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(1)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 分類······························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
参考文献 ···························································································································· 25
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 27
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(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本粉体工業技術協会(APPIE)
及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出
があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本工業規格 JIS
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粉体の粒子特性評価−用語
Particle characterization of particulate systems-Vocabulary
序文
この規格は,2013年に第1版として発行されたISO 26824を基とし,国内での実状に合わせるため技術
的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,粉体粒子の特性評価に関する主な用語及び定義について規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 26824:2013,Particle characterization of particulate systems−Vocabulary(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
分類
粒子特性の評価に関する用語の分類は,次による。
a) 一般的用語及び特性評価の結果の表し方
1) 一般
2) 粒子径測定結果の表し方
3) 分級特性の評価
b) 粒子形状の表し方
1) 一般
2) マクロ形状
3) メソ形状
c) 試料のサンプリング及び調製
1) サンプリング
2) 調製
d) 測定精度
e) 粉体粒子の表面積,細孔及び密度の測定
1) ガス吸着・表面積
2) 細孔分布
3) 密度
2
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f)
液中粒子分散系の特性評価
g) 界面電気現象
1) 電気二重層
2) 界面動電現象
3) 電気音響現象
h) 沈降法
i)
電気的検知帯法
j)
レーザ回折・散乱法
k) 動的光散乱法
l)
小角X線散乱法
m) 音響法
n) 光相互作用による粒子計数方法
o) エアロゾル粒子の電気移動度及び粒子数濃度の測定方法
p) エアロゾル粒子の荷電方法
q) 画像解析法
r) 光集束法
3
用語及び定義
主な用語及び定義は,次による。
注記1 対応英語を,参考として示す。
注記2 対応英語の後の[ ]の番号は,対応国際規格での用語番号を示す。
a) 一般的用語及び特性評価の結果の表し方
1) 一般
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1101
粒子
物理的境界をもった小さな物体。
注記1 物理的な境界は,界面ともいう。
注記2 粒子は,一つの塊として運動する。
注記3 粒子に対するこの一般的な定義は,ナノ物体に対しても適
用される。
particle
[1.1]
1102
弱凝集体
弱く又は中位の強さで結合した粒子の集合体。その場合の外部表面
積は,構成する粒子の表面積の和とほぼ同じである。
注記1 弱凝集体を保持する力は弱い力である。例えば,ファンデ
ルワールス力又は単純な物理的な絡み合いのようなもので
ある。
注記2 弱凝集体は,二次粒子ともいい,元の粒子は,一次粒子と
いう。
agglomerate
[1.2]
1103
強凝集体
強く結合又は融合した粒子から構成される粒子。その場合の外部表
面積は,個々の構成粒子の表面積の和より小さい。
注記1 強凝集体を保持する力は強い力である。例えば,共有結合
若しくは焼結による結合又は複雑な物理的な絡み合いのよ
うなものである。
注記2 強凝集体は,二次粒子ともいい,元の粒子は,一次粒子と
いう。
aggregate
[1.3]
3
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
1104
一次粒子
弱凝集体若しくは強凝集体又はそれらの混合物を構成する粒子。
注記1 実際の弱凝集体又は強凝集体を構成する粒子は,一次粒子
である。
注記2 弱凝集体又は強凝集体は,二次粒子ともいう。
primary particle
[1.4]
2) 粒子径測定結果の表し方
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1201
粒子径,
粒径,
x, d
ある特定の測定方法によって特定の測定条件の下で求められる一
次元の粒子の大きさ。
注記1 異なる解析方法は,異なる物理特性の測定に基づいている。
実際に測定される粒子特性とは独立に,粒子径は球相当径
のような一次元の大きさとして表現される。
注記2 粒子径に関する記述子の例としては,ふるいの目開き,又
はフェレー径のような画像解析によって測定される統計的
な粒子径がある。
注記3 ISO 9276-1:1998 [4]では,粒子径を示すために記号xが用い
られる。しかし,記号dも粒子径を示すために広く用いら
れている。よって,記号xの代わりにdを用いてもよい。
注記4 粒度ともいう。また,粒子径分布を粒度分布ともいう。
particle size,
x, d
[1.5]
1202
球相当径,
x, d
ある測定において,粒子と同一の物理的特性をもつ球の直径。
注記1 物理的特性としては,例えば,沈降速度,置換された電解
質溶液の体積,顕微鏡下の投影断面積などがある。
注記2 相当径の対応する物理的特性は,例えば,表面積相当径に
対してxS,体積相当径に対してxVのように,適当な添え字
を用いて区別する。
equivalent spherical
diameter,
x, d
[1.6]
1203
測定次元,
r
分布,積算分布又は頻度分布の測定量の次元を区別する値。
注記1 測定次元は,一般的な添え字rによって表示される。rの値
は,次のように対応する。
長さ基準の場合r=1
面積基準の場合r=2
体積(又は質量)基準の場合r=3
注記2 測定基準ともいう。
type of quantity,
r
[1.7]
4
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
1204
積算分布,
Qr(x)
ある粒子径より小さな粒子の割合(ふるい下)を示す分布。
注記1 積算分布Qr(x)が平均頻度分布
)
(x
qr(ヒストグラム表示した
ときの頻度分布)によって計算される場合,各点でのQr,i
=Qr(xi)が求められるだけである。分布Qr(xi)の各点は,xi
以下の相対粒子量を示している。連続曲線は,適当な補間
アルゴリズムによって計算される。正規化された積算分布
は,0と1との範囲にある。
n
i
v
x
q
Q
Q
i
v
i
v
≦
≦
≦
1
,
Δ
Δ
1
v
v
r,
1
v
r,
ir,
∑
∑
=
=
=
=
ここに,
i: (下付添え字)上限がxiである粒
子径区間の番号
v: (整数,iを参照)
n: 全粒子径区間数
ΔQr,v: 上限がxvである粒子径区間に含ま
れる粒子量の相対値
注記2 横軸を対数としてプロットした場合,積算値Qr,i,すなわち
縦軸の値は変わらない。しかし,ある粒子径未満の相対粒
子量は同じであるが,積算分布曲線の形は変化する。した
がって,次の式が満たされる。
Qr(x)=Qr(ln x)
注記3 積算ふるい上分布は,1−Qr(x)で与えられる。
cumulative
distribution,
Qr(x)
[1.8]
1205
頻度,
頻度分布,
qr(x)
ある微小な粒子径区間に存在する粒子の量を,その区間の幅で割っ
た分布。
注記1 積算分布Qr(x)が微分可能であるという仮定の下では,連続
な頻度分布qr(x)は,次の式によって求められる。
x
x
Q
x
q
d
)
(
d
)
(
r
r
=
反対に,積算分布Qr(x)は,頻度分布qr(x)の積分によって
求められる。
x
x
q
x
Q
x
x
d)
(
)
(
i
min
r
i
r
∫
=
注記2 対応英語の“distribution density”は,確率密度を与え,一
般には“密度分布”というが,粒子密度との混同を避ける
ため,頻度分布という。
distribution density,
qr(x)
[1.9]
5
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
1206
粒子径を対数
とした頻度
分布,
q*r(x)
粒子径の対数を確率変数にした頻度分布。
注記1 ヒストグラム表示の密度
)
,
(
i
1
i
*
r
*
ir,
x
x
q
q
−
=
は,対応している
頻度分布曲線の下の面積が一定であることを示す次の関係
を用いて再計算される。全面積は,横軸の変換には無関係
に1である。
i
i
1-i
r
i
i
1-i
r
Δ)
,
(
Δ)
,
(
x
x
x
q
ξ
ξ
ξ
q
=
ここに,ξは,xの任意の関数である。
したがって,対数軸での頻度分布を得るためには,次の
変換をする。
i
ir,
i
r
)
(
x
q
x
q
=
又は
(
)
(
)
1-i
i
ir,
1-i
i
i
r.i
1-i
i
i
i
1-i
r
i
1-i
r
ln
Δ
ln
Δ
ln
ln
Δ)
,
(
)
ln
,
(ln
x
x
Q
x
x
x
q
x
x
x
x
x
q
x
x
q
=
=
−
=
注記2 この関係式の形は,自然対数から常用対数に置き換えても
同じである。
注記3 粒子径分布を表示する際,粒子径を横軸にとる場合と粒子
径の対数を横軸とする場合とがある。
distribution density
on a logarithmic
abscissa,
q*r(x)
[1.10]
1207
平均頻度分布,
離散化した頻
度分布,
)
(
rx
q
ある粒子径区間に存在する粒子の量を区間の幅で割った分布で,そ
の粒子径区間における平均の頻度分布。ヒストグラム表示した場合
の頻度分布である。一連の長方形カラムを構成し,各カラムの面積
は,相対量ΔQr,iである。ここに,
i
i
1-i
r
i
1-i
ir,
ir,
Δ)
,
(
)
,
(
Δ
Δ
x
x
x
q
x
x
Q
Q
=
=
又は
i
ir,
i
i
1-i
ir,
i
1-i
r
ir,
)
,
(
)
,
(
x
Q
x
x
x
Q
x
x
q
q
∆
∆
=
∆
∆
=
=
注記1 相対量ΔQr,iの総和は,1に正規化された頻度分布曲線
)
(
rx
q
の下の面積である。したがって,次の式を満足する。
1
Δ
Δ
1
i
r.i
1
ir,
=
=∑
∑
=
=
n
i
n
i
x
q
