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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

C5601-1975 

電子通信用語(無線通信編その1) 

Glossary of Terms Used in Electronics and Telecommunications 

(Radiotelecommunications No.1) 

1. 適用範囲 この規格は,無線通信に関して用いられる主な用語とその意味について規定する 

2. 分類 無線通信編その1を,次の5部門に分ける 

I. 

一般電気通信 

II. 電磁波,電波の分類 

III. 振動及び信号 

IV. 変調 

V. 雑音及び混信 

3. 無線通信用語 主な用語について,次のように定める 

I. 

一般電気通信用語 (general telecommunication terms) 

番号 

用語 

読み方 

意味 

対応英語(参考) 

1-1 

無線通信 

むせんつうしん 

電波を利用して行う通信。 

radio communication 

1-2 

無線電話 

むせんでんわ 

電波を利用して行う電話。 

radiotelephony 

1-3 

無線電信 

むせんでんしん 

電波を利用して行う電信。 

radiotelegraphy 

1-4 

無線放送 

(放送) 

むせんほうそう 

(ほうそう) 

公衆によって直接受信されることを目的に,音響,

画像などの伝送を行う無線通信。 

broadcast,  

broadcasting 

1-5 

無線通信路 

むせんつうしん

ろ 

無線送信機と無線受信機との間を結ぶ通信路。 

radio channel 

1-6 

無線中継 

むせんちゅうけ

い 

送信局と受信局との距離が遠い場合などに中間に無

線局を設けてそこで受信し,その情報をそのまま再

送信すること。 

radio relay 

1-7 

無線中継方式 

むせんちゅうけ

いほうしき 

無線中継によって端局間を結ぶ方式。 

radio-relay system 

1-8 

広帯域無線中継

方式 

こうたいいきむ

せんちゅうけい

ほうしき 

多重電話,テレビジョン又はこれらの組合せのよう

な広い周波数帯の信号を伝送する無線中継方式。 

widebandradio relay 

system 

1-9 

無線遠隔測定 

むせんえんかく

そくてい 

測定量を自動的に検出し,電波を利用してその結果

を離れた箇所に伝送して行う測定。 

備考 このための測定装置をラジオテレメータ

という。 

radiotelemetering 

1-10 

選択呼出方式 

せんたくよびだ

しほうしき 

ある局から特定の符号を送り,希望局だけを限って

呼出す方式。 

参考 希望局は1局の場合もあり,複数局(群)

の場合もある。 

selective calling 

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C5601-1975  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み方 

意味 

対応英語(参考) 

1-11 

単信方式 

たんしんほうし

き 

手動などによって送受を交互に切り替えて,甲乙相

互の通信を行う方式。 

備考 無線通信では単信方式は,一つ又は二つ

の周波数を用いる。 

simplex operation 

1-12 

複信方式 

ふくしんほうし

き 

同時伝送によって甲乙相互の通信を行う方式。 

備考 無線通信では,複信方式は二つの周波数

を必要とする。 

duplex operation 

II. 電磁波−電波の分類 (electromagnetic waves, classification of radio waves) 

番号 

用語 

読み方 

意味 

対応英語(参考) 

2-1 

電波 

でんぱ 

電磁波のうち,3000GHz以下の周波数の部分(1)。 

注(1) 電波法による。 

参考 国際電気通信条約では,周波数帯の周波

数の範囲とその名称を次のとおり表示し

ている。 

radio wave 

周波数帯の周波数

の範囲 

周波数帯の名

称(略称) 

メートルによ

る区分 

3kHz 
 を超え 
30kHz 
 以下 

very low 
frequency  

(VLF) 

myria-metric 
wave 
ミリアメート
ル波 

30kHz 
 を超え 
300kHz 
 以下 

low  
frequency   

(LF) 

kilometric 
wave 
キロメートル
波 

300kHz 
 を超え 
3000kHz 
 以下 

medium 
frequency 

(MF) 

hectometric 
wave 
ヘクトメート
ル波 

3MHz 
 を超え 
30MHz 
 以下 

high frequency 

(HF) 

decametric 
wave 
デカメートル
波 

30MHz 
 を超え 
300MHz 
 以下 

very high  
frequency  

(VHF) 

metric wave 
メートル波 

300MHz 
 を超え 
3000MHz 
 以下 

ultra high  
frequency  

(UHF) 

decimetric 
wave  
デシメートル
波 

3GHz 
 を超え 
30GHz 
 以下 

super high  
frequency  

(SHF) 

centimetric 
vave 
センチメート
ル波 

30GHz 
 を超え 
300GHz 
 以下 

extremely high  
frequency  

(EHF) 

millimetric 
wave 
ミリメートル
波 

300GHz 
 を超え 
3000GHz 
 又は 
3THz 
 以下 

− 

decimilli-metri
c wave 
デシミリメー
トル波 

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C5601-1975  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み方 

