Z 9127:2020
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目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 照明の一般要件 ················································································································ 2
4.1 一般原則 ······················································································································ 2
4.2 照度 ···························································································································· 2
4.3 モデリング ··················································································································· 4
4.4 グレア ························································································································· 4
4.5 ちらつき ······················································································································ 4
4.6 光色及び演色性 ············································································································· 4
4.7 障害光 ························································································································· 5
4.8 保守率 ························································································································· 5
4.9 停電対策 ······················································································································ 5
5 照明の個別要件 ················································································································ 6
5.1 テレビジョン撮影の要件 ································································································· 6
5.2 特定の運動競技の要件 ···································································································· 7
6 検証······························································································································· 7
6.1 手順 ···························································································································· 7
6.2 照度 ···························································································································· 7
6.3 グレア ························································································································· 7
6.4 平均演色評価数 ············································································································· 8
6.5 光色 ···························································································································· 8
附属書A(参考)平均照度の算出方法 ····················································································· 19
附属書B(参考)照度測定方法 ······························································································ 21
附属書C(参考)照明器具の配置及び取付け高さ ······································································ 29
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まえがき
この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人
照明学会(IEIJ)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を改正
すべきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本産業規格である。
これによって,JIS Z 9127:2011は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本産業規格 JIS
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スポーツ照明基準
Recommendation for sports lighting
序文
この規格は,日本産業規格の個別の照明基準(JIS Z 9111,JIS Z 9116,JIS Z 9125,JIS Z 9126及びJIS
Z 9127)と全ての分野を総括するJIS Z 9110との関係を明確化する一連の改正を受け,2020年に改正され
た日本産業規格である。今回は,JIS Z 9110との整合を図った上で,CIE 83:1989[1],CIE 112:1994[2],CIE
150:2003[3]などを参考に,スポーツ照明の社会的変化,経済的変化及び国際的変化並びに技術的な進歩に
対応するために改正した。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,運動競技者,審判員などの運動競技関係者,観客,テレビジョン放送関係者などが,安全,
