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Z 8528-2:2006

(1)

目  次

ページ

序文  1 

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

2

3

  用語及び定義 

2

4

  記号(Symbols) 

16

5

  原則

21

6

  性能上の要求事項

21

7

  設計上の要求事項及び推奨事項

22

7.1

  設計視距離 

22

7.2

  設計観視方向 

22

7.3

  設計画面照度 

26

7.4

  凝視角及び頭部傾斜角 

26

7.5

  色の均一性 

26

7.6

  文字高

27

7.7

  ストローク幅 

28

7.8

  文字の横−縦の比  (表 10 参照) 

28

7.9

  充てん率 

28

7.10

  文字の画素構成

28

7.11

  文字間距離 

29

7.12

  単語間距離 

29

7.13

  行間距離 

29

7.14

  表示輝度 

29

7.15

  輝度コントラスト

31

7.16

  輝度バランス 

32

7.17

  反射

32

7.18

  表示極性  (ポジティブ表示とネガティブ表示) 

35

7.19

  輝度の均一性 

35

7.20

  画素欠点 

36

7.21

  画像生成時間 

36

7.22

  絶対輝度コーディング 

37

7.23

  明滅コーディング

37

7.24

  時間的不安定性(フリッカ)

37

7.25

  デフォルトカラーセット 

37

7.26

  多色対象物の大きさ 

37

7.27

  色差

37


 
Z 8528-2:2006

(2)

7.28

  可視光を分光したときの両端の色 

38

7.29

  色の数

38

8

  測定方法

39

8.1

  序文

39

8.2

  製造業者又は販売業者への要求事項 

39

8.3

  試験所への要求事項

41

8.4

  試験のための幾何学的構成 

50

8.5

  文字デザインを分析するための手順 

56

8.6

  輝度,コントラスト及び拡散照明の測定手順

57

8.7

  要求事項の評価

60

9

  適合

91

附属書 A(参考)色差の計算 

93

附属書 B(参考)フリッカの判定法 

96

附属書 C(参考)双方向反射分布関数(BRDF

104

参考文献(Bibliography) 

121

附属書 JA(参考)JIS と対応する国際規格との対比表 129 

 


Z 8528-2:2006

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本人間工学会(JES)及び財団法人日本規格

協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の

審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。

JIS Z 8528

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS Z 8528-1 

第 1 部:通則

JIS Z 8528-2 

第 2 部:FPD の人間工学要求事項


日本工業規格

JIS

 Z

8528-2

:2006

人間工学−フラットパネルディスプレイ(FPD)を

用いる作業−第 2 部:FPD の人間工学的要求事項

Ergonomic requirements for work with visual displays based on flat

panels Part 2: Ergonomic requirements for flat panel displays

序文 

この規格は,2001 年に第 1 版として発行された ISO 13406-2 を基に,技術的内容及び対応国際規格の構

成を変更することなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

適用範囲   

この規格は,フラットパネルディスプレイ(以下,FPD という)の設計及び評価のために,人間工学の

観点から画像品質の要求事項,及び画像品質を判定する方法について規定する。

この規格の適用対象は,次による。

−  主にオフィスでの業務に用いられる FPD

−  画素が均等な間隔で規則的に配列された FPD

−  アルファベット文字及びアラビア数字を表示する FPD

−  漢字やひらがななどを表示する FPD

− 40 字以上のアルファベット文字を表示できる FPD

次の技術を利用した FPD は,この規格の適用対象外とする。

− FPD を内蔵したプロジェクタ

−  固定メッセージ又はセグメント式英数文字表示用のフラットパネル技術[IEC SC47C(Central

Office

3 :1992 の 2.13 参照]

注記 1  この規格の測定方法の一部(例えば,コントラスト及び輝度)は,反射形フラットパネ

ルには適用しない。技術が進展すれば,妥当な測定方法をこの規格に追記する。

注記 2  この規格の対応国際規格及びその程度を表す記号を,次に示す。

ISO 13406-2:2001

,Ergonomic requirements for work with visual displays based on flat panels−Part 2:

Ergonomic requirements for flat panel displays (MOD)

なお,対応の程度を表す記号(MOD)は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,一部異なること

を示す。



Z 8528-2:2006

引用規格   

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで西暦年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格を構成するものであって,

その後の改正版・追補には適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適

用する。

JIS Z 8113

  照明用語

注記  対応国際規格:IEC 60050:1987,International Electrotechnical Vocabulary (MOD)

JIS Z 8513

  人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−視覚表示装置の要求事項

注記  対応国際規格:ISO 9241-3:1992,Ergonomic requirements for office work with visual display

terminals (VDTs)

−Part 3: Visual display requirements (MOD)

JIS Z 8515

  人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−ワークステーションのレイアウト及び

姿勢の要求事項

注記  対応国際規格:ISO 9241-5:1998,Ergonomic requirements for office work with visual display

terminals (VDTs)

−Part 5: Workstation layout and postural requirements (MOD)

JIS Z 8517

  人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−画面反射に関する表示装置の要求事項

注記  対応国際規格:ISO 9241-7:1998,Ergonomic requirements for office work with visual display

terminals (VDTs)

−Part 7: Display requirements with reflections (MOD)

JIS Z 8518

  人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−表示色の要求事項

注記  対応国際規格:ISO 9241-8:1997,Ergonomic requirements for office work with visual display

terminals (VDTs)

−Part 8: Requirements for displayed colours (MOD)

CIE Publication No.15.2:1986

,Colorimety,Corrected reprint 1996. Central Bureau of the (Commission

International DÉclarirage CIE)

,Vienna

ISO 9241-6:1999

,Ergonomic requirements for office work with visual display terminals (VDTs)−Part 6:

Guidance on the work environment

用語及び定義   

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

注記  定義で用いる記号は,箇条 参照。

3.1 

光学測定(Photometry)   

3.1.1 

面積平均輝度(area-luminance)   

表示面上の直径が 10 画素以上の領域の平均輝度

注記  面積平均輝度の単位は,cd/m

2

3.1.2 

背景輝度(background luminance)   

表示情報を含まない領域の面積輝度。

注記  背景輝度の単位は,cd/m

2

3.1.3 

コントラスト(contrast)   

同時又は逐次に見える二つ以上の,見え方の差の評価値(参考:明るさコントラスト,明度コントラス


3

Z 8528-2:2006

ト,カラーコントラストなどがある。

注記 1  JIS Z 8113: 1998)IEC 60050845-02-47):1987 を翻案した。

注記 2  この規格では“コントラスト”は,輝度コントラストとして用いている。

注記 3  “同時に見える”とは文字と背景とのコントラストが該当する。

“逐次に見える”とは文字と

文字とか,表示面と文章とか視線を変えて見るときが該当する。 

3.1.4 

供試装置(EUT)   

効能・効果を確かめるための実験・試験に提供する装置(Equipment Under Test)

3.1.5 

ランベルトの[余げん(弦)]法則[Lambert'scosinelaw]   

ある表面について,その表面の上側の半球面のすべての方向に対する放射輝度又は輝度が等しいときに

成り立つ,式(1)で表される関係。

)

cos(

)

(

θ

θ

n

I

I

=

 (1)

  I(

θ

)

は,その表面の法線から角度

θ

の方向の放射強度又は光度。I

n

は,法線の方向の放射強度又は光

度[IEC 60050845-04-56): 1987(JIS Z 8113: 1998)から引用]

3.1.6 

ランベルト面(Lambertian surface)   

その面から発する放射が,ランベルトの法則に従う角度分布をもつ理想面[IEC 60050845-04-57):1987

JIS Z 8113: 1998)

注記  理想的な標準拡散反射板では,式(2)  が成り立つ。

STD

STD

q

π

ρ

=

 (2)

3.1.7 

輝度コントラスト(luminance contrast)   

見やすさの程度を定義するもので,高輝度 L

H

及び低輝度 L

L

の比。

注記 1  フラットパネルの場合は,画素が離散的なので,見やすさの程度を判断するうえで,おおむ

ね面積平均輝度を輝度として用いてもよい。

注記 2  式(3)のようにコントラストモジュレーション C

m

で計算する場合と,

L

H

L

H

m

L

L

L

L

C

+

=

 (3)

式(4)のようにコントラスト比 CR  で計算する場合がある。

L

H

L

L

CR

=

 (4)

注記 3  ISO 9241-3:1992 (JIS Z 8513: 1994)の 2.22 を翻案した。

3.1.8 

輝度係数[luminace coefficientqvq)]   

ある表面の与えられた方向への輝度を,その照度で除した量。

注記 1  輝度係数の単位は,毎ステラジアン sr

-1

注記 2  IEC 60050845-04-71): 1987(JIS Z 8113: 1998)を翻案した。



Z 8528-2:2006

E

L

q

=

 (5)

3.1.9 

輝度率[luminance factor(βv,β)]   

ある表面の与えられた方向への輝度の,同じ条件で照明された完全拡散反射体又は完全拡散透過体の輝

度に対する比。

diffuser

perfect

sample

L

L

=

β

 (6)

注記 1  輝度率の単位は,1。

注記 2  IEC 60050845-04-69): 1987(JIS Z 8113: 1998)を翻案した。

3.1.10 

光学的異方性面(optically anisotropic surface)   

傾角

θ

が 45°より小さい範囲で,ランベルト面の放射から 10  %以上異なる放射をもつ光学面。

3.1.11 

ヘイズ(haze 

ある光源でディスプレイを照射したとき,鏡面反射方向に強く生じる反射成分であり,拡散反射又は鏡

面反射だけでモデル化できない第三の反射。詳細は

附属書 参照。

3.2 

測色(Colorimetry)   

3.2.1 

CIE 1976 L

uv*色空間,CIELUV 色空間(CIE 1976 Luv  colour space; CIELUV colour space)   

式(7)によって定義される量 L

u

v

を,直交座標にプロットして得られる三次元の近似的な均等色

空間。

ï

ï

ï

þ

ïï

ï

ý

ü

=

=

=

=

>

)

(

13

)

(

13

)

/

(

3

.

903

008856

.

0

/

16

)

/

(

116

008856

.

0

/

3

1

n

n

n

n

v

v

L

v

u

u

L

u

Y

Y

L

n

Y

Y

Y

Y

L

n

Y

Y

のとき

のとき

 (7)

ここに,

v

u

Y

′,

は対象とする色刺激,

n

n

n

v

u

Y

′ ,

は特定の無彩色刺激。

注記  明度,飽和度,クロマ及び色相に近似的に相関する量は,式(8)∼(10)で計算してもよい。

CIE 1976u

飽和度                                         (8)

CIE 1976u

クロマ

[

]

Suv

uv

L

v

u

C

=

+

=

2

1

2

2

 (9)

CIE 1976u

色相角

÷÷ø

ö

ççè

æ

÷÷ø

ö

ççè

æ

=

=

*

*

arctan

arctan

n

n

n

uv

u

v

u

u

v

v

h

 (10)

(

) (

)

[

]

2

1

2

2

13

n

n

uv

v

v

u

u

s

+

=


5

Z 8528-2:2006

IEC 60050845-03-54

:1987

JIS Z 8113

: 1998

)から引用]

3.2.2 

CIE 1976UCS

色度図, v

u

′ 色度図(CIE 1976 uniform-chromaticity scale diagram)   

(11)

によって定義される量

v

u

′, を,直交座標にプロットして得られる

UCS

色度図:

3

12

2

9

3

15

9

'

3

12

2

4

3

15

4

'

+

+

=

+

+

=

+

+

=

+

+

=

y

x

y

Z

Y

X

Y

v

y

x

x

Z

Y

X

X

u

(11)

図 及び IEC 60050845-03-53)(JIS Z 8113: 1998)参照]

u'

645

620

595

570

495

470

445

420

v '

0

0,1

0,2

0,3

0,4

0,5

0,6

0

0,6

0,5

0,4

0,3

0,2

0,1

545

520

注記  曲線上の数字は,光の波長を nm で示す。

  1CIE 1976 UCS 色度図 

3.2.3 

CIE 1976L

u

v

色差(CIE 1976 L

u

v

  colour difference: CIELUV colour difference

)   

CIELUV

色空間における座標点間のユークリッド距離として定義される,式(12)で計算される二つの色

刺激間の色差。

( ) ( ) ( )

[

]

2

1

2

2

2

v

u

L

E

uv

+

+

=

 (12)

Δ

E

*uv

*

*

*

表色系による色差,

ΔL

*

Δ

u

*

Δ

v

*

は JIS Z 8729 に規定する

*u*v*

表色系におけ

る二つの物体色の CIE1976  明度 L*の差及び色座標 u*,v*の差)

IEC 60050845-03-55

JIS Z 8113: 1998)参照]

3.2.4 

0

and

0

if

360

270

0

and

0

if

270

180

0

and

0

if

180

90

0

and

0

if

90

0

<

°

<

°

<

<

°

<

°

<

°

<

°

°

<

°

u

v

h

u

v

h

u

v

h

u

v

h

uv

uv

uv

uv



Z 8528-2:2006

色均一性(chromaticity uniformity difference)   

CIE1976UCS

色度図上における距離をいい,式(13)で算出する。

2

2

1

2

2

1

)

(

)

(

v

v

u

u

v

u

+

 (13)

ここに

1

1

v

u

′, と

2

2

v

u

′, は,サイト

1

及びサイト

2

に同じ色を表示したときのそれぞれの色度座標。

注記

これは,輝度が均一でない場合,又は測定対象が隣接していない場合に,色均一性の最適な測

定方法である(

3.2.2

参照)

3.2.5 

色刺激の主波長λddominant wavelength of a colour stimulus,λd)   

特定の無彩色刺激と適当な比率で加法混色することによって,試料色刺激に等色するような単色光刺激

の波長。

注記

紫刺激の場合は,主波長の代わりに補色主波長を用いる[

IEC 60050

845-03-44

:1987

JIS Z 

8113

: 1998

)から引用]

3.2.6 

同一主波長(same dominant wavelength)   

色相が一致しており,二つの色刺激の主波長が同一であること。

3.2.7 

スペクトル的に極端な色(spectrally extreme colours)   

画面上での極端な青,及び極端な赤。

注記

極端な青は,

2

.

0

<

v

の色のことを示し,極端な赤は,

4

.

0

>

u

のことを示す。極端な色の範囲

図 2

に示す。

注記  曲線上の数字は,光の波長を nm で示す。

  2−スペクトル的に極端な赤及び青 


7

Z 8528-2:2006

3.2.8 

均等色空間(uniform colour space)   

等しい大きさに知覚される色差が,空間内の等しい距離に対応するように意図した色空間[

JIS Z 8105

:

1982

IEC 60050

845-03-51

:1987

3.2.9 

UCS

色度図(uniform-chromaticity-scale diagram)   

色度図上のすべての箇所において,輝度の等しい色の感覚差が図上の幾何学的距離にほぼ比例するよう

に意図して目盛を定めた色度図[

JIS Z 8105

: 1982

IEC 60050

845-03-52

:1987

3.3 

幾何学的定義(Geometry)   

3.3.1 

有効画面(active area)   

表示面上で画素(

picture elements

)のある領域[

2.1

IEC SC 47C

Central Office

3

参照]

3.3.2 

視角(angular subtence)   

特定の視距離,例えば,設計視距離における視対象を見込む角度で,式

(14)

又は

(15)

で算出する。

÷

ø

ö

ç

è

æ

×

=

視距離

視対象の高さ

視角(度)

2

arctan

2

 (14)

視距離

視対象の高さ

視距離

視対象の高さ

視角(分)

×

×

×

=

÷

ø

ö

ç

è

æ

438

3

2

arctan

2

60

 (15)

注記  視角の単位は,度(°),分(′)又は秒(″)とする。

3.3.3 

光学的異方性ディスプレイ(anisotropic display)   

3.1.10

の基準に合うような発光輝度,及び/又は輝度係数(luminance coefficient)をもつディスプレイ(通

常は,液晶ディスプレイ)

3.3.4 

座標系(coordinate system)   

r

θ

φ

図 参照)で構成される直交極座標系。



Z 8528-2:2006

    E:輝度計の位置

OE

r:測定距離

    1:φ=0°(3 時方向)

注記 1  幾つかの文献では,方位角は時計の方位によって規定している。3 時方向をφ=0°と定義する。 
注記 

θ

については,通常正(プラス)の値だけを用いる。

(−

θ

φ

)は,

(+

θ

φ

±180°)と同一方向である。

  3−座標系 

注記  この座標系の詳細な定義を次に示す(図 参照)。

ある点(画素又は視対象の中央)を O とする。O から測定器を結んだ線を OE,ディスプレ

イ表示面の法線を ON とする。ON-OE 面において ON と OE との成す角度が傾角θである。距

離 OE が径 である。

P

は,OE を表示面へ射影した線上のある点とする。表示面上の右方向に,有効画面を上下に

2

等分する線に平行な線を OX とする。これが X 軸である。方位角

φ

は,OX と OP との間で半

時計回りに成す角である。


9

Z 8528-2:2006

1

:3 時方向  :ユーザーから見て表示面の右端

2

:12 時方向:ユーザーから見て表示面の上端

3

:6 時方向  :ユーザーから見て表示面の下端

4

:表示面

  4−座標系−定義 

注記  座 標 及 び 観 視 角 ( viewing angles ) に つ い て 更 に 詳 し い 情 報 は , VESA Flat Panel Display

Measurements Standard (1998)

,chapter 300-2 参照。

3.3.5 

耳眼面(Frankfort plane)   

耳珠点と眼か(窩)最下点とを結ぶ線を,横方向に延長することによってできる頭部を分断する仮想の

面(

図 参照)。

1

:耳珠点

2

:耳眼面

3

:眼か(窩)最下点

注記  眼か(窩)とは,頭がい(蓋)骨における目の部分のくぼみである。耳珠点とは,外耳道の開口部の後ろに広

がる外耳の耳翼における軟骨組織の突出部分である。

  5−耳眼面 

3.3.6 

凝視角(gaze angle)   

どう(瞳)孔及び視対象によって形成される平面と耳眼面との間の角度(

図 参照)。


10 
Z 8528-2:2006

1

:凝視角

2

:視線

  6−凝視角 

注記  快適な範囲は,約 0°∼45°である。

3.3.7 

頭部傾斜角(head tilt angle)   

頭部の前傾又は後傾によって変化する,耳眼面と水平面との間の角度。

図 参照。

注記  頭部を直立させたときの頭部傾斜角は,約 4°である。

1

:水平面

2

:頭部傾斜角

  7−頭部傾斜角 

注記  快適な範囲は,およそ 0°∼20°である。

3.3.8 

観視角範囲(viewing angle range)   

特定の画素を頂点とする円すい形の空間で,仕様書に記載された観視方向すべてを含む空間[IEC SC 

47C

(Central Office)参照]

3.4 

ディスプレイ技術(Display Technology)   

3.4.1 

充てん率(fill factor)   

1

個の画素に利用できる全体の面積のうち,光を変調することができる部分の面積の割合(JIS Z 8513

の 2.15 参照)

3.4.2 

発光型ディスプレイ(emissive display)   

ディスプレイ自体が光源をもつディスプレイ。

注記 1  光源となる光は,ディスプレイ自体が発光するもの,又は一つ以上の内蔵光源によってディ

スプレイを発光させるものがある。


11

Z 8528-2:2006

注記 2  IEC SC 47C(Central Office)32.4 を翻案した。

3.4.3 

グレースケール(gray scale)   

表示階調が三つ以上[IEC SC 47C(Central Office)32.4 参照]

3.4.4 

画像生成時間(image formation time)   

視対象の相対輝度が,0.1 から 0.9 まで変化する時間と 0.9 から 0.1 まで変化する時間の和(図 参照)

注記 1  相対輝度は,(L-L

MIN

)/(L

MAX

-L

MIN

)

で表す。ここに,L

MAX

と L

MIN

とは,最高輝度状態及び最低

輝度状態において,それぞれ時間的に平均した輝度。は,視覚的に知覚できない時間変動

成分をフィルタリングした測定輝度のある時間における値。

注記 2  相対輝度では,視覚的に知覚できない時間変動成分をフィルタリングする。画像生成時間は,

表 に示す時間範囲に分類する。単位はミリ秒で表す。

単位  ms

注記 1  この図 は,典型的な例である。 
注記 2  輝度が安定したバックライトを想定している(4 kHz のサンプリングのためのフィルター処理後)。 
注記 3  黒丸をつないだ線は,フィルタリングしていない輝度−時間の関係を示す。1.0 の範囲に正規化している。太

線は,心理物理学的に意味のある周波数にフィルタリングしたものである。画像生成時間はこの太線で判定
する。この例では,t

1

=2.00 ms は,輝度が上昇しているときに最大輝度の 10  %になるまでの時間である。ま

た,t

2

=15.25 ms は,輝度が上昇して最大輝度の 90  %になるまでの時間である。t

3

=50.00 ms は,輝度が低下

して,最大輝度の 90  %になるまでの時間である。t

4

=61.75 ms は,輝度が低下して,最大輝度の 10  %にな

るまでの時間である。ここで画像生成時間は,t

2

t

1

+(t

4

t

3

)

=25 ms である。輝度−時間関係は,4 kHz でサ

ンプリングしているため,精度は±0.5 ms となる。

注記 4  非常に速い電子光学的物理特性をもったフラットパネルの場合には,リフレッシュ周期が画像生成時間であ

る。

  8−画像生成時間 

リフレッシュ周期

画像生成時間

1

画像生成時間

2

画像生成時間

 = 画像生成時間1 + 画像生成

相対輝度

時間

(ms)


12 
Z 8528-2:2006

  1−画像生成時間 

単位  ms

時間範囲

状態の説明

≤10 3

ms

未満であれば,動画のアーティファクトは検知できなくなる。

10< 

≤55

ほとんどのアプリケーションで,コントラストが安定する。動画のアーティファ
クトは,紛れてしまう。

55< 

≤200

スクロール,アニメーション,及びポインティングデバイスを用いるアプリケー
ションでは,検知できるコントラストの低下を招く。1/3∼5 Hz の明滅コーディン

グは利用できる。

>200

キー入力,スクロール,アニメーション,及び明滅コーディングにおいて,明ら

かなコントラストの低下が認められる。速いカーソルの動きを伴うポインティン
グデバイスは,特別な技法を用いた場合にだけ利用することができる。

3.4.5 

絶対輝度コーディング(absolute luminance coding)   

画像の輝度の違いだけが視覚的な違いとして用いられる情報提示手段。

3.4.6 

相対輝度コーディング(relative luminance coding)   

画像の輝度の違いだけでコーディングされているのではなく、他のもっと主要なコーディングが行われ

ている、すなわち、形,色などの主な違いに対して輝度の違いが副次的な場合の情報提示手段。

3.4.7 

画素(pixel)   

ディスプレイのもつすべての色又は階調を生成することができるディスプレイの最小要素。

3.4.8 

画素ピッチ(pixel pitch)   

水平方向(H

pitch

)及び垂直方向(V

pitch

)に隣接する画素の対応するポイント間の距離。

注記  単位は,ミリメートル(mm)で表す。

3.4.9 

反射型ディスプレイ(reflective display)   

反射によって外部の光源からの光を変調するディスプレイ装置(2.12IEC 47 CO 2 参照)

3.4.10

表示面傾斜角度(screen tilt angle)

α,ディスプレイ画面の中心の接平面と水平面とのなす角度(

図 参照)。

注記  表示面傾斜角度の単位は,度(°)で表す。


13

Z 8528-2:2006

1

:側面図

2

:ディスプレイ

3

:水平面(例えば,テーブル)

  9−表示面傾斜角度,α 

注記  αは,JIS Z 8513 の 6.1.2 の角度 A と同じとする。

3.4.11 

小形パネル(small size panel)   

表示面の短辺の寸法が,設計視距離で 1.6°∼4.8°の範囲で,かつ,長辺の寸法が,設計視距離で 4.8°

以上の表示面積のフラットパネル(

図 10 参照)。

1

:設計視距離

 10−小形パネル 

注記 1  より小さなパネルでは,40 文字を超えるラテン文字は表示できない。これらはこの規格の適

用範囲外である。この定義は,測定場所の選別及び選択にだけ用いる(8.4.2 参照)

注記 2  視距離 500 mm の場合には,1.6°=14 mm,4.8°=42 mm である。

3.4.12 

副画素(subpixel)   

画素に色又は階調を与えるもので,一つの画素内で個別に処理される分割された画素内部構造。


14 
Z 8528-2:2006

注記  例としては,カラーフラットパネルに用いる三原色の副画素,及びグレースケール効果を生成

するために用いるマルチサイズの副画素がある。三原色の副画素の微細構造は,光学的異方性

を最小にするために用いることがあり,又は画素欠点の可視性を最小にするために用いること

がある。この規格では,そのような微細構造も副画素と呼ぶ。ディスプレイ工学の文献では,

‘ドット’という用語がしばしば用いられるが,この規格ではその用語は用いない。

3.4.13 

画素欠点(pixel faults)   

タイプ 1,タイプ 2 又はタイプ 3 で分類される局所的な欠点(

表 2,表 参照)。

  2−画素欠点 

欠点のタイプ

説明

タイプ 1 欠点

常時高輝度状態(輝度を最小に設定した場合)

L

>0.75 L

X

+0.25 L

N

タイプ 2 欠点

常時低輝度状態(輝度を最大に設定した場合)

L

<0.75 L

N

+0.25 L

X

タイプ 3 欠点

タイプ 1,タイプ 2 以外の異常な状態。例えば,副画素の常時高輝度状態,若しくは

常時低輝度状態,又は断続的に状態が変動する欠点。

欠点の集まり

5

×5 画素のブロック内における,二つ又はそれ以上の画素欠点。

L

は,画素の測定輝度。

L

X

は,最大輝度コマンド時の画素の平均輝度(例えば白表示)

L

N

は,最小輝度コマンド時の画素の平均輝度(例えば黒表示)

  3−欠点クラスの定義,Class

Pixel

百万画素について,許容される欠点の最大個数

クラス

タイプ 1

タイプ 2

タイプ 3

タイプ 1 欠点又はタ

イプ 2 欠点の集まり

タイプ 3 欠点の集

まり

 0

  0

  0

0

 0

 2

  2

  5

0

 2

 5

 15

 50

0

 5

Ⅳ 50 150 500

5

50

3.4.14 

半透過型ディスプレイ(transflective display)   

反射によって外部の光源からの光を変調する機能と半透過反射板を通して光源からの光を変調する機能

をもつディスプレイ装置[IEC SC 47C(Central Office)の 2.15 参照]

3.4.15 

透過型ディスプレイ(transmissive display)   

透過によって外部の光源からの光を変調するディスプレイ装置[2.16IEC SC 47C(Central Office)3

参照]

注記  光源が組み込まれたディスプレイの場合,この規格では半透過型ディスプレイ又は透過型ディ

スプレイとしてではなく,発光型ディスプレイとして取り扱う。

3.4.16 

ディスプレイ画面(viewing area)   

有効画面に加えて,その周囲に隣接する固定の視覚情報又は背景を表示する画面も含めた領域[IEC SC 

47C

(Central Office) 2.18 参照]


15

Z 8528-2:2006

3.5 

英数文字に関する記号(Alphanumeric symbols)   

注記 1  この規格では,JIS Z 8513 との整合性を重視し,ここでの定義は,特別な場合を除いて,JIS 

Z 8513

と同一とした。JIS Z 8513 の定義と同一でない場合には,定義に続いて“注記”とし

て,

JIS Z 8513 の・・・を翻案した”と追記する。

注記 2 JIS 

8513

との違いは,視対象の大きさを評価する場合に,文字フォントが異なっても測定

結果が異ならないように,この規格では,文字フォントに利用できる画素空間すべてを埋め

た場合を基準として定義している。これを表現するために,この規格では塗りつぶし文字と

いう表現を用いる。

注記 3  プロポーショナルスペーシングフォントの場合には,塗りつぶし文字だけで評価することは

できない。

3.5.1 

アンティエイリアスフォント(anti-aliased font)   

例えば,階調を付けるなどによって,文字の縁を滑らかに見せる技法を用いた文字記号(JIS Z 8513 

2.2

参照)

3.5.2 

文字間距離(between-character space)   

水平(縦書きでは垂直)に隣接した塗りつぶし文字の間の最も近い部分の距離。

注記 1  文字間距離の単位は,画素で表す。

注記 2  ISO 9241-3:1992  JIS Z 8513 の 2.3 を翻案した。

3.5.3 

行間距離(between line spacing)   

垂直(縦書きでは水平)に隣接した塗りつぶし文字の間の最も近い部分の距離。

注記 1  行間距離の単位は,画素で表す。

注記 2  ISO 9241-3:1992  JIS Z 8513 の 2.4 を翻案した。

3.5.4 

単語間距離(between word spacing)   

隣接した単語を塗りつぶし文字で表示したとき,単語間の最も近い部分の水平距離。

注記 1  単語間距離の単位は,画素で表す。

注記 2  ISO 9241-3:1992  JIS Z 8513 の 2.5 を翻案した。

3.5.5 

文字の画素構成(character format)   

塗りつぶし文字を形成するのに用いられるマトリックスの横及び縦の画素の数。

注記 1  文字の画素構成の単位は,画素で表す。

注記 2  ISO 9241-3:1992  JIS Z 8513 の 2.7 を翻案した。

3.5.6 

文字高(character height,ψ)   

アクセント符号がない大文字 H(漢字及び仮名では,文字を構成する画素の最外側の画素)の上下のエ

ッジ間を,視角で表現した距離。

view

Height

H,

pitch

60

180

D

N

V

×

×

×

×

=

π

ψ

 (16)


16 
Z 8528-2:2006

view

Height

H,

pitch

438

3

D

N

V

×

×

 (17)

注記 1  文字高の単位は,度(°)で表す。

注記 2  ISO 9241-3:1992  JIS Z 8513 の 2.8 を翻案した。

注記 3  式(16)及び式(17)  の単位は,視角‘分(′)’である。視角‘分’は,

60

1

を乗じることで,

視角‘度’に変換できる。視角‘度’は,

°

180

π

を乗じることでラジアンに変換できる。

3.5.7 

文字幅(character width)   

大文字 H(いわゆる,セリフを除く。

)の最も幅の広い部分におけるエッジ間の水平距離。

注記 1  文字幅の単位は,画素で表す。

注記 2  ISO 9241-3:1992  JIS Z 8513 の 2.10 を翻案した。

注記 3  漢字及び仮名では,文字を構成する画素の最外側の画素間の水平距離。

3.5.8 

文字の横−縦の比(character width-to-height ratio)   

文字幅の,文字高に対する比(JIS Z 8513 の 2.11 参照)

注記  文字幅は画素数,文字高は視角であるが,文字の横−縦の比を計算するときは文字高の画素構

成を調べ,画素数で求める。

3.5.9 

ストローク幅(storoke width)   

垂直方向文字ストロークのエッジからエッジまでの水平方向距離と,水平方向文字ストロークのエッジ

からエッジまでの垂直方向距離を平均した寸法。

注記  ストローク幅は,画素の単位とする。

3.5.10 

視認性(legibility)   

文脈のない形式で表示された文字又は記号を明確に識別するための能力。

3.5.11 

可読性(readability)   

文字群を容易に識別,認識及び解釈できる場合の,ユーザーの作業性に影響を及ぼすディスプレイ上の

文章提示の特性。

3.5.12 

文字高画素数(character height numberNHHeight)   

アクセント符号がない大文字 H の文字高を構成している画素の数。

注記  文字高画素数の単位は,画素で表す。

記号(Symbols)   

この規格で用いる主な記号及び単位は,

表 による。


17

Z 8528-2:2006

  4−主要な記号及び単位 

基本記号及び添字の規則は,

表 及び表 を参照。

記号

名称・説明

単位

AMPn

          ,

附属書 B.2.2 参照

1

C

0

暗室における時間平均輝度,

附属書 B.2.2 参照

cd/m

2

Class

Pixel

画素欠点のクラス,7.20 参照

Class

Reflection

鏡面反射のクラス,7.17 参照

Class

Viewing

観視方向範囲クラス,7.2 参照

C

m

コントラストモジュレーション,3.1.7 参照

1

C

n

基本周波数の倍数における 番目の複合フーリエ係数,

附属書 B.2.2 参照

cd/m

2

CR

コントラスト比,3.1.7 参照

1

D

active

表示面の対角寸法

mm

D

design view

設計視距離(適合確認書に明記する)

mm

D

view

表示面上の測定対象の中央と測定器の対物レンズ間との距離。観察者の鼻

りょう(梁)と表示面中央との距離

mm

照度

lx

E

a

作業場における周囲光による表示面照度

lx

E

obs

画面観視時の網膜照度

td

E

pred

フリッカが生じている特定周波数における網膜照度

td

E

s

設計画面照度

lx

FFT(v)

サンプルの読みのベクトルの高速フーリエ変換

1

f

n

n

×基本周波数

Hz

H

pitch

水平方向の画素ピッチ

mm

h

uv

色相角

°

H

view

有効画面の高さ

mm

L

*

明度

1

L

1

第一の輝度で 7.14 の輝度要求を満たすもの,7.22 及び 8.22 参照

cd/m

2

L

2

第二の輝度で 7.14 の輝度要求を満たし,

L

1

の 1.5 倍以上の輝度のもの,

7.22

及び 8.22 参照

cd/m

2

L

Ea

  task area (TA

n)

実際の作業現場の照明下において,ディスプレイを用いた作業中に,次々

と頻繁に視線を向ける作業領域のある場所 の面積平均輝度

cd/m

2

L

FPA(t)

フレーム周期平均輝度−時間応答関数

L

level

 max

ある輝度コーディングレベル(level)における,全試験位置,全試験方向

の測定輝度の最高値

cd/m

2

L

level

 min

ある輝度コーディングレベル(level)における,全試験位置,全試験方向

の測定輝度の最低値

cd/m

2

L

max

対象となる輝度群の最高値

cd/m

2

L

min

対象となる輝度群の最低値

cd/m

2

L

REFEXT-I

鏡面反射評価におけるクラスⅠ及びクラス II の大光源の基準輝度

cd/m

2

0

2

C

C

n

×


18 
Z 8528-2:2006

  4−主要な記号及び単位(続き) 

記号

名称・説明

単位

L

REFEXT-III

 

鏡面反射評価におけるクラスⅢの大光源の基準輝度

cd/m

2

L

REFSML-I

鏡面反射評価におけるクラスⅠ及びクラス II の小光源の基準輝度

cd/m

2

L

REFSML-III

鏡面反射評価におけるクラスⅢの小光源の基準輝度

cd/m

2

N

H

表示面上水平方向の有効画素数

1

N

H

 Width

アクセント符号がない大文字 H の文字幅を構成している画素の数

画素

N

H

 Height

アクセント符号がない大文字 H の文字高を構成している画素の数

画素

N

H

 hz_stroke

アクセント符号がない大文字 H の水平方向文字ストローク幅の画素数

画素

N

H

 vt_stroke

アクセント符号がない大文字 H の垂直方向文字ストローク幅の画素数

画素

N

v

表示面上垂直方向の有効画素数

1

輝度係数

鏡面反射試験用光源の開口部の半径

mm

S

E

s

  Es (λ)

設計画面照度 E

S

におけるスペクトル分布

1

リフレッシュ周期

ms

t

1

L

1

-0.1(L

1

-L

2

)

の時間(状態 1→2)

ms

t

2

L

1

-0.9(L

1

-L

2

)

の時間

ms

t

3

L

1

-0.1(L

1

-L

2

)

の時間(状態 2→1)

ms

t

4

L

1

-0.9(L

1

-L

2

)

の時間

ms

Tol 

変動分

1

CIE 1976 UCS

色度図上の値:下付き文字 n は特定の無彩色刺激,Es は設

計画面照度

1

V

pitch

垂直方向の画素ピッチ

mm

W

view

有効画面の幅

mm

X

,  Y,  Z

X

n

,  Y

n

,  Z

n

X

E

s

  Es

,  Y

E

s

  Es

,  Z

E

s

  Es

色刺激の三刺激値:下付き文字 n は特定の無彩色刺激,Es は設計画面照度

cd/m

2

x

,  y,  z

x

n

,  y

n

,  z

n

x

Es

  Es

,  y

Es

  Es

,  z

Es

  Es

色度座標:三刺激値の比。下付き文字 n は,特定の無彩色刺激,Es は設計

画面照度

1

Y

,  Y

n

2

°,1931 三刺激値:下付き文字 n は,特定の無彩色刺激

cd/m

2

照明光源開口部から標準拡散反射板までの距離

mm

Δ

E

*

uv

1976 CIE L

*

u

*

v

*

色差

v

u

二つの測定対象間の色均一性,通常,測定対象が 1°以上分離している場

合に用いる

1

α

表示面傾斜角度

β

輝度率(鏡面反射,正反射の場合)

1

β

STD

試験室における標準鏡面反射板の輝度率

1

φ

方位角

°

φ

D

設計方位角(90°又は 270°)

°

Ψ

 

アクセント符号がない大文字 H の文字高

°

s

,

s

s

,

s

n

n

E

E

E

E

v

u

v

u

v

u


19

Z 8528-2:2006

  4−主要な記号及び単位(続き) 

記号

名称/説明

単位

φ

C

等分角

注記  方位角を規定に基づいて等分する

°

ρ

STD

試験室における標準拡散反射板の拡散反射率

1

θ

傾角

°

θ

D

設計傾角

°

θ

range

傾角範囲

°

θ

rangemax

最大傾角範囲

°

θ

rangemin

最小傾角範囲

°

′(大きさの単位)

ある視距離又は規定した視距離における視対象の視角(分)

3.3.2 参照

°(大きさの単位)

