>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

C 5381-22

:2007 (IEC 61643-22:2004)

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)/財

団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工

業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC 61643-22:2004,Low-voltage surge

protective devices

−Part 22: Surge protective devices connected to telecommunications and signalling networks−

Selection and application principles

を基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS C 5381-22

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(参考)電圧制限デバイス

附属書 B(参考)電流制限デバイス

附属書 C(参考)リスクマネジメント

附属書 D(参考)情報技術システムに関連する伝送特性

附属書 E(参考)SPDs/ITE の協調

JIS C 5381

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS C 5381-1

低圧配電システムに接続するサージ防護デバイスの所要性能及び試験方法

JIS C 5381-12

低圧配電システムに接続するサージ防護デバイスの選定及び適用基準

JIS C 5381-21

通信及び信号回線に接続するサージ防護デバイスの所要性能及び試験方法

JIS

C

5381-22

通信及び信号回線に接続するサージ防護デバイスの選定及び適用基準

JIS C 5381-311

低圧サージ防護デバイス用ガス入り放電管(GDT)

JIS C 5381-321

低圧サージ防護デバイス用アバランシブレークダウンダイオード(ABD)の試験方法

JIS C 5381-331

低圧サージ防護デバイス用金属酸化物バリスタ(MOV)の試験方法

JIS C 5381-341

低圧サージ防護デバイス用サージ防護サイリスタ(TSS)の試験方法


C 5381-22

:2007 (IEC 61643-22:2004)

(2) 

目  次

ページ

序文 

1

1.

  適用範囲

2

2.

  引用規格

2

3.

  定義

3

4.

  専門用語の説明 

3

5.

  SPD 選定のためのパラメータ及び JIS C 5381-21 による適合試験

4

5.1

  管理された環境条件及び管理されていない環境条件 

4

5.2

  通常システム動作に影響する SPD パラメータ 

5

6.

  リスクマネジメント

5

6.1

  リスク分析 

6

6.2

  リスク検証 

6

6.3

  リスク対策 

6

7.

  SPD の適用

7

7.1

  適用範囲 

7

7.2

  結合メカニズム

7

7.3

  サージ防護デバイス(SPD)の適用,選定及び取付け 

10

8.

  多用途 SPD

16

9.

  SPD と ITE との協調 

16

附属書 A(参考)電圧制限デバイス

17

附属書 B(参考)電流制限デバイス 

21

附属書 C(参考)リスクマネジメント

25

附属書 D(参考)情報技術システムに関連する伝送特性 

29

附属書 E(参考)SPDs/ITE の協調 

32


     

日本工業規格

JIS

 C

5381-22

:2007

(IEC 61643-22

:2004

)

通信及び信号回線に接続するサージ防護デバイスの

選定及び適用基準

Low-voltage surge protective devices

Part 22: Surge protective devices connected to telecommunications and

signalling networks

 Selection and application principles

序文  この規格は,2004 年 11 月に第 1 版として発行された IEC 61643-22,Low-voltage surge protective

devices

−Part 22: Surge protective devices connected to telecommunications and signalling networks−Selection

and application principles

を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規

格である。

この規格は,通信及び信号回線に対するサージ防護デバイス(以下,SPD という。

)並びに電力線用 SPD

と同一のきょう(筐)体にある通信又は信号用 SPD を内蔵する SPD 群の適用基準の指針である。定義,

所要性能及び試験方法は JIS C 5381-21:2004 に示す。

SPD

の選択は,考慮するネットワーク及びシステムのリスク分析に基づいて行う。なぜならば,通信及

び信号回線のシステムが,架空又は地中の線路の長さに依存して,雷,電力線の地絡及び電力線/負荷の

開閉による過電圧の影響が重要な問題となるからである。

もし,

通信及び信号線を保護していない場合は,

情報技術装置(以下,ITE という。

)に結果として生じるリスクも増大する。SPD は,他に地域の規定及び

保険の規定に従って使用することがある。この規格は,SPD の必要性,選定,設置及び寸法の評価,並び

に通信及び信号線に設置した SPD 間及び SPD と ITE との間の協調を達成する指針を提供する。

SPD

の協調は,保護する ITE と SPD との間と同様に SPD 間の相互作用の実現によって達成する。協調

は,前段の SPD の電圧防護レベル U

p

及びレットスルー電流 I

P

(let-through current)

が後段の SPD 又は ITE

の耐力を超えないことが必要である。

一般に,後段にある SPD には,一部のサージは分流するが,侵入サージの源に最も近い SPD に大部分

のサージ電流が流れる。システム上の SPD の協調は,SPD を接続したシステムの特性と同様に SPD 及び

保護する装置の動作も影響を受ける。

適切な協調を達成するために,次の値を再検討することが望ましい。

−  侵入するサージの波形(インパルス又は交流)

−  装置が損傷することなく受けられる過電圧/過電流に対する能力

−  設置,例えば SPD 間及び ITE と SPD との間の距離など

− SPD の電圧制限レベル及び応答時間

SPD

の能力と他の SPD の協調は,事前に受けた過電圧・過電流の影響を受ける場合がある。これは,そ

の過電圧・過電流が SPD の処理能力の限界に近い場合に特にいえることである。もし検討中の SPD が対

処するサージの回数や厳しさに関して疑問がある場合,より高い能力をもった SPD の使用を推奨する。不


2

C 5381-22

:2007 (IEC 61643-22:2004)

     

十分な協調の直接的な影響の一つとして,後段にある SPD がすべてのサージを処理してしまい,サージ源

に最も近い SPD をバイパスすることがあり,結果として後段の SPD が損傷する場合がある。不十分な協

調は装置の損傷を導き,最悪の場合は,火災をを招く場合もある。この規格の中には,SPD の設計に使用

する幾つかの技術がある。これらは,本体及び参考の

附属書 及び附属書 にも記載する。

1.

適用範囲  この規格は,公称システム電圧が交流 1 000 V(実効値)以下又は直流 1 500 V 以下の通

信及び信号回線に接続するサージ防護デバイスの選定,運用,配置及び協調の基準について規定する。こ

の規格は,同一のきょう(筐)体で電力線及び信号線の保護を統合した SPD についても適用する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

IEC 61643-22:2004

, Low-voltage surge protective devices − Part 22: Surge protective devices

connected to telecommunications and signalling networks

−Selection and application principles

(IDT)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,発効年又は発行年を付記してある年の版だけがこの規格の規定を構成するもの

であって,その後の改正版・追補には適用しない。

JIS C 0367-1:2003

  雷による電磁インパルスに対する保護−第 1 部:基本的原則

備考 IEC 61312-1:1995   Protection against lightning electromagnetic impulse − Part 1:

General principles が,この規格と一致している。

JIS C 61000-4-5:1999

  電磁両立性−第 4 部:試験及び測定技術−第 5 節:サージイミュニティ試験

備考 IEC 61000-4-5:1995   Electromagnetic compatibility(EMC) − Part 4-5: Testing and

measurement techniques−Surge immunity test が,この規格と一致している。

JIS C 5381-1:2004

  低圧配電システムに接続するサージ防護デバイスの所要性能及び試験方法

備考 IEC 

61643-1:2000

  Surge protective devices connected to low-voltage power distribution

systems Part 1: Performance requirements and testing methods が,この規格と一致して

いる。

JIS C 5381-21:2004

  通信及び信号回線に接続するサージ防護デバイスの所要性能及び試験方法

備考 IEC 

61643-21:2000

  Low voltage surge protective devices−Part 21: Surge protective

devices connected to telecommunications and signalling networks − Performance 
requirements and testing methods が,この規格と一致している。

JIS C 5381-311:2004

  低圧サージ防護デバイス用ガス入り放電管(GDT)

備考 IEC 

61643-311:2001

Components for low-voltage surge protective devices−Part 311:

Specifications for gas discharge tubes (GDT)が,この規格と一致している。

JIS C 5381-321:2004

  低圧サージ防護デバイス用アバランシブレークダウンダイオード(ABD)の試

験方法

備考 IEC 

61643-321:2001

Components for low-voltage surge protective devices−Part 321:

Specification for avalanche breakdown diode (ABD)が,この規格と一致している。

JIS C 5381-341:2005

  低圧サージ防護デバイス用サージ防護サイリスタ(TSS)の試験方法


3

C 5381-22

:2007 (IEC 61643-22:2004)

     

備考 IEC 61643-341:2001

Components for low-voltage surge protective devices − Part

341:Specification for thyristor surge suppressors (TSS)が,この規格と一致している。

IEC 61643-331:2003

  Components for low-voltage surge protective devices−Part 331: Specification for

metal oxide varistors (MOV)

IEC/TS 61312-2:1999

  Protection against lightning electromagnetic impulse(LEMP)−Part 2: Shielding of

structures

,bonding inside structures and earthing

ITU-TK.31:1993

Bonding configurations and earthing of telecommunication installations inside a

subscriber's building

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS C 5381-21 の 3.(定義)によるほか,次による。

3.1

耐力(resistibility)  SPD 又は ITE(情報技術装置)が損傷することなく過電圧又は過電流に耐え

る能力。

備考  この定義は IEC 61663-2[1]

*

を基に,この規格に適用するため修正したものである。機器は過

電圧又は過電流印加時に,その機能の一部を失ってもよいが,過電圧又は過電流引加後には正

常に動作する必要がある。

*

この規格の中で,大括弧“

[  ]

”の数字は,巻末の関連規格リストの参照番号を示す。

3.2

多用途目的サージ防護デバイス(multiservice surge protective device)  サージ条件下で,一つのき

ょう(筐)体内において信号系,通信,電力などの二つ以上の異なるサービスを等電位化して防護するサ

ージ防護デバイス。

4.

