Z 8525 : 2000 (ISO 9241-15 : 1997)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本人間工学会 (JENC)/財団法人日本規格
協会 (JSA) から工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の
審議を経て,通商産業大臣が制定した日本工業規格である。
JIS Z 8525には,次に示す附属書がある。
附属書A(参考) 適用可能性及び適合を査定する手順例
附属書B(参考) 参考文献
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
Z 8525 : 2000
(ISO 9241-15 : 1997)
人間工学−視覚表示装置を用いる
オフィス作業−コマンド対話
Ergonomics−Office work with visual display terminals (VDTs)
−Command dialogues
序文 この規格は,1997年に第1版として発行されたISO 9241-15, Ergonomic requirements for office work
with visual display terminals (VDTs)−Part 15 : Command dialoguesを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を
変更することなく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で,点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。
この規格は,コマンド対話の人間工学的設計を扱う。コマンド対話では,ユーザーはコマンド言語の文法
に従いながらコマンド句を想起して,完全形又は短縮形で入力し,そしてコンピュータはコマンドとその
パラメータとに対応する働きを実行する。
この規格は,次のようなユーザーに役立てるためのものである。
− ユーザインタフェースの設計者:彼らは開発の過程でこの規格を適用する。
− 購買担当者:彼らは製品購入の過程でこの規格を参照する。
− 評価担当者:製品がこの規格中の推奨事項に適合しているかを確かめる責任がある。
− ユーザインタフェース開発ツールの設計者:彼らの作ったツールをインタフェースの設計担当者が利
用する。
− 製品及び対話システムの最終ユーザー:彼らはこの規格を利用することによって実現される恩恵を得
る。
この規格の究極的な受益者は,視覚表示装置を用いて作業する最終ユーザーである。この規格中の人間工
学上の推奨事項は,これらユーザーの必要性から生じている。最終ユーザーは,この規格を読むことも,
この規格の存在を知ることさえないと思われるが,一層使いやすく,一貫性が高く,生産性を高めるユー
ザインタフェースがこの規格の適用によって提供されると思われる。
人とシステムとのやりとりにおける人間工学上必要な配慮という全体的な意味合いでこの規格を適用する
ためには,この規格のユーザーは,次の関連する規格を読むことが望ましい。
JIS Z 8511 人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−通則
備考 ISO 9241-1 Ergonomic requirements for office work with visual display terminals (VDTs)−Part
1 : General introductionが,この規格と一致している。
JIS Z 8512 人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−仕事の要求事項についての指針
備考 ISO 9241-2 Ergonomic requirements for office work with visual display terminals (VDTs)−Part
2 : Guidance on task requirementsが,この規格と一致している。
JIS Z 8520 人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−対話の原則
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備考 ISO 9241-10 Ergonomic requirements for office work with visual display terminals (VDTs)−Part
10 : Dialogue principlesが,この規格と一致している。
ISO 9241-13 Ergonomic requirements for office work with visual display terminals (VDTs)−Part 13 : User
guidance
この規格は,コマンド対話に関する多数の推奨事項からなり,そのうちのあるものは,条件付き推奨事項
である。
条件付き推奨事項とは,該当する特定の状況[例えば,ある種のユーザー,仕事 (task),環境及び技術]
においてだけ適合するのがよい推奨事項である。これらの推奨事項は,まず,現存の関連文献及び実験的
論拠を検討したうえで,それらを一般化,定式化し,インタフェースの設計者及び/又は評価者が使用で
きる推奨事項として作り上げたものである。各推奨事項の論拠となる原文献を,附属書B(参考)に示す。
