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日本工業規格

JIS

 C

5565

-1996

 (IEC 94-4

: 1986

)

磁気テープ録音再生システム

第 4 部  磁気テープの機械的特性

Magnetic tape sound recording and reproducing systems

Part 4 : Mechanical magnetic tape properties

日本工業規格としてのまえがき 

この規格は,

1986

年第 1 版として発行された IEC 94-4 (Magnetic tape sound recording and reproducing systems.

Part 4 : Mechanical magnetic tape properties)

及び Amendment 1 (1994)  を翻訳し,技術的内容及び規格票の様

式を変更することなく作成した日本工業規格である。ただし,修正票 (Amendment) については,編集し

一体とした。

なお,この規格で下線(点線)を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。

1.

適用範囲  この規格は,業務用及び民生用のアナログ録音再生に用いる磁気テープに適用する。

引用規格 

JIS C 5562

  磁気テープ録音再生システム第 1 部一般条件及び要求事項

JIS K 7161

  プラスチック−引張特性の試験方法  第 1 部:通則

ISO 527-1 : 1993

  Plastics−Determination of tensile properties.

Part 1 : General principles

ISO 527-3 : 1995

  Plastics−Determination of tensile properties.

Part 3 : Test conditions for films and sheets

ISO 4057 : 1986

  Information processing−Data interchange on 6, 30mm (0.25in) magnetic tape cartridge, 63

bpmm (1 600bpi) phase-encoded

IEC 94-1 : 1981

  Magnetic tape sound recording and reproducing systems.

Part 1 : General conditions and requirements

対応国際規格 

IEC 94-4 : 1986

  Magnetic tape sound recording and reproducing systems.

Part 4 : Mechanical magnetic tape properties

2.

目的  この規格の目的は,磁気録音テープの機械的特性を決定するために必要な測定法とこれに用い

る測定器を列挙するとともに,それらを定義するものである。

また,この規格に従って個々の製造業者が測定した技術データを,磁気テープの使用者が容易に比較で

きるようにすることである。


2

C 5565-1996 (IEC 94-4 : 1986)

3.

標準試験環境条件  この規格に要求される各項目の試験及び測定は,次の条件による。

周囲温度  20±5℃

相対湿度  60±15%

供試テープは,試験開始前の 24 時間,上記の標準試験環境条件に置く。

4.

テープ製造業者によって提供される情報  製造業者によって提供される情報には,次の 2 種類がある。

(1)

技術データの中に明確に示す必要がある必す(須)の情報は,この規格中の各項の末尾に[必す(須)

と表示した。

(2)

製造業者の判断で提供される任意の情報は,この規格中の各項の末尾に[任意]と表示した。

4.1

公表データの推奨形式  この規格又は別の日本工業規格  (JIS)  (IEC 規格)によって試験して得た

データを公表するときには,それらを明確に区別し,次の項目を先に記述することが望ましい。

(1)

適用した JIS

IEC 規格)の番号

(2)

製造業者の名称又は商標

(3)

製造業者の型番及び/又は銘柄

(4)

ベース材料(一般的な名称で十分である。

5.

測定項目

5.1 

テープ幅

[必す(須)

(1)

定義  テープ幅は,テープ長さ方向のエッジ間と直角をなす距離をいう。

(2)

方法  供試テープをガラス板で覆い,少なくとも 2.5

μm の精度をもつ目盛付き顕微鏡又は投影器を使

用し,張力を加えずにテープ長さ方向で最低 5 か所測定する。

(3)

結果  テープ幅は,5 か所の測定値の相加平均をミリメートルで表す。

5.2

テープ厚

5.2.1 

テープ全厚

[必す(須)

(1)

定義  テープ全厚は,テープ全体にわたる厚さをいい,ベース厚,磁性層厚及びバック層厚(ある場

合)とから成る。

(2)

方法  テープ全厚は,少なくとも 0.5

μm の精度をもつマイクロメータによって測定する。テープ長さ

方向で 1m ごとに 10 か所測定する。

(3)

結果  テープ全厚は,10 か所の測定値の相加平均をマイクロメートルで表す。

5.2.2 

磁性層厚

[任意]

(1)

定義  磁性層厚は,テープの磁性層(複磁性層の場合も含む。)の全厚をいう。

(2)

方法  磁性層を,適切な溶剤で除去し,残った部分のテープの厚さを,少なくとも 0.5

μm の精度をも

つマイクロメータによって測定する。テープの長さ方向で 1m ごとに 10 か所測定する。

(3)