Q
注記2 ヒストグラムは,離散的な度数分布などの表示を指すのが
一般的であり,ある区間の度数又は密度分布を指す用語と
しては,適切ではない。
histogram,
)
(
rx
q
[1.11]
3) 分級特性の評価
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1301
平衡粒子径,
xa
分級操作において,粗粒側に分離された微粒質量と微粒側に分離さ
れた粗粒質量とが等しくなる粒子径。
注記1 分級プロセスで回収された微粒分の質量分率は,供給粒子
中のふるい下粒子の質量分率Q3(xa)と等しくなる。この定
義に対応した平衡粒子径xaは,未知であり,実際には,種々
の分級操作における平衡粒子径を求めることになる。
注記2 一般には,分級装置の性能評価に50 %分離径が使用される
ことが多いが,平衡粒子径も分離径として使用できる。
analytical cut size,
xa
[1.13]
1302
50 %分離径,
等確率分離径,
xe
部分分離効率曲線T(x)が中央値,すなわちT(xe)=0.5となる分離径。
注記 微粒及び粗粒に分級された粒子質量の比で重み付けられた各
分級粒子に対する頻度分布曲線は,50 %分離径xeで交差する。
この粒子径の粒子では,微粒及び粗粒に分級される確率は等
しい。
equiprobable cut size,
xe
[1.14]
6
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
1303
部分分離効率,
トロンプ曲線,
T(x)
任意の粒子径に関して,供給粒子中に存在する粒子量のうち,粗粒
中に分離される粒子量の比率を表した曲線。
grade efficiency,
Tromp's curve,
T(x)
[1.15]
b) 粒子形状の表し方
1) 一般
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2101
粒子形状
粒子の幾何学的な外部形態。
注記1 マクロ形状は,大まかな外観のことで,その幾何学的な均
整度に関する用語で定義される。一般的に,粒子投影像の
測定から求められる簡単な幾何学的な記述子が用いられ
る。
注記2 メソ形状は,微視的な粒子形状ほど小さくなく及び/又は
巨視的な形状ほど大きくない範囲の表面構造を指す。
注記3 ミクロ形状は,粒子表面の粗さであり,表面組織構造解析
に関するフラクタル次元又は高次のフーリエ係数で与えら
れる。
particle shape
[4.1]
2) マクロ形状
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2201
ルジャンドル
の慣性だ
(楕)円
粒子像の重心に関する主慣性モーメントが等しいだ(楕)円。
注記1 このだ(楕)円は,その最大主軸及び最小主軸(長径及び
短径)によって定義され,また,重心の位置及び配向によ
って特徴付けられる。
注記2 マクロ形状の記述子で,幾何学的な記述子。
Legendre ellipse of
inertia
[4.2]
2202
繊維状粒子の
長さ,
xLG,
繊維状粒子の
幅,
xE
繊維のように非常に長く,折れ曲がった粒子に対する幾何学的な記
述子。面積A及び周囲長Pから次の式によって算出される。
A=xE・xLG, P=2(xE+xLG)
注記1 マクロ形状の記述子で,幾何学的な記述子。
注記2 長さは,測地線長さともいう。
geodesic length,
xLG,
geodesic thickness,
xE
[4.3]
2203
だ(楕)円比 ルジャンドルの慣性だ(楕)円の主軸長比。
注記1 マクロ形状の均整度に関する記述子。
注記2 長軸長さの短軸長さに対する比は,非均整度(anisometry)
ともいう[8]。
ellipse ratio
[4.4]
2204
アスペクト比 最大フェレー径に対する最小フェレー径の比。
注記1 それほど長くない粒子に対する記述子。
注記2 マクロ形状の均整度に関する記述子。
注記3 逆数又は長さと幅との比をアスペクト比という場合がある
[8]。
aspect ratio
[4.5]
2205
長短度
繊維状粒子の長さに対する幅の比。
注記1 マクロ形状の均整度に関する記述子。
注記2 繊維状粒子だけでない場合にも用いられる。その場合,最
大フェレー径に直交するフェレー径と最大フェレー径との
比又は最小フェレー径とそれに直交するフェレー径との比
を長短度という[8]。
elongation
[4.6]
7
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
2206
直線度
繊維状粒子の長さに対する最大フェレー径の比。
注記1 非常に長い粒子に対する記述子[逆数は曲がり度(curl)と
もいう。]。
注記2 マクロ形状の均整度に関する記述子。
straightness
[4.7]
2207
不規則度
最大内接円直径と最小外接円直径との比。
注記 マクロ形状の均整度に関する記述子。
irregularity
[4.8]
2208
コンパクト度 粒子の最大フェレー径xFmaxと粒子の投影面積相当径との比。次の式
によって定義される。
コンパクト度
max
F
π/
4
x
A
=
ここに,A:投影面積
注記 マクロ形状のかさばりに関する記述子。
compactness
[4.9]
2209
かさ指数
粒子を囲む最小の長方形の面積と粒子投影面積との比。
注記1 粒子を囲む最小の長方形をフェレーボックス(Feret box)
という[8]。
注記2 マクロ形状のかさばりに関する記述子。
box ratio
[4.10]
3) メソ形状
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2301
球形度,
Ψ
表面積相当径xSに対する体積相当径xVの比の平方。次の式によっ
て定義される。
(
)
S
x
π
x
x
Ψ
V
2
2
S
V
=
=
ここに,S:表面積
注記1 ワーデルの球形度という。
注記2 メソ形状の記述子。
sphericity,
Ψ
[4.11]
2302
円形度,
C
面積相当径xAの周囲長相当径xPに対する比。次の式によって定義
される。
P
A
2
π
4
x
x
P
A
C
=
=
注記1 メソ形状の記述子。
注記2 逆数の平方は,ハウスナーの表面指数という[8]。
circularity,
C
[4.12]
2303
充実度
投影面積Aと凸形外接図形(最小凸包)の面積ACとの比。次の式
によって定義される。
充実度=A/AC
注記 メソ形状のかさばりに関する記述子。
solidity
[4.13]
c) 試料のサンプリング及び調製
1) サンプリング
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3101
試料
特性解析のためにサンプリングした粉体材料の一部分。
sample
[11.11]
3102
試料インクリ
メント
1回のサンプリング単位で,単位試料のこと。粉体材料中に指定し
た一連の場所からサンプリングした試料,又は生産・輸送工程にお
いて指定した一連の時間でサンプリングした試料。他のインクリメ
ントと混合することで,大口試料を形成する。
sample increment
[11.12]
3103
一次試料
対象とする粉体材料からサンプリングした試料(単一又は多数から
なる集合体)。
primary sample
[11.9]
3104
大口試料
幾つかの試料イクリメントからなる一次試料。
gross sample
[11.8]
8
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
3105
つかみ試料
明確な条件がない場合のサンプル試料。
grab sample
[11.7]
3106
代表試料
与えられた信頼限界の範囲内で同じ特性をもち,その粉体材料を代
表する試料。
representative sample
[11.10]
3107
スポット試料 指定した場所又は生産時間に粉体材料のバッチからサンプリング
した試料。
spot sample
[11.14]
3108
試験試料
特性解析の目的だけに使用する試料。
test sample
[11.15]
3109
サンプリング
順序
測定対象とする粉体材料の試験試料を得るためのサンプリング,試
料分割及び組合せの順序。
sampling sequence
[11.13]
3110
かたより
真値と実測値との系統的な差。
bias
[11.5]
3111
誤差
実測値と真値との差。偶然誤差及び系統誤差からなる。
error
[11.6]
2) 調製
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3201
凝集体
粒子が強く又は弱く結合した集合体。
clump
[11.1]
3202
フロック
非常に弱く結合した粒子集合体。
floc
[11.3]
3203
チンダル現象 光線が粒子を含む液中を通過する際に見られる光の側方散乱現象。 Tyndall effect
[11.4]
3204
臨界ミセル濃
度,
CMC
ミセルを形成し始める分散剤濃度。
critical micelle
concentration,
CMC
[11.2]
d) 測定精度
番号
用語
定義
対応英語(参考)
4001
繰返し精度
(装置)
同一の部分試料に対してある特性を複数回,測定した結果における
一致の程度。この場合,短い期間に同一の条件で同じ装置によって
同一のオペレータ(装置操作者)が測定する。
注記1 この種の繰返し精度は,サンプリング及び分散による変動
を含まない。
注記2 併行精度ともいう。
repeatability
(instrument)
[6.14]
4002
繰返し精度
(方法)
異なる部分試料に対してある特性を複数回,測定した結果における
一致の程度。この場合,短い期間に同一の条件で同じ装置によって
同一のオペレータ(装置操作者)が測定する。
注記 この種の繰返し精度は,サンプリング及び分散による変動を
含む。
repeatability (method)
[6.15]
4003
再現性
異なる部分試料に対して,ある特性を複数回,測定した結果におけ
る一致の程度。この場合,異なるオペレータ(装置操作者)によっ
て試料は調製され,同一の方法に従って類似した装置で測定され
る。
注記 再現精度ともいう。
reproducibility
[6.16]
4004
全量測定
容器内の全試料が使用される解析。
single shot analysis
[6.21]
4005
適格性確認
標準物質を用いて測定したときに,装置がその仕様どおりに動作し
ていることの確認。
qualification
[7.3]
9
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
4006
妥当性評価,
バリデーショ
ン
標準物質を用いて測定したときに,測定手順が全ての項目で規定ど
おりであることの確認。
validation
[7.6]
e) 粉体粒子の表面積,細孔及び密度の測定
1) ガス吸着・表面積
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5101
吸着
固体の外部表面及び吸着可能な内部表面上での吸着質の濃縮現象。 adsorption
[3.37]
5102
物理吸着
圧力又は温度の小さな変化に対して可逆的である,弱い結合による
吸着。
注記 弱い結合はファンデルワールス力による。
physisorption
[3.47]
5103
等温線
一定温度における吸着量と吸着質ガス(adsorptive)の平衡圧力との
