C 5533-2
:2008 (IEC 61606-2:2003)
(1)
目 次
ページ
序文
1
1
適用範囲
1
2
引用規格
1
3
用語,定義,説明及び定格値
2
3.1
用語の定義
2
3.2
用語の説明
2
3.3
測定用デジタルインタフェース
2
3.4
定格値
2
4
測定条件
2
4.1
環境条件
2
4.2
電源
3
4.3
測定信号周波数
3
4.4
標準設定
3
4.5
プリコンディショニング
3
4.6
測定装置
3
5
測定方法(デジタル入力−アナログ出力)
4
5.1
入出力特性
4
5.2
周波数特性
5
5.3
雑音特性
6
5.4
ひずみ特性
9
6
測定方法(アナログ入力−デジタル出力)
11
6.1
入出力特性
11
6.2
周波数特性
15
6.3
雑音特性
17
6.4
ひずみ特性
24
C 5533-2
:2008 (IEC 61606-2:2003)
(2)
まえがき
この規格は,
工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,
独立行政法人製品評価技術基盤機構 (NITE) 及
び独立行政法人産業技術総合研究所 (AIST) から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの
申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は
もたない。
JIS C 5533
の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS
C
5533-1
第 1 部:一般事項
JIS
C
5533-2
第 2 部:一般消費者用機器
JIS
C
5533-4
第 4 部:パーソナルコンピュータ
日本工業規格
JIS
C
5533-2
:2008
(IEC 61606-2
:2003
)
オーディオ機器及びオーディオビジュアル機器−
デジタルオーディオ部−音響特性の基本測定方法−
第 2 部:一般消費者用機器
Audio and audiovisual equipment-Digital audio parts-
Basic measurement methods of audio characteristics-
Part 2 : Consumer use
序文
この規格は,2003 年に第 1 版として発行された IEC 61606-2 を基に,技術的内容及び対応国際規格の構
成を変更することなく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。
1
適用範囲
この規格は,一般消費者用のオーディオ機器及びオーディオビジュアル機器のデジタルオーディオ部に
ついて,音響特性の基本的な測定方法を規定する。
この規格で規定する測定方法は,データ損失の生じる圧縮デジタル信号を用いたシステムには適用しな
い。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 61606-2
,Audio and audiovisual equipment−Digital audio parts−Basic measurement methods of
audio characteristics
−Part 2 : Consumer use (IDT)
なお,対応の程度を表す記号 (IDT) は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,一致していることを示
す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。
)を適用する。
JIS C 5533-1
オーディオ機器及びオーディオビジュアル機器−デジタルオーディオ部−音響特性の
基本測定方法−第 1 部:一般事項
注記 対応国際規格:IEC 61606-1,Audio and audiovisual equipment−Digital audio parts−Basic
measurement methods of audio characteristics
−Part 1 : General (MOD)
IEC 60268-2
,Sound system equipment−Part 2 : Explanation of general terms and calculation methods
IEC 60958 (all parts)
,Digital audio interface
IEC 61883-6
, Consumer audio/video equipment − Digital interface − Part 6 : Audio and music data
2
C 5533-2
:2008 (IEC 61606-2:2003)
transmission protocol
IEC 61938
, Audio, video and audiovisual systems − Interconnections and matching values − Preferred
matching values of analogue signals
3
用語,定義,説明及び定格値
3.1
用語の定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 5533-1 によるほか,次による。
3.1.1
アナログフルスケール電圧 (analogue full-scale amplitude)
デジタル信号の基準フルスケール値に相当するアナログ信号電圧で,供試装置の名目上の信号レベル。
注記 供試装置をオーディオシステムに適合させるためには,アナログフルスケール電圧は IEC
61938
で定義する値であることが望ましい。一般消費者用機器の一般相互接続の場合,この値
は 2 V である。
3.1.2
基準測定レベル (normal measuring level)
アナログフルスケール電圧の−20 dB に等しいアナログ信号レベル。
3.1.3
基準信号源インピーダンス (normal source impedance)
IEC 61938
に規定するインピーダンス。一般消費者用機器の一般相互接続の場合は,2.2 kΩとする。
3.1.4
基準負荷インピーダンス (normal load impedance)
IEC 61938
に規定するインピーダンス。一般消費者用機器の一般相互接続の場合,22 kΩとする。
3.2
用語の説明
JIS C 5533-1
の 3.2 を参照。
3.3
測定用デジタルインタフェース
IEC 60958