ある視距離又は規定した視距離における視対象の視角(度)

3.3.2 参照

°

  5−基本記号及び添字の規則:A

B

C(D)

(E)

位置

A

B

C(D)

(E)

説明

例の説明

A

物理量 Y

輝度の場合

B

照明条件 S-SML

鏡面反射測定用小光源を映り込ませた場合

C

測定対象 HS

フラットパネルの明状態を測定する場合

D

測定位置及び測定方向 CL-2

測定位置が中央(8.4.2 参照)

,測定方向が 2

の場合(8.4.1.1 参照)

E

三刺激値又はスペクトル波長 410

波長λ=410 nm の場合

注記  E がない場合には,適用外か,又は標準比視感度 V(

λ

)

が適用される。

  6−基本記号及び添字の一覧表 

位置

A

B

C(D)

(E)

基本記号又は添字

説明

A

中間結果輝度値

A

最終輝度値

A

反射計値(詳細は JIS Z 8517 参照)

A

スペクトル値

A

輝度係数

A

u

CIE 1976 UCS

色度図における色度座標

A

v

CIE 1976 UCS

色度図における色度座標

A

v

u

CIE 1976 UCS

色度図における色差

A

β

輝度率

B DIFF

試験室での拡散光源による照明条件

B S-SML

試験室での鏡面反射測定用小光源による照明条件

B S-EXT

試験室での鏡面反射測定用大光源による照明条件

B dark

試験室においてあらゆる照明をオフにした暗室条件

B

E

S

設計画面照度の照明条件(換算による)(*)

B

E

a

作業場における表示面上の照明条件

B REFEXT-

映り込みを生じる大光源の輝度がクラスⅠ及びクラスⅡの照明条件(換算
による)(*)

B REFSML-

映り込みを生じる小光源の輝度がクラスⅠ及びクラスⅡの照明条件(換算
による)(*)


20 
Z 8528-2:2006

  6−基本記号及び添字の一覧表(続き) 

位置

A

B

C(D)

(E)

基本記号又は添字

説明

B

E

S

+REFEXT-Ⅰ

設計画面照度で,映り込みを生じる大光源の輝度がクラスⅠ及びクラスⅡ
の照明条件(換算による)(*)

B

E

S

+REFSML-Ⅰ

設計画面照度で,映り込みを生じる小光源の輝度がクラスⅠ及びクラスⅡ

の照明条件(換算による)(*)

B REFSML-

映り込みを生じる小光源の輝度がクラスⅢの照明条件(換算による)(*)

B REFEXT-

映り込みを生じる大光源の輝度がクラスⅢの照明条件(換算による)(*)

B

E

S

+REFEXT-Ⅲ

設計画面照度で,映り込みを生じる大光源の輝度がクラスⅢの照明条件(換
算による)(*)

B

E

S

+REFSML-Ⅲ

設計画面照度で,映り込みを生じる小光源の輝度がクラスⅢの照明条件(換

算による)(*)

B

E

S

+AMBLUM

作業現場において,周囲照明と鏡面反射光源照明とを重ね合わせた照明条

C HS

明状態のフラットパネル。測光器の焦点はフラットパネルに合わせる。文

字表示の場合には,HS 及び LS は文字を表示するために必要な背景と文字
の色であり,したがって,HS 及び LS は,黒及び白以外の色でもよい。

C LS

暗状態のフラットパネル。測光器の焦点はフラットパネルに合わせる。文
字表示の場合には,HS 及び LS は文字を表示するために必要な背景と文字
の色であり,したがって,HS 及び LS は,黒及び白以外の色でもよい。

C HS-F_EXT

明状態のフラットパネル。測光器の焦点は大光源の開口部に合わせる。

C LS-F_EXT

暗状態のフラットパネル。測光器の焦点は大光源の開口部に合わせる。

C HS-F_SML

明状態のフラットパネル。測光器の焦点は小光源の開口部に合わせる。

C LS-F_SML

暗状態のフラットパネル。測光器の焦点は小光源の開口部に合わせる。

C HS-OFF

バックライトをオフにした明状態のフラットパネル。ある種のディスプレ
イだけで可能。

C LS-OFF

バックライトをオフにした暗状態のフラットパネル。ある種のディスプレ
イだけで可能。

C OFF

電源オフ状態のフラットパネル

C level

絶対輝度コーディングのあるレベル(1∼n)を表示したフラットパネル

C level-OFF

絶対輝度コーディングのあるレベル(1∼n)を,バックライトをオフにし
て表示したフラットパネル。ある種のディスプレイだけで可能。

C DIFF

試験室の拡散照明光源

C S-SML

試験室の鏡面反射測定用小光源

C S-EXT

試験室の鏡面反射測定用大光源

C HS-MIN

明状態のために要求される最低輝度

C Task

area

ディスプレイを用いた作業中に,次々と頻繁に視線を向ける作業領域(文

書,カバーなど)

C dSTD

試験室における標準拡散反射板

C sSTD

試験室における標準鏡面反射板

C aSTD

試験室における標準位置関係確認用反射板

C colour-n

色 を表示したフラットパネル

C colour-n-OFF

バックライトをオフにして,色 を表示したフラットパネル。ある種のデ
ィスプレイだけで可能。

C

E

S

X

Yが基本記号 A の位置にあるときに一緒に用いる。X及び は,

設計画面照度のときの照明の三刺激値である。

D HL-n

高輝度の測定位置,及び n=0∼7 の測定方向

D LL-n

低輝度の測定位置,及び n=0∼7 の測定方向


21

Z 8528-2:2006

  6−基本記号及び添字の一覧表(続き) 

位置

A

B

C(D)

(E)

基本記号又は添字

説明

D CL-n

中央の測定位置(55)

,及び n=0∼7 の測定方向

D CL-nS

鏡面反射測定に用いる中央の測定位置,及び n=0∼6 の測定方向

D CL-nD

拡散反射測定に用いる中央の測定位置,及び n=0∼6 の測定方向

D dSTD-nSm

標準拡散反射板の校正のための測定位置及び測定方向,n=0∼6,m=15,

30

,及び 45

D

Lg

鏡面反射光源の輝度を測定するための位置

D TA-n

作業領域の位置,n=min,max

D Tol-n

変動分測定方向,n=1∼4

D PL-n

最終測定位置を選ぶための測定位置,n=11,19,91,22,33,44,55,66,

77

,88,及び 99

D

m

n

均一性の計算に用いる 2 か所の測定位置の組合せ(例えば,CL1,CL2)

E X

CIE

1931

三刺激値の X。三刺激値の分析に用いる。

E Y

CIE

1931

三刺激値の Y。標準比視感度 V

λ

)に一致する。

E

E

が省略されている場合には,V

λ

)を適用する。

E Z

CIE

1931

三刺激値の Z。三刺激値の分析に用いる。

E 400

,410,…700

波長 400,410,…,700 における値。スペクトル分析に用いる。

注記(*) “換算による”というのは,その照明条件で直接測定するのではなく,計算によってその照明条件に

おける物理量“A”を算出する場合を意味する。

原則   

ディスプレイを用いた作業システムは,FPD 及びその他のハードウェア(キーボード,ポインティング

デバイスなど)

,環境,仕事の構造並びに他の要素が一体となって構成されるものであり,フラットパネル

の特性は,個別の視覚要求事項の集積としてではなく,作業システムの他の要素(その他のハードウェア

(キーボード,ポインティングデバイスなど)

,環境,仕事の構造など)との関連を考慮しなければならな

い。

設計要素は,一つを最適化すると他の特性が低下するというように,相互に影響しあうので,例えば,  カ

ラー表示の FPD では,利用可能なカラーパレットと観視方向による表示色の変化の間にはトレードオフが

ある。相互に影響しあう設計要素間のバランスをとることが望ましい。

FPD

を用いた効率のよい作業を実現するためには,画像品質は,個々の刺激を検知する限界値を十分に

超えるものであることが望ましい。この規格における推奨事項は,これを考慮に入れたものである。

多くの推奨事項が,

上記の観点からユーザーの作業性に基づいている。

要求事項及び一部の推奨事項が,

ユーザーの快適さに基づいている。

一般的にソフトウェアで具現するアプリケーション要素及びハードウェア要素は,個別に判定すること

ができない。コード化及び文字生成には,ハードウェアの能力及びその能力に見合うアプリケーションが

必要である。

性能上の要求事項   

この規格の目的は,フラットパネルを用いた Visual Display Units(以下 VDU)を見やすく,読み取りや

すく,快適に使えるようにすることにある。この規格への適合は 9.を,定義は 3.をそれぞれ参照。

注記  用語の“見やすく”及び“読み取りやすく”については,JIS Z 8513 での定義を用いた。他の


22 
Z 8528-2:2006

目的で同じ用語を用いる場合もある。

設計上の要求事項及び推奨事項   

7.1 

設計視距離   

設計視距離 D

design view

は 400 mm 以上とする。ただし,ある種のアプリケーション(例えば,タッチスク

リーンのソフトキーラベル)では,300 mm まで減少して差し支えない。

JIS Z 8513

で対象としているオフィス作業に関しては,JIS Z 8513 の 5.1(設計視距離)の推奨値に従う

ことが望ましい。

作業場の要求事項は,JIS Z 8515 の対象であるが,作業場の設計は,ディスプレイを設計視距離で使用

できるようにすることが望ましい。

多量の文字読み取りを行う作業では,

英数文字の文字高

Ψ

が 7.6 の 20′

∼22′(漢字では 30′∼35′)となる距離でディスプレイを使用できるように,設計,アプリケーション

及び作業場を調和させることが望ましい。この関係を

図 11 に示す。

 11−視距離と文字寸法との関係(英数文字の場合) 

7.2 

設計観視方向   

ディスプレイは,以下に規定する観視方向の範囲ですべての光学上の要求事項を満たさなければならな

い。製造業者又は販売業者は,設計観視方向(

θ

D

φ

D

)及び傾角範囲

θ

range

を指定する。

傾角範囲

θ

range

は,文字高

Ψ

=22′で定まる設計視距離 D

design view

,及び対角寸法 D

active

で求められる値の

範囲以上とする。設計傾角

θ

D

は,

θ

D

>0°(対称観視円すいの場合)及び

θ

D

<40°−

θ

range

/2

(80°の観

視円すいの外側での測定を避けるため)でなければならない。

文字高ψ(mm) 

文字高の推奨範囲

文字高の許容範囲

視距離

(mm)


23

Z 8528-2:2006

注記 1

θ

D

の定義から,

θ

D

は,0°∼90°の範囲である。観視円すい=

θ

range

は,0°∼180°の範囲

である。

製造業者又は販売業者が,ディスプレイの下部よりも上部がユーザーの目に近くなる使い方を指定する

場合,設計方位角

φ

D

は 90°とする。製造業者又は販売業者が,ディスプレイの上部よりも下部がユーザ

ーの目に近くなる使い方を指定する場合,設計方位角

φ

D

は 270°とする(

図 12 参照)。

1

:視線

2

:法線

3

:該当する方位角範囲

 12−該当する方位角範囲 

測定は CL−1∼CL−6 の 6 方向で行う(8.4.1 参照

*

この規格が作成された時点では,測定の方向数は,当時利用可能な装置技術によって過度の負

担なく試験が実施できることを考慮して,6 方向に制限した。この結果として,把握できるフ

ラットパネルの特性は限定されたものとなる。人間工学の観点からは,7.147.157.177.19

7.25

及び 7.27 では,6 方向より多い方向でフラットパネルを評価するとよい。分析すべき方位

角範囲及び傾角範囲は,例えば,仕事の内容,視距離,画面寸法及び同時に使用するユーザー

数に依存する。

分かりやすくするため,

表 は観視方向範囲を 4 種類の性能クラスに区分したものを Class

Viewing

として

定義した。これらのクラスは,この規格の他の要求事項から参照される(

表 7,図 13 参照)。


24 
Z 8528-2:2006

  7−観視方向範囲クラス,Class 

Viewing

Class

Viewing

内容

設計視距離において 80°の観視円すいの内側すべての方向から,視覚作業性の低下なし
に,複数のユーザーがディスプレイの全領域を見ることが許容できる。

  画面全体にわたっての均一性がある。 
  頭の動きが許容できる。狭い観視円すいを必要とする作業には適していない(例えば,
プライバシー,低消費電力)

画面正面のすべての位置で,一人のユーザーが設計視距離においてディスプレイの全領
域を見ることが許容できる。 
  画面全体にわたっての均一性がある。

  頭の動きが許容できる。 
  狭い観視円すいを必要とする作業には,いくらか適している(例えば,プライバシー,
低消費電力)

固定した 1 か所の位置(画面中心の正面の設計視距離,設計観視方向)から,一人のユ
ーザーが設計視距離においてディスプレイの全領域を見ることが許容できる。

  画面全体にわたっての均一性がある。 
  頭の動きが許容できない。 
  狭い観視円すいを必要とする作業に適している(例えば,プライバシー,低消費電力)

固定した 1 か所の位置(画面中心の正面の設計視距離,設計観視方向)から,一人のユ
ーザーが設計視距離においてディスプレイの中心を見ることが許容できる。

  表示画像を同じように見えるようにするためには,ディスプレイを傾けたり左右に向
けたりする必要がある。 
  頭の動きが許容できない。

  狭い観視円すいを必要とする作業に,かなり適している(例えば,プライバシー,低
消費電力)

観視方向範囲が狭いことが望ましい作業もある。例えば,公共交通機関の中で同乗者が画面上の情報を
見ては困ることがある。Class

Viewing

の選択は,通常,どのような仕事に利用するかに依存し,人間工学上

のトレードオフによって決定する。


25

Z 8528-2:2006

図中の矢印は,頭の動きを示す。

Class

Viewing

の四つのクラスⅠ∼Ⅳを定義する。

各クラスの観視方向範囲は,どのような仕事に利用するかに依存する。例えば,ディスプレイ画面の大きさ,視距

離,そしてユーザーがどの程度の頭の動きを要求し,どの程度の視認性及び視覚作業性を維持する必要があるかなど
である。この規格では,輝度コントラスト,色の均一性のような要求項目ごとに個別に要求するクラスを設定してい
る。

人間工学上のよりよい設計を可能にするために,製造業者又は販売業者は,ユーザマニュアル又は同等な手段でデ

ィスプレイの Class

Viewing

を宣言しなければならない。

 13−観視方向範囲 

図 14 は試験方向を図示したものである。図 14,図 30,表 33 及び表 35 に使われているデータは同一で

ある。

1

:横長パネル,

φ

D

=90°,

θ

D

=0°,

φ

C

=63.4°(

表 33 参照)

2

:横長パネル,

φ

D

=270°,

θ

D

=0°,

φ

C

=63.4°(

表 34 参照)

3

:縦長パネル,

φ

D

=270°,

θ

D

=10°,

φ

C

=71.6°(

表 35 参照)

 14−試験方向の例 


26 
Z 8528-2:2006

注記 1  設計方位角

φ

D

に関するユーザーの好みに影響する主な要因は,グレア,明るさ及びコント

ラストである。等方性の発光型ディスプレイでは,

φ

D

は通常 90°である(外光による反射

グレアを回避しようとするため)

。等方性の反射型ディスプレイでは,

φ

D

は通常 270°であ

る(明るさを最大にしようとするため)

。異方性のディスプレイでは,

φ

D

はコントラスト及

び明るさが十分高く,反射グレアが十分に低くなる角度である(このため

φ

D

は,ディスプ

レイ技術及び外光環境により変化する。

注記 2  ユーザーが一人の場合の視認性の面では,

θ

range

が 80°を超えることは重要ではない。すべ

てのディスプレイ及び印刷物上の文字は,傾きを増しながら観察すると,幾何学的に短く見

えてくる。40°の角度では,文字は約 25  %短く見える。例えば,16′の文字は,傾角 40°

からでは 12′の大きさに見える。印刷物でもそれ以上の角度から見ることは耐え難いので,

より大きい傾角までの均一性は必す(須)ではない。この規格の適用範囲ではないが,1 台

のディスプレイを複数のユーザーで使用し,文字のゆがみが問題でない場合には,この 80°

の観視円すいの外側の観視方向で,輝度コントラスト,色の均一性などが要求値を満たすこ

とは有益である。

注記 3  図 14 の 1 及び 2 の設計観視方向は両者共画面の法線で同じであるが,設計方位角が異なるた

め,測定方向がわずかに異なる(詳細は箇条 参照)

7.3 

設計画面照度   

製造業者又は販売業者は,設計画面照度 E

s

を指定する。発光型ディスプレイでは,E

s

は 250 lx∼750 lx

でなければならない。半透過型及び反射型ディスプレイでは,製造業者又は販売業者は,7.14 の要求事項

に適合する最小の照度を宣言しなければならない。

着座したユーザーがフラットパネル VDU を立てた状態で使用する場合,既定の画面照度は,JIS Z 8513

の要求事項から,E=[250+(250cosα)] lx(αは表示面傾斜角度)としてもよい(表示面傾斜角度の定義は

3.4.10

を参照)

アプリケーションがデフォルトカラーセットを使用するか,又はフラットパネルがデフォルトカラーセ

ットを使用するように設計されている場合,色差を計算する目的のため,設計画面照度を与える照明の色

度座標

s

s

v

u

′, を定義しなければならない。

注記 1  反復測定に必要である分光放射分布の要求事項は,8.3.3.4 を参照。

注記 2  最小照度が 750 lx を超える半透過型又は反射型のディスプレイは,オフィスでの使用には局

所照明を必要とすることがある。

7.4 

凝視角及び頭部傾斜角   

作業場所及びフラットパネル VDU の設計は,設計観視方向(

θ

D

φ

D

)で凝視角が 0∼45°及び頭部傾

斜角が 0∼20°となることが望ましい。

7.5 

色の均一性   

モノクロディスプレイには適用しない。

画面上の三つの位置を観視方向範囲クラス Class

viewing

Ⅳ(7.2 参照)から評価して,色の不均一性が情

報内容の著しい差異を生じることがあってはならない。作業の要求度に応じて,Class

Viewing

Ⅰ,Class

Viewing

Ⅱ又は Class

Viewing

Ⅲを選択することが望ましい。

図 15 参照)


27

Z 8528-2:2006

 15−色の均一性で要求する観視方向範囲クラス(クラスⅠ,クラスⅡ又はクラスⅢが望ましい) 

最大の色度差は,

表 の値を満足しなければならない。7.25 でのデフォルトカラーセットに対する要求

値は,すべてのアプリケーションにおける表現に用いられることが望ましい。

  8−最大色度差 

v

u

7.25

に基づく色を使用したアプ

リケーション

各原色

b)

<0.75 0.02  0.02

≧0.75 0.03  0.03

注記   

a)

D

active

は有効画面の対角線長,D

design view

は設計視距離。

b)

原色は混色されない色で通常、赤,緑及び青である。

7.6 

文字高   

FPD

は,

表 による文字高

Ψ

の文字が表示できなければならない。文字高は,

図 16 のアクセント符号

のない大文字 H の文字高を構成している画素数,N

H

Height

と垂直ピッチ,V

pitch

の掛け合わせたものとする。

  9−文字高

Ψ

単位  分

最小要求値

推奨範囲

英数文字 16′ 20′∼22′

漢字 25′ 30′∼35′

作業上,視認性があまり重要でないアプリケーション(

例  脚注,上付き文字,下付き文字)には,よ

り小さい文字を使ってもよい。文字高は視認性を損なわない 10 分(′)を超えることが望ましい(

例  ペ

ージレイアウトの外見)

view

design

a)

active

D

D


28 
Z 8528-2:2006

文字幅=7×H

pitch

,文字高

Ψ

N

H

 Height

×V

pitch

      N

H

 Height

=9

 16−文字高の例 

7.7 

ストローク幅   

英数文字のストローク画素数は,アクセント符号のない大文字 H の文字高を構成している画素数 N

H

Height

の 8  %∼20  %でなければならない。

注記 1  文字高を構成する画素が 9 画素である H を,図 16 に示す。

注記 2  このストローク幅は,要求値を満たしている(1 画素=11  %)。

7.8 

文字の横−縦の比  (表 10 参照) 

 10−文字の横−縦の比 

要求範囲

推奨範囲

英数文字 0.5:1∼1:1 0.6:1∼0.9:1

漢字 0.8:1∼1.2:1

英数文字の比は,アクセント符号のない大文字 H(

図 16)を用いて判断する。

7.9 

充てん率   

設計視距離で,1°当たり 30 画素未満の画素密度をもつ FPD は,充てん率が 0.3 を超えなければならな

い。

注記  不十分な照明環境(グレア抑制不能,又はコントラストの低下)でディスプレイを使用する場

合,ユーザーの作業性は,充てん率 0.5 までは改善がみられる。

7.10 

文字の画素構成   

ダイアクリティカルマークを用いる場合には,文字マトリックスは,情報の少なくとも 2 画素増やさな

ければならない。小文字を用いる場合には,文字マトリックスは,小文字のディセンダのために,下方に

少なくとも 2 画素増やさなければならない(

表 11 及び表 12 参照)。

注記  単に大文字だけの場合よりも,大文字と小文字が混在する場合の方が読みやすくなる。

より高密度の文字マトリックスに対して,ダイアクリティカルマークに用いる画素の数は,印刷用の通

常のデザインに従うとよい。下付き文字及び上付き文字,並びに一つの文字の位置に表示する分数の分子


29

Z 8528-2:2006

及び分母に用いる場合には文字マトリックスは,少なくとも 4 画素×5 画素でなければならない。また,

この 4 画素×5 画素マトリックスは,版権情報のような作業者の業務に関係しない英数字の情報に使用し

て差し支えない(JIS Z 8513 参照)

。このマトリックスは,アクセント符号のない大文字 H を用いて判断

する。

注記  W のような文字は H よりも幅が広くなることがあり,I,j,l は H よりも幅が狭い。

 11−英数文字の画素構成の要求事項 

文字マトリックス(幅×高さ)

数字及び大文字だけの表示の最
小値

文脈の読取り又は視認性が重要
な場合の最小値

備考

5

画素×7 画素

7

画素×9 画素

本文中の制約,例外を参照

 12−漢字の画素構成の要求事項 

文字マトリックス(幅×高さ)

最小フォントサイズ

好ましいフォントサイズ

備考

15

画素×16 画素 24 画素×24 画素

ソフトウェアなどで画素構成
を変更できる場合は除く

7.11 

文字間距離   

セリフ(H,Iなどの上下のひげ飾り)がない文字フォントでは,文字間の画素数は,少なくともスト

ローク幅の画素数又は 1 画素なければならない。セリフがある文字では,文字間距離は,隣接する文字の

セリフの間に少なくとも 1 画素開けなければならない。

7.12 

単語間距離   

単語間には少なくとも,アクセント符号のない大文字 H の幅を構成している画素数の距離がなければな

らない。ただし,文字フォントが活字用フォントを表現している場合,又はプロポーショナルスペーシン

グフォントが用いられている場合は除く。プロポーショナルスペーシングフォントの場合には,大文字の

“N”の幅の画素数を単語間の距離として推奨する。

注記  活字用フォントを模擬する場合には,フォントデザインに用いられた幅が単語間距離として用

いられることがある。

7.13 

行間距離   

文章の行間距離は,少なくとも 1 画素なければならない。この領域は,文字の一部又はダイアクリティ

カルマーク(ウムラウトなどの発音区別符号)を含まないほうがよいが,下線は含んでもよい(JIS Z 8513

参照)

7.14 

表示輝度   

画面上 3 か所の評価を行い,明室条件下の輝度が,7.2 における観視方向範囲クラス Class

viewing

Ⅲで,見

やすさの観点から要求される最小値を超えなければならない。作業の要求度に応じて,Class

Viewing

Ⅰ又は

Class

Viewing

Ⅱを選択することが望ましい(

図 17 参照)。


30 
Z 8528-2:2006

 17−表示輝度で要求する観視方向範囲クラス(Ⅰ又はⅡが望ましい) 

輝度情報(前景又は背景)は,7.2 の設計観視方向のすべての観視方向において,式(18)及び(19)の不等

式を満たさなければならない。

2

D

HS

m

/

cd

20

L

L

 (18)

L

HS

明状態の発光輝度成分。

L

D

拡散照明から反射する輝度成分。

2

)

(

HS

m

/

cd

20

S

n

E

L

  n=CL-1

CL-7

HL-1

HL-7

LL-1

LL-7  (19)

輝度の要求値は,輝度コントラストの要求値と互いに関係している(7.15 の式

(22)

参照)

。ほとんどの

場合において,輝度コントラストの要求値を満たすために,より高い輝度,例えば

35 cd/m

2

を要求するこ

とになる。輝度が

35 cd/m

2

よりも低い場合には,

0.5

よりも高いコントラスト変調度を必要とする。

図 18

は,式

(22)

を図示している。

1

:絶対輝度コーディング,高輝度レベルのフラットパネル。

2

:すべてのフラットパネル。絶対輝度コーディングではないパネルも含む。

 18−式(22)のグラフ 


31

Z 8528-2:2006

注記

ユーザーはもっと高い輝度レベル(例えば,

100 cd/m

2

)を好むことがあり,特に,周囲の照度

が高い場合に,その傾向が著しい。

7.15 

輝度コントラスト   

画面上

3

か所の評価を行い,明室条件下での輝度コントラストは,7.2 における観視方向範囲クラス

Class

viewing

Ⅲで,良好な作業性を得るために必要な最小値を超えなければならない。作業の要求度に応じて,

Class

Viewing

Ⅰ又は

Class

Viewing

Ⅱを選択することが望ましい(

図 19 参照)。

 19−輝度コントラストで要求する観視方向範囲クラス(Ⅰ又はⅡが望ましい) 

輝度情報は,7.2 のすべての観視方向において,式

(20)

(22)

の不等式を,満たさなければならない。

55

.

0

D

LS

D

LS

D

HS

)

(

10

1

+

×

+

+

+

L

L

L

L

L

L

 (20)

L

HS

明状態の発光輝度成分。

L

LS

暗状態の発光輝度成分。

L

D

拡散照明から反射する輝度成分。

7

LL

..

1

LL

,

7

HL

..

1

HL

,

7

CL

..

1

CL

,

5

55

.

0

)

(

LS

,

s

)

(

LS

,

s

)

(

HS

,

s

)

(

LS

,

s

)

(

HS

,

s

m

=

×

+

=

n

L

L

L

L

L

C

n

E

n

E

n

E

n

E

n

E

 (21)

7

LL

..

1

LL

,

7

HL

..

1

HL

,

7

CL

..

1

CL

,

10

1

55

.

0

)

(

LS

,

s

)

(

LS

,

s

)

(

HS

,

s

=

×

+

=

n

L

L

L

CR

n

E

n

E

n

E

 (22)

注記

図 20 は,式

(21)

を図示した。


32 
Z 8528-2:2006

1

:絶対輝度コーディング,高輝度レベルのフラットパネル。

2

:すべてのフラットパネル。絶対輝度コーディングではないパネルも含む。

 20−式(21)のグラフ 

7.16 

輝度バランス   

ディスプレイを使用する作業中に,次々と頻繁に視線を向ける作業領域(文書,カバーなど)の面積平

均輝度は,

0.1L

Ea

HS(HL-7)

10L

Ea

HS(HL-7)

との間が望ましい。

L

Ea

HS(HL-7)

は観視方向で,アプリケーションが

指定する最高輝度状態におけるディスプレイの該当領域の面積平均輝度とするアプリケーションを使用す

る場合の,ディスプレイ上における最高輝度の領域の面積平均輝度とする。

7.17 

反射   

製造業者又は販売業者は,評価する

FPD

が,7.17.1  反射を伴う画像の輝度比,及び 7.17.2  鏡面反射像

の輝度比に適合する条件として,

表 13 

Class

reflection

のいずれかを指定しなければならない(図 21 参照)

注記

7.17

の要求事項は,ISO 9241-7 の審議過程の研究に基づいている。

明室条件で,表示面に反射が存在する場合,良好な視覚作業性を確保するために,テキストの輝度比は,

要求値を満たさなければならない。また,鏡面反射像の輝度比は,快適さのしきい値を超えてはならない。

これらの要求値は,画面上の

3

か所で測定・評価し,7.2 の設計観視方向における観視方向範囲クラス

Class

viewing

がⅢを満たさなければならない。作業の要求度に応じて,

Class

Viewing

Ⅰ又は

Class

Viewing

Ⅱを選択す

ることが望ましい。


33

Z 8528-2:2006

 21−反射で要求する観視方向範囲クラス(Ⅰ又はⅡが望ましい) 

 13−反射クラス Class 

Reflection

及び基準輝度 

Class

Reflection

鏡面反射の光源輝度(cd/m

2

環境

a

L

REFEXT-I

=200 及び L

REFSML-I

=2 000

一般オフィス用途に適する。

L

REFEXT-

=200 又は L

REFSML-

=2 000

すべてではないが,ほとんどのオフィス環境
に適する。

L

REFEXT-

=125 又は L

REFSM-

=200

特別に制御された光環境を必要とする。

注記 1 Class

Reflection

Ⅱ又は Class

Reflection

Ⅲでは,15°又は 1°の大きさのいずれかで評価をする。Class

Reflection

Ⅰでは,両方の光源で評価する。

注記 2  この規格は,フラットパネルの適切な性能評価をするために,6 方位角及びディスプレイの二つの

論理状態で試験する。

注記 3  反射の要求事項及び試験方法は,方位角とディスプレイの論理状態を考慮すること以外は,JIS Z 

8517

と同じである。JIS Z 8517 は,一方位角,一論理状態だけで試験する。これは,CRT ディスプ

レイの性能評価には十分である。

a)

環境のクラス分けの更なる情報は,JIS Z 8517 を参照。

7.17.1 

反射を伴う画像の輝度比   

十分なコントラストを得るためには,式

(23)

の不等式において,7.2 の設計観視方向によるすべての方位

角角度上で満足しなければならない(

図 22 参照)。

55

.

0

S

D

LS

S

D

LS

S

D

HS

)

(

10

1

)

(

)

(

+

+

×

+

+

+

+

+

L

L

L

L

L

L

L

L

L

 (23)

L

HS

明状態の発光輝度成分。

L

LS

暗状態の発光輝度成分。

L

D

拡散照明から反射する輝度成分。

L

S

鏡面反射照明から反射する輝度成分。


34 
Z 8528-2:2006

Reflexionen Reflexionen Reflexionen
Reflexionen Reflexionen Reflexionen
Reflexionen Reflexionen Reflexionen
Reflexionen Reflexionen Reflexionen
Reflexionen Reflexionen Reflexionen
Reflexionen Reflexionen Reflexionen
Reflexionen Reflexionen Reflexionen
Reflexionen Reflexionen Reflexionen
Reflexionen Reflexionen Reflexionen
Reflexionen Reflexionen Reflexionen
Reflexionen Reflexionen Reflexionen

目的は,反射がある状態での視認性を維持することである。テキストの輝度比は読みやすさの指標として用いられ

る。

反射クラスは,フラットパネル性能の要求事項及び ISO 9241-6 で定義される仕事場と光環境との関係を示す。

 22−反射を伴う画像の輝度比 

注記

7.17.1

の輝度比は,7.15 の輝度コントラストと厳密には同じではない。測定方法が異なる(鏡

面反射成分

Ls

を含み,測定方向が異なる。

7.17.2 

鏡面反射像の輝度比   

鏡面反射像の輝度比は,7.2 による観視方向すべてに対し,フラットパネルの製造業者又は販売業者が指

定する表示極性に基づき(7.18 の表示極性参照)

,式

(24)

及び

(25)

の不等式のいずれか又は両方を満足しな

くてはならない。

ポジティブ表示の画面及びアプリケーションに対し

25

.

1

D

HS

S

D

HS

+

+

+

L

L

L

L

L

 (24)

ネガティブ表示の画面及びアプリケーションに対し

D

LS

D

HS

D

LS

S

D

LS

15

1

2

.

1

L

L

L

L

L

L

L

L

L

+

+

×

+

+

+

+

 (25)

L

HS

明状態の発光輝度成分。

L

LS

暗状態の発光輝度成分。

L

D

拡散照明から反射する輝度成分。

L

S

鏡面反射照明から反射する輝度成分。

注記

考え方は,複雑ではない。不等式の左辺は,背景に対して鏡面反射像(例:

図 23 の顔)の輝度

比である。ポジティブ表示での映り込んだ反射像の許容度は,必要な情報の輝度比には依存し

ない(右辺は単純なる数値である)

。ネガティブ表示の画面の場合は,必要な情報と映り込んだ

反射像と知覚的な競合(反射が目障り)を生じるので,右辺に輝度比の項が含まれている。


35

Z 8528-2:2006

2

1

abcd ABCD abcd
ABCD abcd ABCD

1

:背景

2

:映り込んだ反射像(鏡面反射像)

注記 1  ディスプレイは,2 行のテキストを示している。ユーザーの顔は,テキストと競合する像を作り,画面上に反

射している。目標は,ディスプレイの情報に競合しないために,反射像の輝度比を十分に低く抑えることであ
る。

注記 2  ほほ(頬)のような大きな光源,及びめがねの縁からの反射のような小光源が問題となる。

 23−不必要な鏡面反射像の例 

7.18 

表示極性  (ポジティブ表示とネガティブ表示) 

フラットパネル

VDU

が,この規格の要求事項に合致している限り,ポジティブ表示とネガティブ表示

とのいずれも受容する。表示極性に関するユーザーの好みは異なり,ディスプレイが両方の表示極性を備

えているならば,各々の表示極性において,この規格の要求事項に合致していなければならない。

注記

各々の表示極性には,次に例示するような利点がある。

ポジティブ表示では,鏡面反射が目障りになりにくく,エッジがくっきり見え,良好な輝度

バランスが得やすい。ポジティブ表示は,通常のオフィス業務において好まれる。

ネガティブ表示では,

フリッカが目立ちにくく,

一部の低視力者にとっては視認性がまさり,

文字の大きさが実際よりも大きく見えることがある。

7.19 

輝度の均一性   

輝度の均一性を確保するために,7.2 設計観視方向での観視方向クラスⅣにおいて,画面上

3

か所で評価

を行い,明室条件での輝度不均一性が,

1.7

を超えてはならない。

7

°未満の分離角度の場合には,分離角

度に応じて

表 14 の値を超えないことが望ましい。作業の要求度に応じて,

Class

 Viewing

Ⅰ,

Class

 Viewing

Ⅱ又

Class

 Viewing

Ⅲを選択することが望ましい(

図 24 参照)。

測定対象の分離角度に応じて,不均一性は

表 14 の値を超えないことが望ましい。

 24−輝度の均一性で要求する観視方向範囲クラス(Ⅰ,Ⅱ又はⅢが望ましい) 


36 
Z 8528-2:2006

 14−輝度均一性 

画面に対して法線方向,設計視距離からの測定

対象物の分離角度

最大輝度比

7

°≦分離角度 1.7

5

°≦分離角度<7° 1.6

4

°≦分離角度<5° 1.5

2

°≦分離角度<4° 1.4

1.1

°≦分離角度<2° 1.3

注記 1

8.7.19

の輝度均一性に規定する試験手順は,画面のすべてではなく,意図的に

3

か所を測定

するものである。ただし,8.4.2.4 の追加測定場所において,

3

か所の測定場所の選定に際し

て,全画面が対象となるような追加要求が規定されているため,この試験手順で画面すべて

の均一性を保証できる。 

表示パターンに依存して輝度が変動するのは,望ましくない。

図 25 に白いブロックパターンの例を示

す。

5

か所の円は画面上に表示されたイメージではなく,測定場所を示している。理想的には,白色

91

及び

55

の輝度は同じであり,黒色の

11

19

及び

99

の輝度も同じになるべきである。しかし,

ある種のパネルの

11

の輝度は

19

又は

99

より明るくなることがある。明暗の領域が逆転することもあ

り,同様の問題がときどき見受けられる。この問題には多くのバリエーションがあり,これはほんの

一例である。

 25−表示パターンが輝度変動を生じさせる一例 

7.20 

画素欠点   

FPD

の画素欠点クラスは,

Class

Pixel

Ⅰであることが望ましい(3.4.13 の画素欠点参照)

Class

Pixel

Ⅰでない

場合には,製造業者又は販売業者は,ディスプレイの画素欠点クラスを明記しなければならない。

7.21 

画像生成時間   

画像が急速に変化する際のコントラスト低下を避けるために,

FPD

システムの画像生成時間は,

55 ms

未満であることが望ましい(3.4.4 の画像生成時間参照)

。画像生成時間が

55 ms

未満でない場合には,製

造業者又は販売業者は,ディスプレイの画像生成時間の範囲を明記しなければならない。

注記

ある種の

LCD

は長い画像生成時間を示す。画像が

16 ms

以下で電気的にリフレッシュしている

場合でも,意図した光学的状態(輝度,色又は反射)になるまでに,

200 ms

以上かかることが

ある。この種のディスプレイは,この規格の多くの要求を満たしているが,明滅又は急速なカ


37

Z 8528-2:2006

ーソル移動などの動きを求めるアプリケーションにおいて,コントラストの低下を招く。これ

らのディスプレイは,使用の仕方については,配慮を要する。そのような配慮を欠くならば,

使用に適さないであろう。

7.22 

絶対輝度コーディング   

この要求事項は,3.4.5 で定義されたような,絶対輝度コーディングを用いるアプリケーションに対して

だけ適用する。

明室条件下において,良好な視覚作業性を確保するために,輝度コーディングの異なるレベル間の輝度

比は,7.2 の設計観視方向での観視方向範囲クラスⅣ(

図 26 参照)において,隣接する各階調は,明室条

件で,互いに

1.5

1

を超える輝度の比率でなければならない。作業の要求度に応じて,

Class

 Viewing

Ⅰ,

Class

Viewing

Ⅱ又は

Class

 Viewing

Ⅲを選択することが望ましい。

 26−絶対輝度コーディングの要求を満たす最小限の観視方向範囲クラス

7.23 

明滅コーディング   

注意を喚起するだけのために明滅コーディングを用いる場合には,明滅の明の時間比率

50

%で,

1

5

Hz

の単一明滅周波数が望ましい。明滅している間も可読性が要求される場合には,明滅の明の時間比率

70

%で,

1/3

1 Hz

の単一明滅周波数が望ましい。カーソルは,明滅しないようにもできることが望まし

い(JIS Z 8513 の 5.22 参照)

