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C 5402-1992

(1) 

目次

1.

  適用範囲

1

2.

  用語の定義

1

3.

  試験の状態

1

3.1

  標準状態

1

3.2

  判定状態

2

3.3

  後処理条件

2

4.

  外観,構造及び寸法試験

2

5.

  電気的性能試験

2

5.1

  耐電圧

2

5.2

  絶縁抵抗

4

5.3

  接触抵抗

4

5.4

  低電圧,低電流での接触抵抗

5

5.5

  コンタクトのチャタリング

6

5.6

  電圧定在波比 (VSWR)

6

5.7

  接触抵抗の変動

7

5.8

  シェルの電気的接続性

7

5.9

  局部放電(コロナ放電)

8

5.10

  温度上昇

10

5.11

  電気的負荷及び温度

10

5.12

  静電容量

11

5.13

  電流容量の温度軽減

12

6.

  機械的性能試験

14

6.1

  耐振性

14

6.2

  衝撃

15

6.3

  繰返し動作

19

6.4

  コンタクトのゲージ保持力

19

6.5

  プローブダメージ

20

6.6

  結合力及び離脱力

21

6.7

  ケーブルクランプ部の引張強度

21

6.8

  結合部接続強度

22

6.9

  コネクタ取付部の軸方向強度及びトルク

22

6.10

  ケーブル付き落下試験

22

6.11

  誤結合防止機構

23

6.12

  結合装置を含めた結合力及び離脱力

24

6.13

  結合装置の強度

24

6.14

  コネクタ取付部の横方向強度

25


C 5402-1992

目次

(2) 

6.15

  コンタクト保持力

25

6.16

  コンタクト保持部耐久性

26

6.17

  インサート保持部の軸方向強度

26

6.18

  インサート保持部のねじり強度

27

6.19

  コンタクトの挿入力及び引抜き力

27

6.20

  クローズドエントリ部の誤挿入防止機構

27

6.21

  コンタクト曲げ強度

27

6.22

  圧着コンタクトの引張強度

28

6.23

  圧着コンタクトの変形

28

6.24

  被覆圧着部強度

29

6.25

  グランディングコンタクト保持力

30

6.26

  コンタクト端子部強度

30

6.27

  ケーブルクランプ部の曲げ強度

35

6.28

  ケーブルクランプ部の回転強度

35

6.29

  ケーブルクランプ部のねじり強度

36

6.30

  結合部の曲げ強度

36

6.31

  ケーブルの回転によるコンタクト保持部強度

36

6.32

  バンプ

38

7.

  耐候性試験

40

7.1

  塩水噴霧

40

7.2

  温度サイク

41

7.3

  定常状態の耐湿性

42

7.4

  温湿度サイクルの耐湿性

44

7.5

  防水性

53

7.6

  気密性

54

7.7

  減圧

55

7.8

  耐熱性

56

7.9

  耐寒性

58

7.10

  一連耐候性

59

7.11

  はんだ付け

60

7.12

  はんだ耐熱

64

附属書  電圧定在波比の測定方法

69


日本工業規格

JIS

 C

5402

-1992

電子機器用コネクタ試験方法

Method for test of connectors for use in electronic equipment

1.

適用範囲  この規格は,主として電子機器に用いるコネクタ及び附属品の試験方法について規定する。

なお,この規格と個別規格との間に規定の相違がある場合は,個別規格の規定による。

備考  この規格の引用規格及び対応国際規格を,付表 に示す。

2.

用語の定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS C 0010 及び JIS C 5401 の規定によるほか,次

による。

(1)

おすコンタクト  めすコンタクトの中に入り,その外面で電気的接続をするコンタクト。

(2)

めすコンタクト  おすコンタクトを受け入れ,その内面で電気的接続をするコンタクト。

(3)

圧着コンタクト  機械的塑性加工を加えて結線する(圧着する)収容部をもつコンタクト。

(4)

心線圧着部  圧着コンタクトで電線の導体心線部を圧着する部分。

(5)

被覆圧着部  圧着コンタクトで電線の絶縁被覆部を圧着する部分。

(6)

プローブダメージ  プローブ(テストピン)のこじりなどによるめすコンタクトのばね性の損傷。

(7)

クローズドエントリ  規定の寸法より大きなプローブ(テストピン)の挿入,こじりなどによるめす

コンタクトのばね性の損傷を防ぐように設けた受け口。

(8)

コンタクトのゲージ保持力  弾性をもつコンタクトに規定のゲージを挿入後,これを抜去するときに

要する力。

(9)

コンタクト配列  絶縁体中にコンタクトの寸法,数及び位置を定めた配列。

(10)

インサート  コンタクトを適正な位置に配置し保持する絶縁体。

(11)

グランディングコンタクト  コネクタを結合したとき,シェルの電気的接続を得るためにシェルに設

けたコンタクト。

(12)

コンタクト保持部  絶縁体内でコンタクトを保持している部分。

(13)

インサート保持部  シェル内でインサートを保持している部分。

(14)

誤結合防止機構  コネクタが正規の位置で結合する前にコンタクトが接触しないように設けた構造。

(15)

ケーブルクランプ  コンタクトに結線された電線とその結線部をこれに加わる外力から保護し,電線

を保持固定する目的でコネクタ後部に設けた部分。

3.

試験の状態

3.1

標準状態  試験及び測定は,個別規格に規定がない限り,JIS C 0010 の 5.3(試験場所の標準状態)

の規定による標準状態(温度 15〜35℃,相対湿度 25〜85%,気圧 86〜106kPa)の下で行う。ただし,こ

の標準状態で測定値による判定に疑義を生じた場合又は特に要求された場合は 3.2 による。


2

C 5402-1992

3.2

判定状態  判定状態は,JIS C 0010 の 5.2(判定状態)の規定による判定状態 I の温度 2 級及び湿度

2

級(温度 20±2℃,相対湿度 60〜70%,気圧 86〜106kPa)とする。

3.3

後処理条件  後処理条件は,JIS C 0010 の 5.4(後処理条件)の規定に基づき,次による。

(1)

標準後処理条件  標準後処理条件は,次による。

温度:15〜35℃の範囲内で,実際の試験室の温度の許容差は,±1℃。

相対湿度:73〜77%

気圧:86〜106kPa

後処理時間:個別規格に規定がない限り 1〜2 時間とする。

(2)

後処理の実施方法  供試コネクタを試験終了後 10 分以内に後処理条件を満足する後処理槽に入れる。

個別規格に後処理後直ちに行わなければならない測定の規定がある場合は,後処理槽から取り出した

後 30 分以内にこれを行うこととし,後処理槽から取り出した後,最も急激な変化が予測される試験か

ら行う。

(3)

後処理槽の温度  供試コネクタを後処理槽から取り出すときは,湿気の吸収及び放出を防ぐために後

処理槽の温度を,試験室の周囲温度にできるだけ近い温度とする。

(4)

特殊な後処理条件  個別規格に特殊な後処理条件の規定がある場合は,これによる。

4.

外観,構造及び寸法試験

4.1

外観,構造及び仕上げ  外観,構造及び仕上げは,次の項目について目視によって試験を行う。

(1)

仕上り状態(部品の組込み状態,均一性)

(2)

材料

(3)

表面状態(変色,きずなど)

(4)

部品の緩みと脱落(特に応力が加わった後)

なお,個別規格に規定がある場合は分解し,内部を試験する。

また,個別規格に拡大鏡の使用及び表面処理の実施について規定がある場合は,これによる。

4.2

寸法  寸法の試験は,JIS B 7507 に規定のノギス又は JIS B 7502 に規定のマイクロメータ,ゲージ,

投影器,工具顕微鏡などによって行う。ただし,ねじは JIS B 0251 及び JIS B 0252 に規定のねじゲージを

用いて行う。

なお,判定に疑義が生じなければ,他の測定器を用いてもよい。

4.3

互換性  互換性の試験は,適合する結合部をもつコネクタから任意に選んで結合及び離脱して行う。

4.4

表示  表示の試験は,規定がない限り目視によって行う。

4.5

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

試験項目(4.14.4 参照)

(2)

内部構造(必要がある場合)

4.1 参照)

(3)

拡大鏡の使用及び倍率(必要がある場合)

4.1 参照)

(4)

測定器(必要がある場合)

4.2 参照)

(5)

表示(必要がある場合)

4.4 参照)

5.

電気的性能試験

5.1

耐電圧


3

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5.1.1

装置  この試験に用いる装置は,規定の試験電圧まで徐々に昇降でき,漏れ電流の設定ができ,電

圧確度±5%の試験電圧が得られる耐電圧試験器とする。

5.1.2

準備  耐電圧を試験する部分と装置との接続は,適切な接続具その他を用いて行う。

また,個別規格に試験前の特別な準備,取付方法などの規定がある場合は,これによる。

5.1.3

試験  個別規格に規定する直流又は商用周波数の交流(実効値)の試験電圧を次の方法 A,方法 B

又は

方法 のいずれかによって 1 分±5 秒間印加したとき,絶縁破壊,せん絡などの有無及び規定以上の

漏れ電流がないかどうかを調べる。

なお,電圧は,0V から徐々に規定値まで,毎秒 500V を超えない割合で印加する。

(1)

方法 A  すべてのコンタクトとコネクタの他の金属部とを電気的に一括接続する。まず,その中から

1

コンタクトを切り離し,先の一括接続したグループとの間に規定の試験電圧を印加する。次に,一

括接続した中から次の 1 コンタクトを入れ替えて同様に試験電圧を印加し,順次,1 コンタクトずつ

すべてのコンタクト及び金属部間を試験する(

図 参照)。

図 1  試験方法 A

(2)

方法 B  隣接するコンタクト間及び他の金属部間に試験電圧を印加できるように,一括接続し,規定

の試験電圧を印加し,試験する。

なお,コンタクト配列によって,一回の一括接続ですべての隣接するコンタクト間及び他の金属部

間に電圧を印加することができない場合は,

図 の例のように一括接続の組合せを複数どおり行い試

験する。

図 2  試験方法 B

(3)

方法 C  規定の試験電圧を隣接コンタクト相互間及びコンタクトとその他の隣接金属部間に印加し,


4

C 5402-1992

試験する(

図 参照)。

図 3  試験方法 C

5.1.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

試験方法の種類(

方法 A,方法 又は方法 C)(5.1.3 参照)

(2)

試験をするコンタクトの番号又はコンタクト数(

方法 を適用する場合)(5.1.3 参照)

(3)

試験電圧値及び直流,交流の種別(5.1.3 参照)

(4)

漏れ電流値(5.1.3 参照)

(5)

供試コネクタの状態(結合状態又は結合しない状態)

5.1.3 参照)

5.2

絶縁抵抗

5.2.1

装置  この試験に用いる装置は,JIS C 1302 に規定の絶縁抵抗計若しくは JIS C 1303 に規定の高絶

縁抵抗計又はこれらと同等以上の確度をもつ測定器とする。

5.2.2

準備  絶縁抵抗を試験する部分と装置との接続は,適切な接続具その他を用いて行う。

また,個別規格に試験前の特別な準備,取付方法などの規定がある場合は,これによる。

5.2.3

試験  表 の中の値から選んだ個別規格に規定する電圧を,次の方法 A,方法 又は方法 のい

ずれかによって 1 分±5 秒間印加後,絶縁抵抗を測定する。ただし,規定時間以内でも規定された絶縁抵

抗値を超えて測定器の読みが安定するか又は更に上昇する傾向にあるときは,その読みの値によって測定

してもよい。

表 1  試験電圧(直流)

単位  V

10

±1  100±10  500±50  1 000±100

(1)

方法 A  5.1.3(1)による。

(2)

方法 B  5.1.3(2)による。

(3)

方法 C  5.1.3(3)による。

5.2.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

試験方法の種類(

方法 A,方法 又は方法 C)(5.2.3 参照)

(2)

試験をするコンタクトの番号又はコンタクト数(

方法 を適用する場合)(5.2.3 参照)

(3)

試験電圧値(5.2.3 参照)

(4)

供試コネクタの状態(結合状態又は結合しない状態)

5.2.3 参照)

5.3

接触抵抗

5.3.1

装置  この試験に用いる装置は,接触抵抗値の測定確度が±10%であり,図 に示すような測定回

路を構成するものとする。


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C 5402-1992

図 4  電圧降下法

5.3.2

準備  供試コネクタのコンタクトに適合する電線を結線し,通常使用する状態に結合して図 の回

路を構成する。

また,個別規格に試験前の特別な準備,取付方法などの規定がある場合は,これによる。

5.3.3

試験  試験電流は,直流又は 2kHz を超えない交流とし,個別規格に規定する電流を図 の回路構

成で供試コネクタのコンタクトに通電する。

その状態で個別規格に規定する測定点間の電圧降下を測定し,

先の試験電流値と電圧降下の値から接触抵抗値を算出する。直流測定の場合は,電流の方向を切り換えて

正逆について測定し,その結果を平均して接触抵抗値を算出する。

なお,測定中コンタクトに異常な力が加わったり,電線に引張力が加わったりすることがないように注

意する。

5.3.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

測定用電線の接続箇所,電線のタイプ及び太さ(必要がある場合)

5.3.2 参照)

(2)

結合したコネクタの測定するコンタクトの番号又はコンタクト数(5.3.3 参照)

(3)

コンタクト単体で測定するコンタクト数(5.3.3 参照)

(4)

測定前又は測定中のコンタクトの取扱い(5.3.3 参照)

(5)

測定電流値及びその種類(直流又は交流)

5.3.3 参照)

5.4

低電圧,低電流での接触抵抗

5.4.1

装置  この試験に用いる装置は,次による。

(1)

直流で測定する場合  開回路電圧 20mV,供試コネクタに 100mA 以下の任意の直流電流を供給でき,

接触抵抗値の測定確度が±10%のもので,

図 の電圧降下法の回路を構成するものとする。

図 5  電圧降下法 

備考  電流計の内部抵抗が高く,測定上支障がある場合は,電流計の部分を次の回路に置き換える。

(2)

交流で測定する場合  周波数 2kHz 以下で,開回路電圧 20mV,供試コネクタに 100mA 以下の任意の

交流電流が供給でき,接触抵抗値の測定確度が±10%のものとする。


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5.4.2

準備  供試コネクタを通常使用する状態に結合させ,試験回路に接続する。

なお,試験前に個別規格に規定する値以上の電圧及び電流を供試コネクタに印加してはならない。

また,個別規格に試験前の特別な準備,取付方法などの規定がある場合は,これによる。

5.4.3

試験  開回路電圧 20mV に調整した装置に供試コネクタを接続し,個別規格に規定する電流を通電

する。その状態で,個別規格に規定する測定点間の電圧降下を測定し,先の試験電流値と電圧降下の値か

ら接触抵抗値を算出する。直流測定の場合は,電流の方向を切り換えて正逆について測定し,その結果を

平均して接触抵抗値を算出する。

なお,測定中コンタクトに異常な力が加わったり,電線に引張力が加わったりすることがないように注

意する。

5.4.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

測定用電線の接続箇所,電線の種類及び太さ(必要がある場合)

5.4.2 参照)

(2)

結合したコネクタの測定するコンタクトの番号又はコンタクト数(5.4.3 参照)

(3)

コンタクト単体で測定するコンタクト数(5.4.3 参照)

(4)

測定前又は測定中のコンタクトの取扱い(5.4.3 参照)

(5)

測定電流値及びその種類(直流又は交流)

5.4.3 参照)

5.5

コンタクトのチャタリング

5.5.1

装置  この試験に用いる装置は,コネクタの耐振性(6.1 参照),衝撃(6.2 参照)などの動的試験

中に電流の断が発生するかどうかを検出するもので,次の性能を備えたものとする。

(1)

供試コネクタに最大 10V,150mA の直流電流が供給できること。

(2)

開回路電圧の 50%を超える電圧降下点を遮断発生として検出できること。

(3)

表 の遮断時間が検出できること。

5.5.2

準備  コンタクトのチャタリングを試験する部分と装置との接続は,適切な接続具その他を用いて

確実に行う。

5.5.3

試験  個別規格に規定する表 の遮断時間が検出できる 5.5.1 の装置を振動,衝撃などの動的試験

装置に取り付けられた供試コネクタに接続し,動的試験中に規定値以上の電流の断があるかどうかを調べ

る。

表 2  遮断時間

1

μs  10μs  100μs  1ms  10ms

5.5.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

供試コネクタに流す電流の大きさ及び印加電圧の大きさ(5.5.1 参照)

(2)

電流の遮断時間の大きさ(5.5.1 及び 5.5.3 参照)

5.6

電圧定在波比 (VSWR) 

5.6.1

装置  この試験に用いる装置は,個別規格に規定する周波数範囲の信号を個々に又は連続して発生

できる高周波信号発生器及び供試コネクタの電圧定在波比が検出,表示できる装置とする。

なお,装置と測定回路構成部品は,供試コネクタ及び適用同軸ケーブルの公称特性インピーダンスと同

一のもので不連続部の極めて少ないものを使用する。

また,測定回路に用いるコネクタは,個別規格に規定する標準試験用コネクタを使用する。

5.6.2

準備  供試コネクタに適用同軸ケーブルを個別規格に規定する方法又は製造業者が推奨する方法

で接続する。


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なお,適用同軸ケーブルは,反射の極めて少ない均一な特性のケーブルを使用する。

5.6.3

試験  電圧定在波比の測定回路に供試コネクタを結合して個別規格に規定する周波数範囲につい

て試験する。

なお,試験方法の詳細は,

附属書(電圧定在波比の測定方法)による。

5.6.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

適用同軸ケーブル及び供試コネクタとの接続方法(5.6.2 参照)

(2)

測定周波数範囲及び周波数間隔(5.6.3 参照)

(3)

構成測定回路の許容残留定在波比(5.6.1 参照)

(4)

測定回路に用いる標準試験用コネクタの詳細(5.6.1 参照)

5.7

接触抵抗の変動

5.7.1

装置  この試験に用いる装置は,規定がない限り,主な装置として次のものを用いる。

(1)

オシロスコープ  400Hz から 1MHz までの間で±3dB の平たんな周波数特性をもつ残像性のもので,

感度は個別規格に規定がない限り,次の値以上とする。

接触抵抗値が 5m

Ω以下の場合:1MHz まで 50μV/div

接触抵抗値が 30m

Ω未満の場合:1MHz まで 500μV/div

接触抵抗値が 30m

Ω以上の場合:1MHz まで 1.0mV/div

(2)

測定回路  図 に示す回路又はこれと同等以上の測定結果が得られる回路とする。回路に流す電流は

直流 50mA 以下,開回路電圧は 20mV 以下とする。

図 6  電圧降下法

備考  電流計の内部抵抗が高く,測定上支障がある場合は電流計の部分を次の回路に置き換える。

5.7.2

準備  供試コネクタと測定装置との接続は,適切な接続具,その他を用いて確実に行い,測定誤差

を生じないように注意する。

また,個別規格に試験前の準備,取付方法などの規定がある場合は,これによる。

5.7.3

試験  試験は,耐振性(6.1 参照),衝撃(6.2 参照)などの動的試験中に行うこととし,供試コネ

クタのコンタクトに 5.7.1 の装置を接続し,

供試コネクタのコンタクトに接続する電線間の電圧降下を測定

することによって接触抵抗の変動を測定する。

5.7.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

測定装置(測定回路を含む。

)及びオシロスコープの感度(必要がある場合)

5.7.1 参照)

(2)

供試コンタクトの番号又はコンタクト数(必要がある場合)

5.7.3 参照)

5.8

シェルの電気的接続性

5.8.1

装置  この試験に用いる装置は,個別規格の規定による 5.3 又は 5.7 に規定の装置のいずれかとす

る。


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5.8.2

準備  レセプタクルコネクタ(又はシェル)は,パネルに取り付ける。プラグコネクタは,電線又

はケーブルを取り付ける。供試コネクタと測定装置との接続は適切な接続具その他を用いて確実に行い,

測定誤差を生じないように注意する。

5.8.3

試験  試験は,シェルを結合させた状態で個別規格の規定によって,5.3 又は 5.7 に規定の試験を

行い,規定された部分間の接触抵抗又は接触抵抗の変動を測定する。

なお,測定点は,例えば,次のように電気的に直列接続されたすべての部分間とする。

(1)

ケーブル編組又はシェルとレセプタクルを取り付けたパネルとの間

(2)

プラグコネクタ相互の結合では一方のコネクタのケーブル編組と他方のコネクタのケーブル編組との

(3)

固定形レセプタクル相互の結合では一方のコネクタ取付パネルと他方のコネクタ取付パネルとの間

5.8.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

供試コネクタの取付方法及び電線の取付方法(5.8.2 参照)

(2)

接触抵抗又は接触抵抗の変動の測定点(5.8.3 参照)

(3)

適用する試験方法(接触抵抗又は接触抵抗の変動)及び試験電流値(5.8.3 参照)

5.9

局部放電(コロナ放電)

5.9.1

方法 1  局部放電の方法 は,次による。

(1)

装置  この試験に用いる装置は,(3)の試験を行うのに十分な性能を備えた図 の回路のものを用い,

試験電圧は交流(商用周波数)とする。

図 7  方法 1  局部放電試験回路

必要があれば,限流抵抗 (R

V

)

を用いてもよい。測定系への構成の影響を最小にするため低インピ

ーダンス接続とし,必要ならば増幅器を用いてもよい。

なお,回路の構成部品及びケーブル又は電線は,供試コネクタよりも高い要求条件を満たすものを

使用しなければならない。

(2)

準備  供試コネクタに適合するケーブル又は電線を通常使用する方法で取り付け,配線する。

供試コネクタの状態,例えば,コネクタの結合・非結合の状態や附属部品の装着は,個別規格の規


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C 5402-1992

定による。

(3)

試験  試験電圧を印加し,オシロスコープに局部放電が認められるまで徐々に電圧を上げる。その後,

局部放電消滅電圧を求めるために,放電が止むまで電圧を下げてそのときの電圧の値を記録する。

なお,印加する試験電圧値は,5.1 の試験電圧値を超えない範囲で個別規格に規定する。

また,5.1 の試験電圧値に達しても局部放電が起こらない場合,その供試コネクタは,要求条件を満

たしたものとし,この試験を終了させる。

(4)

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(a)