規格群又は IEC 61883-6 を適用する。
JIS C 5533-1
の 3.1 に規定する,仕様が同じ他のインタフェースを用いてもよい。
3.4
定格値
次の用語は,IEC 60268-2 で規定する。製造業者は,デジタルオーディオ装置にかかわる,次の定格条
件を指定することが望ましい。
− 定格電源電圧
− 定格電源周波数
− 定格プリエンファシス及びデエンファシス特性
− 定格デジタル入力の信号語長
− 定格の標本化周波数
4
測定条件
この規格に適用する測定条件は,JIS C 5533-1 によるほか,次による。
4.1
環境条件
JIS C 5533-1
の規定による。
3
C 5533-2
:2008 (IEC 61606-2:2003)
4.2
電源
JIS C 5533-1
の規定による。
4.3
測定信号周波数
JIS C 5533-1
の規定による。
4.4
標準設定
JIS C 5533-1
の規定による。
4.5
プリコンディショニング
JIS C 5533-1
の規定による。
4.6
測定装置
測定装置は,JIS C 5533-1 によるほか,次による。
4.6.1
デジタルレベルメータ
帯域内周波数の範囲のデジタルデータから信号レベルの実効値 V
total
1)
を計算する。
注
1)
計算方法の一つは,次による。FFT(高速フーリエ変換)によって周波数成分を算出する場合,
信号レベルは,帯域内周波数の範囲内のすべての周波数成分を用いて,次の式で計算する。
(
)
2
1
2
2
3
2
2
2
1
total
fn
f
f
f
V
V
V
V
V
+
+
+
+
=
信号レベル
S
(dB)を,次の式で計算する。
=
full
total
10
log
20
V
V
S
ここに, V
full
:
1 kHz
信号のフルスケール入力電圧の実効値
FFT
演算するデータポイント数は,f
s
(標本化周波数)で示される数値より多くとる。測定に用いる窓関
数は,次のパラメータをもつミニマムウインドウとする。
( )
+
+
+
=
L
t
a
L
t
a
L
t
a
a
L
t
W
π
π
π
6
cos
4
cos
2
cos
1
3
2
1
0
ここに,
L
:
データポイント数
ただし, a
0
= 0.363 491 2
a
1
= 0.489 268 2
a
2
= 0.136 508 8
a
3
= 0.010 731 8
t
≦L/2
注記 信号レベルをデジタルデータ(時間軸波形)から直接計算する場合は,実効値計算の前にフィ
ルタによってデジタルデータを帯域内周波数範囲に制限することが望ましい。
4.6.2
ひずみ率計
雑音及び高調波ひずみ成分の全信号出力に対する比を計算する。
注記 計算方法の一つは,次による。
入力信号の FFT 処理して得られた帯域周波数の成分から,
信号レベルの実効値 V
total
を次の式で
計算する。
(
)
2
1
2
2
3
2
2
2
1
total
fn
f
f
f
V
V
V
V
V
+
+
+
+
=
ここに, V
fn
: n 番目の周波数 fn (Hz)における信号レベル
4 Hz
から測定周波数の 1/1.5 倍の周波数 f
L
までの範囲及び測定周波数の 1.5 倍の周波数 f
H
4
C 5533-2
:2008 (IEC 61606-2:2003)
から帯域上限周波数 f
MAX
までの範囲の信号レベルを V
N
とし,これを次の式から計算する。
(
) (
)
[
]
2
1
2
MAX
2
2
H
2
1
H
2
H
2
L
2
3
2
2
2
1
N
f
f
f
f
f
f
f
f
V
V
V
V
V
V
V
V
V
+
+
+
+
+
+
+
+
+
=
+
+
総合ひずみ率 D (%) を,次の式から計算する。
100
total
N
×
=
V
V
D
設定の条件(演算データ数及び使用窓関数)は,デジタルレベルメータの場合と同じである。
5
測定方法(デジタル入力−アナログ出力)
箇条 5 に規定する測定方法は,入力がデジタル信号であり,かつ,出力がアナログ信号である供試装置
に適用する。JIS C 5533-1 に記載するこの規格に対応するすべての規定は,箇条 5 に適用する。
箇条 5 は,一般消費者用機器の測定方法の詳細を規定する。
供試装置が二つ又はそれ以上のチャネルをもつ場合,すべてのチャネルを同じ方法で測定することが望
ましい。信号語長及び標本化周波数は,測定結果と併せて表示しなければならない。
5.1
入出力特性
5.1.1
最大出力電圧
5.1.1.1
入力信号
入力信号の設定は,次による。
−
周波数:
997 Hz
(公称値
1 kHz
)
−
信号レベル:基準フルスケール値
5.1.1.2
測定手順
測定手順は,次による。
a
)
供試装置を 4.4 に示す標準設定にする。
b
)
供試装置に入力信号を与える。
c
)
音量調整器を調整して,信号がクリップされず,総合ひずみ率が
1 %
以下である最大出力電圧を測定
する。
5.1.2
チャネル間利得差
5.1.2.1
測定方法
供試装置及び測定機器を,
図 1 のとおり構成する。
図 1−装置のブロック図
5.1.2.1.1
入力信号
入力信号の設定は,次による。
−
周波数:
997 Hz
(公称値
1 kHz
)
−
信号レベル:基準測定レベル(−
20 dB
)
供 試
装 置
帯域内電圧計
デジタル
信号発生器
狭帯域通過
フィルタ
5
C 5533-2
:2008 (IEC 61606-2:2003)
5.1.2.1.2
測定手順
測定手順は,次による。
a
)
供試装置を 4.4 に示す標準設定にする。
b
)
音量調整器があればそれを最大利得位置に調整し,すべてのチャネルに同時に又は順次入力信号を与
える。
c
)
各々のチャネルの出力電圧を測定する。
d
)
チャネル間利得差を
dB
で表示する。
5.2
周波数特性
5.2.1
出力周波数特性
5.2.1.1
測定方法
供試装置及び測定機器を,
図 2 のとおり構成する。
図 2−装置のブロック図
5.2.1.1.1
入力信号
入力信号の設定は,次による。
a
)
基準信号
−
周波数:
997 Hz
(公称値
1 kHz
)
−
信号レベル:基準測定レベル(−
20 dB
)
b
)
測定信号
−
周波数:JIS C 5533-1 の
表 1 による。
−
信号レベル:基準測定レベル(−
20 dB
)
5.2.1.1.2
測定手順
測定手順は,次による。
a
)
供試装置を 4.4 に示す標準設定にする。
b
)
供試装置に基準信号を与え,その出力を帯域内電圧計で測定する。
c
)
供試装置に測定信号を与え,b
)
の測定を繰り返す。b
)
と c
)
とで得られた出力電圧の比を,
dB
