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C 5516

:2015 (IEC 60118-15:2012)

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

2

3

  用語及び定義  

2

4

  制限 

3

5

  セットアップ  

3

5.1

  システム概要  

3

5.2

  推定挿入利得(EIG  

5

5.3

  カプラ利得  

6

6

  測定装置  

6

6.1

  音響的要求事項  

6

6.2

  試験信号  

7

6.3

  イヤホンカプラ及び接続  

9

7

  試験条件  

10

7.1

  補聴器のプログラミング  

10

7.2

  プログラミングにおける装用者の設定(エンドユーザ設定)  

10

7.3

  典型的な補聴器装用者のオージオグラム  

10

8

  測定及び分析  

12

8.1

  測定  

12

8.2

  分析  

13

9

  データの提示  

19

9.1

  LTASS 利得(LTASS EIG 又は LTASS カプラ利得)  

19

9.2

  パーセンタイル利得(パーセンタイル EIG 又はパーセンタイルカプラ利得)  

20

9.3

  利得の表示の解釈  

21

9.4

  必須のデータ  

21

附属書 A(参考)国際音声試験信号(ISTS  

23

参考文献  

26


C 5516

:2015 (IEC 60118-15:2012)

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本補聴器工業会(JHIMA)

及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が制定した日本工業規格であ

る。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の

特許出願及び実用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


   

日本工業規格

JIS

 C

5516

:2015

(IEC 60118-15

:2012

)

音声に近い試験信号による補聴器の信号処理特性の

測定方法

Methods for characterising signal processing in hearing aids with a

speech-like signal

序文 

この規格は,2012 年に第 1 版として発行された IEC 60118-15 を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

実際の使用時における補聴器の特性評価は,JIS C 5512 に従って定めた評価と明確に異なる可能性があ

る。JIS C 5512 では音声と異なる試験信号を用い,補聴器は,一般には,典型的な使用時の設定とは異な

る特定の設定に調整する。

この規格では,推奨する音声に似た試験信号である国際音声試験信号(ISTS)を記述し,この信号を用

いて,ある範囲のオージオグラムに対して実際の使用者の設定か,又は製造業者の推奨する設定のいずれ

かに調整した補聴器の特性を測定する方法を規定する。この規格では,補聴器とは,物理的な補聴器とそ

れに附属するフィッティングソフトウェアとの組合せをいう。

適用範囲 

この規格は,通常の音声を代表するように設計した試験信号である ISTS を,気導補聴器の信号処理特

性の測定方法とともに規定する。この測定は推定挿入利得(EIG)を求めるために行われる。製造,供給

及び配送時に補聴器の特性を評価するために,JIS C 5512 

附属書 JA による 2 cm

3

カプラを用いてカプラ

利得を求める手順も規定する。

注記 1  この規格の対応国際規格では,IEC 60318-5 が引用されているが,この規格では,引用規格

の代わりに JIS C 5512 

附属書 JA を引用した。

手順では音声に近い試験信号を用い,補聴器の設定は個々の使用者向けにプログラムした設定か,又は

水平形,高音漸傾形及び高音急墜形のオージオグラムの範囲の典型的な使用者向けに製造業者が推奨する

設定のいずれかとし,測定した特性が典型的な使用者の設定で補聴器を付けた人が受ける特性と比較でき

るようにする。

この規格の目的は,ある補聴器について,規定する手順に従い,規格の要求事項に適合する装置を用い

て得た測定が実質的に同じ結果となることを保証することである。

非線形処理技術を応用した補聴器では,信号処理の特性の測定結果は,使用した試験信号に対してだけ

有効である。異なる試験信号又は試験条件を必要とする測定は,この規格の適用範囲外である。

この規格の規定に適合することは,測定の結果の誤差を試験機関における測定の実際の拡張不確かさを

用いて広げたものが,この規格の 6.1 によって指定する許容範囲に完全に収まっている場合にだけ実証さ


2

C 5516

:2015 (IEC 60118-15:2012)

   

れる。

補聴器の音響性能について,使用者個人の耳に補聴器を音響的につなぎ,個人の解剖学的個体差による

音響的影響を考慮に入れる測定方法は,実耳測定として知られているが,この規格の範囲外である。

注記 2  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 60118-15:2012

,Electroacoustics−Hearing aids−Part 15: Methods for characterising signal

processing in hearing aids with a speech-like signal(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 1514

  オクターブ及び 1/N オクターブバンドフィルタ

注記  対応国際規格:IEC 61260,Electroacoustics−Octave-band and fractional-octave-band filters(IDT)

JIS C 5512

  補聴器

注記  対応国際規格:IEC 60118-7,Electroacoustics−Hearing aids−Part 7: Measurement of the

performance characteristics of hearing aids for production, supply and delivery quality assurance

purposes 及び IEC 60318-5,Electroacoustics−Simulators of human head and ear−Part 5: 2 cm

3

coupler for the measurement of hearing aids and earphones coupled to the ear by means of ear inserts

(IDT)

IEC 60118-8:2005

, Electroacoustics− Hearing aids−Part 8: Methods of measurement of performance

characteristics of hearing aids under simulated in situ working conditions

IEC 60318-4

,Electroacoustics−Simulators of human head and ear−Part 4: Occluded-ear simulator for the

measurement of earphones coupled to the ear by means of ear inserts

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

3.1 

音圧レベル(sound pressure level)

20 μPa を基準とするデシベル(dB)で表した音圧のレベル。

3.2 

パーセンタイル音圧レベル(percentile sound pressure level)

提示された測定時間にわたり 125 ms の時間間隔で測定した音圧レベルが,ある割合を下回るところの音

圧レベル。dB 単位で表す。

注記 1  例えば,30 パーセンタイル音圧レベルは,測定した音圧レベルの 30 %がその音圧レベルを

下回る。測定した音圧レベルのうち残りの 70 %は,その音圧レベルを上回る。

注記 2 99 パーセンタイルは,音圧レベルのピーク値を示すものと解釈できる。

注記 3  ここで用いるパーセンタイルの定義は,一般の統計学に準じる。この定義は音響学など他の

科学分野と異なる場合がある。


3

C 5516

:2015 (IEC 60118-15:2012)

3.3 

国際音声試験信号,ISTS(international speech test signal,ISTS)

この規格で定義する音声に近い試験信号。

3.4 

長時間平均音声スペクトル,LTASS(long term average speech spectrum,LTASS)

1/3 オクターブバンドで測定した音声の音圧レベルを,長時間にわたり平均化したもの。

注記  この規格では,時間の長さを 45 秒としている。

3.5 

密閉形擬似耳,OES(occluded ear simulator,OES)

IEC 60318-4

で定義された擬似耳。

3.6 

推定挿入利得,EIG(estimated insertion gain of a hearing aid,EIG)

ある人の集団で共通に得られるであろう,実耳挿入利得の推定値。

注記  この推定値は,密閉形擬似耳又は JIS C 5512 の附属書 JA で定義された 2 cm

3

カプラを用いた

補聴器利得の測定値に基づいて推定される。

3.7 

カプラ利得(coupler gain of a hearing aid)

JIS C 5512

附属書 JA で定義した 2 cm

3

カプラによって測定された補聴器の利得。

3.8 

LTASS

利得(LTASS gain of a hearing aid)

