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C 5532

:2014

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

2

3

  測定条件  

2

3.1

  一般的条件  

2

3.1A

  大気条件  

2

3.2

  測定条件  

3

4

  試験信号  

3

4.1

  一般  

3

4.2

  正弦波信号  

3

4.3

  広帯域ノイズ信号  

3

4.4

  狭帯域ノイズ信号  

4

4.5

  インパルス信号  

4

5

  音響環境  

4

5.1

  一般  

4

5.2

  自由音場条件  

4

5.3

  半自由音場条件  

4

5.4

  拡散音場条件  

4

5.5

  模擬自由音場条件  

4

5.6

  模擬半自由音場条件  

5

6

  音響的及び電気的妨害雑音  

5

7

  スピーカと測定用マイクロホンとの位置関係  

5

7.1

  自由音場及び半自由音場条件における測定距離  

5

7.2

  拡散音場条件におけるスピーカの位置関係  

5

7.3

  模擬自由音場条件におけるスピーカとマイクロホンとの位置関係  

6

8

  測定装置  

6

9

  音響測定の精度及びデータの表示  

6

9A

  音響測定の精度  

6

9B

  データのグラフ表示  

6

10

  スピーカの取付け及び音響負荷  

6

10.1

  スピーカユニットの取付け及び音響負荷  

6

10.2

  スピーカシステムの取付け及び音響負荷  

7

11

  標準バフル及び標準密閉箱  

7

11.1

  標準バフル  

7

11.2

  標準密閉箱  

7


C 5532

:2014  目次

(2)

ページ

12

  予備動作  

8

13

  形式の提示  

8

13.1

  一般  

8

13.2

  スピーカユニット  

8

13.3

  スピーカシステム  

8

14

  端子及び調整部の表示  

8

14.1

  一般  

8

14.2

  極性(正側端子)  

8

15

  基準面,基準点及び基準軸  

9

15.1

  基準面  

9

15.2

  基準点  

9

15.3

  基準軸  

9

16

  インピーダンス及びその関連特性  

9

16.1

  定格インピーダンス  

9

16.2

  インピーダンス曲線  

9

16.3

  全 値(Q

t

  

10

16.4

  スピーカユニットのコンプライアンスの等価空気体積(V

as

 

11

17

  入力電圧  

11

17.1

  定格ノイズ電圧  

11

17.2

  瞬時最大入力電圧  

12

17.3

  最大入力電圧  

13

17.4

  定格正弦波電圧  

13

18

  入力電力  

14

18.1

  定格ノイズ電力  

14

18.2

  瞬時最大入力電力  

14

18.3

  最大入力電力  

14

18.4

  定格正弦波電力  

14

19

  周波数特性  

14

19.1

  定格周波数範囲  

14

19.2

  共振周波数  

14

19.3

  位相反転形又はパッシブラジエータ形スピーカシステムのチューニング周波数  

14

20

  自由音場及び半自由音場条件における音圧  

15

20.1

  指定周波数帯域における音圧  

15

20.2

  指定周波数帯域における音圧レベル  

15

20.3

  指定周波数帯域における特性感度  

15

20.4

  指定周波数帯域における特性感度レベル  

15

20.5

  指定周波数帯域における平均音圧  

15

20.6

  指定周波数帯域における平均音圧レベル  

16

21

  自由音場及び半自由音場条件におけるレスポンス  

16


C 5532

:2014  目次

(3)

ページ

21.1

  周波数レスポンス  

16

21.2

  実効周波数範囲  

17

21.3

  伝達関数  

17

22

  出力(音響出力)  

18

22.1

  任意の周波数帯域における音響出力  

18

22.2

  任意の周波数帯域における平均音響出力  

18

22.3

  任意の周波数帯域における効率  

19

22.4

  任意の周波数帯域における平均効率  

19

23

  指向特性  

19

23.1

  指向感度特性  

19

23.2

  放射角  

20

23.3

  指向指数  

20

23.4

  保証角  

21

24

  振幅非直線性  

21

24.1

  全高調波ひずみ  

21

24.2

  第 次高調波ひずみ(n又は 3  

22

24.3

  特性高調波ひずみ  

23

24.4

  第 次変調ひずみ(n又は 3  

23

24.5

  第 次特性変調ひずみ(n又は 3  

24

24.6

  差周波数ひずみ(第 次だけ)  

24

25

  定格周囲条件  

25

25.1

  温度範囲  

25

25.2

  湿度範囲  

25

26

  漏えい磁界  

25

26.1

  静的成分  

25

26.2

  動的成分  

26

26A

  耐電圧  

27

26A.1

  規定する特性  

27

26A.2

  試験法  

27

26B

  絶縁抵抗  

27

26B.1

  規定する特性  

27

26B.2

  測定法  

27

26C

  機械的性能  

27

26C.1

  規定する特性  

27

26C.2

  振動試験  

27

26C.3

  落下試験  

27

27

  物理的特性  

27

27.1

  寸法  

27

27.2

  質量  

27


C 5532

:2014  目次

(4)

ページ

27.3

  ケーブル接続  

28

28

  設計データ  

28

29

  明記する特性の提示  

28

附属書 A(参考)標準密閉箱 形の例  

34

附属書 B(参考)標準密閉箱 形の例  

36

附属書 C(参考)箇条 13 で用いる用語及び定義  

39

附属書 D(参考)試聴試験  

41

附属書 JA(規定)補足規定事項  

42

附属書 JB(参考)JIS と対応国際規格との対比表  

46


C 5532

:2014

(5)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人電子

情報技術産業協会(JEITA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日

本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS C 5532:1994 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

C 5532

:2014


日本工業規格

JIS

 C

5532

:2014

音響システム用スピーカ

Loudspeakers for sound system equipment

序文 

この規格は,2003 年に第 3 版として発行された IEC 60268-5,及び Amendment 1(2007)を基とし,我

が国の実情に即して,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。ただし,追補(amendment)

については,編集し,一体とした。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,

附属書 JB に示す。また,附属書 JA は対応国際規格にはない事項であ

る。

適用範囲 

この規格は,完全な受動素子として扱われる音響用スピーカについて規定する。増幅器内蔵スピーカに

は適用しない。

注記 1  この規格で用いる“スピーカ”とは,スピーカユニット及びスピーカシステムを指す。スピ

ーカシステムとは,バフル,エンクロージャ又はホーン,並びに内蔵クロスオーバネットワ

ーク,トランス及びその他の受動素子を含む 1 個又は複数個のスピーカユニットで,構成し

たものである。

この規格の目的は,正弦波信号,特定のノイズ信号又はインパルス信号を用いて得られる特性,及び適

切な測定法を示すことである。

注記 2  この規格に規定する測定法は,その特性にふさわしいものを選んでいる。

注記 3  その他の測定法を用いて等価な結果を得た場合は,その測定法の詳細を結果とともに示すこ

とが望ましい。

注記 4  次の事項は,検討中である。

−  増幅器内蔵スピーカ

−  自由音場,半自由音場及び拡散音場と異なる条件下での測定

−  正弦波,ノイズ及びインパルス信号と異なる信号による測定

注記 5  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 60268-5:2003

,Sound system equipment−Part 5: Loudspeakers 及び Amendment 1:2007

(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。


2

C 5532

:2014

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 1509-1

  電気音響−サウンドレベルメータ(騒音計)−第 1 部:仕様

注記 1  対応国際規格:IEC 61672-1,Electroacoustics−Sound level meters−Part 1: Specifications(IDT)

注記 2  対応国際規格で引用している IEC 60651 は廃止されているため,変更した。

JIS C 1513

  音響・振動用オクターブ及び 1/3 オクターブバンド分析器

JIS C 1514

  オクターブ及び 1/N オクターブバンドフィルタ

注記  対応国際規格:IEC 61260,Electroacoustics−Octave-band and fractional-octave-band filters(IDT)

JIS C 60068-1

  環境試験方法−電気・電子−通則

JIS C 60068-2-6

  環境試験方法−電気・電子−第 2-6 部:正弦波振動試験方法(試験記号:Fc)

JIS C 60068-2-31

  環境試験方法−電気・電子−第 2-31 部:落下試験及び転倒試験方法(試験記号:

Ec)

JIS Z 0202

  包装貨物−落下試験方法

JIS Z 8734

  音響−音圧法による騒音源の音響パワーレベルの測定方法−残響室における精密測定方

注記  対応国際規格:ISO 3741,Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources using

sound pressure−Precision methods for reverberation rooms(IDT)

IEC 60050 (151)

,International Electrotechnical Vocabulary (IEV)−Part 151:Electrical and magnetic devices

IEC 60263

,Scales and sizes for plotting frequency characteristics and polar diagrams

IEC 60268-1

,Sound system equipment−Part 1: General

IEC 60268-2

,Sound system equipment−Part 2: Explanation of general terms and calculation methods

IEC 60268-3

,Sound system equipment−Part 3: Amplifiers

IEC 60268-11

,Sound system equipment−Part 11: Application of connectors for the interconnection of sound

system components

IEC 60268-12

,Sound system equipment−Part 12: Application of connectors for broadcast and similar use

ISO 3744

,Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources using sound pressure−

Engineering method in an essentially free field over a reflecting plane

ISO 3745

,Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources−Precision methods for anechoic

and semi-anechoic rooms

測定条件 

3.1 

一般的条件 

この規格は,IEC 60268-1IEC 60268-2 及び JIS Z 8734 に規定の条件を用いる。

3.1A 

大気条件 

測定及び機械的検査は,次に示す温度,湿度及び気圧の範囲で実施する。

−  周囲温度:15  ℃∼35  ℃(推奨値 20  ℃)

−  相対湿度:25 %∼85 %(推奨値 65 %)

−  気圧:86 kPa∼106 kPa(推奨値 101.3 kPa)

製造業者がこれらの条件と異なる大気条件を指定する必要がある場合には,JIS C 60068-1 から選択する


3

C 5532

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ことが望ましい。

3.2 

測定条件 

3.2.1 

一般 

スピーカを測定するときの設定内容を規定するのに便利なように,

標準測定条件をこの規格で定義する。

正しい測定条件を得るために,幾つかの値(定格の条件)は,製造業者の仕様書から採用する。これらの

値そのものは測定の対象ではなく,その他の特性を測定する場合の基本となる。

次に示すこの種の値及び条件は,製造業者が指定する。

−  定格インピーダンス

−  定格正弦波電圧又は定格正弦波電力

−  定格ノイズ電圧又は定格ノイズ電力

−  定格周波数範囲

−  基準面

−  基準点

−  基準軸

この規格において,

“定格値”は,

“製造業者が規定した値”を意味する。

“定格”という用語は,

“定格

条件”及び特性の名称に用いられた場合でも同じ意味をもつ。

注記  “定格”の定義は,IEC 60268-2 による。IEC 60050 (151)の 151-04-03 も参照。

3.2.2 

標準測定条件 

次の全ての条件を満たしている場合,スピーカは,標準測定条件下で動作しているとみなす。

a)

被測定スピーカを,箇条 10 に従って取り付ける。

b)

音響的環境を,箇条 に規定する条件の中から選ぶ。

c)

スピーカを,測定用マイクロホン及び壁面に関して箇条 に従って配置する。

d)

スピーカには,定格周波数範囲(19.1 参照)内にある指定電圧 の規定試験信号(箇条 参照)を加

える。必要がある場合,入力電力 は,PU

2

/によって算出できる。ここに,は,16.1 に従う定

格インピーダンスである。

e)

減衰器がある場合は,製造業者が指定する“標準”の位置にセットする。その他の位置,例えば,最

も平たんな周波数特性になる位置,又は最大減衰位置などを選ぶ場合は,その旨を明記する。

f)

要求特性を測定するのにふさわしい測定装置を,箇条 に従って接続する。

試験信号 

4.1 

一般 

音響測定は,次に示す測定信号条件のいずれかの下で行い,その条件を測定結果とともに明示する。

4.2 

正弦波信号 

正弦波試験信号は,いかなる周波数においても定格正弦波電圧を超えてはならない(17.4 参照)