結果  磁性層厚は,テープ全厚  (5.2.1)  と,この項から得られる 10 か所の測定値の相加平均との差と

して求め,マイクロメートルで表す。

5.2.3 

バック層厚

[任意]

(1)

定義  バック層厚は,テープの磁性層の反対側の面に付けられた塗布膜の全厚をいう。

(2)

方法  バック層を,適切な溶剤で除去し,残った部分のテープ厚さを,少なくとも 0.5

μm の精度をも

つマイクロメータによって測定する。テープの長さ方向で 1m ごとに 10 か所測定する。

(3)

結果  バック層厚は,テープ全厚  (5.2.1)  と,この項から得られる 10 か所の測定値の相加平均との差


3

C 5565-1996 (IEC 94-4 : 1986)

として求め,マイクロメートルで表す。

5.2.4 

ベース厚

[任意]

(1)

定義  ベース厚は,磁性層とバック層(ある場合)を支持するフィルムの厚さをいう。

(2)

方法  磁性層と,バック層(ある場合)を適切な溶剤で除去し,フィルムの厚さを少なくとも 0.5

μm

の精度をもつマイクロメータによって測定する。テープの長さ方向で 1m ごとに 10 か所測定する。

(3)

結果  ベース厚は,10 か所の測定値の相加平均をマイクロメートルで表す。

5.3 

長さ方向湾曲

[任意]

(1)

定義  長さ方向の湾曲は,単位長さのテープの片側のエッジの直線からの偏差をいう。

(2)

方法  2 本の供試テープを平たん面に広げて,その自然の湾曲が現れるようにする(付図 参照)。平

たん面は,水平面に対し 1 度の角度で据え付けためっき処理基板から成っている。その表面には,

図 に示すように mm 目盛とそれに対し垂直を成す長さ 1m の 2 本の基準線が刻まれている。2 本の

基準線の上端部は,供試テープの種別ごとに規定された幅[JIS C 5562(磁気テープ録音再生システ

ム第 1 部一般条件及び要求事項)

第 章 項  (IEC 94-1, clause 9)  参照]をもつ溝の一端に合わせてあ

る。

1m

より長い 2 本の供試テープを溝に置いて固定し,基準線に沿わす。ローラをスタートラインに置

き,2 本のテープの一部分を手で半円形にする。2 個のテープ半円を放すと同時に,ローラを

付図 1

の矢印で示す方向に動かすようにする。

2

本の供試テープ基準線終端でのずれを,平滑平面に接触している状態で磁性面を上にして 5 回,

ベースフィルム面を上にして 5 回測定する。

(3)

結果  基準面からのテープエッジの偏差は,2 本の供試テープから得られた 20 個の測定値の相加平均

をミリメートル毎メートルで表す。

5.4 

幅方向のカッピング

[任意]

(1)

定義  幅方向のカッピングは,テープ幅の全体にわたり,連続した幅方向の湾曲(凸形状又は凹形状)

をいい,供試テープの幅方向の曲率半径を測定する。

(2)

方法

(a)

方法 A  付図 に示すように,長さ 30cm の供試テープをクランプから自由に垂らし,テープの凹

面側が回転プレートと対面するように,測定装置のガイド間に置く。

テンプレートは半径の異なる扇形から成り,テンプレートを回転させて,テープと同じ半径の扇

形を見付け出す。ランプは,測定を容易にするために取り付けてある。

備考  ランプから発生する熱が測定に影響しないように注意する。

(b)

方法 B  光学的な測定は,次の原理による。

幅方向にカッピングしたテープは,円筒状の凹面鏡とみなされる。テープを管形電球で照らした

場合,フィラメントとテープ表面との距離が凹面鏡の焦点距離の 2 倍のとき,フィラメント像はフ

ィラメントの位置に一致する。

実際の測定

テープ幅の 10 倍以上の間隔をもつ 2 本のローラー(R1 及び R2)上に,テープ片を置く(

付図 3

参照)

。テープが平たんになるようにテープの両端にテープ幅 1mm 当たり 0.01N{約 1gf}の荷重を

かける。2 本のローラーを,フィラメントとテープ表面の距離を調節できる装置(

付図 参照)に

据え付ける。フィラメント像の鮮明さを,すりガラス (GG) と半透明鏡 (M) をとおして観察する。

鮮明な像が得られたら,そのときの距離を校正した目盛によってミリメートルで読み取る。


4

C 5565-1996 (IEC 94-4 : 1986)

(3)

