Z 9098:2016
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲 ························································································································· 1
2 引用規格 ························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 避難誘導標識システム ······································································································· 3
4.1 目的及び提供方法 ·········································································································· 3
4.2 災害種別避難誘導標識システムに用いる図記号等 ································································· 3
4.3 適不適表示 ··················································································································· 5
4.4 組合せ式による記載例 ···································································································· 6
5 災害種別による避難誘導標識システム ·················································································· 7
6 一般······························································································································· 7
6.1 距離表示の記載 ············································································································· 7
6.2 振り仮名の併記 ············································································································· 7
6.3 外国語の併記 ················································································································ 7
6.4 文字書体 ······················································································································ 7
6.5 文字の色 ······················································································································ 7
6.6 追加情報の記載 ············································································································· 7
7 暗闇対策 ························································································································· 7
8 災害種別避難誘導標識システムに関する留意事項 ··································································· 7
9 修理,保守及び点検 ·········································································································· 7
附属書A(規定)洪水避難誘導標識システム ············································································· 8
附属書B(規定)内水氾濫避難誘導標識システム ······································································· 13
附属書C(規定)高潮避難誘導標識システム ············································································ 19
附属書D(規定)土石流避難誘導標識システム ········································································· 26
附属書E(規定)崖崩れ・地滑り避難誘導標識システム ······························································ 33
附属書F(規定)大規模な火事避難誘導標識システム ································································· 40
附属書G(参考)災害種別避難誘導標識システムに用いる方向矢印及び文字の大きさ ······················· 45
附属書H(参考)災害種別避難誘導標識システムの暗闇対策 ······················································· 47
附属書I(参考)災害種別避難誘導標識システムに関する留意事項 ················································ 49
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(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本
工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
Z 9098:2016
災害種別避難誘導標識システム
Hazard specific evacuation guidance sign system
序文
近年,地球規模で各種の巨大災害が発生しており,その規模は今後も大きくなると予測されている。我
が国においては,巨大災害対策の一環として,災害対策基本法に基づき地方自治体において避難対策を策
定している。2013年の災害対策基本法の一部改正において,“命を守るための避難場所”と“仮の生活の
場としての避難所”とに区別され,避難所を災害種別によっては避難場所として利用できるとされた。津
波については,2014年9月にJIS Z 9097(津波避難誘導標識システム)が制定された。その他の災害種別
についても同様な避難対策を整備する緊急性を考慮し,この規格を制定することとした。
なお,対応国際規格は,現時点で制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,洪水災害(洪水及び内水氾濫),土砂災害(土石流及び崖崩れ・地滑り),高潮,大規模な
火事などの災害の発生に備え,人々が安全な場所へ避難する際に利用する災害種別避難誘導標識システム
について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS Z 8210 案内用図記号
JIS Z 9097 津波避難誘導標識システム
JIS Z 9103 安全色−一般的事項
