2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
Z 9211-1982
エネルギー管理用語(その1)
Technical Terms Used in Energy Management
1. 適用範囲 この規格は,工場又は事業場におけるエネルギー使用設備に用いられるエネルギー管理用
語のうち,主として一般及び熱管理に関する用語について規定する。
2. 分類 エネルギー管理用語(その1)は,次のように分類する。
(1) 一般用語
(1.1) 一般
(1.2) エネルギー源
(1.3) 単位系
(1.4) エネルギー勘定
(2) 熱管理用語
(2.1) 物性値
(2.1.1) 基本物性値
(2.1.2) 熱力学物性値
(2.1.3) 化学熱力学物性値
(2.1.4) 湿り空気物性値
(2.1.5) 伝熱及び熱物性値
(2.1.6) 輸送(トランスポート)物性値
(2.2) 燃料
(2.2.1) 固体燃料
(2.2.2) 液体燃料
(2.2.3) 気体燃料
(2.3) 熱力学,伝熱及び熱化学
(2.3.1) 熱力学基本法則
(2.3.2) 気体の法則
(2.3.3) 多成分系
(2.3.4) 熱伝導及び対流熱伝達
(2.3.5) 放射伝熱
(2.3.6) 化学反応
(2.4) 蒸気及び熱媒体
(2.4.1) 蒸気
(2.4.2) 湿り空気
2
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(2.4.3) 熱媒体
(2.5) 燃焼
(2.5.1) 燃焼計算
(2.5.2) 燃焼形態
(2.5.3) 燃焼現象
(2.5.4) 燃焼生成物
(2.6) 計測
(2.6.1) 基本用語
(2.6.2) 測定の方法
(2.6.3) 測定の項目
(2.6.4) 計測器
(2.7) 炉材及び断熱材
(2.7.1) 耐火物の種類
(2.7.2) 築炉及び耐火物の形状
(2.7.3) 耐火物の特性及び試験方法
(2.7.4) 断熱材
(2.8) 燃焼設備
(2.8.1) 燃焼設備一般
(2.8.2) 気体燃料燃焼装置
(2.8.3) 液体燃料燃焼装置
(2.8.4) 固体燃料燃焼装置
(2.8.5) 空気供給及び通風装置
(2.8.6) 安全及び制御装置
(2.8.7) 排ガス処理装置
(2.9) 熱動力設備及び熱設備
(2.9.1) 動力発生設備
(2.9.2) 冷凍機及びヒートポンプ
(2.9.3) ボイラ及び蒸気配管
(2.9.4) 工業用炉
(2.9.5) 化学装置
(2.9.6) 熱交換器及び冷却設備
(1) 一般用語
(1.1) 一般
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
11001
エネルギー管理
えねるぎーかん
り
燃料及びこれを熱源とする熱並びに電気の有効
利用を図る管理及び技術。
energy management
11002
熱管理
ねつかんり
燃料及びこれを熱源とする熱の有効利用を図る
管理及び技術。
heat management
11003
電気管理
でんきかんり
電気の有効利用を図る管理及び技術。
electricity management
3
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番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
11004
エネルギーの使用
の合理化に関する
法律
えねるぎーのし
ようのごうりか
にかんするほう
りつ
エネルギー資源の乏しい我が国のエネルギー事
情にかんがみ,燃料資源の有効利用の確保に資す
るため工場,建築物及び機械器具についてエネル
ギーの使用の合理化に関する所要の措置等を講
ずることを目的としてつくられた法律。昭和54
年6月22日公布,昭和54年10月1日施行。
law pertaining to
rationalization in the
use of energy
11005
エネルギー管理指
定工場
えねるぎーかん
りしていこうじ
ょう
エネルギーの使用の合理化に関する法律によっ
て製造業その他政令で定める業種(電気・ガス等)
に属する事業の用に供する工場で燃料等又は電
気の使用量の大きい工場(燃料は年間原油換算
3000kl以上,電気は年間1200万kWh以上)でエ
ネルギーの使用の合理化について努力を行う必
要が高いところから通商産業大臣によって指定
された工場。
designated energy
management factory
11006
熱管理指定工場
ねつかんりして
いこうじょう
エネルギー管理指定工場のうち,燃料及びこれを
熱源とする熱の使用量について政令で定める要
件に該当し,通商産業大臣によって指定された工
場。
designated heat
management factory
11007
電気管理指定工場
でんきかんりし
ていこうじょう
エネルギー管理指定工場のうち電気の使用量に
ついて政令で定める要件に該当し,通商産業大臣
によって指定された工場。
designated electric
energy management
factory
11008
エネルギー管理者
えねるぎーかん
りしゃ
熱管理指定工場又は電気管理指定工場で通商産
業大臣が行うエネルギー管理士試験の合格者又
はこれと同等以上の学識経験者として認定され
た者の中から選任され,エネルギーの使用の合理
化に関する法律に定められた管理を行う者。
energy manager
11009
エネルギー管理士
えねるぎーかん
りし
熱管理士と電気管理士とあり,通商産業大臣の行
うそれぞれの試験に合格又はこれと同等以上の
学識経験者として通商産業大臣が認定し熱管理
士又は電気管理士の免状をもつ者。
qualified person for
energy management
11010
熱管理士
ねつかんりし
エネルギー管理士のうち熱管理士試験に合格し
免状をもつ者。
qualified person for heat
management
11011
電気管理士
でんきかんりし
エネルギー管理士のうち電気管理士試験に合格
し免状をもつ者。
qualified person for
electricity
management
11012
減価償却
げんかしょうき
ゃく
物質的及び経済的な消耗を見積り帳簿価格を減
額し,又は一時に支出した費用をその効果の及ぶ
期間に応じ収益に対応させるため費用配分させ
る会計用語。
depreciation
11013
稼動率
かどうりつ
ある期間内に設備が稼動できる最大時間に対す
る稼動時間の割合。
rate of operation
11014
経済負荷
けいざいふか
ある生産活動を行う時に最も効果の得られる負
荷。
economical load
11015
定格出力
ていかくしゅつ
りょく
規格に定められた周囲条件その他の条件を考慮
して,製造者が保証した使用限度の出力。
rated output
11016
エネルギー原単位
えねるぎーげん
たんい
単位量の製品を生産するのに必要なエネルギー
の総和。
energy consumption rate
11017
熱量原単位
ねつりょうげん
たんい
単位量の製品を生産するのに必要な熱量の総和。 heat consumption rate
4
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番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
11018
電力原単位
でんりょくげん
たんい
単位量の製品を生産するのに必要な電力量の総
和。
electric power
consumption rate
11019
蒸気原単位
じょうきげんた
んい
単位量の製品を生産するのに必要な蒸気量の総
和。
steam consumption rate
11020
燃料原単位
ねんりょうげん
たんい
単位量の製品を生産するのに必要な燃料の総和。 fuel consumption rate
11021
エネルギー弾性値
えねるぎーだん
せいち
国の主要経済指標とエネルギー消費量の関係を
次式で指標化したもの。
(
)(
)
E
Y
Y
E∂
∂
Eはエネルギー消費量,Yは,
国民総生産 (GNP) 又は工業生産指数 (IIP)。
energy elasticity
(1.2) エネルギー源
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
12001
一次エネルギー
いちじえねるぎ
ー
自然界に存在するエネルギーで人間が利用する
ことができるもの。
primary energy
12002
二次エネルギー
にじえねるぎー
一次エネルギーに人間が手を加えて使用し,輸送
に便利な形に変換したもの。
secondary energy
12003
化石燃料
かせきねんりょ
う
地殻中に埋蔵され燃料として使用される炭化水
素系天然資源の総称。
fossil fuel
12004
核燃料
かくねんりょう
核分裂連鎖反応を行わせる目的で使用する核分
裂物質又はそれを含むもの。
nuclear fuel
12005
水力
すいりょく
地上の高い位置にある水が保有する位置エネル
ギー又はこの位置エネルギーを用いて取り出さ
れる動力。
hydraulic power
12006
風力
ふうりょく
風の保有する運動エネルギー又はこの運動エネ
ルギーから取り出される動力。
wind power
12007
波力
はりょく
海波の保有する位置・運動エネルギー又はこの位
置・運動エネルギーから取り出される動力。
wave power
12008
潮せき(汐)力
ちょうせきりょ
く
潮の干満差によって生じる位置エネルギーと潮
流の運動エネルギー又はそれから取り出される
動力。
tidal power
12009
太陽エネルギー
たいようえねる
ぎー
太陽から発する放射のエネルギー。
solar energy
12010
地熱エネルギー
ちねつえねるぎ
ー
地下にある高温物質が保有する熱エネルギー。
geothermal energy
12011
海洋温度差エネル
ギー
かいようおんど
さえねるぎー
表面海水と深層海水の温度差から取り出し得る
有効エネルギー。
ocean thermal energy
12012
バイオマス
生物の作用でつくり出される有機物質の保有す
る化学エネルギー。
biomass
(1.3) 単位系
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
13001
絶対単位系
ぜったいたんい
けい
長さ,質量及び時間を基本とする物理単位系。SI
単位系をはじめCGS単位系など質量の単位を基
本としたものをいう。
absolute system of units
13002
工学単位系
こうがくたんい
けい
基本単位として長さ,力,時間の単位をそれぞれ
m,kgf,sにとった単位系。
engineering system of
units
5
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番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
13003
CGS単位系
しーじーえすた
んいけい
基本単位として長さ,質量,時間の単位をそれぞ
れcm,g,sにとった絶体単位系。
CGS system of units
13004
MKSA単位系
えむけいえすえ
ーたんいけい
長さ,質量,時間の単位をそれぞれm, kg, sとし,
この三つを基本単位とする単位系をMKS単位系
と呼び,これに電流の単位アンペア (A) を基本
単位として加え,かつ有理化したもの。
MKSA system of units
13005
国際単位系 (SI)
こくさいたんい
けい
国際度量衡総会で採用された一貫した単位系。基
本単位,補助単位及び誘導単位からなる。基本単
位として長さm,質量kg,時間s,電流A,熱力
学的温度K(常用温度℃),光度cd,物質の量mol
がある。
International System of
Units
(Système International
d' Unités)
(1.4) エネルギー勘定
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
14001
熱勘定
ねつかんじょう
設備に供給される熱量及び電力(又は仕事)の熱
当量とその使用状態を検討し,入熱と出熱との関
係を明らかにすること。
heat balance
14002
熱精算
ねつせいさん
→熱勘定
14003
熱収支
ねつしゅうし
→熱勘定
14004
エネルギー勘定
えねるぎーかん
じょう
エネルギー保存の法則に基づき,設備に供給さ
れ,出てくるエネルギーの関係を明らかにするこ
と。
energy balance
14005
エネルギーバラン
ス
→エネルギー勘定
14006
物質勘定
ぶっしつかんじ
ょう
質量保存の法則に基づき設備に供給され,出てく
る物質の質量の関係を明らかにすること。
material balance
14007
入熱
にゅうねつ
熱勘定を行うとき,設備に入る熱量及び電力量
(又は仕事量)の熱当量。
heat input
14008
出熱
しゅつねつ
熱勘定を行うとき,設備から出る熱量及び電力量
(又は仕事量)の熱当量。
heat output
14009
循環熱
じゅんかんねつ
設備又はシステム内部で循環する熱。
circulating heat
14010
仕事の熱当量
しごとのねつと
うりょう
仕事量 (W) と熱量 (Q) は一定の割合で互換で
きW=JQの関係がある。このときのQとWの比
8.
4261
kcal/kgf・mをいう{SI単位系では熱量も仕事
量も同じ単位ジュールで表される}。
thermal equivalent of
work
14011
基準温度
きじゅんおんど
物質の変化,状態を示す基準となる温度。
base temperature
14012
基準状態
きじゅんじょう
たい
物質変化の基準となる状態。
base condition
14013
有効熱
ゆうこうねつ
入熱のうち対象物の付加価値を高めるのに使わ
れた熱。動力をつくり出す目的の設備ではその動
力の熱当量。
effective heat
14014
熱効率*
ねつこうりつ
(%)
100
×
入 熱
有効熱
thermal efficiency
14015
燃焼効率
ねんしょうこう
りつ
(%)
100
)
(
)
(
)
(
×
燃料発熱量
不完全燃焼損失熱
−
燃料発熱量
combustion efficiency
14016
熱勘定表
ねつかんじょう
ひょう
熱勘定の結果による入熱と出熱の関係を示した
表。
heat balance table
6
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番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
14017
熱勘定図
ねつかんじょう
ず
熱勘定の結果による入熱と出熱の関係を示した
図。
heat balance chart
14018
熱流れ図
ねつながれず
熱エネルギーの流れ状態を熱設備単位,工場単
位,又は地域単位に示した図。
heat flow chart
14019
回分式操業
かいぶんしきそ
うぎょう
設備にある一定量の品物を投入し,その状態で付
加価値を高めて取り出し,この操作を反復する操
業のこと。連続的な操業に対していう。
batch operation
14020
損失熱
そんしつねつ
有効熱とならずに排出される熱量。
heat loss
(2) 熱管理用語
(2.1) 物性値
(2.1.1) 基本物性値
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
21101
圧力
あつりょく
流体内(又は流体中に置かれた固体)の単位面積
当たりに働く力。
pressure
21102
絶対圧
ぜったいあつ
真空の状態を圧力0とし,それを基準として表示
される圧力。
absolute pressure
21103
ゲージ圧
げーじあつ
大気の圧力を0とし,それを基準として表示され
る圧力。
gage pressure
21104
標準大気圧
ひょうじゅんた
いきあつ
水銀柱760mmの大気の圧力。
standard atmospheric
pressure
21105
標準圧力
ひょうじゅんあ
つりょく
標準大気圧1atm。
1.033227kgf/cm2 {101325Pa}
standard pressure
21106
全圧
ぜんあつ
圧力感知面を流れと直角に置いてその位置の流
速を0としたときに感知される圧力。
total pressure
21107
動圧
どうあつ
全圧からその位置の圧力(静圧)を減じたもの又
は流体の運動エネルギーを圧力に換算したもの。
dynamic pressure
21108
静圧
せいあつ
流れている流体のある位置における圧力を動圧
に対して静圧という。
static pressure
21109
分圧
ぶんあつ
混合気体の中のある成分が占める圧力。各成分の
分圧の和が混合気体の圧力となる。
partial pressure
21110
温度
おんど
温冷の感覚を定量的に表示したもの。一般に水の
氷点を0,沸点を100とした温度目盛℃で表示さ
れる。
temperature
21111
絶対温度
ぜったいおんど
熱力学から導かれる絶対0度を基準として,C温
度の目盛間隔に合うように定めた熱力学的温度。
absolute temperature
21112
標準温度
ひょうじゅんお
んど
標準にとる温度のことで,物理学上では0℃。
standard temperature
21113
標準状態
ひょうじゅんじ
ょうたい
物理学上では0℃,1atmの状態。
standard state
21114
沸点
ふってん
1atmの圧力下で液体が沸騰して蒸気となる温度。 boiling point
21115
融点
ゆうてん
1atmの圧力下で固体が融けて液体となる温度。
melting point
21116
三重点
さんじゅうてん
純粋物質の固体,液体,気体の3相が共存する状
態。物質によって温度も圧力も,ある定まった値
をもつ。
triple point
21117
比容積
ひようせき
物質の単位質量の体積。
specific volume
21118
比体積
ひたいせき
→比容積
7
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番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
21119
比重量
ひじゅうりょう
物質の単位体積当たりの重量。工学単位系で用い
る。
specific weight
21120
密度
みつど
物質の単位体積当たりの質量。絶対単位系の密度
は,工学単位系の比重量に相当する。
density
21121
比重
ひじゅう
物資の密度と水の密度との比。
specific gravity