ISTS の,LTASS に対する EIG 又はカプラ利得。

3.9 

パーセンタイル利得(percentile gain of a hearing aid)

ISTS の,ある 1/3 オクターブバンド内の音圧レベル分布のうちの,あるパーセンタイルに対する EIG 又

はカプラ利得。

制限 

この規格は,補聴器の特性評価のための技術方法を提供するものであり,挿入利得測定のための臨床的

な手順を定めるものではないが,この規格の測定結果は補聴器装用状態に関する結果の理解を高めるため

に EIG で表す。

頭部,胴体,耳介,外耳道及び鼓膜の解剖学的な多様性のほかに,装用時と擬似耳又はカプラの使用の

違いとによって,EIG は個々人で得られる補聴器装用状態での(実耳装用での)結果と著しく異なる場合

があることに注意する。

セットアップ 

5.1 

システム概要 

試験方法の目的は,ある人の集団で共通に得られるであろう,挿入利得の推定値を得ることである。生

産・供給及び配送のために補聴器を評価する場合は,JIS C 5512 

附属書 JA で規定する 2 cm

3

カプラによ

るカプラ利得を用いる場合もある。

この規格は,1/3 オクターブバンドにおける補聴器利得の測定のために ISTS を採用し,LTASS に対する


4

C 5516

:2015 (IEC 60118-15:2012)

   

利得(LTASS 利得)の概念,及び 125 ms の区分で ISTS の 1/3 オクターブバンド帯域レベルのあるパーセ

ンタイルに相当する時間をそろえた利得の概念を導入する。各帯域の中で,LTASS 利得は試験時間にわた

り平均した利得である。各帯域で,あるパーセンタイルでのパーセンタイル利得は,そのパーセンタイル

で与えられる音圧レベルをもつ ISTS の分布の中の各 125 ms 区間について求められ,これらの利得が試験

時間にわたり平均化される。

この規格の方法によると,ISTS の LTASS と 30,65 及び 99 パーセンタイル値とに対する,EIG(推奨)

及び 2 cm

3

カプラ利得(任意)が得られる。

EIG 測定においては,ISTS は,試験される補聴器の種類に対するマイクロホン位置効果によってスペク

トルが整形される。補聴器の出力は密閉形擬似耳で測定することが望ましいが,2 cm

3

カプラ音圧レベルに

密閉形擬似耳と 2 cm

3

カプラとの差を加えることで推定してもよい。EIG(LTASS 利得又はいろいろなパ

ーセンタイル音圧レベルでの音声利得から計算する。

)は,補聴器の出力の帯域レベルから,対応する ISTS

の帯域レベルと擬似裸耳利得(マネキン非密閉耳利得 minikin unoccluded ear gain)

IEC 60118-8:2005 の

属書 B)とを差し引くことで得られる。

2 cm

3

カプラ利得の測定では,補聴器の入力は ISTS で,その出力は 2 cm

3

カプラの音圧レベルである。

図 及び図 に測定方法の概要を示す。

a) 

図 は,IEC 60318-4 による密閉形擬似耳(OES)又は JIS C 5512 の附属書 JA による 2 cm

3

カプラを

用い,IEC 60118-8 の自由音場−補聴器マイクロホン変換(マイクロホン位置効果)を適用して EIG

を決定するために,8.1.2 によって補聴器のレスポンスを測定する手順を図示する。

注記  図の右側の流れ図は国際音声試験信号(ISTS)に必要な補正を施した上でスピーカから再生

し,補聴器に入力される位置での音(入力信号)を録音する手順を示している。左側の流れ

図は入力信号が供試補聴器によって増幅された音(出力信号)を録音する手順を示している。

録音した入力信号と出力信号とを用いて,8.2 及び

図 によって分析を行う。

b)

図 は,JIS C 5512 の附属書 JA による 2 cm

3

カプラを用い,カプラ利得を決定するために 8.1.3 によ

って補聴器のレスポンスを測定する手順を図示する。

注記  図の右側と左側との流れ図の関係は,図 と同様である。


5

C 5516

:2015 (IEC 60118-15:2012)

5.2 

推定挿入利得(EIG 

注記 1  擬似耳は,IEC 60318-4 に従い,2 cm

3

カプラは,JIS C 5512 

附属書 JA に従っている。

注記 2  縦線をもつブロックは,実際の測定の構成の物理的な部分である。横線をもつブロックは,ソフトウェアに

よる事前及び事後処理のステップである。

図 1EIG の測定手順 

ISTS

試験箱の 
音場補正

マイクロホン

位置効果の補正

スピーカ 
から出力

スピーカ

から補聴器

への伝搬

補聴器で

受音

擬似耳又は

2 cm

3

カプラ

へ出力

カプラ内

マイクロホン

で録音

分析に用いる

出力信号

ISTS

試験箱の 
音場補正

スピーカ 
から出力

スピーカ

から補聴器

への伝搬

参照用

マイクロホン

で録音

分析に用いる

入力信号


6

C 5516

:2015 (IEC 60118-15:2012)

   

5.3 

カプラ利得 

注記 1 2

cm

3

カプラは,JIS C 5512 

附属書 JA に従っている。

注記 2  縦線をもつブロックは,実際の測定の構成の物理的な部分である。横線をもつブロックは,ソフトウェアに

よる事前及び事後処理のステップである。

図 2−カプラ利得の測定手順 

測定装置 

6.1 

音響的要求事項 

音響的な測定は,JIS C 5512 に規定する試験装置,試験条件及び音響試験箱の要求事項によるほか,次

による。

ISTS

試験箱の 
音場補正

スピーカ 
から出力

スピーカ

から補聴器

への伝搬

補聴器で

受音

2 cm

3

カプラ

へ出力

カプラ内

マイクロホン

で録音

分析に用いる

出力信号

ISTS

試験箱の 
音場補正

スピーカ 
から出力

スピーカ

から補聴器

への伝搬

参照用

マイクロホン

で録音

分析に用いる

入力信号


7

C 5516

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a)

使用する試験箱は,200 Hz∼8 kHz の周波数において実質的に自由音場を提供しなければならない。

b)

補聴器は,正面から音が入射する(IEC 61669 に定義する方位角と仰角とが 0 度となる)ように置か

なければならない。補聴器の種類によってこれが適切ではない場合は,実際の入射条件を示すことが

望ましい。

c)

補聴器の基準点における入力音圧レベルは,基準マイクロホンを用いる音圧法又は置換法を用いて一

定に保つ。

d)

使用する 1/3 オクターブバンドフィルタは,250 Hz∼6.3 kHz の公称中心周波数をもつものとする。フ

ィルタは,JIS C 1514 のクラス 2 の要求事項を満たさなければならない。

e)

音響試験箱中の環境騒音及び機械的振動などの妨害音のレベルは,測定結果に 0.5 dB 以上影響しない

よう十分に低いものとする。このことは,信号音源のスイッチを切ったときに,補聴器の出力レベル

が 10 dB 以上低下することで証明される。

f)

補聴器の基準点における音圧レベルは,200 Hz∼2 kHz の範囲では±1.5 dB 以内,及び 2 kHz∼8 kHz

の範囲では±2.5 dB 以内の正確さとする。

g)