関係。
adsorption isotherm
[3.40]
5104
フリースペー
ス
試料管及び配管がもつ容積から吸着材が占める体積を除いた空間。
注記 ヘッドスペース,デッドスペース又は死容積ともいう。
free space
[3.2]
5105
平衡吸着圧力 吸着した状態の吸着質(adsorbate)と平衡にある気相中の吸着質
(adsorptive)の圧力。
equilibrium
adsorption pressure
[3.39]
5106
飽和蒸気圧
吸着温度で液化する吸着質の蒸気圧。
saturation vapour
pressure
[3.45]
5107
相対圧
飽和蒸気圧力p0に対する平衡吸着圧力pの比。
relative pressure
[3.43]
5108
吸着量
ある圧力p及び温度Tにおいて吸着したガスのモル数(物質量)。
amount adsorbed
[3.35]
5109
単分子層吸着
量
吸着材表面上に単分子の層を形成するときの,吸着質のモル数。
monolayer amount
[3.41]
5110
単分子層吸着
容量
標準状態の温度及び圧力(standard temperature and pressure,STP)で
のガスとして表現される,単分子層吸着量の体積相当量。
monolayer capacity
[3.42]
5111
体積吸着量
標準状態の温度及び圧力(STP)でのガスとして表現される吸着量
の体積相当量又は吸着質(adsorbate)の液体体積として表現される
吸着量の体積相当量。
volume adsorbed
[3.46]
5112
吸着材
表面で吸着が起こる固体物質。
注記 吸着剤ともいう。
adsorbent
[3.36]
5113
吸着質
吸着した状態の物質(adsorbate),及び吸着されるガス又は蒸気
(adsorptive)。
注記 対応英語では“adsorbate”と“adsorptive”とが区別されてい
るが,日本語では両者を吸着質としている。
adsorbate,
adsorptive
[3.34], [3.38]
5114
分子断面積
単分子層で吸着した状態にある吸着質が占有する面積。
molecular
cross-sectional area
[3.1]
5115
表面積
規定の方法及び記載した条件で決定された有効表面積の大きさ。
注記 この規格では,表面積は,固体の外部表面及び吸着可能なマ
クロ,メソ及びミクロ細孔の内部表面を含む。
surface area
[3.28]
5116
比表面積
試料の表面積を試料質量で除したもの。
specific surface area
[3.3]
5117
外部表面積
表面粗さを含み,細孔の面積を含まない外表面の面積。
注記 表面粗さは,その径より浅い細孔を指す。
external surface area
[3.9]
10
Z 8890:2017
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5118
内部表面積
細孔壁の全面積。
internal surface area
[3.12]
2) 細孔分布
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5201
マクロ細孔
50 nmを超える大きな径をもつ細孔。
注記 マクロ孔又はマクロポアともいう。
macropore
[3.15]
5202
メソ細孔
2 nm〜50 nmの径をもつ細孔。
注記 メソ孔又はメソポアともいう。
mesopore
[3.16]
5203
ミクロ細孔
2 nm以下の径をもつ細孔。
注記 ミクロ孔,ミクロポア,マイクロ孔,マイクロ細孔又はマイ
クロポアともいう。
micropore
[3.17]
5204
細孔径,
気孔径
円筒型細孔の直径又はスリット型細孔の対壁間の距離。
注記1 細孔径を測定する方法には,水銀圧入法及びガス吸着法が
ある。
注記2 粒子内の空間に対して,水銀圧入法では“気孔”が,ガス
吸着法では“細孔”が,主に使われている。
pore size
[3.20]
5205
細孔容積,
気孔容積
定められた方法によって決定される細孔(気孔)の容積。
pore volume
[3.21]
5206
気孔率
固体が占める全体積に対する開気孔及び空隙の体積の割合。
open porosity,
porosity
[3.19], [3.24]
5207
粒子内気孔率 固体によって占められる全体積に対する粒子の開気孔の体積割合。 intraparticle porosity
[3.13]
5208
粒子間気孔率 粒子又は粒子集合体の見掛け体積に対する粒子間の空間体積の割
合。
注記 見掛け体積は,粒子間空間,開気孔及び閉気孔を含めた試料
の全体積である。
interparticle porosity
[3.14]
5209
全気孔率
固体,空隙及び細孔によって占有される全体積に対する空隙,開気
孔及び閉気孔を加えた容積の割合。
注記 JIS Z 2500:2000 [19]の4. (3419)では,気孔率という。
total porosity
[3.31]
5210
開孔,
開気孔
外部表面に通じている細孔(気孔)。
注記 開放気孔ともいう[19]。
open pore
[3.18]
5211
閉気孔
外部表面に通じていない空洞。
注記 閉鎖気孔ともいう[19]。
closed pore
[3.7]
5212
閉塞孔
外部表面とただ一つの連結をもつ細孔。
注記 非貫通孔ともいう。
blind pore,
dead-end-pore
[3.6]
5213
連結細孔
一つ又は多数の他の細孔と結び付いた細孔。
interconnected pore
[3.11]
5214
貫通孔
通路が試料を貫通している細孔。
注記 閉塞孔と区別する場合に用いる。
through pore
[3.30]
5215
インクボトル
型細孔
内部の細孔径より,入口の径が小さい開孔。
ink bottle pore
[3.10]
5216
垂直シリンダ
型細孔
表面に垂直な円筒状の細孔。
right cylindrical pore
[3.44]
5217
空隙
粒子と粒子との間の空間,すなわち粒子間の気孔。
void
[3.33]
11
Z 8890:2017
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5218
多孔体
細孔又は気孔を多くもつ固体。
注記 細孔又は気孔とは,径よりも深い空洞又は幅よりも深い溝の
ことで,浅いものは,表面粗さとする。
porous solid
[3.25]
5219
ポロシメータ,
水銀圧入法測
定装置
水銀圧入法によって,気孔率及び気孔径(細孔径)分布を測定する
装置。
porosimeter
[3.22]
5220
水銀圧入法
水銀を圧入することによって,気孔率及び気孔径(細孔径)分布を
評価する方法。
porosimetry
[3.23]
5221
表面張力
固体材料又は同じ液体の膜から,液体の膜を剝がすために必要な
力。
surface tension
[3.29]
5222
接触角
ぬれない液体の表面が,固体材料と接触するところでなす角度。
contact angle
[3.8]
3) 密度
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5301
真密度,
粒子真密度
粒子の質量を,開気孔及び閉気孔を除く粒子の体積で除したもの。
注記 番号8005“粒子真密度”の定義と同じ。
true density,
true particle density
[3.32]
5302
見掛け密度
閉気孔及び水銀圧入法によって測定不可能な気孔を含む試料の全
体積で粉体の質量を除したもの。
注記1 粒子有効密度と同じ。
注記2 水銀圧入法では,圧入圧力を変えることで,粉体層内の粒
子空間及び粒子内の径の異なる細孔容積を測定することが
できる。したがって,圧入圧力を指定すると,様々な見掛
け体積が求められる。
apparent density
[3.4]
5303
かさ密度
定義された条件下での粉体の密度。
注記1 一定容積内に充塡した粉体質量を,容積で除した値。
注記2 一定容積内に軽く充塡した質量を空間容積で除した値を,
緩みかさ密度という。また,一定容積内に振動などによっ
て固く充塡した質量を容積で除した値を,かためかさ密度
という。
bulk density
[3.5]
5304
粉体密度
粉体の質量を見掛け体積で除した値。見掛け体積は,開気孔及び閉
気孔を含めた試料の全体積をいう。
powder density
[3.26]
5305
骨格密度
粉体の質量を,閉気孔を含むが,開気孔を除いた試料の全体積で除
した値。
skeleton density
[3.27]
f)
液中粒子分散系の特性評価
番号
用語
定義
対応英語(参考)
6001
分散系
不連続な相(固体,液体又は気体の連続相)が異なる成分,又は状
態の連続相に分散している,微視的には多相の系。
注記 固体粒子が液中に分散されている場合,分散液を懸濁液(サ
スペンション)という。分散が,二つ又はそれ以上の液相で
形成されている場合の分散液を乳濁液(エマルジョン)とい
う。また,乳懸濁液(サスポエマルジョン)は,固相及び液
相が液の連続相に分散した状態のことをいう。
dispersion
[16.5]
6002
沈降
連続相に比べて分散粒子の密度が高いことによって生じる,分散相
の分離。
注記 容器の底に蓄積した分散相は,重力沈降が起こった証明とな
る。
sedimentation
[16.11]
12
Z 8890:2017
番号
用語
定義
対応英語(参考)
6003
クリーミング 連続相に比べて分散相(液滴)の密度が低いために生じた,乳濁液
中での分散相の浮上(分離)。
注記 クリーミング速度は,粒子運動とは逆の作用力のため,負符
号をもつ。
creaming
[16.4]
6004
分散安定性
時間の経過に対して,分散の特性(状態)の変化又は変動に抗する
特性。与えられた時間内において,分散状態が変化しない性質。
注記 この観点からみると,弱凝集又はクリーミングは,分散安定
性が失われたことを示す。
dispersion stability
[16.6]
6005
相分離
巨視的に均一な懸濁液,乳濁液又は泡状物質が,巨視的に二つ以上
の相に分離する過程。
phase separation
[16.10]
6006
融合,
合一,
合体
接触による二つの粒子(通常は,液滴又は気泡)間の境界の消失,
又は二つの粒子のいずれかとバルク相間との境界の消失によって,
形状が変化し,全体の表面積が減少すること。
注記 乳濁液の凝集又は凝結の後に,融合を伴うことがある。
coalescence
[16.3]
6007
オストワルド
熟成
小粒子の溶解,及び溶解した溶質の大粒子表面への再析出。
注記 小粒子は,大粒子と比較して,高い界面エネルギーをもつた
め,溶解性が高い。
Ostwald ripening
[16.8]
6008
転相
容積比及び投入エネルギーなどの系の特性によって決まる条件下
で,液−液分散系(乳濁液)における分散相と連続相とが,自発的
に逆転する現象。
phase inversion
[16.9]
6009
浮選,
浮遊選鉱
粒子有効密度が連続相に比べて相対的に低いとき,液連続相の上部
へ分散された固相が,泳動すること。
注記 一般には,疎水性粒子を気泡に付着させて浮上させ,親水性
粒子と分離する操作を浮選又は浮遊選鉱という。
flotation
[16.7]
6010
弱凝集
分散系における粒子集合体が,弱い物理的相互作用によって,緩や
かな相互干渉をもつ構造を形成する過程。
注記1 弱凝集は,可逆過程である。