21122
真比重
しんひじゅう
内部に空げきをもたない状態の固体の比重。
true specific gravity
21123
見かけ比重
みかけひじゅう
内部に空げきをもつ固体の比重。
apparent specific gravity
21124
かさ密度
かさみつど
固体粒子のたい(堆)積の単位体積当たりの質量。 bulk density
21125
空げき率
くうげきりつ
固体又は液体が気体と混在するとき,全体積に対
する気体部分の体積の割合。
void ratio,
voids
(2.1.2) 熱力学物性値
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
21201
内部エネルギー
ないぶえねるぎ
ー
物質がある状態にあるとき,その物質がもつ熱
的・化学的エネルギーの総和。
internal energy
21202
比内部エネルギー
ひないぶえねる
ぎー
物質の単位質量当たりの内部エネルギー。
specific internal energy
21203
エンタルピー
定圧下で物質の温度,相,化学的結合状態が変化
するときその物質に出入する熱量。流体が系(例
えば一つの装置)に流入,又は系から流出すると
き系に出入するエネルギーで,内部エネルギーと
押込み若しくは押出し仕事の和。
enthalpy
21204
比エンタルピー
ひえんたるぴー
物質の単位質量当たりのエンタルピー。
specific enthalpy
21205
エントロピー
物質の状態量の一つ。ある温度の物体が流入する
とき,熱量を絶対温度で除した量だけその物体の
エントロピーは増加する。
entropy
21206
比エントロピー
ひえんとろぴー
物質の単位量当たりのエントロピー。
specific entropy
21207
熱容量
ねつようりょう
ある物体の温度を1℃高めるのに要する熱量。
heat capacity
21208
比熱
ひねつ
物質単位量(kg又はm3N)の温度を1℃高めるの
に要する熱量。
specific heat
21209
定容比熱
ていようひねつ
定容のもとでの比熱。
specific heat at constant
volume
21210
定圧比熱
ていあつひねつ
定圧のもとでの比熱。
specific heat at constant
pressure
21211
平均比熱
へいきんひねつ
与えられた温度範囲で平均した比熱。
mean specific heat
21212
顕熱
けんねつ
熱容量に温度差を乗じることによって示される
熱量。
sensible heat
21213
潜熱
せんねつ
温度一定のもとでの相変化に際して出入する熱
量。
latent heat
21214
融解熱
ゆうかいねつ
定圧のもとで単位質量の固体が加熱されて液化
するのに要する熱量。純粋物質では温度も一定で
ある。
heat of melting
21215
凝固熱
ぎょうこねつ
定圧のもとでの単位質量の液体が固化する際に
放出する熱量。その値は融解熱に等しい。
heat of solidification
21216
蒸発熱
じょうはつねつ
定圧のもとで単位質量の液体が蒸気となるとき
に要する熱量。蒸発潜熱ともいう。純粋物質では
温度も一定である。
heat of vaporization
8
Z 9211-1982
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番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
21217
凝縮熱
ぎょうしゅくね
つ
定圧のもとで単位質量の蒸気が液体となるとき
に放出する熱量。蒸発熱に等しい。
heat of condensation
21218
昇華熱
しょうかねつ
単位質量の物質が定圧のもとで固体から直接気
体へ,あるいはその逆の変化をするときに出入す
る熱量。
heat of sublimation
21219
有効エネルギー
ゆうこうえねる
ぎー
系の保有するエネルギー又は系に加えられるエ
ネルギーのうち,標準状態 (21113) まで可逆変化
させることにより外部に取り出しうる仕事量。
available energy
21220
エクセルギー
→有効エネルギー
exergy
(2.1.3) 化学熱力学物性値
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
21301
反応熱
はんのうねつ
定圧のもとで化学反応が進行するときに発生又
は吸収する熱量。
heat of reaction
21302
燃焼熱
ねんしょうねつ
燃焼反応の反応熱。
heat of combustion
21303
発熱量
はつねつりょう
定圧のもとで単位量の燃料が完全燃焼したとき
に放出する熱量。
heating value,
(calorific value)
21304
高(位)発熱量
こう(い)はつね
つりょう
燃料が水蒸気で飽和された空気によって完全燃
焼したときの発熱量。総発熱量ともいう。
higher heating value
21305
低(位)発熱量
てい(い)はつね
つりょう
高発熱量から燃焼によって発生した水蒸気の蒸
発熱を引いた残りの熱量。真発熱量ともいう。
lower heating value
21306
生成熱
せいせいねつ
ある化学物質をその構成元素から作られるとき
に発生する熱量。
heat of formation
21307
化学ポテンシャル
かがくぽてんし
ゃる
ある系にある化学物質の微少量を添加するとき,
その系のエネルギーの増加の割合。
chemical potential
21308
活量
かつりょう
理想混合物でない溶体中のある成分の平衡分圧
とその成分の飽和分圧との比
activity
21309
活量係数
かつりょうけい
すう
活量とモル分率との比。
activity coefficient
21310
化学平衡定数
かがくへいこう
ていすう
化学平衡にある系の組成を定める定数。化学方程
式の係数で乗べきした分圧又は濃度の積で,温度
だけの関数である。
chemical equilibrium
constant
(2.1.4) 湿り空気物性値
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
21401
湿度
しつど
湿り空気中の水蒸気含有の程度。
humidity
21402
絶対湿度
ぜったいしつど
湿り空気中の水蒸気の質量と,その水蒸気を除い
た空気(乾き空気)の質量との比。
absolute humidity
21403
相対湿度
そうたいしつど
ある温度における湿り空気中の水蒸気の分圧と
その温度における水蒸気の飽和圧との比。
relative humidity
21404
露点
ろてん
湿り空気を定圧のままで冷却していき,空気中の
水蒸気が液化し始める温度。
dew point
(2.1.5) 伝熱及び熱物性値
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
21501
熱流束
ねつりゅうそく
単位面積を通って単位時間に移動する熱量。
heat flux
21502
熱伝導率
ねつでんどうり
熱流束とその位置の温度傾斜との比。物質とその
heat (thermal)
9
Z 9211-1982
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
つ
状態で定まる値。
conductivity
21503
温度伝導率
おんどでんどう
りつ
熱伝導率をその物質の比熱と密度の積で除した
値。熱伝導微分方程式の係数となる。
thermal diffusivity
21504
温度拡散率
おんどかくさん
りつ
→温度伝導率
21505
熱伝達率
ねつでんたつり
つ
固体表面での周囲流体との間の熱流束を両者の
温度差で除した値。
heat transfer coefficient
21506
境膜伝熱係数
きょうまくでん
ねつけいすう
→熱伝達率
film heat transfer
coefficient
21507
熱抵抗
ねつていこう
考えている二面間の温度差を熱流束で除した値。 heat (thermal) resistance
21508
熱貫流率
ねつかんりゅう
りつ
壁を隔てた二流体間の温度差でその間の熱流束
を除した値。
overall heat transfer
coefficient
21509
熱通過率
ねつつうかりつ
→熱貫流率
overall heat transfer
coefficient
21510
総括伝熱係数
そうかつでんね
つけいすう
表面の熱放射も含めた熱貫流率。
overall heat transfer
coefficient
21511
汚れ係数
よごれけいすう
伝熱面の汚れによって生じる熱抵抗の逆数。
surface contamination
factor
21512
放射度
ほうしゃど
単位時間,単位面積当たりに放出される熱放射エ
ネルギー。
emissive power
21513
放射能
ほうしゃのう
→放射度
21514
放射率
ほうしゃりつ
与えられた面の放射能とそれと等しい温度の黒
体面 (23502) の放射能との比。
emissivity
21515
黒度
こくど
→放射率
blackness
21516
吸収率
きゅうしゅうり
つ
与えられた面に投射される熱放射のエネルギー
のうち,その面に吸収されて熱となるものの割
合。
absorptivity
21517
反射率
はんしゃりつ
与えられた面に投射される熱放射のエネルギー
のうち,その面で反射して再び空間にもどるもの
の割合。
reflectivity
21518
透過率
とうかりつ
物体の面に投射される熱放射のエネルギーのう
ち,その物体内で吸収されずに通過していくもの
の割合。
transmissivity
21519
吸収係数
きゅうしゅうけ
いすう
厚さxの半透過体(完全に透明ではないが熱放射
を透過する物体)でその吸収率α=1−e−kxの関係
があり,kを吸収係数という。
coefficient of
absorptivity
21520
熱膨張率
ねつぼうちょう
りつ
物体の温度が1℃上昇したときのその物体の体積
の膨張の割合。
coefficient of thermal
expansion
21521
線膨張率
せんぼうちょう
りつ
固体の温度が1℃上昇したとき,その一方向の2
点間の距離の増加の割合。
coefficient of linear
expansion
21522
体膨張率
たいぼうちょう
うりつ
熱膨張率と同じであるが,主として固体の熱膨張
に用い,等方性固体では線膨張率の3倍である。
coefficient of cubical
expansion
10
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(2.1.6) 輸送(トランスポート)物性値
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
21601
熱伝導率
ねつでんどうり
つ
→21502
21602
粘度
ねんど
流体の流れに伴う内部摩擦の程度を表す指標。
viscosity
21603
粘性係数
ねんせいけいす
う
ニュートンの粘性法則
dy
du
xy
η
τ
−
=
で定義される係
数η。ここにτxyは流体内のy面に働くx方向のせ
ん断応力,uはx方向の流速。
coefficient of viscosity
21604
粘性率
ねんせいりつ
→粘性係数
21605
動粘度
どうねんど
粘性係数をその流体の密度で除した量。
kinetic viscosity
21606
動粘性係数
どうねんせいけ
いすう
→動粘度
21607
拡散係数
かくさんけいす
う
フィックの法則
dx
dc
D
q−
=
で定義される係数D。
ここにqはx面単位面積,単位時間当たりに移動
する拡散物質の質量,cは単位体積当たりの拡散
物質の質量。
diffusion coefficient
(2.2) 燃料
(2.2.1) 固体燃料
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
22101
石炭
せきたん
地質時代の植物の遺体がたい積し,生化学的過程
を経て地圧と地熱などによって変化してできた
可燃性炭質物。
coal
22102
石炭化度
せきたんかど
地下に埋没・たい積した太古の植物が長年月の間
に,地熱・地圧等の作用を受けて,炭酸ガス,メ
タン,水素等を放出し,次第に炭素分に富む石炭
となる度合。通常,揮発分,炭素分(いずれも無
水,無灰ベース)又はビトリニット部の反射率な
どで表す。
rank of coalification,
coal rank
22103
褐炭
かったん
石炭化度による分類(1)において,石炭化度の最も
低い石炭。この中で特に石炭化度の低いものを亜
炭という場合がある。
brown coals and lignites
22104
亜れき青炭
あれきせいたん
石炭化度による分類(1)において,石炭化度が褐炭
より高く,れき青炭よりは低い石炭。
subbituminous coal
22105
れき青炭
れきせいたん
石炭化度による分類(1)において,石炭化度が亜れ
き青炭より高く,無煙炭よりは低い石炭。
bituminous coal
22106
無煙炭
むえんたん
石炭化度による分類(1)において,石炭化度が最も
高い石炭。
anthracite
22107
まき(薪)
ナラ,カシ,ブナその他の雑木を伐採し,又は古
材等を適当な大きさに切り割って乾燥させ,燃料
とするもの。
firewood
22108
樹皮(バーク)
じゅひ
樹木の幹,枝,根等の木部の外側を含む全組織。 bark
22109
木炭
もくたん
木材を乾留して得られる炭素質物質。
charcoal
22110
コークス
石炭又は石油を熱分解して得られる炭素質固体。 coke
22111
れんたん
れき青炭,無煙炭,コークス,木炭などを粉砕し
たものに粘着剤を加えて成形したもの。
briquette
11
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番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
22112
塊炭
かいたん
粒度による分類において通常は20mm以上の石
炭。用途によって若干異なるが通常38〜50mmを
塊炭,25〜38mmを中塊炭,20〜25mmを小塊炭
ということが多い。
lump coal
22113
粉炭
ふんたん
粒度による分類において,通常は20mm未満の石
炭。通常3〜20mmを粉炭,3mm未満を微粉炭と
いうことが多い。
pulverized coal
22114
非粘結炭
ひねんけつたん
石炭の性状による分類において,乾留した場合
に,ほとんど粘結せず,残留するコークスが粉状
となるような石炭。
non-caking coal
22115
粘結炭
ねんけつたん
石炭の性状による分類において,乾留時に軟化溶
融してコークスを生成する石炭。
caking coal
22116
原料炭
げんりょうたん
石炭の用途による分類において,一般にコークス
製造の原料として用いられる石炭。コークス用炭
ともいう。
metallurgical coal,
coal for coke making
22117
一般炭
いっぱんたん
石炭の用途による分類において,一般に発電用な
どの燃料に用いられる石炭。非・微粘結炭である
ことが多い。
steam coal
22118
高品位炭
こうひんいたん
石炭の品位による分類において,一般に水分,灰
分,硫黄分などの少ない石炭。
high grade coal
22119
低品位炭
ていひんいたん
石炭の品位による分類において,一般に水分,灰
分,硫黄分などの多い石炭。
low grade coal
22120
純炭発熱量
じゅんたんはつ
ねつりょう
純炭ベース (26109) に換算した発熱量。
heating value of pure
coal
22121
燃料比
ねんりょうひ
石炭の工業分析結果のうち,固定炭素 (%) を揮
発分 (%) で割った値。
備考 高炉操業等における製品単位,重
量当たりの燃料消費量。
fuel ratio
22122
自然発火
しぜんはっか
可燃性の物質又は混合物が外部からの加熱なし
に,内部の酸化反応熱の蓄積だけで発火点に達
し,燃焼を起こす現象。
spontaneous ignition
注(1) JIS M 1002(炭量計算基準)には,純炭発熱量による石炭化度の分類が示されているが,この分類
基準はISOその他各国の基準と異なるため,ここでは記載していない。
(2.2.2) 液体燃料
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
22201
石油
せきゆ
天然に産する鉱油及びその製品の総称。
petroleum
22202
原油
げんゆ
油井から採取したままの鉱油。各種液状炭化水素
を主成分とし,少量の硫黄,酸素,窒素などの有
機化合物を含む。
crude oil
22203
ガソリン
石油から得られる常温で液状沸点範囲(30〜
200℃程度)の石油製品。用途によって工業用と
燃料用とに分けられ,前者には工業用ガソリン,
後者に自動車ガソリン及び航空ガソリンがある。
gasoline
22204
揮発油
きはつゆ
→ガソリン
12
Z 9211-1982
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
22205
ナフサ
原油中のガソリンの沸点範囲の留分。このうち軽
質のもの(沸点範囲30〜100℃程度)を軽質ナフ
サ,重質のもの(沸点範囲100〜200℃程度)を重
質ナフサと呼び,両者を含むものをフルレンジナ
フサ又はホールナフサという。
naphtha
22206
燈油
とうゆ
原油蒸留の際,ガソリンと軽油との間に留出する
沸点範囲150〜280℃程度の留分。
kerosine
22207
軽油
けいゆ
原油蒸留の際,燈油留分の次に留出する沸点範囲
200〜350℃程度の留分。
gas oil
22208
重油
じゅうゆ
ディーゼル機関用,ボイラ用及び各種炉用の燃料
として適当な品質の鉱油。製造上の区分では,常
圧蒸留残油又は主としてガソリン,ナフサなどの
軽質分を除く留出物(燈軽油)と常圧蒸留残油と
の混合物をいう。
fuel oil
22209
A重油
えいじゅうゆ
重油の慣用上の呼び方。一般的にJIS K 2205の重
油規格の1種に相当する。
fuel oil A
22210
B重油
びーじゅうゆ
重油の慣用上の呼び方。一般的にJIS K 2205の重
油規格の2種に相当する。
fuel oil B
22211
C重油
しーじゅうゆ
重油の慣用上の呼び方。一般的にJIS K 2205の重
油規格の3種に相当する。
fuel oil C
22212
パルプ廃液
ぱるぷはいえき
木材チップを薬液で蒸解してパルプを製造する
際に発生する液。リグニンなど多量の有機物及び
それを処理した薬品を含む。
pulp spent liquor