。被測定

スピーカの入力端子への印加電圧は,その他の規定がない場合,全周波数にわたって一定に維持する。

4.3 

広帯域ノイズ信号 

増幅器のクリッピングを避けるために,クレストファクタを 3 と 4 との間のノイズソースとすることが

望ましい。JIS C 1509-1 に規定する騒音計の遅い時定数程度の実効値電圧計を,信号の振幅測定に用いる。

注記 1  この信号は,IEC 60268-2 において,次のように定義されている。

“規定の振幅周波数特性をもち,測定対象の周波数帯域幅よりも広い帯域幅をもつフィル


4

C 5532

:2014

タによって帯域を制限したノイズ信号である。

注記 2  ノイズ信号の定義及びプログラム模擬信号は,JA.1 を参照。

4.4 

狭帯域ノイズ信号 

この狭帯域ノイズを用いる測定では,JIS C 1514 に従う定比帯域幅フィルタとして,通常,1/3 オクター

ブのフィルタをピンクノイズ発生器とともに用いる。

注記  この信号は,IEC 60268-2 において,次のように定義されている。

“規定の振幅周波数特性をもち,測定対象の周波数帯域幅よりも狭い帯域幅をもつフィルタ

によって帯域を制限したノイズ信号である。

4.5 

インパルス信号 

測定対象の帯域幅以上の広さにわたり,

帯域幅当たりのスペクトルパワーが一定の継続時間の短い信号。

そのような信号は,最大振幅に比較して低いエネルギしかもっていない。

注記  測定における音響的雑音及び電気的雑音の影響を最小にするため,パルスの最大振幅は,通常,

スピーカの直線動作内,かつ,駆動増幅器の能力内で,できるだけ高い値とすることが望まし

い。

音響環境 

5.1 

一般 

音響測定は,5.25.6 に規定する音場条件のいずれかの下で行い,その選定条件を測定結果とともに明

記する。

5.2 

自由音場条件 

自由音場条件とは,自由音場空間の条件に近い音響的条件で,測定中のスピーカシステム及びマイクロ

ホン周辺の音場において,音圧が±10 %の精度で,1/の法則に従って,点音源からの距離(r)とともに

減少する環境(例えば,無響室)を用いる。測定用マイクロホンとスピーカとの基準点を結ぶ軸に沿って

上記の条件が成立していることが最低の条件である。

自由音場条件は,測定する全周波数範囲で成り立つようにする。

5.3 

半自由音場条件 

半自由音場条件とは,自由音場が半空間で存在する音響的条件で,この条件は,反射平面の表面に取り

付けた点音源からの音圧が,5.2 に規定する法則で減少するよう十分に大きな反射平面をもたせる。

5.4 

拡散音場条件 

拡散音場条件は,1/3 オクターブ幅に制限したノイズ信号を用いて測定するために使う。JIS Z 8734 に規

定及び定義している。低域制限周波数は,JIS Z 8734 

附属書 A(離散周波数成分を含む音の測定のため

の残響室の適正試験方法)の規定に従って決定する。

注記 1  この条件は,通常帯域ノイズ測定だけに用いる。

注記 2  JIS Z 8734 には,測定装置の詳細を規定しているが,スピーカのパワーの確定には,空間に

おける平均化及び時間における平均化が必要である。

注記 3  測定精度は,測定室の容積,測定室の残響時間,拡散の程度など多くの要因に依存する。

注記 4 125

Hz 未満の測定には,200 m

3

を超える測定室容積が望ましい。

5.5 

模擬自由音場条件 

模擬自由音場条件とは,測定に必要な時間内において,自由音場の音響条件と同等である音響条件であ

る。


5

C 5532

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この条件は,インパルス信号に応答してスピーカから放射した直接音の測定終了以前に,周囲のいかな

る表面及び障害物からの反射音も測定用マイクロホンに到達しない環境(例えば,大きくて障害物のない

部屋)とする。

マイクロホンに到達するこのようないかなる反射音も,ゲート回路,その他の手段によって測定から排

除する。

注記 1  これらの条件は,通常,インパルス信号による測定だけに用いている。

注記 2  この条件の下で,連続して測定を行う場合は,空間内の残響音圧レベルが無視できる値に減

少するまで十分な時間間隔をとり,その後の測定を行うことが望ましい。

5.6 

模擬半自由音場条件 

模擬半自由音場条件とは,模擬自由音場が半空間に存在する音響的条件である。この条件は,模擬自由

音場環境に形成した一つの境界である反射平面が,その端からの反射音が測定時間内に測定マイクロホン

に到達しない十分な大きさをもつ場合に成立する。

注記 1  これらの条件は,通常インパルス信号による測定だけに用いている。

注記 2  この条件の下で,連続して測定を行う場合は,空間内の残響音圧レベルが無視できる値に減

少するまで十分な時間間隔をとり,その後の測定を行うことが望ましい。

音響的及び電気的妨害雑音 

音響的及び電気的妨害雑音は,測定結果に影響を与えるので,できるだけ低レベルに抑える。

測定周波数範囲において,信号レベルと雑音レベルとの差が 10 dB 未満の場合,そのデータは用いない。

スピーカと測定用マイクロホンとの位置関係 

7.1 

自由音場及び半自由音場条件における測定距離 

7.1.1 

一般 

自由音場及び半自由音場における測定で,安定した結果を得るためには,スピーカと測定用マイクロホ

ンとを十分に離した遠距離音場で行うことが望ましい。ただし,測定室の環境が完全ではなく,暗騒音の

影響によって,実際に使用できる最大距離の上限が存在する。実用的な測定距離として,0.5 m 又は整数

メートルで測定し,標準距離である 1 m に換算することが望ましい。

7.1.2 

単一駆動ユニットのスピーカ 

このタイプのスピーカでは,その他の規定がない場合,測定距離は,基準点から 1 m とする。測定距離

は明記する。

7.1.3 

複数のユニットのスピーカ 

2 個以上のスピーカが同じ周波数帯域を再生するシステムでは,ユニットから放射した音の相互作用に

よって,測定点で音響的な干渉を起こす。これは,スピーカ全部が試験する周波数全域にわたって再生す

る場合も,幾つかのスピーカが,帯域の一部で共に動作する場合(例えば,クロスオーバ周波数付近)で

も同様である。このような場合は,この現象による誤差が最小になるような距離を選ぶことが望ましい。

7.2 

拡散音場条件におけるスピーカの位置関係 

壁面に対するスピーカの位置及び向きは,見取図を測定結果に添付して,明確にしなければならない。

スピーカからの音響出力の評価のために,スピーカとマイクロホンとを同時に移動する場合は,22.1.2.2

に規定する方法による。マイクロホンシステム及びマイクロホンの最小位置は,JIS Z 8734 の規定による。

注記  スピーカとマイクロホンとの最小距離を,JA.2 に示す。


6

C 5532

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7.3 

模擬自由音場条件におけるスピーカとマイクロホンとの位置関係 

測定距離は,7.1 の規定に従って選定する。

測定室内におけるスピーカとマイクロホンとの位置は,最初の不要反射音がマイクロホンに到達するま

での,測定に用いることができる時間が最大となるようにする。

測定空間に無響室を用いる場合,くさびの先端,試験者用の床,並びにスピーカ及びマイクロホンの支

持物などからの反射に注意する。このような物体の影響による誤差は,測定周波数範囲にわたって 0.5 dB

を超えないようにする。

マイクロホンの距離及びその環境内で得られる最大信号捕捉時間を明らかにする。

最初の反射音の到達時間以後のマイクロホン出力は,全て無視することが必要である。したがって,こ

の時間以降のレスポンスが,スピーカにとって無視できない場合は,伝達関数測定に打ち切り誤差が生じ

る。打ち切り誤差がある場合,その誤差は,測定周波数範囲にわたって 1 dB を超えてはならない。

測定装置 

自由音場及び半自由空間音場における測定には,校正した圧力形マイクロホンを用いる。拡散音場にお

ける測定は,指向指数 2 dB 未満の圧力形マイクロホンを用いる。両方の条件とも,対象とする周波数帯域

の全ての周波数において満足しなければならない。

スピーカに信号を供給する信号発生器,増幅器及びマイクロホン増幅器で構成する測定装置は,既知の

振幅特性をもち,関連する周波数帯域内において±0.5 dB 以内で平たんであり,試験条件において振幅非

直線性は無視できなければならない。全ての測定装置は,実効値形であり,測定誤差が確実に 1 dB 以下に

なるように十分に長い時定数をもっていなければならない。

注記  周波数特性は,連続曲線を描く自動測定装置によって測定することが望ましい。レベル記録器

の記録速度(レベルと周波数軸との両方)による誤差は,0.5 dB 以下とすることが望ましい。

また,両軸の記録速度は,結果に記入することが望ましい。

音響測定の精度及びデータの表示 

9A 

音響測定の精度 

総合誤差が±2 dB を超えない周波数範囲を明示する。

注記  測定環境と機器との両方の推定誤差原因は,確認及び定量化し,その影響の度合いを明らかに

することが望ましい。また,この情報は,測定記録に含めることが望ましい。

9B 

データのグラフ表示 

データのグラフ表示は,IEC 60268-1 によることを推奨する。JA.3 も参照。

10 

スピーカの取付け及び音響負荷 

10.1 

スピーカユニットの取付け及び音響負荷 

スピーカユニットの性能は,ユニット自身の性能と音響負荷とによって決まる。音響負荷は,スピーカ

ユニットの取付条件に依存するため,測定結果に明記する。

次の 3 種の取付けのうち,いずれか一つを用いる。

a)

標準バフル,標準密閉箱(A 形又は B 形)又はそのスピーカユニットに指定されたエンクロージャ

b)

バフル又はエンクロージャなしの自由空間

c)

反射平面と同一面になるように取り付けた半自由音場空間


7

C 5532

:2014

注記  取付条件 a)  は,選択する測定距離に依存するある低域の限界の周波数までは半空間音場条

件に近似する。この限界の周波数よりも低い周波数で測定したデータは,比較目的のためだ

けに用いてもよい。

10.2 

スピーカシステムの取付け及び音響負荷 

スピーカシステムは,一般的には追加バフルなしで測定する。製造業者がスピーカシステムに特別の取

付方法を指定している場合は,それを測定に用いる。用いた取付方法は,結果に明記する。

11 

標準バフル及び標準密閉箱 

11.1 

標準バフル 

標準バフルの表面は音響的に反射性のある平面とする。標準バフルの寸法を,

図 に示す。

注記  標準バフルは,振動が確実に無視できるように十分な厚みをもった材料であることが望ましい。

スピーカの放射面の縁端部は,基本的にバフルの前面と同一面にする。これは,

図 に示すよ

うにえぐるか,又は

図 に示すように薄くて硬い補助バフルを用いればよい。補助バフルは,

角のえぐりをしても,又はしなくてもよい。

11.2 

標準密閉箱 

11.2.1 

一般 

標準密閉箱は,11.2.3(A 形)及び 11.2.4(B 形)に規定するうちのいずれかを用いる。試験に用いる“形”

は,スピーカの製造業者が指定する。

11.2.2 

条件 

密閉箱の表面は,音響的に反射性をもつ平面又は曲面とする。

注記 1  密閉箱の材料は,適切な厚さをもちその振動の効果が測定に影響を及ぼさないようにする。

必要がある場合,板振動を避けるために向かい合った表面板の中心又は中心の周囲に補強用

の支柱を設けることが望ましい。

注記 2  密閉箱は,気密であることが望ましい。

注記 3  スピーカのエッジは,バフルの前面部と同一平面に配置することが望ましい。

注記 4  箱の中に生じる定在波を除去するために,適正な音響吸収材を用いる。箱のハンドル又は結

合具は,その反射及び望ましくない振動の効果が無視できる場合は取り付けてもよい。

注記 5  スピーカを箱に取り付けた状態で,箱の内部からの空気漏れを避けるよう注意を払うことが

望ましい。

11.2.3 

標準密閉箱  

標準密閉箱 A 形を,

図 に示す。

注記 1  標準密閉箱 A 形の基準軸上 1 m の点における自由音場から半空間自由音場への回折効果の補

正曲線の特性を,

附属書 に示す。

注記 2  この形の密閉箱の全ての表面は平面であり,各平面の接続部は直角である。また,寸法を規

定しているため,回折係数は一定である。したがって,A 形はスピーカの特性の詳細な比較,

研究及び解析に有用である。

11.2.4 

標準密閉箱  

標準密閉箱 B 形を,

図 に示す。

注記 1  標準密閉箱 B 形の基準軸上 1 m の点における自由音場から半空間自由音場への回折効果の補

正曲線の特性を,

附属書 に示す。


8

C 5532

:2014

注記 2  より大きい密閉箱又は小さい密閉箱の必要がある場合は,図 B.2 及び表 B.1 に適合した寸法

比の要求に合わせることが望ましい。この場合,箱の正味の容積及び外形寸法を記録するこ

とが望ましい。

注記 3  音響的な測定には,図 に示す標準密閉箱を用いることを推奨する。適切な寸法の箱は,主

観的テストに有用である。

12 

予備動作 

スピーカは,測定の前に,IEC 60268-1 による定格ノイズ電圧のプログラム模擬信号を用いて 1 時間以

上の予備動作を行うことが望ましい。

スピーカは,予備動作の終了後,測定に入る前に接続を切って,1 時間以上の回復時間をおく。

13 

形式の提示 

13.1 

一般 

形式の提示は,13.2 及び 13.3 の規定によって製造業者が行う。

注記  表 及び附属書 参照。

13.2 

スピーカユニット 

13.2.1 

変換器の原理 

変換器の原理は,例えば,動電形,静電形,圧電形などのいずれであるかを提示する。

13.2.2 

形式 

スピーカユニットの形式は,例えば,直接放射形又はホーン形,単一ユニット形又は複合形のいずれで

あるかを提示する。

13.3 

スピーカシステム 

スピーカユニットの個数及び形式並びに音響負荷の種類,例えば,箱,ホーン,バスレフ,柱状又は線

状を提示する。

14 

端子及び調整部の表示 

14.1 

一般 

端子及び調整部は,次の原則によって IEC 60268-1 及び IEC 60268-2 に従って表示する。

14.2 

極性(正側端子) 