専門用語の説明  各種のサージ防護素子に関する専門用語についての簡単な説明を,次に示す。詳細

については

附属書 A 及び附属書 B に示す。

4.1

電圧制限デバイス(voltage-limiting devices)  電圧制限デバイスの分岐接続する SPD の部品は,電

流を分流するための低インピーダンス経路によって,ある一定の電圧を超過する過電圧を制限する非線形

部品である。この電圧

U

c1

は,正常動作中のシステムの最大ピーク電圧より大きくなるように選定する。

動作中のシステムの最大電圧における SPD の漏れ電流は,システムの正常動作を妨げるものであっては

ならない。

複数の部品が組立品を構成する場合もある。電圧制限防護素子を直列にすると,電圧防護レベルを上昇

させる。並列に接続した防護素子は,組立品としてのサージ電流耐量が増加するが,並列素子間の分流が

確実に行われるように注意することが望ましい。

金属酸化物バリスタは,正負電圧の両極性において本質的に対象な電圧−電流特性をもつ。これらのデ

バイスは対称性双方向形として分類する。正極性と負極性の電圧−電流特性とが基本的には同じ形であり

ながら,極性によって明らかに異なる特性値をもつデバイスは,非対称性双方向形として分類する。

別の技術,例えば PN 半導体接合製品は,正負両極性において本質的に異なる電圧−電流特性をもつ。

4.1.1

クランピング形(clamping-type)  クランピング形の SPD の部品は,連続的な電圧−電流特性を

もつ。これは,一般には被保護機器がインパルス電圧印加中のほとんどにわたって,SPD のしきい値レベ

ルの電圧を受けることを意味する。結果として,これらの SPD の部品は,過電圧印加中のほとんどのエ

ネルギーを吸収する。


4

C 5381-22

:2007 (IEC 61643-22:2004)

     

4.1.2

スイッチング形(switching-type)  スイッチング形の SPD の部品は,不連続な電圧−電流特性を

もつ。設計した電圧で,低電圧領域にスイッチングする。この低電圧領域におけるエネルギーの吸収は,

同等の電圧防護レベルをもつクランピング形に比べて少ない。

このスイッチング動作によって,被保護機器が正常なシステム電圧以上の電圧を受ける時間は,非常に

短くなる。システムの動作電圧及び電流が,これらのスイッチング形デバイスの続流遮断条件を超えてい

る場合,これらのデバイスは通電状態のままである。適切な SPD の選定と回路設計とによって,SPD は,

通常のシステム電圧及び電流における高抵抗状態に復帰できる。

4.2

電流制限デバイス(current-limiting devices)  過電流を制限するためには,被保護経路に流れる電

流を停止するか又は低減しなければならない。その方法として,遮断,低減又は分流の三つがある。過電

流保護に主として用いる技術は熱的な動作によるものであり,その応答速度は比較的遅い。過電流保護が

動作するまでの間,被保護機器だけでなく SPD についてもサージに耐えることが必要である。

4.2.1

電流遮断形(current-interrupting type)  これらのデバイスは,SPD 又は ITE(附属書 図 

照)へのサージ電流の経路を開放する。電流が流れている回路を急に開放すると,特に電流がピークにあ

る場合,アークが発生する。このアークは,危険を回避するように処理しなければならない。遮断された

回路は,その回線を再開するための操作が必要となる。ヒューズは電流遮断形の一例である。

4.2.2

電流低減形(current-reducing type)  これらのデバイスは,負荷に大きな直流抵抗器を有効に挿

入することによって電流を低減する(

附属書 図 参照)。このような動作を利用した電流低減形の例と

して,自己発熱形の正温度係数(PTC)サーミスタがある。過電流によって PTC サーミスタは温度上昇

し,温度がそのしきい値温度(代表例として 120 ℃)を超えると,抵抗値が数オームから数百 kΩ へと変

化し,電流を低減する。高抵抗に変化した後は,低い電流であっても PTC サーミスタはその温度を保つ

ため,PTC サーミスタは高抵抗状態にとど(留)まることになる。代表的な約 1 W のサーミスタがその

温度を保つためには,例えば交流 200 V の過電圧による 5 mA の電流があればよい。システムの動作電圧

及び電流が PTC の復帰性能を超えていない場合,サージの通過後,PTC サーミスタは冷えて低抵抗値に

復帰する。

4.2.3

電流分流形(current-diverting type)  これらのデバイスは,入力部のライン間に有効な短絡回路

を形成する(

附属書 図 参照)。電圧制限形の温度上昇又は負荷電流検出によって動作する。被保護機

器を保護するが,回線には同等以上のサージ電流が流れる。動作後,回線を再開するための操作が必要と

なる。

5.

SPD

選定のためのパラメータ及び JIS C 5381-21 による適合試験  この箇条では,SPD 単体及び SPD

が接続しているネットワークにおいて,SPD 動作している場合及び動作していない場合のパラメータにつ

いて検討する。これらパラメータ値は,SPD の比較の根拠として用いることができ,信号及び電力システ

ムにおける SPD の選定の指針として用いることもできる。これらのパラメータ値は,SPD 製造業者及び

供給者が提供する。値の検証又は供給者から提供のない場合は,JIS C 5381-21 に規定した試験及び測定方

法を用いなければならない。

5.1

管理された環境条件及び管理されていない環境条件

5.1.1

管理された環境条件

温度範囲:  −5∼40  ℃

湿度範囲: 10∼80  %RH

気圧範囲: 80∼106 kPa


5

C 5381-22

:2007 (IEC 61643-22:2004)

     

管理された環境条件とは,建物又は他の基本設備施設の管理された環境内部の条件である。これは,極

端な自然環境からは守られているが,自然に暖められたり冷やされたりする条件でもある。

5.1.2

管理されていない環境条件

温度範囲:  −40∼70  ℃

湿度範囲:  5∼96  %RH

気圧範囲: 80∼106 kPa

5.2

通常システム動作に影響する SPD パラメータ  電気通信及び信号システムの保護に用いる電圧制限

又は電圧制限及び電流制限の両機能をもつ SPD の動作に関する基本的特性は,次のとおりである。

−  最大連続使用電圧 U

c

−  電圧防護レベル U

p

−  インパルスリセット

−  絶縁抵抗(漏れ電流)

−  定格電流

SPD

は,適用指針の要求を満足しなければならない。幾つかの SPD パラメータはネットワークの伝送特

性に影響する。これらを次に示す。

−  静電容量

−  直列抵抗

−  挿入損失

−  リターンロス

−  縦バランス

−  近端漏話(near and cross-talk :NEXT)

したがって,SPD は,JIS C 5381-21 による使用可能な選択試験項目で試験する必要がある。情報技術及

びこれらのシステムに SPD を適用する場合に考慮しなければならない伝送特性についての情報を,

附属書

D

に示す。

6.

リスクマネジメント  過電圧及び過電流の可能性を考慮するならば,情報技術システムの防護対策

例  SPD での保護)の必要性は,リスク算定に基づくことが望ましい。情報技術システムのすべての部

分における算定は,ネットワーク全体で良好な保護協調を実施しなければならない。これは,顧客及びネ

ットワーク事業者に対するサービスの喪失,システム(

例  病院,交通制御)の重要性,特定地域(被害

の可能性)での電磁環境及び補修に関するコストを考慮することである。

防護対策の導入は,次の事項に基づいて判断しなければならない。

−  建築物等の内又は外のネットワークへの損害のリスク

−  損害の許容できるリスク

建築物等及び建築物等内のネットワークのために,顧客はこれら二つの値を分析しなければならない。

建築物等外のネットワークにおいて,ネットワーク事業者はそれらを分析しなければならない。リスクの

重要度によって,部品は事業者ネットワークと加入者ネットワークとの間に相互接続される異なった保護

レベルの装置につなぐことができる(

図 の“NT”−ポイント参照)。防護対策を管理するための責任に

ついて,一般的な事項を

表 に示す。


6

C 5381-22

:2007 (IEC 61643-22:2004)

     

  1  防護対策の管理責任

IT

システム

責任

建築物等の内部設備:加入者ネットワーク

顧客

建築物等の外部設備:事業者ネットワーク

ネットワーク事業者

事業者ネットワークと加入者ネットワークとの相互接続

ネットワーク事業者又は顧客

ITE

顧客(

備考参照)

リスク算定に基づく追加防護対策

顧客

備考  電気通信機器の耐力要求は,IEC 61663-2[1]で参照しているように ITU-T K シリーズによる。それらは市場需

要により ITE 対策として実施する。 

6.1

リスク分析  リスク分析は,次の電磁現象を考慮する。

−  電力線からの誘導

−  雷放電

−  地電位上昇

−  電力線混触

6.2

リスク検証  リスク検証は,次のような経済面を考慮する。

−  コスト(破壊的な電磁気的現象が発生する場合の,不適切に防護した機器への高い補修コストと補修

を不要とする適切な防護コストとの対比)

−  対象とする用途

−  設備の防護対策

−  サービスの継続性

−  機器のサービス指数(到達困難地域への設置。

例  山岳地域)

6.3

リスク対策  リスク対策は,全体の通信ネットワーク,すなわち,あらゆる種類の伝送又は端末機

器を含むすべてのタイプのネットワーク,公共ネットワーク及び構内ネットワークの被害の低減を考慮す

る。SPD 設備は,ネットワーク事業者,ネットワーク管理者及びシステム製造業者によって与えられる要

求事項及び規定事項に従わなければならない(

図 参照)。リスク管理に関するより詳細な情報は,附属書

E

(参考)に示す。


7

C 5381-22

:2007 (IEC 61643-22:2004)

     

SPD/N

ネットワーク事業者又はネットワーク管理者が与える,SPD 要求事項及び規制事項

SPD/S

システム製造業者が与える,SPD 要求事項及び規制事項

SPD/S/N

:  システム製造業者及びネットワーク事業者,又はネットワーク管理者が与える,SPD 要求事項及び規

制事項

S

交換局

E

機器(

例  多重化装置)

NT

ネットワーク端末

ITE

: ITE 又は処理制御機器

TTE

構内ネットワーク端末機器

  1  通信及び信号ネットワークにおける SPD の設置

7.

SPD

の適用

7.1

適用範囲  通信及び信号回線に SPD の適用を検討する場合,可能性のある過電圧及び過電流源を決

定し,それらの発生源からエネルギーがどのようにネットワークと結合するかを決定することが重要であ

る。これらを

図 に示すとともに,ネットワークに結合するエネルギー量を低減する方法を示す。

7.2

結合メカニズム  通信及び信号システムを脅かすサージの主な発生源は,雷及び電力システムであ

る。結合の形態は,直撃雷及び電力システムからの直接接触であり,両発生源からの容量性,誘導性及び

電磁波放射性結合も同様に含む。第四の結合メカニズムは,両方の発生源による地電位上昇からなるもの

である。防護手段は,保護するシステムと協調しなければならない。建築物内に防護手段が必要なところ

には,等電位ボンディング用バーを設置しなければならない。さらに重要な対策は,機器から建物の等電

位ボンディング用バーまで,接合するすべての接続インピーダンスを最小限にすることである。ケーブル

に 金 属 遮 へ い を 用 い て い れ ば , ケ ー ブ ル の 長 さ に 沿 っ て す べ て の つ な ( 繋 ) ぎ 目 及 び 再 生 中 継 器

S

オペレータ又は
構内回線

構内回線

信号回線

SPD/S

SPD/S

SPD/N

SPD/N

SPD/N

SPD/S/N

SPD/S/N

E

E

NT

TTE

TTE

ITE

ITE

SPD/S

SPD/N

SPD/N

オペレター回線

電気通信回線

ネットワーク事業者の

回線

ネットワーク事業者又

は構内の回線

構内の回線

信号回線

通信回線

SPD/S/N

SPD/S 


8

C 5381-22

:2007 (IEC 61643-22:2004)

