2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
Z 9212-1983
エネルギー管理用語(その2)
Technical Terms Used in Energy Management (No.2)
1. 適用範囲 この規格は,工場又は事業場におけるエネルギー使用設備に用いられるエネルギー管理用
語のうち,主として電気管理に関する用語について規定する。
2. 分類 エネルギー管理用語(その2)は,次のように分類する。
(1) 電磁気及び電気回路
(1.1) 電磁気
(1.2) 電気回路一般
(1.3) 三相交流回路
(1.4) ひずみ波及び過渡現象
(2) 電気計測及び自動制御
(2.1) 電気計測
(2.2) 自動制御一般
(2.3) 自動制御系
(2.4) 制御系と制御要素の動作特性
(3) 電力需給及び工場配電
(3.1) 発電一般
(3.2) 火力発電
(3.3) 原子力発電
(3.4) 電力供給
(3.5) 工場配電
(4) 電気機器
(4.1) 電気機器一般
(4.2) 変圧器
(4.3) 回転機一般
(4.4) 直流機
(4.5) 同期機
(4.6) 誘導機
(4.7) 静止電力変換装置
(4.8) 開閉装置及び制御用機器
(5) 電動力応用
(5.1) 電動力応用一般
2
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(5.2) 荷役機械
(5.3) 流体機械
(5.4) その他の電動力応用
(6) 電気加熱
(6.1) 電気加熱一般
(6.2) 電気炉一般
(6.3) 抵抗加熱
(6.4) アーク加熱
(6.5) 誘導加熱
(6.6) その他の電気加熱
(6.7) 電気溶接
(7) 照明
(7.1) 照明の基礎
(7.2) 光源,点灯回路及び照明器具
(7.3) 照明の設計及び施設
(8) 電気化学
(8.1) 電気化学の基礎
(8.2) 電解
(8.3) 電池
(9) 空気調和
(9.1) 空気調和一般
(9.2) 空気調和方式
(9.3) 空気調和機器
(9.4) 暖房
(9.5) 空気循環及び換気
(9.6) 冷凍一般
(9.7) 冷凍機器
3. 番号,用語,読み方及び用語の意味 番号,用語,読み方及び用語の意味は,次のとおりとする。
なお,参考のために対応英語を示す。
備考 用語欄に[ ]の付いているものは,専門分野を示す。
また,( )内は省略してもよいものを示す。
(1) 電磁気及び電気回路
(1.1) 電磁気
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
1101
電界(電場)
でんかい(でんば) 電荷に電気力(クーロン力)が作用する領域。 electric field
1102
磁界(磁場)
じかい(じば)
磁気力(クーロン力)が作用する領域。
magnetic field
1103
電界の強さ
でんかいのつよさ
電界内に微少な静止正電荷をおいたとき,単位
電荷当たりに作用する力。(ベクトル量)
electric field strength
3
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番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
1104
磁界の強さ
じかいのつよさ
磁界内に微少な静止正磁荷をおいたとき,単位
正磁荷当たりに作用する力。(ベクトル量)
magnetic field strength
1105
電位
でんい
無限遠の点から任意の点まで単位電荷を極めて
ゆっくり動かすときに電気力(クーロン力)に
さからってなされる仕事。
electric potential
1106
電位差
でんいさ
2点間の電位の差。
potential difference
1107
比誘電率
ひゆうでんりつ
コンデンサの電極間を誘導体で満たしたときの
静電容量と真空のときの静電容量との比を比誘
電率 (εS) といい,ε0・εS=εを誘電率という。
ただし,
F/m
36
109
0
π
ε
−
=
は真空の誘電率である。
relative permittivity,
dielectric constant
1108
電束密度
でんそくみつど
電界の強さと誘電率の積(ベクトル量)。電気変
位ともいう。
electric flux density
1109
磁束密度
じそくみつど
磁界内に電流I (A) が流れているとき,その一
部分dl (m) に働く力dF (N) はdF=I・Bdlという
関係にある。このときのBを磁束密度という(ベ
クトル量)。
magnetic flux density
1110
比透磁率
ひとうじりつ
磁束密度Bと磁界の強さHとの比はHB=μ=
μ0・μsの関係で表され,μを透磁率,μSを比透磁
率という。ただしμ0は真空の透磁率。
参考 ε0・μ0・c 2=1
c=3×108m/s
relative permeability
1111
クーロンの法則
くーろんのほうそ
く
二つの小帯電体の間に作用する力(クーロン力)
は両方の電気量の相乗積に比例し,その間の距
離の2乗に逆比例するという法則。磁気でも2
磁極間に作用する力(クーロン力)はこの法則
に従う。この力をそれぞれ電気力又は磁気力と
いう。
Coulombʼs law
1112
静電容量
せいでんようりょ
う
二つの電極間の静電容量Cは両電極にそれぞれ
正負の電荷Qを与え,この電極間の電位差がV
であるときQとVの比。すなわち
V
Q
C=
で表され
る。
electrostatic capacity
1113
起電力
きでんりょく
電荷に電位差を生じさせることにより,継続し
て電流を流し得る働きをする作用。
electromotive force
1114
起磁力
きじりょく
磁化力を磁界中の任意の閉路を一周して積分し
た値(1119)。
magnetomotive force
1115
電流密度
でんりゅうみつど
電流をその流線に直角方向の断面積で割った
値。
current density
1116
ジュールの法則
じゅーるのほうそ
く
導体内に流れる定常電流によって単位時間中に
発生する熱量は,電流の値の2乗と導体の抵抗
に比例する。
Jouleʼs law
1117
オームの法則
おーむのほうそく
均一の物質から成る導線の両端の電位差をVと
するとき,これに流れる定常電流IはVに比例
する。
V=I・Rと置いたとき,Rを導体の電気抵抗とい
う。
Ohmʼs law
1118
磁化曲線
じかきょくせん
磁性体の磁界の強さHと磁束密度Bとの関係を
表す曲線。B-H曲線ともいう。
magnetization curve,
B-H curve
4
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番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
1119
アンペアの周回路
の法則
あんぺあのしゅう
かいろのほうそく
電流を周回する道に沿って,単位の磁極を1周
させるのに要する仕事量は,この周回路に囲ま
れた面を貫く電流の総和に比例する。
式でかくと
∫
∑
=
I
dl
H
ここに,H:磁界の強さ
dl:道すじの微少距離
ΣI:電流の総和(起磁力)
Ampereʼs circuital law
1120
ビオ・サバールの法
則
びお・さばーるのほ
うそく
導線に電流Iが流れているとき,導線上の線素
dlによって空間の1点Pに生ずる磁界の強さH
を与える法則で,次式のように示される。
2
4
)
sin
(
r
dl
I
dH
π
θ
=
ここにrはdlとP点間の距離,θは線素dlにお
ける接線がrとなす角。
Biot−Savartʼs law
1121
磁気回路
じきかいろ
磁束の通る閉回路。
magnetic circuit
1122
電磁誘導
でんじゆうどう
電流路と鎖交する磁束が変化すると起電力を誘
導する現象。
electromagnetic
induction
1123
自己インダクタン
ス
じこいんだくたん
す
コイルに単位電流(1アンペア)を流したとき,
そのコイルに生ずる磁束鎖交数(ウェーバー)。
self-inductance
1124
相互インダクタン
ス
そうごいんだくた
んす
誘導的に結合されている二つの回路において,
一方の回路に単位電流(1アンペア)を流した
とき他方の回路に生ずる磁束鎖交数(ウェーバ
ー)。
mutual inductance
1125
熱起電力
ねつきでんりょく
2種類の金属の両接点間に温度差があるとき,
ゼーベック効果によってその間に生ずる起電
力。
thermoelectromotive
force
(1.2) 電気回路一般
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
1201
交流
こうりゅう
方向が周期的に変化する電流。
alternating current
1202
直流
ちょくりゅう
時間の経過に対し,方向の変わらない電流。
direct current
1203
平均値
へいきんち
交流電圧又は電流の半波の平均。正弦波の平均
値は,最大値のπ2倍になる。
mean value
1204
実効値
じっこうち
周期波の電圧又は電流の瞬時値の2乗の平均値
の平方根。
root-mean square
value,
effective value
1205
キルヒホッフの法
則
きるひほっふのほ
うそく
第1法則:回路網の接続点に流入する電流の総
和は,流出する電流の総和に等しい。
第2法則:回路網中の1閉路をたどって1周し
たとき閉路中の起電力の代数和は,抵抗又はイ
ンピーダンスによる電圧降下の代数和に等し
い。
Kirchhoffʼs law
1206
位相
いそう
周期波形のある任意の起点に対する相対的な位
置。普通1サイクルを360°又は2πラジアンと
して,角度で表す。
正弦波y=y0・sin (wt+θ) でt=0時点の位相はθ
である。
phase
5
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番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
1207
進み電流
すすみでんりゅう
交流回路において電圧に対して位相が進んでい
る電流。
leading current
1208
遅れ電流
おくれでんりゅう
交流回路において電圧に対して位相が遅れてい
る電流。
lagging current
1209
進相負荷
しんそうふか
負荷電流が進み電流になる負荷。
condensive load
1210
電力
でんりょく
単位時間当たりに発生,消費又は変換される電
気エネルギー。瞬時電力と平均電力がある。
electric power
1211
有効電力
ゆうこうでんりょ
く
交流電圧の実効値,交流電流の実効値及び力率
の積。
active power,
effective power
1212
無効電力
むこうでんりょく
交流電圧の実効値,交流電流の実効値及び位相
差の正弦の積。
reactive power
1213
皮相電力
ひそうでんりょく
交流電圧と電流の実効値の積。
apparent power
1214
力率
りきりつ
電圧と電流との位相差の余弦。
power factor
1215
誘導負荷
ゆうどうふか
交流回路において電圧に対し遅れ電流をとる負
荷。
inductive load
1216
リアクタンス
交流回路のベクトルインピーダンスの中の虚数
成分。
(交流の角周波数をw,インダクタンスをL,
容量をCとするとき,それぞれw・L及び
C
w
1で
ある。)
reactance
1217
インピーダンス
交流回路の受動回路素子 (R,L,C) に電圧V&を
加え,流れる電流をI&とするとき,
I
V
Z
&
&
&=又は
I
V
Z=をいう。
impedance
1218
アドミタンス
インピーダンスの逆数。
admittance
1219
サセプタンス
リアクタンスの逆数。
susceptance
1220
ベクトル図
べくとるず
ベクトルを用いて,電圧,電流,電力などの複
素量の関係を表した図。
正弦波交流の電圧や電流は,平面上のベクトル
で表され,ベクトルの長さが大きさ任意の基準
線に対する角度が位相を表し,電圧や電流の和
はベクトル和として求められる。
vector diagram
1221
重ね合わせの理
かさねあわせのり
線形回路網の中に多数の起電力があるときの回
路網の中の電流の分布は,各起電力が単独に存
在したときの電流を重ね合わせたものに等し
い。
principle of
superposition
1222
補償の定理
ほしょうのていり
回路網内の任意の閉回路に電流I&が流れてい
たときその回路のインピーダンスZ&が
Z
Δ
Z
&
&+
に変化した場合,各枝路に流れる電流
の変化分は
Z
Δ
Z
&
&+
を含む枝路に
I
Z
Δ&&
−
の
補償起電力を
Z
Δ
Z
&
&+
と直列に加え,他の起電
力をすべて取り去り,その後を短絡したときに
各枝路に流れる電流に等しい。
compensation theorem
1223
テブナンの定理
てぶなんのていり
起電力を含んだ回路のある端子を開放したと
き,その端子間に発生する電圧をV&,その端子
から電源側をみたインピーダンスが
0
Z&のとき,
その端子間にインピーダンスZ&を接続すると
き,これに流れる電流I&は
Z
Z
V
I
&
&
&
&
+
=
0
で表される。
Théveninʼs theorem
6
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(1.3) 三相交流回路
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
1301
三相回路
さんそうかいろ
位相が順次120°ずつ異なった3個の交番起電
力によって,エネルギーが供給される回路。
three-phase circuit
1302
三角接続,
(三角結線)
さんかくせつぞく,
(さんかくけっせ
ん)
三相回路において各相成分を三角形に接続する
方法。
デルタ(記号Δ)結線ともいう。
delta connection
1303
星形接続,
(星形結線)
ほしがたせつぞく,
(ほしがたけっせ
ん)
多相回路において各相成分を放射状に接続する
方法。
三相回路の場合はY結線ともいう。
star connection
1304
相回転
そうかいてん
多相交流回路では電圧又は電流はある位相差
(三相の場合は120°)をもって変化をしてい
るが,その位相の変化の順序。
phase rotation,
phase sequence
1305
対称座標法
たいしょうざひょ
うほう
非対称多相回路をいくつかの対称回路に分けて
計算する方法。
method of symmetrical
coordinates
(1.4) ひずみ波及び過渡現象
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
1401
ひずみ波
ひずみは
基本正弦波と異なる波形をもつ波。
distorted wave
1402
基本波
きほんは
周期性の波は異なる正弦波群に分けられるが,
そのうち,最も長周期の正弦波。
fundamental wave
1403
高調波
こうちょうは
基本波の整数倍の周波数をもつ正弦波。
higher harmonics
1404
のこぎり波
のこぎりは
立上り時間と立下り時間が著しく異なる三角
波。
saw tooth wave
1405
脈動電流
みゃくどうでんり
ゅう
直流電流に交流電流が重なって脈動する電流。 pulsating current
1406
脈動率
みゃくどうりつ
脈動の割合を示すもので,リップル電圧(電流)
と直流平均電圧(電流)との比を百分率で表す
ことが多い。
ripple factor
1407
方形波
ほうけいは
時間に対する振幅曲線が方形となる波。
square-wave
1408
パルス
ある量が定常状態から,極めて短い時間だけ変
化するときの変化部分。
pulse
1409
過渡現象
かとげんしょう
ある定常状態から他の定常状態に移るまでの現
象。
transient phenomena
1410
振動性回路
しんどうせいかい
ろ
持続振動,減衰振動などを生ずる性質を持つ回
路。
oscillatory circuit
1411
固有周波数
こゆうしゅうはす
う
ある系又は回路が自由振動するときの周波数。 natural frequency
1412
時定数
じていすう
指数形波形が初期値から1/e倍に減少するのに
要する時間。
time constant
1413
減衰係数
げんすいけいすう
振動の減衰の程度を示す係数。
damping coefficient
(2) 電気計測及び自動制御
(2.1) 電気計測
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
2101
可動コイル計器
かどうこいるけい
き
固定された永久磁石と可動コイルから成り,コ
イルを流れる電流と永久磁石の磁束との間の電
磁力によってコイルが駆動される計器。
permanent-magnet
moving-coil
instrument
7
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番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
2102
可動鉄片計器
かどうてっぺんけ
いき
可動鉄片が,固定コイルを流れる電流,又は固
定コイルの電流で励磁された固定鉄片によって
駆動される計器。
moving-iron
instrument
2103
電流力計計器
でんりゅうりきけ
いけいき
固定コイル及び可動コイルに流れる電流の間に
作用する電磁力を利用した計器。
electrodynamic
instrument
2104
熱電形計器
ねつでんがたけい
き
流れる電流の発熱作用及び熱電効果を利用した
計器。
electrothermal
instrument
2105
整流計器
せいりゅうけいき
交流の電流又は電圧を測定するため,可動コイ
ル計器と整流器とを組み合わせた計器。
rectifier instrument
2106
最大需要電力表示
装置付電力量計
さいだいじゅよう
でんりょくひょう
じそうちつきでん
りょくりょうけい
連続した同一時限中の平均電力の最大値を表示
する装置の付いた電力量計。
watthour meter with
maximum demand
meter
2107
分圧器
ぶんあつき
ある電圧から,既知の比で分割した電圧を得る
装置。高電圧を測定する場合には,抵抗分圧器
と容量分圧器がある。
voltage divider,
potential divider
2108
分流器
ぶんりゅうき
電流に比例した電圧降下を得るため,電流回路
に挿入される抵抗器。電流計では測定範囲の拡
大に用いられる。
shunt
2109
計器用変圧器
けいきようへんあ
つき
ある電圧値を,これに比例する電圧値に変成す
る計器用変成器。PTと略称される。
potential transformer,
voltage transformer
2110
変流器
へんりゅうき
ある電流値を,これに比例する電流値に変成す
る計器用変成器。CTと略称される。
current transformer
2111
ブリッジ
通常,四つ以上の回路要素(辺)をもつ装置で,
電源と検出器を組み合わせ,ある辺の定数を変
化させて平衡をとったとき,各辺の定数の間に
ある関係式が成立することを利用する測定器。
抵抗を測定するための直流ブリッジ(例えばホ
イートストンブリッジ,ダブルブリッジなど)
と,インピーダンス又は周波数を測定するため
の交流ブリッジに分けられる。
measuring bridge
2112
絶縁抵抗計
ぜつえんていこう
けい
発電機又は電池を内蔵する定格電圧100V以上
の携帯用直読形抵抗計。通常メガーと呼ばれる。
insulation resistance
tester
2113
ストロボ法
すとろぼほう
一定周期の点滅する光で回転体又はそれに取り
付けたストロボ板を照射した場合,点滅周期と
回転周期が一致すると回転体が静止して見える
現象を利用して回転速度を測定する方法。
stroboscopic method
2114
回転速度計
かいてんそくどけ
い
回転速度を測定する計器。速度計用発電機など
の電気式のものと機械式のものがある。
tachometer
2115
動力計
どうりょくけい
回転機の動力を測定する装置。通常,回転軸の
トルクと回転速度を測定し,動力を算定する。
dynamometer
2116
指示騒音計
しじそうおんけい
マイクロホン・増幅器・指示計器及び聴感補正
回路から成る,騒音レベル測定のための計器。
電気機器の騒音レベル測定には,A特性の聴感
補正回路を使用することが多い。
sound-level meter
8
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(2.2) 自動制御一般
