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C 5900

:2013

(1)

目  次

ページ

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  用語及び定義  

1

3.1

  基本用語及びその定義  

1

3.2

  部品の用語及びその定義  

5

3.3

  性能パラメータ及びその定義  

8

4

  定格などの標準  

11

4.1

  標準基準大気条件  

11

4.2

  定格などに用いる数値  

11

4.3

  温度  

11

5

  基本的光学特性  

11


C 5900

:2013

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般財団法人光産

業技術振興協会(OITDA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業

規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業

規格である。これによって,JIS C 5900:2006 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 C

5900

:2013

光伝送用受動部品通則

General rules of passive devices for fiber optic transmission

適用範囲 

この規格は,石英系光ファイバを用いた光伝送に使用する光受動部品の通則であり,光伝送用受動部品

の用語,定格などの一般的な共通事項について規定する。

注記  この規格は,次に掲げる光受動部品の規格の共通事項を規定している。

JIS C 5910

  光ブランチングデバイス通則(波長選択性のないもの)

JIS C 5912

  波長スイッチ通則

JIS C 5914

  光サーキュレータ通則

JIS C 5916

  光伝送用分散補償器通則

JIS C 5920

  光減衰器通則

JIS C 5925-1

  WDM デバイス通則

JIS C 5930

  光スイッチ通則

JIS C 5932

  光アイソレータ通則

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 60068-1

  環境試験方法−電気・電子−通則

JIS Z 8601

  標準数

用語及び定義 

用語及び定義は,次による。

3.1 

基本用語及びその定義 

3.1.1 

接続形態(connecting)

光伝送用部品間,光ファイバ間又は光ファイバと光伝送用部品との間を接続し,その間に光を伝送する

ための構造的形態。光コネクタプラグ形,光コネクタレセプタクル形及び光ファイバピッグテール形があ

る。

3.1.2 

光コネクタプラグ形接続形態(plugged connecting)

光コネクタプラグによる接続形態。光コネクタプラグとは,光伝送用部品間,光ファイバ間又は光ファ

イバと光伝送用部品との間を接続するために,光ファイバの端末部に取り付けるもので,光ファイバを保


2

C 5900

:2013

持固定するフェルールをもつ部品をいう。

3.1.3 

光コネクタレセプタクル形接続形態(receptacle connecting)

光コネクタレセプタクルによる接続形態。光コネクタレセプタクルとは,光伝送用部品間,光ファイバ

間又は光ファイバと光伝送用部品との間を接続するために光伝送用部品に取り付けるもので,光コネクタ

プラグとかん(嵌)合する構造をもち,内部のスリーブによってフェルールを位置決めする機能をもつ部

品をいう。

3.1.4 

光ファイバピッグテール形接続形態(pigtailed connecting) 

光ファイバピッグテールによる接続形態。光ファイバピッグテールとは,片端に光コネクタ又は光伝送

用部品が取り付けてあり,他端は光コネクタ又は光伝送用部品を取り付けず,裸の状態になっている光フ

ァイバをいう。

3.1.5 

端子(port) 

光伝送用部品で,光ファイバ及び他の光伝送用部品と接続し,光の入射,出射又はその両方が可能な部

分。その接続形態に応じて,光コネクタプラグ形,光コネクタレセプタクル形及び光ファイバピッグテー

ル形に分類される。

3.1.6 

入力端子(input port) 

光の入射に用いる端子。 

3.1.7 

出力端子(output port) 

光の出射に用いる端子。 

3.1.8 

定格(rating) 

光伝送用部品を適正な状態で動作させるために必要な基本的条件。

3.1.9 

公称値(nominal value) 

光伝送用受動部品の規格値を代表する数値。

3.1.10 

基準状態(standard condition) 

光伝送用受動部品の性能を評価する場合に基準とする環境状態。

3.1.11 

周囲温度(ambient temperature)

光伝送用受動部品の周囲の温度。規定がない限り周囲の空気温度。

3.1.12 

性能(performance) 

使用目的を遂行するための能力。

3.1.13 

特性(characteristic) 


3

C 5900

:2013

光伝送用部品の性能のうち特に取り上げられた性能で,ある条件で定量的又は定性的に表すことができ

るもの。

3.1.14 

伝達を意図する(conducting) 