供試コネクタ前処理(使用するケーブル又は電線を含む。

(2)参照]

(b)

供試コネクタの状態[(2)参照]

(c)

試験電圧値[(3)参照]

5.9.2

方法 2  局部放電の方法 は,次による。

(1)

装置  この試験に用いる装置は,(3)の試験を行うのに十分な性能を備えた図 の回路又はこれと同等

の測定結果が得られる回路で構成し,試験電圧は交流(商用周波数)とする。検出器は 5 ピコクーロ

ン (pC) の局部放電を検出できる装置とする。

なお,回路の構成部品及びケーブルは,供試コネクタよりも高い要求条件を満たすものを使用しな

ければならない。

図 8  方法 2  局部放電試験回路

(2)

準備  一対の供試コネクタの各々に適合するケーブルを通常使用する方法で取り付け,他端は電圧を

印加したとき局部放電が発生しない方法で端末処理を行う。

なお,供試コネクタ内部及びケーブル取付部分に局部放電を抑制するようなグリース,コンパウン

ドなどを使用してはならない。

(3)

試験  試験電圧を印加し,5pC が検出できるオシロスコープに,持続した局部放電が認められるまで

徐々に電圧を上げる。その後,局部放電消滅電圧を求めるために,オシロスコープに局部放電が認め


10

C 5402-1992

られなくなるまで電圧を下げて,その電圧の値を記録する。

なお,印加する試験電圧値は,5.1 の試験電圧値を超えない範囲で個別規格に規定する。

また,5.1 の試験電圧値に達しても局部放電が起こらない場合,その供試コネクタは,要求条件を満

たしたものとし,この試験を終了させる。

(4)

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(a)

供試コネクタ前処理(使用するケーブル又は電線を含む。

(2)参照]

(b)

試験電圧値[(3)参照]

5.10

温度上昇

5.10.1

装置  この試験に用いる測定装置は,JIS C 1601 に規定の指示熱電温度計又は JIS C 1603 に規定の

指示抵抗温度計のそれぞれの 2.0 級又はこれと同等以上のものとする。

5.10.2

準備  結合した供試コネクタが静止空気中で,ほかから熱の影響を受けないように取り付け,規定

がない限り,供試コネクタのコンタクトが絶縁体外部に現れた最も近い部分に,温度計の感知部分を接続

する。個別規格に規定する電線を供試コネクタに 500mm 以上の長さに接続する。ただし,疑義を生じな

い場合は,定格電流に適応した導体径の電線を用いてもよい。

5.10.3

試験  個別規格に規定の次の方法 又は方法 のいずれかの試験を行う。

(1)

方法 A  供試コネクタの各コンタクトに定格電流を通電し,温度上昇値(測温部の温度−周囲温度)

が 10 分間隔で連続 3 回の測定で相互間に 0.5℃以上の差がなくなるまで測定する。周囲温度は,試験

中の供試コネクタの測温部から水平方向に約 300mm 以上離れたところで測定する。

(2)

方法 B  個別規格に規定する試験電流を供試コネクタの各コンタクトに 5 時間通電し,その間の温度

上昇値を測定する。

5.10.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

熱電対の種類,温度測定箇所及び接続方法(必要がある場合)

5.10.2 参照)

(2)

試験電流値及びその種類(交流又は直流)

5.10.3 参照)

(3)

接続電線の種類及び太さ(5.10.2 参照)

(4)

試験電流を通電するコンタクトの番号又はコンタクト数(5.10.3 参照)

(5)

供試コネクタの取付方法(5.10.3 参照)

(6)

試験方法の種類(

方法 又は方法 B)(5.10.3 参照)

5.11

電気的負荷及び温度

5.11.1

装置  この試験に用いる測定装置は,JIS C 1601 に規定の指示熱電温度計及び JIS C 1603 に規定の

指示抵抗温度計のそれぞれの 2.0 級又はこれらと同等以上のものとする。

5.11.2

準備  供試コネクタを,個別規格に規定する取付方法で試験槽内に置く。

5.11.3

試験  試験は,次による。

(1)

供試コネクタを最高使用温度の (70±5) %に保った槽内に置く。

(2)

電流をすべてのコンタクトに通電し,供試コネクタの測定点が最高使用温度に到達するまで徐々に増

加する。

ただし,電流は,供試コネクタの測定点が熱的安定になるまで増加させてはならない。調節中は,

供試コネクタの最高使用温度及び規定の最高負荷電流のいずれも決して超えてはならない。

最高使用温度に到達したときの電流を試験中保持しなければならない。

(3)

試験中供試コネクタの最高使用温度を 5%以上超えた場合は,試験を中止し,再試験を行う。

(4)

供試コネクタを通る最高負荷電流による温度上昇が最高使用温度まで達していないときは,槽の温度


11

C 5402-1992

を供試コネクタが最高使用温度に達するまで上昇させる。

(5)

試験は,最高使用温度で行い,時間は

表 の中の値から選んだ個別規格の規定による。

表 3  試験時間

単位  h

250

      500      1 000      2 000

(6)

試験開始後,10 時間目と最後に 5.2 によって高温での絶縁抵抗を測定する。

(7)

試験終了後,供試コネクタを個別規格に規定する時間,標準状態に放置する。

5.11.4

最終測定  最終測定は,次による。

(1)

接触抵抗(5.3 参照)

(2)

シェルの電気的接続性(必要がある場合)

5.8 参照)

(3)

絶縁抵抗(5.2 参照)

(4)

耐電圧(5.1 参照)

(5)

外観(4.1 参照)

(6)

気密性(必要がある場合)

7.6 参照)

5.11.5

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

接続電線の種類,太さ及び温度測定箇所を含む供試コネクタの準備(5.11.2 参照)

(2)

供試コネクタの取付方法(5.11.2 参照)

(3)

最高使用温度(5.11.3 参照)

(4)

試験時間(5.11.3 参照)

(5)

最高負荷電流(5.11.3 参照)

(6)

後処理時間(5.11.3 参照)

(7)

最終測定に対する要求条件(5.11.4 参照)

5.12

静電容量

5.12.1

装置  この試験に用いる装置は,確度±5%の静電容量ブリッジ又はこれと同等以上の確度をもつ

測定器とする。

5.12.2

準備  測定器と供試コネクタの接続は,測定誤差を極力小さくするように注意する。

また,個別規格に試験前の特別な準備,取付方法などの規定がある場合は,これによる。

5.12.3

試験  1kHz±200Hz 又は 1MHz±200kHz の交流電圧で,静電容量を測定する。この場合,交流電

圧は試験に支障がない限り,極力低い電圧値とする。

試験は,次の(1)(3)の箇所について個別規格の規定によって行う(

図 参照)。

(1)

一つのコンタクトと他のすべてのコンタクト及び金属部分との間

この場合,他のすべてのコンタクト及び金属部分は,共通の 1 点で接地する。

(2)

二つの隣接したコンタクト間

この場合,他のすべてのコンタクト及び金属部分は,共通の 1 点で接地する。

(3)

その他個別規格に規定する箇所


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図 9  静電容量測定箇所

5.12.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

測定器及びその確度(必要がある場合)

5.12.1 参照)

(2)

試験周波数(必要がある場合)

5.12.3 参照)

(3)

測定箇所(5.12.3 参照)

5.13

電流容量の温度軽減

5.13.1

装置  この試験に用いる測定装置は,JIS C 1601 に規定の指示熱電温度計又は JIS C 1603 に規定の

指示抵抗温度計のそれぞれの 2.0 級又はこれと同等以上のものとする。

5.13.2

準備  試験中,供試コネクタの取付方法及び結線形態は,個別規格に規定がない限り,次による。

(1)

供試コネクタは,静止空気中で他から熱を受けないように保護できる容器の中に取り付ける。

なお,容器の大きさは,供試コネクタの端部から容器の側面まで 200mm 以上,底まで 50mm 以上

及び上面まで 150mm 以上とする。

(2)

供試コネクタは,容器の中でできるだけ自由にしておく。

なお,熱伝導率が 2W/mK 以下の熱絶縁材料を供試コネクタの全表面積の 20%以下で接触させて取

り付けてもよい。

(3)

供試コネクタは,コンタクトに適合する最大電流を流せる電線を接続する。供試コネクタに接続され

た電線は,250mm 以上測定容器の中に入れる。

また,多極コネクタの場合は各コンタクトを直列に接続し,その電線の長さは約 250mm とする。

(4)

供試コネクタのコンタクトが絶縁体外部に現れた最も近い部分に温度計の感知部分を接続する。

5.13.3

試験  試験は,次による。

(1)

試験方法

(a)

個別規格に規定する電流を供試コネクタのコンタクトに 1 時間を超えない時間通電し,測温部の温

度 t

b

を測定する。同時に測定容器内の環境温度 t

u

を測定する。t

b

t

u

から次式によって表される温度

上昇

Δを算出する。

Δtt

b

t

u

なお,試験電流は直流又は交流のどちらでもよいが交流の場合は,実効値とする。

(b)

個別規格に規定がない限り,供試コネクタは,3 個とし,電流の水準は 3 水準以上とする。

(c)

個別規格に規定がない限り,温度上昇

Δは,供試コネクタ 3 個の平均値とする。

(d)

個別規格に規定がない限り,環境温度の測定位置は,供試コネクタの軸を通る平面でコネクタ長手

面の中心から約 50mm の位置とする。


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C 5402-1992

(2)

軽減曲線の決定

(a)  (1)

の測定で得られた結果を電流を縦軸,温度を横軸とし,

図 10 に示すように図示する。

図 10  電流容量曲線の例

(b)

図 11 に図示した曲線を基本曲線とし,個別規格の規定によって軽減曲線を決定する。

なお,

図 11 に示す xI

n

の軽減率 は,基本曲線に対し供試コネクタによるばらつき及び測定装置

での温度測定の誤差を考慮して個別規格に規定する。

図 11  軽減曲線の例

5.13.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

測温体の種類(5.13.1 参照)

(2)

測定容器の大きさ及び供試コネクタの取付方法(必要がある場合)

5.13.2 参照)

(3)

接続電線の種類及び太さ(必要がある場合)

5.13.2 参照)

(4)

温度測定箇所(必要がある場合)

5.13.2 参照)

(5)

試験電流値及びその種類(直流又は交流)

5.13.3 参照)

(6)

供試コネクタが 3 個以外の場合の試料数(必要がある場合)

5.13.3 参照)

(7)

基本曲線に対する軽減曲線の軽減率(5.13.3 参照)


14

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6.

機械的性能試験

6.1

耐振性  (JIS C 0040 参照)

6.1.1

装置  この試験に用いる装置は,次の要求特性を得るのに十分な性能を備えた試験機とする。

(1)

要求特性  振動試験機に供試コネクタを取り付けた状態で試験機と取付ジグとに要求される特性は,

次のとおりとする。

(1.1)

基本運動  基本運動は,時間の正弦関数とし,(1.2)及び(1.3)の制約を受けるが,供試コネクタの固

定点は,すべて同位相及び平行直線運動をすること。

(1.2)

横運動  規定軸に垂直な各軸上の観測点での最大振幅は 500Hz までは規定振幅の 50%以下,500Hz

を超える振動数では規定振幅の 100%以下とする。

(1.3)

ひずみ  ひずみは,基準点で 50kHz までの振動数又は励振振動数の 5 倍までの振動数のいずれか大

きい値の範囲で 25%を超えてはならない。

(1.4)

振幅の許容差  観測点及び基準点での振幅の許容差は,次のとおりとする。これらの許容差には計

測誤差も含まれる。

(a)

基準点  基準点の制御信号の許容差は,±15%とする。

(b)

観測点  各観測点で,振幅の許容差は,次のとおりとする。

 500Hz

以下  ±25%

 500Hz

を超える場合  ±50%

(1.5)

振動数の許容差  振動数の許容差は,次のとおりとする。

 10Hz

を超え 50Hz 以下  ±1Hz

 50Hz

を超える場合  ±2%

(1.6)

掃引  掃引は,連続的に行い,振動数は,時間の指数関数的に変化させる。掃引速度は,1 オクタ

ーブ/分とし,その許容差を±10%とする。

6.1.2

準備  供試コネクタを個別規格に規定する方法で取り付ける。供試コネクタにケーブルを接続する

場合は,供試コネクタが使用状態のときに受ける拘束力及び質量と同じものが加わるように実装する。こ

のためには,ケーブルは取付ジグに強固に取り付ける必要がある。

また,供試コネクタは 5.5 の試験を行うため,規定がない限りすべて直列に接続する。

6.1.3

試験  試験は,次による。

(1)

厳しさ  厳しさは,表 のいずれかから選び個別規格に規定する。


15

C 5402-1992

表 4  厳しさ

振動数範囲

Hz

各軸方向での掃引サイクル数

適用例

片振幅又は加速度

0.35mm

又は

49m/s

2

0.75mm

又は

98m/s

2

1.5mm

又は

196m/s

2

 10

〜 55

10

10

大形工業用電源設備,重回転機械,鋼圧延機,大形商船

及び鑑艇に用いられる部品

 10

〜 500

10

10

はん用地上設置物及び地上輸送機関の一般用途,高速小
形艦船及び一般航空機に用いられる部品

 10

〜 2  000

− 10 10

宇宙用発射台 (196m/s

2

)

,航空機のエンジンに取り付け

る部品

 55

〜 500

10

10

− 10〜500Hz の場合と同様のものに適用。ただし,55Hz

未満では共振応答がない小形で剛性がある部品

 55

〜 2  000

− 10 10

10

〜2 000Hz の場合と同様のもの。ただし,55Hz 未満

では共振応答がない小形で非常に剛性がある部品

 100

〜 2  000

− 10 10

55

〜2 000Hz の場合と同様のもの。ただし,剛性が高い

構造の小形部品,例えば,樹脂封止トランジスタ,ダイ

オード,抵抗体及びコンデンサ

(2)

前処理  個別規格の規定による。

(3)

初期測定  個別規格の規定によって外観,電気的性能・機械的性能を調べる。

(4)

試験条件  振動は,かん合軸方向を含む互いに垂直な 3 方向に加える。

(5)

中間測定  全時間に対し 5.5 の試験を行う。ただし,個別規格に規定がある場合は,5.7 の試験を行う。

(6)

後処理  個別規格の規定による。

(7)

最終測定  個別規格の規定によって外観,電気的性能・機械的性能を調べる。

6.1.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

供試コネクタの取付ジグ及び取付方法(6.1.2 参照)

(2)

使用するケーブルの種類及び太さ(必要がある場合)

6.1.2 参照)

(3)

ケーブルの取付ジグ及び取付方法(必要がある場合)

6.1.2 参照)

(4)

振動数範囲[6.1.3(1)参照]

(5)

振動振幅[6.1.3(1)参照]

(6)

耐久試験の時間(必要がある場合)

6.1.3(4)参照]

(7)

前処理(必要がある場合)

6.1.3(2)参照]

(8)

初期測定の項目[6.1.3(3)参照]

(9)

供試コンタクトの接続方法(必要がある場合)

6.1.2 参照)

(10)

試験中のコンタクト及びシェルのチャタリング[6.1.3(5)参照]

(11)

接触抵抗の変動(必要がある場合)

6.1.3(5)参照]

(12)

後処理(必要がある場合)

6.1.3(6)参照]

(13)

最終測定の項目[6.1.3(7)参照]

(14)

最大磁気干渉(必要がある場合)

6.2

衝撃  (JIS C 0041 参照)

6.2.1

装置  この試験に用いる装置は,次の要求特性を得るのに十分な性能を備えた試験機とする。

(1)

要求特性  衝撃試験機及び取付ジグに供試コネクタを取り付けたとき,観測点に加える衝撃は図 12

図 13 及び図 14 の破線で示す加速度対時間の理想カーブの一つに近似のパルスとする。


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C 5402-1992

図 12  のこぎり波パルス

図 13  正弦半波パルス


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C 5402-1992

図 14  台形波パルス

(a)

基本波パルスの波形  実際のパルス波形の真値は,それぞれの関係図の実線で示している許容差内

にあること。規定波形を次に示す。

なお,個別規格に規定がない限り,試験は正弦半波を使用する。

のこぎり波:

図 12 に示すような立ち上がり時間の短い非対称三角形

正弦半波  :

図 13 に示すような正弦波の半サイクル

台形波    :

図 14 に示すような立ち上がり時間及び立ち下がり時間の短い対称台形

(b)

速度変化の許容差  すべての波形の速度変化は,理想パルスの値の±15%とする。実際のパルスの

積分によって速度変化を求めるときは,パルスの 0.4前から 0.1後まで積分する必要がある。

D

は理想パルスの作用時間である。

(c)

横方向の運動  観測点での規定衝撃方向に直角な正又は負のピーク加速度を(2)の測定装置で測定

したとき,規定方向の理想パルスのピーク加速度値の 30%を超えてはならない。

(2)

測定装置  測定装置の特性は,観測点での規定方向の実測パルスの真値が図 12,図 13 及び図 14 の各

図の要求許容差内にあることを決めることができるものとする。

加速度計を含む全測定装置の周波数応答は,確度に重大な影響を及ぼすので,

図 15 に示す範囲とす

る。


18

C 5402-1992

図 15  測定装置の周波数特性

パルスの

作用時間 D

低域遮断周波数

Hz

高域遮断

周波数

kHz

レスポンスが+1dB を超

えることが許される下限
周波数 kHz

ms

f

1

f

2

f

3

f

4

0.2 20

120  20

40

0.5 10

50  15

30

1 4  20

10

20

3 2  10 5

10

6 1  4 2

4

11 0.5 2 1

2

18 0.2 1 1

2

6.2.2

準備  供試コネクタを個別規格に規定する方法で取り付ける。供試コネクタにケーブルを接続する

場合は,供試コネクタが使用状態のときに受ける拘束力及び質量と同じものが加わるように実装する。こ

のためには,ケーブルは取付ジグに強固に取り付ける必要がある。

また,供試コンタクトは,5.5 の試験を行うため,個別規格に規定がない限りすべて直列に接続する。

6.2.3

試験  試験は,次による。

(1)

厳しさ  厳しさは,表 のいずれかから選び個別規格に規定する。

表 5  厳しさ

ピーク加速度

A

作用時間

D

速度変化 V

 

m/s

正弦半波

のこぎり波

台形波

m/s

2

 ms

V

π

2

AD

V

=0.5AD

V

=0.9AD

294 18

3.4

2.6

4.8

490 11

3.4

2.7

4.9

981 6

3.7

2.9

5.3

4 900

1

3.1

14 700

0.5

4.7

(2)

前処理  個別規格の規定による。

(3)

初期測定  個別規格の規定によって外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。

(4)

試験条件  衝撃は,かん合軸に沿う 2 方向を含む互いに垂直な 6 方向に規定がない限りそれぞれ 3 回

ずつ計 18 回加える。

なお,試験中に 5.5 の試験を行う。ただし,個別規格に規定がある場合は,5.7 の試験を行う。

(5)

後処理  個別規格の規定による。

(6)

最終測定  個別規格の規定によって外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。


19

C 5402-1992

6.2.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

供試コネクタの取付ジグ及び取付方法(6.2.2 参照)

(2)

使用するケーブルの種類及び太さ(必要がある場合)

6.2.2 参照)

(3)

ケーブルの取付ジグ及び取付方法(必要がある場合)

6.2.2 参照)

(4)

厳しさ(ピーク加速度,作用時間及びパルス波形)

6.2.3(1)参照]

(5)

前処理(必要がある場合)

6.2.3(2)参照]

(6)

初期測定の項目[6.2.3(3)参照]

(7)

供試コンタクトの接続方法(必要がある場合)

6.2.2 参照)

(8)

試験中のコンタクト及びシェルのチャタリング[6.2.3(4)参照]

(9)

接触抵抗の変動(必要がある場合)

6.2.3(4)参照]

(10)

衝撃方向と回数(必要がある場合)

6.2.3(4)参照]

(11)

後処理(必要がある場合)

6.2.3(5)参照]

(12)

最終測定の項目[6.2.3(6)参照]

6.3

繰返し動作

6.3.1

装置  この試験に用いる装置は,6.3.3 の試験を行うのに十分な機構をもち,適切な方法によって

動作回数が確認できるものとする。

6.3.2

準備  個別規格の規定によって供試コネクタを準備する。

6.3.3

試験  試験は,次による。

(1)

初期測定  個別規格の規定によって外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。

(2)

試験方法

(a)

動作回数  個別規格に規定する方法で供試コネクタを取り付け,表 に示す値から選んだ個別規格

に規定する回数を通常使用する方法で抜き差しする。

表 6  繰返し動作回数

単位  回

50

  100  250  500  1 000  2 000  5 000  10 000

なお,個別規格で結合・離脱できる装置の使用が認められている場合は,この装置を使用しても

よい。

(b)

動作速度  動作速度は,個別規格の規定による。

(3)

最終測定  個別規格の規定によって外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。

6.3.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

供試コネクタの取付方法(6.3.2 参照)

(2)

初期測定の項目[6.3.3(1)参照]

(3)

繰返し動作の動作回数[6.3.3(2)参照]

(4)

結合・離脱できる装置の使用可否[6.3.3(2)参照]

(5)

繰返し動作の動作速度[6.3.3(2)参照]

(6)

最終測定の項目[6.3.3(3)参照]

6.4

コンタクトのゲージ保持力

6.4.1

装置  この試験に用いる装置は,6.4.3 の試験を行うのに十分な性能を備えたゲージ及び引張試験

機とする。


20

C 5402-1992

6.4.2

準備  供試コネクタのめすコンタクトに,個別規格に規定する最大寸法のゲージを規定がない限り

通常使用する深さまで 3 回挿入,抜去する。

また,おすコンタクトの場合は,最小寸法のゲージで同様に行う。

6.4.3

試験  めすコンタクトに個別規格に規定する最小寸法のゲージを挿入し,抜去する方向の保持力を

測定する。おすコンタクトの場合は,最大寸法のゲージを挿入し同様に行う。

6.4.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

供試コンタクトの取付方法(6.4.2 参照)

(2)

供試コンタクトの数(6.4.2 参照)

(3)

挿入,抜去する回数(必要がある場合)

6.4.2 参照)

(4)

使用するゲージの詳細(6.4.2 及び 6.4.3 参照)