明滅コーディングを用いる場合には,3.4.4  画像生成時間が

55 ms

未満でなければならない。

7.24 

時間的不安定性(フリッカ)   

ディスプレイの画像は,ユーザー全体の

90

%以上の人に,フリッカが知覚されてはならない(JIS Z 8513

の 5.23 参照)

フラットパネルにとって有効な判定方法については,

附属書 を参照。

注記

附属書 の方法は,さら(更)なる研究成果が得られるまでは,参考情報である。

7.25 

デフォルトカラーセット   

アプリケーションがユーザーに色を弁別又は識別することを要求するときには,アプリケーションはユ

ーザーにこの規格の要求事項を満足するデフォルトカラーセットを提供しなければならない。ユーザーが

この色を変更できる場合には,デフォルトカラーセットは検索・復元できなければならない。

7.26 

多色対象物の大きさ   

視認性が重要となる文字及び他の小さい対象物については,7.15 を参考にするとよい。

正確な色識別が要求される単独の画像については,画像の大きさは,設計視距離で

30

分(′)以上の視

角であることが望ましく,

45

分(′)以上の視角であることがさらに望ましい。

可視光を分光したときの端の色である青色(

v

0.2

)の使用は,視角が

2

分(′)未満の画像には避け

ることが望ましい(7.28 参照)

7.27 

色差   


38 
Z 8528-2:2006

デフォルトカラーセットの色の対は,

ΔE

uv

20

でなければならない。正確な色弁別を要求するアプリ

ケーションでは,弁別されるセットの各々の色について,

ΔE

uv

を計算しなければならない。それぞれの

色の対は,

無彩色背景の明るさによる弁別力の低下を最小にするために,

主波長が異なることが望ましい。

色差は,すべての対の間の色相角

h

uv

の違いによって容易に計測できる(

附属書 A.3 参照)。

作業性が重要なアプリケーションでは,実際の作業場での提示情報を評価し,色差を色の均一性の程度に

応じて増大させることが有効である。これを要求することによって,色差が

20

よりも更に大きくなけれ

ばならず,不均一性は更に小さくなければならなくなる(7.5 参照)

注記

色差の要求は,観視方向範囲クラスⅣを満たせばよい。仕事によっては,色差の解析をクラ

スⅢ,クラスⅡ及びクラスⅠに展開することは有効となる。

7.28 

可視光を分光したときの両端の色   

表 15 に極端な青(

v

0.2

)及び極端な赤(

u

0.4

)の使用に関する推奨事項を示す。

 15−可視光を分光したときの両端の色 

画像の背景

推奨

左の推奨を守らなかったときの

問題点・参照

ポジティブ表示,無彩色

ほとんどの作業で好まれる。

JIS Z 8518 

ポジティブ表示,有彩色

赤の背景での青( v

′ <0.2)は避ける。

次の

注記 を参照

前景には,黒か灰色を使う。

目の奥行き知覚の差が大

擬似立体視が生じる 
色識別が困難

ネガティブ表示,無彩色

青( v

′ <0.2)は避ける。

赤( u

′ >0.4)は避ける。

視認性が悪い。文字列表示では,7.15
の要求値の確保が困難 
ユーザーの約 8  %が赤緑色盲又は色弱

ネガティブ表示,有彩色

青( v

′ <0.2)背景での赤( u′ >0.4)は

避ける。

次の

注記 を参照。

目の奥行き知覚の差が大

擬似立体視が生じる

注記 1  赤( u

′ >0.4)及び青( v′ <0.2)は,最悪の組合せであるが,大体において,どの色の組合せでも,擬

似立体視が生じる。

注記 2  これらの問題点は,JIS Z 8518 の 6.76.7.16.7.26.7.3 及び 6.8 で議論された。人間工学上の論点は,

フラットパネルでも同じであるが,トレードオフは異なる。したがって,フラットパネルに関しては,
推奨値だけを含めた。フラットパネル上では,飽和色の赤,緑,青と,それらの混色の黄,シアン,
マゼンタは,異方性が最小になる。この効果は,

表 で示した問題点よりも更に重要となり得る。7.15

で要求されている輝度コントラストが満足されない場合は,黒の背景に青の表示は許されない。

7.29 

色の数   

7.29.1 

同時提示色   

7.25

が適用されるとき,ディスプレイへ同時に提示される色の数は,作業上の必要性に基づくことが望

ましい。特に,異方性フラットパネル上では,同時に提示される色の数は,少なくすることが望ましい。

JIS Z 8518

と同様に,

11

色以下が望ましい。光学的異方性があったり色均一性が不十分な場合,同時に提

示される色の数は減らすことが望ましい。

7.29.2 

色付きイメージに対しての視覚検索   

色弁別に基づく速い視覚検索が必要である場合には,

6

色を超えない色を使うのが望ましい。異方性デ

ィスプレイについては,

6

色は多過ぎることがある(JIS Z 8518 の 6.9.2 参照)

7.29.3 

記憶による色解釈   

色の組の中のそれぞれの色の意味付けを,記憶に頼る場合は,

6

色を超えない色を使うのが望ましい。

6

色を超える色の組合せで,それぞれの色に意味があるアプリケーションは,各色の意味付けが画面上又は


39

Z 8528-2:2006

画面以外のところで直ぐに分かるようにしなければならない(JIS Z 8518 の 6.9.3 参照)

測定方法   

8.1 

序文   

ここでは、試験室(製造業者又は販売業者の施設又は試験機関のいずれか)での測定により,対象の

FPD

がこの規格に合致しているかどうかを判定する場合の測定方法を示す。ただし,二つの推奨事項,7.4 の凝

視角及び頭部傾斜角並びに 7.16 の輝度バランスは,作業現場での測定が必要である。また,多くの要求事

項は,使用するソフトウェアとフラットパネルとの調節状態に関係するが,ここでは,フラットパネルの

調節値の選び方及び使用するソフトウェアの選び方は定義しない。それらの選び方は,試験者が判断し,

適合確認書に記載しなければならない。

8.1.1 8

章の構成   

8

章の構成を次に示す。

8.1 

序文

概要を簡潔に示す。

8.2

製造業者又は販売業者への要求事項

評価の判定を行うために製造業者又は販売業者が提供するデータ

8.3

試験所への要求事項

施設及び測定ツールへの要求事項,並びに校正の方法

8.4

8.6

共通の試験要素

測定のための幾何学的定義

複数の要求事項の評価で使用する重ね合せ測定の測定手順

8.7

要求事項の評価

箇条 における要求事項及び推奨事項の評価

8.1.2 

測定手順   

通常の測定手順は,次のステップから構成する。

a)

 EUT

(供試装置)を準備する。

b)

表示面上の測定場所をスクリーニングし,

3

か所の最終測定場所を選ぶ。

c)

暗室において必要なパラメータを測定する。

d)

輝度係数(

luminance coefficients

q

を算出する。

e)

使用する光源の均一性に基づいて,変動分

Tol

を計算する。

f)

それぞれの測定値を標準照明条件での値に修正する。

g)

修正された測定値から必要とする従属パラメータを計算する。

h)

必要な設計分析を行う。

i)

ステップ

g

及び

h

の結果と箇条 における要求事項及び推奨事項(と)を比較する。

j)

結果を報告する。

8.2 

製造業者又は販売業者への要求事項   

8.2.1 

試験のための装置   

製造業者又は販売業者は,

FPD

を含む装置一式を提供する。それには次のようなものを含む:十分な性

能をもった処理装置,ハードウェア,ソフトウェア,ファームウェア,データ記憶装置,コントローラ,

及び/又はデータ送信・受信装置。これらは,製品の少なくとも一つの代表的なアプリケーション及び画


40 
Z 8528-2:2006

面上の光学測定のための表示に用いる。

8.2.2 

装置に関する情報記述   

提供する装置に関する情報を記述する。次に示す項目は,要求される情報の典型的なものである。この

情報の記述によって,試験の供試装置及び試験パターンを特定できる。

a)

製造業者又は販売業者の名称,住所など

b)

装置リスト(ディスプレイ及び適合性を示すために用いられる他の必要な装置)

。それを特定する情報

には,型番と製造関連データとを含むことが望ましい。製造関連データとは,バージョン,製造場所,

製造年月日などである。試験した装置を特定するのに十分なデータであることが望ましい。

c)

関連する

BIOS

OS

などのレベルが,試験の結果に影響を与えることが予測される場合は,その詳細

を特定する情報。

d)

バージョン,製造業者,販売業者などを含むソフトウェアを特定する情報。試験されたソフトウェア

を特定するのに十分なデータであることが望ましい。

e)

試験に用いる視対象を表示するための試験パターンソフトウェアを特定する情報。試験パターンソフ

トウェアを特定するのに十分なデータであることが望ましい。 

f)

視角

1

度当たり

30

画素未満の場合,充てん率を決定するための図面(3.4.1 及び 8.7.9 参照)

g)

要求事項を分析するための文字フォント

h)

デフォルトカラーセット及び関連するシステムコマンド(7.2.5 参照)

i)

輝度,輝度コントラスト及び基準白色の設定,並びにその他の必要な設定。試験を通じて一つの組合

せの設定を用いる。その設定は,製品使用で想定される実使用上での設定を代表したものとする。

8.2.3 

製造業者又は販売業者が記載する情報   

次の情報を,ユーザー向の取扱説明書(又はそれと同等のもの)

,及び詳細製品仕様書に記載しなければ

ならない。

a)

設計視距離,

D

design view

7.1 参照)

b)

設計傾角,

θ

D

7.2 及び 8.4.1 参照)

c)

設計方位角,

φ

D

90

°又は

270

°(7.2 及び 8.4.1 参照)

d)

反射型フラットパネルについてだけは,

EUT

と拡散光源の角度

θ

dLg

8.3.3.4 参照)

e)

各要求事項における傾角範囲

θ

range

7.5 

色の均一性

7.14 

表示輝度

7.15 

輝度コントラスト

7.17 

反射

7.19 

輝度の均一性

7.22 

絶対輝度コーディング

7.2 及び 8.4.1 参照)

f)

各要求事項における観視方向範囲クラス,

Class

viewing

,Ⅰ

-

Ⅳ:

7.5 

色の均一性

7.14 

表示輝度

7.15 

輝度コントラスト

7.17 

反射

7.19 

輝度の均一性


41

Z 8528-2:2006

7.22 

絶対輝度コーディング

7.2 及び 8.4.1 参照)

g)

表示面傾斜角,

α

7.3 参照)

h)

設計画面照度(7.3 参照)

1)

照度レベル,

E

s

2)

色:

CIE

標準イルミナントを示すか,又は色度座標,

x

Es,  Es

y

Es,  Es

及び照明の分光分布

S

Es,  Es

λ

を示す。

i)

反射クラス,

Class

Reflection

Ⅰ,Ⅱ又はⅢ(7.17 参照)

j)

表示極性,ポジティブ及び/又はネガティブ(7.18 参照)

k)

(105)

を用いない場合,

基準白色,

n

n

n

v

u

Y

3.2.1 参照)

l)

画素欠点クラス,

Class

Pixel

,Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ又はⅣ(7.20 参照)

m)

画像生成時間が

55 ms

より遅い場合,

画像生成時間,

t

7.21 参照)

注記 1

基準白色は,通常,

表 16 の値のいずれかとする。他の相関色温度の座標を計算する関連

式については,

CIE 15.2 section 1.1

及び 4.1 を参照。

 16−典型的な基準白色点 

相関色温度

n

u

n

v

5 600 K

0.204

0.479

6 500 K

0.198

0.468

9 300 K

0.189

0.446

注記 2

一つの組合せの設定又は複数の組合せの設定,及びそれに対応する使用条件が,特定され

る場合がある。例えば,設計画面照度は,そのレベルごとに対応した輝度設定をもつ場合

がある。

8.3 

試験所への要求事項   

8.3.1 

試験施設   

試験室条件は,

表 17 による。

 17−試験室条件 

条件

要求値

備考

暗室での表示面照度

<2 lx

表示面の中央で

室内温度 23±4  ℃

パネルの近くで

相対湿度 10

%∼85  %

結露がない

気圧 70∼110 kPa

標高 3 000 m 未満で試験

EUT

の一部分が画面照度に影響を与える場合には(例えば,携帯型コンピュータのキーボードから反射

した光)

,それらの部分は,例えば黒い布で,適切に覆うことが望ましい。

注記

この規格における試験室での測定は,すべて画面照度が

2 lx

以下となる暗室で行う。照明条件

は,拡散反射測定用光源,鏡面反射測定用大光源,又は小光源のいずれかが,オンの状態と,

すべての光源がオフの状態とがある。この規格では,すべての光源がオフの状態を暗室条件

dark

)と規定する。

8.3.2 

供試装置:EUT   

試験する

FPD

は,試験のために実物そのものを準備しなければならない。製造業者又は販売業者によっ


42 
Z 8528-2:2006

て指示がある場合には,指定された時間(ただし,

1

時間を超えてはならない。

,余熱しなければならな

い。試験時の電源供給は,一般的なユーザー使用条件のものでなければならない。ディスプレイのバイア

スの設定は(必要があれば)

,典型的な使用条件の基に設定しなければならない。8.7.17 の反射(

7.17

の表

13

に示される反射クラスの評価)を試験するときに用いた反射防止のために設けられている表面処理やフ

ィルターは,他の試験においても用いなければならない。

一連の試験において,同じ調節設定を用いなければならない。

EUT

に対して複数の設定が用いられるの

であれば,それぞれの設定で試験を行う。

8.3.3 

試験装置   

8.3.3.1 

設置精度   

測光器は,方位角に関しては±

3

°以内,傾角に関しても±

3

°以内の精度で設置しなければならない。

注記

よりよい再現性を実現するためには,より高い精度が必要となる。

8.3.3.2 

標準反射板   

標準反射板は,

表 18 に適合したものを用いなければならない。

 18−標準反射板 

標準

推奨範囲

単位

標準拡散反射板

a

ρ

STD

>0.90 1

q

STD

>0.29 sr

-1

標準鏡面反射板(ブラックガラス)

β

STD

 from 0.03 to 0.06

1

標準方位角位置合せ板

a)

理想的な標準拡散反射板については,3.1.5 及び 3.1.6 参照。

注記

標準方位角位置合せ板は,あらゆる方位角に対して一定の鏡面反射率である表面をもつもの,

例えば,ガラスの一片,標準鏡面反射板などをいい,特別な校正は必要としない。

8.3.3.3 

測光器   

測定する項目ごとに,

表 19 に適合した測光器,又は同等の光学システムを用いなければならない。用語

については,

図 27 を参照。

1

:測光器

2

:光受光素子

3

:測定領域見込角(FOV)  測光器から見た測定対象物の視角の大きさ

4

:測定開き角  測定対象物からみた測光器の対物レンズの直径角

5

:測定距離  測光器の対物レンズと測光器が焦点を合わせる対象物の間の距離

6

:EUT  供試装置

 27−測光器の要求で用いる用語 

3

4

5

6

2

1


43

Z 8528-2:2006

 19−測光器及びその主な特徴 

測光器

測定領域見込角

(FOV)

備考

使用される項目

スポット輝度計

a

 0.5

°∼2°

測定距離:100 mm∼∞

8.6

  輝度,コントラスト及び拡散照明の

ための重ね合せ測定

8.7.14

  表示輝度

8.7.16

  輝度バランス

8.7.17

  反射(大光源)

8.7.19

  輝度の均一性

8.7.22

  絶対輝度コーディング

スポット輝度計

6

′∼20′

測定距離:100 mm∼∞

8.7.17

  反射(小光源)

顕微輝度計

b

解像度: 
≤ 垂直ピッチの 10  %

要求事項の詳細は,

8.7.9.1

参照

8.7.9.1

  充てん率:顕微測光評価が必要な

パネル

高速応答輝度計 20′

(6′が望ましい)

応答時間 3 ms 未満

8.7.21

  画像生成時間

8.7.24

  時間的不安定性(フリッカ)

分光放射計

8.7.3

  設計画面照度

測色計

c

 0.5

°∼2°

x

yY

Y

v

u

が望ましい)

8.7.5

  色の均一性

8.7.27

  色差

あらゆる誤差を合算した読取り誤差は,10  %を超えないことが望ましい。 
異なる試験室間で測定の再現性を確保する方法に関して,EUT のヘイズ反射のピークを鏡面反射を含まずに正確に
測定するための全光学系(スポット輝度計及び小光源)の能力が,8.7.17 の測定において重要となる。全光学系の

性能の評価基準は,8.7.17 に示す。EUT 表示面上に映った虚像に焦点を合わせる場合,十分な測定再現性を得るた
めに,そのスポットサイズは 2.2 mm 又は更に小さいことが望ましい。 
測光器からの読取けた数は,10 cd/m

2

の輝度レベルにおいて,少なくとも 3 けたが有効であることが望ましい。

a)

測定距離が 500 mm のスポット輝度計は,測定開き角が 1°未満でなければならない。測定開き角を宣言しな
ければならない。

b)

スリット輝度計を用いてもよい。

c)

三刺激値を直接算出する測色計では,フラットパネルのすべての色を正確に測定することができない場合が
ある(例えば,非連続的な発光スペクトルをもった FPD)

。そのようなディスプレイの場合には,分光放射方

式の測色計で正確に測定できる。

8.3.3.4 

輝度光源   

大光源は,輝度がほぼ均一でなければならない。大光源の大きさは,

EUT

表示面中央から見た視角で,

少なくとも

15

°でなければならない(

30

°が望ましい)

EUT

と光源との距離が

500 mm

で,直径

150 mm

以上の開口部をもつ積分球が適当であり,測色を行う場合には,その光源の分光分布の特性を評価してお

く。光源の輝度は,

2 000 cd/m

2

以上であることが望ましい。小光源として用いる場合には,

1

°の補助開口

部カバーを必要とする。

注記

小光源を用いた測定では,よりよい測定精度を実現するために,及びある種類のディスプレイ

に対応するために,

10 000

20 000 cd/m

2

のようなかなり高い輝度が必要になる場合もある。そ

のような場合には,大光源用と小光源用とに異なる

2

種類の光源があると有益である。

CIE

u

v

でこれら光源色の特性を示すのは十分ではない。

標準イルミナント(

D

65

又は

F2

が好まれる。

)を用いるか,又は分光放射計を用いて光源の波長特性を

示すのがよい。

注記

イルミナントに関する詳細な情報として,

CIE No.17

のイルミナント

A

CIE 15.2

のイルミナン

C

CIE 15.2

D

50

D

75

CIE 15.2

F1

F12

(蛍光灯)

CIE 15.2

F7

及び

D

65

が技術的に

は同じように用いられる。これらは,ほぼ昼光を模擬したものである。

D

シリーズは,下付き

の数字を

100

倍した相関色温度をもつ。

C

はイルミナント

A

にフィルターをかけたものであり,


44 
Z 8528-2:2006

1964

年以降あまり用いられていない。

大積分球,積分半球又は二つの光源を用いることによって,拡散光源としてもよい。二つの光源による

場合には,変動分

Tol

を計算し,その特性を結果に反映しなければならない。

反射型パネルの場合には,製造業者又は販売業者は,二つの光源のうちの一つだけで試験してもよい。

その場合,光源の大きさは

15

°とし,製造業者又は販売業者は,

EUT

と拡散光源との角度

θ

dLg

を明記し

なければならない。

注記

測定再現性のために,一つの光源の大きさが選択されてきた。ISO 9241-7 の審議過程において

行われた研究に基づいて,その光源の大きさは

15

°であった。製品が異なると最適な角度も異

なる場合があるため,製造業者又は販売業者は,その角度を指定しなければならない。この規

格は,今後の技術開発を制限するものではない。

図 28 は,

45

°からの二つの拡散光源を示す。ある種の

LCD

は,この角度によって光学測定結果が異な

ることがあり,この種のパネルが

45

°の配置で基準を満たさない場合には,

30

°に変更して測定してもよ

い。ただし,変更した場合には,その旨,適合確認書に記載しなければならない。

2

1

3

4

φ

5

θ

sLg

θ

dLg

θ

lm

1

:拡散光源 1

2

:スポット輝度計 0.5°∼2°

3

:拡散光源 2

4

:標準拡散反射板

5

:鏡面反射試験のための光源

注記  測光器 2 は,拡散光源の中心線を含む面に直交する面に位置する。鏡面反射試験のための光源は,測光器とじ

面上に位置する。

 28−拡散光源を含む試験系の透視図 

8.3.4 

特別な校正   

8.3.4.1 

輝度計   

輝度計は,輝度計製造業者により校正されたものでなければならない。必要な輝度範囲に対して,測定

再現性を確認しなければならない。また,偏光した光に対する感度も確認しなければならない。

必要な輝度範囲での測定再現性の不確かさは,

1

%未満とすることが望ましいが,少なくとも

4

%以内

でなければならない。

8.3.4.2 

鏡面反射測定用光源   


45

Z 8528-2:2006

鏡面反射測定用光源は,時間的に安定であり,かつ,開口部の輝度が空間的に均一であることが,校正

によって確認されなければならない。

測定は試験室で行い,光源の不確かさの推定は,その光源を直接測定した結果に基づくものとする。

注記

この校正は,この規格の試験機関で行ってもよく,又は校正機関で行ってもよい。

8.3.4.3 

二つの光源を用いた拡散光源   

二つの光源を用いた拡散光源を用いる場合には,それらの光源の特性を記載しなければならない。

8.3.4.3.1 

配置   

図 29 に示すように,光源とスポット輝度計とを配置し,二つの光源のアパーチャの中心と,測定対象(標

準拡散反射板の表面の

FOV 1

°の領域)によって作られる平面と直交する平面上をスポット輝度計は移動

する。

図 29 

45

°に配置した二つの光源を示す。現在の技術での

LCD

は,この角度によって測定結果が

影響を受ける場合があり,この種のパネルが,

45

°配置で要求値を満たさない場合には,

30

°配置で試験

を行ってもよい。

30

°配置に変更した場合には,適合確認書に記載しなければならない。

1

:光源 1

2

:スポット輝度計 0.5°∼2°

3

:光源 2

4

:標準拡散反射板

注記  これは,変動分 Tol を測定する場合に用いる測定校正である。

 29−二つの光源を用いた拡散光源の側面図 

8.3.4.3.2 

変動分

Tol

の測定   

試験方向

Tol-1

Tol-2

Tol-3

Tol-4

表 32 参照)における輝度を測定する(表 20)。

 20−変動分の測定 

n=

1 2 3 4

照明

測定対象

焦点

L

DIFF

dSTD(Tol-n)

 

DIFF

dSTD

dSTD

注記 DIFF は拡散照明。dSTD は標準拡散反射板。


46 
Z 8528-2:2006

8.3.4.3.3 

変動分

Tol

の計算   

変動分

Tol

を式

(26)

によって計算する。

min

max

min

max

)

(

2

Tol

L

L

L

L

+

×

=

 (26)

L

max

L

min

四つの測定値(

表 20)における最大値と最小値で,

単位は

cd/m

2

8.3.4.4 

標準拡散反射板   

標準拡散反射板は,ディスプレイ評価の測定で用いる測定校正と同じ配置で校正を行わなければならな

い。鏡面反射測定における拡散成分を推定するために,光源を標準拡散反射板の法線方向から

15

°に配置

し,

0

°で受光する位置での校正も必要になる。

8.3.4.4.1 

拡散光源が積分球又は積分半球の場合   

拡散光源が積分球又は積分半球の場合の校正方法は,この規格では取り扱わない。8.3.4.4.2 の方法のよ

うに,

q

S-SML

dSTD(dSTD-nS15)

q

S-SML

dSTD(dSTD-nS30)

及び

q

S-SML

dSTD(dSTD-nS45)

の平均値を

q

DIFF

の推定として用い,

それらの標準偏差を

q

DIFF

の不確かさ分析のための指標として用いる。

8.3.4.4.2 

拡散光源が二つの光源の場合   

標準拡散反射板を測定する(

表 21 参照)。

フラットパネルの測定が

30

°の配置だけで行われる場合には,

30

°での測定を行う。

優れた測定系及び標準拡散反射板の場合には,

Y

S-SML

 dSTD(n)

は,

n

の値にかかわらず一定となるので,

一つの方位角だけで,例えば,

dSTD-0S15

dSTD-0S30

及び

dSTD-0S45

で測定すればよい。

 21−標準拡散反射板の測定(三刺激値) 

n

=

0 1 2 3 4 5 6 7

照明

測定対象

焦点

a

Y

S-SML

dSTD(dSTD-nS15)

S SM

d T

S D

Y

S-SML

dSTD(dSTD-nS30)

S SM

d T

S D

Y

S-SML

dSTD(dSTD-nS45)

S SM

d T

S D

X

S-SML

dSTD(dSTD-nS45)

− S-SML  dSTD  dSTD

Z

S-SML

dSTD(dSTD-nS45)

− S-SML  dSTD  dSTD

注記  “−”は,測定不要を意味する。 

a)

焦点は,標準拡散反射板に合わせる。

標準拡散反射板の反射光の分光分布を測定する(

表 22 参照)。

 22−標準拡散反射板の測定(分光特性) 

Y

S-SML

dSTD(dSTD-4S30)

(

λ

) for

λ

=

照明

測定対象

焦点

a

400 410

… 700

S-SML

dSTD

dSTD

a)

焦点は,標準拡散反射板に合わせる。

光源の輝度を測定する(

表 23 参照)。


47

Z 8528-2:2006

 23−光源の測定(三刺激値) 

Lg

照明

測定対象

焦点

a

X

S-SML

S-SML(Lg)

 S-SML S-SML S-SML

Y

S-SML

S-SML(Lg)

 S-SML S-SML S-SML

Z

S-SML

S-SML(Lg)

 S-SML S-SML S-SML

注記  輝度計から光源までの測定距離を,鏡面反射測定時の輝度計からフ

ラットパネル及びフラットパネルから光源までの距離の和と同じに

すると最もよい精度が得られる。

a)

焦点は,光源の開口部に合わせる。

標準拡散反射板の分光分布を測定する(

表 24 参照)。

 24−光源の測定(分光特性)

=

λ

λ for

)

(

)

(

SML

S

SML,

S

g

L

Y

照明

測定対象

焦点

a)

400 410  …  700

S-SML

S-SML

S-SML

a)

焦点は,標準拡散反射板に合わせる。

VESA Flat Panel Display Measurements Standard

1998

)の

A206

A210

及び

A214

から

7

...

0

cos

)

(

7

...

0

cos

)

(

7

...

0

cos

)

(

dSTD

)

g

(

SML

S

SML,

S

2

2

2

)

5

4

S

dSTD(dSTD

SML,

S

)

5

4

S

dSTD(dSTD

SML,

S

dSTD

)

g

(

SML

S

SML,

S

2

2

2

)

0

3

S

dSTD(dSTD

SML,

S

)

0

3

S

dSTD(dSTD

SML,

S

dSTD

)

g

(

SML

S

SML,

S

2

2

2

)

15

S

dSTD(dSTD

SML,

S

)

15

S

dSTD(dSTD

SML,

S

=

×

×

×

+

×

=

=

×

×

×

+

×

=

=

×

×

×

+

×

=

n

Y

r

z

r

Y

q

n

Y

r

z

r

Y

q

n

Y

r

z

r

Y

q

L

n

n

L

n

n

L

n

n

θ

π

θ

π

θ

π

 (27)

dSTD

)

g

(

SML

S

SML,

S

2

2

2

)

45

S

4

dSTD(dSTD

SML,

S

)

45

S

4

dSTD(dSTD

SML,

S

dSTD

)

g

(

SML

S

SML,

S

2

2

2

)

45

S

4

dSTD(dSTD

SML,

S

)

45

S

4

dSTD(dSTD

SML,

S

cos

)

(

)

(

cos

)

(

)

(

θ

π

θ

π

×

×

×

+

×

=

×

×

×

+

×

=

L

L

Z

r

z

r

Z

Z

q

X

r

z

r

X

X

q

 (28)

700

...

410

,

400

cos

)

)(

(

)

(

)

(

dSTD

)

g

(

SML

S

SML,

S

2

2

2

)

45

S

4

dSTD(dSTD

SML,

S

)

45

S

4

dSTD(dSTD

SML,

S

=

×

×

×

+

×

=

λ

θ

λ

λ

π

λ

L

Y

r

z

r

Y

q

 (29)

r

光源の開口部の半径。

z

標準拡散反射板と光源との開口部の距離。

θ

Lg

光源と標準拡散反射板との間の角度(15°,30°,45°)


48 
Z 8528-2:2006

輝度係数を計算し,

表 25

に記載する。

 25−標準拡散反射板の輝度係数 

n

=

0 1 2 3 4 5 6 7

照明

測定対象

焦点

a

q

S-SML

dSTD(dSTD-nS15)

S SM

d T

S D

q

S-SML

dSTD(dSTD-nS30)

S SM

d T

S D

q

S-SML

dSTD(dSTD-nS45)

S SM

d T

S D

q

S-SML

dSTD(dSTD-nS45)

(X)

− S-SML  dSTD  dSTD

q

S-SML

dSTD(dSTD-nS45)

(Z)

− S-SML  dSTD  dSTD

注記  “−”は,測定不要を意味する。 

a)

焦点は,標準拡散反射板に合わせる。

標準拡散反射板の分光分布を測定する。

 26−輝度係数の分光分布の計算 

q

S-SML

dSTD(dSTD-4S30)

(

λ

) for

λ

=

照明

測定対象

焦点

a

400 410

… 700

S-SML

dSTD

dSTD

a)

焦点は,標準拡散反射板に合わせる。

輝度係数

Δの不確かさを推定する。例えば,式(27)  の不確かさの総和は,部分偏差に基づいた推定を

用いてもよい(表

26

参照)

θ

θ

+

+

+

+

=

q

z

z

q

r

r

q

Y

Y

q

Y

Y

q

q

dSTD

dSTD

SML

S

SML

S

 (30)

輝度係数の不確かさは,とても大きい場合があり,常に正しく計算されることが望ましい。

注記

表 27

の例は,校正の一部を示したものである。一つの位置関係で測定した値すべてを示す。こ

の例には,三刺激値及び分光校正は含まれていない。

 27−一つの標準拡散白色板の校正例 

変数

不確かさ

Y

S-SML

dSTD(dSTD-nS30)

 0.64

cd/m

2

 0.01

cd/m

2

Y

S-SML

S-SML(Lg)

8 530 cd/m

2

 100

cd/m

2

4.5 mm

0.1 mm

506 mm

7 mm

θ

dSTD

 30

°

2

°

計算結果

q

S-SML

dSTD(dSTD-nS30)

0.35 sr

-1

 0.09

sr

-1

注記 1  輝度計の精度及び性能は,校正において最も重要な要因である。校正を通して十分に広いダ

イナミックレンジ及びリニアリティのよさを評価しなければならない。

注記 2  及び の値の正確さは,精度に関して 2 番目に重要な要因である。

注記

この校正は,試験所又は校正機関のいずれで行ってもよい。試験所で行う場合には,位置関係

の精度に細心の注意を払う必要がある。校正機関で行う場合には,ここで規定する光源配置及

び位置関係が校正のために用いられることを確認する必要がある。

8.3.4.5 

標準鏡面反射板   


49

Z 8528-2:2006

標準鏡面反射板は,測定に用いられる位置関係で校正されなければならない(

表 28

参照)

標準鏡面反射板に反射した輝度を測定する。

 28−標準鏡面反射板の校正 

n=

CL-0S CL-1S CL-2S CL-3S

CL-4S

CL-5S

CL-6S

照明

測定対象

焦点

a

Y

S-EXT

sSTD(n)

- X

s T

S E T

Y

S-SML

sSTD(n)

     

S-SML

sSTD

S-SML

注記 1  優れた測定系及び標準鏡面反射板の場合には,Y

S-EXT

sSTD(n)

はすべての において一定となる。したがって,

一つの方位角,例えば,CL-0S で測定すればよい。ヘイズ成分のない標準鏡面反射板の場合には,Y

S-EXT

sSTD(n)

と Y

S-SML

sSTD(n)

とが等しくなるので,測定回数を半分に減らすことが可能である。

注記 2  ヘイズについては,附属書 の C.1.1 参照。 

a)

焦点は,光源の開口部に合わせる。

光源の輝度 Lg を測定する。

表 29

参照。

 29−光源の測定 

Lg

照明

測定対象

焦点

a

Y

S-EXT

S-EXT(Lg)

  S-EXT

S-EXT

S-EXT

Y

S-SML

S-SML(Lg)

  S-SML

S-SML

S-SML

注記  精度を上げるためには,測光器から光源までの測定距離を,フラットパ

ネルの鏡面反射の測定を行う距離(測光器からフラットパネルまでの距
離とフラットパネルから光源までの距離の和)と同じにするとよい。

a)

焦点は光源の開口部に合わせる。

6

...

0

6

...