     

(regenerator)等を接続し,連続させなければならない。それは更にケーブルの端末で等電位ボンディング,

できれば直接又は SPD(腐食問題の回避)を介して接続しなければならない。別の対策は,サービス引込

口に適切な SPD を用いて,過渡電圧及び過渡電流をシステム互換レベルに低減することである。SPD は,

できる限り構造物の共通の入口近く,例えば建築物又はキャビネットのすべてのサービス引込口に設置し

なければならない。

もし保護する設備及びケーブル入口領域との間に,いくらかの距離の要求がある場合,

機器のボンディング及び SPD ボンディング導体のインピーダンスを最小限にするように特別の注意を払

うことが望ましい。

図 は,雷及び交流電源からのエネルギーが,無防備な機器を含んでいる建築物等と結合する方法を示

す。直撃雷はめったに起きないが,その結果として

表 に示す,より高耐量の SPD を必要とすることを記

すことが望ましい。6.のリスク管理に関する情報は,図及び表を理解するための指針を提供している。単

純化するために,図は直撃雷が 1 本の導体を流れ下りる様子を描いている。実際には,システムは複数の

引き下げ導体をもち,直撃雷の電流はそれらに分流する。この分流の結果,誘導結合機構によるサージ電

圧量は低減する。

図 に,設置した機器とともにサービス引込口[電話又は他の電気通信接続(h)及び電力(g)]並びに雷防

護システム(附属端子,ボンディングネットワーク及び接地システムを含む。

)を備えた,標準的な建築物

等を示す。図は,一点での雷防護ボンディング(d)を具体的に示している。推奨するこの配置は,建物への

すべてのサービス引き込み部を一点の共通接地点

(主等電位ボンディングバー)でボンディングしている。

この共通接地は引き下げ導体に一点で接続し,電力との適合理由によって分離接地である。建物へのすべ

てのサービス引込口は,すべてのビルシステムを等電位環境とするために,この接地点に接続することが

望ましい。また、この図はビルディング機器の箇所又は近くにおける等位置ボンディングの配置も示して

いる(フロア等電位ボンディング用バー)

。この配置内では,各フロア,機器室,更に可能なことには機器

のラックでさえ,ケーブル引込口において共通接地基準点によって等電位環境を実現する。すべてのサー

ビス引込領域は,このポイント(SPD を介してか,又は直接のどちらか)で地電位基準になる。このロー

カル等電位ボンディングポイントは,一点で建物の主要なボンディングに接続し,大地と分離して接続し

てはならない。

表 に,過渡源と結合メカニズムとの関係を示す(例えば,直撃雷の抵抗性結合)。電圧及び電流波形並

びに試験カテゴリは,JIS C 5381-21 

表 から選択する。


9

C 5381-22

:2007 (IEC 61643-22:2004)

     

(d)

等電位ボンディング用バー(EBB)

(e1)

建築物の接地

(e2)

雷防護システムの接地

(e3)

ケーブル遮へいの接地

(f)

情報技術又は通信ポート

(g)

電源ポート

(h)

情報技術又は通信回線若しくはネットワーク

(p)

接地極

(S1)

建築物等への直撃雷

(S2)

建築物等への近傍雷

(S3)

通信又は電源線への直撃雷

(S4)

通信又は電源線への近傍雷

(1)

∼(5):

結合メカニズム(

表 参照)

  2  結合メカニズム


10

C 5381-22

:2007 (IEC 61643-22:2004)

     

  2  結合メカニズム

過渡現象源

建築物等への直撃雷

(S1)

建築物等近傍
への大地雷撃

(S2)

線路への

直撃

(S3)

線路近傍へ
の大地雷撃

(S4)

(b)

電源への

影響

結合

抵抗性

(1)

誘導性

(2)

誘導性

(a)

(2)

抵抗性

(1)

,(5)

誘導性

(3)

抵抗性

(4)

電圧波形

(

µ s )

− 1.2/50 1.2/50 − 10/700  50/60

Hz

電流波形

(

µ s )

10/350 8/20

8/20 10/350

(d)

(10/250)

5/300

推奨試験

カテゴリ

(c)

D1 C2  C2

D1

,D2

B2 A2

備考  (1)∼(5)は,図 2“結合メカニズム”参照。 

(a)

電力供給ネットワーク付近では,スイッチングによる容量性又は誘導性の結合も適用する。

(b)

距離を離すことで顕著な電磁界の減少によって,遠方の雷撃による結合効果は無視できる場合がある。

(c)

  JIS C 5381-21

表 参照。

(d)

直撃雷を模擬するインパルス試験のピーク電流値及び総電荷量は,IEC/TC81 が規定している。 
これらのパラメータを満足する代表的な波形は二重指数関数インパルスで,この例として 10/350 がある。

7.3

サージ防護デバイス(SPD)の適用,選定及び取付け

7.3.1

SPD

の適用に関する要求性能  SPD は,JIS C 5381-21 及び保護するシステムに関する仕様書に

従わなければならない。公共電力供給システムへの SPD の適用では,他の要求事項又は追加の要求事項

を適用する場合があるが,次の細分箇条では規定しない。次の細分箇条では,建築物等の中の情報通信技

術システムにおける SPD の適用について取り扱う。

7.3.1.1 

雷の影響を低減するための SPD の選定  サージを制限する動作が,SPD によるエネルギーの吸

収又は反射を引き起こす。SPD の選定は,ピークパルス電流及び波形(例えば,5 kA で 8/20)の詳細を含

む JIS C 5381-21 

表 に従って製造業者が規定しなければならない。

防護対策を決定するときは,それぞれの防護箇所(

図 参照)に応じた防護要求事項を検討しなければ

ならない。防護デバイスは,領域の境界に多段に配置して適用することが望ましい(雷保護領域の取扱い

は,JIS C 0367-1 を考慮)

。その領域の概念は,物理的な LPS(雷保護システム)が存在するときに,特別

な関係がある。例えば,建物の入口に置いた第一の保護レベル(j,m)は,主に装置を破壊から保護するこ

とを受けもつ。この保護は,そのような脅威に対し,設計し評価することが望ましい。この保護の出力は,

以降の下流にある保護への入力となる低減サージエネルギーである。次の保護レベル(k,l 及び n,o)は,

サージレベルを以降の下流の防護又は装置が許容できる値に更に低減する(7.3.1.2 参照)

図 は,JIS C 0367-1 及び ITU-T K.31 に一致したスター構成例である。

過電圧又は過電流に脅威レベル及び SPD の特性によっては,単一の SPD で建物内の装置を保護するた

めに使用することができる。幾つかの保護レベルを,一つの SPD の中の組合せ保護回路によって決定する

ことができる。装置の配置場所によっては,単一の SPD で,建物の中の複数の領域を保護するのに用いる

ことができる。

多段の SPD が存在するとき,9.の協調条件を考慮しなければならない。


11

C 5381-22

:2007 (IEC 61643-22:2004)

     

(d)

雷保護領域(LPZ)の境界の等電位ボンディング用バー(EBB)

(f)

情報技術又は通信ポート

(g)

電源ポート又はライン

(h)

情報技術又は通信回線若しくはネットワーク

I

PC

雷電流の部分的なサージ電流

I

B

異なる結合経路を通して建物中で部分的雷電流 I

PC

を引き起こす

JIS C 0367-1

に従った直撃雷電流

(j)

,(k),(l):

表 3

JIS C 5381-21 

表 を参照)に従った SPD

(m)

,(n),(o):

JIS C 5381-1

のクラスⅠ試験,クラスⅡ試験及びクラスⅢ試験に従った SPD

(p)

接地導体

LPZ 0

A

,LPZ 0

B

,LPZ 1∼3:

JIS C 0367-1

に従った雷保護領域

  3  雷保護の概念に基づく構成例

7.3.1.2 

一時的な妨害を低減する SPD の選定  SPD は,7.3.1.1 の保護領域の段階及び表 の電圧防護レ

ベルに従って選定することが望ましい(協調については 9.参照)

。このため防護デバイスは,SPD の電圧

防護レベル U

p

が次の SPD 又は ITE で規定すべき電圧値より低くなるように選定する(

図 参照)。

表 の雷保護領域の選定は,境界 LPZ 0/1 の全雷電流 I

B

の一部分(部分雷電流 I

PC

)が,SPD(j)経由で情

報技術システムに抵抗結合することを前提としている。情報技術システム内に伝搬する最終的な雷電流波

形は,システムの配線及び SPD の動作によって変化する。SPD(j)の防護レベルが,機器の耐力レベルより

高い場合には,SPD(j)と協調した適切な防護レベルをもった SPD を取り付ける。代替案として,適切な電

圧防護レベルをもった SPD を SPD(j)に置き換える。

雷撃の電磁効果又はあらかじめ設置してある SPD の過渡的変化によって誘起するサージ電流は,8/20 の

電流波形である。

情報技術ライン及び電気通信回線に近接し,それらの回線に接続している ITE から離れている雷撃によ

(j)

0.5

0.5


12

C 5381-22

:2007 (IEC 61643-22:2004)

     

って誘起する電圧は,10/700 の電圧波形である(JIS C 5381-21 

表 参照)。

  3  JIS C 0367-1 及び JIS C 61000-4-5 による(領域)境界に使用する SPD 選定の手引

JIS C 0367-1

の雷保護領域

LPZ 0/1

LPZ 0/1

LPZ 2/3

10/350

10/250

0.5 kA

∼2.5 kA

1.2/50

8/20

− 0.5

kV

∼10 kV

0.25

∼5 kA

0.5 kV

∼1 kV

0.25 kA

∼0.5 kA

サージの範囲

10/700

5/300

4 kV

100 A

0.5 kV

∼4 kV

12.5 A

∼100 A

SPD(j)* D1

,D2

B2

建築物外部への

抵抗結合なし

SPD(k)*

− C2/B2 −

SPD

の所要性能

JIS C 5381-21 

3

のカテゴリ)

SPD (l) *

− C1

注* SPD(j,k,l)は,図 を参照。

備考 LPZ

2/3

で示したサージの範囲は,典型的な最小の耐力所要性能を含む。また,市場要求によって機器に適

用してもよい。

U

IN1

SPD1

領域 0/1

U

p1

U

IN2

SPD2

領域 1/2

U

p2

U

IN3

SPD3

領域 2/3

U

p3

U

IN ITE

ITE

>4 kV

(j)

 0.5

∼ 
4 kV

(k)

 0.5

∼ 
1 kV

(l)

<0.5 kV    ポート

(f)

