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(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 測定準備························································································································· 3 

5 測定方法························································································································· 3 

6 測定結果の報告 ················································································································ 4 

附属書A(参考)一面せん断試験の詳細及び特徴 ······································································· 6 

附属書B(参考)粉体のせん断特性の測定データシート ······························································ 11 

附属書C(参考)参考文献 ···································································································· 13 

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(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本粉体工業技術協会(APPIE)

及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,団体規格(APPIE規格:SAP 15-13:2013)を基に作成した

工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経

済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

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一面せん断試験による限界状態線(CSL) 

及び壁面崩壊線(WYL)の測定方法 

Direct shear testing method for critical state line (CSL)  

and wall yield locus (WYL) of powder bed 

適用範囲 

この規格は,垂直方向に圧密して形成させた粉体層を垂直方向に加圧した状態で,水平方向に横滑りさ

せたときに生じるせん断応力を測定する一面せん断試験による限界状態線(CSL)及び壁面崩壊線(WYL)

を求める方法について規定する。 

この規格は,主として,中位径x50が500 μm以下の粉体(微粒子)であり,また,主として,垂直応力

が500 kPa以下でのせん断特性に適用できる。 

なお,この規格では,三軸圧縮試験などにおける圧縮試験によるせん断特性の評価は適用しない。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS M 8100 粉塊混合物−サンプリング方法通則 

JIS R 1600 ファインセラミックス関連用語 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS R 1600によるほか,次による。 

3.1 

圧密(consolidation,compaction) 

粉体層に荷重を加えて,そのかさ体積を減少させ,粉体層のかさ密度又は空間率を変化させる操作。 

注記 粒子の破壊又は変形を伴う粉体層の圧密を圧縮(compression)と呼び,圧密と区別することが

ある。この規格では,便宜的に両者を含めて圧密と呼ぶ。 

3.2 

破壊包絡線,YL(yield locus) 

ある空間率をもつ静止した粉体層中の任意の面に垂直応力σを負荷した状態で,その面に対して水平方

向にせん断応力τを徐々に作用させ,まさに崩壊し始める限界応力状態に達したときのτとσとの関係。 

注記1 図1に示すPYL(3.5)とCYL(3.6)とを合わせてYLと呼ぶ。 

注記2 YLの接線と垂直応力軸とのなす角を内部摩擦角φiという(図1参照)。その勾配を内部摩擦

係数という。 

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図1−粉体層の崩壊挙動 

3.3 

限界状態線,CSL(critical state line) 

粉体層の崩壊において,粉体層に荷重を加えて一定値になったときのせん断応力τと,せん断面に作用

する垂直応力σとの関係を示す,原点を通る直線(図1参照)。 

3.4 

粉体動摩擦角,φCSL(angle of critical state line) 

CSLと垂直応力軸とのなす角度。 

3.5 

粉体層破壊包絡線,PYL(powder yield locus) 

破壊包絡線と限界状態線との交点から,垂直応力が小さい領域の包絡線(図1参照)。 

注記1 PYLは,粉体層がせん断過程において膨張崩壊する場合のYLである。 

注記2 PYLは,粉体層の最大静止摩擦応力と垂直応力との関係を表し,CSLは粉体層の動摩擦応力

の関係を表す。 

注記3 PYLが直線になるような粉体をクーロン粉体といい,τ=C+σtanφiで表される。図1のよう

に直線関係にならないものを非クーロン粉体という。 

3.6 

圧密崩壊線,CYL(consolidation yield locus) 

破壊包絡線と限界状態線との交点から,垂直応力が大きい領域の包絡線(図1参照)。 

注記 CYLは,粉体層がせん断過程において圧密崩壊する場合のYLである。 

3.7 

壁面崩壊線,WYL(wall yield locus) 

粉体層のせん断試験における上下セルのいずれか一方を平板(壁面材料)に置き換え,限界状態線と同

様にして得られる壁面摩擦特性を示す直線。 

3.8 

壁面摩擦角,φWYL(angle of wall yield locus) 

WYLと垂直応力軸とのなす角度。 

注記 その勾配を,壁面摩擦係数という。 

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3.9 

せん断付着力,C(shearing cohesion) 

垂直応力が作用していない(圧密されていない)場合のせん断応力。 

注記1 図1におけるPYLとせん断応力軸との交点Cの値で,粉体層の付着力の度合いを示す。 

注記2 土質工学分野では,粘着力と呼ばれている。 

3.10 

予圧密(preconsolidation) 

