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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

Z 8714-1995 

再帰性反射体−光学的特性−測定方法 

Retroreflectors−Optical properties−Measuring method 

1. 適用範囲 この規格は,再帰性反射体の光学的特性を測定する方法について規定する。 

備考 この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS Z 8105 色に関する用語 

JIS Z 8113 照明用語 

JIS Z 8701 色の表示方法−XYZ表色系及びX10Y10Z10表色系 

JIS Z 8713 再帰性反射体−光学的特性−用語 

JIS Z 8717 蛍光物体色の測定方法 

JIS Z 8720 測色用の標準の光及び標準光源 

JIS Z 8722 色の測定方法−反射及び透過物体色 

JIS Z 8724 光源色の測定方法 

JIS Z 8726 光源の演色性評価方法 

2. 用語の定義 この規格に用いる用語の定義は,JIS Z 8105,JIS Z 8113及びJIS Z 8713による。 

3. 再帰性反射体の光学的特性の測定方法の種類 再帰性反射体の光学的特性の測定方法の種類は,次の

とおりとする。 

(1) 再帰反射性能の測定方法 

(a) 分光的測定方法 

(b) 測光的測定方法 

(c) 簡易測定方法 

(2) 昼間の色の測定方法 

(a) 分光測色方法 

(b) 刺激値直読方法 

(3) 夜間の色の測定方法 

(a) 分光測色方法 

(b) 刺激値直読方法 

4. 再帰性反射体の再帰反射性能の測定方法 

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Z 8714-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.1 

一般 再帰性反射体の再帰反射性能の測定は,主として,夜間,自動車の前照灯によって再帰性反

射体を照射したとき,その反射光を受ける運転者が感じる明るさに対応する測光量を得ようとするもので

ある。したがって,再帰反射性能の測定の分光条件は,標準の光Aの相対分光分布(1)と,標準分光視感効

率V (λ)(2)との組合せとし,照射及び観測の幾何条件は,前照灯,及び再帰性反射体と観測者との相対的位

置関係によって規定する。 

注(1) JIS Z 8720の付表1参照 

(2) JIS Z 8701の付表1の等色関数y (λ) と同一である。 

4.2 

照射及び観測の幾何条件 再帰性反射体の再帰反射性能を測定するときの照射及び観測の幾何条件

の概念図を,図1に示す。一般に,観測角αは,12',20'又は2゜とし,照射角β1は,5゚,30゚又は40゚と

する。照射距離及び観測距離は,10m以上とする。光源開口角と受光開口角との和は,12'±2'とするのが

望ましい。 

備考 トラフィックペイントなどの路面材の再帰反射性能は,照射角βを85゜〜89゜として測定する。 

図1 再帰反射性能を測定するときの幾何条件 

備考1. 観測角及び照射角の方向は,それぞれ反時計方向を正とする。 

2. 図は,照射角の第二成分β2=0の場合である。 

4.3 

分光的測定方法 

4.3.1 

光源及び分光測光器 光源は,一般に白熱電球を用いる。分光測光器は,JIS Z 8724の4.2.3(分

光測光器)に規定する分光測光器とする。 

4.3.2 

測定方法 4.2の条件で,光源,再帰性反射体及び分光測光器を配置し,光源によって照射された

試料からの反射放射束を分光測光器で分光測定し,その波長λにおける値をmr (λ) とする。次に同一の受

光部を試料位置に移動し,試料面法線方向の入射放射束を分光測光器で分光測定し,その値をmi (λ) とす

る。次の式によって,光度分光係数R (λ) ,又は再帰反射分光係数R' (λ)を求める。 

()

()()

λ

λ

λ

i

r

m

d

m

R

2

=

········································································ (1) 

()

()()A

m

d

m

R

i

r

=

λ

λ

λ

2

 ······································································· (2) 

ここに, d: 照射距離又は観測距離 (m) 
 

A: 試料面積 (m2) 

再帰反射性能の分光的測定方法の一例を図2に示す。 

background image

Z 8714-1995  

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図2 再帰反射性能の分光的測定方法の一例 

(a) 試料からの反射光の測定時の配置 

(b) 試料への入射光の測定時の配置 

再帰反射光度係数R又は再帰反射係数R'は,次の式によって求める。 

()()()

()()λ

λ

λ

λ

λ

λ

λ

=

V

S

R

V

S

R

A

A

 ······························································· (3) 

()()()

()()λ

λ

λ

λ

λ

λ

λ

=

V

S

R

V

S

R

A

A

 ····························································· (4) 

ここに, 

SA(λ): 標準の光Aの相対分光分布 

V(λ): 標準分光視感効率 

∆λ: 計算のための波長間隔(5nmとすることが望ましい) 