  4  図 における領域の構成例

一般に,機器を防護するために必要な SPD の数は,SPD を設置する LPZ 境界の数を決定する。7.3.1.1

に規定した組合せ保護回路を利用した単一の SPD を使用することによっても機器を保護することができ

る。

段階的な SPD[SPD 1 (j)∼SPD 3 (l)]間の協調は,9.に従うことが望ましい。

7.3.1.3 

低周波のサージ電圧を制限するための SPD の選定  電気通信回線が送電線の地絡事故から過電

圧を受けた場合,局所の対地間電圧は,SPD を通信回線と接地端子との間に接続して制限することが望ま

しい。端末機器の絶縁耐力は,防護デバイスの放電開始電圧及び大地までの配線インピーダンスを考慮に

入れて選定することが望ましい。適切な所要性能は,製品群又は製品の ITU-T

勧告 K20,K21,K45 など

から選ぶことが望ましい。商用周波サージからの電気通信回線の保護は,電流制限又は電流スイッチング

SPD

の利用で解決できる。

7.3.1.4 

システムの防護に関する SPD の電圧制限性能の互換性  SPD の線間及び対地間の電圧制限の仕

様は,システムの防護性能に合致することを確認することが重要である(

図 参照)。

システムとの調和を達成するために,SPD に関係する仕様書(5.2 参照)を製造業者から入手しなけれ

ばならない。


13

C 5381-22

:2007 (IEC 61643-22:2004)

     

(c)

: SPD 内のすべての対地間電圧制限サージ電圧素子が参照とする SPD の共通接続部

(d)

等電位ボンディング用バー

(f)

情報技術又は通信ポート

(g)

電源ポート

(h)

情報技術又は通信回線若しくはネットワーク

(l)

表 に従った SPD(

JIS C 5381-21

表 参照)

(o)

JIS C 5381-1

のクラスⅢ試験に従った電源用 SPD

(p)

接地導体

(q)

必要な接続(できるだけ短く)

U

p(C)

電圧防護レベルに制限した対地間電圧

U

p(D)

電圧防護レベルに制限した線間電圧

X1

,X2: SPD を接続する無防護側の端子で,その端子間に制限素子(1,2)を設置する。

Y1

,Y2:  防護側の SPD 接続端子

(1)

コモンモード電圧を制限する JIS C 5381-300 シリーズに従ったサージ電圧防護素子

(2)

線間電圧を制限する JIS C 5381-300 シリーズに従ったサージ電圧防護素子

  5  ITE のデータ入力(f)及び電圧供給端子(g)のコモンモード電圧及び線間電圧に対する防護対策の例

7.3.2

SPD

の配線に関する考察  SPD の設置は,リード線又は接続での配線電圧降下を最小限にとどめ

るようにすることが望ましい。

U

p

で示す低い電圧防護レベルに加わる不適切な配線(結合,ループ,ケーブルインダクタンス)によっ

て電圧制限過程に発生する余分な電圧上昇を避けるための基本的な対策を,次に示す。

効果的な電圧制限は,次の方法によって有効に達成できる。

− SPD は装置にできる限り接近させる(7.3.2.2 参照)

− SPD の X1 と X2 端子間(

図 参照)の長いリード線を避け及び不必要な曲げを最小限にして,防護

を提供する。

図 の配置が最適である。

7.3.2.1 2

端子 SPD  2 端子 SPD の二つの設置可能な方法を,図 及び図 に示す。二番目の設置は,防

護製品のリード線長の二次的影響を取り除いている。

U

p(D)

U

p(C)


14

C 5381-22

:2007 (IEC 61643-22:2004)

     

L

1

L

2

リード線の導体インダクタンス

U

L1

U

L2

:  全導体長又は単位長で決まるサージ電流

I

 PC

の di/dによって誘起するインダクタンス“L”の端子間電

X1

,X2: SPD を接続する防護していない端子で,その端子間に制限素子(

図 参照)を設置する。

I

PC

部分雷電流

U

p(f)

防護する機器の入力ポート(f)における,電圧防護レベル U

p

及び防護デバイスと保護する装置との間を

接続する導体に誘起する電圧の和(実効電圧防護レベル)

。SPD が導通になる前は U

L1

/U

L2

は 0 である

ことに注意する。

U

p

電圧防護レベル

  6  配線のインダクタンスによって発生する電圧防護レベル U

p

上の電圧 U

L1

及び U

L2

の影響

X1

,X2: SPD を接続する防護していない端子で,その端子間に制限素子(

図 参照)を設置する。

I

PC

部分雷電流

U

p(f)

防護する機器の入力ポート(f)における,電圧防護レベル U

p

及び防護デバイスと保護する装置との間を接

続する導体に誘起する電圧の和(実効電圧防護レベル)

。SPD が導通になる前は U

L1

/U

L2

は 0 であること

に注意する。

U

p

電圧防護レベル

  7  同一点への接続による電圧 U

L1

及び U

L2

の除去

U

L2

I

PC

I

PC

I

PC

U

p(f)

 

U

p

U

p(f)

U

p


15

C 5381-22

:2007 (IEC 61643-22:2004)

     

7.3.2.2 3

端子,端子又は多端子 SPD  有効な制限電圧を得るためには,防護デバイスと ITE との間の

様々な条件を考慮したシステムの検討が必要である。

(c)

: SPD 内のすべての対地間電圧制限サージ電圧素子が参照とする SPD の共通基準端子

(d)

等電位ボンディング用バー

(f)

情報技術又は通信ポート

(l)

表 に従った SPD(

JIS C 5381-21

表 参照)

(p)

接地導体

(p1

,p2):  接地導体(できるだけ短く。

。遠隔給電されている ITE の場合,(p2)は存在しない場合もある。

(q)

必要な接続(できるだけ短く。

X

,Y: SPD のそれぞれ非防護及び防護に関連する位置にある制限素子(

図 参照)間の SPD 端子

  8  電圧防護レベルに対する妨害の影響を最小限にする情報

通信装置 ITE の多端子 SPD に必要な設置条件

追加の対策:

−  防護していないポート側の線と防護しているポート側の線とを一緒に配線しない。

−  接地導体(p)と防護しているポート側の線とを一緒に配線しない。

−  防護すべき ITE と SPD の防護しているポート側との配線は,できるだけ短くするか又は遮へいしなけ

ればならない。

7.3.2.3 

建築物の内部のシステムに対する雷誘導過電圧の影響  雷誘導過電圧は建築物内に現われ,7.2

に規定するメカニズムによって内部ネットワークと結合する。

これらの過電圧は一般的に対地間であるが,

線間に現われる場合がある。情報通信装置内の部品の破損,絶縁破壊は,これらの過電圧によって生じる。

これらの影響を制限するため SPD は,

図 に従って設置することが望ましい。

その他の対策は,次のとおりである。

−  対地間電圧を低減するために SPD と ITE との間に等電位結合(q)(

図 参照)

−  線間電圧を低減するためにより対線を使用

−  コモンモード電圧を低減するためにシールド線を使用

−  様々なループ構成の場合の計算根拠(IEC 61312-2 

附属書 参照)


16

C 5381-22

:2007 (IEC 61643-22:2004)

     

8.

多用途 SPD  これらの SPD は,2 種類以上のサービスのため,一つのきょう(筐)体内の防護回路

組合せで構成するもので,機器へのサージ電圧を制限し,異なるサービス間を等電位ボンディングしてい

る。組み合わせた防護デバイスのサージ電圧防護回路は,電源回路用の JIS C 5381-1 並びに通信及び信号

回路用の JIS C 5381-21 の所要性能に従わなければならない。

このデバイスのための規定した試験については,検討中である。

9.

SPD

と ITE との協調  二段接続の SPD 又は 1 個の SPD と保護された ITE とが,過電圧条件下で協

調できるように,SPD1 からの出力防護レベルは,定格条件に対する SPD2 又は ITE の入力耐力レベルを

超えてはならない。

二段接続の SPD の協調は,次の判定基準を満している場合に達成することができる。

U

p

<U

IN

及び I

P

<I

IN

図 参照)

これらの協調条件が達成できない場合,測定によって決定される減結合回路によって協調を実現するこ

とができる。

U

IN2

;U

IN ITE

耐力確認のために使用する試験機の開放回路電圧

I

IN2

;I

IN ITE

耐力確認のために使用する試験機の短絡電流

U

p

電圧防護レベル

I

P

レットスルー電流

  9  二段の SPD の協調

SPD

は,少なくとも 1 個の非線形電圧制限デバイスを含んでいるため,防護する出力側の開放回路電圧

が,試験機から発生する(開放回路)過電圧をひずませる。このことから,

“ブラックボックス”化した

SPD

の協調に関して一般的な記述ができない。しかし製造業者は,試験を実施することによって協調がど

のように達成できるのか又はどのように決定できるのかを評価することができる。従って試験・評価を実

施した製造業者の推奨する SPD の組合せを使用することが最も安全である。SPD と ITE とを協調させるた

めに,ITE 製造業者の性能,情報及び/又は試験報告書が要求される。

I

 IN 1

I

 P2

I

 IN 2

I

 P1

I

 IN ITE

U

  P1

U

  IN

 2

U

  P2

U

  IN

 I

TE

U

  IN

 1


17

C 5381-22

:2007 (IEC 61643-22:2004)

     

附属書 A(参考)電圧制限デバイス

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

A.1

電圧クランピング形デバイス  負荷と並列接続するクランピング形 SPD は,電流を分流するように,

低インピーダンス経路を形成することで,設定電圧を超える過電圧を制限する非線形部品である。

附属書   1  電圧クランピング形デバイスの回路

A.1.1

金属酸化物バリスタ(MOV)  MOV は金属酸化物で作られた非線形抵抗である。電圧制限領域の

ほぼ全般にわたって,MOV の電圧は,電流の増加とともに非線形的に増加する。最も高い電流レベルで

は,材料自体の抵抗が支配的となり,その特性はほぼ線形となる。

MOV

では,通常約±10  %のばらつきをもつ 5 V 以上の U

c

電圧が得られる。インパルス大電流条件下で

は,MOV の制限電圧は著しく増加する場合がある。これは,多段接続する複数 SPD の協調動作において

改善することもできるが,後段の機器が高電圧レベルにさらされる場合もある。

MOV

の応答時間は短いので,過電圧を素早く制限することに適している。また,熱容量が大きいため,

吸収できるエネルギー量が大きい。MOV は,多数回の定格電流インパルス又はデバイス定格を少し超え

たインパルス電流を受けると劣化する。この劣化は,U

c

の低下として現れ,デバイスの適用において考慮

しなければならない。

MOV

は静電容量が大きい。この特性によって,高周波への適用が制限されることもある。

A.1.2

シリコン半導体  これら SPD の部品は,単一又は複数の PN 接合から形成される。

一般に,これら SPD 部品は,比較的エネルギー耐量が低く,温度依存性がある。それらは,素早い電圧

制限能力を必要とするところに使用され,1 V 以上の電圧制限値が可能である。

A.1.2.1

順バイアス PN 接合  順バイアス PN 接合は,約 0.5 V の順電圧

V

f

をもつ。電圧制限領域のほぼ

全般にわたって,ダイオード電流は印加電圧の増加とともに急激に増加する。大電流条件下において,順

電圧

V

f

は 10 V 以上に増加する場合もある。

急激に上昇する電圧印加条件下で,多少の電圧オーバシュートが出る場合がある。  このオーバシュート

電源

インピーダンス

サージ

サージ電流

電圧制限

SPD

又は

IT

E

インパルス

電圧

SPD

又は ITE

の電圧

クランピング


18

C 5381-22

:2007 (IEC 61643-22:2004)