0

)

(

SML

S

SML,

S

)

S

sSTD(CL

SML,

S

)

S

sSTD(CL

SML,

S

)

(

EXT

S

EXT,

S

)

S

sSTD(CL

EXT,

S

)

S

sSTD(CL

EXT,

S

=

=

=

=

n

Y

Y

n

Y

Y

Lg

n

n

Lg

n

n

β

β

 (31)

輝度率を計算する(

表 30

参照)

 30−標準鏡面反射板の輝度率の計算 

N= CL-0S

CL-1S

CL-2S

CL-3S

CL-4S

CL-5S

CL-6S

照明

測定対象

β

S-EXT

sSTD(n)

- X

s T

β

S-SML

sSTD(n)

- M

s T

注記 1  鏡面反射用光源の輝度が直接測定できる場合には,標準鏡面反射板は必要としない。 
注記 2  この校正は,試験所又は校正機関のいずれかで行う。 
注記 3  試験所での校正は,その校正において同じ光学系で測定でき,試験系の位置合せがすべて同じであること

から,よりよい結果を得ることが予想される。

8.3.4.6 

位置合せのシステム   

光源,フラットパネル及び測光器の位置関係を十分な精度に保つための測定システムの性能は重要であ

る。この校正では,位置合せのためのシステムを試験する。

表 31

参照。

注記

この校正は,実際の測定に用いる試験系で行わなければならない。

標準方位角位置合せ板に反射した輝度を測定する。

注記

精度よく位置合せできれば,測定のばらつきは生じないはずである。


50 
Z 8528-2:2006

 31−標準鏡面反射板の校正 

n=

CL-0S CL-1S CL-2S CL-3S

CL-4S

CL-5S

CL-6S

照明

測定対象

焦点

a

Y

S-SML

aSTD(n)

 

S-SML

sSTD

S-SML

注記  同じ手順で,偏光した光を測定するための輝度計の性能を確認することができる。標準方位角位置合せ板の

代わりに,校正された偏光板を用いる。このときの測定値の変動が,輝度計の偏光特性に関係していること
を確認する。

a)

焦点は,光源の開口部に合わせる。

8.4 

試験のための幾何学的構成   

8.4.1 

試験方向   

試験方向を

表 32

に示す。

7.2

参照)

 32−試験方向の定義 

EUT

の法線となす角度

方位角

備考

試験方向

記号

EUT

の法線及び

輝度計

θ

lm

EUT

の法線及び鏡面

反射測定用光源

θ

sLg

EUT

の法線及び拡散

反射測定用光源

θ

dLg

a

EUT

φ

EUT

LL-0 0

°

光源なし

−45°,+45°

HL-0 0

°

光源なし

−45°,+45°

LL-7

θ

D

光源なし

−45°,+45°

φ

D

CL-7

θ

D

光源なし

−45°,+45°

φ

D

HL-7

θ

D

光源なし

−45°,+45°

φ

D

CL-0 0

°

光源なし

−45°,+45°

CL-1

b

 ½

θ

range

光源なし

−45°,+45°

φ

D

+2

φ

C

CL-2

b

θ

D

+½

θ

range

光源なし

−45°,+45°

φ

D

φ

C

CL-3

b

 ½

θ

range

θ

D

光源なし

−45°,+45°

φ

D

−180°

CL-4

b

θ

D

+½

θ

range

光源なし

−45°,+45°

φ

D

CL-5

b

θ

D

+½

θ

range

光源なし

−45°,+45°

φ

D

φ

C

CL-6

b

 ½

θ

range

光源なし

−45°,+45°

φ

D

−2

φ

C

Lg 0

° 180°

光源なし

0

°

CL-0S 15

° 15°

−45°,+45°

0

°

CL-1S 15

° 15°

−45°,+45°

φ

D

+2

φ

C

CL-2S 15

° 15°

−45°,+45°

φ

D

φ

C

CL-3S 15

° 15°

−45°,+45°

φ

D

−180°

CL-4S 15

° 15°

−45°,+45°

φ

D

CL-5S 15

° 15°

−45°,+45°

φ

D

φ

C

CL-6S 15

° 15°

−45°,+45°

φ

D

−2

φ

C

dSTD-0S15 0

°

−15°

光源なし

0

°

dSTD-1S15 0

°

−15°

光源なし

φ

D

+2

φ

C

dSTD-2S15 0

°

−15°

光源なし

φ

D

φ

C

dSTD-3S15 0

°

−15°

光源なし

φ

D

−180°

dSTD-4S15 0

°

−15°

光源なし

φ

D

dSTD-5S15 0

°

−15°

光源なし

φ

D

φ

C

dSTD-6S15 0

°

−15°

光源なし

φ

D

−2

φ

C

dSTD-0S30 0

°

−30°

光源なし

0

°

dSTD-1S30 0

°

−30°

光源なし

φ

D

+2

φ

C

dSTD-2S30 0

°

−30°

光源なし

φ

D

φ

C


51

Z 8528-2:2006

 32−試験方向の定義(続き) 

EUT

の法線となす角度

方位角

備考

試験方向

記号

EUT

の法線及び

輝度計

θ

lm

EUT

の法線及び鏡面

反射測定用光源

θ

sLg

EUT

の法線及び拡散

反射測定用光源

θ

dLg

a

EUT

φ

EUT

dSTD-3S30 0

°

−30°

光源なし

φ

D

−180°

dSTD-4S30 0

°

−30°

光源なし

φ

D

dSTD-5S30 0

°

−30°

光源なし

φ

D

φ

C

dSTD-6S30 0

°

−30°

光源なし

φ

D

−2

φ

C

dSTD-0S45 0

°

−45°

光源なし

0

°

dSTD-1S45 0

°

−45°

光源なし

φ

D

+2

φ

C

dSTD-2S45 0

°

−45°

光源なし

φ

D

φ

C

dSTD-3S45 0

°

−45°

光源なし

φ

D

−180°

dSTD-4S45 0

°

−45°

光源なし

φ

D

dSTD-5S45 0

°

−45°

光源なし

φ

D

φ

C

dSTD-6S45 0

°

−45°

光源なし

φ

D

−2

φ

C

Tol-1

b

θ

D

−½

θ

range

光源なし

−45°,+45°

0

°

Tol-2

θ

D

光源なし

−45°,+45°

0

°

Tol-3 15°

光源なし

−45°,+45°

0

°

Tol-4

b

θ

D

+½

θ

range

光源なし

−45°,+45°

0

°

PL-11 0

°

光源なし

光源なし

PL-22 0

°

光源なし

光源なし

PL-33 0

°

光源なし

光源なし

PL-44 0

°

光源なし

光源なし

PL-55 0

°

光源なし

光源なし

PL-66 0

°

光源なし

光源なし

PL-77 0

°

光源なし

光源なし

PL-88 0

°

光源なし

光源なし

PL-99 0

°

光源なし

光源なし

PL-19 0

°

光源なし

光源なし

PL-91 0

°

光源なし

光源なし

測定方向 CL-1∼CL-7 は被測定パネルが使用される場合の観視方向を考慮して,設計方位角と設計傾角とを基に

計算する。測定方向 CL-0 は,画面の法線方向から見た場合によい視認性が確保できるように,傾角を

θ

=0°と

する。

θ

D

φ

D

,及び

θ

range

は,製造業者又は販売業者が宣言する。

φ

C

は,8.4.1.1 の計算方法に基づいて計算する。

これらの変数のとり得る範囲は,8.7.2 に基づいて計算する。 
注記  直交座標系において,

θ

lm

及び

θ

sSTD

は同一平面上にあり,

θ

dSTD

は第 2 面内に,

φ

EUT

は第 3 面内にある。

図 28 参照。

a)

 LCD

によっては,この角度によって測定結果が影響を受ける場合がある。このタイプの LCD が+45°/−

45

°条件で基準値をクリアできない場合は,この角度を+30°/−30°にして再度測定してもよい。この測

定を行った場合には,適合確認書に記載しなければならない。

b)

製造業者又は販売業者は,

θ

range

として一つの共通な値を選んでもよいし,7.57.147.157.177.19 

び 7.22 に示されているそれぞれの要求に対して最大六つまでの異なる値を選んでもよい。

θ

range

の値は CL-1

…6 及び Tol-1,Tol-4 に影響を与える。

8.4.1.1 

測定方位角の計算   

測定方位角の例を,

図 30

に示す。

注記

図 14

図 30

表 33

及び

表 35

に示す測定方向の例は,いずれも同じデータを使っている。


52 
Z 8528-2:2006

B

D

A

C

E

3

CL-4

CL-3

CL-2

CL-1

CL-5

CL-6

D

B

E

A

C

CL-3

CL-1

CL-2

CL-4

CL-5

CL-6

1

A

C

E

D

B

CL-4

CL-5

CL-6

CL-3

CL-1

CL-2

2

1

:横長,

φ

D

=90°,

θ

D

=0°and

φ

C

=63.4°(

表 33

2

:横長,

φ

D

=270°,

θ

D

=0°and

φ

C

=63.4°(

表 34

3

:縦長,

φ

D

=270°,

θ

D

=10°and

φ

C

=71.6°(

表 35

注記  これら三つの図は,正確な角度を表しているわけではない。

 30−試験方位の例 

測定方位角のうち五つは,設計方位角

φ

D

及び設計傾角

θ

D

から計算する(CL-1,CL-2,CL-4,CL-5 及

び CL-6)

。6 番目の方位角は,

φ

D

−180°(CL-3)とする。さらに画面の法線方向(CL-0)及び設計観視

方向(CL-7)の二つの方位角を幾つかの測定のために用いる(

図 30

参照)

フラットパネルの上部が下部よりもユーザーの目に近いと製造業者若しくは販売業者が意図した場合は,

設計方位角

φ

D

=90°とし,逆の場合は,設計方位角

φ

D

=270°とする(

図 13

参照)

AEB

を除く領域 ACDBEA は,太い線で示すように四つの等しい角度に分ける。領域 AEB は点線で示す

ように二つの等しい角度に分ける。

注記

等分角

φ

c

φ

c

=(360°−∠AEB)/4 となる。∠AEB/4=(2×∠CAD)/4=[2×arctan(CD/AC)]/4=

[2

×arctan(W

view

/H

view

)]/4

=1/2×arctan(W

view

/H

view

)

領域 AEB を除く領域 ACDBEA での方位角は,

φ

D

φ

D

φ

c

φ

D

φ

c

φ

D

+2

φ

c

及び

φ

D

−2

φ

c

となる。

ï

ï

þ

ïï

ï

ý

ü

°

÷÷ø

ö

ççè

æ

×

°

=

°

>

÷÷ø

ö

ççè

æ

×

÷÷ø

ö

ççè

æ

×

°

=

5

360

arctan

2

,

5

360

5

360

arctan

2

,

4

arctan

2

360

view

view

c

view

view

view

view

c

H

W

when

H

W

when

H

W

φ

φ

 (32)

ï

ï
þ

ïï

ý

ü

°

=

>

÷÷ø

ö

ççè

æ

×

°

=

727

,

0

,

72

727

,

0

,

arctan

90

view

view

c

view

view

view

view

2

1

c

H

W

when

H

W

when

H

W

φ

φ

 (33)

ここに,  H

view

有効画面の高さ(mm)

W

view

有効画面の横幅(mm)

8.4.1.2 

試験のための幾何学的構成の計算例   

表 33

35

のデータを,

図 14

及び

図 30

に示す。


53

Z 8528-2:2006

 33−要求の一部が満たされていないパネルの例 

製造業者又は販売業者が宣言するデータ

計算で算出するデータ

変数

単位

適・不適

箇条

変数

単位

適・不適

箇条

H

view

 235

mm

n/a

D

active

 391

mm

n/a

W

view

 313

mm

n/a

15.4 inch

n/a

D

designview

 600  mm

適合

7.1

θ

rangemin

 36.1

° n/a

θ

D

 0

°

適合

7.2

θ

rangemax

 80

° n/a

θ

range

 37

°

適合

7.2

φ

C

 63.4

° n/a

φ

D

 90

° n/a H

pitch

 0.490

mm/pixels

n/a

N

W

 640

pixels

n/a

V

pitch

 0.489

mm/pixels

n/a

N

H

 480

pixels

n/a

16

′ 2.8

pixels

n/a

5.7

pixels

n/a

    22

′ 3.8

mm

n/a

7.9

pixels

不適合

7.2

7.10

    20.2

′ 7.0

pixels

n/a

    22.4

′ 8.0

pixels

n/a

    7.5

req

0.02 v

u

 n/a

試験方向

CL-n

,  n

0 1 2 3 4 5 6 7

θ

 

0.0

° 18.5° 18.5° 18.5° 18.5°

18.5

° 18.5° 0.0°

φ

 

n/a 216.9

° 153.4°

270.0

°

90.0

°

26.6

° 323.1° 90.0°

 34−すべての要求を満たしているパネルの例 

製造業者又は販売業者が宣言するデータ

計算で算出するデータ

変数

単位

適・不適

箇条

変数

単位

適・不適

箇条

H

view

 235

mm

n/a

D

active

 391

mm

n/a

W

view

 313

mm

n/a

15.4 inch

n/a

D

designview

 600  mm

適合

7.1

θ

rangemin

 36.1

° n/a

θ

D

 0

°

適合

7.2

θ

rangemax

 80

° n/a

θ

range

 37

°

適合

7.2

φ

C

 63.4

° n/a

φ

D

 270

° n/a H

pitch

 0.392

mm/pixels

n/a

N

W

 800

pixels

n/a

V

pitch

 0.391

mm/pixels

n/a

N

H

 600

pixels

n/a

16

′ 2.8

pixels

n/a

7.1

pixels

n/a

    22

′ 3.8

mm

n/a

9.8

pixels

不適合

7.2

7.10

    20.2

′ 9.0

pixels

n/a

    22.4

′ 10.0

pixels

n/a

    7.5

req

0.02 v

u

 n/a

試験方向

CL-n

,  n

0 1 2 3 4 5 6 7

θ

 

0.0

° 18.5° 18.5° 18.5° 18.5°

18.5

° 18.5° 0.0°

φ

 

n/a 36.9

° 333.4°

90.0

° 270.0°

206.6

°

143.1

° 270.0°


54 
Z 8528-2:2006

 35−すべての要求を満たしているパネルの例 

製造業者又は販売業者が宣言するデータ

計算で算出するデータ

変数

単位

適・不適

箇条

変数

単位

適・不適

箇条

H

view

 300

mm

n/a

D

active

 375

mm

n/a

W

view

 225

mm

n/a

14.8 inch

n/a

D

designview

 500  mm

適合

7.1

θ

rangemin

 41.1

° n/a

θ

D

 10

°

適合

7.2

θ

rangemax

 80

° n/a

θ

range

 45

°

適合

7.2

φ

C

 71.6

° n/a

φ

D

 270

° n/a H

pitch

 0.293

mm/pixels

n/a

N

W

 768

pixels

n/a

V

pitch

 0.293

mm/pixels

n/a

N

H

 1024

pixels

n/a

16

′ 2.3

pixels

n/a

7.9

pixels

n/a

    22

′ 3.2

mm

n/a

10.9

pixels

不適合

7.2

7.10

    20.2

′ 10.0

pixels

n/a

    22.4

′ 11.0

pixels

n/a

    7.5

req

0.03 v

u

 n/a

試験方向

CL-n

,  n

0 1 2 3 4 5 6 7

θ

 

0.0

° 22.5° 32.5° 12.5° 32.5°

32.5

° 22.5° 10.0°

φ

 

n/a 53.1

° 341.6°

90.0

° 270.0°

198.4

°

126.9

° 270.0°

8.4.2 

標準測定位置   

8.4.2.1 

測定対象   

通常の測定においては,輝度計測定範囲の 160  %以上の寸法の測定対象を用いる。これは,輝度計の測

定範囲の境界領域の測定不確かさを取り除くためであり,可能であれば,185  %,又はそれ以上の寸法と

することが望ましい。特に断らない限り,すべての測定は,輝度計の測定範囲を 1°とし,測定対象の中

央に焦点を合わせて行う(

図 31

参照)

1

≥ 1.6°

4.8°

1

:輝度計の測定範囲 1°

 31−測定対象 

8.4.2.2 

大型の FPD   


55

Z 8528-2:2006

大型のフラットパネルとは,表示面の短辺の長さが 4.8°(見込み角)以上のディスプレイとする。これ

に該当するパネルの測定位置は,この節による。

11

か所の測定位置の中から 3 か所の最終測定位置を選ぶ。11 か所の測定位置を

図 32

に示す。パネル中

央 55 は必ず測定する。残りの 10 か所については,暗所でパネルの法線方向θ=0°から輝度を測定し,

L

dark

HS(PL-11

99

91

19)

とする。反射型パネルの場合には,輝度係数 q

DIFF

HS(1

11)

を測定する。輝度又は輝度係

数が最も低い値となる場所を LL とし,最も高い値となる場所を HL とする。測定位置 55 は CL とする。

H

view

/2

H

view

W

view

/2

W

view

11

22

33

44

66

77

88

91

19

99

55

51

15

59

95

 32−測定位置 

測定位置は,

互いに重ならないようにする。

通常のコンピュータ用ディスプレイよりも小さいパネルで,

互いに測定位置が重なってしまう場合,測定位置は,測定位置 55 と重なってはならない。したがって,測

定位置の数は最小で 5 か所とする(

図 31

参照)

図 33

は,測定位置の例を 1°当たり 33 画素以下で 640×480 画素のパネルを示す。各小区画は 53×53

画素とする。各小区画の外に示した数字は,小区画の左上の画素番号を示し,小区画内の数字は,右下の

画素番号を示す。画素番号は,パネルの左上隅を 0 0 とし,右下隅を 639 479 とする。この例では画素数が

偶数のため,中央の画素は存在しない。そこで,点 55 は 319 239 を中央とした。

52 52

73 53

125 105

146 107

198 159

220 160

272 212

293 213

345 265

366 266

418 318

440 319

492 371

513 373

565 425

587 427

639 479

587 0

639 52

52 479

0 0

0 427

 33−測定位置の例,640×480 画素の FPD の場合 


56 
Z 8528-2:2006

8.4.2.3 

小型の FPD   

小型の FPD では,測定位置 19 と 91 とを除いて,大型のフラットパネルの場合と同じ位置を測定位置と

して選ばなければならない。測定位置を 25  %以上重ねる必要はないので,9 点すべてが候補位置として必

要とならないときもあり,大型のフラットパネルのときと同じようにして,輝度(又は輝度係数)が最も

小さい位置:LL,最も高い位置:HL 及び測定位置 55:CL を決める。

8.4.2.4 

追加測定位置   

11

点の測定位置と異なる場所で,ユーザーの照明環境を考慮して,LL 又は HL よりも目視で悪く見え

る場所がある場合には,その位置での測定を LL 及び HL に加えて行わなければならない。

“目視で悪く見える”かどうかの判定は,暗室条件で訓練された評定者によって行われなければならな

い。

注記 1

“目視で悪く見える”という定義は,あいまいに感じられるかもしれないが,そうではない。

目的は,一般的ユーザーが照明環境下で“悪く見える”場所を見付けることである。暗室条

件で訓練された評定者によって判定が行われれば,悪く見える場所を検知する感度が,ユー

ザーが照明環境下で見る場合に比較し,十分に高くなる。

注記 

この規格の条件に合うような最近のフラットパネルの多くは,

注記 1

のような“悪く見える”

場所はない。

注記 

例えば,表示面全域を 1°ずつスキャンするようなことを,自動検査装置を用いて行っても,

“悪く見える”場所を見付けることができる。

8.4.3 

測定位置及び測定方向の表   

今後の測定において,すべての測定位置及び測定方向の完全な表が測定パラメータを決めるために必要

となる場合もあるし,一部の測定位置及び設計観視方向からだけ評価する場合もあり,詳細はそれぞれの

測定ごとに定義する。

8.5 

文字デザインを分析するための手順   

ここで用いる定義については,

3.5

を参照。

縦方向又は横方向の画素ピッチ(V

pitch

H

pitch

)を測定する。測定の精度を上げるために,ある画素の端

(又は別の適当な場所)から,離れた場所にある画素の同じ場所までの距離を測り,対応する画素の数で

除す(

図 34

を参照)

。例えば,横に 480 画素のパネルの場合,最初の画素のある点から最後の画素(479

画素離れた)の同じ点までを測り 479 で除す。

Measurement

H           =

pitch

Measurement

479

...

注記  この例では,ディスプレイは 480 列の画素をもち,左端の列から右端の列までの距離を測り,その距離を 479

で除した。

 34−画素ピッチの測り方 

これらの測定結果及び製造業者又は販売業者によって指定された文字若しくは間隔のデザインによって,

画面上の文字デザインを決める。文字が複雑なアルゴリズムによって生成され,それに関する仕様が公開

されていない場合があり,そのような場合には,ルーペなどを用いてスクリーン上に表示した文字の画素

構成を調べてもよい。


57

Z 8528-2:2006

得られた値を

表 36

に記入する。

 36−文字デザインに関する測定値 

記号

測定値

説明

N

H

Height

アクセント符号がない大文字 H の文字高の画素数

N

H

 Width

アクセント符号がない大文字 H の文字幅の画素数

N

H

hz_stroke

アクセント符号がない大文字 H の水平方向の文字ストロークの画素数

N

H

vt_stroke

アクセント符号がない大文字 H の垂直方向の文字ストロークの画素数

文字高[単位は分(′)

]は,式(34)及び式(35)となる。

view

Height

H,

pitch

60

180

D

N

V

×

×

×

×

=

π

Ψ

 (34)

view

Height

H,

pitch

438

3

D

N

V

×

×

=

 (35)

文字ストローク幅は,水平及び垂直ストローク幅の平均値とする。

8.6 

輝度,コントラスト及び拡散照明の測定手順   

製造業者又は販売業者は,一つの共通な

θ

range

,又は最大六つまでの異なる値(

7.5

7.14

7.15

7.17

7.19

7.22

に記載されたそれぞれの要求を評価するための異なる値)を選んでもよい。異なる

θ

range

を使用

する場合には,各値ごとにここで示す測定を繰り返し行う。

8.6.1 

共通の測定   

光学的異方性のフラットパネルの場合には,表示輝度及び輝度コントラストは,

表 37

及び

表 38

を完全

に埋めることによって確認しなければならない。光学的等方性のフラットパネルの場合には,CL-7 の方向

からだけ確認すればよい。いずれの測定でも

8.4.2.1

と一致した測定対象及び測光方法を使用する。測定に

関連する中間結果については,記号 を輝度として用いる。

暗室条件で発光輝度を測定し,

表 37

に記載する。

 37−補助測定 

n= CL-0

LL-0

HL-0

照明

測定対象

焦点

Y

dark

HS(n)

  dark  HS  HS

Y

dark

LS(n)

       dark  LS  LS

フラットパネルの状態(明状態,暗状態及び電源オフ状態)及び観視方向(CL-1…7)に対する特性評

価に必要な値を測定し,

表 38

に記載する。


58 
Z 8528-2:2006

 38−測定方向を変化させた測定 

=

CL-1 CL-2 CL-3 CL-4 CL-5 CL-6 CL-7

照明

測定対象

焦点

a

Y

dark

HS(n)

a

H

H

Y

dark

LS(n)

a

L

L

Y

DIFF

dSTD(n)

D F

d T

S D

測定回数を減らすために,すべての方位角と傾角(つまりすべての n)とに対して k1 及び k2 を定数とし,L(CL-n)

kL(HL-n)=kL(LL-n)  と仮定する。この仮定が成立しないような新たな方式の場合,式(39)∼式(44)  は成立

せず,表に示す 21 の測定を HL-1…7 及び LL-1…7 に対して繰り返し行う(この場合,21 の測定ではなく,全部で

63

の測定を要する。

均一な拡散照明(例えば,大きな積分球)を用い,EUT 及び測光器間の方位角よって影響を受けない(例えば,

偏光の影響がない。

)システムを用いた場合には,この表の値はすべての に対して一定となり,例えば CL-0(法

線方向)のような一つの方位角だけ測定すればよい。

優れた測定系及び標準拡散反射板の場合には,拡散光の均一性によらず,Y

DIFF.dSTD(n)

はすべての に対して一定と

なる。したがって,Y

DIFF.dSTD(n)

は一つの方位角(例えば,CL-0)で測定すればよい。

a)

焦点は,試験フラットパネルの表面に合わせる。

8.6.2 

反射計値   

8.6.2.1 

測定方法 1   

すべてのディスプレイでの測定方法(

表 39

及び

表 40

を参照)

。フラットパネルの電源オンにおける暗状

態と明状態とで,15°における非鏡面性反射輝度を測定し,

表 39

に記載する。

 39−拡散光源を用いた間接的測定:測定ステップ 

=

CL-1 CL-2 CL-3 CL-4 CL-5 CL-6 CL-7

照明

測定対象

焦点

a

Y

DIFF

HS(n)

      

DIFF

HS

HS

Y

DIFF

LS(n)

D F

L

L

測定回数を減らすために,すべての方位角と傾角(つまりすべての n)とに対して k1 及び k2 を定数とし L(CL-n)

kL(HL-n)=kL(LL-n)  と仮定する。もし,この仮定が成立しないような新たな方式の場合,式(39)∼式(44)  は
成立せず,表に示す 14 の測定を HL-1…7 及び LL-1…7 に対して繰り返し行う(この場合,全部で 42 の測定を必要
とする。

a)

焦点は,試験フラットパネルの表面に合わせる。

最終的に式(36)  を用いて鏡面反射光分を計算し,

表 40

に記載する。

7

...

1

,

7

...

1

,

)

LS(CL

dark,

)

LS(CL

DIFF,

)

OFF(CL

LS

DIFF,

)

HS(CL

dark,

)

HS(CL

DIFF,

)

OFF(CL

HS

DIFF,

=

=

=

=

n

Y

Y

Y

n

Y

Y

Y

n

n

n

n

n

n

 (36)

 40−拡散光源を用いた間接的測定:測定ステップ 

n= CL-1

CL-2

CL-3

CL-4

CL-5

CL-6

CL-7

照明

測定対象

Y

DIFF

HS-OFF(n)

D F

H

Y

DIFF

LS-OFF(n)

D F

L

8.6.2.2 

測定方法 2   

バックライト付液晶ディスプレイの測定方法で,照明光源(例えば,バックライト)の電源を切り,液

晶の状態を HS 及び LS の状態にすることが可能な場合(例えば,多くのノート型パソコン)

。フラットパ

ネルの電源オン,ただし,フラットパネルに付いている照明はオフとした暗状態及び明状態で,15°にお

ける非鏡面性反射輝度を測定し,

表 41

に記載する。


59

Z 8528-2:2006

 41−拡散光源を用いた直接的測定(参考  すべてのディスプレイで可能とは限らない。) 

=

CL-1 CL-2 CL-3 CL-4 CL-5 CL-6 CL-7

照明

測定対象

焦点

a

Y

DIFF

HS-OFF(n)

    

DIFF

HS

HS

Y

DIFF

LS-OFF(n)

D F

L

L

測定回数を減らすために,すべての方位角及び傾角(つまりすべての n)に対して k1 及び k2 を定数とし L(CL-n)

kL(HL-n)=kL(LL-n)  と仮定した。この仮定が成立しないような新たな方式の場合,式(37)∼式(42)  は成立
せず,表に示す 14 の測定を HL-1…7 及び LL-1…7 に対して繰り返し行う(この場合,全部で 42 の測定を必要とす

る。

a)

焦点は,試験フラットパネルの表面に合わせる。

8.6.2.3 

拡散反射計値の計算   

式(37)及び式(38)  を用いて,拡散反射計値を計算し,

表 42

に記載する。拡散光源の方向が 45°条件で

はなく 30°条件で測定を行った場合には,式(37)  及び式(38)  の q

S-SML

dSTD(dSTD-nS45)

の代わりに  q

S-SML

dSTD(dSTD-nS30)

を用いる。

7

...

1

)

dSTD(CL

DIFF,

)

OFF(CL

HS

DIFF,

)

45

S

dSTD(dSTD

SML,

S

)

OFF(CL

HS

DIFF,

=

×

=

n

Y

Y

q

R

n

n

n

n

 (37)

7

...

1

)

dSTD(CL

DIFF,

)

OFF(CL

LS

DIFF,

)

45

S

dSTD(dSTD

SML,

S

)

OFF(CL

LS

DIFF,

=

×

=

n

Y

Y

q

R

n

n

n

n

 (38)

 42−拡散反射計値の計算結果 

n=

1 2 3 4 5 6 7

照明

測定対象

R

DIFF

HS-OFF(CL-n)

E

H

R

DIFF

LS-OFF(CL-n)

E

L

設計画面照度における輝度を計算し,

表 43

に記載する。

7

...

1

,

s

)

OFF(CL

HS

DIFF,

)

HS(CL

dark,

)

HS(CL

Es,

=

×

+

=

n

E

R

Y

L

n

n

n

 (39)

7

...

1

,

s

)

OFF(CL

LS

DIFF,

)

LS(CL

dark,

)

LS(CL

Es,

=

×

+

=

n

E

R

Y

L

n

n

n

 (40)

7

...

1

,

s

)

OFF(CL

HS

DIFF,

)

0

HS(CL

dark,

)

0

HS(HL

dark,

)

HS(CL

dark,

)

HS(HL

Es,

=

×

+

×

=

n

E

R

Y

Y

Y

L

n

n

n

 (41)

7

...

1

,

s

)

OFF(CL

LS

DIFF,

)

0

LS(CL

dark,

)

0

LS(HL

dark,

)

LS(CL

dark,

)

LS(HL

Es,

=

×

+

×

=

n

E

R

Y

Y

Y

L

n

n

n

 (42)

7

...

1

,

s

)

OFF(CL

HS

DIFF,

)

0

HS(CL

dark,

)

0

HS(LL

dark,

)

HS(CL

dark,

)

HS(LL

Es,

=

×

+

×

=

n

E

R

Y

Y

Y

L

n

n

n

 (43)

7

...

1

,

s

)

OFF(CL

LS

DIFF,

)

0

LS(CL

dark,

)

0

LS(LL

dark,

)

LS(CL

dark,

)

LS(LL

Es,

=

×

+

×

=

n

E

R

Y

Y

Y

L

n

n

n

 (44)


60 
Z 8528-2:2006

 43−設計画面照度における輝度の計算結果 

n=

1 2 3 4 5 6 7

照明

測定対象

Es HS

Es LS

Es HS

Es LS

Es HS

Es LS

8.7 

要求事項の評価   

次に示す数式及び表は,発光型 FPD を対象とする。反射型 FPD を試験する場合は,試験室の照明環境

で測定を実施し,計算によって設計画面照度条件に変換する。照明の与え方及び設計画面照度への変換手

順は,

8.7.27

を参照。

8.7.1 

設計視距離   

製造業者又は販売業者が宣言する設計視距離は,400 mm よりも大きいことを確認する。ただし,

7.1

示すようなある種のアプリケーションの場合には,300 mm よりも大きいことを確認する。

8.7.2 

設計観視方向   

最小傾角範囲は,

図 35

の条件を満たさなければならない(式 45∼式 47 参照)

°

= 80

rangemax

θ

 (45)

÷

÷
ø

ö

ç

ç
è

æ

×

×

=

view

design

active

rangemin

2

arctan

2

D

D

θ

 (46)

2

view

2

view

active

W

H

D

+

=

 (47)

 35

θ

rangemin

の定義

8.7.2.1 

設計傾角の確認   

設計傾角は,式(48)∼式(49)の条件を満たさなければならない。

°

≥ 0

D

θ

 (48)

)

HS(CL

,

E

S

n

L

)

LS(CL

,

E

S

n

L

)

HS(HL

,

E

S

n

L

)

LS(HL

,

E

S

n

L

)

HS(LL

,

E

S

n

L

)

LS(LL

,

E

S

n

L


61

Z 8528-2:2006

range

2

1

40

θ

θ

°

D

 (49)

8.7.2.2 

設計傾角範囲が作業に対して適切であること及びこの規格の適用範囲内であるかの確認   

設計傾角範囲は,式(50)∼式(51)の条件を満たさなければならない。

rangemin

range

θ

θ

 (50)

rangemax

range

θ

θ

 (51)

8.7.2.3 

設計観視方向が文字を識別できるように表示する能力と両立するかの確認   

各パラメータが,式(52)の条件を満たさなければならない。

pixels

9

003200

.

0

2

2

'

22

tan

2

pitch

designview

pitch

designview

×

×

=

÷

ø

ö

ç

è

æ

×

×

V

D

V

D

 (52)

8.7.2.4 

他の項の測定結果に基づき,傾角範囲クラスを特定し,要求クラスに適合しているかを確認する

(表 44 参照)   

 44−観視方向範囲クラスに対する傾角範囲 

Class

viewing

判定基準

備考

θ

range

≧80° 40°より大きい観視角では,文字の幾何学的ゆがみは視認性に

影響を与える大きな要因となる。クラスⅠは,文字のゆがみが
問題とならない傾角において十分な性能を保証する。

θ

range

≧2×

θ

rangemin

θ

range

θ

rangemin

θ

D

要求事項は,設計傾角だけで評価する。

注記  製造業者又は販売業者は,

θ

range

について一つの共通した値又は六つの異なる値(7.57.147.15

7.17

7.19 及び 7.22 のそれぞれの要求事項に対応した異なる評価値)のいずれかを選択してよい。

 45−観視方向範囲クラスに対する傾角範囲 

要求事項

要求傾角範囲クラス

備考

7.5 

色度均一性

7.14 

表示輝度

7.15 

コントラスト

7.17 

反射

7.19 

輝度均一性

7.22 

絶対輝度コーディング

絶対輝度コーディングが使用されている場合

の評価に適用

8.7.2.5 

試験方向範囲の計算   

異方性の FPD の場合には,

表 45

の各要求事項で用いる試験方向範囲を

7.2

及び

8.4.1

に従って計算する。

等方性の FPD の場合には,

8.7.17

を除き,

θ=0°で測定する。詳細については

7.17

及び

8.7.17

を参照。

注記

方位角

φは,θ=0°ならば測定結果に関係しない。

8.7.3 

設計画面照度   

設計画面照度が,

7.3

の規定に合致していることを確認する。測定用光源が CIE 標準光源でない場合に

は,分光放射特性を確認し,適合確認書に記載しなければならない。

8.7.4 

視線角   

視線角は,

ユーザーを含むすべての作業場所の構成要素を同時に評価し,

判定を行わなければならない。


62 
Z 8528-2:2006

現実の応用において,作業姿勢,フラットパネル VDU の配置,寸法などが

7.4

を満たすかを評価すること

が望ましい。

8.7.5 

色の均一性   

色の均一性は,

8.4.2

の条件に合った測定領域見込角の測色計を用い,暗室条件で測定位置の色を測定し,

色の均一性を評価する(

8.4.2

参照)

デフォルトカラーセットが定義されている場合は(

7.25

参照)

,三原色及びデフォルトカラーセットの全

色について評価を実施しなければならない。

デフォルトカラーセットが定義されていない場合は,三原色について評価を実施しなければならない。

設計観視方向範囲のクラスⅣだけで評価する場合は,測定方向 CL-1∼CL-6 での評価は必要としない。

8.7.2

の規定によれば,等方性フラットパネルでは,測定方向 CL-1∼CL6 での評価は必要としない。

8.7.5.1 

測定   

表 46

の測定を実施する。

注記

要求測定数は,ディスプレイの種類,使用目的及び設計観視方向クラスによって異なる[色 m

=1…nは評価する全色数(通常 4∼11)である。

 46−色の均一性測定 

等方性ディスプレイ

異方性ディスプレイ,

Class

Viewing

異方性ディスプレイ,

Class

Viewing

 I

II

III

n=

CL-7

LL-7 HL-7 CL-1

CL-2

CL-3

CL-4

CL-5

CL-6

照明

対象

u'

dark

colour 1(n)

d r

v'

dark

colour 1(n)

d r

色 1,例:基準の白

u'

dark

colour 2(n)

d r

v'

dark

colour 2(n)

d r

色 2,例:赤

u'

dark

colour 3(n)

d r

v'

dark

colour 3(n)

d r

色 3,例:緑

u'

dark

colour 4(n)

d r

v'

dark

colour 4(n)

d r

色 4,例:青

すべてのフラットパネル

u'

dark

colour 5(n)

d r

v'

dark

colour 5(n)

d r

色 5,例:デフォル
トカラーセットの

最初の色

u'

dark

colour 6(n)

d r

v'

dark

colour 6(n)

d r

色 6,例:デフォル
トカラーセットの

2

番目の色

u'

dark

colour m(n)

d r

デフォル

トカラ

ーセッ

トが

規定され

ている

フラッ

トパ

v'

dark

colour m(n)

d r

色 m,例:デフォ
ルトカラーセット
の最後の色

注記  デフォルトカラーセットは,通常 11 色以下である。

8.7.5.2 

計算   

3.2.4

の計算式を用いて,各位置間の

v

u

を式(53)にて算出する。


63

Z 8528-2:2006

(

) (

)

2

2

1

2

2

1

v

v

u

u

v

u

+

=

 (53)

 47−色の均一性の計算 

8.7.5.3 

適合性評価   

7.5

表 8

によって適合性を評価する。関連のあるセルだけを評価する(デフォルトカラーセットの宣言

の有無,等方性又は異方性ディスプレイ,Class

viewing

表 47

のすべての関連する値は,

表 8

の要求値を満足しなければならない。

8.7.6 

文字高   

文字高は,

表 36

の N

H

Height

で求めた値を用い,式(35)  で

Ψを求める。Ψが

表 9

の要求事項を満たして

いることを確認する。

8.7.7 

ストローク幅   

ストローク幅は,

表 36

N

H

hz_stroke

及び

N

H

vt_stroke

で求めた値を用いる。式(54))の不等式を満たすこと

を確認する。

Height

H,

vt_stroke

H,

hz_stroke

H,

Height

H,

20

2

8

N

N

N

N

×

+

×

 (54)

8.7.8 

文字の横−縦の比   

文字の横−縦の比は,

表 36

N

H

Width

及び

N

H

Height

で求めた値を用いる。

Height

H,

Width

H,

N

N

の比が

表 10

の要求

事項を満たすことを確認する。

HL-7,LL-7

HL-7,CL-7

LL-7,CL-7

HL-7,CL-1

HL-7,CL-2

HL-7,CL-3

HL-7,CL-4

HL-7,CL-5

HL-7,CL-6

LL-7,CL-1

LL-7,CL-2

LL-7,CL-3

LL-7,CL-4

LL-7,CL-5

LL-7,CL-6

CL-7,CL-1

CL-7,CL-2

CL-7,CL-3

CL-7,CL-4

CL-7,CL-5

CL-7,CL-6

CL-1,CL-2

CL-1,CL-3

CL-1,CL-4

CL-1,CL-5

CL-1,CL-6

CL-2,CL-3

CL-2,CL-4

CL-2,CL-5

CL-2,CL-6

CL-3,CL-4

CL-3,CL-5

CL-3,CL-6

CL-4,CL-5

CL-4,CL-6

CL-5,CL-6

u'v'dark,

colour-1

(x,y)

u'v'dark,

colour-2

(x,y)

u'v'dark,

colour-3

(x,y)

u'v'dark,

colour-4

(x,y)

u'v'dark,

colour-5

(x,y)

u'v'dark,

colour-m

(x,y)








・・・・

異方性ディスプレイ, Class

viewing

 Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ

異方性ディスプレイ,Class

viewing

 Ⅳ

等方性ディスプレイ





















x=
y=

位置的

位置的/方向的

方向的


64 
Z 8528-2:2006

8.7.9 

充てん率   

次のいずれかの方法で要求事項を満たせばよい。

一つ目の方法では,式(55)の不等式を満たすことによって,1°当たり 30 画素を超えることを確認する。

÷

÷
ø

ö

ç

ç
è

æ

×

>

w

design vie

view

V

2

arctan

60

D

H

N

 (55)

N

v

有効画面の高さを構成する画素数

H

view

有効画面の高さ

D

design view

: 設計視距離

二つ目の方法は,充てん率を直接判定する方法である(

3.4.1

参照)

充てん率が要求事項を満たすことを判定する必要がある場合に,一般にフラットパネル技術は,顕微測

光評価が必要であるが,多くの場合,画素及び副画素のデザインを分析することによって評価する方法が

最もよい[

3.4.7

(画素)及び

3.4.12

(副画素)

。副画素をもつパネルはすべて,それぞれの副画素及びそ

の総計の充てん率を判定することによって評価する。青の副画素が緑の副画素より輝度が低いことは重要

ではない。

8.7.9.1 

顕微測光評価が必要なパネル   

V

pitch

の 10 分の 1 以上の解像度をもつ顕微輝度計又はスリット輝度計を用いて,暗室条件下での画素の

ピーク輝度を見付け,垂直及び水平方向においてピーク輝度のほぼ 50  %の輝度となる位置を特定するこ

とによって,幾何学的に利用できる面積を決定する。充てん率は,ピーク輝度の 50  %以上となる垂直及

び水平方向幅の積を,垂直及び水平方向画素ピッチの積で除したものとする。

カラーフラットパネルの場合には,三原色の各色ごとに 50  %点を測定し,計算する。

画素領域の輝度が,不透明な配線によって部分的に遮られる 2 重基板の AC プラズマ・ディスプレイの

技術を例として示す。

注記

破線内の部分は,50  %輝度等高線の外接部分で,幾何学的に利用できる面積として判定した領

域である(

図 36

参照)

1

:総画素面積

2

:50  %等高線

3

:利用できる画素面積

4

:ピーク輝度

 36−顕微測光の場合 


65

Z 8528-2:2006

8.7.9.2 

設計図面により評価可能なパネル   

多くのフラットパネルは,画素構成の設計図面を分析することによって,簡便に,正確に充てん率を求

めることができる。

製造業者及び販売業者は,要求される図面を提供しなければならない。カラーパネルは,赤,緑,青の

副画素(

3.4.12

参照)のアパーチャの合計面積を,画素の面積で除する。

注記

図 37

は,典型的なカラーパネルの例である。

画素総面積が 1×1 の場合,ブラックマトリックスの幅を 0.1 とすると,ブラックマトリックスの面積は,3×0.9×

0.1

+1×0.1=0.37 である。この例の充てん率は,1−0.37=0.63 となる。

注記  この図は四つの画素を示している。

 37RGB で構成されるカラーパネルの画素 

図 38

は,光の出力が,垂直方向と水平方向との電極が交差する面積に比例するディスプレイにおいて,

グレースケールの効果を生み出す副画素の電極パターンの例を示す。

この画素面積は 7×7=49 である。交差面積は,1,2,4,8 で合わせて 15 である。充てん率は 15/49=0.31 で基準を

満たす。 
注記  この図は四つの画素を示している。

 38−二進法の重み付けをした副画素によるグレースケール表示の例 


66 
Z 8528-2:2006

8.7.10 

文字の画素構成   

文字の画素構成は,

表 36

N

H

Height

及び

N

H

Width

で求めた値を用いる。

N

H

Height

及び

N

H

Width

表 11

要求事項を満たすことを確認する。フォントが

7.10

の要求事項を満たすことを確認する。

8.7.11 

文字間距離   

定義については,

8.5

を参照し,フォント及びアプリケーションが

7.11

の要求事項を満たすことを確認

する。

8.7.12 

単語間距離   

定義については,

8.5

を参照し,フォント及びアプリケーションが

7.12

の要求事項を満たすことを確認

する。

8.7.13 

行間距離   

定義については,

8.5

を参照し,フォント及びアプリケーションが

7.13

の要求事項を満たすことを確認

する。

8.7.14 

表示輝度   

8.6

表 43

の値を用いる。次の 21 とおりの式(56)の不等式を満たすことを確認する。

2

)

(

HS

,

E

cd/m

20

)

Tol

1

(

S

×

+

n

L

n

=CL-1

∼CL-7,HL-1∼HL-7,LL-1∼LL-7  (56)

8.7.15 

輝度コントラスト   

8.6

表 43

の値を用いる。

次の式(57)及び式(58)

いずれかの不等式の 21 とおりを満たすことを確認する。

55

.

