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C 5311-1994

(1) 

目次

ページ

1.

  適用範囲

2

2.

  用語の定義

2

3.

  試験の状態

2

3.1

  標準状態

2

3.2

  基準状態

2

3.3

  判定状態

2

4.

  試験機器及び装置

2

4.1

  交流電源

2

4.2

  直流電源

2

5.

  外観・構造及び寸法試験

3

5.1

  外観及び構造

3

5.2

  表示

3

5.3

  寸法

3

6.

  電気的性能試験

3

6.1

  絶縁抵抗試験

3

6.2

  耐電圧試験

3

6.3

  層間耐電圧試験

3

6.4

  無負荷損失試験

4

6.5

  無負荷電流,無負荷電圧試験

5

6.6

  電圧偏差試験

5

6.7

  電圧変動率試験

6

6.8

  極性試験

7

6.9

  インピーダンス電圧及び負荷損失試験

7

6.10

  中性点電圧不平衡度試験

8

6.11

  温度上昇試験

9

6.12

  コロナ放電試験

11

6.13

  過負荷試験

13

7.

  機械的性能試験

13

7.1

  端子強度試験

13

7.2

  耐振性試験

13

8.

  耐候性試験

14

8.1

  耐熱性試験

14

8.2

  耐寒性試験

14

8.3

  耐湿性試験

15


日本工業規格

JIS

 C

5311

-1994

電子機器用電源変圧器試験方法

Testing methods of power transformers for electronic equipment

1.

適用範囲  この規格は,主に電子機器に用いる定格出力 1kVA 以下,周波数 50Hz 又は 60Hz の単相電

源変圧器(以下,変圧器という。

)の試験方法について規定する。

備考1.  この規格の引用規格を次に示す。

JIS B 0252

  メートル細目ねじ用限界ゲージ

JIS B 7502

  外側マイクロメータ

JIS B 7507

  ノギス

JIS B 7516

  金属製直尺

JIS C 0010

  環境試験方法−電気・電子−通則

JIS C 0040

  環境試験方法(電気・電子)正弦波振動試験方法

JIS C 1303

  高絶縁抵抗計

JIS C 5310

  電子機器用電源変圧器通則

2.

この規格の対応国際規格を次に示す。

IEC 1007 (1990)

  Transformers and inductors for use in electronic and telecommunication equipment

−Measuring methods and test procedures

2.

用語の定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS C 0010 及び JIS C 5310 の規定による。

3.

試験の状態

3.1

標準状態  試験及び測定は,規定がない限り,JIS C 0010 の 5.3.1(標準状態の範囲)による標準状

態(温度 15∼35℃,相対湿度 25∼85%,気圧 86∼106kPa)で行う。ただし,この標準状態での測定値に

疑義を生じた場合又は特に要求された場合は,3.3 による。

3.2

基準状態  基準状態は,JIS C 0010 の 5.1[標準基準大気条件(基準状態)]による基準状態(温度

20

℃,相対湿度 65%,気圧 101.3kPa)とする。ただし,判定に疑義を生じない限り,温度だけをもって基

準状態としてもよい。

3.3

判定状態  判定状態は,JIS C 0010 の 5.2[判定測定,及び判定試験のための標準大気条件(判定状

態)

]による判定状態の温度 20±2℃,相対湿度 60∼70%,気圧 86∼106kPa とする。

4.

試験機器及び装置

4.1

交流電源  交流電源は,低内部インピーダンスのもので,低力率負荷で,ほぼ,正弦波交流電圧を

供給できるものとする。

4.2

直流電源  直流電源は,リップル電圧が試験電圧に比べて十分小さいものとする。


2

C 5311-1994

5.

外観・構造及び寸法試験

5.1

外観及び構造  外観及び構造の試験は,目視によって行う。

5.2

表示  表示の試験は,目視によって行う。

5.3

寸法  寸法の試験は,JIS B 7516 に規定の 2 級以上の金属製直尺,JIB B 7507 に規定のノギス又は

JIS B 7502

に規定のマイクロメータによって,また,ねじの寸法は,JIS B 7502 及び JIS B 0252 に規定の

ゲージで測定することによって行う。ただし,判定に疑義を生じない限り,他の測定器を用いてもよい。

6.