6.5

プローブダメージ

6.5.1

装置  この試験に用いる装置は,図 1618 に示す試験ジグ及び試験を行うのに十分な性能を備え

た試験機とする。

なお,使用するテストピンの条件は,個別規格の規定がない限り,次による。

(1)

球面状の先端で表面仕上げをした焼入れ鋼とする。

(2)

長さは,通常挿入する最小深さの

4

3

に等しい寸法を最大とする(

図 16 の A 寸法)。

(3)

直径は,適合おすコンタクトの公称径に等しい寸法とする(

図 16 の B 寸法)。

6.5.2

準備  円筒状の供試めすコンタクトを図 17 及び図 18 に示すように試験中回転できるジグに固定し,

コンタクトのかん合軸を水平に保つ。

なお,

図 18 に示すようにコネクタに組み込まれたコンタクトを試験する場合には,コンタクトがコネク

タ内で回転しないように固定する。

6.5.3

試験  供試コンタクトに規定のモーメントを与えるジグのテストピンを規定の深さまで挿入し,静

かにコンタクトを軸の回りに 360°回転させる。これを規定の挿入順序に従って繰り返す。個別規格に深

さと挿入順序の規定がない限り,通常挿入する深さの

4

3

の深さ(この深さを規定寸法 A とする。

)まで挿入

し,次に深さ

3

2

A

3

1

A

の順序で行う。モーメントを与えた後,6.4 の試験を行う。

6.5.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

テストピンの長さ A(必要がある場合)

6.5.1 参照)

(2)

テストピンの先端形状及び仕上げ(6.5.1 参照)

(3)

曲げモーメントの値(6.5.3 参照)

(4)

曲げモーメントを与えるジグの詳細(6.5.1 参照)

(5)

曲げモーメントを与えるジグの挿入深さ及び挿入順序(必要がある場合)

6.5.3 参照)

図 16  曲げモーメントを与えるジグ


21

C 5402-1992

図 17  コンタクト単体を試験する保持ジグ(一例)

図 18  コネクタに組み込まれたコンタクトを試験するジグ(一例)

6.6

結合力及び離脱力

6.6.1

装置  この試験に用いる装置は,6.6.3 の試験を行うのに十分な性能を備えた引張試験機とする。

6.6.2

準備  結合・離脱の動作を補助する附属品などの試験に不要な部分は供試コネクタから取り除き,

個別規格の規定によって試験機に取り付ける。

なお,供試コネクタの一方はコネクタの代わりに適合するゲージを使用してもよい。

6.6.3

試験  コネクタ相互間又はコネクタと適合ゲージ相互間を軸方向に一定の速度で結合・離脱して,

結合力及び離脱力を 5 回連続測定する。

6.6.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

供試コネクタの取付方法(6.6.2 参照)

(2)

試験に不要な部分(6.6.2 参照)

(3)

適合ゲージの詳細(必要がある場合)

6.6.2 参照)

(4)

結合・離脱の速度(必要がある場合)

6.6.3 参照)

6.7

ケーブルクランプ部の引張強度

6.7.1

装置  この試験に用いる装置は,6.7.3 の試験を行うのに十分な性能を備えた引張試験機とする。

6.7.2

準備  供試コネクタに適合するケーブルを通常使用する方法で締付具によって締め付け,個別規格

に規定する方法で取り付ける。

なお,個別規格に規定がない限り,ケーブルはコンタクトに接続しない。


22

C 5402-1992

6.7.3

試験  ケーブルが垂直となるように供試コネクタを取付台などに固定し,ケーブルの端に軸方向に

引張力を加える。引張力は徐々に規定値まで 20N/s 以下の割合で増大させ,規定値で 1 分間保持した後,

ケーブルの移動の有無とケーブル及びケーブルクランプの異常の有無を調べる。

6.7.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

適合するケーブル(6.7.2 参照)

(2)

ケーブルとコンタクトとの接続の有無(必要がある場合)

6.7.2 参照)

(3)

供試コネクタの取付方法(6.7.2 参照〉

(4)

引張力の大きさ(6.7.3 参照)

6.8

結合部接続強度

6.8.1

装置  この試験に用いる装置は,6.8.3 の試験を行うのに十分な性能を備えた引張試験機とする。'

6.8.2

準備  供試コネクタを通常使用する方法で結合部を含めて結合し,個別規格に規定する方法で試験

機に取り付ける。

6.8.3

試験  供試コネクタにかん合軸方向に規定の割合で徐々に引張力を加え,規定の大きさで 15 秒間

保持し,引張力を加えている間コネクタが十分結合しているかどうか調べる。

また,引張力を取り去り,結合部などの異常の有無を調べる。

6.8.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

供試コネクタの取付方法(6.8.2 参照)

(2)

引張力を印加する位置(6.8.3 参照)

(3)

引張力の印加割合及び大きさ(6.8.3 参照)

6.9

コネクタ取付部の軸方向強度及びトルク

6.9.1

装置  この試験に用いる装置は,6.9.3 の試験を行うのに十分な性能を備え,力及び(又は)トル

クを連続的に加えることができる試験機及びジグとする。

6.9.2

準備  個別規格に規定する方法によって,供試コネクタは,パネル又はシャシに取り付ける。ケー

ブルはコンタクトに接続しない。

6.9.3

試験  供試コネクタを取り付けたパネル又はシャシを試験機に取り付け,個別規格に規定する力及

び(又は)トルクを規定する位置に,規定する方向に加える。力は取付板に垂直に加える。力及び(又は)

トルクは徐々に規定値まで増大させ,規定の時間保持した後,取付部の異常の有無を調べる。

6.9.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

供試コネクタの取付方法(6.9.2 参照)

(2)

力及び(又は)トルクの大きさ(6.9.3 参照)

(3)

力を印加する位置及び方向(6.9.3 参照)

(4)

力を印加する速度及び時間(6.9.3 参照)

(5)

トルクを印加する位置及び方向(6.9.3 参照)

(6)

トルクを印加する速度及び時間(6.9.3 参照)

(7)

力を印加するジグの状態(6.9.3 参照)

(8)

トルクを印加するジグの状態(6.9.3 参照)

6.10

ケーブル付き落下試験

6.10.1

装置  この試験に用いる装置は,6.10.3 の試験を行うのに十分な機能を備えたケーブル取付ジグ,

鋼板などとする。

6.10.2

準備  供試コネクタに附属品を取り付け,通常の方法を用いてケーブルを接続する。


23

C 5402-1992

なお,ケーブルの長さは 2 250±10mm とし,通常使用するケーブルの中で最も細いか又は最も可とう性

があるものとする。

6.10.3

試験  図 19 に示すように,ケーブルの端をケーブルが水平,垂直方向に自由に移動できる取付ジ

グに取り付け,

表 の値から選んだ個別規格に規定する高さに保持する。ただし,ケーブルは水平で,供

試コネクタを個別規格に規定する向きに保持する。供試コネクタを 300×500mm,厚さ 25mm の鋼板上に

落下させ,これを規定の回数操り返し,供試コネクタの異常の有無を調べる。

表 7  落下試験の高さ

単位 mm

2 000

±10

1 750

±10

1 500

±10

1 250

±10

1 000

±10

750

±10

500

±10

図 19  落下試験(一例)

6.10.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

供試コネクタの取付方法(6.10.2 参照)

(2)

使用するケーブルの種類(6.10.2 参照)

(3)

落下の高さ(

表 参照)

(4)

落下の回数(6.10.3 参照)

(5)

供試コネクタの向き(6.10.3 参照)

6.11

誤結合防止機構

6.11.1

装置  この試験に用いるコネクタ取付ジグは,供試コネクタを通常の方法で取り付けることができ,

適合するコネクタを正規の方法で,正確に結合できるものとする。

個別規格に規定がある場合は,適合するコネクタの代わりに適切なゲージを使用する。

プリント配線板表面のコンタクト部と直接結合するコネクタは,ゲージの代わりにプリント配線板を使

用してもよい。

6.11.2

準備  個別規格の規定によって供試コネクタをジグに取り付ける。

6.11.3

試験  結合装置があればそれを使用し,結合力を個別規格の規定に従って適合するコネクタに加え,

コネクタが正しく結合するかどうかを調べ,誤結合の場合は結合しないことを調べる。

なお,個別規格に規定がある場合,誤結合防止機構はコンタクトが接触する前に機能するかどうかを調

べる。


24

C 5402-1992

6.11.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

供試コネクタの取付方法(6.11.2 参照)

(2)

結合相手のコネクタ又はゲージ若しくはプリント配線板(6.11.1 参照)

(3)

結合力の大きさ(6.11.3 参照)

(4)

コンタクトが接触する前に機能する誤結合防止機構の詳細(必要がある場合)

6.11.3 参照)

6.12

結合装置を含めた結合力及び離脱力

6.12.1

装置  この試験に用いる装置は,6.12.3 の試験を行うのに十分な性能を備えた試験機とする。

6.12.2

準備  供試コネクタを取付台などに取り付け,これを試験機に取り付ける。

6.12.3

試験  結合・離脱の動作を補助する結合装置などの附属品及び特別な装置を含めて,供試コネクタ

を一定の速度で結合・離脱し,その結合力・離脱力を測定する。

なお,この試験での結合力及び離脱力には,引張力及び押力のほかにトルクも含む。

6.12.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

附属品及び特別な装置(6.12.3 参照)

(2)

結合,離脱の速度(必要がある場合)

6.12.3 参照)

6.13

結合装置の強度

6.13.1

装置  この試験に用いる装置は,6.13.3 の試験を行うのに十分な性能を備え,力及び(又は)トル

クを連続的に加えることができる試験機及びジグとする。

6.13.2

準備  個別規格に規定する方法で供試コネクタを取り付ける。

6.13.3

試験  個別規格に規定する力を約 20N/s の割合で徐々に印加し,次の(1)(4)に示す方向に 1 分間

レバー状の結合装置の先端に加える(

図 20 参照)。

(1)

レバーのそれぞれの停止位置で,レバーの移動平面内に対して垂直な方向

(2)

レバーのそれぞれの停止位置で,レバーの移動平面内で,レバーに対して垂直な方向

(3)

レバーの軸方向で中心に向かう方向

(4)

レバーの軸方向で中心から外側へ向かう方向

また,規定のトルクをレバーの両回転方向にレバーに対し規定の時間加える。試験後,レバーなどの異

常の有無を調べる。


25

C 5402-1992

図 20  力を加える方向

6.13.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

供試コネクタの取付方法(6.13.2 参照)

(2)

力及びトルクを加えるジグの詳細(6.13.1 参照)

(3)

力及びトルクの大きさと印加方向(6.13.3 参照)

(4)

トルクの印加時間(6.13.3 参照)

6.14

コネクタ取付部の横方向強度

6.14.1

装置  この試験に用いる装置は,6.14.3 の試験を行うのに十分な性能を備え,力を連続的に加える

ことができる試験機及びジグとする。

6.14.2

準備  個別規格に規定する方法によって供試コネクタは,パネル又はシャシに取り付ける。ケーブ

ルはコンタクトに接続しない。

6.14.3

試験  供試コネクタを取り付けたパネル又はシャシを試験機に取り付け,個別規格に規定する力を

規定の位置で規定の方向に加える。この力は取付板に平行に加え,徐々に規定値まで増大させ,規定の時

間保持した後,取付部の異常の有無を調べる。

6.14.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

供試コネクタの取付方法(6.14.2 参照)

(2)

力の大きさ(6.14.3 参照)

(3)

力を印加する位置及び方向(6.14.3 参照)

(4)

力を印加する割合及び時間(6.14.3 参照)

(5)

力を印加するジグの形状(6.14.1 参照)

6.15

コンタクト保持力

6.15.1

装置  この試験に用いる装置は,6.15.3 の試験を行うのに十分な性能を備え,コンタクトの軸方向

へコンタクトに対し連続的に力を加えることができる試験機とする。

6.15.2

準備  通常使用する方法で,すべてのコンタクトを供試コンタクトに挿入し,個別規格に規定する

方法で供試コネクタを取り付ける。


26

C 5402-1992

なお,試験に不要な部分は取り除く。

6.15.3

試験  供試コネクタの全コンタクト数の 20%のコンタクト(ただし,6 コンタクト以上)を無作為

に選択する。ただし,少なくともそのうち 1 個は周辺の近傍,1 個は中央の近傍にあるものとする。コン

タクトが 6 個以下の場合は,全コンタクトを試験する。

コンタクトの軸方向にコネクタの結合面側から,力を徐々に規定値まで 10N/s 以下の割合で増大させ,

その規定値で 10 秒間保持する。次にコネクタの結線側から力を同様に印加し,力の印加中及び印加後コン

タクトの変位量を測定する。

また,試験後コンタクト及びコンタクト保持部の異常の有無を調べる。

6.15.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

供試コネクタの取付方法(6.15.2 参照)

(2)

力の大きさ及び印加位置(6.15.3 参照)

6.16

コンタクト保持部耐久性

6.16.1

装置  この試験に用いる装置は,6.16.3 の試験を行うのに十分な性能を備え,コンタクトを挿入及

び引抜きできるジグとする。

6.16.2

準備  通常使用する方法でコンタクトと電線を接続し,すべてのコンタクトを通常の方法で供試コ

ネクタに挿入する。コンタクトを挿入,引抜きできるように試験に不要な部分は取り除くか緩め,個別規

格に規定する方法で供試コネクタを取り付ける。

6.16.3

試験  供試コネクタの全コンタクト数の 20%のコンタクト(ただし,6 コンタクト以上)を無作為

に選択する。ただし,少なくともそのうち 1 個は周辺の近傍,1 個は中央の近傍にあるものとする。コン

タクトが 6 個以下の場合は,全コンタクトを試験する。

供試コネクタを個別規格に規定する初期測定を行った後,規定の挿入,引抜きできる装置を用いて,規

定がない限り 10 回コンタクト保持部からコンタクトの挿入,引抜きを行う。

試験後,個別規格に規定する項目について最終測定をする。

6.16.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

コンタクトを挿入,引抜きする装置の詳細(6.16.1 及び 6.16.3 参照〉

(2)

使用する電線(6.16.2 参照)

(3)

供試コネクタの取付方法(6.16.2 参照)

(4)

挿入及び引抜きの回数(必要がある場合)

6.16.3 参照)

(5)

初期測定の項目(6.15 及び 6.19 の試験)

6.16.3 参照)

(6)

最終測定の項目(6.15 及び 6.19 の試験)

6.16.3 参照)

6.17

インサート保持部の軸方向強度

6.17.1

装置  この試験に用いる装置は,6.17.3 の試験を行うのに十分な性能を備え,シェル内の絶縁体に

対し,コネクタの軸方向に連続的に力を加えることができる試験機とする。

6.17.2

準備  個別規格に規定する方法で供試コネクタを取り付ける。

なお,ケーブル,附属品などの試験に不要な部分を取り除く。

6.17.3

試験  絶縁体の軸方向にコネクタの結合面側から力又は圧力を個別規格に規定する値まで約 50N/s

又は 5kPa/s の割合で増大させ,その規定値で 1 分間保持する。次にコネクタの結線側から力又は圧力を同

様に印加した後,絶縁体の移動及び異常の有無を調べる。

6.17.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

供試コネクタの取付方法(6.17.2 参照)


27

C 5402-1992

(2)

力又は圧力の大きさ及び印加位置(6.17.3 参照)

6.18

インサート保持部のねじり強度

6.18.1

装置  この試験に用いる装置は,6.18.3 の試験を行うのに十分な性能を備え,シェル内の絶縁体に

対し,ねじり方向に連続的にトルクを加えることができる試験機とする。

6.18.2

準備  個別規格に規定する方法で供試コネクタを取り付ける。

なお,ケーブル,附属品など試験に不要な部分を取り除く。

6.18.3

試験  個別規格に規定する方法でジグを用いて絶縁体のねじり方向にトルクを徐々に規定値まで

約 0.50Nm/s の割合で増大させ,その規定値で 1 分間保持した後,絶縁体の移動及び異常の有無を調べる。

6.18.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

供試コネクタの取付方法(6.18.2 参照)

(2)

試験機及びジグの詳細(6.18.16.18.3 参照)

(3)

印加するトルクの大きさ及び方向(6.18.3 参照)

6.19

コンタクトの挿入力及び引抜き力

6.19.1

装置  この試験に用いる装置は,6.19.3 の試験を行うのに十分な性能と機能を備えた試験機及びコ

ンタクトを挿入,引抜きできるジグとする。

6.19.2

準備  個別規格に規定する方法で供試コネクタを取り付ける。

なお,すべてのコンタクトに適合するケーブル又は電線を接続する。

6.19.3

試験  供試コネクタの全コンタクト数の 20%のコンタクト(ただし,6 コンタクト以上)を無作為

に選択する。ただし・少なくともそのうち 1 個は周辺の近傍,1 個は中央の近傍にあるものとする。コン

タクトが 6 個以下の場合は全コンタクトを試験する。

(1)

コンタクト挿入力  個別規格に規定するコンタクトを挿入できるジグを用いて,コンタクトを通常使

用する正規の位置まで挿入する力を測定する。

(2)

コンタクト引抜き力  個別規格に規定するコンタクトを引抜きできるジグを用いて,コンタクトをコ

ンタクト保持部から引き抜く力を測定する。

6.19.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

供試コネクタの取付方法(6.19.2 参照)

(2)

コンタクトを挿入及び引抜きするジグ(6.19.1 及び 6.19.3 参照)

6.20

クローズドエントリ部の誤挿入防止機構

6.20.1

装置  この試験に用いる装置は,6.20.3 の試験を行うのに十分な性能を備えたゲージ及び力を印加

することができる試験機とする。

6.20.2

準備  個別規格に規定する方法で供試コネクタを取り付ける。

6.20.3

試験  めすコンタクトに適合するおすコンタクトより大きい個別規格に規定するゲージをクロー

ズドエントリ部に当て,規定された力をゲージに印加し,ゲージがめすコンタクトに挿入できないかどう

かを調べる。

6.20.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

供試コネクタの取付方法(6.20.2 参照)

(2)

ゲージの詳細(6.20.3 参照)

(3)

力の大きさ(6.20.3 参照)

6.21

コンタクト曲げ強度

6.21.1

装置  この試験に用いる装置は,6.21.3 の試験を行うのに十分な性能を備えた試験機とする。


28

C 5402-1992

6.21.2

準備  供試コンタクトを個別規格に規定する方法で取り付ける。

6.21.3

試験  供試コンタクトの図 21 に示す位置に,個別規格に規定する力を印加し,1 分間保持した後,

コンタクトの永久変位量を測定する。

なお,力を増大させていく割合は,個別規格の規定による。

図 21  コンタクトの曲げ強度(一例)

6.21.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

供試コンタクトの数

(2)

供試コンタクトの取付方法(6.21.2 参照)

(3)

力を印加する位置(6.21.3 参照)

(4)

力の大きさ及び印加割合(6.21.3 参照)

6.22

圧着コンタクトの引張強度

6.22.1

装置  この試験に用いる装置は,6.22.3 の試験を行うのに十分な性能を備えた引張試験機とする。

6.22.2

準備  個別規格に規定する圧着工具を用いて,規定の電線の心線を供試コンタクトの心線圧着部に

圧着する。

なお,供試コンタクトに被覆圧着部のある場合は,その部分が機能しないようにする。

6.22.3

試験  コンタクトの圧着部が変形しないように供試コンタクトを引張試験機に取り付け,電線の心

線を毎分 25〜50mm の範囲の一定速度でコンタクトの軸方向に引っ張り,

心線が心線圧着部から抜けるか,

破断するときの力を測定する。

6.22.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

供試コンタクトの数

(2)

供試コンタクトの準備(6.22.2 参照)

(3)

使用する電線の太さ(6.22.2 参照)

(4)

圧着工具の詳細(6.22.2 参照)

(5)

引張速度(必要がある場合)

6.22.3 参照)

6.23

圧着コンタクトの変形

6.23.1

装置  この試験に用いる装置は,6.23.3 の試験を行うのに十分な機能を備えた測定器,コンタクト

を精密に保持するジグ及びジグ取付台で構成する(

図 22 参照)。


29

C 5402-1992

図 22  試験装置(一例)

6.23.2

準備  円筒状の供試圧着コンタクト 20 個及び適合する太さの電線のうち,最も太いものと最も細

いものを各々10 本用意する。

6.23.3

試験  供試コンタクトをその軸方向の周りに回転できるように図 23 の斜線で示した部分をジグで

保持し,

図 23 で示す各々の位置で測定を行う。保持ジグを 360°回転させ,最大値と最小値を読み取り,

その差を変形量とする。

試験は,次の(1)及び(2)の順序で行う。

(1)

圧着前の測定

(2)

圧着後の測定

なお,圧着は,個別規格に規定する圧着工具を用いて行う。

図 23  コンタクト保持範囲と測定位置

6.23.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

使用する電線の種類及び太さ(6.23.2 参照)

(2)

圧着工具の詳細(6.23.3 参照)

(3)

測定器の精度(6.23.1 参照)

6.24

被覆圧着部強度

6.24.1

装置  この試験に用いる装置は,6.24.3 の試験を行うのに十分な性能を備えた試験機とする。

6.24.2

準備  個別規格に規定する電線を少なくとも 100mm 準備し,電線の両端は被覆を取り除かないで

おく。

電線を圧着コンタクトの被覆圧着部に規定の圧着工具を用いて圧着する。

なお,電線は被覆圧着部だけで保持されていることを確認する。


30

C 5402-1992

6.24.3

試験  個別規格に規定する丸棒に図 24 に示すように被覆圧着部及び電線が密着するように少なく

とも 1 回巻き付け,個別規格に規定する引張力を電線の端に加える。次に,

図 24 に示すように反対方向に

巻き付けて同様に行い,これを 1 回とする。これを規定の回数繰り返し,被覆圧着部の異常の有無を調べ

る。ただし,試験中電線が圧着コンタクトから抜けてはならない。

個別規格に規定がある場合は,電線から心線を取り外した後,心線に機能を損なうような異常の有無を

調べる。

図 24  ケーブルの巻付け

>

6.24.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

使用する電線の種類及び太さ(6.24.2 参照)

(2)

圧着工具の詳細(6.24.2 参照)

(3)

電線に適合する丸棒の太さ(6.24.3 参照)

(4)

引張力の大きさ(6.24.3 参照)