円滑及び快適に,運動競技を行い,それを観戦し,又は撮影するために必要な照明要件について規定する。
また,その設計及び運用のために,定量的に規定できる要件として,照度,照度均斉度,グレア制限値及
び演色性に関する照明基準の推奨値を定める。ただし,非常時用照明は除く。
この規格は,特定の問題の解決のために,照明設備の望ましい設計を規定するものではない。また,新
しい技術の採用に関する設計者の自由を制限するものでもなく,かつ,革新的な機器及び器材の使用を制
限するものでもない。
この規格は,対象の照明施設における基礎的な値を定めるものである。必要に応じて,この規格で定め
る基準より高い水準を規定することを妨げない。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 7612 照度測定方法
JIS Z 8113 照明用語
JIS Z 8726 光源の演色性評価方法
JIS Z 9110 照明基準総則
JIS Z 9112 蛍光ランプ・LEDの光源色及び演色性による区分
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 8113及びJIS Z 9110によるほか,次による。
2
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3.1
運動競技面,PA
特定の運動競技で規定する運動競技領域。通常,フィールド又はコートが該当する。
3.2
安全領域,SA
運動競技に用いる運動競技面周囲に,運動競技の安全を目的として付加的に設ける空地。
注記 安全領域は,運動競技のルールなどで規定されている。
3.3
全運動競技面,TA
運動競技面に安全領域を加えた領域で,実際の運動競技に必要とする領域。
3.4
空間照度,Esp
空間上の微小閉曲面にあらゆる方向から入射する光束の面積密度。単位はルクス(lx)で表す。
注記 空間照度は,人,ボールなど立体的な視対象の照度を規定する場合に用いられる。閉曲面が球,
円筒(上下面を除く。)及び半円筒(上下面及び背面を除く。)の空間照度を,それぞれ平均球
面照度,平均円筒面照度及び半円筒面照度という。
4
照明の一般要件
4.1
一般原則
運動競技照明の目的は,運動競技者,運動競技関係者,観客,テレビジョン放送関係者などに,質の高
い照明環境を提供することによって,安全,円滑及び快適に運動競技を行い,それの観戦又はそれの撮影
を可能にすることである。
運動競技は,動的及び空間的であり,運動競技者の多くは,動きながら動いている視対象を見て,素早
く正確な判断を下し,一連の動作を行っている。また,観客,テレビジョン放送関係者などは,空間全体
に視線を動かしながら動いている視対象を見ることになる。したがって,照明設計においては,運動競技
面ばかりでなく,その空間及び背景についても考慮に入れ,照度,照度分布,輝度,輝度分布,陰影,グ
レア,光色,演色性など,運動競技種目に応じて求められる照明の量及び質を満たす必要がある。
この規格では,運動競技のための照明要件を示し,その中で定量的に規定できる要件として,照度,照
度均斉度,グレア制限値及び平均演色評価数について推奨する基準を5.2に示す。
なお,規定されていない運動競技については,類似する運動競技の基準を参考にする。
4.2
照度
4.2.1
一般
基準面における照度及びその分布は,運動競技を,安全,円滑及び快適に行うための主要因である。こ
の規格で推奨する照度(以下,推奨照度という。)は,基準面の平均照度とする。基準面の設計照度は,推
奨照度を基に定め,照明設備の経年数及び状態にかかわらず維持しなければならない。
4.2.2
基準面
基準面は,安全領域SAが規定されている場合は全運動競技面TAとするが,安全領域SAを運動競技の
ルールなどで規定しない場合は,運動競技面PAの各辺の周囲に,4.2.3に規定する照度計算点間隔以上の
幅を加えた領域とする。基準面は,指定する高さの水平面,鉛直面又は閉曲面とする。高さを指定しない
場合は,床面又はグラウンド面とする。
3
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4.2.3
照度計算点及び照度測定点
設計した照度及び照度均斉度を検証するために,照度計算点及び照度測定点を基準面上に設定する。照
度計算点及び照度測定点は,基準面中心から運動競技軸及びそれに直交する方向に,表5〜表8に規定す
る間隔で分割し,分割線の交点とする。該当する運動競技の計算間隔及び測定間隔の規定値が表5〜表8
にない場合は,類似する運動競技の規定値を参考に設定する。測定点は,基準面内に含まれている照度計
算点の間隔の2倍以下で設定する。照度測定点は,附属書Bを参考に設定する。
4.2.4
平均照度及び最小照度
平均照度は,JIS C 7612に規定する平均照度の算出法に基づいて求める。最小照度は,4.2.3で設定した
基準面内の照度計算点及び照度測定点の最小値とする。平均照度の算出方法は,附属書A又は附属書Bを
参考にする。
4.2.5
照度均斉度
照度均斉度は,4.2.4で求めた平均照度に対する最小照度の割合とする。視対象の見え方は,最小照度の
位置が最も悪くなるので,照度均斉度は,表5〜表8に規定する推奨値を下回らないことが望ましい。
4.2.6
空間照度
人,ボールなどの立体的な視対象の見え方は空間照度に関係する。基準面上の対応する点における空間
照度Espと水平面照度Ehとの比は,次の式(1)の範囲とする。
sp
h
0.5
2.0
E
E
≦
≦
··········································································· (1)
注記 ここでいう空間照度は,水平面から垂直に立つ円筒面,平面などにおける平均照度で,平均円
筒面照度,半円筒面照度,互いに直交する鉛直面照度の4方向の平均値などを用いることがあ
る(図1参照)。特定方向から見る場合は,空間照度としてその特定方向の鉛直面照度で代用す
ることがある。
平均円筒面照度は,空間上にある1点の水平方向の光束の総量を規定する場合に用いられる。
半円筒面照度は,特定方向から見る場合の円筒状の表面(人の顔など)の照度を規定する場合
に用いられる。また,鉛直面照度は,特定方向から見る場合の鉛直な面の照度を規定する場合
に用いられる。
a) 平均円筒面照度
b) 半円円筒面照度
c) 鉛直面照度
図1−空間照度
4
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4.2.7
照度測定
照度測定は,JIS C 7612による。照度測定は,照明を対称に設置する場合には,基準面の1/2又は1/4
の範囲とする。
測定値と計算値との間には,次の要因によって,差異が生じる。
a) 電源電圧変動及び配線長による電圧降下に起因する差
b) 照明器具の設置位置,照準などによる差
c) 照明器具,光源などの製造上の差
d) 照度計の位置及び傾きによる差
e) その他
4.3
モデリング
人,ボールなどの視対象の形がはっきりと,かつ,質感が良好に見えるようなモデリングとするため,
空間照度と水平面照度との比を4.2.6に規定する範囲とする。
4.4
グレア
グレアは,運動競技,観戦などの妨げとなる。ただし,運動競技は,動的及び空間的であり,あらゆる
場面でグレアを完全に防止することは困難である。そこで,次の二つの手順でグレアの軽減を図る。
a) 運動競技者の視線方向を考慮し,主たる視線方向の視野内に高輝度光源を設置しない。光源・照明器
具の設置位置は,附属書Cを参考に定める。
b) JIS Z 9110に規定する不快グレア評価方法に基づいてGRを求め,GR制限値GRL以下にする。
注記 視線が上を向く場合には,ルーバの設置,フードの設置など特別な配慮が必要になる。
照明施設のGRは,表5〜表8のGR制限値GRLを超えないことが望ましい。GRとグレアの程度との関
係は,表1による。
表1−GRとグレアの程度との関係
GR
グレアの程度
90
耐えられない
70
邪魔になる
50
許容できる限界
30
あまり気にならない
10
気にならない
4.5
ちらつき
フリッカが運動競技及び観戦を妨げる原因となる場合には,これを抑制する。運動競技者及びボール,
竹刀などの道具が高速で動く競技においては,視対象が断続的に動いているように見えるストロボ現象を
避けるように設計する。
4.6
光色及び演色性