値で
計算する。
d
)
結果は,表又はグラフで表示する。
5.2.2
群遅延時間(位相直線性)
5.2.2.1
測定の方法
供試装置及び測定機器を,
図 3 のとおり構成する。
図 3−装置のブロック図
デジタル
信号発生器
供 試
装 置
アナログ
遅延時間測定器
デジタル
信号発生器
供 試
装 置
帯域内
電圧計
6
C 5533-2
:2008 (IEC 61606-2:2003)
5.2.2.1.1
入力信号
JIS C 5533-1
の 4.6.1.3.1 に示す群遅延時間測定信号発生器を使用する。
5.2.2.1.2
測定手順
測定手順は,次による。
a
)
供試装置を 4.4 に示す標準設定にする。
b
)
供試装置に入力信号を与える。
c
)
供試装置からの出力波形を
FFT
装置で分析して
1 kHz
信号の位相
R
φ
°を求め,その遅延時間
R
τ (s)
を
次の式で計算する。
×
−
=
997
1
360
R
R
φ
τ
d
)
測定周波数に対する分析を繰り返し位相
C
φ
°を求め,その遅延時間
C
τ
を次の式で計算する。
×
−
=
f
1
360
C
C
φ
τ
位相が
360
°を超える場合,上式での計算前に位相の読みを補正する。
e
)
測定周波数
f
における遅延時間
RC
τ
及び位相直線性
RC
φ
°を,次の式から計算する。
C
R
RC
τ
τ
τ
−
=
f
×
×
=
360
RC
RC
τ
φ
5.3
雑音特性
5.3.1
信号対雑音比
5.3.1.1
測定の方法
供試装置及び測定機器を,
図 4 のとおり構成する。
図 4−装置のブロック図
5.3.1.1.1
入力信号
入力信号の設定は,次による。
−
信号
(A)
−
信号レベル:基準フルスケール値
−
周波数:
997 Hz
(公称値
1 kHz
)
−
信号
(B)
:デジタルゼロ
5.3.1.1.2
測定手順
測定手順は,次による。
a
)
供試装置を 4.4 に示す標準設定にする。
b
)
供試装置に信号
(A)
を与え,帯域内電圧計の読取値を
A dB
とする。
c
)
供試装置に信号
(B)
を与え,帯域内電圧計の読取値を
B dB
とする。
供 試
装 置
デジタル
信号発生器
低域通過
フィルタ
重み付け
(聴感補正)
フィルタ
帯域内
電圧計
7
C 5533-2
:2008 (IEC 61606-2:2003)
d
)
信号対雑音比
S
N
(dB)
を,次の式から計算する。
B
A
S
−
=
N
5.3.2
ダイナミックレンジ
5.3.2.1
測定の方法
供試装置及び測定機器を,
図 5 のとおり構成する。
注記 アナログひずみ率計が測定に十分な増幅機能をもつ場合は,測定用増幅器は必要としない。
図 5−装置のブロック図
5.3.2.1.1
入力信号
入力信号の設定は,次による。
−
周波数:
997 Hz
−
信号レベル:−
60 dB
5.3.2.1.2
測定手順
測定手順は,次による。
a
)
供試装置を 4.4 に示す標準設定にする。
b
)
供試装置に入力信号を与える。
c
)
アナログひずみ率計を用いて,ひずみ率
N (%)
を読み取る。
d
)
必要に応じて,各標本化周波数について繰り返す。
e
)
ダイナミックレンジ
D (dB)
を,次の式から計算する。
60
100
log
20
+
=
N
D
5.3.3
帯域外雑音
5.3.3.1
測定の方法
供試装置及び測定機器を,
図 6 のとおり構成する。
図 6−装置のブロック図
アナログ
スペクトラムアナライザ
デジタル
信号発生器
供 試
装 置
低域通過
フィルタ
帯域内電圧計
帯域外通過
フィルタ
帯域外電圧計
供 試
装 置
測定用
増幅器
低域通過
フィルタ
アナログ
ひずみ率計
デジタル
信号発生器
重み付け
(聴感補正)
フィルタ
8
C 5533-2
:2008 (IEC 61606-2:2003)
5.3.3.1.1
入力信号
入力信号の設定は,次による。
−
周波数:
997 Hz
,
10 007 Hz
,
14 501 Hz
,
19 997 Hz
及び帯域上限周波数
−
信号レベル:基準フルスケール値
5.3.3.1.2
測定手順
測定手順は,次による。
a
)
供試装置を 4.4 に示す標準設定にする。
b
)
供試装置に入力信号を与える。
c
)
切換スイッチを低域通過フィルタ側に設定して帯域内電圧計の表示値を読み取り,それを
A dB
とす
る。
d
)
切換スイッチを帯域外通過フィルタ側に切り換えて帯域外電圧計の表示値を読み取り,それを
B dB
とする。
e
)
帯域外雑音
N
out
(dB)
を次の式から計算する。
A
B
N
−
=
out
5.3.4
チャネルセパレーション
5.3.4.1
測定の方法
供試装置及び測定機器を,
図 7 のとおり構成する。
図 7−装置のブロック図
5.3.4.1.1
入力信号
入力信号の設定は,次による。
−
周波数:
997 Hz
及び必要に応じて
表 1 の他の周波数とする。
−
信号レベル:基準フルスケール値
5.3.4.1.2
測定手順
測定手順は,次による。
a
)
供試装置を 4.4 に示す標準設定にする。
b
)
一組のステレオ信号源として組み合わせたすべてのチャネルに,
997 Hz
の入力信号を与える。
c
)
出力電圧が同じになるように供試装置のバランスコントロールを調整する。同じに調整できない場合
は,その差で測定値を補正する。
d
)
出力信号のレベルを測定し,それを
A dB
とする。
e
)
測定チャネルにデジタルゼロの入力信号を与え,非選択チャネルに c
)
で加えた信号と同じ入力信号
を与える。
供 試
装 置
帯域内電圧計
デジタル
信号発生器
狭帯域通過
フィルタ
スペクトルアナライザ
9
C 5533-2
:2008 (IEC 61606-2:2003)
f
)
選択チャネルから出力される他チャネルからの漏えいによって発生した出力信号の基本波のレベルを
測定し,それを
B dB
とする。必要であれば,他の周波数で同様の測定を行う。
g
)
チャネルセパレーション
N
CH
(dB)
を,次の式から計算する。
B
A
N
−
=
CH
h
)
選択チャネルを変えて e
)
〜g
)
の手順を繰り返す。
5.4
ひずみ特性
5.4.1
入出力直線性
5.4.1.1
測定の方法
供試装置及び測定機器を,
図 8 のとおり構成する。
図 8−装置のブロック図
5.4.1.1.1
入力信号
入力信号の設定は,次による。
−
周波数:
997 Hz
(公称値
1 kHz
)
−
信号レベル:
表 1 に示す。
表 1−測定信号のレベル
単位 dB
名目上のレベル
16 bit
システム 20
bit
システム 24
bit
