Z 8781-4:2013
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 計算方法························································································································· 3
4.1 基本座標 ······················································································································ 3
4.2 明度,クロマ及び色相のそれぞれに関係する量 ···································································· 4
4.3 色差 ···························································································································· 4
附属書A(参考)L*,a*,b*からX,Y,Zへの変換 ··································································· 6
附属書B(参考)参考文献 ····································································································· 7
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 8
Z 8781-4:2013
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まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本色彩学会(CSAJ)及び一般財団法人日
本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標
準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。これによって,JIS Z 8729:2004は
廃止され,その一部を分割して制定したこの規格及びJIS Z 8781-5に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS Z 8781の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS Z 8781-1 第1部:CIE測色標準観測者の等色関数
JIS Z 8781-2 第2部:CIE測色用標準イルミナント
JIS Z 8781-3 第3部:三刺激値の計算方法(予定)
JIS Z 8781-4 第4部:CIE 1976 L*a*b*色空間
JIS Z 8781-5 第5部:CIE 1976 L*u*v*色空間及びu',v'均等色度図
JIS Z 8781-6 第6部:CIEDE2000色差式(予定)
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日本工業規格 JIS
Z 8781-4:2013
測色−第4部:CIE 1976 L*a*b*色空間
Colorimetry-Part 4: CIE 1976 L*a*b* Colour space
序文
この規格は,2008年に第1版として発行されたISO 11664-4を基に,技術的内容を変更して作成した日
本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,明度,クロマ及び色相のそれぞれに関係する量を含むCIE 1976 L*a*b*色空間の色座標を計
算する方法について規定する。色差の知覚量を表すため,この空間のユークリッド距離を計算する二つの
方法を含んでいる。
この規格は,CIE1931表色系又はCIE1964表色系の等色関数を用いて計算する三刺激値に適用する。
この規格は,三刺激値空間に比べてより均等な三次元空間が求められる場合,反射又は透過物体に属し
ているように知覚される色刺激を表示するために用いる。一次光源として発光しているように見える面,
又は光を鏡面反射しているように見える面に属しているように知覚される色刺激には適用しない。ただし,
自発光ディスプレイに表示する色が,反射又は透過物体として使われ,刺激が正規化され,白色が特定さ
れている場合には,自発光ディスプレイにも適用できる。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 11664-4:2008,Colorimetry−Part 4: CIE 1976 L*a*b* Colour space(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS Z 8113 照明用語
注記 対応国際規格:IEC 60050-845/CIE 17.4:1987,International lighting vocabulary (ILV)−joint
publication IEC/CIE(MOD)
JIS Z 8781-1 測色−第1部:CIE測色標準観測者の等色関数
注記 対応国際規格:ISO 11664-1:2007,Colorimetry−Part 1: CIE standard colorimetric observers−joint
publication ISO/CIE(IDT)
JIS Z 8781-2 測色−第2部:CIE測色用標準イルミナント
2
Z 8781-4:2013