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
なお,標識に用いる場合には,必要に応じて平仮名で表記する。
3.1
避難誘導標識システム(evacuation guidance sign system)
災害が予想される地域において,その災害について日常的に情報として表記又は発信し,災害が発生し
たときに影響を受ける地域の人々に警告し,速やかに避難誘導させることを目的とする標識システム。
3.2
注意標識(warning signs)
災害が発生する危険のある地域を示すことを目的とする標識。
2
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3.3
避難情報標識(evacuation information signs)
避難に関連した情報を示すことを目的とする標識。
3.4
避難誘導標識(evacuation guidance signs)
災害が発生したときに人々を避難場所へ避難誘導することを目的とする標識。
3.5
避難場所標識(evacuation area signs)
避難場所を示すことを目的とする標識。
3.6
図記号(graphical symbols)
言語から独立して情報を伝える一つの意味をもつ,視覚的に知覚される図形(JIS Z 8210参照)。
3.7
補助標識(supplementary signs)
標識の主要な目的を更に明確にするために,補助情報を提供する標識。
3.8
暗闇対策(visible in the dark space)
夜間及び電源喪失による暗闇空間における標識の可視化を行う対策。
3.9
シームレスデザイン(seamless design)
避難誘導標識システムの配置に関し,安全な避難場所まで途切れることのない誘導設計。
3.10
組合せ式(combination type)
災害の種類に応じ注意図記号,災害種別一般図記号,避難場所図記号,避難所図記号及びそれらの固有
名詞を組み合わせて表示すること(図2及び図3の記載例参照)。避難誘導方向矢印,距離表示,海抜,水
かさ(嵩)表示なども加わることがある。
3.11
災害種別一般図記号(hazard specific general graphical symbols)
災害の種類を表した図記号。適切な避難場所,避難所などと組み合わせて表示する。
3.12
避難場所(evacuation area)
災害が発生した場合,又は発生するおそれがある場合に,円滑かつ迅速な避難のための立退きの確保を
図るための施設又は場所。
注記 市町村長が指定した政令で定める基準に適合する避難場所を“指定緊急避難場所”という。指
定緊急避難場所は,洪水,津波,その他の政令で定める異常な現象の種類ごとに指定される。
3.13
避難所(shelter)
避難のための立退きを行った居住者,滞在者及びその他の者を,避難のために必要な間滞在させるか,
又は自ら居住の場所を確保することが困難な被災した住民及びその他の被災者を,一時的に滞在させる施
設。
3
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注記 市町村長が指定した避難所を“指定避難所”という。指定緊急避難場所と指定避難所とは相互
に兼ねることができる。
3.14
洪水(flood from rivers)
河川の氾濫による浸水。
3.15
内水氾濫(flood from inland waters)
主に下水の処理能力を上回る降雨によって発生する堤内地の浸水。
3.16
高潮(storm surges)
低気圧の接近に伴う気圧低下によって生じる海水の吸上げ効果と,強風による吹寄せ効果とによって,
海面が異常に上昇する現象(又は海面が異常に上昇することによる浸水)。
3.17
土石流(debris flow)
大雨などによって山から石及び土砂が一気に下流へ押し流されること。
3.18
崖崩れ・地滑り(steep slope failure,landslide)
大雨,地震などによって斜面が崩れたり,滑ったりすること。
3.19
大規模な火事(fire disasters)
大規模で起こる火災。
4
避難誘導標識システム
4.1
目的及び提供方法
災害が発生したときに影響を受ける地域の人々に警告し,災害種別に応じた速やかな安全確保行動を誘
導するために避難誘導標識システムが必要である。
避難誘導標識システムには,注意標識,避難情報標識,避難誘導標識,避難場所標識を状況に応じてシ
ームレスデザインの考え方に基づき途切れることなく提供しなければならない。ただし,洪水,内水氾濫
及び大規模な火事については,注意標識はない。
4.2
災害種別避難誘導標識システムに用いる図記号等
災害種別避難誘導標識システムに用いる図記号等は,表1による。
4
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表1−災害種別避難誘導標識システムに用いる図記号等
災害種別
図記号
避難誘導標識
システム
災害種別
一般図記号
注意図記号
避難場所図記号
避難所図記号
洪水
JIS Z 8210-6.5.1
−
JIS Z 8210-6.1.4
JIS Z 8210-6.1.5
附属書A
内水氾濫
附属書B
高潮
b)
JIS Z 8210-6.5.3
JIS Z 8210-6.3.9
JIS Z 8210-6.1.6
JIS Z 8210-6.1.7
JIS Z 8210-6.1.5
附属書C c)
津波a)
JIS Z 9097
土石流
JIS Z 8210-6.5.2
JIS Z 8210-6.3.10
JIS Z 8210-6.1.4
JIS Z 8210-6.1.5
附属書D
崖崩れ・
地滑り
JIS Z 8210-6.5.4
JIS Z 8210-6.3.11
JIS Z 8210-6.1.4
JIS Z 8210-6.1.5
附属書E
大規模な火事
JIS Z 8210-6.5.5
−
JIS Z 8210-6.1.4
JIS Z 8210-6.1.5
附属書F
注a) 津波の避難誘導標識システムについては,JIS Z 9097を参照する。
b) 必要に応じてJIS Z 9097に用いてもよい。
c) 高潮の標識避難誘導システムは,JIS Z 9097に規定する津波の避難誘導標識システムを基とする。
5
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4.3
適不適表示
4.3.1
概要
避難場所は,避難者が災害の種類ごとに適切に選択する必要があることから,その避難場所がどの災害
に適しているか,又は適していないかを表示し,日頃からその適所への避難のイメージを避難訓練などを
通じ形成するようにする。また,一時的な訪問者も,適不適が明確に判断できるように配慮しなければな
らない。
4.3.2
適不適表示マーク
当該避難場所が適しているか適していないかを適不適表示マーク(“○”及び“×”)を用い表示するこ
ともできる。適不適表示マークを,表2に示す。
表2−適不適表示マーク
適不適表示マークa)
意味
色
この避難場所は,当該災害の種類の避難場所に
適していることを表す。
黒
マンセル値N1を使用する。
この避難場所は,当該災害の種類の避難場所に
適していないことを表す。
黒
マンセル値N1を使用する。
注a) 適不適表示マークは,災害種別一般図記号の上に重ねてはならない。また,表示が煩雑にならないように注
意する。
4.3.3
適不適表示マークの記載例
適不適表示マークの記載例を,図1に示す。
災害種別一般図記号の上部に補助表示を,災害種別一般図記号の下部に当該避難場所が適している場合は“○”を,
適していない場合は“×”を記載した例。
当該避難場所は,洪水,高潮及び大規模な火事には適しているが,津波,土石流及び崖崩れ・地滑りには適してい
ないことを示している。
図1−適不適表示マークの記載例
6
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4.4
組合せ式による記載例
4.4.1
避難誘導標識の記載例
避難誘導標識の代表的な記載例を,図2に示す。
a) 方向矢印,避難場所図記号及び災害種別
一般図記号(1種類)を組み合せた避難
誘導標識の記載例
b) 方向矢印,避難場所図記号及び災害種別
一般図記号(4種類)を組み合わせた避
難誘導標識の記載例
図2−避難誘導標識の組合せ式の記載例
4.4.2
避難場所標識の記載例
避難場所標識の代表的な記載例を,図3に示す。
避難場所図記号,災害種別一般図記号及び適不適表示マークを組み合わせた避難場所標識の記載例
図3−避難場所標識の組合せ式の記載例
7