光の入力,出力又はその両方が可能な 個(n≧1)の端子をもつ光伝送用受動部品のある特定の使用状

態で,ある端子 に光パワー(P

i  in

)を入射したとき,ある端子 から出射する光パワー(P

j  out

)が,P

j  out

P

i  in

ij)であることを望むこと。部品の構造・機能上の理由から P

j  out

P

i  in

にはなり得ない場合であ

っても,P

out

P

in

に近いことを望むこと。

3.1.15 

分岐を意図する(splitting) 

端子に入射した光パワーを 2 個以上の端子から出射するとき,出射する全光パワーの合計が,入力光パ

ワーに近いことを望むこと。

3.1.16 

結合を意図する(coupling)

2

個以上の端子に入射した光パワーを一つの端子から出射するとき,入射する全光パワーの合計が,出

力光パワーに近いことを望むこと。

3.1.17 

阻止を意図する(isolated)

端子 に光パワーP

in

を入射したとき,端子 から出射する光パワーP

out

が 0 であることを望むこと。

3.1.18 

減衰を意図する(attenuating)

端子 に光パワーP

in

を入射したとき,端子 から出射する光パワーP

out

が,0<P

out

P

in

ij)を満た

す一定の値であることを望むこと。

3.1.19 

伝達係数(transfer matrix coefficient)

入力光パワーに対する出力光パワーの比。総端子数 個の光伝送用受動部品で,端子 だけに波長 λ,光

パワーP

i in

の光を入射し,かつ,端子 から出射する光パワーが P

j out

であるとき,入力光パワーに対する

出力光パワーの比をこの光伝送用受動部品の端子 から端子 への伝達係数と呼び,t

ij

(λ)

P

j  out

/P

i in

(ただ

し,i=1,2,…,及び j=1,2,…,n)で表す。総端子数 個の光伝送用受動部品における n

2

個の伝達

係数を総称して,その光伝送用受動部品の伝達係数と呼ぶことがある。

3.1.20 

伝達行列(transfer matrix)

伝達係数 t

ij

を要素とする正方行列。ここで,は入射する端子を表し,は出射する端子を表す。光伝送

用受動部品の波長依存性を示す場合,その伝達行列全体に波長 λ を添え字として付し,T

n

(λ)

と示すことも

できる。

例 1  n=3 の場合

( )

( )

( ) ( )

( ) ( ) ( )

( )

( ) ( )

λ

λ

λ

λ

λ

λ

λ

λ

λ

λ

λ



=



=

33

32

31

32

22

21

31

21

11

33

32

31

23

22

21

13

12

11

3

t

t

t

t

t

t

t

t

t

t

t

t

t

t

t

t

t

t

T

伝達係数の波長依存性を示す必要がない場合は,波長

λ

を省略することができる。


4

C 5900

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例 2  

( )

ij

ij

t

t

λ

( )

n

n

T

T

λ



=



33

32

31

32

22

21

31

21

11

33

32

31

32

22

21

31

21

11

t

t

t

t

t

t

t

t

t

t

t

t

t

t

t

t

t

t

λ

光伝送用受動部品の入出力端子間に線形結合関係が成立するときは,各端子への入力光パワーP

1in

P

2 in

…,P

n in

と各端子間の出力光パワーP

1out

P

2 out

,…,P

n out

との間には,次の式が成立する。

=

in

in

2

in

1

t

out

out

2

out

1

n

n

n

P

P

P

T

P

P

P

注記  T

n

の転置行列を T

n

t

で表す。

3.1.21 

対数伝達行列(logarithmic transfer matrix) 

対数伝達係数 a

ij

を要素とする正方行列。ここで,は入射する端子を表し,は出射する端子を表す。一

般に,対数伝達行列の要素は,次のようになる。

ij

ij

t

a

10

log

10

=

ここに,

t

ij

伝達係数

a

ij

端子 から入射した光が端子 から出射するときに
受ける光損失

3.1.22 

偏光状態(state of polarization) 

偏光の振動状態の分類。直線,だ(楕)円及び円がある。

3.1.23 

分波(wavelength demultiplexing) 

複数の波長を含んだ光を,波長に応じて複数の端子から出射すること。

3.1.24 

合波(wavelength multiplexing) 

波長の異なる光を複数の端子に入射し,一つの端子から出射すること。

3.1.25 

波長選択性(wavelength-selective) 

分波及び/又は合波,又はあらかじめ定められた波長帯域の光だけを伝達する機能。

3.1.26 

端子構成(port configuration)

光受動部品の端子(全端子数 n)を,次に示す全ての関係を満たす,端子数 の端子群及び端子数 

端子群の二つの端子群(MNn)に分割した場合の端子の接続関係を示す概念。M×で表す。

a)