     

(順回復電圧 V

fm

)は,大電流における順電圧より高くなる場合がある。順バイアス極性で,ダイオード

は比較的高い静電容量をもつ。この静電容量は,発振信号電圧及び直流バイアスレベルに依存する。ダイ

オードを逆バイアスで用いる場合,静電容量は減少する。高い使用電圧のためには,直列接続構成するが

静電容量を著しく低減することにもなる。

A.1.2.2

アバランシブレークダウンダイオード(ABD)  ABD は,PN 接合を逆バイアス条件で用いたも

ので,約 7 V 以上のしきい値電圧又はブレークダウン電圧をもつ。ABD の電極間電圧は,動作電流領域

のほぼ全般にわたって電流による変化がほとんどない。

ABD

の応答時間は非常に短いので,急しゅん(峻)な過渡電圧を制限することに適している。ABD の

静電容量はブレークダウン電圧に反比例し,直流バイアス及び発振信号電圧又は直流動作電圧からの印加

電圧にも反比例する。

一つの接合をもつ ABD は,片方向特性である。双方向デバイスを作るためには,一つの ABD に,これ

と逆極性の他の ABD を直列接続する。いずれか一方の極性において,デバイスは順バイアスダイオード

を直列にしたアバランシ ABD 動作をする。これらの二つのデバイスは,単体 NPN 又は PNP 構造の 1 チッ

プに集積化できる。

A.1.2.3

ツェナダイオード  ツェナブレークダウンでの逆バイアスした PN 接合は,約 2.5 V∼5 V のブレ

ークダウン電圧をもつ。ABD と異なり,ツェナ電圧は電流によってかなり増加し,ブレークダウン電圧の

2 倍程度となる場合がある。

A.1.2.4

パンチスルーダイオード  パンチスルーダイオードは,NPN  又は PNP 構造である。印加電圧の

増加による中央部の空乏層の拡がりを利用して,二つの PN 接合の空間電荷領域間の導通を得る。パンチ

スルーダイオードは,1 V 程度のブレークダウン電圧も可能であり,低電圧,小静電容量のため,ツェナ

ダイオードの代替として使用できる。

A.1.2.5

フォールドバックダイオード  フォールドバックダイオードは,引き戻り又は“フォールドバッ

ク(折り返し)

”電圧制限特性とするためにトランジスタ動作を利用した NPN 又は PNP 構造である。い

ったんブレークダウン電圧に到達すると,電極間電圧は,電流増加に従って,ブレークダウン電圧の約

60  %まで急激に低下する。さらに電流が大きくなるとは,デバイス電圧は上昇する。同じブレークダウ

ン電圧の ABD に比較して,フォールドバックダイオードはより低い制限電圧となる。

“フォールドバック”の量は,ブレークダウン電圧に依存する。10 V デバイスにおいては,フォールド

バックの量は非常に小さい。

A.2

電圧スイッチング形デバイス  負荷と並列接続するスイッチング形 SPD は,電流を分流するように,

低インピーダンス経路を形成することで,設定電圧を超える過電圧を制限する非線形部品である。


19

C 5381-22

:2007 (IEC 61643-22:2004)

     

附属書   2  電圧スイッチング形デバイスの回路

A.2.1

ガス入り放電管(GDT)  GDT は,2 極又はそれ以上の金属電極を 1 mm 以下のギャップで分離

し,セラミック管又はガラス管で保持した構造である。大気圧以上又は以下の圧力の混合した不活性ガス

を内部に封入している。ギャップ間にゆっくり上昇する電圧が,電極間隔,ガス圧及び混合ガスによって

設定した値に達すると,電離過程が始まる。この電離過程は,装置の電極間で急速にアークを形成し,一

般的に残留電圧を 30 V 未満の値にする。この過程が起きた電圧を,デバイスの放電開始(ブレークダウ

ン)電圧と定義する。

印加する電圧(例えば,過渡電圧)が急激に上昇する場合,電離又はアーク形成の時間によって,一時的

な過渡電圧が前述のブレークダウン値を超える場合がある。

この電圧をインパルス放電開始電圧と定義し,

一般に印加した電圧(過渡現象)上昇率の正関数になる。

スイッチング動作及び丈夫な構造によって,GDT は電流通電能力で他の SPD 素子より優れている。  多

くのタイプの GDT は 8/20 のサージ波形で 10 kA 程度の電流を容易に通電できる。

GDT

の構造が,一般に 2 pF 未満の非常に小さい静電容量にしており,多くの高周波回路への適用を可

能としている。

GDT

が動作する場合,これらは敏感な電子回路に影響を及ぼす電磁波を発生することがある。したがっ

て電子回路から離隔して,GDT 回路を配置することが望ましい。距離は,電子回路への影響度に依存し,

いかに電子回路を遮へいしているかによる。影響を回避する別の方法は,GDT を遮へいしたケース内に配

置することである。

A.2.2

エアギャップ  この SPD 素子は,動作の点で GDT に類似している。相違点は,構造及び名称か

ら,電極を分離するガスが大気であることである。構造の違いは,一般に 0.1 mm 程度の狭いギャップと

電極が金属ではなく炭素であることである。アーク過程に起因するカーボン粉及び大気からのじんあい並

びに湿気が,デバイスの耐用年数を短くする要因となる。さらに,じんあいの粒子はギャップを橋絡して

可変抵抗になり,通信回線へ雑音を発生する場合がある。

大気をガス絶縁体として使用するので,この部品の実用上最も低い放電開始電圧は,一般に 350 V であ

り,GDT の場合には,約 70 V である。しかし,ギャップ長が短いため,インパルス比率,すなわちイン

パルス放電開始電圧と放電開始電圧との比率は,GDT よりエアギャップの方が小さい。数百万個のデバイ

スが現在使用中で,依然として多量に製造している。

A.2.3

サージ防護サイリスタ(TSS)−定電圧形  定電圧形サージ防護サイリスタ(以下,TSS という。)

電源

インピーダンス

サージ電流

電圧制限

SPD

又は

IT

E

SPD

又は ITE

の電圧

サージ

スイッチング

インパルス

電圧


20

C 5381-22

:2007 (IEC 61643-22:2004)

     

は,しきい値電圧(A.1.2.2,A.1.2.3 及び A.1.2.5 参照)を設定する内部の PN 接合のブレークダウン電圧

を利用する。この電圧は,TSS 製造業者が設定する。ブレークダウン電流以上になると,PNPN 構造が回

生動作し低い電圧状態にスイッチングする。ブレークダウン電圧のピーク値は,ブレークオーバ電圧

V

(BO)

という。TSS が動作を停止するために,防護するシステムの供給電流は,通常数百 mA の TSS 保持電流

以下でなければならない。すべての TSS パラメータは温度の影響を受けやすいため,この技術を用いた
SPD を使用する場合は考慮することが望ましい。

双方向 TSS は対称又は非対称にできる。片方向の TSS は,単一の極性だけで動作する。他方の極性では,

TSS

が電流を阻止するが,ダイオード(PN 接合)を並列に集積化した場合,大きな電流を通電する。これ

ら片方向タイプは,特定の用途において利点がある。

TSS

の複数の PN 接合が,全体の静電容量を一般に数十∼数百 pF に低減する。すべての PN 接合デバイ

スの静電容量は,直流バイアス及び発振信号電圧に依存する。ブレークダウン電圧は,電流上昇に依存す

る。商用周波電圧は,遅い上昇率のブレークオーバ電圧を決定するために使用し,速い上昇率のインパル

スブレークオーバ電圧は 10  %∼20  %高くなることがある。

TSS

が動作するとき,敏感な電子回路に影響を及ぼす電磁波を発生することがある。この種の防護を適

用する場合には,近接した電子回路への結合を最小限にするよう注意することが望ましい。

A.2.4

ゲート付サージ防護サイリスタ(TSS)  電圧制御 TSS は,PNPN 構造の中央部の P 又は N 領域

へのゲート接続を用いる。外部基準へのゲート接続は,TSS のしきい値電圧に類似した値に設定する。こ

の形式の TSS は外部基準電圧値近傍に過電圧を制限することが要求されるところで使用する。外部基準は,

電子機器の電源電圧の場合がある。P 形ゲート TSS は負特性の電圧保護,及び N 形ゲート TSS は正特性

の電圧保護を行う。片方向及び双方向デバイスが利用可能である。


21

C 5381-22

:2007 (IEC 61643-22:2004)

     

附属書 B(参考)電流制限デバイス

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

B.1

電流遮断デバイス  これらの素子は,通常回路電流が流れる直列に接続している部品である。過電流

状態が起こると電流を遮断し,回路をオープンにする。これらの素子は,通常復帰できない。

附属書   1  電流遮断デバイスの回路

B.1.1

ヒューズ抵抗  これらのデバイスは,過電流遮断機能をもった線形の抵抗である。遮断機能は,直

接抵抗技術に含めているか,又は部品を統合した分離形の素子である。

B.1.1.1

厚膜抵抗  これらのデバイスは,セラミック基板上に抵抗線路で形成する。正確に抵抗値を調整

するために,レーザトリミングを用いている。例えば,基板の片面には平衡が必要となる用途に合うよう

に二つの電力抵抗器を配置し,他の面には別のシステムに使用する抵抗を配列する。

厚膜抵抗器の配置及び熱容量は,抵抗がインパルスエネルギーの影響を受けにくいように考慮する。こ

れらの素子は,長時間の交流過電圧状態の下で電流遮断を供するために主として用いており,  パルス吸収

抵抗と呼ぶ場合がある。

交流過電圧状態の下で発生した熱は,セラミック基板上で大きな熱こう配を引き起こす。こう配が過度

な場合には,基板が割れたり,小片化して,抵抗線路を破壊し電流を遮断する。

長時間の電流遮断特性を改善するために,合金製温度ヒューズを直列に付ける場合がある。

B.1.1.2

巻き線形ヒューズ抵抗器  これらの素子は,ヒューズ又は低融点のスプリング又は結合部を組み

込んだ巻き線抵抗であり,多くは無誘導巻きである。

B.1.2

ヒューズ  ヒューズは,過電流に対し電気回路を保護するための自己破壊形素子である。電流の流

れているヒューズ線が溶けることによって電流を遮断する。ヒューズの溶断が,過渡電圧を発生する場合

がある。

B.1.3

温度ヒューズ  これらの素子は,感熱形遮断装置として知られている。周囲の温度が増加すること

によって,電流を遮断し,過負荷に対する保護を行う。温度ヒューズは,復帰可能なものと復帰できない

ものとがある。

電源

インピーダンス

サージ電流

遮断

電流制限

遮断

SPD

又は ITE

の電流

電流サージ

サージ

SPD

又は

IT

E


22

C 5381-22

:2007 (IEC 61643-22:2004)