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5
災害種別による避難誘導標識システム
災害種別による避難誘導標識システムは,附属書A〜附属書Fによる。
6
一般
6.1
距離表示の記載
距離表示の長さを表す単位は,“メートル(m)”を用いることが望ましい。
6.2
振り仮名の併記
記載する施設名(○○避難場所など)などには,振り仮名を併記することが望ましい。
6.3
外国語の併記
日本語に加え,対応英語などを併記することが望ましい。
6.4
文字書体
文字書体は,ゴシック体が望ましい。
文字書体の例及び文字の大きさを,附属書Gに示す。
6.5
文字の色
文字の色は,背景地が白の場合は黒とし,その他については,JIS Z 9103に規定するその意味に適した
色を用いることが望ましい。
6.6
追加情報の記載
標識の設置者,標識管理番号などの情報を,必要に応じて記載してもよい。
7
暗闇対策
災害が夜間に発生した場合の暗闇対策として,蓄光機能,再帰性反射機能,ソーラー電源機能などを備
えていることが望ましい。
注記 暗闇対策に用いる材料の仕様を,附属書Hに示す。
8
災害種別避難誘導標識システムに関する留意事項
災害種別避難誘導標識システムの設置間隔などについては,住民参加型のプロセスを経て,自治体など
によって決めることが望ましい。
災害種別避難誘導標識システムに関する留意事項を,附属書Iに示す。
9
修理,保守及び点検
災害種別避難誘導標識システムは,定期的に汚れを落として点検し,何らかの欠陥があった場合には,
対応措置をとることが望ましい。また,著しく損傷又は退色した標識は,取り替えることが望ましい。
その機能がもはや必要とされなくなった標識は,撤去することが望ましい。
8
Z 9098:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A
(規定)
洪水避難誘導標識システム
A.1 洪水避難誘導標識システムの目的及び提供方法
洪水が発生したときに影響を受ける地域の人々に警告し,速やかに避難誘導するために洪水避難誘導標
識システムが必要である。
洪水避難誘導標識システムは,避難情報標識,避難誘導標識及び避難場所標識をシームレスデザインの
考え方に基づき,途切れることなく提供しなければならない。
A.2 洪水避難誘導標識システムの構成
途切れることのない洪水避難誘導標識システムの概要を,図A.1に示す。
図A.1−洪水避難誘導標識システムの概要
避難経路を記載した避難
案内の標識など避難に関
連した情報を記載した標
識を必要に応じて設置す
る。
洪水避難場所まで避難誘
導標識を途切れることな
く設置する。
この場所又は建物が洪水
に対して安全な避難場所
であることを目につきや
すい場所に設置する。
避難情報標識
避難誘導標識
避難場所標識
9
Z 9098:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
A.3 洪水避難情報標識の記載内容
洪水避難情報標識には,次の項目を記載することが望ましい。
a) 避難場所の位置
b) 現在地(この部分に色彩を用いる場合は,赤で表示する。)
c) その他必要とされる防災・救急設備備品などの所在等
洪水避難情報標識の記載例を,図A.2に示す。
a) 洪水避難情報標識(避難案内の市街図)
b) 洪水避難情報標識(避難案内の近接図)
c) 洪水避難情報標識(想定・実績浸水深)
図A.2−洪水避難情報標識の記載例
10
Z 9098:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
A.4 洪水避難誘導標識の記載内容
洪水避難誘導標識には,避難方向を示す矢印図記号(JIS Z 8210の6.4.9“矢印”)(表G.1参照),避難
場所を表す図記号(JIS Z 8210の6.1.4“広域避難場所”など),並びに災害種別一般図記号(JIS Z 8210
の6.5.1“洪水/内水氾濫”)(表1及び図A.5参照)を記載する。また,当該避難場所が,その他の災害か
らの避難にも適している場合には,その災害種別一般図記号も記載する(図2参照)。
なお,洪水避難誘導標識に記載する補助表示は,避難場所の名称及び避難場所までの距離を記載し,外
国語(対応英語など)を併記することが望ましい。
洪水避難誘導標識の記載例を,図A.3に示す。
a) 例1
b) 例2
図A.3−洪水避難誘導標識の記載例
・方向矢印(必須)
・避難場所であることを記載(避難場所の名称記載例)
・外国語併記が望ましい(英語併記の例)
・その他の情報を記載してもよい。
・避難場所を表す図記号(必須)
・避難場所までの距離(方向矢印の直近に配置)
・災害種別一般図記号(必須)
当該避難場所に適した災害種類の図記号を記載
・避難場所を表す図記号(必須)
・方向矢印(必須)
・避難場所までの距離(方向矢印の直近に配置)
・災害種別一般図記号(必須)
当該避難場所に適した災害種類の図記号を記載
・避難場所であることを記載(避難場所の名称記載例)
・外国語併記が望ましい(英語併記の例)
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A.5 洪水避難場所標識の記載内容
洪水避難場所標識には,避難場所を表す図記号(JIS Z 8210の6.1.4“広域避難場所”など),災害種別
一般図記号(JIS Z 8210の6.5.1“洪水/内水氾濫”)(表1及び図A.5参照),並びに当該避難場所に適し
ているその他の災害の災害種別一般図記号を記載する(適不適表示を行う場合は,当該避難場所には適さ
ない災害種別一般図記号も記載する。)。
なお,洪水避難場所標識には,避難場所の名称を記載し,外国語(対応英語など)を併記することが望
ましい。また,適不適表示を行うことが望ましい。
注記 洪水避難場所標識には,海抜及び想定浸水深を記載してもよい。
洪水避難場所標識の記載例を,図A.4に示す。
図A.4−洪水避難場所標識の記載例
A.6 洪水避難誘導標識システムに用いる災害種別一般図記号
洪水避難誘導標識システムに用いる災害種別一般図記号は,JIS Z 8210の6.5.1“洪水/内水氾濫”(図
A.5参照)とする。
なお,洪水避難誘導標識システムに用いる災害種別一般図記号は,内水氾濫避難誘導標識システム(附
属書B参照)にも用いる。
図A.5−洪水避難誘導標識システム及び内水氾濫避難誘導標識システムに用いる災害種別一般図記号
・避難場所を表す図記号(必須)
・災害種別一般図記号(必須)
・適不適表示マーク(適しているものに“○”を,
不適には“×”を示す。)
・避難場所であることを記載(避難場所の名称
記載例)
・外国語併記が望ましい(英語併記の例)
12
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A.7 洪水標識の設置例
洪水標識の設置例を,図A.6に示す。
目につきやすい場所に自立式の標識を
設置した例。
a) 洪水避難情報標識の設置例
電柱の上部に過去の実績浸水深を,下部に
避難誘導標識を設置した例。
b) 洪水避難誘導標識の設置例1
電柱及び路面に標識を設置した例。
c) 洪水避難誘導標識の設置例2
建物の上部及びポール式の標識を設置した例。
d) 洪水避難誘導標識の設置例3
建物の上部に想定浸水深を,下部に避難
誘導標識を設置した例。
e) 洪水避難誘導標識の設置例4
目につきやすい避難場所の入り口近くに
自立式の標識を設置した例。
f) 洪水避難場所標識の設置例
図A.6−洪水標識の設置例
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附属書B
(規定)
内水氾濫避難誘導標識システム
B.1
内水氾濫避難誘導標識システムの目的及び提供方法
内水氾濫が発生したときに影響を受ける地域の人々に警告し,速やかに避難誘導するために内水氾濫避
難誘導標識システムが必要である。
内水氾濫避難誘導標識システムは,避難情報標識,避難誘導標識及び避難場所標識をシームレスデザイ
ンの考え方に基づき,途切れることなく提供しなければならない。
B.2
内水氾濫避難誘導標識システムの構成
途切れることのない内水氾濫避難誘導標識システムの概要を,図B.1に示す。
図B.1−内水氾濫避難誘導標識システムの概要
避難経路を記載した避難
案内の標識など避難に関
連した情報を記載した標
識を必要に応じて設置す
る。
内水氾濫避難誘導標識を
途切れることなく設置す
る。
この場所又は建物が内水
氾濫に対して安全な避難
場所であることを目につ
きやすい場所に設置する。
避難情報標識
避難誘導標識
避難場所標識
14
Z 9098:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