この規格を使用する設計者及び評価者は,インタフェースがこの規格の推奨事項に適合しているかを判断
する必要がある。同じように,購買者は,ある製品がこの規格の推奨事項に合っているかを判定する手段
を必要とする。この規格では“もし−の場合は”という条件付きの形とすることによって,ユーザー,仕
事,技術の状況に合わせて適用できるようにしている。さらに,この規格中の推奨事項のすべてを適用す
ることを求めているのではなく,関連するものだけを適用すればよい。
この規格を適用することによって,コマンド言語の全体的な質が向上すると期待できるが,この規格は(他
の規格と同様に)インタフェースの品質を保証するものではない。品質というものは,ユーザー,購買者
その他のコマンド対話関係者が設定する使いやすさの具体的な判定基準に依存する。また,これらの基準
にこの規格に基づいた指定を含ませることが望ましい。
JIS Z 8520では,コマンド対話の設計にも関係する対話の原則を述べていることを覚えておくとよい。設
計者及び評価者は,この規格中に含まれる各推奨事項の人間工学上の根拠に関する情報を,これら対話の
原則から更に得ることになり,その結果,両立しにくい推奨事項の間の折合いを付けるうえでの助けとな
る。しかし,折合いを付けるうえで考慮すべきことは,これら対話の原則だけに限らない。
1. 適用範囲 この規格は,典型的なオフィス作業を視覚表示装置を用いて行う際に使うコマンド対話に
関する推奨事項について規定する。
参考1. コマンド対話は,ユーザーがシステムに対して与え,その処理の結果関連したシステムの動
きとなる一連の指示である。
2. ユーザーは,完全形又は短縮形のコマンド句(例えば,暗記記号,文字,機能キー,ホット
キー)をコマンド言語構文に応じた順序に従って(メニューから選ぶのではなく,想起しな
がら)入力し,コンピュータがコマンド及びその引数で指定される活動を遂行する。
3. インタフェースの設計は,仕事,ユーザー,環境,及び利用可能な技術に依存する。したが
って,この規格はインタフェースの設計,及び利用の状況の知識に基づいてはじめて適用で
きるものであり,全部を当てはめるべき規範的規則集として使うように意図したものではな
い。それよりも,設計者が,仕事の内容,及びユーザーの要求事項についての適切な知識を
もち,利用可能な技術の使い方を理解していることを前提としている(このためには,実際
のユーザーで実験する試験が必要なことも,資格をもつ人間工学専門家との相談が必要なこ
ともあるかもしれない。)。
この規格は,他の対話(例えば,メニュー対話,直接操作対話)と組み合わせて用いるにせよ,主対話
技法として用いる(例えば,低機能端末装置の場合又は特定の用途で迅速さを要求する場合)にせよ,コ
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マンド対話を用いる場合に適用する。さらに,この規格では,コマンド対話の中でのコマンドを表現する
“打けん(鍵)”コマンド(すなわち,機能キー及びホットキー)に関する推奨事項についても規定する。
コマンドの機能がその表現の性質から明白に分かり(例えば,絵アイコン),その機能を呼び出すうえでユ
ーザーが記憶を必要としない場合には,この規格ではコマンド対話とはしない。
コマンドは,他の対話技法(例えば,メニューの選択肢,書式,直接操作)を介しても実現できるが,
これらの技法ではユーザーは想起を必要としないので,この規格からは除外し他の規格で扱う。また,こ
の規格は,自然言語を用いた対話についての推奨事項は規定しない。
参考 この規格の原国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している)とする。
ISO 9241-15 : 1997 Ergonomic requirements for office work with visual display terminals (VDTs)−
Part 15 : Command dialogues (IDT)
2. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
2.1
引数 (argument) コマンド句中に用いる独立変数(対象を含む。)で,コマンドの動作を修飾又は
指定するもの。
参考 引数は,パラメータをもつことが多い。
2.2
コマンド (command) システムに要求すべき動作を表す単語,略語又は単語列。
2.3
コマンド対話:コマンド言語 (command dialogue : command language) ユーザーとコンピュータ
システムとの間のコマンドを用いた特定のインタラクションにかかわるコマンドセット,句,構造及び構
文。
2.4
コマンド対話の構造 (command dialogue structure) コマンド対話(及びそのコマンド句)の論理
的構造。
2.5
コマンド積み上げ (command queuing) 一つずつ入力・実行する代わりに,一連のコマンド句をま
とめてシステムに入力するもの。
2.6
コマンド句 (command phrase) コマンド(単語又はその短縮形)並びに区切り記号及び引数(パ
ラメータ)を含む句。
例 [コマンド語][区切り記号][引数1][区切り記号][引数2][終止記号]
2.7
コマンドセット (command set) ある仕事を,特定のアプリケーション使用状況で,遂行するのに
ユーザーが利用できるコマンドのすべて。
2.8
コマンド構文 (command syntax) コマンド句の構成要素を入力する際の順序付けその他の手順的
要求。
2.9