Σ: 積和で,求める波長範囲は,一般に380〜780nmとする。 

備考 Rの単位は,(cd・lx−1),R'の単位は,(cd・lx−1・m−2)である。 

4.4 

測光的測定方法 

4.4.1 

光源及び受光器 光源は,標準光源Aとし,JIS Z 8726に規定する平均演色評価数が標準の光A

を基準の光として96以上のものとする。受光器の分光応答度は,等色関数のy (λ) について,JIS Z 8724

の5.2(光電色彩計)に規定する条件を満足していなければならない。 

4.4.2 

測定方法 4.2の条件で,光源,再帰性反射体及び受光器を配置し,光源によって照射された試料

の光度の相対値を測定し,その値をIとする。次に受光器を試料位置に移動し,試料面法線照度を測定し,

その値をEnとする。再帰反射光度係数R又は再帰反射係数R´を次の式から求める。 

n

E

I

R=

 ··················································································· (5) 

A

R

R=

 ···················································································· (6) 

ここに, A: 照射された試料面積 (m2) 

Z 8714-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

備考 Rの単位は,(cd・lx−1),R'の単位は,(cd・lx−1・m−2)である。 

4.5 

簡易測定方法 試料と同種で,4.3又は4.4の方法で再帰反射係数を値付けした再帰反射校正用照合

片がある場合は,4.4に準じる測定方法で,再帰反射校正用照合片と比較して試料の再帰反射係数を求めて

も差し支えない。 

5. 再帰性反射体の昼間の色の測定方法 

5.1 

一般 再帰性反射体を昼間の状態で観測したときの色は,一般にJIS Z 8722の4.3.1(照明及び受光

の幾何学的条件)に規定する条件a (45−n) によって,標準の光D65で照明したときの色を,XYZ表色系に

よる色度座標x,y,及び輝度率βで表す。 

備考1. 再帰性反射体の色は,蛍光を含む場合があるので,試料面照明光は標準の光D65に近似して

いることが望ましい。 

2. 蛍光物体色を測定するときの試料面照明光の,測色用の光との近似の度合いは,JIS Z 8717

の附属書の方法で評価できる。 

5.2 

分光測色方法 分光測色方法による場合は,JIS Z 8722の4.(分光測色方法)による。 

5.3 

刺激値直読方法 刺激値直読方法による場合は,JIS Z 8722の5.(刺激値直読方法)による。 

6. 再帰性反射体の夜間の色の測定方法 

6.1 

一般 再帰性反射体を夜間の状態で観測したときの色は,一般に再帰反射性能の測定と同じ幾何条

件のもとで,標準の光Aで照射したときの再帰反射光の色を,XYZ表色系による色度座標x,yで表す。 

6.2 

分光測色方法 分光測色方法による場合は,4.3に定める方法で再帰反射分光係数R' (λ)を求め,次

の式によって色度座標x,yを求める。 ()()()λ

λ

λ

λ

=

R

x

S

k

X

A

()()()λ

λ

λ

λ

=

R

y

S

k

Y

A

 ···························································· (7) 

()()()λ

λ

λ

λ

=

R

z

S

k

Z

A

Z

Y

X

Y

y

Z

Y

X

X

x

+

+

=

+

+

=

 ··········································································· (8) 

ここに, X,Y,Z: XYZ表色系の三刺激値 
 

SA (λ): 標準の光Aの相対分光分布 

x (λ),y (λ),z 

(λ): 

XYZ表色系における等色関数 

∆λ: 三刺激値計算のための波長間隔(5nmとすることが望ま

しい) 

Σ: 積和で,求める波長範囲は,一般に380〜780nmとする。 

k: 定数で,ここでは1として扱ってよい。 

6.3 

刺激値直読方法 刺激値直読方法による場合は,光電色彩計を用い,計器の指示から三刺激値又は

これらの相対値を求め,これから色度座標x,yを求める。測定に用いる光電色彩計の分光条件は,JIS Z 8724

の5.2の条件を満たしていなければならない。 

7. 測定結果の表示 

Z 8714-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

7.1 

再帰反射性能の測定結果の表示 

7.1.1 

測定値の表示 測定値を表示するには,再帰反射光度係数R又は再帰反射係数R'による。測定値

は,次の例のように記載する。 

例 R=25 (cd・lx−1) 

R'=70 (cd・lx−1・m−2) 

備考 混同のおそれがないときは,単位を省略してもよい。 

7.1.2 

測定値の付記事項 測定値には,次の事項をこの順序で付記する。 

(1) 観測角 

(2) 照射角 

(3) データムマークの位置又は回転角 

(4) 測定方法の種類 

(5) 分光分布測定の実施条件 

(6) 必要な場合,試料の測定箇所 

備考1. 測定方法の種類は,分光的測定方法,測光的測定方法又は簡易測定方法のいずれによるかを

付記する。 

2. 試料をその面内で回転すると再帰反射性能が変わる場合,データムマークの位置又は回転角

を付記する。 

3. 分光的測定方法による場合,測定に用いた有効波長幅/波長間隔を付記する。 

7.1.3 

測定結果の記載方法 測定結果を記載するには,一般に次に例示する方法による。 

なお,測定に用いた機器名を付記することが望ましい。 

例1. 分光的測定方法による場合 

R=25,  α=20',  β1=5゚,  ε=0゚ 

分光的測定方法 5/5 ○○製分光放射計 

2. 

