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C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

(1) 

目 次 

ページ 

序文  1 

1 適用範囲 1 

2 引用規格 1 

3 用語,定義及び略語  2 

3.1 用語及び定義  2 

3.2 略語  3 

4 電圧制限素子及び電流制限素子の技術的な説明  3 

4.1 一般  3 

4.2 電圧制限部品(voltage-limiting components)  3 

4.3 電流制限部品(current-limiting components)  4 

5 SPD選定のためのパラメータ及びJIS C 5381-21による適合試験  4 

5.1 一般  4 

5.2 標準使用条件  4 

5.3 通常システム動作に影響するSPDパラメータ  5 

6 リスクマネジメント  6 

6.1 一般  6 

6.2 リスク分析  6 

6.3 リスク検証  6 

6.4 リスク対策  7 

7 SPDの適用  8 

7.1 一般  8 

7.2 結合メカニズム  8 

7.3 サージ防護デバイス(SPD)の適用,選定及び取付け  10 

8 MSPD  16 

9 SPDとITEとの協調  18 

附属書A(参考)電圧制限部品  20 

附属書B(参考)電流制限部品  24 

附属書C(参考)リスクマネジメント  30 

附属書D(参考)ITシステムに関連する伝送特性 34 

附属書E(参考)SPDとITEとの協調  36 

附属書F(参考)イーサネットシステムの防護  39 

附属書G(参考)SPDのEMCへの影響  43 

附属書H(参考)内部ポートの定義  44 

附属書I(参考)通信及び信号用SPDのメンテナンス  45 

附属書J(参考)地電位上昇(EPR)  47 


 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 目次 

(2) 

ページ 

附属書K(参考)IEC 62305-2を基本としたリスクマネジメントの参考及び事例  48 

 

 


 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

(3) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人電子

情報技術産業協会(JEITA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業

規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業

規格である。これによって,JIS C 5381-22:2007は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS C 5381の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS C 5381-11 低圧サージ防護デバイス−第11部:低圧配電システムに接続する低圧サージ防護デバ

イスの要求性能及び試験方法 

JIS C 5381-12 低圧サージ防護デバイス−第12部:低圧配電システムに接続する低圧サージ防護デバ

イスの選定及び適用基準 

JIS C 5381-21 低圧サージ防護デバイス−第21部:通信及び信号回線に接続するサージ防護デバイス

(SPD)の要求性能及び試験方法 

JIS C 5381-22 低圧サージ防護デバイス−第22部:通信及び信号回線に接続するサージ防護デバイス

(SPD)の選定及び適用基準 

JIS C 5381-311 低圧サージ防護デバイス用部品−第311部:ガス入り放電管(GDT)の要求事項及び

試験回路 

JIS C 5381-312 低圧サージ防護デバイス用部品−第312部:ガス入り放電管(GDT)の選定及び適

用基準 

JIS C 5381-321 低圧サージ防護デバイス用アバランシブレークダウンダイオード(ABD)の試験方

法 

JIS C 5381-331 低圧サージ防護デバイス用金属酸化物バリスタ(MOV)の試験方法 

JIS C 5381-341 低圧サージ防護デバイス用サージ防護サイリスタ(TSS)の試験方法 

 

 


 

 

日本工業規格          JIS 

 

C 5381-22:2018 

 

(IEC 61643-22:2015) 

低圧サージ防護デバイス− 

第22部:通信及び信号回線に接続する 

サージ防護デバイス(SPD)の選定及び適用基準 

Low-voltage surge protective devices- 

Part 22: Surge protective devices connected to telecommunications  

and signalling networks-Selection and application principles 

 

序文 

この規格は,2015年に第2版として発行されたIEC 61643-22を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

 

適用範囲 

この規格は,公称システム電圧が交流1 000 V(実効値)以下又は直流1 500 V以下の通信及び信号回線

に接続するサージ防護デバイスの選定,運用,配置及び協調の基準について規定する。この規格は,同一

のきょう(筐)体で電力線及び信号線の保護を統合したSPD(以下,多用途SPDという。)についても適

用する。 

注記1 我が国の電圧は,電気設備に関する技術基準を規定する省令において,低圧は交流600 V(実

効値)以下,直流は750 V以下と規定している。 

注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 61643-22:2015,Low-voltage surge protective devices−Part 22: Surge protective devices 

connected to telecommunications and signalling networks−Selection and application principles

(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”

ことを示す。 

 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 5381-11 低圧サージ防護デバイス−第11部:低圧配電システムに接続する低圧サージ防護デバ

イスの要求性能及び試験方法 

注記 対応国際規格:IEC 61643-11,Low-voltage surge protective devices−Part 11: Surge protective 


C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

devices connected to low-voltage power systems−Requirements and test methods(IDT) 

JIS C 5381-12 低圧サージ防護デバイス−第12部:低圧配電システムに接続する低圧サージ防護デバ

イスの選定及び適用基準 

注記 対応国際規格:IEC 61643-12,Low-voltage surge protective devices−Part 12: Surge protective 

devices connected to low-voltage power distribution systems−Selection and application principles

(IDT) 

JIS C 5381-21:2014 低圧サージ防護デバイス−第21部:通信及び信号回線に接続するサージ防護デ

バイス(SPD)の要求性能及び試験方法 

注記 対応国際規格:IEC 61643-21:2012,Low voltage surge protective devices−Part 21: Surge 

protective devices connected to telecommunications and signalling networks−Performance 

requirements and testing methods(IDT) 

JIS C 61000-4-5 電磁両立性−第4-5部:試験及び測定技術−サージイミュニティ試験 

注記 対応国際規格:IEC 61000-4-5,Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 4-5: Testing and 

measurement techniques−Surge immunity test(IDT) 

JIS Z 9290-1 雷保護−第1部:一般原則 

注記 対応国際規格:IEC 62305-1:2010,Protection against lightning−Part 1: General principles(IDT) 

JIS Z 9290-3 雷保護−第3部:建築物等への物的損傷及び人命の危険 

注記 対応国際規格:IEC 62305-3:2010,Protection against lightning−Part 3: Physical damage to 

structures and life hazard(IDT) 

JIS Z 9290-4 雷保護−第4部:建築物等内の電気及び電子システム 

注記 対応国際規格:IEC 62305-4:2010,Protection against lightning−Part 4: Electrical and electronic 

systems within structures(IDT) 

IEC 62305-2:2010,Protection against lightning−Part 2: Risk management 

 

用語,定義及び略語 

この規格で用いる主な用語及び定義を3.1に,略語を3.2に示す。 

3.1 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1.1 

耐力(resistibility) 

通信機器又は設備が,規定した基準に従って規定する限度までの過電圧又は過電流の影響で損傷するこ

となく耐える能力。 

注記1 ITU-T Recommendation K.44 [23]の定義を変更している。 

注記2 この規格の中で,角括弧“[ ]”の数字は,参考文献の参照番号を示す。 

3.1.2 

多用途SPD,MSPD(multiservice surge protective device, MSPD) 

サージ条件下で,一つのきょう(筐)体内において信号系,通信,電力などの二つ以上の異なるサービ

スを等電位化して防護するサージ防護デバイス。 

注記 この規格では,次の用語の定義を参考にしたほうが望ましい。 

レットスルー電流(let-through current) 前段のSPDによって制限した電圧と後段のSPDの特


C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

性及び負荷のインピーダンスとに応じて流れる電流。 

3.2 

略語 

この規格で用いる略語を,次に示す。 

略語 

英文名 

日本語 

MSPD 

Multiservice Surge Protective Device 

多用途SPD 

POTS 

Plain Old Telephone Service 

従来形の電話サービス 

VDSL 

Very High Speed Digital Subscriber Line 

超高速デジタル加入者線 

ADSL 

Asymmetric Digital Subscriber Line 

非対称デジタル加入者線 

PoE 

Power over Ethernet 

パワーオーバイーサネット 

ITE 

Information Technology Equipment 

情報技術機器 

LPZ 

Lightning Protection Zone 

雷保護ゾーン 

 

電圧制限素子及び電流制限素子の技術的な説明 

4.1 

一般 

各種のサージ防護素子に関する専門用語についての簡単な説明を,次に示す。詳細な説明は,附属書A

及び附属書Bに示す。 

4.2 

電圧制限部品(voltage-limiting components) 

4.2.1 

一般 

SPD中で分岐接続する電圧制限用部品は,ある一定の電圧を超える電圧を低インピーダンス経路に分流

することによって過電圧を制限する非線形素子である。SPDの最大連続使用電圧(UC)は,正常動作中の

システムの最大ピーク電圧よりも大きくなるように選定する。動作中のシステムの最大電圧におけるSPD

の漏れ電流は,システムの正常動作を妨げるものであってはならない。 

複数の電圧制限部品を組み合わせて,SPDを構成する場合がある。電圧制限部品を直列に接続した場合,

電圧防護レベルが高くなることがある。電圧制限部品を並列に接続した場合,SPD全体としてのサージ電

流耐量が増加することがある。例えば,電圧スイッチング部品は,電流を分流しない。ただし,クランピ

ング部品は,電流を分流する場合がある。 

金属酸化物バリスタは,正負電圧の両極性において本質的に対称な電圧−電流特性をもつ。これらの部

品は,対称性双方向形として分類する。正極性と負極性の電圧−電流特性とが基本的には同じ形でありな

がら,極性によって明らかに異なる特性値をもつ部品は,非対称性双方向形として分類する。 

別の技術,例えばPN半導体部品は,一般的に対称の電圧−電流特性をもつ。 

4.2.2 

クランピング部品(clamping components) 

クランピング部品は,連続的な電圧−電流特性をもつ。一般的に,被保護機器には,電圧インパルス印

加中の大部分でSPDのしきい値を超える電圧が掛かる。結果として,クランピング部品は,過電圧印加中

の非常に大きなエネルギーを消費する。 

4.2.3 

スイッチング部品(switching components) 

SPDのスイッチング部品は,不連続な電圧−電流特性をもつ。設計した電圧で,低電圧領域にスイッチ

ングする。この低電圧領域におけるエネルギーの吸収は,同等の電圧防護レベルをもつクランピング部品

に比べて少ない。このスイッチング動作によって,被保護機器が正常なシステム電圧以上の電圧を受ける

時間は,非常に短くなる。システムの動作電圧及び電流が,スイッチング部品の復帰条件を超えている場

合,これらの部品は導通状態のままである。適切なSPDの選定と回路設計とによって,SPDは通常のシス

テム電圧及び電流における高抵抗状態に復帰できる。 


C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

4.3 

電流制限部品(current-limiting components) 

4.3.1 

一般 

過電流を制限するために,保護部品は,被保護経路に流れる電流を停止するか又は低減しなければなら

ない。その方法として,遮断,低減又は分流の部品を用いる三つの方法(4.3.2〜4.3.4)がある。過電流保

護に主として用いる技術は,熱的な動作によるものであり,その応答速度は比較的遅い。過電流保護が動

作するまでの間,被保護機器だけでなくSPDもサージに耐えることが必要である。 

4.3.2 

電流遮断部品(current-interrupting components) 

電流遮断部品は,SPD又はITE(図B.1参照)へのサージ電流の経路を開放(開路)する。電流が流れ

ている回路を急に開放した場合,特に,電流がピークにある場合,アークが発生する。このアークは,危

険を回避するように処理しなければならない。遮断後,サービスを再開するための操作が必要となる。ヒ

ューズは,電流遮断部品の一例である。 

4.3.3 

電流低減部品(current-reducing components) 

電流低減部品は,負荷に大きな直流抵抗器を有効に挿入することによって電流を低減する(図B.4参照)。

このような動作を利用した電流低減形の例として,自己発熱形の正温度係数(PTC)サーミスタがある。

過電流によってPTCサーミスタは温度上昇し,温度がそのしきい値温度(代表例として120 ℃)を超え

た,抵抗値が数オームから数百キロオームへと変化し,電流を低減する。高抵抗に変化した後は,低い電

流であってもPTCサーミスタはその温度を保つため,PTCサーミスタは高抵抗状態にとど(留)まること

になる。代表的な約1 Wのサーミスタがその温度を保つためには,例えば,交流200 Vの過電圧による5 mA

の電流があればよい。サージの通過後,PTCサーミスタは冷えて低抵抗値に復帰(リセット)する。電流

を低減する電気的な電流制限器(B.3.2参照)は,電流が所定のしきい値を超えた場合に動作し,交流と同

様にサージにも応答する。 

4.3.4 

電流分流部品(current-diverting components) 

電流分流部品は,負荷と並列に有効な低インピーダンス回路を形成する(図B.2参照)。電圧制限形部品

の温度上昇又は負荷電流検出によって動作する。被保護機器を保護するが,回線には同等以上のサージ電

流が流れる。動作後,サービスを再開するための操作が必要となる。 

 

SPD選定のためのパラメータ及びJIS C 5381-21による適合試験 

5.1 

一般 

この箇条では,SPD単体及びSPDが接続しているネットワークにおいて,SPDが動作している場合及び

動作していない場合の両方のパラメータについて検討する。これらのパラメータ値は,SPDの比較の根拠

として用いることができ,信号及び電力システムにおけるSPDの選定の指針として用いることもできる。

これらのパラメータ値は,SPD製造業者及び供給者が提供する。値の検証又は供給者から提供のない場合

は,JIS C 5381-21に規定する試験方法及び測定方法を用いなければならない。 

5.2 

標準使用条件 

5.2.1 

一般 

SPDパラメータは,意図する環境条件に適合しなければならない。 

5.2.2 

気圧及び標高 

気圧は,80 kPa〜106 kPaとする。これらの値は,海面からそれぞれ+2 000 m〜−500 mの標高に対応す

る。 


C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

5.2.3 

周囲温度 

周囲温度は,次に示す範囲内とする。 

− 標準的な温度の範囲:−5 ℃〜+40 ℃ 

注記1 この範囲は,通常,室内で用いるSPDを対象とする。これは,JIS C 60364-5-51 [6]のコー

ドAB4に対応している。 

− 拡張温度の範囲:−40 ℃〜+70 ℃ 

注記2 この範囲は,通常風雨に対する保護のない屋外使用のSPDを対象としており,JIS C 

60721-3-3 [7]のクラス3K7に対応している。 

− 保存温度の範囲:−40 ℃〜+70 ℃ 

注記3 この範囲外の値は,製造業者が指定している。 

5.2.4 

相対湿度 

相対湿度は,次に示す範囲内とする。 

− 標準的な相対湿度の範囲:5 %〜95 % 

注記1 この範囲は,通常室内で用いるSPDを対象とする。これは,JIS C 60364-5-51 [6]のコード

AB4に対応している。 

− 拡張相対湿度の範囲:5 %〜100 % 

注記2 この範囲は,通常,風雨に対する保護のない屋外使用のSPDを対象としている[例えば,

きょう(筐)体の外部に設置しているSPD]。 

5.2.5 

異常な使用条件 

異常な使用条件下へのSPDの暴露は,SPDの設計又は適用には,特別な考慮が必要となる場合があり,

製造業者の注意事項を守らなければならない。 

5.3 

通常システム動作に影響するSPDパラメータ 

電気通信及び信号システムの保護に用いる電圧制限,又は電圧制限及び電流制限の両機能をもつSPDの

動作に関する基本的特性を,次に示す。 

− 最大連続使用電圧UC 

− 電圧防護レベルUP 

− インパルスリセット 

− 絶縁抵抗(漏れ電流) 

