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C 5600

:2006

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,電子情報通信学会

(IEICE)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審

議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS C 5600:1977 は改正され,この規格に置き換えられる。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。


     

目  次

ページ

序文  

1

1.

  適用範囲  

1

2.

  用語及び定義  

1

a)

  一般用語  

2

b)

  基礎用語  

3

1)

  原子,粒子及び電子  

3

2)

  粒子の性質  

10

3)

  物質の構成  

14

4)

  固体の電子構造  

18

5)

  粒子系,光,電磁波及び音波  

20

6)

  量子効果  

27

7)

  放射線  

29

c)

  固体の基本的性質  

30

1)

  電気的性質  

30

2)

  光学的性質  

35

3)

  磁気的性質  

39

4)

  誘電的性質  

44

5)

  その他(熱的,応力的及び複合的)  

46

d)

  材料の性質  

48

1)

  導体 

48

2)

  半導体  

50

3)

  誘電体(ガラスを含む)  

57

4)

  磁性体  

58

5)

  超電導体  

60

6)

  気体及び液体(放射関係など)  

62

7)

  液晶,有機材料関係  

65

e)

  デバイスの基礎  

67

1)

  デバイスの構成基礎  

67

2)

  電子デバイス,IC など  

70

3)

  光デバイス,OEIC など  

76

4)

  気体レーザー関係  

80

f)

  関連事項(雑音,その他)  

84


2

C 5600

:2006

     

 
日本工業規格

JIS

 C

5600

:2006

電子技術基本用語

Glossary of basic terms used in electrotechnology

序文  この規格は,1971 年に日本工業規格として制定され、1977 年に改正されたものであるが、その後の

技術の進歩にともない規定内容を見直したものである。

1. 

適用範囲  この規格は,電子技術に用いる主な基本用語とその定義について規定する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

          なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

        IEC 60050: International Electrotechnical Vocabulary(MOD)

2. 

用語及び定義  用語及び定義は,次による。

なお,表の参考欄に,対応英語及び関連する IEC 60050 の用語の項目番号を示す。

備考1.  用語欄に二つ以上の用語を並べてある場合は,通常,その順位に従って優先使用する。

2. 

用語欄の括弧付きの用語は,例えば,2-1-65 の“

[ドリフト]移動度”のかぎ括弧付きのよう

に,混乱を生じない場合はかぎ括弧内を省略してもよいことを,また,2-1-53 の“散乱(粒

子の)

”の括弧付きのように,

“粒子”に適用する場合の定義であることを示す。

3. 

参考欄の関連 IEC 60050 番号及び用語は,次による。

a) IEC 

60050

にこの規格と同一の用語(英語又は日本語)があり,その意味もこの規格に

近いものはその項目番号(例えば,811-28-01)だけを記載した。

b) IEC 

60050

にこの規格と類似の用語があり,その意味がこの規格に関連するものは,IEC

の項目番号とともに用語(英語若しくは日本語,又は両者)を記載した。

c)

IEC 60050

に関連する用語がない場合には空欄とした。


3

C 5600

:2006

     

a)

一般用語

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

1-1 

エレクトロニク 
  ス

科学技術の一部門で,真空,ガス,半導体などの
中の導電現象の研究及び同現象を応用した装置
並びにその応用技術及び工学。

electronics 811-28-01

1-2 

マイクロエレク 
  トロニクス, 
超小形電子技術

一般に得られるよりも小形化の程度が進んだ電
子回路を実現,又はその利用に関連した技術の総

称。

備考  関連用語として“超小形電子工学”,

“超

小形電子方式”

“超小形電子系”,

“超

小形電子回路”

“超小形構成部分”な

どがある。

microelectronics 521-10-01

1-3 

真空マイクロエ 
  レクトロニク 
  ス

電界放出現象,PN ダイオードなど冷陰極の作用

に関し,かつ,微細加工技術によって微細化及び
高密度集積化によって得られた真空技術と集積
回路技術との複合によるマイクロエレクトロニ

クス。

vacuum

microelectronic
s

811-28-02 
(551-01-01)

1-4 

パワーエレクト 
  ロニクス

電源技術に関するエレクトロニクスの一分野。

通信機器のディジタル化,情報処理量の増大,並
びに小形化,軽量化を参考として,スイッチング
電源にトランジスタ,MOSFET などを利用したこ

とから急速に発展した。高周波化,小形化の要求
に応じトランス,コンデンサなどの受動部品をも
併せて混成集積回路などの考えも利用している。

このため,スイッチング損失を極度に低減し得る
回路技術が発展した。中・小容量領域では高周波
スイッチング技術を利用したスイッチング形整

流器にバイポーラパワートランジスタ,インシュ
レーテットトランジスタ,静電誘導形トランジス
タなどが用いられている。  これらを含めた分野

を,パワーエレクトロニクスとする。

power 
 electronics 
 

1-5 

モレキュラーエ 
  レクトロニク 
  ス, 
分子エレクトロ 
  ニクス

エレクトロニクスの一分野であって,単に電磁現
象だけでなく,あらゆる物性現象(光現象,熱現

象など)での利用を考えて機能ブロックを実現す
るための技術,又は工学。  この機能ブロックは,
入出力特性だけが対応電子回路のそれと等価で,

その各部は空間的にも機能的にも対応電子回路
のそれと対応しない。

  ポリふっ化ビニリデンの圧電,焦電用セ

ンサなど。

molecular 
 electronics

 
 


4

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

1-6 

オプトエレクト 
  ロニクス

エレクトロニクスの一分野であって,光学現象及

び電磁現象の双方を共に利用して情報の処理(計
測,伝送,制御,記憶,表示など)に関連した技
術又は工学。

optoelectronics 121-12-88

optoelectronic,
オ プ ト エ レ ク

トロニック,

731-01-59 
opto-electronic

1-7 

量子エレクトロ 
  ニクス

原子,分子及び  原子核と電磁波との相互作用を
通信,制御,計測などに利用する工学の一分野。

quantum  
 electronics

1-8 

フォトニクス

光子又は光波の使い方及び管理に関する科学及

び技術であり,光信号や光パワーの検出,増幅,
変調,蓄積,画像処理などの科学技術を含む。

photonics

1-9 

クライオエレク 
  トロニクス

極低温における固体中の電子の振舞いを利用す
るエレクトロニクスの一分野。

  ジョセフソン効果を利用したデバイス

は,多くの応用分野をもつ。

cryoelectronics

1-10 

バイオニクス

生物の優れた機能を工学的方法によって分析し,
その機構を工学に応用しようとする分野。

備考  生物の情報処理機構,運動機構,エネ

ルギー変換機構,制御機構など。

bionics

1-11 

ロボトロニクス

コンピュータに連動し,その管理を受けてロボッ
トが巧みに行う電子技術。

robotronics

1-12 

ソニクス

音波又は振動を用いて処理,加工,計測,解析な

どを行う技術。

sonics

1-13 

ウルトラソニク 
  ス

ソニクスの一種であって,超音波振動を利用する

もの。

ultrasonics

1-14 

エレクトロアコ 
  ースティクス, 
電気音響学

音響機械系の動作方程式が同一形式の電気系の
ものを,元の音響機械系の等価回路と考えて,こ

の等価回路を解くことで,すでに完成している電
気回路のデータを,音響機械系の動作解析又は設
計に利用する方法である。

electroacoustics

b) 

基礎用語

1)

原子,粒子及び電子

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

2-1-1 

原子

1 個又は複数の陽子と中性子からなる原子核と,
その周囲に存在する,陽子と同じ数の電子とで構

成される粒子。  物質を構成する要素である。

atom 393-01-18

(111-14-09)

 
 


5

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

2-1-2 

原子核

原子の中心部であって,陽子と中性子との結合し

たものから構成され,正電荷を帯び,原子の大部
分の質量を占める。ただし,水素原子核では単に
1 個の陽子だけで構成される。

[atomic] nucleus

111-14-10, 
393-01-20, 
881-02-42

2-1-3 

核種

質量数と原子番号とによって特徴付けられる原
子の種類。

nuclide 111-14-19,

393-01-19, 
881-02-35

2-1-4 

素粒子

これ以上分割できないと考えられる究極の粒子。 
強い相互作用をするハドロン(陽子,中性子,中

間子  など)

,強い相互作用をしないレプトン(電

子,ニュートリノなど)及び相互作用を媒介する
ゲージ粒子(光子など)の  3 種類に大きく分けら

れる。

elementary   
 particle

111-14-02, 
393-01-01, 
881-02-45

2-1-5 

電気素量

電子,プロトン及びポジトロンがもつ電荷の大き

さで,荷電粒子のもつ電気量の最小単位。すべて
の電気量はこの整数倍で表せる。その大きさは,
e = 1.602 177 3 ×

19

10

(C)。

elementary  
 (electric)  
 charge

111-14-08  
elementary

(electric) 
charge,

393-04-06  
elementary

(electric) 
charge,

881-04-11  
elementary

charge

2-1-6 

電子

素粒子の一つで, 負の電気素量 -e =-1.602 177 

19

10

 (C),静止質量 0 = 9.109 389 7×

31

10

(kg)

(陽子の約 1/1 840)をもつ。

electron 111-14-11,

393-01-07, 
881-02-57

2-1-7 

スピン

素粒子又は素粒子で構成される量子力学系のも

つ基本的な量で,粒子の自転に基づく角運動量。 
その固有値 (1/2)

 をもつ模型で理解される。  た

だし,

π

h/ 2

=

h :プランク定数である。

spin 111-14-05

2-1-8 

電子対

二つの原子に共有されたスピンの向きが互いに
逆方向である 2 個の電子の対。

electron pair

2-1-9 

不対電子

電子対を作っていない電子。奇電子ともいう。

unpaired   
 electron

2-1-10 

電子の静止質量

慣性系:  静止している電子の質量で,その値は,
m

0

 =9.109 389 7×10

-31

 (kg)。

相対論:  一般に速さ で運動している粒子の質量

は,

2

0

1

)

v/c

(

/

m

m

=

で表される(m

0

:  静

止質量,  c:  光速)

  素粒子系:  静止エネルギーを c

2

c:  光速)で

除した値。

rest mass of   
 electron

111-13-17 
rest mass, 
静止質量, 
393-04-08

2-1-11 

比電荷

荷電粒子の電荷の大きさと質量との比。電子の比

電荷は,1.758 819×10

-11

 (C/kg)。

specific charge


6

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

2-1-12 

電子ボルト

真空中で 1 (V) の  電位差を通過するときに電子

が得る運動エネルギーに等しいエネルギーの単
位。

electronvolt 393-04-21,

881-04-12

2-1-13 

質量数

原子の原子核を構成する核子の数。 mass

number

111-14-17, 
393-04-01, 
881-02-49

2-1-14 

陽子

正電荷 1.602 177 3×10

-19

(C)と静止質量 1.672 623

1× 10

-27

 (kg) をもつ安定な素粒子をいい,水素原

子の原子核を構成する。

proton 111-14-13,

393-01-10, 
881-02-51

2-1-15 

トリトン

三重水素の原子核

3

H  。  三重陽子ともいい,1 個

の陽子と  2 個の中性子とが結合したもの。

triton 393-01-30,

881-02-64

2-1-16 

中性子

電荷はもたず,静止質量  1.674 928 6×10

-27

 (kg)  を

もつ素粒子。  ベータ崩壊の平均寿命は,約 1 000 
(s)。

neutron 111-14-15,

393-01-11, 
881-02-52

2-1-17 

陽電子

正の素電荷,電子と同一の静止質量をもつ素粒
子。

positron 111-14-12,

393-01-08, 
881-02-58

2-1-18 

重陽子

重水素の原子核で,質量数 2  の水素の同位体。 deuteron

393-01-29, 
881-02-63

2-1-19 

核子

原子核を構成する陽子又は中性子の総称。

備考  陽子と中性子とは,ともにスピン 1/2

でほぼ等しい静止質量をもち,弱い相
互作用によって相互に変態する。

nucleon 111-14-16,

393-01-12, 
881-02-48

2-1-20 

中間子

寿命の短い強い相互作用をする種々のボーズ粒

子の総称をいい,高エネルギー核反応で生成され
る。  荷電しているものとしていないものとがあ
り,静止質量は,電子と陽子との間にあり,高エ

ネルギー核反応で生成される。

備考  一般には,スピン 0  の粒子に限定され

る。  π−,K−,η−,ρ−,ω−,φ−

中間子などがある。

meson 393-01-14

meson, 
393-01-15 
P meson;   
pion, 
 393-01-16 
K meson; kaon,
881-02-68 
π(p) meson;   
pion

2-1-21 

μ粒子

±

e  の電荷,電子の質量の約 207  倍の質量,1/2

のスピン,2.2 μs の平均寿命をもつ素粒子。

muon 393-01-13,

881-02-67

2-1-22 

ニュートリノ

  電荷をもたず,1/2  のスピン,静止質量がゼロ又
は電子の静止質量の 1/1 000  以下の弱い相互作用
しかしない安定な素粒子。

neutrino 393-01-09,

881-02-69

2-1-23 

原子量

12

C の 12(g)  中に含まれる原子の数と同数のその

原子の集団の質量を,グラム単位で示した数値。

atomic mass   
 unit, 
atomic weight

881-04-06

2-1-24 

分子量

質量数 12  の炭素の同位体

12

C の 12(g)  中に含ま

れる原子の数と同数の分子の集団の質量とをグ

ラム単位で示した数値。

molecular  
 weight


7

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

2-1-25 

グラム原子

元素の量を表す単位。質量をグラム単位で表した

数値が,その元素の原子量に等しくなる量。1 グ
ラム原子は,原子の 1 モルに相当する。

gram atom

2-1-26 

グラム分子

化学物質の量を表す単位。質量をグラム単位で表
した数値が,その化学物質の分子量に等しくなる
量。1 グラム分子は,分子の  1 モルに相当する。

gram molecule

2-1-27 

原子番号

原子核のもつ陽子の個数。 atomic

number

111-14-18, 
393-04-02, 
881-02-50

2-1-28 

同位体

原子番号は同じであるが,異なる質量数をもつ核
種。

isotope 111-14-20,

393-01-21, 
881-02-37

2-1-29 

同重体

質量数が等しく,原子番号の異なる核種。 isobar

393-01-22, 
881-02-41

2-1-30 

電子殻

原子を一体近似で扱う場合,主量子数 n,副量子
数 がともに等しい軌道関数をもつ電子の集ま

り。が同じで の異なる準位が接近している場
合には,それらをひとまとめにして電子殻という
こともある。

electron shell

2-1-31 

外殻電子

エネルギー準位の高い,原子の外側の電子殻にあ
る電子。

outer-shell  
 electron

2-1-32 

内殻電子

外殻電子以外の電子殻にある電子。 inner-she

 electron

2-1-33 

価電子

原子構造の電子配置において外部の電子殻を占

める電子をいい,通常,最外殻の s 電子と p 電子
とを指す。

valence electron

111-14-24

2-1-34 

束縛電子

原子,分子などに束縛されて,電界の下で自由に
移動できない電子。

bound electron

111-14-23

2-1-35 

自由電子

原子に束縛されずに,原子核の引力から抜け出

し,物質内又は真空中を動くことのできる電子。

free electron

111-14-22

2-1-36 

電子ガス

金属内の自由電子を気体とみなす場合の呼称。 electron

gas

111-14-28

2-1-37 

電子密度

単位体積中の電子数,又は電子の波動関数で表さ
れる確率密度。

electron  
 density, 
 electron  
 concentration

705-06-05

2-1-38 

電子温度

電子の運動エネルギーを,kT ( :  ボルツマン定

数)に等しいとおいたときの温度  

electron  
 temperature

2-1-39 

電子軌道

原子又は分子の電子がそのエネルギー,角運動量
に応じて描く軌道。

electron orbit

2-1-40 

ボーア半径

ボーアとゾンマーフェルトの考えに基づくボー
ア原子モデルによる水素原子の基底状態の電子

が描く円軌道の半径。大きさは  0.052 8 (nm)。

Bohr radius

 


8

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

2-1-41 

励起

原子,原子核,分子,電子,イオンなどの粒子又

はそれらで構成される固体,液体,気体に外部か
らエネルギーを与えてエネルギーの低い状態か
ら高い状態へ遷移させること。

excitation 393-03-33,

845-04-17, 
881-02-71

2-1-42 

内殻励起

原子の内殻にある電子をエネルギーの高い状態
に励起すること。

inner-shell  
 excitation

2-1-43 

特性 

原子の内殻の電子が,外部から十分大きなエネル
ギーを得て外部に飛び出し,そのときできたホー
ルに外側の軌道の電子が遷移するときに放出さ

れる,その軌道エネルギーの差に相当するエネル
ギーの電磁波(X 線)

。軌道電子のエネルギーが

元素によって固有なので,特性 X 線は元素に固有

である。

characteristic  
 radiation

393-02-16, 
881-02-21

2-1-44 

連続 

連続的なエネルギースペクトルをもつ X  線。

備考  特性 X 線を除く。

continuous X   
 radiation

393-02-17

2-1-45 

オージェ効果

励起状態の電子が他の電子にエネルギーを与え
ることによってエネルギーの低い状態に緩和す

ること。  エネルギーを与えられ励起された電子
を“オージェ電子”(Auger electron) という。

(一

般に,原子の場合は,励起され原子の外に飛び出

した原子をオージェ電子といい,半導体では,伝
導帯や不純物準位にある電子が励起されホット
になった電子をオージェ電子という。

Auger effect

393-03-40, 
881-03-43

2-1-46 

基底状態

ある量子力学系の定常状態のうち,最低のエネル
ギー状態。

ground state

111-14-29

2-1-47 

励起状態

基底状態より高いエネルギー量子状態。 excited

state

111-14-30

2-1-48 

閉殻

パウリの原理で許される最大個数の電子を収容

した電子殻。

closed shell

2-1-49 

原子価

ある元素の原子 1 個が結合する水素原子の数。  
水素原子と結合しない場合は,他の元素を媒介と

して求められる相応の数。

valence

2-1-50 

荷電粒子

電荷を帯びている粒子。

  イオン,陽子,中間子,電子,正孔。

charged particle

2-1-51 

イオン

電荷をもっている原子,原子団又は分子。 ion

111-14-26, 
393-01-34, 
705-06-01, 
881-02-70

2-1-52 

イオン化

中性の原子,原子団及び分子が電子を失い陽イオ
ンになること,又は電子を与えられて陰イオンと
なること。陽イオンになるために必要なエネルギ

ーをイオン化エネルギー,陰イオンになるときに
放出されるエネルギーを,電子親和力という。  ま
た,イオン化前の中性原子数に対するイオン化し

たイオン数の割合をイオン化率という。

ionization 111-14-27

電離; 
イオン化, 
393-03-01 
(111-14-27)  
電離, 
 705-06-02  
電離


9

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

2-1-53 

散乱(粒子の)

ある粒子が同種又は異種の粒子と衝突してその

運動方向が変化する現象。  ただし,衝突の前後
で粒子の種類又は数が変化しない場合をいう。

scattering  (of a  
 particle)

393-03-07, 
881-03-14

2-1-54 

衝突

二つの粒子が互いに近距離力の範囲に接近又は
接触し,極めて短時間で,互いに相互作用し,運
動量又はエネルギー条件を変化させる現象。

collision 393-03-41,

881-03-51

2-1-55 

散乱確率

粒子が単位時間に散乱中心に散乱される頻度。 scattering

rate

2-1-56 

衝突確率

粒子が単位時間に衝突中心に衝突する頻度。 collision

rate

2-1-57 

断面積

入射粒子又は波とターゲットとの間の衝突,散乱
などのある特定の相互作用の確率を表す指標で,
ターゲット当たりの相互作用確率を入射粒子又

は波の流束密度で除した商。  相互作用の確率 P
は,ターゲットの密度 と流束の速度 との積に
比例する。その比例係数を とすると  [P=S(Nv)],
S  は面積の次元をもちこれを相互作用の断面積 
と定義する。このように定義した断面積 は,タ
ーゲットの面積 の範囲に飛び込んできた粒子が

ターゲットと相互作用するとした考えと一致す
る。

cross-section 111-14-55

cross-section

(of interaction)

(相互作用の)

断面積,

393-04-42, 
881-04-03

2-1-58 

弾性散乱

散乱の前後で,系全体の運動エネルギーと粒子の
内部エネルギーとの両者が保存される散乱。

elastic scattering  393-03-10,

881-03-17

2-1-59 

弾性衝突

衝突の前後で,系全体の運動エネルギーと粒子の

内部エネルギーとの両者が保存される衝突。

elastic collision

393-03-42, 
881-03-52

2-1-60 

非弾性散乱

散乱の前後で,系全体の運動エネルギーが失わ

れ,そのエネルギーが粒子の内部エネルギーの増
加となる散乱。

inelastic  
 scattering

393-03-11, 
881-03-18

2-1-61 

非弾性衝突

衝突の前後で系全体の運動エネルギーが失われ,

そのエネルギーが粒子の内部エネルギーの増加
となる衝突。

inelastic  
 collision

393-03-43, 
881-03-53

2-1-62 

伝導電流

外部電界の印加によって荷電粒子が移動するこ
とによって生じる電流。

conduction  
 current

212-01-17, 
521-02-15

2-1-63 

ドリフト(粒子 
  の)

多数の粒子が存在する拡散系で,ランダムな熱運

動をする粒子の位置平均が外部電界を受けて移
動する現象。

drift (of a   
 particle)

2-1-64 

ドリフト速度

外部電界によって荷電粒子がドリフトによって
移動する速度。

drift velocity

 
 
 
 
 
 


10

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

2-1-65 

[ドリフト]移動 
  度

荷電粒子が外部電界を受けてドリフトする速度

が電界と比例関係にあるときの速度を電界で除
した商で,荷電粒子の動きやすさを表す物理量。

備考  ドリフト速度を v

d

  ,電界を

ε

,移動

度を μ とするとき,

v

d

  =μ

ε

参考  普通,単に移動度といえばドリフト移

動度をさすが,特にホール移動度と区
別するときにドリフト移動度という。

(drift) mobility

111-14-53   
移動度, 
 394-19-05 
(荷電粒子の)

移動度,

 521-02-58  
drift mobility

(of a charge 
carrier),

 881-02-77  
mobility (of a

particle),

 521-09-04  
Hall mobility

2-1-66 

ドリフト電流

外部電界の下で,荷電粒子のドリフトによって流

れる電流。

drift current

2-1-67 

拡散

多数の粒子系で,ある平衡状態からずれた粒子が
密度分布のこう配に応じて平衡状態へと移る粒

子の移動過程。

diffusion 111-14-66,

521-02-59 
diffusion (in a

semiconductor)

2-1-68 

拡散係数

拡散の速さを示す物理量で,単位時間,単位面積
当たり粒子の流れ(流束)を粒子密度のこう配で
除した商。

C

D

Φ

=

, Φ :粒子の流束,C:  粒

子密度,D:  拡散係数

diffusion  
 coefficient, 
diffusion  
 constant

521-02-61 
diffusion

constant (of 
charge carriers)

2-1-69 

拡散の長さ

粒子の拡散過程において,粒子密度が 1/e に減衰
する長さ。半導体中の少数キャリヤの拡散の長さ

は,拡散係数と寿命の積の平方根で表される。

diffusion length

393-05-05   
拡散距離, 
 521-02-61  
diffusion length

(of minority 
carriers)

2-1-70 

拡散電流

荷電粒子の拡散によって流れる電流。 diffusion

current

2-1-71 

アインシュタイ 
  ンの関係式

半導体内のキャリヤの移動度μと拡散係数 
関係とを表す式。  拡散速度は,キャリヤの移動
度が大きいほど速く,その関係は次式による。

e

kT

D

=

μ

ここに,k  :  ボルツマン定数

T :  絶対温度

e

:  電気素量

Einstein  
 relationship

2-1-72 

緩和

非平衡状態にある系が,その系の内部運動によっ

て平衡状態に戻ること。

relaxation

 
 


11

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

2-1-73 

平均寿命 (粒子 
  の)

素粒子,原子,分子,電子,イオンなどの粒子が

ある不安定な励起状態に留まっている平均の時
間。  定義に 1/e 及び 1/2(半減期)の  2 種類が
ある。  普通,個々の粒子の寿命は異なるが,あ

る不安定な状態にある多数の粒子の数は,時間と
ともに指数関数的に減少し,その寿命の平均値
は,不安定な状態にある粒子数が 1/e になる時間

である。  放射性原子核の崩壊など,また,時間
に対し指数関数的に減少しない系では,その状態
の粒子数が 1/2 になる時間(半減期)で定義する。

mean life (of a   
 particle)

111-14-14, 
393-04-18, 
881-04-18

2-1-74 

平均自由行程

運動するある特定のタイプの粒子が,特定のタイ
プの散乱(衝突)から次の散乱(衝突)までの時

間に走行する距離の平均。

mean free path

111-14-5, 
393-04-91, 
881-04-40

2-1-75 

活性化エネルギ 
  ー

ある状態からそれよりエネルギーの高い遷移状
態を経て次の状態に移る過程において,遷移状態

のエネルギーとはじめの状態とのエネルギーの
差。

activation  
 energy

(521-02-05  
impurity

activation 
energy)

2)

粒子の性質

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

2-2-1 

[マクスウェル・] 
  ボルツマン統 
  計

ある一つの系の非常に小さい有限な体積内で,位
置座標及び速度座標又はエネルギー座標の平均

値によって定義される非量子化系の巨視状態の
存在確率を扱う統計理論。

(Maxwell-)  
 Boltzmann  
 statistics

521-01-03

2-2-2 

[マクスウェル・] 
  ボルツマン分 
  布

熱平衡状態における非量子化系のあるエネルギ
ー状態を粒子が占める確率を表す分布。その確率

)

(E

f

は,次の式で表す。

=

kT

E

A

f

exp

(E)

ここに,T :  絶対温度

k :  ボルツマン定数 
E:  非量子状態のエネルギー 
A :  定数

(Maxwell-)  
 Boltzmann  
 distribution

2-2-3 

ボルツマン因子

ボルツマン統計に従う粒子がエネルギー の熱
平 衡 状 態 に 存 在 す る 確 率 と 比 例 す る 因 子 。
exp

)

E/kT

  で表される。

Boltzmann  
 factor

2-2-4 

ボルツマン[方 
  程]式

粒子系のエントロピーが,その巨視状態の確率の

自然対数に比例することを述べる関係式。その比
例定数が,ボルツマン定数である。

Boltzmann  
 equation


12

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

2-2-5 

統計学的重み

巨視状態に含まれる微視状態の数。  その統計学

的な重みが極大であるような巨視状態が平衡状
態である。

statistical weight

2-2-6 

フェルミ[・ディ 
  ラック]統計

パウリ原理を考慮した粒子の量子化した系にお
ける巨視状態の確率を扱う統計理論。

Fermi(-Dirac)  
 statistics

521-01-15

2-2-7 

フェルミ[・ディ 
  ラック]分布

固体中の電子はフェルミ[・ディラック]統計に

従い,あるエネルギーの量子状態を電子が占める
確率を表す分布。  その確率

)