B.3
内水氾濫避難情報標識の記載内容
内水氾濫避難情報標識には,次の項目を記載することが望ましい。
a) 避難場所の位置
b) 現在地(この部分に色彩を用いる場合は,赤で表示する。)
c) その他必要とされる防災・救急設備備品などの所在等
内水氾濫避難情報標識の記載例を,図B.2に示す。
a) 内水氾濫避難情報標識(避難案内の市街図)
b) 内水氾濫避難情報標識(避難案内の近接図)
c) 内水氾濫避難情報標識(フロア案内)
図B.2−内水氾濫避難情報標識の記載例
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B.4
内水氾濫避難誘導標識の記載内容
内水氾濫避難誘導標識には,避難方向を示す矢印図記号(JIS Z 8210の6.4.9“矢印”),(表G.1参照)
避難場所を表す図記号(JIS Z 8210の6.1.4“広域避難場所”など),並びに災害種別一般図記号(JIS Z 8210
の6.5.1“洪水/内水氾濫”)(表1及び図A.5参照)を記載する。また,当該避難場所が,その他の災害か
らの避難にも適している場合には,その災害種別一般図記号も記載する(図2参照)。
なお,内水氾濫避難誘導標識に記載する補助表示は,避難場所の名称及び避難場所までの距離を記載し,
外国語(対応英語など)を併記することが望ましい。
内水氾濫避難誘導標識の記載例を,図B.3に示す。
a) 例1
b) 例2
図B.3−内水氾濫避難誘導標識の記載例
・方向矢印(必須)
・避難場所を表す図記号(必須)
・避難場所までの距離(方向矢印の直近に配置)
・災害種別一般図記号(必須)
当該避難場所に適した災害種類の図記号を記載
・避難場所であることを記載(避難場所の名称記載例)
・外国語併記が望ましい(英語併記の例)
・方向矢印(必須)
・避難場所までの距離(方向矢印の直近に配置)
・避難場所を表す図記号(必須)
・災害種別一般図記号(必須)
当該避難場所に適した災害種類の図記号を記載
・避難場所であることを記載(避難場所の名称記載例)
・外国語併記が望ましい(英語併記の例)
16
Z 9098:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
B.5
内水氾濫避難場所標識の記載内容
内水氾濫避難場所標識には,避難場所を表す図記号(JIS Z 8210の6.1.4“広域避難場所”など),災害
種別一般図記号(JIS Z 8210の6.5.1“洪水/内水氾濫”)(表1及び図A.5参照),並びに当該避難場所に
適しているその他の災害の災害種別一般図記号を記載する(適不適表示を行う場合は,当該避難場所には
適さない災害種別一般図記号も記載する。)。
なお,内水氾濫避難場所標識には,避難場所の名称を記載し,外国語(対応英語など)を併記すること
が望ましい。また,適不適表示を行うことが望ましい。
注記 内水氾濫避難場所標識には,海抜及び想定浸水深を記載してもよい。
内水氾濫避難場所標識の記載例を,図B.4に示す。
図B.4−内水氾濫避難場所標識の記載例
B.6
内水氾濫避難誘導標識システムに用いる災害種別一般図記号
内水氾濫避難誘導標識システムに用いる災害種別一般図記号は,JIS Z 8210の6.5.1“洪水/内水氾濫”
(図A.5参照)とする。
なお,内水氾濫避難誘導標識システムに用いる災害種別一般図記号は,洪水避難誘導標識システム(附
属書A参照)にも用いる。
・避難場所を表す図記号(必須)
・災害種別一般図記号(必須)
・適不適表示マーク(適しているものに“○”を,
不適には“×”を示す。)
・避難場所であることを記載(避難場所の名称記載
例)
・外国語併記が望ましい(英語併記の例)
17
Z 9098:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
B.7
内水氾濫標識の設置例
内水氾濫標識の設置例を,図B.5に示す。
目につきやすい場所に自立式の標識を設置した例。
a) 内水氾濫避難情報標識の設置例(屋外避難の場合)
壁面及び電柱に標識を設置した例。
b) 内水氾濫避難誘導標識の設置例
(屋外避難の場合)
目につきやすい避難場所の入り口近くに
自立式の標識を設置した例。
c) 内水氾濫避難場所標識の設置例
(屋外避難の場合)
図B.5−内水氾濫標識の設置例
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Z 9098:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目につきやすい場所に標識を設置した例。
d) 内水氾濫避難情報標識の設置例(屋内避難のフロア案内)
壁面及び床面に標識を設置した例。
e) 内水氾濫避難誘導標識の設置例
(屋内避難の場合)
柱に標識を設置した例。
f) 内水氾濫避難場所標識の設置例
(屋内避難の場合)
図B.5−内水氾濫標識の設置例(続き)
19
Z 9098:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書C
(規定)
高潮避難誘導標識システム
C.1 高潮避難誘導標識システムの目的及び提供方法
高潮が発生したときに影響を受ける地域の人々に警告し,速やかに避難誘導するために高潮避難誘導標
識システムが必要である。
高潮避難誘導標識システムは,注意標識,避難情報標識,避難誘導標識及び避難場所標識をシームレス
デザインの考え方に基づき,途切れることなく提供しなければならない。
なお,この附属書に規定する高潮避難誘導標識システムは,JIS Z 9097に規定する津波避難誘導標識シ
ステムに基づく。
C.2 高潮避難誘導標識システムの構成
途切れることのない高潮避難誘導標識システムの概要を,図C.1に示す。
図C.1−高潮避難誘導標識システムの概要
避難情報標識
避難誘導標識
避難場所標識
避難経路を記載した避難
案内の標識など避難に関
連した情報を記載した標
識を必要に応じて設置す
る。
高潮避難場所まで避難誘
導標識を途切れることな
く設置する。
この場所又は建物が高潮
に対して安全な避難場所
であることを目につきや
すい場所に設置する。
注意標識
高潮が発生
する危険の
ある地域に
高潮注意標
識を設置す
る。
20
Z 9098:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
C.3 高潮注意標識の記載内容
高潮注意標識の記載内容は,次による。
a) 高潮注意標識には,JIS Z 8210の6.3.9“津波注意(津波危険地帯)”の注意図記号(表1参照)を記
載する。
b) 高潮注意標識には,“高潮注意”などの補助表示を記載し,外国語(対応英語など)を併記することが
望ましい。
高潮注意標識の記載例を,図C.2に示す。
図C.2−高潮注意標識の記載例
・高潮注意の図記号(必須)
・高潮に注意することを記載(補助表示)
・英語併記の例
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Z 9098:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
C.4 高潮避難情報標識の記載内容
高潮避難情報標識には,次の項目を記載することが望ましい。
a) 避難場所の位置
b) 現在地(この部分に色彩を用いる場合は,赤で表示する。)
c) その他必要とされる防災・救急設備備品などの所在等
高潮避難情報標識の記載例を,図C.3に示す。
a) 高潮避難情報標識(避難案内の市街図)
b) 高潮避難情報標識(避難案内の近接図)
c) 高潮避難情報標識(想定・実績浸水深)
図C.3−高潮避難情報標識の記載例
22
Z 9098:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
C.5 高潮避難誘導標識の記載内容
高潮避難誘導標識には,避難方向を示す矢印図記号(JIS Z 8210の6.4.9“矢印”)(表G.1参照),避難
場所を表す図記号(JIS Z 8210の6.1.6“津波避難場所”,6.1.7“津波避難ビル”など),並びに災害種別一
般図記号(JIS Z 8210の6.5.3“津波/高潮”)(表1及び図C.7参照)を記載する。また,当該避難場所が,
その他の災害からの避難にも適している場合には,その災害種別一般図記号も記載する(図2参照)。
なお,高潮避難誘導標識に記載する補助表示は,避難場所の名称及び避難場所までの距離を記載し,外
国語(対応英語など)を併記することが望ましい。
高潮避難誘導標識の記載例を,図C.4に示す。
a) 例1
b) 例2
図C.4−高潮避難誘導標識の記載例
・方向矢印(必須)
・避難場所を表す図記号(必須)