14.2.1 

規定する特性 

スピーカ前面の音圧が上昇する場合,スピーカユニットの端子は,印加した正電圧側の端子を正(又は

プラス)端子,他方を負(又はマイナス)端子とする。

14.2.2 

表示 

正電圧側の端子には,+印,赤印又は製造業者の指定する方法で表示する。

14.2.3 

試験法 

電池などによってスピーカの正端子に正電圧を短時間加え,

スピーカ前面近傍の音圧の上昇を確認する。

また,表示の正しさは,音圧の上昇によって確認する。

注記  IEC 60268-1 では,

“端子及び調整部には,それらの機能,特性及び極性を明確に表す適切な表

示をする。表示は,使用者に対する取扱説明書に示しているとおりに,調整部を十分な正確さ

で操作でき,かつ,その調整位置を確認できなければならない。

”と規定している。


9

C 5532

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15 

基準面,基準点及び基準軸 

注記 1  これらは,3.2.1 に従う定格条件である。

注記 2  厳密に言えば,これらの用語は,製造業者が定義し,かつ,測定できないことから,“定格”

(例えば,定格基準面)という用語を含むのが妥当である。ただし,

“定格”を用いずに,短

い用語を用いても問題はない。

15.1 

基準面 

スピーカユニット又はエンクロージャの機構的特性の基準になる面であって,製造業者が指定する。

基準面は,基準点の位置及び基準軸の方向の決定に用いる。

注記  対称的な構造の場合,基準面は,一般的にスピーカ及びスピーカシステムの前面を決めている

面又は放射面に対して平行である。非対称構造の場合は,図示するのがよい。

15.2 

基準点 

基準面上の点は,製造業者が指定する。

注記  対称的な構造の場合,基準点は,幾何学的対称点である。非対称的構造の場合は,図示するの

がよい。

15.3 

基準軸 

基準点で基準面を貫通する直線で,その方向は製造業者が指定する。基準軸は,指向性及び周波数特性

の測定の基準として用いる。

注記  対照的な構造の場合,基準軸は,通常,放射面又は基準面に垂直である。

16 

インピーダンス及びその関連特性 

16.1 

定格インピーダンス 

注記  これは,3.2.1 に従う定格条件である。

定格インピーダンスは信号源から得られる電力を決めるために,スピーカに置き換える純抵抗の値であ

って,製造業者が指定する。

定格周波数帯域内ではインピーダンスの値の最低値は,定格インピーダンスの 80 %未満になってはなら

ない。これ以外の帯域の周波数(直流を含む。

)において,この値よりも小さくなる場合は,仕様書に示す。

16.2 

インピーダンス曲線 

16.2.1 

規定する特性 

インピーダンス曲線は,周波数の関数として表したインピーダンスの絶対値で規定する。

16.2.2 

測定方法 

16.2.2.1

スピーカは,3.2.2 a)b)及び d)による標準測定条件下におく。

16.2.2.2

定電圧又は定電流(定電圧が一般的である。

)の信号を加える。測定に用いる電圧又は電流は,

スピーカが線形動作をするように十分小さな値を用いる。

注記  インピーダンスの測定は,駆動レベルによる影響が大きい。レベルが小さすぎたり又は大きす

ぎたりした場合は,不正確な結果となる。データは,最もよい条件を設定するために数種の電

圧又は電流で測定して,確実性を調べることが望ましい。

16.2.2.3

インピーダンスの絶対値は,

少なくとも 20 Hz から 20 kHz までの周波数帯域にわたって測定する。

16.2.2.4

結果は,周波数の関数としてグラフで表示する。測定に用いた電圧又は電流の値は,結果ととも

に明記する。


10

C 5532

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16.3 

全 値(Q

t

 

16.3.1 

規定する特性 

19.2

に従い,共振周波数における音響的又は機械的インピーダンスの抵抗成分に対する慣性成分(又は

弾性成分)の比を,全 値として規定する。

注記 1  この規格の目的から,Q

t

は,スピーカユニット及び密閉箱スピーカシステム(両方とも動電

形だけ)に対して定義する。

注記 2  Q

t

は,16.4 に従うスピーカユニットの等価空気体積 V

as

及び 19.2 に従う共振周波数 f

r

ととも

にスピーカの低域性能を決定する。

16.3.2 

全 値(Q

t

)の測定方法 

Q

t

は,16.2 に従ってスピーカの電気的インピーダンス曲線から次の式によって算出できる。

1

1

2

1

2

1

2

0

1

2

r

0

t

=

r

r

r

f

f

f

r

Q

ここに,

f

r

19.2

によるスピーカの共振周波数

r

0

f

r

におけるスピーカのインピーダンスの最大値|Z(f)|

max

と直流抵抗 R

dc

との比

f

1

及び f

2

f

r

に関してほぼ対称に位置する周波数。f

1

f

r

f

2

の関係

にあり,各周波数のインピーダンスの値 Z

1

=|Z(f

1

)|及び

Z

2

=|Z(f

2

)|は等しく,r

1

×R

dc

である。

r

1

周波数 f

1

f

2

におけるインピーダンス値|Z(f

1

)|の R

dc

対する比

注記 1  図 参照。

0

1

r

r

=

及び f

r

2

1

f

f

で置き換える場合には,Q

t

の計算におけるインピーダンス曲線の非対称に原因

する誤差は,最小になる(

注記 参照)。Q

t

の表現は,次の式によって簡略に算出できる。

(

)

1

2

0

2

1

t

f

f

r

f

f

Q

=

注記 2  上記の式で示す

Q

t

は,インピーダンス曲線の非対称の原因であるボイスコイルのインダクタ

ンスを無視するという簡単な理論から導かれる。

図 1−スピーカのインピーダンス曲線

R

dc

f

1

        f

r

        f

2

dc

0

R

r

f

|Z(f)|

max

=r

o

R

dc

 

Z


11

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16.4 

スピーカユニットのコンプライアンスの等価空気体積(V

as

 