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注記 対応国際規格:ISO 11664-2:2007,Colorimetry−Part 2: CIE standard illuminants−joint publication
ISO/CIE(IDT)
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次によるほか,JIS Z 8113による。
ただし,文字Δが使えない場合,文字Dに置き換えてもよい。
また,CIE 1976 L*a*b*とCIELABとは,互いに言い換えることができる。
三刺激値をCIE 1964表色系(CIE 10°表色系として知られている。)の等色関数を用いて計算した場合
は,上記の全ての記号に添字10を付ける。
3.1
三刺激値 X,Y,Z(tristimulus values)
CIE 1931表色系(CIE 2°表色系として知られている。)の等色関数を用いて計算された試験刺激と等色
するための3個の原刺激の量。
3.2
特定の白色刺激の三刺激値,Xn,Yn,Zn(tristimulus values of a specified white colour stimulus)
CIE 1931表色系の等色関数を用いて計算された特定の白色刺激と等色するための3個の原刺激の量。
3.3
CIE 1976 明度指数,L*(CIE 1976 lightness)
4.1の式(1)によって計算される明度の相関量(JIS Z 8113の03079参照)。
3.4
CIELAB 1976 a*,b*座標,a*,b*(CIE 1976 a*, b* coordinates)
CIE 1976 L*a*b*色空間において,4.1の式(2)及び式(3)によって計算される色座標。
3.5
CIELAB 1976 abクロマ,C*ab(CIE 1976 a,b chroma)
CIE 1976 L*a*b*色空間において,4.2の式(10)によって計算されるクロマの相関量(JIS Z 8113の03086
参照)。
3.6
CIELAB 1976 ab色相角,hab(CIE 1976 a,b hue-angle)
CIE 1976 L*a*b*色空間において,4.2の式(11)によって計算される色相の相関量(JIS Z 8113の03087参
照)。
3.7
CIELAB 1976 ab明度差,ΔL*(CIE 1976 a,b lightness-difference)
CIE 1976 L*a*b*色差について,4.3の式(12)によって計算される明度成分。
3.8
CIELAB 1976 a*,b*差,Δa*, Δb*(CIE 1976 a*,b* difference)
CIE 1976 L*a*b*色差について,4.3の式(13)及び式(14)によって計算されるa*,b*の差。
3.9
CIELAB 1976 クロマ差,ΔC*ab(CIE 1976 a,b chroma-difference)
CIE 1976 L*a*b*色差について,4.3の式(15)によって計算されるクロマ成分。
3
Z 8781-4:2013
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3.10
CIELAB 1976 色相角差,Δhab(CIE 1976 hue-angle difference)
CIE 1976 L*a*b*色差について,4.3の式(16)によって計算される色相角成分。
3.11
CIELAB 1976 色相差,ΔH*ab(CIE 1976 a,b hue-difference)
CIE 1976 L*a*b*色差について,4.3の式(17)によって計算される色相成分(JIS Z 8113の03089参照)。
3.12
CIELAB 1976 L*a*b*色差,ΔE*ab(CIE 1976 L*a*b* colour difference)
CIE 1976 L*a*b*色空間における座標間のユークリッド距離として定義されて4.3の式(19)又は式(20)によ
って計算される二つの色刺激間の色差(JIS Z 8113の03088参照)。
4
計算方法
4.1
基本座標
CIE 1976 L*a*b*色空間は,次の式(1),式(2)及び式(3)によって定義する量L*,a*,b*を直交座標にプロ
ットすることによって得られるほぼ均等な三次元色空間である。
(
)16
116
*
n−
=
Y
Y
f
L
··································································· (1)
(
)
(
)
[
]
n
n
500
*
Y
Y
f
X
X
f
a
−
=
························································· (2)
(
)
(
)
[
]
n
n
200
*
Z
Z
f
Y
Y
f
b
−
=
·························································· (3)
ここに,(
)(
)3
n
29
6
>
X
X
の場合
(
)(
)3
1
n
n
X
X
X
X
f
=
····························· (4)
(
)(
)3
n
29
6
≦
X
X
の場合
(
)(
)(
)
29
4
108
841
n
n
+
=
X
X
X
X
f
············ (5)
及び
(
)(
)3
n
29
6
>
Y
Y
の場合
(
)(
)3
1
n
n
Y
Y
Y
Y
f
=
································ (6)
(
)(
)3
n
29
6
≦
Y
Y
の場合
(
)(
)(
)
29
4
108
841
n
n
+
=
Y
Y
Y
Y
f
··············· (7)
及び
(
)(
)3
n
29
6
>
Z
Z
の場合
(
)(
)3
1
n
n
Z
Z
Z
Z
f
=
