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Z 9095:2011  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 蓄光式SWGSの計画 ········································································································ 3 

4.1 一般 ···························································································································· 3 

4.2 構成要素の選択 ············································································································· 4 

5 蓄光式SWGSに関する基本原則 ·························································································· 4 

5.1 設計目標 ······················································································································ 4 

5.2 非常口の図記号及び矢印の首尾一貫した明確な使用 ······························································ 6 

5.3 様々な視覚的な要素を用いたレイアウトの諸原則 ································································· 8 

6 蓄光式の安全標識,誘導ラインなどに固有の要求事項 ···························································· 10 

6.1 一般 ··························································································································· 10 

6.2 蓄光式の安全標識,誘導ラインなど·················································································· 10 

6.3 蓄光式の安全標識,誘導ラインなどのりん光輝度 ································································ 11 

6.4 低い設置場所の蓄光式の誘導ラインの幅············································································ 12 

6.5 照明の要求事項 ············································································································ 12 

6.6 照度及びりん光輝度の検証 ····························································································· 13 

6.7 文書化及び業務日誌 ······································································································ 13 

6.8 点検及び保守 ··············································································································· 13 

附属書A(参考)蓄光式SWGSのレイアウトの事例 ·································································· 14 

附属書B(規定)照度計(特定計量器)を用いたりん光輝度の測定方法 ········································· 22 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 23 

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(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本保安用品協会(JSAA)及び財

団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日

本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

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日本工業規格          JIS 

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安全標識−避難誘導システム(SWGS)−蓄光式 

Graphical symbols-Safety signs- 

Safety way guidance systems (SWGS)-Phosphorescence type 

序文 

この規格は,2004年に第1版として発行されたISO 16069を基に,我が国の実情を勘案し,技術的内容

を変更して作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

それらの変更事項,理由説明などの一覧表を,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,不特定多数の人が出入りするデパート,ホテル,スーパーなどの商業施設,事務所,工場

などの業務施設,娯楽施設,地下施設のある建造物,連絡通路を含む地下駅舎,地下街などの建物内の照

明及び誘導灯が停電などで使用できなくなったとき,その建物からの避難を容易にするために設置する蓄

光式の避難誘導システム(以下,蓄光式SWGSという。)について規定する。蓄光式SWGSに用いる蓄光

式の安全標識,誘導ラインなどは,誘導灯及び誘導標識に代わって設置されるものではなく,誘導灯及び

誘導標識に追加して設置されるものである。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 16069:2004,Graphical symbols−Safety signs−Safety way guidance systems (SWGS)(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 1609-2 照度計−第2部:取引又は証明用 

JIS Z 8210 案内用図記号 

JIS Z 8716 表面色の比較に用いる常用光源蛍光ランプD65−形式及び性能 

JIS Z 9101 安全色及び安全標識−産業環境及び案内用安全標識のデザイン通則 

注記 対応国際規格:ISO 3864-1,Graphical symbols−Safety colours and safety signs−Part 1: Design 

principles for safety signs in workplaces and public areas(IDT) 

JIS Z 9103 安全色−一般的事項 

JIS Z 9107 安全標識−性能の分類,性能基準及び試験方法 

ISO 7010,Graphical symbols−Safety colours and safety signs−Safety signs used in workplaces and public 

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areas 

ISO 17724,Graphical symbols−Vocabulary 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 9101及びISO 17724によるほか,次による。 

注記 ISO 16069(アルファベット順)とは,配列が異なる。 

3.1 

安全標識 (safety sign) 

安全色と幾何学的形状とを組み合わせた基本形によって,一般的な安全のメッセージを伝え,図記号を

加えることによって,特定の安全のメッセージを伝える標識(JIS Z 9101参照)。 

3.2 

マーキング (marking) 

建物の一部に取り付けた蓄光材料によって,建物の特定の一部又は機器を目立たせ明確にする方法。 

3.3 

補助標識 (supplementary sign) 

標識の主要な目的を更に明確にするために,補助情報を提供する標識(JIS Z 9101参照)。 

3.4 

蓄光 (phosphorescence) 

中間エネルギー準位にエネルギーが蓄積されることによる,遅延したフォトルミネセンス。 

注記 一般には,光励起停止後,10分間以上持続するルミネセンスを蓄光ということもある。 

3.5 

避難誘導システム,SWGS (safety way guidance system, SWGS) 

緊急事態のときに人々が現在の場所から指定された避難路を通って避難できるように,視覚的な要素,

図記号,マーキングなどを分かりやすく組み合わせて,曖昧でない情報及び十分な視覚的な要素を目立つ

ように提供するシステム(ISO 17724参照)。 

注記 避難誘導システムに使用される蓄光材料を用いた安全標識を,蓄光式の安全標識という。 

3.6 

誘導ライン (guidance line) 

蓄光式SWGSにおいて安全標識などとともに使用される非常に目立つラインで,避難路を明確に示すた

めに引かれるライン(ISO 17724参照)。 

3.7 

集合場所 (assembly area) 

人々が(緊急時に)通常の場所から集まることを予想して指定した安全地域(ISO 17724参照)。 

3.8 

行き止まりの廊下 (dead end corridor) 

避難路が一つしかない廊下又はその一部(ISO 17724参照)。 

3.9 

距離係数,Z (factor of distance, Z ) 

標識の視認距離を判定するのに使われる標識の高さ (h) 及び視認距離 (l) の関係式で用いる係数(JIS Z 

9101参照)。 

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Z

l

h=

3.10 

高い設置場所 (high location) 

蓄光式の安全標識,誘導ラインなどを天井の位置又は床上1.8 m以上に設置する場所(ISO 17724参照)。 

3.11 

中間的な設置場所 (intermediate location) 