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
2201
フィードバック制
御
ふぃーどばっくせ
いぎょ
フィードバックによって制御量を目標値と比較
し,それらを一致させるように訂正動作を行う
制御。
feedback control,
closed-loop control
2202
シーケンス制御
しーけんすせいぎ
ょ
あらかじめ定められた順序又は論理に従って制
御の各段階を逐次進めていく制御。
sequential control
2203
定値制御
ていちせいぎょ
目標値が一定のフィードバック制御。
control with fixed
set-point
2204
プログラム制御
ぷろぐらむせいぎ
ょ
目標値があらかじめ定められた変化をする制
御。
programmed control
2205
比率制御
ひりつせいぎょ
二つ以上の量の間に,ある比例関係を保たせる
制御。
ratio control
2206
カスケード制御
かすけーどせいぎ
ょ
フィードバック制御系において,一つの制御装
置の出力信号によって他の制御装置の目標値を
変化させて行う制御。
cascade control
2207
サンプル値制御
さんぷるちせいぎ
ょ
制御系の一部にサンプリングによって得られた
間欠的な信号を用いる制御。
sampled-data control,
sampling control
2208
最適制御
さいてきせいぎょ
制御対象の状態を自動的にある所要の最適状態
にしようとする制御。
optimal control
2209
計算機制御
けいさんきせいぎ
ょ
制御装置の中に電子計算機をとりいれ,その高
度の機能を利用する制御。
computer control
2210
数値制御
すうちせいぎょ
工作物に対する工具の位置を,それに対応する
数値情報で指令する制御。NCと略称されるこ
とが多い。
numerical control
2211
プロセス制御
ぷろせすせいぎょ
工業プロセスの状態に関する諸量,例えば,温
度,流量,圧力,液位,組成,品質,効率など
の制御。
process control
2212
サーボ機構
さーぼきこう
物体の位置,方位,姿勢などを制御量とし,目
標値の任意の変化に追従するように構成された
制御系。フィードバック制御を行うのが普通で
ある。
servomechanism
(2.3) 自動制御系
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
2301
制御対象
せいぎょたいしょ
う
機械,プロセス,システムなどの全体又は一部
であって,制御の対象となるもの。
controlled system
2302
制御装置[自動制
御]
せいぎょそうち
制御対象に組み合わされて制御を行うために必
要な,すべての制御要素から構成された装置。
controlling system,
controlling equipment
2303
検出部
けんしゅつぶ
制御装置において,制御対象,環境などから制
御に必要な信号をとりだす部分。
detecting element
2304
調節部
ちょうせつぶ
制御装置において,目標値に基づく信号と検出
部からの信号を基に制御系が所要の働きをする
のに必要な信号を作り出して操作部へ送り出す
部分。
controlling element
2305
操作部
そうさぶ
制御装置において,調節部などからの信号を操
作量にかえ,制御対象に働きかける部分。
final controlling
element
2306
目標値
もくひょうち
制御系において,制御量がその値をとるように
目標として与えられる値。
desired value
9
Z 9212-1983
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
2307
制御量
せいぎょりょう
制御対象に属する量のうちで,それを制御する
ことが目的となっている量。
controlled variable
(2.4) 制御系と制御要素の動作特性
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
2401
伝達関数
でんたつかんすう
出力信号と入力信号の間の関係を表す関数的関
係。線形系においては,出力信号の入力信号に
対する比を,すべての初期条件を零としてラプ
ラス変換し,演算子sの関数の形に表したもの
をいう。
transfer function
2402
インパルス応答
いんぱるすおうと
う
入力がインパルス状に変化したときの応答。
impulse response
2403
ステップ応答
すてっぷおうとう
入力がある一定の値から他の一定の値にステッ
プ状に変化したときの応答。
step response
2404
制御偏差
せいぎょへんさ
目標値と制御量の差。なお,過渡応答において,
十分時間が経過して一定値に落ち着いたときの
制御偏差を,定常偏差という。
deviation
2405
立上がり時間
たちあがりじかん
ステップ応答において,零から出発した出力信
号が,その最終定常値のある定められた小さ
な%(例えば10%)になった時点から,定めら
れたある大きな%(例えば90%)に達するまで
の時間。
rise time
2406
整定時間
せいていじかん
ステップ応答において,ステップ入力が与えら
れた時点から,出力信号が最終定常値の指定さ
れた裕度(例えば5%)内に達するまでの時間。
settling time
2407
(線形系の)安定性 (せんけいけいの)
あんていせい
線形系において,外乱により定常状態の値から
離れても,外乱がなくなれば再び定常状態の値
に戻る性質。
stability (of a linear
system)
2408
周波数応答
しゅうはすうおう
とう
正弦波入力を加えた場合の定常状態における出
力の入力に対する振幅比(ゲイン)及び位相ず
れが入力周波数によって変化するありさま。
frequency response
2409
ボード線図
ぼーどせんず
対数目盛の横軸に周波数をとり,縦軸にデシベ
ルで表したゲインと度で表した位相角をとっ
て,周波数応答特性を表示した線図。
Bode diagram
2410
補償要素
ほしょうようそ
フィードバック制御系の特性を改善するため,
前向き径路又は補助のフィードバック径路に接
続される制御要素。
compensating element,
equalizer
(3) 電力需給及び工場配電
(3.1) 発電一般
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
3101
水力発電所
すいりょくはつで
んしょ
河川の水の位置エネルギーを電気エネルギーに
変換する発電所。
hydraulic power
station,
hydraulic power plant
3102
揚水発電所
ようすいはつでん
しょ
発電のほかに揚水の機能を併せもつ水力発電
所。
pumped storage power
station,
pumped storage power
plant
10
Z 9212-1983
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
3103
火力発電所
かりょくはつでん
しょ
石炭,石油,天然ガス,高炉ガスなどのもつ熱
エネルギーを電気エネルギーに変換する発電
所。
thermal power station,
thermal power plant
3104
原子力発電所
げんしりょくはつ
でんしょ
核燃料の核分裂によって発生した熱エネルギー
を電気エネルギーに変換する発電所。
nuclear power station,
nuclear power plant
3105
地熱発電所
ちねつはつでんし
ょ
地熱エネルギーが発生した蒸気又は熱水を利用
して電気エネルギーに変換する発電所。
geothermal power
station,
geothermal power
plant
3106
潮力発電所
ちょうりょくはつ
でんしょ
干満の潮位差の大きい湾や入江をせき止めて干
満潮位の落差を利用して電気エネルギーに変換
する発電所。
tidal power station,
tidal power plant
3107
太陽電池
たいようでんち
物質に光が当たったとき,その物質に現れる光
起電力効果を利用して起電力を発生させる電
池。
solar battery,
solar cell
3108
燃料電池
ねんりょうでんち
電池外部から燃料と酸化剤を連続的に供給し,
その燃料の酸化によって生ずる化学的エネルギ
ーを熱にせず,直接電気エネルギーに変化させ
て電源とする電池。
fuel cell
3109
MHD発電,
(電磁流体発電)
えむえっちでぃは
つでん,
(でんじりゅうた
いはつでん)
強い磁界の中を,その直角方向に導電性の流体
を流し,磁界と流体の流れの両者に直角な方向
に生じる起電力を利用する発電方式。
magneto
hydrodynamic
power generation
3110
風力発電
ふうりょくはつで
ん
風の力で原動機(風車)を回転させて発電する
方式。
wind power genera-
tion
3111
波力発電
はりょくはつでん
波による海面の上下運動を利用して発電する方
式。
wave activated power
generation
3112
太陽熱発電
たいようねつはつ
でん
太陽の熱エネルギーを利用して発電する方式。 solar thermal electric
conversion
3113
海洋温度差発電
かいようおんどさ
はつでん
海面の近傍の暖流と深海を流れる寒流との温度
差を利用し,アンモニアなどの作業流体を用い
てタービン発電する方式。
ocean thermal energy
conversion
3114
複合サイクル発電
ふくごうさいくる
はつでん
汽力発電とガスタービン発電とを組み合わせて
総合効率の向上を図る火力発電。
combined cycle power
generation
3115
LNG 冷熱発電
えるえぬじーれい
ねつはつでん
LNGのもつ冷熱エネルギーを利用して発電す
る方式。
LNG cryogenic power
generation
3116
廃熱回収発電
はいねつかいしゅ
うはつでん
熱設備での排出熱を利用して発電する方式。
waste heat recovery
power generation
3117
定期検査
ていきけんさ
ボイラ,タービンなどが定められた期間ごとに
受ける監督官庁の検査。
regular inspection
3118
広域運営
こういきうんえい
我が国の9電力会社及び電源開発会社が相互に
協力し,各系統間の連系により全国的な電源開
発や設備運用及び電力融通などを行い,電力供
給の安定化と経営の合理化を図ること。
wide area coordinative
system operation
3119
発電原価
はつでんげんか
単位電力量発生のために必要とされる費用で,
償却,金利などの資本費,人件費,修繕費など
の直接費,燃料費などを含む。
generating cost
3120
熱消費率
ねつしょうひりつ
発生電力量1kWh当たりの熱の消費量。
heat rate
3121
所内率
しょないりつ
発電電力量に対する所内消費電力量の割合。
auxiliary power ratio
11
Z 9212-1983
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(3.2) 火力発電
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
3201
汽力発電所
きりょくはつでん
しょ
蒸気タービンで発電する発電所。
steam power plant,
steam power station
3202
ガスタービン発電
所
がすたーびんはつ
でんしょ
ガスタービンで発電する発電所。
gas turbine plant,
gas turbine station
3203
内燃力発電所
ないねんりょくは
つでんしょ
内燃機関で発電する発電所。
internal combustion
engine power plant,
internal combustion
engine power
station
3204
熱併給火力発電所
ねつへいきゅうか
りょくはつでんし
ょ
発電とともに,蒸気タービンの抽気又は排気で
地域暖房などを行う火力発電所。
steam supply and
power generating
plant,
steam supply and
power generating
station,
district heating power
plant,
district heating power
station
3205
基底負荷火力発電
所
きていふかかりょ
くはつでんしょ
基底負荷を受けもつ火力発電所。
base load thermal
power plant,
base load thermal
power station
3206
中間負荷火力発電
所
ちゅうかんふかか
りょくはつでんし
ょ
中間負荷を受けもつ火力発電所。
middle load thermal
power plant,
middle load thermal
power station
3207
ピーク負荷火力発
電所
ぴーくふかかりょ
くはつでんしょ
ピーク負荷を受けもつ火力発電所。
peak load thermal
power plant,
peak load thermal
power station
3208
燃料消費率
ねんりょうしょう
ひりつ
単位発生電力量当たりの燃料消費量。
fuel consumption rate
(3.3) 原子力発電
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
3301
軽水(型原子)炉
けいすい(がたげん
し)ろ
軽水を減速材及び冷却材として使う原子炉。
light water reactor,
LWR
3302
重水(型原子)炉
じゅうすい(がたげ
んし)ろ
重水を減速材とする原子炉。
heavy water reactor,
HWR
3303
高温ガス(冷却型原
子)炉
こうおんがす(れい
きゃくがたげんし)
ろ
ガス冷却炉のうち,ヘリウムを冷却材として用
い,その原子炉出口温度が特に高くなるように
設計された原子炉。
high-temperature
gas-cooled reactor,
HTGR
3304
沸騰水(型原子)炉 ふっとうすい(がた
げんし)ろ
一次冷却材を沸騰させるように設計されている
原子炉。
boiling water reactor,
BWR
3305
加圧水(型原子)炉 かあつすい(がたげ
んし)ろ
一次冷却材がバルク沸騰を起こさないような圧
力に維持されている原子炉。
pressurized water
reactor,
12
Z 9212-1983
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
PWR
3306
高速(中性子)炉
こうそく(ちゅうせ
いし)ろ
核分裂が主として高速中性子によって引き起こ
される原子炉。
fast reactor
3307
増殖炉
ぞうしょくろ
消費する以上に多くの核分裂性物質を作り出す
原子炉。
breeder (reactor)
3308
高速増殖炉
こうそくぞうしょ
くろ
高速中性子炉に属する増殖炉。
fast breeder reactor,
FBR
3309
核融合(反応)
かくゆうごう(はん
のう)
二つの軽い原子核が反応して,元の原子核のど
ちらよりも重い原子核を少なくとも一つと,余
分のエネルギーとを生じること。
nuclear fusion
(reaction)
3310
核分裂
かくぶんれつ
重い原子核が,同じ程度の質量をもつ二つ(又
はまれに三つ以上)の原子核に分かれる現象。
通常,中性子,γ線及びまれに荷電した軽い原子
核の放出を伴う。
(nuclear) fission
3311
核分裂生成物
かくぶんれつせい
せいぶつ
核分裂によって直接生ずる核種,及びその崩壊
により生ずる核種。
fission product
3312
核燃料
かくねんりょう
核分裂連鎖反応を行わせる目的で使用する核分
裂性物質,又はそれを含むもの。
nuclear fuel
3313
核燃料サイクル
かくねんりょうさ
いくる
核燃料物質を鉱石から精錬して核燃料とし,こ
れを原子炉で使用した後,使用ずみ燃料を再処
理するまでの一連の循環過程。
nuclear fuel cycle
3314
放射性廃棄物
ほうしゃせいはい
きぶつ
放射性物質の処理や取扱いの過程で生じる廃棄
物で,放射性物質を含むもの。
radioactive waste
3315
原子炉格納容器
げんしろかくのう
ようき
異常時に原子炉及び附属装置から漏れる可能性
のある放射性物質を外界に放散させないために
設けられた,気密性及び耐圧性をもった容器。
reactor container,
containment
3316
原子炉圧力容器
げんしろあつりょ
くようき
高い圧力に耐えるように設計された原子炉容
器。
reactor pressure vessel
3317
制御棒
せいぎょぼう
位置を変化させることにより原子炉の制御を行
うための棒状のもの。
control rod
3318
(燃料)被覆
(ねんりょう)ひふ
く
核分裂生成物及び核燃料の飛散を防ぎ,また冷
却材による燃料侵食を防ぐために,固体燃料を
薄い金属などで覆うこと,又はその金属などの
覆い。
canning,
cladding,
clad,
sheath
3319
冷却材
れいきゃくざい
原子炉で発生した熱を取り出すために使われる
流体。
coolant
3320
減速材
げんそくざい
顕著な捕護なしに,散乱によって中性子のエネ
ルギーを減少させるために使用される物質。
moderator
3321
核分裂連鎖反応
かくぶんれつれん
さはんのう
核分裂性物質を含む系において,核分裂によっ
て放出された中性子が次の核分裂を起こし,連
鎖的に核分裂反応が持続される現象。
(nuclear) fission chain
reaction
3322
臨界[原子力]
りんかい
核分裂連鎖反応が増大も減衰もせず,維持され
る状態。
すなわち,実効増倍率が1に等しい状態。
criticality
3323
スクラム
危険状態を防ぐか又は最小にとどめるため即座
に停止すること。
scram
3324
非常用炉心冷却系
ひじょうようろし
んれいきゃくけい
冷却材喪失事故時に原子炉の炉心を冷却して,
燃料の破損を防止するための装置。
emergency core
cooling system,
ECCS
13
Z 9212-1983
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
3325
フィルムバッジ
放射線検出用写真フィルムを適当なケースに入
れた個人線量計。その写真フィルムの黒化度か
ら装着した部位の被ばく(曝)を推定する。
film badge
3326
ポケット線量計
ぽけっとせんりょ
うけい
万年筆大の大きさと形をもつ電離箱形個人線量
計。
pocket chamber,
pocket dosemeter
3327
モニタリングポス
卜
環境モニタリング装置の一つで発電所周辺に設
置され,常時空間の放射線量を検出し,発電所
で監視・記録するもの。
monitoring post
3328
モニタリングステ
ーション
原子力発電所や再処理工場などの敷地周辺に空
気中の放射性物質濃度,放射線量率,積算線量
などを測定する目的で設置する放射線監視装
置。
monitoring station
3329
キャスク
放射性物質の貯蔵又は輸送に用いるため,遮へ
いを施した容器。
cask
3330
濃縮ウラン
のうしゅくうらん
ウランの全原子数に対するU235の原子数の比率
が天然のものより高いウラン。
enriched uranium
(3.4) 電力供給
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
3401
最大電力
さいだいでんりょ
く
ある一定期間内の負荷電力のうち最大なもの。 maximum power
3402
最大3日平均電力
さいだいみっかへ
いきんでんりょく
ある一定期間内の日間最大電力の上位から3個
をとった平均値。
average power of top
three
3403
平均電力
へいきんでんりょ
く
ある一定期間内の電力量をその期間の総時間数
で除したもの。
average power
3404
負荷率
ふかりつ
ある一定期間内の平均電力の,同期間中の最大
電力に対する割合。
load factor
3405
需要率
じゅようりつ
ある一定期間の最大電力の,総設備量に対する
割合。
demand factor
3406
最大需要電力
さいだいじゅよう
でんりょく
一定期間内の需要電力のうち,その月の最大電
力。
maximum demand
power
3407