試験信号の測定に使用するマイクロホンの自由音場感度は,付随する増幅器及び読み出し装置ととも

に,1 kHz における自由音場感度に対して,200 Hz∼5 kHz の範囲では±1 dB 以内,及び 5 kHz∼8 kHz

の範囲では±2 dB 以内で周波数には依存しないものとする。規準マイクロホンシステムの圧力感度こ

う(較)正は,250 Hz∼1 250 Hz の間の 1 周波数(1 kHz が望ましい。

)でのこう(較)正によるもの

とする。こう(較)正の拡張不確かさは 1 dB 以内とする。

h)

カプラマイクロホンの相対的な圧力感度は,付随する増幅器,読み出し装置とともに,1 kHz におけ

る圧力感度に対して,200 Hz∼5 kHz の範囲では±1 dB 以内,及び 5 kHz∼8 kHz の範囲では±2 dB 以

内で周波数には依存しないものとする。カプラマイクロホンシステムの圧力感度こう(較)正は,250

Hz∼1 250 Hz の間の 1 周波数(1 kHz が望ましい。)でのこう(較)正によるものとする。こう(較)

正の拡張不確かさは 1 dB 以内とする。

6.2 

試験信号 

6.2.1 

国際音声試験信号(ISTS)の仕様 

ISTS を,この規格の測定のための試験信号として用いる。この信号は,著作権をもつ欧州補聴器製造業

者協会によって開発された。それは,16 ビット又は 24 ビットの音声ファイル(

“.wav”形式のファイル)

として,この組織から無料で利用できる。

ISTS は,アラビア語,英語,フランス語,ドイツ語,標準中国語及びスペイン語の女性の話者の録音を

基に作成した。録音は,短い区間に切断され,ランダムな順序で再構成されている。ISTS の説明は,

附属

書 及び参考文献[1]に記載している。ISTS の主な特徴は,次のとおりである。

a)

信号の帯域幅は 100 Hz∼16 kHz である。この規格の測定においては公称中心周波数が 0.25 kHz∼6.3

kHz の全ての 1/3 オクターブ帯域を含む帯域幅だけが関係する。

b)

表 及び図 に音声の LTASS を示す。それは参考文献[2]で報告された女性の話者の平均 LTASS であ

る。音響的な再生の精度は,公称中心周波数が 0.25 kHz∼6.3 kHz の全ての 1/3 オクターブ帯域につい

て±3 dB 以内でなければならない。

c)

表 及び図 に,1/3 オクターブ帯域における 125 ms 時間ブロックでの音圧レベル分布の 30,65 及び

99 パーセンタイルを示す。音響的な再生の精度は,公称中心周波数が 0.25 kHz∼6.3 kHz の全ての 1/3

オクターブ帯域において±3 dB 以内とする。

d)

全持続時間は 60 秒である。より長い持続時間は,60 秒の信号を連結させることで 60 秒の整数倍に増


8

C 5516

:2015 (IEC 60118-15:2012)

   

やすことが可能となる。信号の終点と始点との移行は一致させる。

e)

公称の全音圧レベルは 200 Hz∼5 kHz の帯域で定義される。このレベルは,1 m の距離での通常の会

話音声のレベルと考えられる 65 dB である。

注記 ISTS が 65 dB 以外の音圧レベルで用いるときは,発話努力が異なるレベルに対応しないので,

その信号は,本当の小さい声又は大きい声を表すものではない。

図 31/3 オクターブ周波数帯域別に見た,ISTS の 306599 パーセンタイル及び LTASSdB 

 0.25        0.5        1            2            4          8         16


9

C 5516

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表 11/3 オクターブ周波数帯域別の ISTS の 306599 パーセンタイル及び LTASSdB 

ISTS の各 1/3 オクターブバンドの音圧レベル(dB)

kHz  0.25 0.315 0.40 0.50 0.63 0.80 1.00 1.25 1.60 2.00 2.50 3.15 4.00 5.00 6.30 8.00 10.00 12.50 16.00

99

パーセン

タイル

68.8 65.7 66.5 67.5 67.4 64.4 60.3 59.1 58.1 55.8 53.9 54.0 51.6 51.1 53.2 51.5 50.1 49.7 48.0

65

パーセン

タイル

47.9 48.2 55.3 53.4 52.6 47.6 43.7 41.8 42.8 40.6 39.5 38.6 37.0 35.5 30.9 33.5  36  33.6 32.3

30

パーセン

タイル

34.7 37.7 40.6 42.7 37.2 32.6 30.9 29.9 29.7 28.4 29.6 28.3 27.7 24.2 20.8 23.3 26.1 25.0 22.6

LTASS  55.9 53.1 56.7 56.7 55.4 53.0 49.3 47.3 46.7 43.8 42.3 41.7 40.3 39.6 40.2 39.9 40.0 37.8 36.1

6.2.2 EIG

決定のための試験信号の整形 

従来の測定方法で加える入力音信号は,通常,自由音場環境下で指定される。適用範囲の箇条で説明し

たように,EIG の方法は,人の測定で得られる結果に相当する測定結果を与える。すなわち,補聴器を人

に装着したときには,自由音場環境は,もはや適合しない。

EIG 測定のために,自由音場−補聴器マイクロホン変換(マイクロホン位置効果)を試験信号に適用し

なければならない。最も典型的なほとんどの種類の補聴器に適用される自由音場−補聴器マイクロホン変

換のためのデータは,IEC 60118-8:2005 の

表 A.1 に規定されている。これらのデータに従って試験信号を

整形しない場合には,実際に使用されるデータセットについて明示しなければならない。実際の補聴器の

種類に適切な変換データだけを使用する。規定した入力信号全体の音圧レベルは,整形する前に達成しな

ければならない。

カプラ利得の測定においては,自由音場での入力信号が補聴器に直接加えられる。したがって,試験信

号の変換は不要である。

6.3 

イヤホンカプラ及び接続 

6.3.1 EIG 

補聴器出力の測定のためには,IEC 60318-4 に適合した密閉形擬似耳が推奨するカプラである。IEC

60318-4

の密閉形擬似耳は,実耳に相当する検査時の補聴器のインピーダンス終端を備えている。

補聴器を密閉形擬似耳に接続するために,IEC 60318-4 による適切な擬似耳アダプタを使用する。

密閉形擬似耳を使用しない場合には,その代わりに JIS C 5512 

附属書 JA に従う 2 cm

3

カプラを使用

する。HA-1 カプラは ITE(耳あな型)補聴器に使用する。HA-2 カプラは BTE(耳かけ型)補聴器に使用

する。HA-1 カプラは,外耳道内にレシーバをもつもの又は細いチューブで結合する BTE(耳かけ型)補

聴器にも使用される。

2 cm

3

カプラと OES による測定との比較した結果は,お互いに異なり,その補正を 2 cm

3

カプラに適用

しなければならない。8.2.3 を参照。残る違いは,主に補聴器のレシーバの負荷に起因するものである。

使用したカプラ及びアダプタは,明記しなければならない。使用した設定は,完全な測定一式を再現す

るために十分な詳細を明示する。

6.3.2 

カプラ利得 

カプラ利得を用いる場合には,JIS C 5512 

附属書 JA に従った 2 cm

3

カプラを使用する。HA-1 カプラ

は ITE(耳あな型)補聴器に使用する。HA-2 カプラは BTE(耳かけ型)補聴器に使用する。HA-1 カプラ


10

C 5516

:2015 (IEC 60118-15:2012)

   