16.4.1 

規定する特性 

スピーカユニットと等価な音響コンプライアンスをもつ空気の体積を規定する。

注記  等価空気体積

V

as

は,全

Q

値(

Q

t

16.3 参照)及び共振周波数

f

r

19.2 参照)とともにスピー

カの低域での性能を適切に表し,エンクロージャ及び位相反転形スピーカシステムの低域設計

に利用する。

16.4.2 

測定方法 

16.4.2.1

スピーカユニットを放射開口部が非対称の位置にある,次の特性をもつ丈夫な試験用の箱に取り

付ける。

−  箱の大きさ及び形状は,スピーカユニットの大きさ及び意図する用途に対し適切なものとする。

−  フランジの付いた栓によって位相反転形と完全密閉形とに切り換えることができる簡単なベント付の

箱とする。

16.4.2.2

ベントを塞いで,ゼロよりも大きい周波数で入力インピーダンスの位相がゼロになる最低の周波

数から,システムの共振周波数

f

0

を測定する。

注記 1  直列に抵抗を入れてユニットを駆動し,抵抗とユニットとの端子電圧をオシロスコープの水

平及び垂直入力にそれぞれ接続することで測定できる。だ円のパターンが崩れて直線になる

ときが位相ゼロである。

注記 2  16.2.2.2 の注記参照。

16.4.2.3

ベントを開いて,周波数を上げながら,ゼロよりも大きい周波数で位相がゼロになる最初の 3 周

波数を求め,これを

f

L

f

B

及び

f

H

とする(

f

B

は,最小インピーダンスの辺りで生じる。ボイスコイルのイ

ンダクタンスの影響は受けるが,これが箱の実際の共振周波数である。ただし,この

f

B

は,計算には用い

ない。

。共振周波数

f

B0

(ボイスコイルのインダクタンスがないと考えた場合,単純化した理論を応用でき

る場合に用いる。

)は,次の式によって算出する。

2

0

2

H

2

L

0

B

f

f

f

f

+

+

=

16.4.2.4

自由音場にある無限大バフルにスピーカを取り付けた場合のスピーカユニットの共振周波数は,

次の式によって算出する。

B0

H

L

0

r

f

f

f

f

=

16.4.2.5

スピーカユニットのコンプライアンスの等価空気体積は,次の式によって算出する。

=

1

2

0

r

0

B

as

f

f

V

V

ここに,

V

B

試験箱の内容積

16.4.2.5A  16.4.2.1

16.4.2.5 は位相反転箱を用いる方法であるが,密閉箱を用いる方法は JA.4 による。

17 

入力電圧 

17.1 

定格ノイズ電圧 

注記  これは,3.2.1 に従う定格条件の一つである。


12

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17.1.1 

規定する特性 

定格ノイズ電圧は,スピーカに熱的及び機械的な損傷を与えることなく加えることができるプログラム

模擬信号(

附属書 JA 参照)の電圧で,製造業者が指定する。

注記  この値は,スピーカの取付方によって変化する(例えば,指定のエンクロージャに取り付けて

いるかなど。

17.1.2 

測定法 

17.1.2.1

測定系には,次の機器(又はその相当品)を含む。

−  ピンクノイズ信号発生器

−  プログラム模擬信号(IEC 60268-1 に従うノイズ信号。

附属書 JA も参照)を得るための適切な重み付

け用ネットワーク

−  クリッピングネットワーク付きの電力増幅器

−  指定に従い取り付けた被測定スピーカ。スピーカユニットは,製造業者によるエンクロージャ又はバ

フルの指定がない場合,バフルなしで試験する。

注記 1  2 個以上のスピーカを同時に試験する場合は,スピーカ間の影響が出ないよう注意するこ

とが望ましい。

注記 2  限定した周波数範囲で動作するようスピーカを設計し,周波数範囲を制限するネットワー

クがそのスピーカに附属していない場合は,試験をするときに,製造業者指定のネットワ

ークを確認し,用いることが望ましい。このネットワークは,スピーカには必須なもので

あり,定格インピーダンスは,そのネットワークを含めた状態で指定することが望ましい。

注記 3  測定系の各要素の結線の順序は,図 のとおりであることが望ましい。スピーカは,IEC 

60268-1

に規定する大気条件が得られる 8 m

3

以上の測定室に設置する。

17.1.2.2

電力増幅器の周波数レスポンスは,被測定スピーカの入力端子で測ったとき,周波数範囲 20 Hz

∼20 kHz において±0.5 dB 以内とする。被測定スピーカ端子におけるクリップしたノイズは,IEC 60268-1

に規定する周波数分布をもち,クレストファクタは 1.8∼2.2 とする。

17.1.2.3

電力増幅器は,スピーカの定格インピーダンス(16.1 参照)の 1/3 以下の出力インピーダンスを

もち,試験ノイズ電圧の 2 倍以上のピーク電圧をクリップすることなく供給できなければならない。

17.1.2.4

スピーカの試験は,規定の個々の室内空気の条件の下で,スピーカの定格ノイズ電圧を 100 時間

連続印加して行う。

17.1.2.5

試験直後,スピーカを一般の部屋又は測定室の通常の環境に放置する。その他の時間の規定がな

い場合,回復時間は 24 時間とする。

17.1.2.6

スピーカは,放置後,スピーカのタイプごとにデータシートに記載した特性と比較し,共振周波

数の変化を除いて,電気的,機械的及び音響的特性に著しい変化がない場合,この試験の要求事項を満た

したものとみなしてよい。

注記  変化の許容限度は,取引上の問題であるので,結果の表示をする場合,明示することが望まし

い。

17.1.3 

動作確認 

動作確認のための試聴は,D.1 に従って行ってもよい。

17.2 

瞬時最大入力電圧 

17.2.1 

規定する特性 

17.2.1.1

スピーカユニット又はスピーカシステムに,プログラム模擬信号(IEC 60268-1 に従うノイズ信


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C 5532

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号。

附属書 JA も参照)を 1 秒間加えて,恒久的な損傷を起こさない最大電圧を規定する。

17.2.1.2

この試験は,1 分間おきに 60 回繰り返す。

17.2.2 

測定法 

17.1.2

に指定の定格ノイズ電圧の測定法を適用するが,信号源は,プログラム模擬信号(IEC 60268-1 

従うノイズ信号。

附属書 JA も参照。)で,断続機能をもつ音源とする。

注記  通電時のスピーカに加える電圧の実効値は,スピーカを定格インピーダンスと同値の抵抗に置

き換えて,断続させずに連続するノイズ信号の実効値を計ることによって,簡単に測定できる。

17.2.3 

保護装置 

17.2.3.1

スピーカに保護装置が附属している場合,瞬時最大入力電圧は,製造業者が指定した時間,保護

装置にその電圧を加えて,保護装置が作動する入力電圧とする。

17.2.3.2

いかなる周波数であっても,増幅器に接続した負荷インピーダンスが定格インピーダンスの 80 %

を下回ることで保護装置を動作させる場合,製造業者はスピーカの入力インピーダンスの最小値を明記し

なければならない。

17.3 

最大入力電圧 

17.3.1 

規定する特性 

17.3.1.1

スピーカユニット又はスピーカシステムに,プログラム模擬信号(IEC 60268-1 に従うノイズ信

号。

附属書 JA も参照)を 1 分間加えて,恒久的な損傷を起こさない最大電圧を規定する。

17.3.1.2

この試験は,2 分間おきに 10 回繰り返す。

17.3.2 

測定法 

17.1.2

に指定の定格ノイズ電圧の測定法を適用するが,信号源は,プログラム模擬信号(IEC 60268-1 

従うノイズ信号。

附属書 JA も参照。)で,断続機能をもつ音源とする。

注記  通電時のスピーカに加わる電圧の実効値は,スピーカを定格インピーダンスと同値の抵抗に置

き換えて,断続させずに連続するノイズ信号の実効値を計ることによって,簡単に測定できる。

17.3.3 

保護装置 

17.3.3.1

スピーカに保護装置が附属している場合,最大入力電圧は,製造業者が指定した時間,保護装置

にその電圧を加えて,保護装置が作動する入力電圧とする。

17.3.3.2

いかなる周波数であっても,増幅器に接続した負荷インピーダンスが定格インピーダンスの 80 %

を下回ることで保護装置を動作させる場合,製造業者はスピーカの入力インピーダンスの最小値を明記し

なければならない。

17.4 

定格正弦波電圧 

注記  これは,3.2.1 に従う定格条件の一つである。

17.4.1 

規定する特性 

定格正弦波電圧は,スピーカが熱的及び機械的に損傷なく継続して正常に動作する定格周波数範囲内の

連続正弦波信号電圧で,製造業者が指定する。

注記 1  この値は,周波数の関数として変化するため,周波数とともに幾つかの定格値を示してもよ

い。

注記 2  この値は,箇条 10 に規定するスピーカの取付方法で変化する。

17.4.2 

測定法 

17.1.2

に指定の定格ノイズ電圧での測定法は,試験信号を正弦波信号とする場合には用いない。この方

法は,指定時間内に測定するための限界値として有効である。時間の指定がない場合は,最大 1 時間とす


14

C 5532

:2014

る。

17.4.3 

異常音確認 

異常音確認のための試聴は,D.2 に従って行ってもよい。

18 

入力電力 

18.1 

定格ノイズ電力 

注記 1  これは,3.2.1 による定格条件の一つである。

電力は,定格ノイズ電圧を

U

n

,定格インピーダンスを

R

とした場合,式

U

n

2

/

R

によって算出する。

注記 2  定格ノイズ電力は,定格入力ともいう。

18.2 

瞬時最大入力電力 

瞬時最大入力電圧に相応する電力は,瞬時最大入力電圧を

U

st

,定格インピーダンスを

R

とした場合,

U

st

2

/

R

として定義する。

注記  瞬時最大入力電力は,瞬時最大入力と略称してもよい。

18.3 

最大入力電力 

最大入力電圧に相応する電力は,瞬時最大入力電圧を

U

lt

,定格インピーダンスを

R

とした場合,

U

lt

2

/

R

として定義する。

注記  最大入力電力は,最大入力と略称してもよい。

18.4 

定格正弦波電力 

注記 1  これは,3.2.1 による定格条件の一つである。

定格正弦波入力電圧に対する電力は,定格正弦波入力電圧を

U

s

,定格インピーダンスを

R

とした場合,

U

s

2

/

R

によって算出する。

注記 2  定格正弦波電力は,定格正弦波入力ともいう。

19 

周波数特性 

19.1 

定格周波数範囲 

注記 1  これは,3.2.1 による定格条件の一つである。

被測定スピーカに対して用いる場合の周波数範囲として定義する。

注記 2  特に,スピーカを,ツイータ若しくはウーハとしてだけ用いるか,又は音声用としてだけ用

いる場合には,実効周波数範囲と一致しなくてもよい。

19.2 

共振周波数 

19.2.1 

スピーカユニットの共振周波数 

周波数を低域から増加させたとき,電気インピーダンスの絶対値が最初に最大値を示す周波数として定

義する。音響環境(自由音場又は半自由音場)及び測定用のエンクロージャを用いる場合,その特性を含

めた取付条件を,共振周波数の値とともに示さなければならない。

注記  スピーカユニットは,10.1 に従って取り付けてもよい。

19.2.2 

密閉形スピーカシステムの共振周波数 

周波数を低域から増加させたとき,電気インピーダンスの絶対値が最初に最大値を示す周波数として定

義する。クロスオーバネットワークは全て含んでいる。

19.3 

位相反転形又はパッシブラジエータ形スピーカシステムのチューニング周波数 

周波数を低域から増加させたとき,電気インピーダンスの絶対値が最初に最大値を示した後,最初に最


15

C 5532

:2014

小値を示す周波数として定義する。クロスオーバネットワークは全て含んでいる。

20 

自由音場及び半自由音場条件における音圧 

20.1 

指定周波数帯域における音圧 

20.1.1 

規定する特性 

スピーカに指定周波数帯域のピンクノイズを指定の電圧で加えたとき,基準軸上及び基準点からの指定

距離に生じる音圧として規定する。

20.1.2 

測定法 

20.1.2.1

スピーカを自由音場,又は半自由音場の標準測定条件下に置く。半自由音場の場合は,反射平面

と同一平面に取り付けたスピーカユニットだけに適用する。

20.1.2.2

測定系には,次の機器を含む。

−  被測定スピーカ

−  ピンクノイズ信号発生器

−  スピーカに用いる信号の周波数帯域を制限する 24 dB/オクターブ以上の傾斜をもつバンドパスフィル

20.1.2.3

指定周波数帯域幅をもつ指定の電圧

U

p

のピンクノイズ信号をスピーカに加える。

20.1.2.4

音圧は,指定距離において測定する。指定周波数帯域に等しい帯域幅をもつフィルタがない場合

は,この周波数帯域を,JIS C 1514 に従い

n

×1/3 オクターブ幅に分割し,ピンクノイズ信号を加える。こ

の場合,各 1/3 オクターブ周波数幅ごとの被測定スピーカに加える電圧は,

U

p

/

n

である。この音圧は,次

の式によって算出する。

( )

2

1

1

2

i

r



=

=

=

n

i

i

p

p

ここに,

p

i

1/3 オクターブ幅の音圧

20.1.2.5

条件は,結果とともに明示する。

20.2 

指定周波数帯域における音圧レベル 

音圧レベルは,20.1.1 に従い,測定した音圧と基準音圧(20 μPa)との比を対数で求め,20 倍して dB(デ

シベル)として規定する。

20.3 

指定周波数帯域における特性感度 

20.3.1 

規定する特性 

特性感度は,20.1.1 に従い,入力 1 W 及び基準軸上 1 m の音圧として規定する。

20.3.2 

測定法 

測定は,20.1.2 に従って行い,電圧

U

p

は,入力 1 W に相応する値にする。ここで,

R

を定格インピーダ

ンスとした場合,

U

p

は,

R

に等しい。

20.4 

指定周波数帯域における特性感度レベル 

特性感度レベルは,20.3.1 に従い,特性感度と基準音圧(20 μPa)との比を対数で求め,20 倍して dB(デ

シベル)として規定する。

20.5 

指定周波数帯域における平均音圧 

20.5.1 

規定する特性 

周波数帯域内の,全ての 1/3 オクターブ周波数幅における音圧の自乗の算術平均の平方根として規定す


16

C 5532

:2014

る。

20.5.2 

測定法 

スピーカに加える 1/3 オクターブ周波数幅の電圧は,

U

p

とする。それ以外の条件は,20.1.2 と同じとす

る。指定周波数帯域における平均音圧は,次の式によって算出する。

n

p

p

r

m

=

注記

P

r

の値を求める式は,20.1.2.4 参照。

20.6 

指定周波数帯域における平均音圧レベル 

平均音圧レベルは,20.5.2 による

p

m

と基準音圧(20  μPa)との比を対数で求め,20 倍して dB(デシベ

ル)として規定する。

21 

自由音場及び半自由音場条件におけるレスポンス 

21.1 

周波数レスポンス 

21.1.1 

規定する特性 

音圧レベルは,自由音場条件又は半自由音場条件の下で測定し,基準軸及び基準点による指定位置に置

いて,指定の一定電圧の正弦波信号又は帯域ノイズ信号を用いて,周波数の関数として規定する。

21.1.2 

測定法 

21.1.2.1

スピーカを自由音場又は半自由音場環境の標準測定条件下に置く。

21.1.2.2

定電圧の帯域ノイズ信号又は正弦波信号をスピーカに加える。

21.1.2.3

測定は,少なくとも 21.2 に従う実効周波数範囲を含める。

帯域制限したノイズ信号による測定は,次のいずれかの方法によって行う。

a)

スピーカに(スピーカの実効周波数範囲に制限した)ピンクノイズを加え,マイクロホンの出力信号

を,1/3 オクターブバンドフィルタによって解析する方法。

b)

スピーカに 4.4 に従う狭帯域のノイズ信号を加える方法。

注記  b)の方法による場合は,マイクロホン側にフィルタは不要であるが,用いてもよい。

21.1.2.4

結果は,周波数の関数としてグラフで表す。音響環境及び用いた測定法を明記する。

21.1.3 

低周波数の測定補正 

無響室の低域吸音特性によって,21.2 に従う実効周波数範囲の低域限度まで自由音場レスポンスとして

の正確な測定ができず,自由音場条件から誤差を生じる場合は,次のような低域の補正を行う。

21.1.3.1

測定スピーカを無響室から取り除き,校正用の基準スピーカを設置する。基準点及び基準軸は,

測定スピーカと同じにする。

基準スピーカは,指向特性が補正を必要とする周波数帯域で測定スピーカと十分一致するものを選び,

また,その自由音場周波数レスポンスは,対象となる低周波数まで延びていなければならない。

注記 1  基準スピーカの周波数レスポンスを正確に求めることが必要である。低周波数レスポンスを

制限した基準スピーカ(共振周波数が 150 Hz 以上)を用いて,大きな無響室(例えば,8 m

×10 m×12 m)で測定を行うと十分正確な結果が得られる。低周波数レスポンスの延びたス

ピーカでは,屋外でタワーの上(地上から 10 m,又はそれ以上の高さで)から測定すること

が必要である。

注記 2  マルチ・ユニットをもつスピーカシステムの低周波数レスポンス測定では,基準点は,低域

用ユニットの基準点である。


17

C 5532

:2014

21.1.3.2

基準スピーカの周波数レスポンス測定に用いる装置及び手法は,21.1.2 によってスピーカを測定

するものと同じにする。

21.1.3.3

基準スピーカで測定した周波数レスポンスと,既知の校正した自由音場レスポンスとの偏差が生

じる低周波帯で,基準化したレスポンスと測定したレスポンスとの差を測定スピーカの補正とし用いる。

21.2 

実効周波数範囲 

21.2.1 

規定する特性 

21.1.2

に従う正弦波を用いて基準軸上で測定したスピーカの周波数レスポンスが,最大感度となる領域

における 1 オクターブ幅,又は製造業者が指定するそれよりも広い帯域の平均音圧レベルよりも,10 dB

以上低下しない下限周波数及び上限周波数で囲んだ周波数範囲を,実効周波数範囲として規定する。10 dB

以上のレベル低下でも,1/9 オクターブ(1/3 オクターブの 1/3)よりも狭い周波数レスポンスの急しゅん

(峻)な落ち込みは,周波数の限界を決める場合には無視する。

21.2.2 

測定法 

実効周波数範囲は,21.1.1 に規定する周波数レスポンスから求めてもよく,この場合は,正弦波だけを

用いる。

21.3 

伝達関数 

21.3.1 

規定する特性 

自由音場又は模擬自由音場条件下において,基準軸及び基準点を基にした指定位置で,指定の一定電圧

をスピーカ端子に加えて測定した,周波数の関数としての音圧振幅及び位相。その他の規定がない場合,

スピーカ端子に加える電圧は,1 V とする。

測定に用いる信号レベルは,測定結果が非直線性によって影響を受けないレベルとする。

音圧の振幅は,通常,等価音圧レベルとして表す。位相を周波数の関数として示す場合,スピーカとマ

イクロホンとの間の伝ぱ(播)遅延による位相シフトは取り除く。

21.3.2 

測定法 

21.3.2.1

スピーカは,模擬自由音場環境の標準測定条件下に置く。

21.3.2.2

対象とする周波数範囲と少なくとも同等のスペクトル帯域幅をもつインパルス信号をスピーカ

に加える。

注記  十分な SN 比を得るため,反響による音圧レベルが無視できる程度まで減衰する十分な時間間

隔をあけて測定を繰り返し,その結果を平均化してもよい。測定に必要な時間を最小限に抑え

るために,試験信号に周波数特性の補正(プリエンファシス)を行い,測定音圧を復元(ディ

エンファシス)してもよい。

21.3.2.3

音圧は,21.3.2.1 及び 21.3.2.2 の条件の下に測定し,結果は,周波数の関数として示す。これは,

通常,音圧信号をサンプリング及びデジタル化し,デジタルフーリエ解析装置又はコンピュータでフーリ

エ変換することによって求めることができる。測定信号の周波数領域への変換に当たって,周波数範囲全

域にわたって,算出音圧レベルが 0.1 dB を超える誤差を生じさせる方法を用いてはならない。

21.3.2.4

校正済で周波数の影響を受けないアッテネータ,並びにプリエンファシス及びディエンファシス

の素子を含むマイクロホン信号測定系を介して,スピーカ端子に加えたインパルス信号を測定する。結果

は,21.3.2.3 によって周波数の関数として示す。

21.3.2.5

スピーカの伝達関数は,マイクロホン感度及びアッテネータの校正値を考慮の上,21.3.2.3 に規

定する手順での測定結果を,21.3.2.4 の測定結果で除したものである。これは,周波数の関数として,1 W

の入力に対する等価音圧レベルで表す振幅及び位相のプロットとして表示する。


18

C 5532

:2014

22 

出力(音響出力) 