······························· (8)
(
)(
)3
n
29
6
≦
Z
Z
の場合
(
)(
)(
)
29
4
108
841
n
n
+
=
Z
Z
Z
Z
f
·············· (9)
ここで,X,Y,ZはJIS Z 8781-1で規定するCIE 1931表色系の試験色刺激の三刺激値である。Xn,Yn,
Znは,特定の白色刺激に対応する三刺激値である。
自発光ディスプレイ上で反射物体及び透過物体を表現している場合,全ての三刺激値は100 %の反射率
又は透過率の物体について,Yが100に等しくなるように,正規化しなければならない。
試料刺激の目に張る角度(視角)が約1°〜4°の場合,CIE 1931表色系の等色関数を用いて計算した三
刺激値X,Y,Zを用いる。この視角が4°を超える場合は,CIE 1964表色系の等色関数を用いて計算した
三刺激値X10,Y10,Z10を用いる。同じ等色関数及び同じ特定の白色刺激を,それぞれ比較する全ての試料
に対して用いる。JIS Z 8781-1で規定するCIE 1964表色系に基づいた三刺激を用いる場合は,式(1)〜式(9)
の全ての記号に添字10を付ける。
三刺激値X,Y,Zが分光測光によって得られている場合,特定の白色刺激の三刺激値Xn,Yn,Znは,試
料刺激の計算に用いられた同じ方法(同じ等色関数,同じ波長範囲,同じ波長間隔及び同じ波長幅)を用
いて計算する。三刺激値X,Y,Zが,光電色彩計を用いた刺激値直読法によって得られた場合,Xn,Yn,
Znは,同じ光電色彩計及び完全拡散反射体に対して校正された白色反射標準(白色板)を用いて測定する。
4
Z 8781-4:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
照明された物体の色に対して,Xn,Yn,Znに選ばれた特定の白色刺激は,試料物体と同じ光源によって
照明された完全拡散反射体から反射された光である。この場合,Xn,Yn,ZnはYnが100になるように共通
の係数によって正規化された光源の三刺激値である。自発光ディスプレイ上に表示された物体の色に対し
て選ばれた特定の白色刺激は,完全拡散反射体の見えをもつ,Ynが100になるように共通の係数によって
正規化された刺激である。
CIELABの値を報告する場合,測定条件及び三刺激値の計算に用いた手続に関する全ての関連情報を併
記する。
注記1 特定のイルミナント及び特定の計算方法に対するXn,Yn,Znの例が,発行されている(CIE,
2004)。
注記2 式(5),式(7)及び式(9)は,パウリ(PAULI)(1976)の提案に基づいている。
注記3 式(5),式(7)及び式(9)の(841/108)の項の値は,7.787とほぼ等しい。この値は,実地応用で使
われる。
注記4 式(4)〜式(9)の(6/29)3の項は,0.008 856とほぼ等しい。この値は実地応用で使われる。
注記5 式(4)〜式(9)の分数6/29及び4/29はCIE 15:2004にある分数24/116及び16/116に等しい。
注記6 式(5),式(7)及び式(9)の(841/108)の項は,(1/3)(29/6)2に等しい。
注記7 式(1)は,Y/Yn≦(6/29)3の場合に,
(
)
n
3.
903
*
Y
Y
L≈
に近似できる。
注記8 L*,a*,b*が与えられた場合,X,Y,Zは附属書Aによって求めることができる。
4.2
明度,クロマ及び色相のそれぞれに関係する量
明度,クロマ及び色相のそれぞれに関係する量は,式(10)及び式(11)によって求める。
CIE 1976 明度指数:4.1で定義されているL*
CIELAB 1976 abクロマ(CIELABクロマ):
()
()
[
]
2
1
2
2
ab
*
*
*
b
a
C
+
=
································· (10)
CIELAB 1976 ab色相角(CIELAB色相角):
(
)*
*
arctan
ab
a
b
h=
·······································(11)
CIE 1976 ab色相角habは,a*及びb*が共に正の値ならば,0°〜90°の間,a*が負でb*が正の値ならば
90°〜180°の間,a*及びb*が共に負の値ならば180°〜270°の間,a*が正でb*が負の値ならば270°〜
360°の間にある。
注記 X/Xn,Y/Yn,Z/Znについて,線形式(5),線形式(7)及び線形式(9)を用いる場合,不規則なhabの値
が得られる[マクラーレン(MCLAREN, 1980)]。不規則な値は,反射物体色で生じるだけでな
く,スペクトル軌跡又は紫軌跡に接する低輝度率の透過物体色でも生じる。
4.3
色差
CIELAB色空間のユークリッド距離は,JIS Z 8781-2に規定するCIE測色標準イルミナントD65の色度
をもつ視野に明順応した観測者によって,同一の白から中明度の灰色までの背景で観察する場合に,ほぼ
同じ大きさの物体色の間で知覚される色差を近似的に表すために用いる。この規格によって得られる値は,
ほかの観察条件で知覚される色差と一致しない場合がある。
添字0(基準)及び添字1(試料)によって表される二つの刺激の間の色差は,式(12)〜式(17)によって
求める。
0
1
*
*
*
Δ
L
L
L
−
=
······································································· (12)
0
1
*
*
*
Δ
a
a
a
−
=
········································································ (13)
0
1
*
*
*
Δ
b
b
b
−
=
········································································ (14)
ab,0
ab,1
ab