注記2 対応英語の“flocculation”は,高分子電解質などの凝集剤
の添加によって,弱凝集を促進することを示す用語の同義
語として,用いられることが多い。
agglomeration,
coagulation,
flocculation
[16.1]
6011
強凝集
粒子集合体が強く結集している構造を形成する過程。
注記1 強凝集は,不可逆過程である。
注記2 強凝集体を形成させる力は,例えば,共有結合又は焼結若
しくは複雑な物理的絡み合いに由来する強い力である。
注記3 一般的に,強凝集と弱凝集とは,区別なく又は逆の意味で
用いられることが多い。
aggregation
[16.2]
6012
貯蔵寿命
貯蔵・流通・保管・利用段階において,分散系製品の期待された(又
は決められた)状態が,仕様として許容される期間。
shelf life
[16.12]
g) 界面電気現象
1) 電気二重層
番号
用語
定義
対応英語(参考)
7101
電気二重層,
EDL
液体と接している物体表面上又は付近に形成される,電荷の空間分
布。
注記 電気二重層は,固定層と拡散層とからなる。
electric double layer,
EDL
[17.1]
7102
グーイ・チャ
ップマン・
シュテルン
モデル
電気二重層を表現するモデル。
注記 このモデルは,拡散領域の定量的な取扱いを示したグーイ・
チャップマンモデル,及び拡散領域と内部領域との境界が存
在することを示したシュテルンモデルからなる。
Gouy-Chapman-Stern
model
[17.1.9]
13
Z 8890:2017
番号
用語
定義
対応英語(参考)
7103
デバイ・ヒュ
ッケル近似
電気二重層における小さな電位差を仮定したモデル。
Debye-Hückel
approximation
[17.1.1]
7104
デバイ長,
κ-1
電解質溶液中での電気二重層の特性長さ。
注記1 電気二重層厚さともいう。
注記2 電荷による影響が小さくなる距離を示す。
注記3 単位記号:nm
Debye length,
κ-1
[17.1.2]
7105
表面電荷密度,
σ
液体中のイオンの特異的な吸着又は表面解離基による,単位面積当
たりの界面の電荷。
注記 単位記号:C/m2
electric surface
charge density,
σ
[17.1.6]
7106
表面電位,
Ψs
表面から十分離れた液体部分を基準にした表面の電位。
注記 単位記号:V
electric surface
potential,
Ψs
[17.1.7]
7107
シュテルン電
位,
Ψd
特異的にイオンが吸着した層の外部境界上の電位。
注記 単位記号:V
Stern potential,
Ψd
[17.1.12]
7108
すべり面,
せん断面
液体がせん断応力の影響で表面に対して滑る,液体・固体界面付近
の概念的な面。
slipping plane,
shear plane
[17.1.11]
7109
ゼータ電位,
界面動電位,
ζ
すべり面上と表面から十分離れた液体部分との電位差。
注記 単位記号:V
zeta-potential,
electrokinetic
potential,
ζ-potential,
ζ
[17.1.8]
7110
等電点
分散した粒子のゼータ電位がゼロとなる溶液の状態。通常,pHの
値。
isoelectric point
[17.1.10]
7111
ブラウン運動 媒体分子の熱運動によって引き起こされる,液体中の懸濁粒子のラ
ンダムな運動。
Brownian motion
[17.1.13]
7112
ドップラーシ
フト
波の発生源に対して相対運動する観測者が観測する,波の周波数又
は波長の変化。
Doppler shift
[17.1.14]
7113
拡散係数,
D
単位時間当たりの粒子の平均自乗変位。
diffusion coefficient,
D
[17.1.3]
7114
振動粘性係数,
η
液体のせん断応力とせん断速度との比。
注記1 振動粘性係数は,振動場における1周期のエネルギー損失
に対応する振動損失と角周波数との比によっても定義され
る[21]。
注記2 振動粘性係数は,せん断応力によって変形した流体の抵抗
の大きさとして用いられる。
注記3 振動粘性係数は,非圧縮性ニュートン流体の動特性を決め
る。
注記4 動的粘性率ともいう[22]。
注記5 単位記号:Pa・s
dynamic viscosity,
η
[17.1.5]
7115
表面伝導度,
Kσ
粒子表面に生じる過剰な電気伝導度。
注記1 電気二重層のイオン分布によって,バルク電解質溶液より
伝導性が大きくなることで生じる。
注記2 単位記号:S
surface conductivity,
Kσ
[17.2.7]
14
Z 8890:2017
番号
用語
定義
対応英語(参考)
7116
デューヒン数,
Du
不均一系の電気伝導度及び誘電率と同様,界面動電現象及び電気音
響現象において,表面伝導度の寄与を特徴付ける無次元数。
Dukhin number,
Du
[17.1.4]
2) 界面動電現象
番号
用語
定義
対応英語(参考)
7201
界面動電現象 荷電した表面に対して平行な液体の運動。
electrokinetic
phenomena
[17.2]
7202
電気泳動
溶液中の電荷をもったコロイド粒子又は高分子電解質の,外部電場
による移動。
electrophoresis
[17.2.2]
7203
電気泳動速度,
ve
電気泳動による粒子の速度。
注記 単位記号:m/s
electrophoretic
velocity,
ve
[17.1.18]
7204
電気泳動移動
度,
μe
単位電場当たりの電気泳動速度。
注記1 電気泳動移動度は,粒子がより低い電位(負電極)の方向
に移動するなら正であり,逆の場合は負である。
注記2 単位記号:m2/(V・s)
electrophoretic
mobility,
μe
[17.1.17]
7205
電気浸透
荷電した固体表面に対する液体中の対イオンが,印加電場下で液体
とともに移動する現象。これによって液体は,粒子充塡層,多孔体,
毛細管又は膜を通過する。
electroosmosis
[17.1.15]
7206
電気浸透速度,
veo
電気浸透において,荷電した界面から十分離れた点での液体の速
度。
注記 単位記号:m/s
electroosmotic
velocity,
veo
[17.1.16]
7207
電気浸透圧,
Δpeo
電気浸透流を止めるために必要な圧力。
electroosmotic
counter-pressure,
Δpeo
[17.2.1]
7208
沈降電位,
Used
粒子が重力沈降している懸濁液中で,鉛直方向に離れた二つの電極
で検知される電位差。
注記1 遠心場の沈降でもこの現象が起きる。
注記2 単位記号:V
sedimentation
potential,
Used
[17.2.3]
7209
流動電位,
Ustr
毛細管,充塡物,隔膜又は膜を通る液体の流れに起因する,ゼロ電
流での電位差。
注記1 流動電位は,毛細管又は多孔質中の対イオンの流れによっ
て生み出される。
注記2 単位記号:V
streaming potential,
Ustr
[17.2.6]
7210
流動電流,
Istr
多孔体中の流体の運動から生じる電流。
注記 単位記号:A
streaming current,
Istr
[17.2.4]
7211
流動電流密度,
Jstr
単位面積当たりの流動電流。
注記 単位記号:A/m2
streaming current
density,
Jstr
[17.2.5]
15
Z 8890:2017
3) 電気音響現象
番号
用語
定義
対応英語(参考)
7301
電気音響現象 電解質溶液中において超音波場と電場との間のカップリング(結
合)によって生まれる現象。どちらかの場が駆動力となる。溶液は,
単純なニュートン流体でも,また,懸濁液又は乳濁液でもよい。多
孔体中の液体でも生じる。液体の性質及び駆動力の型によって,幾
つかの電気音響現象がある。
electroacoustic
phenomena
[17.3]
7302
コロイド振動
電流,
CVI,
ICVI
粒子分散液中に置かれた電極間に,超音波によって生じる交流電
流。
colloid vibration
current,
CVI,
ICVI
[17.3.1]
7303
コロイド振動
電位,
CVP
粒子分散液中に置かれた電極間に,超音波によって生じる交流電位
差。
colloid vibration
potential,
CVP
[17.3.2]
7304
動電音響振幅,
ESA,
AESA
粒子分散液中において,交流電場下で生じる超音波の振幅。コロイ
ド振動電位法に対応する方法。
注記 単位記号:Pa
electrokinetic sonic
amplitude,
ESA,
AESA
[17.3.3]
7305
イオン振動電
流,
IVI
溶液中の各種イオンの有効質量又は摩擦係数の違いが原因となり,
超音波場下で振動振幅の違いによって発生する交流電流。
注記 単位記号:A
ion vibration current,
IVI
[17.3.4]
7306
流動振動電流,
SVI
超音波が伝ぱ(播)する多孔体中において発生する流動電流。
注記1 同様の効果は,傾いた非多孔体表面から音波が反射すると
きにも観察される。
注記2 単位記号:A
streaming vibration
current,
SVI
[17.3.5]
7307
振動電気効果,
SEI
超音波が伝ぱする多孔体中において発生する非等容状態の流動電
流。
注記1 同様の効果は,傾いた非多孔体表面から音波が反射すると
きにも観察される。
注記2 単位記号:A
seismoelectric effect,
SEI
[17.3.6]
7308
電気振動効果,
ESI
高周波数電場下にある多孔体中において発生する非等容状態の電
気浸透圧。
注記 単位記号:Pa
electroseismic effect,
ESI
[17.3.7]
7309
動的電気泳動
移動度,
μd
高周波数(MHz)電場下での単位電場当たりの電気泳動速度。
注記1 通常の電気泳動速度は,低周波数電場下での値で,動的電
気泳動速度の漸近値である。
注記2 単位記号:m2/(V・s)
dynamic
electrophoretic
mobility,
μd
[17.3.8]
h) 沈降法
番号
用語
定義
対応英語(参考)
8001
ストークス径 実際に沈降する粒子と同一の粒子有効密度及び沈降速度をもち,ス
トークス則を満たす球形粒子に相当する直径。
Stokes diameter
[2.5]
8002
終末沈降速度 粒子に作用する重力と流体抗力とが釣り合った状態で,静止液体中
を一定の速度で沈降する粒子の速度。
terminal settling
velocity
[2.6]
8003
ふるい上
ある粒子径以上の粒子の割合。
注記 積算ふるい上分布のこと。
oversize
[2.3]
16
Z 8890:2017
番号
用語
定義
対応英語(参考)
8004
ふるい下
ある粒子径未満の粒子の割合。
注記 積算ふるい下分布のこと。
undersize
[2.7]
8005
粒子有効密度 粒子によって排除された流体の体積で,粒子質量を除した量。
effective particle
density
[2.1]
8006
粒子真密度
粒子の全ての開孔,閉孔及び表面の割れ目を除いた粒子体積で,粒
子質量を除した量。
注記1 粒子を構成する物質の密度に対応する。
注記2 番号5301“真密度”の定義と同じ。
true particle density
[2.2]
8007
ピクノメータ
法
粒子質量を,校正した既知の粉体体積で除して粒子密度を求める方