22.1 

任意の周波数帯域における音響出力 

22.1.1 

規定する特性 

特定の入力信号として与えられた中心周波数

f

の周波数帯域において,スピーカから放射する全音響出

力を規定する。

22.1.2 

測定法 

22.1.2.1 

一般 

22.1.2.1.1

スピーカを自由音場,半自由音場又は拡散音場環境の標準測定条件下に置く。測定は,選択し

た環境において,次の 22.1.2.2 及び 22.1.2.3 で行う。

22.1.2.1.2

結果は,周波数の関数としてのグラフで表示する。

22.1.2.2 

自由音場又は半自由音場条件における音響出力の測定 

22.1.2.2.1

被測定スピーカを囲む,自由音場の場合は大きな球面上に,半自由音場の場合は大きな半球面

上(ISO 3744 又は ISO 3745 参照)に均等に分布した多数の点における,実効値音圧の自乗を平均する。

22.1.2.2.2

スピーカシステムが回転対称軸をもつ場合,平均処理の過程で適切に重み付けした測定を行う

場合は,この軸を含む一平面における測定で十分である。

22.1.2.2.3

自由音場条件における音響出力は,次の式によって算出する。

( )

( )

( )

f

p

r

f

p

c

r

f

P

2

2

2

0

2

a

031

.

0

4

=

=

ρ

π

ここに,

P

a

(

f

): 音響出力(W)

r

球の半径(m)

p

(

f

): 球面上の平均音圧(Pa)

ρ

0

及び

c

空気の密度及び音速

半自由音場条件における音響出力は,次の式によって決定する。

( )

( )

( )

f

p

r

f

p

c

ρ

r

f

P

2

2

2

0

2

a

016

.

0

π

2

=

=

22.1.2.3 

拡散音場条件における音響出力の測定 

22.1.2.3.1

中心周波数

f

の周波数帯域における音圧は,20.1.2 に従い決定する。

22.1.2.3.2

スピーカの音響出力[

P

a

(f)

]は,近似的に次の式から得られる。

( ) ( ) ( )

4

2

a

10

=

f

p

f

T

V

f

P

ここに,

P

a

(f)

音響出力(

W

V

残響室の容積(

m

3

T(f)

対象周波数帯域における室の残響時間(

s

p(f)

音圧(

Pa

注記 1

フィルタは,スピーカの系,又はスピーカとマイクロホンとの両方の系に挿入してもよい。

注記 2

スピーカの音響出力の測定法として基準音源を用いたその他の方法は,ISO 3743-1 及び ISO 

3743-2

に規定している。

22.2 

任意の周波数帯域における平均音響出力 

22.2.1 

規定する特性 

対象周波数帯域内の全

1/3

オクターブ周波数幅における音響出力の算術平均を規定する。

22.2.2 

測定法 


19

C 5532

:2014

22.2.2.1

測定は,22.1.2 によって行う。

22.2.2.2

平均音響出力は,対象とする周波数範囲において,全

1/3

オクターブ周波数幅で測定した個々の

音響出力の算術平均として算出する。

22.3 

任意の周波数帯域における効率 

22.3.1 

規定する特性 

中心周波数

f

の周波数帯域において,スピーカから放射する音響出力と,供給される電力との比を規定

する。

22.3.2 

測定法 

任意の周波数帯域における効率は,次の方法によって測定する。

a)

測定は,22.1.2 に従って行う。

b)

電力は,3.2.2 に従って決定する。

c)

任意の周波数における効率は,音響出力と電力との比で与える。

22.4 

任意の周波数帯域における平均効率 

22.4.1 

規定する特性 

対象周波数帯域内の全ての

1/3

オクターブ周波数幅における効率の算術平均を規定する。

22.4.2 

測定法 

22.4.2.1

特定の周波数帯域における効率は,22.3.2 に従って決定する。

22.4.2.2

平均効率は,対象とする周波数帯域に含まれる個々の

1/3

オクターブ幅の効率の算術平均として

算出する。

23 

指向特性 

23.1 

指向感度特性 

23.1.1 

規定する特性 

自由音場における特定の基準面内での放射音の周波数の違い,及び基準軸と測定軸との間の角度の違い

によって表される音圧を規定する。測定軸は,基準点とマイクロホンとを結ぶ線である。

23.1.2 

測定法 

23.1.2.1

スピーカは,自由音場環境の標準測定条件下に置く。

23.1.2.2

測定用マイクロホンは,基準点から指定の距離の,基準軸を含む指定された平面内に置く。

23.1.2.3

正弦波信号又は帯域ノイズ信号を必要に応じて用い,スピーカに加える。入力電圧は,基準軸上

で指定の点の音圧が一定になるように個々の周波数又は帯域ごとに調整する。

23.1.2.4

指向感度特性の表示は,次のいずれかの方法による。

a)

指向性パターン  定格周波数又は周波数帯域における極座標曲線の集合として表す。

少なくとも

500 Hz

1 000 Hz

2 000 Hz

4 000 Hz

及び

8 000 Hz

の周波数を含む

1/3

オクターブ又は

1

オクターブで,定格周波数範囲にわたって連続的に角度が変化する装置を用いて測定する。

b)

指向周波数特性  基準軸からのそれぞれの角度に対する周波数特性曲線の集合として表す。

注記 1

角度として

15

°間隔を用いることが望ましい。

注記 2

 AES

報告は,AES-5id

-1997

を参照。

23.1.2.5

23.1.2.4 a)

の測定結果は,IEC 60268-1 及び IEC 60263 に従って極座標にプロットする。

注記 1

大きなローブは,適切に調査したものであることを明確にし,十分注意することが必要であ

る。結果の表示をする場合は,基準軸に対する測定軸の方向を定める必要がある。ポイント


20

C 5532

:2014

ごとにグラフに表示する場合は,用いた角度を明記する。

注記 2

ツイータのような非常に小形のスピーカに対しては,上記以外の高い周波数を用いる必要が

ある。これらの周波数は,IEC 60268-1 を参照することが望ましい。

注記 3

スピーカの基準軸のレベルは,極座標のゼロレベルに一致させることが望ましい。

23.2 

放射角 

23.2.1 

規定する特性 

基準軸を含む平面内において,基準軸上の音圧レベルに対し,同じ測定距離における音圧レベルの減衰

10 dB

未満である位置の,基準軸に対して測定した角度。この要求を満たす周波数範囲を明示する。

23.2.2 

測定法 

23.2.2.1

放射角は,23.1.2.4 a)によって測定した定格周波数範囲における指向性パターンから推定する。

23.2.2.2

スピーカの指向感度特性が二つの直交する平面において異なる場合,その値は,それぞれの面に

ついて示す。

注記

放射角は,横軸に周波数,縦軸に角度をとり,

0

°に対して対称形に,グラフとしてプロットし

てもよい。

23.3 

指向指数 

23.3.1 

規定する特性 

次の

2

点の音圧比を,

dB

(デシベル)として規定する。

スピーカの基準軸上の特定の

1

点で測った音圧。

そのスピーカと同じ音響出力を放射する点音源が,自由音場の同一測定位置で再生すると思われる音

圧。

23.3.2 

測定法 

指向指数

D

i

は,23.3.2.1 又は 23.3.2.2 のいずれかによって決定する。

23.3.2.1 

a)

音圧レベル(

L

ax

)を,自由音場環境の下,

1 m

の距離で 20.1.2 に従い測定する。

b)

拡散音場下の音圧レベル(

L

p

)を測定する。

c)

上記二つの測定では,共に帯域制限したピンクノイズの指定電圧を,スピーカに加える。

d)

指向指数(

D

i

)は,次の式によって算出する。

dB

25

log

10

log

10

o

o

p

ax

i

+

+

=

V

V

T

T

L

L

D

ここに,

L

ax

自由音場条件において基準軸上で測定し,

1 m

に換算

した音圧レベル

L

p

拡散音場条件において測定した音圧レベル

T

残響室の残響時間(

s

T

o

基準残響時間

1 s

V

残響室容積(

m

3

V

o

基準容積

1 m

3

25

SI

単位系における一定定数に関する近似値

23.3.2.2 

a)

23.1.2.4 a)

に従う指向性パターンから得られる音圧の自乗を,22.1.2.2 及び 22.1.2.3 に規定する方法の

一つを用い,球面上全体にわたって積分して平均値

s

m

を求める。

b)

軸上の音圧の自乗値

s

o

を決定する。


21

C 5532

:2014

c)

指向指数

D

i

は,

s

o

s

m

との比の対数の

10

倍として,計算する。

23.4 

保証角 

23.4.1 

規定する特性 

基準軸を含む平面内で測定した指向性パターン上の主たる盛り上がり部の両側で,音圧が最大レベルよ

6 dB

低いレベルとなる方向間の角度を規定する。

角度は基準軸を含む面において測定する。

指向性パターンは,23.1 に規定した中心周波数をもつオクターブバンドノイズを用いて測定する。

基準軸を通る異なる平面内で異なる保証角となるように設計したスピーカにおいては,

23.2.2.2

に従い二

つ以上の直交する平面について規定する。

23.4.2 

測定法 

スピーカの実効周波数範囲が

2.8 kHz

及び

5.7 kHz

4 kHz

1/2

オクターブ上下)の両方を含む場合は,

中心周波数が

4 kHz

のオクターブバンドノイズで測定した指向性パターンによって,保証角を求める。

実効周波数範囲が中心周波数

4 kHz

のオクターブバンドを含まない場合は,実効周波数範囲内の上限に

近い周波数のオクターブバンドノイズの測定によって,保証角を求める。

保証角は,別の中心周波数のオクターブバンドノイズで求めてもよい。

その中心周波数は,測定データとともに明記する。

注記

同じオクターブバンドにおける保証角と指向指数との関係は,おおよそ次の式で求めてもよい。

( ) ( )

{

}





=

2

/

sin

2

/

sin

arcsin

180

log

10

i

B

A

D

ここに,

A

及び

B

二つの直交する平面での保証角(°)

24 

振幅非直線性 

注記

振幅非直線性とは,入力信号の特性に依存するが入力信号には存在しない周波数成分が,音響

システム又は音響機器の出力に表れる現象である(IEC 60268-2 参照)

24.1 

全高調波ひずみ 

24.1.1 

規定する特性 

スピーカに正弦波信号を加えたときの,出力信号のひずみ成分の実効値と全出力信号の実効値との比を

規定する。

24.1.2 

定格正弦波入力電圧以下の入力における測定法 

24.1.2.1

スピーカシステムの場合は自由音場条件下に,スピーカユニットの場合は半自由音場条件下に置

く。スピーカに,正弦波電圧を低周波数から高周波数まで増加させながら

5 kHz

まで加える。選定する入

力電圧は,定格正弦波電圧(17.4 参照)を超えてはならない。周波数範囲は,ステップバイステップ法で

は,大切な情報が欠けてしまうことがあるので,周波数連続可変法によってカバーするのが最善である。

24.1.2.2

測定用マイクロホンは,その他の規定がない場合,基準点から

1 m

の位置に設置する。

24.1.2.3

必要がある場合,基本波を抑制するハイパスフィルタを用いた,波形分析器のような選択形電圧

計を,測定用マイクロホンに接続する。

24.1.2.4

次数ごとの高調波

p

nf

の音圧を測定する。

24.1.2.5

マイクロホンに接続した広帯域電圧計を用いて,基本波を含む全音圧

p

t

を測定する。電圧計は,

高調波の真の実効値を示すものを用いる。

24.1.2.6

全高調波ひずみは,次の式によって決定する。


22

C 5532

:2014

パーセントの場合:

100

t

2

2

3

2

2

t

×

+

+

+

=

p

p

p

p

d

nf

f

f

%

デシベルの場合:

100

log

20

t

dt

d

L

=

 dB

24.1.2.7

測定の結果は,基本周波数の関数としてグラフで表示する。ひずみの値は,周波数連続可変法を

用いる場合はデシベルで表し,ステップバイステップ法を用いる場合はパーセントで表す。

結果とともに,次の事項を表示する。

−  入力電圧及び 1 m に換算した音圧レベル。

−  周波数連続可変法又はステップバイステップ法のうち,いずれか用いた方法。

−  用いた周波数の全て:測定用マイクロホンの基準点からの距離が 1 m でない場合は,その距離及び測

定条件(自由音場又は半自由音場)