津波避難場所図記号を用いた例(津波避難ビルの場合もある。)
・避難場所までの距離(方向矢印の直近に配置)
・災害種別一般図記号(必須)
当該避難場所に適した災害種類の図記号を記載
・避難場所であることを記載(避難場所の名称記載例)
・外国語併記が望ましい(英語併記の例)
・方向矢印(必須)
・避難場所までの距離(方向矢印の直近に配置)
・避難場所を表す図記号(必須)
津波避難場所図記号を用いた例(津波避難ビルの場合もある。)
・災害種別一般図記号(必須)
当該避難場所に適した災害種類の図記号を記載
・避難場所であることを記載(避難場所の名称記載例)
・外国語併記が望ましい(英語併記の例)
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Z 9098:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
C.6 高潮避難場所標識の記載内容
高潮避難場所標識には,避難場所を表す図記号(JIS Z 8210の6.1.6“津波避難場所”,6.1.7“津波避難
ビル”など),災害種別一般図記号(JIS Z 8210の6.5.3“津波/高潮”)(表1及び図C.7参照),並びに当
該避難場所に適しているその他の災害の災害種別一般図記号を記載する(適不適表示を行う場合は,当該
避難場所には適さない災害種別一般図記号も記載する。)。
なお,高潮避難場所標識には,避難場所の名称を記載し,外国語(対応英語など)を併記することが望
ましい。また,適不適表示を行うことが望ましい。
注記 高潮避難場所標識には,海抜及び想定浸水深を記載してもよい。
高潮避難場所標識の記載例を,図C.5に示す。
図C.5−高潮避難場所標識の記載例
C.7 高潮避難誘導標識システムに用いる図記号
C.7.1 高潮避難誘導標識システムに用いる注意図記号
高潮避難誘導標識システムに用いる注意図記号は,JIS Z 8210の6.3.9“津波注意(津波危険地帯)”(図
C.6参照)とする。
図C.6−高潮避難誘導標識システムに用いる注意図記号
・避難場所であることを記載(避難場所の名称記載例)
・外国語併記が望ましい(英語併記の例)
・避難場所を表す図記号(必須)
津波避難場所図記号を用いた例(津波避難ビルの場
合もある。)
・災害種別一般図記号(必須)
・適不適表示マーク(適しているものに“○”を,
不適には“×”を示す。)
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Z 9098:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
C.7.2 高潮避難誘導標識システムに用いる災害種別一般図記号
高潮避難誘導標識システムに用いる災害種別一般図記号は,JIS Z 8210の6.5.3“津波/高潮”(図C.7
参照)とする。
図C.7−高潮避難誘導標識システムに用いる災害種別一般図記号
25
Z 9098:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
C.8 高潮標識の設置例
高潮標識の設置例を,図C.8に示す。
海岸近くの浜辺にポール式の標識を
設置した例。
a) 高潮注意標識の設置例
目につきやすい場所に自立式の標識を
設置した例。
b) 高潮避難情報標識の設置例
海岸近くの散歩道に自立式の標識を
設置した例。
c) 高潮避難誘導標識の設置例1
海岸近くの場所にポール式を,建物の壁面に
標識を設置した例。
d) 高潮避難誘導標識の設置例2
堤防の内側に標識を設置した例。
e) 高潮避難誘導標識の設置例3
避難場所である建物の壁面に標識を
設置した例。
f) 高潮避難場所標識の設置例
図C.8−高潮標識の設置例
26
Z 9098:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書D
(規定)
土石流避難誘導標識システム
D.1 土石流避難誘導標識システムの目的及び提供方法
土石流が発生したときに影響を受ける地域の人々に警告し,速やかに避難誘導するために土石流避難誘
導標識システムが必要である。
土石流避難誘導標識システムは,注意標識,避難情報標識,避難誘導標識及び避難場所標識をシームレ
スデザインの考え方に基づき,途切れることなく提供しなければならない。
D.2 土石流避難誘導標識システムの構成
途切れることのない土石流避難誘導標識システムの概要を,図D.1に示す。
図D.1−土石流避難誘導標識システムの概要
避難情報標識
避難誘導標識
避難場所標識
避難経路を記載した避難
案内の標識など避難に関
連した情報を記載した標
識を必要に応じて設置す
る。
土石流避難場所まで避難
誘導標識を途切れること
なく設置する。
この場所又は建物が土石
流に対して安全な避難場
所であることを目につき
やすい場所に設置する。
注意標識
土石流が発
生する危険
のある地域
に土石流注
意標識を設
置する。
27
Z 9098:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
D.3 土石流注意標識の記載内容
土石流注意標識の記載内容は,次による。
a) 土石流注意標識には,JIS Z 8210の6.3.10“土石流注意”(表1及び図D.6参照)の注意図記号を記載
する。
b) 土石流注意標識には,“土石流注意”,“土砂災害警戒区域”などの補助表示を記載し,外国語(対応英
語など)を併記することが望ましい。
土石流注意標識の記載例を,図D.2に示す。
図D.2−土石流注意標識の記載例
・土石流注意の図記号(必須)
・土石流に注意することを記載(補助表示)
・土砂災害警戒区域であることを記載(補助表示)
(英語併記の例)
28
Z 9098:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
D.4 土石流避難情報標識の記載内容
土石流避難情報標識には,次の項目を記載することが望ましい。
a) 避難場所の位置
b) 現在地(この部分に色彩を用いる場合は,赤で表示する。)
c) その他必要とされる防災・救急設備備品などの所在等
土石流避難情報標識の記載例を,図D.3に示す。
a) 土石流避難情報標識(避難案内の市街図)
b) 土石流避難情報標識(避難案内の近接図)
図D.3−土石流避難情報標識の記載例
29
Z 9098:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
D.5 土石流避難誘導標識の記載内容
土石流避難誘導標識には,避難方向を示す矢印図記号(JIS Z 8210の6.4.9“矢印”)(表G.1参照),避
難場所を表す図記号(JIS Z 8210の6.1.4“広域避難場所”など),並びに災害種別一般図記号(JIS Z 8210
の6.5.2“土石流”)(表1及び図D.7参照)を記載する。また,当該避難場所が,その他の災害からの避難
にも適している場合には,その災害種別一般図記号も記載する(図2参照)。
なお,土石流避難誘導標識に記載する補助表示は,避難場所の名称及び避難場所までの距離を記載し,
外国語(対応英語など)を併記することが望ましい。
土石流避難誘導標識の記載例を,図D.4に示す。
a) 例1
b) 例2
図D.4−土石流避難誘導標識の記載例
・方向矢印(必須)
・避難場所を表す図記号(必須)
・避難場所までの距離(方向矢印の直近に配置)
・災害種別一般図記号(必須)
当該避難場所に適した災害種類の図記号を記載
・避難場所であることを記載(避難場所の名称記載例)
・外国語併記が望ましい(英語併記の例)
・方向矢印(必須)
・避難場所までの距離(方向矢印の直近に配置)
・避難場所を表す図記号(必須)
・災害種別一般図記号(必須)
当該避難場所に適した災害種類の図記号を記載
・避難場所であることを記載(避難場所の名称記載例)
・外国語併記が望ましい(英語併記の例)
30
Z 9098:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
D.6 土石流避難場所標識の記載内容
土石流避難場所標識には,避難場所を表す図記号(JIS Z 8210の6.1.4“広域避難場所”など),災害種
別一般図記号(JIS Z 8210の6.5.2“土石流”)(表1及び図D.7参照),並びに当該避難場所に適している
その他の災害の災害種別一般図記号を記載する(適不適表示を行う場合は,当該避難場所には適さない災
害種別一般図記号も記載する。)。
なお,土石流避難場所標識には,避難場所の名称を記載し,外国語(対応英語など)を併記することが
望ましい。また,適不適表示を行うことが望ましい。
土石流避難場所標識の記載例を,図D.5に示す。