− 定格電流 

SPDは,用途に固有の要求事項を満足しなければならない。幾つかのSPDパラメータはネットワークの

伝送特性に影響する。これらを次に示す。 

− 静電容量 

− 直列抵抗 

− 挿入損失 

− リターンロス 

− 縦バランス 

− 近端漏話(NEXT) 

したがって,SPDは,JIS C 5381-21の試験項目の中から適切な試験項目を選択して,試験を実施する必

要がある。情報技術システム及びこれらのシステムにSPDを適用する場合に考慮することが必要な伝送特

性についての情報を,附属書Dに示す。 


C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

リスクマネジメント 

6.1 

一般 

過電圧及び過電流の可能性を考慮する場合,情報技術システムの防護対策(例えば,SPDでの保護)の

必要性は,リスク算定に基づくことが望ましい。情報技術システムの全ての部分における算定は,ネット

ワーク全体で良好な保護協調を実施しなければならない。これは,顧客及びネットワーク事業者に対する

サービスの喪失,システム(例えば,病院,交通制御)の重要性,特定地域(被害の可能性)での電磁環

境及び補修に関するコストを考慮することである。 

防護対策の導入は,次の事項に基づいて判断しなければならない。 

− 建築物等の内又は外のネットワークへの損害のリスク 

− 損害の許容できるリスク 

建築物等及び建築物等の内のネットワークのために,顧客はこれら二つの値を分析しなけらばならない。

建築物等の外のネットワークにおいて,ネットワーク事業者はそれらを分析しなければならない。リスク

の重要度によって,部品は事業者ネットワークと加入者ネットワークとの間に相互接続される異なった保

護レベルの装置につなぐことができ(図1の“NT”参照),表1に防護対策を管理するための責任につい

て一般的総括を示す。 

注記 IEC 62305-2を基本としたリスクマネージメントに関する参考事項を,附属書Kに示す。 

 

表1−防護対策の管理責任 

情報技術システムの防護 

責任 

建築物等の外部設備(事業者ネットワーク) 
情報技術機器ITE(注記参照) 

ネットワーク事業者又は供給者 

建築物等の内部設備 
− 加入者の通信ネットワーク 
− LPSの設置 
− 効果的な接地及びボンディングシステムの設置 
− 情報技術機器ITE(注記参照) 

建築物等の所有者(顧客) 

事業者ネットワークと加入者ネットワーク(NT)との
相互接続 
− 供給者のSPD,遮蔽及び金属管 
− 顧客のSPD,加入者ネットワークの遮蔽及び金属管 

ネットワーク事業者又は供給者 
 
建築物等の所有者(顧客) 

リスク算定に基づく追加防護対策 

建築物等の所有者(顧客) 

注記 ITEの耐力要求は,ITU-T Recommendation Kシリーズ勧告による。ITE製造業者は,市場要求によって対策

を実施する。 

 

6.2 

リスク分析 

リスク分析は,次の電磁現象を考慮する。 

− 電力線からの誘導 

− 雷放電 

− 地電位上昇 

− 電力線混触 

6.3 

リスク検証 

リスク検証は,次のような経済面を考慮する。 

− コスト(破壊的な電磁気的現象が発生する場合の,不適切に防護した機器への高い補修コストと補修


C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

を不要とする適切な防護コストとの対比) 

− 対象とする用途 

− 設備の防護対策 

− サービスの継続性 

− 機器の保守性(到達困難地域への設置。例えば,山岳地域) 

6.4 

リスク対策 

リスク対策は,全体の通信ネットワーク,すなわち,あらゆる種類の伝送又は端末機器を含む全てのタ

イプのネットワーク,公共ネットワーク及び構内ネットワークの被害の低減を考慮する。SPDの取付けは,

ネットワーク事業者,ネットワーク管理者及びシステム製造業者による,要求事項及び制限事項に従わな

ければならない(図1及び図2参照)。リスク管理に関するより詳細な情報を,附属書Cに示す。 

 

 

 図記号 

SPD/N 

ネットワーク事業者又は権限者が与える,SPD要求事項及び指定事項 

SPD/S 

システム製造者が与える,SPD要求事項及び指定事項 

SPD/S/N 

システム製造者,及びネットワーク事業者又は権限者が与える,SPD要求事項及び指定事項 

交換局 

機器(例えば,多重化装置) 

NT 

ネットワーク端末 

ITE 

ITE又は処理制御機器 

TTE 

通信端末機器 

 

図1−通信及び信号ネットワークにおけるSPD設備 

 

信号回線

事業者の回線 

事業者又は構内
の回線 

構内の回線 

信号回線 

通信回線 

NT 

SPD/N 

SPD/S/N 

SPD/S/N 

ITE 

TTE 

SPD/N 

SPD/N 

SPD/S/N 

TTE 

ITE 

SPD/S 

SPD/S 

SPD/S 

SPD/S 


C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

 図記号 

(1) ITE(例えば,コントローラー) 
(2) SPDの必要条件 顧客又は使用者によって制限を与えてもよい 
(3) ITE(例えば,センサー,作動装置) 
(4) 分配器 
 

図2−計測制御ネットワーク(MCR) 

 

SPDの適用 

7.1 

一般 

通信及び信号回線に接続する機器の保護用としてSPDの適用を検討する場合,可能性のある過電圧及び

過電流源を決定し,それらの発生源からエネルギーがどのようにこれらのネットワークと結合するかを決

定することが重要である。これらを図3に示すとともに,図4へネットワークに結合するエネルギー量を

低減する方法を示す。 

注記 内部ポートに関する参考事項を附属書Hに,通信及び信号用SPDに関する参考事項を附属書I

に示す。 

7.2 

結合メカニズム 

通信及び信号システムを脅かすサージの主な発生源は,雷及び電力システムである。結合の形態は,建

築物等への直撃雷及び電力システムからの混触であり,両発生源からの静電結合,磁界結合及び電界結合

も同様に含む。第四の結合メカニズムは,両方の発生源による地電位上昇の要因によるものである。 

注記 地雷位上昇(EPR)に関する参考事項を,附属書Jに示す。 

防護手段は,保護するシステムと協調しなければならない。建築物等内に防護手段が必要なところには,

等電位ボンディング用バーを設置しなければならない。さらに,重要な対策は,設備から建築物等の等電

位ボンディング用バーまで,全てのボンディングのインピーダンスを最小限にすることである。ケーブル

の金属遮蔽は,連続して接続しなければならない。それは,更にケーブルの端末で等電位ボンディング用

バーに,できる限り直接又は腐食問題の回避のためSPDを介して接続しなければならない。別の対策は,

サービス引込口に適切なSPDを用いて,過渡的な過電圧及び過電流をシステム許容レベルまでに低減する

ことである。SPDは,できる限り建築物等の共通の入口近く,例えば,建築物等又はキャビネットの全て

のサービス引込口に設置しなければならない。保護する設備及びケーブル入り口領域との間に,いくらか

の距離を必要とする場合,設備のボンディング及びSPDボンディング導体のインピーダンスを最小限にす

るように特別の注意を払わなければならない。 

雷及び交流電源からのエネルギーが,屋外の設備を含んでいる建築物等と結合する方法を図3に示す。

落雷は極めてまれなことであるが,その結果として表2に示すSPDよりも,高耐量のSPDが必要である

ことに留意することが望ましい。箇条6のリスクマネジメントに関する情報は,図及び表を理解するため

のガイダンスを提供している。単純化するために,直撃雷が1本の導体を流れ下りる様子を図3に描いて

いる。実際には,システムは複数の引き下げ導体をもち,直撃雷の電流はそれらに分流する。この分流の

(1) 

(2) 

(2) 

(4) 

(3) 

(2) 

(2) 

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(3) 


C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

結果,誘導結合機構によるサージ電圧は低減する。 

設置した設備とともにサービス引込口[電話,又は他の電気通信接続(h)及び電力(g)]及び雷保護シ

ステム(附属端子,ボンディングネットワーク及び接地システムを含む。)を備えた,標準的な建築物等を

図3に示す。図は,一点での雷保護ボンディング(d)を具体的に示している。推奨するこの配置は,建

築物等への全てのサービス引込み部を一点の共通接地点(主等電位ボンディング用バー)でボンディング

している。この共通接地は,引き下げ導体に一点で接続する,国家規制との適合理由によって分離接地と

することもできる。建築物等への全てのサービス引込口は,全てのビルシステムを等電位環境とするため

に,この接地点に接続することが望ましい。この配置内では,各フロア,設備室,更に可能なことには設

備架でも,ケーブル引込口において共通接地基準点によって等電位環境を実現する。全てのサービス引込

領域は,このポイント(SPDを介してか,又は直接のいずれか)で地電位基準になる。このローカル等電

位ボンディングポイントは,一点で建築物等の主要なボンディングに接続し,大地と分離して接続しては

ならない。複数の地点からサービスの引込みがある建築物内のボンディング配置の例をJIS Z 9290-3の

E.6.2.2(内部導電性部分の雷等電位ボンディング)に示す。 

過渡現象源と結合メカニズムとの関係を表2に示す(例えば,直撃雷の抵抗性結合)。電圧及び電流波形

並びに試験カテゴリは,JIS C 5381-21の表3(インパルス制限電圧に対する電圧及び電流波形)から選択

する。 

 

 

図記号 
(d) 

等電位ボンディング用バー(EBB) 

(e1) 

建築物の接地 

(e2) 

雷保護システムの接地 

(e3) 

ケーブル遮蔽の接地 

(f) 

情報技術又は通信ポート 

(g) 

電源ポート 

(h) 

情報技術又は通信回線若しくはネットワーク 

(p) 

接地導体 

(S1) 

建築物等への直撃雷 

(S2) 

建築物等への近傍雷 

(S3) 

通信又は電源線への直撃雷 

(S4) 

通信又は電源線への近傍雷 

(1)〜(5) 

結合メカニズム,表2参照 

図3−結合メカニズム 

(2) 

(2) 

ITE 

(1)(5) 

(S3) 

(S2) 

(S1) 

(h) 

(3) 

(f) 

(g) 

(g) 

(d) 

(d) 

(e2) 

(e1) 

(e3) 

(S4) 

(p) 

(1)(2) 
(3)(4) 


10 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

表2−結合メカニズム 

過渡現象源 

建築物等への直撃雷 

 

(S1) 

建築物等の近傍への 

大地雷撃 

(S2) 

線路への直撃 

 

(S3) 

線路近傍への 

大地雷撃 

(S4) 

電源への 

影響 

結合 

抵抗性 

(1) 

誘導性 

(2) 

誘導性a) 

(2) 

抵抗性 

(1),(5) 

誘導性 

(3) 

抵抗性 

(4) 

電圧波形 

(μs) 

− 

1.2/50 

1.2/50 

− 

10/700 

50/60Hz 

電流波形 

(μs) 

10/350 c) 

8/20 

8/20 

10/350c),10/250 

5/320 

− 

推奨試験 

カテゴリb) 

D1 

C2 

C2 

D1,D2 

B2 

A2 

注記 (1)〜(5)は図3“結合メカニズム”参照。 
注a) 電力供給ネットワーク付近ではスイッチングによる容量性又は誘導性の結合も適用する。 

b) JIS C 5381-21の表3参照。 

c) 直撃雷を模擬するインパルス試験のピーク電流値及び総電荷量はJIS Z 9290-1で規定している。 

これらのパラメータを満足する代表的な波形は二重指数関数インパルスで,この例として10/350がある。 

 

7.3 

サージ防護デバイス(SPD)の適用,選定及び取付け 

7.3.1 

SPDの適用に関する要求事項 

7.3.1.1 

一般 

SPDは,JIS C 5381-21及び保護するシステムに関する仕様書に従わなければならない。公共電力供給シ

ステムへのSPDの適用では,他の要求事項又は追加の要求事項を適用する場合があるが,次の細分箇条で

は記載しない。次の細分箇条では,建築物等の中の情報通信技術システムにおけるSPDの適用について取

り扱う。 

7.3.1.2 

雷の影響を低減するためのSPDの選定 

サージを制限する動作が,SPDによるエネルギーの吸収又は反射を引き起こす。SPDの選定は,ピーク

パルス電流及び波形(例えば,5 kAで8/20)の詳細を含むIEC 62305-2のリスクアセスメントを基本とし,

JIS C 5381-21の表3に従って選定しなければならない。 

防護対策を決定するときは,それぞれの防護個所(図4参照)に応じた防護要求事項を検討しなければ

ならない。防護デバイスは,ゾーンの境界に多段に配置して適用することが望ましい(雷保護ゾーンの取

扱いはJIS Z 9290-4を考慮する。)。そのゾーンの概念は,物理的なLPS(雷保護システム)が存在すると

きに,特別な関係がある。例えば,建築物等の入口に位置する第一の保護レベル(j,m)は,主に装置を

破壊から保護することを受けもつ。この保護は,そのような脅威に対し設計し評価することが望ましい。

この保護の出力は,以降の下流にある保護への入力となるサージエネルギーを低減する。次の保護レベル

(k,l及びn,o)は,サージレベルを以降の下流の防護又は装置が許容できる値に更に低減する(7.3.1.3

参照)。 

図4は,JIS Z 9290-1による雷保護概念の例である。 

過電圧又は過電流の脅威レベル及びSPDの特性によっては,単一のSPDで建築物等内の装置を保護す

るために用いることができる。幾つかの保護レベルを,一つのSPDの中の組合せ保護回路によって決定す

ることができる。装置の配置場所によっては,単一のSPDで,建築物等の中の複数のゾーンを保護するの

に用いることができる。 

多段のSPDが存在するとき,箇条9の協調条件を考慮することが望ましい。 


11 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

 