法。この場合,粉体体積は,粉体に対して不活性な気体又は液体と
の置換によって求める。
pycnometry
[2.4]
i)
電気的検知帯法
番号
用語
定義
対応英語(参考)
9001
アパチャー
懸濁液が吸引される直径の小さい穴。
aperture
[5.2]
9002
サンプリング
容積
アパチャーを通過して測定される懸濁液の容積。
sampling volume
[5.3]
9003
検知帯
粒子を検出するアパチャー内部及びその周辺の電解質溶液の領域。 sensing zone
[5.4]
9004
不感時間
粒子のアパチャー通過を検出したパルスの信号処理のために,次に
来るパルスを処理できなくなる時間。
dead time
[5.1]
9005
チャンネル
粒子を検出するとき,粒子の大きさを分別するために設けた粒子径
区間。
channel
[5.5]
9006
見掛けの大き
さ
顕微鏡で確認できる多孔質粒子の外観の大きさ。
envelope size
[5.6]
9007
見掛けの体積 見掛けの大きさで定義する多孔質粒子の体積。
envelope volume
[5.7]
j)
レーザ回折・散乱法
番号
用語
定義
対応英語(参考)
10001
光散乱
異なる光学的な特性をもつ二つの媒体界面において起きる,光の伝
ぱの変化。
注記 光と粒子との間に働く,次の四つの相互作用の結果,入射光
強度の減少(減衰)と同時に,散乱角に対して特有の散乱光
強度分布(散乱パターン)を生じる現象。
a) 粒子の輪郭での回折[フラウンホーファ回折
(Fraunhofer)]
b) 粒子の内側及び外側の両表面での反射
c) 媒体から粒子へ及びその逆からくる光の界面での屈折
d) 粒子内部での光の吸収
light scattering
[6.17]
10002
回折
粒子外表面付近での光散乱。粒子からかなり離れた距離で観測され
る。
注記 粒子径(粒径パラメータ)が比較的大きい場合において,散
乱角の小さい範囲(前方小角散乱)では,粒子の輪郭での回
折が支配的になるため,フラウンホーファ回折式が光散乱理
論式(ミー理論式)のよい近似式として適用できる(フラウ
ンホーファ回折近似)。
diffraction
[6.6]
17
Z 8890:2017
番号
用語
定義
対応英語(参考)
10003
光吸収
散乱による以外の光強度の減衰。
light absorption
[6.1]
10004
光減衰
媒体中を通過する光の散乱及び吸収による減衰。
light extinction
[6.7]
10005
光反射
光が光学的に異なる媒体を分けている表面に入射したとき,入射し
た側の媒体に向けて放射方向の変化が生じる過程。
light reflection
[6.12]
10006
屈折
光が光学的に不均一な媒体中を透過するとき,又は異なる媒体を分
けている表面を通過するとき,光の伝ぱ速度の変化の結果として放
射方向の変化が生じる過程。
注記 次のスネルの法則に従う。
nm sin θm=np sin θp
ここに, nm: 媒体の屈折率の実数部
np: 粒子の屈折率の実数部
θm: 媒体中での光線と境界面法線との角度
θp: 粒子中での光線と境界面法線との角度
refraction
[6.13]
10007
単散乱
粒子群全体による全散乱パターンに対する一つの粒子からの寄与
が,他の粒子からの散乱に対して独立である散乱。
single scattering
[6.20]
10008
多重散乱
二つ以上の粒子による連続的な光の散乱。個々の粒子からの散乱光
の加算とは異なる散乱パターンを生じる。
注記 “単散乱”参照。
multiple scattering
[6.9]
10009
散乱角,
θ
入射光ベクトルと散乱光ベクトルとが成す角度。
scattering angle,
θ
[6.18]
10010
散乱パターン 光散乱強度の角度パターンI(θ) 若しくは半径パターンI(r) 又は検
出器の感度及び配置を考慮した光強度に対応するエネルギー値の
パターン。
scattering pattern
[6.19]
10011
複素屈折率,
Np
粒子の屈折率。実数部と虚数部(吸収項)とからなる。
注記1 粒子の複素屈折率は数学的には次のように表される。
Np=np−inIp
ここに, np: 粒子の屈折率の実数部
nIp: 粒子の屈折率の虚数部(吸収項)で正
の値をとる。
i: 虚数単位(=
1
−)
注記2 JIS Z 8000-7:2014 [29],7-5とは異なり,この規格では,虚
数部にマイナスの符号を付すという慣習に従う。
complex refractive
index,
Np
[6.3]
10012
相対屈折率,
mrel
分散媒の屈折率の実数部に対する粒子の複素屈折率の比。
注記1 実際には多くの場合,分散媒は透明であり,したがって,
その屈折率の虚数部は無視できる。
注記2 相対屈折率は,数学的に次のように表される。
mrel=Np/nm
ここに, nm: 分散媒の屈折率の実数部
relative refractive
index,
mrel
[6.4]
10013
減衰率,
O
粒子の散乱及び/又は吸収によって減衰した入射光の割合。
注記1 減衰率は,パーセント(%)で表示することができる。
注記2 割合で示される場合,減衰率と透過率との和は1になる。
注記3 ISO 13320:2009 [28]では,光学濃度(optical concentration)
を同義として用いているが,厳密には異なるため,この規
格では,減衰率だけを用語として用いる。
obscuration,
O
[6.10]
18
Z 8890:2017
番号
用語
定義
対応英語(参考)
10014
透過率
粒子によって減衰しなかった入射光に対する割合。
注記1 透過率は,パーセント(%)で表示することができる。
注記2 割合で表示される場合,減衰率と透過率との和は1になる。
注記3 ISO 13320:2009 [28]では,光透過(transmission)を用語と
して挙げているが,この規格では,透過率を用語として用
いる。
light transmittance
[6.22]
10015
光学モデル
光学的に均一で等方的で,また,場合によっては特定の複素屈折率
をもつ球のモデルマトリックスの計算に用いられる理論的モデル。
例として,フラウンホーファ回折近似モデル,ミー散乱理論モデル。
optical model
[6.11]
10016
逆演算,
デコンボリュ
ーション
粒子群全体の粒子径分布を光散乱パターンの測定から推定する数
学的手法。
注記 レーザ回折・散乱法における解析法。
deconvolution
[6.5]
10017
モデルマトリ
ックス
各粒子径区間の粒子単位体積に対する散乱光ベクトルによって構
成される行列。検出器の寸法及び配置に応じて調整されており,モ
デル計算から導かれる。
model matrix
[6.8]
k) 動的光散乱法
番号
用語
定義
対応英語(参考)
11001
平均粒子径,
DLS
x
散乱光強度基準による調和平均粒子径(直径)。
注記1 動的光散乱法による粒子径測定において求められる平均粒
子径。
注記2 平均粒子径は,ナノメートル(nm)で表示される。典型的
な平均粒子径は,1 nm〜約1 000 nmの範囲にある。
注記3 JIS Z 8826:2005 [30]では,記号xpcsが使用されている。
注記4 平均粒子径は,キュムラント法解析(JIS Z 8826:2005 [30]
の附属書A参照)又は次式による。
∑
∑
=
=
=
N
i
N
i
x
Q
Q
x
1
i
i
int,
1
i
int,
DLS
Δ
Δ
ここに, ΔQint,i: 粒子径xiで代表される粒子径区間iに
含まれる散乱光強度基準の相対粒子
量分率。
average particle
diameter,
DLS
x
[7.1]
11002
多分散指数,
PI
粒子径分布の広がりを示す無次元指標。
注記1 単分散の試験試料に対する典型的なPIの値は,0.1より小
さい。
注記2 動的光散乱法において用いられる多分散指数は,キュムラ
ント法解析(JIS Z 8826:2005 [30]の附属書A参照)又は次
式による。
(
)
∑
∑
=
=
−
=
N
i
N
i
Q
x
x
Q
x
PI
1
i
int,
1
2
DLS
2
i
i
int,
2
DLS
Δ
1
1
Δ
2
ここに, ΔQint,i: 粒子径xiで代表される粒子径区間iに
含まれる散乱光強度基準の相対粒子
量分率。
polydispersity index,
PI
[7.2]
11003
散乱体積,
V
受光光学系で観測できる入射レーザ光の体積。
注記 検出領域の体積で,動的光散乱法で用いられる。
scattering volume,
V
[7.4]
19
Z 8890:2017
番号
用語
定義
対応英語(参考)
11004
散乱光強度,
カウントレー
ト,
光電流,
Is
散乱体積に存在している粒子によって散乱された光の強度(散乱光
強度)。実際には,検出器で検出される散乱強度に比例する単位時
間当たりの光子パルス数(カウントレート)。又は検出器からの出
力電流値(光電流)。
scattered intensity,
count rate,
photocurrent,
Is
[7.5]
l)
小角X線散乱法
番号
用語
定義
対応英語(参考)
12001
小角X線散乱
法,
SAXS
小角で測定されるX線弾性散乱強度に基づく測定方法。
注記1 通常,散乱角が0.1°〜10°の範囲で測定され,典型的には,
5 nm〜200 nmの大きさで秩序化している,又は部分的に秩
序化している物体の周期性若しくは高分子の構造情報を得
ることができる。
注記2 広角X線散乱(WAXS)は,X線結晶構造解析と類似の手
法であり,より小さなスケールの構造の秩序性に敏感な散
乱角の大きいところの散乱である。
注記3 X線発生源には,シンクロトロンが使用される場合があり,
シンクロトロン放射光小角X線散乱(SRSAXS又はSRSAS)
ということもある。
small angle X-Ray
scattering
[10.1]
12002
回転半径,
Rg
粒子の慣性モーメントを粒子質量で除したものの平方根。
注記 ギニエ半径又は慣性半径ともいう。
radius of gyration,
Rg
[10.2]
m) 音響法
番号
用語
定義
対応英語(参考)
13001
超音波
流体又は固体中を伝ぱする,可聴域を超えた高周波(20 kHz以上)
の音波。
注記 粒子特性評価で用いられる帯域は,通常,100 kHz〜100 MHz
である。
ultrasound
[14.22]
13002
超音波伝ぱ
試料中の超音波の伝ぱ。
ultrasonic transmission
[14.19]
13003
超音波吸収
照射された超音波のエネルギーの,散乱以外による減少。
ultrasonic absorption
[14.1]
13004
減衰
照射された超音波のエネルギーの全減少。散乱及び吸収からなる。
注記 推奨される測定単位はデシベル(dB)で,入力強度と伝ぱ強
度との比の常用対数(10を底とする)の10倍と定義される
か,又は入力振幅と伝ぱ振幅との比の常用対数の20倍と定義
される。ネーパ(Np)も測定単位として代用することができ
る。この単位は,常用対数ではなく,自然対数に基づいてい
る。変換係数は,1 Np=8.686 dB。
attenuation
[14.2]
13005
干渉
二つ又はそれ以上の波が重ね合わされたときに観察される,打ち消
される又は増幅される波動現象。
interference
[14.10]
13006
超音波反射
界面又は表面で,超音波が音源側に戻ること。
注記 通常,変換器表面又は粒子内に音響インピーダンスの異なる
