Z 9104:2005
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本保安
用品協会(JSAA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの
申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS Z 9104には,次に示す附属書がある。
附属書1(参考)JIS Z 8210案内用図記号抜粋集
附属書2(参考)ISO 7010 図記号集
Z 9104:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 定義 ······························································································································ 1
4. 安全標識の色 ·················································································································· 2
5. 安全標識の種類 ··············································································································· 2
6. 安全標識のデザイン ········································································································· 3
6.1 安全標識のデザイン構成による種類··················································································· 3
6.2 使用する図記号 ············································································································· 3
6.3 使用する文字の書体 ······································································································· 3
6.4 矢印の形 ······················································································································ 4
6.5 安全標識の種類とデザイン ······························································································ 4
7. 安全マーキング ··············································································································· 4
8. 安全標識の大きさ ············································································································ 4
9. 外国語併記 ····················································································································· 5
附属書1(参考)JIS Z 8210案内用図記号抜粋集········································································ 10
附属書2(参考)ISO 7010 図記号集 ························································································ 12
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日本工業規格 JIS
Z 9104:2005
安全標識 ― 一般的事項
Safety signs - General specification
序文 この規格は,JIS Z 9101:2005(安全色及び安全標識−産業環境及び案内用安全標識のデザイン通則)
に基づき,国内で使用される安全標識及び安全マーキングのデザインに関する具体的な事項を示したもの
であり,通則として運用する。
1. 適用範囲 この規格は,人への危害及び財物への損害を与える事故・災害を防止し,事故・災害の発
生などの緊急時の場合に,救急救護,避難誘導,防火活動などの速やかな対応ができるように,安全に関
する警告,指示,情報などを視覚的に伝達表示する安全標識及び安全マーキングのデザインに関する一般
的事項について規定する。
なお,安全標識及び安全マーキングの使用は適切な作業指導及び予防策に取って代われるものではない。
備考 鉄道,道路,河川,海事,航空などの分野で法的規制の対象となっているものは,それに従う。
参考 附属書1にJIS Z 8210の案内用図記号の抜枠及び附属書2にISO 7010に規定する図記号を参
考として示す。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS Z 8210 案内用図記号
JIS Z 9101 安全色及び安全標識−産業環境及び案内用安全標識のデザイン通則
JIS Z 9103 安全色−一般的事項
JIS Z 9107 安全標識板
ISO 3864-3 Graphical symbols−Safety colours and safety signs−Part3:Design criteria for graphical symbols
used in safety signs
ISO 7010 Graphical symbols−Safety colous and safety signs−Safety signs used in workplaces and public
areas
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 9101及びJIS Z 9103によるほか,次による。