コマンド語(名)[command word(name)] コマンド対話中でコマンドとして用いる単語であり,
システムで必要な活動を表現しているもの。
2.10 コマンド語短縮形 (command word abbreviation) コマンド語を略記したもので,コンピュータが
コマンドとして認識するもの。
参考 短縮形は,コマンド語の中の何文字かを用いることが多い。
2.11 ホットキー (hot keys) 修飾キー(例えば,Ctrl,Alt)など,通常データの入力に用いないキー[た
だし,番号付きの機能キー(すなわち,F1,F2など)は除く。],又はキーの組合せ(例えば,Ctrl/c)で,
押しただけで直ちに実行に結び付くもの。
2.12 キーワード (keyword) 引数の種類を表すコマンド句中の語(例,type font)。
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2.13 修飾子 (modifier) コマンドの動作を変更又は限定する引数。
2.14 パラメータ (parameter) キーワードと組み合わせて用い,コマンドの働き及び引数を修飾するも
の。
2.15 区切り記号 (separator) コマンド句の各要素間を区切ったり,編成したりするのに,及びコマンド
句の間を区切るのに用いる文字列又は休止(音声の場合)。
3. この規格の適用
3.1
コマンド対話の設計
参考 コマンド対話では,ユーザーがコマンド句をコンピュータに“理解”可能な特定の文法的な決
まりに基づいて入力する。コンピュータは,コマンドを受け付けたという確認を出し,その時
点の処理状況で受入れ可能なコマンドであるか否かを示し,付随するパラメータがコマンドと
処理状況とに照らし適切であるかを示した後,もし適切なら要求された活動を行うか及び/又
は要求された出力を与える。コマンド行,ダイアログボックス,音声入力などの幾つかの方式
でコマンド句をコンピュータに入力することができる。
コマンドとしては,次のものがある。
− コンピュータに対し構文を指定する1語,又は空白(音声入力の場合は休止)その他の区切
り記号で区切った単語列
− 1字又は何文字かの短縮形
対話設計は,ユーザーが入力をする際にシステムがユーザーを導く方法を決定し,ユーザー
が対話を統制できる度合いに影響を与える。
ユーザーがうまく状況を把握できて,作業の流れを常に統制できるように,また,システムの特異な性
質のため必要となる余計な作業でユーザーをわずらわせないように,ユーザーの実際の作業を支援するコ
マンド対話を設計することが望ましい。この設計目標を,コマンドの構造及び構文,コマンドの表示,コ
マンド入力及び出力の仕様,フィードバック及びヘルプの仕組みを設計するうえで配慮する。
システム又は製品を設計・評価するためにこの規格を適用する場合には,規格を適用する者は,意図し
ているユーザー,その環境及び仕事を理解する必要があるので,ユーザーの仕事を列挙し,最大頻度の及
び最重要の仕事を明確にするのがよい。推奨事項を適用する際には,人間の情報の知覚,識別及び判別に
ついての一般的法則と,コマンド打けん(鍵)に関係する運動技能を考慮する。
3.2
コマンド対話が適切な場合 コマンド言語は,次の条件に該当する場合に適用する。
参考 より多数の条件に該当するほど適用可能性は増大する。条件は,ユーザー及び仕事に関して分
類してある。
a) ユーザーの特性
1) ユーザーは,優れたタイプ技能をもっている(コマンドをキー入力する場合。)。
2) ユーザーは,システムを頻繁に利用する。
3) ユーザーは,コマンド言語利用の訓練を受ける。
4) ユーザーは,コンピュータ技術及びコマンド言語になじ(馴染)んでいる。
b) 仕事の特性
1) 対話中のユーザーが,どんな動作を選択するかを予測できない。
2) 選択肢及び/又はデータの入力順序が特に決まっていない。
3) システムの特定の機能への迅速なアクセス又は選択が求められる(例えば,航空券予約システム)。
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4) 拡張性(すなわち,新たな状況に合わせるための新コマンドの創出,コマンドの連結)が要求され
る。
3.3
推奨事項の適用 全般的な人間工学設計目標を,4.から7.の各主要細分箇条に掲げる。この目標を達
成するための個々の推奨事項は,該当する具体的な状況(例えば,具体的なユーザー,仕事,環境,技術)
に応じて適用することが望ましい。各推奨事項の記述形式は,推奨事項,備考,例,及び参考とする。
参考 推奨事項に対し与えている例は,大体はその推奨事項を具体的に実現した例であるが,あるも
のは望ましい解決法を示している。
個々の推奨事項が適用可能かを評価し,適用可能であれば,該当するコマンド対話中にその推奨事項を
具体化することが望ましい。ただし,結果として設計目標に外れたり,全体としての使いやすさを低下さ
せないという確証があれば,必ずしも推奨事項に従い具体化しなくてもよい。適用可能かを決定する際,
推奨事項は,一般には該当する箇条における記載順で評価するとよい。適用可能な推奨事項に従っている
かを判定する場合,評価者は,ユーザーがコマンド対話システムを使って仕事を行っている状況(ほぼ同
じ状況を含む。)下で,製品を評価する又は製品の代表的ユーザーを観察することが望ましい。
参考 適用可能性を決定するうえでの助けとなる見本及び推奨事項に従っているかを判定するうえで
の助けとなる見本の手順を附属書A(参考)に掲げる。
3.4
製品の評価 ある製品を,この規格中の適用可能な推奨事項に適合していると主張するには,その