試験粉体の充塡状態を規定するための操作。 

注記 予圧密における最大垂直応力を,予圧密応力と呼ぶ。 

3.11 

定荷重せん断試験(constant vertical load shear test) 

粉体層に一定の垂直荷重を負荷しながら行うせん断試験。 

3.12 

定容積せん断試験(constant volume shear test) 

粉体層のかさ体積が変わらないようにして一定容積の空間(又はセル)内で行うせん断試験。 

測定準備 

測定準備は,次による。 

a) 試料の採取及び調製 試料の採取及び調製は,JIS M 8100の4.(一般事項)による。 

b) 試料の再使用 試料は再使用しないで,測定ごとに新しい試料を用いる。ただし,圧密履歴を経てい

ないことが明白である試料,及び希少な試料であるため再使用した旨を明記する場合は,この限りで

はない。 

c) 測定場の雰囲気の調整 試料を取り扱う環境は,温度(25±5) ℃,相対湿度(50±10) %とする。それ以

外は,測定条件を明記する。 

測定方法 

測定方法は,次による。 

a) 装置 一面せん断試験装置の概要を,図2に示す。装置は,粉体試料をせん断するために相対移動す

る上部セル①及び下部セル②,一定の充塡状態の粉体層に対して垂直荷重③を負荷・測定する装置,

上部セル①又は下部セル②にせん断力⑤を負荷したときのせん断力検出用ロードセル④から構成する。

主な試験装置には,ジェニケセル型,回転セル型,下部セル直動型及び平行平板型の各種せん断試験

装置がある(各測定法の詳細は,附属書Aを参照)。ジェニケセル型,回転セル型及び平行平板型は

ロードセル④とせん断力⑤を上部セル①に構成,下部セル直動型は下部セル②に構成する(図2中の

〔〕で図示)。 

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① 上部セル 
② 下部セル 
③ 垂直荷重 
④ せん断力検出用ロードセル 
⑤ せん断力 
⑥ 圧密された粉体層 
⑦ せん断面 

図2−一面せん断試験装置内の粉体層部の詳細 

b) 試料の充塡 試料の最大粒子径より目開きの大きいふるい,スパチュラなどを用いて,静かに測定セ

ル(①,②)へ試料を充塡する。このとき,充塡層内に空洞が生じないよう注意する。充塡した試料

の表面はスパチュラなどで平らにならしておく。上部セル①にキャップを装着して試料を充塡する。 

c) 圧密及び応力緩和 各試験装置で適用される垂直荷重の範囲内において,予圧密応力よりも小さい最

大荷重を含む3点以上の垂直荷重による圧密応力試験(例えば,予圧密応力が20 kPaの場合には5 kPa,

10 kPa,15 kPaなど,200 kPaの場合は50 kPa,100 kPa,150 kPaなど)をするのがよい。 

なお,圧密は,圧密による粉体層の上面高さが目視によって一定になったことを確認して測定を開

始する。その場合,試料の圧密特性に応じて緩和時間を適宜調整してもよい。ただし,時間を明記す

る。 

d) せん断速度 定容積せん断試験では10 μm/s〜100 μm/s,定荷重せん断試験では100 μm/s〜500 μm/sと

する。それ以外の場合には,せん断速度を明記する。 

e) 限界状態線(CSL)の測定 応力緩和終了後,せん断を開始する。CSLを与えるせん断応力として,

下部セル直動型においては最大せん断応力を,また,平行平板型及び回転セル型においては定常状態

に達したせん断応力を採用する。ジェニケセル型では,垂直応力σ−せん断応力τ図において,予備

せん断時の垂直応力条件でせん断応力が最大になる点と原点とを通る直線を描き,これをCSLとする。 

f) 

壁面崩壊線(WYL)の測定 限界状態線(CSL)の測定における上下セルのいずれか一方を平板(壁

面材料)に置き換えて,a)〜d) と同様な測定を行う。 

せん断応力は,試験開始直後に僅かなピークを示した後,定常状態に達することが多い。通常は,

定常値を,WYLを与えるせん断応力とする。 

g) 測定回数 同一条件での測定を3回以上行い,変動係数が10 %以内であることを確認した場合に,測

定の平均値を採用する。測定回数が3回未満の場合は,その回数を明記する。 

h) 測定装置の校正 測定に使用する垂直荷重(分銅),せん断応力を測定するロードセルは計量トレーサ

ビリティのとれている標準によって校正されていることとする。 

測定結果の報告 

測定結果の報告は,次による。 

a) 定荷重せん断試験又は定容積せん断試験の明示 せん断試験装置は,定荷重型又は定容積型とする。

用いた方法を必ず明記する。 

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b) 基本的な評価指標 CSL及びWYLを,報告する標準の評価指標とする。また,PYLとCSLとの交点