蓄光式の安全標識,誘導ラインなどを低く設置する場所と高く設置する場所との中間,特に目の高さに

設置する場所(ISO 17724参照)。 

3.12 

低い設置場所 (low location) 

蓄光式の安全標識,誘導ラインなどを床のレベル又は床のレベルから僅かに高い位置に設置する場所

(ISO 17724参照)。 

3.13 

視認距離,l  (observation distance, l ) 

標識を読み取ることができ,はっきりと視認できる最長の距離(ISO 17724参照)。 

3.14 

使用時間 (period of use) 

蓄光式SWGSが機能すると予想される時間(ISO 17724参照)。 

3.15 

段鼻 (stair nosing) 

階段の蹴込み(けこみ)及び踏み面(ふみづら)の接合する角(JIS L 0212-1の番号7170参照)。 

注記 “だんばな”と読む。 

蓄光式SWGSの計画 

4.1 

一般 

蓄光式SWGSは,複雑なものでは様々な要素を組み込むことができる。適切な設計を決めるために計画

の段階で色々な段取りを踏まなければならない。 

蓄光式SWGS(の計画)では,次の諸要素を考慮に入れる。 

− 避難路を利用すると思われる人数の予想 

− 建物にいる人々の人口統計学的特性 

− 建物で行われている活動の種類 

− 避難の開始で予想される遅延時間 

− 建物の種類,規模,占有状況及び立地場所 

− 避難路の複雑さ並びに方向転換及び階数での混乱の可能性 

− 遭遇する可能性のある具体的な危険性 

− 避難路の使用が必要となる危険性の具体的な状況 

− 間取り図のような既存の緊急避難路の特徴 

− 拡散した又は層状になった煙,障害物の有無,人々が群がる状況など,具体的な危険性の状況におけ

る避難を支援するために蓄光式SWGSの各種要素を組み合わせる可能性 

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注記 りん光輝度が高ければ,煙の中でも視覚的な要素の視認距離は長くなる。 

4.2 

構成要素の選択 

蓄光式SWGSに用いる蓄光式の安全標識,誘導ラインなどの最終的な選択は,次の要因によって影響を

受けなければならない。 

− 蓄光式SWGSの主要な視覚的な要素である高い設置場所と低い設置場所との双方の必要性 

注記1 蓄光式SWGSに用いる蓄光式の安全標識,誘導ラインなどは,りん光輝度とのコントラス

ト及びサイズを大きくしたほうがよく目立ち,標識及び情報は視認距離の範囲内で直接見

えるほうが読みやすく理解しやすくなる。 

− この規格で規定する要素のためのりん光輝度の下限値の特性及びサイズ 

注記2 どのような状況でも,目立ち加減,認識の可能性及び読みやすさは,サイズ,りん光輝度

及び要素の設置頻度が多くなるほど強化される。 

− 蓄光式SWGSとしての機能を果たすために,蓄光式の安全標識,誘導ラインなどに当てるべき光源の

必要性 

− 蓄光式の安全標識,誘導ラインなどの場合は,光源が故障した後,又は照明用の電力供給が故障した

後,暗い状況の中で低い設置場所及び中間的な設置場所の蓄光式の安全標識,誘導ラインなどを使用

時間中視認できるための最低の要求事項の必要性 

この規格に基づく蓄光式SWGSは,通常予想される避難時間を大幅に上回る60分以上機能することが

望ましい。ほとんどの建物の場合に,蓄光式SWGSは緊急避難路の照明の持続時間に関する要求事項など

で使用時間より長い間対応できるようにすることができる。 

蓄光式SWGSに関する基本原則 

5.1 

設計目標 

5.1.1 

一般 

蓄光式SWGSは,人々が建物内のどこからでも秩序立って集合場所へ避難できるように,首尾一貫した

明瞭な情報を提供しなければならない。 

蓄光式SWGSの一部として,箇条5及び箇条6に規定する避難誘導情報を伝達するために色々な要素を

組み込むことができる。 

注記 蓄光式SWGSは,建物全体に設置されることを意図しているが,リスク分析に基づいて避難路

の一定の地点に限定することもできる。 

5.1.2 

連続性 

蓄光式SWGSに用いる蓄光式の安全標識,誘導ラインなどは,可能な限り人々の占有する場所から集合

場所まで連続的かつ途切れずに配置しなければならない。誘導ラインは,建物内から避難路の最終地点ま

で視覚的に連続した目立つラインを引くために用いるものとし,避難路の境界線と完全に一致させなけれ

ばならない。 

5.1.3 

視覚的強化 

蓄光式の安全標識及び矢印は,首尾一貫した連続性のある情報を提供するのに十分な間隔で設置する。

高い設置場所,中間的な設置場所及び低い設置場所における矢印の表示頻度及び視覚的強化は,リスク評

価に基づいて決定しなければならない。 

低い設置場所における矢印は,誘導ラインに組み込むか,又はその近くに設置しなければならない。実

行可能な場合,高い設置場所及び中間的な設置場所の矢印を低い設置場所でも反復させなければならない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.1.4 