0

)

(

LS

,

s

E

55

.

0

)

(

LS

,

s

E

)

(

LS

,

s

E

)

(

HS

,

s

E

)

(

LS

,

s

E

)

(

HS

,

s

E

)

(

5

1

)

(

5

)

Tol

1

(

)

Tol

1

(

×

+

×

×

+

+

×

+

=

n

n

n

n

n

n

L

L

L

L

L

L

Cm

n

=CL-1..CL-7

,HL-1..HL-7, LL-1..LL-7  (57)

)

10

1

(

)

Tol

1

(

55

.

0

LS

,

s

E

)

(

LS

,

s

E

)

(

HS

,

s

E

×

+

×

+

L

L

L

n

n

n

=CL-1..CL-7

,HL-1..HL-7, LL-1..LL-7  (58)

8.7.16 

輝度バランス   

輝度バランスは,作業現場で評価しない限り,完全には評価することができない。

8.7.16.1 

作業現場における評価   

a)

フラットパネルの

L

Ea

HS(HL-7)

を測定する。

L

Ea

HS(HL-7)

は,実際の作業現場の照明下において,設計観視

方向でアプリケーションが指定する最高輝度状態におけるディスプレイの該当領域の面積平均輝度と

する。

b)

L

Ea

task area(TA-min)

及び

L

Ea

task area(TA-max)

を測定する。

L

Ea

task area(TA-min)

及び

L

Ea

task area(TA-max)

は,実際の作業現

場の照明下において,ディスプレイを用いた作業中に,次々と頻繁に視線を向ける作業領域(文書,

カバーなど)の最低面積平均輝度及び最高面積平均輝度とする。

c)

L

Ea

HS(HL-7)

L

Ea

task area(TA-min)

及び

L

Ea

task area(TA-max)

は,次の式(59)の基準を満たすことが望ましい。

0.1

×

L

Ea

task area(TA-max)

L

Ea

HS(HL-7)

≦10×

L

Ea

task area(TA-min)

 (59)

8.7.16.2 

実験室での評価   

スクリーンと他の機器(カバー,キーボードなど)との間の輝度バランスは,宣言する設計画面照度を

用いて試験室で評価してもよい。

a)

L

Es

HS(HL-7)

の推定

1)

8.6

表 43

から,

L

Es

HS(CL-n)

L

Es

HS(HL-n)

及び

L

Es

HS(LL-n)

(

n

=1

∼6)の 18 個の輝度値を算出する。

2)

L

Es

HS(HL-7)

の値として,

表 43

の最小値を選択する。

b)

L

Es

task area(TA-min)

及び

L

Es

task area(TA-max)

の推定(

表 48

参照)


67

Z 8528-2:2006

1)

Y

DIFF

task area(TA-min)

及び

Y

DIFF

task area(TA-max)

を測定する。

Y

DIFF

task area(TA-min)

及び

Y

DIFF

task area(TA-max)

は,試験

室で拡散光を照射した照明下において,ディスプレイを用いた作業中に,次々と頻繁に視線を向け

る機器(カバー,キーボードなど)の面積平均輝度が最も低いところ,及び最も高いところの輝度

とする。

2)

Y

DIFF

dSTD(TA-min)

及び

Y

DIFF

dSTD(TA-max)

を測定する。

Y

DIFF

dSTD(TA-min)

は,

1

)

における

Y

DIFF

task area(TA-min)

場所に置かれた標準拡散反射板の輝度とし,

Y

DIFF

dSTD(TA-max)

は,

1

)

における

Y

DIFF

task area(TA-max)

の場所

に置かれた標準拡散反射板の輝度とする。

 48−作業領域及びその場所での標準拡散反射板の測定値 

測定

n=min

n=max

照明

測定対象

焦点

Y

DIFF

task area(TA-n)

DIFF

task area

task area

Y

DIFF

dSTD(TA-n)

DIFF

dSTD

dSTD

3)

L

Es

task area(TA-min)

及び

L

Es

task area(TA-max)

の計算は式(60)になる

max

min,

,

)

dSTD(TA

DIFF,

)

45

S

dSTD(dSTD

SML,

)

A

taskarea(T

DIFF,

)

A

taskarea(T

,

S

S

=

×

=

×

n

Y

E

Y

L

n

S

n

q

n

n

E

 (60)

c)

L

Es

HS(HL-7)

L

Es

task area(TA-min)

及び

L

Es

task area(TA-max)

は,次の式(61)の基準を満たすことが望ましい。

min)

A

taskarea(T

,

7)

HS(HL

,

max)

A

taskarea(T

,

S

S

S

10

1

.

0

×

×

E

E

E

L

L

L

 (61)

注記

製品の輝度バランスの特性は,オフィスで使用する典型的な対象物(標準的な用紙,雑誌な

ど)の

L

DIFF

task area(TA-min)

及び

L

DIFF

task area(TA-max)

を測定することによって,試験室でさらなる分

析が可能である。

8.7.17 

反射   

8.7.17.1 

概要   

製造業者又は販売業者が指定する

7.17

表 13

の反射クラスを確認する。試験はポジティブ表示,ネガ

ティブ表示,又は両者で行うかを記録する。

注記

クラスⅠでは,輝度率

βは,15°及び 1°の光源の両者で評価する。

これらの測定は,CL-

n

S

n

は 1∼6)の位置で行う。測定距離及び輝度計のアパーチャは,測定領域が

小光源の反射像寸法の半分未満となるように設定しなければならない。ただし,測定領域円内に少なくと

も 10 画素を含む大きさでなければならない。この評価のすべての測定には,

図 39

に示すように輝度計を

配置しなければならない。

輝度計を配置したときの側面図。輝度計は(15°,φ)に配置する。

 39−反射評価のための測定配置 

クラスの選択によっては,

図 40

に示す小光源又は大光源のいずれか,又は両方を必要とする。


68 
Z 8528-2:2006

1

:小光源用の 1°の開口部

2

:大光源用の 15°以上の開口部

3

:大光源の場合には 1°∼2°の範囲の測定領域見込角,小光源の場合には 0.3°以下

の測定領域見込角

測定構成の側面図。光源は(15°,φ+180°)

,輝度計は(15°,φ)に配置する。

 40−輝度率βを評価する構成 

図 41

に,鏡面反射測定用構成の相対関係図を示す。

1

:光源(開口部が 15°の場合)

2

:スポット輝度計

3

:パネル又は標準反射板

測定構成の相対関係図。光源は(15°,φ+180°)

,輝度計は(15°,φ)に配置する。

 41−鏡面反射測定の相対関係図 

標準拡散反射板及び標準鏡面反射板を用いて測定した,次のデータを必要とする(これまで同様,輝度

の計算途中の記号として

Y

を用いる。

輝度計は,

表 49

51

に規定するように焦点を合わせなければならない。小光源の鏡面反射を測定する場

合には,反射輝度のピークを決めることができるように,光源に輝度計の測定領域見込角を合わせる操作

は,0.2°未満の角度分解能でできなければならない。

8.7.17.2 

測定   


69

Z 8528-2:2006

8.7.17.2.1 

光源   

光源の輝度の測定は,次のいずれかの方法で行う。

8.7.17.2.1.1 

方法 1,標準鏡面反射板を使わない場合   

 49−光源の輝度の測定 

Lg

照明

測定対象

焦点

Y

S-EXT

S-EXT(Lg)

  S-EXT S-EXT

S-EXT

a

Y

S-SML

S-SML(Lg)

   S-SML S-SML

S-SML

b

光源の輝度を測定する。 
注記  測定距離(輝度計から光源)が,フラットパネルの反射測定での距離

(輝度計からフラットパネルまでの距離+フラットパネルから光源ま

での距離)と同じにする場合,最も高い精度が達成される。

a)

焦点を,光源の開口部に合わせる。

b)

焦点を,光源の開口部に合わせる。

8.7.17.2.1.2 

方法 2,標準鏡面反射板を使用する場合   

CL-0S

における標準鏡面反射板の輝度を測定する(

表 50

。その測定値から式(62)を用いて光源の輝度を

計算する(

表 51

 50−標準鏡面反射板の測定 

 CL-0S

照明

測定対象

焦点

a

Y

S-EXT

sSTD(CL-0S)

   S-EXT sSTD S-EXT

Y

S-SML

sSTD(CL-0S)

   S-SML sSTD S-SML

光源の輝度を計算するために必要な値を測定する。

a)

焦点を,光源の開口部に合わせる。

0S)

STD(CL

SML,

S

0S)

sSTD(CL

SML,

S

g)

SML(

S

SML,

S

0S)

STD(CL

EXT,

S

0S)

sSTD(CL

EXT,

S

g)

EXT(

S

EXT,

S

=

=

β

β

Y

Y

Y

Y

L

L

 (62)

 51−光源の輝度の計算 

Lg

照明

測定対象

Y

S-EXT

S-EXT(Lg)

   S-EXT  S-EXT

Y

S-SML

S-SML(Lg)

   S-SML  S-EXT

光源の輝度を測定する。 
注記  測定距離(輝度計から光源)が,フラットパネルの反射測定で

の距離(輝度計からフラットパネルまでの距離+フラットパネ

ルから光源までの距離)と同じにする場合,最も高い精度が達
成される。

注記

標準鏡面反射板を使用する場合,方法 1 に比べ,次の要因によって測定の不確かさが生じる。

−  標準鏡面反射板の校正の精度

−  標準鏡面反射板の位置合せの精度

−  標準鏡面反射板の方位角変化の可能性

Y

S-EXT

S-EXT(Lg)

及び

Y

S-SML

S-SML(Lg)

を推定するとき,増加する不確実性を明らかにするために,標準鏡面反

射板の校正データを使用する。

8.7.17.2.2 

標準拡散反射板   


70 
Z 8528-2:2006

均一な拡散光源(例えば,大きな積分球)

,標準拡散反射板及び輝度計間の方位角角度に依存しないシス

テム(例えば,偏光に依存しない)に対しては,

表 52

中の値がすべて

n

の値に対し一定であるので,一つ

の方位角角度(例えば,CL-0)だけ測定する。

 52−標準拡散反射板の測定 

n=

CL-1S CL-2S CL-3S

CL-4S

CL-5S

CL-6S

光源

測定対象

焦点

a

Y

DIFF

dSTD(n)

D F

d T

d T

注記 1  標準拡散反射板の反射特性が方位角角度の測定に依存しない場合,dSTD の測定は一つの方位角角度(例え

ば,CL-0S)だけで行う。

注記 2  測定システムの配置が正確で安定していれば,この表の中の dSTD 値は,一連の測定プロセスにおいて同じ

でよい。したがって,これらの値はシステムに対する品質を保証する値として使用してもよい。

a)

焦点を,フラットパネルの表面に合わせる。

8.7.17.2.3 

フラットパネルの傾角 15°における発光輝度   

フラットパネルの特性を次の組合せで測定し,

表 53

に記載する。

−  状態(明状態,暗状態)

−  観視方向(CL-1S…6S)

 53−暗室条件での測定 

n=

CL-1S CL-2S CL-3S CL-4S

CL-5S

CL-6S

光源

測定対象

焦点

a

Y

dark

HS(n)

  

dark

HS

HS

Y

dark

LS(n)

  

dark

LS

LS

a)

焦点を,フラットパネル表面に合わせる。

8.7.17.2.4 

反射計値を求めるための測定   

反射計値の測定は,

8.7.17.2.4.1

の測定による。ただし,バックライトだけをオフにすることができる場

合には,

8.7.17.2.4.2

の測定による。

8.7.17.2.4.1 

測定方法 1   

すべてのディスプレイでの測定方法(

表 54

58

参照)  この測定の前に,フラットパネルの電源を入れ

る。そして,光源の開口部の輝度を測定しておく(

8.7.17.2.1

参照)

 54−鏡面光源を用いた測定のステップ 

n=

CL-1S CL-2S CL-3S CL-4S

CL-5S

CL-6S

光源

測定対象

焦点

a

Y

S-EXT

HS-F_EXT(n)

 

S-EXT

HS

S-EXT

Y

S-EXT

LS-F_EXT(n)

 

S-EXT

LS

S-EXT

Y

S-SML

HS-F_SML(n)

 

S-SML

HS

S-SML

Y

S-SML

LS-F_SML(n)

 

S-SML

LS

S-SML

a)

これらの 24 の測定では,光源の開口部に焦点を合わせる。標準鏡面反射板を用いて焦点合せをすることが望
ましい(8.7.17.2.1.2 参照)

ステップ 1 で測定配置がずれないように,注意深く光源を遮光する。光源に焦点を合わせたまま(ただ

し,光源はカバーされて遮光されている状態。

,フラットパネルの輝度を測定する。


71

Z 8528-2:2006

 55−鏡面光源を用いた測定のステップ 

n=

CL-1S CL-2S CL-3S CL-4S

CL-5S

CL-6S

光源

測定対象

焦点

a

Y

dark

HS-F_EXT(n)

a

H

S-EXT

Y

dark

LS-F_EXT(n)

a

L

S-EXT

Y

dark

HS-F_SML(n)

a

H

S-SML

Y

dark

LS-F_SML(n)

a

L

S-SML

これらの値は,フラットパネルからの発光がないときの鏡面反射成分を計算するために必要となる。

EUT

と小光源の距離,及び EUT と大光源の距離が同じ場合,1 行目は 3 行目に等しく,2 行目は 4 行目に等しい。

a)

これらの 24 の測定では,遮光された光源の開口部に焦点を合わせる。

式(63)  によって鏡面反射輝度を計算し,

表 56

に記載する。

6

...

1

,

6

...

1

,

6

...

1

,

6

...

1

,

nS)

-

F_SML(CL

LS

dark,

S)

F_SML(CL

LS

SML,

S

S)

OFF(CL

LS

SML,

S

nS)

-

F_SML(CL

HS

dark,

S)

F_SML(CL

HS

SML,

S

S)

OFF(CL

HS

SML,

S

nS)

-

F_EXT(CL

LS

dark,

S)

F_EXT(CL

LS

EXT,

S

S)

OFF(CL

LS

EXT,

S

nS)

-

F_EXT(CL

HS

dark,

S)

F_EXT(CL

HS

EXT,

S

S)

OFF(CL

HS

EXT,

S

=

=

=

=

=

=

=

=

n

Y

Y

Y

n

Y

Y

Y

n

Y

Y

Y

n

Y

Y

Y

n

n

n

n

n

n

n

n

 (63)

 56−鏡面光源を用いた測定のステップ 3:計算結果 

n=

CL-1S CL-2S CL-3S CL-4S CL-5S CL-6S

光源

測定対象

Y

S-EXT

HS-OFF(n)

- X

H

Y

S-EXT

LS-OFF(n)

    

S-EXT

LS

Y

S-SML

HS-OFF(n)

    

S-SML

HS

Y

S-SML

LS-OFF(n)

    

S-SML

LS

フラットパネルの電源を入れたまま,明状態及び暗状態の両方において,傾角 15°における拡散反射輝

度を測定し,

表 57

に記載する。

 57−拡散光源を用いた測定のステップ 

n=

CL-1S CL-2S CL-3S CL-4S

CL-5S

CL-6S

光源

測定対象

焦点

a

Y

DIFF

HS(n)

  

DIFF

HS

HS

Y

DIFF

LS(n)

  

DIFF

LS

LS

測定回数を減らすために,すべての方位角及び傾角(つまりすべての n)に対して,k1 及び k2 を定数とし,L(CL-n)

kL(HL-n)=kL(LL-n)と仮定する。この仮定が成立しないような新たな方式の場合,この式は成立せず,表
に示す 12 の測定を HL-1…6 及び LL-1…6 に対して繰り返し行う(この場合,全部で 36 の測定を必要とする)

a)

焦点を,フラットパネル表面に合わせる。

式(64)  によって拡散反射輝度を計算し,

表 58

に記載する。

6

...

1

,

6

...

1

,

S)

LS(CL

dark,

S)

LS(CL

DIFF,

S)

OFF(CL

LS

DIFF,

S)

HS(CL

dark,

S)

HS(CL

DIFF,

S)

OFF(CL

HS

DIFF,

=

=

=

=

n

Y

Y

Y

n

Y

Y

Y

n

n

n

n

n

n

 (64)

 58−拡散光源を用いた測定のステップ 2:計算結果 

n=

CL-1S CL-2S CL-3S CL-4S CL-5S CL-6S

光源

測定対象

Y

DIFF

HS-OFF(n)

D F

H

Y

DIFF

LS-OFF(n)

D F

L

8.7.17.2.4.2 

測定方法 2(代替測定方法)   

フラットパネルの電源を入れたまま,フラットパネル内蔵のバックライトだけをオフにし,暗状態及び

明状態で,鏡面反射輝度を測定し,

表 59

に記載する。


72 
Z 8528-2:2006

 59−鏡面反射輝度の直接測定(バックライトだけをオフにすることができる場合) 

n=

CL-1S CL-2S CL-3S CL-4S

CL-5S

CL-6S

光源

測定対象

焦点

a

Y

S-EXT

HS-OFF(n)

 

S-EXT

HS-OFF

S-EXT

Y

S-EXT

LS-OFF(n)

 

S-EXT

LS-OFF

S-EXT

Y

S-SML

HS-OFF(n)

 

S-SML

HS-OFF

S-SML

Y

S-SML

LS-OFF(n)

 

S-SML

LS-OFF

S-SML

a)

これらの 24 の測定での焦点は,光源の開口部に合わせる。

フラットパネルの電源を入れたまま,フラットパネル内蔵のバックライトだけをオフにし,暗状態及び

明状態で,傾角 15°における拡散反射輝度を測定し,

表 60

に記載する。

 60−拡散反射輝度の直接測定(バックライトだけをオフにすることができる場合) 

n=

CL-1S CL-2S CL-3S CL-4S

CL-5S

CL-6S

光源

測定対象

焦点

a

Y

DIFF

HS-OFF(n)

 

DIFF

HS

HS

Y

DIFF

LS-OFF(n)

 

DIFF

LS

LS

測定回数を減らすために,すべての方位角と傾角(つまりすべての n)に対して,k1 及び k2 を定数とし,L(CL-n)
kL(HL-n)=kL(LL-n)と仮定する。この仮定が成立しないような新たな方式の場合,この式は成立せず,表
に示す 12 の測定を HL-1...6 及び LL-1...6 に対して繰り返し行う(この場合,全部で 36 の測定を必要とする。

a)

焦点を,フラットパネル表面に合わせる。

8.7.17.2.4.3 

鏡面反射測定系における拡散反射輝度   

拡散反射板の輝度を測定し,

表 61

に記載する。

 61−鏡面反射測定系における拡散反射輝度の測定 

n=

CL-1S CL-2S CL-3S CL-4S

CL-5S

CL-6S

光源

測定対象

焦点

a

Y

S-EXT

dSTD(n)

 

S-EXT

dSTD

S-EXT

Y

S-SML

dSTD(n)

 

S-SML

dSTD

S-SML

注記 1  標準拡散反射板の反射特性が方位角角度の測定に依存しない場合,この測定は一つの方位角角度(例えば

CL-0S

)だけで行う。

注記 2  測定システムの配置が正確で安定していれば,この表の値は,一連の測定プロセスにおいて同じでよい。

したがって,これらの値は,システムに対する品質を保証する値として使用してもよい。

a)

これら(の)12 回の測定の焦点は,dSTD に合わせる。

8.7.17.3 

計算の中で使用される記号   

この規格では,フラットパネルの発光輝度が極性に依存しないと仮定しており,

JIS Z 8517

では,CRT

ディスプレイの輝度が,極性に依存するので,発光輝度は,各極性ごとに別々に測定する(

表 62

の項目 1)

異方性ディスプレイの反射特性が,方位角に依存するので,この規格の多くの測定が,六つの異なる方

位角角度で繰り返され,フラットパネルが等方性の場合,一つの方位角角度の測定を行う。例えば,CL-0S

表 62

の項目 1,2 及び 3)

液晶の配光は,LCD の反射率に影響するので,測定はフラットパネルの電源を入れたまま,暗状態及び

明状態で行う。フラットパネルの状態が,反射特性に影響しない場合,オフ状態だけで測定を行う(

表 62

の項目 1,2,3 及び 4)


73

Z 8528-2:2006

 62−計算で必要とされるデータ 

項目

JIS Z 8517

の記号

JIS Z 8517

をこの規格の記号で表

この規格で用いる記号

1

L

B(15

°

)

ポジティブ極性

Y

dark

HS-pospol(CL-0S)

Y

dark

HS(CL-nS)

  n=1…6

L

F(15

°

)

ネガティブ極性

Y

dark

HS-negpol(CL-0S)

L

F(15

°

)

ポジティブ極性

Y

dark

LS-pospol(CL-0S)

Y

dark

LS(CL-nS)

  n=1…6

L

B(15

°

)

ネガティブ極性

Y

dark

LS-negpol(CL-0S)

2

L

DS(SML

15

°

)

Y

S-SML

OFF(CL-0S)

Y

S-SML

HS-OFF(CL-nS)

  n=1…6

Y

S-SML

LS-OFF(CL-nS)

  n=1…6

L

DS(STD

15

°

)

Y

S-SML

dSTD(CL-0S)

Y

S-SML

dSTD(CL-nS)

  n=1…6

3

L

DS(EXT

15

°

)

Y

S-EXT

OFF(CL-0S)

Y

S-EXT

HS-OFF(CL-nS)

  n=1…6

Y

S-EXT

LS-OFF(CL-nS)

  n=1…6

L

D(STD

15

°

)

Y

S-EXT

dSTD(CL-0S)

Y

S-EXT

dSTD(CL-nS)

  n=1…6

4

L

D(0

°

)

Y

DIFF

OFF(CL-0)

Y

DIFF

HS-OFF(CL-nS)

  n=1…6

Y

DIFF

LS-OFF(CL-nS)

  n=1…6

L

D(STD

0

°

)

Y

DIFF

dSTD(CL-0)

Y

DIFF

dSTD(CL-nS)

  n=1…6

5

L

A(SML)

Y

S-SML

S-SML(Lg)

Y

S-SML

S-SML(Lg)

L

A(EXT)

Y

S-EXT

S-EXT(Lg)

Y

S-EXT

S-EXT(Lg)

8.7.17.4 

反射計値の計算   

拡散光源の配置が,45°入射ではなく,30°入射で行った場合(

図 29

参照)

,式(65)及び式(66)において,

q

S-SML dSTD(dSTD-n45)

の代わりに

q

S-SML dSTD(dSTD-n30)

を使用する。

拡散反射についての反射計値を計算し,

表 63

に記載する。

6

...

1

,

S)

dSTD(CL

DIFF,

S)

OFF(CL

HS

DIFF,

45)

dSTD(dSTD

SML,

S

S)

OFF(CL

HS

DIFF,

=

×

=

n

Y

Y

q

R

n

n

n

n

 (65)

6

...

1

,

S)

dSTD(CL

DIFF,

S)

OFF(CL

LS

DIFF,

45)

dSTD(dSTD

SML,

S

S)

OFF(CL

LS

DIFF,

=

×

=

n

Y

Y

q

R

n

n

n

n

 (66)

 63−拡散反射計値の計算 

n=

CL-1S CL-2S CL-3S CL-4S CL-5S CL-6S

測定対象

R

DIFF

HS-OFF(n)

H

R

DIFF

LS-OFF(n)

L

注記  この反射計値は,45°/0°での拡散反射及びヘイズ反射を重ね合わせたものである。鏡面反射で

ない反射を完全に表すものではない。反射の特性については,

附属書 で更に考察する。

式(67)∼式(70)  を用いて,大光源及び小光源に対する反射計値を計算し,

表 64

に記載する。

6

...

1

,

g)

EXT(

EXT,S

S

)

15

S

dSTD(dSTD

SML,

S

)

S

OFF(CL

HS

DIFF,

)

S

dSTD(CL

EXT,

S

)

S

OFF(CL

HS

EXT,

S

)

S

OFF(CL

HS

EXT,

S

=

×

=

n

Y

q

R

Y

Y

R

L

n

n

n

n

n

 (67)

6

...

1

,

g)

EXT(

EXT,S

S

)

15

S

dSTD(dSTD

SML,

S

)

S

OFF(CL

LS

DIFF,

)

S

dSTD(CL

EXT,

S

)

S

OFF(CL

LS

EXT,

S

)

S

OFF(CL

LS

EXT,

S

=

×

=

n

Y

q

R

Y

Y

R

L

n

n

n

n

n

 (68)


74 
Z 8528-2:2006

6

...

1

,

g)

SML(

SML,S

S

)

15

S

dSTD(dSTD

SML,

S

)

S

OFF(CL

HS

DIFF,

)

S

dSTD(CL

SML,

S

)

S

OFF(CL

HS

SML,

S

)

S

OFF(CL

HS

SML,

S

=

×

=

n

Y

q

R

Y

Y

R

L

n

n

n

n

n

 (69)

6

...

1

,

g)

(

S

SML,

S

)

15

S

dSTD(dSTD

SML,

S

)

S

OFF(CL

LS

DIFF,

)

S

dSTD(CL

SML,

S

)

S

OFF(CL

LS

SML,

S

)

S

OFF(CL

LS

SML,

S

=

×

=

n

Y

q

R

Y

Y

R

L

SML

n

n

n

n

n

 (70)

注記

式(67)∼式(70)  の第 2 項は,鏡面反射でない反射成分を見積もっている(

JIS Z 8517

参照)

。特

に,小光源の反射の場合,第 2 項は多くの場合ほぼ 0 である。

 64−鏡面反射計値の計算 

n=

CL-1S CL-2S CL-3S CL-4S CL-5S CL-6S

測定対象

R

S-EXT

HS-OFF(n)

H

R

S-EXT

LS-OFF(n)

L

R

S-SML

HS-OFF(n)

H

R

S-SML

LS-OFF(n)

L

表 65

は,

JIS Z 8517

及びこの規格で使用される反射計値について示す。

 65−反射計値について 

JIS Z 8517

の記号

JIS Z 8517

をこの規格の記号

で表現

この規格で用いる記号

R

D

R

DIFF

OFF(CL-0S)

R

DIFF

HS-OFF(CL-nS)

  n=1…6

R

DIFF

LS-OFF(CL-nS)

  n=1…6

R

S-EXT

R

S-EXT

OFF(CL-0S)

R

S-EXT

HS-OFF(CL-nS)

  n=1…6

R

S-EXT

LS-OFF(CL-nS)

  n=1…6

R

S-SML

R

S-SML

OFF(CL-0S)

R

S-SML

HS-OFF(CL-nS)

  n=1…6

R

S-SML

LS-OFF(CL-nS)

  n=1…6

8.7.17.5 

標準外光照明条件への変換   

EUT

の発光輝度,及び設計画面照度における EUT からの反射輝度の和を,式(71)及び式(72)を用いて計

算し,結果を

表 66

に記載する。

6

...

1

,

)

D

OFF(CL

HS

DIFF,

s

)

S

HS(CL

dark,

)

S

HS(CL

Es,

=

×

+

=

n

R

E

Y

L

n

n

n

 (71)

6

...

1

,

)

D

OFF(CL

LS

DIFF,

s

)

S

LS(CL

dark,

)

S

LS(CL

Es,

=

×

+

=

n

R

E

Y

L

n

n

n

 (72)

 66−発光輝度及び拡散反射輝度の和 

n=

CL-1S CL-2S CL-3S CL-4S CL-5S CL-6S

光源

測定対象

L

Es

HS(n)

Es HS

L

Es

LS(n)

Es LS

表 66

の値を用いて,鏡面反射光源による反射を加えた値を求める。反射クラスⅠの場合は式(73)を,反

射クラスⅢの場合には式(74)を用いて計算し,

表 67

に記載する。


75

Z 8528-2:2006

6

...

1

,

6

...

1

,

6

...

1

,

6

...

1

,

)

S

OFF(CL

LS

SML,

S

REFSML_I

)

S

LS(CL

Es,

)

S

LS(CL

REFSML_I,

Es

)

S

OFF(CL

HS

SML,

S

REFSML_I

)

S

HS(CL

Es,

)

S

HS(CL

REFSML_I,

Es

)

S

OFF(CL

LS

EXT,

S

REFEXT_I

)

S

LS(CL

Es,

)

S

LS(CL

REFEXT_I,

Es

)

S

OFF(CL

HS

EXT,

S

REFEXT_I

)

S

HS(CL

Es,

)

S

HS(CL

REFEXT_I,

Es

=

×

+

=

=

×

+

=

=

×

+

=

=

×

+

=

+

+

+

+

n

R

L

L

L

n

R

L

L

L

n

R

L

L

L

n

R

L

L

L

n

n

n

n

n

n

n

n

n

n

n

n

 (73)

6

...

1

,

6

...

1

,

6

...

1

,

6

...

1

,

)

S

OFF(CL

LS

SML,

S

REFSML_III

)

S

LS(CL

Es,

)

S

LS(CL

,

REFSML_III

Es

)

S

OFF(CL

HS

SML,

S

REFSML_III

)

S

HS(CL

Es,

)

S

HS(CL

,

REFSML_III

Es

)

S

OFF(CL

LS

EXT,

S

REFEXT_III

)

S

LS(CL

Es,

)

S

LS(CL

,

REFEXT_III

Es

)

S

OFF(CL

HS

EXT,

S

REFEXT_III

)

S

HS(CL

Es,

)

S

HS(CL

,

REFEXT_III

Es

=

×

+

=

=

×

+

=

=

×

+

=

=

×

+

=

+

+

+

+

n

R

L

L

L

n

R

L

L

L

n

R

L

L

L

n

R

L

L

L

n

n

n

n

n

n

n

n

n

n

n

n

 (74)

 67−適合判定のための輝度の計算結果 

n=

CL-1S CL-2S CL-3S

CL-4S

CL-5S

CL-6S

照明

測定対象

L

Es+REFEXT_I

HS(n)

Es+REFEXT_

Ⅰ HS

L

Es+REFEXT_I

LS(n)

Es+REFEXT_

Ⅰ LS

L

Es+REFSML_I

HS(n)

Es+REFSML_

Ⅰ HS

L

Es+REFSML_I

LS(n)

Es+REFSML_

Ⅰ LS

L

Es+REFEXT_

Ⅲ,

HS(n)

Es+REFEXT_

Ⅲ HS

L

Es+REFEXT_

Ⅲ,

LS(n)

Es+REFEXT_

Ⅲ LS

L

Es+REFSML_

Ⅲ,

HS(n)

Es+REFSML_

Ⅲ HS

L

Es+REFSML_

Ⅲ,

LS(n)

Es+REFSML_

Ⅲ LS

8.7.17.6 7.17.1

への適合性の評価   

反射クラスⅠについては,

n

CL-1S

CL-6S

表 67

の各値に対して,式

(75)

及び式

(76)

の両者を満たす

ことを確認する。

(

)

55

.

0

)

(

LS

I,

REFSML

s

)

(

LS

I,

REFSML

s

)

(

HS

REFSML_I,

s

10

1

)

Tol

1

(

+

+

+

×

+

×

+

n

E

n

E

n

E

L

L

L

 (75)

(

)

55

.

0

)

(

LS

I,

REFEXT

s

)

(

LS

I,

REFEXT

s

)

(

HS

REFEXT_I,

s

10

1

)

Tol

1

(

+

+

+

×

+

×

+

n

E

n

E

n

E

L

L

L

 (76)

反射クラスⅡについては,

n

CL-1S

CL-6S

表 67

の各値に対して,式

(77)

及び式

(78)

のいずれかを満

たすことを確認する。

(

)

55

.

0

)

(

LS

I,

REFSML

s

)

(

LS

I,

REFSML

s

)

(

HS

REFSML_I,

s

10

1

)

Tol

1

(

+

+

+

×

+

×

+

n

E

n

E

n

E

L

L

L

 (77)

(

)

55

.

0

)

(

LS

I,

REFEXT

s

)

(

LS

I,

REFEXT

s

)

(

HS

REFEXT_I,

s

10

1

)

Tol

1

(

+

+

+

×

+

×

+

n

E

n

E

n

E

L

L

L

 (78)

反射クラスⅢについては,

n

CL-1S

CL-6S

表 67

の各値に対して,式

(79)

及び式

(80)

のいずれかを満

たすことを確認する。


76 
Z 8528-2:2006

(

)

55

.

0

)

(

LS

III,

REFSML

s

)

(

LS

III,

REFSML

s

)

(

HS

,

REFSML_III

s

10

1

)

Tol

1

(

+

+

+

×

+

×

+

n

E

n

E

n

E

L

L

L

 (79)

(

)

55

.

0

)

(

LS

III,

REFEXT

s

)

(

LS

III,

REFEXT

s

)

(

HS

,

REFEXT_III

s

10

1

)

Tol

1

(

+

+

+

×

+

×

+

n

E

n

E

n

E

L

L

L

 (80)

8.7.17.7 7.17.2

への適合性の評価   

反射クラスⅠのポジティブ表示については,

n

CL-1S

CL-6S

表 67

の各値に対して,式

(81)

及び式

(82)

x

の両者を満たすことを確認する。

25

.

1

)

(

HS

s,

)

(

OFF

HS

I,

REFSML

)

(

HS

s,

+

n

E

n

n

E

L

L

L

 (81)

25

.

1

)

(

HS

s,

)

(

OFF

HS

I,

REFEXT

)

(

HS

s,

+

n

E

n

n

E

L

L

L

 (82)

反射クラスⅠのネガティブ表示については,

n

CL-1S

CL-6S

表 67

の各値に対して,式

(83)

及び式

(84)

の両者を満たすことを確認する。

)

(

LS

s,

)

(

HS

s,

)

(

LS

s,

)

(

,

OFF

LS

I,

REFSML

)

(

LS

s,

15

1

25

.

1

n

E

n

E

n

E

n

n

E

L

L

L

L

L

×

+

+

 (83)

)

(

LS

s,

)

(

HS

s,

)

(

LS

s,

)

(

,

OFF

LS

I,

REFEXT

)

(

LS

s,

15

1

25

.

1

n

E

n

E

n

E

n

n

E

L

L

L

L

L

×

+

+

 (84)

反射クラスⅡのポジティブ表示については,

n

CL-1S

CL-6S

表 67

の各値に対して,式

(85)

及び式

(86)

のいずれかを満たすことを確認する。

25

.

1

)

(

HS

s,

)

(

,

OFF

HS

I,

REFSML

)

(

HS

s,

+

n

E

n

n

E

L

L

L

 (85)

25

.

1

)

(

HS

s,

)

(

,

OFF

HS

I,

REFEXT

)

(

HS

s,

+

n

E

n

n

E

L

L

L

 (86)

反射クラスⅡのネガティブ表示については,

n

CL-1S

CL-6S

表 67

の各値に対して,式

(87)

及び式

(88)

のいずれかを満たすことを確認する。

)

(

LS

s,

)

(

HS

s,

)

(

LS

s,

)

(

,

OFF

LS

I,

REFSML

)

(

LS

s,

15

1

25

.

1

n

E

n

E

n

E

n

n

E

L

L

L

L

L

×

+

+

 (87)

)

(

LS

s,

)

(

HS

s,

)

(

LS

s,

)

(

,

OFF

LS

I,

REFEXT

)

(

LS

s,

15

1

25

.

