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Z 8601-1954  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

標準数は工業標準化,設計などにおいて数値を定める場合に選定の基準として用いるものであり,JES

にも寸法標準数(日本標準規格JES第3号類別Z1)と等比標準数(日本標準規格JES第4号類別Z2)の

2規格があったが,これらの廃止にともない“標準数”を再検討し,国際性も考慮してこの規格が制定さ

れたのである。 

この規格の原案はISO Recommendation R3 (Preferred Numbers-Series of Preferred Numbers) および上記の

JESなどを参考として工業技術院標準部で作成したものである。この原案は日本工業標準調査会基本部会

(部会長 朝倉希一)に付託され,標準数専門委員会の審議にかかり,つぎのような審議を経て議決され

た。 

昭和28.8.12(専門委員会) 委員会長の互選を行ない,鬼頭史城氏(日本機械学会)に決定。つづいて

基本的方針などを討議。 

昭和28.9.11(専門委員会) 原案を逐条的に審議。 

昭和28.10.23(専門委員会)   同 上 

昭和28.11.20(専門委員会)   同 上 

昭和28.12.15(専門委員会) 前回までの審議結果に基く修正原案を書面で審議し,これを議決。 

昭和29.4.27(部会) 専門委員会から回付された原案を審議し,これを議了したが,この規格は鉱工業

全般にわたる基本的な性格のものであるから,他部会の意見を求めた上で議決することになった。 

昭和29.5〜29.8(意見聴取) この規格について他部会の意見を求めた。 

昭和29.9.27(部会) 他部会の意見聴取結果を検討したが,さきに議了した原案をとくに改正する必要

も認められないのでこれを議決。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

Z 8601-1954 

標準数 

Preferred Numbers  

1. 総則 

1.1 

適用範囲 この規格は,工業標準化・設計などにおいて数値を定める場合に,選定の基準として用

いる標準数について規定する。 

1.2 

標準数の定義 標準数とは付表に示す数値であって,10の正または負の整数ベキを含み,公比がそ

れぞれ510, 1010, 2010, 4010,および 8010である等比数列の各項の値を実用上便利な数値に整理した

ものである。 

これらの数列をそれぞれR5, R10, R20, R40, R80の記号で表わす。 

1.3 

用語の意味 この規格で用いる主要な用語の意味は,つぎのとおりとする。 

(1) 基本数列 R5, R10, R20, R40の数列。 

(2) 特別数列 R80の数列。 

(3) 理論値 10の正または負の整数ベキを含み,公比がそれぞれ,510, 1010, 2010, 4010, 8010である

等比数列の各項の値。 

(4) 計算値 理論値を有効数字5ケタに整理して求めた数値。 

(5) 増加率 標準数の各数列内における,ある数値からつぎの数値に移るときの増加する割合。 

2. 標準数の使用方法 

2.1 

工業標準化・設計などにおいて,段階的に数値を定める場合には標準数を用い,単一の数値を定め

る場合でも標準数から選ぶようにする。 

2.2 

選ぶべき標準数は,基本数列の中で増加率の大きい数列から採る。すなわち,R5, R10, R20, R40の

順で用いる。なお,基本数列によれない場合にだけ特別数列を用いる。 

2.3 

標準数の適用に際して,ある数列をそのまま用いることができないときはつぎのようにして用いる。 

(1) いくつかの数列を併用する ある範囲全部を同一の数列から採ることができない場合には,その範囲

を必要に応じていくつかに分け,それぞれの範囲に対し最も適した数列を選んで用いる。 

(2) 誘導数列として用いる ある数列のある数値から2つ目,3っ目,……,p個日ごとにとって用いる。

この場合の数列を誘導数列という。なお,2, 3,…, pをピッチ数という。 

(3) 変位数列として用いる ある数列によってきめられた特性に関係ある他の特性の数値を,同じ数列か

ら採ることができないときに,この特性に適した数値を含む他の数列を選び,これを元の特性に等し

い増加率をもつ誘導数列にしたものを用いる。この場合の数列を変位数列という。 

(4) 計算値を用いる 標準数よりもさらに正確な数値を必要とする場合には,これに対応する計算値を用

いる。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3. 標準数列の記号 

3.1 

標準数列の記号は,範囲を示す必要のない場合1.2に規定した数列記号をそのまま用い,範囲を示す

必要のある場合,数列記号のつぎにかっこをつけてその範囲を示す。 

例: 

R10 (1.25…) 

R10数列で1.25以上のもの。 

R20 (…45) 

R20数列で45以下のもの。 

R40 (75…300) 

R40の数列で75以上300以下のもの。 

3.2 

誘導数列の記号は,つぎのようにする。 

誘導数列を求めた元の数列記号/ピッチ数(誘導数列に含まれる1つの数値) 