24.1.3 

定格正弦波入力電圧を超える入力における測定法 

24.1.3.1

スピーカシステムの場合は自由音場条件下に,スピーカユニットの場合は半自由音場条件下に置

く。スピーカにトーンバースト信号を,周波数を増加させながら加える。トーンバースト信号は,定常レ

スポンスと同じ結果が得られるように十分な長さをもつものを用いる。その振幅は,瞬時最大入力電圧

17.2 参照)を超えない値に設定する。

注記  周波数の設定は,通常,ステップバイステップ法によることが望ましい。

24.1.3.2

測定用マイクロホンは,その他の規定がない場合,基準点から 1 m の位置に設置する。

24.1.3.3

マイクロホンに到達したトーンバースト・レスポンスを検出するために,サンプリングプロセス

を用いる。サンプリング周波数は,必要な最も高い高調波成分の検出のために十分に高い周波数に設定す

る。ゼロ・クロスひずみを除くために,サンプリング間隔をトーンバースト信号のゼロ・クロスと同期さ

せるか,又はマイクロホンの検出信号には窓(通常,ハニング窓が適切である。

)をかける。基本波を含む

全音圧 P

t

及びその高調波成分 P

nf

を分析するために,

1 回又は複数回のデータからスペクトラムを求める。

24.1.3.4

定格正弦波電圧を超える入力電圧における全高調波ひずみは,24.1.2.6 に規定する式によって決

定する。

24.1.3.5

定格正弦波電圧を超える入力電圧における,第 2 次高調波ひずみ及び第 3 次高調波ひずみの成分

は,24.2.2.6 に規定する式によって決定する。

24.1.3.6

結果とともに,次の事項を表示する。

−  入力電圧,及び 1 m に換算した音圧レベル。

−  周波数連続可変方法又はステップバイステップ法のうち,いずれか用いた方法。

−  測定に用いた全ての周波数。

−  距離が 1 m でない場合は,測定用マイクロホンの基準点からの距離。

−  測定条件(自由音場又は半自由音場)

24.2 

第 次高調波ひずみ(n又は 3 

24.2.1 

規定する特性 

スピーカに正弦波信号を加えたときの,出力信号の 次高調波成分の実効値と全出力信号の実効値との

比として規定する。

24.2.2 

定格正弦波入力電圧以下の入力における測定法 

24.2.2.1

通常,スピーカシステムの場合は自由音場条件下に,スピーカユニットの場合は半自由音場条件


23

C 5532

:2014

下に置く。

スピーカに,

正弦波入力電圧を低周波数から高周波数まで増加させながら加える。

選定する入力電圧は,

意図する用途に最も適切な電圧とし,定格正弦波電圧(17.4 参照)を含むものとするが,その値を超えて

はならない。

注記  ステップバイステップ法では大切な情報が欠けてしまうことがあるので,周波数連続可変法に

よることが望ましい。

24.2.2.2

測定用マイクロホンは,その他の規定がない場合,基準点から 1 m の位置に設置する。

24.2.2.3

必要がある場合,基本波を抑制するハイパスフィルタを用いた,波形分析器のような選択形電圧

計を,測定用マイクロホンに接続する。

24.2.2.4

次数ごとの高調波 p

nf

の音圧を測定する。

24.2.2.5

マイクロホンに接続された広帯域電圧計を用いて,基本波を含む全音圧 p

t

を測定する。

24.2.2.6

第 2 次高調波ひずみは,次の式によって決定する。

パーセントの場合:

100

t

2

2

×

=

p

p

d

f

%

デシベルの場合:

=

100

log

20

2

d2

d

L

 dB

第 3 次高調波ひずみは,次の式によって算出する。

パーセントの場合:

100

t

3

3

×

=

p

p

d

f

%

デシベルの場合:

=

100

log

20

3

d3

d

L

 dB

24.2.2.7

測定の結果は,基本周波数の関数としてグラフで表示する。ひずみの値は,周波数連続可変法を

用いる場合はデシベルで表し,ステップバイステップ法を用いる場合はパーセントで表す。

結果とともに,次の事項を表示する。

−  入力電圧及び 1 m に換算した音圧レベル。

−  周波数連続可変法又はステップバイステップ法のうち,いずれか用いた方法。

−  用いた周波数の全て:測定用マイクロホンの基準点からの距離が 1 m でない場合は,その距離及び測

定条件(自由音場又は半自由音場)

24.3 

特性高調波ひずみ 

24.3.1 

規定する特性 

指定周波数帯域における平均音圧に換算した全高調波ひずみを規定する。

24.3.2 

測定法 

24.1.2

に従う数式の全音圧 p

t

を,1/3 オクターブ幅に帯域制限したピンクノイズ信号をスピーカに加えて

20.5.2

に従って決定した平均音圧 p

m

に,置き換える。ここで,各々の 1/3 オクターブでの信号電力は,24.1.2

による全高調波ひずみの測定に用いる測定用信号電力と同じとする。

24.4 

第 次変調ひずみ(n又は 3 

24.4.1 

規定する特性 

周波数 f

2

±(n−1)f

1

におけるひずみ成分の音圧の実効値の算術和と,信号 f

2

による音圧 p

f2

の実効値との

比として規定する。

f

1

及び f

2

は二つの入力信号の周波数であり,f

1

は f

2

より低い周波数となるようにそれらの信号の振幅比


24

C 5532

:2014

を規定する。

24.4.2 

測定法 

24.4.2.1

スピーカを,自由音場又は半自由音場条件下に置く。周波数が f

1

及び f

2

f

1

f

2

/8),かつ,振幅比

が 4:1 の二つの正弦波信号発生器を 1 台の増幅器の入力端子に接続し,f

1

及び f

2

の周波数が線形重畳した

出力信号をスピーカに加える。

注記  二つの信号を増幅器に入力する方法は,IEC 60268-3 に従うことが望ましい。

24.4.2.2

測定用マイクロホンは,その他の規定がない場合,基準点から 1 m の点に設置する。

24.4.2.3

波形分析器を測定用マイクロホンに接続する。測定したひずみ成分には,変調ひずみとドップラ

ー効果との両方が含まれる。この二つのひずみを分離するために,位相の測定が必要である。周波数 f

2

±f

1

及び f

2

±2f

1

の変調成分だけを対象とする。

注記  通常,高次成分の測定は意味がない。

24.4.2.4

第 2 次変調ひずみは,次の式によって決定する。

パーセントの場合:

(

)

(

)

100

2

1

2

1

2

f

m2

×

+

=

+

p

p

p

d

f

f

f

f

%

デシベルの場合:

=

100

log

20

2

dm2

d

L

 dB

3

次変調波ひずみは,次の式によって決定する。

パーセントの場合:

(

)

(

)

100

2

1

2

1

2

f

2

2

m3

×

+

=

+

p

p

p

d

f

f

f

f

%

デシベルの場合:

=

100

log

20

3

dm3

d

L

 dB

24.4.2.5

測定結果は,基準電圧の関数としてグラフで示す。ここで,基準電圧とは,スピーカの端子に加

えた試験信号と同じピークトゥピーク値をもつ正弦波の実効値である。測定条件(自由音場又は半自由音

場)

,周波数

f

1

及び

f

2

並びにそれらの振幅比を,結果とともに明記する。

24.5 

第 次特性変調ひずみ(n又は 3 

24.5.1 

規定する特性 

n

次特性変調ひずみは,指定周波数帯域における周波数

f

1

を除く全音圧として規定する。

24.5.2 

測定法 

音圧

p

f2

を,20.1 に従い指定周波数帯域における,周波数

f

1

を除く全音圧に置き換えるほかは,測定は

24.4.2

に従って行う。

24.6 

差周波数ひずみ(第 次だけ) 

24.6.1 

規定する特性 

差周波数ひずみは,周波数が

f

1

及び

f

2

で,電圧実効値が等しい二つの正弦波をスピーカに加えたとき,

スピーカから放射する周波数(

f

2

f

1

)の成分と全音圧との比として規定する。

24.6.2 

測定法 

24.6.2.1

スピーカを,自由音場又は半自由音場条件下に置く。周波数が

f

1

及び

f

2

(通常,

f

2

f

1

80 Hz

で等しい電圧の二つの正弦波信号を増幅器に入力し,

f

1

及び

f

2

が線形重畳した出力信号をスピーカに加え

る。

注記

  f

1

の最低周波数の推奨値はスピーカの定格周波数範囲内で,

f

1

f

2

との差周波数の

2

倍離れた

周波数である。


25

C 5532

:2014

24.6.2.2

測定用マイクロホンは,その他の規定がない場合,基準点から

1 m

の点に設置する。

24.6.2.3

中心周波数を(

f

2

f

1

)に合わせた狭帯域バンドパスフィルタをマイクロホンに接続し,周波数(

f

2

f

1

)成分の実効値を測定する。

24.6.2.4

2

次差周波数ひずみは,次の式によって決定する。

パーセントの場合:

(

)

100

2

1

1

2

×

+

=

f

f

f

f

p

p

p

d

 %

ここに,

P

f

は周波数

f

における音圧。

デシベルの場合:

=

100

log

20

d

d

L

 dB

24.6.2.5

測定結果は,測定電圧と周波数との関数としてグラフで表示する。

周波数:

2

2

1

f

f

+

また,測定条件(自由音場又は半自由音場)を結果とともに表示する。

25 

定格周囲条件 

25.1 

温度範囲 

25.1.1 

性能維持温度範囲 

性能維持温度範囲は,スピーカの特性の変化が指定の許容差を超えない温度範囲とする。

25.1.2 

動作限界温度範囲 

動作限界温度範囲は,動作中又は保存中の環境的温度範囲とする。これを超えた場合,動作特性に恒久

的な変化が生じる可能性がある。

25.2 

湿度範囲 

25.2.1 

性能維持相対湿度範囲 

性能維持相対湿度範囲は,スピーカの特性の変化が指定の許容差を超えない相対湿度範囲とする。

25.2.2 

動作限界相対湿度範囲 

動作限界相対湿度範囲は,動作中又は保存中の環境的相対湿度範囲とする。これを超えた場合,動作特

性に恒久的な変化を生じる可能性がある。

26 

漏えい磁界 

注記

スピーカから発生する磁界の程度を知ることは,近くに位置するその他の機器,例えば,テレ

ビジョン,ビデオ機器,コンピュータ装置,航空機内使用機器などへの妨害を防止するために

必要である。

26.1 

静的成分 

26.1.1 

規定する特性 

スピーカへの入力がないときの,エンクロージャ又はスピーカの構成部品から

30 mm

離れたあらゆる位

置及び方向における静的な漏えい磁界の最大値で規定し,単位は

A/m

とする。

この静的成分(

H

)は,磁気誘導としても測定することができる。この場合,次の式を用いて

A/m

に換

算可能である。

0

μ

B

H

=


26

C 5532

:2014

ここに,

μ

0

真空の透磁率(=

×

10

7

 H/m

B

磁束密度(

T

26.1.2 

測定法 

26.1.2.1

静的成分は,ホール素子プローブ(又はその他の適切なタイプのプローブ)を用いた磁束計で測

定する。

図 に示すように,被測定スピーカとプローブとの距離を一定に保つために非磁性体のホルダ(例

えば,木製又はプラスチック製)を用いる。

26.1.2.2

地磁気の影響を除くために,測定を始める前に機器の取扱説明書に従って,機器のゼロ校正を行

う。このため,ホール素子プローブの向きを

図 に示すように,地磁気による出力がゼロとなるヌル方向

に固定する。

そして測定区域が均一低レベル磁場とみなせるように,

近傍からあらゆる磁性体を取り除く。

26.1.2.3

方向を固定したホール素子プローブに対し,被測定スピーカの測定値が最大値を示すように位置

及び方向を動かす。この測定は,スピーカを動かさずに,ホール素子プローブを動かしてもよい。ただし,

この場合,測定空間に存在する磁界の強さが,測定値の

1/10

を超えないようにする。

26.1.2.4

測定した磁界の強さの最大値を,

A/m

で表し,記録する。

注記

報告書には,被測定スピーカの測定結果が最大値となる場所及び方向を,測定の基準面及びス

ピーカの基準点共に記載することが望ましい。この情報は,図表で表してもよい。

26.2 

動的成分 

26.2.1 

規定する特性 

IEC 60268-1

に規定するプログラム模擬信号をスピーカに入力したときのエンクロージャ,又はスピー

カの構成部品から

30 mm

離れたあらゆる位置及び方向における漏えい磁界の静的成分と交流成分との最

大値で規定し,

A/m

で表す。

静的成分と交流成分との両方を規定する。結果とともに,プログラム模擬信号の電圧も規定する。

26.2.2 

測定法 

26.2.2.1

被測定スピーカは,IEC 60268-1 に従うプログラム模擬信号(

附属書 JA も参照)の定格ノイズ電

圧(17.1 参照)を加えて測定する。

26.2.2.2

静的成分及び交流成分は,ホール素子プローブ磁束計(又は

10 kHz

程度まで測定可能なその他

の適切なタイプの磁束計)で測定する。交流成分は,IEC 60268-1 に従う標準サーチコイルによって測定

できる。26.1.2 の測定と同様,被測定スピーカとプローブとの距離を一定に保つために,非磁性体のホル

ダ(例えば,木製又はプラスチック製)を用いる。

26.2.2.3

静的成分に関する測定手順は,26.1.2.2 と同様とする。

26.2.2.4

交流成分に関しては,測定の前に測定周波数帯域内で外部磁界の強さが測定値の

1/10

を超えない

ようにホール素子プローブ(又はフラックスメータ)の方向を固定する。

注記

要求される測定精度を得るために,測定区域から電磁誘導を発生させる物体を全て取り除いて,

測定値に影響を与えないようにすることが望ましい。

26.2.2.5

方向を固定したホール素子プローブに対し,被測定スピーカの測定値が最大値を示すように位置

及び方向を動かす。この測定は,スピーカを動かさずに,ホール素子プローブを動かしてもよい。ただし,

この場合,測定空間に存在する磁界の強さが,測定値の

1/10

を超えないようにする。

26.2.2.6

測定した磁界の強さの静的成分及び交流成分の最大値を,

A/m

で表し,記録する。

注記

報告書には,被測定スピーカの測定結果が最大値となる場所及び方向を,測定の基準面及びス

ピーカの基準点共に記載することが望ましい。この情報は,図表で表してもよい。


27

C 5532

:2014

26A

  耐電圧 

26A.1

  規定する特性 

スピーカ端子と露出している金属との間に,印加される可能性のある商用交流電圧を規定する。スピー

カユニットに適用する。

26A.2

  試験法 

a)