は,外耳道内にレシーバをもつもの又は細いチューブで結合する BTE(耳かけ型)補聴器にも使用される。

使用したカプラは,明記しなければならない。使用した設定は,完全な測定一式を再現するために十分

な詳細を明示する。

試験条件 

7.1 

補聴器のプログラミング 

補聴器の設定は,ある補聴器装用者に対する補聴器の性能を評価するために,その補聴器装用者に合わ

せてプログラムする。

もう一つの方法として,

7.3

で定義するオージオグラムから補聴器の適応聴力範囲内にあるものを一つ選

択することによって,典型的な補聴器装用者に合わせてプログラムする。その典型的な補聴器装用者を定

義する全ての関連情報を提供しなければならない。プログラミングは,製造業者が供給するソフトウェア

を使用して,その典型的な補聴器装用者のために典型的で最適な設定にする。

指定したソフトウェアによるプログラミングに影響を与える全ての関連するパラメータ,機能,及び装

用者の設定(エンドユーザ設定,7.2 による。

)は,測定した補聴器の設定を再現できるように情報提供す

ることが望ましい。

測定の都合上,装用者の設定の変更が必要と考えられる場合には,その変更を明示する。

7.2 

プログラミングにおける装用者の設定(エンドユーザ設定) 

7.2.1 

補聴器の機能 

補聴器の全ての設定は,雑音抑制アルゴリズム,フィードバック抑制システム,残響抑制などを含めて

装用者の設定にすることが望ましい。

場合によっては特別な補聴器の設定を使用することがある。これは,試験の状態が補聴器の正常な動作

に影響を与える場合である。例えば,ベント,指向性又は音響環境によってパラメータ又は機能が自動的

に変化するときに関連する補聴器の設定である。利得圧縮の特性,雑音抑制のパラメータ,最大利得の設

定又はその他に関連した特定の設定オプションの効果を実証するためにも,

特別な設定を使うことがある。

周波数転位(周波数圧縮)のような機能は,解釈が困難な測定結果が得られる可能性があるので無効にす

ることが望ましい。全ての場合で,特別な設定は明確に記載しなければならない。

7.2.2 

プログラミングにおけるベントの選択 

補聴器のプログラミングにおいて,プログラミングソフトウェアが,装用者のベントサイズの指定を必

要とする場合がある。そのような場合には,ベントを閉鎖した条件で補聴器をプログラムすることを推奨

する。

その際,補聴器がオープンベント用にプログラムされている場合には,実際にはクローズドベントを用

いて測定したことを明示する。この場合,測定結果は,プログラムしたフィッティングと完全には一致し

ない。

7.2.3 

指向性 

指向性マイクロホンをもつ補聴器は,可能であれば無指向性に設定することが望ましい。

無指向性を選択することが可能でない場合には,そのことを明示しなければならない。これらは補聴器

の指向性システムに左右される測定であると解釈するよう注意することが望ましい。

7.3 

典型的な補聴器装用者のオージオグラム 

典型的な補聴器装用者のための補聴器のプログラミングにおいては,次に定義するオージオグラム群の

中から,補聴器の適応聴力範囲内にあるオージオグラムを一つ選択するのが望ましい。


11

C 5516

:2015 (IEC 60118-15:2012)

水平形及び高音漸傾形の標準的なオージオグラム群を,

表 及び図 に示す。高音急墜形の標準的なオ

ージオグラム群を,

表 及び図 に示す。

聴力レベル HL は,HL=(HL

0.5k

+HL

1k

+HL

2k

+HL

4k

) / 4 で算出する。

ここで,HL

xk

は x kHz における聴力レベルを意味する。

オージオグラム群の導出法は,参考文献[3]に記載している。

まれにしか見られない,多くの変化をもつ他の形のオージオグラムは指定しない(例えば,低音障害形,

クッキーバイト形,混合性,伝音性など)

。上記に指定したオージオグラムのいずれも適切でない場合,製

造業者は,はっきりと定義できるならば他のオージオグラムを指定してもよい。

表 2−水平形及び高音漸傾形の基準のオージオグラム 

No  HL  250 Hz  375 Hz  500 Hz  750 Hz

1 000 Hz 1 500 Hz 2 000 Hz 3 000 Hz  4 000 Hz  6 000 Hz

N1

16

10

10 10

10 10  10 15 20 30 40

N2

31

20

20 20

22.5

25  30 35 40 45 50

N3

46

35

35 35

35 40  45 50 55 60 65

N4

63

55

55 55

55 55  60 65 70 75 80

N5

76

65

67.5

70

72.5

75  80 80 80 80 80

N6

89

75

77.5

80

82.5

85  90 90 95

100 100

N7

103

90

92.5

95

100 105  105 105 105 105 105

図 4−水平形及び高音漸傾形の基準のオージオグラム 


12

C 5516

:2015 (IEC 60118-15:2012)

   

表 3−高音急墜形の基準のオージオグラム 

No  HL  250 Hz  375 Hz  500 Hz  750 Hz 1 000 Hz 1 500 Hz 2 000 Hz 3 000 Hz  4 000 Hz  6 000 Hz

S1

23

10

10

10

10  10 10 15 30 55 70

S2

49

20

20

20

22.5 25 35 55 75 95 95

S3

63

30

30

35

47.5 60 70 75 80 80 85

図 5−高音急墜形の基準のオージオグラム 

測定及び分析 

8.1 

測定 

8.1.1 

一般的事項 

6.2

で規定した 60 秒の ISTS を測定のために用いる。

最初の 15 秒は,補聴器を安定させるために用いる。製造業者は必要ならば全信号の整数倍を加えてより

長い安定時間を指定してもよいが,測定時間(45 秒)

,すなわち,分析される時間信号は固定とする。

測定は,公称中心周波数が 250 Hz∼6.3 kHz の 1/3 オクターブバンドに対して行う。入力信号は,6.2 

示すような音声に近い試験信号で,音圧レベルは通常の音声のレベルに相当する 65 dB とする。6.2 による

同じ信号を用いるが,音圧レベルを 80 dB にまで増幅した大声についても測定を行う。

任意で 6.2 による同じ信号を用い,55 dB の音圧レベルの小声で測定してもよい。しかし,この低い音圧

レベルは測定システムのノイズフロアと重なる可能性があるので注意する。

上記で指定した音圧レベルに加え,

6.2

で示すのと同じ入力信号の減衰又は増幅によって他のレベルの信

号を使用してもよい。


13

C 5516

:2015 (IEC 60118-15:2012)

注記  6.2 の ISTS は,65 dB の通常の会話レベルの音声を表すよう作られている。試験信号を 80 dB

に増幅,又は 55 dB に減衰した場合,試験信号は発話努力が異なるため,大声又は小声の全て

の特性とは一致しない。しかし,増幅又は減衰は音声の異なったレベルに対して補聴器を特徴

付ける上で十分であると考えられる。

8.1.2 EIG 

EIG は,次の手順で測定する。

a) 200

Hz∼8 kHz の帯域幅で試験箱内における補聴器入力を均一にする(イコライジングを行う。)。

b)  6.2.2

による整形をしていない ISTS を用いて,補聴器入力部における全音圧レベルを 65 dB に設定す

る。

c)

整形をしていない ISTS の最後の 45 秒を録音する。補聴器はスイッチを切るか取り除く。この録音は

繰り返し測定でも同じままであり,再利用することができる。

d)