測光的測定方法による場合 

R'=70,  α=2゚,  β1=30゚,  ε=90゚ 

測光的測定方法 ○○製色彩輝度計 

7.2 

再帰性反射体の昼間の色の測定結果の表示 

7.2.1 

測定値の表示 測定値を表示するには,XYZ表色系による色度座標x,y及び輝度率βによる。測定

値は,次の例のように記載する。 

例 x=0.389  y=0.392  β=0.45 

7.2.2 

測定値の付記事項 測定値には,次の事項をこの順序で付記する。 

(1) 測定方法の種類 

(2) データムマークの位置又は回転角 

(3) 分光分布測定の実施条件 

備考1. 測定方法の種類は,分光測色方法又は刺激値直読方法のいずれによるかを付記する。 

2. 試料をその面内で回転すると,再帰反射性能が変わる場合,データムマークの位置又は回転

角を付記する。 

3. 分光測色方法による場合,測定に用いた有効波長幅/波長間隔を付記する。 

7.2.3 

測定結果の記載方法 測定結果を記載するには,一般に次に例示する方法による。 

なお,測定に用いた機器名を付記することが望ましい。 

Z 8714-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

例1. 分光測色方法による場合 

x=0.372,  y=0.384,  β=0.56,  ε=90゚ 

分光測色方法 5/5 ○○製分光測光器 

2. 

刺激値直読方法による場合 

x=0.625,  y=0.330,  β=0.06,  ε=0゚ 

刺激値直読方法 ○○製光電色彩計 

7.3 

再帰性反射体の夜間の色の測定結果の表示 

7.3.1 

測定値の表示 測定値を表示するには,XYZ表色系による色度座標x,yによる。測定値は,次の

例のように記載する。 

例 x=0.191  y=0.441 

7.3.2 

測定値の付記事項 測定値には,次の事項をこの順序で付記する。 

(1) 観測角 

(2) 照射角 

(3) データムマークの位置又は回転角 

(4) 測定方法の種類 

(5) 分光分布測定の実施条件 

備考1. 測定方法の種類は,分光測色方法又は刺激値直読方法のいずれによるかを付記する。 

2. 試料をその面内で回転すると,再帰反射性能が変わる場合,データムマークの位置又は回転

角を付記する。 

3. 分光測色方法による場合,測定に用いた有効波長幅/波長間隔を付記する。 

7.3.3 

測定結果の記載方法 測定結果を記載するには,一般に次に例示する方法による。 

なお,測定に用いた機器名を付記することが望ましい。 

例1. 分光測色方法による場合 

x=0.191,  y=0.441,  α=12',  β1=30゚,  ε=0゚ 

分光測色方法 5/5 ○○製分光放射計 

2. 

刺激値直読方法による場合 

x=0.495,  y=0.475,  α=20',  β1=40゚,  ε=90゜ 

刺激値直読方法 ○○製色彩輝度計 

関連規格 JIS Z 8717 蛍光物体色の測定方法 

Z 8714-1995  

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解説付表1原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

○ 馬 場 護 郎 

株式会社村上色彩技術研究所 

○ 荒 生   薫 

岡山県立大学 

伊 藤 恒 彦 

住友スリーエム株式会社 

上 田 卓 司 

紀和化学工業株式会社 

栗 岡   豊 

近畿大学 

児 玉   晃 

財団法人日本色彩研究所 

小松原   仁 

財団法人日本色彩研究所 

○ 須 賀   蓊 

スガ試験機株式会社 

杉 山 正 実 

ミノルタ株式会社 

高 木 譲 一 

工業技術院標準部 

高 沢 恒 士 

東京都工業技術センター 

広 瀬 秀 司 

ユニチカスパークライト株式会社 

水 落 久 之 

ニッカポリマ株式会社 

湊   秀 幸 

電子技術総合研究所 

○ 森   礼 於 

東芝ライテック株式会社 

矢 崎   秀 

日本車両検査協会 

山 中 俊 夫 

大阪芸術大学 

吉 田 豊 彦 

日本塗料検査協会 

(幹事) 

○ 小 林 信 治 

財団法人日本色彩研究所 

(○印は,小委員会委員を兼ねる。)