端子数 の端子群のいずれの端子も,同じ端子群のその他の端子に対して,伝達,減衰,分岐又は結

合を意図する関係にない。

b)

端子数 の端子群のいずれの端子も,同じ端子群のその他の端子に対して,伝達,減衰,分岐又は結

合を意図する関係にない。

c)

端子数 の端子群のいずれの端子も,端子数 の端子群のいずれの端子に対しても,伝達,減衰,分

岐又は結合を意図する関係になり得る。


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C 5900

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d)

端子数 の端子群のいずれの端子も,端子数 の端子群のいずれの端子に対しても,伝達,減衰,分

岐又は結合を意図する関係になり得る。

特に断りがない場合,Mとする。

注記 1  入力端子群(端子数 M)及び出力端子群(端子数 N)の端子構成の表記方法として用いる場

合,Mであっても,M×と表すことがある。

注記 2  波長選択ブランチングデバイスの端子構成の表記方法として用いる場合,伝達,減衰,分岐

又は結合を意図する関係にあるとは,いずれかの通過帯域(パスバンド)において伝達する

ことを意味する。

注記 3  光スイッチの場合の端子構成の表記方法として用いる場合,伝達,減衰,分岐又は結合を意

図する関係にあるとは,ある状態において伝達することを意味する。

3.1.27 

非相反性(non-reciprocal) 

2

端子間の光の伝達特性が,光の入出力方向によって異なる性能。

注記 1  非相反性の反対語は相反性である。

注記 2  非相反性素子を含む例としては,入力端子と出力端子とを反転すると伝達しない光受動部品

である光アイソレータ,光サーキュレータなどがある。また,入力端子と出力端子とを反転

しても伝達でき,かつ,両方向に用いる光受動部品は,相反性素子だけの組合せからできて

いる。

注記 3  同時に一つの端子を入力端子及び出力端子として用いる適用方法を,双方向(bi-directional)

という。双方向の反対語は一方向(uni-directional)である。双方向と両方向とを誤用しない

ように注意する。双方向は適用方法を示す用語であり,両方向は光受動部品の機能を表す用

語である。

3.2 

部品の用語及びその定義 

3.2.1 

光伝送用部品(fiber optic component) 

光ファイバを用いた光伝送に使用し,かつ,1 本以上の光ファイバと接続でき,光ファイバからの光の

入力,光ファイバへの光の出力,又はその両方が可能である部品。

注記  光伝送用部品は,IEC/TS 62538 で定義する optical device に該当する。optical device は,optical

element, optical component, optical assembly, optical sub-assembly

及び optical module を含む。

3.2.2 

光伝送用受動部品(fiber optic passive component) 

入射する光に対してエネルギーの変換機能をもたず,接続した全ての光ファイバから入射する光パワー

の総量よりも,全ての光ファイバへ出射する光パワーの総量が大きくならない光伝送用部品。

3.2.3 

光減衰器(optical attenuator) 

光の入力,出力又は,その両方が可能な 2 個の端子をもち,減衰を意図する光伝送用部品。

3.2.4 

光アイソレータ(optical isolator) 

入力端子及び出力端子をもち,入力端子から出力端子へは伝達を意図し,出力端子から入力端子へは阻

止を意図する非相反性の光伝送用部品。


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C 5900

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3.2.5 

光サーキュレータ(optical circulator)

光の入力,出力又はその両方が可能な 3 個以上の端子をもち,入力光及び出力光が,入出力端子に対し,

循環関係をもった非相反性の光伝送部品。例えば,第 1 端子の入力光が第 2 端子に出射し,第 2 端子の入

力光が第 3 端子に出射する。

3.2.6 

分散補償器(chromatic dispersion compensator) 

波長分散をもつ 2 端子光伝送用部品。分散補償器は,一般に光路中に発生する分散値又は分散スロープ

を補償するために用いる。

3.2.7 

光変調器(optical modulator) 

光の入力,出力又はその両方が可能な 2 個の端子をもち,外部からの信号に応じて光を変調し,出射す

る機能をもつ光伝送用部品。

注記  変調には,強度変調,位相変調,周波数変調などがある。

3.2.8 

偏光子(polarizer)

光の入力,出力又はその両方が可能な 2 個の端子をもち,入力光に対し,偏光特性をもつ光を出射する

光伝送用部品。

3.2.9 

偏光制御器(polarization controller) 