*
*
*
Δ
C
C
C
−
=
······························································· (15)
5
Z 8781-4:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ab,0
ab,1
ab
Δ
h
h
h
−
=
······································································ (16)
(
)
(
)2
Δ
sin
*
*
2
*
Δ
ab
2
1
0,
ab
1,
ab
ab
h
C
C
H
=
··········································· (17)
無彩色軸(C*ab=0)から離れている場合に,小さい色差を計算するときの色相差は,式(17)を次の式(18)
に置き換えることができる。
(
)
ab
2
1
0,
ab
1,
ab
ab
Δ
*
*
*
Δ
h
C
C
H
≈
······················································ (18)
ここで,Δhabの値の単位はラジアンである。
二つの刺激を結んだ線が正のa*軸を横切るとき,式(16)は±180°の範囲を超える値が得られる。Δhab
の値は,180°の範囲内になるように360°を加えたり又は減じたりすることによって修正する。
注記1 ΔH*abは,色差が明度差,クロマ差及び色相差のベクトル和に分割されることができるとい
う知覚的な理解に一致させるために取り入れられた。
注記2 CIELAB色差の色相差及びクロマ差の分割は,Δhabの絶対値が180°に近付くとき,次第に有
用さは減少する。
注記3 添字r(基準)及び添字t(試験)を,それぞれ0及び1の代わりに用いることがある。同様
に,小さな色差の評価では,s(標準)及びb(評価サンプル)を用いる場合がある。他の応
用では,std(標準)及びspl(試料)を用いる場合がある。
二つの刺激の間のCIELAB色差は,CIELAB色空間で表される座標間のユークリッド距離として求める。
(
)
(
)
(
)
[
]
2
1
2
2
2
ab
*
Δ
*
Δ
*
Δ
*
Δ
b
a
L
E
+
+
=
············································· (19)
又は
(
)(
)(
)
[
]2
1
2
ab
2
ab
2
ab
*
Δ
*
Δ
*
Δ
*
Δ
H
C
L
E
+
+
=
······································· (20)
これら二つのΔE*abは,等価である。
ΔH*abを計算する方法には,式(17)のほか,式(21)〜式(23)がある。
(
)(
)(
)
[
]2
1
2
ab
2
2
ab
ab
*
Δ
*
Δ
*
Δ
*
Δ
C
L
E
H
−
−
=
······································· (21)
ここで,ΔE*abは式(19)から計算し,ΔH*abはΔhabと同じ符号をもつ。
(
)
[
]
2
1
0
1
0
1
0,
ab
1,
ab
ab
*
*
*
*
*
*
2
*
Δ
b
b
a
a
C
C
k
H
−
−
=
····························· (22)
ここで,a*1・b*0≧a*0・b*1ならばk=−1,ほかの場合はk=1
及び
(
)
(
)
[
]
2
1
0
1
0
1
0,
ab
1,
ab
0
1
1
0
ab
*
*
*
*
*
*
5.0
*
*
*
*
*
Δ
b
b
a
a
C
C
b
a
b
a
H
+
+
−
=
··· (23)
注記4 式(23)は,比較するクロマのいずれかが0の場合,用いることができない。式(23)は,いずれ
かのクロマが0に近いとき不正確である。
注記5 ΔH*abを計算する方法の詳細は,式(17)はセベ(SÉVE,1991),式(22)はストークス及びブリ
ル(STOKES,BRILL,1992),式(23)はセベ(SÉVE,1996)によって与えられている。
注記6 異なった実地応用では,色差知覚とより良い相関を得るために,ΔL*,ΔC*ab及びΔH*abに異
なった重み付けを用いて式(20)を修正する必要がある。2001年に,工業的な小色差の評価の
ための新しい式で,CIEはこのような重み付けを勧告した(CIE 2001)。しかし,これらは,
この規格の適用範囲外である。この方法によって得られる色差は,CIELAB色差ではない。
記号ΔE*abは用いられない。
6
Z 8781-4:2013
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附属書A
(参考)
L*,a*,b*からX,Y,Zへの変換
次の式(A.1)〜(A.9)は,L*,a*,b*が与えられた場合,X,Y,Zの計算のための逆変換を表す。
(
)(
)116
16
*
n
+
=L
Y
Y
f
····························································· (A.1)
(
)
(
)
n
n
500
*
Y
Y
f
a
X
X
f
+
=
······················································ (A.2)
(
)
(
)
200
*
n
n
b
Y
Y
f
Z
Z
f
−
=
······················································· (A.3)
(
)(
)3
n
29
6
>
X
X
f
の場合
(
)
[
]3
n
n
X
X
f
X
X=
····························· (A.4)
(
)(
)3
n
29
6
≦
X
X
f
の場合
(
)
(
)
[
]
29
4
841
108
n
n
−
=
X