における垂直応力値などでせん断応力を無次元化してもよい。 

c) その他の記載事項 附属書Bに示すように,測定日時,温度,湿度,試料名,その中位径(粒子径分

布は,質量基準とする。個数基準などを用いる場合は明記する。),せん断速度,垂直応力,せん断応

力,動摩擦角及び壁面摩擦角を報告する。 

また,上記に示す標準的な手順以外で行った場合(例えば,予圧密条件又は測定回数を変更した場

合)は,その条件を明記する。 

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附属書A 

(参考) 

一面せん断試験の詳細及び特徴 

A.1 主な一面せん断試験方法 

代表的な一面せん断試験装置は,次の四つの測定原理に分類される。 

a) ジェニケセル型(上部セル直動型) 

b) 回転セル型 

c) 下部セル直動型 

d) 平行平板型 

さらに,垂直荷重の負荷方法によって,次の二つに分類される。 

・ 定荷重せん断試験 

・ 定容積せん断試験 

A.2 ジェニケセル型(上部セル直動型) 

A.2.1 装置及び概略 

この方法は,分銅の載荷による垂直荷重の付与で内部摩擦角及びその他の力学的特性を求める方法とし

て,1960年代にA. W. Jenikeらによって開発された[1],[2]。 

図A.1 a) にジェニケセル型装置の概略を示す。下部セル⑤を固定した状態で,上部セル④を水平方向に

移動,すなわち,直動させてせん断特性を評価する方法である。このせん断試験方法を,この規格ではジ

ェニケセル型(又は上部セル直動型)と呼ぶ。 

セルには,一般的なタイプとして内径64 mm又は95 mmの円筒形セルがある。 

予圧密及びせん断時の垂直荷重は,図A.1 a) に示す分銅②で行い,せん断力はロードセルで検出する。 

A.2.2 試料の充塡 

固定された下部セル⑤に同じ内径の可動の上部セル④を載せ,両者に試料を充塡する。また,試験前に

セルを同一(回転)軸で左右に30回(試料によって変更可能)回転させ,試料を均等に充塡する。分銅②

の荷重は,上部セル④に付加する。 

A.2.3 予備せん断 

この試験に先立って,上部セル④に蓋③を介して分銅②の荷重で垂直応力σを負荷し,せん断応力τが

定常値になるまで予備せん断を行う。 

注記 例えば,この試験の垂直応力として5 kPaを想定すると,予備せん断の垂直応力はそれより大

きい値(20 kPa)に設定する。 

A.2.4 CSLの測定 

あらかじめ設定した垂直応力(例えば,5 kPa,10 kPa及び15 kPa)で,せん断試験を行う。せん断速度

を,例えば,16.7 μm/s(1 mm/min)にして上部セルを移動させ,垂直応力に対するせん断応力を測定する。 

セルは,内径95 mm又は64 mmの2種類とする。 

あらかじめ上部セルの上に分銅を載せて20 kPaの垂直応力を加え,せん断応力が定常状態になるまで予

備せん断を行い,その結果をプロットする[図A.1 b) の点A]。 

その後,5 kPa,10 kPa及び15 kPaの垂直応力でのせん断試験をそれぞれ行い,その結果をプロットする 

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[図A.1 b) の点B〜点D]。点B〜点Dの3点の近似直線を描き,これをPYLとする。 

CSLは,垂直応力σ−せん断応力τ図において,予備せん断時の垂直応力条件でせん断応力が最大にな

る点[図A.1 b) の点E]と原点とを通る直線を描き,これをCSLとする[図A.1 b)]。 

せん断応力は,ロードセルで検出されたせん断力を,ジェニケセル型の断面積で除して求める。 

a) 試験装置の概略図 

b) CSLの求め方 

図A.1−ジェニケセル型(上部セル直動型) 