層が存在する場合,その層間で生じる。
ultrasonic reflection
[14.14]
13007
超音波散乱
入力波が方向変化するときに,超音波エネルギーが除かれること。
注記 通常,粒子と溶媒との界面で生じる。
ultrasonic scattering
[14.15]
13008
余剰減衰
連続相に粒子が存在することで生じる減衰の増加分。
excess attenuation
[14.8]
20
Z 8890:2017
番号
用語
定義
対応英語(参考)
13009
帯域幅
超音波シグナルの周波数域。通常は,スペクトル解析装置で,−3 dB
である点の間での周波数差として測定される。
bandwidth
[14.5]
13010
減衰係数
物質中を伝ぱする超音波の単位長さ当たりの減衰。デシベル毎セン
チメートル(dB/cm)又はネーパ毎センチメートル(Np/cm)の単位
で測定される。
注記 ISO 20998-1:2006 [32]では,減衰係数として単位長さ当たりの
減衰(dB/cm)だけを考慮している。ただし,支配的な減衰
機構を同定するために,減衰(dB/cm)を周波数又は周波数
の2乗によって除した減衰係数を用いる場合がある。
attenuation
coefficient,
extinction coefficient
[14.3]
13011
減衰スペクト
ル
周波数の関数として測定される減衰係数。
attenuation spectrum
[14.4]
13012
トーンバース
ト
数サイクル(典型的には5〜10サイクル)の正弦波の間隔。
tone-burst
[14.17]
13013
変換器
電圧によって超音波を発する又はその逆を発する装置。
注記1 発振子又は受振子のこと。
注記2 変換器として圧電素子が一般的に用いられる。
transducer
[14.18]
13014
伝ぱ長さ
発振子と受振子との間の距離で,超音波が伝ぱする距離。
path length
[14.12]
13015
伝ぱスペクト
ル
周波数の関数として表示された伝ぱ値。
transmission spectrum
[14.21]
13016
伝ぱ値
試料中を伝ぱするある周波数の超音波の強度。一般にボルト(V)
の単位で測定される。
transmission value
[14.20]
13017
固有応答
超音波スペクトロメータ固有の周波数依存性応答。
注記 サンプル成分物質固有の吸収と混同しないこと。
intrinsic response
[14.11]
n) 光相互作用による粒子計数方法
番号
用語
定義
対応英語(参考)
14001
光散乱相当径,
xsca v
一定強度の入射光を受けたとき,実際の測定粒子が散乱する光強度
と等しい強度の光を散乱する,一定の屈折率をもつ球形の参照粒子
の直径。
注記1 参照粒子として,校正用ポリスチレンラテックス粒子が用
いられることが多い。
注記2 散乱光の強度は,散乱光の集光立体角に依存するため,光
散乱相当径は,光散乱式粒子計数器の光学系の設計によっ
て変わる可能性がある。
light scattering
equivalent particle
diameter,
xsca v
[9.5]
14002
粒子計数器
光散乱方式又は光遮蔽方式を用いて,粒子の個数及び粒径を測定す
る装置。
particle counter
[9.9]
14003
波高分析器
パルスの波高値分布を測定する装置。
pulse height analyser
[9.10]
14004
校正用粒子
平均粒径が既知の単分散球形粒子。
注記1 校正用粒子の値は,国家標準又は国際標準にトレーサビリ
ティがあり,平均粒径の標準不確かさが2.5 %以下の粒子で
ある。例えば,JIS Z 8901:2006 [36]の7.に規定するポリス
チレン系の粒子がある。
注記2 ポリスチレンラテックス校正用粒子の屈折率は,波長589
nm(ナトリウムD線)において約1.59である。
calibration particles
[9.8]
14005
同時通過損失 粒子検出領域を複数個の粒子が同時に通過したり,電気回路の処理
時間などが原因で生じる,粒子の数え落とし。
注記 同時通過損失の大きさは,試料中の粒子数濃度及び検出領域
の体積に依存する。
coincidence loss
[9.3]
21
Z 8890:2017
番号
用語
定義
対応英語(参考)
14006
計数効率
測定対象粒子に対して,粒子計数器が示す個数濃度の真の粒子数濃
度に対する比。
注記 計数効率の評価では,真の粒子数濃度の代替として,トレー
サビリティが確認された参照計数器が示す粒子数濃度を用い
る。
counting efficiency
[9.4]
14007
粒径分解能
粒子計数器のもつ,異なった粒径を識別できる能力。
注記 単分散の校正用粒子を測定したときの標準偏差で定義し,校
正用粒子の平均粒径との比で表す。
size resolution
[9.11]
o) エアロゾル粒子の電気移動度及び粒子数濃度の測定方法
番号
用語
定義
対応英語(参考)
15001
エアロゾル
ガス中に固体又は液体の粒子が分散した系。
aerosol
[12.1]
15002
レイノルズ数,
Re
粘性抵抗力に対する慣性力の比で表示される無次元数。
Reynolds number,
Re
[12.12]
15003
層流
時間的及び空間的に不規則な動き及び乱れのない流れ。
laminar flow
[12.9]
15004
クヌーセン数,
Kn
粒子半径に対するガス分子の平均自由行路の比。連続流であるか,
又は自由分子流であるかの指標である。
Knudsen number,
Kn
[12.8]
15005
すべりの補正
係数,
Sc
粒子に作用する抗力の非連続効果を補正するために使用する無次
元因子。この無次元因子は,粒子のサイズがガス分子の平均自由行
路と同程度,又はそれより小さくなる場合に重要になる。
slip correction factor,
Sc
[12.13]
15006
ストークス抗
力
レイノルズ数の小さいクリープ流れに限定された連続流体中を移
動する粒子に働く抗力。
Stokes' drag
[12.14]
15007
電気移動度
帯電粒子の移動度。
注記 電気移動度は,電場の強さ,力学的移動度及び粒子の電荷数
に依存する移動速度(泳動速度)として定義することができ
る。帯電粒子に印加された単位電場当たりの移動速度のこと。
electrical mobility
[12.7]
15008
移動速度,
泳動速度
外部から与えられた電場内における帯電浮遊粒子の定常状態の速
度。
migration velocity
[12.10]
15009
微分型電気的
移動度分級
器,
DEMC
電気的移動度によってエアロゾル粒子を選定し,装置出口で対象エ
アロゾル粒子をとり出す分級器。
注記 DEMCは,電場中で個々のエアロゾル粒子に働く空気動力学
的力と電気的力とをバランスさせることによって,エアロゾ
ル粒子を分級する。分級された粒子は,DEMCの物理的寸法
及び操作条件によって定義される電気的移動度の狭い範囲に
存在することになる。しかし,それらのエアロゾル粒子は,
荷電数によって,異なったサイズをもつ。
differential electrical
mobility classifier,
DEMC
[12.5]
15010
限界移動度
DEMCから測定対象として取り出されるエアロゾル粒子の電気移
動度の上限又は下限。これらの値は,DEMCの幾何学的形状,エア
ロゾル流及びシース流の流量並びに電極に印加された電圧によっ
て決まる。
限界移動度より大きな又は小さな粒子は,電極に移動する又は外部
に排出されるため,DEMCから取り出せない。
注記 臨界移動度ともいう。
critical mobility
[12.4]
15011
伝達関数
DEMCの入り口及び出口における粒子数濃度の比。通常,電気移動
度の関数として表す。
transfer function
[12.16]
22
Z 8890:2017
番号
用語
定義
対応英語(参考)
15012
微分型移動度
分析装置,
DMAS
荷電装置,DEMC,流量計,粒子検出器,装置を接続する配管系,
コンピュータ及び操作用ソフトウエアによって構成される,サブミ
クロン領域のエアロゾル粒子の粒径分布を測定するシステム。
differential mobility
analysing system,
DMAS
[12.6]
15013
システム伝達
関数
DMASの入り口における粒子数濃度に対するDMASの濃度検出装
置における粒子濃度の比。通常,電気移動度の関数として表す。
system transfer
function
[12.15]
15014
凝縮粒子計数
器,
CPC
エアロゾル粒子を凝縮成長させ,その粒子数濃度を測定する装置。
注記1 検出される粒子の大きさは,通常,数ナノメータ以上であ
る。
注記2 CPCは,DEMCで使用可能な検出器の一つである。
注記3 凝縮粒子計数器は,凝縮核計数器(CNC)ともいう。
condensation particle
counter,
CPC
[12.3]
15015
ファラデーカ
ップ式エア
ロゾル電流
計,
FCAE
エアロゾル粒子によって運ばれる電荷量の測定用として設計され
た電流計。
注記 電気的に接地された導電性カップ,検出部及び電流計回路間
の電気系統並びに流量計によって構成される。カップは,帯
電エアロゾル粒子を捕集するろ材を含んだ検出部を覆う保護
部材でもある。
Faraday-cup aerosol
electrometer,
FCAE
[12.18]
p) エアロゾル粒子の荷電方法
番号
用語
定義
対応英語(参考)
16001
空間電荷
空間に分布する正味の電荷。
space charge
[13.1]
16002
結合係数
イオンとエアロゾル粒子との付着確率。
注記 付着係数ともいう。
attachment coefficient
[12.2]
16003
荷電中和
エアロゾル粒子を,正味の電荷がゼロの平衡な荷電分布にする過
程。通常,正及び負に帯電した電気的に中立な気体中にエアロゾル
粒子を暴露することによって達成される。
charge neutralization
[13.2]
16004
平衡荷電分布 両極イオンによって十分に長い時間暴露され,安定化したエアロゾ
ル粒子の荷電状態。
注記 両極イオンは,放射線源又はコロナ放電によって形成される
正及び負のイオンである。
equilibrium charge
distribution
[13.3]
16005
粒子荷電装置 未知の荷電状態で採取されたエアロゾル粒子を,粒径に依存した既
知の荷電量分布状態に制御するときに使用する装置。両極荷電用及
び単極荷電用がある。
particle charge
conditioner
[13.4]
16006
両極荷電装置 装置内の正・負両極イオンをエアロゾル粒子に暴露することによっ
て,平衡帯電分布を達成する装置。
bipolar charger
[13.5]
16007
単極荷電装置 装置内の正又は負電荷のイオンに暴露させることによって,エアロ
ゾル粒子を一定の荷電状態に到達させる装置。
unipolar charger
[13.6]
q) 画像解析法
番号
用語
定義
対応英語(参考)
17001
連結
二値化画像において,着目画素が周囲画素と接続されているか否か
を判断する基準。
注記 長方形画素で,着目画素が黒である場合,着目画素の4辺に
隣接する位置に黒画素があるときに,それら2点が接続され
ているとするのが4-連結,斜め方向を含む着目画素の周り8
個のいずれかの位置に隣接する黒画素があるときに接続され
ているとするのが8-連結。
connectivity
[8.2]