意味 

対応英語(参考) 

2-2 

マイクロ波 

まいくろは 

波長が極めて短い電波の通称。 

備考 具体的には,送受信回路に導波管や空胴

共振器を使うような短い波長の電波をい

う。 

microwave 

2-3 

周波数帯 

しゅうはすうた

い 

ある二つの周波数の間の範囲。 

備考1. 

一般には,高周波電流又は電波の特性

がほぼ等しいような連続した周波数の

一群をいう。 

2. ある機器の動作可能な周波数範囲とも

いう。 

frequency band 

2-4 

業務別周波数帯 

ぎょうむべつし

ゅうはすうたい 

国内又は国際間の規則によって無線通信業務別に割

り当てられた周波数帯。 

service band 

III. 振動及び信号 (oscillations and signals) 

番号 

用語 

読み方 

意味 

対応英語(参考) 

3-1 

振動性回路 

しんどうせいか

いろ 

持続振動,減衰振動などを生じる回路及びそうした

性質をもつ回路の総称で,キャパシタンス,インダ

クタンス及び抵抗分をもち,リアクタンス分の作用

が抵抗分の作用よりも大きな回路。 

oscillatory circuit 

3-2 

減衰振動 

げんすいしんど

う 

時間がたつにつれて,その振幅が次第に減少する振

動。 

damped oscillation 

3-3 

固有周波数 

こゆうしゅはす

う 

ある系又は回路が自由振動をするときの周波数。 

natural frequency 

3-4 

定在波 

ていざいは 

媒質に不連続があるとき,その部分への入射波と,

そこからの反射波とが合成されてできる見かけ上進

行しない定在的な波。 

standing wave 

3-5 

波 節(節) 

はせつ(ふし) 

定在波の振幅の最小部分。 

(wave) node 

3-6 

波 腹 

はふく 

定在波の振幅の最大部分。 

antinode 

3-7 

オーバシュート 

回路特性によって,例えば方形波のような波形の前

ぶち又はあと(後)ぶちの部分が過渡的に増大する

こと,又はその最大値。 

overshoot 

3-8 

レスポンス 

回路に信号を加えたとき,その回路の特性によって

決まる出力信号の現れ方。 

備考 応答ともいう。 

response 

3-9 

周波数特性 

しゅうはすうと

くせい 

回路の周波数に対応する特性。 

参考 実際には,増幅器などにおいて各周波数

に対応する振幅又は増幅度の関係を示す

ことが多い。 

frequency 

characteristic 

3-10 

振幅特性 

しんぷくとくせ

い 

ある回路において,一定周波数の正弦波の入力振幅

と出力振幅との関係を示す特性。 

amplitude 

characteristic 

3-11 

パルスレスポン

ス 

パルス波形の入力信号に対するレスポンス。 

pulse response 

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C5601-1975  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

IV. 変調 (modulation) 

番号 

用 語 

読み方 

意味 

対応英語(参考) 

4-1 

変調 

へんちょう 

伝送しようとする情報を表す信号波によって,正弦

波又は周期的パルスなどの高周波電流の振幅,周波

数その他に時間的な変化を与える操作。 

備考 この場合の高周波電流を搬送波という。 

参考 変調の方式には,振幅変調方式,周波数

変調方式などがある。 

modulation 

4-2 

搬送波 

はんそうは 

情報の伝送に必要な搬送用の正弦波又は周期的なパ

ルスなどの波。 

carrier (wave) 