電気的性能試験

6.1

絶縁抵抗試験

6.1.1

装置  装置は,JIS C 1303 に規定の高絶縁抵抗計とする。ただし,判定に疑義を生じない限り,他

の装置を用いてもよい。

6.1.2

準備  供試変圧器の同一巻線に所属するすべての端子又はリード線を短絡し,静電遮へいは,鉄心

又はケースに接続する。

6.1.3

試験方法  試験する巻線相互間及び巻線と鉄心間又はケース間に個別規格に規定の試験電圧(直

流)を加え,1 分保った後,この電圧印加の状態で,絶縁抵抗を測定する。ただし,規定時間以内でも規

定された絶縁抵抗値を超えて測定の読みが安定するか,又は更に上昇する傾向にあるときは,これによっ

て判定してもよい。

6.1.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

測定箇所(6.1.3 参照)

(2)

試験電圧(6.1.3 参照)

(3)

印加時間(必要がある場合)

6.1.3 参照)

(4)

試験場所の相対湿度(必要がある場合)

6.2

耐電圧試験

6.2.1

装置  装置は 6.2.3 の試験を行うのに十分な性能のものとする。

なお,電源は,4.1 による。

6.2.2

準備  供試変圧器の同一巻線に所属するすべての端子又はリード線を短絡し,静電遮へいは,鉄心

又はケースに接続し接地する。

6.2.3

試験方法  試験する巻線相互間及び巻線と鉄心間又はケース間に規定周波数の規定電圧を規定が

ない限り 1 分間加えて,絶縁破壊,フラッシュオーバ,アークなどの異常がないかを調べる。

なお,電圧印加は,ほぼ,0V から毎秒 500V(実効値)以下の割合で規定の試験電圧まで上昇させ,1

分間保った後,徐々にほぼ,0V まで下げる。

6.2.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

測定箇所(6.2.3 参照)

(2)

試験周波数(6.2.3 参照)

(3)

試験電圧の印加方法(必要がある場合)

6.2.3 参照)

(4)

試験電圧(6.2.3 参照)

(5)

遮断電流(必要がある場合)

(6)

印加時間(必要がある場合)

6.2.3 参照)

6.3

層間耐電圧試験

6.3.1

装置  装置は,6.3.3 の試験を行うのに十分な性能のものとする。


3

C 5311-1994

なお,電源は,4.1 による。

また,規定周波数で電圧及び電流を測定でき計器は,入力電流の突発的変動を検知できるものとする。

短絡時,試験装置又は変圧器を保護するための装置を備えることが望ましい。

6.3.2

準備  規定以外の巻線は,すべて解放し,使用時に接地する端子を鉄心又はケースに接地する。

6.3.3

試験方法  規定の巻線に定格周波数  (F)  の 2 倍以上の規定周波数  ()   で,定格入力電圧の 2 倍の

電圧を 120×

f

E

秒間加えて,異常がないかどうかを調べる。

なお,この試験時間は,最長 60 秒間,最短 15 秒間とし,電圧印加は,毎秒 500V(実効値)以下の割合

で,ほぼ,0V から試験電圧まで上昇させ,規定時間保った後,徐々にほぼ,0V に下げる。

6.3.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

測定箇所(6.3.3 参照)

(2)

試験周波数(6.3.3 参照)

(3)

試験電圧の印加方法(6.3.3 参照)

(4)

試験電圧(6.3.3 参照)

(5)

遮断電流

6.4

無負荷損失試験

6.4.1

装置  装置は,次による。

(1)

電源  電源は,4.1 による。

(2)

測定回路  測定回路は,図 又は図 に示す回路による。

図 1  無負荷損失試験回路

図 2  無負荷損失試験回路

6.4.2

試験方法  試験方法は,次による。

(1)

測定  測定は,図 又は図 に示す回路を用い,すべての二次巻線を解放し,一次巻線に定格入力電

圧を加え,入力電力  (P

W

)

を測定する。

(2)

算出  無負荷損失は,次の式に従い計器の消費電力を差し引いてもとめる。

(2.1)

図 の場合

÷

÷

ø

ö

ç

ç

è

æ

+

=

V

rF

W

r

U

I

P

P

2

2


4

C 5311-1994

(2.2)

図 の場合

÷÷ø

ö

ççè

æ

+

=

V

M

W

r

I

r

I

U

P

P

2

ここに,

P

:  無負荷損失 (W)

P

W

:  電力計の読み (W)

U

:  電圧計の読み (V)