光色は,運動競技者の心理状態に影響を及ぼすので,特別な理由のない場合には,温白色,白色,昼白
色,昼光色又は色度がこれらの間にある光色を用いる。また,テレビジョン撮影及び写真撮影にも影響を
及ぼすので,昼光及び人工光を併用する場合には,昼光と調和する白色,昼白色,昼光色又は色度がこれ
らの光色の間にある人工光を用いる。光源又は照明器具の光色は,JIS Z 9112を参考に区分する。
物,人の皮膚などの色の見えを表現する演色性は,JIS Z 8726に規定する平均演色評価数Raを用いて評
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価し,表5〜表8に規定する推奨値を下回らないことが望ましい。
4.7
障害光
夜間の環境を保全するために,障害光を抑制する。障害光は,多くの場合,照明設備からの漏れ光によ
って引き起こされ,人又は周辺環境に,生理的及び生態的に影響を及ぼす。障害光の原因となる屋外照明
設備からの漏れ光は,表2に規定する値以下とすることが望ましい。
表2−屋外照明設備における障害光の許容される最大値
環境ゾーン
地所への照度a)
照明器具の光度
上方光束比
輝度
Ev
(lx)
I
(×1 000 cd)
ULOR
Lb
(cd/m2)
Ls
(cd/m2)
減灯時間b)前 減灯時間以降 減灯時間b)前 減灯時間以降
ビル面
サイン面
E1
2
0 c)
2.5
0
0
0
50
E2
5
1
7.5
0.5
0.05
5
400
E3
10
2
10
1.0
0.15
10
800
E4
25
5
25
2.5
0.20
25
1 000
ここに,環境ゾーンはCIE 150:2003に規定する次のものをいう。
E1:自然環境,国立公園,保護された場所など本来暗い光環境
E2:地方部,産業的,居住的な地方領域など低い明るさの光環境
E3:郊外,産業的,居住的な郊外領域など中程度の明るさの光環境
E4:都市,都市中心,商業領域など高い明るさの光環境
ここで用いた記号は次のとおりである。
Ev:地所の鉛直面照度の上限値(lx)
I:障害を及ぼすと考えられる方向への各照明器具の光度(×1 000 cd)
ULOR:照明器具を設置した状態において,照明器具又は装置の水平面より上に放射される光束のランプ光束に対す
る割合
Lb:ビル面の平均輝度の上限値(cd/m2)
Ls:サイン面の平均輝度の上限値(cd/m2)
注記 この表は,CIE 150:2003を参照した。CIE 150は2017年に改訂されたが,我が国特有の事情を考慮して最新
版への対応についてはより詳細に検討中である。
注a) 近隣住居の窓,将来住居になる予定の関係する面などに適用する。
b) 減灯時間が適用できない場合には,低い方の値を適用することが望ましい。
c) 照明器具が公共照明(道路など)である場合には,この値は1 lxとする。
4.8
保守率
保守率は,選定した光源,選定した照明器具並びに環境及び特定の保守計画を基に定める。推奨照度は,
保守率を見込んだ上で,光源及び照明器具の経年数及び状態にかかわらず維持しなければならない。
設計者は,保守率を導き出した条件を明らかにするとともに,光源又は照明器具の交換頻度,照明器具
の清掃頻度,清掃方法などを含む,包括的な保守計画を提示することが望ましい。
注記 保守率の算出方法には,一般社団法人照明学会の技術指針JIEG-001がある。
4.9
停電対策
高速で動く運動競技などでは,停電時に運動競技者がその運動競技を安全に停止するための照度を確保
することが望ましい。
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5
照明の個別要件
5.1
テレビジョン撮影の要件
5.1.1
一般事項
テレビジョン撮影及び写真撮影を行う場合は,5.1.2〜5.1.6によることが望ましい。
5.1.2
撮影のための照度
撮影のための照度は,被写体の速度及び撮影距離に基づいて,表3に規定する空間照度による。
表3−撮影のための推奨照度(S/N比50 dB及び標準的なカメラ)
被写体の速度
最大撮影距離
25 m
75 m
150 m
A(比較的緩やか)a)
500 lx
700 lx
1 000 lx
B(中程度の速度)b)
700 lx
1 000 lx
1 400 lx
C(比較的速い)c)
1 000 lx
1 400 lx
−
注記 この表は,CIE 83:1989を参照。CIE 83は2019年に改訂されたが,最新版への対応につ
いては,より詳細な技術的検討が必要であることから,1989年版を引用する。
注a) Aは,カメラを通して見た場合,ビリヤード,ダーツ,射的,スヌーカー,ボウリング,
アーチェリー,体操,馬術,水泳,カーリングなど,比較的緩やかに動くもの。
b) Bは,カメラを通して見た場合,野球,ソフトボール,ホッケー,バレーボール,バス
ケットボール,テニス,サッカー,ラグビー,フットボール,ハンドボール,バドミン
トン,体操,ローラースケート,競馬,競輪,自転車競技,ドッグレース,フィギュア
スケート,スピードスケート,ボブスレー,リュージュ,スキー・ジャンプ,スキー・
スノーボード,柔道,空手,レスリングなど,中程度の速度で動くもの。
c) Cは,カメラを通して見た場合,ラクロス,卓球,ラケットボール,スカッシュ,クリ
ケット,アイスホッケー,フェンシング,ボクシングなど,比較的動きの速いもの。
5.1.3
最大照度に対する最小照度の割合
基準面の空間照度の最大照度(Esp,max)に対する最小照度(Esp,min)の割合は次の式(2)の範囲とし,水平
面照度の最大照度(Eh,max)に対する最小照度(Eh,min)の割合は式(3)の範囲とする。また,水平面照度の勾
配は,5 m当たり25 %を超えてはならない。
sp,min
sp,max
0.3
E
E
≧
·············································································· (2)
h,min
h,max
0.5
E
E
≧
··············································································· (3)
5.1.4
ちらつき
人の目では感じられなくても,光源の光束又は分光分布の変動の周期がカメラの撮像素子のサンプリン
グ周期と同期すると,撮影された動画にフリッカ,ストロボ現象などのちらつきが生じたり,撮影するタ
イミングによって静止画の明るさが変化することがある。動画にちらつきが生じたり,又は静止画の明る
さが変化することがないように設計する。
5.1.5
光色
光源の光色は,特別な理由のない場合には温白色,白色,昼白色,昼光色又は色度がこれらの間にある
光色とする。昼光及び人工光を併用する場合には,昼光と調和する白色,昼白色,昼光色又は色度がこれ
らの光色の間にある光色とする。
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5.1.6
平均演色評価数
光源又は照明器具の平均演色評価数Raは,80以上とする。
5.1.7
観客席の照度
映像又は画像の背景となる観客席などの照度は,基準面における空間照度の平均値の25 %以上とする。
5.2
特定の運動競技の要件
5.2.1
運動競技の区分
運動競技の水準を表4に規定するように区分し,特定の運動競技の要件をそれに応じることが望ましい。
表4−運動競技の区分及び適用例
運動競技の区分
適用例
I
観客のいる国際,国内,地域全体又は特定地域における最高水準の運動競技会。
最高水準のトレーニング。
II
観客のいる地域全体又は特定地域における一般的な運動競技会。
高水準のトレーニング。
III
観客のいない特定地域の運動競技会。学校体育又はレクリエーション活動。
一般のトレーニング。
5.2.2
照明要件
特定の運動競技(球技,運動競技・陸上競技,水泳・ウインタースポーツ,格闘技など)のための照明
要件は,表5〜表8による。これらの表の構成は,次による。
a) 縦列に,特定運動競技の照明要件を示す。
b) 1行目〜3行目は,運動競技の種目及び区分を示す。
c) 4行目〜20行目は,照度段階であり,運動競技の区分I〜区分IIIの推奨照度を示す。運動競技種目又
は照度段階欄は,特に指定しない場合は水平面照度を示し,“空間”とある場合は空間照度を示し,“鉛