a) 組合せ標識 (combination sign) 標識の基本形,図記号及び補助標識を,適宜一つの台盤上に配置する
標識。
b) 図記号 (graphical symbol) 文字を用いることなくメッセージを伝達できる抽象図形,具象図形など。
c) イラストレーション 挿絵,漫画などの具象的絵画風の説明図。主として補助標識又は補助的表示板
に用いる。
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4. 安全標識の色 安全標識に用いる色は,JIS Z 9103の表3〜表6及び付図1,付図2による。
5. 安全標識の種類 安全標識の種類は,次による。
a) 安全標識の意味による種類
1) 禁止標識 危険な行動を禁止するために用いる。
2) 指示標識 作業に関する指示又は修理・故障の場合の表示に用いる。
3) 警告標識 危険な箇所及び行為の警告,安全義務を怠る行動又は不注意によって,危険が起こるお
それがあることに注意を促すために用いる。
4) 安全状態標識 安全・衛生意識の高揚,救護に関する情報提供,非常口,避難場所などの表示に用
いる。
5) 防火標識 火災の発生のおそれがある場所,引火又は発火のおそれがあるもの,及びその所在位置
並びに防火・消火の設備があるのを示すのに用いる。
6) 放射能標識 放射能による被爆のおそれがある場合に用いる。
7) 補助標識 標識の主要な目的を更に明確にするために,補助情報を提供する標識。方向を示す矢印
も含まれる。
b) 安全標識に使用する色材による種類 色材の種類は,次による。
1) 一般材料
2) 蛍光材料
3) 再帰性反射体
4) 透過色光(これを用いた標識を内照式安全標識という。)
5) りん光材料(これを用いた標識を蓄光安全標識という。) りん光材料による安全標識の例は付表2
に示す。
これらの安全標識に用いる色材の耐久性は,JIS Z 9107(安全標識板)による。
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6. 安全標識のデザイン
6.1
安全標識のデザイン構成による種類 安全標識のデザイン構成は,色及び幾何学的形状との組み合
わせによる基本形を基とし,次の種類とする。
a) 第一種標識 基本形+図記号による図記号標識とし,デザイン例を図1に示す。
図 1 第一種標識
b) 第二種標識 基本形+補助標識による組合せ標識とし,デザイン例を図2に示す。
(横形)
(縦形)
図 2 第ニ種標識
c) 第三種標識 基本形+図記号+補助標識による組合せ標識とし,デザイン例を図3に示す。
(横形)
(縦形)
図 3 第三種標識
6.2
使用する図記号 使用する図記号は,附属書1及び附属書2に示したJIS Z 8210,ISO 7010など既
に標準化されているものを参考にし,新しく作成する場合は,できる限り細部を省略した簡潔なデザイン
が望ましい。
なお,ISO 7010の新しい図記号の種類は,随時追加されている。
また,図記号を任意に作成する場合は,ISO 3864-3による。
6.3
使用する文字の書体 和文及び外国語ともに,ゴシック体を用いることが望ましい。
4
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6.4
矢印の形 使用する矢印の形などについては,JIS Z 8210及びISO 7010の図記号の例による。
6.5
安全標識の種類とデザイン 安全標識の種類,配色及び基本形は,付表1に示す例による。
7. 安全マーキング 安全マーキングのレイアウトは,次による。
色帯は,およそ45度の角度(図4〜図7を参照)に傾けた,等しい幅でなければならない。
a) 危険位置を警告する安全マーキングは,安全色の黄色と対比色の黒との組合せとし,図4に示す。
色の組合せ:安全色の黄色及び対比色の黒
図 4 危険位置を警告する安全マーキング
b) 禁止区域又は防火設備を表示する安全マーキングは,安全色の赤と対比色の白との組合せとし,図5
に示す。
色の組合せ:安全色の赤及び対比色の白
図 5 禁止区域又は防火設備を表示する安全マーキング
c) 指示を表示する安全マーキングは,安全色の青と対比色の白との組合せとし,図6に示す。
色の組合せ:安全色の青及び対比色の白
図 6 指示を表示する安全マーキング
d) 安全状態を表示する安全マーキングは,安全色の緑と対比色の白との組合せとし,図7に示す。
色の組合せ:安全色の緑及び対比色の白
図 7 安全状態を表示する安全マーキング
8. 安全標識の大きさ 安全標識の大きさは,その周辺区域で特別目に付きやすく,かつ,読みやすい大
きさでなければならない。また,図記号,イラストレーション,補助標識などの重要な細部が,確実に認
識できるものでなくてはならない。
なお,安全標識の大きさと視認距離との関係は,JIS Z 9101の10.に規定する関係式による。
備考 安全標識が確実に解釈できるための条件とは,標識の大きさだけでなく,十分な照明,安全標
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識の周辺にある他の視覚情報の量及びその標識周囲との対比である。
9. 外国語併記 安全標識には,日本語のほかに,その地域に合った外国語を併記することが望ましい(付
表1参照)。
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付表 1 安全標識の種類とそのデザイン
標識の種類
配色
基本形
図記号標識
第一種標識(例)
組合せ標識
第二種・第三種標識(例)
(1)禁止
標識
(基本形)
地色:白
円及び斜線:赤
(図記号)
図記号:黒
(補助標識)
テキスト:適切
な対比色又は適
切な安全色
地色及び組合せ
標識の台盤:適
切な対比色又は
安全色
円及び斜線
火気厳禁(1)
立入禁止(2)
(2)指示
標識
(基本形)
地色:青
(図記号)
図記号:白
(補助標識)
テキスト:適切
な対比色又は適
切な安全色
地色及び組合せ
標識の台盤:適
切な対比色又は
安全色
円
一般指示(3)
保護帽着用(4)
注(1) JIS Z 8210の6.2.3に規定されている。
(2) JIS Z 8210の6.2.7に規定されている。
(3) JIS Z 8210の6.4.1に規定されている。
(4) ISO 7010で審議中である。
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付表 1 安全標識の種類とそのデザイン(続き)
標識の種類
配色
基本形
図記号標識
第一種標識(例)
組合せ標識
第二種・第三種標識(例)
(3)警告
標識
(基本形)
地色:黄
三角形帯:黒
(図記号)
図記号:黒
(補助標識)
テキスト:適切
な対比色又は適
切な安全色
地色及び組合せ
標識の台盤:適
切な対比色又は
安全色
正三角形
一般注意(5)
感電注意(6)
(4)安全状