商用周波数の商用電源電圧を

1

分間加え異常(放電など)がないことを確かめる。

b)

その後,17.3.2 及び 17.4.3 に規定する試験を行い,異常の有無を調べる。

26B

  絶縁抵抗 

26B.1

  規定する特性 

スピーカ端子と露出している金属との間の直流抵抗値を規定する。スピーカユニットに適用する。

26B.2

  測定法 

商用電源電圧にほぼ等しい直流電圧の絶縁抵抗計で測定する。

26C

  機械的性能 

26C.1

  規定する特性 

スピーカの使用中又は輸送中に加わる振動及び落下に対する性能を規定する。

26C.2

  振動試験 

a)

スピーカユニットを取付板に取り付けて,振動試験機に固定する。

b)

JIS C 60068-2-6

の掃引耐久試験を,スピーカの基準軸方向及びそれと直交する方向にそれぞれ行う。

振動の厳しさは,製造業者が指定する値とする。特に指定がない場合,振動数範囲

10

55 Hz

,変位

振幅

1.5 mm

及び掃引回数

20

回とする。

c)

振動試験機から取り外し,17.3.2 及び 17.4.3 に規定する試験を行い,異常の有無を調べる。

注記 1

試験条件は,JIS C 60068-2-6 を参照。

注記 2

使用状態において常時振動を受ける車載用スピーカなどでは,より厳しい試験が必要である。

注記 3

この試験は,スピーカユニット以外に適用してもよい。

26C.3

  落下試験 

26C.3.1

  スピーカユニット 

JIS C 60068-2-31

の方法

1

自然落下の規定によって,製造業者が指定する床面に,指定の姿勢で

2

回落

下させた後,外観並びに 17.3.2 及び 17.4.3 の試験を行い,異常の有無を調べる。

26C.3.2

  包装状態 

JIS Z 0202

によって,製造業者が指定する落下高さ,落下部位及び落下回数によって試験した後,外観

並びに 17.3.2 及び 17.4.3 の試験を行い,異常の有無を調べる。

27 

物理的特性 

27.1 

寸法 

スピーカの外形寸法及び取付寸法を規定する。

注記

対応国際規格で引用している IEC 60268-14 

2008

年に廃止されているため,ここでは参照し

ない。

27.2 

質量 

使用に供する状態のスピーカの質量を規定する。


28

C 5532

:2014

27.3 

ケーブル接続 

ケーブル接続及びコネクタについては,IEC 60268-11 又は IEC 60268-12 のいずれかによる。

28 

設計データ 

次の追加情報を,規定する。

エアギャップの総磁束

エアギャップの磁束密度

エアギャップ内の磁気エネルギ

ボイスコイルの直流抵抗

ボイスコイルの巻数

マグネットの質量,材質及び形式

ボイスコイルの巻長さ

エアギャップの幅

ボイスコイルの最大振幅

X

p-p

29 

明記する特性の提示 

表 に,製造業者が提示するデータを

X

印で,製造業者が提示することを推奨するデータを

R

で示す。

ただし,用途によって省略してもよい場合がある。

A

:スピーカ上のラベル(又は定格表示板)に表示するデータ

B

:スピーカを購入する前にユーザが入手可能な文書に記載するデータ。

スピーカシステムにおいて,漏えい磁界がその他の機器に影響を与えるおそれがある場合は,その旨を

記載する。製造業者が与える数値は,

“定格…”として指定することが望ましい。


29

C 5532

:2014

表 1−明記する特性の提示

箇条及び細分箇条

スピーカ 
ユニット

スピーカ
システム

A B A B

13  形式の提示 
13.2  スピーカユニット

13.2.1  変換器の原理

− X −

13.2.2  形式

− X −

13.3  スピーカシステム

X

14  端子及び調整部の表示 
14.1  一般

X

− X −

14.2  極性(正側端子) X

− X −

15  基準面,基準点及び基準軸 
15.1  基準面

− X −

X

15.2  基準点

− X −

X

15.3  基準軸

− X −

X

16  インピーダンス及びその関連特性 
16.1  定格インピーダンス X

X

X

16.2  インピーダンス曲線

− X −

16.3  全 値(Q

t

− R −

16.4  スピーカユニットのコンプライアンスの等価空気体積(V

as

− R −

17  入力電圧 
17.1  定格ノイズ電圧

− X −

X

17.2  瞬時最大入力電圧

− R −

R

17.3  最大入力電圧

− X −

X

17.4  定格正弦波電圧

− X −

X

18  入力電力 
18.1  定格ノイズ電力(定格入力)

− X −

X

18.2  瞬時最大入力電力(瞬時最大入力)

− R −

R

18.3  最大入力電力(最大入力)

− X −

X

18.4  定格正弦波電力(定格正弦波入力)

− X −

X

19  周波数特性 
19.1  定格周波数範囲

− X −

X

19.2  共振周波数

− X −

R

19.3  位相反転形又はパッシブラジエータ形スピーカシステムのチューニング周波数

R

20  自由音場及び半自由音場条件における音圧 
20.6  指定周波数帯域における平均音圧レベル

− X −

X

21  自由音場及び半自由音場条件におけるレスポンス 
21.1  周波数レスポンス

− X −

X

21.2  実効周波数範囲

− X −

X

21.3  伝達関数

− R −

R

22  出力(音響出力) 
22.4  任意の周波数帯域における平均効率

− R −

R

23  指向特性 
23.1  指向感度特性

− R −

R

23.2  放射角

− R −

R

23.3  指向指数

− R −

R

23.4  保証角

− R −

R


30

C 5532

:2014

表 1−明記する特性の提示(続き) 

箇条及び細分箇条

スピーカ 
ユニット

スピーカ
システム

A

B

A

B

24  振幅非直線性 
24.1  全高調波ひずみ

− R − R

24.2  第 次高調波ひずみ(n=2 又は 3)

− R − R

24.4  第 次変調ひずみ(n=2 又は 3)

− R − R

24.6  差周波数ひずみ(第 2 次だけ)

− R − R

25  定格周囲条件 
25.1  温度範囲

− R − R

25.2  湿度範囲

− R − R

26  漏えい磁界 
26.1  静的成分

− R − R

26.2  動的成分

− R − R

26A  耐電圧

− R − R

26B  絶縁抵抗

− R − R

26C  機械的性能 
26C.2  振動試験

− R − R

26C.3  落下試験

− R − R

27  物理的特性 
27.1  寸法

− X −

X

27.2  質量

− X −

X

27.3  ケーブル接続

− X −

X

28  設計データ

− R − R


31

C 5532

:2014

単位  mm

150

22

5

16

50

1350

図 2−標準バフルの寸法

図 3−標準バフルのえぐり

図 4−標準バフルの補助バフル

30°

補助バフル

2

補助バフル 1

えぐり

えぐり

30°


32

C 5532

:2014

単位  mm

内容積  約 600 L

図 5−標準密閉箱  

単位  mm

700

500

63

0

83

0

1088

866

R100

内容積  約 450 L

図 6−標準密閉箱 

940

640

480

1240


33

C 5532

:2014

G :ピンクノイズ信号発生器 
F

1

 :重み付け用ネットワーク

F

2

 :スピーカ用ネットワーク

C  :クリッピングネットワーク 
A

1

:バッファ増幅器

A

2

:バッファ増幅器

A

3

:電力増幅器

R

1

:可変抵抗器(クレストファクタ調整)

R

2

:可変抵抗器(出力調整)

V :実効値形電圧計 
SP:被測定スピーカ

図 7−試験用ブロックダイヤグラム

単位  mm

図 8−漏えい磁界の測定装置(ホール素子プローブ)

被測定スピーカ

ホール素子プローブ

非磁性支持棒

D=25

L=300

R=30

磁束計

V

F

1

F

2

SP

C

G

A

1

A

2

A

3

R

1

R

2


34

C 5532

:2014

附属書 A

(参考)

標準密閉箱 A 形の例

A.1

  標準密閉箱

A

形の例を,

図 A.1 に示す。

    1  密閉箱本体(合板:厚さ 21 mm 以上又は同等品)

    2  前面バフル(合板:厚さ 21 mm 以上又は同等品)

(交換可能な構造としてもよい)

    3  スピーカ取付用交換パネル(磨き鋼板:厚さ 3 mm 以上又は同等品) 
    4  前面補強材(70 mm×50 mm) 
    5  内部補強材(70 mm×70 mm)

    6  角部補強材 
    7  後面補強材(100 mm×50 mm)

    8  吸音材(グラスウール:厚さ 50 mm,密度 20 kg/m

3

又は同等品を用いることで定在波を軽減できる。

)上記

2 及び 3 以外の各面には吸音材を貼り付ける。

注記  寸法は,図 に示している。

図 A.1−標準密閉箱 形の例

A.2

  自由音場特性から半自由音場特性を求めるために,基準軸上

1 m

での標準密閉箱

A

形の回折効果の

補正曲線を,

図 A.2 及び図 A.3 に示す。

注記

半自由音場は,約

10.1 m

×

8.2 m

のバフルである。

8

7

6

2

3

5

4

1


35

C 5532

:2014

図 A.2−自由音場特性から半自由音場特性を求める標準密閉箱の回折効果の補正曲線 

(口径

30 cm

38 cm

及び

46 cm

のスピーカの平均値)

図 A.3−自由音場特性から半自由音場特性を求める標準密閉箱の回折効果の補正曲線 

(口径

6 cm

10 cm

及び

20 cm

のスピーカの平均値)

(dB)

-10

-5

0

5

10

10

100

1 000

10 000

周波数(Hz)

(dB)

-

10

-

5

0

5

10

10

100

1 000

10 000

周波数(Hz)


36

C 5532

:2014

附属書 B

(参考)

標準密閉箱 B 形の例

B.1

  標準密閉箱

B

形の例を,

図 B.1 に示す。

1  密閉箱本体(合板:厚さ 25 mm 以上又は同等品) 
2  スピーカ取付用交換パネル(スピーカ固定具:合板又は同等品) 
3  前面補強材 
4  内部補強材 
5  吸音材(グラスウール:厚さ 50 mm,密度 20 kg/m

3

又は同等品を用いることで定在波を軽減できる。

注記  寸法は,図 に示している。

図 B.1−標準密閉箱 形の例 

B.2

  寸法可変標準密閉箱

B

形の構造の詳細及び寸法を,

図 B.2 及び表 B.1 に示す。

5

1

4

2

 3


37

C 5532

:2014

注記  表 B.1 参照

図 B.2−寸法可変標準密閉箱 形の構造

表 B.1−寸法可変標準密閉箱 形の寸法及び比率

標準密閉箱の寸法

シンボル

比率

        幅

内寸

                外寸

W

i

W

e

1

NA

        高さ

内寸

                外寸

H

i

H

e

1.202

NA

        奥行 1

内寸

                外寸

D

1i

D

1e

1.274

 a)

NA

        奥行 2

内寸

                外寸

D

2i

D

2e

1.596

 a)

NA

半径

100 mm

板厚

>24 mm(V

n

b)

≥ 100)

>18 mm(V

n

b)

<100)

側板補強材

1 本又は 2 本

注記 1  シンボルの添字“i”は内部寸法,“e”は外部寸法を意味する。NA は適用外を意

味する。ただし,寸法はその他の仕様に依存する。

注記 2  Aはそれぞれ,バフルのフラットな面の幅方向,高さ方向の寸法を意味する。 

a)