I

:  電流計の読み (A)

r

F

:  電力計の電流回路抵抗値  (

Ω)

r

M

:  電力計の電圧回路抵抗値  (

Ω)

r

V

:  電圧計の内部抵抗値  (

Ω)

6.4.3

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

測定回路[6.4.1(2)参照]

6.5

無負荷電流,無負荷電圧試験

6.5.1

装置  装置は,次による。

(1)

電源  電源は,4.1 による。

(2)

測定回路  測定回路は,図 に示す回路による。

電圧計の内部抵抗は,変圧器の開放インピーダンス及び定格負荷抵抗の値に比べ,十分大きいこと

とする。

図 3  無負荷電流,無負荷電圧試験回路

6.5.2

試験方法  図 に示す回路を用い,すべての二次巻線を開放し,一次巻線に規定周波数の定格入力

電圧を加え,入力電流及び二次巻線の端子電圧を測定し,それぞれこれらを無負荷電流及び無負荷電圧と

する。

6.5.3

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

測定回路[6.5.1(2)参照]

(2)

試験周波数(6.5.2 参照)

6.6

電圧偏差試験

6.6.1

装置  装置は,次による。

(1)

電源  電源は,4.1 による。

(2)

測定回路  測定回路は,図 に示す回路による。

出力電圧計の内部抵抗は,負荷抵抗 R

L

の値に比べ,十分大きいこととする。


5

C 5311-1994

図 4  電圧偏差試験回路

6.6.2

試験方法  試験方法は,次による。

(1)

測定  図 に示す回路を用い,一次巻線に規定周波数の定格入力電圧を加え,二次巻線のすべてに無

誘導負荷を接続して定格出力電流を流し(以下,定格動作状態という。

)このときの二次巻線の出力電

圧を測定する。

(2)

算出  (1)による測定値に基づき,次の式によって電圧偏差を算出する。

100

2

×

=

r

r

U

U

U

d

ここに,

d

:  電圧偏差 (%)

U

2

:  出力電圧 (V)

U

r

:  定格出力電圧 (V)

6.6.3

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

測定回路[6.6.1(2)参照]

(2)

試験周波数[6.6.2(1)参照]

6.7

電圧変動率試験

6.7.1

装置  装置は,次による。

(1)

電源  電源は,4.1 による。

(2)

測定回路は,

図 及び図 に示す回路による。

6.7.2

試験方法  試験方法は,次による。

(1)

測定  図 に示す回路を用い,無負荷電圧を測定し,次に図 に示す回路を用い,定格動作状態で動

作させ,巻線の温度を 6.11 によって測定し,温度安定に達した後,又は規定時間後の出力電圧を測定

する。

(2)

算出  (1)による測定値に基づき,次の式によって電圧変動率を算出する。

なお,個別規格に規定がない場合は(b)を適用する。

参考  (a)は,IEC 1007 に整合している。

(a)  

100

0

2

0

×

=

U

U

U

ε

ここに,

ε

電圧変動率

 (%)

U

0

無負荷電圧

 (V)

U

2

出力電圧

 (V)

(b)

100

0

2

0

×

=

U

U

U

ε

6.7.3

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

試験時間(必要がある場合)

6.7.2(1)参照]


6

C 5311-1994

(2)

算出式[6.7.2(2)参照]

6.8

極性試験

6.8.1

装置  装置は,次による。

(1)

電源  電源は,4.1 又は 4.2 による。

(2)

測定回路  測定回路は,図 又は図 に示す回路による。

図 5  極性試験回路  交流電圧計法

図 6  極性試験回路  直流電流計法

6.8.2

試験方法  測定は,次の(1)又は(2)のいずれかによる。

(1)

交流電圧計法  図 に示す回路を用い,一次巻線と二次巻線の各々一端を接続し,巻数の大きい方の

端子から交流電圧を加え,端子

1

3

間の電圧

  (U

3

)

を測定し,極性を調べる。

(2)

直流電流計法  図 に示す回路を用いスイッチ

SW

を閉じたとき,検流計

G

の振れ方向によって極性

を調べる。

6.8.3

判別法  極性の判別法は,次による。

(1)

交流電圧計法

端子

1

3

が同極の場合

  U

3

U

1

U

2

端子

1

3

が異極の場合

  U

3

U

1

U

2

(2)

直流電流計法

端子

1

3

が同極の場合

検流計の振れが正の方向に振れる。

端子

1

3

が異極の場合

検流計の振れが負の方向に振れる。

6.8.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

測定回路[6.8.1(2)参照]