送電損失
そうでんそんしつ
送電中に生ずる電力損失。
transmission loss
3408
送電損失率
そうでんそんしつ
りつ
送電損失の,送電端電力に対する割合。
transmission loss rate
3409
最大負荷
さいだいふか
ある一定期間内の総合負荷のうち最大なもの。 maximum load
3410
ピーク負荷
ぴーくふか
総合負荷のうち最大部分に相当する負荷。
peak load
3411
中間負荷
ちゅうかんふか
基底負荷とピーク負荷との間にある負荷。
middle load
3412
基底負荷
きていふか
総合負荷のうち最低部分に相当する負荷。
base load
3413
供給予備力
きょうきゅうよび
りょく
事故,渇水,需要の変動などに備えた需要想定
以上の供給力。
marginal supply
capability
3414
負荷曲線
ふかきょくせん
負荷の時間的変化(多くは1日中の変化)を曲
線で示したもの。
load curve
3415
負荷集中制御
ふかしゅうちゅう
せいぎょ
負荷開閉を集中的に行って,負荷の季節的,時
間的な均衡化を図り,負荷率の向上を目的とし
た制御方式。
load centralized
control
3416
系統運用
けいとううんよう
時々刻々変動する需要に対し,常に供給力を確
保して需要と供給をバランスよく調整するこ
と。
power system
operation
14
Z 9212-1983
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
3417
受電電圧
じゅでんでんあつ
送電線から電気を受けとる側の電圧。
receiving voltage
3418
供給電圧
きょうきゅうでん
あつ
送電線へ電気を送る側の電圧。
service voltage
3419
公称電圧
こうしょうでんあ
つ
日本では電気学会 電気規格調査会 (JEC) で
送配電線,電気器具について決められた電圧。
nominal voltage
3420
非接地方式
ひせっちほうしき
変圧器を全部
Δ
Δ− 接続 (1302) し,中性点接
地を行わない方式。
non-grounding system
3421
中性点接地方式
ちゅうせいてんせ
っちほうしき
中性点を直接又は高抵抗やリアクトルを通じて
接地する方式。
neutral grounding
system
3422
ループ方式
るーぷほうしき
異なった経路を通る二つ以上の線路を電気的に
環状構成した方式。
loop system
3423
自動故障区間分離
方式
じどうこしょうく
かんぶんりほうし
き
配電線路の区分点に区分用自動開閉器を設置
し,事故時に事故区間直前の自動区分開閉器を
開放して事故区間以降を切り離す方式。
automatic switching
by time relay
system (on high
voltage overhead
distribution
network)
3424
電力潮流監視
でんりょくちょう
りゅうかんし
電力系統における有効電力と無効電力の変化を
監視すること。
power flow
supervision
3425
懸垂がいし
けんすいがいし
送電線においてがいしを鉄塔からつるし,その
下に電力線を支持する方式に用いられるがい
し。
suspension type
insulator
3426
ピンがいし
磁器製で表面漏れ距離が大きくなるように皿を
何枚も重ねた形のがいし。
pin type insulator
3427
直接埋設式
ちょくせつまいせ
つしき
地下ケーブル線をトラフ(とい)の中に入れて,
これに砂を詰め,その上をふたで覆い地下に埋
める方式。
direct laying system
3428
管路
かんろ
地下ケーブル線を入れた鉄管,コンクリート管,
陶管などの路。
conduit
(3.5) 工場配電
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
3501
受電方式
じゅでんほうしき
需要家が電力の供給を受ける方法で1回線,2
回線(常予備切換)及びループ等の回路方式。
receiving system
3502
母線方式
ぼせんほうしき
受電点(責任分界点以降)及び変圧器二次側の
配電点の回路で,単一,分割,二重等の母線構
成方式。
bus-bar system
3503
配電線路
はいでんせんろ
発電所,変電所,開閉所及び電気を使用する需
要設備との相互間を接続する電線と,これを支
持,保護する電気工作物の総称。
distribution line
3504
特高配電線
とくこうはいでん
せん
電圧が7000ボルトを超えた配電線路。
extra high tension
distribution line
3505
高圧配電線
こうあつはいでん
せん
電圧が直流で750ボルト,交流で600ボルトを
超え7000ボルト以下の配電線路。
high-tension
distribution line
3506
低圧配電線
ていあつはいでん
せん
電圧が直流で750ボルト,交流で600ボルト以
下の配電線路。
low-tension
distribution line
3507
配電方式
はいでんほうしき
電力の地域的及び局地的(自家用区域内等)な
配送のための回路方式。
distribution system
15
Z 9212-1983
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
3508
三相三線式
さんそうさんせん
しき
変電所の変圧器二次側から配電線により,三相
交流電力を供給する回路。非接地,中性点接地
方式のものがある。
three-phase three-wire
system
3509
単相三線式
たんそうさんせん
しき
低圧回路で変圧器の二次側の中性点を接地し,
そこからの中性線と電力線2条と併せて3条で
電力を供給する回路。
single-phase
three-wire system
3510
Y結線三相四線式
わいけっせんさん
そうよんせんしき
低圧回路で変圧器の二次側のY結線 (1303) の
中性線と動力線3条と併せて4条で供給する主
として415/240V系の回路。
star-connection
three-phase
four-wire system
3511
放射状方式
ほうしゃじょうほ
うしき
負荷分布に対応し,樹枝状回路から成る幹線,
分岐線で構成され,需要点は一方向からの電力
の供給を受ける方式。
radial system
3512
ネットワーク方式
ねっとわーくほう
しき
2回線以上送電線から供給を受け変電所の受電
側の配電線で連けいし,並列運転を行う高圧方
式のものと,同一母線から2回線以上で供給し
変圧器二次側を格子状に接続したレギュラ方
式,及びネットワーク変圧器の低圧側を連けい
し,低圧ネットワーク母線を構成するスポット
方式がある。
network system
3513
配電系統図
はいでんけいとう
ず
電力の地域的及び局地的(自家用区域)な配電
方式を図で表したもの。
diagram of distribution
system
3514
地絡方向継電器
ちらくほうこうけ
いでんき
配電線の地絡故障時に零相電圧又は中性点電流
を極性量として零相電流の方向を識別して動作
する保護継電器。
ground directional
relay
3515
地絡過電圧継電器
ちらくかでんあつ
けいでんき
中性点が抵抗接地系などで一線地絡事故などに
生ずる零相電圧で動作する保護継電器。
ground overvoltage
relay
3516
比率差動継電器
ひりつさどうけい
でんき
保護区間の端子電流の差(差動電流)で動作す
るものに抑制(比率特性)を付加し,誤動作防
止を施した保護継電器。
ratio differential relay
3517
過電流継電器
かでんりゅうけい
でんき
電流が設定値以上になると動作し,短絡及び過
負荷保護に使用される継電器。瞬時動作と限時
特性のものがある。
overcurrent relay
3518
過電圧継電器
かでんあつけいで
んき
電圧が基準設定値以上になると動作し,電気回
路を過電圧から保護又は除去する保護継電器。
overvoltage relay
3519
不足(低)電圧継電
器
ふそく(てい)でん
あつけいでんき
短絡事故などによる電気回路の電圧降下が基準
設定値以下になると検出,動作する保護継電器。
undervoltage relay
3520
ブッフホルツ継電
器
ぶっふほるつけい
でんき
変圧器内部事故時の油のガス化を検出するガス
蓄積形と,主タンクとコンサベータを結ぶ管中
の油流の増大(主タンクの油圧急上昇)を検出
する油流形の組合せで変圧器用保護継電器。
Buchholtz relay
3521
補助継電器
ほじょけいでんき
保護継電器の動作に伴う信号を関連する機器に
転送するための多接点をもつ継電器。
auxiliary relay
3522
変電所
へんでんしょ
送配電系統の電圧を所要の電圧に変成する変圧
器,開閉器及び保護継電器並びに計測器等の電
力を転送するための機能を備えた施設。
substation
3523
漏電遮断器
ろうでんしゃだん
き
交流低圧電路の地絡及び感電保護用で,電流動
作形の遮断器。地絡保護のほか過負荷,短絡保
護併用形もある。
earth leakage breaker
16
Z 9212-1983
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
3524
閉鎖配電盤
へいさはいでんば
ん
遮断器,断路器,計器用変成器,母線,接続導
体などのほか,監視制御に必要な器具からなる
集合装置で,接地された金属箱内に収納された
ものであり,更に単位回路ごとに接地金属壁に
より隔離されている構造のもの。
enclosed switchboard
3525
電力ヒューズ
でんりょくひゅー
ず
磁器チューブにヒューズエレメント(銀線又は
特殊金属)とけい砂等を充てんした密封構造の
ヒューズ。
power fuse
3526
限流ヒューズ
げんりゅうひゅー
ず
耐熱絶縁筒中に銀又は銅の細い線若しくは薄い
リボンを何本か並列に張り,周囲に固く石英砂
で充てん密閉構造で限流特性をもつヒューズ。
current limiting fuse
3527
避雷器
ひらいき
雷又は回路の開閉などに起因する過電圧の波高
値がある値を超えた場合,これに伴う電流を分
流することにより過電圧を制限して,かつ続流
を短時間のうちに遮断して,系統の正常の状態
を乱すことなく現状に自復する機能をもつ装
置。
arrester
3528
成形絶縁物
せいけいぜつえん
ぶつ
高分子物質のエポキシ樹脂系にアミン類を添加
して硬化させ,モールド状とした絶縁物,又は
石英粉を充てん材として,がいし,ブッシング
等として加工されたもの。
molded insulator
3529
合成樹脂管
ごうせいじゅしか
ん
絶縁電線を施設する場合の保護用の硬質ビニル
管。
synthetic resin
conduit,
plastic conduit
3530
可とう電線管
かとうでんせんか
ん
金属管と電動機などの機器との接続箇所の短小
部分に用いられる絶縁電線保護用の鋼製フレク
シブルタイプの管。
flexible conduit
3531
金属ダクト
きんぞくだくと
鋼板(幅5cm,厚さ1.2mm以上)を使用し,酸
化肪止の亜鉛めっき又はエナメル等で被覆し,
内面は電線の被覆を損傷するような突起がない
ように作られたダクト。
metallic duct
3532
バスダクト
鋼板又はアルミ板の金属ダクト内に適当な間隔
で絶縁物により支持された裸の銅又はアルミ導
体を収めたもの。最近では導体を絶縁してダク
トに収めた絶縁バスダクトがある。
bus duct
3533
遠隔監視制御
えんかくかんしせ
いぎょ
数箇所の変電所又は負荷設備を1箇所から集中
的に運転状態を監視し,系統の切替,機器の開
閉操作等をすることができる機能をもつ制御方
式。
remote supervisory
control
3534
デマンド監視制御
でまんどかんしせ
いぎょ
最大需要電力を管理値以下にとどめ,電力設備
の効率的な運転と省エネルギーを推進するた
め,目標電力に対し予測監視制御の機能をもつ
制御方式。
demand supervisory
control
3535
目標デマンド
もくひょうでまん
ど
管理すべき最大需要電力の目標値。1時間又は
30分値がある。
set point demand
3536
予測デマンド
よそくでまんど
最大需要電力が規定時間(1時間又は30分値)
後に到達する電力の予測値。
forecasted demand
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番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
3537
電力量管理
でんりょくりょう
かんり
電力の使用合理化を目標に,工場や事業場の生
産活動を円滑に遂行し,経済的で合理的に電力
を使用するための管理方式。効果の判断指標と
しては電力原単位がよく用いられる。
electric energy control
3538
配電端電圧
はいでんたんでん
あつ
供給電圧が配電網を介し,末端の負荷に供給さ
れる点の電圧。
distribution-ends
voltage
3539
配電損失
はいでんそんしつ
電力を供給する際に配電設備内で生ずる電力損
失。
distribution loss
3540
柱上開閉器
ちゅうじょうかい
へいき
電線路の区分用に使用され,気中及び真空形開
閉器。負荷電流の開閉ができ,全閉形及び耐塩
構造のものがある。
pole switch
3541
鋼心アルミより線
こうしんあるみよ
りせん
架空送配電用に使用される鋼のワイヤを心に,
アルミのより線で構成されている電線。
aluminium cable steel
reinforced,
ACSR
3542
電力ケーブル
でんりょくけーぶ
る
発電所,変電所,開閉所及びこれらに類する場
所並びに電気使用場所相互間で電力を送るため
のケーブル。
power cable
3543
CVケーブル
導体に架橋ポリエチレン絶縁を施した線心(2
条又は3条等)を介在物とともに円形により合
わせて,テープで押さえた上にビニルシースを
施した構造のケーブル。
cross-linked
polyethylene
insulated vinyl
sheath cable
3544
BNケーブル
導体に合成ゴム(ブチルゴム)絶縁を施した線
心(2条又は3条等)を介在物とともに円形に
より合わせて,テープで押さえた上に外装にク
ロロプレンゴムを施した構造のケーブル。
butyl-rubber insulated
chloroprene sheath
cable
3545
OFケーブル
導体に絶縁紙を巻き浸油し,鉛又はアルミ被覆
し,絶縁油はケーブルの長さ方向の流動を容易
とし,常時大気圧以上に保持される構造のケー
ブル。
oil filled cable
3546
架空電線路
かくうでんせんろ
電線及びケーブル等を支持物(木柱,コンクリ
ート柱,鉄塔,がいしちょう架用線,ハンガー
等)を利用して,地上に施設する電線路。
overhead electric line
3547
地中電線路
ちちゅうでんせん
ろ
ケーブルを保護物(管路,暗きょ,コンクリー
トトラフ等)の中に入れ,地中に施設する電線
路。
underground electric
line
3548
接地線
せっちせん
接地工事の種類に応じた太さの軟銅線又はこれ
と同等以上の強さ及び太さの,容易に腐食しな
い金属線で,地絡電流を安全に通ずることがで
きる電線。
earthing conductor,
grounding conductor
3549
キャブタイヤケー
ブル
導体に電気用軟銅線を素線としたより線を使用
し,ゴム絶縁の上に丈夫なゴムで外装を施した
構造(第一種〜第四種)のケーブル。
tough-rubber sheath
cable
3550
鋼製電線管
こうせいでんせん
かん
低圧屋内配線で絶縁電線を施設する場合の保護
用としての鋼製パイプ。
metallic conduit tube
3551
ケーブルヘッド
電力ケーブルの終端を外部の電線又は電気機器
と接続する部分に,接続部防護用として使用す
るもの。
cable head
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番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
3552
契約電力
けいやくでんりょ
く
電力会社が需要家に供給を契約した電力。供給
する際の契約種別により,時間帯別に使用し得
る最大電力,負荷抑制,昼夜間率等の細かい取
決め事項がある。
contract demand
3553
配電盤
はいでんばん
送電及び配電の制御に必要な計器,開閉器,安
全装置などを装備したもの。
switchboard
3554
開閉所
かいへいじょ
送配電線路の中間に設けて,遮断器,開閉器又
は断路器などによって,自動又は手動で線路の
一部区間を除去若しくは投入を行う施設。
switching station
3555
限流リアクトル
げんりゅうりあく
とる
電気回路の短絡の場合,回路に流れる大電流を
制限する目的に使用されるリアクトル(4104)。
current-limiting
reactor
3556
分路リアクトル
ぶんろりあくとる
長距離送電線の送電線充電電流を打ち消すため
に送電線端又は受電端に入れるリアクトル
(4104)。
shunt reactor
3557
電力コンデンサ
でんりょくこんで
んさ
送配電系統の負荷と並列に接続して,力率改善,
電圧調整などの目的に使用されるコンデンサ。
power capacitor
3558
避雷針
ひらいしん
突針部,避雷導線,接地電極からなり,建物な
どに取り付けて,周囲のどこかに落ちる雷放電
を突針部に誘導し,他の部に落雷しないように
するもの。
lightning rod,
lightning conductor
(4) 電気機器
(4.1) 電気機器一般
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
4101
電気機器
でんききき
電力の変換・取扱いなどに利用される回転電気
機械及び静止器具の総称。
electrical machinery
and apparatus
4102
回転電気機械
かいてんでんきき
かい
回転部分をもち,電磁誘導作用に基づき,電力
(無効電力を含む。)の発生,変換若しくは変圧
を行い,又は電力を受けて機械動力を発生する
電気機械。一般に,回転機と総称されることが
多い。
electric rotating
machine
4103
回転機
かいてんき
→回転電気機械
rotating machine
4104
静止誘導器
せいしゆうどうき
連続的に回転する部分をもたない電磁誘導作用
によって電力を変成し,又は遅相無効電力を消
費する装置。例えば,変圧器,誘導電圧調整器,
リアクトルなどをいう。
stationary induction
apparatus
4105
静止電力変換装置
せいしでんりょく
へんかんそうち
電子的手段によって,交流から直流,直流から
交流,直流から直流,又は交流から交流へ電力
を変換する機能をもつ装置。
electronic power
converter
4106
開閉装置
かいへいそうち
電気回路を開閉する目的に使用される器具又は
装置の総称。
switchgear
4107
制御装置[電気機
器]
せいぎょそうち
制御の対象となる機械,プロセス,システムな
どの全体又は一部と組み合わされて,制御を行
う装置。
control device,
controller
4108
抵抗損
ていこうそん
電気抵抗Rオームの導体中を電流Iアンペアが
流れるときに生じる電力損失であって,I 2・Rワ
ットになる。すべて熱エネルギーに変換され,
これをジュール熱という。
ohmic loss,
resistance loss
19
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番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
4109
銅損
どうそん
→抵抗損
copper loss,
ohmic loss
4110
鉄損
てっそん
鉄心中を通る磁束が周期的変動をする場合に生
じる損失で,ヒステリシス損と渦電流損の和。
core loss,
iron loss
4111
機械損
きかいそん
回転電気機械を運転する際,機械的に生じる損
失で,軸受摩擦損・風損・ブラシ摩擦損がある。
mechanical loss
4112
無負荷損
むふかそん
電気機器を無負荷運転する際に生じる損失。無
負荷鉄損,無負荷銅損及び機械損(回転機だけ)
の和からなる。
no-load loss
4113
負荷損
ふかそん
負荷電流に応じて増減する損失。直接負荷損と
