2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
Z 8902-1984
キセノン標準白色光源
Xenon Standard White Light Source
1. 適用範囲 この規格は,蛍光を発する物体の色比較及び測色に使用するキセノン標準白色光源につい
て規定する。この光源は,JIS Z 8720(測色用の標準の光及び標準光源)に規定する昼光に近似した常用
光源に相当する。
なお,蛍光を発しない物体の色比較及び測色にも準用することができる。
引用規格:
JIS R 3202 フロート板ガラス及びみがき板ガラス
JIS R 6001 研摩材の粒度
JIS Z 8105 色に関する用語
JIS Z 8113 照明用語
JIS Z 8720 測色用の標準の光及び標準光源
2. 用語の意味 この規格で用いる主な用語の意味は,JIS Z 8105(色に関する用語)及びJIS Z 8113(照
明用語)によるほか,次による。
(1) 電流脈動率 ランプが点灯しているときの脈動電流の最大値をImax,最小値をIminとするとき,次式で
表される値。
電流脈動率=
(%)
100
max
min
max
×
−
I
I
I
(2) 相対分光透過率 特定の波長の透過率を100とした場合の,各波長における透過率の相対値。
2
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3. キセノン標準白色光源 キセノン標準白色光源は,4.に示すキセノンランプと5.に示すフィルタを組
み合わせた光源装置とする。測色計算に用いる相対分光分布の値は,表1による。
表1 キセノン標準白色光源の相対分光分布
波長
相対分光
波長
相対分光
波長
相対分光
波長
相対分光
nm
放射強度
nm
放射強度
nm
放射強度
nm
放射強度
300
0.0
425
92.7
550
100.8
675
88.9
05
0.0
30
91.8
55
100.6
80
91.1
10
0.0
35
93.6
60
100.0
85
101.4
15
0.0
40
96.8
65
98.6
90
100.2
20
0.6
45
96.5
70
99.5
95
86.3
325
3.0
450
108.6
575
98.7
700
80.9
30
9.0
55
107.1
80
99.0
05
79.6
35
19.1
60
116.5
85
99.8
10
92.4
40
31.3
65
134.3
90
99.0
15
92.9
45
43.5
70
140.5
95
96.0
20
80.2
350
53.9
475
117.4
600
93.1
725
81.9
55
62.1
80
113.8
05
92.0
30
92.4
60
69.0
85
113.2
10
92.8
35
90.9
65
74.3
90
109.7
15
95.9
40
91.7
70
77.8
95
109.0
20
98.6
45
82.7
375
77.4
500
101.3
625
94.8
750
83.1
80
77.9
05
101.2
30
93.3
55
83.9
85
81.3
10
100.5
35
90.7
60
102.3
90
86.1
15
101.4
40
86.9
65
123.2
95
93.4
20
101.3
45
89.1
70
81.5
400
93.3
525
101.0
650
90.7
775
65.3
05
90.6
30
100.9
55
85.5
80
63.9
10
93.1
35
100.7
60
85.0
15
91.8
40
100.9
65
87.5
20
94.0
45
101.3
70
89.0
備考 相対分光分布は,分光放射強度の相対値で,560nmの値を100.0とする。
3
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4. キセノンランプ
4.1
キセノンランプの形式 キセノン標準白色光源に使用するキセノンランプは,直流点灯式短アーク
形で定格電力500Wとし,オゾン発生が少ないものとする。
4.2
キセノンランプの構造及び性能 キセノンランプの構造及び性能は,次による。
(1) キセノンランプの形状は,図に示すようなものとする。
図 キセノンランプの形状
(2) 陽極は,直径10mm,長さ20mmのロッド状タングステン電極とする。陽極の先端の傾斜部の角度は,
任意とする。
(3) 陽極・陰極間距離は,4.0±0.5mmとする。
(4) ランプ定格電流(1)は,23.0Aとし,このときのランプ電圧は21.5±1.5Vとする。
注(1) ランプ定格電流は,平均値指示の電流計で測定する。
(5) 有効寿命は,300時間以上とする。有効寿命は,波長300nmにおける分光放射強度(2)と波長560nmに
おける分光放射強度との比が,点灯初期の値に対して5%変化するまでの時間とする。
注(2) 分光放射強度は,ランプの管軸と陰極先端で直交する方向で測定する。
4
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4.3
キセノンランプの分光分布 キセノンランプの波長300〜780nmにおける相対分光分布の基準は,表
2による。
表2 キセノンランプの分光分布
波長
相対分光
波長
相対分光
波長
相対分光
波長
相対分光
nm
放射強度
nm
放射強度
nm
放射強度
nm
放射強度
300
52.0
425
94.8
550
100.4
675
95.6
05
54.7
30
93.9
55
100.4
80
98.4
10
56.8
35
95.9
60
100.0
85
109.9
15
59.7
40
99.1
65
98.8
90
108.9
20
62.3
45
98.5
70
100.0
95
94.3
325
64.5
450
110.3
575
99.6
700
88.7
30
66.4
55
108.3
80
100.1
05
87.6
35
69.1
60
117.4
85
101.3
10
102.1
40
71.4
65
134.9
90
100.9
15
103.1
45
73.5
70
140.8
95
98.2
20
89.5
350
75.2
475
117.5
600
95.5
725
91.8
55
77.2
80
113.8
05
94.7
30
104.4
60
79.6
85
113.1
10
95.8
35
102.9
65
81.7
90
109.3
15
99.2
40
104.3
70
84.0
95