 図記号 

(d) 

雷保護ゾーン(LPZ)の境界の等電位ボンディング用バー(EBB) 

(e) 

主等電位ボンンディング用バー 

(f) 

情報技術又は通信ポート 

(g) 

電源ポート又はライン 

(h) 

情報技術又は通信回線若しくはネットワーク 

IPC 

雷電流の部分的なサージ電流 

異なる結合経路を通して建築物等の中で部分的雷電流IPCを引き起こすJIS Z 9290-1に従った直撃雷
電流 

(j,k,l) 表3(JIS C 5381-21の表3を参照)に従ったSPD 
(m,n,o) JIS C 5381-11のクラスI試験,クラスII試験及びクラスIII試験に従ったSPD 
(p) 

接地導体 

LPZ 0A〜3 

JIS Z 9290-1に従った雷保護ゾーン0A〜3 

 

図4−雷保護の概念に基づく構成例 

 

7.3.1.3 

一時的な妨害を低減するSPDの選定 

SPDは,7.3.1.2及び表3に示す雷保護ゾーンの段階に従って選定することが望ましい(協調は箇条9参

照)。このため防護デバイスは,SPDの電圧防護レベルUPが次のSPD又はITEで規定すべき電圧値よりも

低くなるように選定する(図5参照)。 

表3の雷保護ゾーンの選定は,境界LPZ 0/1の全雷電流Iの一部分(部分雷電流IPC)が,SPD(j)経由

で情報技術システムに抵抗結合することを前提としている。情報技術システム内に伝搬する最終的な雷電

流波形は,システムの配線及びSPDの動作によって変化する。SPD(j)の電圧防護レベルが,機器の耐力

レベルよりも高い場合には,SPD(j)と協調した適切な電圧防護レベルをもったSPDを更に取り付ける。

代替案として,適切な電圧防護レベルをもったSPDをSPD(j)に置き換える。 

雷撃の電磁効果又はあらかじめ設置してあるSPDの過渡的変化によって誘起するサージ電流は,8/20の

電流波形である。 

情報技術ライン及び電気通信回線に近接し,それらの回線に接続しているITEから離れている雷撃によ

(IPC) 

(h) 

(g) 

ITE 

(f) 

(g) 

(d) 

(e) 

(p) 

0.5I 

0.5I 

(l) 

(j) 

(k) 

(o) 

(n) 

(m) 

LPZ 0A 

LPZ 0B 

LPZ 1 

LPZ 2 

LPZ 3 


12 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

って誘起する電圧は,10/700の電圧波形である(JIS C 5381-21の表9参照)。 

 

表3−JIS Z 9290-1(雷保護ゾーン)の境界に用いるSPDの選定 

JIS Z 9290-1の雷保護ゾーン 

LPZ 0/1 

LPZ 1/2 

LPZ 2/3 

SPDの所要性能 

(JIS C 5381-21の 

表3のカテゴリ) 

SPD(j)a) 

D1,D2 

B2 

− 

− 

SPD(k)a) 

− 

C2/B2 

− 

SPD(l)a) 

− 

− 

C1 

注記 LPZ2/3で示したサージの範囲は,典型的な最小の耐力所要性能を含む。また,市場要求によって機器に適用

してもよい。 

注a) SPD(j,k,l)は,図4を参照。 

 

UIN1 

SPD1 

 

ゾーン 

0/1 

(j) 

 

UP1 

UIN2 

SPD2 

 

ゾーン 

1/2 

(k) 

 

UP2 

UIN3 

SPD3 

 

ゾーン 

2/3 

(l) 

 

UP3 

UIN ITE  

ITE 

 
 
 

(f) 

 

>4 kV 

 

<4 kV 

 

<1 kV 

 

<0.5 kV 

図5−図4におけるゾーンの構成例 

 

一般に,機器を防護するために必要なSPDの数は,SPDを設置する雷保護ゾーンの境界の数を決定する。

7.3.1.1に規定する組合せ保護回路を利用した単一のSPDを用いることによっても機器を保護することがで

きる。 

段階的なSPD[SPD 1(j)〜SPD 3(l)]間の協調は,箇条9に従うことが望ましい。 

7.3.1.4 

低周波のサージ電圧を制限するためのSPDの選定 

電気通信回線が電力線の混触による過電圧を受けた場合,局所の対地間電圧は,SPDを通信回線と接地

端子との間に接続して制限することが望ましい。端末機器の絶縁耐力は,防護デバイスの放電開始電圧及

び大地までの配線インピーダンスを考慮に入れて選定することが望ましい。適切な所要性能は,製品群又

は製品規格,例えば,ITU-T Recommendation K20,K21及びK45 [16,17,18]などから選ぶことが望ま

しい。商用周波サージからの電気通信回線の保護は,電圧電流制限又は電圧電流スイッチングSPDの利用

で解決できる。 

7.3.1.5 

被保護システムとSPDの電圧制限性能との協調 

SPDの線間及び対地間の電圧制限の仕様は,システムの防護性能に合致することを確認することが重要

である(図6参照)。 

システムとの調和を達成するために,ITU-T Recommendation K.20,K.21又はK.45 [16,17,18]で概説

されるように,SPDによる機器保護のインパルス協調試験は機器製造業者によって実施することが望まし

い。 


13 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

 

 

 図記号 

(c) 

SPD内の全ての対地間電圧制限サージ電圧素子が参照とするSPDの共通接続部 

(d) 

等電位ボンディング用バー 

(f) 

情報技術又は通信ポート 

(g) 

電源ポート 

(h) 

情報技術又は通信回線若しくはネットワーク 

(j) 

表3に従ったSPD(JIS C 5381-21の表3参照) 

(m) 

電源用SPD 

(p) 

接地導体 

(q) 

必要な接続(できるだけ短く) 

UP(C) 

電圧防護レベルに制限した対地間電圧  

UP(D) 

電圧防護レベルに制限した線間電圧 

X1,X2 SPDを接続する無防護側の端子で,その端子間に制限素子(1,2)を設置する 
Y1,Y2 防護側のSPD接続端子 
(1) 

対地間モード電圧を制限するJIS C 5381-300規格群に従ったサージ電圧防護素子([1],[3],[4],[5]) 

(2) 

線間電圧を制限するJIS C 5381-300規格群に従ったサージ電圧防護素子([1],[3],[4],[5]) 

注記 数値と混同する可能性があるため,“l”を“j”に,“o”を“m”に変更した。 
 

図6−ITEのデータ入力(f)及び電圧供給端子(g)の 

対地間モード電圧及び線間電圧に対する防護対策の例 

 

7.3.2 

SPDの配線に関する考察 

7.3.2.1 

一般 

SPDの設置は,リード線又は接続での配線電圧降下を最小限にとどめるようにすることが望ましい。 

UPで示す低い電圧防護レベルに加わる不適切な配線(結合,ループ及びケーブルインダクタンス)によ

って電圧制限過程に発生する余分な電圧上昇を避けるための基本的な対策を7.3.2.2〜7.3.2.4に示す。 

効果的な電圧制限は,次の方法によって有効に達成できる。 

− SPDは装置にできる限り接近させる(7.3.2.3参照)。 

− SPDのX1及びX2端子とSPDを設置する場所[図7の(a)及び(b)]との間との長いリード線を避

け,及び不必要な曲げを最小限にする。図8の配置が最適である。 

7.3.2.2 

2端子SPD 

2端子SPDの二つの設置可能な方法を図7及び図8に示す。二番目の設置は,防護装置のリード線長の

二次的影響を取り除いている。 

U

P

D

 

U

P

C

 

SPD(j) 

ITE 

(1) (1) 

(2) 

(1) 

X1 

X1 

X2 

X2 

(f) 

SPD(m) 

(g) 

(c) 

(d) 

(q) 

(p) 

(h) 

Y1 

Y2 


14 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

 

 

図記号 

L1,L2 

リード線の導体インダクタンス 

UL1,UL2 全導体長又は単位長で決まるサージ電流IPCのdi/dtによって誘起するインダクタンス“L”の端子

間電圧。 

X1,X2 

SPDを接続する防護していない端子で,その端子間に制限素子(図6参照)を設置する。 

IPC 

部分雷電流 

UP(f) 

防護する装置の入力ポート(f)における,電圧防護レベルUP及び防護デバイスと保護する装置間
とを接続する導体に誘起する電圧の和(実効電圧防護レベル)。SPDが導通になる前はUL1/UL2は
0であることに注意する。 

UP 

電圧防護レベル 

 

図7−配線のインダクタンスによって発生する電圧防護レベルUP上の電圧UL1及びUL2の影響 

 

 

 

図記号 
X1,X2 

SPDを接続する防護していない端子で,その端子間に電圧制限部品(図6参照)を設置する。 

IPC 

部分雷電流 

UP(f) 

防護する装置の入力ポート(f)における,電圧防護レベルUP及び防護デバイスと保護する装置間を
接続する導体に誘起する電圧の和(実効電圧防護レベル)。 

UP 

電圧防護レベル 

 

図8−同一点への接続による電圧UL1及びUL2の除去 

 

 

X1 

X2 

SPD 

IPC 

U

P

f

=

U

P

 

(a) 

(b) 

SPD 

X1 

L2 

L1 

IPC 

UP 

UL2 

UL1 

X2 

U

P

(f

)

=

U

P

+

U

L

1

+

U

L

2

 


15 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

7.3.2.3 

3端子,5端子又は多端子SPD 

有効な制限電圧を得るためには,防護デバイスとITEとの間の様々な条件を考慮したシステムの検討が

必要である。 

 

 

 図記号 

(c) 

SPD内の全ての対地間モードの電圧制限部品を接続する共通基準端子 

(d) 

等電位ボンディング用バー(EBB) 

(f) 

情報技術又は通信ポート 

(l) 

表3に従ったSPD(JIS C 5381-21の表3参照) 

(p) 

接地導体 

(p1),(p2) 接地導体(できるだけ短く)。遠隔給電されているITEの場合,(p2)は存在しない場合もある。 
(q) 

必要な接続(できるだけ短く) 

X,Y 

SPDのそれぞれ非防護及び防護に関連する位置にある電圧制限部品(図6参照)間のSPD端子 

 

図9−電圧防護レベルに対する妨害の影響を最小限にする情報通信装置ITEの多端子SPDに必要な設置条件 

 

追加の対策は,次による。 

− 防護していないポート側の線と防護しているポートの線とを一緒に配線しない。 

− 接地導体(p)と防護しているポートとの線を一緒に配線しない。 

− 防護すべきITEとSPDの防護しているポートとの配線はできるだけ短くするか又は遮蔽しなければな

らない。 

7.3.2.4 

建築物等の内部のシステムに対する雷誘導過電圧の影響 

雷誘導過電圧は建築物等内に現われ,7.2に記載したメカニズムによって内部ネットワークと結合する。

これらの過電圧は一般的に対地間モードであるが,差動モードに現われる場合がある。ITE内の部品の破

損及び絶縁破壊は,これらの過電圧によって生じる。 

これらの影響を制限するためSPDは,図6に従って設置することが望ましい。 

その他の対策は,次による。 

− 対地間モード電圧を低減するためのSPDとITEとの間に等電位結合(q)(図9参照) 

− 差動モード電圧を低減するために対より線を使用 

− 対地間モード電圧を低減するためにシールド線を使用 

 

SPD(l) 

ITE 

(f) 

(c) 

(d) 

(q) 

(p2) 

(p) 

(p1) 


16 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

− 様々なループ構成の場合の計算根拠(JIS Z 9290-4の附属書A参照) 

7.3.3 

JIS C 5381-11とJIS C 5381-21との間のSPDクラス分けの比較 

SPDのサージ電流は,電力,データ,通信などのサービスに流れる電流の区分けによって決まり,JIS Z 

9290-1の附属書E(各設置場所における雷サージ),又は表4に基づいて計算できる。 

LPZの境界に設置される電力−通信線SPDの試験クラスとカテゴリ間との関係の例を表4に示す。 

 

表4−JIS C 5381-11とJIS C 5381-21とのSPDの区分けの関係 

LPZ 

JIS C 5381-21のSPDのカテゴリ 

 

LPZ 

JIS C 5381-11のSPDの試験クラス 

0/1 

D1 

0/1 

1/2 

C2 

1/2 

II 

2/3 

C1 

2/3 

III 

 

MSPD 

建築物等のAC/DC電源又は通信サービスの引込口に,サージ防護デバイス(SPDs)を適用する従来の

方法は,コンピュータワークステーション,マルチメディアセンターなどサージにぜい(脆)弱な装置群

を保護するには十分でない場合がある。建築物等の内部に発生するサージは,ケーブルネットワーク内の

誘導結合,SPDの動作による接地系への分流及び接地極の電位の違いによって信号ケーブルに現れる。装

置群へローカルな保護を提供するMSPDは,既存の保護を補う。サービス(電力,通信など)は,SPDを

通して伝送する。MSPDは,共通基準点でサービスを防護し,接地間を流れるサージを低減する。 

MSPDは,二つ以上の異なるサービスに対する保護回路を一つのきょう(筐)体内に組み合わせたもの

であり,異なるサービス間を等電位化し,サージ電圧を抑制する。MSPDのサージ電圧保護回路の電源回

路はJIS C 5381-11の要求に,通信/信号回路はJIS C 5381-21の要求に従わなければならない。 

 

 

図10−分離したSPDによる保護 

 

配線方法によっては,磁気的な結合による建築物等の内部配線に誘導するサージ,地電位上昇及び電力

装置群 

 