1

n

E

n

E

n

E

n

n

E

L

L

L

L

L

×

+

+

 (88)

反射クラスⅢのポジティブ表示については,

n

CL-1S

CL-6S

表 67

の各値に対して,式

(89)

及び式

(90)

のいずれかを満たすことを確認する。


77

Z 8528-2:2006

25

.

1

)

(

HS

s,

)

(

,

OFF

HS

III,

REFSML

)

(

HS

s,

+

n

E

n

n

E

L

L

L

 (89)

25

.

1

)

(

HS

s,

)

(

,

OFF

HS

III,

REFEXT

)

(

HS

s,

+

n

E

n

n

E

L

L

L

 (90)

反射クラスⅢのネガティブ表示については,

n

CL-1S

CL-6S

表 67

の各値に対して,式

(91)

及び式

(92)

のいずれかを満たすことを確認する。

)

(

LS

s,

)

(

HS

s,

)

(

LS

s,

)

(

,

OFF

LS

III,

REFSML

)

(

LS

s,

15

1

25

.

1

n

E

n

E

n

E

n

n

E

L

L

L

L

L

×

+

+

 (91)

)

(

LS

s,

)

(

HS

s,

)

(

LS

s,

)

(

,

OFF

LS

III,

REFEXT

)

(

LS

s,

15

1

25

.

1

n

E

n

E

n

E

n

n

E

L

L

L

L

L

×

+

+

 (92)

8.7.18 

表示極性   

ポジティブ表示及びネガティブ表示の両者で使用可能であるディスプレイであると宣言する場合には,

両表示極性において要求事項を満たすことを確認する。

8.7.19 

輝度の均一性   

8.6

表 43

の値を使用する。設計観視方向範囲クラス

Class

viewing

Ⅳだけを評価する場合には,測定位置

CL-1

CL-6

の値は必要としない。

 68−輝度の均一性評価値 

n=

CL-1 CL-2 CL-3 CL-4 CL-5 CL-6 CL-7

照明

測定対象

L

Es

HS(CL-n)

Es HS

L

Es

HS(HL-n)

Es HS

L

Es

HS(LL-n)

Es HS

7.2

の各

Class

viewing

に対して

7.19

の要求事項を満たすためには,

表 68

の対象となるセルの最大値を最小

値で除した結果,すなわち最大輝度比が

1.7

未満でなければならない。

Class

viewing

Ⅳに対しては,三つの値

CL-7

HL-7

及び

LL-7

)が対象となり,

Class

viewing

Ⅰ,

Class

viewing

Ⅱ及び

Class

viewing

Ⅲに対しては,

表 68

21

すべての値が対象となる。推奨値を評価するためには,対象の分離角度を計算する。各輝度比が,

7.19

表 14

の推奨値を超えないことが望ましい。

8.7.20 

画素欠点   

画素欠点クラス,

Class

pixel

は,目視によって確認する。

a)

タイプ 1

  パネルを暗状態(全画面が階調ゼロ)とし,明状態のタイプ

1

の画素欠点を特定する。二

つ以上の画素欠点が近接している場合には,欠点の集まり(

5

×

5

ブロック内の複数の画素欠点)であ

るかどうかを,ルーペを使ってその領域を検査し,結果を記録する。

b)

タイプ 2

  パネルを暗状態(全画面が階調ゼロ)とし,高さ

1

画素,幅

30

画素の領域を明状態(最高

階調)とする。その

1

画素×

30

画素の明状態ラインでパネルを走査する。具体的には,まず画面左上

0

列目から

29

列目の画素を明状態とする。次に

30

列目を明状態とし,

0

列目を暗状態とする。続いて

31

列目を明状態とし,

1

列目を暗状態とする。これを右端の最終列まで繰り返し,最後になったとこ

ろですぐ下の行に移動し,今度は右から左へ走査するのがよい。


78 
Z 8528-2:2006

注記

そうすることで視線が飛び移ることなく,明状態ラインを安定して追うことができる。正常領

域においては,ラインはスムーズに動く。ラインが暗状態の画素で分断されることによって,

タイプ

2

の画素欠点を容易に特定できる。

暗状態の画素が見つかった場合には,その箇所に印を付ける(物理的に,又はソフトウェアで印を付け

られるとよりよい)

。印を付けた箇所を再度観察し,欠点の集まりがないかを検査する。

a)

タイプ 3

  試験を行う担当者にとって,パネルのある画素又は領域が,異常であるように見えた場合

には,その画素又は領域が,タイプ

3

の画素欠点であるかどうかを検査することが望ましい。

注記

この検査は,やむを得ない判定方法である。

8.7.21 

画像生成時間   

画像生成時間は,定位置

CL-0

で試験を行う。測定対象を最も明るい状態

L

dark

HS(CL-0)

,及び最も暗い状

L

dark

LS(CL-0)

にするためのシステムコマンドを用意する。高速応答の輝度計を使用し,

500 Hz

以下及び

1

000 Hz

以上の波形にフィルターをかける。

注記 1

次の例では,輝度計の出力は,

4 kS/s

で計測されている。

1 000 Hz

のフィルタリングは,エ

イリアシングエラーを避けており,

500 Hz

の方は,目の最大応答時間よりも十分に速い。

注記 

輝度計の出力に可変周波数アナログフィルタを用いた場合でも,同等の結果が得られること

が確認されている。

計測されたデータを処理する方法は,次による。

a)

供試装置に最も明るい状態とするコマンドを送る。輝度−時間応答

L(t)

を記録し,フレーム周期平均

輝度−時間応答

L

FPA

(t)

を計算する。

この例の場合には,式

(93)

で計算する。

å

+

=

2

2

)

(

FPA

)

(

T

t

T

t

t

i

i

i

t

L

T

t

L

 (93)

T

リフレッシュ周期

ti

計測時間

L(t)

ローパスフィルターされた輝度−時間の計測値

Δ

t

サンプリング周期

注記

これは,移動平均と呼ばれている。

b)

時間が経てば,

L

FPA

(ti)

はほぼ一定値になり,これを

L

1

とする。

c)

最も暗い状態とするコマンドを送る。輝度−時間応答

L(t)

を記録し,フレーム周期平均輝度−時間応

L

FPA

(ti)

を計算する。

d)

時間が経てば,

L

FPA

(ti)

はほぼ一定値になり,これを

L

2

とする。

e)

輝度

L

FPA

(ti)

L

1

-0.1(L

1

-L

2

)

に到達したときの時間を

t

1

とする。

f)

輝度

L

FPA

(ti)

L

1

-0.9(L

1

-L

2

)

に到達したときの時間を

t

2

とする。

g)

最も明るい状態とするコマンドを送る。輝度−時間応答

L(t)

を記録し,フレーム周期平均輝度−時間

応答

L

FPA

(ti)

を計算する。

h)

輝度

L

FPA

(ti)

L

1

-0.9(L

1

-L

2

)

に到達したときの時間を

t

3

とする。

i)

輝度

L

FPA

(ti)

L

1

-0.1(L

1

-L

2

)

に到達したときの時間を

t

4

とする。

j)

画像生成時間は,

(t

4

-t

3

)

(t

2

-t

1

)

である。

注記 1  L

1

=L

dark

HS(CL-0)

及び

L

2

=L

dark

LS(CL-0)

とする。


79

Z 8528-2:2006

注記 2  図 42

の例は,輝度−時間特性を示す。マークされていないトレースは,フィルタしていない

出力である。

高周波電子安定器を用いたバックライトの光は,透過型

LCD

パネルによって変調される。

マークされたトレースは,フィルタの効果である。このトレースにおいてリフレッシュ効果

が観察される。

 42−初期フィルターの前後における 71 ms 画像生成時間 

注記  図 43

において,フィルターされた出力(点線トレース)は

図 42

を再現し,それにフレーム周

期平均データ(実線トレース)を書き加えている。

t

1

t

2

t

3

,及び

t

4

は,それぞれ

2.50

38.50

66.75

及び

102.00

である。画像生成時間は,

(102.00-66.75)

(38.50-2.50)

71 ms

となる。このデ

ータは

4 kS/s

で計測されたので,精度は±

0.5 ms

(±

2

計測時間)である。より短い画像生成時

間の例として

3.4.4

図 8

も参照するとよい。

 43−フレーム周期平均 71 ms の場合 

注記

非同期のバックライトで,この測定を行うと,困難を生じることがある。製造業者又は販売業

者は,安定な

DC

バックライト又は輝度計で代表的なユニットの画像生成時間を測定するアレ

ンジが可能である。また,特別にフィルタリングしたり,輝度計の出力を解析することも可能

である。

時間(ms)

時間(ms)

相対輝度

[L(t) – L

1

]/(L

2

-L

1

)

相対輝度

[L(t) – L

1

]/(L

2

-L

1

)


80 
Z 8528-2:2006

8.7.22 

絶対輝度コーディング   

この要求を満たすためには,次の二つのいずれかによる。

a) 

フラットパネルに,絶対輝度コーディング(

3.4.5

参照)を用いないアプリケーションだけを使用する。

注記

絶対輝度コーディングを使用しないアプリケーションだけを用いるように,適合確認書に明

示することが望ましい。

b) 8.7.22.1

及び

8.7.22.2

の要求を満たす。

設計観視方向範囲クラスⅣだけで評価する場合には,

CL-1

CL-6

での評価は必要ない。

8.7.22.1 

絶対輝度コーディングレベルの測定及び計算   

絶対輝度コーディングレベル(輝度コーディングレベル:

1

n

)について,

表 69

73

の測定及び計算を

繰り返す。

異方性のフラットパネルの場合には,

表 69

73

のすべてについて確認しなければならない。等方性のフ

ラットパネルについては,試験方向

1

6

を省略してもよい。

暗室条件で発光輝度を測定する(

表 69

参照)

 69−暗室条件下における発光輝度 

n= CL-0

LL-0

HL-0

照明

測定対象

焦点

Y

dark

level(n)

   

dark

level

level

一つの輝度コーディングレベルにおいて,観視方向(測定方位)の違いによるフラットパネル特性を評

価するために必要な値を測定する(

表 70

参照)

 70−測定方向を変化させた測定 

n=

CL-1 CL-2 CL-3 CL-4

CL-5

CL-6

CL-7

照明

測定対象

焦点

a

Y

DIFF

level(n)

        DIFF

level

level

Y

dark

level(n)

        dark

level

level

Y

DIFF

dSTD(n)

D F

d T

d T

測定回数を減らすために,

すべての方位角及び傾角

(つまりすべての n

に対して k1 及び k2 を定数とし,

L(CL-n)

kL(HL-n)=kL(LL-n)と仮定する。この仮定が成立しないような新たな方式の場合,式 (96)∼(97)は成立

しないで,表に示す 14 の測定を HL-1∼6 と,LL-1∼6 に対して繰り返し測定する(この場合,合計 49 の測定を
必要とする)

均一な拡散照明(例えば,大きな積分球)を用い,EUT と測光器間の方位角よって影響を受けない(例えば,

偏光の影響がない。

)システムを用いた場合には,この表の値はすべての に対して一定となり,例えば,CL-0

(法線方向)のような一つの方位角だけ測定する。

優れた測定系及び標準拡散反射板の場合には,拡散光の均一性によらず Y

DIFF.dSTD(n)

は,すべての に対して一

定となる。したがって,Y

DIFF.dSTD(n)

は,一つの方位角(例えば,CL-0)で測定する。

a)

焦点は,フラットパネルの表面に合わせる。

拡散反射計値を式

(94)

によって計算し,

表 71

に規定する。

7

...

1

,

)

dSTD(CL

DIFF,

)

level(CL

dark,

)

level(CL

DIFF,

)

45

S

dSTD(dSTD

SML,

S

)

OFF(CL

level

DIFF,

=

×

=

n

Y

Y

Y

q

R

n

n

n

n

n

 (94)

 71−反射計値の計算 

n=

1 2 3 4 5 6 7

照明

測定対象

R

DIFF

level-OFF(CL-n)

Es level

設計画面照度における輝度は,式

(95)

∼式

(97)

によって計算する。


81

Z 8528-2:2006

7

...

1

,

s

)

OFF(CL

level

DIFF,

)

level(CL

dark,

)

level(CL

s,

=

×

+

=

n

E

R

Y

L

n

n

n

E

 (95)

7

...

1

,

s

)

OFF(CL

level

DIFF,

)

0

level(CL

dark,

)

0

level(HL

dark,

)

level(CL

dark,

)

level(HL

s,

=

×

+

×

=

n

E

R

Y

Y

Y

L

n

n

n

E

 (96)

7

...

1

,

s

)

OFF(CL

level

DIFF,

)

0

level(CL

dark,

)

0

level(LL

dark,

)

level(CL

dark,

)

level(LL

s,

=

×

+

×

=

n

E

R

Y

Y

Y

L

n

n

n

E

 (97)

 72−設計画面照度における輝度の計算 

n=

1 2 3 4 5 6 7

照明

測定対象

L

Es

level(CL-n)

Es level

L

Es

level(HL-n)

Es level

L

Es

level(LL-n)

Es level

表 72

の最高輝度及び最低輝度を特定する。

 73L

min

及び L

max

の計算

説明

照明

測定対象

L

level

min

表 72 の最低輝度

Es level

L

level

max

表 72 の最高輝度

Es level

8.7.22.2 

輝度比の要求値の評価   

表 72

の計算結果に基づいて,各輝度コーディングレベルの輝度比を計算する(

表 74

参照)

 74−輝度比の評価 

輝度比

計算値

要求値

合否

L

2

min

/L

1

max

≥ 1.5

L

3

min

/L

2

max

≥ 1.5

L

4

min

/L

3

max

≥ 1.5

・・・

≥ 1.5

L

n

min

/L

n-1

max

≥ 1.5

要求を満たすためには,アプリケーションで用いられるすべての輝度コーディングレベルが,この表

の輝度比の要求値に合致していなければならない。

注記 1

ここでの輝度比は,観視方向範囲全体に関して評価されている。

注記 

絶対輝度コーディングは,ネガティブ表示の場合に有効であることが確かめられている。

注記 

ネガティブ表示の場合,

L

1

は,

7.14

及び

7.15

を満たすものとする。

8.7.23 

明滅コーディング   

明滅コーディングを用いる場合には,画像生成時間が

55 ms

より短いことを確認する。

8.7.24 

時間的不安定性(フリッカ)   

附属書 B(参考)

参照。フラットパネルのフリッカに関しては,フラットパネル技術に依存しない心理

物理的試験方法は存在しない。時間的変調は,階調レベル,観視方向,及び/又は表示内容に依存するこ

とがある。

8.7.25 

デフォルトカラーセット   

この要求を満たすためには,次の二つのいずれかによる。

1.

  フラットパネルに,ユーザーが色を識別する必要がないアプリケーションだけを用いる。

注記

デフォルトカラーセットを使用しないアプリケーションだけを用いるように,適合確認書に明


82 
Z 8528-2:2006

示することが望ましい。

2.

  次の要求事項に合致する。

a)

デフォルトカラーセットが定義されていることを確認する。

b)

基準白色を含むすべてのデフォルトカラーセットの色が,この規格のすべての要求事項を満たして

いることを確認する。

c)

次に示す要求事項の適合評価において,デフォルトカラーセットのすべての色が評価されているこ

とを確認する。

  7.5

色の均一性

  7.27

色差

  7.29

色の数

d)

ユーザーが色を変更できる場合には,デフォルトカラーセットが編集可能であり,置き換え可能で

あることを確認する。

8.7.26 

多色対象物の大きさ   

推奨値を評価するために,設計視距離における

30

分(′)

45

分(′)と

2

度(°)についての大きさ

をミリメートル単位で計算し,それらの値を適合確認書にて報告する。

多色対象物の大きさの評価は,対象物の直径から計算する(

図 44

参照)

 44−多色対象物の大きさ 

8.7.27 

色差   

この要求事項は,

7.25

によってデフォルトカラーセットを必要とするフラットパネルにだけ適用する。

すべての測定は,設計観視方向

CL-7

において行い,設計画面照度における値を計算によって求める。

測定及び設計画面照度への変換の計算は,波長スペクトル(

8.7.27.1.1

)を用いる。限定された条件にお

いては,それらの測定及び計算を,

CIE1931

の三刺激座標を用いて行ってもよい(

8.7.27.1.2

。詳細は

附属

書 A

参照。

色差の計算には,

CIE1976

L

u

v

CIELUV

)色差式を用いる。

測定及び計算の概要は,

附属書 A

の行列表記法に示す。

8.7.27.1 

測定及び変換   

8.7.27.1.1 

方法 1:スペクトル公式を用いる方法   

注記

この方法は,あらゆる種類のディスプレイにおいて,精度よく適用できる。多くの場合,波長

間隔

Δλは

5 nm

,波長範囲は

360

830 nm

が用いられる。詳細は

附属書 A

参照。

8.7.27.1.1.1 

測定   

次の

1)

3)

の測定を行う。

1)

暗室条件で,

EUT

の発光スペクトラムを

360

830 nm

まで

5 nm

ごとに測定する(

表 75

参照)


83

Z 8528-2:2006

 75−暗室条件下での測定(EUT),W/(srm

2

nm) 

n=

S

dark

colour-n(CL-7)

(

λ) forλ=

照明

測定対象

 360 365

・・・ 830

1

    Dark

色 1,例えば,基準白色

2

    Dark

色 2,例えば,赤

3

    Dark

色 3,例えば,緑

4

    Dark

色 4,例えば,青

5

    Dark

色 5,例えば,デフォルトカラーセットの 1 番
目の色

6

    Dark

色 6,例えば,デフォルトカラーセットの 2 番
目の色

 

a

色 m,例えば,デフォルトカラーセットの m
番目の色

焦点は,試験フラットパネルの表面に合わせる。

注記 W/(sr・m

2

・nm)は,SI 単位

2)

暗室条件で,拡散照明下の

EUT

の発光スペクトラムを

360

830 nm

まで

5 nm

ごとに測定する(表

76

参照)

 76−拡散照明を伴う測定

EUT

W/

(sr

m

2

nm)

n=

S

DIFF

colour-n(CL-7)

(

λ) forλ=

照明

測定対象

 360 365

・・・ 830

1

    DIFF

色 1,例えば,基準白色

2

    DIFF

色 2,例えば,赤

3

    DIFF

色 3,例えば,緑

4

    DIFF

色 4,例えば,青

5

    DIFF

色 5,例えば,デフォルトカラーセットの 1 番
目の色

6

    DIFF

色 6,例えば,デフォルトカラーセットの 2 番
目の色

 

    DIFF

色 m,例えば,デフォルトカラーセットの m

番目の色

焦点は,試験フラットパネルの表面に合わせる。

注記 1  すべての色及び波長に対し,測光計の測定精度を高めるため(明るさレベルが十分高く,S/N 比

が十分高い)に,S

DIFF

colour-n(CL-7)

(

λ)は,S

dark

colour-n(CL-7)

(

λ)より十分大きくなければならない。

注記 2  W/(sr・m

2

・nm)は,SI 単位

3)

暗室条件で,拡散照明下の拡散標準反射板の反射光を

360

830 nm

まで

5 nm

ごとに測定する(

77

参照)

 77−拡散照明を伴う測定

dSTD

W/

(sr

m

2

nm)

n=

S

DIFF

colour-n(CL-7)

(

λ) forλ=

照明

測定対象

 360 365

・・・ 830

     DIFF

dSTD

焦点は,標準拡散反射板の表面に合わせる。 
注記 W/(sr・m

2

・nm)は,SI 単位

8.7.27.1.1.2 

設計画面照度下でのスペクトル値への変換   


84 
Z 8528-2:2006

次の

1)

2)

の計算を行い,

3)

を求める。

1)

(98)

によって拡散照明による反射成分を計算する。

830

360

,

1

),

(

)

(

)

(

7)

(CL

colour

dark,

7)

(CL

colour

DIFF,

7)

OFF(CL

colour

DIFF,

Κ

Κ

=

=

=

λ

λ

λ

λ

m

n

S

S

S

n

n

n

 (98)

例えば,一部の

LCD

のように,バックライト又はフロントライトだけをオフすることができるディスプ

レイの場合には,

表 78

は直接測定可能であり,その場合

表 76

は必要としない。

 78−照明

DIFF

の反射成分の計算

W/

(sr

m

2

nm)

n=

S

DIFF

colour-n-OFF(CL-7)

(

λ) forλ=

照明

測定対象

 360 365

・・・ 830

1

    DIFF

色 1,例えば,基準白色

2

    DIFF

色 2,例えば,赤

3

    DIFF

色 3,例えば,緑

4

    DIFF

色 4,例えば,青

5

    DIFF

色 5,例えば,デフォルトカラーセットの 1 番

目の色

6

    DIFF

色 6,例えば,デフォルトカラーセットの 2 番

目の色

 

    DIFF

色 m,例えば,デフォルトカラーセットの m
番目の色

2)

(99)

によって拡散照明下での各色,各波長の反射成分を計算し,

表 79

に規定する。

830

360

,

1

,

)

(

)

(

)

(

)

(

7)

dSTD(CL

DIFF,

4S45)

dSTD(dSTD

SML,

S

7)

OFF(CL

colour

DIFF,

7)

OFF(CL

colour

DIFF,

Κ

Κ

=

=

=

λ

λ

λ

π

λ

λ

m

n

S

q

S

R

n

n

 (99)

 79−各色,各波長の反射成分の計算結果 

単位  unity

n=

S

DIFF

colour-n-OFF(CL-7)

(

λ) forλ=

照明

測定対象

 360 365

・・・ 830

1

    Dark

色 1,例えば,基準白色

2

    Dark

色 2,例えば,赤

3

    Dark

色 3,例えば,緑

4

    Dark

色 4,例えば,青

5

    Dark

色 5,例えば,デフォルトカラーセットの 1 番目の色

6

    Dark

色 6,例えば,デフォルトカラーセットの 2 番目の色

a

色 m,例えば,デフォルトカラーセットの 番目の

R

・100=CIE の理想的な等方性の拡散面と比較した反射のパーセンテージ

3)

(100)

(102)

によって設計画面照度における

CIE1931

の三刺激値を計算し,

表 80

に規定する。

ò

ò

+

=

830

360

s

,

s

2

830

360

7)

(CL

colour

dark,

1

7)

(CL

colour

s,

)

(

)

(

)

(

)

(

)

(

λ

λ

λ

λ

λ

λ

λ

d

x

R

S

k

d

x

S

k

X

E

E

n

n

E

ò

ò

+

=

830

360

s

,

s

2

830

360

7)

(CL

colour

dark,

1

7)

(CL

colour

s,

)

(

)

(

)

(

)

(

)

(

λ

λ

λ

λ

λ

λ

λ

d

y

R

S

k

d

y

S

k

Y

E

E

n

n

E

      ,n=1

m (100)

ò

ò

+

=

830

360

s

,

s

2

830

360

7)

(CL

colour

dark,

1

7)

(CL

colour

s,

)

(

)

(

)

(

)

(

)

(

λ

λ

λ

λ

λ

λ

λ

d

z

R

S

k

d

z

S

k

Z

E

E

n

n

E


85

Z 8528-2:2006

ここに,

W

lm

k

/

683

1

=

 (101)

ò

=

830

360

)

(

)

(

,

1

s

s

s

2

λ

λ

λ

π

d

y

S

E

k

E

E

 (102)

        は,設計画面照度 Es のスペクトル分布

        は,CIE で規定された等色関数

注記

式(100)  の最初の項は,発光成分であり,二番目の項は,反射成分である。

 80−設計画面照度における三刺激値の合計の計算  Es

W

(

sr

m

2

nm

)

n=

X

Es

colour-n(CL-7)

Y

Es

colour-n(CL-7)

Z

Es

colour-n(CL-7)

照明

測定対象

1

 

Es

色 1,例えば,基準白色

2

 

Es

色 2,例えば,赤

3

 

Es

色 3,例えば,緑

4

 

Es

色 4,例えば,青

5

 

Es

色 5,例えば,デフォルトカラーセ
ットの 1 番目の色

6

 

Es

色 6,例えば,デフォルトカラーセ

ットの 2 番目の色

色 m,例えば,デフォルトカラー
セットの 番目の色

8.7.27.1.2 

方法 2CIE1931 三刺激値座標を用いる方法   

8.7.27.1.2.1 

測定   

次の

1)

3)

の測定を行う。

1)

暗室条件で,CIE1931 三刺激値を測定する(

表 81

参照)

注記

これは EUT からの発光成分である。

 81−暗室条件での測定

EUT

n=

X

dark

colour-n(CL-7)

Y

dark

colour-n(CL-7)

Z

dark

colour-n(CL-7)

照明

測定対象

1

 

Dark

色 1,例えば,基準白色

2

 

Dark

色 2,例えば,赤

3

 

Dark

色 3,例えば,緑

4

 

Dark

色 4,例えば,青

5

 

Dark

色 5,例えば,デフォルトカラーセ
ットの 1 番目の色

6

 

Dark

色 6,例えば,デフォルトカラーセ
ットの 2 番目の色

D

色 m,例えば,デフォルトカラー

セットの 番目の色

焦点は,試験フラットパネルの表面に合わせる。

2)

暗室条件で,拡散照明下の CIE1931 三刺激値を測定する(

表 82

参照)

注記

これは EUT からの発光及び反射光を含んだ成分である。

)

(

s

,

s

λ

E

E

S

z

y

x

,

,


86 
Z 8528-2:2006

 82−拡散照明下での測定(EUT 

n=

X

DIFF

colour-n(CL-7)

Y

DIFF

colour-n(CL-7)

Z

DIFF

colour-n(CL-7)

照明

測定対象

1

 

DIFF

色 1,例えば,基準白色

2

 

DIFF

色 2,例えば,赤

3

 

DIFF

色 3,例えば,緑

4

 

DIFF

色 4,例えば,青

5

 

DIFF

色 5,例えば,デフォルトカラーセ
ットの 1 番目の色

6

 

DIFF

色 6,例えば,デフォルトカラーセ

ットの 2 番目の色

 

DIFF

色 m,例えば,デフォルトカラー
セットの 番目の色

焦点は,試験フラットパネルの表面に合わせる。

注記  輝度計を用いた正確な測定のために,すべての色は,XYZ

DIFF

colour-n(CL-7)

 >> X

YZ

dark

colour-n(CL-7)

とする。

3)

暗室条件で,拡散照明下の標準拡散反射板の CIE1931 三刺激値を測定する(

表 83

参照)

 83−拡散照明下での測定(dSTD 

n=

X

DIFF

dSTD(CL-7)

Y

DIFF

dSTD(CL-7)

Z

DIFF

dSTD(CL-7)

照明

測定対象

1

 

DIFF  dSTD

焦点は,標準拡散反射板の表面に合わせる。

8.7.27.1.2.2 

設計画面照度下での三刺激値への変換(表 85 参照)   

次の

1)

2)

の計算を行い,

3)

を求める。

1)

式(103)  によって拡散照明下の反射成分を計算し,

表 84

に規定する。

7)

(CL

colour

dark,

7)

(CL

colour

DIFF,

7)

OFF(CL

colour

DIFF,

=

n

n

n

X

X

X

7)

(CL

colour

dark,

7)

(CL

colour

DIFF,

7)

OFF(CL

colour

DIFF,

=

n

n

n

Y

Y

Y

m

n

Κ

1

,

=

 (103)

7)

(CL

colour

dark,

7)

(CL

colour

DIFF,

7)

OFF(CL

colour

DIFF,

=

n

n

n

Z

Z

Z

 84−拡散照明下

DIFF

の反射成分の計算結果

n=

X

DIFF

colour-n-OFF(CL-7)

Y

DIFF

colour-n-OFF(CL-7)

Z

DIFF

colour-n-OFF(CL-7)

照明

測定対象

1

 

DIFF

色 1,例えば,基準白色

2

 

DIFF

色 2,例えば,赤

3

 

DIFF

色 3,例えば,緑

4

 

DIFF

色 4,例えば,青

5

 

DIFF

色 5,例えば,デフォルトカラーセ
ットの 1 番目の色

6

 

DIFF

色 6,例えば,デフォルトカラーセ
ットの 2 番目の色

 

DIFF

色 m,例えば,デフォルトカラー
セットの最後の色

例えば,一部の LCD のように,バックライト又はフロントライトだけをオフにすることができるディス

プレイの場合は,

表 84

は直接測定可能であり,その場合,

表 83

は必要としない。


87

Z 8528-2:2006

2)

それぞれの色の三刺激値の反射係数は,式(104)及び(105)で計算する。

7)

dSTD(CL

DIFF,

4S45)

dSTD(dSTD

SML,

S

7)

OFF(CL

colour

DIFF,

7)

OFF(CL

colour

DIFF,

)

(

)

(

=

X

X

q

X

X

R

n

n

π

7)

dSTD(CL

DIFF,

4S45)

dSTD(dSTD

SML,

S

7)

OFF(CL

colour

DIFF,

7)

OFF(CL

colour

DIFF,

)

(

)

(

=

Y

Y

q

Y

Y

R

n

n

π

  ,

m

n

Κ

1

=

 (104)

7)

dSTD(CL

DIFF,

4S45)

dSTD(dSTD

SML,

S

7)

OFF(CL

colour

DIFF,

7)

OFF(CL

colour

DIFF,

)

(

)

(

=

Z

Z

q

Z

Z

R

n

n

π

ò

ò

=

830

360

830

360

4S45)

dSTD(dSTD

SML,

S

4S45)

dSTD(dSTD

SML,

S

d

)

(

d

)

(

)

(

)

(

λ

λ

λ

λ

λ

y

x

q

X

q

ò

ò

=

830

360

830

360

4S45)

dSTD(dSTD

SML,

S

4S45)

dSTD(dSTD

SML,

S

d

)

(

d

)

(

)

(

)

(

λ

λ

λ

λ

λ

y

y

q

Y

q

     (105)

ò

ò

=

830

360

830

360

4S45)

dSTD(dSTD

SML,

S

4S45)

dSTD(dSTD

SML,

S

d

)

(

d

)

(

)

(

)

(

λ

λ

λ

λ

λ

y

z

q

Z

q

 85−それぞれの色の三刺激値の反射係数の計算結果 

R

DIFF

 colour-n-OFF(CL-7)

照明

測定対象

n=

X

Y

Z

1

  DIFF

色 1,例えば,基準白色

2

  DIFF

色 2,例えば,赤

3

  DIFF

色 3,例えば,緑

4

  DIFF

色 4,例えば,青

5

  DIFF

色 5,例えば,デフォルトカラーセットの

1

番目の色

6

  DIFF

色 6,例えば,デフォルトカラーセットの

2

番目の色

DIFF

色 m,例えば,デフォルトカラーセット

の最後の色

X

YZ=CIE で規定されている完全拡散反射面に対する反射のパーセンテージ

3)

式(106)及び式(107)  によって設計画面照度における CIE1931 の三刺激値を計算し,

表 86

に規定する。

π

)

(

7)

(CL

colour

DIFF,

s

,

s

7)

(CL

colour

dark,

7)

(CL

colour

s,

X

R

X

X

X

OFF

n

E

E

n

n

E

+

=

π

)

(

7)

(CL

colour

DIFF,

s

,

s

7)

(CL

colour

dark,

7)

(CL

colour

s,

Y

R

Y

Y

Y

OFF

n

E

E

n

n

E

+

=

  ,

m

n

Κ

1

=

 (106)

π

)

(

7)

(CL

colour

DIFF,

s

,

s

7)

(CL

colour

dark,

7)

(CL

colour

s,

Z

R

Z

Z

Z

OFF

n

E

E

n

n

E

+

=


88 
Z 8528-2:2006

ここに,

s

,

s

s

s

s

,

s

s

,

s

s

,

s

s

s

s

,

s

1

s

E

Es

E

E

E

E

E

E

E

E

E

E

E

E

E

Y

y

y

x

Z

E

Y

Y

y

x

X

=

=

=

(lx)  (107)

 86−設計画面照度(Es)における三刺激値の合計の計算結果 

n=

X

Es

colour-n(CL-7)

Y

Es

colour-n(CL-7)

Z

Es

colour-n(CL-7)

照明

測定対象

1

 

Es

色 1,例えば,基準白色

2

 

Es

色 2,例えば,赤

3

 

Es

色 3,例えば,緑

4

 

Es

色 4,例えば,青

5

 

Es

色 5,例えば,デフォルトカラーセ
ットの 1 番目の色

6

 

Es

色 6,例えば,デフォルトカラーセ

ットの 2 番目の色

Es

色 m,例えば,デフォルトカラー
セットの最後の色

注記  試験室の拡散照明(DIFF)及び設計画面照度(Es)のための照明の色度座標(

v

u

′, )並びにスペク

トル分布が,できるだけ近くなるときに,最も正確に測定できる。

8.7.27.2 CIELUV

色空間座標の計算   

式(108)  によって色度座標を計算し,

表 87

に規定する。

3

12

2

9

3

15

9

'

3

12

2

4

3

15

4

'

+

+

=

+

+

=

+

+

=

+

+

=

y

x

y

Z

Y

X

Y

v

y

x

x

Z

Y

X

X

u

 (108)

 87CIE1976 UCS 座標値の計算結果

n=

照明

測定対象

1

  Es

色 1,例えば,基準白色

2

  Es

色 2,例えば,赤

3

  Es

色 3,例えば,緑

4

  Es

色 4,例えば,青

5

  Es

色 5,例えば,デフォルトカラーセット
の 1 番目の色

6

  Es

色 6,例えば,デフォルトカラーセット
の 2 番目の色

Es

色 m,例えば,デフォルトカラーセット
の最後の色

)

7

n(CL

colour

Es,

u

7)

n(CL

colour

Es,

v


89

Z 8528-2:2006

16

)

/

(

116

3

1

*

=

n

Y

Y

L

      ,when

008856

.

0

/

>

n

Y

Y

)

/

(

3

.

903

*

n

Y

Y

L

=

          ,when

008856

.