漂遊負荷損の和からなる。直接負荷損には,電
機子巻線中の抵抗損,ブラシの電気損,直巻・
補極及び補償巻線中の抵抗損,負荷により増減
する鉄損が含まれる。
load loss
4114
漂遊負荷損
ひょうゆうふかそ
ん
負荷損のうち直接負荷損に含まれないもの。負
荷電流による漏れ磁束から生じ,鉄中の漂遊負
荷損,導体中の漂遊負荷損及び整流作用によっ
て増加したブラシ損を含む。
stray load loss
4115
温度上昇[電気機
器]
おんどじょうしょ
う
運転中における電気機器の各部分の測定温度と
冷媒温度との差。
temperature rise
4116
冷却媒体
れいきゃくばいた
い
電気機器の運転中に生じる損失は熱になるが,
これらの熱を電気機器から取り去る(冷却する)
ための媒体となるもの。機器のある部分に接触
し,そこから熱を取り去る冷却媒体を一次冷媒,
熱交換器によって一次冷媒から熱を取り去る冷
却媒体を二次冷媒という。
coolant
4117
冷媒温度[電気機
器]
れいばいおんど
電気機器の温度上昇を定めるときの基準となる
冷却媒体の温度。例えば,自由通風形の回転機
では,機体に近接した周囲の空気が冷却媒体,
その温度が冷媒温度である。
coolant temperature
4118
許容最高温度
きょようさいこう
おんど
絶縁物を使用する際に許容される温度の最高限
度。
permissible maximum
temperature
4119
温度上昇限度
おんどじょうしょ
うげんど
電気機器の各部分に対して,許容される温度上
昇の最高限度をいい,温度測定法と絶縁の種類
に従って最高限度が定められている。
limit of temperature
rise
4120
絶縁の種類
ぜつえんのしゅる
い
電気機器の絶縁を,構成絶縁材料の耐熱特性に
よって分類したもので,Y種,A種,E種,B
種,F種,H種及びC種の絶縁がある。
class of insulation
4121
連続使用
れんぞくしよう
実質的に一定負荷で,電気機器が熱的平衡に達
する時間以上に連続運転される使用。
continuous duty
4122
短時間使用
たんじかんしよう
実質的に一定な負荷で,電気機器が熱的平衡に
達しない範囲の指定時間継続運転したのちに運
転を停止し,次回の運転開始までに電気機器の
温度と冷媒温度との差が2℃まで降下する使
用。
short-time duty
20
Z 9212-1983
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番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
4123
反復使用
はんぷくしよう
実質的に一定な負荷の運転期間及び電圧が印加
されない停止期間とを1周期として,これが反
復される使用。
この場合,運転期間・停止期間は,それぞれ電
気機器が熱的平衡に達する時間よりも短く,ま
た,運転開始及び停止の条件が温度上昇に与え
る影響を無視できるものとする。
回転機においては,この反復使用をS3と称し,
このほか,始動及び電気制動が温度上昇に影響
を与える場合と,停止の代わりに無負荷運転さ
れる場合について,S4からS8まで5種類の反
復使用が使われている。
intermittent periodic
duty
4124
連続定格
れんぞくていかく
指定条件のもとで連続使用するとき,その機器
に関する標準規格に定めてある温度上昇限度を
超過せず,その他の制限にはずれない定格。
continuous rating
4125
短時間定格
たんじかんていか
く
冷状態から始めて,指定された一定短時間指定
条件のもとで短時間使用するとき,その機器に
関する標準規格に定めてある温度上昇限度を超
過せず,その他の制限にはずれない定格。
sbort-time rating
4126
反復定格
はんぷくていかく
指定条件のもとで反復使用するとき,その機器
に関する標準規格に定めてある温度上昇限度を
超過せず,その他の制限にはずれない定格。
intermittent periodic
rating
4127
等価定格
とうかていかく
指定条件のもとで反復使用される場合,これと
熱的に等価な連続使用又は短時間使用で置換し
た場合の定格。等価連続定格又は等価短時間定
格という。
equivalent continuous
rating,
equivalent short time
rating
4128
効率
こうりつ
有効出力と有効入力の比。一般に百分率で表す。 efficiency
4129
総合効率[電気機
器]
そうごうこうりつ
2個以上の機器の組合せによって構成されてい
る装置全体の効率。
combined efficiency,
overall efficiency
4130
全日効率
ぜんじつこうりつ
一昼夜24時間にわたる出力総電力量(出力エネ
ルギー)の入力総電力量(入力エネルギー)に
対する比。通常は百分率で表される。
all day efficiency
4131
電圧変動率
でんあつへんどう
りつ
発電機 定格負荷状態(交流機では指定力率)
における励磁回路を調整することなく,回転速
度を一定に保ったまま,定格負荷状態から無負
荷にした場合における端子電圧の変動値の定格
電圧に対する比。百分率で表す。
変圧器 指定された電流・力率及び定格周波数
において二次端子電圧を定格値に保ったとき,
その一次端子電圧を変えることなく,変圧器を
無負荷にした場合における二次端子電圧の変動
値の定格二次電圧に対する比。百分率で表す。
voltage regulation
4132
等価回路
とうかかいろ
複雑な回路や,電気機器・電子装置その他のデ
バイスに対し,必要とする範囲内で電気的に等
価な特性をもつ比較的簡単な回路。
解析に際して,複雑な回路や電気機器などの代
わりに用いられ,例えば三相誘導電動機では,
その星形換算の1相分をL形又はT形の等価回
路で表す。
equivalent circuit
21
Z 9212-1983
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番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
4133
成層鉄心
せいそうてっしん
相互に絶縁された薄い鉄板を積み重ねて構成し
た鉄心。
laminated core
4134
漏れインダクタン
ス
もれいんだくたん
す
漏れ磁束によって生じるインダクタンス。
leakage inductance
(4.2) 変圧器
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
4201
変圧器
へんあつき
鉄心と二つ又は三つ以上の巻線をもち,かつそ
れらが相互に位置を変えない装置で,一つ又は
二つ以上の回路から交流電力を受け,電磁誘導
作用により電圧及び電流を変成して,他の一つ
又は二つ以上の回路に同一周波数の交流電力を
供給するもの。
transformer
4202
単相変圧器
たんそうへんあつ
き
単独では,単相の電力を変成する変圧器。
single-phase
transformer
4203
三相変圧器
さんそうへんあつ
き
単独で三相の電力を変成する変圧器。
three-phase
transformer
4204
単巻変圧器
たんまきへんあつ
き
一次・二次巻線が分離・絶縁されることなく,
一部が共通になっている変圧器。
autotransformer
4205
油入変圧器
あぶらいりへんあ
つき
巻線及び鉄心を変圧器油の中に浸し,油の絶縁
と冷却の作用を利用している変圧器。
oil-immersed
transformer
4206
負荷時タップ切換
変圧器
ふかじたっぷきり
かえへんあつき
電圧が異なる二つ以上の回路間の電圧・電流の
変成を行い,かつ変圧器が励磁されている状態
又は負荷をかけた状態でタップ切換えができる
変圧器。
on-load tap changing
transformer
4207
一次巻線
いちじまきせん
電源側の回路に接続される巻線。
primary winding
4208
二次巻線
にじまきせん
負荷側の回路に接続される巻線。
secondary winding
4209
巻数比
まきすうひ
一次巻線の巻数の,他の巻線の巻数に対する比。 turn ratio
4210
誘導電圧調整器
ゆうどうでんあつ
ちょうせいき
一次及び二次の巻線の相対位置を回転によって
変化し,二次巻線に誘導する電圧の大きさ又は
位相を連続的に変化させることによって,出力
側の電圧を調整する静止誘導器。
induction regulator
(4.3) 回転機一般
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
4301
発電機
はつでんき
機械動力を受けて電力を発生する回転機。
generator
4302
電動機
でんどうき
電力を受けて機械動力を発生する回転機。
motor
4303
直流機
ちょくりゅうき
直流電力を発生又は変圧し,若しくは直流電力
を受けて機械動力を発生する回転機。
d. c. machine
4304
交流機
こうりゅうき
交流電力(無効電力を含む。)を発生又は変換し,
若しくは交流電力を受けて機械動力を発生する
回転機。
a. c. machine
4305
同期機
どうきき
定常運転状態において,同期速度で回転する交
流機。
synchronous machine
4306
非同期機
ひどうきき
定常運転状態において,同期速度と異なる速度
で回転する交流機。
asynchronous machine
22
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番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
4307
誘導機
ゆうどうき
固定子及び回転子に互いに独立した電機子巻線
をもち,一方の巻線が他方の巻線から電磁誘導
作用によってエネルギーを受けて動作する非同
期機。
induction machine
4308
交流整流子機
こうりゅうせいり
ゅうしき
整流子をもつ非同期機。
a. c. commutator
machine
4309
定速度電動機
ていそくどでんど
うき
給与電圧(交流機では周波数も)を一定に保て
ば,負荷にかかわらず,一定又はほぼ一定の回
転速度で動作する電動機。
constant-speed motor
4310
多段速度電動機
ただんそくどでん
どうき
定速度電動機の一種で,その回転速度を数段に
変更できる電動機。
multispeed motor,
change-speed motor
4311
加減速度電動機
かげんそくどでん
どうき
定速度電動機の一種で,その回転速度を広範囲
に加減できる電動機。
adjustable-speed
motor
4312
変速度電動機
へんそくどでんど
うき
給与電圧(交流機では周波数も)を一定に保っ
ても,その回転速度が負荷によって著しく変化
する電動機。
varying-speed motor
4313
固定子
こていし
回転機の一部であって,静止している部分。固
定子鉄心,固定子枠及び固定子巻線などからな
る。
stator
4314
回転子
かいてんし
回転機の回転する部分。
rotor
4315
スロット
回転機において,コイル辺を収納するために鉄
心に設けられる溝。
slot
4316
固定子鉄心
こていしてっしん
固定子の磁気回路を構成する鉄心。
stator core
4317
回転子鉄心
かいてんしてっし
ん
回転子の鉄心。
rotor core
4318
界磁
かいじ
直流機及び同期機において、界磁極・界磁巻線・
継鉄を含めた界磁束を発生させる部分の総称。
field system
4319
電機子
でんきし
整流子機及び同期機を構成する一部で,鉄心と
巻線又は整流子(整流子機)をもち,起電力が
誘導されるとともに負荷電流が流れる部分。直
流機では回転子そのものを指す場合が多い。
armature
4320
変圧器起電力
へんあつききでん
りょく
回転電気機械のコイルに誘導する起電力のう
ち,磁束の時間的変化に基づく部分。
transformer
electromotive force
4321
速度起電力
そくどきでんりょ
く
回転電気機械のコイルに誘導する起電力のう
ち,磁束とコイルの相対速度に基づく部分。
speed electromotive
force
4322
逆起電力
ぎゃくきでんりょ
く
回路や機器の内部において,指定された電流の
向きに反する極性をもつ起電力。電動機の電機
子に誘導する起電力は,電源からの入力電流と
逆方向に生じる。
counter-electromotive
force,
back electromotive
force
4323
飽和曲線
ほうわきょくせん
一定回転速度,一定電機子電流(交流機の場合
は一定力率)における界磁電流と端子電圧の関
係を示す曲線。負荷飽和曲線又は負荷特性曲線
ともいう。無負荷の場合は特に無負荷飽和曲線
と称する。
saturation curve,
load characteristic
curve
4324
速度変動率
そくどへんどうり
つ
定格電圧(交流機では更に定格周波数)におい
て,電動機を定格負荷状態から無負荷にした場
合の回転速度の変動の割合。通常は変動値の定
格回転速度に対する百分率で表す。この際,電
動機の励磁回路は調整しないものとする。
speed regulation
23
Z 9212-1983
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
4325
同期速度
どうきそくど
電源周波数f0〔Hz〕と回転機の極数Pで決まる
回転磁界の回転速度。
同期速度=120f0/Prpm
synchronous speed
4326
電機子反作用
でんきしはんさよ
う
電機子巻線を流れる電流によって生じる起磁
力。
armature reaction
4327
すり接触
すりせっしょく
二つの導電部分の接続において,一方の導電部
分が他方の導電部分上で滑り運動を継続するよ
うな接触。
sliding contact
4328
ブラシ
回転子と外部回路間をすり接触によって通電す
るため,整流子又はスリップリングなどの面上
に接触させる(通常は静止している)導電部分。
電気黒鉛質・金属黒鉛質などがある。
brush
4329
整流子
せいりゅうし
切口がくさび形の硬引銅からできている整流子
片を,片間マイカで絶縁して円筒状に仕上げ,
回転子軸に絶縁して取り付けたもの。ブラシと
のすり接触を介して外部回路との通電を行う。
commutator
4330
スリップリング
ブラシとのすり接触を介して外部回路との通電
を行うため,回転子の回転軸に絶縁して取り付
けられた金属製のリング。
collector ring,
slip ring
4331
始動トルク
しどうとるく
始動の過程で電動機が電磁的に生じるトルク。 starting torque
4332
始動器
しどうき
電動機の始動に用いられる一種の制御器。一般
には,正常でない条件になった場合や,停止し
ようとする場合のための開路機構をもってい
る。
starter
4333
制動トルク
せいどうとるく
負荷トルクと同一方向に生じて減速作用を行う
トルク。
braking torque
4334
発電制動
はつでんせいどう
電動機の電機子を電源から切り離して代わりに
負荷抵抗を接続し,発電機動作によって電気エ
ネルギーに変換された運動エネルギーを電機子
回路抵抗中の熱エネルギーの形で吸収する電気
制動。
dynamic braking
4335
回生制動
かいせいせいどう
電動機を発電機として動作させ,運動エネルギ
ーを電気エネルギーに変換して電源に送り返す
電気制動。
regenerative braking
4336
並行運転
へいこううんてん
2台以上の電気機械を並列に接続して共通の負
荷に電力又は動力を供給する運転。
parallel running
(4.4) 直流機
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
4401
直流電動機
ちょくりゅうでん
どうき
直流電力を受けて動作する電動機。
d. c. motor
4402
分巻電動機
ぶんまきでんどう
き
電機子巻線と並列に接続された主極の界磁巻線
(すなわち分巻巻線)をもつ直流電動機。
shunt motor
4403
直巻電動機
ちょくまきでんど
うき
電機子巻線と直列に接続された主極の界磁巻線
(すなわち直巻巻線)をもつ直流電動機。
series motor
4404
複巻電動機
ふくまきでんどう
き
分巻巻線及び直巻巻線をもつ直流電動機。分巻
巻線と直巻巻線の極性が同一か相反するかによ
り,和動複巻又は差動複巻という。
compound motor
24
Z 9212-1983
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
4405
他励電動機
たれいでんどうき
電機子とは別の電源によって励磁される主極の
界磁巻線(すなわち他励巻線)をもつ直流電動
機。
separately excited
motor
4406
補極巻線
ほきょくまきせん
電機子巻線と直列に接続された補極の界磁巻
線。
commutating pole
winding
4407
補償巻線
ほしょうまきせん
電機子反作用を打ち消すため磁極面に設け,電
機子巻線と直列に接続された巻線。
compensating winding
4408
界磁制御
かいじせいぎょ
界磁電流の大きさを変えて電動機の速度を制御
する方式。
field control
4409
抵抗制御[電動機] ていこうせいぎょ
電動機の電機子回路に挿入した抵抗の大きさを
変えてその速度を制御する方式。
rheostatic control
4410
電圧制御[電動機] でんあつせいぎょ
電機子に加える電圧の大きさを変えて電動機の
速度を制御する方式。必要な場合は電圧の極性
も変える。
armature voltage
control
4411
ワード・レオナード
方式
わーど・れおなーど
ほうしき
専属する直流発電機の界磁電流を加減すること
により,直流電動機の電圧制御を行う方式。
電動発電機の代わりに静止電力変換装置を用い
るものを静止レオナード方式という。
Ward−Léonard
system
4412
イルグナ方式
いるぐなほうしき
レオナード方式の電動発電機にはずみ車を付
け,駆動電動機に生じる負荷の変動を緩和させ
る方式。
Ilgner system
4413
溶接発電機
ようせつはつでん
き
アーク溶接の電源として用いられる直流発電
機。アークの電流電圧特性に合うよう,負荷電
流の増加に伴って著しく端子電圧の降下する特
性(垂下特性)をもたせてある。
welding generator
4414
電気動力計
でんきどうりょく
けい
他の回転機械の発生動力又は所要動力を計量す
るのに適した構造の電気機械。一般にトルクと
回転速度を計量する装置を備えている。
electric dynamometer
(4.5) 同期機
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
4501
同期電動機
どうきでんどうき
定常運転状態において同期速度で回転する電動
機。
synchronous motor
4502
ヒステリシスモー
タ
残磁性の磁性材料からなる平滑な円筒形の回転
子をもつ,固定子側の作る回転磁界のもとで,
始動期間は磁性材料のヒステリシス損の作用に
よって動作し,定常運転状態では残留磁気によ
って同期運転される電動機。残磁性は強いこと
が望ましい。
hysteresis motor
4503
短絡比
たんらくひ
定格回転速度において,無負荷で定格電圧を発
生するのに必要な界磁電流と,三相短絡の場合
に定格電流に等しい持続短絡電流を流すのに必
要な界磁電流との比。
short-circuit ratio
4504
直軸同期リアクタ
ンス
ちょくじくどうき
りあくたんす
定格電圧・定格周波数の定常運転状態において,
電機子巻線に直軸分だけの電流が流れていると
き,これによる電機子反作用及び漏れリアクタ
ンスに基づく各相の逆起電力を各相に流れる電
流で除したもの。
direct-axis
synchronous
reactance
25
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
4505
横軸同期リアクタ
ンス
よこじくどうきり
あくたんす
定格電圧・定格周波数の定常運転状態において,
電機子巻線に横軸分だけの電流が流れるとき,
これによる電機子反作用及び漏れリアクタンス
に基づく各相の逆起電力を各相に流れる電流で
除したもの。
quadrature-axis
synchronous
reactance
4506
V曲線
ぶいきょくせん
同期電動機(同期調相機を含む)を一定電圧及
び一定周波数で運転し,無負荷又は一定出力の
もとで界磁電流を増減する場合,電機子電流と
界磁電流との関係を表すV字形の曲線。