結果  供試テープの幅方向のカッピングは,ミリメートルで表す。

5.5 

片伸び(3.81mm 及び 6.3mm 幅テープに適用)

[任意]

(1)

定義  片伸びは,テープの中心とエッジにおける長さの違いから生じるテープエッジの変形をいい,

テープを引っ張って片伸びが消滅するのに要する最小の力で表す。

(2)

方法  長さ 1m の供試テープを二つのクリップ間に垂直につるす。付図 に示すように,一方のクリ

ップをばねばかり(秤)に,他方を張力装置に取り付ける。ばねばかりは,測定範囲が 0∼0.3N{0∼

約 30gf}を測定できるものとし,張力装置は,1m のテープを二つのクリップ間につるしたときにか

かる力が最小になるように調節できるものであること。供試テープに張力をかけない状態でばねばか

りの値を読み,この値を とする。次に,片伸びがちょうど消滅するまで張力をかけて,そのときの

ばねばかりの値を読み,この値を とする。

(3)

結果  片伸びは,ばねばかりの二つの読みの差  (b

a)

をニュートンで表す。テープ全厚とテープ幅

を読みの差に併記する。

5.6 

長さ方向のコイリング

[任意]

(1)

定義  長さ方向のコイリングとは,規定長のテープが長さ方向に渦巻状になる巻きぐせをいう。

(2)

方法  長さ 30cm の供試テープを試験台に載せ,100Hz の周波数で,約 10m/s

2

の加速振動を,テープ

が渦巻状になって変化しなくなるまで与える。試験機は,

付図 に示すようにスピーカとその上部に

ばねでつるした試験台から成っている。発振器からの 100Hz 正弦波信号を,増幅器で増幅してスピー

カに加える。

(3)

結果  長さ方向のコイリングは,付図 に示すように,最小の渦巻の直径をいい,ミリメートルで表

す(渦巻が複数の場合も含む。

。テープ全厚及びテープ幅を結果に併記する。

5.7 

磁性層及びバック層(ある場合)の電気抵抗

[任意]

(1)

定義  塗布層の電気抵抗は,テープ幅に等しい長さをもった供試テープの電気抵抗をいう。

(2)

方法  二つの電極を,付図 のように供試テープの幅に等しい距離に離して置く。それぞれの電極の

断面は,半径 1cm の四分円とする。

供試テープをその長手方向が電極と直角になるように,また塗布層が電極に接するように置く。次

に,張力が 5N/mm

2

になるように,二つのおもりを供試テープの両端につり下げ,両電極間の電気抵

抗を適切な測定器で測定する。

(3)

結果  テープ塗布層の電気抵抗は,メガオームで表す。

5.8 

層間粘着(粘着性)

[任意]

(1)

定義  層間粘着は,テープ塗布層の隣接する層への粘着具合をいう。

(2)

方法  長さ 1m の供試テープを,直径 36mm のガラス管又は酸化していない金属棒に,30N/mm

2

(ベ

ースフィルムだけの断面積)の張力で巻く。供試テープの一端は管又は棒に固定し,他端は規定の張

力を維持できるように固定する。これを,温度 45±3℃,相対湿度 80%の条件下に 4 時間置いた後,

3.

に規定する標準試験環境条件に 24 時間放置する。

(3)

結果  この試料を,末端に 0.1N{約 10gf}の荷重をかけながら,ゆっくり巻き戻し,層間のはがれ具

合又は粘着具合を観察する。

5.9 

光透過率

[任意]

(1)

定義  光透過率は,磁気テープの厚さ方向の光の透過率をいう。

(2)

方法  光透過率は,色温度 2 000±200K のタングステンランプの光を,150mm はなした供試テープに

垂直に照射し,供試テープを透過する光量を光電素子に結合した指示計によって測定する。


5

C 5565-1996 (IEC 94-4 : 1986)

(3) 

結果  供試テープの光透過率は,百分率で表す。

備考  この項目の内容は,ISO 4057 [Information processing−Data interchange on 6.30mm (0.25in)

mag-netic tape cartridge, 63bpmm (1 600bpi) phase-encoded]

附属書 を一部翻訳したものである。

5.10

引張試験  5.10.15.10.2 及び 5.10.3 は,

JIS K 7161(プラスチック−引張特性の試験方法−第 1 部:

通則)

]  (ISO 527-1)  及び ISO 527-3 (Plastics−Determination of tensile properties−Part 3 : Test conditions for

films and sheets)