(5)

試験の回数(6.24.3 参照)

(6)

心線の検査の要否(6.24.3 参照)

6.25

グランディングコンタクト保持力

6.25.1

装置  この試験に用いる装置は,6.25.3 の試験を行うのに十分な性能を備えたゲージとする。

6.25.2

準備  個別規格の規定によって供試コネクタを取り付ける。

6.25.3

試験  個別規格に規定するゲージをグランディングコンタクトに 3 回挿入・抜去を行った後,ゲー

ジの質量によってゲージが抜ける方向に供試コネクタを保持してゲージを挿入し,ゲージの離脱の有無を

調べる。

6.25.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

供試コネクタの取付方法(6.25.2 参照)

(2)

挿入・抜去する回数(必要がある場合)

6.25.3 参照)

(3)

ゲージの詳細(6.25.3 参照)

6.26

コンタクト端子部強度  (JIS C 0051 参照)

6.26.1

装置  この試験に用いる装置は,6.26.3 の試験を行うのに十分な性能を備え,試験の際,試験結果

に影響を及ぼすようなきず,ひずみなどを供試コネクタに与えないものとする。

6.26.2

準備  供試コネクタを装置に取り付ける。

6.26.3

引張強さ[JIS C 0051 の 2.(試験 Ua1)参照]  引張強さ試験は,次による。

(1)

前処理  個別規格の規定による。


31

C 5402-1992

(2)

初期測定  個別規格の規定によって外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。

(3)

試験  試験は,次による。

(3.1)

適用  この試験は,すべての形のコンタクト端子部に適用する。

試験を行うコンタクト端子数は個別規格の規定による。ただし,コンタクト端子数が 4 個未満の

コネクタは,すべてのコンタクト端子部について行う。

(3.2)

手順  コンタクト端子部を正常の位置で,供試コネクタ本体を固定し,規定の引張力を端子の引出

軸方向に加える。

引張力は,徐々に規定値まで加え(衝撃がないように)

,そのまま 10±1 秒間保持する。

(3.3)

引張力  引張力は,次による。

(a)

リード線端子(円形断面又は板状)又はピン端子  加える引張力は,表 による。

絶縁線は,端子の力を加えるところの絶縁被覆をはぎ取る。

より線は,力を加える前に力を加えるところで機械的に一体とする(はんだ付け又は結び目を作

る)

なお,絶縁線及びより線の性能は,はがす,接合する,結び目を作るなどの操作によって,試験

結果に疑義を生じるおそれがあるので,このような操作は個別規格の規定によるか又は受渡当事者

間の協定による。

表 8  引張力

公称断面積(

1

)

Smm

2

断面が円形の場合の公称線径

dmm

引張力

N

  

≦0.05

  

≦0.25 1

 0.05

S  ≦0.07   0.25

≦0.3 2.5

 0.07

S  ≦0.2  0.3

≦0.5 5

 0.2

S  ≦0.5  0.5

≦0.8 10

 0.5

S  ≦1.2  0.8

≦1.25 20

 1.2

S

1.25

40

(

1

)

円形断面のリード線端子,板又はピン端子の場合:公称断面積は,個

別規格の規定による公称寸法から算出する。より線端子の公称断面積
は,個別規格の規定による導線の個々の素線の断面積を合計して算出

する。

備考  リード線端子の公称断面積が極端に小さい又は大きい場合は,個別規

格に適切な引張力を規定する。

(b)

その他の端子(ラグ端子,内溝付スタッド,ねじ端子など)  加える引張力は,個別規格の規定に

よる。

(4)

最終測定  個別規格の規定によって外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。

(5)

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(a)

前処理(必要がある場合)

(1)参照]

(b)

初期測定の項目(必要がある場合)

(2)参照]

(c)  4

個以上端子がある場合の試験を行う端子数(必要がある場合)

(3)参照]

(d)

加える引張力(公称断面積が極端に小さい又は大きいリード線端子及びその他の端子の場合)

(3)

参照]

(e)

はがす,接合する及び結び目を作るための詳細事項(必要がある場合)

(3)参照]

(f)

最終測定の項目[(4)参照]


32

C 5402-1992

6.26.4

押し強さ[JIS C 0051 の 3.(試験 Ua2)参照]  押し強さ試験は,次による。

(1)

前処理  個別規格の規定による。

(2)

初期測定  個別規格の規定によって外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。

(3)

試験  試験は,次による。

(3.1)

適用  試験を行うコンタクト端子数は,個別規格の規定による。ただし,コンタクト端子数が 4 個

未満のコネクタは,すべてのコンタクト端子部について行う。

必要がある場合,図を用いて端子に加える力の方向を規定する。

(3.2)

手順  端子を通常の位置で,供試コネクタ本体を固定し,供試コネクタ本体にできるだけ近い端子

の部分に押力を加える。ただし,供試コネクタ本体と押力を加える装置の最も近い点との間には,

2mm

のすきまがあるようにする。

押力は,徐々に規定値まで加え(衝撃がないように)

,そのまま 10±1 秒間保持する。

(3.3)

押力  押力は,次による。

(a)

リード線端子(円形断面又は板状)又はピン端子  加える押力は,表 による。

表 9  押力

公称断面積(

1

)

Smm

2

断面が円形の場合の公称線径

dmm

押力

N

  

≦0.05

  

≦0.25 0.25

 0.05

S  ≦0.07   0.25

≦0.3 0.5

 0.07

S  ≦0.2  0.3

≦0.5 1

 0.2

S  ≦0.5  0.5

≦0.8 2

 0.5

S  ≦1.2  0.8

≦1.25 4

 1.2

S

1.25

8

絶縁線は,端子の力を加えるところの絶縁被覆をはぎ取る。

なお,絶縁線の性能は,はがす操作で試験結果に疑義を生じる場合がある。したがって,このよ

うな操作は,個別規格の規定によるか又は受渡当事者間の協定による。

(b)

その他の端子(ラグ端子,内溝付スタッド,ねじ端子など)  加える押力は,個別規格の規定によ

る。

(4)

最終測定  個別規格の規定によって外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。

(5)

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(a)

前処理(必要がある場合)

(1)参照]

(b)

初期測定の項目(必要がある場合)

(2)参照]

(c)  4

個以上端子がある場合の試験を行う端子数(必要がある場合)

(3)参照]

(d)

加える力の方向(必要がある場合)

(3)参照]

(e)

はがす場合の詳細(必要がある場合)

(3)参照]

(f)

リード線端子又はピン以外の端子に対する力(必要がある場合)

(3)参照]

(g)

最終測定の項目[(4)参照]

6.26.5

曲げ強さ[JIS C 0051 の 4.(試験 Ub)参照]  曲げ強さ試験は,次による。

(1)

前処理  個別規格の規定による。

(2)

初期測定  個別規格の規定によって外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。

(3)

試験  試験は,次による。

(3.1)

適用  この試験は曲がりやすいコンタクト端子部だけに適用し,これを適用する場合は,個別規格


33

C 5402-1992

の規定による。

試験を行うコンタクト端子数は,(3.2)(c)の同時曲げ強さの場合を除き個別規格の規定による。

また,コンタクト端子数が 4 個未満のコネクタは,すべてのコンタクト端子部について行う。

なお,同時曲げ強さは,一般に一つ又はそれ以上の側面に一列に数個の端子をもつ,微小コネク

タの一部に適用する。

(3.2)

手順

(a)

リード端子又は板状端子の場合  端子を通常の位置で,その端子の軸が垂直になるように供試コネ

クタの本体を固定し,

表 10 に規定の曲げ力を加えるおもりを端子の先端につり下げる。

供試コネクタ本体を垂直面内で 2〜3 秒間で約 90°曲げ,次に同じ速さで元の位置に戻す。以上

の操作を一回の曲げとする。

試験は,個別規格の規定によって,次の方法のいずれかで行う。

方法 A:1 回の曲げに引き続いて反対方向に曲げるか又は個別規格の規定回数曲げる。

方法 B:同一方向に中断することなく 2 回曲げるか又は個別規格の規定回数曲げる。

供試コネクタ本体と力を加える点の間には,曲率半径を描かせるような物を置かないようにする。

板状端子は,幅の広い面について垂直に曲げる。

表 10  曲げ力

断面係数

Z

x

mm

3

断面が円形の場合の公称線径

dmm

曲げ力

N

Z

≦1.5×10

3

≦0.25 0.5

 1.5

×10

3

Z

≦2.6×10

3

   0.25

≦0.3 1.25

 2.6

×10

3

Z

≦1.2×10

2

   0.3

≦0.5 2.5

 1.2

×10

2

Z

≦0.5×10

1

   0.5

≦0.8 5

 0.5

×10

1

Z

≦1.9×10

1

   0.8

≦1.25 10

 1.9

×10

1

Z

x

1.25

d  

20

備考  丸線の場合の断面係数 Z

x

は,次の式によって算出する。

32

3

d

Z

x

π

ここに,Z

x

:断面係数 (mm

3

)

d

:リード線径 (mm)

板状端子の場合の断面係数 Z

x

は,次の式によって算出する。

6

2

ba

Z

x

ここに,a:曲げ軸に垂直な板の厚さ (mm)

b

:長方形断面の他辺の寸法 (mm)

(b)

ラグ端子の場合

  指で曲げられるラグ端子は,指で 45°に曲げ,次に元の位置に戻す。この操作を

1

回の曲げとする。

なお,個別規格にプライヤの使用,曲げる場所などの詳細事項の規定がある場合はこれによる。

試験は,個別規格の規定によって,次の方法のいずれかで行う。

方法 A

:1 回の曲げに引き続いて反対方向に曲げて,元にもどす。

方法 B

:同一方向に中断することなく 2 回曲げて,元にもどす。

(c)

同時曲げ強さ

  供試コネクタの一つの側のすべての端子を取付面で固定ジグで加えるか又はそれが

決められていない場合は供試コネクタ本体と端子の間で封止した部分から約 3mm のところで加え,

曲がる部分の端のところで,0.1mm の曲率半径になるようにする。


34

C 5402-1992

次に,端子が下を向くように加えた固定ジグにおもりを付加する。このおもりは,固定ジグも含

め,

表 10

による曲げ力に加える端子の数を乗じた曲げ力を加える値とする。次に供試コネクタ本体

を 2〜3 秒間で約 45°に曲げた後,同じ速さで元の位置に戻す。次に反対方向に曲げ,再び元の位

置に戻して行う。

(4)

最終測定

  個別規格の規定によって外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。

(5)

個別規格に規定する事項

  個別規格には,次の事項を規定する。

(a)

前処理(必要がある場合)

(1)

参照]

(b)

初期測定の項目(必要がある場合)

(2)

参照]

(c)

  4

個以上端子がある場合の試験を行う端子数(必要がある場合)

(3)

参照]

(d)

  3

回以上曲げる場合,曲げ方法及び回数(必要がある場合)

(3)

参照]

(e)

適用すべき方法及び特別事項(必要がある場合)

(3)

参照]

(f)

最終測定の項目[

(4)

参照]

6.26.6

トルク強さ

JIS C 0051

6.

(試験 Ud

参照]  トルク強さ試験は,次による。

(1)

前処理

  個別規格の規定による。

(2)

初期測定

  個別規格の規定によって外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。

(3)

試験

  試験は,次による。

(3.1)

適用

  この試験を必要とする場合は,個別規格の規定による。

試験を行うコンタクト端子数は,個別規格の規定による。ただし,コンタクト端子数が 4 個未満

のコネクタは,すべてのコンタクト端子部について行う。

(3.2)

手順

(a)

内溝付スタッド及びねじ端子

  通常の取付具で供試コネクタを固定し,ねじ又は各端子に取り付け

た各ナットに,個別規格に規定する厳しさによって,

表 11

に規定のトルクを 10〜15 秒間衝撃を与

えないようにして加える。

この試験に際し,ねじに対して適切なゆとりある穴が開いている座金又は金属板を,ねじの頭部

と締め付ける面との間に入れる。

座金又は金属板の厚さは,ねじの公称ピッチの約 6 倍とし,また,ナットの厚さは,ねじの公称

外径の約 0.8 倍とする。これらのものは,汚れがなく乾燥していること。

表 11  トルク

ねじの公称径  mm

2.6 3.0  3.5 4.0 5.0 6.0

トルク

Nm

厳しさ 1

0.4 0.5  0.8 1.2 2.0 2.5

厳しさ 2

0.2 0.25 0.4 0.6 1.0 1.25

備考  直径が 6mm より大きいものに対するトルク値は,個別規格の規定による。

(b)

その他の端子

  個別規格の規定による。

(4)

最終測定

  個別規格の規定によって外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。

(5)

個別規格に規定する事項

  個別規格には,次の事項を規定する。

(a)

前処理(必要がある場合)

(1)

参照]

(b)

初期測定の項目(必要がある場合)

(2)

参照]

(c)

  4

個以上端子がある場合の試験を行う端子数(必要がある場合)

(3)

参照]

(d)

厳しさ[

(3)

参照]

(e)

直径が 6mm より大きいねじ端子又はその他の理由で必要な場合の異なるトルクの値(必要がある


35

C 5402-1992

場合)

(3)

参照]

(f)

他の端子に対する試験方法(必要がある場合)

(3)

参照]

(g)

最終測定の項目[

(4)

参照]

6.27

ケーブルクランプ部の曲げ強度

6.27.1

装置

  この試験に用いる装置は,

6.27.3

の試験を行うのに十分な性能を備えた試験機とする。

6.27.2

準備

  供試コネクタに適合するケーブルを通常使用する方法で取り付け,供試コネクタをケーブル

挿入口軸が水平状態になるように個別規格に規定する方法で取り付ける。

6.27.3

試験

  供試コネクタを次の

方法 A

又は

方法 B

のいずれかによって試験する。試験後,ケーブルの

移動,ケーブル及びケーブルクランプ部の異常の有無を調べる。

(1)

方法 A

  ケーブルを締め付けた位置から規定された位置で試験機に取り付け,ケーブルに規定の力を

垂直方向に加え,ケーブルに曲げモーメントを与える。力は徐々に規定値まで,20N/s 以下の割合で

増大させ,1 分間保持した後,力を取り去り,ケーブルを水平状態に戻し,反対側の垂直方向にも同

じことを行い,これを 1 回として,規定の回数繰り返す。

(2)

方法 B

  供試コネクタのケーブル挿入口で,ケーブルの最小曲げ半径となるようなおもりをケーブル

端に取り付けてケーブルを曲げる。次にケーブルがコネクタのケーブル挿入口と直線になる位置まで

おもりを持ち上げる。この曲げ操作を 1 回として,規定の回数繰り返す。

6.27.4

個別規格に規定する事項

  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

適合するケーブル(

6.27.2

参照)

(2)

ケーブルとコンタクトとの接続の有無(必要がある場合)

6.27.2

参照)

(3)

供試コネクタの取付方法(

6.27.2

参照)

(4)

試験方法の種類(

方法 A

又は

方法 B

6.27.3

参照)

(5)

力の大きさ及び印加位置(

方法 A

の場合)

6.27.3

参照)

(6)

曲げ回数(

6.27.3

参照)

(7)

適合するケーブルの長さ及び最小曲げ半径(

方法 B

の場合)

6.27.3

参照)

6.28

ケーブルクランプ部の回転強度

6.28.1

方法 1

  ケーブルクランプ部の回転強度の

方法 1

は,次による。

(1)

装置

  この試験に用いる装置は,

(3)

の試験を行うのに十分な性能を備えた試験機とする。

(2)

準備

  供試コネクタに適合するケーブルを通常使用する方法で取り付け,供試コネクタを個別規格に

規定する方法で試験機に取り付ける。

なお,個別規格に規定がない限り,ケーブルはコンタクトに接続しない。

(3)

試験

  ケーブルの端を供試コネクタのケーブルクランプに対し,45〜50°曲げた後 360°回転させる。

回転の回数及び速度は個別規格の規定による。試験後,ケーブル及びケーブルクランプ部の異常の有

無を調べる。

なお,試験中,規定された状態を保持するため,たるまない程度にケーブルに最低必要な引張力を

加える。

(4)

個別規格に規定する事項

  個別規格には,次の事項を規定する。

(a)

適合するケーブル[

(2)

参照]

(b)

ケーブルとコンタクトとの接続の有無(必要がある場合)

(2)

参照]

(c)

供試コネクタの取付方法[

(3)

参照]

(d)

回転の回数及び速度[

(3)

参照]


36

C 5402-1992

6.28.2

方法 2

  ケーブルクランプ部の回転強度の

方法 2

は,次による。

(1)

装置

  この試験に用いる装置は,

(3)

の試験を行うのに十分な性能を備えた試験機とする。

(2)

準備

  供試コネクタに適合するケーブルの最小曲げ半径の 3 倍の長さのケーブルを取り付け,供試コ

ネクタを個別規格に規定する方法で試験機に取り付ける。

(3)

試験

  供試コネクタのケーブル挿入口からケーブルをケーブル最小曲げ半径で 90°に曲げ,コネクタ

の軸に垂直な平面の円周上を,個別規格に規定する回数,ケーブルを回転させる。試験後,ケーブル

及びケーブルクランプ部の異常の有無を調べる。

なお,試験中,ケーブルがよじれないように注意する。

(4)

個別規格に規定する事項

  個別規格には,次の事項を規定する。

(a)

供試コネクタの取付方法[

(3)

参照]

(b)

適合するケーブルの長さ及び最小曲げ半径[

(2)

参照]

(c)

ケーブルとコンタクトとの接続の有無[

(2)

参照]

(d)

回転の回数及び速度[

(3)

参照]

6.29

ケーブルクランプ部のねじり強度

6.29.1

装置

  この試験に用いる装置は,

6.29.3

の試験を行うのに十分な性能を備え,トルクを連続的に加

えることのできる試験機とする。

6.29.2

準備

  供試コネクタに適合するケーブルを通常使用する方法で締付具によって締め付け,個別規格

に規定する方法で試験機に取り付ける。

6.29.3

試験

  ケーブルを締め付けた位置から規定の位置にトルクを加える。トルクは徐々に規定値まで

0.50Nm/s

以下の割合で増大させ,1 分間保持した後,ケーブルの移動並びにケーブル及びケーブルクラン

プの異常の有無を調べる。

6.29.4

個別規格に規定する事項

  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

適合するケーブル[

6.29.2

参照]

(2)

ケーブルとコンタクトとの接続の有無(必要がある場合)

6.29.2

参照)

(3)

供試コネクタの取付方法(

6.29.2

参照)

(4)

装置の詳細(必要がある場合)

6.29.3

参照)

(5)

トルクの大きさ,方向及び印加位置(

6.29.3

参照)

(6)

トルクの印加割合及び印加時間(

6.29.3

参照)

6.30

結合部の曲げ強度

6.30.1

装置

  この試験に用いる装置は,

6.30.3

の試験を行うのに十分な性能を備え,コネクタに曲げモー

メントを連続して加えることができる試験機及びジグとする。

6.30.2

準備

  供試レセプタクルコネクタをパネル又はシャシに個別規格に規定する方法で取り付ける。

6.30.3

試験

  供試コネクタを取り付けたパネル又はシャシを試験機に取り付け,適合するコネクタを結合

して,個別規格に規定する力を規定の位置に,コネクタの軸に垂直な方向に徐々に規定値まで増大させ,

規定の時間保持する。試験後,

6.12

の測定をする。

6.30.4

個別規格に規定する事項

  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

供試コネクタの取付方法(

6.30.2

参照)

(2)

力の大きさ及び印加位置(

6.30.3

参照)

(3)

力の印加時間(

6.30.3

参照)

6.31

ケーブルの回転によるコンタクト保持部強度


37

C 5402-1992

6.31.1

装置

  この試験に用いる装置は,

6.31.3

の試験を行うのに十分な機能を備えた試験ジグ及び滑車と

する。

6.31.2

準備

  個別規格に規定するより線鋼ケーブルを圧着したコンタクトを供試コネクタへ挿入する。個

別規格に規定がない場合は,1 個の供試コネクタについて 2 個のコンタクトが各々試験できるように準備

する。

なお,試験中に鋼ケーブルがコンタクトから抜け出さないように鋼ケーブルの端末をろう付け,溶接又

ははんだ付けによって補強し,圧着してもよい。

また,試験に不要な部分は取り除く。

6.31.3

試験

  個別規格に規定する方法で供試コネクタを

図 25

に示すような回転できる試験ジグに取り付

け,鋼ケーブルを供試コネクタの軸方向と角度 45±5°に傾け滑車を通して個別規格に規定するおもりに

よってコンタクトに引張力を印加する。この状態で試験ジグを 360 度回転させ,これを 1 サイクルとして

1

分間に 10〜20 サイクルの割合で 100 サイクル試験し,コンタクトが正常な位置から抜け出さないかどう

かを調べる。

なお,個別規格に規定がない場合は,おもりは 1.4kg とする。

6.31.4

個別規格に規定する事項

  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

より線鋼ケーブルの太さ及び長さ(

6.31.2

参照)

(2)

コンタクトの接続方法及びインサートへの挿入位置(

6.31.2

参照)

(3)

圧着工具の詳細(

6.31.2

参照)

(4)

供試コネクタの取付方法(

6.31.3

参照)

(5)

試験ジグ及び滑車の詳細(

6.31.3

参照)

(6)

おもりの質量(必要がある場合)

6.31.3

参照)

図 25  コンタクト保持部強度試験(一例)


38

C 5402-1992

6.32

バンプ

  (

JIS C 0042

参照)

6.32.1

装着

  この試験に用いる装置は,次の要求特性を得るのに十分な性能を備えた試験機とする。

(1)

要求特性

  バンプ試験機及び取付ジグに供試コネクタを取り付けたとき,観測点に加えるバンプが,

次に規定する特性をもつものとする。

(a)

基本波パルスの波形

  正弦波パルスの真値は,

図 26

の実線で示す許容差内にあること。

(b)

バンプの反復頻度

  各回のバンプの間では供試コネクタ及び(又は)供試コネクタの内部を静止の

状態とすることができるようにバンプの回数を決める。

また,観測点加速度は,

図 26

の範囲内にあること。

(c)

速度変化の許容差

  実際の速度変化は,理想パルスの±20%とする。実際のパルスの積分によって

速度変化を求める場合,パルスの 0.4前から 0.1後まで積分する必要がある。ここで,は,理

想パルスの作用時間である。

(d)