0

/

n

Y

Y

    (109)

)

'

'

(

13

)

'

'

(

13

*

*

*

*

n

n

v

v

L

v

u

u

L

u

=

=

注記

基準白色は,ユーザーが順応している無彩色白である。

通常,基準白色は,式(110)  で計算する。

)

7

white(CL

s,

)

7

white(CL

s,

s

)

7

white(CL

s,

)

7

white(CL

s,

s

)

7

white(CL

s,

s

s

s

=

=

=

=

>

=

=

E

n

E

E

n

E

n

n

E

n

n

v

v

Y

E

u

u

Y

Y

v

v

Y

E

u

u

E

Y

π

π

π

  (110)

E

s

u

s

′及び v

s

′: 設計画面照度を与える照明。

ユーザーの視野内に存在する最高輝度の白で評価を行う。

注記

具体的には,フラットパネル上の白か,又は机上の白い物体の白のいずれかである。前者の典

型的な例は,透過型 LCD の場合であり,後者の典型的な例は,反射型 LCD の場合である。

想定する使い方において,順応している白が,式(110)  で規定される以外の白である場合には,その白

の Y

v

u

′,

を計算値に用いるのが望ましい(

表 88

参照)

 88CIE 1976 座標の計算結果

n= L

Es

colour-n(CL-7)

u

Es

colour-n(CL-7)

v

Es

colour-n(CL-7)

照明

測定対象

1

 

Es

色 1,例えば,基準白色

2

 

Es

色 2,例えば,赤

3

 

Es

色 3,例えば,緑

4

 

Es

色 4,例えば,青

5

 

Es

色 5,例えば,デフォルトカラーセ
ットの 1 番目の色

6

 

Es

色 6,例えば,デフォルトカラーセ
ットの 2 番目の色

Es

色 m,例えば,デフォルトカラー

セットの最後の色

8.7.27.3 

適合評価値の計算   

すべての色の組合せについて,式(111)によって CIELUV 色空間におけるユークリッド距離を計算し,

89

に規定する。

[

]

2

1

2

*

2

*

2

*

*

)

(

)

(

)

(

v

u

L

E

uv

+

+

=

(111)


90 
Z 8528-2:2006

 89−すべての色の組合せについての

Δ

E

uv

の計算結果

1

m- 

n= 1 2 3 4 5 6   m-1

すべての色について,式(112)  によって色相角を計算し,

表 90

に規定する。

すなわち

,

arctan

'

'

'

'

arctan

*

*

÷÷ø

ö

ççè

æ

=

÷÷ø

ö

ççè

æ

=

u

v

u

u

v

v

h

n

n

uv

°

<

°

°

<

°

°

<

°

°

<

°

360

270

270

180

180

90

90

0

uv

uv

uv

uv

h

h

h

h

の場合

かつ

の場合

かつ

の場合

かつ

の場合

かつ

0

0

0

0

0

0

0

0

*

*

*

*

*

*

*

*

<

<

<

<

u

v

u

v

u

v

u

v

(112)

 90−色相角の計算結果 

n=

h

uv Es

colour-n(CL-7)

照明

測定対象

1   Es

色 1,例えば,基準白色

2   Es

色 2,例えば,赤

3   Es

色 3,例えば,緑

4   Es

色 4,例えば,青

5   Es

色 5,例えば,デフォルトカラーセット

の 1 番目の色

6   Es

色 6,例えば,デフォルトカラーセット

の 2 番目の色

Es

色 m,例えば,デフォルトカラーセット
の最後の色

8.7.27.2

の計算で用いたのと同じ基準白色を使用する。

8.7.27.4 

適合   

表 89

のすべての値は,要求値

ΔE

uv

>20 を満たさなければならない。

表 90

のすべての値は,異なることが望ましい。

方法 2(

8.7.27.1.2

)を用いる場合には,

表 89

及び

表 90

のすべての値に関して,個々の不確かさを含む。

注記 1

可視光における最短波長の典型的な色(例えば青)では,より大きな不確かさが見積もられ

る。さら(更)なる考察は

附属書 A

を参照。

注記 

ΔE*uv に関する制約は,

附属書 A

を参照。

8.7.28 

可視光を分光したときの両端の色   

これらの色の適切な使用は,アプリケーションの問題であり,想定されるアプリケーションを調査する

ことで評価してもよい。

注記

デフォルトカラーセットの色度座標(

v

u

′,

)は,

8.7.5

表 46

及び

表 47

で測定される。


91

Z 8528-2:2006

8.7.29 

色の数   

この要求は,

7.25

によって定義されているデフォルトカラーセットに対するフラットパネルについてだ

け適用する。

色の適切な使用は,アプリケーションの問題であり,想定されるアプリケーションを調査することで評

価してもよい。

8.7.29.1 

同時提示色   

画面上で同時に提示されている色の数を数える。

色の数は,等方性ディスプレイでは 11 以下が望ましく,異方性ディスプレイでは,できるだけ少なくす

る。

8.7.29.2 

色付きイメージに対しての視覚検索   

色識別に基づく検索に用いられる色の数を数える。

色の数は,等方性ディスプレイでは 6 以下が望ましく,異方性ディスプレイでは,できるだけ少なくす

る。

8.7.29.3 

記憶による色解釈   

記憶に頼る色の意味付けが必要な色の数を数える。

色の数は,6 以下が望ましい。

もし,6 色以上を使うのであれば,画面上又は画面以外のところで参照できるようにする。

適合   

この規格への適合性は,次のいずれかによって達せられる。

a)

箇条

8

の測定方法を用いて,箇条

7

の必す(須)要求事項のすべてを満たす。

b)

ISO 9241-3

の追補 1(amendment 1)に規定された試験方法及び関係する要求事項を用いて肯定的な結

果を得る。さらに,

8.2.3

で規定するユーザー向けの取扱説明書(又は相当のもの)内の製造業者又は

販売業者が開示したデータ及び公に入手できる詳細製品仕様書にある情報を含む。

注記 1

ISO 9241-3

の追補 1(amendment 1)による試験方法は,上記

b)

の適合確認方法として適切

である。

注記 2 b)

での試験方法は,箇条

7

を完全には適用できない VDT の評価のためのものである。

必す(須)要求事項は,箇条

7

において文章の末尾が指示又は要求を表す語句(例えば,

“しなければな

らない”

“とする”

)で表現されている。

適合は,例えば,使用する文字集合,表示色,装置構成,システムオプション,操作者の設定などにつ

いては,規定値を用いて判定しなければならない。

この規格への適合は,ハードウェア,ソフトウェア,及び作業設備それぞれの構成要素に依存し,これ

らの要素の個々の適合は,製造業者又は販売業者が示さなければならない。また,組み合わせて使用する

場合の適合は,組み合わせて使用する側が責任をもたなければならない。

適合確認書には,次の情報を含まなければならない。

1)

製造業者又は販売業者の詳細(名称及び所在地,型式番号など)

2)

検査に関連する機器の詳細(設置,設定及び構成状況,機器の特性,試験条件及び試験結果)

3)

使用条件

4)

特殊要求事項

5)

b)

の適合方法を採用する場合には,被験者の選定に用いた判定基準及びそれらの関連特性の全詳細


92 
Z 8528-2:2006

注記

b)

の一つの具体例を,次に示す。

1)

測定機器の名称,型式番号及び校正日

2)

測定機器の測定条件

3)

試験対象機器の名称,型式番号及び構成

4)

使用したソフトウェア,表示条件などの試験条件

5)

準拠する項目及び試験結果


93

Z 8528-2:2006

附属書 A

(参考)

色差の計算

序文 

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

A.1 

ベクトル表記を用いた本体 8.7.27 の概要   

本体

8.7.27

の測定及び計算手順は,利用者にとっては難解であることが判明した。ここで扱っているの

は,ベクトルであるので,代替方法として,次のベクトル表記を用いて表現することが可能であるため,

ここで補足する。

任意のベクトル V

i

を{X

V

Y

V

Z

V

}として定義する。ここで XYは三刺激値である。

X

=(x/y)Y

Y

E  又は  L(輝度,照度,又は光束)

Z

=[(1−xy)/y]Y

一方,V

i

は,λ=360 nm∼830 nm の範囲ににおける相対スペクトルパワー分布 S

V

(

λ)と定義できる。

表 A.1

に,本体

8.7.27

で規定した手順のすべての表に対応する手順の一覧表を示す。

表−A.1 

本体 8.7.27 の対応する表

手順

方法 1:

スペクトル公式

を用いる方法

方法 2:

三刺激値を用い

る方法

1)

  暗室条件下で表示面を測定する,D

i

 75

81

2)

  拡散照明下で表示面を測定する,I

i

 76

82

3)

  拡散照明下で基準白色の輝度を測定し,拡散照明の照度を測定する、Ei 77

83

4)

  拡散照明下の表示面の反射成分を計算する,R iI iD i

 78

84

5)

  表示面の輝度率を計算する,Uii=(R i

π

 q i / E i

 79

85

6)

  設計画面照度を決定する,

(CIE 15.2:1986 Table 1.1 or Table 1.4 から)

S i .

7)

  方法 1:スペクトル公式を用いる方法の場合には,Ti を CIE 15.2:1986,

section 3.1

に示される方法を用いる三刺激値に変換する。

80

8)

  方法 2:三刺激値座標を用いる方法の場合には,設計画面照度下の表示面

を計算する,T iD iS i U ii .

 86

9)

  CIELUV 色空間座標を計算する。 88

88

10)

  適合性評価のための値を計算する。 89,90 89,90

A.2 FPD

の測色に関する補足   

例えば,LCD のような FPD 技術の測定は,他の物体の測色と比べて,非常に複雑で難しい。この理由

は,ディスプレイが異方性の特徴をもっていたり,偏光を発したりするためである。他の測定に関する多

くの分野では,異方性と偏光の影響を考慮する必要がないため,市販されている測定装置及び測定方法の

多くは,これらを考慮していないことが多い。したがって,一般に市販されている測定装置及び測定方法

を使って,このような FPD の測定を行うと,予測できない測定誤差を生じる可能性があることを意味して

いる。例えば,製造業者又は販売業者が“低偏光誤差”と称している測定装置は,多くの測定を行う分野


94 
Z 8528-2:2006

において十分の性能であるが,LCD の測定には使えないかもしれない。

CIE 53-1982

“Methods of characterizing the performance of radiometers and photometers”は,ある測定装置が,

目的とする測定に妥当であるかどうかを分析するときの指針として用いることができる。

本体

8.7.27

の色差の測定方法では,より正確な結果を求めるため,そして不確かさの程度を把握するた

めに,スペクトルの測定及び計算を,方法 1 として採用した。この主な理由は,フラットパネル及び試験

室の光源のスペクトル分布が離散的であるという問題によった。これは設計画面照度(設計で想定した光

源)と試験室の光源のスペクトル分布が異なるために生じる問題と同様の原因である。これらの問題はス

ペクトルの測定を行ってもなくなるわけではないが,三刺激値の測定に比べて,問題を容易に予測するこ

とができる。さらに三刺激値の方法の場合には,可視光スペクトル全域にわたって,等色関数のマッチン

グが十分でない場合,誤差を生じることになる。スペクトル測定装置も同様の問題を生じることがある。

試験報告書の発行を開始する前に重要なことは,計算の不確かさ及び試験サンプルだけでなく,測定装

置及び試験室光源が,妥当なものであることを十分に検証することである。

十分に不確かさが調査されれば,CIE 1931 表色系を用いた測定及び計算を行うことも許される。この不

確かさの程度は,色,実際の作業場の照明スペクトル,そして試験室光源のスペクトルによって決まるこ

とに注意する。

X

Yは,近似値である。計算が複雑になればなるほど,この近似値はスペクトル計算を通して得ら

れる結果とはかけ離れることになる。これは発光型のフラットパネルモニターにとってはあまり問題とな

らないが,反射型,及び半透過型ディスプレイにおいては非常に重要となる。

どのような色,ディスプレイの種類,実際の作業場の照明及び試験室の光源においても,測定を正確に

行うためには,スペクトルの測定及び計算のための波長間隔は,小さくなければならず,その波長範囲は

広くなければならない。多くの場合,以上の波長間隔Δλは 5 nm 以上,波長範囲は 360∼830 nm が用い

られる。380∼780 nm の波長範囲で,波長間隔Δλが 5 nm というのは,ほとんどの目的において十分であ

るが,より狭い波長間隔であれば,更に満足のいく結果を得ることができるかもしれない。狭い波長間隔

を採用することは,可視光スペクトルの両端(例えば,青及び赤)からの光を含む色において誤差を生じ

る。さらに詳細については,CIE 15.2 を参照。

A.3 CIE

測色の制限   

CIE

では,

“二つの色刺激間において知覚される色差の程度を予測する色差式”を提供することが目的で

あった。そのための実験条件は,次による。

−  色差の大きさ:1∼10 units

−  視野:4°

−  周辺視野の状態:一様

−  周辺輝度:100∼1 000 cd/m

2

−  周辺の色:5 500∼7 500 K の CIE D 光源

−  サンプルの輝度:周辺輝度の 5∼500  %

−  (サンプル刺激と参照刺激の)境界線:ほぼゼロ

−  観測者:バイアスのない知覚判断

−  視覚ディスプレイに適用する場合,CIELUV,

ΔE

uv

は多くの制限あり

−  視対象は 10′∼5°又はそれ以上の大きさに変化。小さな視対象の場合には,

Δ u

′ はΔ v′ よりも(最

大 5 倍程度まで)重要である。


95

Z 8528-2:2006

−  白色点に関する要求について明確な解釈は存在しない。例えば,Y

n

はしばしばユーザーによって調節

可能であり,画面照度及び観察方向によって,変化する表示面の反射特性の強度及び相関色温度によ

って影響を受ける。

−  すべての技術の VDT は,低空間周波数の不均一性をもっており,

JIS Z 8513

では,1:1.7 を許容して

いる。輝度の不均一性の存在は,CIELUV の正確性を低下させる。

− CIELUV は,すべての顕著な変動要因を含んでいるわけではない。

−  点滅している又は短時間提示される対象については,有効ではない。


96 
Z 8528-2:2006

附属書 B

参考)

フリッカの判定法

B.1 

序文   

FPD

のフリッカを量で表すのは困難である。ここで提案する判定法は

JIS Z 8513

ISO 9241-3

:1992

属書 A

に記載)の方法を拡張したものである。ある種のフラットパネル技術のディスプレイでは,心理物

理学的なフリッカ判定手法によって,フリッカの有無を正しく判定できないという問題がある。新しい問

題を解決するための提案法を発展させれば,

これらの問題を解決することができる。

ここに示した方法は,

フーリエ変換の線形性の利点を用いている。輝度の時間関数における輝度の総和を結果として用いる。輝

度の時間関数は,蛍光体の時定数から算出するのではなく,測定によって求める。これらのこと以外は,

引用元の研究と全く同じである。

注記

フリッカ知覚は,個人間及び個人内で異なることは知られている。これらの違いの幾つかは系

統的である。フリッカ感度は,

(個人間では)加齢及び(個人内では)疲労によって低下する。

いかなるフリッカ測定の精度も研究に参加した被験者の特性に関係する。さらに,画面輝度を

被験者の網膜照度に変換するには,瞳孔反応を引き起こす輝度について,次の仮定が必要とな

る。ポジティブ表示では,画面の平均輝度と“順応輝度”は等しいと仮定する。一方,ネガテ

ィブ表示では,これが成り立たない証拠は幾つかある。目の光受容器が交互作用をしているの

で,正確な値は,平均輝度とピーク輝度との間にある。この附属書で使う平均輝度は,条件が

最も悪い場合ということになる。

B.2 

分析モデル   

B.2.1 

原理   

均一に照明された画面にフリッカが見えるか否かは,その画面の時間周波数における総エネルギーで予

測可能である(DeLange,1961; Kelly,1961,1962,1964; Farrell 1986,1987)

。したがって,この方法の最

初の段階では,時間周波数における総エネルギーE

obs n

を求める。その値とフリッカを検知すると思われる

総エネルギー量とを比較し,フリッカの検知いき(閾)値 E

pred n

を予測する。

JIS Z 8513

附属書 A

と異

なる点は,フラットパネルでは輝度時間関数が電子ビーム走査型の CRT の場合よりも比較的ふらつくこと

である。それは大きなエネルギーが幾つかの異なる周波数に存在するからである。係数 は表示の基本繰

返し周波数で 1 から始まり,

(一般的に,LCD パネルに必要な書換え周期の 0.5 倍までで)120 Hz を超え

ない整数である。観測エネルギーは計算で求めてもよいし,計測してもよい。周波数ごとのエネルギーは,

輝度時間関数のフーリエ変換で求まる。

もし,あらゆる周波数において,E

obs

E

pred

であれば,フリッカは検知されないであろう。

もし,あらゆる周波数において,E

obs

E

pred

であれば,フリッカは検知されるであろう。

B.2.2 

フーリエ係数   

輝度時間関数 f(t)の平均輝度は,式(113)で計算する。

t

t

f

T

c

T

T

d

)

(

1

2

2

0

ò

=

(113)


97

Z 8528-2:2006

c

0

:  フーリエ係数 0 で,暗室条件での平均輝度。

T

:  輝度時間関数における繰返し周期。電子ビーム走査の陰極線

管での書換え周波数は,1/T である(

B.5

参照)

注記

  f(t)

を測定し,高速フーリエ変換 FFT を使うときに,c

0

の代わりに FFT(ν)

0

を用いるのは適切で

はない。なぜなら,使用する FFT の特別な型式に依存した誤差をもたらすことがあるからであ

る。

FFT(

ν)

0

は,νの高速フーリエ変換の第 0 項である。

νは,測定サンプル f(t)のリストである。リストの項目数は 2 のべき乗で繰返し数は整数である。

平均輝度 c

0

は,暗室条件における測定値から次の式で算出する。

L

R

qE

S

このモデルにおける“順応”輝度 L

t

は,cd/m

2

をトロランドに変換した c

0

L

R

である。

フーリエ係数の一般形は,式(114)で算出する。

t

e

t

f

T

c

T

T

T

t

ni

n

d

)

(

1

2

2

2

ò

=

π

(114)

ここに,

c

n

:  番目のフーリエ係数

i

1

T

:  f(t)の繰返し周期

例えば,f(t)が赤,青,緑の総和の場合,それらの係数は,一度に得られ,加算できる。

å

=

=

=

m

j

r

t

L

L

j

c

c

1

0

0

(115)

å

=

=

m

j

n

n

j

c

c

1

(116)

0

2

AMP

c

c

n

n

×

=

(117)

要素が m 個あるとすると,

[

] [

]

2

2

)

(

lm

)

Re(

n

n

n

c

c

c

+

=

(118)

  なお,AMP は 0∼2 の間の値であり,

JIS Z 8513

の用語で規定されている。

AMP

n

に関連した周波数 f

n

は,次式(119)で算出する。

T

n

f

n

=

  for  = 1, 2… (119)

f

n

<120 Hz のときは,

0

)

(

FTT

)

(

FFT

2

AMP

v

v

n

n

×

=

 (120)

高速フーリエ変換を使うとき,観測のセットν

p

p=0…..2

z

-1

)は周波数 f

s

でサンプリングされ,を 6,

7…

として FFT 処理される。AMP

n

の値は n×f

s

/z

で求まる(式 120 参照)

。サンプリング周波数は k×2

z

/T

である。は 1,2,…。f(t)の周期を決めなければならない。一般的に k=1 で最もよい結果が得られる。

B.2.3 

瞳孔   

輝度をトロランドに変換するために瞳孔面積を知る必要がある。

JIS Z 8513

: 1994

附属書 A

では瞳孔

面積を次の式(121)のように単純化して表現する。


98 
Z 8528-2:2006

1

0

b

t

L

b

A

=

 (121)

b

0

:  12.451 84

b

1

:  −0.160 32

L

t

:  順応輝度で,L

H-dark

(

θ

D

,φ

D

)

q

H

(

θ

D

,φ

D

)E

s

B.2.4 

直流成分の要素   

対象とする周波数の総エネルギーを算出するには,

a)

画面輝度を網膜照度(トロランド)に変換する。

b)

瞳孔面積 を式(121)  で計算する。

c)

直流成分 DC は,次式で計算する。

DC

A×c

0

B.2.5 

判断基準   

各周波数でのエネルギーは,式(122)で計算する。

n

n

E

AMP

DC

obs

×

=

 (122)

判断基準は,すべての周波数において,式(123)  を満足するということである。

n

n

E

E

pred

obs

 (123)

ここに,

T

nb

ae

E

n

pred

ここに,及び の値を

附属書 表 B.1

に示す。

附属書 B   B.1−予測エネルギーと特別な場合の係数の値 

画面の大きさ

予測エネルギー係数

特別な場合の係数

角度

a b D E 

1

<20

0.127 6

0.191 9

36.44

13.83

2 20

∼40

0.191 9

0.120 1

39.81

16.40

3 40

∼65

0.507 6

0.100 4

37.93

19.62

4

65

0.530 0

0.099 2

37.96

19.86

B.2.6 

特別な場合の簡略化   

表示装置の幾つか,

“例えば,エレクトロルミネセンス EL,DC プラズマ,光励起ダイオード(LED)

は,1 ms 以下の残光がある。これらの表示デバイスでは,書換え周波数が 100 Hz より小さければ,AMP

=2 である。

条件:

a)

反射輝度は,5∼15 cd/m

2

b)

暗室条件平均輝度 L

dark

は,10∼340 cd/m

2

これで,画面の書換え周期が DElog

10

(L

dark

)

よりも大きければ必要条件を満たす。

ここで,及び 

附属書 表 B.1

の右欄にある二つの値である。

B.3 

データ処理の手順   

ある与えられた周波数での表示輝度の実際の交流成分は,画面の視角約 1 度の面積において時間分解さ

れた輝度で決まる。この方法は提示画像に依存する。


99

Z 8528-2:2006

a)

試験画像

1)

ポジティブ表示又はポジティブ及びネガティブの両方の表示が可能な画面の場合:最も明るい状態

での画素配列か,

又は経験的に決めた最も悪いグレーレベルの状態を用いる。

多色表示画面では

“白”

を用いる。表示できる色に制約のある多色表示画面では,最も明るい状態にしてすべての画素を発

光させる。

2)

ネガティブ表示だけの場合:用意されている文字セットからランダムに選択したアルファベットを

密に並べる。最も輝度の高い状態にするか,又は経験的に決めた最も悪いグレーレベルの状態を用

いる。多色表示画面では“白”を用いる。又は線構成の画面では最も明るい状態にしてすべての画

素を発光させる。

b)

試験画像の大きさ及び配置

1)

試験画像の大きさは,本体

8.4.2.1

の測定対象にあるものと同じ大きさにする。

2)

試験用画像の本体

8.4.2

の標準測定位置に示した 55 の位置に配置する。

3)

測定装置は本体

8.4.1

の評価軸方向に示した角度θ

D

及びφ

D

とになるように設置する。

1

:輝度計

2

:処理

附属書 B   B.1−フリッカ測定装置 

c)

附属書 B

図 B.1

の装置を使い,1/から 120 Hz までの周波数のフーリエ係数を求める。

各周波数 n/Tn=1,2…n

max

)について,E

obs

及び E

pred

を比較する。これは

附属書 図 B.2

に E

pred

の値

をプロットすれば簡単にできる。

T

は,f(t)の最大繰返し時間

n

max

は,n

max

/T

<120 Hz のときの最大の整数

もし,いずれの E

obs

も E

pred

より小さければ,画面にフリッカは検知されないといえる。

注記 1

サンプリング数は,最大の繰返し時間を正確に分割しなければならない。繰返し時間が 25 ms

で 64 サンプルが欲しい場合の f

s

は,約 2 560 Hz(64/0.025)となる。

注記 

フリッカのモードは,画面の書換え周波数に直接的には関連していないかもしれない。その

周波数が 20 Hz 以下であれば,原データからの予測は困難であろうし,信頼性がない。

注記 

LCD

フラットパネルは,正負の半周期の間でバランスがとれるような大きさで,かつ,1/2

の書換え周波数で発光の変調を行っている。このバランスは,バイアスに依存するが,表示

画像にも依存する。なぜなら,パネル内で側面から望ましくないカップリング作用がある。

有用な試験画像を選択するための指針はない。そのバイアスは,

その試験画像を表示した後,

フリッカが最小となるように調節することはできない。


100 
Z 8528-2:2006

f

(t)

は,360 Hz 又はそれ以上変化するので,その輝度変化に耐える時間解像度をもつ輝度計を使う。

まず,最初に 0∼150 Hz(3 db)の低域通過フィルターで処理する。このフィルターは,サンプリング周

波数において−60 db 又はそれ以下でなければならない。

フィルターの出力から最大繰返し数が分からなけ

ればならない。これは自動化できる。

a)

最大サンプリング周波数 100 ms でのサンプル(式

124

参照)

å

=

+

=

fs

w

q

w

w

t

f

t

f

05

.

0

0

)

(

)

(

 (124)

b)

  を最小にする q を求める。

c)

T

q/f

s

d)

  f

s

=2

m

/T

    m=6,7,…

e)

フィルターのかかった f(t)をサンプルとし,FFT を計算する。

附属書  B.2E

obs

の最大値

Row1:<20

°

Row2: 20

°∼40°

Row3: 40

°∼65°

Row4: >65

°

B.4 

計算例(附属書 表 B.2 及び B.3 参照)   

オンオフモードで駆動されるプラズマフラットパネルは,80 000 Hz 以上のパルスを用いているので,心

理物理学的にはフリッカは検知されない。しかし,グレースケールを作るには,周期的な波で駆動する。

最も明るい状態では,フリッカは検知されないが,最大輝度及び最小輝度が間欠的に繰返される場合は,

時間スライスによってフリッカは検知される。基本繰返し時間 T は,25 ms である。周波数が 40 Hz,80 Hz

及び 120 Hz の場合を検討する必要がある。パネルの大きさは,

附属書 表 B.1

の列に示す対角 20∼40 イ

ンチとする。照度 250 lx の照明による反射輝度は,10 cd/m

2

である。グレースケールによるフリッカ検知

法を

附属書 図 B.3

に示す。

フーリエ係数は,簡単に計算できる二つのケースがある。ケース 1(

附属書 表 B.2

)では,パネルの

状態を任意の状態にできると仮定する。ケース 2(

附属書 表 B.3

)では,ネガティブ表示画面に文字を

周波数 (Hz)


101

Z 8528-2:2006

表示し,平均 6  %のピクセルが任意に光っていると仮定する。

一方,いずれも成立しない場合の設計変更には,明らかに第 2 番目の例を用いる。二つの 6.25 ms から

なるデューティ 50  %のパルスを使うと,この問題は解決する。その理由は,40 Hz で AMP は 0,80 Hz

で AMP は 1.273 になるからである。この変更の他に,ケース 1 に合格するには,T と最大輝度との組合せ

を小さくしなければならない。例えば,17 ms 及び 65 cd/m

2

の組合せは合格する。

附属書  B.3−輝度波形  上

輝度 50  %

25

75

附属書  B.2−ケース の例 

L

t

 cd/m

2

 35.000 60.000 85.000 110.000

A mm

2

 7.042 6.459 6.109 5.861

DC

 176.061 322.972 458.147 586.128

AMP

at

40

Hz

 1.801 1.273 0.600 0.000

at

80

Hz

 1.273 0.000 0.424 0.000

at

120

Hz

 0.600 0.424 0.200 0.000

E

obs

at 40 Hz

317.086

411.144

274.888

0.000

at 80 Hz

224.126

0.000

194.254

0.000

at 120 Hz

105.637

136.940

91.629

0.000

附属書 表 B.1 の項 1 から

結果

E

pred

at 40 Hz

23.41

不合格

不合格

不合格

合格

at 80 Hz

2 856.12

合格

合格

合格

合格

at 120 Hz

348 439.23

合格

合格

合格

合格


102 
Z 8528-2:2006

附属書  B.3−ケース の例 

L

t

 cd/m

2

 11.500 13.000 14.500 16.000

A mm

2

 8.418 8.254 8.111 7.984

DC

 12.627 24.763 36.500 47.904

AMP

at

40

Hz

 1.801 1.273 0.600 0.000

at

80

Hz

 1.273 0.000 0.424 0.000

at

120

Hz

 0.600 0.424 0.200 0.000

E

obs

at 40 Hz

22.742

31.523

21.900

0.000

at 80 Hz

16.074

0.000

15.476

0.000

at 120 Hz

7.576

10.499

7.300

0.000

附属書 表 B.1 の項 1 から

結果

E

pred

at 40 Hz

23.41

合格

不合格

合格

合格

at 80 Hz

2 856.12

合格

合格

合格

合格

at 120 Hz

348 439.23

合格

合格

合格

合格

B.5 

フーリエ変換の補足   

フーリエ変換には幾つかの方法があり,

また,

高速フーリエ変換のアルゴリズムも幾つかの方法がある。

したがって,変換方法及び数式を一貫して使うように注意しなければならない。違いは,変換又は逆変換

(又は両者)によって係数を求めるかどうかから生じるし,逆変換の和の項のレンジからも生じる。二つ

の違いの要素があり,虚数項の符号を変えることもできる。第 2 番目の違いは,結果を修正せず,最初の

違いは修正する。

フーリエ変換及び逆フーリエ変換のバージョンを次と仮定する。分析対象の f(t)は,次式(125)で計算す

る。

t

t

f

T

c

T

T

T

t

ni

n

d

e

)

(

1

2

2

2

ò

=

π

 (125)

å

=

−∞

=

=

n

n

T

n

c

t

f

int

2

e

)

(

π

n

0

,1,…,∞

i

1

f

(t)

f

(t

nTは,1,2…

高速フーリエ変換のアルゴリズムの式は,次式(126)及び(127)で計算する。

å

=

=

1

0

2

e

1

N

j

N

i

j

j

v

v

N

c

π

 (126)

å

=

=

1

0

2

e

N

v

N

i

vj

v

j

c

v

π

 (127)

c

v

フーリエ係数

i

1

ν

j

N

サンプルのセット

N

サンプル数(2 のべき数)

ある FFT アルゴリズムでは,c

0

がサンプルから得た値の平均値ではない。正フーリエと逆フーリエ変換

との e の符号は,いつも異なる。このことは,この

附属書 B

に載せた数式に影響しない。AMP

i

の式は,


103

Z 8528-2:2006

いかなる一貫した式に対しても頑強であるし,正規化には 1/又は 1/ を用いる。このことは常に正し

いとはいえないので,確認するためにはこの

附属書 B

の例を使う。Vj が N=64,j<48 のとき, 100.0 で

あれば,アルゴリズムを使い,

附属書 表 B.4

の値を得る。計算結果がこれらの値の 2 倍であれば,

附属

書 表 B.4

の第 2 因子は使わない。もしゼロ項が 75 でなかったら c

0

に対してこのアルゴリズムを使わな

い。

附属書  B.4−計算結果 

1 0.600

2 0.425

3 0.201

0

)

(

FFT

)

(

FFT

2

AMP

v

v

n

n


104 
Z 8528-2:2006

附属書 C 

参考)

双方向反射分布関数(BRDF)

序文 

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

C.1 

序文   

この附属書では,双方向反射分布関数(BRDF: Bidirectional Reflectance Distribution Function)を測定する

ことによって,ディスプレイからの光学的散乱の強度と角度分布とを求める方法を紹介する。

BRDF

測定に基づいた実際的な方法が,標準的な評価方法として使用できるかどうか研究が行われてい

る。その目的は,技術と実用性との両面で,本体

8

の方法より優れた方法を確立することである。次に,

JIS Z 8528-2

に関する現状の調査状態について示す。

C.1.1 

重要性及び用途   

ディスプレイからの光学的散乱は,表面の形状(アンチグレア処理)及び内部の微細構造(技術に依存)

から生じる。最も一般的な場合,波長特性と偏光特性とを無視すると,BRD は光の入射方向(

θ

i

φ

i

と受光器(目又は光検出器)との方向(

θ

r

φ

r

)の二つの方向の関数である。BRDF は,4 変数の関数で,

方向(

θ

i

φ

i

)からの入射照度 dE

i

が,観測又は測定される方向の反射輝度 dL

r

に寄与する程度を示す(式

128

参照)

)

,

(

d

)

,

,

,

(

d

i

i

i

i

i

r

r

φ

θ

φ

θ

φ

θ

E

B

L

r

=

 (128)

ここに,(

θ

r

φ

r

θ

i

,φ

i

)

の値が BRDF である。

ディスプレイについては,完全な BRDF に対するすべての角度情報は必要でなく,一つの平面から三つ

の平面に対する情報にデータの必要性は,最小化できることが予想される。反射角の方向から観測される

輝度は,入射照度をすべての方向に対して積分した値によって与えられる(式 129 参照)

ò ò

=

π π

φ

θ

φ

θ

φ

θ

φ

θ

2

0

2

/

0

i

i

i

i

i

r

r

r

r

r

)

,

(

d

)

,

,

,

(

)

,

(

E

B

L

 (129)

次に,入射照度分布 dE

i

を増加させるある分布をもった輝度光源が環境にある場合を考える。画面から

測定された立体角 d

Ω=sin(θ

i

)d

θ

i

d

φ

i

の各要素に対して,室内に光源輝度 L

s

(

θ

i

φ

i

)

がある。その光源か

ら発生する照度は,L

s

 cos(

θ

i

)d

Ωであり,コサイン項は法線より大きな角度に分散する光を考慮している。

ディスプレイの周囲の輝度光源については,観測される反射輝度は,式(130)で表す。

ò ò

×

=

π π

θ

φ

θ

φ

θ

φ

θ

φ

θ

2

0

2

/

0

i

i

i

s

i

i

r

r

r

r

r

d

)

cos(

)

,

(

)

,

,

,

(

)

,

(

L

B

L

 (130)

鏡面反射は L

βL

s

で示され,ここで L

s

は光源の輝度である。しかし,拡散反射(Lambertian)及び鏡

面反射を典型的なディスプレイの反射特性に適用するのは適切でない。

鏡面反射方向に強く生じる第 3 の反射があり,これを“ヘイズ”と呼んでいる。ヘイズ成分は,反射が

拡散反射(Lambertian)及び鏡面反射だけでモデル化されたときに生じる,測定結果の不整合の原因であ

る。

すべての成分が同時に存在する必要はない。最小限一つの成分だけが存在すれば,サンプルからの光反

射が発生する。完全拡散(Lambertian)の表面処理(例えば,筆記用の紙のような)を施したディスプレ


105

Z 8528-2:2006

イがある。鏡面反射成分がない(光源の鮮明な反射映像が見えない)ディスプレイもある。拡散反射成分

が無視できる程度で,ヘイズ成分だけをもったディスプレイもある。ヘイズ成分がなく,鏡面反射及び拡

散反射だけのディスプレイもある(

JIS Z 8517

はこれを前提としている。

BRDF

は,三つの成分(拡散 D,鏡面 及びヘイズ H)で表すことができる(式 131∼134 参照)

B

DS (131)

ここに,次の式が成立する。

π

=

=

ρ

q

D

 (132)

[

]

[

]

π

±

=

i

r

i

2

r

2

sin

sin

2

φ

φ

δ

θ

θ

βδ

S

 (133)

(

) ( )

i

i

i

i

r

r

,

,

,

,

φ

θ

φ

θ

φ

θ

dE

H

H

=

 (134)

鏡面反射成分は,反射像の鮮明度を決定する値である。デルタ関数が使われているのは,鏡面反射は,

光源が鏡面反射を生じる方向にある場合だけ効いてくることに対応している。3 成分の BRDF を入射光の

全方向に対して積分すると,次の式(135)のようによく知られた結果が得られる。

(

)

(

)

(

) ( ) ( )

θ

φ

θ

φ

θ

φ

θ

φ

θ

β

φ

θ

π π

d

cos

,

,

,

,

,

,

i

2

0

i

i

i

2

/

0

i

i

r

r

r

r

s

i

r

r

r

ò

×

ò

+

+

=

L

H

L

qE

L

 (135)

最初の二つの項は,拡散項(Lambertian)及び鏡面項である。鏡面成分(

φ

r

±π)の項は,通常の鏡面

反射の構成である法線に対する反射方向からの光線を単に選択している。最後の項はヘイズ成分である。

ヘイズ関数は鏡面方向において最大値となる。この関数は,3∼4 けたの範囲の値を取ることができる(例

えば,つやのない黒色の画面)

。このような場合に関数の範囲を表示するには,対数目盛を使用する必要が

ある。

この作業が完全であると,この関数のパラメトリック関数は,ディスプレイの反射の計算に使用するヘ

イズを適切に記述することが予想される。ヘイズ高さ h,その半値幅 w(全幅の 5  %又は 10  %程度)及

び形状係数 は,ヘイズ関数を定義するのに必要である。形状係数が不要であることが期待される。これ

によって,四つ又は五つのパラメータ q

β,h及び を使って,反射特性が得られる。このような公

式を使って,実際に試験室において輝度分布を生じさせ,反射輝度を測定することなく,特定の輝度環境

におけるディスプレイの反射を計算で求めることができる。

次のセクションでは,現在研究中の測定技術を示す。ディスプレイ産業以外で利用されている標準的な

反射測定方法をモデル化したものである。

C.2 BRDF

の測定   

双方向反射分布関数 BRDF

18

19

は,反射微分輝度 dL

r

に対する測定対象の微分照度 dE

i

に関係し,

附属

書 図 C.1

に示す光線入射方向(

θ

i

φ

i

)及び受光器の方向(

θ

r

φ

r

)のように,二つの方向の関数で

ある[式(136)参照]

[ ]

1

r

i

r

r

i

r

cos

d

d

d

d

BRDF

×

sr

P

P

E

L

θ

 (136)

dL

r

サンプルの微分輝度

dE

i

サンプルの微分照度

P

i

入射光線の光量

dP

r

散乱光線の微分光量

d

Ω

r

受光器の開口部の微分立体角

θ

r

受光器の傾角


106 
Z 8528-2:2006

BRDF

は,光源及び受光器の方向の関数であることによって,BRD 関数の 3 種類の基本的なカテゴリに

区分できる。

A

固定光源,可変受光器(標準的な配置,

18

19

を参照)

B

可変光源,固定受光器(視作業性の代替評価方法)

C

可変光源と可変受光器(代替の有効な測定方法)

ケース A は,不透明試料の標準的な評価方法を示している。ケース B は,実際の作業環境をシミュレー

ションするので,表示画面の人間工学的な性能を評価する代替方法である。実際の作業環境では,周囲光

源が様々な方向からディスプレイを照射する状態で,ディスプレイに対して観視者の方向は固定されたま

まである。この方法 B は,Kelley et al.によって,複数の環境光源によって照射された状態でのディスプレ

イの反射をモデル化するために採用された

20

反射分布関数の第 3 のクラスである C は,測定装置に長所がある。サンプルは,固定された拡散小径出

射口又は点状光源からの光線によって照射され,反射光線強度の角度分布は,二次元の検出器配列(例え

ば,人間の目又は CCD カメラ)を使って,光源の反射画像を分析することによって評価される。この方

法は,フラットディスプレイ表面の反射評価のために Kelley によって提案され

21

,最近では曲面(例え

ば,CRT のスクリーン)に拡張されている

22

BRDF

評価において,光源放射特性に 3 種類の基本的な選択肢がある。

−  平行光線又はわずかに集光された光線を放出する大小の径の光源

−  点光源(例えば,フラッシュライトの電球)