システム
0 0 0
−6
−6
−6
−12
−12
−12
−20
−20
−20
−30
−30
−30
−40
−40
−40
−50
−50
−50
−60
−60
−60
−70
−70
−70
−82
−80
−80
−89
−90
−90
−
−100
−100
−
−108
−110
−
−113
−120
−
−
−132
−
−
−137
注記
波形再生にかかわるビット数が減少する低レベル領域においては,理論値と実際の信号の実効
値とが一致しないことがある。そのため,システムのビット数に応じて
表 1 のレベルを選択し
供 試
装 置
帯域内電圧計
デジタル
信号発生器
狭帯域通過
フィルタ
10
C 5533-2
:2008 (IEC 61606-2:2003)
て用いる。
5.4.1.1.2
測定手順
測定手順は,次による。
a
)
供試装置を 4.4 に示す標準設定にする。
b
)
音量調整器を調整しても出力信号が基準測定レベルに達しない場合は,音量調整器を最大位置に設定
する。
c
)
入力信号を供試装置に与え,帯域内電圧計の表示値を読み取る。
d
)
測定する信号レベルの範囲で他の入力レベルの信号を与え,測定を繰り返す。
e
)
基準測定レベルの信号を入力したときの表示値を基準とし,その他の入力レベルの信号における理論
値と表示値との差を入出力直線性とする。
5.4.2
総合ひずみ率
(
THD
+N
)
5.4.2.1
測定の方法
供試装置及び測定機器を,
図 9 のとおり構成する。
図 9−装置のブロック図
5.4.2.1.1
入力信号
入力信号の設定は,次による。
−
周波数:
997 Hz
又は必要に応じて JIS C 5533-1 の
表 1 による。
−
信号レベル:基準フルスケール値
(0 dB)
5.4.2.1.2
測定手順
測定手順は,次による。
a
)
供試装置を 4.4 に示す標準設定にする。
b
) 997
Hz
の入力信号を供試装置に与える。
c
)
アナログひずみ率計の表示を読み取る。
d
)
他の入力周波数で測定を繰り返し行う。
5.4.3
混変調ひずみ率
5.4.3.1
測定の方法
供試装置及び測定機器を,
図 10 のとおり構成する。
図 10−装置のブロック図
アナログ
スペクトルアナライザ
供 試
装 置
混変調
デジタル信号発生器
低域通過
フィルタ
混変調
ひずみ率計
供 試
装 置
デジタル
信号発生器
低域通過
フィルタ
アナログ
ひずみ率計
11
C 5533-2
:2008 (IEC 61606-2:2003)
5.4.3.1.1
入力信号
JIS C 5533-1
の 4.6.1.2 に規定する信号を用いる。
5.4.3.1.2
測定手順
測定手順は,次による。
a
)
供試装置を 4.4 の標準設定にする。
b
)
入力信号を供試装置に与え,混変調ひずみ率計を用いて出力信号の混変調ひずみ率を測定する。
6
測定方法(アナログ入力−デジタル出力)
箇条 6 に記述する測定方法は,入力がアナログ信号であり,かつ,出力がデジタル信号である供試装置
に適用する。JIS C 5533-1 の規定がこの規格に対応するすべての規定を,箇条 6 に適用する。箇条 6 は,
一般消費者用機器の測定方法の詳細を規定する。
供試装置には,デジタル出力の端子をもつものと,それをもたないものとがある。一般に,デジタル出
力端子をもたない装置は,コンパクトディスク,デジタルオーディオテープレコーダ及び類似の録音装置
である。
6.1
入出力特性
6.1.1
アナログレベル及びデジタルレベルの校正
6.1.1.1
測定の方法
a
)
供試装置がデジタル出力端子をもつ場合,次による。
供試装置及び測定機器を,
図 11 のとおり構成する。
図 11−装置のブロック図
b
)
供試装置がデジタル出力をもたない場合,次による。
供試装置及び測定機器を,
図 12 のとおり構成する。
図 12−装置のブロック図
6.1.1.1.1
入力信号
入力信号の設定は,次による。
帯域内電圧計
供 試
装 置
アナログ
信号発生器
標準デジタル
再生装置
デジタル
レベルメータ
記録媒体
帯域内電圧計
供 試
装 置
アナログ
信号発生器
デジタル
レベルメータ
12
C 5533-2
:2008 (IEC 61606-2:2003)
−
周波数:
997 Hz
(公称値
1 kHz
)
−
信号電圧:基準測定レベル(一般相互接続の場合は,
0.2 V
とする。
)
6.1.1.1.2
測定手順
a
)
供試装置がデジタル出力端子をもつ場合,次による。
1
)
供試装置を 4.4 に示す標準設定にする。
2
)
供試装置に入力信号を与え,−
20 dB
の基準測定レベルの信号が出力されるように,入力信号を
0.2
V
前後で変化させて調整する。
3
)
帯域内レベルメータの指示値を読み取り,それを
A V
とする。
4
) A V
の
10
倍をアナログフルスケール電圧とする。
b
)
供試装置がデジタル出力端子をもたない場合,次による。
1
)
供試装置を 4.4 に示す標準設定にする。
2
)
供試装置に基準測定レベルを中心に
1 dB
刻みに−
6 dB
〜+
6 dB
の範囲で入力信号を与え,その信号
を記録媒体へ記録する。
3
)
記録媒体を標準デジタル再生装置を用いて再生し,その出力信号レベルをデジタルレベルメータで
読み取る。
4
)
3
)
のデータからデジタル出力が基準測定レベルになる入力電圧を換算し,それを
A V
とする。この
A V
の値を
10
倍したものがアナログフルスケール電圧となる。
6.1.2
最大許容入力電圧
6.1.2.1
測定の方法
a
)
供試装置がデジタル出力の端子をもつ場合,次による。
供試装置及び測定機器を,
図 13 のとおり構成する。
図 13−装置のブロック図
b
)
供試装置がデジタル出力端子をもたない場合,次による。
供試装置及び測定機器を,
図 14 のとおり構成する。
図 14−装置のブロック図
帯域内電圧計
供 試
装 置
アナログ
信号発生器
記録媒体
標準デジタル
再生装置
デジタル
ひずみ率計
デジタル波形モニタ
帯域内電圧計
供 試
装 置
アナログ
信号発生器
デジタル
ひずみ率計
デジタル波形モニタ
13
C 5533-2
:2008 (IEC 61606-2:2003)
6.1.2.1.1
入力信号
入力信号の設定は,次による。
−
周波数:
997 Hz
(公称値
1 kHz
)
−
信号電圧:
0 V
からアナログフルスケールレベルを超える範囲
6.1.2.1.2
測定手順
a
)
供試装置がデジタル出力端子をもつ場合,次による。
1
)
供試装置を 4.4 に示す標準設定にする。
2
)
入力信号を与え,信号電圧を