V-curve
4507
引入れトルク
ひきいれとるく
定格周波数及び定格電圧の電源により始動して
ほぼ同期速度に近づいた同期電動機に励磁を加
えたとき,同期電動機及び連結負荷のはずみ車
効果に打ち勝って同期に入ることができる最大
負荷トルク。
pull-in torque
4508
脱出トルク
だっしゅつとるく
定格周波数,定格電圧及び常規の励磁において
同期運転ができる最大トルク。
pull-out torque
4509
内部相差角
ないぶそうさかく
同期機の負荷時において,界磁軸と電機子起磁
力の軸との間に生じる角変位を表す電気角。
internal phase angle
4510
制動巻線
せいどうまきせん
鎖交する磁束に急激な変化を生じたとき制動作
用を生じさせるため,同期機の磁極片に設けた
スロット中に納められて,通常は短絡又は短絡
可能な構造をもつかご形巻線。
damper winding,
amortisseur winding
(4.6) 誘導機
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
4601
単相誘導電動機
たんそうゆうどう
でんどうき
単相電源によって動作する誘導電動機。
single-phase induction
motor
4602
三相誘導電動機
さんそうゆうどう
でんどうき
三相電源によって動作する誘導電動機。
three-phase induction
motor
4603
かご形誘導電動機
かごがたゆうどう
でんどうき
二次巻線が,スロット中に納められた棒状の導
体と鉄心の両側でこれらを短絡する短絡環とか
ら成る誘導電動機。
squirrel-cage induction
motor
4604
深溝かご形誘導電
動機
ふかみぞかごがた
ゆうどうでんどう
き
かご形誘導電動機の一種で,始動電流を制限し
又は始動トルクを大きくするため,二次巻線を
納めるスロットが幅のわりに深い形状又は特殊
な形状をもつもの。
deep-slot squirrel-cage
induction motor
4605
二重かご形誘導電
動機
にじゅうかごがた
ゆうどうでんどう
き
かご形誘導電動機の一種で,始動電流を制限し
又は始動トルクを大きくするため,高抵抗導体
及び低抵抗導体からなる2組の二次巻線を,そ
れぞれ上部及び下部のスロットに納める構造を
もつもの。
double squirrel-cage
induction motor
4606
巻線形誘導電動機
まきせんがたゆう
どうでんどうき
二次巻線が多相巻線(通常は三相巻線)からな
る誘導電動機。通常スリップリングをもち,二
次巻線の端子を外部に引き出してある。
wound rotor induction
motor
26
Z 9212-1983
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
4607
極数切換電動機
きょくすうきりか
えでんどうき
同期速度を変化して多段速度電動機として使用
するため,固定子の極数を切り換えられるよう
にした誘導電動機。回転子は通常かご形である。
切換は,固定子巻線の接続変更又は極数の異な
る2組の固定子巻線によって行われるが,後者
を更に接続変更すると4段の速度変更まで可能
である。
pole change motor
4608
コンデンサモータ
補助巻線と直列にコンデンサを接続するように
設計された分相誘導電動機の総称。
capacitor motor
4609
滑り
すべり
同期速度と回転子回転速度との差の同期速度に
対する比をいい,百分率又は小数で表す。
slip
4610
滑り調整器
すべりちょうせい
き
巻線形誘導電動機の二次回路に接続して滑りを
調整する装置。一般に加減抵抗器とその調整装
置とからなる。
slip regulator
4611
円線図法[誘導機] えんせんずほう
多相誘導電動機の1相分を等価回路で表示した
場合,複素面上における一次電流の軌跡が滑り
の変化に対して円となることを利用して特性を
求める方法。
circle diagram method
(4.7) 静止電力変換装置
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
4701
順変換装置
じゅんへんかんそ
うち
交流電力を直流電力に変換する静止電力変換装
置。
electronic power
rectifier
4702
逆変換装置
ぎゃくへんかんそ
うち
直流電力を交流電力に変換する静止電力変換装
置。
electronic power
inverter
4703
半導体整流器
はんどうたいせい
りゅうき
半導体整流素子又は半導体整流スタックを附属
物又は附属機器とともに,同一の箱の中又は架
台上に取り付け,電気的接続を行ったもの。
semiconductor
rectifier assembly
4704
サイリスタ変換装
置
さいりすたへんか
んそうち
サイリスタを用いた半導体整流器,変圧器及び
附属装置から構成された静止電力変換装置。
thyristor convertor
4705
直流巻線[静止電力
変換装置]
ちょくりゅうまき
せん
整流器用変圧器の巻線のうち,整流スタック又
は整流器に接続される巻線。
cell winding,
valve winding
4706
相間リアクトル
そうかんりあくと
る
相間リアクトル付二重星形結線の場合のよう
に,位相を異にする脈動電圧をもった2個以上
の転流群間の並行運転を行わせる電磁結合装
置。
interphase reactor
4707
転流リアクトル
てんりゅうりあく
とる
整流回路素子間の転流を助けるために挿入され
るリアクトル。
commutating reactor
4708
転流コンデンサ
てんりゅうこんで
んさ
整流回路素子間の転流を助けるために挿入され
るコンデンサ。
commutating capacitor
4709
逆阻止3端子サイ
リスタ
ぎゃくそしさんた
んしさいりすた
逆阻止特性をもつ3端子サイリスタ。
reverse blocking triode
thyristor
4710
逆導電3端子サイ
リスタ
ぎゃくどうでんさ
んたんしさいりす
た
逆阻止特性を持たない3端子サイリスタ。
reverse conducting
triode thyristor
4711
(サイリスタの)ゲ
ート端子
(さいりすたの)げ
ーとたんし
制御電流だけが流入又は流出する端子。
gate terminal
27
Z 9212-1983
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
4712
転流
てんりゅう
一つの整流回路素子から次の回路素子へ電流の
移り変わること。リアクタンスのため,両素子
を同時に電流の流れる期間があり,転流はこの
期間中に行われる。
commutation
4713
位相制御
いそうせいぎょ
整流回路素子がオン又はオフ状態に入る位相を
制御すること。
phase control
4714
パルス制御
ぱるすせいぎょ
主整流回路素子を繰り返して流れる電流の通流
開始点又は終了点を変えて行う制御。
pulse control
4715
制御角
せいぎょかく
位相制御において,制御される電気角の値。
phase-control angle
4716
順方向
じゅんほうこう
整流素子において,高導電性を示す方向。
forward direction
4717
逆方向
ぎゃくほうこう
整流素子において,低導電性を示す方向。
reverse direction
4718
順電圧降下
じゅんでんあつこ
うか
整流素子の順方向に現れる電圧降下。
forward voltage drop
4719
ゲートトリガ電流
げーととりがでん
りゅう
サイリスタをオフ状態からオン状態へ切り換え
るのに必要とする最小のゲート電流。
gate trigger current
4720
ピーク動作逆電圧
ぴーくどうさぎゃ
くでんあつ
整流素子又は整流回路素子に逆方向に印加され
る電圧の波高値であって,瞬間的過電圧又は周
期的振動を伴う過渡の過電圧を除いた値。
crest working reverse
voltage
4721
重なり角
かさなりかく
転流の継続時間を,交流基本波に対する電気角
で表現したもの。
angle of overlap,
overlapping angle
(4.8) 開閉装置及び制御用機器
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
4801
制御器
せいぎょき
電動機などの電気機械器具に供給される電力
を,あらかじめ定められた方法に従って制御す
る装置。その操作を電磁石によって行うものを
電磁制御器という。
controller
4802
接触器
せっしょくき
電動機その他の電気機器の電力回路を頻繁に開
閉するための装置。電動機の始動・速度制御に
使われるものは,始動時の過電流に対しても開
閉能力をもつ。
電磁石によって接触子の開閉操作するものを電
磁接触器という。
contactor
4803
始動抵抗器
しどうていこうき
電動機の始動電流を制御するために用いられる
抵抗器で,定常運転に入ってからの速度制御に
は用いられないもの。
starting rheostat
4804
速度計用発電機
そくどけいようは
つでんき
回転機の軸に機械的に連結され,速度に比例し
た発生電圧(交流の場合は周波数も)を回転速
度の測定に利用するための発電機。
tachometer generator,
tachometer dynamo
4805
トルクモータ
制限された回転角の範囲内又は拘束された状態
で,発生するトルクを利用する電動機。
torque motor
4806
シンクロ
2個以上の回転体の回転軸の同期を自動的に保
たせる特殊な多相回転機の総称。シンクロ発信
機とシンクロ受信機を使う指示用,これにシン
クロ制御変圧器を組み合わせたサーボ用及び二
つの原動機軸の同期を保たせるため,それぞれ
の軸に連結された三相巻線形誘導電動機の二次
側を接続する動力用などに大別される。
synchro
28
Z 9212-1983
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
4807
断路器
だんろき
定格電圧のもとで負荷電流の開閉をたてまえと
せず,充電された電路を開閉するために用いら
れる気中開閉装置。
disconnector
4808
遮断器
しゃだんき
常規状態の電路の開閉・通電のほか,異常状態
特に短絡状態における電路を開閉し得る装置。
circuit-breaker
4809
油遮断器
あぶらしゃだんき
電路の遮断が絶縁油を媒質として行われる遮断
器。
oil circuit-breaker
4810
空気遮断器
くうきしゃだんき
電路の遮断が圧縮空気を媒質として行われる遮
断器。
air-blast
circuit-breaker
4811
ガス遮断器
がすしゃだんき
六ふっ化硫黄 (SF6) 等のガスの絶縁耐力,絶縁
強度を利用し,1.5MP{約15kgf/cm2}程度の高
圧ガスとして接触間に吹き付け,消弧・回収す
る方式の遮断器。
gas-blast
circuit-breaker
4812
真空遮断器
しんくうしゃだん
き
電路の遮断が高真空中で行われる遮断器。
vacuum
circuit-breaker
4813
気中遮断器
きちゅうしゃだん
き
電路の開閉を大気中で行う遮断器。
air circuit-breaker
4814
磁気遮断器
じきしゃだんき
磁気吹消コイルによりアークを磁界で駆動し,
アークシュート内に押し込んで冷却,遮断する
方式の気中遮断器。
magnetic blow-out
circuit-breaker
4815
配線用遮断器
はいせんようしゃ
だんき
開閉機構,引外し装置などを絶縁物の容器内に
一体に組み立てた気中遮断器。
molded-case
circuit-breaker
(5) 電動力応用
(5.1) 電動力応用一般
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
5101
慣性モーメント
かんせいもーめん
と
物体の,ある回転軸に関する慣性の大小を示す
量で,その物体の微小部分の質量dmと,それ
の回転軸からの距離rの2乗の積の総和。すな
わち
慣性モーメント
∫
)
・
=
2
2
m
kg
(
dm
r
J
moment of inertia
5102
慣性係数 (FI)
かんせいけいすう
負荷及び電動機を含めた全体の慣性モーメント
(電動機軸に換算したもの)の電動機の慣性モ
ーメントに対する比。
factor of inertia
5103
集団運転
しゅうだんうんて
ん
一つの工場内の多数の機械を1台の電動機又は
数台の電動機に区分して集団で運転する方式。
group drive
5104
個別運転
こべつうんてん
1台の機械を1台の電動機で運転する方式。
individual drive
5105
単線結線図
たんせんけっせん
ず
配線,電気機械器具などの電気的なつながりを,
相数や線数に関係なく1本の線で書き表した結
線図。
skeleton diagram
5106
展開接続図
てんかいせつぞく
ず
制御機械器具の制御動作の順序(シーケンス)
を示す接続図。通常,シーケンスダイヤグラム
という。
elementary wiring
diagram
5107
負荷時間率
ふかじかんりつ
反復使用の場合,負荷時間と負荷周期との比を
百分率 (%ED) で表した値。
duty factor
5108
逆転制動
ぎゃくてんせいど
う
電動機の回転方向が負荷と反対になるように一
次巻線の接続を切り換えて行う制動。
交流電動機の場合は逆相制動という。
plugging
29
Z 9212-1983
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
5109
全電圧始動
ぜんでんあつしど
う
電動機に定格電圧を印加して行う始動。
full voltage starting
5110
減電圧始動
げんでんあつしど
う
電源と電動機との間に抵抗又はリアクタンスを
挿入するか,若しくは単巻変圧器によって電源
電圧を低減して行う始動。
reduced voltage
starting
5111
伝動装置
でんどうそうち
動力を伝達するための装置。
transmission gear
5112
固定継手
こていつぎて
主動軸と従動軸との軸線が一致しているときに
使用する剛体継手。
rigid coupling
5113
たわみ継手
たわみつぎて
主動軸と従動軸の結合部分に革・ゴムなどを挟
み,回転方向又は軸方向に多少の緩みを与えた
継手。ねじり振動を吸収し,両軸が多少ずれて
いても支障なく運転できる。
flexible coupling
5114
電磁継手
でんじつぎて
主動軸と従動軸とを電磁的に結合する継手。
magnetic coupling
5115
流体継手
りゅうたいつぎて
ポンプの羽根車とタービンの羽根車とを向かい
合せておき,内部に油を満たした構造の継手。
入力軸を駆動するとポンプから流出した油は,
タービンを回し,出力軸に動力を伝達する。
fluid coupling
5116
電磁クラッチ
でんじくらっち
電磁石を励磁して可動鉄片(アーマチュア)を
吸引し,摩擦板との接触を介して動力を伝達す
る装置。
electromagnetic clutch
5117
金属箱開閉器
きんぞくばこかい
へいき
開閉器を金属箱内に収め,箱外から手動で開閉
操作をできるようにした開閉器。通常,過負荷
保護装置を備えている。
safety (enclosed)
switch
5118
交流電磁開閉器
こうりゅうでんじ
かいへいき
交流用電磁接触器と熱動形などの過電流保護装
置とを組み合わせた開閉器。
a. c. electromagnetic
switch
5119
制御スイッチ
せいぎょすいっち
接触器,継電器その他の装置の動作を電磁的に
制御するための開閉器。
control switch
5120
リミットスイッチ
位置,変位,移動,通過等を検出するためのス
イッチ。接点機構にはマイクロスイッチが多く
使用される。
limit switch
5121
マイクロスイッチ
開閉動作を小さな力で迅速・確実に行え,相当
大きな電流も開閉できるように設計・製作され
ている小形スイッチ。
micro switch
5122
制御継電器
せいぎょけいでん
き
電気機器や回路の制御を遂行する目的に使用さ
れる継電器。
control relay
5123
保護継電器
ほごけいでんき
電気機器や回路の異常状態に対する保護の目的
に使用される継電器。
protective relay
5124
限時継電器
げんじけいでんき
限時特性をもつ継電器。
time limit relay
5125
限時特性
げんじとくせい
入力信号が与えられてから,定まった時間後に
出力する特性。
time limit
characteristic
5126
熱動過負荷継電器,
(サーマルリレー)
ねつどうかふかけ
いでんき
電流の熱効果を利用して過負荷を検出する継電
器。溶融金属形とバイメタル形とがある。
thermal overload relay
5127
ドラム制御器
どらむせいぎょき
円筒面上に可動接触子(セグメント)を配置し,
円筒を回すことによって固定接触子(フィンガ)
との間の接触を制御する制御器。
drum controller
5128
二要素ヒューズ
にようそひゅーず
溶断特性の異なる可溶体を直列に接続し,その
溶断特性に適当な時間遅れをもたせたヒュー
ズ。
dual element fuse
30
Z 9212-1983
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
5129
始動リアクトル
しどうりあくとる
かご形誘導電動機の始動電流を制御するため,
始動の際に電源と電動機の間に挿入されるリア
クトル。
starting reactor
5130
二次抵抗制御
にじていこうせい
ぎょ
巻線形誘導電動機の二次側に抵抗を接続し,比
例推移を利用して回転速度を制御する方式。
rotor resistance control
5131
渦電流ブレーキ
うずでんりゅうぶ
れーき
磁界の中で金属板を回転させ,生じる渦電流損
によって制動動作を行うブレーキ。
eddy current brake
5132
静止クレーマー方
式
せいしくれーまー
ほうしき
巻線形誘導電動機と直流電動機を直結し,誘導
電動機の二次滑り電力をシリコン整流器で整流
して直流電動機の入力とする速度制御方式。定
出力特性をもつ。
static Kraemer system
5133
静止セルビウス方
式
せいしせるびうす
ほうしき
巻線形誘導電動機の二次滑り電力を整流器で整
流し,これを他励サイリスタ逆変換装置によっ
て電源周波数の交流電力に変換して,電源に送
り返す速度制御方式。定トルク特性をもつ。
static Scherbius
system
5134
負荷周期曲線
ふかしゅうききょ
くせん
反復使用において,1周期中の負荷と時間との
関係を表す曲線。
duty cycle curve
(5.2) 荷役機械
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
5201
巻上機
まきあげき
荷の巻上げ,巻下げ,横引き,斜め引き等を目
的に使用される装置。
hoist
5202
天井クレーン
てんじょうくれー
ん
高架ランウェイ上を走行するけたにトロリをも
つクレーン。
overhead travelling
crane
5203
寸動
すんどう
短時間に1回又は繰り返し入り・切りを行って
電動機を少しずつ動かす操作をすること。イン
チングともいう。
inching
5204
ベルトコンベヤ
フレームの両端に設けたプーリにベルトをエン
ドレスに張り,その上に荷を載せて運搬するコ
ンベヤ。
belt conveyor
5205
空気コンベヤ
くうきこんべや
管の中の空気を媒体として,荷を運搬するコン
ベヤ。圧送式,吸込式及びその併用のものがあ
る。
pneumatic conveyor
(5.3) 流体機械
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
5301
渦巻ポンプ
うずまきぽんぷ
遠心ポンプで,羽根車の吐出し側に直接渦巻形
ケーシングをもつポンプ。
二重渦巻形ケーシングをもつものを二重渦巻ポ
ンプという。
volute pump
5302
軸流ポンプ
じくりゅうぽんぷ
羽根車から吐き出される流れが主軸と同心の円
筒面内にあるポンプ。
axial flow pump
5303
斜流ポンプ
しゃりゅうぽんぷ
羽根車から吐き出される流れが主軸の中心線を
軸とする円すい面内にあるポンプ。
一般に羽根車の吐出し側に案内羽根形のディフ
ューザをもつ。
mixed flow pump
31
Z 9212-1983
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
5304
往復ポンプ
おうふくぽんぷ
プランジャ形とピストン形とがあり,極めて小