横方向の運動

  観測点での規定バンプ方向に直角な正又は負のピーク加速度を

(2)

の測定装置によ

って測定したとき,規定方向の理想パルスのピーク加速度値の 30%を超えてはならない。

(2)

測定装置

  測定装置の特性は,観測点での規定方向の実測パルスの真値が

(1)(a)

の要求許容差内にある

ことを確かめることができることとする。

加速度計を含む全測定装置の周波数応答は,精度に重大な影響を及ぼすので,

図 27

に示す範囲内に

あることとする。

図 26  バンプ試験用基本パルス波形(正弦半波)


39

C 5402-1992

図 27  測定装置の周波数特性

パルスの

作用時間

ms

低域遮断周波数

Hz

高域遮断

周波数

kHz

レスポンスが+1dB を超

えることが許される下限
周波数 kHz

f

1

f

2

f

3

f

4

2 2.0

10  5

10

6 1.0 4  2

4

16 0.2 1  1

2

6.32.2

準備

  供試コネクタを個別規格に規定する方法で試験機に取り付ける。供試コネクタにケーブルを

接続する場合は,供試コネクタが使用状態のときに受ける拘束力及び質量と同じものが加わるように実装

する。このためには,ケーブルを取付ジグに強固に取り付ける。

また,供試コンタクトは,

5.5

の試験を行うため,規定がない限りすべて直列に接続する。

6.32.3

試験

  試験は,次による。

(1)

厳しさ

  厳しさは,

表 12

に示す値から選んだ個別規格に規定するパルス加速度,作用時間及び次に示

す値から選んだ個別規格に規定する 1 方向当たりのバンプ回数の組合せとする。

1

方向当たりのバンプ回数は,次による。

100

1 000

4 000

±

±

±

5

10

10

表 12  パルスの加速度及び作用時間

ピーク加速度 A

m/s

2

作用時間 D

ms

速度変化

m/s

98 16 1.0

147 6

0.6

245 6

0.9

390 6

1.5

981 2

1.2

(2)

前処理

  前処理は,個別規格の規定による。

(3)

初期測定

  初期測定は,個別規格の規定によって外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。

(4)

試験条件

  バンプは,かん合軸に沿う 2 方向を含む互いに垂直な 6 方向に加える。

なお,試験中に

5.5

の試験を行う。ただし,個別規格に規定がある場合は,

5.7

の試験を行う。

(5)

後処理

  個別規格の規定による。

(6)

最終測定

  個別規格の規定によって外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。


40

C 5402-1992

6.32.4

個別規格に規定する事項

  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

供試コネクタの取付ジグ及び取付方法(

6.32.2

参照)

(2)

使用するケーブルの種類及び太さ(必要がある場合)

6.32.2

参照)

(3)

ケーブルの取付ジグ及び取付方法(必要がある場合)

6.32.2

参照)

(4)

厳しさ(パルス加速度,作用時間及び 1 方向当たりのバンプ回数)

6.32.3(1)

参照]

(5)

バンプの方向[

6.32.3(4)

参照]

(6)

前処理(必要がある場合)

6.32.3(2)

参照]

(7)

初期測定の項目[

6.32.3(3)

参照]

(8)

供試コンタクトの接続方法(必要がある場合)

6.32.2

参照)

(9)

試験中のコンタクト及びシェルのチャタリング(必要がある場合)

6.32.3(4)

参照]

(10)

試験中の接触抵抗の変動(必要がある場合)

6.32.3(4)

参照]

(11)

後処理(必要がある場合)

6.32.3(5)

参照]

(12)

最終測定の項目[

6.2.3(6)

参照]

7.

耐候性試験

7.1

塩水噴霧

  (

JIS C 0023

参照)

7.1.1

装置

  この試験に用いる装置は,次による。

(a)

供試コネクタを取り付ける棚のある試験槽

(b)

塩水タンク

(c)

噴霧装置

(d)

試験槽の加熱,温度調節装置

(e)

試験槽の加湿装置

(1)

試験槽

  試験槽は,次による。

(a)

試験槽及び附属品は,霧の腐食力に影響を与えないような材料で作られていること。

(b)

供試コネクタと接触する部分は,電解腐食を起こさないような材料で作られていること。

(c)

噴霧が直接供試コネクタにかかったり,溶液の滴が供試コネクタに落ちないこと。

(d)

供試コネクタから落ちた塩水の滴が塩水タンクに戻り,再び用いられないこと。

(e)

温度は,試験中供試コネクタの付近で 35±2℃とする。

(2)

噴霧装置

  噴霧装置は,微細な濃い霧を均一に発生できるものとする。

また,噴霧量は少なくとも 2 個の清浄な噴霧採取容器をノズルに最も近いところと,ノズルから最

も遠いところに置き,それぞれ水平採取面積 80cm

2

で 16 時間以上の動作を平均して,1 時間当たり 0.5

〜3.0ml 採取できる量とする。採取量に供試コネクタや他のものから塩水の滴が混入しないこと。

採取された溶液は,

(4)(c)

の規定を満足すること。

(3)

供給空気

  塩水を噴霧する圧搾空気は,油,ほこりなどの不純物がなく,圧力は 68.6〜176.4kPa に保

たれること。

(4)

塩水

  塩水は,次による。

(a)

塩水の濃度は,35±2℃で (5±1) %質量比に調整する。

(b)

塩水は,

JIS K 8150

に規定の塩化ナトリウムの 1 級相当品と蒸留水又は全固形物 200ppm 以下の純

水を用いて作る。

(c)

塩水の比重は,35±1℃で 1.026 8〜1.041 3 とする。


41

C 5402-1992

35

℃での pH 値は 6.5〜7.2 とする。

(d)

 pH

値の調節は,試薬 1 級相当の塩酸又はか性ソーダを用いる。

pH

の測定は,飽和塩化カリウム橋がある電極を用いて電気的に求めるが,同じ結果が得られるな

らば,その他の方法を用いてもよい。

(e)

塩水は,噴霧前に汚濁物が混入していないものを用いる。

7.1.2

準備

  試験中,塩水噴霧室中の供試コネクタの取付方法は,次の条件に適合しなければならない。

(1)

個別規格に規定がない限り,供試コネクタの主要面は,鉛直線から,その結果に影響を及ぼさない範

囲の角度(15〜30 度)に傾ける。

また,室への噴霧の水平流れの主要方向に平行に置くか又はつるす。

(2)

供試コネクタは,支持物以外のものに触れないようにする。

(3)

供試コネクタの各々について,霧の自由落下を妨げないようにする。

(4)

一つの供試コネクタからの塩溶液が他の供試コネクタに滴ることがないようにする。

7.1.3

試験

  試験は,次による。

(1)

前処理

  個別規格の規定による。

(2)

初期測定

  個別規格の規定によって外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。

(3)

試験

  試験時間は,次に示す値から選んだ個別規格の規定による。

48

±4 時間

96

±4 時間

個別規格に規定がない限り,器具の調整と供試コネクタの検査など必要な短時間の中断以外は規定

された時間中連続的に操作する。

(4)

後処理

  噴霧時間の終了後供試コネクタは,個別規格に規定がない限り塩の付着物を温度 35℃以下の

水で,ていねいに洗浄する。

このとき柔らかいはけを用いてもよい。

(5)

最終測定

  個別規格の規定によって外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。

7.1.4

個別規格に規定する事項

  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

取付方法及び供試コネクタの状態(結合状態又は結合しない状態)

7.1.2

参照)

(2)

前処理の条件(必要がある場合)

7.1.3

参照)

(3)

初期測定の項目(

7.1.3

参照)

(4)

試験時間(

7.1.3

参照)

(5)

後処理の条件(必要がある場合)

7.1.3

参照)

(6)

最終測定の項目(

7.1.3

参照)

7.2

温度サイクル

JIS C 0025

2.

(試験 Na

参照]

7.2.1

装置

  この試験に使用する槽は,

7.2.3(4)

の試験をするのに十分な性能を備えたものとする。この

場合,槽は,供試コネクタの置かれる場所のすべてにわたり供試コネクタが熱源から直接熱放射を受けな

い構造のものとする。

7.2.2

準備

  供試コネクタを一つの槽から他の槽へ移すとき,迅速に入れ換えることができるように槽を

配置しておく。

また,個別規格に規定がない限り,供試コネクタの取付具は,熱伝導の低いものを用い,しかも槽内の

空気の流れを妨害しないような位置に供試コネクタを配置する。

7.2.3

試験

  試験は,次による。


42

C 5402-1992

(1)

前処理

  個別規格の規定による。

(2)

初期測定

  個別規格の規定によって外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。

(3)

厳しさ

  厳しさは,低温及び高温の温度,移し換え時間及びサイクル数の組合せで定める。

(a)

温度

  低温の温度 T

A

及び高温の温度 T

B

は,それぞれ耐寒性(

7.9

参照)及び耐熱性(

7.8

参照)に

規定する試験温度から選んだ個別規格の規定による。

(b)

移し換え時間

  供試コネクタの低温槽から高温槽への移し換え時間 t

2

は,2〜3 分間,20〜30 秒間又

は 10 秒間以内のいずれかから選んだ個別規格の規定による。

(4)

試験方法

  試験方法は,

図 28

に示すサイクルの構成で,

個別規格で規定するサイクル数の試験を行う。

ただし,初めの 5 サイクルは連続して行い,その後のサイクルは,いずれのサイクルで中断してもよ

い。サイクルを中断したとき,供試コネクタは,試験を再び開始するまで

3.1

に規定の標準状態に保

持しておくこととする。サイクル数の規定がない場合は,5 サイクルとする。

低温及び高温の各放置時間 t

1

は,供試コネクタの熱容量を考慮する必要がある。個別規格に規定す

る t

1

は,3 時間,2 時間,1 時間,30 分間又は 10 分間のいずれかとする。個別規格に規定がない場合

は,30 分間とする。

なお,供試コネクタは,無負荷の状態とする。

(5)

後処理

  試験終了後,供試コネクタを

3.3

に規定の後処理条件の状態に 1〜2 時間放置する。

(6)

最終測定

  個別規格の規定によって外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。

図 28  サイクルの構成

7.2.4

個別規格に規定する事項

  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

取付方法及び供試コネクタの状態(結合状態又は結合しない状態)

7.2.2

参照)

(2)

前処理の条件(必要がある場合)

7.2.3

参照)

(3)

初期測定の項目(

7.2.3

参照)

(4)

厳しさ[低温 T

A

,高温 T

B

,サイクル数(必要がある場合)及び移し換え時間 t

2

7.2.3

参照)

(5)

放置時間 t

1

(必要がある場合)

7.2.3

参照)

(6)

最終測定の項目(

7.2.3

参照)

7.3

定常状態の耐湿性

  (

JIS C 0022

参照)

7.3.1

装置

  この試験に使用する槽は,次の条件を満足するものとする。


43

C 5402-1992

(1)

槽内の温度及び湿度は,有効空間内に置いた検出器によって監視できること。

(2)

有効空間内の温度を 40±2℃及び相対湿度を (93

2
3


) %

に維持できること。

(3)

凝縮した水は,連続的に槽外に排出し,浄化するまで再使用しないこと。

(4)

インジェクション形の槽を使って,湿度条件を調整する場合,使用する水の抵抗率は 500

Ω

m

以上で

あること。

(5)

有効空間の全体にわたって条件が一様で,検出器の近傍での条件と,できるだけ同じであること。

(6)

試験中の供試コネクタの電気的負荷によって,槽内の条件に著しい影響がないこと。

(7)

槽の壁及び天井からの凝縮した水滴が供試コネクタに落ちないようにすること。

7.3.2

準備

  供試コネクタの取付方法は,個別規格の規定による。

7.3.3

試験

  試験は,次による。

(1)

前処理

  個別規格の規定による。

(2)

初期測定

  個別規格の規定によって外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。

(3)

試験方法

(a)

供試コネクタを,個別規格に規定する状態の槽に入れる。この際,供試コネクタに水滴が着かない

ように注意する。

供試コネクタを槽内の温度に予熱してから槽に入れることによって,これを防ぐことができる。

(b)

供試コネクタを槽内に置いた後,次に示す値から選んだ個別規格で規定する時間放置する。

  4

10

21

56

(c)

個別規格に,供試コネクタを槽内に置いたまま,試験中又はその終わりに電気的負荷をかけること

及び(又は)測定をする規定がある場合はこれによる。

なお,その測定方法及び測定時間又は測定間隔は,個別規格の規定による。供試コネクタをこれ

らの測定のために槽から取り出してはならない。

(4)

後処理

  後処理は,次による。

(a)

放置時間の終了の時点で,供試コネクタを後処理のために標準状態に 1 時間以上 2 時間以内放置す

る。

(b)

供試コネクタを,後処理のために別の槽に移すか又は供試コネクタの種類及び(又は)試験設備の

能力に応じて槽内に放置してもよい。

別の槽を使用する場合の移替え時間はできるだけ短くし,5 分間以内とする。槽の中に置いたま

まの場合の相対湿度は 30 分間以内に 73〜77%に減じ,その後,温度を 30 分間以内に室温±1℃に

調節する。

(c)

個別規格には,供試コネクタの表面の湿気の除去に特別の注意を払うべきかどうかを規定する。

(5)

最終測定

  個別規格の規定によって外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。

後処理後,直ちに測定を行う。最初に相対湿度の変化に敏感な項目を測定する。個別規格に規定が

ない限り,これらの項目の測定は,30 分間以内に終える。

7.3.4

個別規格に規定する事項

  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

取付方法及び供試コネクタの状態(結合状態又は結合しない状態)

7.3.2

参照)

(2)

前処理の条件(必要がある場合)

7.3.3

参照)


44

C 5402-1992

(3)

初期測定の項目(

7.3.3

参照)

(4)

厳しさ(放置時間)

7.3.3

参照)

(5)

電気的負荷条件(必要がある場合)

7.3.3

参照)

(6)

試験中の測定項目及び測定時間(必要がある場合)

7.3.3

参照)

(7)

表面湿気の除去に関して取るべき処置(必要がある場合)

7.3.3

参照)

(8)

後処理の条件(

7.3.3

参照)

(9)

最終測定の項目(最初に測定する項目と項目の測定に許容される最大期間を含む。

7.3.3

参照)

7.4

温湿度サイクルの耐湿性

7.4.1

方法 1

JIS C 0028

参照)  温湿度サイクルの耐湿性の

方法 1

は,次による。

(1)

装置

  この試験に使用する槽は,湿度試験の後に低温にさらすために,一つの槽又は二つの槽を使用

し,次の条件を満たすものとする。

(1.1)

湿度槽は,次の条件を満たすものとする。

(a)

 25

±2℃及び 65±2℃の温度条件を,1.5 時間以上 2.5 時間以内に変えられること。

(b)

温度が一定及び上昇中に相対湿度を (93±3) %に保てること。

また,温度下降中の相対湿度を 80〜96%の間に保てること。

(c)

槽内の温湿度条件は,有効空間中のどの点でも均一となるように注意し,適切な位置に取り付けら

れた検出部の条件とできるだけ近いこと。この条件を満たすために,槽内の空気を連続的に一定の

速さでかくはんできること。

(d)

槽の温度制御用装置からの放射熱に供試コネクタを直接さらさないこと。

(e)

槽内湿度を維持するために使用する水の抵抗率は,500

Ω

m

以上とする。

凝縮した水は,連続的に槽外に排出し,浄化すれば再使用してもよい。槽の壁面及び天井の結露

水が,供試コネクタの上に落ちないようにすること。

(1.2)

低温槽は,次の条件を満たすものとする。

(a)

温度を−10±2℃に保てること。

(b)

槽内の温湿度条件は,有効空間中のいかなる点の条件も均一になるように注意し,適切な位置に取

り付けられた検出器のごく近傍の条件にできるだけ近づける。この条件を満たすために,槽内の空

気を連続的に一定の速さでかくはんできなければならない。

また,供試コネクタの熱容量が,試験条件に影響を与えないような槽とする。

(1.3)

湿度槽を低温槽として使う場合,

(1.1)

の条件のほか,更に次の条件を満たすこととする。

(a)

 25

±2℃から−10±2℃まで,30 分間以内に下げられるもの。

(b)

供試コネクタを−10±2℃に 3 時間保てるもの。

(c)

−10±2℃から 25±2℃まで 90 分間以内に上げられるもの。

(2)

準備

  供試コネクタの取付方法は,個別規格の規定による。

(3)

試験

  試験は,次による。

(3.1)

前処理

図 29

参照)  供試コネクタは,規定がない限り,湿度試験の最初のサイクルの開始前に,

JIS C 0010

5.5

(標準予備乾燥状態)に規定の標準予備乾燥状態(55±2℃,相対湿度 20%以下)

に 24 時間放置する。

初期測定の前に,供試コネクタを標準状態又は個別規格で規定する条件にして熱的に安定させる。

(3.2)

初期測定

  個別規格の規定によって外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。

(3.3)

厳しさ

  個別規格に厳しさの規定がない場合は,

(3.4)

の 24 時間サイクルを 10 回行う。


45

C 5402-1992

なお,10 回以内の場合には,個別規格にその回数と低温サブサイクルを一連の試験中のどこで行

うかを規定する。

(3.4)

24

時間のサイクル

  供試コネクタは,個別規格に規定する状態で 1 サイクル 24 時間の温湿度サイ

クルを 10 サイクル行う。

第 1〜9 サイクルの中の任意の 5 サイクルは,温湿度サブサイクル(

図 30

の a参照)を行った

後,供試コネクタに低温サブサイクルを行う。残りの 4 サイクル及び最終サイクルは,低温サブサ

イクルを行わない(

図 31

参照)

低温サブサイクルは,一つの槽の温度を変えるか又は二つの槽を使用して供試コネクタを移し替

えるかして行う。二つの槽を使用する場合には,移替えによる熱衝撃に供試コネクタが影響されな

いことが分かっている場合を除き,熱衝撃を与えてはならない。

もし,供試コネクタが二つの槽を使用することによる熱衝撃によって重大な損傷が生じた場合,

別の供試コネクタを使用して緩やかな温度変化による再試験を行う。

(3.4.1)

温湿度サブサイクル

  次の

(a)

(f)

を温湿度サブサイクルとする。次の条件は,すべてのサイクルに

適用する。各々の 24 時間のサイクルの最初は,25±2℃,相対湿度 (93±3) %に調節する(

図 30

図 31

参照)

(a)

槽の温度を 1.5〜2.5 時間のうちに連続的に 65±2℃までに上げる。この間,相対湿度を (93±3) %

に維持する。

(b)

槽の温度及び相対湿度をサイクルの開始後 5.5 時間まで,

それぞれ 65±2℃,

 (93

±3) %に維持する。

(c)

温度を 1.5〜2.5 時間のうちに 25±2℃に下げる。この間,相対湿度を 80〜96%に維持する。

(d)

サイクル開始後 8 時間経過してから再び 1.5〜2.5 時間のうちに連続的に 65±2℃まで上げ,安定さ

せる。この間,相対湿度を (93±3) %とする。

(e)

サイクル開始後 13.5 時間まで 65±2℃,相対温度 (93±3) %を維持する。

(f)

 1.5

〜2.5 時間のうちに 25±2℃下げる。この間,槽内の相対湿度を 80〜96%に維持する。

なお,それに引き続いて低温サブサイクルの開始まで又は 24 時間の終了まで,温度 25±2℃,相

対湿度 (93±3) %に維持する。

(3.4.2)

低温サブサイクル

  第 1〜9 サイクルの任意の 5 サイクルに適用する(

図 30

参照)

(a)

温湿度サブサイクルの終了に引き続いて,槽を温度 25±2℃,相対湿度 (93±3) %にして,少なくと

も 1 時間以上 2 時間以内維持する。

(b)

サイクル開始後 17.5 時間経過してから槽内温度を下げるか又は供試コネクタを別の槽に移し,サイ

クル開始後 18 時間までに−10±2℃にする。別の槽に移し替える場合は,供試コネクタの移替え時

間を 5 分間以内とする。

(c)

サイクル開始後 18 時間経過してから,温度を−10±2℃に 3 時間維持する。低温サブサイクル中の

湿度は規定しない。

(d)

サイクル開始後 21 時間経過してから,温度を上昇させ,サイクル開始後 22.5 時間までに 25±2℃に

する。

供試コネクタを一つの槽から他の槽に移し替える場合は,移替え時間を 10〜15 分間とする。

(e)

槽の温度は,25±2℃に 24 時間のサイクルが終了するまで維持する。この期間中の相対湿度は (93

±3) %とする。

(3.4.3)

低温サブサイクルを含まない 24 時間サイクル

  第 1〜9 サイクルの残りの 4 サイクルに適用する

31

参照)

。温湿度サブサイクルは,

(3.4.1)

による。ただし,

図 31

の では,試験槽を温度 25±2℃,


46

C 5402-1992

相対湿度 (93±3) %に 24 時間サイクルが終了するまで維持する。

(3.4.4)

最終サイクル

  最終サイクルでは,温湿度サブサイクルの終了に引き続いて,試験槽を温度 25±2℃,

相対湿度 (93±3) %に 3.5 時間維持する。

(3.4.5)

電圧印加

  個別規格に規定がある場合は,試験中に行う電気的負荷などのための供試コネクタへの

電圧印加を行う。

電圧の種類及び大きさ並びに印加箇所は,個別規格の規定による。ただし,個別規格に印加電圧

の種類及び大きさの規定がない場合は,直流 100V とし,印加電圧の極性は,試験中変えない。

(3.5)

最終測定

  個別規格の規定によって,次の時点で電気的性能及び機械的性能を調べる。

高湿度中

試験槽から取り出した直後

一定の乾燥期間の後

高湿条件で実施する各種測定は,初期測定又は槽から取り出した後に行った測定とは直接比較で

きないことに注意する。

(a)

高湿度中で行う測定

  測定は

(3.4.1)(d)

で規定する 3.5 時間のうち,後半の 2 時間の間に行う。個別

規格には,高い湿度中で測定を行う場合に必要な注意事項,例えば表面の水分を除去する方法など

を規定する。供試コネクタは,すべての測定が終了してから槽外に取り出す。

(b)