態標識
(基本形)
地色:緑
(図記号)
図記号:白
(補助標識)
テキスト:適切
な対比色又は適
切な安全色
地色及び組合せ
標識の台盤:適
切な対比色又は
安全色
正方形
長方形
救護所(7)
非常口(8)
注(5) JIS Z 8210の6.3.1に規定されている。
(6) JIS Z 8210の6.3.8に規定されている。
(7) ISO 7010のE 003に規定されている。
(8) 消防法に規定されている。
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付表 1 安全標識の種類とそのデザイン(続き)
標識の種類 配色
基本形
図記号標識
第一種標識(例)
組合せ標識
第二種・第三種標識(例)
(5)防火
標識
(基本形)
地色:赤
(図記号)
図記号:白
(補助標識)
テキスト:適切
な対比色又は適
切な安全色
地色及び組合せ
標識の台盤:適
切な対比色又は
安全色
正方形
長方形
消火器(9)
枠線のコーナーを丸く
しても良い。
非常ボタン(10)
枠線のコーナーを丸く
しても良い。
(6)放射能
標識
(基本形)
地色:黄
三角形帯:黒
(図記号)
図記号:黒又は
赤紫
(補助標識)
テキスト:適切
な対比色又は適
切な安全色
地色及び組合せ
標識の台盤:適
切な対比色又は
安全色
正三角形
放射能(11)
放射能(12)
注(9) JIS Z 8210の6.1.1に規定されている。
(10) JIS Z 8210の6.1.3に規定されている。
(11) ISO 7010のW 003に規定されている。
(12) 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律施行規則に規定されている。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付表 1 安全標識の種類とそのデザイン(続き)
標識の種類
配色
基本形
図記号標識
第一種標識(例)
組合せ標識
第二種・第三種標識(例)
(7)補助
標識
(基本形)
地色:白又は適
切な対比色及び
安全色
(補助標識)
テキスト:適切
な対比色又は適
切な安全色
地色及び組合せ
標識の台盤:適
切な対比色又は
安全色
正方形
長方形
(13)
(14)
注(13) 矢印が補助標識となる。
(14) 点線枠内の部分が補助標識となる。
付表 2 蓄光安全標識の例
明所(通常)
暗所(停電時)
避難口誘導標識
(壁面掲示型)
通路誘導標識
(床面設置型)
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Z 9104:2005
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附属書1(参考)JIS Z 8210案内用図記号抜粋集
この附属書(参考)は,JIS Z 8210の案内用図記号から抜枠したものであり,規定の一部ではない。
番号
6.1.1
番号 6.1.2
番号 6.1.3
番号 6.1.4
表示
事項
消火器
表示
事項
非常電話
表示
事項
非常ボタン
表示
事項
広域避難場所
番号 6.2.1
番号 6.2.2
番号
6.2.3
番号 6.2.4
表示
事項
一般禁止
表示
事項
禁煙
表示
事項
火気厳禁
表示
事項
進入禁止
番号 6.2.5
番号 6.2.6
番号 6.2.7
番号 6.2.8
表示
事項
駐車禁止
表示
事項
自転車乗入れ禁止 表示
事項
立入禁止
表示
事項
走るな/かけ込み禁止
番号 6.2.9
番号 6.2.10
番号
6.2.11
番号 6.2.12
表示
事項
さわるな
表示
事項
捨てるな
表示
事項
飲めない
表示
事項
携帯電話使用禁止
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号 6.2.13
番号 6.2.14
番号 6.2.15
番号 6.2.16
表示
事項
電子機器使用禁止
表示
事項
撮影禁止
表示
事項
フラッシュ撮影禁止 表示
事項
ベビーカー使用禁止
番号 6.2.17
番号 6.2.18
番号 6.3.1
番号 6.3.2
表示
事項
遊泳禁止
表示
事項
キャンプ禁止
表示
事項
一般的注意
表示
事項
障害物注意
番号 6.3.3
番号 6.3.4
番号 6.3.5
番号 6.3.6
表示
事項
上り段差注意
表示
事項
下り段差注意
表示
事項
滑面注意
表示
事項
転落注意
番号 6.3.7
番号 6.3.8
番号
6.4.9
表示
事項
天井に注意
表示
事項
感電注意
表示
事項
矢印
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Z 9104:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書2(参考)ISO 7010 図記号集
この附属書(参考)は,ISO 7010に規定する図記号だけを抜き出したもので,規定の一部ではない。
番号 E 001
番号 E 002
番号 E 003
番号 E 004
表示
事項
非常口(左向き)
表示
事項
非常口(右向き)
表示
事項
救護所
表示
事項
非常電話
番号 E 005
番号 E 006
番号 F 001
番号 F 002
表示
事項
安全方向矢印(90゜) 表示
事項
安全方向矢印(45゜)
表示
事項
消火器
表示
事項
消火ホース
番号 F 003
番号
F 004
番号 F 005
番号 F 006
表示
事項
消火はしご
表示
事項
消火用具置場
表示
事項
火災用非常ボタン 表示
事項
火災用非常電話
番号 M 001
番号 P 001
番号
P 002
番号 P 003
表示
事項
一般的指示
表示
事項
一般的禁止
表示
事項
禁煙
表示
事項
火気厳禁
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Z 9104:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号 P004
番号
P005
番号 P006
番号 P007
表示
事項
通り抜け禁止
表示
事項
飲料不可
表示
事項
作業車進入禁止
表示
事項
ペースメーカー装着者不可
番号 P008
番号 W001
番号
W002
番号 W003
表示
事項
金属類不可
表示
事項
一般注意
表示
事項
爆発物注意
表示
事項
放射能注意
番号 W004
番号 W005
番号 W006
番号 W007
表示
事項
レーザー注意
表示
事項
電磁波注意
表示
事項
高磁場注意
表示
事項
障害物注意
番号 W008
番号 W009
番号
W010
番号 W011
表示
事項
落下注意
表示
事項
バイオハザード注意
表示
事項
低温注意
表示
事項
スリップ注意
備考 新しい図記号は,ISO 7010の規定に従って作成し,随時追加中である。