試験装置のレベルを変更することなく,6.2.2 で規定するとおりに ISTS を整形し,補聴器への入力信

号とする。

e)

分析のために密閉形擬似耳(OES)又は 2 cm

3

カプラで補聴器の出力の最後の 45 秒を録音する。

f)

ステップ b)  における全音圧レベルを 80 dB に設定し,この試験を繰り返す。任意の 55 dB の場合も同

様。

8.1.3 2 

cm

3

カプラ利得(任意) 

2 cm

3

カプラにおける利得は,次の手順で測定する。

a) 200

Hz∼8 kHz の帯域幅で試験箱内の補聴器の入力を均一にする。

b)

整形していない ISTS を用いて,補聴器入力部における全音圧レベルを 65 dB に設定する。

c)

入力信号の最後の 45 秒を録音する。補聴器はスイッチを切るか取り除く。この録音は繰り返し測定で

も同じままであり,再利用することができる。

d) 2

cm

3

カプラで補聴器の出力の最後の 45 秒を分析のために録音する。

e)

ステップ b)  における全音圧レベルを 80 dB に設定し,この試験を繰り返す。任意の 55 dB の場合も同

様。

8.2 

分析 

8.2.1 

一般的事項 

8.1.2

及び 8.1.3 で測定され録音された入力信号及び補聴器出力信号は,試験信号の LTASS と 30,65 及

び 99 パーセンタイル値とに対する EIG 又は 2 cm

3

カプラ利得を得るために分析する。分析方法の概要を,

図 に示す。


14

C 5516

:2015 (IEC 60118-15:2012)

   

注記  カプラ補正値は表 による。擬似裸耳利得は IEC 60118-8:2005 の附属書 による。

図 6−分析の概要 

遅延時間の

算出及び

出力信号の 
遅延の補正

分析用に録音 
した入力信号

結果の表示

分析用に録音 
した出力信号

0.25

∼6.3 kHz の

各 1/3 オクターブバンド

に対する繰り返し

入力信号の

1/3

オクター

ブバンド

フィルタ出力

出力信号の

1/3

オクター

ブバンド

フィルタ出力

125 ms

の時

間区間ごと 
の入力信号 
レベル算出

入力信号の

LTASS

算出

30,65,99 %

レベルに 
該当する

入力信号の 
時間区間の

特定

125 ms

の時

間区間ごと 
の出力信号 
レベル算出

出力信号の

LTASS

算出

2 cm

3

カプラ

から EIG を算出する

場合のカプラ補正値に

よる補正

2 cm

3

カプラ

から EIG を算出する

場合のカプラ補正値に

よる補正

入力信号の 
時間区間に

対応する

出力信号の 
時間区間の

特定

30,65,99 %

LTASS

とに対

する利得の算出

EIG

を算出

する場合の擬似裸耳利

得の減算

次の 1/3

オクターブバンド

の処理

出力

入力

入力

出力

入力

出力


15

C 5516

:2015 (IEC 60118-15:2012)

8.2.2 

補聴器の処理遅れの補償 

デジタル補聴器の処理遅れのため,録音された入力及び出力信号は,分析の前に時間軸を合わせる必要

がある場合もある。すなわち,出力は入力信号に時間合わせを行う。処理遅れ時間が 10 ms 以上あるとき

は,時間調整が必要である。LTASS の決定のためには,時間調整は必要ない。遅れを決定するためには,

広帯域の相互相関法に基づく方法を推奨する。使用した時間調整,すなわち,出力をどれだけずらしたか

は,再現の目的のために指定し,10 ms 以内の精度でなければならない。指定される時間シフトは補聴器

によるものだけを表しており,使用する測定システムによるものでないことは重要である。

図 に,補聴

器出力信号 y(t)  が移動しなければならない時間量を示す。τ

shift

は,相互相関が最大の絶対値になる時間を

表す。

図 7−出力信号(y)の入力信号(x)に対する時間位置合わせ 

8.2.3 EIG

の決定に 2 cm

3

カプラを使用した場合の補正 

EIG の決定のためには,2 cm

3

カプラで測定された出力音圧レベルは,

表 の値を 2 cm

3

カプラで測定さ

れた音圧レベルに加えることで擬似鼓膜面音圧レベルに補正する。

表 は,1/3 オクターブ帯域の中心周

波数別に推奨される補正値を示し,

HA-1 及び HA-2 カプラの両方に適用する。補正値は参考文献[4]による。

表 42 cm

3

カプラを用いた場合に推奨されるカプラ補正値 

周波数(kHz)

0.25 0.315 0.40 0.50 0.63 0.80 1.00 1.25 1.60 2.00 2.50 3.15 4.00 5.00 6.30

カプラ補正値(dB)

  4

4

4  4.2  4.3

4.5

5.2

6.1

6.6

8  9.3  10.5 12.2 13.6 14.7

8.2.4 

国際音声試験信号(ISTS)の長時間平均音声スペクトル(LTASS)に対する推定挿入利得(LTASS 

EIG

)の計算 

ISTS の,長時間平均音声スペクトル(LTASS)に対する推定挿入利得(LTASS EIG)は,次のように計

算を行う。

a)

それぞれの 1/3 オクターブバンドにおいて,8.1.2 c)  で録音した入力信号の最後の 45 秒間の LTASS を

決定する。

b)

それぞれの 1/3 オクターブバンドにおいて,8.1.2 e)  で録音した出力信号の最後の 45 秒間の音圧レベ

ルを決定する。この出力が 2 cm

3

カプラで記録される場合には,8.2.3 に記載したカプラ補正値を加え

る。

c)

それぞれの 1/3 オクターブバンドにおいて,b)  で決定した出力音圧レベルから a)  で決定した入力音


16

C 5516

:2015 (IEC 60118-15:2012)

   

圧レベルを差し引く。

d)

それぞれの 1/3 オクターブバンドにおいて,c)  で決定される利得からその帯域の擬似裸耳利得(IEC 

60118-8:2005

附属書 B)を差し引くことによって LTASS EIG を算出する。

8.2.5 

国際音声試験信号(ISTS)の長時間平均音声スペクトル(LTASS)に対する 2 cm

3

カプラ利得(LTASS

カプラ利得)の計算(任意) 

ISTS の,長時間平均音声スペクトル(LTASS)に対する 2 cm

3

カプラ利得(LTASS カプラ利得)は,次

のように計算を行う。

a)

それぞれの 1/3 オクターブバンドにおいて,8.1.3 c)  で録音した入力信号の最後の 45 秒の音圧レベル

を決定する。

b)

それぞれの 1/3 オクターブバンドにおいて,8.1.3 d)  で録音した出力信号の最後の 45 秒の音圧レベル

を決定する。

c)

それぞれの 1/3 オクターブバンドにおいて,b)  で決定した出力音圧レベルから a)  で決定した入力音

圧レベルを差し引くことで,LTASS カプラ利得を算出する。

8.2.6 

パーセンタイル計算のための録音した信号の区分 

それぞれの 1/3 オクターブバンドにおいて,

8.1.2 c)

又は 8.1.3 c)  で録音した試験信号と 8.1.2 e)  又は 8.1.3

d)