0 V
から増加させる。デジタル出力の端子でのレベルが基準測定レベ
ル
(
−
20 dB)
を超えた場合,出力信号レベルが基準測定レベル前後になるように音量調整器を調整
する。
3
)
入力信号電圧を更に増加させると,出力信号がクリップして総合ひずみ率が
1 %
になる入力信号電
圧を帯域内電圧計で測定する。この電圧を,最大許容入力電圧とする。
4
)
供試装置に音量調整器がない場合にも,同様に出力信号の総合ひずみ率が
1 %
になる入力信号電圧
を測定し,それを最大許容入力電圧とする。
b
)
供試装置がデジタル出力端子をもたない場合,次による。
1
)
供試装置を 4.4 に示す標準設定にする。
2
)
供試装置が入力信号レベルの指示器をもつ場合,これを参考にして入力信号がクリップされずに
A/D
変換器によって変換される最大の入力信号レベルを推定する。そのような指示器がない場合は,
カタログ又は仕様書などを参考にして最大の信号レベルを推定する。
3
)
入力信号がクリップされないと推定した最大の入力レベルに対して−
10 dB
〜+
6 dB
の入力レベル
の範囲で入力信号を帯域内電圧計で確認しながら
1 dB
ステップで供試装置に与え,出力信号を記録
媒体に記録する。
4
)
記録した信号を標準デジタル再生装置で再生し,出力信号のひずみ率を測定する。
5
)
ひずみ率が
1 %
を超える入力信号レベル
A dB
でのひずみ率
a %
及び(
A
−
1
)
dB
でのひずみ率
b %
を記録する。
注記
3%
以下となることが期待されている。
6
)
次の式によって,ひずみ率が
1 %
に達する信号レベル
L dB
を計算する。
b
a
a
A
L
−
−
−
=
1
この
L dB
を最大許容入力電圧とする。
7
)
ひずみ率
a
及び
b
が共に
1 %
を超える場合又は
1 %
未満の場合は,供試装置への入力信号レベルを
調整して,
a
が
1 %
を超え,かつ,
b
が
1 %
を下回る信号レベルを得る。
6.1.3
チャネル間利得差及びトラッキングエラー
6.1.3.1
測定の方法
a
)
供試装置がデジタル出力端子をもつ場合,次による。
供試装置及び測定機器を,
図 15 のとおり構成する。
14
C 5533-2
:2008 (IEC 61606-2:2003)
図 15−装置のブロック図
b
)
供試装置がデジタル出力端子をもたない場合,次による。
供試装置及び測定機器を,
図 16 のとおり構成する。
図 16−装置のブロック図
6.1.3.1.1
入力信号
入力信号の設定は,次による。
−
周波数:
997 Hz
−
信号レベル:基準測定レベル(一般相互接続の場合は,
0.2 V
とする。
)
6.1.3.1.2
測定手順
a
)
供試装置がデジタル出力端子をもつ場合,次による。
1
)
供試装置を 4.4 に示す標準設定にする。
2
)
供試装置が音量調整器をもつ場合,それを最大利得の位置に設定する。
3
)
供試装置の各チャネルに入力信号を与える。
4
)
すべてのチャネルの出力レベルを測定し,利得が最も大きいチャネルと他のチャネルとの利得差を
計算する。これらのうち最大の値をチャネル間利得差とする。
5
)
供試装置が音量調整器をもつ場合は,これを徐々に減衰させながら各チャネルの出力信号レベルを
測定する。
6
)
利得が最も大きいチャネルと各チャネルの出力との利得差を計算する。
7
)
製造業者が規定する範囲,又は
0 dB
〜−
60 dB
,音量調整器を変化させたときの最大の利得差をト
ラッキングエラーとする。
8
)
音量調整器をもたない供試装置については,音量を固定したままの状態でのチャネル間のレベル差
をチャネル間利得差とする。
b
)
供試装置がデジタル出力端子をもたない場合,次による。
1
)
供試装置を 4.4 に示す標準設定にする。
2
)
供試装置が音量調整器をもつ場合,それを最大利得位置に設定する。
帯域内電圧計
供 試
装 置
アナログ
信号発生器
標準デジタル
再生装置
デジタル
レベルメータ
記録媒体
供 試
装 置
アナログ
信号発生器
デジタル
レベルメータ
帯域内電圧計
15
C 5533-2
:2008 (IEC 61606-2:2003)
3
)
供試装置の各チャネルに入力信号を与え,製造業者の規定する減衰範囲で,又は
0 dB
〜−
60 dB
の
音量調整器で減衰させたときの出力レベルを記録媒体に記録する。
4
)
記録した信号を標準デジタル再生装置を用いて再生し,各チャネルの出力信号レベルを測定する。
5
)
利得が最も大きいチャネルを基準とし,各チャネルとのレベル差を計算する。
6
)
最大のレベル差をトラッキングエラーとする。
7
)
減衰量
0 dB
(音量調整器が最大利得の位置)のときのレベル差をチャネル間利得差とする。
8
)
音量調整器をもたない供試装置については,音量を固定したままの状態でのチャネル間のレベル差
をチャネル間利得差とする。
6.2
周波数特性
6.2.1
出力周波数特性
6.2.1.1
測定の方法
a
)
供試装置がデジタル出力端子をもつ場合,次による。
供試装置及び測定機器を,
図 17 のとおり構成する。
図 17−装置のブロック図
b
)
供試装置がデジタル出力端子をもたない場合,次による。
供試装置及び測定機器を,
図 18 のとおり構成する。
図 18−装置のブロック図
6.2.1.1.1
入力信号
入力信号の設定は,次による。
−
周波数:
1
)
離散周波数信号の場合は,4.3 による。
2
)
周波数掃引信号の場合は,4.3 による
−
信号電圧:基準測定レベル(IEC 61938 に規定する一般相互接続の場合は,
0.2 V
とする。
)
帯域内電圧計
供 試
装 置
アナログ
信号発生器
標準デジタル
再生装置
デジタル
レベルメータ
記録媒体
帯域内電圧計
供 試
装 置
アナログ
信号発生器
デジタル
レベルメータ
デジタル波形モニタ
16
C 5533-2
:2008 (IEC 61606-2:2003)
6.2.1.1.2
測定手順
測定手順は,次による。
a
)
供試装置を 4.4 に示す標準設定にする。
b
)
基準測定レベルの
997 Hz
信号を与える。
c
)
デジタル出力端子をもつ供試装置の場合,デジタルレベルメータを用いて出力信号を測定する。
d
)
デジタル出力端子をもたない供試装置の場合,出力信号を記録媒体に記録し,それを標準デジタル再
生装置で再生したときの出力信号レベルを測定する。
e
)
その他の周波数で同じ信号レベルの入力信号を供試装置に与え,c
)
及び d
)
と同様に測定して出力信号
を記録する。
f
) 997
Hz