     

B.2

電流低減デバイス  これらの素子は,通常電流を通す直列の部品である。過電流状態では,素子の抵

抗が増加し,電流を低減する。

附属書   2  電流低減デバイスの回路

一般に電流低減素子として正温度特性係数サーミスタ(以下,PTC という。

)を用いる。PTC は,本体

温度が規定の動作温度(通常 130  ℃)以上に高くなると,その抵抗値が指数関数的に増加する部品である。

本体温度が基準温度(通常 25  ℃)に冷えると PTC の抵抗値はほぼ動作前の値に復帰する。PTC は通常,

PTC

に流れる回路電流が加熱及び温度上昇をもたらすような直接(内部的)加熱方式によって用いる。イ

ンパルス電流による発熱は通常小さいため,PTC は動作しない。電流値が大きいほど,動作時間(PTC 応

答時間)は短い。動作したときには,高い PTC の抵抗値が,回路の電流を低い値まで低減させる。電源が

十分な電圧をもっている場合には,PTC は高電圧で,低電流の動作状態を維持する。過電圧が停止すると,

PTC

は冷却し低抵抗値に復帰する。PTC は,最大(不動作)突入電流及び損傷しない(動作)電圧で定格

付けする。

B.2.1

ポリマ PTC(正特性係数抵抗)  これらの PTC は,一般にポリマに導電性材料(通常カーボン)

を混ぜて製造する。抵抗値として 0.01  Ωから 10  Ω程度のものが一般的である。動作していない時の抵

抗値は温度に対してほぼ一定である。

動作し,冷却した後の抵抗値は,元の値よりも 10  %から 20  %高くなる場合がある。動作した後の PTC

の抵抗変動はシステムのライン平衡度を変えることになる。この変動を平衡度要求に対して評価すること

が望ましい。

ポリマ PTC は,セラミック PTC に比べ熱容量が小さく,動作時間が短い。

B.2.2

セラミック PTC  これらの PTC は,強誘電体の半導体材料で製造し,抵抗値が 10  Ω∼50  Ω程度

のものが一般的である。動作しない温度範囲のほぼ全域にわたり,抵抗値が温度上昇に伴いわずかに減少

する。

動作後に冷却すると,抵抗値は元に近い値に復帰するため,セラミック PTC は,平衡ラインへの使用に

適している。

インパルス印加条件では,セラミック PTC の実質的な抵抗値は,電圧レベルに応じて減少し,電流が流

れていない時の 70  %にまで減少する場合もある。

SPD

又は

IT

E

電流制限

電源

インピーダンス

サージ電流

サージ

SPD

又は ITE

の電流

電流サージ

低減

低減


23

C 5381-22

:2007 (IEC 61643-22:2004)

     

B.2.3

電子式電流制限器  これらの直列に接続する電子デバイスは,しきい値電流以下の電流レベルに対

しては低抵抗であり,流れる電流が,しきい値電流を超えたときに高抵抗状態に移行する。幾つかの点で,

これらの制限器は,PTC サーミスタと類似の動作をするが,電子回路方式であるため幾つかの性能的な違

いがある。

−  電力を印加することなく高抵抗状態を維持し,保護される ITE 装置を効果的に切り離す。

−  温度上昇よりむしろ過電流によって直接的に起動し,応答時間はマイクロ秒程度であり,インパルス

又は交流のサージ条件でも電流の減少が起こる。

−  部品の特性は,多重サージによる影響を受けない。

−  応答時間が短いため,インパルス又は交流のサージ条件で,多段防護 SPD 及び ITE の SPD と自動的

に協調が達成できる。さらに地電位上昇サージが広がることも防ぐ。

重要なパラメータには,定常状態での抵抗値,しきい値電流,応答時間及び高抵抗状態での最大耐電圧

を含む。

B.3

電流分流デバイス  分流は,負荷の間を効果的に短絡する。デバイスの温度上昇又は負荷電流検出に

よって動作する。

附属書   3  電流分流デバイスの特性

B.3.1

ヒートコイル  ヒートコイルは,保護する回路に直列に配置する温度感応機構素子である。この用

途においてヒートコイルは,電流を接地に分流することで,被保護装置に電流が流れ込むことを防ぐ。通

常,はんだによって,動作しない位置に保持した接地点をもつ構造となっている。一般にコイル状の抵抗

線及びスプリングが熱源となり,はんだが溶けた場合に接地する。

熱源であるコイル状の抵抗線には,電流が流れ込まないことが望ましい。通信用抵抗の抵抗値は,一般

に 4.0  Ωであり,21  Ω又は 0.4  Ωが使われる場合もある。ヒートコイルは接触部が短絡(又は開放)に

なると,電流がコイルをう(迂)回して直接,接地に流れるよう接続する。

ヒートコイルは通常,一度だけ動作するデバイスである。これは,ヒートコイルを内蔵する SPD に交換

すること以外に,回線及び SPD 自体の動作状態に復旧することがでないことを意味する。ヒートコイルは

SPD

を交換せずに手動で復旧できるようにしたものである。ヒートコイルは一般に,50 Hz 又は 60 Hz の

電力線から誘導を受ける電流用に限って使用する。

電源

インピーダンス

サージ電流

電流制限

SPD

又は

IT

E

SPD

又は ITE

の電流

電流サージ

サージ

分流

分流


24

C 5381-22

:2007 (IEC 61643-22:2004)

     

また,過電流によって開放回路とする電流遮断ヒートコイルを作ることもできる。

B.3.2

電流動作形ゲート付きサイリスタ  電流動作形 TSS は,PNPN 構造中央部の P 又は N 領域に接続

したゲートをもつ。ゲート端子と隣接する保護端子は,回路電流がゲート端子を通過するように回路に直

列に接続する。回路電流がトリガ値を超えると,スイッチングによる分流が起こる。トリガ電流値におけ

るゲート端子と隣接保護端子との間電位差は,約 0.6 V である。

実際は,ゲート電流トリガ値が通常の回路電流より低い場合がある。誤点弧を避けるために,ゲート端

子及び適切な主端子間に接続した低い抵抗(通常 1  Ω∼10  Ω)を介して一部の電流をバイパスすること

によって,スイッチングのための回路電流値を増加できる。

電流動作形 TSS 部品は,

単一極性又は両極性の電流によって動作するように設計できる。

P

ゲート形 TSS

は正のゲート電流で動作し,N ゲート形 TSS は負のゲート電流で動作する。P 及び N の複合ゲート形 TSS

は,正負両極性のゲート電流で動作する。

B.3.3

温度スイッチ  これらのスイッチは,電圧制限デバイス(通常 GDT)上に取り付ける感温動作機

構デバイスである。それらは一般には復帰できないデバイスである。絶縁樹脂の溶融及びはんだペレット

の溶融及び断路デバイスの三つの動作技術がある。

−  樹脂溶融を用いたスイッチは,ばねと絶縁樹脂とからなり,この樹脂がばねによる電圧制限デバイス

の金属導電部間の接触を防いでいる。樹脂が溶融するとばねが導電部間を接触し,電圧制限デバイス

を短絡する。

−  はんだペレット溶融を用いたスイッチは,はんだペレットを使ったばね機構によって回線と接地との

接触を防いでいる。熱的な過負荷が起こると,はんだペレットが溶融し,電圧制限デバイスを短絡す

る。

−  断路スイッチは,はんだ接合によって開放状態に組み立てられたばねを用いるものが代表的であり,

動作温度に達すると電圧制限デバイスを短絡する。はんだが溶融するとスイッチを解放し,電圧制限

デバイスを短絡する。

電圧制限デバイスが連続通電にさらされた熱的過負荷状態での温度上昇によって溶融が起こる。これら

のスイッチが動作すると,電圧制限デバイスは一般に接地に対して短絡となり,それまで電圧制限デバイ

スに流れていたサージ電流は接地に流れる。


25

C 5381-22

:2007 (IEC 61643-22:2004)

     

附属書 C(参考)リスクマネジメント

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

C.1

雷放電によるリスク

C.1.1

リスク算定  雷によって起こり得る損失のリスク算定は,検討する場所に関連した次の諸量を算定

することである。

−  雷撃密度

−  大地抵抗率

−  設置状況(埋設,架空,遮へい又は非遮へいケーブル)

−  被保護装置の耐力

この算定を終了することで,防護手段の要否,例えば SPD の必要性などを決定する。

もし対策が必要であれば,防護手段の選択は,得られた情報だけでなく初期及び保守コストに基づくこ

とが望ましい。さらなる情報及び計算手法を参考文献に示す。

C.1.2

リスク分析  リスク分析の目的は,雷による予想損失リスク(R

p

)を許容損失リスク(R

a

)以下の値に

低減することである。しかし,もし R

p

>R

a

であれば,R

p

を低減するために防護手段が必要となる。損失の

リスクは,通信及び信号線(例えば,絶縁破壊)並びに接続した装置が原因で起こる。

−  R

pi

は,通信線又は信号線によって影響する間接雷のリスクであり,雷撃密度,線路長,絶縁材質,大

地抵抗率及び遮へい効果に依存する。

−  R

ps

は,通信線又は信号線が終端しているか又は通過している建築物等への直撃雷のリスクであり,建

築物等への直撃雷数の予想年間平均数,直撃雷電流のピーク値及びその発生確率に依存する。

−  R

pd

及び R

pa

は,埋設又は架空ケーブルへの直撃雷のリスクであり,大地雷撃密度,絶縁状態,環境要

素,線路長,大地抵抗率及びケーブルの遮へい効果に依存する。

予想損失リスク R

p

は,年間損失予想発生頻度の推定の合計であり,使用者におけるサービスの予想不稼

働時間である。

R

p

=R

pi

+R

ps

+R

pd

+R

pa

C.1.3

リスク評価  リスク評価は,例えば絶縁物のせん(穿)孔又は導体の融解,及び/又はケーブルに

接続した装置が許容限界以下のサービスの中断又は劣化を引き起こす損失など,ケーブルの損失リスクを

対象にする。

C.1.3.1

リスク基準  ケーブル及び接続した機器の最小耐力特性は,リスク基準を仮定しなければならな

い。

−  二つの金属導体間の最小ケーブル耐力は,次を仮定する。

・ 1.5

kV

の紙絶縁ケーブル

・ 5

kV

の端子台を含んだプラスチック絶縁ケーブル

−  通信又は信号線に沿って設置された機器若しくは端部に接続した機器は,次の最小インパルス過電圧

(コモンモード)に耐えることが望ましい。

・ 1

kV

  10/700

µs:ITU-T 勧告 K.20 において通信センタ端部における機器に要求している。

・ 1.5

kV

  10/700

µs:ITU-T 勧告 K.21 及び K.45 において加入者ビル端部又は線路に沿った機器に要


26

C 5381-22

:2007 (IEC 61643-22:2004)