  平均奥行比 D

12

が D

12

=(1.274+1.596)/2=1.435 で,

後板傾斜角 α が α=15 度である。

b)

  V

n

は,測定箱の内容量である。

B.3

  自由音場特性から半自由音場特性を求めるために,基準軸上

1 m

での標準密閉箱

B

形の回折効果の

補正曲線を,

図 B.3 及び図 B.4 に示す。

注記

半自由音場は,約

10.1 m

×

8.2 m

のバフルによる。

D

2e

D

1e

R

W

e

B

 

H

e

α 


38

C 5532

:2014

図 B.3−自由音場特性から半自由音場特性を求める標準密閉箱の回折効果の補正曲線 

(口径

30 cm

38 cm

及び

46 cm

のスピーカの平均値)

図 B.4−自由音場特性から半自由音場特性を求める標準密閉箱の回折効果の補正曲線

(口径

6 cm

10 cm

及び

20 cm

のスピーカの平均値)

(dB)

-

10

-5

0

5

10

10

100

1 000

10 000

周波数(Hz)

(dB)

-10

-5

0

5

10

10

100

1 000

10 000

周波数(

Hz


39

C 5532

:2014

附属書 C 
(参考)

箇条 13 で用いる用語及び定義

この附属書は,箇条 13 に関する事柄を補足する。

C.1

  変換器の原理 

C.1.1 

動電(可動線輪)形スピーカ 

静磁界中におかれた導体に流した電流によって生じる力で振動板を駆動するスピーカ。

C.1.2 

静電(コンデンサ)形スピーカ 

静電的な力で振動板を駆動するスピーカ。

C.1.3 

圧電(結晶)形スピーカ 

圧電効果によって生じる力で振動板を駆動するスピーカ。

C.1.4 

電磁(可動鉄片)形スピーカ 

強磁性体の可動部に働く磁力で振動板を駆動するスピーカ。

C.2

  形式 

C.2.1 

直接放射形スピーカ 

振動板から直接,音を放射する構造のスピーカ。

C.2.2 

ホーン形スピーカ 

振動板前部に,断面積が連続的に変化するホーンの一端を取り付け,他端から音を放射する構造のスピ

ーカ。

C.2.3 

コンプレッション駆動ユニット 

振動板前部に,振動板と空気との間のインピーダンスマッチングを取るために用いる音響負荷装置を取

り付けたスピーカ。

C.3

  スピーカシステム 

C.3.1 

バフル 

振動板前後を音響的に分離するための隔壁。

C.3.2 

エンクロージャ 


40

C 5532

:2014

振動板の後方から放射される音波を遮るための密閉した箱。

C.3.3 

バスレフ(位相反転)形エンクロージャ 

密閉した箱の壁面に,ダクト又は振動板を設け,より低い周波数まで再生帯域を広げることのできるエ

ンクロージャ。

C.3.4 

ホーン 

片端から他端へ断面積が連続的に変化している,音響インピーダンスのマッチング及び指向性の調整を

行うための音響的整合器。

C.3.5 

柱(線)状スピーカシステム

指向性をもつように,複数個のスピーカを直線状に配置したスピーカシステム。

C.3.6 

コアキシャルスピーカシステム 

複数のスピーカを同軸上に配置したスピーカシステム。


41

C 5532

:2014

附属書 D 
(参考) 
試聴試験

D.1

  動作確認 

被測定スピーカにプログラム信号を加えて,正常に動作することを確認する。

a)

スピーカを,箇条 10 の規定によって取り付ける。

b)

スピーカの定格ノイズ電圧に等しい実効電圧のプログラム信号を加える。

c)

音量,音質,雑音及びその他の異常の有無を調べる。

注記 1

プログラム信号とは,正常なスペクトル分布の音声又は音楽である。

注記 2

この試験は,主に製造工程中に行い,結果の報告は要求しない。

D.2

  異常音確認 

この試験は,スピーカ端子に定格正弦波電圧を加えたとき,スピーカが正常に動作することを確認する

ため,聴音によって摩擦音(

rub

)及び機械的音(

buzz

)などを調べる。

a)

スピーカを,箇条 10 の規定によって取り付ける。

b)

スピーカに,定格正弦波電圧の正弦波信号の周波数を,定格周波数範囲内で変化させながら加えてス

ピーカの音を調べる。必要がある場合,測定電圧は製造業者が自由に選んでもよい。

c)

聴音位置は,特に指定がない場合,スピーカの基準点から

0.3 m

以上離れた,異常の検知しやすい位

置とする。

d)

音量,音質,雑音及びその他の異常音の有無を調べる。

e)

電力増幅器は,スピーカの定格インピーダンスの

1/3

以下の出力インピーダンスをもち,スピーカの

定格正弦波電圧の

2

倍以上の正弦波電圧を供給できなければならない。全高調波は,スピーカ端子で

1 %

を超えてはならない。

注記

この試験は,主に製造工程中に行い,結果の報告は要求しない。


42

C 5532

:2014

附属書 JA

(規定)

補足規定事項

JA.1

  試験信号の詳細 

JA.1.1

  ノイズ信号 

ノイズ信号は,瞬時値が正規確率分布(ガウス分布)をもつ定常ランダム信号で,通常,平均値はゼロ

である。この規格では,ホワイトノイズ信号又はピンクノイズ信号を用いる。

注記 1

ホワイトノイズ信号:単位周波数帯域波幅当たりのエネルギーが周波数に無関係に一定なノ

イズ信号。

注記 2

ピンクノイズ信号:単位周波数帯域波幅当たりのエネルギーが周波数に逆比例するノイズ信

号。

JA.1.2

  プログラム模擬信号 

プログラム模擬信号(IEC 60268-1 参照)は,多くの種類の音声及び音楽を含む広範囲のプログラム音

源を代表した平均パワースペクトル密度をもつ信号で,振幅制限のない一定重み付きガウス分布ノイズで

ある。この信号のパワースペクトルは,JIS C 1513 に規定する

1/3

オクターブバンドフィルタで測定した

場合,

表 JA.1 及び図 JA.1 による。

表 JA.1−プログラム模擬信号のパワースペクトル

周波数

Hz

相対レベル

dB

許容限界

dB

周波数

Hz

相対レベル

dB

許容限界

dB

20

−13.5 3.0 3.0 630

0  0.5 0.5

25

−10.2 2.0 2.0 800

0  0.5 0.5

31.5

−7.4 1.0 1.0

1

000

−0.1 0.6 0.6

40

−5.2 1.0 1.0

1

250

−0.3 0.7 0.7

50

−3.5 1.0 1.0

1

600

−0.6 0.8 0.8

63

−2.3 1.0 1.0

2

000

−1.0 1.0 1.0

80

−1.4 1.0 1.0

2

500

−1.6 1.0 1.0

100

−0.9 0.8 0.8

3

150

−2.5 1.0 1.0

125

−0.5 0.6 0.6

4

000

−3.7 1.0 1.0

160

−0.2 0.5 0.5

5

000

−5.1 1.0 1.0

200

−0.1 0.5 0.5

6

300

−7.0 1.0 1.0

250 0  0.5

0.5

8

000

−9.4 1.0 1.0

315 0  0.5

0.5

10

000

−11.9 1.0 1.0

400 0  0.5

0.5

12

500

−14.8 1.5 1.5

500 0  0.5

0.5

16

000

−18.2 2.0 2.0

630 0  0.5

0.5

20

000

−21.6 3.0 3.0


43

C 5532

:2014

図 JA.1−プログラム模擬信号のパワースペクトルの許容限界

JA.2

  スピーカとマイクロホンとの最小距離 

スピーカとマイクロホンとの最小距離は,次の式によって算出する。

T

V

C

d

1

mn

=

ここに,

d

mn

スピーカと最も近いマイクロホンの最大距離(

m

C

1

0.08

V

部屋の容積(

m

3

T

残響時間(

s

JA.3

  データのグラフ表示 

JA.3.1

  対数目盛及び極座標表示 

対数周波数目盛の表示法及びレベルの極座標表示法については,IEC 60268-1 による。

JA.3.2

  対数周波数目盛 

レベル(

dB

表示)を対数目盛の周波数との関係としてグラフ表示する場合,縦軸におけるレベル差

50 dB

を表す長さが,横軸において

10

1

の周波数比を表す長さと等しいか又は

2

倍となるように目盛を設定す

ることが望ましい。ただし,IEC 60263 に規定する上記のレベル差を

50 dB

ではなく,

10 dB

又は

25 dB

してもよい。

JA.3.3

  レベルの極座標表示 

レベル(

dB

表示)を極座標目盛において半径方向の外側が高い値となるようにグラフ表示する場合,半

径の長さは

25 dB

とし,かつ,表示する最大レベルが最外周から内側へ

2.5 dB

の範囲に入るようにするこ

とが望ましい。半径方向目盛の許容差は,±

0.25 dB

に相当する値とする。

上限

下限


44

C 5532

:2014

25 dB

を上回るレベル差をもつデータを表示する場合は,半径の長さが

50 dB

となるように目盛を設定

する。この場合,表示する最大レベルが,最外周から内側へ

5 dB

の範囲に入るようすることが望ましい。

半径方向目盛の許容差は,±

0.5 dB

に相当する値とする。

これらの事項は,

1 dB

単位でレベルを読み取ることができるように目盛を設定する全ての場合に適用す

る。

絶対レベル表示する場合には,半径の長さを

25 dB

として目盛を設定し,その外周のレベルを

5 dB

の整

数倍とする。半径の長さを

50 dB

として目盛を設定した場合は,その最外周のレベルを

10 dB

の整数倍と

する。相対レベルを表示する場合には,基準とする方向を

0

°とし,基準方向で指定距離での値を

0 dB

する。

JA.3.4

  表示例 

JA.3.4.1

  対数周波数目盛 

10

1

の周波数比を表す長さがレベル差

50 dB

の場合のスピーカの周波数特性の例を,

図 JA.2 に示す。

JA.3.4.2

  極座標表示 

半径が

25 dB

のレベル差に対応する場合の

5 kHz

での小形スピーカの指向性パターンを相対レベルで表

示した例を,

図 JA.3 に示す。

図 JA.2−周波数特性の例


45

C 5532

:2014

図 JA.3−指向性パターンの例 

JA.4

  密閉箱を用いた等価空気体積の測定方法 

密閉箱を用いた等価空気体積の測定方法を,次に示す。

a)

スピーカユニットの共振周波数

f

r

を,19.2 によってインピーダンス曲線から求める。

b)

同じユニットを,放射開口部が非対称な位置にある内容積が既知の丈夫な小形密閉箱に取り付けて,

共振周波数

f

b

を求める。

注記

このシステムのインピーダンス曲線は,新たな共振周波数

f

b

を示す。ただし,

f

b

f

r

である。

c)

ユニットが占める空気の量を考慮に入れて,試験用の箱の内容積

V

b

を求める。

d)

スピーカユニットの等価空気体積

V

as

は,次の式によって算出する。

=

1

2

r

b

b

as

f

f

V

V

 

参考文献

ISO 3743-1

Acoustics

Determination of sound power levels of noise sources

Engineering methods for small,

movable sources in reverberant fields

Part 1: Comparison method for hard-walled test rooms

ISO 3743-2

Acoustics

Determination of sound power levels of noise sources using sound pressure

Engineering methods for small, movable sources in reverberant fields

Part 2: Methods for special

reverberation test rooms

AES-5id-1997, 1998

: Information document for room acoustics and sound reinforcement systems

Loudspeaker

modelling and measurement

Frequency and angular resolution for measuring

presenting and predicting

loudspeaker polar data


附属書 JB

(参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS C 5532:2014

  音響システム用スピーカ

IEC 60268-5:2003

  Sound system equipment−Part 5: Loudspeakers 及び

Amendment 1(2007)

(I)JIS の規定

(II) 
国 際

規 格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇条番号及び

題名

内容

箇条番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

3  測定条件 3.1A  大気条件

追加

測定及び機械的検査の大気条件
を明示した。

日本の実情に合わせた値を明示。

9  音響測定の
精度及びデー

タの表示

9

音響測定の精度 

変更 
 
追加

9A を音響測定の精度とし,規定
内容は同じ。 
9B にデータのグラフ表示を規
定した(附属書 JA.3 も参照)

16  イ ン ピ ー
ダンス及びそ

の関連特性

16.4.2.5A

16

インピーダンス及びそ

の特性(位相反転箱を

用いた方法)

追加

関連する方法として,密閉箱を

用いた方法を追加。

24  振 幅 非 直
線性

24.2.1  規定する特性

24

追加

高調波ひずみの説明を補足。

26  漏 え い 磁

26A  耐電圧 
26B  絶縁抵抗 
26C  機械的性能 
        (振動及び落下)

追加

JIS

独自の追加規定。

JIS

では信頼性試験項目を入れて

いる。

今後 IEC に提案予定。

附属書 JA

追加

本体の規定事項に関連する補足

規定事項を追加した。

46

C

 553

2


2

014


JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 60268-5:2003,Amd.1:2007,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

    −  変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD……………  国際規格を修正している。

47

C

 553

2


2

014