変更した。

日本市場では分類が階層化され

ていないため,階層分類は採用し
ない。

4.2.4

品質認証水準を規定。

削除

JIS

では通則にこれを規定 しな

い。

4.2.5

引用規格範囲を規定。

削除

JIS

ではここに規定しない。

5  外 観 及
び構造

5.1  外観

4.5.2

JIS

とほぼ同じ。

追加

目視検査を明確化した。

IEC

規格見直しの際,提案を行

う。

 5.2

構造

4.5.1

JIS

とほぼ同じ

変更

難燃性材料の指定について,

IEC

規格を個別規格で引用す

るとの規定を削除した。

個別規格の規定において IEC 
格と整合をとる。

6  性能

分 散 補 償 器 の 性 能
を規定。

 4.6

分散補償器の性能に関す
る要求を規定。

追加

個別規格の様式例を附属書 JA
に例示した。

個別規格の規定に関して理解が
深まるため。

4.3.1

文書中での記号について
の規定。

削除

文書中での記号に関しては通則
で規定しない。親規格の JIS C 

5900

で規定することを検討する。

4.3.2

個別規格の体系を規定。

削除

個別規格の体系は通則では規定
しない。

4.3.3

図面の記述方法を規定。

削除

図面の記述方法は通則では規定
しない。

7  試 験 方

分 散 補 償 器 の 試 験
方法を規定。

 4.3.4

試 験 方 法 に つ い て の 規
定。

変更

試験方法として JIS C 5901 
引用した。

試験項目については JIS で規定さ
れているため。

4.3.5

試験成績書についての規

定。

削除

試験成績書については,個別規

格の様式例を附属書 JA に例示
した。

試験成績書に関して理解が深ま

るため。

4.3.6

使用説明書

削除

使用説明書に関する規定は通則
には定めない。

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C

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1

2


20

C 5916

:2012

(I)JIS の規定 (II)

国際規格
番号

(III)国際規格の規定 (IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条

ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇 条 番 号
及び題名

内容

箇条番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

4.4

性能に関する規格体系を

規定。

削除

JIS

と IEC 規格とでは規格体系が

異なり,JIS 本文で説明するのは
不合理であるため。

8  表示

表示項目を規定。

4.7.1 
4.7.2

JIS

とほぼ同じ

変更

表示項目の一部を削除した。

国内に流通する商品として必要
な表示項目だけを規定した。

 4.7.3

包 装 へ の 表 示 項 目 を 規

定。

削除

包装への表示項目は,JIS では通

則に規定しない。

9 包装

4.8 
4.9

変更

包装を明確化した。

IEC

規格見直しの際,提案を行

う。

10 安全

4.10  JIS とほぼ同じ

変更

IEC

規格から,警告についての

規定を削除した。

安全の警告は,JIS では通則に規
定しない。

附属書 A 
(参考)

Annex

A

JIS

とほぼ同じ

変更

四つの附属書に分割したが,内
容に技術的差異はない。

利用者が分かりやすいように附
属書を分割した。

附属書 B 
(参考)

Annex

A

JIS

とほぼ同じ

変更

附属書 C 
(参考)

Annex

A

JIS

とほぼ同じ

変更

附属書 D

(参考)

Annex

A

JIS

とほぼ同じ

変更

附属書 JA

(参考)

追加

附属書 JA を追加した。

個別規格を作成するときの参考

とするため。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 61978-1:2009,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  一致……………… 技術的差異がない。 
    −  削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
    −  追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

    −  変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD……………  国際規格を修正している。

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