なお,範囲を示す必要のある場合は3.1に準ずる。 

例: 

R10/3 (…80…) 

R10数列から3つ目ごとに採ったもので80を含むもの。 

R5/2 (1…1600) 

R5数列から2つ目ごとに採ったもので,1以上1600以下のもの。 

3.3 

変位数列の記号は3.2に準ずる。 

例: 

R20/4 (1.12…) 

R20数列から4つ目ごとにとった1.12以上のもので,その増加

率はR5と等しい。 

R80/8 (25.8…165) 

R80数列から8つ目ごとにとった25.8以上165以下のもので,

その増加率はR10と等しい。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

付表 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

備考1. 付表の標準数の数値に10の正または負の整数ベキをかけたものも標準数とする。 

2. 配列番号の使い方 基本数列における標準数の計算(1)には,付表に示された配列番号を用い

れば,つぎのような計算ができる。 

注(1) 配列番号によって計算を行なった場合は,標準数と理論値との差に相当する誤差をともな

う。 

(1) 標準数の積 2つの標準数N1, N2の積に相当する標準数を求めるには,(N1に対応する配列

番号)+(N2に対応する配列番号)の数値に等しい配列番号をもつ標準数を付表から読みと

る。 

例:3.15×1.6の計算 

配列番号の和=20+8=28 

配列番号28に対応する標準数=5=(3.15×1.6に相当する標準数) 

(2) 標準数の商 2つの標準数N1, N2の商に相当する標準数を求めるには,(N1に対応する配列

番号)−(N2に対応する配列番号)の数値に等しい配列番号をもつ標準数を付表から読みと

る。 

例:4.25÷25の計算 

配列番号の差=25−56=−31 

配列番号−31に対応する標準数=0.17=(4.25/25に相当する標準数) 

(3) 標準数のベキ 標準数Nの正の整数ベキに相当する標準数を求めるには,(Nに対応する配

列番号)×(Nのベキ指数)の数値に等しい配列番号をもつ標準数を付表から読みとる。 

例: 

(1.18)2の計算 

配列番号とベキ指数の積=3×2=6 

配列番号6に対応する標準数=1.4=(1.182に相当する標準数) 

(4) 標準数の乗根 標準数Nの乗根に相当する標準数を求めるには,(Nに対応する配列番号)

÷(Nの根指数)の値が整数ならば,この値に等しい配列番号をもつ標準数を付表から読み

とる。 

例:

16

.0

の計算 

配列番号と根指数の商= (−32) ÷2=−16 

配列番号−16に対応する標準数=0.4=(

16

.0

に相当する標準数) 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

原案作成委員会構成表 

(委員) 

江 守 忠 哉 

(株式会社日立製作所) 

久 野 拓 治 

(東芝炉材株式会社) 

黒 岩 源 雄 

(日本国有鉄道) 

中 込 常 雄 

(いすゞ自動車株式会社) 

千 田 富 孝 

(工業技術院) 

吉 枝 正 明 

(工業技術院) 

(事務局) 

柳 沢 定 男 

(日本規格協会) 

高 橋 正 男 

(日本規格協会) 

基本部会 標準数専門委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員会長) 

鬼 頭 史 城 

日本機械学会 

今 井 信 男 

日本船舶工業標準協会 

内 田 章 五 

東京工業試験所 

江 守 忠 哉 

日立製作所亀有工場 

奥 野 久 輝 

日本化学会 

川 本   勇 

日本国有鉄道 

小 山 正 徳 

工業技術院標準部 

神 保 泰 雄 

精機学会 

鈴 木   光 

日本鉱業会 

清 宮   博 

電気通信学会 

多 田 和 夫 

防衛庁技術研究所 

立 川 玄一郎 

日本電信電話公杜 

田 原 保 二 

土木学会 

鶴 見 勇 馬 

日本規格協会 

鳥 羽 安 行 

日本金属学会 

平 井 啓 輔 

富士精密工業株式会杜 

前 田 幸 夫 

三菱電機株式会杜 

三 浦 光 男 

いすゞ自動車株式会杜 

三 宅 修 三 

電気試験所 

森 沢 正 人 

古河電気工業株式会杜 

山 本 勝 郎 

機械試験所 

山 本 広三郎 

電気学会 

山 口 重 長 

住友金属株式会杜 

横 山 均 次 

日本鉄鋼協会 

(事務局) 

山 本   俶 

工業技術院標準部運輸航空規格課 

宇田川 鉦 作 

工業技術院標準部運輸航空規格課 

加 島 良 一 

工業技術院標準部運輸航空規格課