直面”とある場合には鉛直面照度を示す。表中に示す“I 0.7/50/60”は,運動競技の区分がI,望まし
い照度均斉度Uoの下限値が0.7,グレア制限値GRL(上限値)が50,及び平均演色評価数Raの下限値
が60であることを意味する。
d) 21行目(被写体の速度)は,表3の被写体の速度区分を示す。
e) 22行目(計算間隔)は,照度計算点の間隔を示し,23行目(測定間隔)は,照度測定点の間隔を示す。
f)
24行目は,基準面の高さを示す。
6
検証
6.1
手順
照明設備の検証は,測定,計算又はデータの検査によって,必要に応じて行う。
6.2
照度
照度は,4.2.3で定めた点を,4.2.7の規定に基づいて,測定する。
測定値から求めた平均照度が,設計した照度に適合することを確認する。また,照度均斉度が,規定し
た面において,表5〜表8に規定する値に適合することを確認する。反復測定には,同じ測定点を用いる。
6.3
グレア
GRは,設計者が提供する。このGRが表5〜表8に規定するGRLに適合することを確認する。また,
GRの計算において,照明設備及びその配置,空間並びに領域の表面仕上げが,計算条件に従っているこ
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とを確認する。
6.4
平均演色評価数
設計で使用する光源又は照明器具の平均演色評価数Raは,製造業者が提供する。Raが照明設計に適合す
ることを確認する。光源又は照明器具は,設計の段階で選定する。
6.5
光色
設計で使用する光源又は照明器具の光色は,製造業者が相関色温度(Tcp値)又は光色区分の名称によっ
て提供する。光色が,設計値に一致することを確認する。
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表5−球技などの照明要件
照度段階
(lx)
硬式野球
軟式野球
ソフトボール
アメリカン
フットボール
サッカー
ラグビー
ラクロス
内野
外野
内野
外野
内野
外野
屋外
屋外
屋外
屋外
屋外
屋外
3 000
2 000
1 500
1 000
I 0.7/50/60
750
II 0.6/50/60
I 0.5/50/60
I 0.6/50/60
I 0.7/50/60
500
III 0.5/55/−
II 0.5/50/60
II 0.5/50/60
I 0.5/50/60
II 0.6/50/60
I 0.5/50/60
I 0.7/50/60
I 0.7/50/60
I 0.7/50/60
300
III 0.3/55/−
III 0.5/55/−
II 0.5/50/60
II 0.5/50/60
II 0.5/50/60
200
III 0.3/55/−
III 0.5/55/−
II 0.5/50/60
II 0.5/50/60
III 0.3/55/−
150
100
III 0.3/55/−
III 0.3/55/−
III 0.3/55/−
75
50
30
20
15
10
5
被写体の速度
B
B
B
B
B
B
B
B
C
計算間隔
5 m×5 m
5 m×5 m
5 m×5 m
5 m×5 m
5 m×5 m
5 m×5 m
5 m×5 m
5 m×5 m
5 m×5 m
測定間隔
5 m×5 m
10 m×10 m
5 m×5 m
10 m×10 m
5 m×5 m
10 m×10 m
10 m×10 m
10 m×10 m
10 m×10 m
基準面の高さ
地表面
地表面
地表面
地表面
地表面
地表面
照度段階に示す数字及び数値は,その照度段階を推奨照度とする運動競技の区分,その区分で推奨するUoの下限値,GRL(GRの上限値),及びRaの下限値を示す。
“−”は規定がないことを示す。
5
Z
9
1
2
7
:
2
0
2
0
10
Z 9127:2020
表5−球技などの照明要件(続き)
照度段階
(lx)
ホッケー
バレーボール
ネットボール
バスケットボール
車いすラグビー
テニス
屋内
屋外
屋内
屋外
屋内
屋外
屋内
屋外
3 000
2 000
1 500
1 000
750
I 0.7/−/60
I 0.7/−/60
I 0.7/−/60
I 0.7/−/60
500
II 0.6/−/60
I 0.7/50/60
II 0.6/−/60
I 0.7/50/60
II 0.6/−/60
I 0.7/50/60
II 0.6/−/60
I 0.7/50/60
300
III 0.5/−/−
II 0.5/50/60
III 0.5/−/−
II 0.6/50/60
200
III 0.3/55/−
III 0.5/−/−
II 0.6/50/60
III 0.5/−/−
II 0.6/50/60
III 0.5/55/−
150
100
III 0.5/55/−
III 0.5/55/−
75
50
30
20
15
10
5
被写体の速度
B
B
B
B
B
B
B
B
計算間隔
3 m×3 m
5 m×5 m
2 m×2 m
2 m×2 m
2 m×2 m
2 m×2 m
2 m×2 m
2 m×2 m
測定間隔
6 m×6 m
10 m×10 m
4 m×4 m
4 m×4 m
4 m×4 m
4 m×4 m
4 m×4 m
4 m×4 m
基準面の高さ
床面
地表面
床面
地表面
床面
地表面
床面
地表面
照度段階に示す数字及び数値は,その照度段階を推奨照度とする運動競技の区分,その区分で推奨するUoの下限値,GRL(GRの上限値),及び
Raの下限値を示す。“−”は規定がないことを示す。
5
Z
9
1
2
7
:
2
0
2
0
11
Z 9127:2020
表5−球技などの照明要件(続き)
照度段階
(lx)
ボッチャ
ブール
ペタンク
フットボール
(5/7-a-side)
ハンドボール
フットサル
バドミントン
卓球
屋内
屋外
屋内
屋外
屋内
屋内
屋外
屋内
屋内
3 000
2 000
1 500
1 000
750
I 0.7/−/60
I 0.7/−/60
I 0.7/−/60
I 0.7/−/60
500
II 0.6/−/60
II 0.6/−/60
I 0.7/50/60
II 0.6/−/60
II 0.6/−/60
300
I 0.7/−/60
I 0.7/−/60
III 0.5/−/−
III 0.5/−/−
200
II 0.6/−/60
III 0.5/−/−
I 0.7/50/60
II 0.6/−/60
III 0.5/−/−
I 0.7/50/60
III 0.5/−/−
III 0.5/−/−
II 0.6/50/60
150
100
II 0.6/50/60
III 0.5/55/−
II 0.6/50/60
III 0.5/55/−
III 0.5/55/−
75
50
30
20
15
10
5
被写体の速度
B
B
−
−
B
B
B
B
C
計算間隔
1 m×1 m
1 m×1 m
2 m×1 m
2 m×1 m
3 m×3 m
3 m×3 m
3 m×3 m
1.5 m×1.5 m
0.5 m×0.5 m
測定間隔
2 m×2 m
2 m×2 m
4 m×2 m
4 m×2 m
6 m×6 m
6 m×6 m
6 m×6 m
3 m×3 m
0.5 m×0.5 m
基準面の高さ
床面
地表面
床面
地表面
床面
床面
地表面
床面
テーブル面
照度段階に示す数字及び数値は,その照度段階を推奨照度とする運動競技の区分,その区分で推奨するUoの下限値,GRL(GRの上限値),及びRaの下限値を示す。
“−”は規定がないことを示す。
5
Z
9
1
2
7
:
2
0
2
0
12
Z 9127:2020
表5−球技などの照明要件(続き)
照度段階
(lx)
ラケットボール
スカッシュ
ビリヤード
スヌーカー
ボウリング
ゴルフコース
ゴルフ練習場
アプローチ
ピン(空間)
ティー
グリーン
フェアウェイ
屋内
屋内
屋内
屋外
屋外
3 000
2 000
1 500
1 000
750
I 0.7/−/60
I 0.7/−/60
500
II 0.6/−/60
II 0.6/−/60
III 0.6/−/60
I II III −/−/60
300
III 0.5/−/−
I 0.6/−/60
200
II 0.5/−/60
III 0.5/−/60
150
100
III 0.8/−/−
(打席)
75
II −/−/−
50
III −/−/−
II −/−/−
III −/−/−
(空間)
30
III −/−/−
20
15
10
5