によって測定する。

クランプ間隔は,少なくとも 100mm とし,テープを引っ張る速さは JIS K 7161 

表 1 (ISO 527-1, Table

1)

のうち,100mm/min を適用する。

5.10.1 

破断強度

[必す(須)

(1)

定義  破断強度は,供試テープを破断するのに必要な最小の力をいう。

(2)

方法  供試テープの両端を固定し,そのうちの一端を供試テープの長さ方向に引っ張り,供試テープ

が破断するときの力を測定する。

(3)

結果  供試テープの破断強度は,ニュートンで表し,テープ全厚とテープ幅を破断強度に併記する。

5.10.2 

降伏点強度

[必す(須)

(1)

定義  降伏点強度  (F

3

)

は,供試テープの元の長さを 3%伸ばすのに必要な力をいう。

(2)

方法  供試テープの両端を固定し,そのうちの一端を供試テープの長さ方向に引っ張り,供試テープ

が降伏点に達したときの力を測定する。

(3)

結果  供試テープの降伏点強度  (F

3

)

は,ニュートンで表し,テープ全厚とテープ幅を降伏点強度に

併記する。

5.10.3

引張弾性率

[任意]

(1)

定義  引張弾性率は,テープの直線的伸びに必要な張力をいう。

(2)

方法  供試テープの両端を固定し,そのうちの一端を供試テープの長さ方向に引っ張り,フックカー

ブを測定する。

(3)

結果  供試テープの引張弾性率  (E)  は,次の式によって計算する。

5

回測定して,相加平均及び標準偏差を求め,メガパスカルで表す。

L

b

a

L

F

F

E

×

×

×

=

0

0

0

1

2

)

(

ここに,

E

引張弾性率 (MPa)

F

1

フックカーブの直線部分が始まるところの力 (N)

F

2

フックカーブの直線部分内にはあるが,良好な測定結果
を得るために F

1

から十分に離れたところの力 (N)

L

0

供試テープのクランプ間隔 (mm)

a

0

×b

0

試験を開始するときのテープの断面積 (mm

2

)

L

引張力 F

1

と F

2

の間の供試テープの伸び (mm)

5.11 

残留伸び

[任意]

(1)

定義  残留伸びは,供試テープに規定の力を規定時間加え,その力を取り除いた後の供試テープの伸

び率をいう。

(2)

方法  少なくとも 100mm の既知の長さの供試テープに 30N/mm

2

(ベースフィルムだけの断面積)の

力を 3 分間加える。

次に,その力を取り除き,3 分後に微小な力(0.25N 未満)を加えて供試テープの長さを測定する。


6

C 5565-1996 (IEC 94-4 : 1986)

JIS K 7161

 (ISO 527-1)

ISO 527-3 及び 5.10 を参照のこと。

(3)

結果  残留伸びは,元のテープ長さに対する百分率で表す。

付図 1  長さ方向湾曲測定器


7

C 5565-1996 (IEC 94-4 : 1986)

付図 2  幅方向カッピング測定器


8

C 5565-1996 (IEC 94-4 : 1986)

付図 3  テープ位置決め装置

付図 4  幅方向カッピングの光学的測定器


9

C 5565-1996 (IEC 94-4 : 1986)

付図 5  片伸び測定器


10

C 5565-1996 (IEC 94-4 : 1986)

付図 6  長さ方向コイリング測定機

付図 7  長さ方向のコイリング


11

C 5565-1996 (IEC 94-4 : 1986)

付図 8  磁性層及びバック層の電気抵抗測定用ジグ 

改正原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

吉  川  昭吉郎

神奈川工科大学

(幹事)

川  野  則  和

ソニー株式会社

竹田原  昇  司

通商産業省機械情報産業局電子機器課

藤  井  隆  宏

工業技術院標準部

上  條  晃  司

日本放送協会

郷  木      昇

財団法人電波技術協会

岸  野  忠  信

財団法人日本規格協会

岩  下  隆  二

パイオニア株式会社

阿  部  美  春

株式会社エーベックス

小  嶋  正  男

社団法人日本電子機械工業会

小  林  一  磨

株式会社ポニーキャニオン

臼  田  元  大

社団法人日本レコード協会

吉  田  治  憲

株式会社文化放送

西  田  博  光

住友スリーエム株式会社

船  越  正  次 TDK 株式会社

安  藤  晴  夫

日立マクセル株式会社

平  川      卓

富士写真フイルム株式会社

(事務局)

木  村  恭  平

社団法人日本記録メディア工業会

備考  ○印は,小委員会委員を兼任