−  (小径の)拡散光源

受光器では,焦点について 2 種類の設定方法がある。

−  サンプルに焦点を合わせる。

−  光源に焦点を合わせる。

これらの選択は,視作業性を評価するのか又は物理的サンプル特性を求めるのか,といった評価の目的

に依存する。標準的な BRDF の設定では,受光器はサンプル上に焦点が合わされ,FOV は照射されたスポ

ットを完全に包含する。

この状態で,BRDF の測定は,塗料,エナメル及びその他のコーティングのような不透明な材料の評価

に使用され,光沢,ヘイズ又は反射像明りょうな光沢という用語で評価される

23

24

。BRDF 測定は,光

の散乱を発生する表面の微細構造の特性決定に使用される

19

附属書 図 C.1

において,

θ

i

φ

i

)によって特性の定められる入射ビームⅠは,xz 面に示される。受

光器の方向は,

θ

r

φ

r

)によって与えられる。


107

Z 8528-2:2006

a

:入射

1

:サンプル

附属書  C.1−座標系及び角度分布 

入射光線は,受光器の開口部に集光される。標準的な BRDF 条件:サンプル上に照明されたスポット A

は,受光器の傾角

θ

r

のあらゆる角度方向に対して,受光器の FOV より小さい。


108 
Z 8528-2:2006

  1

:サンプル

  2

:入射光線

  3

:最終集光又は平行化素子

  4

:サンプルの法線

  5

:開口遮へい

  6

:視野遮へい

  7

:検出素子

  8

:受光器

  9

:鏡面反射光線

10

:受光器の FOV

11

:照射スポット A

附属書  C.2−光源及び受光器の幾何学的配置 

C.2.1 

従来の方法   

散乱光の角度分布測定装置は,従来の機械的走査又は光学変換法に基づいている。いずれの場合も,装

置は,光源,反射光の受光器及び試験サンプルに対する光源と受光器の方向を変化させる手段から構成さ

れる。

C.2.1.1 

光源   

光源は,光源自体(例えば,レーザ,電球,放電管など)と,特定の立体角で,サンプル上の特定の面

積 に照射光量 E

i

を発生させる光学系で構成される。光源のスペクトルは,色光又は無彩色光にかかわら

ず記載されなければならず,

“相関色温度”などのような積分量的なスカラ特性では十分でない。平行化さ

れ又はわずかに集光された光線(

附属書 図 C.2

に示す。

)が,通常 BRDF の測定に使用される。

入射光の偏光状態は,制御され,記載されなければならない。無偏光又は円偏光が望ましい。照射光の

強度及びスペクトルは,正確な結果が得られるように,測定中一定に保たれるようにする。

C.2.1.2 

受光器   

受光器は,検出素子(光電変換器)並びに特定の視野及び開口角(FOV はサンプル上の測定スポットを


109

Z 8528-2:2006

規定し,受光器の測定円すい

Ω

r

は開口角によって特性が決まる。

)をもった光学系から構成される。受光

器は,入射光線の偏光状態に影響されず,全体的なスペクトル応答は,特に指定する場合を除き,明所視

感度である。場合によっては,反射光のスペクトル分析が必要となる。

サンプルの輝度を測定するために,受光器の光学系は,サンプルの表面に焦点を合わせる必要がある。

鏡面反射の評価には,光源又は代わりにその像に焦点を合わせるようにする。

輝度計の焦点が,誤って実際の測定対象より後方の面に合わせられたときには,輝度は,正しい焦点条

件と比較して高い値として測定される。

受光器の傾斜及び回転の全角度について,サンプル上の同じスポット(すなわち FOV)を測定するよう

に受光器の傾斜軸を調整しなくてはならない。受光器の開口角を一定にすることによって,受光器の方向

に対して,最初の円形測定スポット(FOV)は,だ円形で非対称(受光器の傾斜軸に対して)となる。

C.2.1.3 

位置決め機構   

機械的な配置は,光線の入射方向(

θ

i

φ

i

)を調整するために,サンプルに対して光源の方向を変更で

きるようにしなくてはならない。サンプルに方位角依存性(すなわち方向性)が生じているとき,照射領

域 の中心の表面法線に対してサンプルを回転させ,回転角度を変化させて複数回の測定を行う必要があ

る。光源の傾斜

θ

i

及び回転

φ

i

の軸は,測定の中心と交差する。受光器の傾斜

θ

r

と回転

φ

r

の軸とは,光

源の回転と傾斜の軸とが交差する点で交差する。

個々のサンプルに対して,調整及び位置決めを注意深く行い,上記に示した幾何学的条件が実現される

ようにする。わずかな偏差も測定結果に大きな影響を及ぼす。

C.2.1.4 

光源−受光器特性   

対象及び材料のゴニオフォトメトリの標準的な方法

25

には,平行光線と集光光線の 2 種類の光学系が

あり,いずれも焦点ぼけ,角度分解能などに,長所及び短所がある。

集光光線の場合は,サンプルが存在しないときに,光源の像は受光器の入射口に投影され,光線が確実

に捕そくされる。標準的な BRDF の設定では,受光器の光学系は,サンプル面に焦点を合わせる。

サンプルがない状態で,光源及び受光器は,光学的な軸が透過光に対して一直線に配置される(すなわ

ち,受光器が光源に直接向かっている。

)とき,受光器の傾角に対する電気的出力の変化は,光源と受光器

との間の角度偏差が増加することによって減少するピークのある曲線になる。この曲線の詳細な形状は,

光源の放射及び受光器の感度の角度特性によって与えられる。この形状は,光源と受光器との結合特性で

あるため,曲線は光源−受光器特性と呼ばれる。この特性は,感度の方向依存性のある受光器による光の

伝ぱ(播)角度に対する光源放射のコンボリューション積分によって,数学的に求めることができる。

理想的な光源は,完全に平行化された光線(無拡散)を放射し,この光線の面内の強度は一定で,理想

的なコリメーティング受光器は,入射開口面で感度が一定な状態で,完全に平行化された光だけを受光す

る。光線の中心からの距離に対する光源の放射及び受光器の感度は,トップハットプロファイルとして表

される(ビーム均一性)

。理想的な光源の放射及び理想的な受光器の感度を,光の伝ぱ方向に対してプロッ

トすると,完全に平行化された光源(無拡散)と完全なコリメーティング受光器の場合,ディラック(Dirac)

パルスが得られる。理想的な光源と受光器の特性がディラックパルスになる。

実際には,光源からの光線は完全に平行化されず,受光器の感度及び光線の直径方向の光源強度も一定

でない。いずれの値も光線の直径方向の端部に向けて徐々に減少し,光源−受光器特性は劣化する。

光源−受光器特性は,BRDF 測定装置の角度分解能の限界を規定し,可能な限り小さい値を保たなけれ

ばならない。高い角度分解能(狭い特性)と装置の SN 比の間には,必ず競合条件が存在する。

反射性のサンプルを測定するための装置では,光源−受光器特性を評価する上記の透過光に対する一直


110 
Z 8528-2:2006

線の配置(

C.2.1.4

)は,鏡面で散乱のないミラーを使った鏡面配置(すなわち,入射光の角度が受光器の

入射角に等しい)に置き換えられる必要がある。高品質の表面鏡又は黒色ガラスを平面研磨したものが,

この目的に使用される。

C.2.1.5 

幾何学的複雑さの軽減,IP-BRDF   

測定方法と装置との複雑さを軽減する一つの方法は,光源の入射角を変化させる面に対してだけ,反射

光の測定を制限することである。受光器又は光源のいずれかが同じ平面内で移動する(すなわち,サンプ

ル z と入射光線の中心に垂直な面によって定義される入射面 PLIN,

附属書 図 C.1

及び

図 C.2

を参照)

この特殊な状況は,面内 BRDF(IP-BRDF)と呼ばれ,IP−BRDF の評価は表面の法線に対して,回転対称

性を示すサンプルの光学的な散乱に関する特性を決定することができる。

C.2.1.6 

多重反射   

標準的な BRDF の配置では,視野遮へいによって決定される受光器の FOV は,照射面全体を覆うのに

十分な大きさとする。式(136)  の cos(θ)の項は,入射角

θ

r

が増加し,照射スポットの有効面積 A

eff

が減少

したときに,照射(又は発光)強度 dP

r

d

Ω

r

が減少することを補正している。

BRDF

の測定は,不透明なサンプルに対しては限界があり,上面層だけが反射光に関係する

18

ここで検討しているディスプレイは,複数の透明層で構成され,反射光も異なる光学的界面から放出さ

れる複数の平行光線となる。入射光の角度と層の厚さが増加すると,空間的な距離が増加する。これらの

部分光線を開口部の小さい受光器ですべて捕そく(捉)するために,標準的な BRDF に修正を加え,FOV

より大きな均一のスポットで照射するようにしている。受光器の FOV は十分小さく,照射スポットの中心

にくるようにし,入射角度が最大になってもこの限界値を超えないようにしている(すなわち,

附属書 C

図 C.2

に示した FOV と照射スポットの大きさが逆の関係になる。

。さらに,サンプルの特性は,部分光線

が捕そくされる面内で均一になっていることが必要である。この場合に測定される量は輝度 L

r

で,BRDF

は次の式(137)で与えられる。

[ ]

1

r

i

1

BRDF

×

=

sr

L

P

C

 (137)

完全なミラーであってもこの方法では,入射光束を受光器に反射させることができないため,適切に校

正された拡散反射標準を使った校正によって,定数 C

1

が求められる。ASTM の用語では,校正標準を使用

し参照するために,

“相対 BRDF”と呼ばれる。

両方の照射条件で測定した不透明サンプルの BRDF 曲線の比較(すなわち,拡散反射標準,紙など)か

ら,結果が一致していることが分かる(cos

θ

r

に対する必要な補正を行った後)

。さらに,ガラス−空気界

面からの 2 本の部分反射光線(10 mm の PMMA 板,3 mm のフロートガラス)を使ったガラス板の BRDF

に対して,それぞれの計算結果を比較することによって,変更を加えた照射方法として適切な方法である

ことが確認される。

C.2.2 

代替方法   

最近,

“焦点面照射”と呼ばれる照射方法をコノスコピック受光器と組み合わせ,機械的な角度走査を行

わずに 2 次元 BRDF を測定する装置が実現した。

C.2.2.1 

コノスコピック(conoscopic)受光器   

装置はよく知られているコノスコピック法に基づき,透過性サンプル S(変換レンズ L

1

の前方焦点面に

位置する。

)上の測定スポットから発した,円すい状の基本平行光線は,

附属書 図 C.3

に示すように,

レンズ L

1

によって大きな立体角で捕そくされる。パターン IF

1

は,光の伝ぱ方向の光学軸と平行な光線の

強度に対応して,レンズ L

1

の後方焦点面

1

F

′ に生成される。コノスコピック受光器の光軸に平行に伝ぱす


111

Z 8528-2:2006

る光線は,円形パターン(変換パターンの代表的な例は,

附属書 図 C.3

の右側に示されている。

)を形

成し,傾斜定角θの光線は,傾角θに比例する半径 の中心の同心円を形成する。パターン IF

1

では,基

本平行光線 C の円すい状の角度強度分布は,一次元の光線伝ぱに対応するパターンのそれぞれの位置にお

ける二次元の強度分布に対応する

23

第 2 の光学系 L

2

は,二次元の検出器配列(例えば,CCD 配列)状に縮小された変換パターン IF

1

を結像

し,サンプルの測定スポットから放出される光線の角度強度分布に対応する空間強度分布を評価できる。

            C:透過性サンプル S に照射される基本平行ビームの集光円すい

2

2

1

1

F

F

F

F

:それぞれレンズ L

1

及び L

2

の前方及び後方焦点面

            IF:変換パターン 
            A

2

:可変開口

            L

2

:IF

2

平面にある検出器配列へ IF

1

を結像するリレーレンズ

附属書  C.3−コノスコピック受光器の概要 

C.2.2.2 

焦点面照射   

サンプルが非透過性である場合,又はサンプルの反射特性を評価する場合,

附属書 図 C.4

に示すよう

に,レンズ L

1

を通して十分定義された照射が可能となる。面積 A,放射円すい角

Ωでレンズ L

1

の光軸に

平行な基本的な光源から,L

1

における円すい直径及び面積 A によって決定される広がり角度で,直径が定

まる平行化された光線が発生する。十分に平行化光線(例えば,最小広がり角度)を得るためには,光源

素子 A はできるだけ小さくする必要がある。その他の特殊な場合では,レンズ L

1

の直径をカバーする平

行化されたビームによって,サンプルへの等方的な拡散照射が行われる。

“焦点面照射”の概念とコノスコピック受光器を組み合わせることによって,サンプルから反射された

光線の角度分布を測定し,同時観測できるようになる

24


112 
Z 8528-2:2006

    1:光源 
    C:透過性サンプル S に照射される基本平行ビームの集光円すい

1

1

F

F

:変換レンズ L

1

の前方及び後方焦点面

附属書  C.4−焦点面照射の概要 

機械的な角度走査の代替方法として,コノスコピック法は,立体角の走査に必要な時間と装置の大きさ

の点で優れている。最近のコノスコピック受光器には,開口角が±80°のものがある。

C.3 

典型的な BRDF の測定結果   

C.3.1 2

次元 BRDF   

基本的な BRDF 成分の例として,

附属書 図 C.5

に示すような白色の光沢紙(例えば,雑誌の用紙)が

ある。サンプルには白色の平行光線が照射され,光線の直径は 1.1 mm で,光線の入射角は 35°に固定さ

れている。本論文で実験に使用されているコノスコピック光学系の開口角は±60°である。


113

Z 8528-2:2006

露光時間 t

e

=15 ms,ピーク値=2 914 カウント

附属書  C.5−雑誌に使われる白色光沢紙の 次元 BRDF 

附属書 図 C.5

の角(すなわち,光線が照射されない検出器の領域)には,コノスコピック受光器のノ

イズレベルであるベースレベルがあり,

附属書 図 C.5

の平均ノイズレベルは,54 強度ユニットである

(A/D 変換器のカウント数)

。垂直から約 50°以上の受光器の方向に対して,反射光線の強度は一定で,

平均レベル 217 強度ユニットに均一なレベルがあり,これは反射のランベルトの法則に従う成分である。

この均一なレベルの上部には,ヘイズによって拡散した鏡面成分がベル状のピークをなして鏡面反射の方

向にある。反射ヘイズの量は,

附属書 図 C.6

に示すように,ベル形状のピークとコノスコピックシステ

ムの光源−受光器特性間の差(研磨した黒色ガラスミラーを使って測定)によって定まる。10  %における

針状のピークの幅は,約 2.6°である。

BRDF

(任意

の単

位)

垂直角度

水平角度


114 
Z 8528-2:2006

露光時間 t

e

=1 ms,ピーク値=3 500 カウント

附属書  C.6−鏡面ミラーの 次元 BRDF

研磨した黒色ガラス

NG9

Schott

社製

光源

受光器特性

校正された拡散反射標準の BRDF は

附属書 図 C.7

に示され,反射光強度は受光器の全方向に対し,傾

斜の増加による受光器感度が低下することによって,ランベルトの法則に従った均一なレベルの端部で,

低下することを除き,一定になる。鏡面反射方向には,強度の増加はなく,入射した平行光線が完全に散

乱することを示している。

BRDF

(任意

の単

位)

画素,垂直方向

画素,水平方向


115

Z 8528-2:2006

反射率 r=99.1  %,露光時間 t

e

=250 ms,プラトー値=3 600 カウント

附属書  C.7−理想的な拡散反射標準の 次元 BRDF

鏡面反射方向の反対側にある均一レベルからの低下は,コノスコピックレンズ系の後方焦点面に光を供

給するために使用される装置の影によって生じる。

BRDF

(任意

の単

位)

画素,垂直方向

画素,水平方向


116 
Z 8528-2:2006

露光時間 t

e

=7 ms,ピーク値=3 990 カウント

附属書  C.8−偏光板にアンチグレア処理が施された 10.4 インチカラーSTN-LCD 画面の 次元 BRDF

26.4cm

(10.4 インチ)カラーSTN-LCD 画面の二次元 BRDF を

附属書 図 C.8

に示し,ここで,ベル形

状のヘイズピークは,ノイズレベルから立ち上がり,次に示すより厳密な試験を行っても,拡散反射

(Lambertian)による均一レベルは見出せない。

C.3.2 

面内 BRDF   

従来の機械的走査を行う BRDF 装置を使った実験を,

白色光源から平行化された光線

(光線広がり±2°,

円偏光,傾角 35°)及び±2°より若干小さい開口をもつ方向性受光器(サンプル上に焦点合せ)を使用

して行う。

附属書 図 C.8

の 10.4 インチカラーSTN-LCD 画面から得られた IP-BRDF 曲線を

附属書 図 C.9

に示す。

LCD

内部及び前面の偏光板表面(例えば,アンチグレアコーティング)の構造と粒子による散乱の効果は,

黒色ガラスミラーを使って測定した光源−受光器特性を広げた形で現れる。受光器の傾斜の角度が大きく

なっても(例えば,鏡面反射から±35°)

,拡散反射(Lambertian)の均一レベルは生じない。4 けたの変

化のダイナミックレンジに対応するために,12 ビットの分解能の受光器を使用し,

附属書 図 C.9

に示す

鏡面反射の方向から離れた位置に対して,増感した測定を重ね合わせている。

BR

DF

(任

意の

単位

画素,垂直方向

画素,水平方向


117

Z 8528-2:2006

附属書  C.9−平行化した白色光源

ビーム広がり<±2°

円偏光

を用いた

カラーSTN-LCD 画面,

反射ミラー

Rs

0.0444

及び拡散反射標準

r

99.1  %

の IP-BRDF 曲線

C.4 BRDF

データの評価及び解釈   

C.3

(例えば,

附属書 図 C.5

)のように,BRDF 曲線によって基本成分(鏡面,ヘイズ及びランベルト

の法則に従う成分。

)を容易に区別できる場合がある。

ヘイズ丘部の上にある鏡面反射のピークは,適切な鏡面グロス値(すなわち,研磨又はエッチングされ

た黒色ガラス

25

で作られた校正された光沢表面と比較した場合は,

“ミラー方向における相対視感反射

率”

,又は装置構成及び評価方法に依存したその他の鏡面反射特性を規定するために評価される

25

26

27

28

C.4.1 

鏡面成分及び非鏡面成分の分離   

非鏡面から鏡面成分の分離は,鏡面(正反射)光線が正反射方向を中心とした光線トラップによって除

外される積分球を使って,拡散反射成分を測定する物理的プロセスに基本的に従う。非鏡面反射方向に反

射された成分は,積分球に捕そくされ,その積分された光束が測定される。例えば,この方法は,透過及

び反射におけるヘイズの積分値を決定するのに使われ,ヘイズ係数は,全光束で非鏡面反射光束を除算す

ることによって与えられ

29

30

31

,したがって,積分値は,ヘイズ及び拡散反射(Lambertian)成分を合

わせた値になっている。厄介な問題が,鏡面反射成分トラップのサイズの選択に生じる。ヘイズが反射に

含まれる場合は,鏡面ポートのサイズが,非鏡面反射成分に含まれるヘイズ量を左右する。さらに,光線

トラップの中心に鏡面反射方向を正確に調整することが重要になる。鏡面反射成分を,BRDF データから

数学的に求めることで,この問題を回避することができる。

C.4.2 

ヘイズ広がり比   

理想的には,

完全な角度分布特性を示す限られた数のパラメータを使って,

反射光の二次元分布の形は,

数式によって表されるべきである。しかしながら,BRDF は多様であり,数値の当てはめによって適切な

受光器の傾角(°)

BR

DF

(任

意の

単位


118 
Z 8528-2:2006

関数を定めるのは容易ではない。

最初のステップで簡素化するために,また、反射ヘイズの特性を示すために,光源−受光器特性のヘイ

ズ広がりを示す方法を提案する。この広がりは,鏡面反射ピーク強度の最大値の 10  %値におけるサンプ

ルの BRDF 曲線幅と同じ最大値の 10  %レベルにおける光源−受光器特性の幅とを比較した比として定め

られ,S

10

と呼ぶ。

反射プロセスに吸収の効果がないと仮定し,ヘイズの丘部を円すい形に理想化したとき,鏡面反射率 Rs

とヘイズ広がり比 S

10

との間には,次式(138)の簡単な関係が成立する。

.

2

10

const

Rs

S

=

×

 (138)

式(138)は,鏡面反射率がヘイズ広がり比 S

10

の平方に反比例することを示し,これによって,ヘイズ広

がりのわずかな増加は,鏡面反射率の顕著な減少を及ぼす。

ヘイズ広がり比は,測定装置の光源−受光器特性とともに変化するので,評価を他の方法と比較できる

ようにするために規定する必要のある値である。

C.4.3 

半球面反射率   

入射光束に対するターゲットスポットを中心とした半球面に反射する全光束の比は,半球面反射率 R

H

で与えられ,これは全積分散乱 TIS とも呼ばれる。したがって,入射光に対する鏡面反射光の比によって,

鏡面反射率が定まり,入射光に対する拡散反射光(非鏡面反射光)の比によって拡散反射率が定まる。

半球面反射率 R

H

は,

ターゲットスポットを中心とした半球面の散乱光の光束を積分することによって得

られる[式(139)参照]

r

r

r

2

0

r

r

2

/

0

H

d

d

sin

d

d

1

θ

φ

θ

π

π

×

ò

ò

×

=

P

P

R

i

ò

×

×

ò

=

π

π

θ

φ

θ

θ

2

0

r

r

r

r

2

/

0

H

d

d

sin

cos

BRDF

R

 (139)

積分範囲は,理想的には受光器傾角

θ

r

に対して 0∼90°,方位角

φ

r

に対して 0∼360°とする。積分範

囲は,測定中に確かな結果が得られる範囲を選択するか(角度制御機構の能力によって制限される場合も

ある)

,又は利用可能なデータを拡張するために,外挿による数値計算を用いるかである。

C.4.3.1 

拡散反射サンプル   

拡散性の不透明なサンプルは,サンプル上のターゲットスポットを中心とする半球面に,すべての非吸

収性の入射光束を散乱する。立体角当たりの散乱光束が,cos

θ

r

とともに減少し,BRDF が定数で,受光

器の傾斜に依存しない場合,サンプルの反射率は Lambertian と呼ばれる。Lambertian サンプルによって,

散乱される光の強度は,cos

θ

r

に比例し,照射スポットのサイズに比例する[式(140)参照]

.

cos

1

d

d

BRDF

r

r

r

Lambertian

const

P

P

i

=

×

=

θ

 (140)

式(139)  から式(140)  に dP

r

/d

Ω

r

を代入した後,積分することによって,半球面反射率 R

H

を使って

Lambertian

サンプルの BRDF を求めることができる[式(141)参照]

π

=

π

=

ρ

H

Lambertian

BRDF

R

 (141)

Lambertian

拡散反射器の半球面反射率 R

H

は,拡散反射率ρとして知られている。

C.4.3.2 

鏡面反射サンプル   

散乱のないミラーの

BRDF

曲線には,鏡面反射方向の周辺に鋭いピークがあり,受光器の傾角

θ

r

と方位


119

Z 8528-2:2006

φ

r

との両方で急しゅん(峻)に低下する。この曲線の大きさは,ミラーの鏡面反射率によって決定され,

この形状は,照射光線と受光器光学系との角度感度のコンボリューション積分によって与えられる(すな

わち,光源−受光器特性)

C.4.4 BRDF

データの数値評価   

C.4.4.1 

概要   

BRDF

の生データは,ノイズレベル及び測定中に使用される受光器感度(例えば,

CCD

カメラの露光時

間,

PMT

の場合高電圧設定)に対して補正される。

2

種類の標準が基準及び校正のために

BRDF

測定で使用される。すなわち,研磨された黒色ガラス(こ

こで,波長

550 nm

で屈折率

1.51

35

°の傾斜で鏡面反射率 R

S

が約

4.44

%)でできた鏡面反射の標準,及

び拡散反射率ρが既知の理想的な拡散反射板(例えば,

BaSO

4

MgO

など)である。拡散標準から得られ

BRDF

データは,

X

軸又は二次元で示された拡散反射(

Lambertian

)による均一なレベルに平行な直線

となる。理想的な拡散標準は,このような均一なレベルであることによって,測定及び装置の妥当性を確

認するために利用される。

C.4.4.2 IP-BRDF

データ   

反射ミラーのピーク値をもつ

附属書 図 C.9

に示されたサンプル

BRDF

曲線のピーク値を比較すると,

サンプルの鏡面反射率 R

S

1.76

%が得られ,ピーク強度の

10

%での幅の比較によって,ヘイズ広がり係

数 S

10

2.04

が得られる。

C.4.4.3 

二次元 BRDF データ   

背景ノイズ及び受光器感度の違いに対して生データの補正をした後,拡散反射(

Lambertian

)による均

一なレベルが同定される。そのレベルは,校正された拡散反射標準のデータと比較することによって決定

される。サンプルデータからこの値を減算することによって,鏡面反射のピーク高さ及びヘイズ広がりが

求められる。

例として

附属書 図 C.5

の光沢白色光からの二次元

BRDF

データを用い,

附属書 図 C.6

に示される

光源−受光器特性と

附属書 図 C.7

に示される校正された拡散反射標準とを比較することによって,三つ

の反射特性が得られる。

附属書  C.1−校正された鏡面反射ミラー及び拡散反射標準を比較することによる 

白色光沢紙の反射特性評価 

サンプル

ミラー標準

(標準鏡面反射板)

拡散標準

(標準拡散反射板)

基準値

Rs

=4.44  %

ρ

=99.1  %

露光時間 15 ミリ秒

1

ミリ秒 250 ミリ秒

均一なレベル(プラトー)の値 217 カウント

− 3

600

カウント

ピーク値 2

914

カウント 3

503

カウント

ノイズレベル 54 カウント 52 カウント 60 カウント

ピークの 10  %における幅 36 ピクセル 16 ピクセル

紙の拡散反射率

ρ=

76

%,鏡面反射率 R

S

0.233

%及びヘイズ広がり比 S

10

2.25

が得られる。光沢紙

の印刷されていない部分及び印刷された黒色の反射率の評価によって,鏡面反射方向のコントラストが

0.78

,拡散コントラスト比

21

が得られる。これは鏡面反射方向におけるコントラストの反転を意味する。

すなわち,黒色の部分が白色の部分より大きな鏡面反射係数をもち,よく知られている白色の雑誌の用紙

に生じる視覚的妨害の原因となる。

附属書 図 C.8

に示すように,カラー

STN-LCD

画面の二次元

BRDF

の評価を,

附属書 図 C.6

の参照


120 
Z 8528-2:2006

ミラーと比較することによって,鏡面反射率 R

S

0.7

%及びヘイズ広がり比 S

10

2.5

が得られる。これに

は,拡散反射(

Lambertian

)による均一なレベルはない。

IP-BRDF

データと二次元

BRDF

データの評価の違いは,±

1.5

°のコノスコピック装置に対する

10

%特

性の配置と±

2.2

°の

IP-BRDF

配置の光源−受光器特性の差によって生じる。


121

Z 8528-2:2006

参考文献(Bibliography)

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 Vol. 33

 No. 7

 pp. 933-944.

[138] Yang

  J. and Makous

  W. (1995) Modeling pedestal experiments with amplitude instead of contrast.

Vision Research

 35

 in press.

[139] Yang

 J.

 Qi

  X. and Makous

  W. (1995) Zero frequency masking and a model of contrast sensitivity

Vision Research

 35

 in press.

[140] Zwahlen

 H. T.

  Pupillary Responses when Viewing Designated Locations in a VDT Workstation.In


128 
Z 8528-2:2006

Grandjean (Ed.)

  Ergonomics and Health in Modern Offices

 pp. 339-345

 Philadelphia: Taylor and

Francis

 1984.

 


129

Z 8528-2:2006

附属書 JA

(参考)

JIS と対応する国際規格との対比表

JIS Z 8528-2

:2006  人間工学−フラットパネルディスプレイ(FPD)を用いる作業−

第 2 部:FPD の人間工学的要求事項

ISO 13406-2

:2001

    Ergonomic requirements for work with visual displays based on

flat panels

−Part 2: Ergonomic requirements for flat panel displays

(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条

ごとの評価及びその内容

箇 条 番 号

及び名称

内容

(Ⅱ)

国 際 規 格
番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と

の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差

異の理由及び今後の対策

序文

本規格の位置づけ

Introduction  ISO 13406-2

の位置づけ

を詳説

削除

定型文以外を削除

本規格の解説書に記載

3.1.11

  ヘイズ

なし

追加

用語の定義を追加

該当する説明文が必要であるた
め。作成中の更新規格 ISO/DIS 

9241-302

に反映

3

用 語 及

び定義

3.2.3

  CIE 1976L

u

v

における色差

Δ Euv* の 定 義 式
[式(12)]の凡例

 3.2.3

式 中 に な い 記 号 の 説 明

が記載されている

変更

式(12)の説明文を変更

u’n

,v’n に対応する XnYnZn

は,特定の無彩色刺激をいう。

→”

Δ

E*uv

は L*u*v*表色系に

よる色差,

Δ

L*

Δ

u*

Δ

v*

は JIS Z 8729 に 規 定 す る

L*u*v*

表色系における二つの

物体色の CIE1976  明度 L*の差
及び色座標 u*,v*の差)

ISO

規格がミスタイプ。作成中の

更新規格 ISO/DIS 9241-302 に反

 3.4.4

画像生成時間

 3.4.4

定 義 文 で は 立 ち 上 が り

時間と定義しているが,
説 明 図 上 及 び 注 記 の 計
算 事 例 で は 土 地 上 が り

時 間 と 立 ち 下 が り 時 間
の和としている。

変更

定義文の変更

“視対象の相対輝度が,0.1 か
ら 0.9 へ変化する時間”→”視
対象の相対輝度が,0.1 から 0.9

まで変化する時間と 0.9 から

0.1

まで変化する時間の和”

ISO

規格がミスタイプ。作成中の

更新規格 ISO/DIS 9241-302 に反

1

Z 8528-2

2006


130 
Z 8528-2:2006

(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇 条 番 号
及び名称

内容

(Ⅱ) 
国 際 規 格

番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

3.4.4

画像生成時間 
注記 1  相対輝度

の定義式

 3.4.4

NOTE1

(測定輝度−最大輝度)
/ ( 最 大 輝 度 − 最 小 輝
度)と定義

変更 MAX を MIN へ変更

(

L-L

MAX

)

→(L-L

MIN

)

ISO

規格がミスタイプ。作成中の

更新規格 ISO/DIS 9241-302 に反

3

用 語 及

び定義

3.5.1

アンティエイリア

スフォントの定義

 3.5.1

技法の内容だけの説明

追加

事例として”例えば,階調を付
けるなどによって”を追加

説明の補充。作成中の更新規格

ISO/DIS 9241-302

に反映

7.2

設計観視方向

注記 1  設計観視
方向の範囲の提示

 7.2

  NOTE1

設 計 観 視 方 向 の 範 囲 が

いくつになるか提示。

追加

(図 12 参照)

”を追加。

図 12 を参照したほうが理解しや

すい。作成中の更新規格 ISO/DIS 

9241-302

305 に反映

7.2

設計観視方向

図 12,図 13,表 7

 7.2

Figure12

Figure13

Table7

変更

図 12 と 13 を入れ替え。表 7,

図 13,12 を図 12,表 7,図 13
の順に並び替え

本文での出現順に並び替え

7

設 計 上

の 要 求 事
項 及 び 推
奨事項

7.2

設計観視方向

の提示

 7.2

設 計 観 視 方 向 の 数 だ け
記載

追加

方向を提示。 
“測定は CL−1∼CL−6 の 6

方向で行う(8.4.1 参照*)

ISO

規格は文章中ではどの方向か

提示していない(図中には提示)

文章にも提示して分かりやすく
した

8.3.4.1

  輝度計

の校正方法

 8.3.4.1

各 国 の 標 準 に 準 拠 す る

よ う に 校 正 す る こ と を
要求

変更

“各国の標準に準拠するよう

に校正されたものでなければ
ならない”を”輝度計製造業者
により校正されたものでなけ

ればならない”に変更

日本の計測器校正手段の現状に

合わせた

8

測 定 方

8.3.4.4.2

拡 散 光 源

が二つの光源の場

合の光源の 3 刺激
値 X,Z の計測方向
(式(28)

 8.3.4.4.2

(28)

傾き角を 30°としてい

変更

本 項 の 計 測 方 法 は

VESA_FPDM(1998)

に基づいて

おり,VESA 規格では傾き角を

45

°としている。ミスタイプと

判断し修正。

ISO

規格のミスタイプ。作成中の

更新規格 ISO/DIS 9241-305 に反

1

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2006


131

Z 8528-2:2006

(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇 条 番 号
及び名称

内容

(Ⅱ) 
国 際 規 格

番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

8.4.1.1

  測 定 方 位

角の計算の私見方
位の説明図(図 30)

 8.4.1.1

Figure30

θD を qD とミスタイプ。 変更

“qD”を”θD”に修正

ISO

規格のミスタイプ。作成中の

更新規格 ISO/DIS 9241-305 に反

8.4.2.1

  測 定 対 象

の測定位置の説明
図(図 32)

 8.4.2.1

Figure32

測定位置の番地 15 を 59
とミスタイプ

変更

番地 15 を 59 に修正

ISO

規格のミスタイプ。作成中の

更新規格 ISO/DIS 9241-305 に反

8.7.2.3

  設 計 観 視

方向が文字を識別

できるように表示
する能力と両立す
るかの確認式[式

(52)

 8.7.2.3

(52)

単 位 の 提 示 が な い の に
角 度 を 分 か ら 度 に 変 換

す る 係 数 を 乗 じ た 式 を
記載。さらに角度の単位
が 約 分 さ れ 度 で あ る べ

き 単 位 が ラ ジ ア ン と な
る定義式になっている。

変更

式中の不適切な箇所は定数ゆ
え,数値を併記,かつ,適切な

単位を提示した式に修正

ISO

規格のミスタイプ。作成中の

更新規格 ISO/DIS 9241-305 に反

8.7.17.2.1.2

方法 2,

標準鏡面反射板を
使用する場合の光
源の輝度の測定方

法と計算方法

 8.7.17.2.1.2

測 定 項 目 と 計 算 式 だ け

の提示。方法が述べられ
ていない。

追加

説明文を追加。

“CL-0S における標準鏡面反
射 板 の 輝 度 を 測 定 す る ( 表

50

。その測定値から式(62)

を用いて光源の輝度を計算す
る(表 51)

説明を補充。作成中の更新規格

ISO/DIS 9241-305

に反映

8.7.17.4

反 射 計 値

の計算式[式(69)]

 8.7.17.4

(69)

小 光 源 に 対 す る 計 算 式
な の に 大 光 源 の 計 測 値
で の 計 算 を す る 式 に な

っている。

変更

分母の”YS−SML,S−EXT”
を”YS−SML,S−SML”に修

ISO

規格のミスタイプ。作成中の

更新規格 ISO/DIS 9241-305 に反

8

測 定 方

8.7.17.4

反 射 計 値

の計算式[式(70)]

 8.7.17.4

(70)

小 光 源 に 対 す る 計 算 式
な の に 大 光 源 の 計 測 値

で の 計 算 を す る 式 に な
っている。

変更

分母の”YS−SML,S−EXT”
を”YS−SML,S−SML”に,

LS-OFF

”を”HS-OFF”に修正

ISO

規格のミスタイプ。作成中の

更新規格 ISO/DIS 9241-305 に反

1

Z 8528-2

2006


132 
Z 8528-2:2006

(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇 条 番 号
及び名称

内容

(Ⅱ) 
国 際 規 格

番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

8

測 定 方

8.7.17.4

反 射 計

値の計算に用いる
値の一覧(表 65)

 8.7.17.4

Table65

Y

値の入力値の指定の記号

の一部が n=1∼6 であるの
に 0 と記載されている

変更

表内“この規格で用いる記号”
欄“

(CL-0S)”を“

(CL-nS)”

に修正

ISO

規格のミスタイプ。作成中の

更新規格 ISO/DIS 9241-305 に反

8.7.17.5

  標準外光

照明条件への変換
式[式(74)]

 8.7.17.5

(74)

小光源 に対す る計 算式な

のに大 光源の 計測 値での
計算を する式 にな ってい
る。

変更

“R

S-EXT

”を”R

S-SML

”に修正

ISO

規格のミスタイプ。作成中の

更新規格 ISO/DIS 9241-305 に反

8.7.17.7 7.17.2

の適合性の評価 
式(81)∼(92)

 8.7.17.7

7.17.2

式(81)∼(92)の L の添字が
欠落している

添字を追加

ISO

規格のミスタイプ。作成中の

更新規格 ISO/DIS 9241-305 に反

8.7.22.2

  輝度比の

要求値の評価

表 74

 8.7.22.2

Table74

輝度比の入力欄に輝度(最
低輝度)を入力する行があ

“L

1

max

”の欄を削除。

表計算ソフト上は比を計算する
上で第一項の値を入力する行が

あったほうがよいが輝度比の入
力欄ではないので紛らわしい。規
格の使用者が計算する際,適宜対

応すればよいと判断。作成中の更
新規格 ISO/DIS 9241-305 に反映

8.7.27.1.1.2

設計画

面照度下でのスペ
クトル値への変換
式[式(100)]

 8.7.27.1.1.2

(100)

式中に,n=1∼m が抜けて

いる

追加

式中に”

,n=1∼m”を追加

ISO

規格のミスタイプ。作成中の

更新規格 ISO/DIS 9241-305 に反

8.7.27.2 CIELUV

色空間座標の計算

式[式(110)]

 8.7.27.2

(110)

式中に誤字がある

変更

“V’v=V’s”を”V’n=V’s”に修

ISO

規格のミスタイプ。作成中の

更新規格 ISO/DIS 9241-305 に反

附属書 B B.2.2  フーリエ係

数式[式(114)]

 B.2.2

(114)

式中に誤字がある

変更

分子の”2niπl”を”2niπt”
に修正

ISO

規格のミスタイプ。作成中の

更新規格 ISO/DIS 9241-305 に反

1

Z 8528-2

2006


133

Z 8528-2:2006

(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇 条 番 号
及び名称

内容

(Ⅱ) 
国 際 規 格

番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

附属書 B B.5  フーリエ変換

の補足式[式(125)]

 B.5

(125)

式中に誤字がある

変更

分子の”2niπl”を”2niπt”
に修正

ISO

規格のミスタイプ。作成中の

更新規格 ISO/DIS 9241-305 に反

 B.5

  フーリエ変換

の補足式[式(127)]

 B.5

(127)

式中に誤字がある

変更

Σの下の値“j=0”を“v=0”に
修正

ISO

規格のミスタイプ。作成中の

更新規格 ISO/DIS 9241-305 に反

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 13406-2:2001  MOD

被引用法規

関連する法規

関連する外国規格

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  一致……………… 技術的差異がない。 
    −  削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
    −  追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

    −  変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。 
    −  選択……………… 国際規格の規定内容とは異なる規定内容を追加し,それらのいずれかを選択するとしている。 
    −  同等でない……… 技術的差異があり,かつ,それが明確に識別され説明されていない。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  IDT………………  国際規格と一致している。 
    −  MOD……………  国際規格を修正している。

    −  NEQ………………技術的内容及び構成において,国際規格と技術的差異がある。

1

Z 8528-2

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