容量の場合や揚程の特に高い場合で,渦巻ポン
プで不可能な場合に用いる。
reciprocating pump
5305
歯車ポンプ
はぐるまぽんぷ
ケーシング内でかみ合う2個以上の歯車によっ
て,液体を吸込側から吐出し側に押し出す形式
のポンプ。
gear pump
5306
水頭
すいとう
水の深さ又は高さで表される圧力度又はエネル
ギーの尺度。
head
5307
揚程
ようてい
ポンプ運転によって作られる水頭の総称。
pump head
5308
損失水頭
そんしつすいとう
流体が摩擦や渦流れなどによって失うエネルギ
ーを水頭で表したもの。
head loss,
loss of: head
5309
比速度
ひそくど
流体機械の羽根車の流体力学的相似性から導か
れる数値で,次式で示される。
4
3
2
1
H
nQ
比速度=
ここに, n:毎分回転数 (rpm)
Q:流量 (m3/min)
H:全揚程 (m)
specific speed
5310
送風機
そうふうき
ファンとブロワとの総称。
blower and fan
5311
圧縮機
あっしゅくき
羽根車若しくはロータの回転運動又はピストン
の往復運動によって気体を圧送し,その圧力比
が2以上又は吐出し圧力が0.1MPa {1kgf/cm2}
以上の機械。
compressor
5312
ブロワ
羽根車又はロータの回転運動によって気体を圧
送し,その圧力比が1.1以上2.0未満又は吐出し
圧力10kPa {1mAq} 以上0.1MPa {1kgf/cm2} 未
満の送風機。
blower
5313
ファン
羽根車の回転運動によって気体を圧送し,その
圧力比が1.1又は吐出し圧力10kPa {1mAq} 未
満の送風機。
fan
(5.4) その他の電動力応用
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
5401
熱間圧延機
ねっかんあつえん
き
高温に加熱した鋼片を圧延する設備。
hot rolling mill
5402
冷間圧延機
れいかんあつえん
き
常温で鋼板又は鋼帯を圧延する設備。
cold rolling mill
5403
可逆圧延機
かぎゃくあつえん
き
同一圧延機でロールを正・逆転させて繰り返し
圧延材をパスして圧延する設備。
reversing rolling mill
5404
分塊圧延機
ぶんかいあつえん
き
加熱されたインゴットを大断面角状又は長方形
状鋼片に圧延する可逆圧延機。
blooming mill,
slabbing mill,
cogging mill
5405
抄紙機
しょうしき
紙を抄造する機械。湿紙を形成するすき網部,
水をしぼるプレス部及び乾燥部からなる。運転
方式にはセクショナルドライブ,ラインシャフ
トドライブがある。
paper machine
32
Z 9212-1983
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
5406
セクショナルドラ
イブ
抄紙機の各セクションは,正確な関連速度を保
って連続して運転される必要があるが,この各
セクションをそれぞれ個別の電動機で運転する
方式。
sectional drive
5407
ラインシャフトド
ライブ
抄紙機の軸を変速電動機で駆動し,各セクショ
ンの速度は,この主軸より変速機構によって調
節設定して運転する方式。
line shaft drive
5408
輪転機
りんてんき
円筒型版胴及び圧胴を駆動して印刷する印刷
機。通常は給紙部,印刷部,折たたみ部及び電
動機部から構成される。
rotary press
(6) 電気加熱
(6.1) 電気加熱一般
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
6101
電気加熱
でんきかねつ
電気的現象によって発生する熱による加熱。
electric heating
6102
加熱室
かねつしつ
被熱物を入れるため,一部又は全部が閉じられ,
外界から隔離されている空間。
heat chamber
6103
抵抗加熱
ていこうかねつ
電源に直接つながれた導体の中に発生するジュ
ール熱による加熱。被熱物に電流を流す直接式
と発熱体に電流を流す間接式がある。
resistance heating
6104
アーク加熱
あーくかねつ
主としてアークによって発生する熱による加
熱。アーク電流が被熱物を流れる直接式と流れ
ない間接式がある。
arc heating
6105
赤外線加熱
せきがいせんかね
り
熱エネルギーが,主として赤外線の放射によっ
て伝達される加熱。
infrared heating
6106
誘導加熱
ゆうどうかねつ
電磁誘導によって加熱電流を発生させる加熱。
加熱電流が被熱物を流れる直接式と加熱媒介物
を流れる間接式がある。
induction heating
6107
誘電加熱
ゆうでんかねつ
主として被熱物の誘電損によって発生する熱に
よる加熱。
dielectric heating
6108
マイクロ波加熱
まいくろはかねつ
被熱物にマイクロ波を作用させて行う誘電加
熱。
microwave heating
6109
電子ビーム加熱
でんしびーむかね
つ
電子ビームの衝撃によって発生する熱を利用す
る加熱。
electron beam heating
6110
プラズマ加熱
ぷらずまかねつ
プラズマエネルギーを仲介として電気エネルギ
ーから変換された熱を利用する加熱。
plasma heating
6111
電気炉
でんきろ
加熱室をもった電気加熱装置。
electricfurnace
6112
チャージ
産業用電気加熱プロセスにおいて加熱処理され
るもの。
charge
(6.2) 電気炉一般
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
6201
バッチ炉
ばっちろ
加熱中に被熱物が,炉の内外に移動しないよう
な炉。
batch type furnace
6202
連続炉
れんぞくろ
加熱中に被熱物が,装入口から取出口へ連続的
又は段階的に移動するようになっている炉。
continuous furnace
6203
炉気制御炉
ろきせいぎょろ
空気以外のガス若しくは蒸気の大気圧又は大気
圧以上の雰囲気のもとで加熱を行う炉。
artificial atmosphere
furnace
33
Z 9212-1983
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(6.3) 抵抗加熱
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
6301
抵抗炉
ていこうろ
抵抗加熱による電気炉。
resistance furnace
6302
発熱エレメント
はつねつえれめん
と
発熱体をそのまま使用できるように加工し,必
要に応じて附属品も備えた抵抗加熱用部品。
heating resistor
6303
箱形炉
はこがたろ
炉体が箱形で,側面に炉口をもつバッチ炉。
box furnace
6304
バス炉
ばすろ
加熱された溶融体の中に被熱物を入れて加熱す
る炉。
electric bath furnace
6305
るつぼ形炉
るつぼがたろ
加熱室がるつぼ形になっているバッチ炉。
crucible furnace
6306
黒鉛化炉
こくえんかろ
成形・焼成した炭素材に直接通電して黒鉛化さ
せる直接式抵抗炉。
graphitizing furnace
6307
蓄熱式電気温水器
ちくねつしきでん
きおんすいき
主として夜間電力などを使用して蓄熱する方式
の電気温水器。
storage electric water
heater
(6.4) アーク加熱
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
6401
アーク炉
あーくろ
アーク加熱による電気炉。
arc furnace
6402
電気製錬炉
でんきせいれんろ
被熱物の溶融と,や金的及び化学的反応(特に
高温における還元)を行わせるアーク炉。
electric smelting
furnace
6403
埋没アーク炉
まいぼつあーくろ
アークが被熱物内に埋没している直接式アーク
炉。
submerged-arc furnace
6404
アーク抵抗炉
あーくていこうろ
被熱物中の抵抗発熱も重要な熱源となっている
直接式アーク炉。
arc resistance furnace
6405
傾動式アーク炉
けいどうしきあー
くろ
溶湯をとり出すとき,炉体を傾動できる構造の
直接式アーク炉。
tilting arc furnace
6406
ロッキングアーク
炉
ろっきんぐあーく
ろ
炉体がほぼ水平の円筒状になっており,回転軸
の位置に対向させた電極間のアークによる熱を
放射によってチャージに与え,溶湯を均質にす
るため回転軸の周りで往復回転をできるように
した間接式アーク炉。
rocking arc furnace
6407
真空アーク炉
しんくうあーくろ
真空容器中で加熱溶融を行うアーク炉。
vacuum arc furnace
6408
プラズマアーク炉
ぷらずまあーくろ
アークによってプラズマ状にされた気体を,ジ
ェット流の形で噴出して加熱するアーク炉。
plasma arc furnace
6409
電圧フリッカ[電気
加熱]
でんあつふりっか
アーク電流の変動によって,電源側に生じる電
圧の揺らぎ。
voltage flicker
(6.5) 誘導加熱
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
6501
誘導炉
ゆうどうろ
誘導加熱による電気炉。
induction furnace
6502
誘導子
ゆうどうし
誘導加熱に必要な交番磁束を発生させるように
成形された導体。
heating inductor
6503
るつぼ形誘導炉
るつぼがたゆうど
うろ
るつぼ状の容器に収容された被熱物を,容器の
外側に配置された誘導子によって加熱する誘導
炉。商用周波数の低周波誘導炉と,10〜0.5kHz
の高周波誘導炉がある。
crucible induction
furnace
6504
溝形誘導炉
みぞがたゆうどう
ろ
閉路鉄心をもち,鉄心と鎖交して耐火材で溝を
構成し,溝の中を満たす溶融金属が閉二次回路
を構成するようにした誘導炉。
channel induction
furnace
34
Z 9212-1983
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(6.6) その他の電気加熱
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
6601
誘電加熱器
ゆうでんかねつき
誘電加熱による電気加熱器。
dielectric heater
6602
誘電ウェルダ
ゆうでんうぇるだ
プラスチックシートを加熱圧着するための誘電
加熱器。
dielectric welding
heater
6603
マイクロ波加熱炉
まいくろはかねつ
ろ
マイクロ波加熱による電気炉。電子レンジもこ
れに属する。
microwave oven
(6.7) 電気溶接
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
6701
電気溶接
でんきようせつ
電気エネルギーを用いた溶接。
electric welding
6702
アーク溶接
あーくようせつ
アーク加熱による溶接
arc welding
6703
サブマージアーク
溶接
さぶまーじあーく
ようせつ
溶接ワイヤと母材間に生じるアークを,粉末フ
ラックスで覆って行うアーク溶接。
submerged arc
welding
6704
イナートガスアー
ク溶接
いなーとがすあー
くようせつ
アルゴン,ヘリウムなどの不活性ガス,又はこ
れらに少量の活性ガスを加えたガス雰囲気の中
で行うアーク溶接。
inert gas shielded arc
welding
6705
抵抗溶接
ていこうようせつ
接合させた部材の接触部を通して電流を流し,
抵抗加熱するとともに圧力を加えて行う溶接。
resistance welding
6706
フラッシュ溶接
ふらっしゅようせ
つ
通電の最初には強い加圧を行わず,生じる火花
によって接触部を溶融飛散させ,その間に接合
部全体を十分加熱してから強く加圧して行う突
合せ抵抗溶接。
flash butt welding
6707
重ね抵抗溶接
かさねていこうよ
うせつ
溶接部を重ね合わせ,両方から加圧して行う抵
抗溶接。
lap resistance welding
6708
点溶接
てんようせつ
重ね合わせた部材を適当に成形した電極の先端
で挟み,比較的小さな部分に電流を集中して局
部加熱をし,同時に電極で加圧して行う重ね抵
抗溶接。
spot welding
6709
シーム溶接
しーむようせつ
ローラ電極を用いて通電と加圧を行い,電極を
回転しながら継手に沿って連続的に接合を行う
重ね抵抗溶接。
seam welding
6710
電子ビーム溶接
でんしびーむよう
せつ
電子ビームを当て,その衝撃発熱を利用して行
う溶接。
electron beam welding
(7) 照明
(7.1) 照明の基礎
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
7101
放射
ほうしゃ
電磁波(又は粒子)によって,エネルギーが放
出又は伝搬される現象,及びこれらの電磁波
(又は粒子)を総称していう。
radiation
7102
光
ひかり
視覚器を通して視感覚を起こすことができる放
射。この放射の波長範囲は実用上,380〜780nm
とされている。
light
7103
放射束
ほうしゃそく
単位時間に空間を伝搬していく放射エネルギー radiant flux
7104
光束
こうそく
放射束Φ (λ) に波長についての重みとして,標
準比視感度V (λ) を乗じて導いた量。
luminous flux
7105
光量
こうりょう
光束の時間積分値。
quantity of light
35
Z 9212-1983
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番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
7106
光束発散度
こうそくはっさん
ど
微小面から出る光束を,その微小面の面積で割
った値。
luminous exitance
7107
照度
しょうど
微小面要素に入射した光束を,その面積で割っ
た値。
illuminance
7108
光度
こうど
点光源からある方向に向かう光束を,その光源
を頂点とし,その方向への単位立体角当たりの
光束に換算した値。
luminous intensity
7109
輝度
きど
光の発散面上の任意の点より,ある与えられた
方向に向かう光度を,その点を含む微小面要素
の与えられた方向への正射影面積で割った値。
luminance
7110
比視感度
ひしかんど
特定の測定条件の下で,同じ大きさの明るさの
感覚を生じる波長λ及びλmの二つの放射がある
場合に,前者の放射束に対する後者の放射束の
比。波長λmはこの比の最大値が1になるように
選ぶ。
spectral luminous
efficiency
7111
標準比視感度
ひょうじゅんひし
かんど
明順応における比視感度で,国際度量衡委員会
及び国際照明委員会で採用された値。
spectral luminous
efficiency of the
standard
photometric
observer
7112
放射効率
ほうしゃこうりつ
放射体からの放射エネルギーと,これに供給さ
れた消費エネルギーとの比。
radiant efficiency
7113
発光効率
はっこうこうりつ
光源の光束Fと,放射される放射束Φとの比。
luminous efficiency
7114
均等拡散面
きんとうかくさん
めん
あらゆる方向に同一の輝度をもつ反射面又は透
過面をいう。特に反射率又は透過率が1である
理想的な場合を完全拡散面ということもある。
uniform diffuser
7115
完全拡散面
かんぜんかくさん
めん
→均等拡散面
perfect diffuser
7116
明るさ
あかるさ
光の量によって生ずる光源又は物体表面の明暗
の概念。輝度に対応する心理的概念。
luminosity,
brightness(米)
7117
マンセル表色系
まんせるひょうし
ょくけい
A.H. Munsellの考案による色票配列に基づいた
表色系。色相 (H),明度 (V ),彩度 (C ) によっ
て物体色を表す。
Munsell colo (u) r
system
7118
(CIE) 標準表色系
(しーあいいー)ひ
ょうじゅんひょう
しょくけい
国際照明委員会 (CIE) で規約されたスペクト
ル三刺激値に基づく三色表色系。
standard colo (u) r
system
7119
色温度
いろおんど
ある光の色度に等しいか又は近似する色度をも
つ完全放射体(黒体)の絶対温度。
colo (u) r temperature
7120
標準の光
ひょうじゅんのひ
かり
相対分光分布がCIEによって規約されている
A,B,C,D65の4種類の測色用の光
標準の光A:2855.6Kの相関色温度をもつ光。
標準の光B:4874Kの相関色温度をもつ光。
標準の光C:6774Kの相関色温度をもつ光。
標準の光D65:6504Kの相関色温度をもつ光。
standard illuminant (s)
7121
演色性
えんしょくせい
規定条件における基準光源による物体色の見え
方と比較した,ある光源による物体色の見え方
の効果。
colo (u) r rendering
properties
7122
法線照度
ほうせんしょうど
光の進行方向に垂直な面上の照度。
normal illuminance
36
Z 9212-1983
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
7123
水平面照度
すいへいめんしょ
うど
水平面上の照度。
horizontal illuminance
7124
鉛直面照度
えんちょくめんし
ょうど
鉛直面上の照度。
vertical illuminance
7125
(積分)光束計
(せきぶん)こうそ
くけい
1回の比較によって全光束が測定できるような
装置。
integrating photometer
7126
平均照度
へいきんしょうど
面上の照度の平均。
average illuminance
7127
照度計
しょうどけい
照度を測定する装置。
illumination
photometer,
illumination meter
(米)
7128
輝度計
きどけい
輝度を測定する装置。
luminance meter
(7.2) 光源,点灯回路及び照明器具
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
7201
熱放射
ねつほうしゃ
原子又は分子に熱を与えることによって生ずる
連続スペクトル放射。
thermal radiation
7202
ルミネセンス
物質が外部から何らかの刺激(電界,光,熱な
ど)によって発光する現象。
luminescence
7203
寿命[光源]
じゅみょう
光源として役立たない状態になるまでに点灯し
ていた時間。
life
7204
定格寿命[光源]
ていかくじゅみょ
う
設計及び使用の基準となる寿命で,定格電圧,
電流などで点灯したときの同一形式の全製品に
期待される寿命。
rated life
7205
動程[光源]
どうてい
光源における光束,光度,効率,電圧,電流な
どの値の寿命試験中の時間的変化。
life performance
7206
配光曲線
はいこうきょくせ
ん
光源を含むある面内の光度を,方向の関数とし
て表した曲線。通常,光源を原点とする極座標
で表す。
luminous intensity
distribution curve
7207
器具効率
きぐこうりつ
照明器具から放射される光束と,ランプから放
射される光束との比。
light output ratio (of a
luminaire)
7208
白熱電球
はくねつでんきゅ
う
電流を流すことによってガラス球内のフィラメ
ントを加熱し,その熱放射によって発光する光
源。
incandescent lamp
7209
反射形電球
はんしゃがたでん
きゅう
一般に適切な形のガラス球の一部に反射性物質
の被膜を付け,光に指向性を持たせるように形
作った白熱電球。
reflector lamp
7210
ガス入り電球
がすいりでんきゅ
う
フィラメントが不活性ガス中で発光する白熱電
球。
gas-flled lamp
7211
ハロゲン電球
はろげんでんきゅ
う
ある比率でハロゲン元素を封入したガス入り電
球。同じ効率なら普通のガス入り電球より寿命
が長く,また寿命が同じなら効率を上げること
ができる。
tungsten halogen lamp
7212
放電ランプ
ほうでんらんぷ
気体,金属蒸気又は数種類の気体と蒸気中の放