で録音した出力信号との音圧レベルを,

図 に示すように信号の最後の 45 秒間にわたり 62.5 ms±2 ms

ごとに 125 ms±3 ms の時間区分で決定する。

各 1/3 オクターブバンドにおいて,試験信号のレベルの分布を,信号の最後の 45 秒間の全ての時間区分

について計算する。この分布から,試験信号の 30,65 及び 99 パーセンタイル音圧レベルを決定する。


17

C 5516

:2015 (IEC 60118-15:2012)

図 8−録音信号の分割 

8.2.7 ISTS

の 3065 及び 99 パーセンタイル(レベル)に対する EIG の算出(パーセンタイル別 EIG 

ISTS の 30,65 及び 99 パーセンタイル(レベル)に対する EIG は,次によって算出する。

a)  8.1.2 e)

による出力信号を 2 cm

3

カプラを用いて記録した場合には,出力信号の全時間区分に 8.2.3 

よるカプラ補正値を加算して補正する。

b)  8.1.2 c)

で録音した入力信号の各 1/3 オクターブバンドに対して,音圧レベルが 30 パーセンタイル±3

dB 以内である時間区分を特定する。

c)

b)

で特定した各時間区分ごとに,8.1.2 e)  又は 8.2.7 a)  のうちの該当する方によって得た出力信号の

対応する 1/3 オクターブバンドの対応する時間区分を特定する。

d)  b)

で特定した各時間区分ごとに,入力信号の 1/3 オクターブバンド音圧レベルを,c)  で特定した対応

する出力信号のバンドレベルから差し引く。

e)

それぞれの 1/3 オクターブバンドにおいて,b)  で特定した全時間区分に対して,d)  の結果の平均値

を求める。

注記  この結果は利得をデシベルで平均したものになる。一般にオージオグラムと比較される EIG

又はカプラ利得の測定に関連があるとき,利得を dB 単位(線形の音圧又はエネルギー量の

代わりに)で平均化するのが望ましい方法と考えられている。

f)

各 1/3 オクターブバンドに対して,

そのバンドに対する e)  の結果から擬似裸耳利得

IEC 60118-8:2005,

附属書 B)を差し引くことによって EIG を算出する。


18

C 5516

:2015 (IEC 60118-15:2012)

   

g) 65

及び 99 パーセンタイル(レベル)に対して b)f)  を繰り返す。

図 の説明図を参照。

8.2.8 ISTS

の 3065 及び 99 パーセンタイル(レベル)に対する 2 cm

3

カプラ利得(パーセンタイルカ

プラ利得)の算出(任意) 

ISTS の 30,65 及び 99 パーセンタイル(レベル)に対するカプラ利得は,次によって算出する。

a)  8.1.3 c)

で録音した入力信号の各 1/3 オクターブバンドに対して,音圧レベルが 30 パーセンタイル±3

dB 以内である時間区分を特定する。

b)  a)

で特定した各時間区分ごとに,8.1.3 d)  で録音した出力信号の対応する 1/3 オクターブバンドの対

応する時間区分を特定する。

c)

a)

で特定した各時間区分ごとに,試験信号の 1/3 オクターブバンド音圧レベルを,b)  で特定した対応

する出力信号のバンド音圧レベルから差し引く。

d)

それぞれの 1/3 オクターブバンドにおいて,a)  で特定した全時間区分に対して,c)  の結果を平均する

ことによって 30 パーセンタイルに対するカプラ利得を得る。

注記  この結果は利得をデシベルで平均したものになる。一般にオージオグラムと比較される EIG

又はカプラ利得の測定に関連があるとき,利得を dB 単位(線形の音圧又はエネルギー量の

代わりに)で平均化するのが望ましい方法と考えられている。

e) 65

及び 99 パーセンタイル(レベル)に対して a)d)  を繰り返す。

図 の説明図を参照。

図 965 パーセンタイルに対する“時間を同期させた利得”を得る方法の説明図 

上段図において,入力の 65 パーセンタイル±3 dB 以内である時間区分を特定し,それらを下段図の出

力信号の対応する時間区分と関連付ける。特定した時間区分ごとに,出力レベルと入力レベルとの差をと

ることによって利得を算出する。


19

C 5516

:2015 (IEC 60118-15:2012)

データの提示 

9.1 LTASS

利得(LTASS EIG 又は LTASS カプラ利得) 

LTASS 利得は,65 dB 及び 80 dB の二つの入力信号レベルで測定され,同一のグラフに表示されなけれ

ばならない。これに加え,55 dB の音圧での測定は任意であり,測定したときにだけ提示すればよい。有

効な測定(例えば,環境騒音の影響がない。

)を表すデータ点だけが示される。

図 10 の例では,入力音圧

レベルを 55 dB,65 dB 及び 80 dB として測定した LTASS 利得を示している。

図 10種類の入力音圧レベルにおける LTASS 利得 

圧縮を実証する比較目的のためには,55 dB 及び 80 dB の入力音圧レベルの LTASS 利得が,65 dB 音圧

レベルと対比して示される。

図 11 の例を参照。

図 11−入力音圧レベル 65 dB における LTASS 利得と対比した 種類の入力レベルに対する 

LTASS

利得(相対値) 


20

C 5516

:2015 (IEC 60118-15:2012)

   

9.2 

パーセンタイル利得(パーセンタイル EIG 又はパーセンタイルカプラ利得) 

30,65 及び 99 パーセンタイルにおいて測定されたパーセンタイル利得は,同じグラフで示される。有

効な測定(例えば,環境騒音の影響がない。

)を表すデータ点だけが示される。入力音圧レベルごとに別の

グラフに表示する。参考のため,LTASS 利得を含めることができる。

図 12 に,音圧レベル 65 dB の ISTS

入力信号を用いて測定したパーセンタイル利得の例を示す。

図 1265 dB の入力音圧レベルにおける,種類のパーセンタイルに対するパーセンタイル利得及び 

対応する LTASS 利得 

圧縮を実証する比較目的のためには,入力信号の 30,65 及び 99 パーセンタイルのパーセンタイル利得

が,LTASS 利得と対比して示される。

図 13 の例を参照。

図 1365 dB の入力音圧レベルにおける,LTASS 利得と比較した 種類のパーセンタイルに対する 

パーセンタイル利得(相対値) 


21

C 5516

:2015 (IEC 60118-15:2012)

9.3 

利得の表示の解釈 

9.3.1 LTASS

利得の表示 

最も重要な利得の表示は,65 dB 音圧レベルの LTASS 利得で,会話をやり取りする通常のレベルの音声

の利得を示す。80 dB における LTASS 利得は,大きいレベルの音声の利得を示す。55 dB(任意)における

LTASS 利得は,小さいレベルの利得を示す。

補聴器のフィッティングではほとんどの場合,小さい音声に対する利得は,通常又は大きなレベルと比

較してより利得が大きくなるようにプログラムされ,聴力損失をもつ人に小さい音声が,より聴こえるよ

うにする。追加の利得の量は,異なる分析帯域で変化するかもしれない。大きな音声に対する利得は,大

抵は,通常又は小さいレベルと比較したときに利得を小さくするようにプログラムされており,増幅され

た音声を快適に保ち及び/又は聴こえの障害となる過度な出力音のレベルになるのを防ぐ。減少した利得

の範囲は,異なる分析帯域で変化することがある。

圧縮形の補聴器は,異なる入力レベルで異なる LTASS 利得を示す。圧縮比が大きくなるほど,より大き

な LTASS 利得の広がりになる。測定の際に補聴器の時定数(アタック及び/又はリリースタイム)が安定

時間よりも長いとき,このゆっくりした圧縮の効果を正しく示すことができない場合がある。そのような

状況では,圧縮機能が安定するまで試験信号を繰り返す。

線形利得をもつ補聴器は,全ての音声のレベルにおいて同じ LTASS 利得を示す。

9.3.2 

パーセンタイル利得の表示 

パーセンタイル利得の表示は,音声の内部構造に対する増幅度を示す。録音の一部分は,会話の間隙及

び息継ぎの間の非常に低いレベルを含む。最も静かな音声の成分は,30 パーセンタイル音のレベルで代表

され,非常に大きいかピークに近いレベルの成分は,99 パーセンタイル音のレベルで代表されると推測さ

れる。65 パーセンタイル音圧レベルは,音声成分の中央値に近いレベル付近と合致する。極端に小さいレ

ベル(例えば,15 パーセンタイル以下)では,音は,暗騒音及び音声生成と関連した雑音(例えば,呼吸)