(E

f

は,次の式で表

す。

)

F

(

exp

1

1

)

(

kT

E

E

 

E

f

+

=

ここに,T:  絶対温度

:  ボルツマン定数 
E :量子状態のエネルギー 
E

F

 :  フェルミ準位

Fermi(-Dirac)  
 distribution

(521-01-16  
Fermi-Dirac

function)

2-2-8 

フェルミ準位

固体において,絶対零度で電子で占有されている
量子状態と占有されていない量子状態とを分け

るエネルギー準位。このエネルギーでフェルミ分
布関数が 1/2 の値をとる。

Fermi level

111-14-38, 
521-01-17

2-2-9 

縮退(統計学の)

ボーズ統計,フェルミ統計に従う粒子が,古典力

学に従う粒子とは違ったその統計特有の性質を
表す状態。  低温で粒子密度が大きい場合に,そ
の特徴が大きく現れる。

degeneration (in   
 statistics)

2-2-10 

縮退ガス, 
縮退気体

ボーズ統計,フェルミ統計の効果を明確に示す気
体。

備考  ガスには,極低温の水素ガス,金属内

や高濃度ドープ半導体の電子が相当す
る。

degenerate gas

2-2-11 

ボーズ[・アイン 
  シュタイン]分 
  布

ボーズ[・アインシュタイン]統計に従う粒子の
分布。あるエネルギー量子状態を電子が占める確
率は,次の式で表す。

1

1

)

(

=

kT

E

exp

A

E

f

ここに,T :  絶対温度

k :  ボルツマン定数 
E :  量子状態のエネルギー 
A :  係数である。

Bose(-Einstein)  
 distribution

2-2-12 

フェルミ粒子, 
フェルミオン

フェルミ統計に従う粒子。スピンが半奇数の粒
子,例えば,電子,陽子,中性子など。

Fermi particle, 
fermion

2-2-13 

ボーズ粒子, 
ボゾン

ボーズ統計に従う粒子。  スピンが偶数の粒子で,
例えば,光子,

2

H,

4

He  など。

Bose particle, 
boson

 


13

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

2-2-14 

ボーア原子

ボーアとゾンマーフェルドの概念に基づく原子

の模型であって,原子に束縛された電子はとびと
びの円又はだ円の軌道に沿って原子核の周りを
運動する。  原子の各自由度に対応する一連のエ

ネルギー状態が存在し,これらが原子によって放
出されるスペクトルの系列を決定する。

Bohr atom

521-01-06

2-2-15 

ブラソフ式

プラズマに関するボルツマン輸送方程式の修正
式。粒子は相互に誘導する空間電荷電界を通して
だけ相互作用し,衝突は無視すると仮定したも

の。

Vlasov equation

2-2-16 

量子化

古典的な物理量を量子論的な物理量に置き換え
ること。

quantization

2-2-17 

エネルギー準位

原子,分子などの量子力学系の定常状態でとる
種々のエネルギーの値。

energy level

111-14-21 
(521-01-12), 
 845-04-16

2-2-18 

量子数

原子の自由度を特徴付ける数。  原子の電子に対
しては,主量子数 ,方位量子数 ,磁気量子数

l

,スピン量子数 などが,ある。

quantum number  521-01-07

quantum

number (of an 
electron in a 
given atom)

2-2-19 

主量子数

原子内の電子のエネルギー準位の主要な変化を
特徴付ける正の整数。波動関数の節面(波動関数

が 0 となる面)の数に 1 を加えた整数に等しく,
通常, で表す。

備考  ボーア(Bohr)モデルによれば,主量子数

は電子軌道の半径を特徴付けると考え
られる。電子に働く力が原子核からの
クーロン引力だけの場合は,そのエネ

ルギーは だけで表される。水素原子
以外の原子の電子のエネルギーは,n
だけでなく,方位量子数 にも依存す

る。

principal  
 quantum  
 number

521-01-08  
principal (first)

quantum 
number

2-2-20 

方位量子数, 
軌道量子数

軌道運動している電子の軌道角運動量の大きさ
を与える量子数。  通常,で表す(多粒子系で L

は)

。  球対称の場の中では,軌道角運動量  の 2

乗の固有値は,

)

1

(

2

+

l

l

で与えられる。  は 0

から n−1( は主量子数)までのすべての整数値

をとり, が  同じ場合には,   が大きい方がエ
ネルギーは大きい。  = 0,1,2,3,4,5,6…
に  応じた固有状態を  s,p,d,f,g,h…で表す (多

粒子系では  S,P,D,F,G,H…)

azimuthal   
 quantum  
 number, 
orbital quantum   
 number

521-01-09  
orbital (second)

quantum 
number


14

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

2-2-21 

スピン軌道相互 
  作用

電子の軌道磁気モーメントとスピン磁気モーメ

ント間の相互作用。  軌道角運動量を l  ,スピン
角運動量を s  とすると,スピン軌道相互作用エネ
ルギーは

ls

λ

で表される。比例定数

λ

は,スピ

ン軌道相互作用定数と呼ばれる。

spin-orbit  
 interaction

2-2-22 

パウリの原理

量子化した系における各電子状態には,0 個,1

個又は 2 個の電子しか入ることができないという
原理。2 個の電子の場合には,反対方向のスピン
をもつ。パウリの排他原理,パウリの排他律又は

単に排他原理若しくは排他律ともいう。

Pauli principle, 
 Pauli-Fermi  
 exclusion  
 principle

521-01-14

2-2-23 

ボーズ[・アイン 
  シュタイン]統 
  計

整数のスピンをもつ粒子  (光子,

2

H,4He)は,

各々の一粒子状態を占有する粒子数は 0 から  ∞

までの任意の数が可能で,このような粒子が従う
統計。

Bose(-Einstein)  
 statistics

2-2-24 

磁気量子数

軌道角運動量 l  の z(任意)方向成分 z

の大きさ

を与える量子数。通常,

l

で表す(多粒子系では

L

)。  球対称場では,

z

の  固有値は

l

  とな

る。

l

  の値は, l

− ,

)

1

(

− l

・・・,0,

・・・,

)

1

(

l

,   の

1

2

+

l

個ある。  各状態は,通常,縮

退しているが,磁界をかけると

l

に比例したエネ

ルギーの変化を受けて縮退がとれる。

magnetic  
 quantum  
 number

2-2-25 

スピン[量子数]

電子を,自転軸の周りを回転している小さな荷電
球と考えたときの,角運動量を与える量子数。  通

常, で表す(多粒子系では 

。  スピン角運動

量 の 2 乗

2

の固有値は,

)

1

(

2

+

s

s

で与えられ

る。  の  z(任意)方向成分 s

z

の固有値は,

s

m

と表される。

s

をスピン磁気量子数といい,電

子に対しては, =1/2, s

=±1/2  である。

spin (quantum   
 number)

521-01-10  
spin (quantum

number)

2-2-26 

全角運動量量子 
  数, 
内量子数

  軌道角運動量 とスピン角運動量 の和である全
角運動量

s

l

j

+

=

の大きさを与える量子数。  通

常, で表す(多粒子系では

J

。全角運動量  j

の 2 乗の固有値は

)

1

(

2

+

j

j

で与えられる。 j

は,

|

|

s

l

−   から

s

l

+ までの値を取る。 の  z(任

意)方向成分

z

の大きさを与える量子数を内磁気

量子数といい,通常,

j

で表す(多粒子系では

J

)。スピン軌道相互作用を考慮した系では,

l

s

の代わりに, 

j

が  よい量子数とな

る。

参考  内部量子数ともいうことがある。

total angular   
 momentum  
 quantum  
 number, 
inner quantum   
 number

521-01-11


15

C 5600

:2006

     

3)

物質の構成

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

2-3-1  

結晶

構成原子が空間的に周期的な配列をもつ固体物
質。  狭義には,単結晶のこと,広義には,小さ
な単結晶からなる多結晶をも含める。

crystal 521-02-45

ideal crystal

2-3-2 

結晶成長

固相,液相,又は気相状態の結晶原料から単結晶
又は多結晶を成長させること。

crystal growth

[521-03-01 
growing by   
 Czochralski's 
 method; 
growing by   
  pulling (of a   
 single crystal), 
521-03-02 
growing by zone 
  melting (of a   
 single crystal)]

2-3-3 

エピタキシャル 
  成長, 
エピタキシ

基板結晶上に気相又は液相で原料を供給し,基板
結晶と結晶軸とをそろえて結晶を成長すること。

参考  気相で原料を供給する気相エピタキ

シ,液相で原料を供給する液相エピタ
キシ,非結晶の固体を結晶化させる固
相エピタキシなどがある。

epitaxial  
 growth, 
epitaxy

521-03-12

2-3-4 

配位結合

共有結合の一種で,一方の原子にある電子対が相
手の原子と共有されることでできる共有結合。

coordinate bond

2-3-5 

面心格子

単純格子に,各面の対角線の交点に格子点を付け
加えた格子。面心立法及び面心斜方格子がある。

face-centered  
 lattice

2-3-6 

結晶軸

結晶面や物理的性質の対称性がよく現れる結晶
の座標軸。

crystal axis

2-3-7 

逆格子

空間格子の基本ベクトルと相反系の関係にある

ベクトルを基本ベクトルとする空間格子。空間格
子の基本ベクトルを

i

a

)

3

2

1

(

,

,

i

=

,その逆格子の

基本ベクトルを

j

b

,

,

,

j

)

3

2

1

(

=

    とするとき,

j

i

b

a

.

j

i

j

i

ij

ij

 }

 {

)

(

0

)

(

1

2

=

=

=

δ

πδ

三次元格子に対する具体的表現は,

=

1

b

π

2

)

(

)

(

3

2

1

3

2

a

a

a

a

a

×

×

=

2

b

π

2

)

(

)

(

3

2

1

1

3

a

a

a

a

a

×

×

=

3

b

π

2

)

(

)

(

3

2

1

2

1

a

a

a

a

a

×

×

reciprocal lattice

 


16

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

2-3-8 

ミラー指数

結晶面(格子面)又はその方向を表示する記号。

三つの結晶軸の基本ベクトルの大きさが  a,b,c
である結晶の,ある結晶面の結晶軸との交点が

c

n

 

b

n

 

a

n

c

b

a

,

,

であるとき,

c

b

a

n

/

  

,

n

/

  

,

n

/

1

1

1

比を互いに素な整数

k

 

h

,

,

で表し,これをこの面

のミラー指数といい,この面を

)

(

k

 

h

  のように表

す。

Miller indices

2-3-9 

双晶

2 個の結晶が,ある特定面又は軸に関して対称性
をもって結合している結晶。

twin

2-3-10 

イオン伝導

イオンの空間的移動によって生じる電気伝導。  
イオン結晶など電子密度,正孔密度の非常に小さ
い固体中,電解質溶液中,イオン化した気体中に

おいて流れる電流の主要伝導機構。

ionic conduction  521-02-21

2-3-11 

単結晶

全体にわたって構成原子が,空間的に周期的配列

をもつ固体物質。

single crystal

2-3-12 

多結晶

比較的小さな単結晶がその結晶軸方向をそろえ
ずに多数集合して構成される固体物質。

polycrystal

2-3-13 

結晶粒

多結晶を構成する小さな単結晶の粒。 grain

2-3-14 

結晶粒界

結晶粒同士の結合境界。 grain

boundary

2-3-15 

アモルファス, 
非晶質

広義には,原子の空間配列に周期性をもたない固
体物質で,結晶の反意語に用いられる。  狭義に

は,短距離的には周期性を示すが,長距離的には
周期性をもたない原子構造の固体物質。

amorphous, 
noncrystal

2-3-16 

[化学]結合

分子又は固体(結晶,非晶質)を構成する原子  又

はイオン間の結合。

(chemical) bond

2-3-17 

イオン結合

正負の電荷をもつイオン間の静電引力による化

学結合。  一般に,電気陰性度の差の大きい原子
間にイオン結合が多い。

ionic bond

2-3-18 

金属結合

金属を構成する原子間の結合で,電子が多数の原

子に共有されることによってエネルギーが低下
するという原因で生じる結合。

metallic bond

2-3-19 

共有結合

2 個の原子が結合電子対を共有することによって
形成される結合。各原子の半分満たされた軌道間
で強い共有結合ができやすい。

covalent bond

2-3-20 

交換相互作用

異なる 1 電子軌道関数を占める電子のスピン間
に働く相互作用。

exchange  
 interaction

2-3-21 

配位

一つの原子又はイオンの周りに化学結合で他の
原子,分子,イオンが配列する状態。  このよう
な原子集団を錯体といい,配位結合している原子

又は原子団を  配位子 (ligand),その数を  配位数 
(coordination number,ligancy)  という。

coordination

2-3-22 

分子結合, 
ファン・デル・ワ 
  ールス結合

満ちた電子殻をもつ原子,分子間で,電子分布の

揺らぎのために生じる双極子によって引き合う
ことによって生じる結合。

molecular bond, 
van der Waals   
 bond


17

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

2-3-23  

水素結合

電気陰性度の大きい原子が  同一又は他の電気陰

性度の大きい原子と水素原子とを介在して安定
化する結合。両側の原子と水素原子とで電子を共
有することによって,両側の電子は負に,水素原

子は正に荷電している。  代表例は水分子である。

hydrogen bond

2-3-24  

空間格子, 
結晶格子

結晶構造の原子配列の空間的周期性の基本要素

を取り出して構成した周期的点の三次元的配列。 
どの点をとってもその周囲が他の点の周囲と全
く同じになっている。

space lattice, 
crystal lattice

2-3-25  

単位格子

空間格子を構成する最小の単位の格子。いろいろ
な選び方が可能である。

unit cell

2-3-26  

格子定数

単位格子の各りょう(稜)の長さと相互間のなす
角度。

lattice constant

2-3-27  

格子点

空間格子を形成する立体の頂点。  単結晶は,格

子点に 1 個又は複数個の原子,イオン及び  分子
が配列することによって構成される。

lattice point

2-3-28  

ブラヴェ格子

ブラヴェ  が選んだ単位格子。空間格子を単純格
子,体心格子,面心格子及び底心格子に分け,こ
れを基準として 14 種の単位格子に分類される。

Bravais lattice

2-3-29  

単純格子

6 個の平行四辺形からなる 6 面体の頂点に格子点
がある格子。  単純立方,単純正方,単純六方,
単純ひし(菱)面体,単純斜方,単純単斜,単純

三斜格子がある。

simple lattice

2-3-30  

体心格子

単純格子に,相対する頂点を結ぶ対角線の交点

(格子の中心)に格子点を付け加えた格子。体心
立方,体心正方及び  体心斜方格子がある。

body-centered  
 lattice

2-3-31  

底心格子

単純格子に,底面と相対する上面のそれぞれ対角

線の交点に格子点を付け加えた格子。    底心斜方
及び底心単斜格子がある。

base-centered  
 lattice

2-3-32  

結晶構造

結晶の三次元的周期配列構造をその対称性に着
目して分類したもの。合計 230  種の構造が考えら
れる。代表例として,金属結晶の最密構造,ダイ

ヤモンド,シリコン,ゲルマニウムなどのダイヤ
モンド構造 (diamond structure),

ひ化ガリウムなど

のせん(閃)亜鉛鉱構造 (zinc blende structure)が

ある。

crystal structure

2-3-33  

最密構造

半径が同じ球を最も密に積み重ねたときの球の
中心を格子点とする結晶構造。  球の積み重ね方

には,

第 3 層が第  1 層と同一の配置のもの

(ABAB

配置,又は立方最密構造という。

)と  第 3 層が第

1 層とは異なる配置(ABCABC  配置又は  六方最
密構造という。

)の  2 種類の構造がある。

close-packed  
 structure

2-3-34  

準結晶

2 個以上の相異なる単位格子からなる積層構造で
あって,その構造全体については厳密な周期性は
ないが,ある方向には周期性をもつもの。

quasi crystal


18

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

2-3-35  

格子欠陥

空間格子の規則的周期配列の一部分が理想的な

完全結晶の配列から外れて乱れたり,又は不純物
原子が入り込んでできる格子配列の局所的な(数
原子間の距離)周期性からのずれや空格子点,又

はその空格子点や格子間に入った不純物原子。 
その形状に従って,点欠陥,線欠陥及び  体積欠
陥に分類される。

lattice defect, 
lattice  
 imperfection

2-3-36  

結晶欠陥

結晶内の理想的な完全結晶から外れた領域。格子
欠陥はもとより,マクロな微小析出物,不純物ク

ラスターなどを包含する一般的な表現。

crystal defect

2-3-37  

点欠陥

点状の格子欠陥をいい,空格子点,格子位置異種
原子,格子間同種原子,異種原子などがある。

point defect

2-3-38  

空格子点, 
原子空孔

格子点に原子がなく空となっている点欠陥。 (atomic)

 vacancy

2-3-39  

格子間原子

本来の格子点でない格子間に入り込んだ同種又
は異種原子。

interstitial atom

2-3-40  

フレンケル欠陥

結晶格子点にある原子が,格子間に移動した結果
できた空格子点と格子間原子との対の欠陥。

Frenkel defect

2-3-41  

ショットキー欠 
  陥

結晶格子点にある原子が,結晶の表面の格子位置

に移動して,その結果できる単独の空格子点。

Schottky defect

2-3-42  

転位

結晶内部の面のすべりの生じた領域と生じてい

ない領域との境界として現れる線状の格子欠陥
を い い , 刃 状 転 位 ( は じ ょ う て ん い , edge 
dislocation)  と,らせん転位(らせんてんい,screw 
dislocation)  とがある。

dislocation 561-05-09

2-3-43  

バーガースベク 
  トル

格子内のある面に沿って転位が発生していると
き,その面の片側の格子が他方の側の格子に対し

て相対的に起こしている変位を表すベクトル。

Burgers vector

2-3-44  

積層欠陥

一つの原子面がある原子面の上に誤った順番で

積み重なることによって生じる面欠陥。  しかし,
この不整面の両側の格子は完全である。

stacking fault

2-3-45  

インターカレー 
  ション

層状物体の層間に電子供与体又は電子受容体電

荷の移動によって挿入される現象。

intercalation


19

C 5600

:2006

     

4)

固体の電子構造

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

2-4-1 

エネルギーバン 
  ド, 
エネルギー帯

結晶中の電子が,占有可能なほぼ連続的に並んだ
一連のエネルギー準位で構成される帯(許容帯)

それぞれの許容帯は,電子の占有が禁止されてい

るエネルギー帯(禁制帯)でもって隔てられる。 
共有結合性の強い固体では,アモルファス状態で
も結晶に対応したバンド構造がみられるが,許容

帯と禁制帯との境界が明りょうではない。

energy band

111-14-34   
エネルギー帯,
521-02-25  
energy band; 
Bloch band, 
521-02-26  
energy band

(in a   
semiconductor)

2-4-2 

バンド構造エン 
  ジニアリング

2 種類以上の半導体の固溶体(合金半導体,又は
混晶半導体)の組成を制御するか,又は超格子構

造の組成及び膜厚の制御によって,目的とするデ
バイスに最適なバンド構造を選び作ること。バン
ドギャップエンジニアリングともいう。

band structure   
 engineering

2-4-3 

許容帯

結晶の電子が占有することの可能なエネルギー
バンド。

allowed band,   
 permitted band

111-14-35, 
521-02-29

2-4-4 

禁制帯

二つの許容帯を分離する電子の占有が不可能な
エネルギー帯。一般に,ここには不純物,欠陥な
どが存在しない限り,電子のエネルギー準位は含

まれない。

forbidden band

111-14-36, 
521-02-30

2-4-5 

充満帯

許容帯のうち,絶対零度において電子によって完
全に満たされたバンド。

filled band

521-02-32

2-4-6 

価電子帯

価電子によって占有されている許容帯。バンドギ
ャップを挟んでこれよりすぐ上のエネルギーに

ある許容帯が伝導帯である。絶対零度では,価電
子帯は電子で完全に占有されており,価電子が伝
導帯に励起されて価電子が欠けると価電子帯に

自由正孔が,伝導帯に伝導電子が生じる。

valence band

111-14-39, 
521-02-23

2-4-7 

空帯

結晶のエネルギーバンドにおいて,絶対零度でエ
ネルギー準位が電子に占有されていない空の許

容帯。

empty band

521-02-33

2-4-8 

伝導帯

完全に満ちていないバンド中の電子,又は空帯へ

熱的若しくは光の吸収によって励起された電子
は,結晶中を自由に動けるため電気伝導に寄与す
る。  この意味で,完全に満ちていないバンド及

び空帯を伝導帯と呼ぶ。

conduction band

111-14-40, 
521-02-22

2-4-9 

バンドギャップ 
  エネルギー,  
エネルギーギャ 
  ップ

結晶中の隣接した許容帯間のエネルギー間隔。 
通常は,伝導帯最下端と価電子帯最上端とのエネ

ルギー差。

band gap   
 energy,   
energy gap

111-14-37  
エ ネ ル ギ ー ギ

ャップ,

521-02-24

 


20

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

2-4-10 

結晶運動量

結晶内電子の状態を指定する波数ベクトルを k

とし,

k

p

=

で定義される運動量 (ここに

:

h

,

/

h

π

2

=

プランク定数)。結晶運動量を用

いることによって,外力が与えられた場合の運動

を自由粒子に対するニュートンの運動方程式と
同じ形式で記述できる。

crystal  
 momentum

2-4-11 

ブリルアン帯域

結晶のユニットセルの大きさ

a

  に対応する周期

)

2

(

a

/

π

  の基本領域

)

(

a

/

  

,

a

/

π

π

。結晶中

を伝搬する電子波,格子波などの状態を波動ベク

トルで表すと同様の周期性の

基本領域をもつ。

Brillouin zone

2-4-12 

直接遷移形バン 
  ド構造

伝導帯の最下端と価電子帯の最上端とが,ともに
ブリルアン帯域の中心  [Γ(ガンマ)点と呼ば

れ,波数ベクトルがゼロの点]にあるエネルギー
バンド構造。

参考  電子及び正孔の発光再結合の際,フォ

ノンの放出又は吸収を伴わずに光子だ
けを放出し,そのために発光遷移確率
が大きい。

direct transition   
 band structure

2-4-13 

間接遷移形バン 
  ド構造

価電子帯の最上端が,Γ(ガンマ)点にあるのに
対して,伝導帯の最下端がΓ(ガンマ)点以外に

あるエネルギーバンド構造。

参考  電子及び正孔の発光再結合の際,光子

の放出以外にフォノンの放出又は吸収

を必要とするので,発光遷移確率が小
さい。

indirect  
 transition band  
 structure

2-4-14 

状態密度

量子化された状態の数を,単位体積当たり,単位

エネルギー(又は波数空間での単位体積)当たり
の値で表したもの。エネルギー又は波数(運動量)
の関数として状態密度を表したものを,状態密度

関数と呼ぶ。

density of state,   
 state density

2-4-15 

実効状態密度,  
 
有効状態密度

伝導帯中の電子密度 ,又は価電子帯中の正孔密

p

を,ボルツマン近似の下で表したときの係数

c

(電子),

v

(正孔)。

[

]

kT

/

E

E

N

n

)

(

exp

c

F

c

=

[

]

kT

/

E

E

e

N

p

)

(

xp

F

v

v

=

ここに,

F

:  フェルミ準位

c

:  伝導帯の下端のエネルギー

v

:  価電子帯の上端のエネルギ

k :  ボルツマン定数 
T:  絶対温度

effective density   
 of state

2-4-16 

局在準位

伝導電子のように,結晶全体に平面波状態で拡が

っているブロッホ状態に対し,不純物若しくは欠
陥に捕獲されている電子又は表面準位のように,
限られた空間にだけ存在する電子状態。

localized level


21

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

2-4-17 

表面準位

半導体などにおいて波動関数が表面近傍に局在

する電子状態。表面では結晶の周期性が失われる
ため,禁制帯中に新たな電子状態が現れる。また,
表面への不純物原子の吸着や,原子配列の乱れな

どによっても準位が発生する。

surface level

521-02-42

2-4-18 

真空準位

真空中に孤立静止した荷電粒子のエネルギー準

位。

参考  固体中の電子は,真空準位以上のエネ

ルギーをもつと固体から外部真空空間

に飛び出すことができる。

vacuum level

2-4-19 

仕事関数

固体表面から 1 個の電子を取り出すのに必要な最
小のエネルギー。固体中のフェルミ準位と真空準

位とのエネルギー差で与えられる。

work function

111-14-52

2-4-20 

電子親和力

陰イオンから電子を引き離すのに必要な仕事。電

子親和力は,金属では仕事関数に一致する。半導
体では真空準位と伝導帯下端とのエネルギー差。

参考  一般の半導体では,真空準位のほうが

エネルギーが高く,電子親和力の値は
正であるが,ダイヤモンドのように負
の電子親和力をもつ物質もある。

electron affinity

2-4-21 

表面ポテンシャ 
  ル (半導体に 
  おける)

半導体内部に対する半導体表面でのエネルギー
帯の曲がりを定量的に示すために電圧の単位で
表した量。半導体内部の真性準位を基準として測

った半導体表面における真性準位で定義する。

surface potential   
 (in a  
 semiconductor)

5)

粒子系,光,電磁波及び音波

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

2-5-1 

光束

標準的な視感度をもった観察者によって評価さ
れた放射束。単位は,ルーメン(lm)である。

luminous flux

723-08-27

2-5-2 

照度

光が照射される面における光束密度。  光束を 
面積を としたとき

 S

F/d

 

d

。単位はルクス (lx)

である。

illuminance,   
 luminous flux  
 density

845-01-25

2-5-3

   

光度

光源からある特定の方向に放射される光束

F

を,

その方向の単位立体角

ω

当たりの値

)

(dF/dω で表

したもの。単位は,カンデラ (cd) である。 1/683 
(W/sr)  を 1 (cd)  とする。

luminous  
 intensity

723-08-28  
光束密度, 
845-01-31

 
 
 


22

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

2-5-4 

色度

色刺激又は心理物理的に表示される色の感覚の

うち,明るさに対応する次元を除いた測色的性
質。  色の色相(hue:赤  黄,緑,青,紫などの色
感覚の属性とそれを尺度化したもの)と彩度(色

の純度及び飽和度)からなる。  三つの色度座標
分の一つをもう一つの座標分に対してプロット
して得られる平面図表を色度図と呼ぶ。

chromaticity 723-08-33,

845-03-34

2-5-5 

明度

物体表面の相対的明るさに関する色感覚の属性,
及びそれを同一条件で照明した白色面を基準と

して尺度化したもの。

lightness 845-02-31

2-5-6 

偏波, 
偏光

電磁波の電界ベクトル,又は一般的に横波の変位
ベクトルが,空間の特定の点において伝搬方向と

直角の平面内において時間的に規則的に変化す
ること,又はその軌跡。電磁波が光の周波数にあ
るときには,偏光ともいう。

polarization,   
 polarized light

705-01-13 
polarization (of

an 
electromagneti
c wave)