設置場所 

低い設置場所は,矢印の視認距離の最大間隔を5 mとするだけでなく,30 m先まで見通せる誘導ライン

を引く主な位置としなければならない。 

視覚的に強化し,かつ,避難路沿いのガイドレール,手すり又はその他建築上必要なものを見つけやす

くするため,床から1.20 mまでの高さに追加的な避難路のマーキング及び誘導ラインを設置することがで

きる。これによって10 m〜20 mの中間的な視認距離における避難路の見通しは改善される。 

高い設置場所の蓄光式の安全標識,誘導ライン及び矢印は,10 m〜30 mの中間的及び長い視認距離での

視覚的な強化を確かにし,かつ,避難の方向又は避難路上の中間的及び最終的な行き先を指示できるよう

な位置に設置するとともに,また,避難路上の全ての非常口及び最終出口のドアに設置しなければならな

い。 

10 m〜20 mの中間的な視認距離における矢印を視覚的に強化するため,避難路上の壁の1.20 m〜1.80 m

の視野を利用してもよい。 

5.1.5 

可視性及び色 

蓄光式の安全標識の色,形状及び図記号は,JIS Z 9101,JIS Z 9103,JIS Z 8210及びISO 7010による。

蓄光式SWGSに用いる蓄光式の安全標識,誘導ラインなどは,図記号を用いない蓄光式の誘導ラインを除

き,JIS Z 9101及びJIS Z 9103によって緑色,白色又は対比色の適切な安全色を使用しなければならない。 

注記 低い設置場所又は中間的な設置場所に設置する場合のりん光輝度が2 cd/m2未満の蓄光式の安

全標識,誘導ラインなどについては,JIS Z 9101の10.(安全標識の大きさと視認距離との関係)

の備考2.を参照。 

5.1.6 

行き先 

避難路上の非常口,集合場所など中間的及び最終的な行き先は,特に強調しなければならない。 

5.1.7 

意思決定地点における混乱の回避 

蓄光式SWGSは,避難の間に不確実性及び混乱を引き起こすような代替的なルートを避難者へ提示する

ことを避けなければならない。どの代替的なルートをとっても距離が同じ場合には,等距離の地点から若

干離れた場所に矢印を設置して避難者がいずれかの方向へ移動できるようにしなければならない。 

5.1.8 

行き止まり及び方向転換 

行き止まり地点での高い設置場所,中間的な設置場所及び低い設置場所における矢印は,避難者を行き

止まり地点から避難路へ進ませるために表示頻度を増やさなければならない。 

5.1.9 

避難路の視野内での競合する情報又は混乱させる可能性がある情報を極力減らす 

広報関連及び建物内の施設に関連する標識は従属的なものとし,指定された避難路沿いの蓄光式の安全

標識,誘導ラインなどとは明確に異なる色を使用しなければならない。 

注記 これは,蓄光式SWGSに用いる蓄光式の安全標識,誘導ラインなどのサイズ,設置頻度若しく

はりん光輝度を高めるか,又は競合する情報のサイズ若しくは輝度を小さくすることによって

達成できる。 

5.1.10 高層建築物 

高層建築物には,全ての階段吹抜け及び踊り場に階数を表示しなければならない。各階又は非常口に至

る主な廊下には,位置確認に役立つ間取り図を設置しなければならない。 

5.1.11 消火用及び緊急事態用の器具の収納場所を示す標識 

避難路沿い及びその近くにある消火用及び緊急事態用の器具の収納場所及び周辺には,JIS Z 9101,JIS 

Z 8210及びISO 7010に規定する適切な蓄光式の標識で表示しなければならない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注記 これらの標識及びマーキングは,避難者に対して補助的な方向感覚の手がかりを提供する。 

5.2 

非常口の図記号及び矢印の首尾一貫した明確な使用 

5.2.1 

一般 

この規格によって作成する誘導ラインに組み込む非常口の図記号及び矢印については図1を用い,色に

ついては表1による。 

非常口の図記号の寸法割出し図を図2に,矢印の寸法割出し図を図3に示す。 

避難方向 

図記号 

矢印 

設置例 

左方向へ 

右方向へ 

直進 

図1−蓄光式SWGSに用いる非常口の図記号及び矢印 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図2−非常口の図記号の寸法割出し図 

図3−矢印の寸法割出し図 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1−緑の色度座標 

① a) 

② a) 

③ a) 

④ a) 

⑤ a) 