被写体の速度
C
A
A
A
−
−
−
計算間隔
2 m×2 m
0.5 m×0.5 m レーン面センタ
ーで2 m間隔
−
5 m×5 m
10 m×5 m
15 m間隔
測定間隔
2 m×2 m
0.5 m×0.5 m
−
5 m×5 m
20 m×10 m
15 m間隔
基準面の高さ
床面
テーブル面
レーン面
ピン
地表面
地表面
地表面
照度段階に示す数字及び数値は,その照度段階を推奨照度とする運動競技の区分,その区分で推奨するUoの下限値,GRL(GRの
上限値),及びRaの下限値を示す。“−”は規定がないことを示す。
5
Z
9
1
2
7
:
2
0
2
0
13
Z 9127:2020
表6−運動競技・陸上競技などの照明要件
照度段階
(lx)
運動競技
陸上競技
アーチェリー,弓道
体操
リズム体操
フィットネス
エアロビクス
ダンス
射場全般
的18 m
(鉛直面)
的90 m
(鉛直面)
射場全般
的30 m又は
90 m(鉛直面)
屋内
屋外
屋内
屋外
屋内
屋内
3 000
2 000
1 500
1 000
I 0.7/−/60
750
I 0.7/−/60
II 0.6/−/60
I 0.7/−/60
500
I 0.7/−/60
I 0.7/50/60
II 0.6/−/60
III 0.5/−/−
II 0.6/−/60
I 0.7/−/60
I 0.7/−/60
300
II 0.6/−/60
I 0.7/−/60
II 0.6/−60
III 0.5/−/−
III 0.5/−/−
II 0.6/−/60
II 0.6/−/60
200
III 0.5/−/−
II 0.5/50/60
III 0.5/−/−
I 0.7/−/60
II 0.6/−/60
III 0.5/−/−
III 0.5/−/−
150
100
III 0.3/55/−
III 0.5/−/−
75
50
30
20
15
10
5
被写体の速度
B
B
A
A
A
A
A
A
A
計算間隔
2.5 m×2.5 m
5 m×5 m
2.5 m×2.5 m
−
−
2.5 m×2.5 m
−
2.5 m×2.5 m
2.5 m×2.5 m
測定間隔
5 m×5 m
10 m×10 m
5 m×5 m
−
−
5 m×5 m
−
5 m×5 m
5 m×5 m
基準面の高さ
床面
地表面
床面
標的
標的
床面
標的
床面
床面
照度段階に示す数字及び数値は,その照度段階を推奨照度とする運動競技の区分,その区分で推奨するUoの下限値,GRL(GRの上限値),及びRaの下限値を示す。
“−”は規定がないことを示す。
5
Z
9
1
2
7
:
2
0
2
0
14
Z 9127:2020
表6−運動競技・陸上競技などの照明要件(続き)
照度段階
(lx)
ウェイトリフ
ティング
マラソン
クロスカント
リー
ローラースケート
競輪
自転車競技
スポーツ
クライミング
(鉛直面)
屋内
屋外
屋内
屋外
屋内
屋外
屋内
3 000
2 000
1 500
1 000
750
I 0.7/−/60
I 0.7/−/60
500
II 0.6/−/60
I 0.7/−/60
II 0.6/−/60
I 0.7/50/60
I /0.8/−/60
300
II 0.6/−/60
I 0.7/50/60
II 0.5/50/60
II 0.8/−/60
200
III 0.5/−/−
III 0.5/−/−
II 0.5/50/60
III 0.5/−/−
III 0.8/−/20
150
III 0.3/55/−
100
III 0.3/55/−
75
50
30
20
I 0.3/−/60
15
10
II 0.3/−/60
5
III 0.3/−/−
被写体の速度
A
−
B
B
B
B
B
計算間隔
2.5 m×2.5 m
−
2.5 m×2.5 m
5 m×5 m
5 m×2 m
5 m×2 m
−
測定間隔
5 m×5 m
−
5 m×5 m
10 m×10 m
10 m×4 m
10 m×4 m
−
基準面の高さ
床面
走行面
走行面
走行面
走行面
走行面
壁面
照度段階に示す数字及び数値は,その照度段階を推奨照度とする運動競技の区分,その区分で推奨するUoの下限値,GRL(GRの
上限値),及びRaの下限値を示す。“−”は規定がないことを示す。
5
Z
9
1
2
7
:
2
0
2
0
15
Z 9127:2020
表6−運動競技・陸上競技などの照明要件(続き)
照度段階
(lx)
競馬
馬術
ホースショウ
ドッグレース モーターレース
ホームストレッチ
バックストレッチターン
横断(空間)
縦断(空間)
横断(空間)
縦断(空間)
屋外
屋内
屋外
屋外
3 000
2 000
1 500
1 000
750
I 0.4/50/60
I 0.6/50/60
500
I 0.4/50/60
I 0.6/50/60
I 0.7/−/60
I 0.7/50/60
I 0.7/50/60
300
II 0.4/50/60
II 0.6/50/60
II 0.6/−/60
II 0.5/50/60
II 0.6/50/60
200
I 0.6/50/60
II 0.4/50/60
II 0.4/50/60
III 0.5/−/−
III 0.5/55/−
150
100
II 0.4/50/60
75
50
III 0.2/55/−
30
20
15
10
5
被写体の速度
−
−
−
−
−
A
C
B
計算間隔
15 m×4 m
−
−
−
−
5 m×5 m
5 m×2 m
5 m×2 m
測定間隔
30 m×4 m
−
−
−
−
10 m×10 m
10 m×4 m
10 m×4 m
基準面の高さ
走行面
1.5 m
1.5 m
1.5 m
1.5 m
床面
走行面
走行面
照度段階に示す数字及び数値は,その照度段階を推奨照度とする運動競技の区分,その区分で推奨するUoの下限値,GRL(GRの上限値),及び
Raの下限値を示す。“−”は規定がないことを示す。
5
Z
9
1
2
7
:
2
0
2
0
16
Z 9127:2020
表7−水泳・ウインタースポーツなどの照明要件
照度段階
(lx)
水泳
アイスホッケー
カーリング
フィギュア
スケート
スピードスケート
全運動競技
飛込み
(空間)
ハウス
リンク
屋内
屋外
屋内
屋内
屋内
屋内
屋外
3 000
2 000
1 500
1 000
750
I 0.5/−/60
I 0.7/−/60
I 0.7/−/60
500
II 0.5/−/60
I 0.5/50/60
II 0.6/−/60
I 0.7/−/60
II 0.6/−/60
I 0.7/−/60
I 0.5/50/60
300
II 0.5/50/60
II 0.7/−/60
200
III 0.4/−/−
III 0.4/−/−
I −/−/60
II −/−/60
III 0.5/−/−
III 0.6/−/−
I 0.7/−/60
II 0.7/−/60
III 0.5/−/−
II 0.6/−/60
II 0.4/55/60
150
100
III 0.6/−/−
III 0.5/−/−
III 0.3/55/−
75
50
30
20
15
10
5
被写体の速度
A
A
A
C
A
A
C
B
B
計算間隔
2.5 m×2.5 m
2.5 m×2.5 m
−
5 m×5 m
2 m×1 m
2 m×1 m
5 m×5 m
5 m×2 m
5 m×2 m
測定間隔
5 m×5 m
5 m×5 m
−
10 m×10 m
4 m×2 m
4 m×2 m
10 m×10 m
10 m×4 m
10 m×4 m
基準面の高さ
水面
水面
運動競技者
氷面
氷面
氷面
滑走面
滑走面
滑走面
照度段階に示す数字及び数値は,その照度段階を推奨照度とする運動競技の区分,その区分で推奨するUoの下限値,GRL(GRの上限値),及びRaの下限値を示す。
“−”は規定がないことを示す。
5
Z
9
1
2
7
:
2
0
2
0
17
Z 9127:2020
表7−水泳・ウインタースポーツなどの照明要件(続き)
照度段階
(lx)
ボブスレー
リュージュ
ジャンプ
スキー・スノーボード競技
スキー・スノーボード場
アプローチ
カンテ,ランディングバーン
ブレーキング
トラック
アルペン,フリースタイル,
クロスカントリー
ゲレンデ
ラングラウフ
コース
屋外
屋外
屋外
屋外
3 000
2 000
1 500
1 000
750
500
300
I 0.7/−/60
I 0.5/50/60