22213
炭水素比
たんすいそひ
燃料の元素分析によって得た炭素と水素の重量
比で,液体熱料の性状を示す数値。
C/H weight ratio
(2.2.3) 気体燃料
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
22301
燃料ガス
ねんりょうがす
燃料として一般の使用に供せられるガス。
fuel gas
22302
天然ガス
てんねんがす
天然に地下から産するパラフィン系炭化水素を
主成分とする可燃性ガスの総称。油田から原油に
伴って産出する油田ガス,原油を伴わないガス田
から採取されるガス田ガス,きょう(夾)炭層か
ら産出する炭田ガス,地下水に伴って産出する水
溶性ガスなどがある。
natural gas
22303
コークス炉ガス
こーくすろがす
コークス炉で石炭を乾留する際に副生するガス。 coke oven gas
22304
高炉ガス
こうろがす
製鉄用高炉から副生するガス。
blast furnace gas
22305
都市ガス
としがす
都市の家庭や工場に配管によって供給される燃
料ガス。
town gas
22306
液化天然ガス
(LNG)
えきかてんねん
がす
冷却・液化した状態の天然ガス。
liquefied natural gas
22307
液化石油ガス
(LPG)
えきかせきゆが
す
主成分として炭素数3及び4の炭化水素の加圧又
は冷却によって液化したもの。
liquefied petroleum gas
13
Z 9211-1982
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2.3
熱力学,伝熱及び熱化学
(2.3.1) 熱力学基本法則
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
23101
熱力学第1法則
ねつりきがくだ
いいちほうそく
系の内部エネルギーの増加は,系に加えられる熱
と仕事の和に等しい。
first law of
thermodynamics
23102
ジュールの法則
じゅーるのほう
そく
仕事が熱に変換されるときその割合は一定であ
り,この比が仕事の熱当量である。
Joule's law
23103
エネルギー保存則
えねるぎーほぞ
んそく
孤立系(外部との間でエネルギーも物質も変換し
ない系)内ではエネルギーの総和は一定である。
law of energy
conservation
23104
熱平衡
ねつへいこう
二つの物体を他と絶縁した状態で十分長時間接
触させると両者は熱平衡に達する。このとき両者
の温度は等しい。
thermal equilibrium
23105
熱力学第2法則
ねつりきがくだ
いにほうそく
一定温度の熱源から熱をとり入れて,それをすべ
て連続的に仕事に変換する装置(第2種の永久機
関)をつくることはできない。
second law of
thermodynamics
23106
可逆変化
かぎゃくへんか
ある変化過程とその逆の変化過程が他に何の変
化も与えないで行い得るもの。
reversible change
23107
可逆過程
かぎゃくかてい
→可逆変化
reversible process
23108
不可逆変化
ふかぎゃくへん
か
どのようにしても可逆とならない変化過程。
irreversible change
23109
不可逆過程
ふかぎゃくかて
い
→不可逆変化
irreversible process
23110
可逆サイクル
かぎゃくさいく
る
可逆過程だけで一連の変化を行って初めの状態
に戻し,その間に熱から仕事へ又はその逆のエネ
ルギー変換を行うもの。
reversible cycle
23111
カルノーサイクル
可逆の等温変化過程と断熱変化過程を組み合わ
せて二つの温度水準の間で行う可逆サイクル。
Carnot's cycle
(2.3.2) 気体の法則
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
23201
ボイルの法則
ぼいるのほうそ
く
一定量の気体を定温下で圧力を変えると,その体
積は圧力に反比例する。
Boyle's law
23202
シャールの法則
しゃーるのほう
そく
一定量の気体を定圧のもとで温度変化させると,
その体積は絶対温度に比例する。
Charle's law
23203
理想気体の状態式
りそうきたいの
じょうたいしき
1kgの気体に対するPv=RTの関係。Pは絶対圧
力,vは比容積,Rはガス定数,Tは絶対温度で
ある。
equation of state of ideal
gas
23204
アボガドロの法則
あぼがどろのほ
うそく
ある圧力,温度のもとで単位体積の気体の中に含
まれる分子の数は気体の種類に関係なく一定で
ある。
Avogadro's law
23205
一般ガス定数
いっぱんがすじ
ょうすう
アボガドロの法則を用いて理想気体の状態を
Rv=R0 T/M のとき物質に無関係に定まるガ
ス定数R0。Mはその物質の分子量である。
universal gas constant
23206
理想気体
りそうきたい
理想気体の状態式を満足し,比熱が温度に無関係
な気体。
ideal gas
23207
完全ガス
かんぜんがす
→理想気体
14
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(2.3.3) 多成分系
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
23301
相律
そうりつ
多成分系でその状態を決定するのに必要な変数
の最小の数。すなわち自由度は,成分数に2を加
えたものから相の数を減じたものに等しい。
phase rule
23302
相平衡
そうへいこう
同じ物質が異なる相の中にあって,その間で熱力
学的につり合っている状態。
phase equilibrium
23303
化学平衡
かがくへいこう
化学反応で反応系から生成系へ移る速度と生成
系から反応系に移る速度が等しく両者がつり合
っている状態。
chemical equilibrium
23304
ダルトンの法則
だるとんのほう
そく
各種の成分の混合気体では,各成分が系の全体積
とその気体の分圧をもつ気体の法則に従う。
Dalton's law
23305
溶液
ようえき
液体の中に他種の物質が溶け込んで同一の液相
となっているもの。
solution
23306
溶質
ようしつ
溶液の中に溶け込んでいる物質。
solute
23307
溶媒
ようばい
溶液の主体をなす液体。
solvent
23308
ラウールの法則
らうーるのほう
そく
溶液中のある成分のモル分率をxとし,ある温度
におけるその成分の飽和蒸気圧をPとすると,そ
の温度において溶液と平衡にある気体中のその
成分の分圧pはp=Pxである。
Raoult's law
23309
沸点上昇
ふってんじょう
しょう
固体の溶液の沸点が溶媒の沸点より高くなる現
象。
rise of boiling point
23310
気液平衡
きえきへいこう
気体と液体の系において両相の組成,温度,圧力
が一定になった状態。
vapor-liquid equilibrium
23311
気液平衡図
きえきへいこう
ず
気液平衡のとき,液組成と気体組成,平衡温度,
平衡圧などの関係を表した図。
vapor-liquid equilibrium
curve
23312
共沸混合物
きょうふつこん
んごうぶつ
気液平衡状態において液組成と蒸気組成が等し
くなる点をもつ混合気体。
azeotrope
23313
x−y線図
えっくす−わい
せんず
圧力一定の気液平衡関係を表した図(横軸に液濃
度,縦軸に蒸気濃度をプロットした曲線)
x−y curve
(2.3.4) 熱伝導及び対流熱伝達
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
23401
フーリエの法則
ふーりえのほう
そく
熱流束(21501)は,温度傾斜に比例する。
Fourier's law
23402
熱伝導方程式
ねつでんどうほ
うていしき
フーリエの法則と熱量保存式から導かれる温度
を従属変数とし,時間と位置座標を変数とする偏
微分方程式。
equation of heat
conduction
23403
定常熱伝導
ていじょうねつ
でんどう
温度が位置座標だけの関数で,時間には無関係と
なる状態での熱伝導。
steady heat conduction
23404
非定常熱伝導
ひていじょうね
つでんどう
ある位置の温度が時間と共に変化する熱伝導。
non-steady heat
conduction
23405
対流熱伝達
たいりゅうねつ
でんたつ
流体と固体表面との間での伝熱。
convective heat transfer
23406
強制対流熱伝達
きょうせいたい
りゅうねつでん
たつ
流体の流れが伝熱と無関係に与えられた圧力差
によって定まる状態での熱伝達。
heat transfer by forced
convection
15
Z 9211-1982
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
23407
自然対流熱伝達
しぜんたいりゅ
うねつでんたつ
流体温度と固体面温度との差によって生ずる流
体内の密度差に起因する流れ(自然対流)以外の
原因による流れを考えない場合の熱伝達
heat transfer by natural
convection
23408
ヌッセルト数
ぬっせるとすう
対流熱伝達率α,流体の熱伝導率λ,物体の代表長
さLから
λ
αL
Nu=
で定義される無次元数。
Nusselt number
23409
スタントン数
すたんとんすう
対流熱伝達率α,流体の比熱C,密度ρ,代表流速
Vから
V
C
St
ρ
α
=
で定義される無次元数。
Stanton number
23410
レイノルズ数
れいのるずすう
流体の動粘度ν,代表流速V,物体の代表長さL
から
v
VL
Re=
で定義される無次元数。
Reynolds number
23411
プラントル数
ぷらんとるすう
流体の動粘度ν,温度伝導率aから
a
v
Pr=
で定義される無次元数。
Prandtl number
23412
グラスホフ数
ぐらすほふすう
流体の熱膨張率β,流体と固体面の温度差∆t,重力
加速度g,物体の代表長さL,流体の動粘度νから
2
3
v
tgL
Gr
∆
=β
で定義される無次元数。
Grashof number
23413
沸騰熱伝達
ふっとうねつで
んたつ
伝熱面温度が液体の飽和温度以上となって伝熱
によって伝熱面上又はその近くから蒸気が発生
することによって行われる伝熱。
heat transfer with
boiling
23414
凝縮熱伝達
ぎょうしゅくね
つでんたつ
伝熱面温度が蒸気の飽和温度以下となって伝熱
面上に蒸気が凝縮して液体となることによって
行われる伝熱。
heat transfer with
condensation
23415
熱抵抗
ねつていこう
二つの面の温度差をその間の伝熱量で除した値。
電気回路の電気抵抗からの類推概念である。
thermal resistance
23416
抵抗和の法則
ていこうわのほ
うそく
重ね板,重ね円筒などを熱流が通過するとき全体
の熱抵抗は熱流に対して直列に置かれた個々の
抵抗の和に等しい。電気回路の抵抗の直列接続に
相当する。
law of overall resistance
23417
熱貫流
ねつかんりゅう
伝熱面の壁によって隔てられた二つの流体間の
伝熱。
overall heat transfer
23418
熱通過
ねつつうか
→熱貫流
(2.3.5) 放射伝熱
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
23501
熱放射
ねつほうしゃ
物体がある温度にあるということだけによって,
その物体から空間に放出される電磁波。その波長
は遠赤外,赤外,可視,紫外にわたる。
thermal radiation
23502
黒体
こくたい
その面に投射される熱放射をすべて吸収して物
体の熱とする面(黒体面)をもつ物体。
(perfect) black body
23503
黒体放射の法則
こくたいほうし
ゃのほうそく
すべての黒体面から放出される熱放射における
波長に対する放射強さの分布は,温度だけの関数
である。プランクの黒体放射の式で与えられる。
law of black body
radiation
23504
プランクの放射法
則
ぷらんくのほう
しゃほうそく
→黒体放射の法則。
Planck's law of thermal
radiation
23505
ステファン・ボル
ツマンの法則
すてふぁん・ぼる
つまんのほうそ
く
全波長についての黒体面の放射能は,絶対温度の
4乗に比例する。
Stephan-Boltzman's law
16
Z 9211-1982
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
23506
キルヒホフの法則
きるひほふのほ
うそく
ある面又は物体の放射率は,その吸収率に等し
い。
Kirchhoff's law
23507
ランベール(ラン
バート)の法則
らんべーる(らん
ばーと)のほうそ
く
面からの熱放射の強さの方向に関する分布は,法
線方向となす角度の余弦に比例する。
Lanbert's law
23508
ガス放射
がすほうしゃ
CO2,H2Oなどの原子の数の多い気体の赤外域に
ある放射帯による熱放射。それによって生ずる燃
焼ガスからの熱放射。
gas radiation
23509
輝炎放射
きえんほうしゃ
火炎中の微粒子(主としてすす)から発する連続
スペクトルの熱放射。
radiation from luminous
flame
(2.3.6) 化学反応
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
23601
吸熱反応
きゅうねつはん
のう
反応系で熱の吸収を伴う化学反応。
endothermic reaction
23602
発熱反応
はつねつはんの
う
反応系で熱の放出を伴う化学反応。
exothermic reaction
23603
触媒反応
しょくばいはん
のう
触媒の影響によって行われる化学反応。触媒とは
反応系において自らは変化せずに反応を促進又
は選択的反応を行う役目をするもの。
catalytic reaction
23604
反応速度
はんのうそくど
化学反応において反応系の各成分の量の変化す
る速度。
rate of reaction
(2.4) 蒸気及び熱媒体
(2.4.1) 蒸気
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
24101
飽和状態
ほうわじょうた
い
同一物質の気相と液相(又は固相)とが平衡して
共存するとき,気相の占める空間はその液体(又
は固体)の蒸気によって飽和されたといい,この
状態を飽和状態という。
saturated state
24102
飽和温度
ほうわおんど
液体又は固体が飽和状態にある場合の温度。
saturation temperature
24103
飽和圧力
ほうわあつりょ
く
液体又は固体が飽和状態にある場合の圧力。
saturation pressure
24104
飽和蒸気
ほうわじょうき
飽和状態にある蒸気。
saturated steam
24105
乾き飽和蒸気
かわきほうわじ
ょうき
水分を含まない飽和蒸気。
dry saturated steam
24106
湿り蒸気
しめりじょうき
水分を含む飽和蒸気。
wet steam
24107
蒸気乾き度
じょうきかわき
ど
湿り蒸気 (24106) において,その中に含まれる蒸
気の質量の全質量に対する割合。
quality of vapor
(dryness of steam)
24108
飽和液(水)
ほうわえき(す
い)
同一物質の蒸気と平衡して共存する液体(水)。
saturated liquid
(saturated water)
24109
過熱蒸気
かねつじょうき
飽和温度よりも高い温度の蒸気。
superheated steam
24110
圧縮水
あっしゅくすい
飽和圧力よりも高い圧力の状態にある水。
compressed water
24111
蒸気表
じょうきひょう
圧縮水,飽和水,乾き飽和蒸気及び過熱蒸気の諸
性質を示す表。
steam tables
24112
飽和蒸気表
ほうわじょうき
ひょう
飽和水と乾き飽和蒸気の諸性質を示す表。
saturation state steam
tables
17
Z 9211-1982
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
24113
過熱蒸気表
かねつじょうき
ひょう
圧縮水と過熱蒸気の諸性質を示す表。
compressed water and
superheated steam
tables
24114
蒸気線図
じょうきせんず
圧縮水,飽和水,飽和蒸気及び過熱蒸気の諸性質
を表す線図。
steam diagram
24115
h-s線図
えいち−えすせ
んず
縦軸に比エンタルピーh,横軸に比エントロピーs
をとって,h,sに対応する蒸気の圧力,温度,比
容積,乾き度等の状態線を引いたもの。
h-s diagram
24116
モリエ線図
もりえせんず
→h-s線図
Mollier chart
24117
T-s線図
てぃーえすせん
ず
縦軸に絶対温度T,横軸に比エントロピーsをと
って,T,sに対応する蒸気の圧力,比エンタルピ
ー,比容積,乾き度等の状態線を引いたもの。
T-s diagram
24118
P-h線図
ぴーえいちせん
ず
縦軸に圧力P,横軸に比エンタルピーhをとって
P,hに対応する蒸気の温度,比容積,乾き度等
の状態線を引いたもの。
P-h diagram
24119
臨界状態
りんかいじょう
たい
圧力が上昇し,その圧力に対応する飽和状態が存
在しなくなる限界のときの状態。
蒸発熱 (21216) が0となり蒸気と液の区別がな
くなる。
critical state
24120
臨界温度
りんかいおんど
臨界状態における蒸気の温度。
critical temperature
24121
臨界圧
りんかいあつ
臨界状態における蒸気の圧力。
critical pressure
24122
超臨界圧蒸気
ちょうりんかい
あつじょうき
圧力が臨界圧力を超える蒸気。
supercritical pressure
steam
(2.4.2) 湿り空気
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
24201
乾き空気
かわきくうき
水蒸気を含まない空気。
dry air
24202
湿り空気
しめりくうき
水蒸気を含む空気。
moist air (humid air)
24203
飽和空気
ほうわくうき
湿り空気の温度が,それに含まれている水蒸気の
分圧に対する飽和蒸気の温度に等しい空気。
saturated air