光の入力,出力又はその両方が可能な 2 個の端子をもち,入力光の偏光状態を制御し,これを出射する

光伝送用部品。

3.2.10 

偏光スクランブラ(polarization scrambler) 

光の入力,出力又はその両方が可能な 2 個の端子をもち,入力光の偏光状態をランダムに変化させ,こ

れを出射する光伝送用部品。

3.2.11 

偏光解消子(depolarizer) 

光の入力,出力又はその両方が可能な 2 個の端子をもち,偏光特性をもつ光を入射し,偏光特性をもた

ない自然光に近い光を出射する光伝送用部品。

3.2.12 

光カプラ(optical coupler) 

入力(出力)端子が 2 個以下で出力端子(入力)が 4 個以下,又は入力(出力)端子が 3 個以上で出力

(入力)端子が 3 個以上の波長選択性のないブランチングデバイス。

3.2.13 

光スプリッタ(optical splitter) 

入力(出力)端子 2 個以下かつ出力(入力)端子 5 個以上の,各出力端子の光出射パワーが均一に設計

された波長選択性のないブランチングデバイス。 

3.2.14 

光合波器(wavelength multiplexer) 


7

C 5900

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波長に対応する 個の端子から,一つの端子へ合波する機能をもつ光伝送用部品。

3.2.15 

光分波器(wavelength demultiplexer) 

一つの端子から,波長に対応する 個の端子へ分波する機能をもつ光伝送用部品。

3.2.16 

光合分波器(wavelength multiplexer/demultiplexer)

合波及び分波の両方の機能をもつ光伝送用部品。

3.2.17 

波長選択性のない光ブランチングデバイス(wavelength non-selective branching device) 

光の入力,出力又はその両方が可能な 3 個以上の端子をもち,各端子間の入力光パワーに対する出力光

パワーの比が波長によらず一定である光伝送用部品。

3.2.18 

波長選択ブランチングデバイス(wavelength selective branching device) 

光の入力,出力又はその両方が可能な 3 個以上の端子をもち,光の波長に依存してあらかじめ定められ

た割合で,端子に光を出射する光伝送用受動部品。波長選択ブランチングデバイスは,光に対して増幅,

その他の能動機能をもたず,二つ以上の異なる波長範囲において異なる 2 対の端子間で伝達を意図する光

伝送用部品。

3.2.19 

WDM

デバイス(WDM device) 

波長選択ブランチングデバイスの同義語。

注記  波長選択ブランチングデバイスは,波長選択性がないブランチングデバイスに対比する用語で

あり,IEC 用語の階層構造に由来している。一般的には,WDM デバイスを用いる。

3.2.20 

光スイッチ(optical switch) 

光の入力,出力又はその両方が可能な 2 個以上の端子をもち,かつ,ある端子に入射した光パワーを他

の端子から出射するか,又はいずれの端子からも出射しない二つ以上の定常的な状態をとることができ,

これらの状態の間を外部からの駆動手段に応じて切り換えることができる光伝送用部品。

注記  光の入力,出力又はその両方が可能な 2 個の端子をもち,伝達を意図する状態及び阻止を意図

する状態の両方をとることができる光スイッチを,光シャッタということがある。

3.2.21 

波長スイッチ(wavelength switch) 

二つ以上の定められた波長域において動作し,一つ以上の動作波長域の光に対して,波長域ごとに経路

設定したり,伝達を阻止したりする光スイッチ。

3.2.22 

光フィルタ(optical filter) 

複数の定められた波長範囲の光を,伝達,阻止又は定められた減衰量に減衰し,信号のスペクトル強度

分布を変更する,1 個又は 2 個の入出力端子をもつ光伝送用受動部品。伝達を意図する波長範囲,阻止を

意図する波長範囲又は減衰を意図する波長範囲は,それぞれ複数あってもよい。

注記  使用波長範囲を複数の波長範囲に分けた場合,それぞれの波長範囲の光を,伝達,減衰又は複

数の異なる定められた減衰量に減衰することで信号のスペクトル強度分布を変更する。


8

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3.2.23 

ファイバ・ブラッグ・グレーティング,FBG(fiber Bragg grating) 

光ファイバコア部分に光ファイバ軸方向の周期的な屈折率変化を形成した光伝送用部品。長手方向に周

期が変わる屈折率変化をもつものをチャープ FBG という。

3.2.24 

GT

エタロン(Gires-Tournois etalon) 