X
f
X
X
·········· (A.5)
(
)(
)3
n
29
6
>
Y
Y
f
の場合
(
)
[
]3
n
n
Y
Y
f
Y
Y=
································ (A.6)
(
)(
)3
n
29
6
≦
Y
Y
f
の場合
(
)
(
)
[
]
29
4
841
108
n
n
−
=
Y
Y
f
Y
Y
·············· (A.7)
(
)(
)3
n
29
6
>
Z
Z
f
の場合
(
)
[
]3
n
n
Z
Z
f
Z
Z=
······························· (A.8)
(
)(
)3
n
29
6
≦
Z
Z
f
の場合
(
)
(
)
[
]
29
4
841
108
n
n
−
=
Z
Z
f
Z
Z
············ (A.9)
注記1 式(A.6)の条件は,L*>8に等価である。
注記2 式(A.7)の条件は,L*≦8に等価である。
7
Z 8781-4:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書B
(参考)
参考文献
CIE, 1995. CIE 116-1995,Industrial colour difference evaluation, 1995
CIE, 2001. CIE 142-2001,Improvement to industrial colour-difference evaluation, 2001
CIE, 2004. CIE 15:2004,Colorimetry, 3rd edition, 2004
CLARKE, F.J.J., MCDONALD, R., RIGG, B., 1984. Modification to the JPC79 colour difference formula. J. Soc.
Dyers Col., 100, 128-131, 1984
DIN, 2001. DIN 6176,Farbmetrische Bestimmung von Farbabständen bei Körperfarben nach der DIN99-Formel.
Deutsches Institut für Normung, 2001
MCLAREN, K., 1980. CIELAB hue-angle anomalies at low tristimulus ratios. Color Res. Appl., 5, 139-143, 1980
PAULI, H., 1976. Proposed extention of the CIE recommendation on "Uniform color spaces, color difference
equations, and metric color terms". J. Opt. Soc. Am., 66, 866-867, 1976
ROBERTSON, A.R., 1990. Historical development of CIE recommended color difference equations. Color Res.
Appl., 15, 167-170, 1990
SÈVE, R., 1991. New formula for the computation of CIE 1976 hue difference. Color Res. Appl., 16, 217-218,
1991
SÈVE, R., 1996. Practical formula for the computation of CIE 1976 hue difference. Color Res. Appl., 21, 314,
1996
STOKES, M., BRILL, M.H., 1992. Efficient computation of ΔH*ab. Color Res. Appl., 17, 410-411, 1992
8
Z 8781-4:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS Z 8781-4:2013 測色−第4部:CIE 1976 L*a*b*色空間
ISO 11664-4:2008 Colorimetry−Part 4: CIE 1976 L*a*b* Colour space
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範囲 CIE 1976 L*a*b*色空
間について規定
1
一致
2 引用規格
3 用語及び
定義
この規格で用いる主な
用語について定義し
た。
3
定義,記号,略号を規定し
ているが,定義はこの規格
だけに適用する用語につ
いて記述している。
追加
主な用語について定義を記載
した。これによって箇条題目を
“用語及び定義”とした。
IEC 60050-845で定義されている用
語の定義を省略している。定義,記
号及び略号の箇条を変えることもで
きるが,使いやすさを考慮した。実
質的な技術的差異はない。
4 計算方法 均等色空間及び色差の
計算方法を規定
4
追加
附属書Aの引用を4.1の注記8
として明記した。
規定内容は一致しているが,ISOで
は附属書を引用する文言がないた
め,JISの様式に従って,追記した。
附属書A
(参考)
附属書B
(参考)
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 11664-4:2008,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 一致 ················ 技術的差異がない。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
2
Z
8
7
8
1
-4
:
2
0
1
3
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。