4-3 

搬送周波数 

はんそうしゅう

はすう 

搬送波の周波数。 

carrier frequency 

4-4 

被変調波 

ひへんちょうは 

変調の結果生じる波。 

備考 変調波ともいう。 

modulated wave 

4-5 

側波帯 

そくはたい 

変調によって生じるスペクトル成分のうち,搬送周

波数の上側又は下側に現れる部分の周波数帯。 

備考 側波帯内のある一つの周波数を側波(周

波数)という。 

sideband 

4-6 

ベースバンド 

広帯域無線中継方式の搬送波を変調する信号の周波

数帯。 

baseband 

4-7 

両側波帯伝送 

りょうそくはた

いでんそう 

振幅変調方式において,搬送波成分と上下の側波帯

をすべて伝送すること。 

double-sideband 

transmission 

4-8 

単側波帯伝送 

たんそくはたい

でんそう 

振幅変調方式において,上又は下側波帯の片方だけ

を伝送すること。 

参考 実際には,搬送波の一部又は全部を除去

する場合が多い。 

single-sideband 

transmission 

4-9 

独立側波帯伝送 

どくりつそくは

たいでんそう 

振幅変調方式において,上下の側波帯を別々の信号

で変調し伝送すること。 

参考 実際には,搬送波の一部又は全部を除去

する場合が多い。 

independent sideband 

transmission 

4-10 

低減搬送波伝送 

ていげんはんそ

うはでんそう 

振幅変調方式において,搬送波レベルを低減して伝

送すること。 

reduced-carrier 

transmission 

4-11 

抑圧搬送波伝送 

よくあつはんそ

うはでんそう 

振幅変調方式において,搬送波レベルを抑圧して伝

送すること。 

suppressed-carrier 

transmission 

4-12 

パイロット波

(パイロット) 

受信側装置の動作を制御するために伝送する低レベ

ルの信号数。 

pilot wave 

4-13 

残留側波帯 

ざんりゅうそく

はたい 

振幅変調方式において,一方の側波帯のうち変調信

号の高域に対応する成分を大きく減衰させた残りの

部分。 

vestigial sideband 

4-14 

残留側波帯伝送 

ざんりゅうそく

はたいでんそう 

振幅変調方式において,残留側波帯と他方の完全な

側波帯とを伝送すること。 

vestigial sideband 

transmission 

4-15 

保護周波数帯 

ほごしゅうはす

うたい 

相互の干渉を防ぐ目的で,業務別周波数帯の境界に

設ける狭い周波数帯。 

guard band 

V. 雑音及び混信 (noise and interference) 

番号 

用語 

読み方 

意味 

対応英語(参考) 

5-1 

自然雑音 

しぜんざつおん 

自然現象によって生じる電気的な雑音。 

備考 人工雑音以外のもので,大気雑音,太陽

系雑音及び宇宙雑音の総称をいう。 

natural noise 

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C5601-1975  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

読み方 

意味 

対応英語(参考) 

5-2 

人工雑音 

じんこうざつおん 

電気装置又は電気機器から発生する電気的な雑音。 

参考 人工雑音には,空間を伝わるものと線絡

を伝わるものとがある。 

man-made noise 

5-3 

混信 

こんしん 

希望電波の受信が,希望しないほかの電波によって

乱されること。 

radio interference 

5-4 

妨害 

ぼうがい 

希望電波の受信が,希望しないほかの電波又は電気

的な雑音によって乱されること。 

disturbance 

5-5 

ジャミング 

希望信号の内容をわからなくするために,電波を発

射して受信を故意に妨害すること。 

jamming 

5-6 

S N比 

えすえぬひ 

希望信号電力と,これに混入している雑音電力との

比。 

備考 SN比は,一般にデシベルで表す。 

signal-to-noise ratio 

電子部会 電子通信用語専門委員会 構成表(昭和44年6月1日制定時) 

氏名 

所属 

(委員会長) 

徳 間 敏 致 

郵政省電波監理審議会 

根 橋 正 人 

通商産業省重工業局 

中 川   隆 

工業技術院標準部 

谷 口 政 次 

郵政省電波監理局 

糟 谷   績 

郵政省電波研究所 

相 田   実 

日本電信電話公社電気通信研究所 

内 山 友 和 

日本電信電話公社技術局 

木 戸 栄 治 

青山学院大学理工学部 

斉 藤 泰 治 

日本放送協会総合技術研究所 

高 橋 重 雄 

財団法人電波技術協会 

根 岸   巌 

千葉工業大学 

森 本 重 武 

株式会社日本教育テレビ 

(事務局) 

加 藤 忠 雄 

工業技術院標準部電気規格課 

渡 辺 武 夫 

工業技術院標準部電気規格課 

瀬 戸 和 吉 

工業技術院標準部電気規格課