23
Z 8890:2017
番号
用語
定義
対応英語(参考)
17002
オイラー数
連結領域の数からその内部にある穴の数を引いた値。その領域の形
状を表すものではなく,領域の連結性を表現する。
注記 連結領域とは,領域内の任意の2点が完全にその領域内にあ
る1本の曲線によって連結できる点から構成される領域をい
う。複雑な形状をした二次元物体が,連結領域(領域に穴が
あるものを含む。)の集合である場合,その物体のオイラー数
は,連結領域の数から穴の数を引いた数と定義され,その物
体の穴の数は,物体の補集合の連結領域の数よりも一つ少な
い。オイラー数を報告する場合には,適用した連結性,すな
わち,4-連結か又は8-連結かを付記することが重要である。
Euler number
[8.5]
17003
円相当径
粒子の投影面積と等しい面積をもつ円の直径。
注記 ヘイウッド径又は面積相当径ともいう[8]。
equivalent circular
diameter
[8.4]
17004
フェレー径
粒子の像を2本の平行線で挟んだときの平行線の間隔。
Feret diameter
[8.6]
17005
開口数,
NA
物体空間の屈折率と,対物レンズの入射瞳の半径が物体に張る角の
正弦との積。
numerical aperture,
NA
[8.10]
17006
画素
水平方向及び垂直方向の両方向に一定間隔でサンプリングして得
られる,デジタル画像の最小単位の領域。
pixel,
picture element
[8.11]
17007
濃淡画像
画素の明暗を多段階の階調情報で表現した画像。
注記 グレーイメージ又は多値画像ともいう。
grey image
[8.7]
17008
二値化画像
各画素の明暗濃度の値が0又は1のどちらかの値を取る画素の配列
からなるデジタル画像。通常,これは,表示装置に“明”若しくは
“暗”の領域,又は2色の色を付けて表示される。
binary image
[8.1]
17009
ラスターパタ
ーン
一つの試料台の上を測定領域で走査するときの配列(図1 [40]参
照)。
図1−ラスターパターン
raster pattern
[8.12]
17010
視野
観測・撮像装置で見える又は撮像される領域。
view field
[8.15]
17011
測定体積
被測定粒子を含む流れ,照明系及び光学検出系によって決定され,
鮮明な粒子画像が得られる三次元の測定領域。
measurement volume
[8.19]
24
Z 8890:2017
番号
用語
定義
対応英語(参考)
17012
測定領域
視野の内側にあって画像解析によって粒子計測を行う対象とする
領域(図2 [40]参照)。
図2−視野及び測定領域
measurement frame
[8.9]
17013
全測定領域
一連の測定領域の和集合(フレーム)。
measurement field
17014
しきい(閾)
値
濃淡画像において,粒子と背景とを区別する値。
threshold
[8.14]
17015
コントラスト 粒子像とその周辺のバックグラウンドとの濃淡値の差。
contrast (of an image)
17016
境界検出
粒子と背景との境界を検出すること。
edge finding
[8.3]
17017
セグメンテー
ション
着目粒子を周辺から切り出すのに用いられる方法。
segmentation
[8.13]
17018
フローセル
被測定粒子を含む流体が内部を流れる測定セル。
flow-cell
[8.17]
17019
シースフロー 被測定粒子を含む流体を特定の測定領域まで導く清浄なさや(鞘)
状の流れ。
sheath flow
[8.22]
17020
撮像装置
マトリクス状又はライン状に光電素子が配置された粒子画像を取
り込むための装置。
注記 動的画像法において用いられる。
image capture device
[8.18]
r) 光集束法
番号
用語
定義
対応英語(参考)
18001
遮光法,
集束ビーム反
射法,
FBRM
液中分散粒子又はエアロゾル粒子に対し,集束光をプローブとして
用い,弦長分布を測定する方法。ただし,弦長分布は,粒子径分布
とは異なる。
FBRMによって得られた結果をレーザ回折・散乱法など,他の方法
での結果と比較するためには,測定された弦長分布から粒子径分布
を再構築する必要がある。
focused beam
reflectance method
[15.1]
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Z 8890:2017
参考文献
[1] ISO 26824:2013,Particle characterization of particulate systems−Vocabulary
[2] ISO 14644-6:2007,Cleanrooms and associated controlled environments−Part 6: Vocabulary
[3] ISO/TS 27687:2008,Nanotechnologies−Terminology and definitions for nano-objects−Nanoparticle,
nanofibre and nanoplate
[4] ISO 9276-1:1998,Representation of results of particle size analysis−Part 1: Graphical representation
[5] ISO 9276-4:2001,Representation of results of particle size analysis−Part 4: Characterization of a classification
process
[6] ISO 3252:1999,Powder metallurgy−Vocabulary
[7] ISO 9276-6:2008,Representation of results of particle size analysis−Part 6: Descriptive and quantitative
representation of particle shape and morphology
[8] 粉体工学会編,粉体工学用語辞典(第2版)(2000)
[9] JIS Z 8833:2011,粒子特性を評価するための粉体材料の縮分
[10] JIS Z 8824:2004,粒子径測定のための試料調製−粉体の液中分散方法
[11] ISO 14488:2007,Particulate materials−Sampling and sample splitting for the determination of particulate
properties
[12] JIS Z 8825:2013,粒子径解析−レーザ回折・散乱法
[13] JIS Z 8828:2013,粒子径解析−動的光散乱法
[14] ISO 22412:2008,Particle size analysis−Dynamic light scattering (DLS)
[15] JIS Z 8831-2:2010,粉体(固体)の細孔径分布及び細孔特性−第2部:ガス吸着によるメソ細孔及び
マクロ細孔の測定方法
[16] JIS Z 8831-3:2010,粉体(固体)の細孔径分布及び細孔特性−第3部:ガス吸着によるミクロ細孔の
測定方法
[17] JIS Z 8830:2013,ガス吸着による粉体(固体)の比表面積測定方法
[18] ISO 15901-1:2005,Pore size distribution and porosity of solid materials by mercury porosimetry and gas
adsorption−Part 1: Mercury porosimetry
[19] JIS Z 2500:2000,粉末や(冶)金用語
[20] ISO 13099-1:2012,Colloidal systems−Methods for zeta-potential determination−Part 1: Electroacoustic and
electrokinetic phenomena
[21] Hackley, V. A. and C. F. Ferraris, The use of Nomenclature in dispersion science and technology, NIST (2001)
[22] 中川鶴太郎,レオロジー(第2版),岩波全書(1978)
[23] ISO 13099-2:2012,Colloidal systems−Methods for zeta-potential determination−Part 2: Optical methods
[24] JIS Z 8820-1:2002,液相重力沈降法による粒子径分布測定方法−第1部:測定の一般原理及び指針
[25] ISO 13317-1:2001,Determination of particle size distribution by gravitational liquid sedimentation methods−
Part 1: General principles and guidelines
[26] JIS Z 8832:2010,粒子径分布測定方法−電気的検知帯法
[27] ISO 13319:2007,Determination of particle size distributions−Electrical sensing zone method
[28] ISO 13320:2009,Particle size analysis−Laser diffraction methods
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Z 8890:2017
[29] JIS Z 8000-7:2014,量及び単位−第7部:光
[30] JIS Z 8826:2005,粒子径解析−光子相関法
[31] ISO 17867:2015,Particle size analysis−Small-angle X-ray scattering
[32] ISO 20998-1:2006,Measurement and characterization of particles by acoustic methods−Part 1: Concepts and
procedures in ultrasonic attenuation spectroscopy
[33] ISO 21501-1:2009,Determination of particle size distribution−Single particle light interaction methods−Part
1: Light scattering aerosol spectrometer
[34] ISO 21501-2:2007,Determination of particle size distribution−Single particle light interaction methods−Part
2: Light scattering liquid-borne particle counter
[35] ISO 21501-3:2007,Determination of particle size distribution−Single particle light interaction methods−Part
3: Light extinction liquid-borne particle counter