電源ライン 

SPD 

SPD 

電話ライン 

アンテナ 

同軸ケーブル 

SPD 

SPD 

LAN,センサーライン 

等電位ボンディングバ

ー 

SPD 


17 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

と通信サービスとの間の不完全な接続を生じる場合がある。MSPDは,複数のサービスに接続している装

置及び装置群を図10に示すような複数のサービスに接続する場合の問題から装置及び装置群を保護する

ために開発した。 

MSPDの設計及び構造の重要な特徴は,個々のサービスに用いるSPD間の接続である。この接続によっ

てサービス間の電位差を最小化する(図11参照)。 

 

 

図11−PE接続オプションのあるMSPD 

 

用途によっては,接地端子が必要な場合がある。 

MSPDのボンディングの確認は,個々のサービス間,それらのグラウンド間,又は両方にサージを印加

し,MSPDの保護された側に通過するグラウンド電流を測定して行う。 

基準点の共有は,図11の機器内での直接接続又は図12に示すように適切な部品,例えば,SPC(Surge 

protective component)を介した接続によって達成できる。通常SPCは,絶縁を維持しているが,一つ又は

両方のシステムにサージが発生している間には有効な接続となる。これらのSPCは,SPDに組み込むこと

ができる。 

 

装置群 

 

SPD 

SPD 

電話ライン 

アンテナ 

SPD 

同軸ケーブル 

LAN,センサーライン 

SPD 

SPD 

PE 

MSPD 

複数コンセント 

PE 

電源ライン 


18 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

 

図12−PE端子へ過渡的にボンディングするSPCを備えたMSPD 

 

基準点を共有することは,機器内での直接接続又は適当なSPDのような装置による接続によって構成で

きる。通常SPDは,絶縁を維持しているが,一つ又は両方のシステムにサージが発生している間には有効

な接続となる。 

MSPDは,被保護装置(コンピュータ,電話機など)に接近して配置しなければならない。JIS Z 9290

規格群に従いMSPDは,LPZ1-2又はLPZ2-3に用いる。したがって,MSPDは,LPZ0-1で発生する直撃

雷電流用に設計していない。LPZ及びMSPDに要求される試験カテゴリの関係を表5に示す。 

 

表5−LPZ及びMSPDに要求される試験カテゴリの関係 

雷保護ゾーン 

JIS C 5381-21によるSPDの試験カテゴリ 

JIS C 5381-11によるSPDの試験クラス 

LPZ 0/1 

適用外 

適用外 

LPZ 1/2 

C2 

II 

LPZ 2/3 

C1 

III 

 

MSPDは,主電源及びデータポートの電圧制限機能に加えて,通信又はデータインタフェースの伝送特

性及び取付け方法を満足しなければならない。 

 

SPDとITEとの協調 

二段接続のSPD又は1個のSPDと保護されたITEとが,過電圧条件下で協調できるように,SPD1から

の出力防護レベルは,定格条件に対するSPD2又はITEの入力耐力レベルを超えてはならない。 

二段接続のSPDの協調は,UP<UIN及びIP<IIN(図13参照)の判定基準を満している場合に達成するこ

とができる。これらの協調条件が達成できない場合,減結合素子(測定によって定数を決定しなければな

らない場合がある。)によって協調を実現できる。 

 

装置群 

 

電源ライン 

SPD 

電話ライン 

アンテナ 

同軸ケーブル 

PE 

MSPD 

複数コンセント 

PE 

SPD 

SPC 

SP

SPD 

SPC 

SPD 

SPC 

SPC 

 

LAN,センサーライン 

SPD 


19 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

 

 図記号 

UIN2:UIN ITE 耐力確認のために用いる試験機の開放回路電圧 
IIN2:I IN ITE 

耐力確認のために用いる試験機の短絡電流 

UP 

電圧防護レベル 

IP 

レットスルー電流 

 

図13−2段のSPDの協調 

 

1ポートSPDの場合,分路接続したリードの電圧降下も考慮することが望ましい。JIS C 5381-12の例は,

UW(機器の耐電圧)の20 %に低減することを考慮している。 

SPDは,1個以上の非線形電圧制限部品を含んでいるため,防護する出力側の開放回路電圧が,試験機

から発生する(開放回路)過電圧をひずませる。このことから,“ブラックボックス”化したSPDの協調

に関して一般的な記載ができない。製造業者の推奨するSPDの組合せを用いることが最も安全である。製

造業者は,試験を実施することによって協調がどのように達成できるのか又はどのように決定できるのか

を評価することができる。SPDとITEとを協調させるために,ITE製造業者の性能,情報及び/又は試験

報告書が要求される。 

注記 SPDとITEとの協調に関する参考事項を,附属書Eに示す。 

 

 

 

 

 

I IN 1 

I P2 

I IN 2 

I P1 

I IN ITE 

U

 P

1

 

U

 I

N

 2

 

U

 P

2

 

U

 I

N

 I

T

E

 

U

 I

N

 1

 

 

ITE 

SPD 1 

SPD 2 


20 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

附属書A 

(参考) 

電圧制限部品 

 

A.1 電圧クランピング部品 

A.1.1 一般 

負荷と並列接続するクランピング部品は,電流を分流するように,低インピーダンス経路を形成するこ

とで,設定電圧を超える過電圧を制限する非線形部品である(図A.1参照)。 

 

図A.1−クランピング部品の動作 

 

A.1.2 金属酸化物バリスタ(MOV) 

MOVは,金属酸化物でつくられた非線形抵抗器である。電圧制限領域のほぼ全般にわたって,MOVの

電圧は,電流の増加とともに非線形的に増加する。最も高い電流レベルでは,材料自体の抵抗値が支配的

となり,その特性はほぼ線形となる。 

MOVは,通常約±10 %のばらつきをもつ5 V以上のUC電圧が得られる。インパルス大電流条件下では,

MOVの制限電圧は著しく増加する場合がある。これは,多段接続する複数SPDの協調動作において協調

しやすくすることもできるが,後段の機器が高電圧レベルにさらされる場合もある。 

MOVの応答時間は短いので,過電圧を素早く制限することに適している。また,熱容量が大きく及び

放出できるエネルギー量が大きい。MOVは,多数回の定格電流インパルス又はデバイス定格を少し超え

たインパルス電流を受けると劣化する。この劣化は,UCの低下として現れ,部品の適用において考慮しな

ければならない。 

MOVは,静電容量が大きい。この特性によって,高周波への適用が制限されることもある。 

A.1.3 シリコン半導体(SPD) 

A.1.3.1 一般 

これらの部品は,単一又は複数のPN接合から形成される。 

一般に,これらSPDは,比較的エネルギー耐量が低く,温度依存性がある。それらは,素早い電圧制限

能力を必要とするところに用いられ,1 V以上の電圧制限値が可能である。 

クランピング部品の
電圧 

クランピング 

サージ電流 

インパルス電圧 

発生器 

インピーダンス 

サージ 

 

 

 

時間 → 


21 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

A.1.3.2 順バイアスPN接合 

順バイアスPN接合は,約0.5 Vの順電圧(Vf)をもつ。電圧制限領域のほぼ全般にわたって,ダイオー

ド電流は印加電圧の増加とともに急激に増加する。大電流条件下において,順電圧Vfは10 V以上に増加

する場合もある。 

急激に上昇する電圧印加条件下で,多少の電圧オーバシュートがでる場合がある。このオーバシュート

(順回復電圧Vfm)は,大電流における順電圧よりも高くなる場合がある。順バイアス極性で,ダイオー

ドは比較的高い静電容量をもつ。この静電容量は,発振信号電圧及び直流バイアスレベルに依存する。ダ

イオードを逆バイアスで用いる場合,静電容量は減少する。高い使用電圧のためには,直列接続構成する

が静電容量を著しく低減することにもなる。 

A.1.3.3 アバランシブレークダウンダイオード(ABD) 

ABDは,PN接合を逆バイアス条件で用いたもので,約7 V以上のしきい値電圧又はブレークダウン電

圧をもつ。ABDの電極間電圧は,動作電流領域のほぼ全般にわたって電流による変化がほとんどない。 

ABDの応答時間は非常に短いので,急しゅん(峻)な過渡電圧を制限することに適している。ABDの

静電容量は,ブレークダウン電圧に反比例し,直流バイアス及び発振信号電圧又は直流動作電圧からの印

加電圧にも反比例する。 

一つの接合をもつABDは,片方向特性である。双方向デバイスをつくるためには,一つのABDに,こ

れと逆極性の他のABDを直列接続する。いずれか一方の極性において,デバイスは,順バイアスダイオ

ードを直列にしたアバランシABD動作をする。これらの二つのデバイスは,単体NPN又はPNP構造の1

チップに集積化できる。 

A.1.3.4 ツェナダイオード 

ツェナブレークダウンでの逆バイアスしたPN接合は,約2.5 V〜5 Vのブレークダウン電圧をもつ。ABD

と異なり,ツェナ電圧は電流によってかなり増加し,ブレークダウン電圧の2倍程度となる場合がある。 

A.1.3.5 パンチスルーダイオード 

パンチスルーダイオードは,NPN又はPNP構造である。印加電圧の増加による中央部の空乏層の拡が

りを利用して,二つのPN接合の空間電荷領域間の導通を得る。パンチスルーダイオードは,1 V程度のブ

レークダウン電圧も可能であり,低電圧で小静電容量のため,ツェナダイオードの代替として用いられる。 

A.1.3.6 フォールドバックダイオード 

フォールドバックダイオードは,引戻り又は“フォールドバック(折返し)”電圧制限特性とするために

トランジスタ動作を利用したNPN又はPNP構造である。一旦ブレークダウン電圧に到達すると,電極間

電圧は,電流増加に従って,ブレークダウン電圧の約60 %まで急激に低下する。さらに電流が大きくなる

と,デバイス電圧は上昇する。同じブレークダウン電圧のABDに比較して,フォールドバックダイオー

ドはより低い制限電圧となる。 

“フォールドバック”の量はブレークダウン電圧に依存する。10 Vデバイスにおいては,フォールドバ

ックの量は非常に小さい。 

 

A.2 スイッチング部品 

A.2.1 一般 

負荷と並列接続するスイッチング部品は,電流を分流するように,低インピーダンス経路を形成するこ

とで,設定電圧を超える過電圧を制限する非線形部品である(図A.2参照)。 

 


22 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

 

図A.2−スイッチング部品の動作 

 

A.2.2 ガス入り放電管(GDT) 

GDTは,2極又はそれ以上の金属電極を1 mm以下のギャップで分離しセラミック管又はガラス管で保

持した構造である。大気圧以上及び大気圧以下の圧力の混合した不活性ガスを内部に封入している。ギャ

ップ間にゆっくり上昇する電圧が,電極間隔,ガス圧及び混合ガスによって設定した値に達するときに,

電離過程が始まる。この電離過程は,電極間で急速にアークを形成し,一般的に残留電圧を30 V未満の値

にする。この過程が起きた電圧を,部品の放電開始(ブレークダウン)電圧と定義する。 

印加する電圧(例えば,過渡電圧)が急激に上昇する場合,電離又はアーク形成の時間によって,一時

的な過渡電圧が上記のブレークダウン値を超える場合がある。この電圧をインパルス放電開始電圧と定義

し,一般に印加した電圧(過渡現象)上昇率の正関数になる。 

スイッチング動作及び丈夫な構造によって,GDTは電流通電能力で他の部品よりも優れている。多くの

タイプのGDTは,8/20のサージ波形で10 kA程度の電流を容易に通電できる。 

GDTの構造が,一般に2 pF未満の非常に小さい静電容量にしており,多くの高周波回路への適用を可

能としている。 

GDTが動作する場合,これらは,敏感な電子回路に影響を及ぼす電磁波を発生することがある。したが

って電子回路から離隔して,GDT回路を配置することが望ましい。距離は,電子回路への影響度に依存し,

いかに電子回路を遮蔽しているかによる。影響を回避する別の方法は,GDTを遮蔽したケース内に配置す

ることである。 

A.2.3 エアギャップ 

この部品は,動作の点でGDTに類似している。相違点は,構造及び名称から,電極を分離するガスが

大気であることである。構造の違いは,一般に0.1 mm程度の狭いギャップ及び電極が金属ではなく炭素

であることである。アーク過程に起因するカーボン粉と大気とからなるじんあい及び湿気が,部品の耐用

年数を短くする要因となる。さらに,じんあいの粒子はギャップを橋絡して可変抵抗になり,通信回線へ

雑音を発生する場合がある。 

大気をガス絶縁体として用いるため,この部品の実用上最も低い放電開始電圧は,一般に350 Vであり,

GDTの場合には,約70 Vである。ただし,ギャップ長が短いため,インパルス比率,すなわちインパル

ス放電開始電圧と放電開始電圧との比率は,GDTよりもエアギャップの方が小さい。数百万個の部品が現

在使用中で,依然として多量に製造している。 

スイッチング部品の
電圧 

スイッチング 

サージ電流 

インパルス電圧 

発生器 

インピーダンス 

サージ 

 

時間 → 

 

 


23 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

A.2.4 サージ防護サイリスタ(TSS)−定電圧形(自己点弧) 

定電圧形サージ防護サイリスタ(TSS)は,しきい値電圧(A.1.3.3,A.1.3.4及びA.1.3.6参照)を設定す

る内部のPN接合のブレークダウン電圧を利用する。この電圧は,TSS製造業者が設定する。ブレークダ

ウン電流以上になるときに,PNPN構造が回生動作して低い電圧状態にスイッチングする。ブレークダウ

ン電圧のピーク値は,ブレークオーバ電圧[V(BO)]という。TSSが動作を停止するために,防護するシス

テムの供給電流は,通常数百ミリアンペアのTSS保持電流以下とする。全てのTSSパラメータは温度の影

響を受けやすいため,この技術を用いたSPDを用いる場合は考慮することが望ましい。 

双方向TSSは,対称又は非対称にできる。片方向のTSSは,単一の極性だけで動作する。他方の極性で

は,TSSが電流を阻止するが,ダイオード(PN接合)を並列に集積化した場合,大きな電流を通電する。

これら片方向タイプは,特定の用途において利点がある。 

TSSの複数のPN接合が,全体の静電容量を一般に数十から数百pFに低減する。全てのPN接合デバイ

スの静電容量は,直流バイアス及び発振信号電圧に依存する。ブレークダウン電圧は,電流上昇に依存す

る。商用周波電圧は,遅い上昇率のブレークオーバ電圧を決定するために用い,速い上昇率のインパルス

ブレークオーバ電圧は10 %〜20 %高くなることがある。 

TSSが動作するとき,敏感な電子回路に影響を及ぼす電磁波を発生することがある。この種の防護を適

用する場合には,近接した電子回路への結合を最小限にするよう注意することが望ましい。 

A.2.5 ゲート付サージ防護サイリスタ(TSS) 