コマンド対話の要求事項を設定する際に用いた手順,並びにそのコマンド対話を開発する及び/又は評価
する際に用いた手順を明確に指定しなければならない。手順指定の詳細度は,関係者間の協議事項とする。
附属書Aは,この規格の適用可能性及び適合を指定するのに使用できる見本の手順を与える。この規格
を使用する者は,附属書Aに与える手順を活用してもよいし,それぞれの開発及び/又は評価環境に合わ
せて同様な手順を作り上げてもよい。
4. 構造及び文法
4.1
一般 コンピュータがどのようにコマンドを処理し,出力を生成するかを反映することなく,ユー
ザーにとって自然な,又はなじみ(馴染み)のある形でユーザーがコマンドを入力するように,コマンド
言語を設計するのがよい(すなわち,コマンド言語は,コンピュータの処理よりもユーザーの必要性を反
映し,その文法構造は,ユーザーの期待,仕事の要求,入力の媒体に添ったものであるのがよい。)。
4.2
一貫性 コマンド言語は,その内部で一貫していて,同じ名前のコマンドは,状況にかかわらずア
プリケーション全体にわたって同一な働きをするのがよい。同じことをするコマンドは,同じ名前をもつ
のがよい。
参考 適切な場合の同意語の使用を排除するものではない。
4.3
マクロコマンド 一連のコマンド語又はコマンド句が多用される場合,ユーザーが,それら一連の
ものに対応させた上位のコマンド(マクロコマンド)を作り,利用できるようにするのがよい。
備考 マクロコマンドは,コマンドと同じ推奨事項に従うのが望ましい。
4.4
引数の構造 コマンド句は,引数が複雑にならないような構造とするのがよい。
a) 多数の引数 引数が多数(8個を超える)の場合には,新たにコマンド名を追加する,機能を組み合
わせて単一の引数とする,機能の面からの何らかの引数の組分けをするなどを行うとよい。
b) 依存性 コマンドの引数間の相互依存関係によって,コマンド句の意味が大きく変わらないようにす
るのがよい。
例 ある対話でのコマンド例:
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filenameというファイルにデータを保存して終了するには,“Quit-filename” コマンド。
保存せずに終了するには,“Cancel” コマンド(“Quit-c” とはしない。)。
4.5
文法構造
a) モダリティ (modality) に対する適切さ コマンド句の文法構造は,入力のモダリティ(声,キー入力,
身振り)に適したものであるのがよい。
例 音声だけでコマンド入力を行う場合には,構文は話し言葉に合わせる。
b) モダリティ内での一貫性 構文は,一つのモダリティ内で一貫しているのがよい。
例 画面を利用するコマンド対話では,一貫して初めに動作,次に対象の順(すなわち,動作−対象
構文)とする。
c) モダリティ間での一貫性 構文は,モダリティが替わっても可能な限り一貫しているのがよい。
例 キー入力のほかに音声をコマンドの入力に使う場合,両方とも対象−動作構文を採用する。
4.6
コマンドの区切り 一度に幾つかのコマンドをまとめて入力できる場合は,コマンド間を区切るの
に単純で一貫した方法を用いるのがよい。
a) 空白 特定の区切り記号をシステムの制約から使う必要がない場合,コマンド間の区切り記号として
句読記号ではなく空白を用いるのがよい。
b) 標準的記号 幾つかのまとまったコマンド間の区切りとして,空白以外の区切り記号をシステムの制
約から使わざるを得ない場合は,単純な標準的記号を一貫して用いるのがよい。
例 コマンド列 “SORT/FORMAT/PRINT” のように,“/” を用いる。
4.7
言語との対応 コマンド構造(意味及び構文)は,ユーザーがなじ(馴染)んでいる又はユーザー
にとって自然な用語及びデータ編成に対応しているのがよい。
例 問合せ言語の設計に,自然言語(例えば,英語,フランス語)の構文規則を適用する。
4.8
コマンドの引数 コマンドの引数は,ユーザーが指定しやすく,かつ,引数と修飾するコマンドと
の関連付けが容易なものであるのがよい。
参考 ある場合には,引数を単一文字ではなく名前として表したほうが適切な場合がある。
4.8.1
コマンド要素の連係 コマンド対話は,コマンド要素間の関係が明らかであるような構造をもつの
がよい。
例 “Print pages=1-15”“copies=2”
4.8.2
引数の形式 仕事に適切であれば,位置形式(コマンドに続く引数列中での順番によってパラメー
タを示す。)よりも,キーワード形式(値の前の引数識別子によってパラメータを示す。)を用いるのがよ
い。
例1. “Change shape=round”“color=red”“size=4”(キーワード形式)
例2. “Change round,red,4”(位置形式)
4.8.3
省略可能な引数の配置 キーワード形式を採用しない場合は,省略可能な引数を引数の並びの最後
に配置するのがよい。
4.8.4
引数の区切り
a) 空白 空白を使える場合は,何個かの空白の並びでもコマンド要素間の区切りとして扱うのがよい。
b) その他の区切り記号 システムの制約から空白以外の区切り記号を引数間を区切るのに使わざるを得
ない場合,単純な標準的記号を一貫して用いるのがよい。
例 コマンド句中で “PRINT fileA,fileB,fileC” のように,カンマ (,) を用いる。
4.9
数量詞 明確でない又は必す(須)ではない数量詞の使用は,避けることが望ましい。
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参考 英語の場合,問合せ言語では,few,manyは,ユーザーがその意味を明確に把握しにくい数量