電によって発光するランプ。
discharge lamp
7213
高圧ナトリウムラ
ンプ
こうあつなとりう
むらんぷ
点灯中の蒸気分圧が10kPa程度のナトリウム蒸
気放電ランプ。
high pressure sodium
(vapour) lamp
37
Z 9212-1983
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
7214
(低圧)ナトリウム
ランプ
(ていあつ)なとり
うむらんぷ
点灯中の蒸気分圧が数Pa以下のナトリウム蒸
気放電ランプ。
low pressure sodium
(vapour) lamp
7215
高圧水銀ランプ
こうあつすいぎん
らんぷ
点灯中の蒸気分圧が0.1MPa以上の水銀蒸気放
電ランプ。
high pressure mercury
(vapour) lamp
7216
蛍光(高圧)水銀ラ
ンプ
けいこう(こうあ
つ)すいぎんらんぷ
外管(ガラス球)に蛍光物質を塗布した高圧水
銀ランプ。
fluorescent high
pressure mercury
(vapour) lamp
7217
反射形(高圧)水銀
ランプ
はんしゃがた(こう
あつ)すいぎんらん
ぷ
ガラス球を反射形にして指向性をもたせた水銀
ランプ。蛍光物質を塗布したものもある。
reflector type high
pressure mercury
(vapour) lamp
7218
安定器内蔵形(高
圧)水銀ランプ
あんていきないぞ
うがた(こうあつ)
すいぎんらんぷ
水銀ランプの発光管と白熱電球用フィラメント
を直列に接続して,同一ガラス球内に備えてい
る放電ランプ。
self-ballasted mercury
lamp
7219
メタルハライドラ
ンプ
金属蒸気とハロゲン化物の解離生成物との混合
物からの放射により発光する放電ランプ。
metal halide lamp
7220
HIDランプ
えっちあいでーら
んぷ
高強度放電ランプ類のことで,高圧水銀ランプ,
メタルハライドランプ,高圧ナトリウムランプ
から成り立つランプ類の総称。
high-intensity
discharge lamp
7221
蛍光ランプ
けいこうらんぷ
発光の主要部分が放電からの紫外放射によって
励起される蛍光物質のホトルミネセンスである
放電ランプ。
fluorescent lamp
7222
高出力蛍光ランプ
こうしゅつりょく
けいこうらんぷ
管の単位長当たりの電力を大きくし(50W/m程
度,定格電流0.8〜1.0A),光束を増加した蛍光
ランプ。
high output fluorescent
lamp
7223
超高出力蛍光ラン
プ
ちょうこうしゅつ
りょくけいこうら
んぷ
管の単位長当たりの電力を大きくし(90W/m程
度,定格電流1.5A程度),光束を増加した蛍光
ランプ。
extra-high output
fluorescent lamp
7224
キセノンランプ
主としてキセノンガスの励起によって発光する
放電ランプ。
xenon lamp
7225
主電極
しゅでんきょく
放電電流が流れる電極。
main electrode
7226
始動電極
しどうでんきょく
放電を開始させるための補助電極。
starting electrode
7227
陽光柱
ようこうちゅう
放電において,電位こう配が正で,原子又は分
子の励起が活発に行われることを特徴とするプ
ラズマ状態の発光部。
positive column
7228
エレクトロルミネ
セント (EL) ラ
ンプ
えれくとろるみね
せんと(いーえる)
らんぷ
エレクトロルミネセンス現象により発光する光
源。
electro-luminescent
lamp
7229
(放電ランプの)始
動器
(ほうでんらんぷ
の)しどうき
安定器などと組み合わせて放電ランプを始動す
る装置。
starter (of a discharge
lamp)
7230
ラピッドスタート
式
らぴっどすたーと
しき
電極を加熱すると同時に電極間に電圧を印加
し,短時間で放電ランプ(特に蛍光ランプ)を
始動する方式。
rapid start type
7231
予熱始動式
よねつしどうしき
電極を予熱したのち,電極間に電圧を印加し,
放電ランプ(特に蛍光ランプ)を始動する方式。
preheat start type
7232
(放電ランプの)安
定器
(ほうでんらんぷ
の)あんていき
放電を安定させるために,放電ランプとともに
使われる装置。安定器はそれだけで,又はスタ
ータと組み合わせてランプの始動に使える。
また始動器が安定器の中に組み込まれている場
合もある。
ballast (of a discharge
lamp)
38
Z 9212-1983
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
7233
ハイブリッド電子
安定器
はいぶりっどでん
しあんていき
従来の安定器を構成する商用周波数でのランプ
電流安定化用インピーダンスと,始動回路の一
部を半導体に置き換えることにより,小形軽量,
低損失化を図った安定器。
hybrid electronic
ballast
7234
電子安定器
でんしあんていき
ランプ始動時及び点灯中に半導体回路が主要機
能を果たし,ランプ電流又は主電流が半導体回
路を流れる安定器。例えばトランジスタインバ
ータ技術を応用して,商用周波を高周波に変換
して放電ランプ(主に蛍光ランプ)を点灯する
高効率のしかも小形,軽量化を図ったもが実用
化されている。
electronic ballast
7235
光束維持率
こうそくいじりつ
光源を一定時間点灯した後の全光束と,初特性
の全光束との比。
lumen maintenance
factor
7236
効率[光源]
こうりつ
光源の全光束をその消費電力で割った値。
luminous efficiency
7237
演色評価数[光源] えんしょくひょう
かすう
ある光源によって照明された物体の知覚的な色
が,規定条件における基準光源によって照明さ
れた当該物体の知覚的な色と一致する程度を示
す尺度。
colour rendering index
7238
照明器具
しょうめいきぐ
主に光源の配光及び光色を変換する機能をも
ち,それらの光源を固定し保護するため及び電
源に接続するために必要なすべてのものをもつ
器具。点灯に必要な附属装置をも含む。
luminaire
7239
対称配光
たいしょうはいこ
う
配光を示す立体が一つの配光曲線を対称軸の周
りに回転することによってできるような配光。
symmetrical intensity
distribution
7240
非対称配光
ひたいしょうはい
こう
配光を示す立体が,一つの配光曲線を対称軸の
周りに回転することによってはできないような
配光。
asymmetrical intensity
distribution
7241
拡散器
かくさんき
光源の配光を変換するのに,主として拡散現象
を用いる器具又は照明装置。
diffuser
7242
反射器[照明]
はんしゃき
光源の配光を変換するのに,反射現象を用いる
器具又は照明装置。
reflector
7243
屈折器
くっせつき
光源の配光を変換するのに,屈折現象を用いる
器具又は照明装置。
refractor
7244
ルーバ[照明]
与えられた範囲以外では光源からの直射光を遮
るようにした拡散透過又は不透明の遮光板から
なる照明用具。
louver
7245
狭照形(照明)器具 きょうしょうがた
(しょうめい)きぐ
器具の光中心を通る垂直軸上の比較的小さい立
体角内に光を集める照明器具。
narrow angle
luminaire
7246
広照形(照明)器具 こうしょうがた(し
ょうめい)きぐ
比較的大きい立体角内に光を配分する照明器
具。
wide angle luminaire
7247
角照形(照明)器具 かくしょうがた(し
ょうめい)きぐ
特定の方向に関して,非対称となる配光をもつ
照明器具。
angle luminaire
(7.3) 照明の設計及び施設
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
7301
作業面
さぎょうめん
作業が行われる平面として定義される指定面
で,照度測定又は照明設計の際に照度を問題に
する面。
working plane,
work plane(米)
39
Z 9212-1983
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番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
7302
(照度の)均せい度 (しょうどの)きん
せいど
面上の最小照度と平均照度との比。また,ある
場合は最小照度と最大照度との比。
uniformity ratio of
illuminance
7303
照明率
しょうめいりつ
作業面上に到達する光束と光源から放射する全
光束との比。
utilization factor,
coefficient of
utilization(米)
7304
保守率
ほしゅりつ
照明施設をある期間使用した後の作業面上の平
均照度と,初期照度との比。
maintenance factor
7305
全般照明
ぜんぱんしょうめ
い
領域全体をほぼ一様に照明する方式。
general lighting
7306
局部照明
きょくぶしょうめ
い
ある特定の位置,例えば作業に必要な箇所だけ
を局部的に照明する方式。
localized lighting
7307
直接照明
ちょくせつしょう
めい
大きさが無限と仮定された作業面に,発散光束
の90〜100%が,直接到達するような配光をも
った器具による照明。
direct lighting
7308
半直接照明
はんちょくせつし
ょうめい
大きさが無限と仮定された作業面に,発散光束
の60〜90%が,直接到達するような配光をもっ
た器具による照明。
semi-direct lighting
7309
半間接照明
はんかんせつしょ
うめい
大きさが無限と仮定された作業面に,発散光束
の10〜40%が,直接到達するような配光をもっ
た器具による照明。
semi-indirect lighting
7310
間接照明
かんせつしょうめ
い
大きさが無限と仮定された作業面に,発散光束
の10%以下が,直接到達するような配光をもっ
た器具による照明。
indirect lighting
7311
光天井
ひかりてんじょう
拡散透過板(透光性パネル)を天井一面に張り,
その上部に光源を配置した照明。直接照明の一
種。
luminous ceiling
7312
PSALI
ぷさり
昼間の室内で,昼光照明を補助するために,常
時,人工照明を点灯すること。
permanent
supplementary
artificial lighting in
interiors
7313
昼光照明
ちゅうこうしょう
めい
昼間太陽から発する光を利用して,物体とその
周辺を見えるように照らすこと。
daylighting
7314
天空率
てんくうりつ
輝度が一様な天空から,ガラスのない開口部を
通じて直接に受け入れられる,与えられた平面
上の一点の昼光照度と,そのときの同じ天空に
よる全天空照度との比。
sky factor
7315
全天空照度
ぜんてんくうしょ
うど
天空光による,障害物の全くない地表面におけ
る水平面照度。
illuminance from
unobstructed sky
7316
昼光率
ちゅうこうりつ
ある点の昼光照度と,そのときの全天空照度と
の比。
daylight factor
7317
混光照明
こんこうしょうめ
い
全体としての演色性を悪くせず,しかも効率を
低下させないため,低演色性高効率光源と高演
色性低効率光源とを混ぜて使用する照明方式。
mixed lighting
40
Z 9212-1983
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(8) 電気化学
(8.1) 電気化学の基礎
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
8101
電気化学セル
でんきかがくせる
2本の電極,電解質,外部電極又は外部負荷か
らなる電気化学の基本構成。
electrochemical cell
8102
電極
でんきょく
電解質に接し,外部と電流をやりとりする導体。 electrode
8103
アノード
電解質に向かって正電荷が流れる電極。
anode
8104
カソード
電解質から正電荷が流れ込む電極。
cathode
8105
隔膜
かくまく
アノード液,カソード液を分けるために用いる,
流体が浸透できる膜。
diaphragm
8106
電解質
でんかいしつ
イオン伝導性をもつ物質。電気化学セルでは両
極の間に用いられる。
electrolyte
8107
固体電解質
こたいでんかいし
つ
固体のイオン伝導体。
solid electrolyte
8108
標準電極電位
ひょうじゅんでん
きょくでんい
標準状態(気体では1気圧,溶液では活量が1)
にある電極の平衡電位。通常は標準水素電極を
基準にして表される。
standard electrode
potential
8109
標準水素電極
ひょうじゅんすい
そでんきょく
水素イオンの活量が1の溶液に1気圧の水素ガ
スを不活性電極上に流す電極。
standard hydrogen
electrode
8110
平衡電位
へいこうでんい
平衡状態にある電極の電位差。
equilibrium potential
8111
理論分解電圧
りろんぶんかいで
んあつ
電解を起こすのに必要な最小の端子間電圧。
theoretical
decomposition
voltage
8112
過電圧[電気化学] かでんあつ
電解の際の電極の実際の電位と理論的電位の
差。
overvoltage
8113
ターフェルの式
たーふぇるのしき
過電圧ηと電解電流密度iとの間のη=a±blogi
で表される関係式。a,bは電解反応のパラメー
タ。
Tafelʼs equation
8114
ファラデーの(電解
の)法則
ふぁらでーの(でん
かいの)ほうそく)
同じ物質を電解すると生成物の量は電気量に比
例する。異なる物質の電解では生成物の量は化
学当量の比に等しい。
Faradayʼs law
8115
ファラデー定数
ふぁらでーていす
う
素電荷eをもつ粒子1モルがもつ電気量。
Faraday constant
8116
電気化学当量
でんきかがくとう
りょう
単位電気量を流した時に得られる物質の理論的
当量。
electrochemical
equivalent
8117
電流密度[電気化
学]
でんりゅうみつど
電極単位面積当たりの電流。
current density
8118
交換電流
こうかんでんりゅ
う
電極が平衡にある時流れる,絶対値の等しいア
ノード電流とカソード電流。
exchange current
8119
限界電流
げんかいでんりゅ
う
物質移行に反応が支配されて電圧を上げても電
流が一定値を超えない場合のその一定値のこ
と。
limiting current
8120
当量導電率
とうりょうどうで
んりつ
溶質1グラム当量を含む溶液の体積にその溶液
の比電導度を乗じたもの。
equivalent
conductivity
8121
輸率
ゆりつ
電解質中を電流が流れる際,各イオンによって
運ばれる電気量の割合。
transport number
41
Z 9212-1983
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(8.2) 電解
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
8201
電解
でんかい
電解質に電流を流して電気化学反応を行わせる
こと。
electrolysis
8202
電気分解
でんきぶんかい
→電解
−
8203
電解槽
でんかいそう
電解質を入れて電解を行う容器。
electrolytic cell
8204
槽電圧
そうでんあつ
電解において両極間に加える電圧。浴電圧とも
いう。
cell voltage
8205
陽極処理
ようきょくしょり
金属を陽極にして電解を行い,表面の加工,処
理を行うこと。
anodizing
8206
電気防食
でんきぼうしょく
電流を流して金属の腐食を減少させる方法。
electrolytic protection
8207
電解採取
でんかいさいしゅ
金属化合物を溶媒に溶かし電解を行って,金属
を得ること。
electrowinning
8208
電解精製[電解精
錬]
でんかいせいせい
低純度金属を陽極として電解を行い,陰極に高
純度金属を得ること。
electrolytic refining
8209
電気めっき
でんきめっき
金属イオンを含む電解質溶液を電解し,陰極物
質上に金属の薄膜を付けること。
electroplating
8210
有機電解
ゆうきでんかい
電解反応を利用して有機合成を行うこと。
organic electrolysis
8211
水溶液電解
すいようえきでん
かい
電解質に水溶液を用いる電解。
electrolysis of aqueous
solution
8212
溶融塩電解
ようゆうえんでん
かい
電解質に溶融塩を用いる電解。
molten salt electrolysis
8213
寸法安定性電極
すんぽうあんてい
せいでんきょく
電解反応に伴い,ほとんど消耗変形をしない電
極。
dimensionally stable
electrode
8214
複極式電極
ふっきょくしきで
んきょく
電解槽を直列に接続した場合,1本の電極の片
側を陰極,他方を陽極として利用する電極。
bipolar electrode
8215
石綿隔膜
せきめんかくまく
石綿を利用した隔膜。
asbestos diaphragm
8216
イオン交換膜
いおんこうかんま
く
イオンの選択透過性をもつイオン交換体を膜状
にしたもの。
ion exchange
membrane
8217
ホール・エルー法
ほーる・えるーほう 氷晶石を電解質としてアルミナを電解しアルミ
ニウムを得る方法。
Hall−Hércult process
8218
自焼成電極,
(ゼーダーベル
グ電極)
じしょうせいでん
きょく,
(ぜーだーべるぐ
でんきょく)
アルミニウム電解に用いる陽極炭素の一方式で
未焼成の炭材を電解槽の熱を利用して焼成した
もの。連続的に炭素の供給ができる。
self-baking electrode
8219
既焼成電極
きしょうせいでん
きょく
アルミニウム電解に用いる陽極炭素の一方式で
電解に供する前にあらかじめ炭材を焼成したも
の。
prebaked electrode
8220
電解エネルギー原
単位
でんかいえねるぎ
ーげんたんい
電解に際し,生成物単位重量を得るのに必要な
電解エネルギー。
energy consumption of
electrolysis
8221
電解エネルギー効
率
でんかいえねるぎ
ーこうりつ
電解の際の理論から計算できるエネルギーと実
際に用いたエネルギーとの比。
energy efficiency of
electrolysis
(8.3) 電池
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
8301
電池
でんち
化学エネルギーを電気エネルギーに変換する装
置。
cell,
battery
8302
放電[電池]
ほうでん
電池から外部回路に電流を流すこと。
discharge
42
Z 9212-1983
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
8303
充電
じゅうでん
二次電池に外部から電気エネルギーを与えて化
学エネルギーの形で貯えること。
charge
8304
活物質
かつぶっしつ
電池において,電流を生じる化学反応にあずか
る物質。
active material
8305
隔離体
かくりたい
電池において,正極と負極の接触を防止するた
めに用いる板又は膜。
separator
8306
集電体
しゅうでんたい
電極の伝導性を良くするために用いられる炭素
や金属。
collector
8307
公称電圧[電池]
こうしょうでんあ
つ
電池の表示に用いる電圧。
nominal voltage
8308
開路電圧[電池]
かいろでんあつ
電池に負荷をかけない時の両極間の電圧。
open circuit voltage
8309
閉路電圧
へいろでんあつ
電池に負荷をかけた時の両極間の電圧。
closed circuit voltage
8310
終止電圧
しゅうしでんあつ
放電又は充電を終了する限度を示す電圧。
final voltage
8311
放電容量
ほうでんようりょ
う
電池を放電して終止電圧に至るまでに取り出し
得る電気量。
service capacity
8312
自己放電
じこほうでん
電池を無負荷状態においても容量が次第に減少
していくこと。
self-discharge
8313
利用率[電池]