6.9

インピーダンス電圧及び負荷損失試験

6.9.1

装置  装置は,次による。

(1)

電源  電源は,4.1 による。

(2)

測定回路  測定回路は,図 又は図 に示す回路による。

図 7  インピーダンス電圧及び負荷損失測定回路


7

C 5311-1994

図 8  インピーダンス電圧及び負荷損失測定回路

6.9.2

試験方法  試験方法は,次による。

(1)

測定  図 又は図 に示す回路を用い,すべての二次巻線を短絡し,一次側又は二次側に定格負荷電

流を流すように,

一次側に規定周波数の入力電圧を徐々に加えて調整し,入力電圧及び電力を測定し,

それぞれこれらをインピーダンス電圧,負荷損失とする。電流計は,その挿入誤差が無視できる場合

には,二次側に挿入することが望ましい。

(2)

算出  負荷損失は,規定がある場合には次の式によって基準温度に換算する。

÷

ø

ö

ç

è

æ

Θ

+

+

+

÷

ø

ö

ç

è

æ

+

Θ

+

=

k

k

R

I

W

k

k

P

I

W

θ

θ

θ

θ

θ

θ

)

(

2

2

ここに,

W

Θ

Θ

℃に換算した負荷損失

 (W)

W

θ

θ

℃での負荷損失

 (W)

Θ

規定の基準温度

  (

)

θ

試験時の温度

  (

)

I

一次換算定格負荷電流

 (A)

R

θ

一次に換算した

θ

℃での巻線抵抗値

  (

Ω)

k

銅線の場合

234.5

アルミニウム線の場合

228.1

6.9.3

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

測定回路[6.9.1(2)参照]

(2)

負荷電流[6.9.2(1)参照]

(3)

基準温度[6.9.2(2)参照]

(4)

試験周波数[6.9.2(1)参照]

6.10

中性点電圧不平衡度試験

6.10.1

装置  装置は,次による。

(1)

電源  電源は,4.1 による。

(2)

測定回路  測定回路は,図 に示す回路による。

図 9  中性点電圧不平衡度測定回路

6.10.2

試験方法  試験方法は,次による。

(1)

測定  図 に示す回路を用い,定格動作状態で巻線の中性点と両端子間の電圧

  (U

1

U

2

)

を測定する。

(2)

算出  (1)によって得た測定値に基づき,次の式によって中性点電圧不平衡度を算出する。


8

C 5311-1994

なお,個別規格に規定がない場合は(b)を適用する。

参考

(a)

は,IEC 1007 に整合している。

(a)

100

1

2

1

×

=

U

U

U

δ

ここに,

δ

中性点電圧不平衡度

 (%)

U

1

U

2

中性点と両端子間の電圧

 (V)

(b)

100

2

1

2

1

×

+

=

U

U

U

U

δ

6.10.3

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

測定回路  [6.10.1(2)参照]

(2)

算出式  [6.10.2(2)参照]

6.11

温度上昇試験  供試変圧器の温度上昇は,巻線は抵抗法によって,鉄心,ケースなどの露出部表面

は温度計法によって測定する。

6.11.1

装置  装置は,次による。

(1)

電源  電源は,4.1 による。

(2)

測定回路  測定回路は,次による。

(a)

実負荷法  図 又は図 11 による。

(b)

返還負荷法  図 10 による。

図 10  温度上昇測定回路(返還負荷法)


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C 5311-1994

図 11  温度上昇測定回路(直流重畳巻線抵抗測定回路)

6.11.2

試験場所の状態  供試変圧器は,試験開始前,風が当たらないようにして

3

時間以上放置する。た

だし,判定に疑義を生じない場合は,放置時間は

3

時間以内でもよい。温度上昇試験の環境条件は,直接

風が当たることがない室内とする。ただし,特に規定がある場合には,規定の周囲温度とする。

この場合,供試変圧器は,恒温槽の底面から

75mm

以上の高さに熱絶縁体で支持し,側壁からの距離を

200mm

以上に保持し,強制対流の気流及び周囲の高温部からの直接の熱を受けないように取り付けること

とする。

また,恒温槽の大きさ,熱絶縁,空気の循環などの熱容量に影響する要素は,測定中,周囲温度が供試

変圧器の温度上昇によって

5

℃以上増加しないようにする。

6.11.3

試験方法

(1)

測定

(1.1)

抵抗法

(1.1.1)