[36] JIS Z 8901:2006,試験用粉体及び試験用粒子
[37] JIS B 9925:2010,光散乱式液中粒子計数器−校正方法及び検証方法
[38] ISO 15900:2009,Determination of particle size distribution−Differential electrical mobility analysis for
aerosol particles
[39] JIS Z 8827-1:2008,粒子径解析−画像解析法−第1部:静止画像解析法
[40] ISO 13322-1:2014,Particle size analysis−Image analysis methods−Part 1: Static image analysis methods
[41] JIS Z 8827-2:2010,粒子径解析−画像解析法−第2部:動的画像解析法
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Z 8890:2017
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS Z 8890:2017 粉体の粒子特性評価−用語
ISO 26824:2013,Particle characterization of particulate systems−Vocabulary
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価
及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
2 分類
用語の分類
追加
JISに記載する用語に関する分類を示した。
粒子特性評価のカテゴリーに沿う分類を細
別した。また,必要な細分を行った。
使用者の利便のため。ISO規格改正
の際に,全体の箇条の構成に関して
変更を求める。
JISとほぼ同じ
変更
ISO規格の箇条17“Methods for zeta potential
determination”を,JISでは,より適切な用
語である“界面電気現象”に変更した。
使用者の利便のため。JISでは,液
相中での粒子特性評価に関してよ
り一般的で適切な用語に変更した。
ISO規格改正の際に変更を求める。
3 用語及び
定義
a) 一般的用語及び特
性評価の結果の表し方
1
JISとほぼ同じ
削除
JISでは,ISO規格の1.12 concentration
distribution densityを削除した。
他で規定している用語と同じもの
である。ISO規格改正の際に変更を
求める。
JISとほぼ同じ
変更
ISO規格の1.11“histogram”は,離散的な分
布の表示を指す。ある区間の度数及び密度分
布を指す用語として適切でない。そこで,対
応する用語を“平均頻度分布”とした。
ISO規格改正の際に変更を求める。
c) 試料のサンプリン
グ及び調製
11
JISとほぼ同じ
変更
“11.1 clump”及び“11.3 floc”の定義が,従
来の定義と反対であるので,修正した。
ISO規格改正の際に変更を求める。
d) 測定精度
6,7
JISとほぼ同じ
変更
JISでは,ISO規格の箇条6及び箇条7に記
載されている用語のうち,測定の校正・精度
に関する用語6.14,6.15,6.16,6.21,7.3,
7.6を,まとめて細別d)に記載した。
使用者の利便のため。ISO規格改正
の際に当該箇条の再編を求める。
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:
2
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(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価
及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
3 用語及び
定義(続き)
e) 粉体粒子の表面積,
細孔及び密度の測定
3
JISとほぼ同じ
削除
JISでは,ISO規格の3.38と,3.34とは同一
の概念としているので両者を5113(吸着質)
としてまとめた。また,3.24も3.19と同じ
であるので5206(気孔率)としてまとめた。
いずれもJISに規定されているの
で,それに準じた。
JISとほぼ同じ
追加
ISO規格の用語3.25及び3.23の定義は不十
分であるので,JISでは加筆した。
ISO規格改正の際に変更を求める。
g) 界面電気現象
17
JISとほぼ同じ
変更
17.2.5の単位に誤りがあり,修正した。
ISO規格改正の際に変更を求める。
h) 沈降法
2
JISとほぼ同じ
変更
ISO規格の用語2.5の定義にある“particle
density”では不正確であるので,JISでは“粒
子有効密度”に変更した。また,より正確な
記載に変更した。
ISO規格改正の際に変更を求める。
JISとほぼ同じ
追加
ISO規格の用語2.4の定義は不十分であるの
で,JISでは加筆した。
ISO規格改正の際に変更を求める。
i) 電気的検知帯法
5
JISとほぼ同じ
追加
JISでは,ISO規格の用語5.1及び5.5の定
義では関係する方法での用語を十分に説明
していないので,対応JISの用語の定義に加
筆した。
使用者の利便性のため。
j) レーザ回折・散乱法
6
JISとほぼ同じ
変更
JISでは,ISO規格の測定の校正・精度に関
する用語6.14,6.15,6.16,6.21を,細別d)
に記載した。
レーザ回折・散乱法に固有な操作で
はないため。
削除
ISO規格の6.2 coefficient varianceは,削除し
た。
変動係数は,一般的な統計用語であ
るので削除。ISO規格改正の際に変
更を求める。
k) 動的光散乱法
7
JISとほぼ同じ
追加
JISでは,使用者の利便のため平均粒子径及
び多分散指数の定義式を追加した。
使用者の利便のため。
変更
JISでは,ISO規格の測定の校正・精度に関
する用語7.3,7.6を,細別d)に記載した。
使用者の利便のため。ISO規格改正
の際に変更を求める。
l) 小角X線散乱法
10
JISとほぼ同じ
削除
JISでは,ISO規格の10.2の測定粒径範囲に
関する注記を削除した。
記述される粒子径範囲の明確な根
拠がないため。ISO規格改正の際に
変更を求める。
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2
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(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価
及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
3 用語及び
定義(続き)
m) 音響法
14
JISとほぼ同じ
削除
JISでは,ISO規格14.6,14.7,14.9,14.16,
14.23,14.24,14.25を削除した。
いずれも波及び信号処理に関する
一般的な定義であるため,削除し
た。ISO規格改正の際に変更を求め
る。
n) 光相互作用による
粒子計数方法
9
JISとほぼ同じ
変更
JISでは,ISO規格の9.3の用語及び定義を
変更した。
ISO規格の9.3の用語“coincidence
error”が使用者の利便にとって不適
切であるため,適切な用語である
“同時通過損失”及びその定義に変
更した。ISO規格改正の際に変更を
求める。
変更
JISでは,ISO規格の9.4(計数効率)の定
義を変更した。
定義が不適切であるため,国内規格
に従い変更した。ISO規格改正の際
に変更を求める。
削除
JISでは,ISO規格の9.1,9.2,9.6を削除し
た。
我が国の事情による。対応JISがな
いこと,また,国内メーカがないこ
と及び販売代理店からも要望がな
いことから,このJISへの掲載が必
要ないとして,削除した。
削除
JISでは,ISO規格の“9.7 particle
consentration”を削除した。
この粒子計数法特有の用語ではな
い一般的な用語のため。ISO規格改
正の際に変更を求める。
o) エアロゾル粒子の
電気移動度及び粒子数
濃度の測定方法
12
JISとほぼ同じ
削除
JISでは,ISO規格の12.11 Prclet numberを
削除した。
引用したISO 15900では使用され
ていないため。ISO規格改正の際に
変更を求める。
削除
JISでは,ISO規格の12.17 electrometerを削
除した。
エアロゾル粒子の測定に特化した
内容ではないこと,また,エアロゾ
ル粒子の測定に使用される
“Faraday-cup aerosol electrometer”
が別途,記載されているので,削除
した。ISO規格改正の際に変更を求
める。
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(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価
及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
3 用語及び
定義(続き)
追加
JISでは,使用者の利便のためISO規格の
12.7電気移動度の説明を注記に追加した。
使用者の利便のため。ISO規格改正
の際に追加を求める。
追加
ISO規格の12.6“differential mobility analysing
system”の定義として荷電装置が不可欠であ
るため,JISでは追加した。
“differential mobility analysing
system”の定義として荷電装置が不
可欠であるため,ISO規格改正の際
に追加を求める。
変更
JISでは,ISO規格の12.2が荷電操作に関係
しているので,細別p)に記載した。
使用者の利便のため。ISO規格改正
の際に変更を求める。
p) エアロゾル粒子の
荷電方法
13
JISとほぼ同じ
変更
JISでは,ISO規格の箇条12に記載されて
いる12.2 を細別p)に記載した。
使用者の利便のため。ISO規格改正
の際に変更を求める。
q) 画像解析法
8
JISとほぼ同じ
削除
JISでは,ISO規格の8.8“image analysis”
を削除した。
画像法による粒子計測方法として
定義する必要ないため。ISO規格改
正の際に変更を求める。
削除
JISでは,ISO規格の8.16,8.20及び8.21
を削除した。
対応するJIS Z 8827-2:2010に記載
されていない我が国の事情による。
変更
ISO規格の画像測定の範囲及び配列に関す
る8.9及び8.12の定義は,新規に発行した
ISO規格(参考文献[40])において変更され
た。そこでJISでは新規ISO規格の定義に
変更した。
使用者の利便のため。ISO規格改正
の際に変更を求める。
追加
JISでは,“全測定量域”,“しきい(閾)値”
及び“コントラスト”を追加した。また,図
1及び図2を追加した。
使用者の利便のため。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 26824:2013,MOD
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注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
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