に最も関連がある。この理由で,音声エネルギー区分の中央点は,65 パーセンタイル付近での表示が選択

されてきた。

パーセンタイル利得及び LTASS 利得の表示の両方は,相補的であり,補聴器の音声の増幅を十分に特徴

付けるのに必要となる。音圧レベル 65 dB における LTASS 表示は,表示間の比較を可能にするために基準

として使用される。

速い時定数(アタック及び/又はリリースタイム)をもつ圧縮補聴器は,三つの全てのパーセンタイル

レベルで異なるパーセンタイル利得を示す。圧縮比が大きいほど,利得の隔たりは大きくなる。より短い

(より速い)時定数の場合,異なるパーセンタイルの利得のより大きな広がりがみられる。音声の内部構

造が変化して,音声の細かい構造のうち,小さい部分及び大きな部分が異なって増幅されることを意味す

る。

時定数が 125 ms の分析窓と比べて非常に長い(遅い)とき,パーセンタイル利得の差は,異なるパーセ

ンタイル間で,ないか小さい。その場合,音声の細かい構造のうち,小さい部分及び大きな部分が同じよ

うな利得で増幅される。線形の利得をもつ補聴器は,全ての異なるパーセンタイルレベルで同一のパーセ

ンタイル利得を示す。

9.4 

必須のデータ 

測定結果の提示で,次のデータが提供されるか参照されなければならない。

a)

測定の種類は,EIG(推奨)又はカプラ利得。5.1 を参照。

b)

機器の種類,フィッティングソフトウェア,オージオグラム(標準的なオージオグラムの参照又は実


22

C 5516

:2015 (IEC 60118-15:2012)

   

際に用いられたオージオグラムデータの指定)及び全ての追加変数の指定。

c)

ベント設定(密閉とは異なる場合)及びマイクロホンの指向性(無指向性とは異なる場合)は指定さ

れなければならない。7.2.2 及び 7.2.3 を参照。

d)

カプラの種類の指定。6.3 を参照。

e) EIG

の測定を適用するとき,用いた自由音場−補聴器のマイクロホン変換の補正について参照又は指

定を行う。IEC 60118-8:2005 の

附属書 を参照。

f)

パーセンタイル利得を測定するとき,補聴器の処理遅延の検証について記載する。遅延が 10 ms 以上

である場合,適用された時間調整について記載する。8.2.2 を参照。

g)

提示された全てのデータポイントについて,雑音レベルが測定されたレベルより 10 dB 以上低いこと

の検証に関する記載。幾つかのデータポイントがこれを満足していない場合には,これらのポイント

は示された全てのデータの有効性を実現するために削除することが望ましい。


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附属書 A

(参考)

国際音声試験信号(ISTS)

A.1 ISTS

の全体の仕様 

ISTS は,次の設計仕様に基づいて開発された。

a)

音声試験信号は,通常の音声に似ていなければならないが,理解できてはならない。

b)

音声試験信号は,最も多く話されているアラビア語,英語,標準中国語及びスペイン語を含み,フラ

ンス語及びドイツ語で補完した六つの異なる言語を基にしたものである。

c)

音声試験信号は,女性の語音で表現されなければならない。なぜならば,女声のパラメータは男性及

び子供の声の中間であり,既存の語音検査で最も多く使われているからである。

d)

音声試験信号は,100 Hz∼16 kHz の帯域幅をもたなければならない。

e)

音声試験信号は,参考文献[2]で規定する国際的な女性の長時間平均音声スペクトル(ILTASS)を複製

したものとする。偏差は 1 dB 以内でなければならない。

f)

音声試験信号のレベルは,全音圧レベルが 65 dB に相当しなければならない。このレベルは,200 Hz

∼5 kHz の帯域幅内で測定したものでなければならない。

g) 1/3

オクターブバンドで測定された周波数依存レベルの 30∼99 パーセンタイル間のレベル差は,連続

した語音のそれに相当し,参考文献[5]及び参考文献[2]から得られる値に相当しなければならない。

h)

音声試験信号は,語音の有声音及び無声音の両方の要素を模擬した成分を含まなければならない。有

声音の要素は,

女性の語音として適切な倍音構造,

及び基本周波数値をもつものでなければならない。

i)

音声試験信号は,1/3 オクターブバンドで測定したとき,4 Hz 付近が最大になる通常の語音に相当す

る変調スペクトルをもたなければならない。

j)

音声試験信号は,例えば,ホルマント推移に由来する語音の自然な短時間(125 ms 区間)のスペクト

ル変化を模擬しなければならない。

k)

音声試験信号は,実際の語音の共変調パターンをもたなければならない。共変調パターンは,異なる

1/3 オクターブバンドの包絡線で相関があるとき生成される。

l)

音声試験信号は,通常の連続した語音に生じる通常の(短い)間を含まなければならない。

m)

音声試験信号の持続時間は 60 秒とする。

ISTS は,European Hearing Instrument Manufacturers Association, EHIMA(欧州補聴器製造業者協会)のウ

ェブサイト<www.EHIMA.com>から自由に入手できる。

A.2 ISTS

の設計 

A.2.1 

語音の録音 

六つの異なる母語(アメリカ英語,アラビア語,標準中国語,フランス語,ドイツ語及びスペイン語)

の 21 人の女性の話者が,数回,自然な発音で“北風と太陽”

(参考文献[6])を朗読した。録音は,変更を

加えたオフィス空間(500 Hz における残響時間 0.5 秒)で,Neumann KM184 指向性マイクロホンを用い,

サンプリング周波数 44.1 kHz,24 ビットの分解能で行われた。

各言語において,一人の話者の一つの録音が選択された。選択基準は,話者の出身地,声質(例えば,


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しわがれ度)