詞である。
5. コマンド表現
5.1
コマンド名
5.1.1
一般 コマンド名は,そのコマンドの機能と関連付けやすく,概して動詞(通常,命令形)として
記述され,ユーザーが憶えやすく,ユーザーの仕事の要求事項,経験及び使用言語に添ったものであるの
がよい。
5.1.2
区別の付けやすさ コマンド名は,区別の付けやすいものであるのがよい。
a) 意味の区別 コマンド名は,意味のうえで区別が付けやすく,あいまいさのないものであるのがよい。
例 英語では,insert及びdeleteという語は,add及びremoveよりも意味のうえで区別が付けやすい
(すなわち,add及びremoveには多くの意味の取り方がある。)。
b) 具体的な意味 一般的な意味をもつよりも,具体的な又は限定的な意味のコマンド名を使うのがよい。
例 英語では,changeではなくreplaceを使用する。
c) 視覚上の/聴覚上の類似性 見た目又は響きが類似していて意味が異なるコマンド名は避けたほうが
よい。
例 英語のstoreとrestoreとは,響きが似ていて意味が異なるので使用を避けるのがよい。
d) 符合するコマンド対 コマンドの動作内容が,逆の動作又は対を成す動作である場合,これらの動作
に対してコマンド名として対を成すものを用意するのがよい。
例 英語では,“read/write”,“open/close”,“yes/no”。
5.1.3
ユーザー指向 コマンド名は,ユーザーの期待に添うもので,ユーザーの仕事に使用する言語に対
応するよう選ぶのがよい。
参考 複数のユーザーグループがある場合,ユーザーグループごとに別々のコマンド名を準備するこ
とが重要な場合がある。
5.1.4
情緒的内容 コマンド語として選ぶ言葉は,情緒性の薄いものであるのがよい。
例 英語では,“abort” よりも “cancel” を,“kill” よりも “delete” を使用する。
5.1.5
コマンド語の長さ コマンドをキー入力する場合,コマンド語は,一般には,7文字を超えないの
がよい。
参考1. それが短縮形よりもより自然であるなら,7文字規則に外れるコマンド語を用いることも適切
な場合がある(英語での “allocate”,独語での “einfugen”)。
2. 長いコマンド語に対しては,短縮形についての推奨事項(5.2)を参照。
5.1.6
接頭語及び接尾語 コマンド語は,不必要な接頭語又は接尾語を取り入れないのがよい。
例 英語では,“deleting”,“deleted”,“deletes” ではなく “delete” を用いる。
5.2
短縮形
5.2.1
一般 コマンドをキー入力する場合,コマンド語を最後まで打けん(鍵)するほかに,短縮形をも
使えるのがよい。コマンド短縮形を準備することが仕事に適している場合,ユーザーにとって明らかで,
憶えやすく,コマンドの入力を容易にするようなコマンドの短縮形がよい。
備考 コマンドを短縮形で入力する場合,システムの制約が許すなら,実行に先立って又は実行と同
時に“完全な”コマンド名が表示されるのがよい(コマンド言語を学習している段階では特に)。
5.2.2
短縮規則
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a) 単純な規則 コマンド名を短くする場合は,できるだけ単純な規則を用いて短縮するのがよい。その
短縮規則をすべての短縮可能なコマンド及びその引数に対して適用するのがよい。
例1. 切り詰め(“print” に対して “pr”)。
例2. 母音字を外す(“print” に対して “prnt”)
b) 切り詰め 仕事上,ユーザーがコマンドを作り,それを憶えておくことが求められる場合には,コマ
ンドを短縮するのに,単純な切り詰めを使うのがよい。
例 ユーザーは,他のコマンドと区別できる範囲まで文字を省略できる(例えば,英語では “QUIT” に
対して “Q” だけでよい,また “QUIT” と “QUERY” との両方がある場合には,“QUIT” に対し
て “QUI”,“QUERY” に対して “QUE” と切り詰める。)。
5.3
機能キー及びホットキー
5.3.1
一般 機能キー又はホットキーをコマンド入力に用いる場合,その使い方はユーザーにとって明ら
かであるか,又はキーの割当てがすぐに参照可能で,その割当てがアプリケーション内で一貫しているの
がよい。
参考 多用されるコマンドの場合,又はコマンド入力の速さを重視する場合に,機能キー及びホット
キーの使用を検討する。
5.3.2
機能キーの一貫性 コマンド入力に機能キーを用いる場合,機能キーのコマンドヘの割当てはある
アプリケーション中の関連する仕事にわたって一貫しているのがよい。 “HELP” のような一般的コマンド
の場合には,特に一貫性が望ましい。
5.3.3
ホットキーの一貫性 コマンド入力にホットキーを用いる場合,アプリケーション内でそれらキー
に同じ意味をもたせるのがよい。
備考 キー入力と同様にメニュー対話を用いてもコマンドを呼び出せる場合には,ホットキーの割当
ては,メニュー内で使われている短縮キーと同じであるのがよい。
例 “cancel” を表すのにAlt/cを用いる場合,その対応をアプリケーション内で一貫して維持する。
5.3.4
修飾キーの一貫した使用 修飾キー(例えば,“Ctrlキー”又は“Altキー”)と他のキーとを組み
合わせて用いる場合,修飾キーの使い方には一貫性をもたせるのがよい。
例 “Altキー”と文字キーとの組合せをウインドウ操作に,“Ctrlキー”と文字キーとの組合せをデ
ータ操作に用いる。
5.3.5