りようりつ
正極又は負極の活物質の量から計算できる電気
量と実際に終止電圧に至るまでに取り出せる電
気量との比。
coefficient of use
8314
素電池
そでんち
電池を構成する素材だけからなる単位電池。
unit cell
8315
単電池
たんでんち
素電池1個で構成された電池。
cell
8316
集合電池
しゅうごうでんち
素電池2個以上で構成された電池。
battery
8317
一次電池
いちじでんち
充電できない電池。
primary battery
8318
マンガン乾電池
まんがんかんでん
ち
正極活物質に二酸化マンガン,負極活物質に亜
鉛,電解液に塩化アンモニウムと塩化亜鉛を用
いる,小形で携帯に便利な一次電池。
manganese dry battery
8319
二次電池
にじでんち
充電して繰り返し使用できる電池。
secondary battery
8320
蓄電池
ちくでんち
→二次電池
storage battery
8321
鉛蓄電池
なまりちくでんち
正極活物質に二酸化鉛,負極活物質に鉛,電解
液に希硫酸を用いる二次電池。
lead storage battery
8322
アルカリ蓄電池
あるかりちくでん
ち
電解質にアルカリ水溶液を用いた二次電池。
alkali storage battery
8323
重量効率
じゅうりょうこう
りつ
単位重量当たりに貯えている電池のエネルギー
容量。
weight efficiency
8324
容積効率
ようせきこうりつ
単位容積当たりに貯えている電池のエネルギー
容量。
volume efficiency
8325
残存容量
ざんぞんようりょ
う
電池の中にある放電し得る電気量。
remaining capacity
8326
時間率
じかんりつ
定電流で充放電を行う際,その電流値をI (A),
電池の容量をC (Ah) とした時のIC。
hour rate
8327
サイクル寿命
さいくるじゅみょ
う
二次電池が所定容量に至るまでにできる充放電
の繰返しの回数。
cycle life
8328
充電効率
じゅうでんこうり
つ
放電で得られた電気量と充電に要した電気量と
の比,又は各々の電気エネルギーの比。
charging efficiency
8329
急速充電
きゅうそくじゅう
でん
規格の電流値より大きな電流を流して短時間で
行う充電。
boosting charge
8330
過放電
かほうでん
電池の終止電圧以下になるまで行う放電。
over discharge
43
Z 9212-1983
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
8331
浮動充電
ふどうじゅうでん
電池と電源をフロートの接続(並列の接続)に
して,使用しつつ充電する方法。
floating charge
8332
トリクル充電
とりくるじゅうで
ん
自己放電を行う程度の微小の電流で常時行う充
電。
trickle charge
(9) 空気調和
(9.1) 空気調和一般
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
9101
空気調和
くうきちょうわ
室内空気の温度,湿度,清浄度及び気流分布を,
その室の目的に適合するような状態に処理調整
すること。
air conditioning
9102
快感空気調和
かいかんくうきち
ょうわ
室内居住者の居住環境を快適に保つことを目的
とした空気調和。保健空気調和ともいう。
comfort air
conditioning
9103
産業空気調和
さんぎょうくうき
ちょうわ
工場や作業場の環境,生産プロセスなどを対象
とした空気調和。
industrial air
conditioning
9104
快感線図
かいかんせんず
気温,湿度及び気流の面から人間の快感に対す
る効果を有効温度で表した線図。
comfort chart
9105
有効温度
ゆうこうおんど
空気の温度,湿度及び気流の3要素の総合的効
果によって人体に感ずる快感度合を表した指標
温度。
effective temperature
9106
度日
どにち
冷房又は暖房期の基準室内温度と外気温度の平
均値との差と,その期間の日数の積。
degree day
9107
ゾーニング
空気調和を行う場合,建物内を熱負荷の性質,
又は使用目的によりいくつかの区域に分けるこ
と。
zoning
9108
相当温度差
そうとうおんどさ
日射と気温及び壁体の構造による伝熱の時間的
遅れを考慮して定めた相当外気温度と室内温度
との差。
equivalent temperature
difference
9109
蓄熱係数
ちくねつけいすう
日射や照明によって実際に発生する熱負荷と,
室内の日射,照明による熱取得との比。
storage load factor
9110
装置露点温度
そうちろてんおん
ど
室内の熱負荷によって定まる顕熱比線と湿り空
気線図の飽和空気曲線との交点が示す温度。冷
却コイルのコイル表面温度,エアワッシャが
100%働いた時の水滴温度。
apparatus dew point
9111
バイパス係数
ばいぱすけいすう
冷却コイルやエアワッシャを通過する空気の一
部は装置に接触せず素通りする。この素通り風
量の全通過風量に対する割合。
by-pass factor
9112
コンタクト係数
こんたくとけいす
う
冷却コイルやエアワッシャを通過する全空気量
に対し,コイルや水滴に接触して熱交換した空
気量の割合。
contact factor
9113
外気冷房
がいきれいぼう
冷房負荷が小さい期間において外気を直接利用
する冷房。
outdoor air cooling
9114
地域冷暖房
ちいきれいだんぼ
う
広い地域の各種多数の建物に1箇所又は数箇所
のプラントから冷水,温水又は蒸気などを供給
し,各建物の冷暖房,給湯を行うシステム。
district cooling and
heating
9115
トータルエネルギ
ー方式
とうたるえねるぎ
ーほうしき
自己の建物又は地域内で,ガス,油などの燃料
によって発電を行い,照明,電力設備に利用し,
更にその廃熱を冷暖房,給湯に利用するシステ
total energy system
44
Z 9212-1983
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
ム。
9116
熱回収システム
ねつかいしゅうし
すてむ
ビルから排出される熱エネルギーを熱交換器や
ヒートポンプを利用して回収し,ビル内で有効
に再利用するシステム。
heat recovery system,
heat reclaim system
(9.2) 空気調和方式
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
9201
中央空気調和方式
ちゅうおうくうき
ちょうわほうしき
中央に設置した空気調和装置からダクト又は管
により送風を行う空気調和方式。
central air
conditioning system
9202
個別空気調和方式
こべつくうきちょ
うわほうしき
各室,各ゾーンごとに空気調和装置を設置し空
気調和する方式。
unit air conditioning
system
9203
単一ダクト方式
たんいつだくとほ
うしき
中央空気調和装置から単一ダクトにより送風す
る空気調和方式。
single duct system
9204
マルチゾーン方式
まるちぞーんほう
しき
中央空気調和装置から出る冷風及び温風を各ゾ
ーンごとに要求される条件に混合し,調和空気
としてそれぞれ別々のダクトにより送風する方
式。
multi-zone unit system
9205
二重ダクト方式
にじゅうだくとほ
うしき
中央空気調和装置から冷風,温風の2系統のダ
クトを設け,ゾーンごとに混合ユニットで冷風,
温風を混合して送風し,室温を制御する方式。
dual duct system
9206
ファンコイルユニ
ット方式
ふぁんこいるゆに
っとほうしき
ファンコイルユニットを各室に設置し,中央に
設置した冷熱源装置から冷水又は温水を供給し
て,空気調和を行う方式。
fan coil unit system
9207
ダクト併用ファン
コイルユニット方
式
だくとへいようふ
ぁんこいるゆにっ
とほうしき
調和空気がダクトにより天井から吹き出し,夏
は減湿,冬は加湿を行い,ファンコイルユニッ
トで室内の顕熱の処理を行う方式。
fan coil unit system
with duct
9208
ダクト併用放射冷
暖房方式
だくとへいようほ
うしゃれいだんぼ
うほうしき
天井又は床に埋め込んだパネルに冷水又は温水
を通水して室内の顕熱負荷の大半を処理し,残
りの顕熱負荷及び潜熱負荷をダクトからの調和
空気で処理する方式。
panel cooling and
heating system with
duct
(9.3) 空気調和機器
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
9301
空気調和装置
くうきちょうわそ
うち
空気の温度,湿度,清浄度を調整する装置。空
気冷却器,空気加熱器,加湿器,エアフィルタ
及び送風機等で構成される。
air conditioning plant
9302
空気調和ユニット
くうきちょうわゆ
にっと
空気調和装置のうち空気冷却器,空気加熱器,
加湿器,エアフィルタ及び送風機等で構成され
たものを一つのケーシングに納めたもの。
air conditioning unit
9303
空気調和機
くうきちょうわき
空気調和の目的を達するために必要な機器を一
つのケーシングに納めた空気調和ユニット。
air conditioner
9304
エアハンドリング
ユニット
ケーシング内に空気冷却器,空気加熱器,空気
加湿器,エアフィルタ及び送風機を納めた中央
式空気調和ユニット。
air handling unit
9305
ファンコイルユニ
ット
ケーシング内に冷温水コイル,エアフィルタ,
送風機を納めた小形空気調和ユニット。
fan coil unit
45
Z 9212-1983
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
9306
誘引ユニット
ゆういんゆにっと
中央空気調和機から供給された一次空気が,ノ
ズルから噴出する際,誘引作用により空気を冷
温水コイルを介し冷却又は加熱し,一次空気と
混合し,室内へ吹き出すようにした空気調和ユ
ニット。
induction unit
9307
パッケージエアコ
ンディショナ
圧縮機,凝縮器,蒸発器等,冷凍サイクルを構
成する機器とエアフィルタ,送風機などからな
る空気調和機。
packaged air
conditioner
9308
ルームエアコンデ
ィショナ
一室又は数室を空調するダクト接続のない小形
空気調和機。
room air conditioner
9309
ユニットクーラ
冷却コイルと送風機とを組み合わせたもの。冷
熱源として水又は冷媒が使用される。
unit cooler
9310
ユニットヒータ
加熱コイルと送風機とを組み合わせたもの。温
熱源として温水又は蒸気が使用される。
unit heater
9311
パン形加湿器
ぱんがたかしつき
平たい皿に水を入れ,電気等で加熱して水面か
ら蒸気を発生させる加湿器。
pan humidifier
9312
超音波加湿器
ちょうおんぱかし
つき
水中の超音波発振器の作用により水を蒸発させ
る加湿器。
supersonic humidifier
9313
エアワッシャ
多数の噴霧ノズルから冷水又は温水を噴霧し,
これに空気を通過させ,空気を冷却減湿又は加
湿する装置。空気中のじんあいも除去されるの
で空気洗浄器ともいう。
air washer
9314
全熱交換器
ぜんねつこうかん
き
換気のために取り入れる新鮮な外気と外部へ出
す排気との間で顕熱及び潜熱の熱交換を行う装
置。
total enthalpy heat
exchanger
9315
エアカーテン
建物の出入口,その他開口部に吹出し気流の厚
い層をつくり,その両側の空気の相互への侵入
を防ぐようにしたもの。
air curtain
(9.4) 暖房
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
9401
放熱器
ほうねつき
直接暖房で室内又は暖房すべき空間内に設置
し,蒸気・温水を通して周囲の空気を暖める装
置。
radiator
9402
対流放熱器
たいりゅうほうね
つき
フィン付きエレメントとそれを覆うケーシング
とからなり,蒸気又は温水をエレメントに通し
対流作用によって暖房する装置。
convector
9403
放射放熱器
ほうしゃほうねつ
き
温水蒸気・電気又は燃料の燃焼によるヒータで
放射熱により暖房する装置。
radiant heater
9404
温風暖房機
おんぷうだんぼう
き
ケーシング内の燃焼室で燃料を燃焼し,燃焼ガ
スにより空気を加熱する装置。自然対流式と強
制送風式がある。
warm air furnace
(9.5) 空気循環及び換気
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
9501
混合ユニット
こんごうゆにっと
2種類の空気を混合し適切な調和空気に調節す
る空気調和ユニット。
mixing unit
46
Z 9212-1983
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
9502
換気回数
かんきかいすう
単位時間当たりに空間に供給される空気量を空
間容積で除した数。通常回/時で表す。
rate of air circulation
9503
機外静圧
きがいせいあつ
空気調和ユニットの送風出口における静圧。
external static pressure
9504
面速
めんそく
空気の給・排気口,冷却コイルなどで空気の流
れに直角な見掛けの前面の面積で通過風量を除
した風速。
face velocity
(9.6) 冷凍一般
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
9601
蒸気圧縮冷凍方式
じょうきあっしゅ
くれいとうほうし
き
冷媒の冷凍サイクルを圧縮機の圧縮工程により
行う冷凍方式。
vapour compression
refrigerating system
9602
吸収冷凍方式
きゅうしゅうれい
とうほうしき
蒸発器から凝縮器に冷媒を運ぶのに圧縮機を用
いず,吸収剤の冷媒吸収作用により連続的に冷
凍を行う方式。
absorption
refrigerating system
9603
蒸気噴射冷凍方式
じょうきふんしゃ
れいとうほうしき
蒸気エジェクタを用い,大量の蒸気を噴射する
ときの負圧作用により真空を作り出し,冷凍を
行う方式。
steam jet refrigerating
system
9604
熱電冷凍方式
ねつでんれいとう
ほうしき
2種類の金属をリング状に接続し電流を流す
と,一方の接合点は高温になり,他の接合点は
低温となることをペルチェ効果といい,この効
果を利用して冷凍を行う方式。
thermo-electric
refrigerating system
9605
冷凍サイクル
れいとうさいくる
蒸気圧縮冷凍方式にあっては冷媒が蒸発・圧
縮・凝縮・膨張の4行程で循環するサイクル。
吸収冷凍方式にあっては冷媒が蒸発・吸収・再
生・凝縮・膨張の各行程で循環するサイクル。
refrigerating cycle
9606
蒸発圧力
じょうはつあつり
ょく
冷媒が蒸発するとき蒸発器内に発生する圧力。
蒸発温度における飽和圧力に等しい。
evaporating pressure
9607
凝縮圧力
ぎょうしゅくあつ
りょく
冷媒が凝縮するとき凝縮器内に発生する圧力。
凝縮温度における飽和圧力に等しい。
condensing pressure
9608
冷凍効果
れいとうこうか
冷媒1kg当たりの蒸発器での吸熱量。
refrigerating effect
9609
冷凍能力
れいとうのうりょ
く
単位時間当たりの冷媒循環量と冷凍効果との
積。
refrigerating capacity
9610
日本冷凍トン
にほんれいとうと
ん
冷凍能力の単位。1冷凍トンは,24時間で0℃
重さ1トンの水を0℃の氷にするのに必要な冷
凍能力。
1冷凍トンは13900kJ/h (3320kcal/h)。
−
9611
成績係数[冷凍]
せいせきけいすう
冷凍機,ヒートポンプなどで冷凍冷却,加熱に
利用される熱量と外部から与えたエネルギーと
の比。COPともいう。
coefficient of
performance
9612
エネルギー消費効
率
えねるぎーしょう
ひこうりつ
冷凍機を運転するのに必要な消費電力当たりの
冷凍能力。EERともいう。
energy efficiency ratio
(9.7) 冷凍機器
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
9701
コンデンシングユ
ニット
圧縮機,凝縮器,油分離器,受液器及び電動機
などで構成されるユニット。
condensing unit
47
Z 9212-1983
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
9702
容積形圧縮機
ようせきがたあっ
しゅくき
押しのけ室の容積を減少させることによって気
体を圧縮する圧縮機で,回転圧縮機及び往復動
圧縮機の総称。
displacement type
compressor
9703
往復動圧縮機
おうふくどうあっ
しゅくき
ピストンの往復運動によって,気体を圧縮する
容積形圧縮機。
reciprocating
compressor
9704
回転圧縮機
かいてんあっしゅ
くき
ロータの回転運動によって気体を圧縮する容積
形圧縮機で,ベーン圧縮機,スクリュー圧縮機
などの総称。
rotary compressor
9705
スクリュー圧縮機
すくりゅーあっし
ゅくき
雌雄ロータにより形成される押しのけ室の容積
を回転により減少させて気体を圧縮する回転圧
縮機。
screw compressor
9706
遠心圧縮機
えんしんあっしゅ
くき
気体が回転する羽根車を径方向に通り抜ける間
に遠心力を受け圧縮される圧縮機。
centrifugal compressor
9707
吸収冷凍機
きゅうしゅうれい
とうき
吸収冷凍サイクルにより冷凍を行う機械。蒸発
器,吸収器,再生器,凝縮器などにより構成さ
れる。単効用,二重効用がある。
absorption
refrigerating
machine
9708
二重効用吸収冷凍
機
にじゅうこうよう
きゅうしゅうれい
とうき
単効用吸収冷凍機に高温再生器を追加し,高温
高圧の冷媒蒸気を得てこの冷媒蒸気により低温
再生器内の吸収溶液を加熱することにより性能
を改善したもの。
double effect
absorption
refrigerating
machine
9709
チリングユニット
水を冷却する装置で,往復動圧縮機,凝縮器,
蒸発器等を一つの架台に組み込んだユニット。
reciprocating liquid
chiller
9710
ウォータチラ
→チリングユニット
water chiller
9711
じかだき(直焚き)
冷温水機
じかだきれいおん
すいき
燃料に油・ガスを使用し,高温再生器で直接吸
収溶液を加熱して,冷水又は温水を得る吸収冷
凍機。
direct fired absorption
heater chiller
48
Z 9212-1983
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
エネルギー管理用語(その2)JIS制定原案調査作成委員会構成表
氏名
所属
(本委員会)
谷 下 市 松
幾徳工業大学学長
堀 井 武 夫
幾徳工業大学工学部
高 橋 正 雄
横浜国立大学工学部
栗 田 正 一
慶応義塾大学工学部
梅 沢 泉
資源エネルギー庁省エネルギー対策課
佐々木 正 治
通商産業省公害資源研究所公害第4部
卯 木 稔
工業技術院標準部
田 村 修 二
工業技術院標準部
板 谷 義 郎
社団法人日本電気工業会技術部
阿 部 重 俊
日産自動車株式会社第一技術部
長 沢 昭 三
石川島播磨重工業株式会社東京第一工場スタッフグループ部
金 子 満 夫
日本鋼管株式会社鉄鋼技術部
中 村 勲
東京電力株式会社火力部
清 田 浩
三菱電機株式会社機器技術部
石 黒 敏 郎
株式会社明電社顧問
野 崎 幸 雄
財団法人省エネルギーセンター技術部
(ワーキング委員会)
堀 井 武 夫
幾徳工業大学工学部
宮 川 清 孝
工業技術院標準部
小 沢 祥 浩
工業技術院標準部
時 山 聖 司
資源エネルギー庁省エネルギー対策課
太 田 健一郎
横浜国立大学工学部
栗 田 正 一
慶応義塾大学工学部
金 子 満 夫
日本鋼管株式会社鉄鋼技術部
村 田 肇
東京電力株式会社火力部
清 田 浩
三菱電機株式会社機器技術部
石 黒 敏 郎
株式会社明電社顧問
野 崎 幸 雄
財団法人省エネルギーセンター技術部