槽から取り出して直ちに行う測定

  最終サイクル終了後,供試コネクタを槽から取り出し,標準状

態に置く。

初期測定条件が標準状態と異なる場合には,最終測定条件も初期測定条件と同じ条件とする。

槽から取り出し,1〜2 時間の間に電気的性能及び機械的性能を調べる。

(c)

最終乾燥後に行う測定

  最終サイクル終了後,供試コネクタを槽から取り出し,24 時間標準状態に

放置後規定の最終測定を行う。

なお,最終測定は,放置中の時間内に行ってもよいが,不合格の供試コネクタは,24 時間放置時

点で再度測定して合否の判定をする。初期測定条件が標準状態と異なる場合は,最終測定条件も初

期測定と同じ条件とする。

(4)

個別規格に規定する事項

  個別規格には,次の事項を規定する。

(a)

取付方法及び供試コネクタの状態(結合状態又は結合しない状態)

(2)

参照]

(b)

厳しさ(24 時間サイクルが 10 回以外の場合)

(3.3)

参照]

(c)

電気的負荷条件(必要がある場合)

(3.4)

参照]

(d)

前処理方法(標準予備乾燥状態と異なる場合)

(3.1)

参照]

(e)

初期測定条件(標準状態と異なる場合)

(3.2)

参照]

(f)

初期測定の項目[

(3.2)

参照]

(g)

試験中の測定項目及び測定時間(必要がある場合)

(3.4)

参照]

(h)

表面湿気の除去に関して取る処置(必要がある場合)

(3.5)

参照]

(i)

最終測定の項目(最初に測定する項目と項目の測定に許容される最大期間を含む。

(3.5)

参照]


47

C 5402-1992

図 29  前処理


48

C 5402-1992

図 30  低温サブサイクルを含む 24 時間サイクル

注*  時間の許容差は,±5 分間とする。


49

C 5402-1992

図 31  低温サブサイクルを含まない 24 時間サイクル

注*  時間の許容差は,±5 分間とする。

7.4.2

方法 2

JIS C 0027

参照)  温湿度サイクルの耐湿性の

方法 2

は,次による。

(1)

装置

  この試験に使用する槽は,次の条件を満足するものとする。

(a)

槽内温度は,25±3℃と規定の上限温度との間を周期的に

図 33

又は

図 34

に示す変化割合で変化でき

なければならない。


50

C 5402-1992

(b)

槽内の相対湿度は,

(3.5)

及び

図 33

又は

図 34

に示す許容差内に維持できなければならない。

(c)

槽内の温湿度条件は,有効空間中のいかなる点の条件も均一になるように注意し,適切な位置に取

り付けられた検出器のごく近傍の条件にできるだけ近づける。この条件を満たすために,槽内の空

気を連続的に一定の速さでかくはんできなければならない。

(d)

槽の温度制御用装置からの放射熱に供試コネクタを直接さらしてはならない。

(e)

槽内湿度を維持するために使用する水の抵抗率は,500

Ω

m

以上とする。結露した水は,連続的に槽

外に排出し,浄化すれば再利用してもよい。槽内の内壁及び天井の結露水が供試コネクタの上に落

ちないようにすること。

(f)

供試コネクタの寸法,特性及び(又は)電気的負荷によって槽内の条件が影響を受けてはならない。

(2)

準備

  供試コネクタの取付方法は,個別規格の規定による。

(3)

試験

  試験は,次による。

(3.1)

取付け

  供試コネクタは,個別規格に規定の状態で槽に入れる。

なお,取付けの規定がない場合は,取付部の熱伝導を小さくし,供試コネクタを実質的に熱絶縁

状態とする。

(3.2)

初期測定

  個別規格の規定によって外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。

(3.3)

厳しさ

  試験の厳しさは,上限温度とサイクル数との組合せで定め,次の

(a)

又は

(b)

から選定し,個

別規格に規定する。

(a)

上限温度:40℃

サイクル数:2,6,12,21 又は 56

(b)

上限温度:55℃

サイクル数:1,2 又は 6

(3.4)

安定期間

図 32

参照)  供試コネクタの温度は,次のいずれかによって 25±3℃に保ち,供試コネ

クタが温度安定

(

1

)

に達するまで,この温度を維持する。

(a)

供試コネクタを槽の中に入れる前に別の槽に入れる。

(b)

供試コネクタを槽に入れた後,槽内温度を 25±3℃に調整する。

(a)

又は

(b)

のいずれかの方法で供試コネクタの温度を安定させている間の相対湿度は,

3.1

に規定

の標準状態の範囲内とする。次に,供試コネクタを槽に入れたまま槽内温度を 25±3℃とし,槽内

の相対湿度を最後の 1 時間以内に 95%以上とする。

(

1

)

温度安定の用語の定義は,

JIS C 0010

4.8

(温度安定)の規定による。

(3.5)

24

時間のサイクル

(a)

温度の上昇

  槽内温度を,個別規格に規定する上限温度までに連続的に上昇させる。温度は,

図 33

又は

図 34

の斜線で示す許容差内の変化の割合で上昇させ,3 時間±30 分で上限温度に達するように

する。

この間の相対湿度を 95%以上とし,最後の 15 分間は 90%以上とする。

温度の上昇期間中,供試コネクタに結露させることが望ましい。

参考

結露が生じる条件は,供試コネクタの表面温度を槽内の露点温度以下にすることである。

(b)

高温の保持

 

(a)

の温度上昇後,12 時間±30 分間まで,上限温度を規定温度±2℃の範囲内に保つ。

この間の相対湿度を (93±3) %にするが,初めと最後の 15 分間は 90〜100%とする。

(c)

温度の下降

  温度を個別規格の規定に従い,次の方法のいずれかによって下げる。

方法 2A

図 33

参照)  温度を 3〜6 時間以内に 25±3℃に下げる。


51

C 5402-1992

図 33

のように,初めの 1 時間 30 分の間の下降の割合は,3 時間±15 分で 25±3℃となるよう

にする。

相対湿度は,初めの 15 分間は,90%以上とし,その後は 95%以上とする。

方法 2B

図 34

参照)  温度を 3〜6 時間以内に 25±3℃に下げる。

この間の相対湿度は,80%以上とする。

(d)

低温の保持

  その後 24 時間のサイクルの試験が終わるまで,槽内温度を 25±3℃,相対湿度を 95%

に維持する。

(3.6)

中間測定

  個別規格に規定がある場合は,試験中に電気的性能及び(又は)機械的性能を調べる。

備考

サイクル中に中間測定をすることが必要な場合は,個別規格にその測定方法と試験中での測定

時期又は測定間隔を規定する。ただし,後処理を伴う測定は,試験中に行ってはならない。

(3.7)

電圧印加

  個別規格に規定がある場合は,試験中に行う電気的負荷などのための供試コネクタへの

電圧印加を行う。

電圧の種類及び大きさ並びに印加箇所は,個別規格の規定による。ただし,個別規格に印加電圧

の種類及び大きさの規定がない場合は,直流 100V とし,印加電圧の極性は,試験中変えない。

(3.8)

後処理

  個別規格の規定によって,後処理を標準状態又は標準後処理条件で行う。

後処理条件を規定している場合は,供試コネクタを後処理の間,別の槽へ移すか又は湿度槽の中

に置いたままでもよい。

別の槽を使用する場合の移替えの時間は,10 分間以内のできるだけ短い時間とする。湿度槽の中

に置いたままの場合は,相対湿度を 30 分間以内に (75±2) %に下げ,その後,槽内温度を 30 分間

以内に試験場所の温度±1℃に調節する。

後処理の時間(1 時間又は 2 時間)は,規定の後処理条件となったときからとする。

熱時定数の大きな供試コネクタは,温度安定に達するように十分に長い時間をかけて後処理して

もよい。

供試コネクタの表面の水分の除去に特別の方法を適用する場合は,個別規格に規定する。

(3.9)

最終測定

  個別規格の規定によって外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。測定は,後処理後

直ちに行う。最初に相対湿度の変化に敏感な項目を測定する。

また,個別規格に規定がない限り,これらの項目の測定は 30 分間以内に終える。

(4)

個別規格に規定する事項

  個別規格には,次の事項を規定する。

(a)

取付方法及び供試コネクタの状態(結合状態又は結合しない状態)

(2

)

参照]

(b)

厳しさ(上限温度及びサイクル数)

(3.3)

参照]

(c)

電気的負荷条件(必要がある場合)

(3.7)

参照]

(d)

初期測定の項目[

(3.2)

参照]

(e)

方法 2A

又は

方法 2B

の選択[

(3.5)(c)

参照]

(f)

試験中の測定項目及び測定時間(必要がある場合)

(3.6)

参照]

(g)

後処理の条件[

(3.8)

参照]

(h)

表面湿気の除去に関して取る処置(必要がある場合)

(3.8)

参照]

(i)

最終測定の項目(最初に測定する項目と項目の測定に許容される最大期間を含む。

(3.9)

参照]


52

C 5402-1992

図 32  安定期間

図 33  方法 2A


53

C 5402-1992

図 34  方法 2B

7.5

防水性

7.5.1

方法 1

JIS C 0026

5.

(試験 Qf

参照]  防水性の

方法 1

は,次による。

(1)

装置

  この試験に用いる装置は,

(3)(c)

の試験をするのに十分な条件を備えた槽とする。

(2)

準備

  供試コネクタの取付方法は,個別規格の規定による。

(3)

試験

  試験は,次による。

(a)

前処理

  個別規格の規定による。

(b)

初期測定

  個別規格の規定によって外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。

(c)

試験方法

 

表 13

に示す値から選んだ個別規格に規定する深さの水槽又は高圧水槽に供試コネクタ

を取り付け,

表 14

に示す値から選んだ個別規格に規定する時間,浸せきする。

表 13  防水性試験

単位

 kPa

水柱の高さ (m)

対応する圧力 (25℃)

0.15 1.47

0.4 3.91

1.0 9.78

1.5 14.7

4.0 39.1

6.0 58.7

10.0 97.8

15.0 147.0


54

C 5402-1992

表 14  浸せき時間

単位

  h

0.5

0.1

0

 

      2

0.2

0

 

      24

2

0

 

      48±4

(d)

後処理

  個別規格の規定による。

(e)

最終測定

  個別規格の規定によって,供試コネクタ内部への浸水の有無,外観,電気的性能及び機

械的性能を調べる。

(4)

個別規格に規定する事項

  個別規格には,次の事項を規定する。

(a)

取付方法及び供試コネクタの状態(結合状態又は結合しない状態)

(2)

参照]

(b)

前処理の条件(必要がある場合)

(3)

参照]

(c)

初期測定[

(3)

参照]

(d)

水柱の高さ[

(3)

参照]

(e)

浸せき時間[

(3)

参照]

(f)

後処理の条件(必要がある場合)

(3)

参照]

(g)

最終測定の項目[

(3)

参照]

7.5.2

方法 2

  防水性の

方法 2

は,次による。

(1)

装置

  この試験に用いる装置は,

(3)

の試験をするのに十分な条件を備えた槽とする。

(2)

準備

  供試プラグコネクタには通常使用する方法で適用ケーブルを取り付け,もう一方のケーブルの

端は電圧が印加できるように端末処理をしておく。供試レセプタクルは,コネクタ裏面が完全密閉で

きる容器に通常の取付けと同じ方法で取り付ける。

(3)

試験

  供試コネクタを結合し,ケーブルの端は試験電圧が印加できるように試験槽から外部に出し,

次の手順で試験する。

水温 70℃,深さ 300mm の水中に供試コネクタを 1 時間浸せきする。次に水温を室温に下げ,室温

に達した後 1 時間保つ。その後 1 時間で水温を 10±2℃に下げ,そのまま 1 時間保つ。その後水温を

室温に戻す。供試コネクタは,この試験の開始から 24 時間経過するまで水中に浸せきしておく。供試

コネクタを水中に浸せきしている最後の 1 時間の間に個別規格に規定する

5.1

及び

5.2

の試験を行う。

(4)

個別規格に規定する事項

  個別規格には,次の事項を規定する。

(a)

供試コネクタ取付方法[

(2)

参照]

(b)

適用ケーブル及び端末処理方法[

(2)

参照]

7.6

気密性

7.6.1

装置

  この試験に用いる装置は,

7.6.3(3)

の試験をするのに十分な条件を備えた標準状態の温度の

水槽とする。

7.6.2

準備

  供試コネクタの取付方法は,個別規格の規定による。

7.6.3

試験

  試験は,次による。

(1)

前処理

  個別規格の規定による。

(2)

初期測定

  個別規格の規定によって外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。

(3)

試験方法

 

表 15

に示す値から選んで,

個別規格で規定する空気圧をコネクタの一端に加えられるよう

にし,供試コネクタ全体を水槽に入れ,供試コネクタの表面に付着した気泡を完全に取り除いた後,

空気圧を 20 秒間以上加え,漏れによる気泡の有無を調べる。


55

C 5402-1992

表 15  圧力

単位

 kPa

17.6 343

(4)

後処理

  個別規格の規定による。

(5)

最終測定

  個別規格の規定によって,外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。

7.6.4

個別規格に規定する事項

  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

取付方法及び供試コネクタの状態(結合状態又は結合しない状態)

7.6.2

参照)

(2)

圧力の大きさ(

7.6.3

参照)

(3)

圧力印加時間(必要がある場合)

7.6.3

参照)

7.7

減圧

  (

JIS C 0029

参照)

7.7.1

装置

  試験に用いる装置は,

7.7.3(4)

の試験をするのに十分な性能を備えたものとし,それぞれの

気圧に対し±0.1kPa 又は±5%のいずれか大きい範囲内に保持できるものとする。ただし,84kPa の場合の

許容差は±2kPa とする。

7.7.2

準備

  供試コネクタの取付方法は,個別規格の規定による。

7.7.3

試験

  試験は,次による。

(1)

前処理

  個別規格の規定による。

(2)

初期測定

  個別規格の規定によって外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。

(3)

厳しさ

  厳しさは,気圧及び放置時間の組合せによって表し,個別規格の規定による。それらの値は,

次の

(a)

及び

(b)

に示すものの中から選択し,個別規格に規定する。

(a)

気圧

  槽内の気圧は,

表 16

による。

(b)

放置時間

  放置時間は,5 分間,30 分間,2 時間,4 時間又は 16 時間とする。個別規格に規定がな

い場合は,5 分間とする。

表 16  気圧

気圧

kPa

概略の海抜高度(参考)

m

1  31

200

2  26

600

4  22

100

8  17

600

15  13

600

25  10

400

40   7

200

55   4

850

70   3

000

84(

1

)

(

1

)

試験場所の標準状態の気圧の下限 (86kPa) での
試験が供試コネクタに要求される場合に適用す

る。

備考 1

000m

までの高度は,86〜106kPa の標準状態の

気圧とみなす。

(4)

試験方法

  試験方法は,次による。

(a)

供試コネクタを個別規格に規定する気圧の槽内に保ち,個別規格に規定がない限り室温で個別規格

に規定する時間放置する。


56

C 5402-1992

(b)

個別規格に低温での減圧試験の規定がある場合は,減圧する前に温度を規定値まで下げ,また,圧

力及び温度を標準状態に復帰させるときは,室温の乾燥空気による。

(c)

個別規格に規定がある場合は,試験中,供試コネクタに電気的負荷をかける。

(d)

個別規格に規定がある場合は,減圧のまま試験を行う。

(5)

後処理

  後処理は,次による。

(5.1)

供試コネクタを

3.3

の後処理条件に規定の状態に 1 時間以上 2 時間以内放置する。

(5.2)

低温での減圧試験を行う場合には,

(5.1)

の処理の後,更に次の処理を行う。

(a)

供試コネクタの表面に水滴がある場合は,十分にこれを取り除く。

(b)

さらに

(5.1)

と同じ状態に 1 時間以上 2 時間以内放置する。

(6)

最終測定

  個別規格の規定によって外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。

7.7.4

個別規格に規定する事項

  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

取付方法及び供試コネクタの状態(結合状態又は結合しない状態)

7.7.2

参照)

(2)

前処理の条件(必要がある場合)

7.7.3

参照)

(3)

初期測定の項目(

7.7.3

参照)

(4)

厳しさ(気圧の大きさ及び放置時間)

7.7.3

参照)

(5)

試験温度(必要がある場合)

7.7.3

参照)

(6)

電気的負荷条件(必要がある場合)

7.7.3

参照)

(7)

試験中の測定項目及び測定時間(必要がある場合)

7.7.3

参照)

(8)

後処理の条件(必要がある場合)

7.7.3

参照)

(9)

最終測定項目(

7.7.3

参照)

7.8

耐熱性

  (

JIS C 0021

参照)

7.8.1

装置

  この試験に用いる槽は,次の条件を満足するものとする。

(1)

槽は,規定の温度を有効空間内で

7.8.3(3)

に示す許容差内に保持できる能力がなければならない。

均一な温度状態を保持するために強制空気循環を行ってもよい。

(2)

槽の内壁温度は,熱放散の影響を少なくするために,絶対温度 (K) で表した試験温度の 3%の範囲を

超えてはならない。この条件は,槽の内壁のすべての部分に適用する。

また,供試コネクタが,この条件に適合しないような熱源及び冷却源に面してはならない。

(3)

絶対湿度は,空気 1m

3

当たりの水分が 30g(35℃で相対湿度 75%に相当)を超えてはならない。35℃

未満の温度で試験する場合,相対湿度は,75%を超えないこととする。

7.8.2

準備

  供試コネクタの取付方法は,個別規格の規定による。

7.8.3

試験

  試験は,次による。

(1)

前処理

  個別規格の規定による。

(2)

初期測定

  個別規格の規定によって外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。

(3)

厳しさ

  厳しさは,試験温度と放置時間の組合せによって表し,個別規格の規定による。それらの値

は,次の

(a)

及び

(b)

に示すものの中から選択し,個別規格に規定する。

(a)

試験温度

200

±2℃

175

±2℃

155

±2℃

125

±2℃


57

C 5402-1992

100

±2℃

 85

±2℃

 70

±2℃

 55

±2℃

 40

±2℃

 30

±2℃

備考

槽の大きさによって,許容差を±2℃に維持できない場合は,100℃までは±3℃,100℃を超え

200

℃までは±5℃に許容差を緩和することができる。この場合採用した許容差を記録する。

(b)

放置時間

2

0.2

0

 

h

16

2

0

 

h

72

±4h

96

±4h

(4)

試験方法

(a)

槽内温度を規定の厳しさの試験温度とする。

供試コネクタを試験室の温度にある間に,規定がない限り正常な姿勢で槽に入れる。

供試コネクタに特定の取付具を使用するようになっているときは,試験の間,必ずこれを使用す

る。

試験(周囲)温度は,

JIS C 0010

4.6

(周囲温度)によって供試コネクタから槽の内壁までの距

離の

2

1

又は 1m のいずれか短い距離で,供試コネクタの下方 0〜50mm に位置する水平面の個別規格

に規定する数箇所で測定した温度の平均値とする。

(b)

槽の温度を規定の厳しさの温度とし,供試コネクタが温度安定に達する時間まで放置する。

(c)

供試コネクタを個別規格に規定する時間,高温状態に放置する。放置時間は温度が安定に達したと

きから測定する。

備考1.

実際には,供試コネクタの内部温度を直接測定することが不可能な場合もある。そのため温

度依存性があり,また温度依存性の法則が分かっている他の項目を測定することによって確

かめてもよい。

2.

小さな供試コネクタの場合には,温度が安定に達したことを測定によって確認する必要はな

い。

(5)

中間測定

  個別規格に,供試コネクタを槽内に置いたまま,測定することの規定がある場合は,これ

による。

なお,このような測定を規定するときは個別規格によって,その測定方法及び測定時間又は時間間

隔を規定する。供試コネクタをこれらの測定のために槽から取り出してはならない。

(6)

後処理

  供試コネクタを温度が安定に達するのに必要な時間,少なくとも 1 時間は,後処理のために

標準状態に放置する。

幾つかの供試コネクタを同時に試験する場合で,後処理時間が 1 時間で十分であるときは,最大後

処理時間を 2 時間とし,すべての測定がこの時間に終わるようにする。

(7)

最終測定

  個別規格の規定によって外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。

7.8.4

個別規格に規定する事項

  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

取付方法及び供試コネクタの状態(結合状態又は結合しない状態)

7.8.2

参照)


58

C 5402-1992

(2)

前処理の条件(必要がある場合)

7.8.3

参照)

(3)

初期測定の項目(

7.8.3

参照)

(4)

厳しさ(温度及び放置時間)

7.8.3

参照)

(5)

試験中の測定項目及び測定時間(必要がある場合)

7.8.3

参照)

(6)

後処理の条件(必要がある場合)

7.8.3

参照)

(7)

最終測定の項目(必要がある場合)

7.8.3

参照)

7.9

耐寒性

  (

JIS C 0020

参照)

7.9.1

装置

  この試験に使用する槽は,次の条件を満足するものとする。

(1)

槽は,規定の温度を有効空間内で

7.9.3(3)

に示す許容差内に保持できる能力がなければならない。

均一な温度状態を保持するために強制空気循環を行ってもよい。

(2)

槽内壁温度は,熱放散の影響を少なくするために,絶対温度 (K) で表した試験温度の 8%の範囲を超

えてはならない。この条件は,槽の内壁のすべての部分に適用する。

また,供試コネクタが,この条件に適合しないどのような熱源及び冷却源に面してはならない。

7.9.2

準備

  供試コネクタの取付方法は,個別規格の規定による。

7.9.3

試験

  試験は,次による。

(1)

前処理

  個別規格の規定による。

(2)

初期測定

  個別規格の規定によって外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。

(3)

厳しさ

  厳しさは,試験温度と放置時間の組合せによって表し,個別規格の規定による。それらの値

は,次の

(a)

及び

(b)

に示すものの中から選択する。

(a)

試験温度

−65±3℃

−55±3℃

−40±3℃

−25±3℃

−10±3℃

−  5±3℃

(b)

放置時間

2

0.2

0

 

h

16

2

0

 

h

72

±4h

96

±4h

(4)

試験方法

(a)

槽内温度を規定の厳しさの試験温度とする。

供試コネクタを試験室の温度にある間に,規定がない限り正常な姿勢で槽に入れる。

供試コネクタに特定の取付具を使用するようになっているときは,試験の間,必ずこれを使用す

る。

試験(周囲)温度は,

JIS C 0010

4.6

(周囲温度)によって供試コネクタから槽の内壁までの距

離の

2

1

又は 1m のいずれか短い距離で,供試コネクタの下方 0〜50mm に位置する水平面の個別規格

に規定する数箇所で測定した温度の平均値とする。

(b)

槽の温度を規定の厳しさの温度とし,供試コネクタが温度安定に達する時間まで放置する。


59

C 5402-1992

(c)

供試コネクタを個別規格に規定する時間,低温状態に放置する。放置時間は,温度安定に達したと

きから測定する。

備考1.