電圧制御TSSは,PNPN構造の中央部のP又はN領域へのゲート接続を用いる。外部基準へのゲート接

続は,TSSのしきい値電圧に類似した値に設定する。この形式のTSSは,外部基準電圧値近傍に過電圧を

制限することが要求されるところで用いる。外部基準は,電子機器の電源電圧の場合がある。P形ゲート

TSSは負特性の電圧保護,及びN形ゲートTSSは正特性の電圧保護を行う。片方向及び双方向デバイスが

利用可能である。 

 


24 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

附属書B 

(参考) 

電流制限部品 

 

B.1 

一般 

電流制限部品は,二つのタイプがある。手動復帰を必要とするか又はシステムの動作を取り戻すために

停電する自動復旧しないタイプ(B.2),及び過電流を停止した後直ちに復旧するか又は一定の時限の後で

自動復旧(B.3)するタイプがある。 

 

B.2 

自動復旧しない電流制限器 

B.2.1 一般 

これらの電流制限器は,回路電流の流れを停止する直列の2端子の部品(B.2.2)及び保護する回路から

電流を分流する3端子の部品(B.2.3)である。 

B.2.2 直列電流遮断部品 

B.2.2.1 一般 

これらの部品は,通常回路電流が流れる直列に接続している部品である。過電流状態が起こるときに図

B.1に示すように電流を遮断して,回路をオープンにする。これらの素子は,通常復帰できない。SPD又

は負荷を保護するものは,直列の電流制限器が機能するために低インピーダンスのパスを提供しなければ

ならない。 

 

 

図B.1−電流遮断部品の動作 

 

B.2.2.2 ヒューズ抵抗器 

B.2.2.2.1 一般 

これらの部品は,過電流遮断機能をもった線形の抵抗器である。遮断機能は,抵抗技術に直接含めてい

るか,又は部品を統合した分離形の素子である。部品の加熱及び温度上昇を起こす過電流が回路のオープ

ンを発生する。 

B.2.2.2.2 厚膜抵抗器 

これらの部品は,セラミック基板上に抵抗線路で形成する。正確に抵抗値を調整するために,レーザト

遮断 

負荷に流れる電流 

電流サージ 

サージ電流 

遮断 

 

電流制限 

電源 

インピーダンス 

サージ 

 

 

時間 → 


25 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

リミングを用いている。例えば,基板の片面には平衡が必要となる用途に合うように二つの電力抵抗器を

配置し,他の面には別のシステムに用いる抵抗器を配列する。 

厚膜抵抗器の配置及び熱容量は,抵抗器がインパルスエネルギーの影響を受けにくいように考慮する。

これらの部品は,長時間の交流過電圧状態の下で電流遮断を供するために主として用いており,パルス吸

収抵抗器と呼ぶ場合がある。 

交流過電圧状態の下で発生した熱は,セラミック基板上で大きな熱勾配を引き起こす。勾配が過度な場

合には,基板が割れたり,小片化して,抵抗線路を破壊し電流を遮断する。 

長時間の電流遮断特性を改善するために,合金製温度ヒューズを直列に接続する場合がある。 

B.2.2.2.3 巻き線形ヒューズ抵抗器 

これらの部品は,ヒューズ又は低融点のスプリング又は結合部を組み込んだ巻き線抵抗器であり,多く

は無誘導巻きである。 

B.2.2.3 ヒューズ 

ヒューズは,過電流に対し電気回路を保護するための狭あい(隘)形素子である。電流の流れているヒ

ューズ線が溶けることによって電流を遮断する。 

B.2.2.4 温度ヒューズ 

これらの部品は,感熱形遮断装置(TCO)として知られている。周囲の温度が増加することによって,

電流を遮断し,過負荷に対する保護を行う。温度ヒューズは,復帰可能なものと復帰できないものとがあ

る。 

B.2.3 電流分流デバイス 

B.2.3.1 一般 

この部品の動作は,図B.2に示すように,負荷の間を効果的に短絡する。温度上昇又は負荷電流検出に

よって動作する。 

 

 

図B.2−電流分流部品の動作 

 

B.2.3.2 ヒートコイル 

ヒートコイルは,保護する回路に直列に配置する温度感応機構素子である。図B.3に示すように,この

用途においてヒートコイルは,電流を接地に分流することで,被保護装置に電流が流れ込むことを防ぐ。

通常,はんだによって,動作しない位置に保持した接地点をもつ構造となっている。一般に,コイル状の

分流 

サージ電流 

分流 

負荷に流れる電流 

電流サージ 

 

電流制限 

電源 

インピーダンス 

サージ 

時間 → 

 

 


26 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

抵抗線及びスプリングが熱源となり,はんだが溶けた場合に接地する。 

熱源であるコイル状の抵抗線には,電流が流れ込まないことが望ましい。通信用ヒートコイルの抵抗値

は,一般に4.0 Ωであり,0.4 Ω〜21 Ωの間の範囲内にある。ヒートコイルは,接触部が短絡(又は開放)

になるときに,電流がコイルをう(迂)回して直接,接地に流れるよう接続する。 

ヒートコイルは,通常,一度だけ動作する部品である。これは,ヒートコイルを内蔵するSPDに交換す

ること以外に,回線及びSPD自体の動作状態に復旧しない。ヒートコイルは,SPDを交換せずに手動で復

旧できるようにしたものである。ヒートコイルは,一般に,周波数50 Hz又は60 Hzの電力線から誘導を

受ける電流用に限って用いる。 

また,過電流によって開放回路とする電流遮断ヒートコイルを作ることもできる。 

 

 

図B.3−3端子分流電流制限の熱的動作(ヒートコイル) 

 

B.2.3.3 温度スイッチ 

温度スイッチは,電圧制限部品(通常GDT)上に取り付ける感温動作機構部品である。それらは一般に

は,初期の状態に復帰できない部品である。絶縁樹脂の溶融,はんだペレットの溶融及び断路部品の三つ

の動作技術がある。 

電圧制限部品が連続通電にさらされた熱的過負荷状態での温度上昇によって溶融が起こる。これらのス

イッチが動作するときに,電圧制限部品は一般に接地に対して短絡となり,それまで電圧制限部品に流れ

ていたサージ電流は接地に流れる。 

− 樹脂溶融を用いたスイッチは,ばねと絶縁樹脂とからなり,この樹脂がばねによる電圧制限部品の金

属導電部間の接触を防いでいる。樹脂が溶融するとばねが導電部間と接触し,電圧制限部品を短絡す

る。 

− はんだペレット溶融を用いたスイッチは,はんだペレットを使ったばね機構によって回線と接地との

接触を防いでいる。熱的な過負荷が起こると,はんだペレットが溶融し,電圧制限部品を短絡する。 

− 断路スイッチは,はんだ接合によって開放状態に組み立てられたばねを用いることが代表的であり,

動作温度に達すると電圧制限部品を短絡する。はんだが溶融するとスイッチを開放し,電圧制限部品

を短絡する。 

 

B.3 

自動復旧電流制限器 

B.3.1 一般 

これらの電流制限器は,2端子の直列部品で回路電流を遮断するタイプ(B.3.2)と3端子で保護する回

路の電流を分流するもの(B.3.3)とがある。 

過電流源 

電流バイパス(分流)部 

 

 

時間 

配線及び 

装置 

DUT 

+i 

-i 

t° 


27 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

B.3.2 電流低減部品 

B.3.2.1 一般 

電流低減部品の動作は,通常電流を通す直列の部品である。過電流状態では,素子の抵抗が増加し,電

流を低減する。 

注記 電流低減部品(熱的動作タイプ)の挙動を図B.4に示す。 

 

 

図B.4−電流低減部品(熱的動作タイプ)の挙動 

 

B.3.2.2 熱的動作型直列電流減衰制限器 

B.3.2.2.1 一般 

電流減衰器として,図B.5に示すような正温度特性係数サーミスタ(PTCs)を用いる。PTCは,本体温

度が規定の動作温度(通常130 ℃)以上に高くなると,その抵抗値が指数関数的に増加する部品である。

本体温度が基準温度(通常25 ℃)に冷えるとPTCの抵抗値はほぼ動作前の値に復帰する。PTCは通常,

PTCに流れる回路電流が加熱及び温度上昇をもたらすような直接(内部的)加熱方式によって用いる。イ

ンパルス電流による発熱は通常小さいため,PTCは動作しない。電流値が大きいほど,動作時間(PTC応

答時間)は短い。動作したときには,高いPTCの抵抗値が,回路の電流を低い値まで低減させる。電源が

十分な電圧をもっている場合には,PTCは高電圧で,低電流の動作状態を維持する。過電圧が停止すると,

PTCは冷却し低抵抗値に復帰する。PTCは,最大(不動作)突入電流及び損傷しない(動作)電圧で定格

付けする。 

 

 

図B.5−熱的動作型2端子直列電流制限器部品(PTC) 

 

過電流源 

DUT

tº 

i

時間

+i

-i

0

配線及び 

装置 

 

 

低減 

負荷に流れる電流 

電流サージ 

サージ電流 

 

電流低減 

電源 

インピーダンス 

サージ 

低減 

時間 → 

 

 


28 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

B.3.2.2.2 ポリマPTC 

ポリマPTCは,一般にポリマに導電性材料(通常カーボン)を混ぜて製造する。抵抗値として0.01 Ω〜

10 Ω程度のものが一般的である。動作していないときの抵抗値は温度に対してほぼ一定である。 

動作し,冷却した後の抵抗値は,元の値よりも10 %〜20 %高くなる場合がある。動作した後のPTCの

抵抗変動は,システムのライン平衡度を変えることになる。この変動を平衡度要求に対して評価すること

が望ましい。 

ポリマPTCは,セラミックPTCに比べ熱容量が小さく,動作時間が短い。 

B.3.2.2.3 セラミックPTC 

セラミックPTCは,強誘電体の半導体材料で製造し,抵抗値が10 Ω〜50 Ω程度のものが一般的である。

動作しない温度範囲のほぼ全域にわたり,抵抗値が温度上昇に伴い僅かに減少する。 

動作後に冷却するときに抵抗値は元に近い値に復帰するため,セラミックPTCは,平衡ラインへの使用

に適している。 

インパルス印加条件では,セラミックPTCの実質的な抵抗値は,電圧レベルに応じて減少し,電流が流

れていないときの70 %にまで減少する場合もある。 

B.3.2.3 電子式電流制限器(ECL) 

電子式電流制限器の直列に接続する電子部品は,しきい値電流以下の電流レベルに対しては低抵抗であ

り,しきい値超えたときに高抵抗状態に移行する。図B.6に示すように,動作時のレットスルー電流のピ

ーク値が電流しきい値である。電流は,回路中で電流しきい値レベルに到達する。交流条件においてゼロ

クロス近傍で電流は電流のパルスから成る。ECLは,温度に敏感というよりもむしろ電流に敏感であり,

低インピーダンス負荷に対する商用周波数電流だけでなく雷サージ電流も制限する。PTC(サーミスタ)

と異なりECLは高インピーダンス条件の非常に小さな電力でもホールドすることが必要である。最大電圧

比を超えない条件で,電子式における部品特性は多重サージによる影響を受けない。高速な応答時間は,

インパルス及び交流のサージ条件で,多段防護SPD及びITEのSPDと自動的に協調が達成する。 

 

 

図B.6−2端子直列電子式電流制限部品 

 

B.3.3 短絡電流分流部品 

B.3.3.1 一般 

短絡電流分流部品の他自動復旧部品の動作は,効果的に回路全体で短絡を判別する。回路電流があらか

じめ決めたしきい値を超えるとき動作が起こる。 

B.3.3.2 電子式電流トリガー制限部品 

電子式電流トリガー制限部品は,交流条件下で十分な速度をもつ。雷のようなサージに高速な応答する

DUT 

i

+i

-i

0

時間 

 

配線及び 

装置 

 

過電流源 


29 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

ためには,PゲートとNゲートとを並列接続したサイリスタが必要である。ゲート端子と隣接する保護端

子は,回路電流がゲート端子を通過するように回路に直列に接続する。図B.7に示すように,回路電流が

ゲート電流トリガ値を超えると,スイッチングによる分流が起こる。しきい値の電流値まで被保護物へ流

れる電流を超える。トリガ電流値におけるゲート端子と隣接保護端子との間の電位差は約0.6 Vである。 

実際は,ゲート電流トリガ値が通常の回路電流よりも低い場合がある。弧を避けるために,ゲート端子

及び適切な主端子間に接続した低い抵抗器(通常1 Ω〜10 Ω)を介して一部の電流をバイパスすることに

よって,スイッチングのための回路電流値を増加できる。 

 

 

図B.7−電子式(ゲート式双方向サイリスタ)3端子短絡電流制限部品 

DUT

i

+i

-i

0

時間 

配線及び 

装置 

過電流源 

 

電流バイパス(分流)部 

 


30 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

附属書C 
(参考) 

リスクマネジメント 

 

C.1 雷放電によるリスク 

C.1.1 リスク算定 

雷によって起こり得る損失のリスク算定は,検討する場所に関連した次の諸量を算定することである。 

− 落雷密度 

− 大地抵抗率 

− 設置状況(埋設,架空,遮蔽又は非遮蔽ケーブル) 