平行に置いた一対のミラーからなり,入出力端子側のミラーはハーフミラー,もう一方は全反射ミラー

で構成している光キャビティ。GT(Gires-Tournois)干渉計ともいう。

3.2.25 

FP

エタロン(Fabry-Perot etalon)

平行に置いた一対のハーフミラーからなり,両ミラーがそれぞれ,入力端子側及び出力端子側に配置さ

れる光キャビティ。FP(Fabry-Perot)干渉計ともいう。

3.2.26 

光キャビティ(Optical cavity)

平行に置いた一対のミラーからなり,ミラー間の多重反射による干渉によって,ある損失波長特性をも

つ光受動部品。

3.3 

性能パラメータ及びその定義 

3.3.1 

使用温度範囲(operating temperature range) 

光伝送用部品を適正な状態で使用できる周囲温度の範囲。放熱する光伝送用部品の場合,ケース温度の

範囲を指すことがある。

3.3.2 

光損失(optical attenuation) 

ある特定の使用状態で,一つの端子に入射した光パワーと同一又は別の端子から出射する光パワーとの

比をデシベル(dB)で表した値。次の式によって算出する。

ただし,i=1,2,…,及び j=1,2,…,n

in

out

10

log

10

i

j

P

P

a

=

ここに,

a: 光損失(dB)

P

i in

番目の端子に入射する光パワー(W)

P

out

番目の端子から出射する光パワー(W)

3.3.3 

挿入損失(insertion loss) 

一つの端子とそれに対し伝達を意図する端子との間の光損失をデシベル(dB)で表した値。正の値とす

る。挿入損失は,入射する端子とそれに対する端子との一対で定義する。光受動部品に対して挿入損失を

規定する場合,一般に,伝達を意図する全ての端子間の通過帯域(パスバンド)内の最大値とする。

3.3.4 

減衰量(attenuation) 

一つの端子とそれに対し減衰を意図する端子との間の光損失。単位はデシベル(dB)で表し,正の値と

する。


9

C 5900

:2013

3.3.5 

アイソレーション(isolation) 

一つの端子と阻止を意図する端子との間の光損失をデシベル(dB)で表した値。正の値とする。アイソ

レーションは,阻止の関係にある端子対のうち,ある状態において,伝達を意図する関係となる端子対で

定義する。光受動部品に対してアイソレーションを規定する場合,一般に,阻止の関係にある全ての組合

せの端子対におけるアイソレーションの最小値とする。

注記 1  光アイソレータ及び光サーキュレータでは,伝達を意図する二つの端子間の,逆方向の光損

失をいう。WDM デバイスでは,あるチャネルで伝達を意図する二つの端子間の,阻止を意

図するチャネルにおける光損失をいう。

注記 2 WDM デバイスの特殊な例として,波長アド・ドロップでは,アド端子群とドロップ端子群

とが,全てのチャネルで阻止の関係にある。この場合のアイソレーションをアド・ドロップ

アイソレーションという。

3.3.6 

クロストーク(crosstalk) 

選択された一つの出力を意図する端子に対して,阻止を意図する光パワーと,伝達を意図する光パワー

との比をデシベル(dB)で表した値。負の値とする。光受動部品に対してクロストークを規定する場合,

一般に,全ての出力を意図する端子のクロストークの最大値とする。

3.3.7 

ディレクティビティ(directivity)

阻止の関係にある端子対のうち,あらゆる状態においても伝達を意図する関係にならない端子対間の光

損失をデシベル(dB)で表した値。正の値とする。3 端子以上の光受動部品に対して定義する。光受動部

品に対してディレクティビティを規定する場合,一般に,ディレクティビティを定義する全ての端子間の

ディレクティビティの最小値とする。

注記 1  光サーキュレータでは,挿入損失及びアイソレーションの関係にない端子間の光損失をいう。

WDM

デバイス及び波長選択性のない光ブランチングデバイスでは,全ての使用波長範囲に

おいて,伝達を意図する関係にない端子対の光損失をいう。

注記 2  WDM デバイスにおいて,アド・ドロップ端子間には,ディレクティビティを適用しない。2

×2 バイパス光スイッチにも適用しない。

注記 3  アイソレーションは,阻止を意図する端子間で定義するのに対し,ディレクティビティは,

明示的には阻止を意図していないが,阻止の関係であることを望む端子間で定義する。明示

的に阻止を意図していないとは,漏れ光及び/又は迷光の阻止を期待することである。

3.3.8 

反射減衰量(return loss) 