0.039 

0.812 

0.284 

0.619 

0.300 

0.475 

0.245 

0.377 

0.013 

0.494 

注a) 色度座標の範囲のコーナーポイントを表す(JIS Z 9103参照)。 

5.2.2 

使用の一貫性 

矢印は,避難のときの移動方向を示すためだけに用いる。高い設置場所,中間的な設置場所又は低い設

置場所における矢印に含まれる非常口の図記号は,常に該当する矢印とともに使用しなければならない。 

5.2.3 

設置場所 

矢印の正確な意味は,設置する場所によって変わる。方向を転換する場合,避難者がくぐって避難路を

進む中間的ドアに表示する場合,及び建物の上階へ移動する必要のある避難路の場合は特に注意しなけれ

ばならない。 

5.3 

様々な視覚的な要素を用いたレイアウトの諸原則 

蓄光式SWGSのレイアウトの事例を,附属書Aに示す。 

5.3.1 

最寄りの出口又は安全地帯への非常口の図記号及び矢印 

5.3.1.1 

一般 

予想される使用時間の間,非常口の図記号及び矢印は,避難路及びその隣接領域のあらゆる場所で,は

っきりと見ることのできる目立った明確な方向情報を伝達しなければならない。これらの非常口の図記号

及び矢印は,安全地帯又は集合場所まで続かせなければならない。混乱及び尻込みを避けるために,誘導

ラインの視覚的表示は可能な限り連続的とし,中断する箇所の数を最小限に抑えなければならない。 

蓄光式SWGSに用いる蓄光式の安全標識,誘導ラインなどは,避難者にとって可能性のある危険を回避

できるような方法で位置を決めなければならない。 

注記 蓄光式の安全標識,誘導ラインなどの技術設計については,箇条6で規定している。 

5.3.1.2 

避難路の標識 

高い設置場所の出口標識は,緊急事態に使われることを意図する全ての出口,及び必要に応じて次の出

口,非常口,安全地帯又は集合場所への方向を指示するため,並びに隣接領域の避難者を対象に避難路の

位置を指示するために,避難路沿いに表示しなければならない。 

非常口の標識を視認距離の範囲内で直接見ることが不可能な場合は,非常口への順路を示す一連の矢印

を設置しなければならない。 

5.3.1.3 

誘導ライン及びそれに付随する矢印 

避難路を明確に線引きするために,避難路沿いの高い設置場所の蓄光式の安全標識に加えて,低い設置

場所に非常口の図記号及び矢印を組み込んだ誘導ラインを設置しなければならない。この誘導ラインは,

可能な限り連続的にしなければならない。中断部分は,0.2 mを超えてはならない。ただし,避難路沿い

にドアがあるときには,壁又は床の誘導ラインを最大1 mまで中断させることができる。誘導ラインをド

アの前の床に連続して引かなければならない。ただし,ドアの可動部分には誘導ラインを引いてはならな

い。 

交差する廊下によって中断する壁面の誘導ラインは,床上の線,又は非常口の図記号及び矢印を組み込

んだ誘導ラインを廊下の反対側で続けることによって連続させることが望ましい。 

壁の低い部分に設置する誘導ラインの床面からの最大高さは0.4 mとする。壁の低い部分に設置する誘

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導ラインが中断する場合は,その中断が続く間は床面で連続させなければならない。 

図3に規定する矢印は,最大間隔を5 mとし,交差する廊下,方向転換地点など重要な部分では誘導ラ

インに沿って設置しなければならない。 

床面の誘導ラインが壁から0.5 m以上離れていない場合,矢印は直接壁面に表示できる。この場合の矢

印の位置は,床面から0.4 m以内の高さとしなければならない。 

5.3.1.4 

避難路のマーキング 

避難路の両側に誘導ラインを設置することが望ましい。この場合の誘導ラインは床面でも壁面でもよい。 

注記 通路両側に誘導ラインを設置することで,通路の幅及び通路スペースが確認できるため,避難

するときに安心感を与えることができる。 

5.3.1.5 

階段及び傾斜面のマーキング 

誘導ラインは,階段,1段だけの段差又は傾斜面の存在を,その輪郭又はピッチ線を壁面に表示するこ

とによって知らせるものとする。段差の開始,継続及び終了の部分は,明確に表示しなければならない。

階段の踏み面の部分にはマーキングをするとともに,追加的に,蹴込みの部分にもマーキングをしなけれ

ばならない。 

誘導ラインは,手すり及び主要な支柱にも引くことが望ましい。 

5.3.2 

非常口のドアのマーキング 

避難路の途中にある非常口のドア及び最終の非常口のドアにはマーキングをしなければならない。 

注記 ドアフレーム及びドアの取っ手にマーキングをすることで出口を目立たせることになる。 

ドアの開閉方法及び開閉方向を明確にしなければならない。 

ドアのマーキングに矢印を組み込む場合は,ドアのある高さにそれを表示しなければならない。 

5.3.3 

消火用,緊急事態用,安全用の器具及び警報発令装置のマーキング 

JIS Z 8210及びISO 7010による消火用器具及び緊急事態用器具の蓄光式の安全標識は,それぞれの器具

のある場所に分かりやすく設置しなければならない。緊急事態での使用を意図する全ての通信装置は,適

切な図記号及び補助標識を用い目立つようにし,かつ,それぞれの呼出し場所及び電話機設置場所の近く

に設置しなければならない。 

5.3.4 

避難路沿い又は避難路周辺の危険性の識別 

電気機器の設置場所,引火性液体の貯蔵場所,圧力容器の設置場所などのような危険性のある性質及び

場所を明確にするために警告標識を設置しなければならない。 

壁の突出部,柱,じゅう(什)器備品など避難路の障害物には,JIS Z 9101によって適切な警告マーキ

ングをしなければならない。 

誘導ラインは,これら障害物及び突出している構造物をう(迂)回させることが望ましい。 

5.3.5 

集合場所及び避難路終点の安全地帯の識別 

避難者の集合場所として用いることを意図する地域には,JIS Z 9101,JIS Z 8210及びISO 7010によっ

て適切な安全状態標識を設置しなければならない。矢印は,避難者を出口,火災非常口及び非常口から集

合場所へ誘導しなければならない。 

5.3.6 

避難経路図 

各階の目立つ場所に間取り図又は平面図を掲示して,避難方向に関する情報を提供し,かつ,避難路及

び最寄りの非常口へのルートを表示しなければならない。 

5.3.7 

身体障害者のための避難路のマーキング 

特に身体障害者用として指定する避難路がある場合,それには具体的にそれを意味する標識を設置しな

10 

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ければならない。避難所及び特別な人々を支援するために必要な器具が用意されている場合は,具体的に