A.3 回転セル型 

A.3.1 装置及び概略 

回転セル型装置の概略を,図A.2に示す。下部の試料セル②を固定し,上部のせん断セル①を回転させ

る方法である。 

試料セルは,一般的なタイプとしては内径50 mmの円筒である。 

予圧密には専用の円柱形ピストンを用いる。試料セル下部のロードセル③で垂直荷重を検出し,所定の

垂直応力に達するまでピストンを押し込む。このとき,試料を十分に圧密できるように,ピストンを押し

込む速度は装置に自動で制御させる。また,応力緩和時間についても装置に自動で制御させる。 

せん断セルは,底面に刃高3 mmのブレードを18枚取り付けた外径48 mmの円柱である。このブレー

ドによって,粉体をか(噛)み込み,せん断セルを回転させることによって直下の粉体層との間にせん断

面を形成させる。 

回転セル型は,せん断セルを回転させてせん断応力を得るため,測定中にせん断面積が変化しない。こ

れによって,試料を入れ替えることなく,連続して異なる垂直応力下でのせん断応力を得ることができる。 

また,トルクメータ④によって測定したトルクから次の式によってせん断面に作用するせん断応力を算

出する。 

3

π

2

3

r

T

τ=

 ··············································································· (A.1) 

ここに, 

τ: せん断応力(Pa) 

T: トルク(N・m) 

r: 回転セルの内径(m) 

また,例えば,内径25 mmの試料セルを使用することによって,少量の試料の測定が可能である。 

A.3.2 CSLの測定 

予圧密応力よりも小さい3点以上の垂直応力を設定し,それぞれについてせん断応力を測定する。 

① せん断力 
② 垂直荷重(分銅)
③ 蓋 
④ 上部セル 
⑤ 下部セル 
⑥ セル固定台 

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試料セルの下部に取り付けられたロードセル③によって垂直荷重を検出し,その値をセルの断面積で除

することによって垂直応力を測定する。 

せん断速度は,例えば,角度6°/minの回転速度でせん断セルを回転させ,所定の角度だけ回転した時

点(例えば,15°など)で,せん断試験を終了する。 

終了直前の安定したせん断応力とそのときの垂直応力とから,σ−τ線図で原点を通る直線を求め,CSL

とする。 

① せん断セル 
② 試料セル 
③ ロードセル 
④ トルクメータ 

図A.2−回転セル型 

A.4 下部セル直動型 

A.4.1 装置及び概略 

下部セル直動型による装置の概略を,図A.3に示す。下部セル直動型は,上部固定セル④に対して,下

部可動セル⑤を移動させる方法である。 

下部セル直動型のひな形は,ジェニケセル型において分銅を交換するたびに長時間の測定時間を要した

問題点を解決する方法として,1970年代に提案された[3]〜[5]。下部セル直動型によるせん断試験では,

ジェニケセル型と同様に垂直応力を変化させてPYL,WYL及びCSLを測定する。また,所定の垂直荷重

で予圧密した後,その垂直荷重を保持した状態でせん断を行い,せん断力が定常状態に達した時点で短時

間に垂直荷重を除去することによって,1回のせん断操作でPYLを求めることができる。 

下部セル直動型は,定容積型せん断試験装置に分類されるが,擬似的な定荷重せん断試験も可能である。

また,せん断面にかかる垂直応力をロードセルによって直接測定できるところに特長がある。セルの内径

は,例えば3 mm〜43 mmである。 

せん断速度は10 µm/sを標準とするが,必要に応じて変更が可能である。セルに充塡する試料量は,セ

ル容積の60 %を目安とする。 

A.4.2 CSLの測定 

あらかじめ設定した3点以上の垂直荷重(例えば,50 N,100 N,150 N)について,それぞれのせん断

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力を測定する。これは,空間率を変化させたときのそれぞれのせん断力を測定することを意味している。

垂直荷重は,押込み荷重検出用ロードセル②又は底面荷重検出用ロードセル⑥で測定する。せん断力は,

リニアアクチュエータ⑧側のせん断力検出用ロードセル⑦で測定する。下部可動セル⑤の下に設置した底

面荷重検出用ロードセル⑥で測定した値は,実際にせん断面にかかる垂直荷重の値となる。 

押込み荷重検出用ロードセル②又は底面荷重検出用ロードセル⑥から得られる垂直荷重,及びそのとき

に測定される最大せん断力から,垂直応力及びせん断応力を算出し両者間の近似直線をCSLとする。 

① サーボシリンダ 
② 押込み荷重検出用ロードセル 
③ 上きね(杵) 
④ 上部固定セル 
⑤ 下部可動セル 
⑥ 底面荷重検出用ロードセル 
⑦ せん断力検出用ロードセル 
⑧ リニアアクチュエータ 