(電磁波の)  偏

波,

726-04-01 
polarization (of

a wave or field 
vector),

845-01-10 
polarized

radiation

2-5-7 

偏光度

物質によって散乱される光,又はルミネッセンス
は,一般に入射光と異なる偏光状態になり,入射

光と同じ偏光状態の成分の強度を ,これと直交
す る 偏 光 状 態 の 成 分 の 強 度 を

と し て ,

)

(

)

(

+

=

I

I

/

I

I

P

,によって偏光状態の

変化を表した量。

degree of   
 polarization

2-5-8 

消光(複屈折にお 
  ける)

結晶板の複屈折による干渉を偏光子と検光子で
検出する際,結晶板のある回転角に対して透過光

がゼロになる現象。

extinction (in   
 birefringence )

2-5-9 

消光 (ルミネセ 
  ンスにおける)

励起電子が非発光的に基底状態に戻り,発光が抑

制されること。

quenching (in   
 luminescence)

2-5-10 

屈折率

自由空間における波の位相速度と与えられた媒
質中における位相速度との比。吸収を伴う媒質に

対しては複素数で与えれれる複素屈折率が用い
られる。

index of   
 refraction ,   
 refractive  
 index ,   
 refractivity

731-03-11, 
705-03-21 
(702-02-19 
MOD) 
refractive 
index, 
845-04-101

 


23

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

2-5-11 

反射率, 
反射係数

異なる媒質間の境界で反射する波のエネルギー

(又は粒子束)と入射する波のエネルギー(又は
粒子束)との比。  反射係数という場合には,反
射する波の振幅と入射する波の振幅との比で,こ

の場合は,位相関係も含む。

reflectivity,   
 reflection  
 coefficient

705-04-16 
(amplitude) 
reflection 
factor, 
731-03-25 
(705-04-17 
MOD)  
power reflection 
coefficient; 
reflectance, 
反射率, 
845-04-86 
reflectivity 

2-5-12 

透過率, 
透過係数

ある厚さの媒質,又は異なる媒質間の境界に波動
若しくは粒子が入射したとき,その入射エネルギ

ー(又は粒子束)に対する透過エネルギー(又は
粒子束)の割合。透過係数という場合には,透過
した波の振幅と入射する波の振幅との比で,この

場合は,位相関係も含む。

transmittance,   
transmission  
 coefficient

731-03-31, 
845-04-59

2-5-13 

吸収係数

波動や粒子の吸収に関する減衰定数をいい,波動
又は粒子束が媒質中の dx の厚さの層を進むと

き,αd x  の割合でエネルギー又は粒子数が吸収に
よって減衰するときの α をいう。α が場所  によ
らない一定値のときは,x  に対して波動のエネル

ギー,粒子数は exp(−αx)  に従がって減衰する。  
又は

x

α

10

で表す場合もある。  光の吸収におい

ては入射光の強度

0

と透過光の強度 との比の

対数が媒質の厚さ に比例するというランベル
ト の 法 則 か ら ,

d

I

/

I

ln

α

=

)

(

0

又 は

d

I

/

I

 

log

α

=

)

(

0

から求められる。

absorption  
 coefficient

393-04-51, 
881-04-26

2-5-14 

散乱(波の)

媒質の不均一性や異方性,他の媒質の影響などに
よって,電磁波,音波などの波動の伝搬方向,周

波数,偏波面などが不規則に変化する現象。

scattering (of a   
 wave)

393-03-07, 
705-04-46, 
731-03-35, 
801-23-26, 
881-03-14

2-5-15 

レイリー散乱

大きさが波長の約 10 分の 1 以下の粒子によって
起こる,波長変化を伴わない光の散乱。  散乱光
強度は,波長の 4 乗に逆比例する。

Rayleigh  
 scattering

731-03-37

2-5-16 

ミー散乱

粒子の大きさが,波長に比べて無視できない場合
の,光の散乱。

Mie scattering

2-5-17 

回折

入射波動が障害物によってその振幅又は位相が
変化し,幾何光学では予測できない方向に進行方
向が変化すること。

diffraction 705-04-44,

731-03-34, 
801-23-25, 
845-01-13


24

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

2-5-18 

フラウンホーフ 
  ァー[の]回折

回折物体から実効的に無限遠方にある観測され

る平行光線の回折。

Fraunhofer  
 diffraction

(731-03-94 
far-field

diffraction 
pattern;

Fraunhofer

diffraction 
pattern,

フ ァ ー フ ィ ー

ル ド 回 折 パ
ターン)

2-5-19 

フレネル[の]回 
  折

光源,観測点の少なくとも一方が回折を起こす物
体(例ば,開口)に対し有限の距離にあって,入

射又は回折波を平面波とみなせない場合の,光の
回折をいう。フラウンフォーファの回折の対語。

Fresnel  
 diffraction

(731-03-91 
near-field

diffraction 
pattern;

Fresnel

diffraction 
pattern,

ニ ア フ ィ ー ル

ド回折パター
ン)

2-5-20 

分光[法]

波動や粒子の性質を,波長,エネルギー,運動量,

周波数,温度,電圧などをパラメータとして分析
すること,又はその手法。物質が放出又は吸収す
る光のスペクトルから物質のエネルギー準位,遷

移 確 率 な ど を 研 究 す る 学 問 分 野 を , 分 光 学
(spectroscopy)という。

spectrum  
 analysis, 
spectroscopy

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


25

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

2-5-21 

伝搬係数, 
伝搬定数

媒質又は線路の伝送特性で,ある周波数の波動が
媒質又は線路に沿って伝わるときの性質を複素

数で表したもの。波動が長さ だけ伝搬するとき
exp

[

]

l

)

(

β

α

+

の因子がかかる。この

β

α

τ

j

+

=

を伝搬定数といい,実数部

α

は,減衰定数,虚数

β

は,位相定数と呼ばれる。

propagation  
 constant

101-15-15

(705-02-24 
MOD)

propagation

coefficient,

伝搬係数, 
702-02-13 
propagation

coefficient;

propagation

constant 
(USA),

伝搬係数, 
726-05-09 
propagation

coefficient;

propagation

constant 
(USA),

731-03-41 
(702-02-13) 
propagation

coefficient,

伝搬定数

2-5-22 

位相速度

伝ぱする正弦波の波面の等位相面が進行する速

度。

備考  位相速度の大きさは,角周波数を波数

で除した値に等しい。

phase velocity

101-15-10, 
705-02-16 
位相速度(ベク

トル)

705-02-17, 
726-05-13, 
801-23-20

2-5-23 

群速度

理想的には,振幅が等しく周波数又は位相速度が
わずかに異なる二つの正弦波の重合せによって
表される,信号の進行する速度。

備考  群速度の大きさは,角周波数の波数に

関する微分に等しい。波動のエネルギ
ーは位相速度ではなく群速度で伝えら

れる。

group velocity

101-15-12, 
702-02-22, 
705-02-21  
群速度(ベクト

ル)

731-03-29, 
801-23-21

 
 
 


26

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

2-5-24 

分散

電磁波,音波,電子線などの波動や粒子線などを,

周波数,エネルギー,速度などの成分に分けるこ
と。又は,波動における位相速度が周波数に依存
すること。

dispersion 705-04-29

dispersion (of an

electromagneti
c wave)

(電磁波の)分

散,

731-03-74, 
801-23-22, 
845-04-104

2-5-25 

分散関係

波動の運動に関する性質で,周波数と波動ベクト
ルとの関係。

dispersion  
 relation

2-5-26 

収差

結像光学系(電子光学系なども含む。

)が,ガウ

ス結像の条件を満たさないために生じる欠陥。単
色光に対する光線収差と波長分散に基づく色収
差とに大別する。

(optical)  
 aberration

2-5-27 

コヒーレンス

二つ若しくはそれ以上の波動の対応する成分の
位相の間,又は一つの波動のある一成分の位相の

間に,時間的若しくは空間的な一定の関係が保た
れていること。したがって,相互に干渉を起こす
(可干渉性)

coherence 101-15-23,

705-01-43 
(721-01-09), 
731-01-09 
(705-01-43)

2-5-28 

干渉

二つ又はそれ以上の波が同じ場所にきたとき,合
成波の振幅が成分波の位相の差によって変化す
る現象。

interference 702-08-32

位相妨害, 
731-03-05, 
801-23-13, 
845-01-12

2-5-29 

レーザビーム

細く方向性をもったコヒーレントな光。

laser beam

2-5-30 

スペックル

レーザのように干渉性のよい光が粗い面で散乱
されたり不均一な物質を透過したときに生じる

はん点状の明暗模様。

speckle

2-5-31 

モード, 
姿態

マクスウェル方程式の解の一つで,振動系におけ

る特定の振動形式に相当する状態を示し,それぞ
れ固有の振動数をもつもの。

mode 705-01-12

(electromagnet
ic) mode,

(電磁界)モー

ド,

731-03-04

2-5-32 

エバネッセント 
  フィールド, 
エバネッセント 
  界

  電磁界の各成分の大きさの距離依存性をみると
き,各成分が同時刻にすべての点で相互に同じ位
相を示しながら,その振幅が数波長の間にほとん
どゼロに減衰する電磁界で,その減衰は吸収によ

らないもの。エバネッセントフィールドはエネル
ギーを運ばず,したがって波ではない。電磁波が
屈折率の高い媒質から低い媒質に全反射角以上

の角度で入射するときに,屈折率の低い媒質中に
境界から数波長の領域にエバネッセントフィー
ルドが存在する。

evanescent field

705-04-70, 
731-03-52


27

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

2-5-33 

位相共役波

高次の非線形誘導分極によって,入射電界の位相

を反転させた波面の光の発生が可能となること。
時間反転波ともいわれる。

phase conjugate   
 wave

2-5-34 

平面波

等位相面が  一群の平行平面である波動。波の振
幅が

)}

(

exp{

ωt

r

k

j

の形で表される。ここで,

は波数ベクトル, は位置ベクトル,

ω

は角周

波数, は時刻である。

plane wave

101-15-05, 
705-03-32, 
731-03-03 
(705-01-32 
MOD)

2-5-35 

球面波

等位相面が同心球を形成するような波動。波の振

幅が,

/|r|

ωt

r

k

j

)}

(

exp{

  の形で表される。こ

こで, は波数ベクトル, は位置ベクトル,

ω

は角周波数, は時刻である。

spherical wave

705-01-36, 
801-23-07

2-5-36 

波束

局在した波を記述する波動関数。いろいろな周波
数の正弦波が重畳されて構成されている。電子,

光子などを波動として扱うときに用いられる。

wave packet

2-5-37 

フォトン, 
光子

プランク定数 と電磁波の周波数 ν との積

ν

等しいエネルギーの素粒子。

photon 111-14-06,

393-01-06, 
731-01-02, 
881-02-04

2-5-38 

フォノン, 
音[響]量子

弾性振動(格子振動,広義の音波)を量子化して
考えた準粒子。格子振動に関係するフォノンで
は,隣接原子の変位が同相である音響フォノン 
(acoustic phonon)と,逆相に変位する光学フォノン 
(optical phonon)とがある。

phonon 111-14-07

音子:フォノン

2-5-39 

超音波

人の可聴周波数を超える音波で,通常は 20 kHz

以上の音波をいう。

ultrasonic  
 (wave)

(801-21-04 
ultrasound)

2-5-40 

ソリトン

粒子のように振る舞う孤立波。  局在しない波で,

その性質(波形,速度など)を変えることなく伝
搬し,互いに衝突するときはその個性を失わずに
通り抜けていく波。

soliton

2-5-41 

電子ビーム

細く方向のそろった,ほぼ同じ速度をもつ電子の
集団。

electron beam

841-08-02

2-5-42 

電子波

電子の量子力学的な波動状態。 electron

wave

2-5-43 

電子放出

固体又は液体内の電子が温度上昇や入射光若し
くは電子との衝突又は高電圧の印加によって,そ

のエネルギーを増加し,固体又は液体面にある電
位の障壁を超えて外部に放出すること。

electron  
 emission

111-14-46, 
121-13-04, 
531-12-01

2-5-44 

熱電子放出

電子が熱エネルギーによって固体又は液体面か
ら放出することをいい,その電子を熱電子とい
う。

thermionic  
 emission

111-14-47, 
121-12-05, 
393-02-80, 
531-12-04, 
881-02-94

2-5-45 

電界放出

放出面上の高電界にだけ基づく電子放出。 field

emission

111-14-49, 
121-13-07, 
531-12-06


28

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

2-5-46 

光電子放出

光の入射によって,その入射面から電子が放出さ

れること。その電子を光電子という。

photoelectric  
 emission, 
photoemission

111-14-48, 
121-13-06, 
531-12-05

2-5-47 

一次電子

固体に電子を入射させ二次電子放出をさせると
きの入射電子。

primary electron

2-5-48 

二次電子

電子,イオン,紫外線,X 線などの高エネルギー

ビームが物質表面を衝撃することによって,その
表面から放出する電子。一次電子が表面から反射
したものも含める。

secondary  
 electron

393-02-44, 
881-03-37

2-5-49 

一次電子放出

一次電子が放出されること。熱,光電子,及び電
界による放出がある。

primary electron   
 emission

111-14-50, 
121-13-08, 
531-12-07

2-5-50 

二次電子放出

二次電子が放出されること。 secondary

 electron  
 emission

111-14-51, 
121-13-09, 
531-12-08

2-5-51 

反射電子

電子線がある媒質から他の媒質に入射した結果,

何らかの不連続的変化のある境界,周期性をもっ
た結晶の格子面などによって進行方向を変え,も
との媒質中を新たな方向に沿って進行する電子。

reflected  
 electron

2-5-52 

冷陰極

加熱することなく電子放出の起こる陰極。 cold

cathode

531-21-10, 
841-08-05

2-5-53 

熱陰極

熱電子放出を主要な機能とする陰極。 hot

cathode

531-21-13, 
841-08-06

2-5-54 

イオンビーム

ほぼ運動速度のそろったイオンの集団が,小さな

径で決まった方向に流れているもの。  液体金属
イオン源を用いた輝度の高いイオンビームは集
光性に優れ,集束イオンビームと呼ばれる。

ion beam

2-5-55 

二次イオン

一次イオンが物質表面を衝撃することによって,
その表面から物質の構成元素がイオン化して真

空中に放出したイオン。

secondary ion

6)

量子効果

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

2-6-1 

量子サイズ効果

電子のド・ブロイ波長と同程度以下の寸法を
もつ構造において,そこに閉じ込められた電
子の性質に起因して起こる効果。

quantum size   
 effect

2-6-2 

量子構造

量子サイズ効果を実現するため,電子のド・
ブロイ波長と同程度以下の寸法からなる固体
の構造。  電子の閉じ込め方向が  1,2 及び  3

次元の場合について,それぞれ量子井戸,量
子細線及び量子箱と呼ばれている。

quantum  
 structure


29

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

2-6-3 

ひずみ量子井戸

量子井戸において特に,井戸層及び障壁層の

格子定数が互いに異なる量子井戸。

strained  
 quantum well

2-6-4 

超格子

結晶系において,結晶格子の周期と異なる人

工的な空間変調を加えた系の総称。結晶組成
や不純物添加の異なる数十 nm 以下の層を交
互に積層した構造が,この代表例である。

superlattice

2-6-5 

波動関数

物質中の電子の振舞いを定在波によって記述
するための関数。電子の存在確率は,波動関
数の自乗に比例する。

wave function

2-6-6 

ド・ブロイ波

電子などの質量をもつ粒子の波動性。  別名,
物質波という。半導体の中の電子のド・ブロ

イ波長は,数十 nm である。

de Broglie   
 wave

2-6-7 

トンネル効果

粒子がもつ運動エネルギーよりも大きなエネ
ルギー障壁をその粒子が通り抜ける現象。  古

典理論では不可能で,量子力学で説明できる
現象。    粒子の波動としての性質に起因し,
トンネルの確率は粒子の質量及び  障壁の形

状に依存する。

備考  超電導体では,単一電子のトンネル

[ギーバー(Giaever)効果]とクーパ

ー対のトンネル(ジョセフソン効
果)とがある。

tunnel effect

121-13-21, 
521-02-78 
tunnel effect (in

a PN junction)

2-6-8 

共鳴トンネル効果

トンネル現象の一種。トンネルする粒子のエ
ネルギーと同一レベルのエネルギー準位が障
壁層の対向側に存在すると,この特定のエネ

ルギー準位でトンネル確率が急激に増加する
現象。

resonant tunnel   
 effect

2-6-9 

フランツ・ケルデ 
  ィッシュ効果

高電界印加で電界こう配をもつ半導体におい

て,光吸収及びトンネル効果によって,バン
ドギャップより小さな光子エネルギーで価電
子帯の電子が伝導帯へ遷移することが可能と

なるために,基礎吸収端の低エネルギー側に
光吸収がすそを引く現象。

Franz-Keldysh  
 effect

2-6-10 

電子波干渉

電子の波動としての性質に起因する干渉現
象。

electron wave   
 interference

2-6-11 

ブロッホ振動

結晶内の電子が散乱を受けないとすれば,直

流電界によって加速される場合でも,電子は
一方向に連続して加速されるものではなく,
速度を周期的に反転して実空間のある限られ

た範囲を往復運動し続ける振動現象。

Bloch  
 oscillation

   
 
 
 
 

2-6-12 

量子閉じ込めシュ 
  タルク効果

量子井戸に垂直に電界を印加したとき,エキ
ントンによる吸収スペクトルの吸収端が低エ
ネルギー側にシフトする現象。

quantum  
 confined  
 Stark effect


30

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

2-6-13 

二次元電子ガス

固体の伝導帯から真空準位までのエネルギーで

定義される,電子親和力の異なる物質の接合界
面(ヘテロ界面)における,界面に沿って,二
次元的に局在した電子系。磁界の印加によって,

電気伝導に量子ホール効果又はジュブニコフ・
ドハース効果をもたらす。

two-dimension 
 al electron  
 gas

2-6-14 

コンプトン効果

X 線を固体に照射したとき,自由で静止してい
るとみなされる電子との弾性散乱によって,照
射 X 線よりも波長の長い散乱 X 線が生じる効

果。

備考  光の粒子説によって説明され,照射 X

線のエネルギー及び運動量の一部が

電子に与えられ,残りが散乱 X 線と
なる。

Compton  
 effect

393-03-22

2-6-15 

量子効率(半導体 
  発光・受光素子 
  の)

単位時間当たりの,入出力にかかわるキャリヤ

数と光子数との比。  発光の場合は入力されたキ
ャリヤ数に対する出力光の光子数の比。受光の
場合は,入力した光の光子数に対する出力され

たキャリヤ数の比。

quantum  
 efficiency (of  
 
semiconductor  
 luminescent  
 devices and  
 optical  
 receivers)

531-44-20, 
731-06-34, 
845-05-67

7)

放射線

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

2-7-1 

α

α 壊変を行う放射性核種から放出されるヘリウ
ム-4 の原子核の粒子線で,+ 2 の電荷をもつ。

alpha  
 radiation, 
alpha rays

393-02-06, 
881-02-66

2-7-2 

β

原子核から放出される陰電子及び陽電子の流
れ。

beta radiation, 
beta rays

393-02-07, 
881-02-60

2-7-3 

γ

原子核のエネルギー転移に際して放射される波
長の短い電磁波をいい,高エネルギーの光子で
ある。

gamma  
 radiation, 
gamma rays

393-02-08

放射,

881-02-17

2-7-4 

放射線

放射性崩壊によって物質から放射される α 線,β
線などの粒子線及び X 線,γ 線などの電磁波の

総称。広義には,すべての電磁波及び粒子線を
指す。

radiation 393-02-01,

702-02-06, 
841-01-50, 
845-01-01 
(electromagnetic

) radiation,

881-02-01


31

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

2-7-5 

宇宙線

宇宙空間から地球に降り注いでいる高エネルギ

ーの粒子線及び電磁波の総称。

cosmic  
 radiation, 
cosmic ray

393-02-11

2-7-6 

中性子線

中性子の流れ。 neutro ray

2-7-7 

放射能

核種が自発的に放射線を出して放射性壊変をす
る性質。

radioactivity 393-02-26

2-7-8 

照射(線量)

X 線又は γ 線の電離能力に基づいて測られる放
射線の量。X 線,γ 線の照射によって質量 dm 

空気中で放出された二次電子などが空気中で完
全に阻止されて生成される正又は負の電荷をも
つイオンの総電荷量の絶対値 dQ とするとき,

照射線量は,

dm

dQ

X

=

で与えられる。

exposure 393-04-62

exposure, 
照射, 
881-12-29

2-7-9 

吸収線量

物質に実際に吸収される単位質量当たりの放射

線のエネルギー量。

参考  単位は Gy(グレイ)で,1 (Gy)  は,

1 (J ·kg

-1

)に相当する。

absorbed dose

393-04-69, 
881-12-06

c)

固体の基本的性質

1)

電気的性質

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

3-1-1 

輸送現象

粒子のエネルギー,運動量,物質などの輸送
とそれに関連した現象の総称。半導体におい

ては,キャリヤの移動によって,生じる電荷
の輸送(電気伝導)

,熱の輸送(熱伝導)など

を指す。

transport  
 phenomenon

3-1-2 

電気伝導

物質に外部電界を印加することによって,電
荷が移動して電流が流れる現象。  電荷を運ぶ

キャリヤの種類に応じて,電子伝導,正孔伝
導又はイオン伝導という。

electric  
 conduction

3-1-3 

導電率, 
(電気)伝導率, 
(電気)伝導度

物質の電流の流れやすさを表す尺度で,単位

電界を印加したときに流れる電流密度。  電流
密度を ,電界を ,導電率を

σ

とするとオ

ームの法則が成り立つ範囲では

E

/

=

σ

なる。単位は( S/m )。

conductivity 121-12-03


32

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

3-1-4 

コンダクタンス

物体の電流の流れやすさを表す量で,単位電

圧を印加したときに流れる電流。

GV

I

=

:

電流,V

:電圧,G

:  コンダクタンス)で G

の単位は,

A/V

S

=

。  物体の形状に依存し,

一様な断面  A,長さ ,導電率

σ

の物体では,

l

A

 

G

/

σ

=

conductance 131-01-14

3-1-5 

抵抗率,  
比抵抗

物体の電流の流れ難さを表す尺度で,導電率
の逆数。  単位は(Ωm)。

resistivity,   
specific  
 resistance

121-12-04

3-1-6 

抵抗

物体の電流の流れ難さを表す量で,コンダク
タンスの逆数。  単位(Ω=1/S)  。

resistance 131-01-13

3-1-7 

シート抵抗

厚さの薄いシート状の物体の面に平行な方向
の電流の流れ難さを表す量で,正方形のシー
トの相対する辺の間の抵抗。  単位  は Ω であ

るが,抵抗と区別するために Ω/□  と書くこと
もある。  厚さ のシートが  抵抗率 ρ の一様
な物質からなるとき,シート抵抗  は ρ

s

ρ/d

で表される。

sheet  
 resistance

3-1-8 

広がり抵抗

径の小さな金属線を試料面に接触させたとき
の抵抗。金属細線から試料への電流通路の広

がりの形状が広がり抵抗に関係し,接触部の
金属線の径,接触形状及び試料の抵抗率で決
まる。

備考  接触部が円形平面(半径  )で試

料の厚さが に比べて十分大きい
場合,広がり抵抗 R

s

は R

s

=ρ/4で与

えられる。ここに ρ は接触部近辺の
平均抵抗率である。

spreading  
 resistance

3-1-9 

集中抵抗

小さな接触面を電流が流れるときに,電流通
路が狭い部分に制限されることによって生じ
る抵抗。

constriction  
 resistance

3-1-10 

接触抵抗

二つの物体を接触させたときに,2 物体間に生
じる抵抗。2 物体の材料特性のほか,接触形状,
接触面積及び界面介在物に依存する。

contact  
 resistance

581-03-11

3-1-11 

ジュール熱

物体に電流が流れるときに,その抵抗によっ
て発生する熱。発生する熱量は,電流の 2 乗,

及び物体の抵抗に比例し,これをジュールの
法則という。

Joule heat

(815-06-40 
Joule heating, 
ジュール発熱)

3-1-12 

電気双極子

有限の距離にある正負の電荷の対。  距離

離れた±の電荷による双極子において,

q

=

μ

を双極子モーメントという。

electric dipole

121-11-33


33

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

3-1-13 

ショットキー効果

金属と絶縁体又は半導体との間に高電界を印

加したときに,鏡像力の効果で金属から絶縁
体又は半導体へのエネルギー障壁が減少する
効果,又は,その結果,熱電子放出及び  光電

子放出が増加する効果。ショットキーが,熱
電子放出において陽極プレート電圧の増加に
よって飽和電流が増加することを発見したの

にちなんで,名付けられた。

Schottky effect

531-12-12

3-1-14 

ホール効果

物質に電流を流し,電流に垂直に磁界を印加

したとき,両者に垂直な方向に起電力が現れ
る現象。  電流密度を ,磁界の磁束密度を 
発生する横方向電界を

H

とすると,

)

(

H

H

B

 

R

E

×

=

x軸方向に長さ方向の軸をもつ直方体形状の

試料のx軸の正方向に一様な電流 I

X

を流し,y

軸の正方向に一様な磁束密度 B

y

  がある場合

には,z 軸の正方向に

y

y

x

H

H

B

I

R

V

×

=

の電圧が現れる。ここに,

y

は,y 方向(磁

界方向)の試料の幅(厚さ)である。

H

 

ホール係数 [SI 単位: (m

3

/C)],z  方向に現れる

電圧をホール電圧という。P 形半導体の場合

)

pe

/(

 

R

1

H

=

, N 形 の 半 導 体 の 場 合

)

ne

/(

 

R

1

H

=

:  正孔密度,:  電子密度,

:  電気素量)となる。

Hall effect

121-12-81, 
521-09-01

3-1-15 

ホール移動度

ホール効果の測定から求めた移動度で,電気
伝導度を σ,ホール係数を

H

 

とき次式で与え

られる。

H

H

R

 

 

 

 

σ

μ

=

Hall mobility

521-09-04

3-1-16 

磁気抵抗(半導体, 
  金属における)

半導体又は金属の電気抵抗が磁界を印加した

ときに変化する量。変化量は,一般には正で
あるが,負のときは特に負磁気抵抗という。

magnetoresista 
  nce (in a   
 semiconductor  
  and a metal)

121-12-83

3-1-17 

ランダウ準位

量子論で,直流磁界に垂直な面内の電子の量
子的準位。エネルギーは量子化され,次の式

で与えられる。

c

 