− 被保護機器の耐力 

この算定を終了することで,防護手段,例えばSPDの要否を決定する。 

通信サービスの損失は,次の一つ又はそれ以上によって生じる。 

− 通信線又は信号線の損傷 

− 通信又は信号ネットワーク機器の損傷 

− 建築物等内の機器(ネットワークオペレータ及び機器を所有している顧客の両方を含む。)の損傷 

対策が必要な場合,防護手段の選択は,得られた情報だけでなく初期及び保守コストに基づくことが望

ましい。さらなる情報及び計算手法は,IEC 62305-2を参照する。 

C.1.2 リスク分析 

C.1.2.1 一般 

リスク分析の目的は,雷によるサービスの予想損失リスク(R'2)を損傷の許容リスク(RT)(ITU-T 

Recommendation K.72 [28]参照)以下の値に低減することである。 

なお,R'2>RTの場合,Rpを低減するために防護手段が必要となる。 

損失のリスクは,通信及び信号線並びに接続した装置の,例えば,絶縁破壊が原因で起こる。 

記号の説明は,次による。 

− R'V:雷電流の機械的及び熱的影響によって通信線又は信号線の物理的損傷を引き起こす,通信又は信

号ネットワークへの直撃雷に関連するリスクコンポーネント。 

− R'Z:通信線又は信号線に誘導する過電圧によって配線の絶縁不良を引き起こす,建築物等への引込み

線(通信線又は信号線)又は建築物等の近傍雷に関するリスクコンポーネント。 

− R'B:過電圧又は配線に流れる雷電流の熱的影響によって生じる配線の絶縁不良を引き起こす,通信線

又は信号線を接続している建築物等への直撃雷に関するリスクコンポーネント。 

通信線又は信号線における予想するサービスの損失リスクR'2は,次の式による。 

R'2=R'V+R'B+R'Z 

保護の必要性の評価は,リスクR'2と,推定する顧客に対する予想年間損傷頻度及び予想サービス停止

時間の和に対する許容リスクRTとの比較によって行われる。 

リスク評価は,例えば絶縁物のせん(穿)孔又は導体の融解,及び/又はケーブルに接続した装置が許

容限界以下のサービスの中断又は劣化を引き起こす損失など,ケーブルの損失リスクを対象にする。 

C.1.2.2 リスク基準 

ケーブル及び接続した機器の最小耐力特性は,リスク基準を仮定しなければならない。 


31 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

二つの金属導体間の最小ケーブル耐力は,次のことを仮定する。 

− 1.5 kVの紙絶縁ケーブル 

− 5 kVの端子台を含んだプラスチック絶縁ケーブル 

− 通信又は信号線に沿って設置した機器若しくは端部に接続した機器は,次の最小インパルス過電圧(対

地間モード)に耐えることが望ましい。 

− 1 kV 10/700:ITU-T Recommendation K.20 [16]において通信センタ端部における機器に要求している。 

− 1.5 kV 10/700:ITU-T Recommendation K.21 [17]及びK.45 [18]において加入者ビル端部又は線路に沿

った機器に要求している。 

− その他の場合(信号回線)において,適用できるEMC規格(JIS C 61000-4-5)を使わなければならな

い。 

注記 SPDのEMCに関する参考事項を,附属書Gに示す。 

C.1.2.3 評価手順 

防護の必要性を評価するための手順を,図C.1に示す。 

 

 

図C.1−リスク評価手順 

 

C.1.3 リスク対策 

通信又は信号回線用に次の防護手段又はその組合せを検討する。 

− サージ防護デバイス(SPD)の使用。 

− 架空ケーブルの代わりに地中埋設ケーブルの敷設。すなわち,回線部分の敷設係数を改善する。 

保護対象配線及び 

許容リスクRTを決定する。 

Rec.K.47によってリスクコンポーネ

ントR'V及びR'Bを計算する。 

Rd=R'V+R'B≧RT? 

Rec.K.46によってリスクコンポー

ネントR'Zを計算する。 

はい 

いいえ 

通信/信号線及び/又は通信/信号

線の接続のある建築物等へ直撃雷

対策を実施する。 

R'Z>RT−Rd? 

配線は保護されている。 

いいえ 

はい 

R'Zを低減するためにSPD 

を設置できるか? 

適切なSPDを設置する。 

新たにリスクコンポーネ

ントR'Zを計算する。 

はい 

いいえ 


32 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

− 遮蔽,すなわち,回線の遮蔽係数を改善する。遮蔽していないケーブルの代わりに遮蔽したものを選

定し,遮蔽係数が減少しているケーブルを取り替える。 

− ケーブル耐力の増加,例えば,SPDの使用と組み合わせて,紙絶縁被覆導体の代わりにプラスチック

絶縁被覆導体を選択する。 

− 経路の冗長性 

前述した防護手段の使用が次のものに対する損害のリスクを低減する。 

− ケーブルの絶縁 

− 通信又は信号回線に接続している機器 

ケーブルの種類及び異なった回線部分での敷設条件が変更できない場合,SPDの使用が機器を防護する

唯一可能な方法である。 

 

C.2 電力線地絡によるリスク 

C.2.1 一般 

電力系統(電力供給及び鉄道輸送システム)の事故状況による通信及び信号回線の過電圧のリスクは次

に依存する。 

− 通信又は信号回線から電力線までの距離 

− 大地抵抗率 

− 電圧レベル及び電力系統の種類 

電力系統の地絡は,配電線に不平衡大電流を流す原因となり,平行な経路に沿って隣接する通信又は信

号回線に過電圧を誘起する。配電線に用いる事故復旧システムによっては過電圧が数kVまで上昇し,継

続時間は200 ms〜1 000 ms(場合によっては更に長時間)になることもある。地絡による過電圧の計算方

法をJIS C 5381-12の附属書E(高圧配電系統と接地との間の事故による低圧TOV)に示す。 

C.2.2 交流電力システム 

表C.1の両方の条件を満たす場合,交流架空線電力システムの事故状況に対する正確な計算は必要ない。 

 

表C.1−交流架空線電力システム 

環境 

大地抵抗率 

Ωm 

距離 

郊外 

≦3 000 

>3 000 

郊外 

>3 000 

>10 000 

都市 

≦3 000 

>300 

都市 

>3 000 

>1 000 

 

表C.2の両方の条件を満たす場合,交流地中埋設電力ケーブルの事故状況に対する正確な計算は必要な

い。 

 

表C.2−交流地中埋設電力ケーブル 

環境 

大地抵抗率 

Ωm 

距離 

郊外 

≦3 000 

>10 

郊外 

>3 000 

>100 

都市 

適用しない 

>1 


33 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

C.2.3 直流電力システム 

表C.3の両方の条件を満たす場合,直流架空線電力システムの事故状況に対する正確な計算は必要ない。 

 

表C.3−直流架空線電力システム 

環境 

大地抵抗率 

Ωm 

距離 

郊外 

≦3 000 

>400 

郊外 

>3 000 

>700 

都市 

≦3 000 

>40 

都市 

>3 000 

>70 

 

表C.4の両方の条件を満たす場合,直流地中電力ケーブルの事故状況に対する正確な計算は必要ない。 

 

表C.4−直流地中埋設電力ケーブル 

環境 

大地抵抗率 

Ωm 

距離 

郊外 

≦3 000 

>10 

郊外 

>3 000 

>100 

都市 

適用しない 

>1 

 


34 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

附属書D 
(参考) 

ITシステムに関連する伝送特性 

 

D.1 一般 

この附属書は,SPDを選定するときに,考慮すべき情報技術システムの伝送特性に関するデータを提供

する。SPDは,適用に応じて関連するJIS C 5381-21の試験を実施することができる。SPDの設置は,通

信事業者,ネットワーク管理者及びシステム製造業者が与える制限規定及び/又は要求性能を追加する場

合がある(箇条6参照)。 

注記 イーサネットシステムの防護に関する参考事項を,附属書Fに示す。 

 

D.2 通信システム 

アクセス系ネットワークにおける通信システムの伝送特性を,表D.1に示す。 

 

表D.1−アクセス系ネットワークにおける通信システムの伝送特性 

システム ビットレ

ート

MBit/s 

最大 

帯域 

kHz 

最大 

チャンネル 

規格類 

特性 

インピー
ダンスΩ 

最大許容 

減衰量 

dB@kHz 

注記 

POTS 

− 

3.4(16) 

− 

 

ZL(複合)  多種 

アナログ 

PCMx 

0.784 

〜600 

最大 

12×64 kbit/s 

ITU-T Recommendation G.961 [31] 

ETSI TS 101 135 [41] 
ETSI TS 102 080 [47] 

135 

最大 

31@150 

 

ISDN 

PMXA 

2. 

〜5 000 30×64 kbit/s 

1×64 kbit/s 

ITU-T Recommendation G.962 

ANSI T1.601-1999 (R2004) 

130 

40@1 000 アメリカを除く

各国で利用 

ISDN 

PMXA 

1.5 

〜5 000 23×64 kbit/s 

1×64 kbit/s 

ITU-T Recommendation G.963 

ANSI T1.601-1999 (R2004) 

130 

40@1 000 アメリカで利用 

ISDN-BA 

0.160 

〜120 2×64 kbit/s+ 

1×16 kbit/s 

ITU-T Recommendation G.961 [31] 

ETSI TS 102 080の附属書B[47] 

150 

32@40 

ヨーロッパ系

ISDNと物理的な

レイヤに関する

差異はない。 

SDSL 

2.3 

〜800 

各種あり 

ETSI TS 101 524 [44] 

135 

各種あり 

 

HDSL 

2.3 

〜1 000 

12〜32× 

64 kbit/s 

ETSI TS 101 135 [41] 

135 

31.27 

又は 

22@150 

 

ADSL 

〜1 104 

各種あり 

ITU-T Recommendation G.992.1の 

附属書B [32] 

100 

各種あり ADSL-over-POTS 

ADSL2 

16 

〜1 104 

各種あり 

ITU-T Recommendation  

G.992.3 [33] 

100 

各種あり ADSL-over-POTS 

ADSL2+ 

25 

〜2 208 

各種あり 

ITU-T Recommendation  

G.992.5 [35] 

100 

各種あり ADSL-over-POTS

又はISDN 

VDSL 

30 

〜12 000 

各種あり 

ITU-T Recommendation  

G.993.1 [36] 

135 

各種あり 

 

VDSL2 

100 

〜30 000 

各種あり 

ITU-T Recommendation  

G.993.2 [37] 

135 

各種あり 

 

g.fast 

1 000 

106 MHz 

各種あり 

ITU-T Recommendation  

G.9701 

100 

各種あり 

 


35 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

D.3 信号系測定及び管理システム 

加入者側にある情報技術システムの伝送特性を,表D.2に示す。 

 

表D.2−加入者側にある情報技術システムの伝送特性 

システム 

ビット
レート 

Mbit/s 

クラス 

近端漏話 
減衰量 a) 

dB 

規格類 

特性 

インピー
ダンスΩ 

最大許容 

減衰量a) 

dB 

注記 

イーサネット 

(100 Base T) 

100 

D (5) 

27.1@100 MHz ISO/IEC 8802-5 [11] 

100 

24@100 MHz 

最長 

100 m 

ギガビット 

イーサネット 

(1 000 Base T) 

1 000 

D (5e) 

又は 
E (6) 

30.1@100 MHz 

EN 50173-1 [49] 

100 

24@100 MHz 

最長 

100 m 

高速イーサネット

(10G Base T) 

10 000 EA (6A) 27.9@500 MHz ISO/IEC 11801 Ed.2 

[12] 

100 

49.3@500 MHz 

最長 

100 m 

シールド 

ATM 

155 

D (5) 

27.1@100 MHz 

EN 50173-1 [49] 

100 

24@100 MHz 

最長100 m 

トークンリング 

16 

C (3) 

19.3@16 MHz ISO/IEC 8802-5 [11] 

EN 50173-1 [49] 

150 

14.9@16 MHz 

最長

100/150 m 

注a) チャンネル性能 

 

さらに遠方での伝送特性は,EN 50173に,リターンロス,PSNEXT, PSACR, ELFEXT及び PSELFEXT7.2.2,

及び測定及び管理の記載がある。 

 

D.4 ケーブルテレビシステム 

ケーブルテレビシステムの伝送特性を,表D.3に示す。 

 

表D.3−ケーブルテレビシステムの伝送特性 

システム 

帯域 
MHz 

リターンロス 

dB 

f >50 MHz 

システム出力側の周

波数50 MHzにおける 

最小リターンロス 

dB 

 

(顧客側) 

規格類 

特性イ
ンピー
ダンス

Ω 

周波数450 MHz
における最大許

容減衰量 
dB/100 m 

(ケーブルタイ
プに依存する) 

注記 

ブロードバ
ンドテレビ
分配ネット

ワーク 

47〜450 

24 dB以上 

1 dB/オクターブ 

26 dBまで 

1 dB/オクターブ

(ケーブル種類

に依存) 

20 dB以下 1.5 

dBまで/オクターブ 

国内規格

(ドイツ) 

75 

2.9 dB 
4.1 dB 
6.2 dB 

12.2 dB 

搬送信号レ
ベルはシス
テム出力点

で最小47 dB 

最大77 dB 

ブロードバ
ンドテレビ
分配ネット

ワーク 

47〜862 

24 dB以上 

1 dB/オクターブ 

26 dBまで 

1 dB/オクターブ

(ケーブル種類

に依存) 

未定 

EN 50083-1 

[48] 

75 

2.9 dB 
4.1 dB 
6.2 dB 

12.2 dB 

 


36 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

附属書E 

(参考) 

SPDとITEとの協調 

 

E.1 

一般 

箇条9で述べた要因は,“ブラックボックス”SPDの協調の一般的なアプローチを提供することが不可

能であることを意味する。顧客又は使用者にとって最も安全な方法は,SPD製造業者の推奨する適切なSPD

をもつことである。SPD回路を知っている製造業者は,協調の達成を計算,又は試験によって確認するこ

とができる。顧客又は使用者がSPD回路を知っている場合も協調の達成を計算することができる。一般的

な分析に関わる非常に多くの構成が存在するため,このような計算は,ここでは対象としない。 

“ブラックボックス”のSPD協調の以下の分析は,線形の仮定に基づいている。SPDの電気的パラメー

タは,製造業者又は試験のいずれかによって入手可能である。SPDの種類によっては,対地間モード及び

差動モードの過電圧状態の両方の試験が必要になる。それらには三つのステップがある。 

・ SPD2の入力端子の抵抗性電圧及び電流波形を決定。 

・ SPD1の出力防護電圧及び電流波形を決定。 

・ SPD1及びSPD2の値を比較。 

電圧防護レベルUPの試験手順は,JIS C 5381-21の5.2.1.3(インパルス制限電圧)に記載されている。 

レットスルー電流IPの試験手順は,JIS C 5381-21の附属書E[レットスルー電流(IP)の決定]に記載

されている。 

 