実際には,供試コネクタの内部温度を直接測定することが不可能な場合もある。そのため温

度依存性があり,また温度依存性の法則が分かっている他の項目を測定することによって確

かめてもよい。

2.

小さな供試コネクタの場合には,温度安定に達したことを測定によって確認する必要はない。

(5)

中間測定

  個別規格に,供試コネクタを槽内に置いたまま,測定することの規定がある場合は,これ

による。

なお,その測定方法及び測定時間又は測定間隔は,個別規格の規定による。供試コネクタをこれら

の測定のために槽から取り出してはならない。

(6)

後処理

  後処理は,次による。

(a)

後処理のため供試コネクタを霜が溶けるまで標準状態に放置する。

(b)

水滴を取り除くため,供試コネクタを手で振ったり,室温の空気を短時間吹き付けてもよい。

(c)

供試コネクタを温度安定に達するのに必要な時間,少なくとも 1 時間は,後処理のために標準状態

に放置する。

幾つかの供試コネクタを同時に試験する場合で,

後処理が 1 時間で十分であるときは,

最大後処理時間を 2 時間とし,すべての測定がこの時間に終わるようにする。

(7)

最終測定

  個別規格の規定によって外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。

7.9.4

個別規格に規定する事項

  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

取付方法及び供試コネクタの状態(結合状態又は結合しない状態)

7.9.2

参照)

(2)

前処理の条件(必要がある場合)

7.9.3

参照)

(3)

初期測定の項目(

7.9.3

参照)

(4)

厳しさ(温度及び放置時間)

7.9.3

参照)

(5)

試験中の測定項目及び測定時間(必要がある場合)

7.9.3

参照)

(6)

後処理の条件(必要がある場合)

7.9.3

参照)

(7)

最終測定の項目(

7.9.3

参照)

7.10

一連耐候性

7.10.1

装置

  この試験に用いる装置は,

表 17

による。

表 17  試験装置

試験項目

装置

耐熱性

7.8.1

による。

耐湿性

7.4.2(1)

による。

耐寒性

7.9.1

による。

減圧

7.7.1

による。

7.10.2

準備

  試験の準備は,

表 18

による。

表 18  試験準備

試験項目

準備

耐熱性

7.8.2

による。

耐湿性

7.4.2(2)

による。

耐寒性

7.9.2

による。

減圧

7.7.2

による。


60

C 5402-1992

7.10.3

試験

  供試コネクタを試験に先立ち,個別規格に規定する前処理及び初期測定を行い,

表 19

に示

す試験を規定の順位で同一供試コネクタで行う。

各試験項目の終了から次の試験項目に移す時間間隔は,3 日以内とする。ただし,試験順位 2 から 3 に

移す時間間隔は,後処理時間を含めて,2 時間以内とする。

測定は,規定がない限り,この一連の試験の最初と最後にだけ行う。

表 19  試験項目

試験順序

試験項目

試験

1

耐熱性

7.8.3

による。

個別規格で規定がない場合の試験時間は,

16

時間とする。

2

耐湿性

7.4.2(3)

の最初のサイクルを行う。

3

耐寒性

7.9.3

による。

個別規格で規定がない場合の試験時間は,2

時間とする。

4

減圧

7.7.3

による。

個別規格で規定がない場合の試験時間は,5

分間とする。

5

耐湿性

7.4.2 (3)

の残りのサイクルを行う。

7.10.4

個別規格に規定する事項

  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

取付方法及び供試コネクタの状態(結合状態又は結合しない状態)

7.10.2

参照)

(2)

前処理の条件(必要がある場合)

7.10.3

参照)

(3)

初期測定の項目(

7.10.3

参照)

(4)

各試験項目の試験条件(

7.10.3

参照)

(5)

後処理の条件(必要がある場合)

7.10.3

参照)

(6)

各試験項目の中間で行う測定項目(必要がある場合)

7.10.3

参照)

(7)

最終測定の項目(

7.10.3

参照)

7.11

はんだ付け性

JIS C 0050

4.

(試験方法 T

a

)参照

7.11.1

方法 1

  はんだ付け性の

方法 1

は,次による。

(1)

装置

  この試験に用いる装置は,次による。

(1.1)

はんだ槽

  はんだ槽は,深さが 40mm 以上で,300ml 以上の容量のものとし,規定の温度に調整保

持できるものとする。

(1.2)

材料

  材料は,次による。

(a)

はんだ

  はんだは,

JIS Z 3282

に規定の H60A,H60S 又は H63A とする。

(b)

フラックス

  フラックスは,質量比で 25%のロジン(コロホニー)と 75%の

JIS K 8839

に規定のイ

ソプロピルアルコール又は

JIS K 8101

に規定のエタノールからなるものとする。

活性化のために上記フラックスにジエチルアンモニウムクロライド(分析試薬級)を,塩素含有

量[ロジン(コロホニー)含有量に対し,遊離塩素として表示]として 0.5%まで加えたものを,個

別規格の規定によって用いてもよい。

(2)

準備

  準備は,次による。

(2.1)

はんだ槽の温度は,試験前に 235±5℃にしておく。

(2.2)

試験する表面は受入れ状態のままとし,受入れ後,指や他の汚れたもので触れてはならない。

(2.3)

はんだ付け性試験の前に,供試コネクタのコンタクト端子部を清浄にしてはならない。ただし,個


61

C 5402-1992

別規格に規定がある場合は,室温で中性有機溶剤に浸して油脂分を取り除いてもよい。

(2.4)

毎回,試験の直前に,溶融はんだの表面を適切な材料のへら(スキージ)でかき取って,清浄で輝

いているようにする。

(3)

試験

  試験は,次による。

(3.1)

加速エージング

  個別規格に規定がある場合は,次の方法のうちの一つを適用する。

備考

エージング温度が供試コネクタの最高使用温度又は同保存(貯蔵)温度よりも高い場合は,コ

ンタクト端子部だけを切り離して試験を行ってもよい。

また,供試コネクタが 100℃の蒸気でかなり劣化し,これが,自然のエージングでは通常起

こることがないモードで,しかもはんだ付け性へ影響する場合はコンタクト端子部だけを切り

離して試験を行う。

(a)

エージング 1

  個別規格の規定によって

エージング 1a

(蒸気で 1 時間)又は

1b

(蒸気で 4 時間)の

どちらかを適用する。

エージングを行う場合は,ほうけい酸ガラス又はステンレス鋼製の適切な寸法の容器(例えば,

2l

ビーカー)に入れた沸騰蒸留水の表面から,試験する部分が 25〜35mm 上の位置とする。

また,コンタクト端子部が垂直になるようにして供試コネクタを保持する。

コンタクト端子部は,容器の壁面から 10mm 以上離れた位置とする。

容器には,その開口面積の約

8

7

を覆える 1 枚以上の同じ材料で作ったカバーを設ける。

供試コネクタをつり下げるために,このカバーに穴を開けたり,溝を設けてもよい。

供試コネクタの保持具は非金属のものとする。

勢いよく沸騰し続けるように,また,水位を保つため熱い蒸留水を少しずつ静かに加える。

なお,凝縮器を用いてもよい(一例を

図 35

に示す。


62

C 5402-1992

図 35  加速蒸気エージング用装置の例 

備考  供試コネクタには,水が垂れてかからないようにするため,冷却フラス

コの最も低い位置の下には供試コネクタを置かないこと。

(b)

エージング 2

 

7.3

によって 10 日間の湿度(定常状態)試験 (40±2℃,90〜95%RH)  を行う。

(c)

エージング 3

 

7.8

によって 155℃約 16 時間の高温試験を行う。

(d)

エージング後の処理

  エージング後,

3.1

に規定する試験場所の標準状態に供試コネクタを 2〜24

時間放置する。

(3.2)

初期測定

  個別規格の規定によって,外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。

(3.3)

試験方法

  試験方法は,次による。

(a)

供試コネクタを,まず,室温で

(1)

に規定のフラックスに浸せきした後,過剰なフラックスを適当な

時間垂れ切りするか又は同様な結果が得られる他の方法によって取り除く。疑義がある場合は,垂

れ切りをする時間を 60±5 秒間とする。

(b)

次に,直ちにコンタクト端子部を長軸方向にはんだ槽に浸せきする。コンタクト端子部を浸せきす

る場所は,槽の壁面から 10mm 以上離れた位置とする。

浸せき速さは 25±2.5mm/s とし,個別規格に規定する深さに 2±0.5 秒間浸せきしたままにする。

その後,コンタクト端子部を 25±2.5mm/s の速さで引き出す。ただし,大きい熱容量をもつ供試

コネクタに対しては,個別規格で浸せきしたままにしておく時間を 5±0.5 秒間と規定してもよい。

個別規格に規定がある場合は,厚さ 1.5±0.5mm の熱絶縁材料による板にコンタクト端子部の寸

法に応じた穴を設けた熱遮へい板を,コネクタ本体と溶融はんだとの間に置いてもよい。


63

C 5402-1992

(3.4)

後処理

  はんだ浸せきが終わった後,フラックスの残りかすは,

JIS K 8839

又は

JIS K 8101

に規定

の溶剤で取り除く。

(3.5)

最終測定

  浸せきした表面について,ピンホール,ぬれなし,はんだはじき部分などの欠点の有無

を適切な照明の下で目視によって調べる。表面が見えにくい場合は,4〜10 倍の倍率の拡大鏡を補

助具として使用する。

(4)

個別規格に規定する事項

  個別規格には,次の事項を規定する。

(a)

脱脂(必要がある場合)

(2)

参照]

(b)

初期測定の項目[

(3)

参照]

(c)

エージング方法(必要がある場合)

(3)

参照]

(d)

活性化フラックスを用いるかどうか(必要がある場合)

(1)

参照]

(e)

浸せき深さ及び時間(2 秒以外の場合)

(必要がある場合)

(3)

参照]

(f)

熱遮へい板を用いるかどうか(必要がある場合)

(3)

参照]

(g)

最終測定の項目[

(3)

参照]

7.11.2

方法 2

  はんだ付け性の

方法 2

は,次による。

(1)

装置

  この試験に用いる装置は,次による。

(1.1)

はんだこて

こて先 

こて先の温度 350±10℃(試験開始時点)

こて先の直径 8mm

露出部の長さ 32mm  このうち約 10mm にわたってくさび形に削る。

こて先 

こて先の温度 350±10℃(試験開始時点)

こて先の直径 3mm

露出部の長さ 12mm  このうち約 5mm にわたってくさび形に削る。

こて先は銅になるべく鉄をめっきしたもの又は耐食性銅合金のものとし,こて先の試験表面をは

んだでぬらす。

(1.2)

はんだ及びフラックス

  はんだは,やに入り糸はんだを用いる。これは

JIS C 0050

附属書 B

(は

んだ)に規定のはんだに

JIS C 0050

附属書 C

(フラックスの組成)の

C1

に規定のロジン(コロ

ホニー)を質量比 2.5〜3.5%含む 1 本又はそれ以上のしん(芯)を入れたものとする。試験中にこ

のフラックスがあることを確かめる。

(2)

準備

  準備は,次による。

(2.1)

はんだこて先温度は,試験前に 350±10℃とする。

(2.2)

試験する表面は受入れ状態のままとし,受入れ後,指や他の汚れたもので触れてはならない。

(2.3)

はんだ付け性試験の前に,供試コネクタのコンタクト端子部を清浄にしてはならない。ただし,個

別規格に規定がある場合は,室温で中性有機溶剤に浸して油脂分を取り除いてもよい。

(3)

試験

  試験は,次による。

(3.1)

加速エージング

  個別規格に規定がある場合は,

7.11.1(3.1)

によって加速エージングを行う。

(3.2)

初期測定

  個別規格の規定によって,外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。

(3.3)

試験方法

  試験方法は,次による。

(a)

個別規格の規定に従い,

こて先 A

又は

こて先 B

のどちらかを用いる。

使用する糸はんだの公称径は,


64

C 5402-1992

こて先 A

の場合には 1.2mm,

こて先 B

の場合には 0.8mm とする。

(b)

こて先を

図 36

のように,水平位置で試験表面にあてがえるように,コンタクト端子部の位置を決め

る。

この試験を行う間,コンタクト端子部に機械的保持具を必要とする場合は,断熱材で作ったもの

を使用する。熱によって変化しやすいコネクタを試験する場合は,コネクタ本体と試験部との間隔

又は放熱器の使用を個別規格で規定する。

コンタクト端子部の外形寸法上から,以上の手順で行うことが不可能な場合は,別の条件を個別

規格で規定してもよい。

前に行った試験で,はんだこての試験表面に残っている余分のはんだはふきとっておく。特に時

間の規定がない限り,はんだこてとはんだを個別規格に規定の位置でコンタクト端子部に 2〜3 秒間

当てておく。

(3.4)

後処理

  フラックスの残りかすは,

JIS K 8839

又は

JIS K 8101

に規定の溶剤で取り除く。

(3.5)

最終測定

  正常な視力又は見えにくい場合は,4〜10 倍の倍率の拡大鏡を補助具として使用し,適

切な照明のもとで目視によって調べる。試験表面は,はんだでぬれていなければならない。

また,はんだの小塊があってはならない。

図 36  はんだこて法による試験方法の例

(4)

個別規格に規定する事項

  個別規格には,次の事項を規定する。

(a)

脱脂(必要がある場合)

(2)

参照]

(b)

初期測定の項目[

(3)

参照]

(c)

エージング方法(必要がある場合)

(3)

参照]

(d)

はんだこて先(

A

又は

B

(1)

参照]

(e)

供試コネクタ本体から試験部分までの間隔[

(3)

参照]

(f)

異なった試験条件(コンタクト端子部の形状寸法によって必要な場合)

(3)

参照]

(g)

はんだこてを当てる位置[

(3)

参照]

(h)

はんだこてを当てている時間(2〜3 秒間以外の場合)

(3)

参照]

(i)

最終測定の項目[

(3)

参照]

7.12

はんだ耐熱性

JIS C 0050

5.

(試験方法 T

b

参照]

7.12.1

方法 1

  はんだ耐熱性の

方法 1

は,次による。

(1)

装置

  この試験に用いる装置は,次による。

(1.1)

はんだ槽

  はんだ槽は,

7.11.1(1.1)

による。

(1.2)

材料

  材料は,次による。

(1.2.1)

はんだ

  はんだは,

7.11.1(1.2)(a)

による。


65

C 5402-1992

(1.2.2)

フラックス

  フラックスは,次による。

(a)

フラックスは,質量比で 25%のロジン(コロホニー)と 75%の

JIS K 8839

に規定のイソプロピルア

ルコール又は

JIS K 8101

に規定のエタノールで作ったものに,

ジエチルアンモニウムクロライド

(分

析試薬級)を塩素含有量[ロジン(コロホニー)含有量に対し遊離塩素として表示]として 0.5%ま

で加えたものとする。

(b)

試験を耐湿性試験に先立って行う場合は,質量比で 25%のロジン(コロホニー)と 75%の

JIS K 8839

又は,

JIS K 8101

からなる不活性フラックスを用いる。この場合,試験は,この試験の前 72 時間以

内に

7.11.1

のはんだ付け性試験に十分に合格した表面をもつ供試コネクタで行う。

(2)

準備

  毎回,試験の直前に,溶融はんだの表面を適切な材料のへら(スキージ)でかき取って,清浄

で輝いているようにする。

(3)

試験

  試験は,次による。

(3.1)

初期測定

  個別規格の規定によって,外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。

(3.2)

試験方法

  試験方法は,次による。

(a)

溶融はんだの温度及び浸せき保持時間は,

表 20

の中から選定し個別規格で規定する。

表 20  溶融はんだの温度及び浸せき保持時間

溶融はんだの温度

浸せき保持時間

s

260

±5 5±1

 10

±1

350

±10

3.5

±0.5

備考  浸せき保持時間は,供試コネクタのコンタクト

端子部を規定のところまで浸せきしてからその
ままに保つ時間とする。

(b)

供試コネクタをまず室温で規定のフラックスに浸せきし,次に長軸方向にはんだ槽に浸せきする。

コンタクト端子部を浸せきする場所は,槽の壁面から 10mm 以上離れた位置とする。個別規格に規

定がない限り,コンタクト端子部を供試コネクタ本体又は取付面から 1 秒間以内に 2.0〜2.5mm の

所まで浸せきする。

次にコンタクト端子部を個別規格の規定に従って

表 20

のうちのいずれかの時間,浸せきしたまま

にしておく。

(c)

個別規格に規定がない限り,厚さ 1.5±0.5mm の断熱材の板にコンタクト端子部の寸法に応じた穴

を設けた熱遮へい板を供試コネクタと溶融はんだの間に置く。

(3.3)

後処理

  供試コネクタを

3.1

に規定する試験場所の標準状態に 30 分間,又は温度安定に達するまで

放置する。

(3.4)

最終測定

  個別規格の規定によって,外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。

(4)

個別規格に規定する事項

  個別規格には,次の事項を規定する。

(a)

初期測定の項目[

(3)

参照]

(b)

溶融はんだの温度,浸せき保持時間[

(3)

参照]

(c)

浸せき深さ(必要がある場合)

(3)

参照]

(d)

熱遮へい板の詳細[

(3)

参照]

(e)

最終測定の項目[

(3)

参照]

7.12.2

方法 2

  はんだ耐熱性の

方法 2

は,次による。


66

C 5402-1992

(1)

装置

  この試験に用いる装置は,次による。

(1.1)

はんだこて

 

7.11.2(1.1)

による。

(1.2)

はんだ及びフラックス

 

7.11.2(1.2)

による。

(2)

準備

 

7.11.2(2)

による。

(3)

試験

  試験は,次による。

(3.1)

初期測定

  個別規格の規定によって,外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。

(3.2)

試験方法

 

7.11.2(3.3)

による。ただし,供試コネクタのコンタクト端子部にはんだこてを当てている

時間は,個別規格の規定に従って次のいずれかとする。

(a)

  5

±1 秒間

(b)

 10

±1 秒間

(3.3)

後処理

 

7.12.1(3.3)

による。

(3.4)

最終測定

  個別規格の規定によって,外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。

(4)

個別規格に規定する事項

  個別規格には,次の事項を規定する。

(a)

初期測定の項目[

(3)

参照]

(b)

はんだこて先(

A

又は

B

(1)

参照]

(c)

供試コネクタ本体から試験部分までの距離[

(3)

参照]

(d)

コンタクト端子部にはんだこてを当てておく時間[

(3)

参照]

(e)

最終測定の項目[

(3)

参照]

付表 1  引用規格及び対応国際規格

引用規格 

JIS B 0251

  メートル並目ねじ用限界ゲージ

JIS B 0252

  メートル細目ねじ用限界ゲージ

JIS B 7502

  外側マイクロメータ

JIS B 7507

  ノギス

JIS C 0010

  環境試験方法(電気・電子)通則

JIS C 0020

  環境試験方法(電気・電子)低温(耐寒性)試験方法

JIS C 0021

  環境試験方法(電気・電子)高温(耐熱性)試験方法

JIS C 0022

  環境試験方法(電気・電子)高温高湿(定常)試験方法

JIS C 0023

  環境試験方法(電気・電子)塩水噴霧試験方法

JIS C 0025

  環境試験方法(電気・電子)温度変化試験方法

JIS C 0026

  環境試験方法(電気・電子)封止(気密性)試験方法

JIS C 0027

  環境試験方法(電気・電子)温湿度サイクル(12+12 時間サイクル)試験方法

JIS C 0028

  環境試験方法(電気・電子)温湿度組合せ(サイクル)試験方法

JIS C 0029

  環境試験方法(電気・電子)減圧試験方法

JIS C 0040

  環境試験方法(電気・電子)正弦波振動試験方法

JIS C 0041

  環境試験方法(電気・電子)衝撃試験方法

JIS C 0042

  環境試験方法(電気・電子)バンプ試験方法

JIS C 0050

  環境試験方法(電気・電子)はんだ付け試験方法

JIS C 0051

  環境試験方法(電気・電子)端子強度試験方法


67

C 5402-1992

JIS C 1102

  指示電気計器

JIS C 1302

  絶縁抵抗計(電池式)

JIS C 1303

  高絶縁抵抗計

JIS C 1601

  指示熱電温度計

JIS C 1603

  指示抵抗温度計

JIS C 5401

  電子機器用コネクタ通則

JIS K 8101

  エタノール (99.5)[エチルアルコール (99.5)]

(試薬)

JIS K 8150

  塩化ナトリウム(試薬)

JIS K 8839

  2−プロパノール(試薬)

JIS Z 3282

  はんだ

対応国際規格 

IEC 169-1 

(1987)

  Radio-frequency connectors.

Part 1 : General requirements and measuring methods

IEC 512-1 

(1984)

  Electromechanical components for electronic equipment ; basic testing procedures

and measuring methods

Part 1 : General

IEC 512-2 

(1985)

  Electromechanical components for electronic equipment ; basic testing procedures

and measuring methods

Part 2 : General examination, electrical continuity and contact resistance tests, insulation tests and

voltage stress tests

IEC 512-3 

(1976)

  Electromechanical components for electronic equipment ; basic testing procedures

and measuring methods

Part 3 : Current-carrying capacity tests

IES 512-4 

(1976)

  Electromechanical components for electronic equipment ; basic testing procedures

and measuring methods

Part 4 : Dynamic stress tests

IEC 512-5 

(1977)

  Electromechanical components for electronic equipment ; basic testing procedures

and measuring methods

Part 5 : Impact tests (free components) , static load tests (fixed components) , endurance tests and

overload tests

IEC 521-6 

(1984)

  Electromechanical components for electronic equipment ; basic testing procedures

and measuring methods

Part 6 : Climatic tests and soldering tests

IEC 512-7 

(1988)

  Electromechanical components for electronic equipment ; basic testing procedures

and measuring methods

Part 7 : Mechanical operating tests and sealing tests

IEC 512-8 

(1984)

  Electromechanical components for electronic equipment ; basic testing procedures

and measuring methods

Part 8 : Connector tests (mechanical) and mechanical tests on contacts and terminations

IEC 512-9 

(1977)

  Electromechanical components for electronic equipment ; basic testing procedures


68

C 5402-1992

and measuring methods

Part 9 : Cable-clamping tests, explosion hazard tests, chemical resistance tests, fire hazard tests, r. f.

resistance tests, capacitance tests, shielding and filtering tests and magnetic interference tests


69

C 5402-1992

附属書  電圧定在波比の測定方法

1.