/

n

E

ω

)

2

1

(

+

=

, :  整数

ここに,

c

ω

:サイクロトロン角周波数

Landau level


34

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

3-1-18 

固体プラズマ

固体中で,少なくとも一方が動くことのでき

る正及び負の荷電粒子対が,電気的にほぼ中
性で高密度で存在する系。金属や半導体中で
の電子とイオン,半導体中の電子と正孔など

の系が代表例である。個々の粒子の運動より
粒子集団の運動に着目するときに用いられる
用語。

solid-sate plasma

3-1-19 

プラズモン

プラズマ振動を,量子論的に粒子的描像で表

したもの。

plasmon

3-1-20 

ポーラロン

結晶内を運動する電子が,クーロン力によっ

て周囲の結晶格子に分極を起こし,それによ
る格子の変形を伴って運動する状態。  格子変
形によって電子のエネルギーバンド構造が変

形を受け,一般に電子の有効質量は大きくな
る。

polaron

3-1-21 

なだれ(雪崩), 
アバランシェ

1 個の電荷が格子との衝突により多数のキャ
リヤに増える増倍現象。PN 接合のなだれ(雪
崩)は,大きな逆バイアスが印加され接合の
空乏領域の高電界で加速され高エネルギーと

なったキャリヤが格子原子に衝突してイオン
化し,新たに電子,正孔対を発生する現象が
なだれ(雪崩)的に生じ,多数のキャリヤが

生成され,大きな電流が流れる。

avalanche 121-13-10

avalanche: 
(electronic) 
avalanche 
電子なだれ

3-1-22 

温かいキャリヤ

電界によって中程度に加速されたキャリヤ。

その移動度(μ)の電界(ε)依存性は,次の式で
表す。

)

1

(

2

0

ε

β

μ

μ

=

ここに,

0

μ

:  低電界での移動度

β:  定数。

warm carrier

3-1-23 

熱いキャリヤ, 
ホットキャリヤ

電界によって大きく加速され,そのキャリヤ
温度が格子温度より高いキャリヤ。その移動
度(μ)の電界(ε)依存性は,次の式で表す。

2

1

0

)

(

/

s

/

v

ε

μ

μ

=

ここに,

s

:  音速

0

μ

:  低電界での移動度。

hot carrier


35

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

3-1-24 

空間電荷制限電流

電流を運ぶキャリヤ自身による空間電荷が作

る電界のために,電極から空間に放出される
キャリヤの放出速度が制限されることで決ま
る電流。半導体においては,電極から比較的

高抵抗の半導体層に放出されるキャリヤによ
って生じる空間電荷によって空間電荷制限電
流が,熱電子管においては,熱陰極から真空

への電子放出によって生じる空間電荷によっ
て空間電荷制限電流が流れる。

space-charge  
 limited  
 current

3-1-25  

サイクロトロン運 
  動

直流磁界中に,これに垂直に荷電粒子が入射
したときの,磁界に垂直な面内で起こる円運
動。    荷電粒子の電荷を ,質量を ,磁束

密度を    とすると,その角周波数

c

ω

  は,

M

/

qB

c

=

ω

  で与えられ,入射速度 に無関

係であるが,その半径(サイクロトロン半径)

c

c

/

v

r

ω

=

は,に  比例して大きくなる。 角

周波数

c

ω

で円運動する荷電粒子は,これと

同じ振動数で運動面内で振動する電磁波を共

鳴的に吸収する。この現象をサイクロトロン
共鳴という。

cyclotron  
 motion

(705-06-09  
gyro-frequency:

cyclotron 
frequency,

ジ ャ イ ロ 周 波

数,

サ イ ク ロ ト ロ

ン周波数)

3-1-26  

クーロン遮へい 
  (蔽)

自由に運動のできる正負の荷電粒子からなる
系で,あるイオンのクーロン力がその回りの
電荷によって遮へい(蔽)されて,その中心

からある距離以上には及ぼされないこと。遮
へい(蔽)距離は,電荷密度の平方根に反比
例して短くなる。  電解質,ガスプラズマ及び

半 導 体 プ ラ ズ マ の 場 合 , デ バ イ 長  (Debye 
length)  と呼び,金属プラズマの場合トーマ
ス・フェルミ遮へい(蔽)距離 (Thomas-Fermi 
screening length)  という。

Coulomb  
 screening

3-1-27  

バリスティック伝 
  導

固体中で,キャリヤがフォノン,不純物など
との衝突をしないで運動することによって現

れる伝導。  通常の伝導に見られる光学フォノ
ンとの衝突によるキャリヤ速度の飽和がなく
なり,飽和速度以上のドリフト速度が得られ

る。

ballistic  
 conduction

3-1-28  

不純物伝導

不純物を添加した半導体で,不純物原子に局

在する電子又は正孔が近くの不純物原子に
次々と移動することによって生じる伝導。不
純物濃度が高くなるとバンドギャップ内に不

純物バンドが形成され,そこをキャリヤが伝
導する。

impurity  
 conduction


36

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

3-1-29  

モット遷移

非金属−金属遷移。半導体中の不純物伝導に

おいて,不純物濃度が少ないときには局在し
た不純物準位間の伝導でこれは活性化エネル
ギーをもつ非金属伝導であるが,不純物濃度

を増して不純物バンドを形成すると,活性化
エネルギーをもたない金属的伝導になる。

Mott transition

3-1-30  

ホッピング伝導

バンドギャップ内の孤立した状態間を電子が
熱的励起によってホッピングして移動するこ
とによって生じる電気伝導。

hopping  
 conduction

3-1-31  

負性抵抗

電圧が増加すると電流が減少する特性を示す
負の微分抵抗。

参考  例として,GaAs  のドリフト速度が

高電界で電界の増加とともに減少
する結果,この負性抵抗を示す。

negative  
 resistance

521-05-03 
negative 
differential 
resistance 
region

3-1-32  

高電界ドメイン

固体中で電荷分布のずれによって生じた高電
界領域。  負性抵抗を示す材料では,いったん,
電子分布のずれが形成されると,それが成長

し,陰極から陽極へと伝搬する。

high field   
 domain

3-1-33  

変形ポテンシャル

結晶の圧縮又は膨張による体積変化,格子振
動などの原因で格子定数が変化した際に変形

したポテンシャル。エネルギーバンド構造が
変化しバンド端のポテンシャルエネルギーが
変化する。半導体中の伝導電子のフォノン散

乱に関して,有効質量近似での変形ポテンシ
ャル近似がよい結果を与える。

deformation  
 potential

3-1-34  

飽和ドリフト速度

低電界では電界に比例して増加するキャリヤ
のドリフト速度が,高電界ではキャリヤが光
学フォノンとの散乱によってエネルギーを失

うために飽和するときの速度。

saturated drift   
 velocity

2)

光学的性質

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

3-2-1 

バンド内遷移

同じバンド内での電子の遷移。 intraban

 transition

3-2-2 

着色中心

イオン結晶の欠陥に電子又は正孔が捕獲され

てある特定の波長の光の吸収を伴う構造。  陰
イオンの空孔に電子が捕らえられ,一般に可視
部に吸収帯があるものを F 中心という。F  中心

による吸収帯を F  帯という。

color center


37

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

3-2-5 

光電効果

物質が光を吸収して自由電子を放出する現象。
生じた自由電子を光電子というが,これが,物

質内に存在して電気伝導度を増したり,起電力
を発生させる現象を内部光電効果,光電子が物
質の外に放出される現象を外部光電効果とい

う。単に,光電効果というときは後者を指す。

photoelectric  
 effect

393-03-24, 
521-01-20, 
531-44-01, 
731-01-61, 
881-02-84, 
121-12-93 
photoelectronic

effect,

531-44-02, 
731-01-63 
photo-emissive

effect,

external

photoelectric 
effect

3-2-6 

光弾性

弾性体に変形を与えると複屈折などの性質を

示して光学的異方体となる性質。

photoelasticity

3-2-7 

光電流

電界を印加した物質又は光検出器に光を照射
したときに,外部回路に流れる電流。

photocurrent 531-44-05,

731-06-32 
(845-05-52 
MOD), 
845-05-52

3-2-8 

暗電流

光電流に対して,光を照射していないときに流
れる電流。

dark current

531-44-06, 
731-06-33 
(845-05-53 
MOD), 
845-05-53

3-2-9 

フォトンドラッグ

半導体内のキャリヤが光の運動量によって引
きずられて電流を誘起する現象。電流の方向は
光の偏波特性に強く依存し,光の進行方向だけ

でなく垂直方向にも電流は誘起される。

photon drag

3-2-10 

フォノンドラッグ

金属又は半導体内で,フォノンが電子に引きず

られて流れることによって熱電能に寄与する
現象。低温における半導体で特に著しい。

phonon drag

3-2-11 

光起電力効果

物質に光子が吸収されることによって,内部に

起電力が発生する現象。半導体 PN 接合及び整
流性を示す金属/半導体接合においては,半導
体のバンドギャップ以上のエネルギーの光子

の吸収によって発生した電子と正孔とが分離
されることによって起電力が発生する。

photovoltaic  
 effect

121-12-91, 
521-01-21, 
531-44-33, 
731-01-64

3-2-12 

バンド間遷移

異なったバンド間での電子の遷移。 interban

 transition


38

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

3-2-15  

励起子, 
エキシトン

価電子帯の正孔との伝導帯の電子とがそのク
ーロン力によって束縛状態を作っているよう
な電子・正孔対。

exciton

3-2-16  

モット・ワニエ励 
  起子, 
モット・ワニエエ 
  キシトン

電子と正孔との束縛が弱い励起子で,その波動
関数の広がりが格子間隔よりずっと広いもの。

半導体中に主に見られる。弱く束縛された励起
子ともいう。

Mott-Wannier  
 exciton

3-2-17  

フレンケル励起 
  子, 
フレンケルエキシ 
  トン

電子と正孔との束縛が強い励起子で,電子と正

孔とがともに原子又はそのごく近傍に局在す
るもの。イオン結晶及び  分子性結晶に主に見
られる。強く束縛された励起子ともいう。

Frenkel

exciton

3-2-18  

遷移

量子力学系が,ある定常状態から他の定常状態
に移る現象。

transition

3-2-19  

禁止遷移

パウリの排他原理で禁止される遷移。 forbidden

transition

3-2-20  

許容遷移

パウリの排他原理で許容される遷移。 allowe

 transition

3-2-21  

光学遷移

光子の吸収又は放出を伴う遷移。 optical

transition

3-2-22  

発光遷移

高いエネルギー状態から低いエネルギー状態

へ遷移する際に,光子の放出を伴う遷移。

radiative  
 transition

3-2-23  

非発光遷移

高いエネルギー状態から低いエネルギー状態
へ遷移する際に,光子の放出を伴わない遷移。

その放出されるエネルギーは,電子,フォノン
の運動エネルギーなどとして与えられる。

nonradiative  
 transition

3-2-24  

発光, 
ルミネセンス

外部からの熱以外の励起によって高いエネル
ギー状態に励起された物質が,低いエネルギー
状態へと光学遷移するときに生じる光の放出

現象又はその放出光。

備考  蛍光とりん光とに分類されるが,そ

の定義は明確でない。  蛍光を,発光

と同義に用いることが多い。

luminescence 845-04-18,

881-02-80

3-2-25  

発光中心

発光のもととなる不純物原子,欠陥などの点欠
陥。

emission 
center


39

C 5600

:2006

     

3-2-26  

蛍光, 
 
フルオレセンス

発光(ルミネセンス)の一種で,本来は,励起
を遮断した後に残光がないと知覚される発光

をいい,残光があると知覚されるりん光と区別
される。現在では,発光(ルミネセンス)と同
義で使われることが多い。

参考  実際には,蛍光とりん光のどちらに

おいても残光時間は存在し,残光時
間の長短でおよその区別をする考え

もあるが,その境界はあいまいであ
り,むしろ,発光の機構の違いによ
ってりん光と区別することが多い。

fluorescence 394-18-84,

845-04-20, 
881-02-80

3-2-27  

りん光, 
フォスフォレセン 
  ス

発光(ルミネセンス)の一種で,本来は,励起
を遮断した後に残光があると知覚される発光。  
参考  3-2-26 蛍光参照。

phosphorescen
ce

394-18-84, 
845-04-23, 
881-02-80

3-2-28  

フォトルミネセン 
  ス

発光(ルミネセンス)の一種で,励起が光のエ
ネルギーによって行われるもの。

photo- 
 luminescence

845-04-19

3-2-29  

エレクトロルミネ 
  センス

発光(ルミネセンス)の一種で,広義には,電
気的に発光体を励起して生じる発光を指し,電

界で加速された電子との衝突によって発光中
心が励起され,又は衝突電離で発生された  電
子・正孔対の再結合で生じる電界発光と,PN

接合への少数キャリヤの注入によって生じる
電子・正孔対の再結合とで発光する電流注入発
光。

参考  狭義には,電界発光を意味すること

が多い。

electro- 
 luminescence

731-01-60, 
845-04-24

3-2-30  

カソードルミネセ 
  ンス

発光(ルミネセンス)の一種で,励起が電子ビ

ームのエネルギーで行われるもの。

cathode- 
 luminescence

845-04-25

3-2-31  

励起子吸収

励起子準位は伝導帯の下端から束縛エネルギ

ー[数 (meV)]だけ下のエネルギーギャップ内に
生じるが,価電子帯の上端からこの励起子準位
に電子が遷移することによる光の吸収。

exciton  
 absorption

3-2-32  

自由キャリヤ吸収

伝導帯内の電子のバンド内遷移による光の吸
収。  普通,赤外領域に吸収スペクトルがある。

free carrier   
 absorption

3-2-33  

非線形分極

誘電体や磁性体に電界,磁界,又はその他の力
が働くときに生じる電気分極や磁化において,
その力に比例せず  2 乗以上の高次の依存性を

示す分極。

nonlinear  
 polarization

3-2-34  

光整流作用

非線形光学媒質に振動する光電界を印加する
ときに直流の分極が生じる効果。

optical  
 rectification

3-2-35  

高調波

ある基本周波数の電磁界の波を非線形媒質に
加えたときに発生するその基本周波数の整数

倍の周波数の電磁界の波。

harmonics

3-2-36  

複屈折

光学的異方性物質に光が入射して屈折すると
きに二つの屈折光が現れる現象。単結晶で,等

方的媒質と同様にスネルの法則を満たして屈
折する光を常光線,もう一方を異常光線とい
う。

double  
 refraction,   
birefringence

731-03-27


40

C 5600

:2006

     

3-2-37  

光電子増倍

物体に光を照射して生じた自由電子(キャリ
ヤ)の増倍。光電効果によって物体の外に放出

された光電子を  二次電子増倍させるもの,半
導体の逆バイアスされた PN 接合で光吸収で生
じたキャリヤをアバランシェ増倍させるもの

とがある。

photo- 
 multiplication

3-2-38  

デンバー効果

半導体に光を局所的に照射することによって

半導体内に電子・正孔対の濃度分布を生じさせ
るときに,その拡散係数の違いによって両者の
濃度分布に違いを生じ,その結果発生する空間

電荷分布によって定常状態で起電力が発生す
る現象。

備考  半導体表面に光を照射し,表面近傍

に電子・正孔対を発生させる場合に
は,深さ方向に電子,正孔の異なっ
た濃度分布が生じ,深さ方向に起電

力が発生する。

Dember effect

3)

磁気的性質

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

3-3-1 

磁性

物質に外部から磁界をかけると磁界とその構
成要素の磁気モーメントとの相互作用によっ
て,その物質全体としての特有の磁気的な性

質を示す現象。

備考  磁性を示す物質は反磁性体,常磁性

体,強磁性体,反強磁性体などに分

類できる。

magnetism 121-11-75

磁気:  磁性

3-3-2 

磁化

磁気的な分極で,特に磁性体の分極によって
生じた単位体積当たりの磁気モーメント。磁

気モーメントを M,磁束密度を  B,磁界の強
さを  H  ,真空の透磁率 μ

0

とすると,

B =μ

0

H + M

の関係を満足する。

magnetization 121-11-52

3-3-3 

強磁性

強い磁性の総称をいい,フェロ磁性とフェリ

磁性がこの分類に入る。外部磁界が存在しな
くても,その内部でスピンが規則的に配列す
るため,磁化を形成する。

ferromagnet- 
 ism

121-12-41

3-3-4 

フェロ磁性

強磁性の一種で,スピンが平行に配列し,強
い自発磁化を形成する性質。

ferromagnet- 
 ism

121-12-41

3-3-5 

フェリ磁性

強磁性の一種で,スピンが反平行に配列して
いるが,プラス向きのスピンの方がマイナス
向きのスピンよりも数及び/又は大きさについ

て優越しているため,差引き自発磁化を生じ
る性質。

ferrimagnetism 121-12-43


41

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

3-3-6 

反強磁性

フェリ磁性と同様に,スピンが反平行に配列

しているが,それが互いに完全に打ち消しあ
って強い磁性が現れない場合の磁性。

antiferromagn- 
 etism

121-12-42

3-3-7 

弱磁性

常磁性及び反磁性を指し,電子スピン間の相
互作用が弱くスピンの自発的配向がないため
に,弱く磁化される性質。

feeble  
 magnetism

3-3-8 

常磁性

無秩序に配列した磁気モーメントが,外部磁
界を加えると熱運動に抗してわずかに磁界の
方向に傾き,全体として磁界方向に弱く磁化

される性質。

paramagnetism 121-12-40

3-3-9 

反磁性

磁界を加えると磁界と反対方向に磁化される

磁性をいい,磁界による電子の軌道運動の変
化が,磁界と反対方向の磁気モーメントを生
じるために起こる。

diamagnetism 121-12-38

3-3-10 

メタ磁性

反強磁性体,常磁性体などが,弱い磁界のも
とでは磁化は磁界に比例するが,ある強さ以
上の磁界では急激に磁化が増大して,強磁性

体と同程度の飽和磁化を生じる現象。

metamagnetism 121-12-50

3-3-11 

磁気飽和

磁界による強磁性体又はフェリ磁性体の磁気

分極若しくは磁化が最大値に達して,磁界を
それ以上大きくしても変化しない状態。

magnetic  
 saturation

121-12-59

3-3-12 

飽和磁化

強磁性体を外部磁界によって飽和にまで磁化

したときの自発磁化の値。

saturation  
 magnetization

221-01-04

3-3-13 

残留磁化

磁性体に作用する磁界をゼロにしたときに残

る磁化。

remanent  
 magnetization, 
residual   
 magnetization

121-12-65 
remanent

(magnetic) 
polarization,

121-12-66  
残留磁気, 
221-02-40

3-3-14 

自発磁化

強磁性体が,外部磁界を受けない状態で形成
している磁化。また,反磁性体では,その部
分格子がもつ磁化をいう。

spontaneous  
 magnetization

221-02-41

3-3-15 

磁化過程

磁性体に磁界を作用させて磁化を増加させる
過程。

magnetization  
 process

3-3-16 

磁化容易軸

強磁性体の中で磁気異方性エネルギーが極小
になり,自発磁化が安定に向く方向。

Axis of easy   
 magnetization

3-3-17 

磁荷, 
磁気量

磁石の磁極が互いに及ぼす磁気力の大きさを
基に定義した磁気的な量。磁荷 q  と q'  との間
には  クーロン力 F  が働き,次の式で表す。

2

r

'

q

 

q

F

0

4

πμ

=

ここに,r  :磁荷 q  と q'間の距離

0

μ

:真空の透磁率。

magnetic  
 charge,   
 quantity of  
 magnetism


42

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

3-3-18 

磁極

磁荷の集中した場所。  磁極には正負の別があ

り,一個の磁石の中の全磁気量は 0  であるか
ら,磁石には必ず正負両極の磁極が存在する。

magnetic poles

3-3-19 

磁界, 
磁場

磁石相互間,電流相互間,又は磁石と電流と
の間に働く力の場。磁束密度  B  ,磁界の強さ
H  ,透磁率 μ とし,B =μH  の関係式で表せる。

magnetic field

121-11-69, 
221-01-01

3-3-20 

磁化率

磁化  M  と磁界  H  との関係  M    =κH  を表す
κ  のこと。等方性物質ではスカラー,異方性
物質ではテンソルである。

magnetic  
 susceptibility

121-12-37, 
815-08-11

3-3-21 

初期磁化率

磁化曲線が直線でない強磁性体などの磁性体
の磁化してない状態に小さな外部磁界を加え

るとき,原点付近で磁化  M  と磁界  H  とは比
例関係  M =χH  を示ときの χ

initial  
 susceptibility

221-03-19

3-3-22 

磁束密度

運動している荷電粒子(電荷 e  ,速度  v  )は,

磁界の中で e (v    x    B  )  の  形で表せる力を
受けるときに決まるベクトル量  B

magnetic flux   
 density

121-11-19

3-3-23 

磁束

磁場中のある一定面積を通りぬける磁力線の
垂直成分を足し合わせたもの。任意の(開い
た)曲面 S  の各点における法線方向の単位ベ

クトルを n  ,磁束密度を B  とするとき, 
Φ= ∫S B · n dS  を曲面 S を貫く磁束をいう。

magnetic flux

121-11-21

3-3-24 

透磁率

磁束密度 と磁界  H  との関係式  B =μ H    に

おける μ

(absolute)  
 permeability

121-11-14 
magnetic

constant: 
permeability of 
vacuum,

121-12-28 
透磁率, 
705-03-14 
absolute

permeability of 
vacuum:

magnetic

constant,

705-03-15

3-3-25 

初期透磁率

磁化曲線が直線でない強磁性体などの磁性体

の磁化してない状態に小さな外部磁界を加え
るとき,始め,磁束密度  B  と磁界  H  とは比
例関係  B =μH  を示すが,このときの μ

initial  
 permeability

221-03-09

3-3-26 

渦電流

物質内の閉じたパスを流れる誘導電流。時間
的に変化する磁束によって導体内部に電磁誘
導によって環状の電圧が誘導され,その結果

渦電流が生じる。

eddy currents

121-12-32, 
815-04-53

3-3-27 

起磁力

閉曲線に沿って磁界を線積分した値。 magneto-

 motive force

121-11-60  
磁気起電力


43

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

3-3-28 

磁気異方性

常磁性体の磁化率,強磁性体の磁化,又は,

反強磁性体の部分格子の磁化が結晶格子の対
称性を反映して,結晶軸に関して方向依存性
をもつときの性質。

magnetic   
 anisotropy

221-01-08

3-3-29 

磁化曲線, 
磁気ヒステリシス 
  曲線

磁性体の磁化の強さ  M  と磁界の強さ  H  と
の関係を表す曲線。普通,強磁性体の磁化曲

線を指す。一般にヒステリシスを示し,磁化
の強さが磁界の強さによって一義的に定まら
ず,以前の磁化状態に関係する。

magnetization  
 curve, 
magnetic  
 hysteresis

curve

121-12-58 
magnetizing

curve,

磁化曲線, 
121-12-61 
(magnetization)

hysteresis 
loop,

ヒ ス テ リ シ ス

曲線

3-3-30 

保磁力

磁気飽和状態の強磁性体に磁化に逆向きの磁

界を作用させて,磁束密度,磁気分極,又は
磁化をゼロにするために必要な磁界の強さ。

coercive  
 force, 
coercive  
 (magnetic)  
 field strength

121-12-68, 
221-02-35

3-3-31 

磁区

強磁性体の内部で,原子の磁気モーメントが

平行にそろって,自発磁化が一定の方向をと
っている小領域。

magnetic  
 domain, 
 (Weiss)  
 domain

121-12-53

3-3-32 

磁壁

強磁性体の磁区の間の境界を指し,その境界
領域で磁気モーメントの方向がある磁区内の
方向から隣の磁区内の方向に次第に変化する

こと。

domain wall

212-02-44 
(121-12-54)

3-3-33 

磁気回路

電流回路との類推関係で考え,磁束の集中す

る強磁性体を導体とみて,その回路において
磁束を電流,起磁力を起電力,磁気抵抗を電
気抵抗に対比したもの。

,オームの法則やキル

ヒホッフの法則が成立する。

magnetic  
 circuit

131-01-45

3-3-34 

磁気抵抗 (磁気回 
  路の)

磁気回路において電気抵抗に相当する量をい
い,リラクタンス(reluctance)ともいう。

magnetic  
 resistance  
 (of a  
 magnetic  
 circuit)

3-3-35 

磁気転移

物質の相転移のうち,磁気的状態間の相転移
をいい,磁気変態ともいう。

magnetic  
 transition

3-3-36 

磁気余効

磁性体の磁化が外部磁界の変化にただちに追
従できず,時間的遅れが生じる現象。

magnetic  
 after-effect

212-02-58

3-3-37 

磁気共鳴

磁気モーメントをもつ粒子が静磁界中にある
場合,振動磁界又は電磁波を印加したときに
生じる共鳴現象。

magnetic  
 resonance


44

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

3-3-38 

磁気緩和

外部磁界のもとで熱平衡状態にある物質の磁

気モーメント系に対して,外部磁界を急に変
えたときに,系が新しい熱平衡に達するまで
に時間的遅れが起こる現象。

magnetic  
 relaxation

212-02-57

3-3-39 

キュリー温度

物質の強磁性と非強磁性との間の遷移を起こ
す温度。

Curie  
 temperature

121-12-51, 
841-01-41 
Curie point

3-3-40 

キュリーの法則

常磁性体の磁化率  χ が絶対温度  T  に反比例
するという法則をいい,χ=C/T  と表せる。こ

こに,C  はキュリー定数である。

Curie's law

3-3-41 

キュリー・ワイス 
  の法則

強磁性体,反強磁性体などが磁気転移温度以

上で示す常磁性の磁化率

絶対温度  T  との

間に  χ=C/(T-Θ)  の関係が成立するという法
則。ここに,C  はキュリー定数,Θ  は漸近キ

ュリー点である。

Curie-Weiss'  
 law

3-3-42 

ネール温度

低温で反強磁性である磁性体が高温で常磁性
となるときの磁気転移温度。

Néel  
 temperature

121-12-52

3-3-43 

核磁気共鳴

原子核のスピンによる磁気共鳴をいい,核ス
ピン共鳴ともよばれる。

nuclear  
 magnetic  
 resonance

891-04-59, 
393-03-47

3-3-44 

異方性磁界

磁気異方性の効果と等価な磁界。 anisotropy

 magnetic  
 field

3-3-45 

磁化困難軸

自発磁化の不安定方向。

axis of hard   
 magnetization

3-3-46 

バルクハウゼン効 
  果

磁界を連続的に増加していくときに,強磁性
体が磁壁の不連続移動に伴い磁化するため

に,磁束密度が不連続に変化すること。  電気
回路ではこの効果によって雑音が生じる。

Barkhausen  
 effect, 
Barkhausen  
 jump

212-02-47

3-3-47 

電流磁気効果

導体中の電流が磁界によって影響を受ける現
象の総称をいい,ホール効果,磁気抵抗効果
などがある。

galvanomagnetic  
 effect


45

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

3-3-48  

磁気定数, 
真空透磁率

電磁気的量と機械的量とを結びつけるスカラ

ー定数

0

μ

をいい,

d

|

I

I

|

F

2

1

0

2

=

π

μ

の関係式から得られる。  ここに,

/

F

  は,

真空中に距離 d  の間隔で置かれた,断面積が

非常に小さく,それぞれ 

1

2

  の電流が流れ

る二本の平行な直線導体の間に働く単位長さ
当たりの力。

備考1.  真空中では磁気定数と磁界の強

さの積は磁束密度に等しい。

B = μ

0

 H  

2. 