E.2 UIN及びIINの決定 

SPD1とSPD2との間の協調は,JIS C 5381-21を用いることによって達成することができる。ITEのUIN

及びIINがITEの製造業者又は関連する機器の製品規格から利用可能である場合は,SPD2とITEとの間の

協調が可能である。これは,ITEが定格条件でSPD2によってもたらされる電圧防護レベルUP2及びIP2に

耐えることである。ITEのインピーダンスは,保護条件で大幅に異なるので,SPD2の出力端子である負荷

の両端子は開回路及び短絡条件で考慮されなければならない。 

SPD2の電圧及び電流の抵抗性波形は,その定格インパルスの値で試験したとき,SPD2の入力端子によ

って明らかになる。それらは各定格条件の2セットの波形がある。一つは開放回路出力,他は短絡回路出

力である。協調検証プロセスを,図E.1に示す。 

 

E.3 

SPD1の出力防護電圧及び電流波形の決定 

SPD1の目的は,システムの抵抗力を高めること及びSPD2と同じ試験で,より高い電圧レベルで評価す

ることである。電圧及び電流の防護波形は,SPD1を定格インパルスの値で試験したとき,SPD1の出力端

子によって明らかになる。それらは各定格条件で2セットの波形がある。一つは開放回路出力,他は短絡

回路出力である。これは,定格条件での防護レベルが最大であることを確認するために,より低い電圧試

験レベルでSPD1を確認することを推奨する。 


37 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

図E.1−協調の検証プロセス 

 

二つの直列のSPDが過電圧状態の間に協調されていることを確認するために,SPD1からの出力防護レ

ベルは,周知のとおり,定格の状態で,SPD2の入力抵抗性レベルを超えてはならない(図E.1参照)。 

 

E.4 

SPD1の値とSPD2の値との比較 

次の全ての条件と一致する場合,協調は達成する。 

− UP<UIN 

− IP<IIN 

UIN及びIINの決定 

SPD 1のUP及びIPのJIS C 5381-21に
よる決定 

協調の達成 

 

UP<UIN及び/又はIP<IINを

もつSPDの選定又は減結合

装置の追加によるIP及び/又
はUPのIIN未満の値への低減 

はい 

はい 

はい 

はい 

いいえ 

いいえ 

いいえ 

 

製造業者から協調可能な条件が 

提供されているか 

 

UIN及びIINが製造業者に 

よって提供されるか 

UP<UIN 

及び/又は 

IP<IIN ? 


38 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

• UPの波形は,UINの波形によって囲まれる。 

• IPの波形は,IINの波形によって囲まれる。 

防護波形が,対応する抵抗性波形によって囲まれている場合は,時間協調が達成される。このピークレ

ベル及び時間で,協調が達成される。ただし,一部の部品は,変化率に敏感であり(例えば,TSSは,di/dt

の定格をもつ),結果として協調が失敗することがある。このレベルの詳細は,このアプローチの範囲を超

えている。 

 

E.5 

試験による協調検証の必要性 

次の条件のいずれかが,SPD1とSPD2との組合せを試験によって検証することが必要となる。 

− UP>UIN 

− IP>IIN 

• UP波形がUIN波形よりも長い。 

• IP波形がIIN波形よりも長い。 

協調の条件が,製造業者によって与えられている場合,試験による検証は必要ない(図E.1を参照)。 


39 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

附属書F 

(参考) 

イーサネットシステムの防護 

 

F.1 

パワーオーバイーサネット(PoE) 

パワーオーバイーサネットの標準IEEE 802.3af:2003では,電源機器(PSE)から受電デバイス(PD)

に13 W程度を供給できる。IEEE 802.3afは,IEEE 802.3:2008が制定されたため,廃止された。 

高電力PoEの標準IEEE 802.3at:2009(PoE Plus, PoE +)では,PDへの最大供給電力を25.5 Wに増加し

ている。混乱を避けるために,IEEE 802.3atでは,13 Wまでをタイプ1 PoE及び25.5 Wまでをタイプ2 PoE

としている。 

電源供給は,イーサネットケーブル内の4本対より線の内2本を介して行われる。 

二つの電力供給のオプションモードA及びモードBを図F.1に示す。図F.1に示している電圧,電流及

び電力条件は,タイプ2 PoEのものである。タイプ1 PoE及びタイプ2 PoEの電圧,電流,抵抗及び電力

レベルを表F.1に示す。 

 

図F.1−PoEの電力供給モード 

 

表F.1−タイプ1(PoE)及びタイプ2(PoE+)の電源値比較 

パラメータ 

単位 

タイプ1 

タイプ2 

PDで利用可能な電力 

13 

25.5 

PSEによって供給される最大電力 

15.4 

30 

PSEの出力電圧範囲 

44〜57 

50〜57 

PDの入力電圧範囲 

37〜57 

42.5〜57 

ペアごとのケーブルループの最大DC電流 

0.35 

0.6 

ケーブルループの最大ペア抵抗 

Ω 

20 

12.5 

ケーブルループの最大電力損失 

2.45 

4.5 

 

注記 PDで短絡の場合,PSEは,負荷電流を切る。 

50 V〜57 V 

<30 W 

TX 

42.5 V〜57 V 

<25.5 W 

2×3.75 V 

@0.6 A 

4.5 W 

TX 

RX 

RX 

信号ペア 

信号ペア 

PSE 

PDE 

RJ45 

RJ45 

ケーブル 

a) モードA 

50 V〜57 V 

<30 W 

42.5 V〜 

57 V 

4

5

7

8

2×3.75 V 

@0.6 A 

4.5 W 

スペアペア 

スペアペア 

PSE 

PDE 

RJ45 

RJ45 

ケーブル 

b) モードB 

(信号ペア 

1 000 Base-T) 

 

(信号ペア 

1 000 Base-T) 


40 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

F.2 

ITEの耐量とSPDの保護レベルとの協調 

ITEの防護には,ITEの耐量とSPDの防護レベルとの協調が必要である。これは,防護レベルが両方の

モード(対地間モード及び差動モード)において,ITEの耐量よりも低くなければならないことを意味す

る。また,SPDの電圧防護レベルを増加する,リード線による電圧降下(7.3.2.1参照)が存在することを

考慮することが望ましい。 

ITU-T Recommendation K.21 [17]に記載されているイーサネットポートは,通常,1 kVの対地間モード

インパルス(例えば,X1-C)に耐えるように設計されている。この場合,SPDのUPは,1 kVよりも低く

なければならない。 

イーサネットポートは1 kVよりも低い耐圧の場合がある。この場合,SPDのUPは,ITEの低い耐電圧

と協調しなければならない。 

差動モードの耐量は,ほとんどの場合,未知であるため,電圧防護レベルは,信号の最大電圧にできる

だけ近づけることが望ましい。 

 

F.3 

スイッチングデバイスによる対地間モードから差動モードへの転換 

F.3.1 

一般 

本質的に対より線に侵入するサージは,対地間モードである。対より線に侵入する線間のサージは,一

般的に結合部又は単線の絶縁破壊によって発生されるもの,又はより一般的には,ペア線のスイッチング

SPDの非同期動作によって発生する。 

二つの状況(各線の2極GDT及びシングルチャンバの3極GDT)を図F.2に示す。対より線(線1及

び線2)に侵入した対地間モードサージが非同期のSPD動作によって差動モードサージに変換される。2

極GDTの方が3極GDTよりも大きく及び長く発生する(横電圧)。 

 

 

図F.2−SPDの非同期動作による対地間モードから差動モードサージへの転換 

差動モード
サージ 

GDT1 

GDT2 

対地間モードサージ 

線1 

線2 

入力 

出力 

差動モード 
サージ 

GDTR 

GDTT 

対地間モードサージ 

線1 

線2 

入力 

出力 


41 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

対より線(線1及び線2)に侵入した対地間サージ波形が非同期SPD動作によって差動モードサージ(実

線)に転換されることを,図F.3に示す。 

 

 

図F.3−対地間サージ電圧によるSPDの非同期動作によって発生する差動モード電圧 

 

F.3.2 

配線防護による差動モード電圧の低減 

追加防護として線間(線1と線2との間)にSPD(例えば,ブレークダウンダイオード)を使う場合,

差動モードサージを低減することができる。図F.4に回路を示す。線間ピーク電圧は,ダイオードのクラ

ンプ電圧に制限される(図F.5参照)。 

 

 

図F.4−差動モードサージを制限するために配線間保護したSPD回路 

 

 

図F.5−配線保護によって制限した差動モードサージ電圧 

入力 

出力 

GDTR 

GDTT 

対地間モードサージ 

線1 

線2 

差動モード 
サージ 


42 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

F.3.3 

単一のスイッチング素子による差動モード電圧の低減 

単一のスイッチング素子と,ステアリングダイオードのブリッジとを用いて,差動モードサージは,負

極サージ用のダイオードのD3及びD5及び正極サージ用のダイオードD4及びD6の順方向電圧の差に小

さくすることができる(図F.6及び図F.7参照)。ブリッジダイオード技術は,各追加の対より線のため(D3

〜D6に対応する)四つのダイオードを追加することによって,複数の対より線を防護するために拡張する

ことができる。複数の対より線のためのダイオードブリッジ技術は,ケーブル対の間の差動モードサージ

電圧を低レベルにできる。 

 

 

図F.6−ステアリングダイオード及び単一スイッチング素子を用いたSPD 

 

 

図F.7−ステアリングダイオード及び単一のスイッチング素子による差動モードサージ電圧の低減 

 

GDT 

対地間モードサージ 

D2 

入力 

出力 

差動モード 
サージ 

・ 

D1 D3 

D4 

D5 

D6 


43 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

附属書G 
(参考) 

SPDのEMCへの影響 

 

G.1 

一般 

電磁両立性(EMC)は,その環境で耐えられない電磁波障害を引き起こすことなく,その電磁環境にお

いて機器又はシステムが満足に機能する能力を意味する。SPDの追加によって,このEMCを低減しては

ならない,かつ,システムの製品規格に記載しているシステムの意図した機能を低下することがあっては

ならない。 

 

G.2 

電磁イミュニティ 

高周波システムでは,SPDはシステムイミュニティ試験の必要性を生じるラインバランス,配線構成及

び/又はシールド効果を修正する場合がある。JIS C 5381-21に適合のSPDは,ラインアンバランスを引

き起こすことはほとんどない。 

 

G.3 

電磁エミッション 

不動作状態のSPDは,電磁妨害を生じないためSPDエミッション試験は必要ない。高周波システムで

は,SPDはシステムのエミッション試験の必要性を生じるラインバランス,配線構成及び/又はシールド

の有効性を修正する場合がある。 

電流サージに起因する動作状態でのSPDとの組合せ及びシステム配線は,過渡的な電磁界を放出する場

合がある。それはシステムの動作に不利な影響を与える。 

 


44 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

附属書H 
(参考) 

内部ポートの定義 

(出典:ITU-T Recommendation K.44) 

 

次の全てに該当する場合,機器のポートは,内部ポートとして分類することができる。 

− ビル内部ケーブルにだけ接続する。 

− 関連機器の内部ポートに接続するケーブル 

− 機器及び関連機器が,同じ基準接地をもつか又は機器が非接地の場合 

− ポートが,関連機器の外部ポートに接続されていない。 

− ポートは,顧客が別の建築物等に延長することができるサービス(例えば,POTS,イーサネット又は

ビデオポート)を提供しない。 

− ポートは(スプリッターなどを介して)他の機器を経由して,建築物等を出るケーブルの導電接続を

もたない。イントラシステムポート又は内部ポートの要件を満たしていない全てのポートが外部ポー

トである。 

 


45 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

附属書I 

(参考) 

通信及び信号用SPDのメンテナンス 

 

I.1 

一般要求事項 

通信及び信号回線及び/又は通信用建築物等(例えば,交換機の建築物及びリモートサイト)の防護対

策は,建設前又はプラントの変更が発生した場合の防護の必要性評価の結果であり,それらは防護システ

ムの不可欠な部分である。 

全ての防護対策は,細心の注意を払う義務に対応することを証明するために文書化する。防護対策は確

認可能な必要があり,それらの要求した機能を実行できる。全ての測定結果は,検査手順とともに防護対

策が存在する限り保持され,文書化する。これらは,前の検査結果と比較する(注記参照)。これは,以

前の結果と根本的に異なるかどうかを明らかにし,偏差の理由を究明及び解決することが必要となる。 

その後の防護対策又は既存の検査方法は,次の場合に必要になる可能性がある。 

− 電源による外観損傷の繰返し 

− 露出された構造体の追加組立て 

− 発電所又は交通輸送システムの追加組立て又は変更 

− 既存の発電所又は交通輸送システムにおける動作電流の変化 

− 顧客又は当局の要求に応じて 

ケーブル遮蔽を相互接続及びシステムの等電位化を含む遮蔽の接地のメンテナンスは,ケーブル接続に

依存する。 

注記 測定結果は,環境条件によって影響を受ける場合がある。 

 

I.2 

メンテナンスの責任 

通信及び信号ネットワークの事業者は,ネットワーク内のプラントの保護に責任がある。 

建築物等の所有者は,防護対策の接地を可能とするために,等電位ボンディング導体又は主等電位ボン

ディング導体(図4参照)へ接続するボンディング端子を設け,建築物等内の設備の全体的な安全性に責

任を果たす必要がある。 

顧客は,所有物である構内の回線の防護を担う。 

全ての当事者は,その施設内での防護対策の有効性及び文書の作成を担う。 

 