200
II 0.5/−/60
I 0.5/50/60
II 0.4/50/60
III 0.3/50/−
I −/−/−
(空間)
II −/−/−
(空間)
I 0.5/50/60
150
100
II 0.4/50/60
II 0.4/50/60
I 0.5/50/60
75
50
III 0.3/−/−
III 0.3/50/−
III 0.3/50/−
II 0.3/50/60
I −/−/−
(空間)
30
20
III 0.2/50/−
II −/−/−
(空間)
III 0.2/55/−
15
10
III −/−/−
(空間)
III 0.1/55/−
5
被写体の速度
B
B
B
B
B
B
−
−
−
計算間隔
2.5 m×0.5 m
−
−
−
−
−
−
−
−
測定間隔
5 m×0.5 m
−
−
−
−
−
−
−
−
基準面の高さ
滑走面
滑走面
滑走面
運動競技者
滑走面
雪面
1 m
雪面
雪面
照度段階に示す数字及び数値は,その照度段階を推奨照度とする運動競技の区分,その区分で推奨するUoの下限値,GRL(GRの上限値),及びRaの下限値を示す。
“−”は規定がないことを示す。
5
Z
9
1
2
7
:
2
0
2
0
18
Z 9127:2020
表8−格闘技などの照明要件
照度段階
(lx)
ボクシング
相撲
剣道
フェンシング
柔道,武術,
空手,
テコンドー
レスリング
屋内
屋内
屋内
屋内
3 000
2 000
1 500
1 000
750
I 0.7/−/80
I 0.7/−/80
I 0.7/−/80
I 0.7/−/80
500
II 0.6/−/60
II 0.6/−/60
II 0.6/−/60
II 0.6/−/60
300
200
III 0.5/−/−
III 0.5/−/−
III 0.5/−/−
III 0.5/−/−
150
100
75
50
30
20
15
10
5
被写体の速度
C
C
B
B
計算間隔
1 m×1 m
1 m×1 m
1 m×1 m
1 m×1 m
測定間隔
2 m×2 m
2 m×2 m
2 m×2 m
2 m×2 m
基準面の高さ
リング/土俵
床面
床面
床面
照度段階に示す数字及び数値は,その照度段階を推奨照度とする運動競技の区
分,その区分で推奨するUoの下限値,GRL(GRの上限値),及びRaの下限値を
示す。“−”は規定がないことを示す。
5
Z
9
1
2
7
:
2
0
2
0
19
Z 9127:2020
附属書A
(参考)
平均照度の算出方法
A.1 照度計算点及び照度測定点の取扱い方
平均照度は,JIS C 7612に規定する平均照度の算出法によって求めることが望ましい。
照度計算点及び照度測定点が,設定した基準面と一致しない場合は,次のa)〜f)の方法によることが望
ましい。
a) 基準面内に含まれる照度計算点と基準面との距離が,dl/4を超える及びdw/4を超える場合は,その点
を内点として取り扱う[図A.1 a)を参照]。
b) 基準面内に含まれる照度計算点と基準面との距離が,dl/4以下又はdw/4以下の場合は,辺点として取
り扱う[図A.1 b)を参照]。
c) コーナ部において,基準面内に含まれる照度計算点と基準面との距離がdl/4以下及びdw/4以下の場合
は,隅点として取り扱う[図A.1 b)を参照]。
d) 基準面外の照度計算点と基準面との距離が,dl/4以下又はdw/4以下の場合は,辺点として取り扱う[図
A.1 c)を参照]。
e) コーナ部において,基準面外の照度計算点と基準面との距離が,dl/4以下及びdw/4以下の場合は,隅
点として取扱い,平均の計算に含める[図A.1 c)を参照]。
f)
基準面外の照度計算点と基準面との距離が,dl/4を超える又はdw/4を超える場合は,平均計算から除
外する[図A.1 d)を参照]。
a)
b)
図A.1−照度計算点及び照度測定点の取扱い方の説明図
20
Z 9127:2020
c)
d)
図A.1−照度計算点及び照度測定点の取扱い方の説明図(続き)
21
Z 9127:2020
附属書B
(参考)
照度測定方法
B.1
一般事項
この附属書で示した以外の照度測定の一般的事項は,JIS C 7612の規定によることが望ましい。また,
使用する照度計は,JIS C 1609-1に規定する一般形AA級又はこれと同等以上のものとする。
B.2
テニスコート
B.2.1 測定範囲
測定範囲は,テニスコートを中心とした16 m×36 mとする。
B.2.2 測定点
測定点の例を,図B.1に示す。
単位 m
図B.1−テニスコートの測定点の例
B.2.3 平均照度の計算
水平面の平均照度は,式(B.1)によって求める。
4
22
24
1
1
1
1
2
4
144
i
i
i
i
i
i
E
E
E
E
=
=
=
=
+
+
∑
∑
∑
□
△
〇 ·········································· (B.1)
ここに,
E: 水平面の平均照度(lx)
E□i: 隅点の照度(lx)
E△i: 辺点の照度(lx)
E○i: 内点の照度(lx)
22
Z 9127:2020
B.3
野球場
B.3.1 測定範囲
測定範囲は,内野の場合,ダイヤモンドを含むファウルラインの外側5 mから外野方向へ40 mまでの
正方形内とし,外野の場合,内野を除くその他の運動競技面全体とする(図B.2参照)。
B.3.2 平均照度の計算
水平面の平均照度は,式(B.2)及び式(B.3)によって求める。
4
28
49
1
1
1
1
2
4
256
i
i
i
i
i
i
E
E
E
E
=
=
=
=
+
+
∑
∑
∑
□
△
〇 ·········································· (B.2)
ここに,
E: 内野の平均照度(lx)
E□i: 隅点の照度(lx)
E△i: 辺点の照度(lx)
E○i: 内点の照度(lx)
1
1
n
i
i
E
E
n=
=∑
··········································································· (B.3)
ここに,
E: 外野の平均照度(lx)
Ei: 測定点の照度(lx)
n: 測定点の数
単位 m
図B.2−野球場の測定点の例
23
Z 9127:2020
B.4
陸上競技場
B.4.1 測定範囲
測定範囲は,運動競技面全体とする。
B.4.2 測定点
測定点の例を,図B.3に示す。
B.4.3 平均照度の計算
水平面の平均照度は,式(B.4)によって求める。
1
1
n
i
i
E
E
n=
=∑
··········································································· (B.4)
ここに,
E: 水平面の平均照度(lx)
Ei: 測定点の照度(lx)
n: 測定点の数
単位 m
図B.3−陸上競技場の測定点の例
B.5
ラグビー場及びサッカー場
B.5.1 測定範囲
測定範囲は,図B.4及び図B.5に示す範囲とする。
B.5.2 測定点
測定点の例を,図B.4及び図B.5に示す。
B.5.3 平均照度の計算
水平面の平均照度は,式(B.5)によって求める。
4
1
1
1
1
2
4
4
p
o
i
i
i
i
i
i
E
E
E
E
n
=
=
=
=
+
+
∑
∑
∑
□
△
〇
··········································· (B.5)
ここに,
E: 水平面の平均照度(lx)
24
Z 9127:2020
E□i: 隅点の照度(lx)
E△i: 辺点の照度(lx)
E○i: 内点の照度(lx)
o: 辺点の数
p: 内点の数
n: 分割線で囲まれたます目の数
単位 m
図B.4−ラグビー場の測定点の例
単位 m
図B.5−サッカー場の測定点の例
25
Z 9127:2020
B.6
ゲレンデ,ラングラウフコース及びジャンプ競技場
B.6.1 測定範囲
測定範囲は,図B.6〜図B.8に示す範囲とする。
B.6.2 測定点
測定点の例を,図B.6〜図B.8に示す。
B.6.3 平均照度の計算
ゲレンデ,ラングラウフコース及びジャンプ競技場の水平面の平均照度は,式(B.6)によって求める。
1
1
n
i
i
E
E
n=
=∑
··········································································· (B.6)