(2.4.3) 熱媒体
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
24301
熱媒体
ねつばいたい
物理的,化学的に安定な物質であって,熱源と被
加熱体間の伝熱の仲介に使われる媒体。
heating medium
24302
高温熱媒体
こうおんねつば
いたい
一般に比較的高温の温度範囲で使用される熱媒
体。
heating medium for
higher temperature
24303
低温熱媒体
ていおんねつば
いたい
高温熱媒体より低い温度範囲で使用される熱媒
体。
heating medium for
lower temperature
24304
有機熱媒体
ゆうきねつばい
たい
熱媒体として使用する有機化合物。
organic heating medium
24305
ブライン
間接冷凍法において,蒸発器と被冷凍物との間に
介在して熱の吸収伝達を行う液体。
brine
24306
冷媒
れいばい
低温熱媒体の一種で,液相−気相の状態変化を利
用するもの。
refrigerant
24307
フロン
ふっ化炭化水素の総称。冷媒として使用される。 freon
24308
アンモニア
窒素1原子と水素3原子からなる無色刺激性物
質。冷媒としても利用される。化学記号NH3
ammonia
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(2.5) 燃焼
(2.5.1) 燃焼計算
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
25101
完全燃焼
かんぜんねんし
ょう
燃料が未燃分を残さないで燃焼し尽くすこと。
complete combustion
25102
理論空気量
りろんくうきり
ょう
燃料の完全燃焼に必要な理論上の空気量。
amount of theoretical
combustion air
25103
過剰空気量
かじょうくうき
りょう
燃焼の際に実際に供給された空気量と理論空気
量との差。
amount of excess air
25104
空気比
くうきひ
理論空気量に対する実際の燃焼に使用した空気
量の割合。
air ratio
25105
空気過剰係数
くうきかじょう
けいすう
→空気比。
25106
過剰空気率
かじょうくうき
りつ
過剰空気量の理論空気量に対する割合。普通,容
積百分率で表す。
excess air ratio
25107
当量比
とうりょうひ
燃焼に用いる空気中の酸素に当量の燃料量に対
する,実際に供給した燃料の割合。空気比の逆数。
equivalent ratio
25108
空燃比
くうねんひ
燃焼に使用した燃料に対する空気の質量割合。
air-fuel ratio
25109
理論燃焼ガス量
りろんねんしょ
うがすりょう
単位量の燃料が理論空気量で完全燃焼したとき
に生成するガス量。
amount of theoretical
combustion gas
25110
燃焼ガス量
ねんしょうがす
りょう
燃焼装置から排出される全ガス量。単位量の燃料
の燃焼によって生ずるガス量。
amount of combustion
gas
25111
排ガス量
はいがすりょう
燃焼装置から排出される全ガス量。
amount of exhaust gas
25112
乾き燃焼ガス量
かわきねんしょ
うがすりょう
燃焼ガス量から水蒸気量を差し引いたガス量。
amount of dry
combustion gas
25113
湿り燃焼ガス量
しめりねんしょ
うがすりょう
水蒸気を含んだ燃焼ガス量。
amount of wet
combustion gas
25114
燃焼ガス温度
ねんしょうがす
おんど
燃焼ガスのある位置における温度。実測値又は熱
損失を考慮して計算で求めた値。
temperature of
combustion gas
25115
理論燃焼温度
りろんねんしょ
うおんど
燃料が完全燃焼し,外界への熱損失が全くないと
仮定したときに到達すべき燃焼ガス温度。
theoretical temperature
of combustion
25116
理論最高燃焼温度
りろんさいこう
ねんしょうおん
ど
0℃の燃料が0℃の理論空気量で完全燃焼し,か
つ,外界への熱損失が全くないと仮定した場合に
到達すべき燃焼ガス温度。
maximum theoretical
temperature of
combustion
25117
断熱燃焼温度
だんねつねんし
ょうおんど
外界への熱損失がない状態で燃焼が行われ,燃焼
ガスが化学平衡にある時の温度。
adiabatic temperature of
combustion
19
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(2.5.2) 燃焼形態
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
25201
予混合燃焼
よこんごうねん
しょう
あらかじめ燃料と空気を混合して燃焼させるこ
と。
premixed combustion
25202
拡散燃焼
かくさんねんし
ょう
燃料と空気を混合しながら燃焼させること。
diffusion combustion
25203
表面燃焼
ひょうめんねん
しょう
固体表面において酸化反応が起こることによっ
て行われる燃焼。
surface combustion
25204
蒸発燃焼
じょうはつねん
しょう
蒸発しやすい液体燃料の液面に点火した時,燃料
が蒸発しながら燃焼すること。
combustion by
evaporation
25205
分解燃焼
ぶんかいねんし
ょう
燃料が燃焼に際し,化学的に分解が起こって燃焼
すること。
combustion by cracking
(2.5.3) 燃焼現象
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
25301
着火(発火)
ちゃっか(はっ
か)
未燃焼状態であった燃料が燃焼し始めること。
ignition
25302
点火
てんか
燃料に火をつけること。
ignition,
firing
25303
自己着火
じこちゃっか
燃料と空気をある温度(圧力)に置いたとき,燃
料の温度が上昇して燃焼状態となる現象。
self ignition
25304
火炎伝ぱ
かえんでんぱ
燃焼火炎が未燃焼の部分へ伝わって燃焼状態と
していく現象。
flame propagation
25305
火炎伝ぱ速度
かえんでんぱそ
くど
予混合燃焼における火炎面の移動速度。
flame propagation speed
25306
燃焼速度
ねんしょうそく
ど
一様な可燃予混合気中に生じた平面状火炎が未
燃の混合気に向かって進行する速度。
burning velocity
25307
デトネーション
可燃気体と空気又は酸素の混合気中の燃焼伝ぱ
の際に衝撃波を生じ,その伝ぱに伴って非常に大
きな一定の速度で火炎帯が混合気中を進行する
現象。
detonation
25308
可燃限界
かねんげんかい
可燃気体と空気又は酸素の一様な混合気の一端
に点火したとき,混合気中に火炎が伝ぱし得る限
界の可燃気体の容積百分率。上限と下限がある。
inflammable limits
25309
爆発限界
ばくはつげんか
い
→可燃限界。
explosion limits
25310
吹き消え
ふききえ
燃料及び空気の噴出速度が燃焼速度より大きく
なり,炎が飛んで消える現象。
blow off
25311
逆火
ぎゃっか
火炎伝ぱによって火炎がバーナ内に引き込まれ
る現象。
flash back
25312
輝炎
きえん
火炎中にすすが生成し,その固体放射による輝き
のある火炎。
luminous flame
25313
不輝炎
ふきえん
すす生成がなく,その固体放射の輝きのない火
炎。
non-luminous flame
25314
酸化炎
さんかえん
酸化作用のある炎。
oxidizing flame
25315
還元炎
かんげんえん
還元作用のある炎。
reducing flame
20
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(2.5.4) 燃焼生成物
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
25401
未燃ガス
みねんがす
燃焼ガス中に含まれる可燃性ガス。
unburnt gas
25402
すす
燃料の燃焼過程で生成する微粒炭素物質。
soot
25403
ばい煙
ばいえん
すすやばいじんを含んだ燃焼排ガス。大気汚染防
止法の定義によれば燃料その他の燃焼又は熱源
として電気の使用に伴い発生する硫黄酸化物,カ
ドミウム,塩素,ふっ化水素,鉛その他,人の健
康又は生活環境に被害を生じるおそれのあるも
の。
smoke
25404
ばいじん
燃焼によって生じたすすと固体粒子。大気中にあ
るこのような混合物も,ばいじんという。
soot and dust
25405
硫黄酸化物
いおうさんかぶ
つ
二酸化硫黄 (SO2) ,無水硫酸 (SO3) など,硫黄
の酸化物の総称。
sulfur oxides
25406
窒素酸化物
ちっそさんかぶ
つ
一酸化窒素 (NO) ,二酸化窒素 (NO2) など,窒
素の酸化物の総称。
nitrogen oxides
25407
燃えがら
もえがら
固体燃料の燃焼で,燃焼室から排出される固体残
さ物。
(combustion) residue
25408
酸露点
さんろてん
燃焼ガス中の硫酸蒸気が凝縮し始める最高温度。 sulfuric acid dew point
(2.6) 計測
(2.6.1) 基本用語
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
26101
化学分析
かがくぶんせき
物質の成分を調べること。定量分析と定性分析が
あり,前者では成分の量を調べる。
chemical analysis
26102
工業分析
こうぎょうぶん
せき
燃料の性状を知る分析法。一般に固体燃料の水
分,灰分,揮発分,固定炭素の定量法をいう。
proximate analysis
26103
元素分析
げんそぶんせき
物質の成分元素の含有量を定量すること。一般に
液体燃料,固体燃料の炭素,水素,硫黄,窒素,
酸素の定量をいう。
ultimate analysis
26104
比色分析
ひしょくぶんせ
き
溶液の色の濃さ又はその色調を標準液のそれと
比較して物質を定量する化学分析。
colorimetric analysis
26105
恒湿ベース
こうしつべーす
固体燃料の分析試料の状態で,食塩飽和溶液を入
れた恒温器中に試料を入れてその湿度と平衡さ
せた状態。
equilibrium moisture of
coal at about 75%
re-lative humidity and
room temperature
26106
気乾ベース
きかんべーす
固体燃料の分析試料の状態で,試料がふん囲気の
湿度とほぼ平衡となっているときの状態。
air dried basis
26107
無水ベース
むすいべーす
固体燃料の分析値の状態で,工業分析の水分量を
除いた状態が基準となるように換算したもの。
dry basis
26108
無水無灰ベース
むすいむはいべ
ーす
工業分析の水分量,灰分量を除いた状態が基準と
なるように換算したもの。
dry ash-free basis
26109
純炭ベース
じゅんたんべー
す
工業分析の水分量,灰分量に灰分補正率を乗じた
値(鉱物量)を除いた状態が基準となるように換
算したもの。
pure coal substance
basis
26110
使用時ベース
しようじべーす
固体燃料の使用するときを基準となるように換
算したもの。
as fired basis
21
Z 9211-1982
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
26111
恒湿試料
こうしつしりょ
う
恒湿ベース状態に調整した試料。
equilibrated sample at
about 75% relative
humidity & room
temperature
26112
ロット
等しい条件又は等しいと思われる条件下で生産
された品物の特定量。
備考 受け渡される特定の商品の1回分の量をコ
ンサイメント (consignment) という。これは1個
又は数個のロットから成り立っていることもあ
り,また,ロットの一部分のこともある。
lot,
batch
26113
大口試料
おおぐちしりょ
う
コンサイメント又はロットから採集したサンプ
リング単位を集めたもの。一般に石炭類について
いう。
gross sample
26114
小口試料
こぐちしりょう
数個のインクリメントを集めたもの。必要に応じ
てインクリメントを個々に粉砕・縮分した後で,
これらを数個集めたものをいうこともある。一般
に石炭類についていう。
sub-sample
26115
インクリメント
単位試料のことで,原則として試料採取器によっ
て1動作で採取した単位量の試料。
increment
26116
一次試料
いちじしりょう
1ロットから適当な採取方法によって採取した試
料全量。一般に原油,石油製品についていう。
primary sample
26117
二次試料
にじしりょう
一次試料からその品質を代表するように採取し
た数個の試料。一般に原油,石油製品についてい
う。
secondary sample
26118
標準試料
ひょうじゅんし
りょう
化学的又は物理的特性などの標準値があらかじ
め決められている試料。
standard sample
26119
安息香酸
あんそくこうさ
ん
燃料の発熱量測定に際しての熱量基準物質。化学
式C6H5COOH。
benzoic acid
26120
API度
えいぴーあいど
アメリカ石油協会 (American Petroleum Institute)
の石油の比重を表す単位。
API度=141.5/(比重60/60°F)−131.5
API degree
(2.6.2) 測定の方法
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
26201
エシュカ法
えしゅかほう
固体燃料の全硫黄分試験方法の一つ。試料とエシ
ュカ合剤を混合し、強熱して試料中の硫黄分を硫
酸塩として固定し,抽出した溶液から定量する。
testing method for sulfur
by Eschka method
26202
ボンベ式硫黄分試
験法
ぼんべしきいお
うぶんしけんほ
う
揮発性の少ない石油製品の硫黄分定量方法。酸素
を圧入したボンベ中で試料を燃焼させた後ボン
ベ内を洗浄し,洗液中の硫酸塩を重量法によって
定量する。
testing method for sulfur
by bomb combustion
method
26203
燃焼管式硫黄分試
験法
ねんしょうかん
しきいおうぶん
しけんほう
揮発性の少ない石油製品の全硫黄分の定量方法。
試料を石英又は磁製燃焼管内で、空気又は酸素気
流中で燃焼し,生成した硫黄酸化物を過酸化水素
水に捕集し,容量法で定量する。
testing method for sulfur
by combustion tube
26204
ケルダール法
けるだーるほう
固体,液体燃料の窒素分測定方法の一つ。強アル
カリ溶液中で試料を分解し,生成するアンモニア
を蒸留して定量する。マクロ法及びミクロ法があ
る。
Kjeldahl method
22
Z 9211-1982
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
26205
ヘンペル分析方法
へんぺるぶんせ
きほうほう
燃料ガス,燃焼ガスの成分をヘンペル式分析装置
によってCO2,CmHn,O2,COは吸収法で,CnH2n
+2とH2は燃焼法で定量する方法。
analysis by Hempel
method
26206
オルザット分析方
法
おるざっとぶん
せきほうほう
燃料ガス,燃焼ガスの成分をオルザット式分析装
置によってCO2,O2,COを吸収法で定量する方
法。
analysis by Orsat
analyzer
26207
コンラドソン試験
法
こんらどそんし
けんほう
コンラドソン試験器を用いて原油,石油製品の残
留炭素分を定量する方法。
testing method for
carbon residue by
Con-radson method
(2.6.3) 測定の項目
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
26301
湿分
しつぶん
石炭類粒子の表面に付着している表面水分で,ふ
ん(雰)囲気の乾燥や散水,降雨などによって容
易に変化する水分。
hygroscopic surface
moisture
26302
全水分
ぜんすいぶん
固体燃料の水分には湿分,固有水分,化合水分が
あるが,このうち湿分と固有水分とを合計した水
分。
total moisture content
26303
包蔵水分
ほうぞうすいぶ
ん
規定条件のもとで石炭試料を30℃,96〜97%相対
湿度のふん(雰)囲気中で恒湿平衡に至らせたと
きの水分。
equilibrium moisture of
coal at 96 to 97%
relative humidity and
30℃
26304
水分
すいぶん
一般に物質と水が共存する場合,その中に含まれ
る水分の割合。固有水分,化合水分に分けられる
が,単に水分といった場合には固有水分を表し,
規定の温度に加熱乾燥したとき,その減量の試料
に対する百分率をもって水分とする。
moisture content
26305
灰分
かいぶん,
はいぶん
固体燃料,液体燃料について,規定の温度,規定
の方法で加熱したとき,燃焼残量の試料に対する
百分率。
ash content
26306
揮発分
きはつぶん
固体燃料が燃焼する際,乾留されて気体となる成
分。試料を規定の温度に調整されている電気炉中
で規定時間加熱して定量する。
volatile matter content
26307
固定炭素
こていたんそ
固体燃料の工業分析での水分,灰分,揮発分から
次の式によって求められる。
固定炭素%=100−[水分 (%) +灰分 (%) +揮
発分 (%)]
fixed carbon content
26308
炭素分
たんそぶん
燃料中の炭素含有量。
carbon content
26309
水素分
すいそぶん
燃料中の水素含有量。
hydrogen content
26310
硫黄分
いおうぶん
燃料中の硫黄含有量。
sulfur content
26311
全硫黄
ぜんいおう
固体燃料中には燃焼性硫黄と不燃焼性硫黄が存
在するが,この二つの硫黄の全量。
total sulfur
26312
不燃焼性硫黄
ふねんしょうせ
いいおう
固体燃料の燃焼に際して,燃焼しないで灰中に残
留する硫黄。
incombustible sulfur
26313
燃焼性硫黄