それを意味する標識を設置しなければならない。 

蓄光式の安全標識,誘導ラインなどに固有の要求事項 

6.1 

一般 

蓄光式の安全標識,誘導ラインなどは,少なくとも60分間の使用時間中,明瞭に見えなければならない。 

注記 この時間中に,使用者は暗くした周辺状況に慣れてくる。 

蓄光式SWGSに用いる蓄光式の安全標識,誘導ラインなどは,非常用照明の有無にかかわらず,その視

覚的特性を維持するために周辺状況から十分に引き立たせなければならない。 

蓄光式SWGSには,適切な照明を当てなければならない。 

6.2 

蓄光式の安全標識,誘導ラインなど 

6.2.1 

一般 

通常の明るい照明の下では,蓄光式の安全標識,誘導ラインなどの測色特性についてはJIS Z 9101を,

測光特性についてはJIS Z 9107に規定する性能を満足するように設計しなければならない。 

注記1 ほかに外部光源がない場合に,これら蓄光式の安全標識及びマーキングはりん光輝度が2 

cd/m2未満に落ちるため色の識別ができなくなるが,人間の目が暗さに慣れてくれば色のコン

トラストによってはっきりと認識できるようになる。 

注記2 蓄光式SWGSは,蓄光式の安全標識,誘導ライン及び矢印を含む一連の要素から構成される。

周辺が明るい又は非常灯がついている状況では,これらの要素は取付け面にコントラストを

付けるか,又は蓄光式の安全標識,誘導ラインなどの縁に適切な色でコントラストを付ける

ことによって目立つようになる。ほかに外部光源がない場合,全ての要素はそのりん光輝度

特性の蓄光色によって目立つようになる。 

注記3 蓄光式SWGSに用いる蓄光式の安全標識,誘導ラインなどの設置頻度及び量は,避難路の複

雑さによって変わる。矢印及び標識を追加すれば,それら全てが避難路の空間に視覚的手が

かりを作り出し,それによって避難者に安心感及び自信を与える。 

6.2.2 

連続した誘導ライン 

誘導ラインは,5.3.1.3及び6.4によって,避難路の全長を表示する床面又は壁面に蓄光材料を用いて引

かなければならない。 

6.2.3 

危険性のマーキング 

柱,壁及び曲がり角を明確にするには,蓄光材料による危険性のマーキングを用いなければならない。

避難路上の障害物又は突出物には,JIS Z 9101の危険性に関する蓄光式の安全標識を用いなければならな

い。 

6.2.4 

床のマーキング 

避難路の見通しをよくするためには,足形,山形記号(∧,∨など),円い点など床面に補助的な蓄光マ

ーキングを用いることができる。これらの記号は,誘導ラインに組み込む図1に規定する非常口の図記号

及び矢印の代わりに用いてはならない。 

6.2.5 

階段及び傾斜面のマーキング 

6.2.5.1 

一般 

階段又は傾斜面の勾配に沿った誘導ラインに加えて,全ての段又は傾斜面の見通しをよくするために,

蹴込み及び階段側面に蓄光材料でマーキングをしなければならない。手すり及び欄干,特に曲がり角には

11 

Z 9095:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

追加のマーキングをすることができる。高層ビルの階段吹抜けの場合は,階段の名称,階数及び再立入り

が可能かどうか,不可能な場合は再立入りが可能な最寄りの階を示す蓄光式の標識を各階の踊り場に設置

しなければならない。 

6.2.5.2 

段鼻のマーキング 

それぞれの踏み面の角に帯状の蓄光材料による段鼻を取り付けなければならない。このマーキングは,

つまずいたり滑ったりする危険を回避するためのものである。 

6.2.5.3 

手すりのマーキング 

壁面に取り付けた手すりを蓄光材料で目立たせなければならない。階段の中央にある手すりは,手すり

そのものか,又はそれを支える横木にマーキングをしなければならない。 

6.2.6 

非常口のドア枠のマーキング 

6.2.6.1 

一般 

最終の非常口のドア及び避難路沿いにある非常口のドアには,帯状の蓄光材料でマーキングをしなけれ

ばならない。 

ドアハンドル側の枠には,床面からドアハンドルの高さまで連続した蓄光材料のマーキングをしなけれ

ばならない。 

視認距離が20 mを超える場合は,ドア枠全体の輪郭を蓄光材料でマーキングをすることが望ましい。 

6.2.6.2 

ドアハンドルのマーカ 

非常口のドアのいかなるドアハンドルも蓄光材料で目立たせ,かつ,開閉方法及び開閉方向について適

切な指示を与える蓄光式の標識を設置しなければならない。 

6.2.7 

矢印 

中間的な設置場所及び低い設置場所における蓄光材料を用いた矢印は,図1に規定するものを用いなけ

ればならない。 

出口までの距離,二次的なルートなどの補足情報は,誘導ラインに示すことができる。 

低い設置場所の誘導ラインに組み込む矢印のサイズは,誘導ラインのサイズと適切なバランスを保った

ものでなければならない。 

6.2.8 

安全器具のマーキング及び背景照明 

消火用及び緊急事態用の器具が避難路沿いに設置している場合,それらは,JIS Z 9101によって蓄光材

料を用いた安全マーキングによって輪郭を見せるか,又は形を見せなければならない。消火用器具の置き

場所を示すには,JIS Z 8210及びISO 7010によって蓄光材料を用いた蓄光式の安全標識を用いなければな

らない。 

6.2.9 

その他の視覚的マーカ及び安全情報 

緊急事態の場合にとるべき行動,避難経路図,義務的な通知及び指示などの情報を伝える蓄光式の標識

は,追加の視覚的情報の提供及び暗い周辺環境での光源に使うこともできる。 

6.3 

蓄光式の安全標識,誘導ラインなどのりん光輝度 

6.3.1 

りん光輝度の下限値 

蓄光式SWGSに用いる蓄光式の安全標識,誘導ラインなどのりん光輝度については,附属書Bによって

測定したとき,JIS Z 9107の表2又は表3の副分類のいずれかに該当することが望ましい。 

注記 蓄光式SWGSに用いる蓄光式の安全標識,誘導ラインなどの面積,設置頻度及び励起照明が増

加すれば,蓄光式SWGSの有効性が増加する。 

6.3.2 

設置場所において必要なりん光輝度の下限値 

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12 