磁気定数は,電気定数(真空の誘
電率)  ε

0

,真空中の光速  c

0

  と

1

2

0

0

0

  

 

c

 

 

 

 

=

ε

μ

の関係がある。

3. 

磁気定数

 

0

μ

の値は正確に

4π×10-7 (m kg s-2 A-2 )= 1.256

637 061 4… (μH/m)  に等しい。

magnetic  
 constant,     
 permeability  
 of vacuum

121-11-14 
magnetic  
 constant:  
 permeability  
 of vacuum, 
705-03-14 
magnetic  
 constant;  
 absolute  
  permeability of   
 vacuum 

3-3-49  

磁気双極子モーメ 
  ント

磁気量の双極子モーメント,すなわち磁気双

極子の強さを表す量。厳密には磁気双極子モ
ーメント(magnetic dipole moment)という。磁性
体の磁気モーメント m は単位体積当たりの

磁化 M  の体積積分 
m  = ∫ M  dV  
で表される。  磁性体を,これに等価な電流 I

が流れる微小電流ループ(面積ベクトル S )
で表すとき,  m = I S  の関係がある。 
備考

j = μ0 m   
を,磁気モーメントと定義することもある。

magnetic 
 moment

121-11-55, 
221-01-07

4)

誘電的性質

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

3-4-1 

分極

電荷又は磁荷の分布が変化して双極子モーメン
トが変化する現象,又は生じた双極子モーメン

トの単位体積当たりの値。

備考  偏極ともいう。  電気の場合は誘電分

極又は電気分極,磁気の場合は磁気

分極又は磁化という。

polarization 121-11-37

electric

polarization,

電気分極, 
121-11-54 
magnetic

polarization,


46

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

磁気分極

3-4-2 

分極率

電界の中におかれた原子又は分子に誘起される
双極子モーメント p  と電界の強さ との比で,

一般的には  =α で定義される α をいう。

polarizability

3-4-3 

分極電荷

誘電分極  P  によって生じる電荷をいう。 polarized

 charge

3-4-4 

分極電流

誘電分極  P  の時間的変化による局所的な電流。 polarization

 current

3-4-5 

誘電分極

電気的な分極で,電気分極ともいう。特に誘電
体(絶縁体)の分極によって生じた単位体積当
たりの双極子モーメント  P  を指すことが多く,

電界を E  ,電束密度を D  とすると,次の式で
表す。

P = –ε

0

E

dielectric  
 polarization

3-4-6 

電束密度

強さ の電界が誘電体に作用するとき,誘電体
の分極を とすれば

D = ε

0

 E + P  

で与えられる  D  を電束密度という。ただし,ε

0

は真空の誘電率。

electric flux   
 density

121-11-40

3-4-7 

変位電流

電束密度の時間的変化に起因して流れると考え
た電流。  電束密度を  D  ,時間を  t  とすると,
変位電流密度  j  は,次の式で表す。

 D

j

=

参考  真電荷の移動による電流密度と変位

電流密度とを加えた電流密度ベクト
ルの発散はゼロとなり,わき出しの
ない場を作り,常に閉じている。

displacement  
 current

121-11-43, 
(121-11-42  
変位電流密度)

3-4-8 

自発分極

電界をかけない状態で誘電体が形成している誘
電分極をいう。

spontaneous  
 polarization

3-4-9 

電磁誘導

一つの閉じた回路(二次回路)の近くで,電流
の流れている他の回路(一次回路)又は磁石を
動かせば  二次回路に電流が流れる現象  。

electromagneti 
 c induction

121-11-30

3-4-10 

誘電率

電束密度  D  と電界  E  との関係 D    =  ε  E  を与
える ε をいう。

(absolute)  
 permittivity, 
dielectric  
 constant

121-12-12, 
212-01-21 
(121-01-36) 
705-03-32

3-4-11 

誘電分散

誘電体にある周波数以上の交流電界を印加する

とき,誘電体双極子の回転又は反転が電界の変
化に追従できず,そのために誘電率の減少が生
じる現象。

dielectric  
 dispersion

3-4-12 

誘電吸収

誘電体にある周波数以上の交流電界が印加され
て誘電分散を生じたとき,周波数が高くなった

ため誘電体に吸収されるエネルギーが大きくな
る。このエネルギー吸収を,誘電吸収という。

dielectric  
 absorption


47

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

3-4-13 

誘電余効

誘電体の誘電分極が,外部電界の変化に追従で

きずに時間的遅れをもつ現象。

dielectric  
 after-effect

3-4-14 

誘電損失

誘電体に交流電界を加えたときにエネルギーが

熱として失われる現象,又はその量をいう。

dielectric loss

121-12-11, 
212-01-25, 
841-06-02

3-4-15 

誘電緩和

誘電体中の電荷が中和して消失する現象。 dielectric

 relaxation

3-4-16 

誘電緩和時間

誘電体中に発生した電荷が中和して消失するま

での時間。

dielectric  
 relaxation  
 time

5)

その他(熱的,応力的及び複合的)

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

3-5-1 

熱容量

物体の温度を単位温度だけ上昇させるのに必要
な熱量。一様な物体では,熱容量は比熱と質量
との積で得られる。

heat capacity

(841-01-32)

3-5-2 

比熱

単位質量の物質の温度を,単位温度だけ上げる
のに必要な熱量。

specific heat

841-01-33 
specific heat

capacity

3-5-3 

熱伝導

物質の移動なしに熱が物体の高温部から低温部
へ移動する現象。

heat  
 conduction, 
thermal  
 conduction

841-01-43 
thermal

conduction

3-5-4 

弾性率

弾性体の応力とひずみとの比を表す定数。ヤン

グ率,剛性率,体積弾性率などがある。

modulus of   
 elasticity

3-5-5 

ヤング率

弾性率の一種で,伸び弾性率ともいう。一様な

太さの棒の一端を固定し,他端を軸方向に引く
(又は押す)場合,棒の断面に働く応力を T
単位長さ当たりの伸び(又は縮み)を ε とすれ

ば,比例限界内で  E ε  という関係が成り立
つ。  この比例定数  E  は物質固有の定数で,こ
れをヤング率という。

Young's  
 modulus

3-5-6 

剛性率

弾性率の一種。ずれ弾性率または剪(せん)断
弾性率ともいう。弾性体の正四角柱の底面とそ
の平行面とに大きさ τ でその方向が反対のずれ

shear modulus


48

C 5600

:2006

     

応力を働かせると,断面が頂角 90°

±

Θ  のひし

形にひずみ,比例限界内で  τnΘ という比例関

係が成り立つ。  その係数  n  は物質固有の定数
で,これを剛性率という。

3-5-7 

ポアソン比

一様な太さの棒の両端に力を加えて引き伸ばす
(又は押し縮める)と,棒の横方向には逆に縮
む(又は伸びる)が,棒の軸方向の単位長さ当

たりの伸びを α,横方向の単位長さ当たりの縮
みを β とするとき,σ  =β/α は弾性の比例限界内
で物質固有の定数であり,この σ を,ポアソン

比という。

Poisson's ratio

3-5-8 

降伏応力

物体に弾性限界を越えて応力が働くとき,応力
の増加がほとんどないままで塑性ひずみが急激

に増加するとき(これを,降伏という。

)の応力

の大きさ。降伏点ともいう。

yield stress

3-5-9 

熱膨張率

圧力一定のもとで物体が熱膨張するとき,その
比率の温度変化に対する割合を示す量。

thermal  
 expansion  
 coefficient

3-5-10 

熱応力

2 種類以上の材料がある温度で応力がない状態
で密着して接合している場合に温度を変化させ
たときに,各材料の熱膨張係数が異なるために

発生する応力。

thermal stress

3-5-11 

熱電効果

金属又は半導体中の熱の流れと電流とが相互に

影響を及ぼし合う効果の総称。ゼーベック効果,
ペルチェ効果,トムソン効果などがある。

thermoelectric  
 effect

(121-12-73 
thermoelectric,
熱電

)

3-5-12 

ゼーベック効果

接触電位差が温度に依存する熱電効果。

備考  異なる二つの物質から成る閉回路で

は,二つの接合部の温度が異なると,
ゼーベック効果によって電流が生じ

る。

Seebeck effect

121-12-79

3-5-13 

ペルチェ効果

異種の導体(又は半導体)の接点に電流を通す

とき,接点でジュール熱以外に熱の発生又は吸
収が起こる現象。

Peltier effect

121-12-80

3-5-14 

焦電効果

結晶の一部を熱したときに,表面に電荷を生じ

る現象。

pyroelectric  
 effect

3-5-15 

ピエゾ効果, 
圧電効果

物質に外力を加えて応力変形を与えると誘電分

極を生ずる現象(一次ピエゾ効果)

,又は逆に,

外部電界によって誘電分極を生じさせると,物
質に外部電界に比例した機械的変形を生じる現

象(二次ピエゾ効果)

piezoelectric  
 effect

121-12-86

3-5-16 

電気ひずみ

誘電体に電界をかけたときにわずかな変形(ひ
ずみ)を生ずる現象又はその変形をいう。圧電

気の逆効果によるものは電界 の 1 次関数であ
るが,これを除いて E

 

2

に比例するものだけを

電気ひずみということもある。

備考  電歪(でんわい)ともいう。

electrostriction 121-12-26

3-5-17 

磁気ひずみ

強磁性体に外部から磁界を印加して磁化すると

き弾性ひずみが発生する現象又はそれによる磁

magnetostric- 
 tion

121-12-75


49

C 5600

:2006

     

性体形状の可逆的変形。  強磁性では磁区が自然
磁化の方向に 10

-5

  ∼ 10

-6

    程度ひずんでいる

が,外部磁界を加えると磁化の方向が回転する
ことによって磁区のひずみの方向,大きさが変
化し,試料に変形を生じる。

備考  磁歪(じわい)ともいう。

3-5-18 

ひずみ抵抗効果

抵抗体に引張り又は圧縮応力を加えるとその抵

抗値が変化する現象。抵抗体を線条にするとき
のひずみ感度を η,抵抗値を R,線の長さを L
とするとき,

η = (ΔR/R)/(ΔL/L)

となる。

strain  
 resistance  
 effect

3-5-19 

電気光学効果

透明な固体又は液体に電界を加えたとき,光学

的性質が変化する現象。  屈折率変化が電界の強
さに比例するときをポッケルス効果といい,電
界の 2 乗に比例するときをカー効果という。

electro-optic  
 effect

731-01-42

3-5-20 

ポッケルス効果

電気光学効果の一種で,透明な等方的な媒質の
屈折率が外部の電界の強さに比例する異方性を

示す効果。これに対して,電界の 2 乗に比例す
る電気複屈折をカー効果という。

Pockels effect

121-12-94

3-5-21 

カー効果

電気光学効果の一種で,透明な等方的な媒質の

屈折率が外部電界の 2 乗に比例した異方性(電
気複屈折)を示す効果(電気光学的カー効果)

これに対して,電界に比例する電気複屈折をポ

ッケルス効果という。

Kerr effect

121-12-95 
(electro-optic)  
 Kerr effect, 
(電気光学的)

  カー効果

3-5-22 

磁気光学効果

分子又は結晶の光学的性質に対して磁界が及ぼ

す効果の総称。 ゼーマン効果,ファラデー効果,
磁気複屈折,磁気円 2 色性,磁気的カー効果,
磁気振動吸収などがある。

magneto-optic  
 effect

731-01-43

3-5-23 

磁気的カー効果

磁気光学効果の一種で,磁界内の物質表面又は
磁性体表面で直線偏光が反射するとき,光の偏
光面が回転する現象。

magnetic Kerr   
 effect

121-12-97

3-5-24 

ファラデー効果, 
ファラデー回転

磁気光学効果の一種で,磁界中におかれた透明
媒質中を直線偏光が磁界と平行に伝ぱするとき

偏光面が回転する現象。

Faraday  
 effect, 
Faraday  
 rotation

121-12-100 
(221-05-02 
MOD), 
221-05-02, 
726-16-04

3-5-25 

音響光学効果

結晶に音波によるひずみを加えることで屈折率
が変化する効果。光の変調に利用できる。

acoustooptic  
 effect

731-01-41

d)

材料の性質

1)

導体

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

4-1-1 

導体

導電率(電気伝導率)又は熱伝導率の大きい

conductor 121-12-02


50

C 5600

:2006

     

物質。金属は自由電子又は正孔密度が高く,
導電率,熱伝導率ともに大きい物質である。

伝導体,良導体ともいう。

 conductor   
 (general  
 sense): 
 conducting  
 medium, 
導体, 
521-02-16

4-1-2 

半金属

伝導帯と価電子帯とがわずかに重なってい
る物質で,絶対零度でも自由電子,自由正孔
をもつが,その数は金属に比べて非常に少な

い。

  グラファイト,ひ素,アンチモン,

ビスマスの単結晶。

semimetal

4-1-3 

残留抵抗率, 
残留比抵抗

金属の抵抗率は温度の減少とともに減少す
るが,絶対零度で残る金属の抵抗率。

備考  マティーセンの規則の定義におけ

る  ρ

i

  に相当する。

residual  
 resistivity

815-04-63

4-1-4 

マティーセンの規 
  則

金属の抵抗率  ρ  が欠陥に起因する温度に依

存しない抵抗率 ρ

i

  とフォノン散乱に起因す

る温度上昇とともに増加する抵抗率 ρ

L

(T  )

との和

ρ = ρ

i

 + ρ

L

(T)

で表されるという規則。ここに  ρ

L

(0)=0  であ

る。

Matthiessen's  
 law

4-1-5 

抵抗器

電気回路又は電子回路において,抵抗をもつ
物質を利用し,その両端に電圧を加えたとき
の電流の制限又は電圧の降下を生じさせる

ための素子。

resistor

4-1-6 

接着

同種又は異種の固体の面が  それ自体又は介

在物質との間の化学的若しくは物理的な力
又はその両者によって結合した状態。

adhesion

4-1-7 

はんだ

~450  ℃  未満の低い融点をもつ溶接用溶加
剤。  軟ろうともいう。

solder, 
soft solder

4-1-8 

ろう

~450  ℃  以上の高い融点をもつ溶接用溶加
剤。硬ろうともいう。

brazing filler   
 metal, 
hard solder

4-1-9 

ろう付け(一般)

はんだ,又は硬ろうを用いて,母材をできる

だけ溶融せずに行う溶接方法。

brazing 
 (general), 
soldering

851-01-02

4-1-10 

硬ろう付け, 
ろう付け

硬ろうを用いて母材をできるだけ溶融せず
に行う溶接方法。

hard soldering,   
brazing

851-01-03

4-1-11 

ろう接

母体金属よりも低融点の非鉄金属又は合金

を溶融することで二つの金属を一体に結合
すること。

brazing and   
 soldering

4-1-12 

はんだ付け, 
軟ろう付け

はんだを用いて母材をできるだけ溶融せず
に行う溶接方法。ろう接の一種。

備考  “はんだ”の由来は,福島県の半

田鉱山での産出又はマレー諸島バ

soldering,   
soft  
 soldering


51

C 5600

:2006

     

ンダ島ともいわれている。

4-1-13 

めっき

物質の表面に化学的,電気化学的などの方法
によって金属膜を被着させること。

plating

4-1-14 

溶接

2 個以上の金属を,接合される金属間に連続
性があるように,熱,圧力,又はその双方を
加えて,それらの金属を溶融させ溶かし混ぜ
合わせて一体とすること。接合のとき接合面

にフィラー(充てん剤)を用いることも用い
ないこともある。

備考  接合部に電流を流してのジュール

熱の加熱と圧力とによる電気抵抗
溶接,単なる加熱と圧力の鍛接,
又は圧力だけによる圧接がある。

welding 851-01-01

4-1-15 

アモルファス金属

非晶質状態の金属。 結晶粒又は光子欠陥が
ないため,高強度,高耐食,高透磁率などの

性質を生じる。

amorphous  
 metal

4-1-16 

表面実装技術, 
SMT 

部品穴をを用いた挿入形実装方法とは反対
に,回路基板上で部品と同一面ではんだ付け

を行うことによる基板上への部品実装技術。
回路基板(プリント基板も含まれる。)上へ
の導体パターンの表面に,部品の電気的接続

が行われる。

surface-mount  
 technology,   
SMT

(541-04-01 
surface

mounting)

4-1-17 

表面実装デバイ 
  ス, 
SMD 

回路基板の表面に,表面実装技術によって搭

載された電子デバイス又は機械的部品。

surface-mount  
 device,   
SMD

4-1-18 

表皮効果

導体内を流れる高周波の電流が導体の表面

付近だけを流れ,内部には流れない現象。

skin effect

121-13-18, 
841-01-24

2)

半導体

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

4-2-1 

半導体

室温での導電率が金属と絶縁体との中間[お
よそ 10

5

∼10

-8

 (S/m)]にある物質。およそ 2

∼3 (eV)  以下のバンドギャップをもち,絶対

零度では自由電子(正孔)をもたないために
絶縁体であるが,温度の上昇とともに自由電
子(正孔)密度が増加し,室温では電気伝導

をもつようになる。また,不純物のドーピン
グで  N 形,P 形  の伝導の形の制御ができる。

参考  導電率の温度係数が金属は負であ

るのに対し,半導体及び費絶縁体
は正である。しかし,半導体と絶
縁体との間の厳密な区別は難し

い。例えば,ダイヤモンドは,純
粋なものは絶縁体であるが,不純

semiconductor 121-12-06,

394-10-01, 
521-02-01


52

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

物を入れ半導体化することができ

る。

4-2-2 

単元素半導体

単一の元素の原子の化学結合で構成される

半導体。

single-element  
 semiconductor

521-02-02

4-2-3 

化合物半導体

2 種類以上の元素の原子の化学結合によって
構成される半導体。一般には元素比は一定で

あるが,元素比に自由度がある混晶半導体も
これに含める。

compound  
 semiconductor

521-02-03

4-2-4 

混晶半導体

複数の元素の原子で構成され,その元素の組
成比がある制限の下に連続的に変化できる
結晶半導体。

参考  IV  族 原 子 の 混 晶 Si

1-x

Ge

x

 (0 ≤x

≤1) , III-V  族 の 混 晶  Al

x

Ga

1-x

As

y

P

1-y

    (0 ≤x ≤1,0 ≤y ≤1),II-VI

族の混晶 Cd

x

Zn

1-x

 Te (0 ≤x ≤1)  な

どがある。

mixed crystal   
 semiconductor

4-2-5 

非縮退半導体

不純物半導体で,フェルミ準位がエネルギー

ギャップ中のにあり,その位置が両バンド端
から  少なくとも  2k

B

T  (k

B

:  ボルツマン定

数,:  絶対温度)以上離れている半導体。 キ

ャリヤ密度の表式のためにボルツマン統計
の近似を用いることができる。

nondegenerate  
 semiconductor

521-02-12

4-2-6 

縮退半導体

不純物半導体でドナーやアクセプタ密度が
大きいためにフェルミ準位がエネルギーギ
ャップ中のバンド端に近いところか又はバ

ンドの中に位置し,キャリヤ密度の表式のた
めにボルツマン統計の近似を用いることが
できず,フェルミ統計を用いる必要のある半

導体。

degenerate  
 semiconductor

521-02-13

4-2-7 

キャリヤ, 
電荷キャリヤ

真空,固体,気体又は  液体中を移動して電
荷を運び電流を生じさせる電子,正孔,イオ

ンなどの荷電粒子。半導体においては,伝導
帯の自由電子と価電子帯の正孔とを指す。

参考  厳 密 に は 電 荷 キ ャ リ ヤ (charge

carrier)というべきで,一般には,
キャリヤガスなどのように何かを
運ぶものという意味である。

carrier, 
charge carrier

111-14-44  
電荷担体, 
394-18-71 
(111-14-44)  
電荷キャリヤ,
521-02-51

4-2-8 

有効質量, 
実効質量

結晶中の伝導電子はその波動性のため,原子
の作る周期的なポテンシャル,電子間相互作
用,電子−格子相互作用などの影響を受け
る。したがって,運動に現れる質量は,真空
中の値とは異なる。  電子エネルギーを E  
波数ベクトルを  k  ,プランク定数を h  とす
ると,有効質量 m*は,

effective mass


53

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

β

α

αβ

k

k

E

*

m

=

2

2

1

(αβ =x

y

z)

によって与えられる。

4-2-9 

伝導電子(半導体 
  の), 
自由電子(半導体 
  の)

一般には,真空中の電子のように自由に運動
することのできる電子をいい,半導体では,

伝導帯中を自由に運動し伝導に寄与する電
子を指す。

備考  半導体の伝導現象を議論するとき

には,単に電子というと伝導帯中
の自由電子を指す。

conduction  
  electron (in a   
 semiconductor), 
free electron (in   
 a semiconductor)

111-14-41, 
521-02-14

4-2-10 

正孔, 
ホール

半導体の価電子帯中の価電子が抜けて生じ

た孔(ホール)を仮想の正電荷  +e  (電気素
量)をもつ荷電粒子と考えたもの。

備考  ホールの発生によって残りの価電

子は運動が可能となり電荷を運ぶ
ことができるようになる。その電
流の表式は,ホールが  +e  の電荷

をもち,これが電荷を運ぶと考え
た場合と同じになる。

(positive) hole

111-14-42, 
394-18-72, 
521-02-17

4-2-11 

軽い正孔

エネルギーの波数依存の異なる 2 種類の価電
子帯のうち,波数依存の大きい価電子帯に属
する有効質量の小さい正孔。

light hole

4-2-12 

重い正孔

エネルギーの波数依存の異なる  2 種類の価
電子帯のうち,波数依存の小さい価電子帯に
属する有効質量の大きい正孔。

heavy hole

4-2-13 

真性半導体

理想的には,内部に不純物,欠陥を含まない
半導体で,熱平衡状態のキャリヤが,価電子

帯から伝導帯への価電子の熱励起だけによ
って生じる電子及び正孔で構成されるもの。 
電子密度と正孔密度とが等しい。

参考  現在の技術では,不純物の混入又

は欠陥の生成が避けられず,完全
な真性半導体を作ることは困難で

ある。

intrinsic  
 semiconductor

394-10-02, 
521-02-07 
intrinsic  
 semiconductor; 
semiconductor 
type I, 
真性半導体; 
I  形半導体

4-2-14 

真性キャリヤ密度

真性半導体では電子密度と正孔密度とは等
しいが,その密度をいう。

intrinsic carrier   
 density,   
intrinsic carrier   
 concentration

4-2-15 

真性準位

真性半導体のフェルミ準位。ほぼ,バンドギ
ャップの真中に位置する。

intrinsic level

4-2-16 

不純物 (半導体中 
  の)

単元素半導体中にあっては構成元素以外の

原子,化合物半導体にあっては構成元素以外
の原子又は構成元素の化学量論比から増減
した原子。一般に,キャリヤ密度又は移動度

impurities (in a   
 semiconductor)

521-02-04


54

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

に影響を与える。

4-2-17 

不純物半導体, 
外因性半導体

内部に含まれる不純物,欠陥のイオン化によ
って生じた電子又は正孔がキャリヤ発生の

主体となる半導体。

impurity  
 semiconductor,   
extrinsic  
 semiconductor

394-10-04, 
521-02-08

4-2-18 

多数キャリヤ

不純物半導体の熱平衡状態のキャリヤ(電子

及び正孔)のうち,密度の大きい方のキャリ
ヤ。

majority carrier

521-02-52

4-2-19 

少数キャリヤ

不純物半導体の熱平衡状態のキャリヤ(電子
及び正孔)のうち,密度の小さい方のキャリ
ヤ。

minority carrier

521-02-53

4-2-20 N

形半導体

電子が多数キャリヤである不純物半導体。 N-type

 semiconductor

394-10-05, 
521-02-09 
N-type

semiconductor;

electron

semiconductor

N  形半導体, 
電 子 過 剰 半 導

4-2-21 P

形半導体

正孔が多数キャリヤである不純物半導体。 P-type

 semiconductor

394-10-06, 
521-02-10, 
P-type

semiconductor;

hole

semiconductor

P 形半導体, 
正 孔 過 剰 半 導

4-2-22 

ドナー

N 形半導体を作るための不純物元素で,半導
体中でイオン化して伝導帯に電子を供与し
伝導電子を作り,自らは正に帯電する不純物
及び欠陥。

donor

521-02-38

4-2-23 

アクセプタ

P 形半導体を作るための不純物元素で,半導
体中でイオン化して価電子帯から価電子を

授受し正孔を作り,自らは負に帯電する不純
物及び欠陥。

acceptor 521-02-39

4-2-24 

不純物準位

半導体中の不純物の作るエネルギー準位。 impurity

level  521-02-36

4-2-25 

ドナー準位

ドナーの作るエネルギー準位。 donor

level

521-02-40

4-2-26 

アクセプタ準位

アクセプタとして働く不純物のエネルギー

準位。通常,バンドギャップ中の価電子帯上
端に近い位置にある。

acceptor level

521-02-41

4-2-27 

浅い準位

不純物準位のうち,伝導帯の下端又は価電子
帯の上端から  室温の  k

B

Tk

B

:  ボルツマン定

shallow level


55

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

数,T:  絶対温度)の程度離れたエネルギー

ギャップ中の浅いところに位置し,室温でほ
ぼ 100  %イオン化してドナー又はアクセプ
タとして働くもの。

4-2-28 

深い準位

不純物準位のうち,伝導帯,価電子帯のバン
ド端から室温の  k

B

Tk

B

 :  ボルツマン定数,

T  :  絶対温度)から十分離れたエネルギーギ
ャップ中の深いところに位置し,主にキャリ
ヤの捕獲又は再結合中心として働くもの。

deep level

4-2-29 

(不純物)補償

ドナーとアクセプタとが共存するときに,ド
ナーが電子を供与する働きとアクセプタが
正孔を供与する働きとが,部分的又は完全に

互いに相殺すること。

(impurity)  
 compensation

521-03-06

4-2-30 

質量作用の法則  
  (半導体におけ 
  る)