での出力に対する他の周波数における出力レベルの差を計算する。
g
)
結果は,表又はグラフで表示する。
h
)
出力された周波数特性は,掃引信号発生器を用いて測定してもよい。
6.2.2
群遅延時間
6.2.2.1
測定の方法
a
)
供試装置がデジタル出力端子をもつ場合,次による。
供試装置及び測定機器を,
図 19 のとおり構成する。
図 19−装置のブロック図
b
)
供試装置がデジタル出力端子をもたない場合,次による。
供試装置及び測定機器を,
図 20 のとおり構成する。
図 20−装置のブロック図
6.2.2.1.1
入力信号
JIS C 5533-1
の 4.6.1.3.2 に規定する信号を入力する。
記録媒体
供 試
装 置
アナログ
信号発生器
オシロスコープ
デジタル
群遅延時間測定器
標準デジタル
再生装置
供 試
装 置
アナログ
信号発生器
デジタル
群遅延時間測定器
オシロスコープ
17
C 5533-2
:2008 (IEC 61606-2:2003)
6.2.2.1.2
測定手順
a
)
供試装置がデジタル出力端子をもつ場合,次による。
1
)
供試装置を 4.4 に示す標準設定にする。
2
)
供試装置に入力信号を与える。
3
) 997
Hz
成分の遅延時間
R
τ
を群遅延時間測定器で読み取る。
4
)
測定周波数
f
での遅延時間
C
τ
を群遅延時間測定器で読み取る。
5
)
測定周波数
f
での供試装置の群遅延時間
τ
を次の式から計算する。
R
C
τ
τ
τ
−
=
b
)
供試装置がデジタル出力端子をもたない場合,次による。
1
)
供試装置を 4.4 に示す標準設定にする。
2
)
供試装置に入力信号を加え,記録媒体に記録する。
3
)
記録した信号を標準デジタル再生装置で再生し,
997 Hz
成分の遅延時間
R
τ
を群遅延時間測定器で読
み取る。
4
)
同様に,測定周波数
f
での遅延時間
C
τ
を群遅延時間測定器で読み取る。
5
)
測定周波数
f
での群遅延時間
τ
を次の式から計算する。
R
C
τ
τ
τ
−
=
6.3
雑音特性
6.3.1
信号対雑音比(無信号時の雑音)
6.3.1.1
測定の方法
a
)
供試装置がデジタル出力端子をもつ場合,次による。
供試装置及び測定機器を,
図 21 のとおり構成する。
図 21−装置のブロック図
b
)
供試装置がデジタル出力端子をもたない場合,次による。
供試装置及び測定機器を,
図 22 のとおり構成する。
帯域内電圧計
デジタルモニタ
供 試
装 置
アナログ
信号発生器
デジタル重み付け
(聴感補正)
フィルタ
デジタル
レベルメータ
18
C 5533-2
:2008 (IEC 61606-2:2003)
図 22−装置のブロック図
6.3.1.1.1
入力信号
入力信号の設定は,次による。
−
基準信号
−
周波数:
997 Hz
(公称値
1 kHz
)
−
信号電圧:アナログフルスケール電圧
−
雑音設定の条件:アナログ入力端子を基準信号源インピーダンスで終端する。
6.3.1.1.2
測定手順
a
)
供試装置がデジタル出力端子をもつ場合,次による。
1
)
供試装置を 4.4 に示す標準設定にする。
2
)
6.3.1.1.1
の基準信号を入力し,供試装置の出力レベル
A dB
を測定する。
3
)
アナログ入力信号源を外して,入力端子を 6.3.1.1.1 の雑音設定の条件に設定する。出力レベル
B dB
を測定する。
4
)
信号対雑音比
S
N
(dB)
を次の式で計算する。
B
A
S
−
=
N
b
)
供試装置がデジタル出力端子をもたない場合,次による。
1
)
供試装置を 4.4 に示す標準設定にする。
2
)
基準信号を入力し,出力信号を記録媒体に記録する。
3
)
記録した信号を標準デジタル再生装置で再生し,出力信号レベル
A dB
を測定する。
4
)
アナログ入力信号源を外して,入力端子を 6.3.1.1.1 の雑音設定の条件に設定する。出力信号を記録
媒体に記録する。
5
)
記録した信号を標準デジタル再生装置で再生し,出力信号レベル
B dB
を測定する。
6
)
信号対雑音比
S
N
(dB)
を次の式で計算する。
B
A
S
−
=
N
6.3.2
ダイナミックレンジ
6.3.2.1
測定の方法
a
)
供試装置がデジタル出力端子をもつ場合,次による。
供試装置及び測定機器を,
図 23 のとおり構成する。
帯域内電圧計
供 試
装 置
アナログ
信号発生器
記録媒体
標準デジタル
再生装置
デジタル
レベルメータ
デジタル重み付け
(聴感補正)
フィルタ
19
C 5533-2
:2008 (IEC 61606-2:2003)
図 23−装置のブロック図
b
)
供試装置がデジタル出力端子をもたない場合,次による。
供試装置及び測定機器を,
図 24 のとおり構成する。
図 24−装置のブロック図
6.3.2.1.1
入力信号
入力信号の設定は,次による。
−
周波数:
997 Hz
(公称値
1 kHz
)
−
信号電圧:アナログフルスケール電圧から
60 dB
減衰した電圧
6.3.2.1.2
測定手順
a
)
供試装置がデジタル出力端子をもつ場合,次による。
1
)
供試装置を 4.4 に示す標準設定にする。
2
)
供試装置に入力信号を与える。
3
)
入力信号電圧を調節して供試装置の出力信号レベルを−
60 dB
にする。
4
)
デジタルひずみ率計の指示値を読み取り,その値を
dB
値に変換して
A dB
とする。
5
)
ダイナミックレンジ
D (dB)
を,次の式で計算する。
60
+
= A
D
b
)
供試装置がデジタル出力端子をもたない場合,次による。
1
)
供試装置を 4.4 に示す標準設定にする。
2
)
供試装置にアナログ入力信号を与える。
3
)
出力信号を記録媒体に記録する。
4
)
記録した信号を標準デジタル再生装置で再生し,デジタルひずみ率計の指示値を読み取る。
5
)
読取値を
dB
値に変換して
A dB
とする。
6
)
ダイナミックレンジ
D (dB)
は,次の式で計算する。
60
+
= A
D
標準デジタル再生装置で再生した記録信号の出力レベルが−
60 dB
±
6 dB
以内の場合,このレベル
帯域内電圧計
供 試
装 置
アナログ
信号発生器
記録媒体
デジタル
ひずみ率計
デジタル重み付け
(聴感補正)フィルタ
標準デジタル
再生装置
帯域内電圧計
デジタルレベルメータ
供 試
装 置
アナログ
信号発生器
デジタル
ひずみ率計
デジタル重み付け
(聴感補正)フィルタ
20
C 5533-2
:2008 (IEC 61606-2:2003)
から出力レベルが−
60 dB
となる入力信号レベルを計算する。