Z 9095:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

通常の安全管理システムにおいて,避難路の照度は,床面中央で平均照度50 lx以上,かつ,壁面最下

部で平均照度25 lx以上を確保することが望ましい。表2に規定するりん光輝度の下限値は,設置場所の

照明による15分間照射の結果として達成し,かつ,維持しなければならない。 

設置場所での蓄光式の安全標識,誘導ラインなどのりん光輝度が表2のりん光輝度の下限値を満たす場

合,蓄光式SWGSの使用時間は60分間である。 

表2−設置された蓄光式の安全標識,誘導ラインなどのりん光輝度の下限値 

励起停止後の時間 

分 

りん光輝度の下限値 

mcd/m2 

10 

15以上 

60 

 2以上 

注記1 設置された蓄光式の安全標識,誘導ラインなどのりん光輝度特性は,蓄光材料が本来もって

いる性能と,使用直前の照明の明るさの質とに依存する。 

注記2 蓄光式SWGSにおける暗い環境での蓄光式の安全標識,誘導ラインなどの視認性は,蓄光式

の安全標識,誘導ラインなどのりん光輝度と寸法とに依存する。 

注記3 表2に示すりん光輝度の下限値は,最低限の要求事項であり,蓄光材料のりん光輝度特性,

蓄光式の安全標識,誘導ラインなどの面積,設置頻度及び励起照明が増加すれば,蓄光式

SWGSの有効性が増加する。 

6.4 

低い設置場所の蓄光式の誘導ラインの幅 

6.3.1及び6.3.2で規定するりん光輝度の下限値を満足する蓄光式の誘導ラインの幅の計算の基本値を100 

mmとする。低い設置場所において,蓄光式の誘導ラインのりん光輝度が,表2のりん光輝度の下限値よ

り大きく維持できる場合,式(1)を満足する蓄光式の誘導ラインの幅の範囲まで,蓄光式の誘導ラインの幅

を小さくしてもよい。 

なお,10分及び60分の二つの励起停止後の時間のりん光輝度の数値を満足しなければならない。 

d

L

L

=

100 ················································································ (1) 

ここに, 

L': りん光輝度の数値 (mcd/m2) 

L: 表2に基づくりん光輝度の下限値 (mcd/m2) 

d': 蓄光式の誘導ラインの幅 (mm) 

蓄光式SWGSの効果は設置された蓄光式の安全標識,誘導ラインなどのりん光輝度と面積との関数であ

り,避難者の満足度を改善するためには,設計のときに蓄光式の安全標識,誘導ラインなどの面積を大き

くするか,又はりん光輝度を高めることが望ましい。 

蓄光式SWGS及び分離した部分の全ての蓄光式の安全標識,誘導ラインなどは,誘導ラインに選ばれた

のと同一のりん光輝度性能をもつことが望ましい。 

6.5 

照明の要求事項 

必要な照明を行うためには,建物の安全管理システムの一環として次の準備をしなければならない。 

注記1 蓄光式SWGSに用いる蓄光式の安全標識,誘導ラインなどは,使用前に適切な励起照明を必

要とする。 

13 

Z 9095:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注記2 照度及び時間は,蓄光式の安全標識,誘導ラインなどの設置場所におけるりん光輝度性能に

影響を与える関数である。 

設置後に,照明用取付け具及び散光器を含む附属品の明細とともに,設置場所における光源の種類及び

照度の数値も記録しなければならない。 

注記3 光源の種類には,例えば,蛍光灯,電球,LED(light emitting diode),EL(electro luminescence),

ハロゲンランプなどがある。 

建物の安全管理システムは,建物を使用する人々が集まる15分以上前から,人々が建物内にいる間,照

明を維持するように努めなければならない。 

特に,励起照明の偶発的及び/又は無許可の除去又は取替えを阻止するための対策をとらなければな

らない。 

6.6 

照度及びりん光輝度の検証 

照度は,高い設置場所,中間的な設置場所及び低い設置場所で測定しなければならない。励起照明が最

も低い領域に特に注意しなければならない。りん光輝度の測定値は,6.4によってりん光輝度を達成するの

に必要な最低数値に到達しなければならない。 

製造業者及び取付け業者は,設置する全ての蓄光式の安全標識,誘導ラインなどについて,附属書Bに

よって検証したりん光輝度性能のデータ及び設置場所の照明条件に基づいて予想されるりん光輝度性能の

データを提供しなければならない。 

6.7 

文書化及び業務日誌 

リスク評価で必要となる日付及び証拠を記録するために業務日誌を作成し,それには,例えば,次の事

項を含めなければならない。 

− 受入手順 

− 設置計画 

− 照明の種類及び能力並びに利用性を確保するために必要な予防措置 

− 全ての変更事項,点検及び保守の結果 

− 裏付けとなる納入業者のデータ 

− 点検手順 

− 材料の照合標本 

6.8 

点検及び保守 

蓄光式の安全標識,誘導ラインなどは,有資格者が適切な間隔で比較用の照合標本を用いて目視検査及

び洗浄を行わなければならない。蓄光式の安全標識,誘導ラインなどの劣化,脱色又は脱落があれば,業

務日誌に記録して直ちに交換しなければならない。光源が機能しているかどうかを点検しなければならな

い。ランプその他の照明器具の脱落及び故障があれば,それを注記して修理又は交換を行わなければなら

ない。 

りん光輝度の数値は,6.4の式(1)によって蓄光式の安全標識,誘導ラインなどの幅に基づき10分後及び

60分後のりん光輝度の下限値と対比して検査しなければならない。りん光輝度の数値が6.3による数値を

下回る場合は,当該の蓄光式の安全標識,誘導ラインなどを取り替えなければならない。 

蓄光式の安全標識,誘導ラインなどを設置する場合は,設置する蓄光式の安全標識,誘導ラインなどと

同一の照合標本を,当該の蓄光式の安全標識,誘導ラインなどに関する文書とともに保管しなければなら

ない。 

14 

Z 9095:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(参考) 