108.6
20
102.4
45
94.4
375
84.9
500
100.8
625
98.8
750
95.4
80
86.8
05
100.6
30
97.6
55
96.9
85
88.1
10
99.8
35
95.3
60
118.8
90
90.1
15
100.6
40
91.6
65
143.5
95
95.8
20
100.6
45
94.2
70
95.4
400
94.8
525
100.4
650
96.2
775
77.0
05
91.8
30
100.3
55
90.9
80
75.7
10
94.7
35
100.2
60
90.7
15
93.7
40
100.4
65
93.7
20
96.1
45
100.8
70
95.5
備考 相対分光分布は,分光放射強度(2)の相対値で,560nmの値を100.0とする。
4.4
キセノンランプの点灯及び使用条件 キセノンランプの点灯及び使用条件は,次のとおりとする。
(1) キセノンランプは,陽極を上方にし,管軸を鉛直にして点灯する。
(2) ランプ始動後5分以上経過してから使用する。
(3) 電流脈動率は,17%以下とする。
(4) 強制空冷などによる冷却を行ってもよいが,それによるランプ電圧の変化は,4.2(4)の範囲であること。
5
フィルタ
5.1
フィルタの種類 キセノン標準白色光源に使用するフィルタは,JIS R 3202(フロート板ガラス及び
みがき板ガラス)に規定するフロート板ガラス又は磨き板ガラスとする。
5.2
フィルタの分光透過率 フィルタの波長334.1nmにおける相対分光透過率は,25±10%とし,
波長300〜780nmにおける相対分光透過率の基準は,表3による。
備考 相対分光透過率は,560nmの値を100.0%とする。
5
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表3 フィルタの相対分光透過率
単位 %
波長
相対分光
波長
相対分光
波長
相対分光
波長
相対分光
波長
相対分光
(nm)
透過率
(nm)
透過率
(nm)
透過率
(nm)
透過率
(nm)
透過率
300
0.0
400
98.5
500
100.5
600
97.5
700
91.2
305
0.0
405
98.7
505
100.6
605
97.2
705
90.8
310
0.0
410
98.3
510
100.7
610
96.9
710
90.5
315
0.1
415
97.9
515
100.7
615
96.6
715
90.1
320
0.9
420
97.8
520
100.7
620
96.3
720
89.6
325
4.6
425
97.8
525
100.6
625
95.9
725
89.3
330
13.5
430
97.8
530
100.6
630
95.6
730
88.5
335
27.6
435
97.7
535
100.5
635
95.2
735
88.4
340
43.9
440
97.7
540
100.5
640
94.9
740
87.9
345
59.2
445
98.0
545
100.5
645
94.6
745
87.6
350
71.7
450
98.4
550
100.4
650
94.2
750
87.1
355
80.4
455
98.8
555
100.2
655
94.0
755
86.6
360
86.7
460
99.3
560
100.0
660
93.7
760
86.1
365
90.8
465
99.6
565
99.8
665
93.4
765
85.8
370
92.7
470
99.8
570
99.6
670
93.2
770
85.3
375
91.2
475
99.9
575
99.2
675
92.9
775
84.9
380
89.7
480
100.0
580
98.9
680
92.6
780
84.4
385
92.3
485
100.2
585
98.5
685
92.3
390
95.6
490
100.4
590
98.1
690
92.0
395
97.5
495
100.4
595
97.7
695
91.5
5.3
フィルタの使用条件 フィルタの使用条件は,次のとおりとする。
(1) フィルタの温度は,100℃以下にする。
(2) 光を拡散光として使用する場合には,フィルタの一面をJIS R 6001(研摩材の粒度)に規定する粒度
#100〜#400の研磨材で砂ずりする。
(3) 砂ずり面は,光源側に向けることが望ましい。
6. 附属装置
6.1
反射がさ キセノン標準白色光源の光源装置に反射がさを用いるときは,次の条件を満足すること
が望ましい。
(1) 反射がさの反射面の分光反射率は,十分高くかつ波長に対する選択性が少ないこと。
(2) 反射がさの反射面は,拡散性であること。
6.2
障害防止装置 キセノンランプ始動時の高圧パルス電圧によって発生する電波,電源サージなどか
ら周辺の電子装置などを保護するために,電磁シールドやサージ吸収回路などの障害防止装置を付加する
ことが望ましい。
7. 表示 キセノン標準白色光源用のキセノンランプには,XS又はXL-Sの記号及び定格電力値並びに製
造業者名又はその略号を表示する。
例: XS500
XL-500S
6
Z 8902-1984
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
解説表1 原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
○ 納 谷 嘉 信
大阪電気通信大学工学部
(副委員長)
○ 中 川 靖 夫
埼玉大学工学部電子工学科
(幹事)
○ 平 井 敏 夫
財団法人日本色彩研究所
板 倉 潔
日本板硝子株式会社
○ 卯 木 稔
工業技術院標準部
○ 大 田 登
富士写真フイルム株式会社
○ 大 場 信 英
電子技術総合研究所量子技術部
川 上 元 郎
東京工芸大学工学部電子工学科
○ 木 滑 寛 治
株式会社日立製作所
○ 栗 岡 豊
電子技術総合研究所
斉 藤 治 一
財団法人日本塗料検査協会
○ 品 田 登
関西ペイント株式会社
須 賀 長 市
スガ試験機株式会社
菅 原 淳 夫
財団法人日本規格協会
滝 波 定 平
社団法人日本電球工業会
○ 友 行 昭 夫
ウシオ電機株式会社
馬 場 護 郎
日立那珂精器株式会社
○ 広 瀬 吉 夫
東京芝浦電気株式会社
村 田 幸 男
住友化学工業株式会社
○ 森 礼 於
東京芝浦電気株式会社
山 形 昭 衛
東京都立繊維工場試験場
○ 渡 会 吉 昭
松下電子工業株式会社
○は小委員会委員