一つの端子に入射する光パワーと,同じ端子から出射する光パワーとの比をデシベル(dB)で表した値。

正の値とする。

1

2

10

log

10

P

P

rl

=

ここに,

rl: 反射減衰量(dB)

P

1

端子に入射する光パワー(W)

P

2

同じ端子から出射する光パワー(W)


10

C 5900

:2013

3.3.9 

使用波長(operating wavelength) 

光伝送用受動部品の所期の性能を満たす代表的な波長。

3.3.10 

チャネル(channel)

使用波長(又は使用周波数)に対する別の用語。

3.3.11 

使用波長範囲(operating wavelength range) 

所期の性能を満たす使用波長を含む波長範囲。使用波長範囲は,伝達,阻止,分岐,結合及び減衰を意

図する端子間の全ての波長範囲を含む。複数の波長範囲がある場合は,全ての波長範囲を含む。

3.3.12 

通過帯域,パスバンド(passband)

使用波長範囲のうち,伝達を意図する一つの波長範囲。

注記  使用波長範囲の中に,複数のパスバンドを含む場合がある。

3.3.13 

波長依存性(wavelength dependence) 

入力光の波長による光学特性の差異。

3.3.14 

波長依存性損失,WDL(wavelength dependent loss) 

入力光の波長による挿入損失の最大値と最小値との差。通常,通過帯域(パスバンド)ごとに規定する。

3.3.15 

波長分散(chromatic dispersion) 

群遅延の波長又は周波数に対する導関数。代表的な単位は ps/nm(ピコ秒毎ナノメートル)又は ps/GHz

(ピコ秒毎ギガヘルツ)

。波長分散は,一般に,使用波長によって異なる値となる。

注記 ps/GHz の単位は通常使われていないが,システムへの影響を考慮すると,定義として優れてい

る。

3.3.16 

偏光依存性(polarization dependence) 

入力光の偏光状態による光学特性の差異。

3.3.17 

偏光依存性損失,PDL(polarization dependent loss) 

入力光の偏光状態によって変化する挿入損失の変動分。伝達を意図する端子対に適用する。

3.3.18 

偏波モード分散,PMD(polarization mode dispersion) 

光信号が,光ファイバ,光部品,サブシステムなどを通過する場合に起きる,二つの主偏光状態(principal

states of polarization

:PSP)間の群遅延差。

3.3.19 

群遅延(group delay) 

光伝送用部品中でパルスが遅れる時間。群遅延は,一般に,使用波長によって異なる値となる。


11

C 5900

:2013

3.3.20 

分散スロープ(chromatic dispersion slope) 

波長分散の波長又は周波数に対する導関数。代表的な単位は ps/nm

2

(ピコ秒毎平方ナノメートル)又は

ps/GHz

2

(ピコ秒毎平方ギガヘルツ)

。分散スロープは,一般に,使用波長によって異なる値となる。

注記 ps/GHz

2

の単位は通常使われていないが,システムへの影響を考慮すると,定義として優れてい

る。

3.3.21 

モード依存性(launch mode dependence) 

マルチモード形光ファイバを用いる光伝送用部品で起こる,励振モードによる光学特性の差異。

3.3.22 

最大入力パワー(maximum input power) 

光伝送用部品が,損傷又は特性劣化を起こさない入力光パワーの最大値。

3.3.23 

消光比(extinction ratio) 

光伝送用受動部品の一対の入出力端子間において,伝達を意図する状態と,阻止を意図する状態との光

損失の比をデシベル(dB)で表した値。正の値とする。

注記  強度光変調器では,on/off の変調時の光損失の比を,on/off 消光比という。偏波面保存光ファイ

バを用いた光部品では,偏光消光比をいう。

定格などの標準 

4.1 

標準基準大気条件 

標準基準大気条件は,JIS C 60068-1 の 5.1[標準基準大気条件(基準状態)

]による。ただし,温度条件

だけで,標準基準大気条件としてもよい。

4.2 

定格などに用いる数値 

定格などに用いる数値は,JIS Z 8601 による。

4.3 

温度 

使用温度範囲及び定格を定める場合の温度は,

表 の温度から選ぶ。

表 1−温度 

単位  ℃

−65

−5 27  85 200

−55 0  30 100 250 
−40 5  40 125 315

−25 20  55  155  400 
−10 23  70  175

基本的光学特性 

光伝送用受動部品の基本的な光学特性は,次の項目とする。

a)

挿入損失

b)

アイソレーション

c)

反射減衰量


12

C 5900

:2013

参考文献  IEC/TS 62538,Categorization of optical devices