蓄光式SWGSのレイアウトの事例 

この附属書に示すレイアウトの事例は,蓄光式SWGSの諸原則を良好に表す蓄光式の安全標識,誘導ラ

インなどをシステムとして説明するためのものである。 

この附属書に示す事例は,それら以外にはあり得ない網羅的なものと解釈しない方が望ましい。避難路

のリスク評価又は特定の設計基準によって必要と判断される場合は,他の蓄光式の安全標識,誘導ライン

などを用いる別のレイアウトを用いてもよい。 

事例で示す蓄光式SWGSの色々な蓄光式の安全標識,誘導ラインなどについては,図を理解するために

参考となることだけを説明している(図A.1〜図A.7参照)。 

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15 

Z 9095:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

 
この図は,典型的な避難路で考えられる蓄光式SWGSで用いられる蓄光式の安全標識,誘導ラインなどを示してい

る。 

この図は,壁面両側の低い位置に,非常口の図記号及び矢印を組み込んだ誘導ラインを途切れることなく連続して

非常口まで設置している。 

図A.1−誘導ラインを設置したレイアウトの事例(壁面両側の低い位置に設置した場合) 

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16 

Z 9095:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

 
この図は,典型的な避難路で考えられる蓄光式SWGSで用いられる蓄光式の安全標識,誘導ラインなどを示してい

る。 

この図は,壁面両側の低い位置に,非常口の図記号及び矢印を組み込んだ誘導ラインを設置しているが,壁面右側

の途中にドアがあることから,誘導ラインはドアを避け床にう(迂)回している。 

また,非常口の先が通路であることを示している。 

図A.2−誘導ラインを設置したレイアウトの事例(途中にドアがある場合) 

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17 

Z 9095:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

 
この図は,典型的な避難路で考えられる蓄光式SWGSで用いられる蓄光式の安全標識,誘導ラインなどを示してい

る。 

この図は,壁面の低い位置に非常口の図記号及び矢印を組み込んだ誘導ライン,並びに手前の1番目の非常口及び

それに続く奥にある最終的な非常口の周りにラインを示している。 

図A.3−誘導ラインを設置したレイアウトの事例(非常口の周りにラインを設置した場合) 

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18 

Z 9095:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

 
この図は,典型的な避難路で考えられる蓄光式SWGSで用いられる蓄光式の安全標識,誘導ラインなどを示してい

る。 

この図は,床のタイルの目地に蓄光材を施した誘導ラインを非常口まで連続していることを示している。 

図A.4−誘導ラインを設置したレイアウトの事例(タイルの目地を利用した場合) 

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19 

Z 9095:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

 
この図は,典型的な避難路で考えられる蓄光式SWGSで用いられる蓄光式の安全標識,誘導ラインなどを示してい

る。 

この図は,幅木の上に蓄光材を用いた誘導ラインを非常口まで連続していることを示している。 

図A.5−誘導ラインを設置したレイアウトの事例(幅木の上に設置した場合) 

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20 

Z 9095:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

 
a 段鼻の部分 
この図は,典型的な避難路で考えられる蓄光式SWGSで用いられる蓄光式の誘導ラインなどを示している。 
この図は,階段の形状,踏み面の部分,蹴込みの部分及び手すりに設置した誘導ラインを示している。 

図A.6−階段付近に誘導ラインを設置したレイアウトの事例 

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21 

Z 9095:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

この図は,典型的な避難路で考えられる蓄光式SWGSで用いられる蓄光式の標識などを示している。 
ドアの取っ手の周辺に設置する標識で,ドアの開閉方法及び開閉方向のデザインを①〜④に示した。 
ドアの開閉方向のデザインについては,“押す”の場合を示し,右下小窓に“引く”の場合を示した。 

図A.7−ドアの取っ手の周辺のマーキングの事例 

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22 

Z 9095:2011  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書B 

(規定) 

照度計(特定計量器)を用いたりん光輝度の測定方法 

序文 

この附属書は,照度計(特定計量器)を用いて,りん光輝度を測定する方法について規定する。 

B.1 

照度計 

この測定に用いる照度計は,JIS C 1609-2に規定するものとする。 

B.2 

励起光の条件 

励起光源は,JIS Z 8716に規定する常用光源蛍光ランプD65を用い,半径25 mmの測定面積の試料面を,

200 lxで20分間照射する。測定面内の照度の均一性は,最大照度と最小照度との差が,平均照度の10 %

以内とする。試料面を励起しているとき,周辺光及び迷光の影響がないようにする。試料片の温度は,励

起1分後25 ℃を超えないこととする。 

B.3 

りん光輝度の測定 

B.3.1 照度計による測定 

照度計の受光面を,試料面中心の法線上50 mmの位置に置く。励起光を取り去った2分後から30分後

まで2分おきに照度計の読みを記録する。測定するとき,外部光及び迷光の影響がないようにする。 

B.3.2 照度計の読みから,りん光輝度への換算 

試料面のりん光輝度は,照度計の読みから,次の式によって求める。 

L=Ω

ここに, 

L: りん光輝度 (cd/m2) 

E: 照度計の読み (lx) 

Ω: 受光面中心から試料面を望む立体角 (sr) で,次の式から

求める。 

1

2

1

+

=

R

r

Ωπ

   r:試料面と受光面との距離 (mm) 

   R:測定面の半径 (mm) 

 ここでは,r=50,R=25,Ω ≒0.628となる。 

B.3.3 りん光輝度の減衰の推定 

B.3.2によって求めた2分おきのりん光輝度の変化を,指数関数で近似してりん光輝度減衰の近似式を求

め,内挿及び外挿によって2分後,10分後,20分後,30分後及び60分後のりん光輝度を求める。 

注記 りん光輝度の減衰の推定は,2分おきのりん光輝度の値を,両対数方眼紙上に置点し,直線近

似によって推定してもよい。 

参考文献 JIS L 0212-1 繊維製品用語(衣料を除く繊維製品)−第1部:繊維製床敷物 

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附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS Z 9095:2011 安全標識−避難誘導システム(SWGS)−蓄光式 

ISO 16069:2004 Graphical symbols−Safety signs−Safety way guidance systems 
(SWGS) 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