修飾キーの限定使用 コマンドが多数で,修飾キー一つずつを割り当てたのでは分かりやすく割当
て切れない場合にだけ,複数の修飾キーの組合せをホットキーとして使用するのが望ましい。
例 印刷コマンドとして,“Alt+Ctrl+P” ではなく “Alt+P”。
備考1. 修飾キーと組み合わせる文字キーは,できれば暗記記号とするのがよい。
2. 重大な動きを偶然に引き起こす可能性を減らすために,複数の修飾キーを押させてもよい。
6. 入力及び出力についての配慮
6.1
一般 ユーザーは,対話を常時制御し,エラーから容易に回復でき,仕事を遂行するうえで必す(須)
の情報以外の入力を求められないのがよい。
6.2
コマンドの再利用 ある一群のコマンドが,ある作業期間に繰り返し用いられる場合,システムは,
ユーザーにそれらコマンドを再度キー入力するよう求めずに,コマンドを再利用する方法を提供するのが
よい。
例 ユーザーがその中からコマンドを選択できるコマンド使用履歴の一覧を表示する。
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6.3
コマンドの積み上げ ユーザーは,システムがそれぞれのコマンドを実行完了するのをいちいち待
たずに,一連のコマンドを一まとまりに入力できること(コマンド積み上げ)が望ましい。
備考 コマンド列を区切るための区切り記号を用意することが望ましい(4.6参照)。
6.4
誤りの訂正 誤りが生じた場合,コマンド中の誤りを生じた部分及び関連するパラメータについて
だけ再入力又は編集を求めるのがよい。
6.5
編集
a) 実行に先立って ユーザーは,実行する前にコマンドを編集できるのがよい。
b) 編集慣習 アプリケーションにテキストエディタが備わっていれば,そのテキストエディタで用いる
のと同じ編集慣習を,コマンド対話の編集にも適用するのがよい。
6.6
つづ(綴)りの誤り 仕事に適切で,かつ,システムの制約が許す場合,システムは,ユーザーが
意図したコマンドが明確なら,つづ(綴)りを間違えたコマンドを推測し,受け付けるのがよい。
6.7
既定値 打けん(鍵)の必要を最小限に減らせるように,及び学習を促進するように,既定値を用
意するのがよい。
例 ディスク・ドライブを指定していない場合は,既定値として設定されたドライブであるとみなす。
参考1. 既定のパラメータ値をもつ引数は,省略可能な引数とも呼ばれる。
2. コマンド言語の学びにくさを減らす代表的な手法は,(コマンドで多用されるパラメータを
代表する)既定値を組み込むことである。ユーザーは,これによって複雑な機能及び構文を
学習しなくても,そのコマンドの働きを身に付けることができる。既定値を用いてコマンド
の働きになじ(馴染)んだ後で,ユーザーはコマンドのパラメータを変えて試行することも
できる。
6.8
破壊的なコマンド コマンドによって意図しなかった又は重大な結果(例えば,ファイルの消去)
をきたすおそれがある場合には,次のいずれかによる。
a) 復元 ユーザーが,直前のコマンド及びその効果を元に戻せるのがよい。
例 復元 (Undo) コマンド
b) 確認 コマンドを実行する前に,ユーザーに対し意図したコマンドであるかの確認を求めるのがよい。
参考 より詳しくはUser GuidanceについてのISO 9241-13を参照。
6.9
カスタム化 システムの制約が許す場合,ユーザーがコマンドの同意語及びマクロコマンド(4.3参
照)を指定し,使用できるのがよい。また,希望すれば既定の名前に戻せるのがよい。
6.10 打けん(鍵)したコマンドの表示
a) 一貫した入力位置 ユーザーの入力を,一貫した位置に復唱表示するとよい。
例 画面最下行の“コマンド行”に,又は表示面上のプロンプトの後ろに表示する。
b) タイミング 打けん(鍵)されたコマンド文字は,ユーザーが入力する1文字ごとに表示するのがよ
い。
例 ユーザーが “print” コマンドを入力するとき,“pキー”を押せば “p” が表示され,以下 “r...” と
続く。
6.11 出力の制御 仕事に適切で,システムの制約が許す場合,コマンド句では,出力先を変えたり,出
力を中断したり,中止したりする引数が使えるのがよい。
例1. 出力を表示面上に又は印字装置に出せるように,ユーザーはコマンドを指定できる。
例2. 出力行数がある最大値を超えたら,印刷を中止するようユーザーは指定できる。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6.12 一貫した出力形式 類似する又は関連する出力を生じるコマンドは,その結果のデータを一貫した
形式で提示するのがよい(ISO 9241-12参照)。
例 ファイル,プロセス,ディレクトリなどの一覧表示には,同じ表示形式を用いる。
7. フィードバック及びヘルプ
7.1
一般 ユーザーが対話を制御し,誤りを見つけ,それを回復し,それ以後の活動進路を決めること
ができる情報を,フィードバック及びヘルプとして,ユーザーに与えるのがよい。
7.2
コマンドの処理
a) 処理の完了 コマンドの処理が完了したという指摘を,コマンドの結果を表示したり及び/又は次の
コマンドを催促することによって与えるのがよい。
備考 このフィードバックは,2秒以内に与えることが望ましい。
b) 処理継続中のフィードバック コマンドの処理に長くかかる(5秒を超える)場合,処理が継続中で
あるという視覚フィードバックをユーザーに与えるのがよい(ISO 9241-13参照)。
例1. 砂が流れている砂時計を表示する。
例2. “動作中”というメッセージを繰り返し表示する。
参考 その種の表示は,早期に与えると適切な場合がある。