図D.5−土石流避難場所標識の記載例
・避難場所を表す図記号(必須)
・災害種別一般図記号(必須)
・適不適表示マーク(適しているものに“○”を,
不適には“×”を示す。)
・避難場所であることを記載(避難場所の名称
記載例)
・外国語併記が望ましい(英語併記の例)
31
Z 9098:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
D.7 土石流避難誘導標識システムに用いる図記号
D.7.1 土石流避難誘導標識システムに用いる注意図記号
土石流避難誘導標識システムに用いる注意図記号は,JIS Z 8210の6.3.10“土石流注意”(図D.6参照)
とする。
図D.6−土石流避難誘導標識システムに用いる注意図記号
D.7.2 土石流避難誘導標識システムに用いる災害種別一般図記号
土石流避難誘導標識システムに用いる災害種別一般図記号は,JIS Z 8210の6.5.2“土石流”(図D.7参
照)とする。
図D.7−土石流避難誘導標識システムに用いる災害種別一般図記号
32
Z 9098:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
D.8 土石流標識の設置例
土石流標識の設置例を,図D.8に示す。
山裾の道路脇にポール式の標識を設置した例。
a) 土石流注意標識の設置例
目につきやすい場所に自立式の標識を設置した例。
b) 土石流避難情報標識の設置例
川に架かる橋の手前の道路にポール式の
標識を設置した例。
c) 土石流避難誘導標識の設置例1
山及び川に挟まれた付近にポール式の
標識(補助標識タイプ)を設置した例。
d) 土石流避難誘導標識の設置例2
川に沿った道路に自立式の標識を設置した例。
e) 土石流避難誘導標識の設置例3
避難場所の出入り口の柵に標識を設置した例。
f) 土石流避難場所標識の設置例
図D.8−土石流標識の設置例
33
Z 9098:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書E
(規定)
崖崩れ・地滑り避難誘導標識システム
E.1
崖崩れ・地滑り避難誘導標識システムの目的及び提供方法
崖崩れ・地滑りが発生したときに影響を受ける地域の人々に警告し,速やかに避難誘導するために崖崩
れ・地滑り避難誘導標識システムが必要である。
崖崩れ・地滑り避難誘導標識システムは,注意標識,避難情報標識,避難誘導標識及び避難場所標識を
シームレスデザインの考え方に基づき,途切れることなく提供しなければならない。
E.2
崖崩れ・地滑り避難誘導標識システムの構成
途切れることのない崖崩れ・地滑り避難誘導標識システムの概要を,図E.1に示す。
図E.1−崖崩れ・地滑り避難誘導標識システムの概要
避難情報標識
避難誘導標識
避難場所標識
避難経路を記載した避難
案内の標識など避難に関
連した情報を記載した標
識を必要に応じて設置す
る。
崖崩れ・地滑り避難場所ま
で避難誘導標識を途切れ
ることなく設置する。
この場所又は建物が崖崩
れ・地滑りに対して安全な
避難場所であることを目
につきやすい場所に設置
する。
注意標識
崖崩れ・地滑
りが発生す
る危険のあ
る地域に崖
崩れ・地滑り
注意標識を
設置する。
34
Z 9098:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
E.3
崖崩れ・地滑り注意標識の記載内容
崖崩れ・地滑り注意標識の記載内容は,次による。
a) 崖崩れ・地滑り注意標識には,JIS Z 8210の6.3.11“崖崩れ・地滑り注意”の注意図記号(表1及び
図E.6参照)を記載する。
b) 崖崩れ・地滑り注意標識には,“崖崩れ・地滑り注意”,“土砂災害警戒区域”などの補助表示を記載し,
外国語(対応英語など)を併記することが望ましい。
崖崩れ・地滑り注意標識の記載例を,図E.2に示す。
図E.2−崖崩れ・地滑り注意標識の記載例
・崖崩れ・地滑り注意の図記号(必須)
・崖崩れ・地滑りに注意することを記載(補助表示)
・土砂災害警戒区域であることを記載(補助表示)
(英語併記の例)
35
Z 9098:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
E.4
崖崩れ・地滑り避難情報標識の記載内容
崖崩れ・地滑り避難情報標識には,次の項目を記載することが望ましい。
a) 避難場所の位置
b) 現在地(この部分に色彩を用いる場合は,赤で表示する。)
c) その他必要とされる防災・救急設備備品などの所在等
崖崩れ・地滑り避難情報標識の記載例を,図E.3に示す。
a) 崖崩れ・地滑り避難情報標識(避難案内の市街図)
b) 崖崩れ・地滑り避難情報標識
(避難案内の近接図)
図E.3−崖崩れ・地滑り避難情報標識の記載例
36
Z 9098:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
E.5
崖崩れ・地滑り避難誘導標識の記載内容
崖崩れ・地滑り避難誘導標識には,避難方向を示す矢印図記号(JIS Z 8210の6.4.9“矢印”)(表G.1参
照),避難場所を表す図記号(JIS Z 8210の6.1.4“広域避難場所”など),並びに災害種別一般図記号(JIS
Z 8210の6.5.4“崖崩れ・地滑り”)(表1及び図E.7参照)を記載する。また,当該避難場所が,その他の
災害からの避難にも適している場合には,その災害種別一般図記号も記載する(図2参照)。
なお,崖崩れ・地滑り避難誘導標識に記載する補助表示は,避難場所の名称及び避難場所までの距離を
記載し,外国語(対応英語など)を併記することが望ましい。
崖崩れ・地滑り避難誘導標識の記載例を,図E.4に示す。
a) 例1
b) 例2
図E.4−崖崩れ・地滑り避難誘導標識の記載例
・方向矢印(必須)
・避難場所を表す図記号(必須)
・避難場所までの距離(方向矢印の直近に配置)
・災害種別一般図記号を記載(必須)
当該避難場所に適した災害種類の図記号を記載
・避難場所であることを記載(避難場所の名称記載例)
・外国語併記が望ましい(英語併記の例)
・避難場所を表す図記号(必須)
・方向矢印(必須)
・避難場所までの距離(方向矢印の直近に配置)
・災害種別一般図記号(必須)
当該避難場所に適した災害種類の図記号を記載
・避難場所であることを記載(避難場所の名称記載例)
・外国語併記が望ましい(英語併記の例)
37
Z 9098:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
E.6
崖崩れ・地滑り避難場所標識の記載内容
崖崩れ・地滑り避難場所標識には,避難場所を表す図記号(JIS Z 8210の6.1.4“広域避難場所”など),
災害種別一般図記号(JIS Z 8210の6.5.4“崖崩れ・地滑り”)(表1及び図E.7参照),並びに当該避難場
所に適しているその他の災害種別一般図記号を記載する(適不適表示を行う場合は,当該避難場所には適
さない災害種別一般図記号も記載する。)。
なお,崖崩れ・地滑り避難場所標識には,避難場所の名称を記載し,外国語(対応英語など)を併記す
ることが望ましい。また,適不適表示を行うことが望ましい。
崖崩れ・地滑り避難場所標識の記載例を,図E.5に示す。
図E.5−崖崩れ・地滑り避難場所標識の記載例
・避難場所を表す図記号(必須)
・災害種別一般図記号(必須)
・適不適表示マーク(適しているものに“○”を,
不適には“×”を示す。)
・避難場所であることを記載(避難場所の名称
記載例)
・外国語併記が望ましい(英語併記の例)
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
E.7
崖崩れ・地滑り避難誘導標識システムに用いる図記号
E.7.1 崖崩れ・地滑り避難誘導標識システムに用いる注意図記号
崖崩れ・地滑り避難誘導標識システムに用いる注意図記号は,JIS Z 8210の6.3.11“崖崩れ・地滑り注
意”(図E.6参照)とする。
図E.6−崖崩れ・地滑り避難誘導標識システムに用いる注意図記号
E.7.2 崖崩れ・地滑り避難誘導標識システムに用いる災害種別一般図記号
崖崩れ・地滑り避難誘導標識システムに用いる災害種別一般図記号は,JIS Z 8210の6.5.4“崖崩れ・地
滑り”(図E.7参照)とする。
図E.7−崖崩れ・地滑り避難誘導標識システムに用いる災害種別一般図記号
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Z 9098:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
E.8
崖崩れ・地滑り標識の設置例