実負荷法  供試変圧器の巻線の抵抗を測定し,次に図 の測定回路で定格動作状態とし,この状態

で温度が安定するまで継続する。その後できるだけ速やかに巻線の抵抗値を測定する。

なお,判定に疑義を生じない限り,試験時間を短縮する目的で,試験の初期では適切な過負荷を

与えても差し支えない。

(1.1.2)

返還負荷法  供試変圧器の巻線の抵抗を測定し,次に図 10 のように供試変圧器

T

1

T

2

の一次又は

二次いずれかの巻線を並列に結び,これを定格電圧の電源に接続して実負荷と等価な鉄損を供給す

る。

また,他方の巻線は誘起電圧が互いに打ち消しあうように結び,これを各々のインピーダンス電

圧の和に等しい別電源に接続して実負荷に同等な銅損を供給して連続動作させ,温度が安定するま

で継続する。

その後できるだけ速やかに巻線の抵抗値を測定する。

なお,判定に疑義を生じない限り,試験時間を短縮する目的で,試験の初期では適切な過負荷を


10

C 5311-1994

与えても差し支えない。

(1.2)

温度計法  供試変圧器の測定部に温度計の感温部を密着させてしっかり固定して(1.1)の実負荷法又

は返還負荷法で,温度が安定するまで連続動作させ,到着した最高温度及び最終周囲温度(

1

)

を測定

し,温度上昇をも求める。

なお,露出部表面の温度上昇は,指定がない限り測定しなくてもよい。

(

1

)

周囲温度は,変圧器の周囲で,変圧器とほぼ同じ高さで距離

1

2m

の位置

3

か所以上に温度計を

置き,それらの読みの平均をとる。

(2)

算出  (1.1)の抵抗法の場合は(1.1)による測定値に基づき,次の式によって巻線の温度上昇を算出する。

)

(

)

(

1

2

1

k

k

R

R

f

s

f

r

+

+

=

=

θ

θ

θ

θ

θ

ここに,

θ

r

温度上昇値  (℃)

θ

1

試験終了時の巻線の温度  (℃)

θ

f

試験終了時の周囲温度  (℃)

θ

s

試験開始時の周囲温度  (℃)

R

1

温度

θ

s

での巻線抵抗  (

)

(試験開始直前の巻線抵抗)

R

2

温度

θ

1

での巻線抵抗  (

)

(試験終了直後の巻線抵抗)

k

銅線の場合  234.5  アルミニウム線の場合  228.1

6.11.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

測定回路(6.11.1 参照)

(2)

環境条件(必要がある場合)

6.11.2 参照)

(3)

測定方法(6.11.3 参照)

(4)

測定箇所(6.11.3 参照)

6.12

コロナ放電試験

6.12.1

装置  測定回路は,図 12 又は図 13 に示す回路による。ただし,コンデンサ C 及び高圧交流電源

HV

は,規定電圧でコロナを発生しない十分に余裕があるものとし,高周波コイル L は,100kHz で

Q

50

以上のものとする。オシロスコープは,約 40mV

p-p

/cm

の感度をもち,200kHz まで十分に平たんな特性

のものとする。


11

C 5311-1994

図 12  コロナ放電試験回路  一次巻線励磁の場合(巻線層間)

図 13  コロナ放電試験回路  [外部高圧電源使用の場合(巻線相互間,巻線と鉄心・ケース又は金具)]

6.12.2

試験方法  試験方法は次による。

(1)

一次巻線励磁の場合(巻線層間)  図 12 に示す回路を用い,二次巻線の試験される巻線以外は,すべ

て開放し,使用時に接地する端子及び鉄心・ケース又は金具は接地し,一次巻線に規定の周波数の電

圧を徐々に加え,コロナ発生の有無を調べる。

(2)

外部高電圧電源使用の場合(巻線相互間,巻線と鉄心・ケース又は金具間)  図 13 に示す回路を用

い,同一巻線に所属するすべての端子は短絡し,また,試験をする以外の巻線及び鉄心・ケース又金

具は接地し,規定周波数の規定電圧を試験する巻線に加え,コロナ発生の有無を調べる。

6.12.3

測定上の注意事項  測定上の注意事項は,電圧印加を,毎秒約 500V(実効値)の割合で,ほぼ,

0V

から規定電圧まで上昇させ,試験の後,徐々にほぼ,0V まで下げる。

6.12.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

試験回路(6.12.1 参照)