計算した入力レベルの信号を再度供試装置に加えてこの信号を録音する。
録音した信号を標準デジタル再生装置で再生し,このときのデジタルひずみ率計の表示を読む。
6.3.3
折返し雑音
6.3.3.1
測定の方法
a
)
供試装置がデジタル出力端子をもつ場合,次による。
供試装置及び測定機器を,
図 25 のとおり構成する。
図 25−装置のブロック図
b
)
供試装置がデジタル出力端子をもたない場合,次による。
供試装置及び測定機器を,
図 26 のとおり構成する。
図 26−装置のブロック図
6.3.3.1.1
入力信号:妨害信号
入力信号の設定は,次による。
−
周波数:
f
1
,
f
2
及び
f
3
(
表 2 による。)
f
1
= f
s
−帯域上限周波数
f
2
= f
s
−
10 kHz
f
3
= f
s
−
1 kHz
表 2−妨害信号周波数
単位 kHz
f
s
f
1
f
2
f
3
32.0 14.5 22.0 31.0
44.1 24.1 34.1 43.1
48.0 26.0 38.0 47.0
88.2 48.2 78.2 87.2
96.0 52.0 86.0 95.0
176.0 96.0
166.0
175.0
192.0 104.0 182.0 191.0
帯域内電圧計
供 試
装 置
アナログ
信号発生器
標準デジタル
再生装置
デジタル
レベルメータ
記録媒体
帯域内電圧計
供 試
装 置
アナログ
信号発生器
デジタル
レベルメータ
デジタルモニタ
21
C 5533-2
:2008 (IEC 61606-2:2003)
−
信号電圧:アナログフルスケール電圧
6.3.3.1.2
測定手順
a
)
供試装置がデジタル出力端子をもつ場合,次による。
1
)
供試装置を 4.4 に示す標準設定にする。
2
) 997
Hz
のアナログ入力信号をアナログフルスケール電圧で供試装置に与え,出力レベル
A dB
を測
定する。
3
)
妨害信号を供試装置の入力端子に与え,デジタルレベルメータで出力信号レベル
B dB
を測定する。
4
)
折返し雑音
N
A
(dB)
は,次の式で計算する。
A
B
N
−
=
A
b
)
供試装置がデジタル出力端子をもたない場合,次による。
1
)
供試装置を 4.4 に示す標準設定にする。
2
) 997
Hz
のアナログ入力信号をアナログフルスケール電圧で供試装置に与え,出力信号を記録媒体に
記録する。
3
)
記録した信号を標準デジタル再生装置で再生し,
デジタルレベルメータで最大出力レベル
A dB
を測
定する。
4
)
妨害信号を供試装置の入力端子に与え,出力信号を記録媒体に記録する。
5
)
記録した信号を標準デジタル再生装置で再生し,
デジタルレベルメータで最大出力レベル
B dB
を測
定する。
6
)
折返し雑音
N
A
(dB)
は,次の式で計算する。
A
B
N
−
=
A
6.3.4
クロストーク
6.3.4.1
測定の方法
a
)
供試装置がデジタル出力端子をもつ場合,次による。
供試装置及び測定機器を,
図 27 のとおり構成する。
図 27−装置のブロック図
b
)
供試装置がデジタル出力端子をもたない場合,次による。
供試装置及び測定機器を,
図 28 のとおり構成する。
デジタル
スペクトラムアナライザ
供 試
装 置
アナログ
信号発生器
狭帯域通過
フィルタ
デジタル
レベルメータ
22
C 5533-2
:2008 (IEC 61606-2:2003)
図 28−装置のブロック図
6.3.4.1.1
入力信号
入力信号の設定は,次による。
−
周波数:JIS C 5533-1 の
表 1 による。
−
信号電圧:アナログフルスケール電圧から
3 dB
減衰した電圧。
6.3.4.1.2
測定手順
a
)
供試装置がデジタル出力端子をもつ場合,次による。
1
)
供試装置を 4.4 に示す標準設定にする。
2
)
入力切替器を選択した信号源に設定する。
3
)
選択チャネルに入力信号を与える。出力レベル
A dB
を測定する。
4
)
選択チャネルの入力端子を基準信号源入力インピーダンスで終端する。
5
)
非選択チャネルの入力端子に同じ入力信号を与える。選択チャネルの出力端子の出力信号レベル
B
dB
を測定する。
6
)
クロストークは,
(A
−
B) dB
で計算する。
b
)
供試装置がデジタル出力端子をもたない場合,次による。
1
)
供試装置を 4.4 に示す標準設定にする。
2
)
選択チャネルの入力端子に入力信号を与える。出力信号を記録媒体に記録する。
3
)
記録した信号を標準デジタル再生装置で再生し,出力レベル
A dB
を測定する。
4
)
選択チャネルの入力端子を基準信号源インピーダンスで終端する。
5
)
非選択チャネルの入力端子に同じ入力信号を与え,選択チャネルの出力信号を記録媒体に記録する。
6
)
記録した信号を標準デジタル再生装置で再生し,選択チャネルの出力端子の出力信号レベル
B dB
を測定する。
7
)
クロストークは,
(A
−
B) dB
で計算する。
6.3.5
チャネルセパレーション
6.3.5.1
測定の方法
a
)
供試装置がデジタル出力端子をもつ場合,次による。
供試装置及び測定機器を,
図 29 のとおり構成する。
アナログ
信号発生器
供 試
装 置
記録媒体
狭帯域通過
フィルタ
標準デジタル
再生装置
デジタル
レベルメータ
デジタル
スペクトラムアナライザ
23
C 5533-2
:2008 (IEC 61606-2:2003)
図 29−装置のブロック図
b
)
供試装置がデジタル出力端子をもたない場合,次による。
供試装置及び測定機器を,
図 30 のとおり構成する。
図 30−装置の接続ブロック図
6.3.5.1.1
入力信号
入力信号の設定は,次による。
−
周波数:
997 Hz
及び必要に応じて JIS C 5533-1 の
表 1 に規定する他の周波数。
−
信号電圧:アナログフルスケール電圧から
3 dB
減衰した電圧。
6.3.5.1.2
測定手順
a
)
供試装置がデジタル出力端子をもつ場合,次による。
1
)
供試装置を 4.4 に示す標準設定にする。
2
)
入力切替器を測定信号源に設定し,入力信号を選択チャネルに与える。
3
)
選択チャネルの出力信号レベルを測定し,
A dB
とする。
4
)
選択チャネルの入力端子を基準信号源インピーダンスで終端する。
5
)
他のチャネルに同じレベルで入力信号を与える。
6
)
選択チャネルの出力信号レベルを測定し,
B dB
とする。
7
)
供試装置がマルチチャネル機器の場合,入力信号をその他の入力端子に切り替え,3
)
〜6
)
の測定を
繰り返す。
8
)
必要に応じて,他の周波数で同様に測定を繰り返す。
9