崖崩れ・地滑りの設置例を,図E.8に示す。
住宅の裏山の急しゅん(峻)な崖の近辺に
ポール式の標識を設置した例。
a) 崖崩れ・地滑り注意標識の設置例
目につきやすい場所に自立式の標識を
設置した例。
b) 崖崩れ・地滑り避難情報標識の設置例
建物の壁面に標識を設置した例。
c) 崖崩れ・地滑り避難誘導標識の設置例1
分かれ道の地点にポール式の標識を設置した例。
d) 崖崩れ・地滑り避難誘導標識の設置例2
道路脇にポール式の標識を設置した例。
e) 崖崩れ・地滑り避難誘導標識の設置例3
避難場所の前に自立式の標識を設置した例。
f) 崖崩れ・地滑り避難場所標識の設置例
図E.8−崖崩れ・地滑り標識の設置例
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書F
(規定)
大規模な火事避難誘導標識システム
F.1
大規模な火事避難誘導標識システムの目的及び提供方法
大規模な火事が発生したときに影響を受ける地域の人々に警告し,速やかに避難誘導するために大規模
な火事避難誘導標識システムが必要である。
大規模な火事避難誘導標識システムは,避難情報標識,避難誘導標識及び避難場所標識をシームレスデ
ザインの考え方に基づき,途切れることなく提供しなければならない。
F.2
大規模な火事避難誘導標識システムの構成
途切れることのない大規模な火事避難誘導標識システムの概要を,図F.1に示す。
図F.1−大規模な火事避難誘導標識システムの概要
避難情報標識
避難誘導標識
避難場所標識
避難案内の標識
など避難に関連
した情報を記載
した標識を必要
に応じて設置す
る。
大規模な火事避難誘導標
識を途切れることなく設
置する。
この場所が大規模な火事
に対して安全な避難場所
であることを目につきや
すい場所に設置する。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
F.3
大規模な火事避難情報標識
大規模な火事避難情報標識には,次の項目を記載することが望ましい。
a) 避難場所の位置
b) 現在地(この部分に色彩を用いる場合は,赤で表示する。)
c) その他必要とされる防災・救急設備備品などの所在等
大規模な火事避難情報標識の記載例を,図F.2に示す。
a) 大規模な火事避難情報標識(避難案内の市街地図)
b) 大規模な火事避難情報標識
(避難案内の近接図)
c) 大規模な火事避難情報標識
(注意喚起)
図F.2−大規模な火事避難情報標識の記載例
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
F.4
大規模な火事避難誘導標識の記載内容
大規模な火事避難誘導標識には,避難方向を示す矢印図記号(JIS Z 8210の6.4.9“矢印”)(表G.1参照),
避難場所を表す図記号(JIS Z 8210の6.1.4“広域避難場所”など),並びに災害種別一般図記号(JIS Z 8210
の6.5.5“大規模な火事”)(表1及び図F.5参照)を記載する。また,当該避難場所が,その他の災害から
の避難にも適している場合には,その災害種別一般図記号も記載する(図2参照)。
なお,大規模な火事避難誘導標識に記載する補助表示は,避難場所の名称及び避難場所までの距離を記
載し,外国語(対応英語など)を併記することが望ましい。
大規模な火事避難誘導標識の記載例を,図F.3に示す。
a) 例1
b) 例2
図F.3−大規模な火事避難誘導標識の記載例
・方向矢印(必須)
・避難場所までの距離(方向矢印の直近に配置)
・避難場所を表す図記号(必須)
・避難場所であることを記載(避難場所の名称記載例)
・外国語併記が望ましい(英語併記の例)
・災害種別一般図記号(必須)
当該避難場所に適した災害種類の図記号を記載
・方向矢印(必須)
・避難場所までの距離(方向矢印の直近に配置)
・避難場所を表す図記号(必須)
・災害種別一般図記号(必須)
当該避難場所に適した災害種類の図記号を記載
・避難場所であることを記載(避難場所の名称記載例)
・外国語併記が望ましい(英語併記の例)
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Z 9098:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
F.5
大規模な火事避難場所標識の記載内容
大規模な火事避難場所標識には,避難場所を表す図記号(JIS Z 8210の6.1.4“広域避難場所”など),
災害種別一般図記号(JIS Z 8210の6.5.5“大規模な火事”)(表1及び図F.5参照),並びに当該避難場所に
適しているその他の災害の災害種別一般図記号を記載する(適不適表示を行う場合は,当該避難場所には
適さない災害種別一般図記号も記載する。)。
なお,大規模な火事避難場所標識には,避難場所の名称を記載し,外国語(対応英語など)を併記する
ことが望ましい。また,適不適表示を行うことが望ましい。
大規模な火事標識の記載例を,図F.4に示す。
図F.4−大規模な火事避難場所標識の記載例
F.6
大規模な火事避難誘導標識システムに用いる災害種別一般図記号
大規模な火事避難誘導標識システムに用いる災害種別一般図記号は,JIS Z 8210の6.5.5“大規模な火事”
(図F.5参照)とする。
図F.5−大規模な火事避難誘導標識システムに用いる災害種別一般図記号
・避難場所を表す図記号(必須)
・災害種別一般図記号(必須)
・適不適表示マーク(適しているものに“○”を,
不適には“×”を示す。)
・避難場所であることを記載(避難場所の名称記載例)
・外国語併記が望ましい(英語併記の例)
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Z 9098:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
F.7
大規模な火事標識の設置例
大規模な火事標識の設置例を,図F.6に示す。
目につきやすい場所に自立式の標識を
設置した例。
a) 大規模な火事避難情報標識の設置例
ビルの壁面及び路面に標識を設置した例。
b) 大規模な火事避難誘導標識の設置例1
電柱に標識を設置した例。
c) 大規模な火事避難誘導標識の設置例2
道路にポール式(補助標識つき)の標識を
設置した例。
d) 大規模な火事避難誘導標識の設置例3
フェンスに標識を設置した例。
e) 大規模な火事避難誘導標識の設置例4
河川敷の遊歩道に自立式及びポール式の
標識を設置した例。
f) 大規模な火事避難場所標識の設置例
図F.6−大規模な火事標識の設置例
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Z 9098:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書G
(参考)
災害種別避難誘導標識システムに用いる方向矢印及び文字の大きさ
G.1
災害種別避難誘導標識システムに用いる方向矢印
災害種別避難誘導標識システムに用いる方向矢印の形状を,表G.1に示す。
表G.1−災害種別避難誘導標識システムに用いる方向矢印の形状及び種類
矢印
の形状
方向
左方向
右方向
直進
斜め
斜め方向矢印については,右下,左下及び左上方向も可とする。
G.2
災害種別避難誘導標識システムに用いる図記号及び方向矢印の色
災害種別避難誘導標識システムに用いる図記号及び方向矢印の色を,表G.2に示す。
表G.2−災害種別避難誘導標識システムに用いる図記号及び方向矢印の色の色度座標
図記号の種類
色
①
②
③
④
三属性に
よる表示
(参考値)
x
y
x
y
x
y
x
y
注意
黄
0.545
0.454
0.494
0.426
0.444
0.476
0.481
0.518
2.5 Y 8/14
津波避難場所
津波避難ビル
避難場所
避難所
方向矢印
緑
0.201
0.776
0.285
0.441
0.170
0.364
0.026
0.399
10 G 4/10
災害種別一般
黒
0.385
0.355
0.300
0.270
0.260
0.310
0.345
0.395
N1
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Z 9098:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
G.3
文字書体及び文字の大きさ
G.3.1 文字書体
災害種別避難誘導標識システムに用いる文字書体は,ゴシック体が望ましい。文字書体の例を次に示す。
a) 標準書体
b) 中太書体
G.3.2 文字の大きさ
災害種別避難誘導標識システムに用いる標識の視認距離及び文字の大きさを,表G.3に示す。