(2)

試験電圧(6.12.2 参照)


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C 5311-1994

(3)

試験周波数(6.12.2 参照)

6.13

過負荷試験

6.13.1

装置  装置は,次による。

(1)

電源  電源は,4.1 による。

(2)

試験回路  試験回路は,図 に示す回路による。

6.13.2

試験方法  図 に示す回路を用い,定格動作状態,規定の最高周囲温度でこの状態から入力電圧を

定格値の 110%に上昇して規定の時間放置する。次に 10 分間以内に(試験槽に入れて試験した場合は,槽

から取り出す。

)絶縁抵抗を測定し,耐電圧を試験する。

また,個別規格に規定がある場合は,外観を調べる。

6.13.3

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

印加時間(6.13.2 参照)

(2)

試験前後の測定項目(必要がある場合)

6.13.2 参照)

(3)

試験回路[6.13.1(2)参照]

7.

機械的性能試験

7.1

端子強度試験

7.1.1

装置  装置は,試験の際,試験結果に影響を及ぼすようなきずやひずみなどを供試変圧器に与える

ことがないものとする。

7.1.2

試験方法  端子の引張強さは,供試変圧器本体を固定し,ねじ端子,棒端子及びリード線端子では

軸方向に,ラグ端子では端子の方向に,絶縁リード線では引出し方向に,

表 に示す荷重を徐々に規定値

まで加え,そのまま 30±5 秒間保持した後,緩み,切断などがあるかどうかを調べる。ただし,荷重は端

子 1 本ごとに加えることとする。

表 1  変圧器質量及び端子に加える荷重

変圧器質量  kg

荷重  N

              0.2 以下

自重の 5 倍

   0.2 を超え 0.5 以下 10 
   0.5 を超え 2.0 以下 15 
   2.0 を超えるもの 25

7.1.3

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

端子引張り方向(必要がある場合)

7.1.2 参照)

(2)

端子引張り時間(必要がある場合)

7.1.2 参照)

7.2

耐振性試験

7.2.1

装置  装置は,振動の大きさ及び振動の与え方が規定の試験を行うのに十分であり,しかも,JIS C 

0040

の 5.(試験装置)に規定の振動試験装置の具備すべき条件を満足するものとする。

7.2.2

準備  供試変圧器は,個別規格に規定の方法によって取付金具を用いるか,又は直接,振動台にし

っかりと取り付ける。

7.2.3

試験方法  7.2.2 によって取り付けた供試変圧器に JIS C 0040 に規定する方法で振動を加える。振

動は,振動周波数 10∼55Hz,片振幅 0.75mm,振動数の変化の割合は 1 オクターブ/分とし 10Hz から 55Hz

に至り,再び 10Hz にまでを繰り返す。

試験は,規定がない限り,互いに垂直な 3 方向に各 10 サイクル(45 分間)計 30 サイクル行う。その後,


13

C 5311-1994

断線,短絡,機械的損傷などの有無を調べる。

7.2.4

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

試験前後の測定項目(必要がある場合)

7.2.3 参照)

(2)

取付け(取付用具及び取付方法)

7.2.2 参照)

(3)

振動方向(必要がある場合)

7.2.3 参照)

(4)

振動時間(必要がある場合)

7.2.3 参照)

8.

耐候性試験

8.1

耐熱性試験

8.1.1

装置  試験槽は,個別規格に規定の表 のいずれかの温度に対して±3℃の範囲内に保持できるも

ので,しかも,供試変圧器の置かれる場所すべてにわたり,供試変圧器が熱源からの直接熱放射を受けな

い構造のものとする。

表 2  耐熱性試験温度

単位  ℃

温度

110, 125, 155

8.1.2

試験方法  供試変圧器を試験槽にいれ,規定がない限り,槽の温度を徐々に上げ,規定の温度に達

した後,その温度に規定時間放置する。次に試験槽から取り出し,10 分間以内に絶縁抵抗を測定し,耐電

圧を試験する。

また,規定がある場合は外観を調べる。

8.1.3

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

試験前後の測定項目(必要がある場合)

8.1.2 参照)

(2)

試験温度(8.1.1 参照)

(3)

試験時間(8.1.2 参照)

(4)

温度を上げるのに要する時間(8.1.2 参照)