ねんしょうせい
いおう
固体燃料の燃焼に際して,燃焼して二酸化硫黄と
三酸化硫黄とになる硫黄。
combustible sulfur
26314
可燃元素
かねんげんそ
燃料の成分中C,H,Sの成分。
combustible element
26315
酸素分
さんそぶん
燃料中の酸素含有量。一般に換算値。
oxygen content
23
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
26316
燃えがら量
もえがらりょう
固体燃料の燃焼に際して,未燃焼残さの燃料に対
する百分率。
combustion residue
26317
灰の融点
はいのゆうてん
固体燃料の灰が加熱によって固相から液相に融
解するときの温度。
melting point of ash
26318
粘結性
ねんけつせい
石炭は加熱に際してある温度から溶融して塊状
のコークスになるが,その性質の難易。
caking property
26319
粉砕性
ふんさいせい
石炭の粉砕に際して,粉砕されやすさの割合。
grindability
26320
流動点
りゅうどうてん
液体燃料をかき混ぜることなく規定条件で冷却
したとき,流動できる最低温度。
pour point
26321
凝固点
ぎょうこてん
石油製品が低温になって凝固するときの最高温
度。
coagulation point
26322
曇り点
くもりてん
流動点の試験で,試料中のパラフィンなどの析出
によって試料が不透明になったときの温度。流動
点より数度高い。
cloud point
26323
引火点
いんかてん
可燃性液体又は固体が空気中において引火する
のに十分な濃度の蒸気をその表面近くに生じる
最低の温度。
flash point
26324
着火点
ちゃっかてん
燃料を空気又は酸素のあるところで徐々に温度
を上げたとき,自己発熱燃焼を開始する最低温
度。
ignition point,
ignition temperature
26325
燃焼点
ねんしょうてん
蒸発燃焼をする液体燃料を引火点以上に加熱し,
炎を近づけたとき,継続的に燃焼する温度。引火
点より数度高い。
burning point
26326
残留炭素分
ざんりゅうたん
そぶん
液体燃料が蒸発,熱分解後に生じるコークス状炭
化残留物。コンラドソン法によって定量する(コ
ンラドソンカーボン)。
carbon residue content
26327
乾点
かんてん
石油製品の蒸留において最後のかま残油が蒸発
するときの留出温度。
dry point
26328
煙点
えんてん
燈油,航空タービン燃料油等について規定される
性状の一つ。試料を規定の条件で燃焼したとき,
煙を生じないで規定の形状を示す炎の高さ。
smoke point
26329
ダスト量
だすとりょう
燃焼排ガス中に浮遊する未燃焼残さの量。
dust content
26330
二酸化硫黄(亜硫
酸ガス)
にさんかいおう
(ありゅうさん
がす)
硫黄の燃焼によって生じる硫黄酸化物。
化学記号SO2
sulfur dioxide
26331
無水硫酸
むすいりゅうさ
ん
硫黄の燃焼によって生じる硫黄酸化物。
化学記号SO3
sulfur trioxide
26332
一酸化炭素
いっさんかたん
そ
炭素の不完全燃焼によって生じるガス。
化学記号CO
carbon monoxide
26333
二酸化炭素(炭酸
ガス)
にさんかたんそ
(たんさんがす)
炭素の完全燃焼によって生じるガス。
化学記号CO2
carbon dioxide
26334
一酸化窒素
いっさんかちっ
そ
窒素酸化物の一つ。
化学記号NO
nitrogen monoxide
26335
二酸化窒素
にさんかちっそ
窒素酸化物の一つ。
化学記号NO2
nitrogen dioxide
26336
炭化水素
たんかすいそ
炭素原子と水素原子とからなる有機化合物。
hydrocarbon
26337
COD
しーおーでー
化学的酸素要求量。化学的に酸化される水中の物
質(主として有機物)のおよその濃度を表す尺度。
chemical oxygen
demand
26338
BOD
びーおーでー
生物化学的酸素要求量。有機物による水の汚濁度
biochemical oxygen
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番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
を表す尺度。
demand
26339
炉圧
ろあつ
炉内各部の圧力。
furnace pressure
26340
pH
ぴーえいち
溶液中のH+濃度の表し方の一つ。
水素イオン濃度指数ともいう。
hydrogen exponent
(2.6.4) 計測器
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
26401
はかり
質量又は重量を比較測定するために用いる装置。 balance
26402
コールメータ
石炭がベルトコンベア又は鎖床ストーカ上に連
続的に送られるとき,単位時間に送られるその量
を測定する計器。
coalmeter
26403
コンベアスケール
コンベアの一部に設けたはかり。
conveyor scale
26404
ホッパスケール
石炭をホッパ上部のバンカから供給する際に設
定量ごとにはかりとる装置。
hopper scale
26405
容積式流量計
ようせきしきり
ゅうりょうけい
一定の容積の容器に流体を導入して流量を測定
する構造の流量計。
volumetric flowmeter
26406
差圧式流量計
さあつしきりゅ
うりょうけい
流路に絞りを設けて,その絞りの前後の圧力差の
平方根が流速に比例することを利用して流量を
測定する流量計。
differential pressure
type flowmeter
26407
磁気式流量計
じきしきりゅう
りょうけい
流体が磁界を切ることによって生じる誘起電圧
が流量に比例することを利用して流量を測定す
る流量計。
magnetic flowmeter
26408
オリフィス流量計
おりふぃすりゅ
うりょうけい
差圧式流量計の一種で,流体の流れる管の途中に
オリフィスを入れて,その前後の圧力差から流量
を測定する流量計。
orifice flowmeter
26409
渦流量計
うずりゅうりょ
うけい
流体に渦を発生させて,その周波数特性が流量と
比例することを利用して流量を測定する流量計。
vortex flowmeter
26410
流速式流量計
りゅうそくしき
りゅうりょうけ
い
流体中のペロペラなどが流速によって回転する
数から流量を測定する流量計。
current type flowmeter
26411
湿式ガスメータ
しっしきがすめ
ーた
容積式流量計の一種で,仕切られたドラムの半容
を水中に没し,ガス圧によるドラムの回転から流
量を測定する計量器。
wet gas meter
26412
乾式ガスメータ
かんしきがすめ
ーた
容積式流量計の一種で,隔膜によって仕切られた
二つの計量室をもち,ガス圧を利用して膜を前後
に移動して流量を測定する計量器。
dry gas meter
26413
U字管マノメータ
ゆ一じかんまの
めーた
U字型ガラス管の密閉器中に液体を満たして圧
力を測定する圧力計。
U tube manometer
26414
ブルドン管圧力計
ぶるどんかんあ
つりょくけい
だ円形断面をもつ一端を閉じられたブルドン管
に圧力部を連結して,ブルドン管の変位から圧力
を測定する圧力計。
Bourdon tube pressure
gage
26415
抵抗線ひずみ計式
圧力計
ていこうせんひ
ずみけいしきあ
つりょくけい
受圧部に張られた抵抗線の圧力による変位によ
って圧力を測定する圧力計。
strain gage type
manometer
26416
ダイヤフラム式圧
力計
だいやふらむし
きあつりょくけ
い
ダイヤフラム(隔膜)の両面に差圧が作用すると
その大きさに比例してダイヤフラムがたわむこ
とを利用して圧力を測定する圧力計。
diaphragm pressure
gage
25
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番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
26417
沈鐘式圧力計
ちんしょうしき
あつりょくけい
筒状容器内に水又は油を入れ,その中に釣鐘型の
浮子を浮かべ,その上下によって圧力を測定する
圧力計。
float type pressure gage
26418
ガラス水面計
がらすすいめん
けい
ガラスによって水面の位置を目で見ることがで
きるようにした構造の水面を示す装置。
glass water gage
26419
浮子式液面計
うきこしきえき
めんけい
液面に浮かんだ浮子の位置によって液面の高さ
を示す装置。
float water gage
26420
液圧測定式液面計
えきあつそくて
いしきえきめん
けい
液槽の上下に圧力差のあることを利用して液底
圧を測定して液面を示す装置。
hydraulic pressure type
water gage
26421
静電容量式液面計
せいでんようり
ょうしきえきめ
んけい
静電容量検出プローブを液中にそう入し,検出さ
れる静電容量から液量及び液位を測定する装置。
capacitance type water
gage
26422
液体封入ガラス温
度計
えきたいふうに
ゅうがらすおん
どけい
ガラス毛細管に感温液として水銀又は有機液体
を封入した温度計。
liquid in glass
thermometer
26423
圧力式温度計
あつりょくしき
おんどけい
水銀そのほかの液体,気体を密閉金属管に封入
し,加熱による圧力変化から温度を測定する温度
計。
pressure gage type
thermometer
26424
電気抵抗式温度計
でんきていこう
しきおんどけい
金属線の電気抵抗が温度によって変わることを
利用して温度を測定する温度計。
resistance thermometer
26425
サーミスタ温度計
さーみすたおん
どけい
抵抗温度計の一種。抵抗素子としてサーミスタを
使用するもの。
thermister thermometer
26426
熱電温度計
ねつでんおんど
けい
2種類の異金属を環状に接続したときの両端の温
度差によって生じる熱起電力を利用して温度を
測定する温度計。
thermoelectric
thermometer
26427
熱電対
ねつでんつい
熱電温度計の検出端。白金−白金ロジウム,アル
メル−クロメル,銅−コンスタンタン,クロメル
−コンスタンタンなどがある。
thermo couple
26428
サーモパイル
(熱電すい)
(ねつでんすい)
小形熱電対を幾組か直列に接続したもの。
thermo pile
26429
バイメタル温度計
ばいめたるおん
どけい
膨張率の異なる2枚の金属板を張り合わせ,金属
板の熱膨張の変位で温度を測定する温度計。
bimetal thermometer
26430
光高温計
ひかりこうおん
けい
放射温度計の一種で,高温物体の輝度と標準ラン
プの線条の輝度とを比較して温度を測定する温
度計。
optical pyrometer
26431
放射温度計
ほうしゃおんど
けい
物体からの熱放射エネルギーを利用して温度を
測定する温度計。
radiation thermometer
26432
表面温度計
ひょうめんおん
どけい
物質の表面のような局部の温度を測定する温度
計。
surface pyrometer
26433
乾湿球湿度計
かんしつきゅう
しつどけい
2本の温度計を併置し,一方は直接空気の温度(乾
球温度),他方は感温部をぬらした布で覆って温
度(湿球温度)を測り,その温度差によって相対
湿度を測定する装置。
dry and wet bulb
hygrometer
26434
電気式湿度計
でんきしきしつ
どけい
湿度計の一種で,乾・湿球の温度を電気的に測定
して,湿度を示す装置。
electric hygrometer
26435
露点計
ろてんけい
よく磨いた金属板を気体中に置いてその表面を
冷却し,露を結ぶときと消失温度から露点を知る
装置。露点から湿度を知ることもできる。
dew point recorder
26
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番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
26436
磁気式酸素計
じきしきさんそ
けい
酸素が他のガスに比べて磁場に吸引される常磁
性が強いことを利用してガス中の酸素量を測定
する装置。
magnetic oxygen
analyzer
26437
ジルコニア酸素計
じるこにあさん
そけい
ジルコニアを主成分とする耐火物が酸素イオン
だけを通過させ,電子や陽イオンをほとんど通過
させないという性質を利用してガス中の酸素量
を測定する装置。
zirconia oxygen
analyzer
26438
ガルバニ電池式酸
素計
がるばにでんち
しきさんそけい
ガルバニ電池の原理を利用して酸素を定量する
装置。
galvanic cell type
oxygen analyzer
26439
電気式炭酸ガス計
でんきしきたん
さんがすけい
炭酸ガスの熱伝導率が空気のそれに比べて小さ
いことを利用してガス中の炭酸ガス量を知る装
置。
electric carbon dioxide
analyzer
26440
機械式炭酸ガス計
きかいしきたん
さんがすけい
炭酸ガスが空気に比べて比重が大きいことを利
用して2枚の羽根車の回転数の差からガス中の炭
酸ガス量を知る装置。
mechanical type carbon
dioxide analyzer
26441
一酸化炭素検知管
いっさんかたん
そけんちかん
ガラス管に黄色の検知剤を入れ,これに空気を通
過させ,青色に変色するかどうかによって一酸化
炭素の含有を知る測定器。
carbon monoxide
detector
26442
赤外線ガス分析計
せきがいせんが
すぶんせきけい
ガスが赤外線に対して各々固有な吸収波長帯を
もつ性質を利用してガスの成分量を知る装置。
infrared gas analyzer
26443
ガスクロマトグラ
フ
物質相互の界面での物理的親和力の差を利用し
て物質成分を分離分析する原理を利用した成分
分析装置。
gas chromatograph
26444
光学式ばい煙濃度
計
こうがくしきば
いえんのうどけ
い
煙道の一方に光源を置き,反対側に光源からの光
量の変化を測定する光電管,光電池などを置き,
煙道内のばいじん量による光量の変化からばい
じん濃度を知る装置。
optical stack dust
analyzer
26445
連続重量濃度測定
式ばい煙計
れんぞくじゅう
りょうのうどそ
くていしきばい
えんけい
排ガスを採取器に通して円形ろ紙を通過させ,ろ
紙上残さを連続的にひょう(秤)量して,ばい煙
濃度を知る装置。
automatic dust analyzer
26446
リンゲルマンばい
煙濃度表
りんげるまんば
いえんのうどひ
ょう
格子形の黒線図の全白と全黒までの濃度を6段階
に区別し,排煙の濃度と比較してばい煙濃度を知
る表。
Ringelmann smoke
chart
26447
毛細管粘度計
もうさいかんね
んどけい
ガラス製で管路の途中に毛細管をもち,液体を流
して一定体積の試料が流出する時間から動粘度
を測定する測定器。オストワルド,ウベローデ,
キャノンフェンスケ,逆流形などがある。石油製
品の動粘度の測定に使用される。
capillary viscometer
26448
レッドウッド粘度
計
れっどうっどね
んどけい
一定量の試料容器から細孔を通って50mlの試料
油が流下する時間を測定する粘度計。石油製品の
工業用粘度計として使用される。
Redwood viscometer
26449
pH計
ぴーえいちけい
pHを測定する計器。
pH meter
26450
ボンブ熱量計
ぼんぶねつりょ
うけい
固体,液体燃料の発熱量測定の装置。水中に入れ
た耐圧容器(ボンブ)中の約30kg/cm2の酸素中で
試料を燃焼し,その時の水温の上昇から燃焼熱を
測定する。
bomb calorimeter
27
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
26451
ユンカース式熱量
計
ゆんかーすしき
ねつりょうけい
気体燃料の発熱量測定の装置の一つ。試料ガスを
バーナで燃焼し,その燃焼熱を流水に伝えてその
温度上昇と水の流量から測定する。
Junker's flow type gas
calorimeter
26452
絞り熱量計
しぼりねつりょ
うけい
絞り変化で蒸気のエンタルピーが一定であるこ
とを利用して湿り蒸気の乾き度を測定する装置。
throttling calorimeter
26453
熱流計
ねつりゅうけい
熱伝導率一定の物質でできた厚さ一定の板を測
定対象物に密着させ,両面の温度差を熱電対など
で測定することにより熱流量を測定する装置。
heat flowmeter
(2.7) 炉材及び断熱材
(2.7.1) 耐火物の種類
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
27101
耐火物
たいかぶつ
1500℃以上の耐火度をもつ非金属物質又はその
製品(ただし金属が一部使用されているものを含
む)。
refractory,
refractory product
27102
不定形耐火物
ふていけいたい
かぶつ
定形の耐火れんが以外のキャスタブル,プラスチ
ック耐火物,ラミング材,吹付材,スプリング材
及び耐火モルタル等を総称する場合と,耐火モル
タルを除いて単体で構造体ができるものを称す
る場合がある。
monolithic refractory
27103
耐火れんが
たいかれんが
窯炉その他高温で使用する構造物の構築に適す
るいろいろの形を備えた耐火物。
refractory brick
27104
焼成れんが
しょうせいれん
が
耐火原料を成形したのち,必要な強さと性質をも
たせるため所定の温度で焼成したれんが。
burned brick
27105
不焼成れんが
ふしょうせいれ
んが
加工処理した耐火原料で成形し,焼成することな
く必要な強さを出すようにしたれんが。
unburned brick
27106
電鋳れんが
でんちゅうれん
が
耐火原料を電気溶融したのちに所定の形状に鋳
込み成形したれんが。
electrocast brick
27107
耐火モルタル
たいかもるたる
耐火れんがを積む時の目地材料。その硬化の状態
から熱硬化性,気硬化性及び水硬性の3種類の耐
火モルタルに分類される。
refractory mortar,
refractory cement
27108
熱硬性耐火モルタ
ル
ねつこうせいた
いかもるたる
高温でセラミックボンドによって硬化する耐火
モルタル。