I.3 

SPDのメンテナンス 

I.3.1 

一般 

防護対策の選択,雷に対して建築物等を防護するためのLPSの決定は,IEC 62305-2に従って実施する。 

建築物等の防護対策は,建築物及びその内部の設備を含む。LPSは,例えば,JIS Z 9290-3に基づいた

設計に適合したものである。 

I.3.2 

目視検査 

目視検査は,接地システムの検査を含む。 

さらに,次の検査を,ネットワークの目視可能な部分で実施する。 

− 目に見える損傷又はSPDの交換機能の表示 


46 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

− SPDが正常に動作している表示 

− 最新の検査後に追加した新規の設備(例えば,通信システム又は供給装置の設置された建築物等の近

傍のアンテナ又はマスト)は,リスクを高める可能性がある。 

− 建築物等を変更又は修理した後,又は落雷が確認できた場合。 

I.3.3 

全面的な検査 

全面的な検査には目視検査を含む。 

さらに,次の検査を実施する。 

− SPDの性能 

− 監視対象のSPD(遠隔操作信号)のために,監視装置(例えば,遠隔制御装置)の機能性を確認する

必要がある。SPDの機能試験は,SPDの仕様外での適用又は定期的な交換の代わりにフィールド試験

として実施できる。 

I.3.4 

検査の間隔 

防護対策は,表I.1又は表I.2に従って定期的に点検することが望ましい。 

 

表I.1−JIS Z 9290-3で取り扱う雷防護対策の最大点検期間 

保護レベル 

目視検査 

(年) 

全面的な検査 

(年) 

危険な状況下a),b) 

における全面的な検査

(年) 

I及びII 

III及びIV 

注a) 爆発の危険のある建築物等に用いる雷保護システムは,6か月ごとに目視点検をすることが望ま

しい。設備の電気的点検は,年に1回実施することが望ましい。年間点検スケジュールとは別
に,季節的変動の徴候を知るために異なる季節に接地抵抗試験を実施することが得策である場
合,14か月〜15か月のサイクルで試験を実施することが望ましい。 

b) 重要施設とは,ぜい(脆)弱な内部システムを内蔵した建築物等,オフィス群,商業施設,多人

数が集まる場所などをいう。 

 

注記 さらなるLPSのメンテナンス及び検査の情報はJIS Z 9290-3のE.7(LPSの保守及び点検)を

参照。 

 

表I.2−ITU-T Recommendation K.69 [27]で取り扱う雷防護対策の最大点検期間 

検査項目 

目視検査 

(年) 

総合検査 

(年) 

防護対策 

6(注記) 

注記 GDT及び現地調査のための試験で,合理的な検査する期間のための幾つかのネットワーク事業

者の経験に関する情報をITU-T Recommendation K.69の附属書Iに示す。SPDの機能試験及び
試験期間は,製造業者の要求を受ける場合がある。 

 


47 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

附属書J 

(参考) 

地電位上昇(EPR) 

 

J.1 

概要 

任意の大きさ又は周波数の電流が大地の局所的な抵抗率の中を流れるとき,大地を通じての,又は大地

表面を横切る電位が発生する。通信機器を含む局所接地されたサイトの中で,又はワイヤ線通信回路及び

シールドで接続される通信機器を含むローカルサイトとリモートサイトとの間に,地電位上昇(EPR)に

よる大きな電位差がある場合,通信機器とインターフェースとへの電気損傷は生じる。 

 

J.2 

EPRの原因 

電源に関連したEPRは,周波数50 Hz又は60 Hzの故障電流の接地網への流入,樹木との接触による地

絡,他の経路での地絡又は電力線の開閉操作によって起こる。この現象の継続時間は,数分の1秒〜数分

まで続く場合がある。 

雷に関連したEPRは,ナノ秒〜マイクロ秒の立上り時間で,マイクロ秒からミリ秒のパルス幅をもつ数

kAの速い立上りの電流が接地網又は大地の中を流れることによって起こる。 

電気鉄道も同様に,EPRを引き起こす。 

 

J.3 

土壌の抵抗率の影響 

EPRの大きさは,電流,局所の土壌抵抗率及び結果として接地のインピーダンスに依存する。周囲の土

壌の抵抗率は,その構成物,温度,湿度及び電解液成分,並びに電流の大きさ(土の電離)に依存し,数

Ω・m〜1 000 Ω・m以上まで変化する。 

 

J.4 

光ファイバー 

金属導体を光ファイバー線と交換することは,EPRに関連する損傷の低減の優れた方法である。適切な

電源サージ防護,及び適切な位置でのワイヤ又はテンションメンバの端末処理が必要とされる。 

 


48 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

附属書K 

(参考) 

IEC 62305-2を基本としたリスクマネジメントの参考及び事例 

 

機器への損傷のリスクを計算するために,IEC 62305-2は,詳細情報を提供している。 

次のリストは,計算及び例に関連する箇所を示す。 

− IEC 62305-2:2010の附属書Bは,損傷の可能性PXの評価を記述している。 

− IEC 62305-2:2010の附属書Cは,損失額LXの評価を記述している。 

− IEC 62305-2:2010の附属書Eは,別荘,オフィスビル,病院及びアパート街区におけるリスクマネジ

メントの事例を示している。 

紹介された解析は,全ての引込み線が金属導体であると仮定している。 

非金属導体,例えば,光ファイバーの場合には,建築物等の中の配線は,金属性の場合があることを承

知しておく必要がある。 

この状況について,ITU-T Recommendation K.92は,EMC環境に関する情報を提供している。 

抵抗性を改善するために,C.1.3に記載された手段を考慮することが望ましい。 

 


49 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

 

 

 

 

 

 

参考文献 

[1] JIS C 5381-311:2016,低圧サージ防護デバイス用部品−第311部:ガス入り放電管(GDT)の要求事

項及び試験回路 

注記 対応国際規格:IEC 61643-311:2013,Components for low-voltage surge protective devices−Part 

311: Performance requirements and test circuits for gas discharge tubes (GDT)(IDT) 

[2] JIS C 5381-312:2016,低圧サージ防護デバイス用部品−第312部:ガス入り放電管(GDT)の選定及

び適用基準 

注記 対応国際規格:IEC 61643-312:2013,Components for low-voltage surge protective devices−Part 

312: Selection and application principles for gas discharge tubes(IDT) 

[3] JIS C 5381-321:2004,低圧サージ防護デバイス用アバランシブレークダウンダイオード(ABD)の試

験方法 

注記 対応国際規格:IEC 61643-321:2001,Components for low-voltage surge protective devices−Part 

321: Specifications for avalanche breakdown diode (ABD)(IDT) 

[4] JIS C 5381-331:2006,低圧サージ防護デバイス用金属酸化物バリスタ(MOV)の試験方法 

注記 対応国際規格:IEC 61643-331:2003,Components for low-voltage surge protective devices−Part 

331: Specification for metal oxide varistors (MOV)(IDT) 

[5] JIS C 5381-341:2005,低圧サージ防護デバイス用サージ防護サイリスタ(TSS)の試験方法 

注記 対応国際規格:IEC 61643-341:2001,Components for low-voltage surge protective devices−Part 

341: Specification for thyristor surge suppressors (TSS)(IDT) 

[6] JIS C 60364-5-51:2010,低圧電気設備−第5-51部:電気機器の選定及び施工−一般事項 

注記 対応国際規格:IEC 60364-5-51,Electrical installations of buildings−Part 5-51: Selection and 

erection of electrical equipment−Common rules(IDT) 

[7] JIS C 60721-3-3:1997,環境条件の分類 環境パラメータとその厳しさのグループ別分類 屋内固定使

用の条件 

注記 対応国際規格:IEC 60721-3-3:1994,Classification of environmental conditions−Part 3-3: 

Classification of groups of environmental parameters and their severities−Stationary use at 

weatherprotected locations(IDT) 

[8] JIS C 61000-6-1:2008,電磁両立性−第6-1部:共通規格−住宅,商業及び軽工業環境におけるイミュ

ニティ 

注記 対応国際規格:IEC 61000-6-1:2005,Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 6-1: Generic 

standards−Immunity for residential, commercial and light-industrial environments(IDT) 

[9] IEC 61000-2-2:2002,Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 2-2: Environment−Compatibility levels for 

low-frequency conducted disturbances and signalling in public low-voltage power supply systems 


50 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

[10] IEC 60728-2:2010,Cable networks for television signals sound signals and interactive services−Part 2: 

Electromagnetic compatibility for equipment 

[11] ISO/IEC 8802-5:1998,Information technology−Telecommunications and information exchange between 

systems−Local and metropolitan area networks−Specific requirements−Part 5: Token ring access 

method and physical layer specifications 

[12] ISO/IEC 11801:2011,Information technology−Generic cabling for customer premises 

[13] ISO Guide 73:2009,Risk management−Vocabulary 

[14] ITU-T Recommendation K.11:2009,Principles of protection against overvoltages and overcurrents 

[15] ITU-T Recommendation K.12:2010,Characteristics of gas discharge tubes for the protection of 

telecommunications installations 

[16] ITU-T Recommendation K.20:2011,Resistibility of telecommunication equipment installed in a 

telecommunications centre to overvoltages and overcurrents 

[17] ITU-T Recommendation K.21:2011,Resistibility of telecommunication equipment installed in customer 

premises to overvoltages and overcurrents 

[18] ITU-T Recommendation K.45:2011,Resistibility of telecommunication equipment installed in the access and 

trunk networks to overvoltages and overcurrents 

[19] ITU-T Recommendation K.73:2008,Shielding and bonding for cables between buildings 

[20] ITU-T Recommendation K.85:2011,Requirements for the mitigation of lightning effects on home networks 

installed in customer premises 

[21] ITU-T Recommendation K.27:1996,Bonding configurations and earthing inside a telecommunication 

building 

[22] ITU-T Recommendation K.39:1996,Risk assessment of damages to telecommunication sites due to lightning 

discharges 

[23] ITU-T Recommendation K.44:2012,Resistibility test for telecommunication equipment exposed to over 

voltages and over currents−Basic Recommendation 

[24] ITU-T Recommendation K.46:2012,Protection of telecommunication lines using metallic symmetric 

conductors against lightning induced surges 

[25] ITU-T Recommendation K.47:2012,Protection of telecommunication lines against direct lightning flashes 

[26] ITU-T Recommendation K.66:2011,Protection of customer premises from overvoltages 

[27] ITU-T Recommendation K.69:2006,Maintenance of protective measures 

[28] ITU-T Recommendation K.72:2011,Protection of telecommunication lines using metallic conductors against 

lightning−Risk management 

[29] ITU-T Recommendation K.82:2010,Characteristics and ratings of solid-state, self-restoring overcurrent 

protectors for the protection of telecommunications installations 

[30] ITU-T Recommendation G.703:2001,Physical/electrical characteristics of hierarchical digital interfaces 

[31] ITU-T Recommendation G.961:1993,Digital transmission system on metallic local lines for ISDN basic rate 

access 

[32] ITU-T Recommendation G.992.1:1999,Asymmetrical digital subscriber line (ADSL) transceivers 

[33] ITU-T Recommendation G.992.3:2009,Asymmetric Digital Subscriber Line transceivers 2 (ADSL2) 

[34] ITU-T Recommendation G.992.4:2002,Splitterless asymmetric digital subscriber line transceivers 2 


51 

C 5381-22:2018 (IEC 61643-22:2015) 

 

(splitterless ADSL2) 

[35] ITU-T Recommendation G.992.5:2009,Asymmetric Digital Subscriber Line 2 transceivers (ADSL2)−

Extended bandwidth ADSL2 (ADSL2plus) 

[36] ITU-T Recommendation G.993.1:2004,Very high speed digital subscriber line transceivers (VDSL) 

[37] ITU-T Recommendation G.993.2:2011,Very high speed digital subscriber line transceivers 2 (VDSL2) 

[38] ITU-T Directives concerning the protection of telecommunication lines against harmful effects from electric 

power and electrified railway lines; Volume II Calculation induced voltages and currents in practical cases 

(1998) 

[39] IEEE 802.3af:2003,DTE Power via MDI 

[40] IEEE C62.50:2010,Standard for performance criteria and test methods for plug-in (portable) multiservice 

(multiport) surge-protective devices for equipment connected to a 120/240 V single phase power service 

and metallice conductive communication line (s) 

[41] ETSI TS 101 135:2000,Transmission and Multiplexing (TM); High bit-rate Digital Subscriber Line (HDSL) 

transmission systems on metallic local lines; HDSL core specification and applications for combined 

ISDN-BA and 2 048 kbit/s transmission 

[42] ETSI TS 101 270-2:2003,Transmission and Multiplexing (TM); Access transmission systems on metallic 

access cables; Very high speed Digital Subscriber Line (VDSL)−Part 2: Transceiver specification 

[43] ETSI TS 101 388:2007,Access Terminals Transmission and Multiplexing (ATTM); Access transmission 

systems on metallic access cables; Asymmetric Digital Subscriber Line (ADSL)−European specific 

requirements [ITU-T Recommendation G.992.1, modified] 

[44] ETSI TS 101 524:2010,Access, Terminals, Transmission and Multiplexing (ATTM); Access transmission 

system on metallic access cables; Symmetric single pair high bitrate Digital Subscriber Line (SDSL); 

[ITU-T Recommendation G.991.2 (2005), modified] 

[45] ETSI TS 101 524-1:2000,Transmission and Multiplexing (TM); Access transmission system on metallic access 

cables; Symmetrical single pair high bitrate Digital Subscriber Line (SDSL); Part 1: Functional 

requirements 

[46] ETSI TS 101 524-2:2000,Transmission and Multiplexing (TM); Access transmission system on metallic access 

cables; Symmetrical single pair high bit rate Digital Subscriber Line (SDSL); Part 2: Transceiver 

requirements 

[47] ETSI TS 102 080:2003,Transmission and Multiplexing (TM); Integrated Services Digital Network (ISDN) 

basic rate access; Digital transmission system on metallic local lines 

[48] EN 50083-1:1993,Cable networks for television signals, sound signals and interactive services−Part 1: Safety 

requirements 

[49] EN 50173-1:2007,Information technology−Generic cabling systems−Part 1: General requirements 

[50] EN 50468:2009,Resistibility requirements to overvoltages and overcurrents due to lightning for equipment 

having telecommunication ports 

[51] CENELEC Report ROBT 003; ETSI Guide EG 201 280, Resistibility requirements for equipment having (a) 

telecommunication port(s) 

[52] Telcordia GR-1089-CORE:2011, Electromagnetic Compatibility and Electrical Safety−Generic Criteria for 

Network Telecommunications Equipment