熱平衡状態で電子密度と正孔密度との積が

一定(n

0

p

0

=n

i

2

n

0

:  熱平衡状態の電子密度,

p

0

:熱平衡状態の正孔密度,n

i

 :  真性密度)と

なる法則。

参考  質量作用の法則と電荷の中性条件

によって,熱平衡状態にある不純
物半導体では,

0

0

p

n

n

i

>>

>>

( N

形 半 導 体 ), 又 は

0

0

n

n

p

i

>>

>>

(P 形半導体)と

なる。

law of mass   
  action (in a   
 semiconductor)

4-2-31 

ドーピング

半導体結晶内部にドナー又はアクセプタ不
純物を導入すること。半導体では,P 形,N
形の制御並びにそのキャリヤ密度の制御に

用いる。

doping 521-03-05

doping (of a

semiconductor)

4-2-32 

真性伝導

半導体において,不純物,欠陥に基づくキャ

リヤによる伝導が無視でき,バンド間の熱励
起によって生じた真性キャリヤによる伝導
が主体の伝導。

intrinsic  
 conduction

521-02-20

4-2-33 

不純物領域

不純物半導体において,ドナー又はアクセプ
タが完全にイオン化していず,温度の増加と
ともにイオン化が進みキャリヤ密度が増加

する比較的低温の温度領域。

impurity region

4-2-34 

飽和領域

ドナー又はアクセプタがすべてイオン化し

てキャリヤ密度の温度依存のない温度領域。

saturation region

4-2-35 

真性(温度)領域

高温において,価電子帯から伝導帯への熱励
起によって生成されるキャリヤ密度が,飽和

領域の不純物,欠陥によるキャリヤ密度を越
え,真性伝導が主体となる高温温度領域。

参考  不純物半導体においても高温では

真性伝導が主体となり,P 形及び 
N 形の特性が失われる。

intrinsic  
 (temperature)  
 region

4-2-36 

キャリヤの発生

熱励起,光などの外部エネルギーによる励起

generation of


56

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

でキャリヤが発生すること。

carriers

4-2-37 

再結合 (電子・正 
  孔対の)

伝導帯中の 1 個の電子と価電子帯中の 1 個の
正孔とが結合し消滅すること。

備考  一般には,通常安定な粒子の分解

により生じた高エネルギー状態に
ある正負の粒子対が,再び結合し

て(必ずしも元の相手の必要はな
い。

)安定状態に戻ることをいう。

電子と正孔とが他の不純物又は欠

陥準位を介さずに再結合すること
を直接再結合といい,他の不純物
又は欠陥準位を介して再結合する

ことを間接再結合という。

参考  再結合するときに放出されるエネ

ルギーは,光子,フォノンの発生

に使われたり,又は他のキャリヤ
の励起に使われる。

recombination  
 (of an  
 electron-hole  
 pair)

111-14-60, 
393-03-04, 
881-02-76

4-2-38 

発生中心

半導体の不純物又は欠陥中心で,バンドギャ

ップ中にそのエネルギー準位を作り,この準
位を介して電子及び正孔との発生を促進す
るもの。

参考  エネルギー準位がバンドギャップ

の中央付近にあるときに,キャリ
ヤ発生が最も促進される。

generation  
 center

4-2-39 

再結合中心

半導体中の不純物又は欠陥中心で,バンドギ
ャップ中にそのエネルギー準位を作り,この

準位を介して電子と正孔との再結合を促進
するもの。

参考  エネルギー準位がバンドギャップ

の中央付近にあるときに,再結合
が最も促進される。

recombination  
 center

4-2-40 

トラップ,  
捕獲中心

伝導帯の電子,又は価電子帯の正孔を捕獲す

る不純物又は欠陥中心。

trap, 
capture center

521-02-63

4-2-41 

表面再結合

半導体の表面又は他の物質との界面に生じ

た表面(界面)準位を介して行う,電子と正
孔との再結合。

surface  
 recombination

4-2-42 

表面再結合速度

表面再結合の速さを表す物理量で,単位面

積,単位時間当たりに表面再結合で消滅する
過剰キャリヤ数を U  個/(s・m

2

),表面の過剰

キャリヤ密度を  c(1/m

3

)  とするとき,表面再

結合速度  (m/s)  は,U/c  で  与えられる。

surface  
 recombination  
 velocity

521-02-56

4-2-43 

キャリヤの消滅

電子と正孔との再結合,トラップへの捕獲な

どによってキャリヤが消滅すること。

extinction of   
 carriers

4-2-44 

過剰少数キャリヤ 
  密度

熱平衡の少数キャリヤ密度を越える少数キ
ャリヤ密度。

excess minority   
 carrier density

(521-02-54 
excess carrier)


57

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

4-2-45 

少数キャリヤの注 
  入

PN  接合又は金属/半導体接合への電圧印加
によって,N 形又は  P 形半導体にそれぞれ少
数キャリヤである正孔,又は電子が拡散注入
されること。

minority carrier   
 injection

4-2-46 

少数キャリヤの寿 
  命

半導体中に生成又は注入された過剰少数キ
ャリヤが多数キャリヤと再結合し消滅する

までの平均時間。多数キャリヤ密度が一定と
みなせるときには,少数キャリヤの寿命は一
定で,過剰少数キャリヤ密度が 1/e になる時

間に対応し,過剰少数キャリヤ密度の減少速
度は,過剰少数キャリヤ密度と少数キャリヤ
の寿命の逆数との積で表される。

minority carrier   
 lifetime

521-02-57  
bulk lifetime (of

minority 
carriers)

4-2-47 

捕獲断面積

電子又は正孔の捕獲確率の大きさを表す断
面積。

capture  
 cross-section

4-2-48 

フォノン散乱

フォノンとの相互作用によって生じるキャ
リヤの散乱。

phonon  
 scattering

4-2-49 

不純物散乱

中性不純物又はイオン化不純物との相互作

用によって生じるキャリヤの散乱。

impurity  
 scattering

4-2-50 

合金散乱

混晶半導体(合金半導体)において原子組成

比が場所によって一様でなく,クラスターな
ど局所的空間不均一分布が存在することに
よって生じる散乱。

alloy scattering

4-2-51 

キャリヤ・キャリ 
  ヤ散乱

キャリヤ同志の相互作用によって生じる散
乱。  同種キャリヤ間(電子-電子,正孔-正孔)
の散乱と  異種キャリヤ間(電子-正孔)の散

乱との両者がある。

carrier-carrier  
 scattering

4-2-52 

発光再結合

発光を伴って行う再結合。 radiative

 recombination

4-2-53 

非発光再結合

発光を伴わずに行う再結合。 nonradiative

 recombination


58

C 5600

:2006

     

3)

誘電体(ガラスを含む)

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

4-3-1 

誘電体

静電界を加えるとき誘電分極を生じる
が,直流電流を生じない物質。交流電界
を加えるときは,ある特定周波数領域で,

変位電流より小さな交流電流を誘起す
る。

備考1.  正弦波の下では,等方性媒

質では次の関係を満たすと
き誘電体である。

r

0

ε

ω

ε

γ

>>

ここに,γ:導電率 
ε

0

:電気定数

ω:角周波数 
ε

r

:比誘電率の実数部分

2. 

異方性媒質では,ある特定
の方向にだけ誘電体である
場合がある。

dielectric 121-12-10

(705-03-07 
MOD) 
dielectric  
 medium;  
dielectric 
(noun), 
誘電体, 
212-01-04, 
705-03-07 
dielectric  
 (medium)

4-3-2 

強誘電体

電界を加えない状態で自発的な誘電分極
をもつ誘電体。誘電分極の方向はある領

域の範囲内でほぼ同方向を向いており,
誘電分極と電界との間にはヒステリシス
特性が観測される。

ferroelectric 121-12-23,

[121-12-24 
強誘電体の 
ferroelectric 
(adj)]

4-3-3 

反強誘電体

結晶の中の二つの部分格子が反対方向に
自発分極を起こし,それが打ち消し合っ
て結晶全体としての自発分極がゼロにな

る物質。

antiferroelectric, 
antiferroelectric  
 substance

4-3-4 

絶縁体

電気又は熱を伝えない物質。実際上は,

電気伝導率及び/又は熱伝導率が十分小
さい物質をいう。

insulator 121-12-05

insulating

medium;

insulant, 
212-01-01 
insulating

material

4-3-5 

絶縁破壊

絶縁体に作用する電界がある限度以上に
なると,ほとんど不連続的に絶縁性を失
って大電流を通すようになる現象。

dielectric  
 breakdown

212-01-29 
(electric)

breakdown,

604-03-37 
breakdown

4-3-6 

セラミックス

成形,焼成などの工程を経て得られる非
金属無機材料をいう。

ceramic 212-05-24

4-3-7 

ガラス状態

液体を結晶化させることなく冷却して,

その粘度が固体と同じ程度の大きさに達

vitreous state


59

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

した非晶質(無定形)状態をいう。

4-3-8 

ガラス

一般にはガラス状態にある物質をいう
が,通常はけい酸塩ガラス,ほうけい酸

ガラスなどを指す。

glass 212-05-25

4-3-9 

結晶性ガラス

ガラスの粉末とアルミナ,コーデュライ
トなどの粉末とを混合した特殊な組成の

ガラスを溶融・成形した後で,よく制御
された条件の元で再加熱して元の形を変
えることなく規則正しい構造をもつ微結

晶体に作ったもの。

crystallized glass

4-3-10 

非晶質ガラス

ガラスのうち,結晶化ガラス以外のもの

を特に指す。

amorphous glass

4-3-11 

ガラス転移

通常のガラスは高温では液体であるが,
温度の降下によってある温度範囲で急激

にその粘度を増し,ほとんど流動性を失
って非晶質固体となる。このような変化
をガラス転移といい,このときの温度を

ガラス転移温度という。

glass transition

4-3-12 

熱刺激電流

光又は電界によって励起又は分極された

荷電粒子が低温で凍結され,次いで,励
起を除いた状態にして温度上昇させる過
程で熱的に凍結が解放されて生じる変位

電流。

thermally activated   
 current

4-3-13 

熱刺激発光

光又は電界によって,励起又は分極され
た荷電粒子が低温で凍結され,次いで,

励起を除いた状態にして温度上昇させる
過程で,熱的に凍結が解放されて生じる
発光。

thermally activated   
 luminescence, 
thermolumine-scence

845-04-30

4)

磁性体

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

4-4-1 

磁性体

磁界の作用で磁気モーメントを生じる,又は変

化する物質。

magnetic  
 substance

121-12-27

4-4-2 

永久磁石

残留磁化及び保磁力が大で,外部からの磁気的

かく乱によっても残留磁化の強さが容易に変わ
らない強磁性体。

permanent  
 magnet

151-01-38

4-4-3 

磁石合金

永久磁石に使用される合金で,鋼を主体として

開発され,磁石鋼とも呼ばれる。  磁石合金の中
には,Fe,Co,W,Cr,C を主成分とした KS
鋼,Fe,Al,C  を主成分とした MT 鋼,Fe,Ni,
Al を主成分とした MK 鋼,Fe,Al,Ni  ,Co を

magnetic alloy


60

C 5600

:2006

     

主成分としたアルニコなどが代表的である。

4-4-4 

パーマロイ

ニッケルを主成分とした代表的な高透磁率合金
の商品名。

Permalloy

4-4-5 

フェライト

M

II

O・Fe

2

O

3

  形  (M

II

 : Mn,Fe,Co,Ni,Cu,

Zn,Mg,Cd  など)  のスピネル形磁性酸化物を
いい、フェリ磁性又は反フェリ磁性を示す。抵
抗率が高く,高周波用磁心材料として主に z

n

ェライトとの固溶体が実用される。

ferrite 121-12-49,

221-01-16

4-4-6 

希土類磁石

鉄族遷移金属と希土類金属との化合物からなる

永久磁石の総称。サマリウム-コバルト,ネオジ
ウム-鉄-ほう素が代表的  。

rare earth   
 magnet

4-4-7 

ホイスラー合金

F.ホイスラーが発明した銅合金で,その代表的
な組成は,銅の他 Al:10∼25  %,Mn:18∼26  %
であり,強磁性でない元素を組み合わせて強磁
性を示す合金が得られる場合もある点が特徴で

ある。

Heusler alloy

4-4-8 

磁性薄膜

種々の磁性体を蒸着,スパッタリング,電着な

どの方法でガラス,プラスチックなど,又は単
結晶の基板上に薄膜成長させたもの  。

magnetic thin   
 film

4-4-9 

磁性流体

界面活性剤を用いて安定に分散させた磁性体微

粒子を,流体媒体に高濃度に懸濁させたもの。

magnetic fluid

4-4-10 

磁気記録

録音,録画及びそれらを再生させる手段として

磁性体及び外部磁界を用いる記録方式。

magnetic  
 recording

806-15-01

4-4-11 

磁気バブル

膜面の垂直方向に磁化容易軸をもつ磁性薄膜の
面に垂直な方向に,適切な強さの磁界を加えた

ときに生じる小さな円柱状の磁区。

参考  液相  エピタキシーによって GGG

(Gadolinium Gallium Garnet) の単結
晶板上に成長させた希土類鉄ガーネ
ット膜がこのような性質を示す。

magnetic  
 bubble

4-4-12 

磁気増幅器

強磁性体の磁化の飽和を利用して電流を増幅す

る装置。

magnetic  
 amplifier

351-18-52

4-4-13 

アモルファス磁性 
  材料

超高速で急冷することによってアモルファス化

した磁性合金をいい,磁気異方性が小さいため
高磁化率,低保磁力が実現でき,耐食性及び機
械強度に優れる。

amorphous  
 magnetic  
 materials

4-4-14 

インバー

ニッケル鋼の一種で,Fe,Ni,Mn,C  の合金か
らなり,線膨張係数が Fe や Ni の約 1/10 と小さ
いことが特徴で,制御機器や精密機器に使用さ

れる。

Invar

4-4-15 

ソフト磁性材料

磁化率が高く保磁力が小さい磁性材料。変圧器,

コイルなどの磁心材料として用いられる。

soft magnetic   
 materials

4-4-16 

ハード磁性材料

磁気的に硬い材料,すなわち磁化しにくく,ま
た,一度磁化するとその残留磁化を再度ゼロに

するための外部磁界(保磁力)が大きい磁性材
料。

hard magnetic   
 materials

   
 


61

C 5600

:2006

     

5)

超電導体

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

4-5-1 

超電導

多くの金属,ある種の金属酸化物などの物質
が,適切な条件下でその直流電気抵抗がゼロ
になり,かつ,完全反磁性を示す現象。  ま

た,このような性質を超電導性という。

備考  適切な条件とは,温度,磁界の強

さ及び電流密度がある値以下のと

きを示す。

Superconductiv- 
 ity

815-01-02

4-5-2 

超電導体

温度,磁界の強さ及び電流密度がある値以下

のときにゼロ抵抗となる性質を示す物質。

superconductor 121-12-07

超電導体, 
815-001-06  
超電導体

4-5-3 

第 1 種超電導体

軟超電導体とも呼ばれ,外部からの磁界に対
しては完全反磁性を示し,超電導状態が破れ
る臨界磁界になるまで磁界(磁束)は内部に

侵入せず,臨界磁界以上の磁界がかかると超
電導状態が破れ磁束が内部に侵入する超電
導材料。

type I   
 superconductor, 
soft  
 superconductor

815-01-22

4-5-4 

第 2 種超電導体

硬超電導体とも呼ばれ,2  段階の臨界磁界を
もち,下部臨界磁界以上の磁界をかけても,

上部臨界磁界以下であれば,磁束線は超電導
体の内部にまだらに入っており,常伝導領域
と超電導領域との混合状態となる超電導材

料。

type II   
 superconductor, 
hard  
 superconductor

815-01-25

4-5-5 

酸化物超電導材料

超電導を示すセラミック材料の一種。主な材
料としては Y  系,Bi 系,Tl 系などがある。

superconduct- 
 ing oxide

4-5-6 

金属超電導材料

酸化物超電導材料が発見される以前に主流
であった超電導を示す材料系をいい,代表的

な材料として,NiTi,Nb

3

Sn,Nb

3

Al  などが

ある。

metallic  
 superconductor

4-5-7 

超電導膜

超電導を示す膜。ジョセフソン素子,LSI  用

の配線などのデバイス化をねらいとする。

備考  超電導薄膜は,およそ 1  μm  以下

の厚さの膜をいい,MgO,LaAlO

3

SrTiO

3

  などの格子定数のずれが

小さく反応性が少ない基板を用
い,スパッタリング法,レーザ蒸

着法,CVD  法などで超電導材料
を薄膜成長させて作製する。 超電
導厚膜は,およそ 1 μm  から 10 
μm  の厚さの膜をいい,スクリー
ン印刷,ドクターブレード法,デ
ィップコート法などを用いて作製

superconducting  
 film

815-04-29


62

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

する。

4-5-8 

臨界磁界, 
臨界磁場

超電導状態を維持できる最大の磁界(磁場)

備考  臨界磁界は,温度の関数である。

critical (magnetic)   
 field strength

815-01-09

4-5-9 

臨界温度, 
超電導臨界温度

ゼロ磁界,ゼロ電流密度のときに,それ以下
の温度で超電導体の電気抵抗がゼロになり
超電導状態が発現するときのその絶対温度。

critical  
 temperature

815-01-09

4-5-10 

臨界電流密度

抵抗ゼロを維持できる最大の電流密度であ
り,外部からの導入電流と遮へい(蔽)電流

に当てはまる。

critical current   
 density

815-03-03

4-5-11 

永久電流

超電導状態にあり,超電導体のリングを減衰
することなく流れる電流。

persistent current

815-01-13

4-5-12 

クーパー対

超電導体の束縛された 2 個の電子対を指す。 
反平行スピンをもつ 2 個の電子がフォノンを

なかだちとしてクーロン反発力に打ち勝つ
だけの相互引力作用が生じ,2  個の電子が束
縛状態となる。   
  なお,クーパー対が相互に位相同期した集
団領域の距離を“コヒーレンス長”(coherence 
length)という。

Cooper pair

121-13-22, 
815-01-26

4-5-13 BCS

理論

クーパ対を臨界温度以下の温度で形成し,巨
視的な数の電子対が同一の重心運動を行う
として超電導を説明した対理論。BCS  は,

提唱者の Bardeen,Cooper,Schrieffer の 3 人
の頭文字。

BCS theory

815-01-27

4-5-14 

ジョセフソン接合

二つの超電導体が絶縁体膜,通常の伝導体
膜,又は小さな断面積若しくは点接触の超電
導体ブリッジで隔てられた,クーパー対が適

当な条件下で通過できる接合。

Josephson 
 junction

121-13-23, 
815-01-37

4-5-15 

ジョセフソン効果

二つの超電導体が薄い絶縁膜で隔てられた
サンドイッチ構造のジョセフソン接合にお

いて,絶縁膜をクーパー対がトンネル効果で
通過し電力消費を伴わずに電流を生じるマ
クロな量子効果(直流ジョセフソン効果),

及び,接合に電圧 がかかるときには,周波
数  f = 2eU/h  (h:プランク定数,e:素電荷)
の交流電流が生じるマクロな量子効果(交流

ジョセフソン効果)

Josephson effect

(121-13-25 
direct-current

Josephson 
effect,

815-01-38  
DC Josephson

effect,

121-13-26 
alternate-current

Josephson 
effect,

815-01-39  
AC Josephson

effect)

4-5-16 

マイスナー効果

超電導状態にある金属では臨界  磁界を越え
ない外部磁界を加えても内部では磁束がゼ

ロであり,磁力線が内部に入らない現象。

Meissner effect

815-01-12


63

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

4-5-17 

超電導量子干渉 
  計, 
SQUID 

インダクタンスの小さな超電導  ループ中に
1  個又は 2 個のジョセフソン接合を含む干渉
計。  脳磁図などの超高感度磁界検出に利用
される。

superconductive 
 quantum  
 interference  
 device, 
SQUID

815-07-46  
超 電 導 量 子 干

渉計

4-5-18 

近接効果

超電導体又は  常伝導金属の接合の電気的干

渉によって,超電導体境界クーパー対密度を
減少させ,クーパー対の波動関数が金属側へ
漏れ出す効果。

proximity  
 effect

(121-13-19 
proximity

effect,

815-04-58 
proximity

coupling 
current)

4-5-19 

磁束量子

磁束の量子単位をいい,h/2e に等しい。  こ
こに,h  はプランク定数,e  は素電荷である。

この値は,およそ,2.067 830 215×10

15

 (Wb)

に等しい。  超電導体の環を貫く磁束は,環
を流れるクーパー対の波動関数の一価性の
ために磁束量子の整数倍の値に量子化され

る。

fluxoid  
 quantum, 
flux quantum

121-11-22 
fluxoid

quantum,

815-01-14  
flux quantum

4-5-20 

侵入深さ(超電導 
  体における)

超電導体の磁界侵入を打ち消す遮へい(蔽)

電流が流れている深さ。

penetration  
  depth (in a   
 superconductor)

4-5-21 

超流体

粘性係数が  0 で,エントロピーを運ばないよ

うな超流動を示す流体。  現在のところ,超
流動を示す物質は,液体 He だけである。

参考  超流動性を示さない,すなわち有

限の粘性率をもちエントロピーを
運ぶ液体を,常流体という。

superfluid (815-06-17

superfluid

helium: He II,

4-5-22 

ピン止め(磁束の)

超電導体内の量子化磁束が格子欠陥,析出不
純物,粒界などによって捕捉され,ローレン
ツ力が働いても動かないこと。

pinning (of a   
 magnetic flux)

6)

気体及び液体(放電関係など)

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

4-6-1 

プラズマ

全体的にほとんど同じ数の正負の自由電荷(正

イオン,電子)及び中性の原子又は分子で構成
される伝導性のあるイオン化したガス。  マクロ
には電気的に中性である。

plasma

111-14-65, 
705-06-04, 
531-13-14, 
841-09-01

4-6-2 

プラズマ振動

プラズマ中の電子の集団運動による振動で,電
荷のじょう乱を遮へい(蔽)するために電子が
動くとき,中性の状態より行きすぎて,再び引

plasma  
 oscillation

[705-06-10 
plasma 
frequency


64

C 5600

:2006

     

き返す運動を繰り返すために発生する振動をい
い,縦波すなわち疎密波として伝ぱする。

(electronic) 
(電子)プラズ

マ周波数)]

4-6-3 

無衝突プラズマ

粒子が相互に誘起した空間電荷電界を通して相

互作用するが,直接の衝突が無視しうるプラズ
マ。

collisionless  
 plasma

4-6-4 

衝突支配形プラズ 
  マ

衝突による相互作用によって種々の散逸過程が

生じるプラズマ。

collision  
 dominated  
 plasma

4-6-5 

衝突周波数

電子がイオン化した媒質又はプラズマ中を通過
するときに受ける単位時間当たりの平均の衝突
数。

collision  
 frequency

705-06-08 
(電子)衝突周

波数

4-6-6 

運動量移行周波数

  プラズマ中で,ある種類の荷電粒子とほかの,
又は同じ種類の粒子との単位時間内の平均の衝
突数。

momentum-tr- 
 ansfer  
 collision   
 frequency

4-6-7 

電離係数, 
イオン化係数

気体中で電子が電界によって加速され,気体分

子の電離に必要なエネルギーを得て衝突して電
離するときの,電子が電界方向に単位長さ移動
する間に起こす衝突電離の平均回数。

ionization  
 coefficient

111-14-58

4-6-8 

クーロン衝突

電子・電子,イオン・イオン,電子・イオンな
どの荷電粒子間に比較的長距離まで働くクーロ
ン相互作用による粒子の衝突  。

Coulomb  
 collision

4-6-9 

サイクロトロン共 
  鳴

静磁界中の荷電粒子の運動は,磁界に垂直な方
向に関してみると周期が一定の円運動(サイク

ロトロン運動)をしているが,ここに周回の角
周波数に等しい電磁波が入射すると,共鳴して
電磁波が吸収される現象。

cyclotron  
 resonance

4-6-10 

ラーマー角周波数

荷電粒子が磁界中で行う円運動の角周波数。  そ
の値 ω は,粒子の電荷を q,質量を  m,磁束密
度の大きさを B  とすると,ω =qB ⁄m で表せる。

Larmor  
 frequency

4-6-11 

グロー放電

電子管の比較的低圧ガス中での放電  。拡散,グ
ロー及び  ガスのイオン化電圧よりも非常に高

い陰極付近の電圧降下(陰極降下)などで特徴
付けられ,電子は主として陰極からの  2 次電子
放出によって供給される。

glow discharge  121-13-13,

531-13-04, 
845-07-12

4-6-12 

コロナ放電

電圧こう配がある特定の値を超えたときに,高
電圧で周りの空気のイオン化によって生じる,
導体の表面と近隣に生じる青みがかった紫色の

グロー放電。

corona  
 discharge

531-13-06

4-6-13 

陽光柱

グロー放電管の中で,ファラデー暗部と陽極間

とに生じるグローをいい,しばしばせん(閃)
光となる。

positive glow

4-6-14 

陰極降下

気体放電で陰極付近に空間電荷によって生じる
大きい電位降下。 

cathode fall,   
cathode drop

845-07-13


65

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

4-6-15 

ペニングイオン化

励起状態の原子又は分子 X*  と別の原子又は分

子 M とが低エネルギーで,

  X* + M → X + M+ +

e-  の過程によって,X が基底状態に落ちると同
時に M がイオン化する現象。

Penning  
 ionization

4-6-16 

アーク放電

気体内の電極間での直流放電で,陰極からの熱
電子放出又は電界放出による低エネルギー電子

によって高電流密度が維持され,比較的低い陰
極降下を生じる放電。

備考  陰極からの二次電子放出は小さい。

arc discharge

531-13-05, 
845-07-16

4-6-17 

自続放電

気体の放電において,2 極間の電圧がある値以
上で外部からの荷電粒子の供給がなくても維持
される放電。低電圧領域では,外部からの荷電

粒子の供給にほぼ比例して電流が流れ,これを
非自続放電という。

self-maintain- 
 ed discharge

531-13-12a

4-6-18 

再結合 (気体の)

電子,正イオン,又は負イオンのような電荷を
もつ粒子の結合と,結果として生じる電気的中
和。

recombination  
 (in gas)

4-6-19 

電荷交換反応

2 粒子間の衝突による一方の粒子から他方への
電荷の移動。

charge  
 exchange  
 reaction

4-6-20 

両極性拡散

電子,イオンなどの荷電粒子のプラズマ中の拡
散。電子又はイオンは独立には拡散せず,局所

的な電気的中和化の結果として生じる。

ambipolar  
 diffusion

4-6-21 

電離度

中性の原子又は分子が電子を失って陽イオンに
なる数の粒子総数に対する割合。

degree of   
 ionization

705-06-06 
degree of

ionization (of a 
plasma),

(プラズマの)