8.2

耐寒性試験

8.2.1

装置  試験槽は,個別規格に規定の表 のいずれかの温度に対して±3℃の範囲内に保持できるも

のとする。

表 3  耐寒性試験温度

単位  ℃

温度

−10,  −25

8.2.2

試験方法  供試変圧器を試験槽に入れ,規定がない限り,槽の温度を徐々に下げ,規定の温度に達

した後,2 時間その温度に放置し,次に徐々に常温まで戻した後,試験槽から取り出す。

次に,供試変圧器の表面に水滴がある場合は十分にこれを取り除いた後,10 分間以内に絶縁抵抗を測定

し,耐電圧を試験する。

また,規定がある場合は外観を調べる。

8.2.3

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

試験前後の測定項目(必要がある場合)

8.2.2 参照)

(2)

試験温度(8.2.1 参照)

(3)

試験時間(必要がある場合)

8.2.2 参照)

(4)

温度を下げるのに要する時間(8.2.2 参照)


14

C 5311-1994

8.3

耐湿性試験

8.3.1

装置  試験槽は,温度 40±2℃,相対湿度 90∼95%に保つことができるものとする。

8.3.2

試験方法  供試変圧器を試験槽に入れ,温度 40±2℃,相対湿度 90∼95%の状態に表 に規定の時

間放置する。この場合,試験槽に入れた直後及び放置中,供試変圧器にできるだけ露が結ばないようにす

る。

次に供試変圧器を試験槽から取り出し,付着した水滴を十分に取り除き,

表 に規定の時間,常温常湿

に放置した後絶縁抵抗を測定し,耐電圧を試験する。

また,規定がある場合は,外観を調べる。

表 4  耐湿性試験での時間

耐湿試験時間

h

試験後放置時間

min

    完全密閉形 48

    10 以内

    完全密閉形以外のもの

6

    30

8.3.3

個別規格に規定する事項  個別規格には,次の事項を規定する。

(1)

試験前後の測定項目(必要がある場合)

8.3.2 参照)

(2)

試験温度(必要がある場合)

8.3.2 参照)

(3)

試験湿度(必要がある場合)

8.3.2 参照)

(4)

試験時間(必要がある場合)

8.3.2 参照)

(5)

試験後の放置時間(必要がある場合)

8.3.2 参照)


15

C 5311-1994

電子部品 JIS 原案作成第 2 委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

五  味  勇  二

財団法人日本電子部品信頼性センター

前  田  昌  昭

財団法人機械電子検査検定協会

山  内  慎  二

日本放送協会技術局施設業務部

栗  原  正  英

社団法人日本プリント回路工業会

杉  本  俊  二

防衛庁装備局

岩  田      武

東京特殊印刷工業株式会社

三  宅  信  弘

通商産業省機械情報産業局

栗  原  史  郎

工業技術院標準部

斉  藤  哲  也

ソニー株式会社 B&P 業務グループ技術企画室

土  谷  順  二

沖電気工業株式会社生産統括本部

西  林  和  男

株式会社東芝映像事業部

松  尾  宏  之

株式会社日立製作所家電事業本部

三  宅  敏  明

松下電器産業株式会社技術部門統括室

浅  原      真

日本電気株式会社電波応用事業部

菊  地  清  秋

三菱電機株式会社コンピュータ製作所

築  山  忠  勝

サカエ電子工業株式会社技術部

米  山  靖  夫

株式会社フジソク技術本部

栗  原  正  明

ホシデン株式会社技術本部

高  木  祐  二

アルプス電気株式会社営業本部

星          進

本多通信工業株式会社技術部

南  雲  孝  文

東京軽電機株式会社技術部

(事務局)

塚  田  潤  二

社団法人日本電子機械工業会

川  崎  明  彦

社団法人日本電子機械工業会

JIS C 5311

分科会  構成表

氏名

所属

(主査)

築  山  忠  勝

サカエ電子工業株式会社技術部

大  森  達  雄

株式会社サンリッツ通信機器部門技術部

長谷川  育  雄

田淵電機株式会社技術部

南  雲  孝  文

東京軽電機株式会社技術部

小  林  光  男

西村無線電機株式会社技術部

浦  部  志  郎

松下電子部品株式会社電源事業部技術部

中  井  克  昇

ミツミ電機株式会社第一事業部 SPS 事業推進部

吉  岡  敬  哲

ミネベア音響株式会社技術部

梶      真佐男

株式会社村田製作所市場開発部

(事務局)

川  崎  明  彦

社団法人日本電子機械工業会