heat-setting refractory
cement
27109
気硬性耐火モルタ
ル
きこうせいたい
かもるたる
化学結合剤が入れてあって室温で硬化する耐火
モルタル。
air setting refractory
mortar
27110
水硬性耐火モルタ
ル
すいこうせいた
いかもるたる
水硬性耐火セメントが入れてあって水を加えれ
ば室温で硬化する耐火モルタル。
hydraulic setting mortar
27111
プラスチック耐火
物
ぷらすちっくた
いかぶつ
耐火性骨材に可塑性のある材料を加え,更に適当
の水を混ぜて練り土状にした耐火物。比較的低温
で硬化させるよう化学薬品を添加したものもあ
る。
plastic refractory,
moldable refractory
27112
キャスタブル耐火
物
きゃすたぶるた
いかぶつ
耐火性骨材と水硬性セメントを混合した耐火物。
水で混ぜて鋳込みによって施工すれば,そのまま
耐火性構造物として使用できる。
castable refractory
27113
スピネル質耐火物
すぴねるしつた
いかぶつ
スピネルを主成分とした耐火物。
spinel refractory
27114
耐火断熱れんが
たいかだんねつ
れんが
熱伝導率の低い耐火れんが。
insulating firebrick
28
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
27115
酸性耐火物
さんせいたいか
ぶつ
シリカなどの酸性酸化物を主成分とした耐火物。 acid refractory
27116
中性耐火物
ちゅうせいたい
かぶつ
酸性又は塩基性耐火物とあまり反応を起こさな
い耐火物。
neutral refractory
27117
塩基性耐火物
えんきせいたい
かぶつ
マグネシア,石灰などの塩基性耐火材料を主原料
とした耐火物。
basic refractory
27118
けい石れんが
けいせきれんが
けい石を主原料とする耐火れんが
silica brick
27119
粘土質耐火れんが
ねんどしつたい
かれんが
耐火粘土又はろう石など,これと類似の化学成分
をもつ耐火原料を主原料とした耐火れんが。
fire clay brick
27120
ろう石れんが
ろうせきれんが
ろう石〔主成分はパイロフィライト (Al2O34SiO2・
H2O)〕を主原料としたアルミナシリカ質耐火物。
Roseki firebrick
27121
ジルコン質れんが
じるこんしつれ
んが
ジルコン (ZrSiO4) を主原料とした耐火れんが。
zircon brick
27122
高アルミナ質耐火
れんが
こうあるみなし
つたいかれんが
アルミナシリカ質耐火物で,アルミナの量が50%
以上で,耐火度がSK35番以上の耐火物。
high alumina brick
27123
ジルコニア質れん
が
じるこにあしつ
れんが
Al2O3-ZrO2-SiO2系の電鋳れんがで,ジルコニア及
びアルミナ質原料を2000℃以上の高温で電気溶
融し,所要の形状に鋳造したもの。
zirconia brick
27124
炭素れんが
たんそれんが
天然黒鉛,人造黒鉛,コークス,無煙炭などのよ
うな炭素質材料を主原料とし,それにタール,ピ
ッチなどの結合剤を使用して製造したれんが(カ
ーボンブラック)と粘土質原料に黒鉛を混入して
製造したれんが。
carbon brick
27125
クロム質れんが
くろむしつれん
が
クロム鉄鉱を主原料とした中性耐火れんが。
chrome brick
27126
クロムマグネシア
質れんが
くろむまぐねし
あしつれんが
クロム鉄鉱とマグネシアクリンカを主原料とし
た塩基性れんが。マグネシアの含有量によりクロ
マグ又はマグクロれんがといわれる。
brick of combination of
chrome ore and
mag-nesite
27127
マグネシアれんが
まぐねしあれん
が
マグネシアクリンカを主成分としたれんが。
magnesia brick
27128
ドロマイトれんが
どろまいとれん
が
ドロマイトを主原料とした耐火れんが。
dolomite brick
(2.7.2) 築炉及び耐火物の形状
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
27201
異形耐火れんが
いけいたいかれ
んが
並形れんがを除く他のすべての形状の耐火れん
が。
brick of miscellaneous
shape
27202
並形れんが
なみがたれんが
標準形く形れんがの一種。寸法は国によって異な
るが,我が国では長さ230mm,幅114mm,厚さ
65mmのく形耐火れんが。
brick of normal shape
27203
せり受けれんが
せりうけれんが
窯炉の構造において,せりアーチの両端にあっ
て,その荷重を直接受けるれんが。
skew brick
27204
せりアーチ
せりだけで支持したアーチ。
sprung arch
27205
つりれんが
つり金物でつれる形をもつれんが。つり壁,つり
アーチ,つり天じょうなどに使用される。
hanger brick
27206
ドームれんが
ドーム天じょうのれんが積みができるように最
大面及びこば面が傾斜しているれんが。
dome brick
27207
チェッカれんが
蓄熱室の格子積みに使用される長方形れんが checker brick
29
Z 9211-1982
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
又は熱風炉の蓄熱用に使用される穴あきれんが。
27208
内張りれんが
うちばりれんが
直接高温に接触する窯炉の内側又は容器の内側
に張る耐火れんが。
lining brick
27209
目地
めじ
れんがを積む場合,各個のれんがの接合する部分
で,通常モルタルで満たす。
joint
(2.7.3) 耐火物の特性及び試験方法
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
27301
気孔率
きこうりつ
耐火物に含まれる気孔容積の全容積に対する割
合。真気孔率,密閉気孔率,見掛気孔率などがあ
る。
porosity
27302
密閉気孔率
みっぺいきこう
りつ
密閉気孔容積のかさ容積に対する百分率。
sealed porosity (closed
porosity)
27303
見掛気孔率
みかけきこうり
つ
開口気孔容積のかさ容積に対する百分率。
apparent porosity
27304
圧縮強さ
あっしゅくつよ
さ
耐火物が押しつぶされるまでに耐え得る単位面
積当たりの最大荷重。
crushing strength
27305
残存膨張
ざんそんぼうち
ょう
耐火物を加熱した後,常温になったときの長さが
最初の長さより長くなること。
permanent linear
expansion
27306
永久膨張
えいきゅうぼう
ちょう
→残存膨張
27307
残存収縮
ざんそんしゅう
しゅく
耐火物を加熱した後,常温になったときの長さが
最初の長さより短くなること。
permanent linear
shrinkage
27308
残存線膨張収縮率
ざんそんせんぼ
うちょうしゅう
しゅくりつ
耐火物を定められた温度で定められた時間加熱
した後,常温になったときの長さの最初の長さに
対する百分率。
permanent linear change
27309
スポーリング
耐火物が熱衝撃,急な温度こう配の影響,又は結
晶移転のための膨張差などによって,き裂又はは
く離する現象。
spalling
27310
耐火度
たいかど
耐火物が軟化変形を起こす加熱の度合を示すも
ので,同一の加熱条件によって同一程度の変形を
示す標準ゼーゲルコーンの番号で表示する。
refractoriness
27311
ゼーゲルコーン
焼成程度又は耐火度を測定するために使用する
標準の三角すい(錐)。
Seger cone
27312
荷重軟化温度
かじゅうなんか
おんど
耐火物に一定の荷重を加えながら加熱してゆく
とき,所定の軟化圧縮程度に達する温度。
refractoriness under
load
27313
荷重軟化点
かじゅうなんか
てん
→荷重軟化温度
(2.7.4) 断熱材
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
27401
石綿
いしわた
アスベスト,角せん(閃)石又はじゃ(蛇)紋岩
が繊維状に変わったもの。
asbestos
27402
岩綿
がんめん
天然の岩石を適当に配合溶融し,圧縮空気を吹き
付けて繊維化したもの。
rock wool
27403
グラスウール
溶けた液状のガラスを細孔を通して吹き出し,綿
状の繊維としたもの。
glass wool
27404
スラグウール
鉱さい綿,流動鉱さいを圧縮空気又は蒸気をもっ
slag wool
30
Z 9211-1982
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
て小孔を通して吹き飛ばし,けい酸塩を繊維状と
したもの。
27405
鉱さい綿
こうさいめん
→スラグウール
27406
けい酸カルシウム
けいさんかるし
うむ
けい酸質粉末,石灰石綿繊維などを均一に配合し
蒸発反応によって製造したもの。
27407
ウレタンフォーム
ウレタン樹脂を発泡して作成した断熱材。基礎材
の種類により硬質,軟質がある。
urethane foam
27408
フォームポリスチ
レン
ポリスチロール樹脂を発泡して作成した断熱材。 foam polystyrene
27409
セラミックファイ
バ
アルミナとシリカが約1 : 1の組成に配合した岩
石を溶融し,圧縮空気を吹き付けて繊維化したも
の。
ceramic fiber
27410
パーライト
黒輝石又は真珠岩を微細に砕き,1000℃以上に加
熱脱水したもの。
pearlite
(2.8) 燃焼設備
(2.8.1) 燃焼設備一般
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
28101
燃焼装置
ねんしょうそう
ち
燃料の燃焼を行うための装置。
combustion equipment
28102
燃焼室
ねんしょうしつ
燃料が燃焼する室。
combustion chamber,
furnace
28103
燃焼器
ねんしょうき
ガスタービンなどで燃料の燃焼を行う構成部分。 combustor
28104
バーナ
液体又は気体状の燃料を燃焼室内に送り込む装
置。
burner
28105
ターンダウン比
たーんだうんひ
バーナの本数又はチップを変更することなしに
とり得る負荷の調整可能範囲。
turn down ratio
28106
専焼装置
せんしょうそう
ち
1種類の燃料だけを燃焼させる装置。
mono-fuel combustion
equipment
28107
混焼装置
こんしょうそう
ち
2種類以上の燃料を同時に燃焼させる装置。
multi-fuel combustion
equipment
28108
壁面バーナ燃焼
へきめんばーな
ねんしょう
壁面にバーナを配置して燃焼を行う方式。
wall firing
28109
タンジェンシャル
燃焼
たんじぇんしゃ
るねんしょう
火炉の四すみで同一高さから火炉中央の仮想円
に対して接線方向にバーナを向け燃焼を行う方
式。
tangential firing
28110
一次空気
いちじくうき
燃焼に使用する空気のうち,最初に燃料に接触し
て燃焼にあずかる空気。
primary air
28111
二次空気
にじくうき
燃焼に際して,二次的に供給され,主として燃焼
にあずかる空気。
secondary air
28112
振動燃焼
しんどうねんし
ょう
燃焼室内気体の固有振動に燃焼過程が共振して
起こす自励振動。
oscillating combustion
28113
息づき燃焼
(脈動燃焼)
いきづきねんし
ょう(みゃくどう
ねんしょう)
不安定な燃焼に起因する燃焼量や燃焼室内圧力
の変動。
pulsating combustion
28114
さか火
さかび
息づき燃焼や小爆発に伴って起こる燃焼室から
の火炎のもどりや逸出。
back fire
28115
保炎器
ほえんき
火炎が定常的に同じ位置から発達し,安定した燃
flame holder,
31
Z 9211-1982
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
焼をさせるための装置。
flame stabilizer
(2.8.2) 気体燃料燃焼装置
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
28201
ガスホルダ
ガスを貯蔵しておく装置。
gas holder
28202
ガス配管
がすはいかん
燃料ガスを輸送する配管。
gas piping
28203
プレミックスバー
ナ
ガスと空気を事前に混合させて燃焼させるバー
ナ。
premixing burner
28204
ノズルミックスバ
ーナ
ガスと空気をバーナの先端で混合させながら燃
焼させるバーナ。
nozzle mixing burner
28205
拡散バーナ
かくさんばーな
気体燃焼と空気を別の口から噴き出して燃焼室
内で混合して燃焼させるバーナ。
diffusion burner
28206
外部混合バーナ
がいぶこんごう
ばーな
→拡散バーナ
28207
ガスポート
拡散バーナで気体燃料を低速で噴き出すときの
噴出口。
gas port
28208
トンネルバーナ
管状部で気体燃料を燃焼させてから燃焼室内に
噴き出すバーナ。
tunnel burner
(2.8.3) 液体燃料燃焼装置
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
28301
貯蔵タンク
(貯油タンク)
ちょぞうたんく
(ちょゆたんく)
燃料を貯蔵するためのタンク。
storage tank
28302
給油タンク
きゅうゆたんく
油をバーナに供給しやすくするため,一時蓄えて
おく小容量のタンク。
service tank
28303
油ポンプ
あぶらぽんぷ
油を輸送するための昇圧装置。
oil pump
28304
送油ポンプ
そうゆぽんぷ
油をタンクへ送るポンプ。
oil transfer pump
28305
噴燃ポンプ
ふんねんぽんぷ
油をタンクからバーナへ送るポンプ。
oil feed pump
28306
油こし器
あぶらこしき
油をろ過する器具。
oil strainer
28307
油加熱器
あぶらかねつき
油を加熱する装置。
oil heater
28308
霧化器
むかき
噴霧燃焼のために液体燃料を微粒化する装置。
atomizer
28309
油ノズル
あぶらのずる
油の吹出口。
oil nozzle
28310
チップ
噴出口の先端部。
tip
28311
噴霧角度
ふんむかくど
噴霧の流れの開く角度。
spray angle
28312
噴霧粒径
ふんむりゅうけ
い
噴霧された油の粒の大きさ。
atomized particle size
28313
油圧噴霧式油バー
ナ
ゆあつふんむし
きあぶらばーな
油圧エネルギーだけで油を霧化する形式の油バ
ーナ。
pressure jet type oil
burner
28314
低圧空気噴霧式油
バーナ
ていあつくうき
ふんむしきあぶ
らばーな
油の霧化を比較的低圧の空気で行う形式の油バ
ーナ。
low pressure air
atomizing oil burner
28315
高圧気流噴霧式油
バーナ
こうあつきりゅ
うふんむしきあ
ぶらばーな
比較的高圧の空気又は蒸気を用いて油の霧化を
行う形式の油バーナ。
steam or air atomizing
oil burner
28316
内部混合形高圧気
流噴霧式油バーナ
ないぶこんごう
がたこうあつき
りゅうふんむし
きあぶらばーな
バーナの内部で,油と空気又は蒸気を混合した後
に噴霧をする形式の高圧気流噴霧式油バーナ。
intermixing type oil
burner
32
Z 9211-1982
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
28317
外部混合形高圧気
流噴霧式油バーナ
がいぶこんごう
がたこうあつき
りゅうふんむし
きあぶらばーな
バーナの外部で,油を空気又は蒸気で噴霧する形
式の高圧気流噴霧式油バーナ。
injector atomizer,
steam or air jet type oil
burner
28318
ロータリーバーナ
(回転式油バー
ナ)
(かいてんしき
あぶらばーな)
バーナ先端部の霧化筒又は円板の回転による遠
心力と空気流で油の霧化を行う形式の油バーナ。
rotary oil burner
(2.8.4) 固体燃料燃焼装置
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
28401
貯炭場
ちょたんば
石炭を蓄えておく場所。
coal yard
28402
石炭コンベヤ
せきたんこんべ
や
石炭を連続的に輸送する帯状の装置。
coal conveyor
28403
給炭機
きゅうたんき
石炭を供給する装置。
coal feeder
28404
石炭クラッシャ
せきたんくらっ
しゃ
石炭を適当な大きさに破砕する機械。
coal crusher
28405
微粉炭機
(微粉砕機)
びふんたんき
(びふんさいき)
石炭を微粉砕する装置。
coal pulverizer
28406
火格子燃焼装置
ひごうしねんし
ょうそうち
塊状,粉状の固体燃料を積んだものの中に火格子
を通し,空気を吹き込んで燃焼させる装置。
stoker firing equipment
28407
微粉炭燃焼装置
びふんたんねん
しょうそうち
固体燃料を微粉砕し,空気に乗せて燃焼室に送り
込んで燃焼させる装置。
pulverized fuel firing
system
28408
流動層燃焼装置
りゅうどうそう
ねんしょうそう
ち
固体燃料を流動状態で燃焼させる装置。
fluidized bed combustor
28409
固定火格子
こていひごうし
火格子棒を一定の間隔で水平に並べて,その上で
固体燃料を燃焼させる火格子。
fixed grate
28410
傾斜火格子
けいしゃひごう
し
固定火格子を傾斜させたもの。燃料は重力で火格
子をずり落ちながら燃焼する。
inclined grate
28411
階段火格子
かいだんひごう
し
階段状に重ねた火格子。
step grate
28412
転覆火格子
てんぷくひごう
し
火格子面上に灰がたい積したとき,火格子を傾け
て灰を灰だめに落とす形式の火格子。
dumping grate
28413
揺動火格子
ようどうひごう
し
火格子棒又は火格子片をある角度で揺り動かし
て灰を落下させたり燃料を下方へ送る火格子。
rocking grate
28414
移床ストーカ
いしょうすとー
か
火格子面上に灰がたい積したとき,火格子を傾け
て灰を灰だめに落とす形式の火格子。
travelling grate stoker
28415