電離度

4-6-22 

デバイ長

荷電粒子の電界が,逆符号の電荷をもつ粒子に

よって遮へい(蔽)される特性距離。   

Debye length

4-6-23 

イオンシース

放電のポテンシャルとは違うポテンシャルをも

つ,表面上又は表面近くに形成されたイオンの
(若しくは電子の)薄い層。

ion sheath

4-6-24 

異常拡散

プラズマが不安定なとき,プラズマが磁力線を
横切って拡散していく現象。その速度は,古典
的拡散に比較して,高い。

anomalous  
 diffusion

4-6-25 

プラズマの閉じ込 
  め

プラズマを電磁界などの外的作用によって有限
領域内に閉じ込めること。  プラズマ粒子数を 
N  (個)とし,単位時間に損失するプラズマ粒
子数を  G  (個/s)とするとき,/τ で定義
される時間  τ(s)  をプラズマ閉じ込め時間とい
う。   

plasma  
 confinement


66

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

4-6-26 

プラズマ分散式

プラズマ中の角周波数と波の運動,又は不安定

性の波動ベクトルとの関係を示す式。

plasma  
 dispersion  
 relation

4-6-27 

イオン音波

プラズマ中の集団の振動に基づく静電波。この
波は中性気体中の音波と類似の縦波であるが,
粒子間衝突に基づく音波とは違って,粒子間の

クーロン力と電子の熱運動とが本質的な役割を
なす。

ion acoustic   
 wave

7)

液晶,有機材料関係など

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

4-7-1 

液晶

結晶と液体との中間にある温度範囲内で存在す
る,ある程度の秩序をもった状態。 

liquid crystal

4-7-2 

ネマチック液晶

等方性液体を急冷したときに見られる,糸状模
様に基づいて命名された液晶の一種。液晶中,

最も液体に近い乱れた構造をもつ。

nematic liquid   
 crystal

4-7-3 

スメクチック液晶

棒状の分子がその長軸を平行に配列して層を形

成した液晶。

smectic liquid   
 crystal

4-7-4 

コレステリック液 
  晶

ネマチック液晶を形成する分子の一部又は全部
が光学活性をもち,分子配列にねじれが加わっ

て全体としてらせん構造をとった液晶。 

cholesteric  
 liquid crystal

4-7-5 

ディスコチック液 
  晶

円板状分子とみなされるベンゼンの六置換エス
テルなどが示すサーモトロピック液晶(温度変
化によって出現する液晶)の総称。

discotic liquid   
 crystal

4-7-6 

高分子液晶

液晶性の低分子構造を高分子の主鎖又は側鎖に
適切に配した液晶。

polymer liquid   
 crystal,   
liquid crystal   
 polymer

4-7-7 

レジスト

半導体製造工程において,エッチング,イオン

注入など,微細加工プロセスで加工すべき基板
にパターンを形成するための感光材。紫外線,
X 線,電子線などの放射線の照射によって引き
起こされる化学反応を利用して形成される。 

resist

4-7-8 

逆浸透膜

半透膜の一方に浸透圧より高い圧力を加えるこ

とで,通常の浸透とは逆に溶液中の溶媒分子が
半透膜を通って純容媒中へ移行できる半透膜の
こと。物質の分離に応用できる。 

reverse  
 osmosis  
 membrane


67

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

4-7-9 

結晶性高分子

かなりの秩序をもった分子配列を示し,X 線回

析によって明りょうな結晶構造が認められる高
分子物質。

crystalline  
 polymer

4-7-10 

エレクトレット

外部電界が存在しない状態でも半永久的に分極
を保持することができる誘電体。

electret

4-7-11 

樹脂

複雑な有機酸及びその誘電体からなる物質。も

ろい無定形の固体又は半固体で,水には溶けず,
アルコール,エーテルなどにはよく溶ける。

resin 212-04-0

4-7-12 

導電性高分子

電気伝導性をもつ高分子。  異種元素又は分子が
添加されているものとないものとの 2 種類に大
別される。

electrically  
 conducting  
 polymer

4-7-13 

ポリイミド

耐熱性高分子の代表。耐熱性高分子とは一般に 
300  ℃  以上の高温で連続して使用に耐える高
分子物質。

polyimide

4-7-14 

重合

1 種類の単位化合物の分子が  2 個以上結合して
単位化合物の整数倍の分子量をもつ化合物を生

成する化学反応。

polymerization

4-7-15 

共重合

2 種又はそれ以上の単位化合物を用い,それら
を成分として含む重合体を与える重合反応。

copolymeriza- 
 tion

4-7-16 

縮合

2 個以上の分子又は同一分子内の  二つ以上の
部分が新しい結合を作る反応。

condensation

4-7-17 

重縮合

縮合反応の繰返しによる重合体生成反応。 polycondensa-

 tion

4-7-18 

光分解

光の照射によって結合が開裂して物質が分解を
起こす現象。

photolysis

4-7-19 

二色性

a)

一軸結晶において,光の吸収の異方性が原

因で光学軸方向とこれに垂直な方向とで色
が異なる性質。一般に,物質が透過光の色
を種々の伝ぱ方向によって異にする性質を

多色性という。

b)

着色溶液の透過光の色が,溶液の濃度又は
液層の厚さによって変化する現象。

dichroism


68

C 5600

:2006

     

e)

デバイスの基礎

1)

デバイスの構成基礎

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

5-1-1 

接合

異なる電気特性又は異なる伝導タイプの

半導体間が,接する遷移領域。同種の半導
体間の接合をホモ接合,異種の半導体間の
接合をヘテロ接合という。接合に生じる一

方向のキャリヤの移動を妨げるポテンシ
ャル障壁で,キャリヤの運動を制御する特
徴をもつ,デバイスの基本構造の一つ。

junction 394-18-60,

521-02-70

5-1-2 PN

接合

P 形半導体と N 形半導体との間の遷移領
域。  種々の半導体デバイスを構成する基

本的な構造。  熱平衡状態において,双方
のフェルミ準位が一致するように電位障
壁が形成される。

PN junction

394-18-61 
(521-02-73)

5-1-3 

ホモ接合

キャリヤ密度又は伝導タイプの異なる同
種の半導体の接合。

homojunction 731-06-12

5-1-4 

ヘテロ接合

異種の二つの半導体の接合。 heterojunction

731-06-13

5-1-5 

空乏層

半導体の各種接合において,自由キャリヤ
密度がイオン化したドナー。アクセプタの

正味の固定電荷密度を中和するに不十分
なほど小さい領域。

depletion layer

521-02-77 
depletion layer

(of a   
semiconductor)

5-1-6 

空間電荷

電子又はイオンに起因する空間の電荷。 space

charge

393-01-40, 
531-12-14, 
881-02-93

5-1-7 

空間電荷領域

PN 接合部分の電気的に中性な P 領域と N 
領域とに挟まれた,キャリヤの空乏化によ
ってイオン化不純物による電荷が現れて

いる領域。

space charge region

521-02-74 
space charge

region,

521-02-75  
space charge

region (of a PN 
junction)

5-1-8 

拡散電位, 
内蔵電位

接合を挟んだ中性領域の間の内部電位の

差。  接合を構成する二つの領域では電子
の化学ポテンシャルが異なるため,熱平衡
状態では内部電位に差が生じることによ

って拡散が平衡に達する。

diffusion voltage,   
built-in voltage

5-1-9 

接触

二つの異なる物質が接し界面を形成する
こと。一般に,両者のフェルミ準位に差が

あるため熱平衡状態では電位差が生じる
(接触電位差)

。半導体デバイスの電極は,

金属と半導体,又は半導体間の接触であ

る。

contact


69

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

5-1-10 

ポテンシャル障壁

接触している  二つの物質間,又は同じ物

質の異なる電気的性質をもつ領域の間の
ポテンシャルの差。  相互の自由キャリヤ
の拡散によって空間電荷領域が形成され

るために,ポテンシャル差が生じる。

potential barrier

121-13-20 
(electric)

potential 
barrier,

521-02-68, 
521-02-69 
potential barrier

(of a PN 
junction)

5-1-11 

ショットキー障壁

金属・半導体接触界面において生じるポテ
ンシャル障壁。金属側からみた大きさをシ
ョットキー障壁高さという。

Schottky barrier

5-1-12 

ショットキー接 
  触, 
ショットキー接合

金属と半導体とが接触した界面で,ショッ
トキー障壁の高さが大きく,整流作用を示
すもの。  また,半導体側に空乏層が伸び

るためショットキー接合とも呼ばれる。こ
の特性は,金属と半導体との仕事関数の差
に大きく左右される。   

Schottky contact, 
Schottky junction

5-1-13 

オーム性接触

金属と半導体とが接触した界面で,電流−

電圧特性が直線性を示すもの。実用的な観
点からは,半導体電極のうち,そこでの電
力損失が無視できるくらい小さな接触抵

抗値をもつものをいうことが多い。 

ohmic contact

5-1-14 

整流作用

交流入力を直流出力に変換する作用。

参考  2 端子素子(ダイオード)にお

いて,印加電圧の一方の方向
(順方向)には電流が流れやす

く,他の方向(逆方向)には流
れにくい特性を示す素子。例え
ば,PN  接合ダイオードは整流

作用を示す代表例である。

rectification

5-1-15 

降伏

素子,又は材料の電流-電圧特性において,
電圧のわずかな増大に対して電流が急し
ゅん(峻)に増大すること。

参考  PN 接合では,印加する逆方向

電圧を増加していくと,ある電
圧以上でアバランシェ(アバラ

ンシェ降伏)又はトンネル現象
(トンネル降伏,ツェナー降
伏)が生じ,電流が急激に流れ

始める。

breakdown 121-13-15,

212-01-29, 
394-18-68 
breakdown (of a

reverse biased 
PN junction),

521-05-04 
breakdown (of a

reverse biased 
PN junction)


70

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

5-1-16 

降伏電圧

降伏が生じる電圧の大きさ。 breakdown

voltage

212-01-30

5-1-17 MIS

[構造]

金属 (metal)と半導体 (semiconductor) と
の間に薄い絶縁物 (insulator) を挿入した

構造。

参考  電界効果トランジスタ,電界発

光素子,ジョセフソン素子など

に用いられる。

metal-insulator- 
 semiconductor  
 (structure),   
MIS (structure)

5-1-18 MOS

[構造]

MIS 構造のうち,絶縁物が半導体を構成す
る原子の酸化物 (oxide) であるもの。

metal-oxide- 
 semiconductor   
 (structure),   
MOS (structure)

5-1-19 

パッシベーショ 
  ン,  
表面不活性化

半導体の界面を,安定化するために表面を
シリコン酸化膜などのような物質で被覆
して,不活性にすること。

備考  このような目的で半導体表面

に形成された膜を“パッシベー
ション膜”という。表面を保護

する目的でも使われ,“表面保
護膜”ともいう。

参考  回路を保護するための表面保

護膜に対して使われることが
ある。

passivation, 
surface passivation

521-03-13 
surface

passivation

5-1-20 

反転層

半導体表面に電界をかけたとき,多数キャ

リヤが内部に,少数キャリヤが表面に集ま
ることによって,半導体表面の伝導形が実
質的に内部とは逆転した領域。 MIS 形素

子において電流のチャネルとして利用さ
れる。

inversion layer

394-18-75   
逆転層

5-1-21 

チャネル

電界効果トランジスタなどのユニポーラ
デバイスにおいて,ソースからドレインに
至るキャリヤの流れる半導体薄層通路を

いい,そのコンダクタンスがゲート電圧で
制御される。

channel 521-07-06

channel (of a

field effect   
transistors)

5-1-22 

[素子間]分離

集積回路の構成部分同士が相互の影響を

受けないようにすること。

備考  分離には,半導体集積回路の各

素子を PN 接合で分離する“接

合分離”

,絶縁層,例えば SiO

2

などによって分離する“絶縁層
分離(酸化膜分離ともいう。

単結晶と多結晶との境界の絶
縁性を利用し,多結晶によって
半導体集積回路の各素子を電

気的に分離する“多結晶分離”
などがある。

isolation,   
 junction isolation, 
dielectric isolation,   
 polycrystalline  
 isolation


71

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

5-1-23 

擬フェルミ準位, 
イムレフ

電圧印加又は  光照射下のような非熱平衡

状態における電子密度,正孔密度を,ボル
ツマン近似の下での熱平衡状態の式を用
いて,次の式のように表記したときの E

Fn

(電子)及び,E

Fp

(正孔)

]

)

exp[(

B

i

Fn

i

T

k

/

E

E

n

n

=

]

)

(

exp[

B

i

Fp

i

T

k

/

E

E

n

p

=

ここに,n  :  非熱平衡における電子

密度

p  :  非熱平衡における正孔

密度

n

1

 :  真性キャリヤ密度

E

i

:  真性準位,k

B

  :  ボルツ

マン定数

:  絶対温度

イムレフ(imref)  は,Fermi を逆につづった

造語である。

quasi Fermi level,   
imref

2)

電子デバイス,IC  など

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

5-2-1 

ダイオード

二つの(di)電極(electrode)をもつ電子デバイス。
性質などを示す接頭語を付けて呼ばれる。

  ショットキーダイオード,ガンダイオ

ード,フォトダイオード,レーザダイ
オードなど。

diode

5-2-2 

バリスタ

variable resistor からの造語であり,抵抗値が電
圧によって非直線的に変化する性質を利用した
半導体素子。普通のバリスタは臨界電圧以下で

は抵抗が非常に大きく,それ以上では抵抗が急
激に減少する。この性質からサージ電圧を減衰
するための防護素子として用いられる。

varistor 151-01-31

5-2-3 

サーミスタ

温度変化に対して極めて大きな抵抗値変化を示
すことを利用した半導体素子。

備考  抵 抗 温 度 係 数 が 正 の も の を  PTC

(positive temperature coefficient)サーミ
ス タ , 負 の も の を NTC (negative 
temperature coefficient)サーミスタと
いう。

thermistor 151-01-32,

521-04-13, 
726-21-08

 
 


72

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

5-2-4 

トランジスタ

端子を三つ以上備えた半導体能動素子の一般的

名称。transfer resistor  を縮めた造語。  電子と正
孔とがともに動作に関与するバイポーラ形と,
いずれか一方だけが関与するユニポーラ形に大

別できる。

備考  バイポーラトランジスタや IGBT な

どはバイポーラ形,MOSFET,HEMT,
TFT などはユニポーラ形のトランジ
スタである。

transistor 521-04-25

5-2-5 PN

接合ダイオー

  ド

PN 接合からなる整流特性を示す 2 端子素子。 PN-junction

 diode

5-2-6 

ショットキー[バ 
  リア]ダイオー 
  ド

金属と半導体接触(ショットキー接触)とから

なるダイオード。

Schottky  
 (barrier)  
 diode

5-2-7 

定電圧ダイオード

ダイオードの逆方向降伏現象を利用して,印加
電圧が一定値以上にかからないように設計され
たダイオード。

voltage  
 regulating  
 diode

5-2-8 

トンネルダイオー 
  ド

P,N ともに不純物が高密度にドープされた PN
接合ダイオードで,順方向バイアス印加時に量
子力学的トンネル効果によって N 形の負性抵抗

を示す 2 端子素子。

tunnel diode

521-04-04

5-2-9 

ガンダイオード

GaAs のように特異な伝導帯構造をもつ半導体
において,高電界を印加すると電子遷移に基づ
き負性抵抗が現れる。これを利用したマイクロ
波帯の発振・増幅用の 2 端子素子。

Gunn diode

5-2-10 

走行時間素子

走行領域の長さを適切にとることによって,電
子が注入されてから端子電流が流れるまでの位
相差を付け,交流的に負性抵抗を実現する半導

体素子。  衝突電離・なだれ(雪崩)増倍によっ
て電子注入を行うインパット (IMPATT : impact 
ionization avalanche transit time)  ダイオードが代
表的な素子。

transit time   
 device

5-2-11 

バイポーラトラン 
  ジスタ

二つ以上の接合をもち,電子と正孔とがともに

動作に関与する 3 端子のデバイス。エミッタ,
ベース,コレクタと呼ばれる三つの領域からな
り,NPN 又は PNP の 2 種類がある。

bipolar  
 transistor

521-04-26 
bipolar junction

transistor

 
 
 
 
 
 


73

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

5-2-12 

ヘテロ接合バイポ 
  ーラトランジス 
  タ, 
HBT 

エミッタにバンドギャップの広い半導体を用

い,ベース・エミッタヘテロ接合に形成され
た電位障壁を利用することで,ベースからエ
ミッタへの少数キャリヤ注入を抑制して,エ

ミッタ効率を 1 に  近付け,高い電流増幅率
を実現したバイポーラトランジスタ。

参考  例えば,ベースに GaAs を,エミッ

タにはベースより広いバンドギャ
ップをもつ AlGaAs 半導体を用いる
ことで,ベース抵抗とベース・エミ

ッタとの間の接合容量が小さなト
ランジスタを実現できる。高周波性
能,温度特性などの面で優れてい

る。

heterojunction  
 bipolar  
 transistor, 
HBT

5-2-13 

電界効果トランジ 
  スタ, 
FET 

電流通路(チャネル)のコンダクタンスを,

ゲート電極から横方向の電界によって制御す
るトランジスタ。

備考  ゲート構造によって,“接合形 FET

(JFET: junction FET)”,“金属・酸化
物 ・ 半 導 体 FET[MOSFET: metal 
oxide semiconductor FET]”,“金属・
半 導 体

FET(MESFET: metal

semiconductor FET)”(“ショットキ
ーバリアゲート FET”ともいう。

などに分けられる。

field effect   
 transistor,   
FET

521-04-30

5-2-14 MOSFET 

MOS 構造の金属(ゲート)直下の酸化膜・半
導体界面の反転層をチャネルとし,ここのキ

ャリヤ数をゲート電圧で制御することによっ
てチャネルの面に沿ったコンダクタンスを制
御する電界効果トランジスタ。

備考  チャネル反転層が N 形のものを

N-MOSFET , P 形 の も の を
P-MOSFET という。

metal-oxide- 
semiconductor  
 field effect  
 transistor,   
MOSFET

521-04-33

5-2-15 

高電子移動度トラ 
  ンジスタ, 
HEMT 

電界効果トランジスタの一つで,ヘテロ接合
と変調ドープ技術とを利用してチャネルでの

キャリヤ散乱を減らすことによって,高速化
及び  低雑音化を図ったもの。

備考  “ 変 調 ド ー プ FET (MODFET:

modulation doped FET)”,“2 次元電
子 ガ ス

FET (2DEGFET: 2

dimensuional electron gas FET)”とも
呼ばれる。

high electron   
 mobility  
 transistor,   
HEMT

5-2-16 

薄膜トランジス 
  タ, 
TFT 

絶縁体基板上に半導体薄膜を形成し,その膜
内にチャネルを設けて,絶縁ゲート電界効果

トランジスタとしたもの。

thin film   
 transistor,   
TFT


74

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

5-2-17 

絶縁ゲートバイポ 
  ーラトランジス 
  タ, 
IGBT 

パワーエレクトロニクス用デバイスの一つ。 
MOS FET の耐圧を上げるには,ドレインの不
純物濃度を下げる必要があるが,一方でオン
抵抗は大きくなる。このトレードオフを解消

するためにドレインに相当する領域に PN 整
合を設け,オン状態においてこの接合が順バ
イアスされると導電率変調が生じオン抵抗が

低減できる。

insulated gate   
 bipolar  
 transistor,   
IGBT

5-2-18 

静電誘導トランジ 
  スタ, 
SIT 

電界効果トランジスタの一つで,ゲート電極

の埋め込み,チャネルの縦形化などによって
極限まで短チャネル化を図り大きな電流駆動
能力をもたせたデバイス。

static induction   
 transistor,   
SIT

5-2-19 

サイリスタ

三つ又はそれ以上の PN 接合部からなり,S 字
形の負性抵抗を示す素子。ゲートに電圧をか
けることによってオフからオンの状態に切り

換える。  ゲートからキャリヤを強制的に引き
出すことによってオンからオフの状態に制御
できるようにしたものをゲート・ターン・オ

フサイリスタ(GTO: gate-turn-off thyristor)と呼
ぶ。

thyristor

521-04-38 

5-2-20 

集積回路, 
IC 

数多くの超小形素子が一つの基板上に一体的
に作り込まれている回路。

integrated  
 circuit, 
IC

521-10-04, 
(521-10-06 
semiconductor

integrated 
circuit)

5-2-21 

モノリシック集積 
  回路

1 個の半導体のチップ内に作られた集積回路。 monolithic

 integrated  
 circuit

5-2-22 CMOS 

基本的なインバータ回路が P-MOS と N-MOS
の 1 対で構成され,両者が入力に対して互い
に相補的にスイッチングする構造の回路構成

方式。

備考  “相補形 MOS”ともいう。

complement- 
 ary  
 metal-oxide- 
 semiconductor,  
CMOS

5-2-23 BiMOS 

バイポーラ素子と MOS 素子とを同一チップ

上に混載して,互いの長所を生かす回路構成
方式。

備考  “バイポーラ MOS”ともいう。

bipolar  
 metal-oxide- 
 semiconductor,  
BiMOS

5-2-24 BiCMOS 

バイポーラ素子と CMOS 素子とを混載した回
路構成方式。

bipolar  
 complementary  
 metal-oxide- 
 semiconductor,  
BiCMOS

 


75

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

5-2-25 

論理 IC

組合せ論理又は順序論理を実現するための半

導体集積回路。はん(汎)用のマイクロプロ
セ ッ サ , 特 定 用 途 向 け 集 積 回 路 (ASIC: 
application specific integrated circuit) などがあ
る。

logic integrated   
 circuit

5-2-26 

メモリ IC

一つの基本セルに 1 ビットの情報を記憶でき

るようにし,それを複数配列した集積回路。
記憶情報の読出しと書込みがほぼ同程度の時
間でできる RAM: random access memory,固定

情報の読出ししかできない ROM; read only 
memory,電気的に書き換え可能な ROM であ
る EPROM: erasable and programmable ROM な

どがある。

memory  
 integrated  
 circuit

5-2-27 

混成集積回路, 
ハイブリッド IC

二つ以上の異種の集積回路の組合せ,又は一
つ以上の独立したデバイス若しくは部品と一

つ以上の集積回路とからなる回路。

参考  JIS D 0103  参照。

hybrid integrated   
 circuit

5-2-28 

マルチチップモジ 
  ュール, 
MCM 

複数個の LSI チップなどをセラミック基板
などに直接実装し,一つの機能にまとめたモ
ジュール又はパッケージ。各モジュールの寸

法,端子などの大きさや形を標準化し,製作,
組立を容易にし,実装密度及び性能の向上が
図れる。

備考  広義には,ハイブリッド IC  も含ま

れる。

multichip  
 module,   
MCM

5-2-29 

モノリシックマイ 
  クロ波集積回 
  路, 
MMIC 

1 個の半導体チップ内に複数の素子,高周波用
平面回路などの配線が一体的に作り込まれ,
主としてマイクロ波以上の周波数帯で機能す
る集積回路。

monolithic  
 microwave  
 integrated  
 circuit,   
MMIC

5-2-30 

電流増幅率

バイポーラトランジスタにおいて,ベース電

流に対するコレクタ電流の比。  エミッタ電流
に対するコレクタ電流の比は電流伝送率と呼
ぶ。

current gain

5-2-31 

エミッタ (注入)  
  効率

バイポーラトランジスタにおいて,全エミッ
タ電流  I

E

  を,エミッタ/ベース界面におい

てエミッタからベースへ注入されるキャリヤ

による電流  (

E

  →

B

 ) とベースからエミッタ

へ注入されるキャリヤによる電流  (I

B

E

 )

との和で表したときの,I

E

B

/I

E

emitter  
 efficiency


76

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

5-2-32 

(ベース) 到達率,  
輸送効率

バイポーラトランジスタにおいて,エミッタ

からベースに注入されるキャリヤによる電流
を  I

E

B

  ,注入されたキャリヤがベース領域

の多数キャリヤと再結合せずにベース/コレク

タ界面に到達しコレクタ領域へ流れ込むこと
による電流を I

B

C

とするときの,I

B

  →

C

 / 

I

E

B

  。

transport factor

5-2-33 

コレクタ効率,  
コレクタ増倍率

バイポーラトランジスタにおいて,エミッタ
からベースに注入されベース/コレクタ界面に

到達したキャリヤがコレクタ領域に流れ込む
ことによる電流を  I

B

C

,全コレクタ電流を I

C

  とするときの,

C

 /

B

C

  を。ベース/コレク

タ間の逆バイアスで生じた空乏層の高電界領
域をドリフトする間にアバランシェ増倍が起
こり,1 より大きくなることがある。

collector  
 efficiency

5-2-34 

相互コンダクタン 
  ス,  
トランスコンダク 
  タンス

トランジスタにおいて,入力であるゲート電
圧に対する出力の電流の関係を与えるアドミ
タンスの実部。  通常は,電界効果トランジス

タのゲート電圧 V

G

  とドレイン電流    I

D

  の関

係を与える曲線の傾斜から相互コンダクタン
ス  g

m

は,次の式で与えられる。

G

D

V

I

g

m

=

mutual  
 conductance,   
Transconductan- 
 ce

521-07-20 
transconduct- 
  ance (of a   
 field-effect  
 transistor, 
531-17-14 
 mutual   
 conductance)

5-2-35 

チャネルコンダク 
  タンス

電界効果トランジスタにおける出力端子から

みた小信号コンダクタンス。  ゲート電圧が一
定のときの,ドレイン電圧 V

D

  に対するドレイ

ン電流  I

D

の変化率。次の式で定義される。

D

D

D

V

I

g

=

ドレインコンダクタンスとも呼ばれる。

channel  
 conductance

5-2-36 

少数キャリヤ蓄積 
  効果

順バイアス印加の注入で少数キャリヤが蓄積
された PN 接合を逆バイアスにスイッチする

とき,蓄積された少数キャリヤの拡散が止ま
り定常状態に落ち着くまでに,定常状態より
大きな逆電流が流れる現象。キャリヤの蓄積

効果が継続する時間を蓄積時間といい,入力
パルスの立ち下がり部分が最大振幅の 10  %
に下降した時点から,出力パルスの立ち下が

り部分が最大振幅の 10  %まで降下するまで
の遅れ時間で定義される。

minority 
 carrier  
 storage effect

5-2-37 

遮断周波数

2 ポート回路の周波数特性において,ある特性
量の出力対入力の比が低周波における値の規
定値にまで減少する周波数。バイポーラトラ

cut-off  
 frequency

151-01-66, 
521-05-16


77

C 5600

:2006

     

ンジスタでは電流増幅率が直流における値か
ら 3 dB 低下する周波数で定義される。

5-2-38 

最大発振周波数

トランジスタの入出力端の整合をとったとき
の動作最大電力利得が,1 になる周波数。

maximum  
 oscillation  
 frequency

5-2-39 

しきい電圧

電界効果トランジスタのゲートに電圧を印加
していったとき,半導体表面で反転層が形成

されチャネルが導通し始める電圧値。

threshold voltage  521-07-19

threshold

voltage (of an 
enhancement 
type 
field-effect 
transistor)