c) 処理状況 仕事内容に適切で,システムの制約が許せば,処理完了までの残り時間についてのフィー
ドバックをユーザーに与えるのがよい。
例 処理済みの程度を緑の面積で示すステータスバーを表示する。
7.3
誤りのフィードバック 誤りのフィードバックは,コンピュータが誤りを検出したらすぐにではな
く,コマンド全体を(パラメータも含めて)入力し終わった後で与えるのがよい。
例 ユーザーが “print” コマンドのつづ(綴)りを間違え,“rキー”でなく“tキー”を押した場合,
コンピュータはコマンド全体を入力し終わった後(入力し終わる前ではなく)で誤りを指摘する。
7.4
誤りの強調表示 コマンド入力の誤りについてのフィードバックをコマンド行に表示することにな
っていて,入力に誤りがあった場合,コマンドの受付不可能な部分を(コマンド全体の中で,又はコマン
ドの論理的区分の中で)強調表示するのがよい。
例 誤りの部分を反転表示又は異なる色で強調表示する。
7.5
コマンドについての情報 仕事のうえで適していれば,次に関しての情報を,ユーザーの要求に応
じて与えるのがよい。
− 使えるコマンドとその意味
− 該当する文法構造
− 必す(須)の及び省略可能な引数(特に多数の場合)
− コマンドの入力履歴
7.6
操作支援 コマンドの特性(例えば,名前,機能,構文,パラメータ,短縮形,ホットキー,機能
キーの割当て)を記述する操作支援を与えるとよい。
例 コマンドと機能キーとの対応を示すキーボードテンプレートを用いる,又はすべてのコマンドと
その対応する情報を一覧する参照カードを用いる。
7.7
多数の引数 あるコマンドが多数の引数及びパラメータをもつ場合,他の対話技法の使用を検討す
るとよい。
例 多数の引数をもつコマンド言語では,コマンドの各引数に対して選べるパラメータ一覧をもった
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ダイアログボックスをユーザーが使えるようにする。
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附属書A(参考) 適用可能性及び適合を査定する手順例
1. 序文 この附属書は,この規格中の適用可能な推奨事項が満たされているかを決める手順の例を与え
る。記述してある手順は,手引きとしてのものであり,この規格そのものの代用として使用すべき厳密な
過程ではないことを留意することが望ましい。この手順は,二つの段階からなる。
− 該当する推奨事項を決める。
− 該当推奨事項へ適合しているかを決める。
評価手順は,代表的ユーザーの分析,その代表的及び重要な仕事の分析,並びに代表的利用環境の分析
に基づくことが望ましい。コマンド対話の評価は,一般に次の二つの場合に分けられる。
− ユーザー及びユーザーの仕事が既知の場合,代表的な利用環境で代表的な及び重要な仕事を行ってい
る状況下で,評価者が製品を評価又は製品の典型的ユーザーを観察する。
− 具体的ユーザー及び利用環境が未知の場合,評価者が評価対象である製品中のすべてのコマンドを評
価する。
ある製品が,ある推奨事項を満たしているかどうかの決定は,上述の評価中で扱われたコマンドに基づ
くのがよい。この規格中の推奨事項を満たすもの以上に優れていることを示すことのできるコマンド対話
も,この規格の推奨事項を満たすものとして受け入れる。
この規格を使用する者は,評価するコマンドの一覧の(例えば,全コマンド又はある仕事に関連する一
部のコマンド),適用可能かどうかを決めるのに用いた方法(附属書Aの3.に記述),適合しているかを判
定するのに用いた方法(附属書Aの4.に記述),及びその結果を列挙して,コマンド対話が推奨事項を満
たしているかを示してもよい。
2. 適用可能性 推奨事項の適用可能性は,次の二つの要因に基づく。
− 条件部分が(もし,箇条にあれば)成立するか否か。個々の推奨事項は,箇条の条件部分が成立すれ
ば,適用可能である。例えば,空白文字が使えない場合は,推奨事項4.8.4a)は,適用可能とはならな
い。
− 設計環境:ユーザー集団が未知である,仕事に差異がある,オフィスに騒音が多い,画面の分解能が
異なる,ポインティングデバイスが用意されていないなどのユーザー,仕事,環境及び技術上の制約
で,ある推奨事項が適用できない場合がある。しかし,設計環境が,ある推奨事項で言及しているユ
ーザー特性,仕事又は技術上の特徴に該当すれば,その推奨事項は適用可能とする。例えば,ラベル
の付かない機能キー又はホットキーによるコマンド入力が可能な場合,5.3の条件付き推奨事項が適用
可能であるかを検討することが望ましい。
ある推奨事項が,適用可能であるかを決めるうえで利用できる方法には,次のものがある。
a) システム資料の分析
b) 資料的論拠
c) 観察
d) 分析的評価
e) 経験的評価
次の附属書Aの3.では,適用可能性の決定手法について詳しく述べる。
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3. 適用可能性手法の解説
3.1
システム資料の分析 システム資料の分析とは,コマンド言語の全般的及び個別的性質を記述して
いそうなすべての文書の分析を指す。それらには,システム及びユーザー要求事項を含んだ設計資料,操
作説明書,ユーザーの手引きなどが含まれる。例えば,あるアプリケーションのシステム要求事項に従え
ば,コマンド入力に英数字キーボードだけを利用することが分かる。
3.2
資料的論拠 資料的論拠とは,仕事の要求事項及び特性,作業の流れ,ユーザーの技能,適性,習
慣及び癖,類似システムの設計からの試験データなど,文書化された関連する情報すべてを指す。これら