)
チャネルセパレーション
N
CH
(dB)
は,次の式で計算する。
B
A
N
−
=
CH
b
)
供試装置がデジタル出力端子をもたない場合,次による。
1
)
供試装置を 4.4 に示す標準設定にする。
アナログ
信号発生器
供 試
装 置
記録媒体
狭帯域
フィルタ
標準デジタル
再生装置
デジタル
レベルメータ
デジタル
スペクトラムアナライザ
供 試
装 置
アナログ
信号発生器
狭帯域通過
フィルタ
デジタル
レベルメータ
デジタル
スペクトラムアナライザ
24
C 5533-2
:2008 (IEC 61606-2:2003)
2
)
入力切替器を測定信号源に設定し,入力信号を選択チャネルに与え,出力信号を記録媒体に記録す
る。
3
)
記録した信号を標準デジタル再生装置で再生して選択チャネルの出力信号レベルを測定し,
A dB
と
する。
4
)
選択チャネルの入力端子を基準信号源入力インピーダンスで終端する。
5
)
他のチャネルの入力端子に同じレベルで入力信号を与える。
6
)
選択チャネルの出力信号を記録媒体に記録する。
7
)
記録した信号を標準デジタル再生装置で再生して選択チャネルの出力レベルを測定し,
B dB
とする。
8
)
供試装置がマルチチャネル機器の場合,入力信号をその他の入力端子に切り替えて 4
)
〜7
)
の測定を
繰り返す。
9
)
必要に応じて,他の周波数で同様に測定を繰り返す。
10
)
チャネルセパレーション
N
CH
(dB)
を,次の式で計算する。
B
A
N
−
=
CH
6.4
ひずみ特性
6.4.1
入出力直線性
6.4.1.1
測定の方法
a
)
供試装置がデジタル出力端子をもつ場合,次による。
供試装置及び測定機器を,
図 31 のとおり構成する。
図 31−装置のブロック図
b
)
供試装置がデジタル出力端子をもたない場合,次による。
供試装置及び測定機器を,
図 32 のとおり構成する。
図 32−装置のブロック図
アナログ帯域内電圧計
供 試
装 置
アナログ
信号発生器
記録媒体
狭帯域通過フィルタ
デジタル
レベルメータ
標準デジタル
再生装置
アナログ帯域内電圧計
デジタル波形モニタ
デジタル
レベルメータ
供 試
装 置
アナログ
信号発生器
狭帯域通過
フィルタ
25
C 5533-2
:2008 (IEC 61606-2:2003)
6.4.1.1.1
入力信号
入力信号の設定は,次による。
−
周波数:
997 Hz
又は JIS C 5533-1 の
表 1 に規定する他の周波数。
−
信号レベル:
表 1 による。信号語長は,
16
,
20
及び
24
ビットとする。
6.4.1.1.2
測定手順
a
)
供試装置がデジタル出力端子をもつ場合,次による。
1
)
供試装置を 4.4 の標準設定にする。
2
)
表 1 の各信号レベルに対する出力信号レベルを測定する。
3
)
基準測定電圧を基準にして,各入力信号電圧に対する出力レベルの偏差を記録する。この偏差を,
入出力直線性とする。
b
)
供試装置がデジタル出力端子をもたない場合,次による。
1
)
供試装置を 4.4 の標準設定にする。
2
)
表 1 の各信号レベルに対する出力信号レベルを記録媒体に記録する。
3
)
記録した信号を標準デジタル再生装置で再生し,各入力信号レベルに対する出力信号レベルを測定
する。
4
)
基準測定電圧を基準にして,各入力電圧に対する出力レベルの偏差を記録する。この偏差を,入出
力直線性とする。
6.4.2
総合ひずみ率
(
THD
+N
)
6.4.2.1
測定の方法
a
)
供試装置がデジタル出力端子をもつ場合,次による。
供試装置及び測定機器を,
図 33 のとおり構成する。
図 33−装置のブロック図
b
)
供試装置がデジタル出力端子をもたない場合,次による。
供試装置及び測定機器を,
図 34 のとおり構成する。
図 34−装置のブロック図
帯域内電圧計
供 試
装 置
アナログ
信号発生器
標準デジタル
再生装置
デジタル
ひずみ率計
記録媒体
供 試
装 置
アナログ
信号発生器
デジタル
ひずみ率計
帯域内電圧計
26
C 5533-2
:2008 (IEC 61606-2:2003)
6.4.2.1.1
入力信号
入力信号の設定は,次による。
−
周波数:JIS C 5533-1 の
表 1 による。
−
信号電圧:アナログフルスケール電圧
6.4.2.1.2
測定手順
a
)
供試装置がデジタル出力端子をもつ場合,次による。
1
)
供試装置を 4.4 に示す標準設定にする。
2
)
供試装置に入力信号を与える。
3
)
必要に応じて,入力信号レベルをアナログフルスケール電圧値の上下
3 dB
以内で変化させてもよい。
4
)
出力信号のひずみ率をデジタルひずみ率計で測定する。
b
)
供試装置がデジタル出力端子をもたない場合,次による。
1
)
供試装置を 4.4 に示す標準設定にする。
2
)
入力信号を供試装置に与え,出力信号を記録媒体に記録する。
3
)
記録した信号を標準デジタル再生装置で再生する。出力信号のひずみ率をデジタルひずみ率計で測
定する。
二つ以上の入力信号を記録した場合,幾つかの値が得られることがある。このようにして得られたどの
値も,供試装置の総合ひずみ率としてもよい。
6.4.3
混変調ひずみ率
6.4.3.1
測定の方法
a
)
供試装置がデジタル出力端子をもつ場合,次による。
供試装置及び測定機器を,
図 35 のとおり構成する。
図 35−装置のブロック図
b
)
供試装置がデジタル出力端子をもたない場合,次による。
供試装置及び測定機器を,
図 36 のとおり構成する。
図 36−装置のブロック図
供 試
装 置
アナログ
信号発生器
記録媒体
デジタル
スペクトルアナライザ
混変調
ひずみ率計
標準デジタル
再生装置
デジタル
スペクトラムアナライザ
供 試
装 置
アナログ
信号発生器
混変調
ひずみ率計
27
C 5533-2
:2008 (IEC 61606-2:2003)
6.4.3.1.1
入力信号
JIS C 5533-1
の 4.6.1.2 に規定する信号を用いる。
6.4.3.1.2
測定手順
a
)
供試装置がデジタル出力端子をもつ場合,次による。
1
)
供試装置を 4.4 に示す標準設定にする。
2
)
入力信号を供試装置に与え,混変調ひずみ率計で出力信号の混変調ひずみを測定する。
b
)
供試装置がデジタル出力端子をもたない場合,次による。
1
)
供試装置を 4.4 に示す標準設定にする。
2
)
入力信号を供試装置に与え,出力信号を記録媒体に記録する。
3
)
記録した信号を標準デジタル再生装置で再生し,混変調ひずみ率計で出力信号の混変調ひずみ率を
測定する。