     

求している。

−  その他のすべての場合(信号回線)において,適用できる製品又は一般的な EMC 規格を使わなけれ

ばならない。

C.1.3.2

評価手順  防護の必要性を評価するための手順を,附属書 図 に示す。

附属書   1  リスク評価手順

C.1.4

リスク処置対策  通信又は信号回線用に次の防護手段又はその組合せを検討する。

−  サージ防護デバイス(SPD)の使用

−  架空ケーブルの代わりに地中埋設ケーブルの敷設。すなわち回線部分の敷設係数を改善するため。

−  遮へい,すなわち回線の遮へい係数を改善する。遮へいしていないケーブルの代わりに遮へいしたも

のを選定し,遮へい係数が減少しているケーブルを取り替える。

−  ケーブル耐力の増加,例えば,SPD の使用と組み合わせて,紙絶縁被覆導体の代わりにプラスチック

絶縁被覆導体を選択する。

−  経路の冗長性

前述した防護手段の使用が次のものに対する損害のリスクを低減する。

−  ケーブルの絶縁

−  通信又は信号回線に接続している機器

機器は最小耐力を 
満足しているか?

付加防護デバイスを設置する

本体 9.参照

線路が入っている建築物等に 
直撃雷のリスクがあるか?

線路は市街地にあるか?

サービスの不稼働時間を

評価できるか?

IEC 61663-2

で示した

値を使う

評価

R

ps

線路は雷に対して

保護されている

線路は雷に対して

保護されている

サービスの不稼働時間を

評価できるか?

IEC 61663-2

で示した値を使う

評価

R

pi

R

ps

R

pa

R

pd

R

p

<R

a

防護手段を講じる

IEC 61663-2

参照


27

C 5381-22

:2007 (IEC 61643-22:2004)

     

ケーブルの種類及び異なった回線部分での敷設条件が変更できない場合,SPD の使用が機器を防護す

る唯一可能な方法である。

C.2

電力線地絡によるリスク  大地電力系統(電力供給及び鉄道輸送システム)の事故状況による通信及

び信号回線の過電圧のリスクは次に依存する。

−  通信又は信号回線から電力線までの距離

−  大地抵抗率

−  電圧レベル及び電力系統の種類

電力系統の地絡は,配電線に不平衡大電流を流す原因となり,平行な経路に沿って隣接する通信又は信

号回線に過電圧を誘起する。配電線に使用する事故復旧システムによっては過電圧が数 kV まで上昇し,

継続時間は 200∼1 000 ms(場合によっては更に長時間)になることもある。地絡による過電圧の計算方法

を JIS C 5381-12 

附属書 に示す。

C.2.1

交流電力システム  大地抵抗率及び距離が,附属書 表 の条件を満たす場合,交流架空線電力シ

ステムの事故状況に対する正確な計算は必要ない。

附属書   1  交流架空線電力システム

環境

大地抵抗率

Ωm

距離

m

郊外

≦3 000

> 3 000

郊外

>3 000

>10 000

都市

≦3 000

>  300

都市

>3 000

> 1 000

大地抵抗率及び距離が,

附属書 表 の条件を満たす場合,交流地中埋設電力ケーブルの事故状況に対

して正確な計算は必要ない。

附属書   2  交流地中埋設電力ケーブル

環境

大地抵抗率

Ωm

距離

m

郊外

≦3 000

> 10

郊外

>3 000

>100

都市

適用しない

>    1

C.2.2

直流電力システム  大地抵抗率及び距離が,附属書 表 の条件を満たす場合,直流架空線電力シ

ステムの事故状況に対しての正確な計算は必要ない。

附属書   3  直流架空線電力システム

環境

大地抵抗率

Ωm

距離

m

郊外

≦3 000

>400

郊外

>3 000

>700

都市

≦3 000

> 40

都市

>3 000

> 70

大地抵抗率及び距離が,

附属書 表 の条件を満たす場合,直流地中埋設電力ケーブルの事故状況のた


28

C 5381-22

:2007 (IEC 61643-22:2004)

     

めの正確な計算は必要ない。

附属書   4  直流地中埋設電力ケーブル

環境

大地抵抗率

Ωm

距離

m

郊外

≦3 000

> 10

郊外

>3 000

>100

都市

適用しない

>    1

C.3

地電位上昇  検討中。


29

C 5381-22

:2007 (IEC 61643-22:2004)

     

附属書 D(参考)情報技術システムに関連する伝送特性

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

附属書 は,SPD を選定するときに,考慮すべき情報技術システムの伝送特性に関するデータを提供す

る。SPD は,適用に応じて関連する JIS C 5381-21 の試験を実施することができる。SPD の設置は,ネッ

トワーク事業者,ネットワーク管理者及びシステム製造業者が与える制限規定及び/又は所要性能を追加

する場合がある。

D.1

通信システム  通信システムは,附属書 表 による。

附属書   1  アクセス系ネットワークにおける通信システムの伝送特性

システム

ビット
レート

kBit/s

帯域

kHz

チャンネル

規格類

特性インピ

ーダンス

Ω

最大許容

減衰量

dB/kHz

備考

アナログ –  0.3∼3.4

ETSI ETS 300

001 [5].

TBR 21 [6].

TBR 38 [7]

Z

L

(複素数)

各種あり

PCM11 784 0

∼600

11 x 64 kbit/s +

1 x 64 kbit/s

ETSI TS 101

135 [8]

135 31/150

ISDN

PMXA

2 048

0

∼5 000

30 x 64 kbit/s

130

40/1 000

本伝送システムに対
する適切な国際標準

は な い 。 ITU-T 

G.703[9]

は,顧客にお

け る 勧 告 で あ る  (6

dB/1 MHz)

ISDN-BA 160  0

∼120

2 x 64 kbit/s +

1 x 16 kbit/s

ITU-T G.961

[10]

ETSI TS 102

080 

附属書 B

[11]

150 32/40

ヨーロッパ系 ISDN

ISDN-BA

と“ヨーロ

ッパ系 ISDN”に物理
的なレイヤに関する

差異はない。しかし,
レイヤ 2 とレイヤ 3
の中にプロトコルの

違いがある。

PCM2A

160

約 120

PCM4:

4 x 32 kbit/s

ITU-T G.961

[10]

150

32/40

PCM4 192

約 80 PCM2:

2 x 64 kbit/s

ETSI TS 102

080. 

附属書 B

附属書 A [11] 

135 36/40

両システムは  ETSI 

102 080

附属書 

附属書 B [11]に従っ
て 2B1 Q 及び 4B3T
のラインコードの使

用を許可している。

SDSL 192

2 312

各種

約 800 まで

各種あり

ETSI TS 101

524 [12]

135

各種あり


30

C 5381-22

:2007 (IEC 61643-22:2004)

     

附属書   1  アクセス系ネットワークにおける通信システムの伝送特性(続き)

システム

ビットレ

ート

kBit/s

帯域

kHz

チャンネル

規格類

特性インピ

ーダンス

Ω

最大許容

減衰量

dB/kHz

備考

HDSL 784

1 568

又は

2 312

0

∼1 000

(12

∼32) x

64 kbit/s

ETSI TS 101

135 [8]

135 31.27

又は 22/150

ADSL 32

∼8 192

138

∼1 104

各種あり

ETSI TS 101

388[13];

ITU-TG.992.1

Annex B [14]

100

各種あり

VDSL 2

∼30 000

138

∼12 000

各種あり

ETSI TS 101

270-1 [15].

ETSI TS 101

270-2 [16]

135

各種あり

D.2

信号系測定及び管理システム  信号系測定及び管理システムは,附属書 表 による。

附属書   2  加入者側にある情報技術システムの伝送特性

システム

ビット

レート

kBit/s

クラス

近端漏話減衰量

1)

dB

規格類

特性インピ

ーダンス

Ω

最大許容減衰量

dB/kHz

備考

ギガビット 
イーサネット

(1 000 Base T)

D (5e)

30.1(100 MHz)

EN 50173-1 [17]

100 24

(100 MHz)  最長 100 m

ACR

1)

[dB]

6,1

( 100

MHz

イーサネット

(100 Base T)

100

Mbit/s

D (5)

27.1(100 MHz)

ISO/IEC 8802-5

[18]

100 24

(100 MHz)  最長 100 m

ATM 155

Mbit/s

D (5)

27.1(100 MHz)

EN 50173-1 [17]

100 24

(100 MHz)  最長

100 m

トークンリン

16

Mbit/s

C (3)

19.3(16 MHz)

ISO/IEC 8802-5

[18]

EN 50173-1 [17]

150 14.9

(16 MHz)  最長

100/150 m

1)

チャンネル性能

備考  さらに遠方での伝送特性は,EN 50173 に次のように記載してある:リターンロス,PSNEXT,PSACR,ELFEXT  及

び PSELFEXT7.2.2  測定及び管理 

D.3

ケーブルテレビシステム  ケーブルテレビシステムは,附属書 表 による。


31

C 5381-22

:2007 (IEC 61643-22:2004)

     

附属書   3  ケーブルテレビシステムの伝送特性

システム

帯域

MHz

リターンロス

dB

f > 50 MHz

最小リターン

ロス dB at 50

MHz

システム

出力(顧客側)

規格類

特性イ
ンピー
ダンス

Ω

最大許容減衰量

dB/100 m(450 MHz)

(ケーブルタイプ

に依存する)

備考

ブロードバン
ドテレビ分配

ネットワーク

47

450

24 dB

以上

1 dB/

オクターブ

26 dB

まで

1dB/

オクターブ(ケ

ーブル種類に依存)

20 dB – 1,5

dB/

オクターブ

国 内 規 格
(ドイツ)

75

2.9

dB

 4.1 dB

 6.2 dB

12.2 dB

ブロードバン
ドテレビ分配

ネットワーク

47

862

24 dB

以上

1 dB/

オクターブ

26 dB

まで

1dB/

オクターブ(ケ

ーブル種類に依存)

未定

国内規格

EN

50083-1

[19]