チェーングレート
ストーカ
鎖状の送り火格子であるが,我が国では移床スト
ーカの俗称。
chain grate stoker
28416
下込めストーカ
したごめすとー
か
燃焼している固体燃料の下から機械的に固体燃
料を供給するストーカ。
under feed stoker
28417
散布式ストーカ
さんぷしきすと
ーか
固体燃料を火格子の上に機械的に散布して燃焼
させる装置。
spreader stoker
28418
階段火格子ストー
カ
かいだんひごう
しすとーか
階段火格子を往復運動させて燃料を下方へ送り
ながら燃焼させる装置。
step grate stoker
28419
ボールミル
回転する円筒内に多数の鋼球を入れ,その間の運
動で燃料をすりつぶす微粉砕機。円筒の長いもの
をチューブミルという。
ball mill,
tube mill
33
Z 9211-1982
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
28420
皿形ミル
さらがたみる
鋼製の受皿の上に軸にはまった環状のものを転
がすことで燃料をすりつぶす微粉砕機。
bowl mill
28421
ローラミル
回転するローラとリング内面との間で原料を押
しつぶすことにより粉砕を行う機械。
roller mill
28422
リングボールミル
2枚の円環状のものの間に鋼球をはさみ,円環が
相対的に回転することによって鋼球を転がして
燃料をすりつぶす微粉砕機。
ring ball mill
28423
スクリュー給炭機
すくりゅーきゅ
うたんき
管の中にはめたねじ形のものを回転させること
によって石炭を送る装置。
screw feeder
28424
テーブル給炭機
てーぶるきゅう
たんき
燃料ホッパの下に板を回転させることにより継
続的に一定量の石炭を送り出す装置。
table feeder
28425
旋回式バーナ
せんかいしきば
ーな
微粉炭と空気を共に旋回させて混合し,燃焼させ
るバーナ。
circular burner
28426
交差式バーナ
こうさしきばー
な
微粉炭と空気とをいくつかのポートから交差す
るように噴出させて混合し,燃焼させるバーナ。
intertube burner
(2.8.5) 空気供給及び通風装置
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
28501
自然通風
しぜんつうふう
煙突の作用だけで通風を行うこと。
natural draft
28502
押込み通風
おしこみつうふ
う
送風機などを利用して強制的に空気を押し込ん
で行う通風方法。
forced draft
28503
強制通風
きょうせいつう
ふう
→押込み通風
28504
吸出し通風
すいだしつうふ
う
送風機などを利用して排気を強制的に吸引して
行う通風方法。
induced draft
28505
誘引通風
ゆういんつうふ
う
→吸出し通風
28506
平衡通風
へいこうつうふ
う
押込み及び吸出し通風を同時に行い,燃焼室内圧
力を大気圧近くに保持する通風方法。
balanced draft
28507
煙道
えんどう
排ガスを輸送するための通路。
gas flue
28508
煙突
えんとつ
排ガスを大気に放出する筒。
stack
28509
押込送風機
おしこみそうふ
うき
空気を燃焼室に押込む送風機。
forced draft fan
28510
吸出し送風機
すいだしそうふ
うき
燃焼排ガスを吸引して排出させる送風機。
induced draft fan
28511
誘引送風機
ゆういんそうふ
うき
→吸出し送風機。
28512
送風管
そうふうかん
燃焼用空気を送る管。
air duct
28513
煙道ダンパ
えんどうだんぱ
煙道の排ガス通路を遮って燃焼ガス量を調節す
る器具。
stack damper
28514
エアレジスタ
燃焼用の空気を,燃焼に適した流れ及び量に整え
て空気ノズルに送り込む部分。
air resister
28515
旋回翼
せんかいよく
火炎の安定化と火災の形状を最適にするため,空
気又はガスに旋回を与える羽根。
swirler
28516
案内羽根
あんないばね
空気又はガスに整流を与える羽根。
guide vane
28517
ディフューザ
バーナ先端に取り付けられた円形の保炎装置。
diffuser
28518
渦巻室
うずまきしつ
燃焼用空気ダクトが接線方向に取り付けてある
エアレジスタ。
scroll chamber
34
Z 9211-1982
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
28519
バーナタイル
バーナの燃焼孔に置く耐火物。
burner tile
(2.8.6) 安全及び制御装置
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
28601
プレパージ
点火前に,炉内又は燃焼室から残留ガスを排除す
ること。
pre-purge
28602
ポストパージ
燃焼停止後に,炉内又は燃焼室から残留ガスを排
除すること。
post-purge
28603
自動発停制御装置
じどうはってい
せいぎょそうち
自動的に設備を起動停止する制御装置。
automatic start-stop
controller
28604
火炎検出器
かえんけんしゅ
つき
火炎の有無を検出する機器。
flame detector
28605
点火装置
てんかそうち
電気火花,点火バーナ等を用いて燃料を燃焼室に
供給し始めるときに点火するための装置。
ignitor
28606
点火バーナ
てんかばーな
主バーナに点火する小形のバーナ。
ignition burner
28607
爆発とびら
ばくはつとびら
炉内爆発の起こったとき,内部ガス圧力を逃がす
安全とびら。
explosion door
28608
燃焼制御装置
ねんしょうせい
ぎょそうち
熱設備に供給される燃料量と空気量を制御し,し
かも空燃比を最適に保つ装置。
automatic combustion
control system
28609
空燃比制御装置
くうねんひせい
ぎょそうち
燃焼室に供給される燃料量と空気量の比を一定
に保つ装置。
air-fuel ratio control
system
(2.8.7) 排ガス処理装置
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
28701
集じん器
しゅうじんき
燃焼排ガス中の固体微粒子を捕集する装置。
dust collector
28702
サイクロン集じん
器
さいくろんしゅ
うじんき
ガスに旋回を与えて遠心力で微粒子を分離する
集じん器。
cyclone separator
28703
マルチサイクロン
集じん器
まるちさいくろ
んしゅうじんき
サイクロン集じん器を多段並列に置いて処理ガ
ス量を大きくしたもの。
multi-cyclone dust
collector
28704
電気集じん器
でんきしゅうじ
んき
静電気力によって微粒子を電極板上に捕集する
装置。
electrostatic precipitator
28705
排煙脱硫装置
はいえんだつり
ゅうそうち
燃焼排ガス中の硫黄酸化物を除去する装置。
exhaust gas desulfurizer
28706
排煙脱硝装置
はいえんだっし
ょうそうち
燃焼排ガス中の窒素酸化物を除去する装置。
exhaust gas denitrizer
(2.9) 熱動力設備及び熱設備
(2.9.1) 動力発生設備
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
29101
蒸気原動機
じょうきげんど
うき
蒸気を発生する装置及び蒸気のもつエネルギー
を機械的又は電気的エネルギーに変える装置。
steam power plant
29102
蒸気タービン
じょうきたーび
ん
適当に設けられた流路中で,蒸気を連続的に膨張
させることによって蒸気の保有する熱エネルギ
ーを羽根車を介して機械的エネルギーとして取
り出す装置。
steam turbine
29103
復水タービン
ふくすいたーび
ん
蒸気をタービン内で十分低圧まで膨張させ,その
排気を復水器に戻し復水させるタービン。
condensing turbine
35
Z 9211-1982
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
29104
抽気復水タービン
ちゅうきふくす
いたーびん
復水タービンの中間段から蒸気を抽出し,これを
工場用その他に利用するタービン。
condensing extraction
turbine
29105
背圧タービン
はいあつたーび
ん
タービン出口の排気を工場用その他に利用する
タービン。
back pressure turbine
29106
抽気背圧タービン
ちゅうきはいあ
つたーびん
タービンの中間段から蒸気を抽出し,この抽気及
び排気を工場用その他に利用するタービン。
back pressure extraction
turbine
29107
ランキンサイクル
ボイラで発生した蒸気をタービン内で膨張を利
用して復水器で復水させ,給水ポンプでボイラに
送還するサイクルで,気体,液体の相変化を利用
する熱機関の最も単純な基本となるサイクル。
Rankine cycle
29108
再熱サイクル
さいねつさいく
る
ランキンサイクルの膨張過程の中間で蒸気の再
加熱を行うことによって,熱効率の向上とタービ
ン低圧段落による蒸気湿り度の軽減を図ったサ
イクル。
reheat cycle
29109
再生サイクル
さいせいさいく
る
ランキンサイクルの膨張過程において蒸気の一
部を抽出し,それを給水予熱に利用することによ
って,熱効率の向上を図ったサイクル。
regenerative cycle
29110
ガスタービン
気体を圧縮,加熱し,連続的に膨張させ,その保
有する熱エネルギーで回転させて,機械的エネル
ギーを取り出す装置。
gas turbine
29111
内燃機関
ないねんきかん
燃料の燃焼が装置の燃焼室内で直接行われる機
関。
internal combustion
engine
29112
ガソリン機関
がそりんきかん
空気とガソリンを混合し,圧縮後にその混合気が
電気火花によって点火される内燃機関。
gasoline engine
29113
ディーゼル機関
でぃーぜるきか
ん
空気の圧縮熱によって燃料がみずから着火する
内燃機関。
Diesel engine
(2.9.2) 冷凍機及びヒートポンプ
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
29201
圧縮式冷凍機
あっしゅくしき
れいとうき
冷媒を密閉ループ内で機械的に圧縮,膨張,蒸発
のサイクルを行い,その相変化に伴う冷却効果を
利用する冷却装置。
compression
refrigerating machine
29202
吸収式冷凍機
きゅうしゅうし
きれいとうき
冷媒溶液を加熱し,圧力の高い蒸気として,冷却
液化後減圧し,低温で蒸気に変化するときの冷却
効果を利用する冷却装置。
absorption refrigerating
machine
29203
ヒートポンプ
(熱ポンプ)
(ねつぽんぷ)
熱媒体の相変化を利用し,低温側からくみ上げた
熱を高温側で利用する目的で使用される装置。
heat pump
29204
蓄熱槽
ちくねつそう
液体又は固体を内蔵し,その顕熱,潜熱又は化学
反応を利用して一時的に熱を蓄える容器。
heat storage tank
29205
動作係数
どうさけいすう
冷凍機,ヒートポンプなどで冷却,加熱に利用さ
れる熱量と外部から与えた仕事量との比。
coefficient of
performance
29206
成績係数
せいせきけいす
う
→動作係数
(2.9.3) ボイラ及び蒸気配管
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
29301
炉筒ボイラ
ろとうぼいら
ボイラ胴に炉筒を設けて,この中に燃焼ガスを通
して蒸発させるボイラ。
flue boiler
36
Z 9211-1982
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
29302
煙管ボイラ
えんかんぼいら
ボイラ内に燃焼ガスの通路となる多数の煙管を
設けてあるボイラ。
smoke tube boiler
29303
炉筒煙管組合せボ
イラ
ろとうえんかん
くみあわせぼい
ら
炉筒と煙管の両方を組み合わせたボイラ。
flue and smoke tube
boiler
29304
立てボイラ
たてぼいら
ボイラ胴を垂直にしたボイラ。
vertical boiler
29305
直管式水管ボイラ
ちょっかんしき
すいかんぼいら
真直ぐな水管群を主体としたボイラ。
straight water tube
boiler
29306
曲管式水管ボイラ
きょくかんしき
すいかんぼいら
曲水管群を主体としたボイラ。
bending water tube
boiler
29307
放射ボイラ
ほうしゃぼいら
燃焼熱を吸収するのに放射による伝熱を主とす
る構造のボイラ。
radiant boiler
29308
自然循環ボイラ
しぜんじゅんか
んぼいら
水管内を気泡を含んだ熱水の浮力だけで循環さ
せる形式のボイラ。
natural circulation boiler
29309
強制循環ボイラ
きょうせいじゅ
んかんぼいら
ボイラ水をポンプで強制的に水管中を循環させ
るボイラ。
forced circulation boiler
29310
貫流ボイラ
かんりゅうぼい
ら
給水を管の一端からポンプで押し込み,管の他端
から蒸気を取り出すボイラ。
once-through boiler
29311
鋳鉄ボイラ
ちゅうてつぼい
ら
鋳鉄製のセクションを気密に組み合わせて構成
したボイラ。
cast iron boiler
29312
安全弁
あんぜんべん
ボイラの蒸気圧力が規定圧力以上になったとき,
蒸気を外部に吹き出して過度の圧力上昇を避け
るための弁。
safety valve
29313
鏡板
かがみいた
ボイラ胴の端面を構成する板。
end plate
29314
気水分離器
きすいぶんりき
ボイラから発生した湿り飽和蒸気中の水分を除
去する装置。
steam separator
29315
過熱器
かねつき
ボイラ伝熱部の一つで,飽和蒸気を加熱して過熱
蒸気とするもの。
superheater
29316
再熱器
さいねつき
ボイラ伝熱部の一つで,タービンで一度膨張した
蒸気を再加熱するもの。
reheater
29317
エコノマイザ
ボイラ伝熱部の一つで,給水を予熱するもの。
economizer
29318
空気予熱器
くうきよねつき
ボイラ排ガスの顕熱を回収して燃焼用空気を予
熱する装置。
air preheater
29319
蒸気式空気予熱器
じょうきしきく
うきよねつき
ボイラ発生蒸気又は蒸気タービンの抽気を用い
て燃焼用空気を予熱する装置。
steam type air preheater
29320
給水
きゅうすい
ボイラへ供給する水。
feed water
29321
軟化装置
なんかそうち
水中のカルシウムイオン及びマグネシウムイオ
ンを除去するための装置。
softener
29322
純水装置
じゅんすいそう
ち
水中の塩類イオンを除去する装置。
deionizer
29323
脱気器
だっきき
水中に溶解している気体を除去する装置。
deaerator
29324
デアレータ
→脱気器
29325
給水ポンプ
きゅうすいぽん
ぷ
給水をボイラへ送り込むポンプ。
boiler feed pump
29326
インゼクタ
ボイラ蒸気をノズルから吹き出すことによる吸
引作用で給水をボイラに供給する装置。
injector
29327
ボイラ清浄剤
ぼいらせいじょ
うざい
水に起因するボイラのスケール付着,腐食又はキ
ャリーオーバーなどの障害を防止するために給
水又はボイラ水に直接添加する薬剤類。
boiler compounds
37
Z 9211-1982
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
29328
清かん剤
せいかんざい
→ボイラ清浄剤
−
29329
脱酸素剤
だつさんそざい
水中の溶存酸素を除去するためにボイラの給水
に添加される薬剤。
oxygen scavenger
29330
かまどろ調節剤
かまどろちょう
せつざい
ボイラ内のかまどろを微細にし,吹出しによりボ
イラ外に排出しやすいようにする作用を持つ薬
剤。
sludge conditioning
chemicals
29331
減圧弁
げんあつべん
弁出口の圧力が自動的に一定となるような調節
機能を備えた弁。
reducing valve
29332
膨張継手
ぼうちょうつぎ
て
蒸気配管の熱膨張をその中に取り込んで,大きな
熱応力の発生を防ぐための継手。
expansion joint
29333
ドレン
蒸気の輸送途中の放熱や蒸気による加熱装置で
凝縮して生成した水。
drain
29334
蒸気トラップ
じょうきとらっ
ぷ
蒸気を排出することなしに蒸気配管中のドレン
を自動的に排出する装置。
steam trap
29335
ドレン回収装置
どれんかいしゅ
うそうち
排出されたドレンを集めてボイラ給水等に利用
するための装置。
drain recovery system
29336
蒸気アキュムレー
タ
じょうきあきゅ
むれーた
ボイラの低負荷時に余剰の熱量を蓄熱媒体であ
る水に蓄積しておく容器で,過負荷時又は応急時
等にこの熱量を利用するもの。
形式には変圧式と定圧式とがある。
steam accumulator
(2.9.4) 工業用炉
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
29401
連続加熱炉
れんぞくかねつ
ろ
被加熱物を炉内で移動させて,連続的又は順次加
熱する炉。
continuous heating
furnace
29402
バッチ加熱炉
ばっちかねつろ
被加熱物を定位置で加熱する炉。
batch type heating
furnace
29403
シャフト炉
しゃふとろ
原料などを上部から入れ,炉内で乾燥,焼成,還
元など行い,下部から取り出す堅形の炉。
shaft kiln
29404
ロータリーキルン
一方から原料を挿入して,他方から製品を連続的
に取り出すこう配をつけた円筒状回転炉。
rotary kiln
29405
直火炉
ちょっかろ
燃焼ガスが被加熱物に直接接触する炉。
direct heating furnace
29406
マッフル炉
まっふるろ
耐熱性の室又は容器に被加熱物を入れて,その周
囲に燃焼ガスを流して間接的に加熱する炉。
muffle furnace
29407
トンネルキルン
被加熱物をトンネル形の窯内を移動させて加熱,
冷却を連続的又は順次に行う炉。
tunnel kiln
29408
高炉
こうろ
鉄鉱石を熱風で溶解製錬して銑鉄をつくる高い