5-2-40 

ピンチオフ

電界効果トランジスタのドレイン電圧を上げ
ていったとき,チャネルのドレイン端で反転
層が消失し始める電圧。ピンチオフ電圧以上

のドレイン電圧の領域では,電圧に関係なく
ドレイン電流はほぼ一定となる。

pinch-off

3)

光デバイス,OEIC など

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

5-3-1 

発光ダイオード,  
LED 

PN  接合を設けた半導体に電流を流し,電子と
正孔の発光再結合とによって自然放出光を放

出するダイオード。

参考  光の波長は半導体材料のバンドギ

ャップで決まり,そのスベクトルは

レーザに比べて広い。

light emitting   
 diode,   
LED

731-06-04  
発 光 ダ イ オ ー

ド: LED

5-3-2 

レーザダイオー 
  ド,  
LD 

PN 接合と光の共振器とを設けた半導体に電
流を流すことによって,レーザ光線を発生さ

せる PN 接合ダイオード。

参考  実用上,発振効率のよい活性層をク

ラッド層で挟んだダブルヘテロ接

合構造のものが使われる。  発光す
る方向によって,活性層に平行な方
向に発光する端面発光形と垂直な

方向に発光する面発光形とに分類
される。  発振スペクトルの単峰性
を得るため,素子内に回折格子を設

けた“分布帰還形 (DFB: distributed 
feedback)  レ ーザ”,“分布反射形 
(DBR: distributed Bragg reflection) 
レーザ (DBR レーザ)”などがある
JIS Z 8120 参照)

laser diode,   
LD

injection laser

diode:

731-06-09

5-3-3 

スーパールミネセ 
  ンス

適度な線幅の狭線化,適度な指向性をもつ程
度の自然放出の増幅。

superlumines- 
 cence,

731-06-02


78

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

備考  帰還をかけず,したがって明確な発

振モードをもたない点で,レーザと
区別される。

superradiance

5-3-4 

スーパールミネセ 
  ントダイオード

レーザダイオードと同様な構造であるが,共
振器構造をもたないように,片側の端面の反
射率を抑えた発光素子。高出力でインコヒー

レントな光を指向性よく放射できる。

superlumines- 
 cent diode

731-06-07 
superlumines- 
 cent  LED: 
superradiant

diode:SRD,

ス ー パ ー ル ミ

ネ セ ン ス ダ
イオード

5-3-5 

量子井戸レーザ

半導体レーザの一種で,発光する領域に量子

井戸構造を利用した素子。バルクのレーザと
比較して,しきい電流値の低減化,高出力な
どの利点がある。

quantum well   
 laser

5-3-6 

フォトダイオー 
  ド,  
PD 

PN 接合又はショットキー接合に入射した光
によって生じた電子・正孔が空乏層の電界に

よって分離されて生じる電流を利用して光を
検出するダイオード。

参考  通常,接合に逆方向電圧を印加した

状態で使われる。バイポーラトラン
ジスタと同じ構造で,ベース領域を
受光部にして,光照射によって発生

する多数のキャリヤの蓄積に基づ
く大きな電流利得を利用したもの
も多く使われている。  これはベー

ス電極をもたず,2 端子で用いられ
るが,構造上,フォトトランジスタ
と呼ばれる(JIS Z 8120  参照)

photodiode, 
PD

521-04-22, 
731-06-28, 
845-05-39

5-3-7 PIN

 フォトダイオ

  ード

フォトダイオードの一種で,P 層と N  層との
間に不純物の濃度の低い i 層を設け,通常の
PN  接合形フォトダイオードより高速応答性,
受光感度の向上を図った受光素子。

PIN  
 photodiode

731-06-29 
PIN  形フォト 
  ダイオード: 
PIN-PD

5-3-8 

アバランシェフォ 
  トダイオード, 
APD 

フォトダイオードの一種で,PN 結合又はショ

ットキー接合の逆方向に高電圧を印加し,ア
バランシェ降伏領域で用いることによって増
幅作用を付加し,高速,高感度な特性を図っ

た受光素子。

avalanche  
 photodiode, 
APD

731-06-30

5-3-9 

フォトカップラ

発光素子と受光素子とを組み合わせて,電気
信号を入力(発光素子)側から出力(受光素

子)側へ光に変えて送り,入出力間を電気的
に絶縁した構造の素子。

photocoupler

5-3-10 

光変調器

光(主にレーザ光)を変調する素子の総称。
変調作用に応じて,強度変調器,位相変調器,
周波数変調器に分類される。材料としては,

optical  
 modulator


79

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

誘電体,半導体又は  磁性体が用いられる。

5-3-11 

方向性(光)結合器

光の電界の結合度を制御することによって,
空間的に光の進行方向をスイッチできる素

子。材料としては,誘電体又は  半導体が用い
られる。

(optical)  
 directional  
 coupler

704-02-07, 
731-05-11

5-3-12 

光ファイバ

誘電体材料で作られた,フィラメント状の光

導波路。

optical fiber

731-02-01

5-3-13 

シリカ系光ファイ 
  バ

酸化シリコンを素材とする光ファイバをい

い,主に光通信用に用いられている。透過光
の波長域は 0.8∼1.6  μm の近赤外線領域にあ
る。

silica optical   
 fiber

5-3-14 

ふっ化物光ファイ 
  バ

ZrF4 などのふっ化物を主成分とする光ファイ
バの総称。代表例としては,ZBLAN(Zr-Ba-La-
Al-Na:F)ファイバがある。透過光波長域は 1  ∼
4 μm  である。

fluoride optical   
 fiber

5-3-15 

カルコゲン化合物 
  光ファイバ

S,Se,Te  などの元素からなるカルコゲン化
合物ガラスを主成分とする光ファイバ。As

40

S

60

などがあり,1  ∼ 8 μm  の広い透過波長域

をもつ。

chalcogenide  
 optical fiber

5-3-16 

プラスチックファ 
  イバ

プラスチックを主成分とする光ファイバの総
称。 PMMA(ポリメチルメタアクリレート)
をコア材とする構成が主流である。

plastic fiber

5-3-17 

光集積回路,  
光 IC

光導波路上で種々の機能を,すべて光で実現
するための集積回路の総称。

optical  
 integrated  
 circuit, 
integrated  
 optical circuit

 731-06-43

5-3-18 

光・電子集積回路,  
OEIC 

光素子と電子素子とを,同一基板上に集積化
を行った回路の総称。  発光素子,受光素子及
び駆動用電子素子,更には光導波路,光演算

回路などの一体化されたものなどが代表例。

optoelectronic  
 integrated  
 circuit,   
OEIC

5-3-19 

光スイッチ

光をスイッチングする素子の総称。機能によ

って,空間

光スイッチ,波長光スイッチなど

に分類される。

optical switch

5-3-20 

半導体光増幅器

半導体を用いた光の増幅器。  構成は半導体レ

ーザと似ているが,光の共振器がなく,活性
領域に入射した光は半導体内の電流注入など
による利得を得て,増幅・出射される。

semiconductor  
 optical  
 amplifier

5-3-21 

光ファイバ増幅器

光ファイバを用いた光の増幅器の総称。光フ
ァイバの中に希土類元素を添加し,その元素

を別の光源で励起することによる誘導放出現
象を利用して,入射光を増幅し出射する。  エ
ルビウム(Er)を添加したシリカ系光ファイバ

は 1.55  μm  波長の増幅器としての代表例であ
る。

optical fiber   
 amplifier


80

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

5-3-22 

光ディスク

光で情報の記録・読出しが可能な記録媒体の

総称。レーザスポットの照射をし,照射部分
の反射率などを相変化などの現象により変質
させて記録する。  このスポットエリアの光学

特性の差異をレーザビームで読み出す。

参考  機能により,再生専用形,追記形及

び書換え形に分類される。再生専用

形は,コンパクトディスクやビデオ
ディスクとして,追記形及び書換え
形は,文書・画像ファイル用に,用

いられている。記録媒体としては,
穴空け形,相変化形,相互拡散形な
どに分類される。

optical disk

5-3-23 

光磁気ディスク

磁性薄膜を記録媒体として,レーザ光で情報
の記録再生を行う光ディスクの一種。記録で

は,レーザによる熱磁気記録を行い,再生で
は,カー効果を利用している。

magneto-optic  
 disk

5-3-24 

音響光学素子

音波の伝搬による屈折率の周期的変化などを

利用し,光変調器などに用いる素子。

acoustooptic  
 device

5-3-25 

アイソレータ

二つのポートをもち,一方向にだけ信号を通

過させることのできる素子。光アイソレータ
では磁気光学効果などを用いる。

isolator 726-17-19,

731-05-17

5-3-26 

磁気光学素子

磁界印加による光の偏光面の回転などを利用

し,光アイソレータ,光メモリなどに用いら
れる素子。

magneto-optic  
 device

5-3-27 EL

 素子

広義には電気入力で光を放出する素子全体を
いう。一般的には,電界発光素子を意味し,
電界印加によって半導体又は有機物の発光セ

ンターを励起して発光する素子。

electrolumine- 
 scent device

5-3-28 

固体撮像素子

撮像素子の中で,光を電荷に変換する部分が
固体で構成されている素子。  電荷結合素子,

光導電・光起電力素子などがその代表例であ
る。

備考  イメージ管とも呼ばれる。また,電

荷結合素子(Charge Coupled Device)
は,CCD と略称される。

solid state   
 imaging device

5-3-29 

太陽電池

光電変換素子の中でも,太陽光のエネルギー
を電気エネルギーに変換する PN  接合をもつ
光電変換素子。太陽光のスペクトル範囲で,

変換効率を高めるように設計される。  主に,
Si,GaAs  などが用いられる。

solar cell

5-3-30 

光論理素子

光の入力と出力との間で論理・演算動作が可

能となる光素子。  光双安定素子,光しきい値
素子,ダイナミック光メモリなどがある。

optical logic   
 device

5-3-31 

空間光変調器

時系列信号を空間情報に変換できる素子又は

spatial light


81

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

二次元光空間の入力光を二次元のまま処理,

演算する素子。結晶又は非線系光学材料が用
いられる。

 modulator

5-3-32 

光電管

光電効果による光電子放出を利用し,光の強
度測定,検出などに用いる電子管。

photoelectric  
 tube

5-3-33 

光電子増倍管

入力光を光電面で受け,その光電子を  二次電

子増倍管によって増幅する,高速,高感度な
光検出の多段電流増幅光電管。

photomultipl- 
 ier tube

394-10-19 
photomultiplier

tube: multiplier 
phototube: 
PMT 
(abbreviation),

881-13-61

5-3-34 

光導波路

光パワーを導くためにつくられた伝送線路。

optical  
 waveguide

731-01-45

4)

気体レーザ関係

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

5-4-1 

レーザ

光共振器内にある媒質に外部エネルギーを与え

て反転状態に保ち,誘導放出と増幅によって正
帰還を起こさせ,コヒーレントな光の発振を行
う装置。laser  の  語源は light amplification by 
stimulated emission of radiation(誘導放出による
光の増幅)からの造語である。

laser 731-06-08,

845-04-39

5-4-2 

エキシマレーザ

多くは希ガスを含む短波長レーザで,二つの原

子間で寿命の短い励起分子(エキシマ)準位が
存在し,急速に解離する基底準位への遷移に基
づくレーザ。

excimer laser

5-4-3 

自由電子レーザ

誘導コンプトン散乱又は誘導制動放射に基づく
レーザで,相対論的な高速電子を空間的に周期

的な静磁界中を伝搬させ,電子の運動エネルギ
ーを直接光子のエネルギーに変換してコヒーレ
ントな光を得る装置。  電子の速度及び磁界の周

期と強さを変えることによって,出力光の波長
が可変である。

free electron   
 laser

5-4-4 

ガスレーザ

活性媒質が気体であるレーザ。気体は光励起,

高周波放電又は管内の電極間に放電電流を流し
て励起される。光及び放電の働きは,媒質を励
起し反転分布を得ることである。コヒーレンス

がよく,高出力発振を特長とする。

gas laser

5-4-5 

カラーセンターレ 
  ーザ

イオン結晶に電子線又は X 線照射で生じる着色

中心の吸収帯を利用したレーザ。

color center   
 laser


82

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

5-4-6 

波長可変レーザ

広帯域にわたり連続的に発振波長を可変となる

レーザ。このためには,レーザ利得スペクトル
の広い媒質を光共振器内に置くとともに,スペ
クトル選択素子を光共振器内に挿入する。  これ

には,色素レーザ,チタンサファイアレーザ,
半導体レーザなどがある。

wavelength  
 tunable laser

5-4-7 

ファブリペロー共 
  振器

高反射率の鏡を 2 枚対向させた形で,レーザ発
振を起こすための共振器。

Fabry-Pérot  
 resonator

5-4-8 

空間周波数

像又は物体を構成する周期的な構造の細かさを

表す量。  単位は単位長さ当たりの周期の数で表
し,本/mm で表す。

spatial  
 frequency

5-4-9 

光子統計

光を光子の集合とみなし,その性質を取り扱う
統計。

photon  
 statistics

5-4-10 

自己位相変調

媒質の屈折率が,時間変化するパルス光の強度

とともに増加する一時的な変調作用。それによ
って,パルスの前端は低周波側にシフトし,後
端は高周波側にシフトする。

self-phase  
 modulation

5-4-11 

自己相関関数

特性関数

)

(

t

f

  に対して τ を時間遅れパラメー

タとすると

)

(

)

(

τ

t

f

t

f

積の時間平均を自己

相関関数といい,その値

)

(

τ

C

  は,

=

T

T

T

dt

t

f

t

f

T

C

)

(

)

(

2

1

lim

)

(

τ

τ

に等しい。

autocorrelation  
 function

5-4-12 

チャーピング, 
チャープ

キャリヤ周波数が時間とともに増加又は減少す
ること。

chirping 731-06-26

5-4-13 

非線形光学

入射光の振幅に比例せず,2 次以上の高次の効
果が生じる光学現象を扱う学問分野。  この分野

にフォトリフラクティブ効果,光パラメトリッ
ク発振などが含まれる。

nonlinear  
 optics

5-4-14 

光パラメトリック 
  発振

非線形光学効果を利用し角周波数 ω

1

のレーザ

光から ω

1

 = ω

2

 + ω

3

  を満たす角周波数 ω

2

と ω

3

の光が発生する現象。2 次の非線形光学媒質を
ファブリペロー共振器の中に置き,外から角周

波数  ω

1

のレーザでポンピングすると,媒質は,

ω

1

 = ω

2

 + ω

3

  を満たすシグナル ω

2

とアイドラー

ω

3

の周波数の光に対して,パラメトリック増幅

作用が生じ,しきい値を超えるとシグナル光と
アイドラー光とが発振する。これによって,波
長可変レーザが実現できる。

optical  
 parametric  
 oscillation

5-4-15 

光偏向

電気信号によって光ビームの伝搬方向を変える
こと。

light  
 deflection,   
optical  
 deflection

531-14-08 
deflection

5-4-16 

フォトリフラクテ 
  ィブ効果

屈折率変化が光で誘起される効果。多くの電気

光学効果媒質に見られる効果で,誘起された屈

photorefractive  
 effect


83

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

折率変化は,光の照射が消えた後もしばらく残

存する。

5-4-17 

フォトンエコー

ある時間間隔  τ  で  二つのレーザパルスが非線

形媒質に入射すると,光波の干渉によって第 2
パルスから τ だけ遅れてコヒーレントな光パル
スが生成されること。

photon echo

5-4-18 

自然放出

外部電磁界の存在に依存しない速度で起こる励
起状態にある系からの光放出。

spontaneous  
 emission

731-06-01

5-4-19 

誘導放出

励起状態にある系と入射電磁波との相互作用の
結果として起こる,同じ周波数の電磁波の放出。

stimulated  
 emission

731-06-03, 
845-04-38

5-4-20 

アインシュタイン 
  の 係数,係 
  数

A 係数:  原子又は分子が自然に上準位から下準
位へ光放出を伴って遷移する速度を支配する比
例定数をいい,単位時間当たりの遷移数を上準
位の原子数で除したものに等しい。 
B 係数:  原子又は分子が上準位から下準位へ光
放出を伴って誘導遷移する速度を支配する比例
定数をいい,単位時間当たりの遷移数を,単位

体積,単位波数当たりの誘導遷移を含む放出光
エネルギーと上準位の原子数との積で除したも
のに等しい。

Einstein's A,B  
 coefficients

5-4-21 

光共振器

光の領域の周波数をもつ電磁波に対する共振
器。これに,ファブリペロー共振器などが含ま

れる。

optical  
 resonator,   
laser  
 resonator

5-4-22 

ガウスビーム

波面がビームのどの点でもほとんど球状で,波

面の横方向電界がビームの軸からの距離のガウ
ス関数である電磁波のビーム。

Gaussian beam  731-01-34

5-4-23 Q

スイッチ

レーザ共振器の Q 値を急速に変化すること。

  こ

れによって,高出力パルスが発生できる。

備考  Q 値は,共振器の蓄積エネルギーを

毎秒失われるエネルギーで除した値
に光の角周波数を乗じたもの。

Q-switch

5-4-24 

キャビティダンピ 
  ング

共振器内に光エネルギーをためておいて,共振

器の Q 値を高い状態から,低い状態へ急激に下
げることによって,光エネルギーをパルスとし
て外部に取り出すこと。

cavity  
 dumping

5-4-25 

電気双極子遷移

電気双極子で近似された原子,分子などと電磁
波との相互作用によって生じる光学的遷移。

electric dipole   
 transition

5-4-26 

磁気双極子遷移

磁気双極子で近似された,原子,分子などと電
磁波との相互作用によって生じる光学的遷移。

magnetic  
 dipole  
 transition

5-4-27 

自然幅

遷移の起こるエネルギー準位の有限な寿命に起
因する吸収又は発光のスペクトルの線幅。

natural  
 linewidth

5-4-28 

スポットサイズ

ビーム半径ともいい,ガウスビームの太さを表
す量。  ガウスビームで光の振幅が光軸上の値の

spot size


84

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

1/e になる光軸からの距離。

5-4-29 

縦緩和

占有粒子数の差が熱平衡状態に近づくときのエ
ネルギー緩和。スピン−格子緩和(spin-lattice 
relaxation)ともいう。

longitudinal  
 relaxation

5-4-30 

横緩和

エネルギー分布を変えずに,量子状態の位相が
変化する緩和。スピン−スピン緩和(spin-spin 
relaxation)ともいう。

transverse  
 relaxation

5-4-31 

反転分布

ある原子,分子系において,より高いエネルギ

ー状態が,より低いエネルギー状態よりも多く
の分布数をもっている状態。

population  
 inversion

5-4-32 

ビームの発散角

ビーム強度が中心値の 1/e

2

  になる対称 2 点間

のビームの広がりの全角。

divergence  
  angle of beam

5-4-33 

ブリュースタ角

誘電体平面境界で反射する光に関し,電界ベク

トルが入射面内にある光の反射率がゼロになる
入射角。  反射光は入射面に垂直な成分だけにな
り直線偏光になる。

備考  媒質 1 から 2 へ入射する光のブリュ

ースタ角  θ

B

は,

)

(

1

2

B

n

/

n

arctan

=

θ

ここに,

1

2

は,それぞれ,媒

質 1,2 の屈折率である。

Brewster's  
 angle

705-04-20 
Brewster angle,
ブ ル ー ス タ ー

角,

731-03-24 
(705-04-20 
MOD) 
Brewster's

angle,

ブ リ ュ ー ス タ

5-4-34 

ホールバーニング

不均一拡がりのスペクトルをもつ媒質に狭帯域
の強い光が入射し,媒質のスペクトルに狭い周

波数の範囲に限られた減衰又は利得の飽和が生
じたときのスペクトルのへこみ(穴)

hole burning

5-4-35 

ホログラフィー

波の振幅と位相の分布とを書き込み,再生する
技術。三次元の光画像生成の方法として広く使
われる。光画像生成では,対象物からのコヒー

レントな反射光と同じ光源から直接来る光,又
は鏡からの反射光との干渉パターンを写真板に
記録することで行われる。

holography

5-4-36 

ポンピング

1) 

光の増幅,発振を行わせるため原子,分子
などを励起し,反転分布を形成すること。

2) 

パラメトリック増幅系に特定の周波数の励

起光エネルギーを注入すること。

pumping

5-4-37 

モード同期

レーザが多モード発振するとき,各モード間の

周波数の差が等しくて一定の位相関係をもつよ
うになること。

mode locking

5-4-38 

ラビ周波数

2 準位原子に共鳴したレーザ光を入射すると,
上準位及び下準位の占有粒子数は,周期的,か
つ,相補的に増加又は減少を繰り返すときのこ
の周波数をいう。共鳴時には,光の電界を  E

原子の双極子モーメントを  d  とすると,dE/2h 

Rabi frequency


85

C 5600

:2006

     

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

で与えられる。ここに,h  は,プランク定数で

ある。

f)

関連事項(雑音,その他)

番号

用語

定義

参考

対応英語

関連 IEC 60050

番号及び用語

6-1 

雑音

1) 

広い周波数範囲にわたり,ランダムに生じ
る,指示値,表示値又は供給値の好ましく
ない変化。

2) 

信号に重畳し測定値又は供給値をあいまい
にする妨害。

3) 

系に加わる不規則な信号。負荷変動や動特

性の微小変化による好ましくない乱れ。

4) 

周期性がなく,部分音に分解できない音。

noise 101-14-63

(702-08-03

MOD),

303-08-09, 
702-08-03  
noise (in

telecommunica
tion),

801-21-08

6-2 

ランダム雑音

与えられた時点での値が,予測できない雑音。

random noise

161-02-14, 
702-08-38, 
801-21-09

6-3 

白色雑音

周期性をもたず一定の連続スペクトルをもち,
所定の周波数範囲内で 1 オクターブ当たりに含

まれる成分の強さが,周波数位置に関係なく一
定である雑音。

参考  白色雑音を  −3 dB/oct。の低域通過

フィルタを通せばピンク雑音が得ら
れる。

white noise,   
 flat random  
 noise

702-08-39, 
801-21-10

6-4 1/f

 雑音

パワースペクトル密度が周波数に反比例して増
加する雑音をいい,半導体素子においてはその
表面状態に依存することが多い。

備考  低周波において顕著。表面の清浄度,

環境に影響される。

1/f noise

531-15-07, 
702-08-48

6-5 

散弾雑音, 
ショット雑音

1) 

電子管において電子放出の不連続,不規則

に基づく雑音。その周波数分布は,極めて
高いところまでほぼ一様である。

2) 

半導体に電界を印加して電流を流すとき,

キャリヤの数及びドリフト速度のいずれも
の揺らぎによって生じる雑音。

shot noise

531-15-05, 
702-08-46, 
731-06-39

6-6 

フリッカ雑音

1) 

半導体素子のポテンシャル障壁の揺らぎに
よるキャリヤ密度の変調による雑音。

2) 

電子管の陰極表面の活性中心の不規則な変

化(生成又は消滅)による雑音(通常 10 kHz 
以下で問題となる。ほぼ周波数に反比例し
て大きくなる。

flicker noise

531-15-06, 
702-08-47


86

C 5600

:2006

     

6-7 

熱雑音

半導体,抵抗体などでキャリヤの熱伝導の揺ら
ぎによって端子の両端に現れる不規則な電位差

による雑音。ΔV

2

 = 4 k T R Δf    で表される。  た

だし,ΔV  は素子の両端に現れる電位差で,こ
れを雑音電圧といい,単位は (V),  :ボルツマ

ン定数 (J/K),R:  素子の抵抗値  (Ω),  :  絶対
温度 (K),Δf :  測定周波数帯域幅 (Hz)。

thermal noise, 
Johnson noise

531-15-03, 
702-08-45

6-8 

電流雑音

抵抗器を流れる電流にほぼ比例する雑音。炭素
皮膜抵抗器や体抵抗器に見られる。熱雑音の数
倍の大きさがある。 

参考  炭素皮膜抵抗器や体抵抗器では,炭

素粒子同士の接触による電流雑音が

特に多く,これを接触雑音ともいう。

current noise

6-9 

接触雑音

不完全な接触によって発生する電気的雑音。 contact

noise

6-10 

量子雑音

電磁放射,特に光放射の粒子的性質に起因する
雑音で,量子力学の不確定性原理に基づく。 

備考  通常の温度では,量子雑音は光放射

のような非常に高い周波数の電磁波
においてだけ,重要である。

quantum 
noise, 
photon noise

702-08-49, 
731-01-65 
(702-08-49 
MOD)

6-11 

雑音指数

四端子回路網において,入力端子における信号
と雑音の有効電力を S

i

  ,N

i

,出力端子における

それを  S

o

N

o

  とするとき,(S

i

 /N

i

)/(

S

o

 /

N

o

)に

よって与えられる値をいう。

noise figure

6-12 

人工知能

認識能力,学習能力,抽象的思考能力,環境適

応能力などを人工的に実験したもの。多くの場
合,コンピュータを使用する。推論,判断など
の知的機能を人工的に実現したもの。データを

蓄えるデータベース部,集めた知識から結論を
引き出す推論部とから成り立つ(学習機能をも
つものもある。

artificial  
 intelligence

(351-11-26 
artificial  
 intelligence  
 (in automatic  
 control)

6-13 

ニューラルネット 
  ワーク

人間の神経細胞又はその結合状態を参考にし
て,ニューロンを模倣した素子を回路網状に接
続し,パターン認識,情報処理,連想メモリな

どへの利用を目的とした回路網。

neural network

6-14 

ニューラルチップ

脳の神経回路網を模倣した,ニューラルネット

ワークを実行するために用いられる LSI(実現
のための LSI には,ディジタル回路,アナログ
回路,光技術を用いる。

neural chips

6-15 

ニューロン

細経の核と,その周辺の細胞質を含む細胞体と,
そこから伸びる樹状突起及び軸索とからなる,
神経細胞。

neuron 891-02-05

ニューロン:軸

6-16 

カオス

不規則で複雑であるが,しかしある簡単な規則
が背面にある現象。

chaos

6-17 

ファジー論理

論理演算における論理で,真を  1,偽を 0 とす
る代わりに(0,1)の区間の任意の実数を真理値
として考えたもの。  例えば,0.6  を真理値とす

fuzzy logic


87

C 5600

:2006

     

るもの。  そのため,通常の種々の論理操作をそ
のあいまいの程度とともに計算できる。

6-18 

ファジー推論

あいまいさを含んだ法則を用いて行う推論。 fuzzy

reasoning

6-19 

ファジーチップ

ファジー推論を高速に実行させるために作られ
た大規模集積回路。

fuzzy chip

関連規格  JIS D 0103  自動車部品−電気装置の機器・部品−名称

JIS Z 8120

  光学

          IEC 60050    International Electrotechnical Vocabulary