75

2.9

dB

 4.1 dB

 6.2 dB

12.2 dB

搬送信号
レベルは

システム
出力点で

最小 47 dB

最大 77 dB


32

C 5381-22

:2007 (IEC 61643-22:2004)

     

附属書 E(参考)SPDs/ITE の協調

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

本体 9.で検討した項目は,ブラックボックスである SPD をどのように協調させるのかを解くアプローチ

を困難にしている。使用者にとって,最も安全なアプローチは,製造業者に協調の得られている SPD の組

合せを推薦させることである。SPD の回路を熟知している製造業者は,協調を達成できるか,又は試験を

行わなければならないかを判断できる。使用者が SPD 回路を熟知している場合は,自分たちで SPD が協

調可能かどうかを判断できる。一般的な解析による多くの形態があるので,そのような計算手法をこの規

格では説明していない。

次に示すブラックボックスである SPD の協調解析は,線形近似しているため保守的であり最適な設計で

はない。SPD の電気的特性は,製造業者又は試験から提供されることを前提としている。SPD の中には,

縦電圧モード及び線間電圧モードの両方の過電圧に対する試験を必要とする。

次の三つのステップがある。

− SPD2 に対する入力端子耐力電圧及び電流波形を決定する。

− SPD1 に対する出力保護電圧及び電流波形を決定する。

− SPD1 と SPD2 の値を比較する。

保護開放回路出力電圧 U

p

に対する試験手順が JIS C 5381-21 の 5.2.1.3 で説明されている。JIS C 5381-21

の今後の改正では,保護短絡回路出力電流 I

P

に対する試験手順を定義する予定である。

E.1

  U

IN

及び I

IN

の決定  SPD1 と SPD2 との協調は,JIS C 5381-21 を使って達成することができる。SPD2

と ITE との協調は,

U

IN ITE

及び

I

IN ITE

が ITE 製造業者又は関連した ITE の製品標準から提供される場合

に可能となる。ITE は,定格状態の下で SPD2 によって得られる防護レベル

U

p2

及び

I

P2

に耐えることを

前提としている。ITE のインピーダンスは,保護状態においては大きく変化する場合があり,SPD2 の出

力端子は,開放回路状態及び短絡回路状態などの極端な負荷状態を考慮すべきである。

SPD2

を定格インパルス値で試験する場合,電圧及び電流に対する耐力波形は,SPD2 の入力端子に現れ

る。それぞれの定格状態に対しては二つの波形がある。一つは,開放回路出力そしてもう一つは短絡回路

出力である。

附属書   1 に協調検証プロセスを示す。

E.2

  SPD1

に対する出力保護電圧及び電流波形の決定  SPD1 の役割はシステムの耐力レベルを上げるこ

とであり,SPD2 と同じ試験(ただしより高い電圧レベルで)で評価する。SPD1 を定格インパルス値で

試験すると,電圧及び電流の保護波形は,SPD1 の出力端子に現れる。それぞれの定格状態に対しては二

つの波形があり,一つは開放回路出力,もう一つは短絡回路出力である。この場合,定格状態で現れる防

護レベルが起こり得る最大値であることを確認するために,より低い電圧試験レベルで SPD1 を確認する

ことを推奨する。


33

C 5381-22

:2007 (IEC 61643-22:2004)

     

附属書   1  協調検証プロセス

二段接続の SPD が過電圧状態でも協調できるように,SPD1 からの出力保護レベルは,既知のすべての

定格状態に対して,SPD2 の入力耐力レベルを超えないようにする必要がある(

附属書   1 参照)。

E.3

  SPD1

値と SPD2 値とを比較  協調は,次のすべての条件が満たされる場合に達成する。

−  U

p

 <U

IN

−  I

P

 <I

IN

−  U

p

波形を U

IN

波形に含む。

−  I

P

波形を I

IN

波形に含む。

製造業者から協調条件が

得られるか?

製造業者から

U

IN

及び

IN

が得られるか?

 

U

IN

及び

IN

の決定

 

U

P

U

IN

及び/又は

P

IN

の SPD の選択。又は,

P

(及び/又は U

P

)を

IN

以下に減少させるため

の,減結合回路の挿入

JIS C 5381-21

を用いた

SPD

の U

P

及び

P

の決定

U

P

U

IN

及び/又は

P

IN

協調の達成


34

C 5381-22

:2007 (IEC 61643-22:2004)

     

対応する耐力波形が保護波形を包含する場合,時間要素の協調は達成される。このピーク値及び時間に

おいて,協調が完成する。しかし,一部の部品は変化率(

例  TSS は di/d定格をもっている)に敏感であ

り,その結果,協調が失敗する場合がある。このレベルの詳細は,このアプローチの範囲を超えている。

E.4

試験による協調検証の必要性  次のいずれの状態も,SPD1 と SPD2 との組合せを試験によって検証

する必要がある。

−  U

p

 >U

IN

  I

P

 >I

IN

  U

p

波形が U

IN

波形より長い。

  I

P

波形が I

IN

波形より長い。

製造業者が協調条件を提供している場合,試験による検証は必要がない(

附属書   1 参照)。


35

C 5381-22

:2007 (IEC 61643-22:2004)

     

______________________________________________________________________________________________

参考文献

[1] IEC 61663-2 : 2001

,Lightning protection – Telecommunication lines – Part 2: Lines using metallic conductors

[2] ITU-T Recommendation K.20 : 2003

,Resistibility of telecommunication equipment installed in a

telecommunications centre to overvoltages and overcurrents

[3] ITU-T Recommendation K.21 : 2003

,Resistibility of telecommunication equipment installed in costumer

premises to overvoltages and overcurrents

[4] ITU-T Recommendation K.45 : 2003

,Resistibility of telecommunication equipment installed in the access and

trunk networks to overvoltages and overcurrents

[5] ETSI ETS 300 001 : 1997

,Attachments to the Public Switched Telephone Network (PSTN);General technical

requirements for equipment connected to an analogue subscriber interface in the PSTN

[6]  ETSI TBR 21 : 1998: Terminal Equipment (TE); Attachment requirements for pan-European approval for

connection to the analogue Public Switched Telephone Networks (PSTNs) of TE (excluding TE supporting the

voice telephony service) in which network addressing

,if provided,is by meansof Dual Tone Multi Frequency

(DTMF) signalling

[7]  ETSI TBR 38 : 1998: Public Switched Telephone Network (PSTN);Attachment requirements for a terminal

equipment incorporating an analogue handset function capable of supporting the justified case service when

connected to the analogue interface of the PSTN in Europe

[8] ETSI TS 101 135 : 2000 : Transmission and Multiplexing (TM); High bit-rate Digital Subscriber Line (HDSL)

transmission systems on metallic local lines; HDSL core specification and applications for combined

ISDN-BA and 2 048 kbit/s transmission

[9] ITU-T G.703 : 2001

,Physical/electrical characteristics of hierarchical digital interfaces

[10] ITU-T G.961 : 1993

,Digital transmission system on metallic local lines for ISDN basic rate access

[11] ETSI TS 102 080 : 2003 : Transmission and Multiplexing (TM); Integrated Services Digital Network (ISDN)

basic rate access; Digital transmission system on metallic local lines

[12] ETSI TS 101 524 : 2001 : Transmission and Multiplexing (TM); Access transmission system on metallic access

cables; Symmetrical single pair high bitrate Digital Subscriber Line (SDSL)

[13] ETSI TS 101 388 : 2002: Transmission and Multiplexing (TM); Access transmission systems on metallic access

cables; Asymmetric Digital Subscriber Line (ADSL) – European specific requirements

[14] ITU-T G.992.1 : 1999

,Asymmetrical digital subscriber line (ADSL) transceivers

[15]  ETSI TS 101 270-1 : 2003 : Transmission and Multiplexing (TM); Access transmission systems on metallic

access cables;Very high speed Digital Subscriber Line (VDSL) – Part 1: Functional requirements

[16]  ETSI TS 101 270-2 : 2001 : Transmission and Multiplexing (TM); Access transmission systems on metallic

access cables;Very high speed Digital Subscriber Line (VDSL) – Part 2: Transceiver specification

[17]  EN 50173-1 : 2002

,Information technology – Generic cabling systems – Part 1: General requirements and

office areas

[18] ISO/IEC 8802-5 : 1998

,Information technology – Telecommunications and information exchange systems –

Local and metropolitan area networks – Specific requirements – Part 5: Token ring a physical layer

specification

[19]  EN 50083-1 : 1993

,Cable networks for television signals,sound signals and interactive services – Part 1:

Safety requirements

[20]  IEC 60728-2 : 2002

,Cable distribution systems for television and sound signals – Part 2: Electromagnetic


36

C 5381-22

:2007 (IEC 61643-22:2004)

     

compatibility for equipment

[21] JIS C 5381-12 : 2004

  低圧配電システムに接続するサージ防護デバイスの選定及び適用基準

備考  IEC 61643-12  : 2002  Low-voltage surge protective devices−Part 12: Surge protective

devices connected to low-voltage power distribution systems−Selection and application 
principles が,この規格と一致している。

[22] IEC 61662 : Assessment of the risk of damage due to lightning

[23] IEC 62305-1 : Protection against lightning – Part 1: General principles

(準備中)

[24] IEC 62305-2 : Protection against lightning – Part 2: Risk management

(準備中)

[25] CENELEC Report ROBT 003; ETSI Guide EG 201 280: Resistibility requirements for equipment having (a)

telecommunication port(s)

[26] IEC ACOS/226/INF 08/2000 ; General Risk Management Terminology

,guidelines for use in standards

[27] prEN 50351 : Basic standard for the calculation and measurement methods relating to the influence of electric

power supply and traction systems on telecommunication systems

[28] ITU-T Recommendation K.11:1993

,Principles of protection against overvoltages and overcurrents

[29]  ITU-T Recommendation K.12:2000

,Characteristics of gas discharge tubes for the protection of

telecommunications installations

[30] ITU-T Recommendation K.22 : 1995

,Overvoltage resistibility of equipment connected to an ISDN T/S bus

[31]  ITU-T Recommendation K.27 : 1996

,Bonding configurations and earthing inside a telecommunication

building

[32] ITU-T Recommendation K.30 : 1993

,Positive temperature coefficient (PTC) thermistors

[33] ITU-T Recommendation K.39 : 1996

,Risk assessment of damages to telecommunication sites due to lightning

discharges

[34]  ITU-T Recommendation K.44 : 2003

,Resistibility test for telecommunication equipment exposed to over

voltages and over currents – Basic Recommendation

[35]  ITU-T Recommendation K.46 : 2003

,Protection of telecommunication lines using metallic symmetric

conductors against lightning induced surges

[36]  ITU-T Directives concerning the protection of telecommunication lines against harmful effects from electric

power and electrified railway lines; Volume II Calculation induced voltages and currents in practical cases

1989)