,基本周波数の中央値であった。録音された語音素材は,参考文献[2]に従って 100 Hz∼16 kHz

の間の女性の音声の国際長時間平均音声スペクトルでフィルタ処理され,語音素材の均質性を最適化した

ものである。さらに,長い語音の休止(100 ms を超える。

)の間の語音持続時間の分布は編集され,録音

の混合に必要なこの分布にある確率関数が当てはめられた。この分布関数では,語音休止の持続時間は 650

ms に制限された。

A.2.2 

録音の区分け 

録音は自動的な手続きを用いて次のように断片化された。持続時間 500 ms の最初の区分が各録音から取

り出された。これらの 500 ms の区分の中の最後の 400 ms について 10 ms 間隔でパワーが分析された。そ

れから最小のパワーをもつ 10 ms 間隔が選択された。その間隔の中で最小絶対値が選択された。

最初の 500 ms 区分の先頭からこの最小絶対値までの録音を新しい区分とした。この最小絶対値の直後に

次の 500 ms 区分が始まる。母音及び関連する音素の範囲内でできるだけ切断しないようにするために自動

区分を手動で修正した。結果として生じる区分は 100 ms と 600 ms との間の長さとなった。

自然な状況を確保するために,100 ms 以上の長さをもつ音声内の無音部分は,前の発声部分と同じ区分

の中に維持された。次に続く“開始の区分”と同様に,長い無音部分を含む区分はマークされた。

A.2.3 

区分の混合 

10 秒及び 15 秒の持続時間をもつ区間を作るために,区分はでたらめな順序でお互いに接合された。こ

の手順の間,聞き取れるアーティファクトを回避するために,区分の両端の 1 ms 部分はハニング窓で修正

された。さらに,言語は区分ごとに変化するようにし,各言語は六つの連続した区分の中で一度選択され

た。

各区分は,10 秒又は 15 秒の区間の中で一度用いられた。基本周波数の区分間の段差を最小とするため

に,基本周波数は各区分の最初と最後の 50 ms で分析された。二つの有声の区分が互いに接続されたとき,

基本周波数の変化は 10 Hz 以内とした。もしこの基準に合わない場合には,他の区分が選択された。二つ

の無声区分及び有声区分と無声区分との組合せは常に可能とした。

語音の持続時間が上記の確率分布に基づいて計算される値を上回ったとき,100 ms 以上の無音部分をも

つ区分が選択された。この制限は語音の区切りの間の自然な間隔を保証する。各語音の区切りの後に,異

なる言語から“開始の区分”が選択される。各 10 秒及び 15 秒の区間の最後には,無音部分を含む区分が

選択され,各区間に必要な持続時間に合わせて制限された。全ての生成された区間は再び,参考文献[2]に

記載される国際的な女声のスペクトルでフィルタ処理された。

60 秒の持続時間をもつ ISTS は,10 秒及び 15 秒の区間で構成される。5 ms ステップ(5 ms 及び 55 ms

でない)の他の持続時間は可能である。補聴器の測定のためには,信号処理アルゴリズムを信号に適応さ

せるために,15 秒間を費やすことが望ましい。その後,45 秒間の測定を行うことが望ましい。測定結果の

おおまかな推定を可能とするために,測定時間を 10 秒に制限することも可能である。

A.3 ISTS

の分析 

上記の手順で構成される ISTS は,様々な評価基準で分析され,原録音と比較された。全ての関連する

基準で自然な会話と ISTS が一致することが示された。ISTS の最も重要な結果を,次にまとめる。

a)

長時間のスペクトル:ISTS の長時間スペクトル及び 10 秒と 15 秒の区間のスペクトルは,参考文献[2]

の女声の国際長時間音声スペクトルとの差異が 1 dB 未満である。

b)

短時間スペクトル:ISTS の短時間スペクトルは,異なる言語の原録音でも観測されるような,数段階

の基本周波数の跳躍を示す。


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c)

基本周波数:ISTS の基本周波数の中央値は 196 Hz であるが,原録音の話者は 203 Hz である。これは

十分に類似しているとみなされる。ISTS の基本周波数の標準偏差は,原録音と同様に 44 Hz である。

d)

変調スペクトル:1/3 オクターブバンドでフィルタ処理された原録音と ISTS との変調スペクトルは,

両者とも 2 Hz∼8 Hz の範囲内で最大を示す。系統的な偏差は観測されなかった。

e)

共変調分析:共変調は,1/3 オクターブバンドでフィルタ処理された信号の包絡線の相関で分析され

た。相互相関の強さは,1/3 オクターブバンドの間隔が増すにつれて減少する。これは原録音と同じ

ように ISTS にも当てはまる。

f)

休止持続時間:音声の休止及びその持続時間の分布は,原録音に対応する。しかしながら,ISTS の持

続時間が短いと,原録音と比較してより不均一な広がりを僅かに生じる。休止持続時間と信号持続時

間との比率は 1 対 6 である。

g)

パーセンタイル分布:信号は 1/3 オクターブバンドでフィルタ処理され,そのレベルは,125 ms(50 %

オーバラップ)の窓で計算された。各帯域のレベル分布(

図 A.1 を参照)から,99,65 及び 30 パー

センタイルのレベルが算出された(

図 を参照)。99 パーセンタイルと 30 パーセンタイルとの差は,

20 dB と 30 dB との間になる。これは,ISTS を構成する六つの言語の原録音に対応する。

図 A.1−五つの 1/3 オクターブ帯域における ISTS の 50 %オーバラップさせた 125 ms 区分のレベル分布 

h)

無声音部分の割合:無声音部分の割合は,ISTS で 44 %であり,したがって,原音声の録音の平均値

35 %を僅かに超える。

i)

瞬間的な振幅の分布:ISTS の瞬間的な振幅の分布は,原音声の録音に非常に似ている。

j)

波高率:ISTS の波高率(クレストファクタ)は 17 で,原音声の録音の 18 と非常に似ている。

設計及び分析の,より詳細な記載については参考文献[1]を参照。


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参考文献

[1]  Holube, I., Fredelake, S., Vlaming M., and Kollmeier B. Development and Analysis of an International Speech 

Test Signal (ISTS), International Journal of Audiology, 49: 891-903 (2010)

[2]  Byrne, D., Dillon, H., Tran, K., Arlinger, S., Wibraham, K., Cox, R., Hagerman, B., Hetu, R., Kei, J., Lui, C.,

Kiessling, J. Kotby, M. N., Nasser, N. H. A., El Kholy, W. A. H., Nakanishi, Y., Oyer, H., Powell, R., Stephens,

D., Meredith, R., Sirimanna, T., Tavartkiladze, G., Fronlenkov, G. I., Westerman, S., and Ludvigsen, C. An 

international comparison of long-term average speech spectra, J. Acoust. Soc. Am. 96, 2108-2120 (1994)

[3]  Bisgaard N., Vlaming M.S.M.G., and Dahlquist M. Standard Audiograms for the IEC 60118-15 Measurement 

Procedure, Trends in Amplification 14(2) 113-120 (2010)

[4]  Sachs, R.M. and Burkhard, M.D. Earphone Pressure Response in Ears and Couplers. Report no. 20021-2 for

Knowles Electronics, Inc. (1972)

[5]  Cox, R. M., Matesich, J. S., & Moore, J. N. Distribution of short-term rms levels in conversational speech,

Journal of the Acoustical Society of America, 84(3), 1100-1104 (1988)

[6]  Handbook of the International Phonetic Association, Cambridge University Press (1999)

[7]  IEC 61669,Electroacoustics−Equipment for the measurement of real-ear acoustical characteristics of hearing

aids

[8]  American National Standard S3.22, Specification of Hearing Aid Characteristics (2007)

[9]  IEC 60118-0,Hearing aids. Part 0: Measurement of electroacoustical characteristics (1983)

Amendment 1 (1994)