Ei: 測定点の照度(lx)
n: 測定点の数
単位 m
図B.6−ゲレンデの測定点の例
単位 m
図B.7−ラングラウフコースの測定点の例
26
Z 9127:2020
単位 m
図B.8−ジャンプ競技湯の測定点の例
B.7
アイススケート場
B.7.1 測定範囲
測定範囲は,図B.9及び図B.10に示す範囲とする。
B.7.2 測定点
測定点の例を,図B.9及び図B.10に示す。
B.7.3 平均照度の計算
アイススケート場の水平面の平均照度は,式(B.7)によって求める。
4
1
1
1
1
2
4
4
p
o
i
i
i
i
i
i
E
E
E
E
n
=
=
=
=
+
+
∑
∑
∑
□
△
〇
··········································· (B.7)
ここに,
E: 水平面の平均照度(lx)
E□i: 隅点の照度(lx)
E△i: 辺点の照度(lx)
E○i: 内点の照度(lx)
o: 辺点の数
p: 内点の数
n: 分割線で囲まれたます目の数
スピードスケートトラックの水平面の平均照度は,式(B.8)によって求める。
1
1
n
i
i
E
E
n=
=∑
··········································································· (B.8)
ここに,
E: 水平面の平均照度(lx)
Ei: 測定点の照度(lx)
n: 測定点の数
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Z 9127:2020
単位 m
図B.9−アイススケート場の測定点の例
単位 m
図B.10−スピードスケートトラックの測定点の例
B.8
屋内運動場
B.8.1 測定範囲
測定範囲は,図B.11に示す運動競技場の床面全体とする。
B.8.2 測定点
測定点の例を,図B.11に示す。
B.8.3 平均照度の計算
水平面の平均照度は,式(B.9)によって求める。
4
1
1
1
1
2
4
4
p
o
i
i
i
i
i
i
E
E
E
E
n
=
=
=
=
+
+
∑
∑
∑
□
△
〇
··········································· (B.9)
ここに,
E: 水平面の平均照度(lx)
E□i: 隅点の照度(lx)
E△i: 辺点の照度(lx)
E○i: 内点の照度(lx)
o: 辺点の数
p: 内点の数
n: 分割線で囲まれたます目の数
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Z 9127:2020
単位 m
図B.11−屋内運動場の測定点の例
B.9
水泳プール
B.9.1 測定範囲
測定範囲は,フェンス,壁又は観客席に囲まれたプールサイドを含むプール全体とする。
B.9.2 測定点
測定点の例を,図B.12に示す。
B.9.3 平均照度の計算
水平面の平均照度は,式(B.10)によって求める。
4
1
1
1
1
2
4
4
p
o
i
i
i
i
i
i
E
E
E
E
n
=
=
=
=
+
+
∑
∑
∑
□
△
〇
·········································· (B.10)
ここに,
E: 水平面の平均照度(lx)
E□i: 隅点の照度(lx)
E△i: 辺点の照度(lx)
E○i: 内点の照度(lx)
o: 辺点の数
p: 内点の数
n: 分割線で囲まれたます目の数
単位 m
図B.12−水泳プールの測定点の例
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Z 9127:2020
附属書C
(参考)
照明器具の配置及び取付け高さ
C.1 一般原理
C.1.1 照明器具の配置
照明器具の配置は,平均照度,照度均斉度及びグレアが適切な状態になるように決定することが望まし
い。特に,グレアは,競技中の運動競技者及び競技関係者の視線があらゆる方向を向くため,照明器具を
設置する限り,それが視線の中に入ることは避けられない。そこで,運動競技ごとの特性を考慮し,照明
器具が視線内に入る機会をできるだけ少なくするような位置を選んで,照明器具を配置する。また,球技
の場合は,ボールの動きを正確につかむ必要のある運動競技者が,その定位置及び動作中に,照明器具が
視線内に入らないように配置する。
屋内及び屋外運動競技施設で用いる照明器具の配置及びその特徴を,表C.1及び表C.2に示す。
表C.1−屋内運動競技施設で用いる照明器具の配置及びその特徴
照明方式
照明器具の配置
特徴
直接照明方式
分散配置
反射がさ又は投光器を1台ずつ天井全体
に分散配置する。
最も一般的な配置で,比較的低い照度で
も良好な均斉度を得やすい。
反射がさ又は投光器を複数個まとめて,
大型の装置として天井に分散配置する。
照度均斉度を良好に保ちながら,照度を
段階的に下げることができる。混光照明
に適する。照明器具数を少なくすること
ができる。
サイド配置 運動競技場の両サイドに,照明器具を列
状に配置する。
観客方向への鉛直面照度が得られやす
く,立体感も得やすい。一方,グレアが
生じやすい。壁際で保守ができる。
併用配置
分散配置のいずれかとサイド配置とを組
み合わせる。
テレビジョン撮影など,水平面及び鉛直
面の照度が高い値を必要とする場合に
最も適している。
全周配置
反射がさ又は投光器を,運動競技面の全
周に沿って天井に配置する
効率よく運動競技面を照明することが
できる。
間接照明方式
サイド配置 運動競技場の両サイドに,照明器具を列
状に配置し,斜め上方向を照射する。
天井面が拡散性に富み,かつ,反射率が
高い場合に適する。天井に照明器具を取
り付けられない場合に適する。壁際で保
守ができる。
30
Z 9127:2020
表C.2−屋外運動競技施設で用いる照明器具の配置及びその特徴
照明方式
照明器具の配置
特徴
直接照明方式
サイド配置 運動競技場の両サイドに,照明器具を配
置する。
最も一般的な配置で,運動競技者の主な
視線方向と照明器具の照射方向とが直交
するため,グレアが少ない。
照明器具の取付け高さを比較的低くする
ことができる。
コーナ配置 運動競技場のコーナ部に,照明器具を配
置する。
照明器具をコーナ部の4か所にまとめる
ことによって,建柱費用の削減を図るこ
とができる。
運動競技面中心から照明器具までの距離
が長くなるため,照明器具の取付け高さ
が高くなる。
全周配置
運動競技場の全周に,照明器具を配置す
る。
効率よく運動競技面を照明することがで
き,かつ,良好な照度分布を得やすい。
一般に,運動競技者の視野内に照明器具
が入りやすいため,特にグレアについて
配慮する必要がある。
C.1.2 照明器具の取付け高さ
照明器具の配置が適切であっても,取付け高さが低すぎる場合,隣接する二つの照明間が暗くなったり,
光源が運動競技者,競技関係者,観客などの視野内に入ってグレアを生じたり,ときには視対象物を見失
ったりすることがある。また,逆に取付け高さが高すぎる場合,水平面照度に対する空間照度の比率が小
さくなり,見え方が悪くなる。これを防ぐために照明器具の取付け高さを適切に定めて,グレアの低減及
び水平面照度と空間照度との調和を図る必要がある。
C.2 屋内運動競技施設における留意事項
C.2.1 分散配置
反射がさなどの照明器具を天井に分散配置する場合,照明器具の取付け間隔は,次の式(C.1)を満足する
ように定める(図C.1参照)。
S≦2H tan θ ············································································ (C.1)
ここに,
S: 照明器具の取付け間隔
H: 基準面と照明器具との距離
バレーボールなど高い運動競技面を使用する運動競技では,Hをネット上端と照明器具との距離とし,
空間照度を確保する必要がある。
31
Z 9127:2020
θは1/2照度角を示す。
図C.1−分散配置における照明器具の取付け間隔及び高さ
C.2.2 サイド配置
投光器などの照明器具をサイドに配置する場合,照明器具の取付け高さ(H)は,基準面中心又は端か
らの仰角(α)を大きくし,GRLを満足するように定める。一般に,サイド配置における照明器具の取付け
高さは,図C.2に示すように,運動競技面の端の床面から仰角αを30゜以上とする。ただし,観客席があ