規格名称 

蓄光式の規格であ
ることを明記 

規格名称 電気式及び蓄光式を包含 

変更 

JISは蓄光式に限定 

ISO 16069改正時に提案する。 

1 適用範
囲 

蓄光式を規定 

電気式及び蓄光式を規定 

変更 

JISは蓄光式に限定 

ISO 16069改正時に提案する。 

3 用語及
び定義 

3.15 段鼻 

− 

追加 

“段鼻”の用語が他のJISにあ
ることから追加した。 

用語の普及に努める。 

5.1.5 可視
性及び色 

蓄光式の安全標識
の色,形状,図記号
などを規定 

5.1.5 

JISとほぼ同じ 

追加 

我が国ではJIS Z 8210を用い
たものが既に普及しているこ
とからこれを追加した。また,
安全色の規格であるJIS Z 
9103を追加した。 

統一化を一層進める。 

5.2.1 一般 図1 

5.2.1 

図1及び図2 

変更 

図1及び図2を,図1にまとめ
た。 

ISO 16069改正時に提案する。 

− 

“非常口”の文字 

削除 

我が国は各国より導入が速く
認知度が進んでいる。 

統一化を一層進める。 

− 

“斜め矢印” 

削除 

消防法にはないので削除した。 統一化を一層進める。 

図2 

− 

追加 

消防法の規定を使用した。 

統一化を一層進める。 

図3 

− 

追加 

消防法の規定を使用した。 

統一化を一層進める。 

表1 

− 

追加 

消防法の規定を使用した。 

統一化を一層進める。 

5.3.1.2 
避難路の
標識 

標識設置の間隔 

5.3.1.2 

避難路標識の設置間隔を
最大10 mとする。 

削除 

消防法においても設置間隔に
ついては,特に触れていないた
め当該箇所を削除した。 

ISO 16069改正時に提案する。 

2

Z

 9

0

9

5

2

0

11

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

5.3.1.3 
誘導ライ
ン及びそ
れに付随
する矢印 

誘導ライン及び矢
印について規定 

5.3.1.3 

電気式の誘導ライン及び
矢印の“点源”,“照明器
具”及び“線源”の3種
類の説明をしている。 

削除 

これら3種類の説明は,電気式
を想定したものであり,蓄光式
の規格には不要であるため当
該箇所を削除した。 

ISO 16069改正時に提案する。 

5.3.1.4 避
難路のマ
ーキング 

避難路のマーキン
グについて規定 

− 

− 

追加 

通路両側に設置する必要性に
ついて注記として加えた。 

ISO 16069改正時に提案する。 

− 

− 

電気で作動する部分に固
有の要求事項 

削除 

蓄光式と電気式とを分けるこ
ととし,この規格を蓄光式とし
た。電気式については別の規格
とし,箇条6全体を削除した。 

ISO 16069改正時に提案する。 

6.2.1 一般 測光特性について 

7.2.1 

JISとほぼ同じ 

変更 

測光特性を規定しているJIS Z 
9107が2008年に改正されたこ
とから変更した。 

ISO 16069改正時に提案する。 

6.2.5.2 段
鼻のマー
キング 

帯状のライン幅の
サイズ 

7.2.5.2 

それぞれの踏み面の角に
20 mm幅以上の帯状の蓄
光材料で取り付ける。 

削除 

幅のサイズについては,設置す
る現場の判断に委ねることと
し,下線部分を削除した。 

ISO 16069改正時に提案する。 

6.2.6.1 一
般 

ドア枠のマーキン
グの幅のサイズ 

7.2.6.1 

非常口のドアには25 mm
幅以上の帯状の蓄光材料
でマーキングをする。 

削除 

幅のサイズについては,設置す
る現場の判断に委ねることと
し,下線部分を削除した。 

ISO 16069改正時に提案する。 

6.3.1 りん
光輝度の
下限値 

りん光輝度 

7.3.1 

表1 

変更 

ISO規格にある表の下限値は,
JIS Z 9107と同じ値であるこ
とから整合性を図った。 

ISO 16069改正時に提案する。 

6.4 低い
設置場所
の蓄光式
の誘導ラ
インの幅 

式(1) 

7.4 

2

100

=

d

L

L

変更 

連続ラインであることから実
証実験を行った結果,数式を次
のように変更した。 

d

L

L

=

100

ISO 16069改正時に提案する。 

2

Z

 9

0

9

5

2

0

11

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

6.5 照明
の要求事
項 

注記3 

7.5 

− 

追加 

光源だけでは解りにくいため,
具体的に光源の種類を明記 

ISO 16069改正時に提案する。 

附属書A 
(参考) 

蓄光式SWGSのレ
イアウトの事例,図
A.1〜図A.7 

附属書A 
(参考) 

レイアウトの事例 

変更 

5.2.1に規定した図記号及び消
防法に基づくレイアウトの事
例とした。 

統一化及び標準化を進める。 

附属書B 
(規定) 

照度計(特定計量
器)を用いたりん光
輝度の測定方法 

附属書B 
(規定) 

りん光輝度の測定方法 

変更 

国内で広く普及しているJIS Z 
9107の附属書JBに変更した。 

一層の標準化を進める。 

− 

− 

附属書C 
(規定) 

設置場所におけるりん光
輝度性能の測定 

削除 

設置場所でのりん光輝度の測
定については,測定方法及び測
定器が確立されていない。ま
た,ISO規格が引用している
CIE 69についても現在見直し
中である。 

設置場所における測定方法の確立
及び測定機器の開発を進める。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 16069:2004,MOD 

関連する法規 

消防法 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

  − 削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
  − 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  − 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

  − MOD…………… 国際規格を修正している。 

2

Z

 9

0

9

5

2

0

11

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。