シャフト炉。
blast furnace
29409
キュポラ
銑鉄や鉄くずを溶解して鋳鉄鋳物をつくるシャ
フト炉。
cupola
29410
転炉
てんろ
溶銑を炉内に入れ,酸素などの酸化性ガスを吹き
込んで鋼をつくる洋なし(梨)型の炉。
converter
29411
平炉
へいろ
銑鉄と鉄くずを燃焼ガスと天井れんがの放射熱
によって加熱,溶解,製錬して,鋼をつくる炉。
open hearth furnace
29412
均熱炉
きんねつろ
鋼塊を均一に加熱するバッチ式加熱炉。
soaking pit
29413
乾式キルン
かんしききるん
セメント焼成用キルンで原料を乾燥状態で供給
するキルンの総称。余熱ボイラをもつもの,予熱
器をもつものがある。
dry process kiln
38
Z 9211-1982
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
29414
湿式キルン
しっしききるん
セメント焼成用キルンで原料を水にぬれた状態
で供給するキルンの総称。湿式ロングフィルタで
水分を減じ,ケーキ状にしてキルンに供給する湿
式フィルタ付きのもの及びこれに余熱ボイラを
付加したものがある。
wet process kiln
29415
半乾式キルン
はんかんしきき
るん
セメント焼成用キルンで乾燥原料に若干の水を
加えてペレットにして移動床(レポールプレヒー
タ)上で熱交換し,キルンに供給するもの。
semi-dry process kiln
29416
SPキルン
えすぴーきるん
セメント焼成用キルンで原料を浮遊式の予熱器
で熱交換し,キルンに供給するもの。
dry process kiln with
suspension preheater
29417
NSPキルン
えぬえすぴーき
るん
セメント焼成用SPキルンに仮焼装置を付けたも
ので,予熱器で熱交換した原料を仮焼装置で
CaCO3の分解率を高めてキルンに供給するもの。
dry process kiln with
suspension preheater
and precalciner
29418
ガラスるつぼ炉
がらするつぼろ
ガラスの原料をるつぼに入れて加熱,溶解してガ
ラスをつくるバッチ式加熱炉。
glass crucible furnace
29419
ガラスタンク炉
がらすたんくろ
ガラス原料を燃焼ガスと天井れんがの放射熱に
よって加熱溶解して,連続的にガラスをつくる
炉。
glass tank furnace
29420
丸がま
まるがま
陶磁器,研削と(砥)石,耐火物等の焼成によく
用いられる丸形の不連続単独がま。
round kiln
29421
角がま
かくがま
陶磁器,研削と(砥)石,耐火物等の焼成によく
用いられる長方形の不連続倒炎単独がま。天井
は,かまぼこ形である。
rectangular kiln
29422
登りがま
のぼりがま
古くから美術工芸品の焼成に用いられる半連続
がまで傾斜地に築かれ,被熱物は各室に詰められ
最下段の室の焼成から始まり,燃焼ガスは順次上
方の各室を通って煙突に抜ける構造のかま。
ascending kiln
29423
輪がま
(リングキルン)
わがま
(リングキルン)
1858年ホフマン氏によって発明された連続がま。
被熱物は静止のままで焼成帯の位置が移動して
行く方式のもの。
ring kiln
29424
倒炎がま
とうえんがま
陶磁器,耐火物の焼成に用いられ,たき口で発生
した火炎が側壁と火橋の間を上昇し,天井から被
熱物の間を下降し,炉床の穴から煙道に抜ける方
式のかま。
down draft kiln
29425
昇炎がま
しょうえんがま
たき口で発生した火炎が,火床又は焼成室下部か
ら被熱物を加熱しながら上昇し,炉頂部から排出
される方式のかま。
up draft kiln
29426
単独がま
たんどくがま
角がまや丸がまのような不連続式のかまのこと。 single kiln
29427
連続がま
れんぞくがま
1基のかまの各部で予熱焼成,冷却を同時に連続
的に行い,焼成品保有熱は燃焼用空気予熱に,焼
成部の高温排ガスは被焼成品の予熱と素地の乾
燥に利用する方式。
continuous kiln
29428
直接加熱乾燥炉
ちょくせつかね
つかんそうろ
加熱した空気又は燃焼ガスを被乾燥材に直接接
触させて乾燥する炉。
direct heating dryer
29429
間接加熱乾燥炉
かんせつかねつ
かんそうろ
伝熱面によって被乾燥材を間接的に乾燥する炉。 indirect heating dryer
29430
コークス炉
こーくすろ
コークスをつくる炉。
coke oven
29431
アーク炉
あーくろ
電極と溶解原料の間にアーク加熱を生じさせて
加熱溶解及び精錬する電気炉。
electric arc furnace
39
Z 9211-1982
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
29432
高周波誘導炉
こうしゅうはゆ
うどうろ
高周波誘導加熱によって加熱又は溶融する電気
炉。
high frequency
induction furnace
29433
低周波誘導炉
ていしゅうはゆ
うどうろ
低周波誘導加熱によって加熱又は溶融する電気
炉。
low frequency induction
furnace
29434
抵抗炉
ていこうろ
抵抗加熱で加熱又は溶解する電気炉。
electric resistance
furnace
(2.9.5) 化学装置
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
29501
還流
かんりゅう
蒸留操作において分離された蒸気を凝縮し,その
一部又は全部を再び蒸留装置にもどすこと。
還流量 (LR) と留出量 (D) との比を還流比とい
う。
reflux
29502
単蒸留
たんじょうりゅ
う
蒸留原液からの発生蒸気を全量凝縮し,残留液と
分離する蒸留操作。
simple distillation
29503
精留
せいりゅう
精留塔で凝縮液の一部を還流させ,塔内で気液の
向流接触を繰り返し,目的成分の分離精度をあげ
る蒸留操作。
fraction
29504
水蒸気蒸留
すいじょうきじ
ょうりゅう
蒸留原液に水又は水蒸気を加えて目的成分を分
離する蒸留操作。
steam distillation
29505
減圧蒸留
げんあつじょう
りゅう
蒸留原液の沸点を低下させる目的で減圧下で行
う蒸留操作。
vacuum distillation
29506
共沸蒸留
きょうふつじょ
うりゅう
蒸留原液に第三成分を加えて目的成分との共沸
物を作ることにより目的成分を分離する蒸留操
作。
azeotropic distillation
29507
抽出蒸留
ちゅうしゅつじ
ょうりゅう
蒸留原液に不揮発性で目的成分と親和力の大き
い第三成分を加え,目的成分を分離する蒸留操
作。
extractive distillation
29508
分解蒸留
ぶんかいじょう
りゅう
重油や軽油を適当な条件下で種々の方法で熱分
解し,生成ガスを蒸留塔でガス成分と目的成分油
に分離する蒸留操作。
cracking distillation
29509
単一(蒸発)缶
たんいつ(じょう
はつ)かん
溶液又はスラリーを加熱し溶媒を蒸気として分
離する単一の蒸発缶から成る蒸発装置。
single evaporator
29510
多重効用缶
たじゅうこうよ
うかん
2個以上の蒸発缶を直列に連結し,各缶の発生蒸
気を次の蒸発缶の加熱に利用する蒸発装置。
multi-effect evaporator
29511
蒸気圧縮式蒸発缶
じょうきあっし
ゅくしきじょう
はつかん
蒸発缶で発生した蒸気を圧縮,昇温し,再び同じ
蒸発缶の加熱に利用する蒸発装置。
thermo-compression
evaporator
29512
多段フラッシュ蒸
発装置
ただんふらっし
ゅじょうはつそ
うち
加熱原液を直列に連結したフラッシュ室(自己蒸
発)を通し,順次膨張させながら熱の回収を行い,
分離蒸気と濃縮液を分離する装置。
multi-flash evaporator
29513
精留塔
せいりゅうとう
精留操作に用いられる塔状の蒸留装置。蒸発缶及
び凝縮器を附属する。
rectifier,
fractionator(石油)
29514
凝縮器
ぎょうしゅくき
蒸気を冷却して凝縮させる装置。
condenser
29515
分縮器
ぶんしゅくき
発生蒸気の冷却温度を調節し,一部だけが凝縮
し,精留塔塔頂に還流させる凝縮装置。
partial coodenser
29516
リボイラ
精留塔の蒸発缶液の一部を抜き出し,加熱して再
び蒸留塔底部に送り込む加熱器。
reboiler
40
Z 9211-1982
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
29517
乾燥速度
かんそうそくど
材料の蒸発単位面積当たり単位時間の蒸発量又
は単位時間の含水率の減少で表される。含水率と
乾燥速度との関係を示す曲線を乾燥曲線という。
drying rate
29518
含水率
がんすいりつ
材料の無水重量に対する材料中の含水量の比。
water (moisture) content
29519
箱形乾燥器
はこがたかんそ
うき
多くの棚段から成る箱形の容器内に材料を静置
し,熱気流又は減圧によって乾燥する装置。
tray dryer
29520
ドラム乾燥器
どらむかんそう
き
1個又は2個の加熱された回転ドラム上に液状又
は泥状の材料を薄膜状に供給して乾燥する装置。
drum dryer
29521
回転乾燥器
かいてんかんそ
うき
容器自体の回転によって材料をかき混ぜ,回転体
の外部加熱又は熱流体による内部加熱によって
乾燥する装置。
rotary dryer
29522
噴霧乾燥器
ふんむかんそう
き
溶液や泥状流体を微細な液滴に分散し,これに高
温ガスを接触させて乾燥する装置。
spray dryer
29523
気流乾燥器
きりゅうかんそ
うき
粉粒体材料に熱気流を送り,粒子を浮遊状態で搬
送しながら乾燥させる装置。
flash dryer
29524
バンド乾燥器
ばんどかんそう
き
乾燥室内にベルト又はスクリューコンベヤを設
け,材料を移動させながら熱気流により乾燥する
装置。
band dryer
29525
流動層乾燥器
りゅうどうそう
かんそうき
熱気流中に材料粒子を流動させながら乾燥する
装置。
fluidized-bed dryer
29526
凍結乾燥器
とうけつかんそ
うき
材料を冷凍機で凍結した後,減圧下で昇華により
脱水乾燥する装置。
freeze dryer
29527
赤外線乾燥器
せきがいせんか
んそうき
赤外線により加熱し乾燥する装置。
infrared dryer
29528
槽形反応器
そうがたはんの
うき
かくはん機が付けられ,熱交換のためジャケット
やコイルが設けられている槽形の反応器。
vessel type reactor
29529
管形反応器
かんがたはんの
うき
単管又は並列の多管からなり,ジャケット又は多
管形の熱交換器が設けられている反応器。
tubular type reactor
29530
塔形反応器
とうがたはんの
うき
熱交換用のジャケットが設けられている垂直円
筒形反応器。
tower type reactor
29531
流動層反応器
りゅうどうそう
はんのうき
触媒又は反応物質の固体粒子を底部から吹き込
む流体の反応物質により流動させながら反応さ
せる反応器。
fluidized-bed reactor
29532
ガス化
がすか
固体又は流体燃料に酸素,水蒸気などのガス化剤
を反応させ,水素,一酸化炭素又はメタンを主成
分とするガスを製造する反応。
gasification
29533
改質
かいしつ
石油系燃料の品質を向上すること。無触媒の場合
を熱改質,触媒使用の場合を接触改質という。
reforming
29534
乾留
かんりゅう
固体燃料を空気を遮断して加熱し,熱分解により
ガス,固体生成物及び液体生成物を製造する反
応。
dry distillation,
(carbonization)
29535
熱分解
ねつぶんかい
加熱により起こる分解をいう。固体又は液体燃料
を高温でガスと炭素成分の多い生成物に加熱分
解する反応。
thermal decomposition
(terminal cracking)
29536
接触分解
せっしょくぶん
かい
炭化水素を触媒を用いて行う分解反応。
catalytic cracking
29537
水素化分解
すいそかぶんか
い
炭化水素を高温高圧下で水素と反応させる熱分
解。
hydro-cracking
29538
水蒸気改質
すいじょうきか
水蒸気を用いて石油系炭化水素を一酸化炭素と
steam reforming
41
Z 9211-1982
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
いしつ
水素に分解する反応。
29539
部分燃焼
ぶぶんねんしょ
う
熱分解又は脱水素に必要な反応熱を,原料炭化水
素の一部を酸素又は空気による燃焼によって供
給する反応。
partial combustion
29540
外熱式加熱
がいねつしきか
ねつ
外部からの加熱により反応を進める加熱方式。
external heating process
29541
蓄熱式加熱
ちくねつしきか
ねつ
加熱期で蓄熱し,その熱を利用して間欠的に加熱
する方法。
regenerative heating
process
29542
部分燃焼式加熱
ぶぶんねんしょ
うしきかねつ
部分燃焼による熱で反応を進める加熱方式。
partial combustion
heating process
29543
自熱式加熱
じねつしきかね
つ
発熱反応による熱で反応を進める加熱方式。
self heating process
(2.9.6) 熱交換器及び冷却設備
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
29601
伝熱式熱交換器
でんねつしきね
つこうかんき
伝熱面が金属板,管,れん(蓮)根状耐火れんが
等で構成され,高温流体の熱を壁を隔てて低温流
体に伝熱し,加熱する熱交換器の1形式
recuperator
29602
換熱器
かんねつき
→伝熱式熱交換器。
29603
再生式熱交換器
さいせいしきね
つこうかんき
高温流体を通じて熱媒体を加熱し,バルブの切換
えなどにより同じ通路に低温流体を通じ,担熱体
の保有する熱によって低温流体を加熱する熱交
換器の1形式。
regenerative heat
exchanger
29604
蓄熱器
ちくねつき
→再生式熱交換器。
heat accumulator
29605
並流式熱交換器
へいりゅうしき
ねつこうかんき
熱交換器で伝熱を行う高温流体と低温流体が入
口から出口に同一方向をとって流れるもの。
parallel flow type heat
exchanger
29606
向流式熱交換器
こうりゅうしき
ねつこうかんき
高温,低温の2流体が反対方向に流れる方式の熱
交換器。
counter flow type heat
exchanger
29607
直交流式熱交換器
ちょくこうりゅ
うしきねつこう
かんき
高温,低温の2流体が直角方向に流れる方式の熱
交換器。
cross flow type heat
exchanger
29608
管形熱交換器
かんがたねつこ
うかんき
円筒又は管の中に1本又は多数の伝熱管を入れた
構造の熱交換器。
tubular type heat
exchanger
29609
板形熱交換器
ばんがたねつこ
うかんき
多数の板の端部にパッキングを挟み,圧着した構
造の熱交換器。薄い板の間げき(隙)を1枚おき
に流れる流体間で熱交換を行う。
plate type heat
exchanger
29610
放射熱交換器
ほうしゃねつこ
うかんき
燃焼排ガスを内管を通し,その放射を利用して内
管と外管の狭いすき間を通過する空気を予熱す
る熱交換器。
radiation type heat
exchanger
29611
回転式熱交換器
かいてんしきね
つこうかんき
担熱体などの回転によって排ガスの熱を空気に
伝える熱交換器。
rotary type heat
exchanger
29612
蓄熱室
ちくねつしつ
再生式熱交換器の一種で,耐火物で構築した室の
中に耐火れんがを格子積みにしたものを充てん
してあり,通常1対を交互に用いる。
regenerator
29613
ひれ
加熱器や熱交換器等で伝熱面積を増加させる目
的で取り付けられるひれ状のもの。
fin
29614
ひれ付き管
ひれつきかん
伝熱面積を増加させるためにひれを取り付けた
パイプで,加熱器や熱交換器に用いられる。
fin tube
42
Z 9211-1982
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
読み方
意味
参考
対応英語
29615
廃熱ボイラ
はいねつぼいら
炉などの廃ガスなどの保有熱で加熱するボイラ。 waste heat boiler
29616
余熱ボイラ
よねつぼいら
→廃熱ボイラ。
29617
ヒートパイプ
アルミニウム,ステンレス鋼,銅などのパイプの
内側にガラス繊維や網状の細い銅線等でつくっ
たウイック材を張り,内部を減圧にし,フレオン,
アンモニア,水等の熱媒体の蒸気の移動と蒸発潜
熱の授受によって熱移動を行う装置。
heat pipe
29618
冷却塔
れいきゃくとう
木又はFRP製の格子などを充てんした塔の上か
ら温水を流し,これを空気と向流又は直交流で接
触させて水を冷却する装置。
cooling tower
29619
噴水池
ふんすいち
屋外の貯水池の水面上で多数のノズルから水を
噴霧し,大気中への自然蒸発によって温水を冷却
する最も簡単な冷却装置。
spray pond
29620
冷水池
れいすいち
冷却塔,噴水等によって冷却した水をためる池。 cooling water pool
資源エネルギー部会 エネルギー管理用語専門委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
谷 下 市 松
幾徳工業大学
小 泉 睦 男
早稲田大学理工学部
奈 須 俊 和
資源エネルギー庁長官官房
檜 山 博 昭
資源エネルギー庁石炭部
林 俊 太
工業技術院標準部
佐々木 正 治
工業技術院公害資源研究所
矢 部 丈 夫
社団法人日本鉄鋼連盟原料部
富 田 実
東亜石油株式会社
宮 川 洋
東京大学工学部
穂 積 重 友
財団法人石炭技術研究所
村 上 哲 三
日本化学工業協会技術部技術課
神 谷 佳 男
東京大学工学部
坂 本 典 雄
日本石炭協会技術部
猪 俣 誠
社団法人日本瓦斯協会技術開発室
石 渡 宏
社団法人窯業協会
野 木 孝 次
社団法人セメント協会研究所技術部
朝 倉 英 二
社団法人日本ボイラ協会技術部
五月女 郁 雄
社団法人産業機械工業会
野 崎 幸 雄
財団法人省エネルギーセンター技術部
(事務局)
小 沢 祥 浩
工業技術院標準部材料規格課
宮 崎 正 治
工業技術院標準部材料規格課