る屋内プールは,水の反射によるグレアを避けるため,仰角を40゜以上とする。
図C.2−サイド配置における照明器具の取付け高さ
C.2.3 サイド配置及び分散配置の併用
サイド配置及び分散配置を併用する場合の照明器具の取付け高さは,C.2.1及びC.2.2を共に満足するこ
とが望ましい。
C.2.4 全周配置
全周配置における照明器具の配置は,図C.3に示すようにコースに沿って両側又は片側に配置するが,
この場合もGRLを満足するように取付け高さ及び照射方向を設定する。
32
Z 9127:2020
図C.3−照明器具の配置例
C.2.5 間接照明方式
間接照明方式の照明器具は,運動競技空間外に設置する。特にサイド配置では,人が容易に触れるおそ
れのない高さとする。
C.3 屋外運動競技施設における留意事項
C.3.1 サイド配置
サイド配置は,運動競技者の主な視線方向と照明器具の照射方向とが直交するので,グレアが少なく,
取付け高さを比較的低くできる利点があり,陸上競技場,兼用競技場(陸上競技,サッカー,ラグビーな
ど),テニスコートなどに適している。
照明器具の配置及び取付け高さは,GRLを満足し,かつ,照度均斉度及び空間照度が適切な状態になる
ようにする必要があり,一般に,図C.4及び図C.5に示すように配置する。照明器具は,陸上競技場及び
兼用競技場の場合,8か所に配置し,テニスコートの場合,4か所又は6か所に配置することが望ましい。
なお,陸上競技場及び兼用競技場の場合,運動競技面の中心線上に貴賓席,聖火台,国旗掲揚台柱など
を設置するとき,景観を考えて中心線上に照明器具を配置しないことが望ましい。
C.3.1.1 陸上競技場及び兼用競技場の照明器具の設置位置及び取付け高さ
陸上競技場及び兼用競技場等の照明器具の設置位置及び取付け高さは,一般に,図C.4を基に設定する。
また,取付け高さは,式(C.2)を満足するように設定する。
1
1
2
2
tan20°
tan30°
tan45°
tan75°
L
HL
L
HL
≦≦
かつ,
≦≦
················································ (C.2)
ここに,
L1: 運動競技面の中心線から最下段の照明器具までの水平
距離(m)
L2: 運動競技面の端から最下段の照明器具までの水平距離
(m)
H: 最下段の照明器具の取付け高さ(m)
33
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図C.4−サイド配置(陸上競技場及び兼用競技場)
C.3.1.2 テニスコートの照明器具の設置位置及び取付け高さ
テニスコートの照明器具の設置位置及び取付け高さは,一般に,図C.5,式(C.3)及び式(C.4)を基に設定
する。
なお,景観を重視する施設では,照明器具の取付け高さの低いデザインに配慮したテニスコート専用照
明器具が使用されることがある。テニスコート専用照明器具は,周辺への漏れ光を軽減できる特徴もある
ので周辺に民家の多い市街地等のテニスコートで用いられる傾向にある。
34
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単位 m
図C.5−サイド配置(テニスコート)
a) 運動競技の区分I及び区分IIの場合
H1≧7+L tan 25° ··································································· (C.3)
ここに,
H1: 運動競技の区分I及び区分IIの場合の,照明器具の最下
段の取付け高さ(m)。ただし,最低高さは12 mとする。
L: 運動競技面の中心線から最下段の照明器具までの水平
距離(m)
b) 運動競技の区分IIIの場合
H2≧3+L tan 25° ··································································· (C.4)
ここに,
H2: 運動競技の区分IIIの場合の,照明器具の最下段の取付
け高さ(m)。ただし,最低高さは8 mとする。
L: 運動競技面の中心線から最下段の照明器具までの水平
距離(m)
C.3.2 コーナ配置
コーナ配置は,照明塔が4基で済ませられるという利点があり,サッカー専用競技場などに用いる。一
般に,図C.6のように照明器具の配置及び取付け高さを設定する。この場合は,タッチライン付近の運動
競技者の空間照度を確保し,かつ,ゴールライン方向に移動する運動競技者及びコーナ・キックのときに
ゴールエリアにいる運動競技者に与えるグレアについて配慮する必要がある。また,照明器具は,図C.6
の斜線内に配置し,かつ,四つのコーナとも,運動競技面の対角線の延長上にできるだけ近い位置に配置
するのが望ましい。
35
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C.3.2.1 コーナ配置の照明器具の設置位置及び取付け高さ
コーナ配置の照明器具の設置位置及び取付け高さは,一般に,図C.6及び式(C.5)を基に設定する。
1
1
2
2
tan20°
tan30°
tan45°
tan70°
L
HL
L
HL
≦≦
かつ,
≦≦
················································ (C.5)
ここに,
L1: 運動競技面の中心線から最下段の照明器具までの水平
距離(m)
L2: 運動競技面の端から最下段の照明器具までの水平距離
(m)
H: 最下段の照明器具の取付け高さ(m)
図C.6−コーナ配置
C.3.3 全周配置
全周配置は,運動競技面の外周に照明器具を配置して運動競技面内の照明を行うもので,多目的で使用
するグラウンド,陸上競技場,野球場,屋外スピードスケートリンクなどで用いる。
照明器具の配置及び取付け高さはGRLを満足し,かつ,照度均斉度及び空間照度が適切な状態になるよ
うに設定するものとし,運動競技種目に応じて,運動競技者の視線の中に照明器具が入る機会をできるだ
け避ける必要がある。
全周配置の例として,野球場及び屋外スピードスケートリンクの場合を,図C.7及び図C.8に示す。
C.3.3.1 野球場の照明器具の設置位置及び取付け高さ
野球場の照明器具の設置位置及び取付け高さは,一般に,図C.7及び式(C.6)を基に設定する。
tan20°
tan30°
2
2
L
L
H
≦≦
·························································· (C.6)
ここに,
H: 最下段の照明器具の取付け高さ(m)
L: 照明器具の間隔(m)。ただし,Lは,各内外野の対角線
で結んだ長い方をとる。
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図C.7−全周配置(野球場)
C.3.3.2 屋外スピードスケートリンクの照明器具の設置位置及び取付け高さ
屋外スピードスケートリンクの照明器具の設置位置及び取付け高さは,一般に,図C.8及び式(C.7)を基
に設定する。
3
HL
S
H
≧
≦
················································································ (C.7)
ここに,
L: コース幅の内側から最下段の照明器具までの水平距離
(m)
H: 照明器具の取付け高さ(m)
S: 照明器具の取付け間隔(m)
図C.8−全周配置(屋外スピードスケートリンク)
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参考文献
JIS C 1609-1 照度計 第1部:一般計量器
[1] CIE 83:1989,Guide for the lighting of sports events for colour television and film systems, 2nd Edition
[2] CIE 112:1994,Glare evaluation system for use within outdoor sports and area lighting
[3] CIE 150:2003,Guide on the limitation of the effects of obtrusive light from outdoor lighting installations