図A.3−下部セル直動型 

A.4.3 WYLの測定 

CSLの測定における下部可動セルを基板(平板)に取り換え,CSLと同じ方法で測定を行う。 

A.5 平行平板型 

A.5.1 装置及び概略 

平行平板型装置の概略を,図A.4に示す。 

なお,可動板⑤の下面及び固定板⑦の上面は,粉体層内部でせん断するために試験粉体の粒子径よりも

十分に大きいノッチ加工(深さ,幅ともに1 mm)が施されている。 

A.5.2 予圧密 

固定板⑦(角型セル)90 mm(W)×70 mm(D)×3 mm(H)に充塡された試料⑥(厚さ3 mm)に,

セルよりも小さい可動板⑤70 mm(W)×50 mm(D)×7 mm(H)を載せる(可動板が移動するせん断方

向に対して平行に幅W,垂直方向を奥行Dと呼称する。)。さらに,分銅①を載せて,例えば,30 kPaで5

分間,予圧密する。 

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予圧密のときに予備せん断を行うと,分銅で加えた垂直応力より大きい応力が加わり,空間率が減少す

る。その結果,本来求めたい空間率とは異なった空間率におけるPYL又はWYLを求めることになる。一

方,動摩擦力を反映するCSLは,空間率にかかわらず同じ結果を示す。 

A.5.3 CSLの測定 

予圧密で負荷した値の1/3以下の垂直応力を分銅で加えてせん断試験を行う。リニアガイド④上のロー

ドセル③を介して,例えば,せん断速度0.4 mm/sで,可動板をせん断方向に移動させる。その間,粉体層

に加わるせん断応力は,ロードセルで検出されて記録される。 

なお,可動板⑤の下面及び固定板⑦の上面は,粉体層内部でせん断するために試験粉体の粒子径よりも

十分に大きいノッチ加工(深さ,幅ともに1 mm)が施されている。 

せん断力が静止摩擦力を超えるときに粉体層内部にせん断面が形成され,せん断応力は最大値を示す。

この値からPYLが求められる。さらに,可動板をせん断方向に移動させるとせん断応力は減少し,動摩擦

力に対応する一定値を示しながらせん断が進行する。このときのせん断応力を求め,CSLを描く。 

ノッチ加工をしていない表面が滑らかな可動板を用いれば,WYLも求められる。 

① 垂直荷重(分銅) 
② せん断力 
③ せん断力の検出用ロードセル 
④ リニアガイド 
⑤ 可動板 
⑥ 試料 
⑦ 固定板 

図A.4−平行平板型 

11 

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附属書B 

(参考) 

粉体のせん断特性の測定データシート 

報告する事項の表示例を,表B.1に示す。 

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表B.1−CSL及びWYLの測定報告用データシートの例 

測定日時 

   年   月   日,   時〜   時 

測定者名 

測定時の温度,湿度 

    ℃,    %RH 

測定機種,型式・製造メーカー 

試料名 

粒子径(メディアン径) 

    µm 

粒子径分布(質量基準)について 

粒子径測定法の種類 

かさ密度 

    kg/m3 

測定セルサイズ,試料量 

内径    mm,高さ    mm,試料量    g 

含水率(質量変化) 

乾燥前質量:       乾燥後質量: 

⇒            質量分率% 

乾燥処理条件 

    ℃,    時間 

せん断速度 

    µm/s 

  

1回目 

垂直応力(kPa) 

CSLせん断応力(kPa)  

WYLせん断応力(kPa)  

2回目 

垂直応力(kPa) 

CSLせん断応力(kPa)  

WYLせん断応力(kPa)  

3回目 

垂直応力(kPa) 

CSLせん断応力(kPa)  

WYLせん断応力(kPa)  

平均 

垂直応力(kPa) 

CSLせん断応力(kPa)  

WYLせん断応力(kPa)  

  

(例) 
CSL,WYL共 
右図のような 
グラフを作成する 

粉体動摩擦角 

壁面摩擦角 

  

特記事項(規定以外の条件で測定した場合は明記する) 
(例)予圧密応力及び時間,試料の再使用の有無など 

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Z 8835:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書C 
(参考) 
参考文献 

[1] 村田博之,若林稔,江草忠人,ジェニケセルによる石炭の流動物性測定結果,粉体工学会誌,20,558-563 

(1983) 

[2] 亀井健史,佐野博昭,試料の準備方法の違いが粘性土のせん断特性に及ぼす影響,地すべり,29,25-31

(1993) 

[3] 綱川浩,青木隆一,粉粒体の直接せん断試験,粉体工学会誌,11,263-268(1974) 

[4] 綱川浩,付着性粉体の崩壊包絡線におよぼす圧密応力の影響,粉体工学会誌,17,61-67(1980) 

[5] 綱川浩,粉体の流動性の評価,粉体工学会誌,19,516-521(1982)