表G.3−災害種別避難誘導標識システムに用いる標識の視認距離及び文字の大きさ
視認距離
和文文字高
英文文字高
40 mの場合
160 mm以上
120 mm以上
30 mの場合
120 mm以上
90 mm以上
20 mの場合
80 mm以上
60 mm以上
10 mの場合
40 mm以上
30 mm以上
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Z 9098:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書H
(参考)
災害種別避難誘導標識システムの暗闇対策
H.1 暗闇対策
一般災害に対しては,既に暗闇空間における誘導標識の一環として,非常口サインと一体化し,かつ,
建築構造物内での安全誘導を目的として制定されたJIS Z 9095の普及が,既に始まっている。
災害種別避難誘導標識システムは,それらの運用環境に適合させることを念頭において選定することが
望ましい。暗闇空間においては,次の要素を考慮するのがよい。
− 全ての電源が喪失した場合の対応策を取り入れることが望ましい。
− 表示部分の耐久性
− 色及び耐候性
− 人の往来を想定した視覚的配慮:足元歩道上,壁沿いの連続的設置(JIS Z 9095参照)
− 歩道付近又は歩道に施工した場合の耐久性
設置する標識は,予期される環境条件に適合することが望ましい。設置者及び設計者はこれらの点につ
いて,製造業者が発行する材料証明書,材料使用承認願などで確認することが望ましい。
H.2 暗闇対策に用いる材料の仕様
H.2.1 蓄光材料
H.2.1.1 蓄光部分が占める面積
標識全体に占める蓄光部分の面積について,標識全体を蓄光機能にするのが理想ではあるが,様々な理
由によって困難な場合には,少なくとも図記号部分及び方向矢印部分が蓄光機能によって視認できること
が望ましい。
H.2.1.2 蓄光材料の性能及び試験方法
H.2.1.2.1 色
H.2.1.2.1.1 蓄光材料の昼間の色
蓄光材料の昼間の色は,H.2.1.2.1.2によって試験したとき,表H.1に示す色度座標の範囲に適合しなけ
ればならない。
表H.1−蓄光材料の昼間の色の色度座標の範囲
色
色度座標の範囲
①
②
③
④
x
y
x
y
x
y
x
y
黄みの白
0.310
0.340
0.310
0.480
0.420
0.480
0.340
0.370
注記 色度座標の範囲は,ISO 3864-4によった。
H.2.1.2.1.2 色の試験
色の試験は,JIS Z 9101の11.1(条件)又はJIS Z 9103の6.(色の指定)によって行う。
H.2.1.2.2 蓄光材料のりん光輝度
蓄光材料のりん光輝度は,H.2.1.2.2.1によって試験したとき,表H.2を参考に設置場所に適した区分の
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ものを選択することが望ましい。
表H.2−蓄光材料のりん光輝度
区分
励起停止後,720分後のりん光輝度
I類
3 mcd/m2以上10 mcd/m2未満
II類
10 mcd/m2以上
参考までに蓄光式災害避難誘導標識に用いる図記号の大きさは,幅18 mの2車線道路における交差点
において,対角距離の視認性を考慮するとI類の場合は,600 mm×600 mm+600 mm×600 mm(図記号+
矢印),II類の場合は,300 mm×300 mm+300 mm×300 mm(図記号+矢印)が目安となる。
なお,視認性については,上記目安を参考にした上で実際の設置場所において受渡当事者間で確認する
ことが望ましい。
H.2.1.2.2.1 蓄光材料のりん光輝度試験
蓄光材料のりん光輝度試験は,試験見本をJIS Z 8703に規定する温度23±2 ℃,相対湿度(50±5)%
の暗室に48時間以上外光を遮断した状態で保管する。
その後,JIS Z 8902に規定するキセノンランプを用い,紫外線強度(測定波長域360〜480 nm)400 μW/cm2
で60分間照射し,照射を止めた後,20分,60分,120分及び720分後のりん光輝度の測定を行う。
注記 性能は,励起停止後720分後の輝度が表H.2の値以上となっているが,試験報告書には20分,
60分及び120分の数値も併せて記入することが望ましい。
H.2.1.2.3 その他の性能
耐候性,耐水性,その他の性能については,JIS Z 9096の性能基準などを参考に設置場所に適した性能
を選択することが望ましい。また,金属製標識の耐食性については,JIS Z 9107の5.3.1(屋外用金属製安
全標識の耐食性)によることが望ましい。
H.2.1.2.4 点検及び保守
点検及び保守は,比較用の照合見本を用いて目視検査及び洗浄を行うことが望ましい。
設置場所においてりん光輝度の測定を行い,一定の数値を下回る場合は,取り替えることが望ましい。
保守は随時行い,点検については法規で定められているものはそれに従い,定められていない場合につ
いては,1年に1回以上実施することが望ましい。
H.2.2 再帰性反射材料
再帰性反射材料の性能及び試験方法については,JIS Z 9117を参考に設置場所に適した性能を選択する
ことが望ましい。
H.2.3 ソーラー電源灯付き標識
ソーラー電源灯付き標識については,不日照点灯期間,耐候性,耐久性など設置場所に適し,緊急時に
も機能する十分な性能を選択し,蓄電池の交換など電気特性に応じた機能保全のための継続的な保守点検
などに十分留意する必要がある。
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附属書I
(参考)
災害種別避難誘導標識システムに関する留意事項
I.1
一般的推奨事項
災害種別避難誘導標識システムを設置する場合は,次の原則を適用することが望ましい。
a) 正常な視野の範囲内で目立つ場所に設定する。
b) 周辺環境の中で際立たせる。
c) 施設全体を通じて同一の高さで設置する。
d) 標識自体が危険要因とならないような場所に設置する。
e) 標識がよく見え判読できるよう配慮する。また,夜間の視認性にも配慮する。
可能な場合,標識の前のスペースは空いているのが望ましい。これは視力矯正レンズを持参してい
ない人又は視覚障害をもつ人が標識を見ようと近付く際の妨げにならないためである。
f)
設置環境が積雪地帯の場合,又は雨水が標識の設置環境を著しく変化する場所において,蓄光材料の
路面標識が当初の機能・効果を発揮できなくなる場合がある。その場合は,立面設置も考慮する。
I.2
設置間隔
災害種別避難誘導標識システムにとって設置間隔は重要な要素である。標識の設置間隔は,海岸,河川
などから目的とする避難施設まで適切な役目をもつそれぞれの標識を適切な間隔で途切れることなく設置
しなければならない。
特に分岐点となる交差点などには,避難方向を示す方向矢印及び避難場所を表す図記号を用いた標識を
適切な方法で設置しなければならない。
また,標識の設置間隔が長くなると避難者が不安になることが想定されることから設置間隔には十分配
慮する必要がある。
I.3
耐久性及び適合性
災害種別避難誘導標識システムは,設置環境に適合させることを念頭において選定することが望ましい。
また,次の要素を考慮するのがよい。
− 基板材の耐久性
− 表示部分の耐久性
− 色及び耐光性
− 人の往来又は清掃による損傷に対する耐性
− 耐水性
− 海水のしぶきなどに起因する腐食に対する耐性
− 貼り紙及び落書きに対する耐性
− 耐燃性
− 附属品の種類又はそれらの適合性
− 耐風圧性
設置する標識は,予期される環境条件に適合することが望ましい。設置者及び設計者はこれらの点につ
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
いて,納入業者が発行する材料証明書,材料使用承認願などで確認することが望ましい。
参考文献 JIS Z 8703 試験場所の標準状態
JIS Z 8902 キセノン標準白色光源
JIS Z 9095 安全標識−避難誘導システム(SWGS)−蓄光式
JIS Z 9096 床面に設置する蓄光式の安全標識及び誘導ライン
JIS Z 9101 安全色及び安全標識−産業環境及び案内用安全標識のデザイン通則
JIS Z 9107 安全標識−性能の分類,性能基準及び試験方法
JIS Z 9117 再帰性反射材
ISO 3864-4,Graphical symbols−Safety colours and safety signs−Part 4: Colorimetric and photometric
properties of safety sign materials