適用範囲

  この附属書は,電圧定在波比 (VSWR) の測定方法について規定する。

参考

この附属書は,

IEC 169-1-1 

(1987) Radio-frequency connectors. Part 1 : General requirements and

measuring methods. Section One

−Electrical tests and measuring procedures : Reflection factor を翻訳

したものである。

なお,反射係数から電圧定在波比 (VSWR) 変換は,次の式によって算出する。

=反射係数

   

Γ

Γ

Γ

1

1

VSWR

2.

反射係数

2.1

一般的考察

  高周波コネクタの反射係数は,供試コネクタを標準試験用コネクタに結合して測定す

る。

個別規格には,標準試験用コネクタに関する仕様を規定しなければならない。

標準試験用コネクタの結合部を用いた精密エアーライン及びプラグコネクタ(ケーブルとの接続部を含

む)は,全体が極めて一定の特性インピーダンスを示すものを使用する。

供試プラグコネクタは,コネクタ・メーカの推奨する方法で適用ケーブルに取り付ける。使用するケー

ブルは,インピーダンス誤差の極めて少ないものを選ぶ。ケーブル・シミュレータを代替使用してもよい。

測定系の構成品各部及びケーブルの特性インピーダンスの精度と欠陥点の位置の確認は,タイムドメイ

ン・リフレクトメータ (TDR) を使用して行う。

反射係数は周波数の関数として表され,測定は,通常周波数掃引発振器を使用した,周波数ドメイン方

式で行われる。タイムドメイン方法で測定し,周波数ドメインに変換する方法は,1GHz 程度までの周波

数には有効である。タイムドメインでの測定は,供試コネクタから発生する反射とシステム内で発生する

反射を分離できるメリットがある。周波数ドメイン方式,特に低周波数帯で測定する場合には反射の分離

はほとんど不可能である。

周波数掃引方式と異なるスポット周波数発振器を使用する場合は,可能な限り狭い周波数間隔を設定し

なければならない。極めて狭い周波数間隔の設定ができない発振器を測定誤差の認識方式(

2.3

参照)に用

いて測定しても満足な結果は得られない。

反射係数を測定するのに適した機器としては,高周波ブリッジ,方向性結合器,スロッテッドラインが

ある。これらの測定機器を用いた測定系の構成では異種欠陥から発生する誤差認識が可能な専用の装置を

搭載しないシステムでは,一般的には反射係数が 0.05 (VSWR1.1) 以上(測定誤差は測定値の 10%以下を

前提とする)を測定する場合だけに有効である。規定反射係数が 0.05 以下の供試コネクタの試験を行う場

合には,誤差認識の可能な測定系の構成を採用する必要がある。

なお,別途誤差認識が可能な装置を搭載する必要がない程度までに測定誤差を低減する誤差補正方式を

採用した,コンピュータ制御による自動測定システムも市販されている。

2.2

標準測定方法

2.2.1

一般的な測定系の構成

 

附属書図 1

に,測定機器として高周波ブリッジ,方向性結合器又はスロッ

テッドラインのいずれかを用いた一般的な測定系の構成例を示す。


70

C 5402-1992

この図の測定系の構成及び反射の概要を次に示す。反射が発生する主な箇所を B(測定器の入力ポート

での反射)

,C(標準試験用アダプタ及び供試コネクタからの反射)

,D[標準試験用アダプタ及びターミネ

ーション(終端器)での反射]で印し,それぞれの箇所の反射係数を r

b

r

c

r

d

とする。この装置による

測定で得られたコネクタの反射係数を r

x

とする。

なお,r

b

には反射発生箇所 B での反射だけでなく,測定器(高周波ブリッジ,方向性結合器又はスロッ

テッドライン)の残留誤差も加わっている。複数の反射の位相は,反射箇所間の電気長によって変化する。

したがって,周波数によっても変化することから,総反射係数に及ぼす影響は一様ではない。総反射係数

r

total

の値は,次の式によって算出する。

)

(

2

2

2

2

total

d

c

b

x

r

r

r

r

r

次に標準的な計算例を示す。各反射箇所の反射係数値 r

b

=0.018,r

c

r

d

=0.01 とし,供試コネクタの反

射係数 r

x

=0.05 としたときの値は次の式で得られる。

1

.

1

total

x

r

r

これは測定誤差が 10%あることを示しており,各周波数での測定値には,当然 10%前後の誤差が含まれ

ていることになる。

附属書図 1  一般的な測定系の構成

2.2.2

同一種類の 個のコネクタを用いた測定方法

  この測定方法は,同一種類の特性が同じ 2 個の供試

コネクタを,あらかじめ選定した特性インピーダンスの精度が一定な適用ケーブルの両端に取り付けてコ

ネクタ・アッセンブリとして測定する。この測定方法は,誤差認識機能はないものの,測定結果に影響を

及ぼす要因が存在したかどうかを高い確度で確認できる。

この測定方法の概要を

附属書図 2

に示す。

反射係数が等しい同一種類の 2 個のコネクタを測定した場合,

コネクタ間のケーブルを含む距離 が波長の 4 分の 1 の奇数倍となるごとに各コネクタからの反射が相殺

しあって反射係数は最小値のゼロとなる。距離 が波長の 4 分の 1 の偶数倍となるごとに,それぞれが倍

加され最大値となる現象を利用したものである。反射が完全に相殺されるということは,2 個のコネクタ


71

C 5402-1992

からの反射が全く等しいこと及びシステム内に他の反射が存在しないことを確認する上で,かなり信頼性

の高い判断基準と言える。

実際の測定ではコネクタの反射係数が同一であっても p(ケーブル部分)での損失のため,反射係数が

ゼロとはならない。

また,コネクタ・アッセンブリを入出力側を逆にして測定したとき,反射係数の最小値が等しくならな

い場合は,2 個のコネクタの特性が等しくないことを表している。一般的には,アッセンブリを逆にして

測定したときの反射係数の最小値が変化しない場合には,供試コネクタの特性が測定値(測定誤差を含め

た最大値)以下とみなすことができる。しかし,最大値が指定の反射係数を超えた場合,又は最小値に相

当の変化が見られた場合には,試験を再開する前に,コネクタ及びケーブルの検査を実施しなければなら

ない。

コネクタに取り付けるケーブルの長さは,

反射係数測定を行う最低周波数の波長を超えない長さとする。

測定周波数帯が広い場合又は連続した波腹部(最大値)が得られないような周波数で測定する場合には,

ケーブル長  (p)  を変えた複数個のサンプルを用意して測定することが望ましい。

測定システムの確度をチェックする一つの方法として,供試コネクタ・アッセンブリと標準試験用アダ

プタのそれぞれを逆に接続して,同一の測定を反復することが望ましい。

同一種類の 2 個のコネクタを用いた測定方法には,高周波ブリッジ,方向性結合器又はスロッテッドラ

インが測定機器として用いることができる。測定方法の詳細を次に説明する。

附属書図 2  同一種類の 個のコネクタを用いた測定方法の測定系の構成

備考  標準試験用アダプタの代わりに標準試験用コネクタを直接発振器のポー

ト及び精密ターミネーションに取り付けてもよい。

附属書図 3

は,スロッテッドライン上の電圧値をプローブ位置での周波数の関数として測定した値を X

−Y 座標に記入したものである。Y 座標は,1 デシベルを 1 目盛とすることが望ましい。

試験は,高周波掃引発振器の掃引中にスロッテッドラインのプローブを最低周波数の半波長移動して最

大値,最小値を検出する。これを何回か繰り返して試験する。X−Y 座標には振幅をもった何本かの線が

包含される振幅として表示される。これによって最小幅が判断できる。

また,この最大幅は,電圧定在波比 (VSWR.dB) に等しい。最大幅に対応する反射係数の値 は,次の

式によって算出される。

1

VSWR

2

1

VSWR

1

r


72

C 5402-1992

附属書図 3  スロッテッドラインによる測定値の X座標図

2.3

測定誤差の認識が可能な測定方法

2.3.1

高周波ブリッジを使用した測定方法  測定誤差を認識するために,附属書図 に示す一般的な測定

系の構成に 2 種類の修正を加える。高周波ブリッジの試験ポート B と C 間の標準試験用アダプタを精密エ

アーライン 1 に変更する。

また,もう一つの修正は,供試コネクタと D のターミネーションの間に適切な長さのライン 2 を追加す

る。

附属書図 の l

2

のライン長さを l

1

の 5 倍となるように設定する。さらに,高周波ブリッジの基準ポー

ト A の終端は,試験ポート B が正確な特性インピーダンスで終端していると仮定したときに出力される反

射係数が 0.1(反射係数が 0.1 の場合の反射損失は 20dB となる。

)となるような値で終端する。


73

C 5402-1992

附属書図 4  測定誤差の認識が可能な機能をもつ高周波ブリッジによる測定方法

この測定方法によって,

附属書図 に示す周波数の関数として全体の反射係数がプロットされる。B 点

での反射係数を表す三つの反射(位相)の合計値 r

tot

を,次の式で求める。

r

tot

r

b

r

c

r

d

r

b

は,高周波ブリッジのポート B でのあらかじめ意図的に設定された不整合によるもので,振幅は大体

一定している。高周波ブリッジ内部の誤差並びにブリッジエレメントと基準ポート A 及び試験ポート B 間

のライン長がゼロでないために若干の偏差が発生する。

r

c

は,供試コネクタの反射係数 r

x

と標準試験用コネクタの反射係数からなる。r

b

と相関関係で r

c

を回転

させると

附属書図 及び附属書図 に示すリップル E が発生する。

r

d

は,ライン 2 の端末ターミネーションの反射で,リップル F が発生する。リップル F は,ライン長 l

2

が正確に l

1

の 5 倍である場合には,リップル E より 5 倍早くなる。

附属書図 5  附属書図 の測定系による合成位相図

対数表示したときの X−Y 座標の曲線は,反射損失(dB 単位)を縦軸,周波数を横軸として表示される。


74

C 5402-1992

附属書図 6a にその例を示す。反射係数への変換は,附属書図 6a の右側に示した目盛を使用するか又はそ

の他の適切な方法によって行う。r

c

 (r

x

)

は計算によって導き出される。その計算は,

附属書図 6b 及び附属

書図 6c を参考にして行う。

オフセット反射係数 r

b

は,全体の反射を示す曲線が不明確にならないように,r

c

r

d

の合計値を上回る

ものとする。

l

1

l

2

両ラインの電気長は,反射係数曲線として十分な数のリップルが得られるように測定周波数範囲を

条件として設定するものとする。

附属書図 の B 点と C 点の間の精密エアーライン l

1

の寸法を 200mm と

した場合には,r

c

リップルの 1 周期は

附属書図 6a の f

1

f

2

間が 750MHz となる。

附属書図 6a  反射損失測定値(附属書図 の測定系の場合)

附属書図 6b  詳細図 A(反射係数に変換済)

まず,

附属書図 6b から,F を平均して r

d

を消去する。斜線部の縦軸の値は,|r

b

r

c

|に等しい。


75

C 5402-1992

附属書図 6c  詳細図 B

次に

附属書図 6c から,最大−最小の差を 2 で割って r

c

(リップル E)を導き出す。

r

c

は,供試コネクタの反射係数である(

附属書図 の C 点の標準試験用コネクタの反射も含む。)。

2.3.2

方向性結合器を使用した測定方法  高周波ブリッジの代わりに方向性結合器を使用する場合には,

附属書図 の精密エアーライン 1 に代えて低減衰形の(部分的反射伝送エレメントとして機能する。)広帯

域にわたって特性インピーダンスが不連続となる同軸ラインを使用する。この同軸ラインは,

附属書図 4

の B 点で反射係数が 0.1(反射損失では 20dB)となり,C 点では特性インピーダンスに整合するものとす

る。

附属書図 に,低減衰発泡絶縁体を部分的に充てんした同軸ラインを示す。

測定方法は,2.3.1 の高周波ブリッジによる測定方法と同じである。

附属書図 7  低減衰形,部分的反射の広帯域特性インピーダンス不連続同軸ライン

2.3.3

特殊目的のための測定系の構成  附属書図 の線路 l

1

の端末 C 点に供試コネクタを取り付けて測

定する場合には,ライン 2 を吸収形スライディングロードに置き換えることができる。低速掃引中に負荷

エレメントの位置を定期的に変化させる(

2

1

波長以上)と,ライン 2 の長給電線と同じ効果が得られ,

属書図 6b に示したリップル F と等しく結果が得られる。

備考  以上三つの測定方式のいずれを使用しても,共振反射を検知することができる。共振反射は,

反射合計曲線に顕著な不規則点を作り出す。

2.3.4

残留誤差について  これまでに説明した測定方法では消去できない次の誤差が存在する。

(1)

同軸ラインの特性インピーダンスの偏差によって発生する誤差  この種の誤差は,タイムドメイン・

リフレクトメータ法によって正しい特性インピーダンスを選定することによって最小にすることがで

きる。

(2)

減衰器 G の誤差(

附属書図 及び附属書図 参照)


76

C 5402-1992

(3)

標準試験用コネクタの誤差  この種の誤差は,標準試験用コネクタを同一径の精密エアーラインの一

部とすることで最小にとどめることができる。

(4)

附属書図 の精密エアーライン 1 の B 点,C 点での減衰が,反射係数測定値 r

c

に及ぼす影響  この減

衰が無視できる程度のものである場合には,真の反射係数 r

c

を計算する前に,減衰値 (dB) の 2 倍の

値を反射損失から差し引くこととする。

2.4

反射係数測定の標準的手順

図形記号 

2.4.1

測定装置の構成・確認,測定時に使用する適正なエレメント及びラインの選定

附属書表 1  測定装置の構成及び確認方法

目的

試験方法

摘要

精密エアーラインとの
比較による基準ライン

の選定,確認

基準ラインとの比較に
よる測定に使用する伝

送ラインの選定,確認

アダプタは,精密さ及
び 校 正 を 必 要 と し な

い。

標準試験用アダプタの

性能確認

装置の定期検査

装置及び終端器の誤差

の確認

装置の追加検査

総合的な誤差の確認

標 準 試 験 用 ア ダ プ タ

(1, 2, 3, 4)

の性能確認

4

個の標準試験用アダ

プタはお互いに交差結

合や逆結合して検査す
ること。


77

C 5402-1992

2.4.2

一般的な測定方法

附属書表 2  一般的な測定方法

目的

試験方法

摘要

反 射 損 失曲 線の 基 準 を 定
めるための校正

減衰器 G を 0dB から適量ず
つ変化させ,それぞれの設

定 値 に 対応 する 曲 線 を プ

ロットする。

2.2

に従い供試コネクタの

反射係数を測定する。

供 試 コ ネク ター に ケ ー ブ
ルを取り付けて測定する。

ケ ー ブ ルの 代わ り に ケ ー

ブル・シミュレータを使用
してもよい。

2.4.3

測定誤差の確認できる測定方法

附属書表 3  測定誤差の確認できる測定方法

目的

試験方法

摘要

反射損失曲線の基準を

dB

目盛で校正する。

基準ボート A を整合す

る負荷で終端し,短絡
と開放の中間を 0dB と

し,減衰器 G の設定値

を適当な量ずつ変化さ
せて対応する曲線をプ

ロットする。

附属書図 6a,附属書図
6b

に従って反射係数の

合計値を測定し,反射

係数 r

c

を求める。

減衰器 G の初期設定を

0dB

とし,ブリッジの

基準ボート A に 20dB

のオフセット(反射係

数が 20dB に設定され
た終端器)で終端する。

附属書図 6a,附属書図
6b

に従って反射係数の

合計値を測定し,反射

係数 r

c

を求める。

減衰器 G の設定値を

0dB

とし,方向性結合

器の測定側に低減衰形

部分反射広帯域インピ
ーダンス不連続同軸ラ

インを接続する。

必要に応じて反射損失

の測定値を補正する。

エアーラインの減衰量を測定する。

真の反射損失:反射損

失測定値−(ライン l

1

の減衰量×2)


78

C 5402-1992

2.5

タイムドメインによる反射係数測定方法 (TDR) 

2.5.1

理論的考察  投射信号が階段関数の理想的な場合には,反射される信号 s (t)  =r (t)  は,次の式に

よって周波数の関数として複合反射係数 r (

ω

)

に変換される。

T

t

j

dt

e

t

s

j

r

0

)

(

)

(

ω

ω

ω

上の式で,0 から は,供試コネクタから発生する反射による s (t)  を含む時間間隔である。

周波数の上限を

ωT<1,e

jwt

1

,の条件を満たす値に設定すると,上の式は次のように簡単にできる。

dt

t

s

A

f

A

dt

t

s

f

r

T

T

0

0

)

(

2

)

(

2

)

(

π

    

π

ω

附属書図 は,タイムドメイン・リフレクトメータによる測定記録例である。

備考  附属書図 は,反射係数の大きさだけを問題にしているもので,反射された信号全体の符号は

記載してない。反射を表す曲線は,誘導性成分が大きい場合にはプラスとなり,容量性成分が

大きい場合にはマイナスとなる。

附属書図 8  タイムドメイン・リフレクトメータによる測定結果の記録例

図の例では,0 から までの曲線の面積は次のとおりである。

ps

5

.

17

)

(

0

T

dt

t

s

したがって,100MHz では r=0.011 となる。

2.5.2

測定手順  測定装置及び使用する機器の確認は,附属書表 の上から三つの欄に示す方法で実施す

る。測定装置の構成を

附属書図 に示す。

反射係数を計算するに当たっては,反射波形の永久的な記録を作成する必要がある(画面から読み取っ

た波形は,十分な精度をもっていないことが多い。

附属書図 9  タイムドメイン・リフレクトメータによる測定系の構成

TDR

の時間目盛及び反射係数目盛は,相互に独立した基準によって校正を行う。


79

C 5402-1992

時間目盛は,既知の長さのエアーライン,スライディングロード又は時間標準によって実施する。反射

係数目盛の校正は,既知のインピーダンス不整合又は既知の入力信号の大きさによって行う。測定と測定

の間に行う校正は,短絡又は開放で実施する。

測定装置及び機器は,校正のほかに次の測定誤差となる要素についてもチェックを行う。

−  不規則な変動やリップルが最小となるようにステップ波形を調整する。

−  エアーラインや装置のケーブルでの減衰によって投射ステップにひずみが発生することがある。エ

アーライン,ケーブルが長すぎることがないように注意する。

−  測定システム内で発生する複数の反射が供試コネクタの反射に上乗せされる。システム内に整合の

よくない構成品がある場合には,特にこの傾向が強くなる。エアーライン,ケーブルの長さを適切

に選定し,供試コネクタ以外の異種源から発生する反射が時間の経過とともに分離されるようにす

れば,これによる測定誤差を最小にとどめることができる。

−  結合部が短絡していたり,端末部に遮へいを施してない場合には,測定システム内に妨害信号(ノ

イズ)が発生することがある。

−  測定誤差は,ゼロ反射に対応するラインの設定が不明確な場合が多い。反射信号が小さい場合に特

に多い。

2.5.3

周波数範囲  長さ 50mm 以下の供試コネクタと立ち上がり時間 200ps のパルス信号を使用した場合,

適切な周波数ドメインへの変換公式を使用することによって,TDR 測定方法による測定は通常 200MHz ま

での周波数では十分な精度で測定できる。

備考  投射信号を急激にではなく,徐々に増加させると,周波数範囲の制限のほかに反射信号を平た

んにならす効果が発生して信号の振幅が減少し,結果的に測定精度が落ちることになる。


80

C 5402-1992

JIS C 5402

改正原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

五  味  勇  二

財団法人日本電子部品信頼性センター

杉  本  俊  二

防衛庁装備局

前  田  昌  昭

財団法人機械電子検査検定協会

栗  原  正  英

社団法人日本プリント回路工業会

黒  木  勝  也

財団法人日本規格協会

三  宅  信  弘

通商産業省機械情報産業局

稲  葉  裕  俊

通商産業省工業技術院電気規格課

浅  原      真

日本電気株式会社

斎  藤  哲  也

ソニー株式会社

土  谷  順  二

沖電気工業株式会社

西  林  和  男

株式会社東芝

松  尾  宏  之

株式会社日立製作所

三  宅  敏  明

松下電器産業株式会社

渡  辺  弘  二

富士通株式会社

中牟田  正  造

パイオニア株式会社

山  下      誠

日本航空電子工業株式会社

田  坂  昌  穂

ヒロセ電機株式会社

福  地  俊  郎

多治見無線電機株式会社

石  井      勝

第一電子工業株式会社

星          進

本多通信工業株式会社

後  藤  信  之 SMK 株式会社

栗  原  正  明

ホシデン株式会社

(事務局)

塚  田  潤  二

社団法人日本電子機械工業会

川  崎  明  彦

社団法人日本電子機械工業会

JIS C 5402

改正原案作成委員会分科会  構成表

氏名

所属

(主査)

山  下      誠

日本航空電子工業株式会社

土  谷  順  二

沖電気工業株式会社

斎  藤  哲  也

ソニー株式会社

堀  部      勇

日本電気株式会社

後  藤  信  之 SMK 株式会社

石  井      勝

第一電子工業株式会社

福  地  俊  郎

多治見無線電機株式会社

鵜  飼      滋

日本エー・エム・ピー株式会社

田  坂  昌  穂

ヒロセ電機株式会社

星          進

本多通信工業株式会社

金  子  公  平

山一電機株式会社

栗  原  正  明

ホシデン株式会社

(事務局)

塚  田  潤  二

社団法人日本電子機械工業会

川  崎  明  彦

社団法人日本電子機械工業会