の情報は,ある推奨事項が適用可能かの判定に役立つ情報として使えることもある。例えば,同じ一連の
コマンドを頻繁に入力することを,タスク分析データが示している場合がある。
3.3
観察 観察とは,ある観察可能な性質をもつ(例えば,コマンドにパラメータが使われるか)かに
ついて,コマンド対話を検討又は点検することを意味する。観察は,コマンド対話を系統だてて調べ,あ
る推奨事項の適用可能性に関連する特定の性質をもつかを判定するのに必要な技能をもっていれば,誰に
でも可能である。もともと自明なものだから,観察結果は別の人間によって直ちに確認できる。
3.4
分析的評価 分析的評価とは,コマンド対話の性質についての適切な(すなわち,その性質に関し
ての)専門家による“有識者的”判断のことである。この方法は,一般に,他の情報及び知識の文脈のも
とでだけ判断できるような性質の評価に使われる。他にも,分析的評価は,システムが設計文書の形でだ
け存在したり,経験的評価用にユーザー母集団が得られなかったり,時間及び資源に制約がある場合に適
切であろう。分析的評価は,ある推奨事項が適用可能か,例えば,あるコマンドが思いがけない又は重大
な結果を生む可能性をもつか,を決定するのに使うことができる。
分析的評価は,コマンド対話の関連する性質を判断するのに必要な技能及び経験をもつ適切な資格者な
ら行うことができる。性質が人間工学的原理の適用にかかわる場合は,専門家はソフトウェア人間工学に
通じている必要がある。性質が,作業環境,システム特性,その他の設計の側面にかかわる場合は,判定
者はその関連領域の専門家である必要がある。
3.5
経験的評価 経験的評価とは,代表的な最終ユーザーを用いた推奨事項の適用可能性を判定するた
めの試験手続きの適用を指す。この方法は,プロトタイプ又は実システムが利用でき,予想される又は実
際のユーザー層を代表するユーザーが参加できる場合に最も向いている。多種の試験手続きを使用できる
が,どの場合でも,被験者は,最終ユーザー集団を代表していて,結果をユーザー集団全体に一般化でき
るほど十分な人数とする必要がある。例えば,幾つかの代表的作業をコマンド言語を用いてユーザーに行
わせ,同じ一連のコマンドを多用するかどうかを判定する経験的評価を行う。
経験的評価は,試験方法及び評価手法に適切な技能をもつ者が実施すべきであることを留意するのがよ
い。
4. 適合 ある推奨事項が,附属書Aの2.で述べた判定基準に基づき適用可能な場合,次にその推奨事項
が満たされているか否かを判定する必要がある。適合性は,次に挙げる幾つかの方法を用いて決定する。
備考 各推奨事項について適合を決めるうえで適した方法は,表A.1のチェックリスト中に推奨事項
ごとに掲げてある。
a) 測定
b) 観察
c) 資料的論拠
d) 分析的評価
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e) 経験的評価
適用可能性判定の結果は,しばしば適合を判定するうえで重要であることを注意しておく。次に種々の
適合手法について詳しく述べる。
5. 適合手法の解説
5.1
測定 測定とは,コマンド言語の性質に関する何らかの変量を測ること又は算出することを指す。
そのような性質の例として,応答時間がある。適合は,測定から得られた値を,推奨事項での値と比較す
ることで判定する。
5.2
観察 観察とは,ある観察可能な条件が満たされているか(例えば,コマンド名は7字を超えてい
ないか,コマンドを短縮するのに切り詰めを用いているかなど)を確認するため,コマンド言語を検討又
は点検することを意味する。観察は,コマンド対話を系統だてて調べ,観察可能な性質についての条文に
従っているかを判定するのに必要な技能をもっている人であれば,誰でも可能である。観察された性質と
推奨事項とを比較して,適合を判定する。
5.3
資料的論拠 適合の場合には,資料的論拠とは,条件付き推奨事項に対するコマンド言語の適合に
関連した文書情報すべてを指す。そのような情報には,ユーザーの習慣又は癖,プロトタイプでの試験デ
ータ,類似システムの設計からの試験データなどが含まれる。例えば,評価対象のコマンド言語で採用さ
れたコマンド名及び構文が,ユーザー及び仕事に対して適しているかを,類似システムの試験データから
検討する場合がある。この場合,基本的に,その推奨事項に対する類似システムでの適合の資料的論拠に
基づいて,適合を判定する。
5.4
分析的評価 附属書Aの3.4で述べたように,分析的評価とは,コマンド言語の性質についての適
切な(すなわち,その性質に関しての)専門家による“有識者的”判断のことである。この方法は,他の
情報及び知識の文脈でだけ判断できるような性質の評価に,一般には,用いる。他にも,分析的評価は,
システムが設計文書の形でだけ存在したり,経験的評価用にユーザ母集団が得られなかったり,時間及び
資源に制約がある場合に,適合を査定する適切な方法となる。例えば,具体的又は限定的意味をもつコマ
ンド名を用いるという推奨事項 [5.1.2b)] への適合を判定するのに,分析的評価を利用する。この例で“具
体的”とか“限定的”は,判定によるべき事柄である。
分析的評価は,コマンド対話の関連する性質を判断するのに必要な技能と経験とをもつ適切な資格者な
ら行うことができることは,附属書Aの3.4で指摘した。適合の場合には,専門家は,設計案の適切さ及
び使いやすさを確実に判断するのに必要な技能と知識とをもつことが望ましい。分析的評価は,設計の筋
道の正しさを検証できても設計の正しさを検証できないことを注意するとよい。結果の正当性の検証は,
経験的評価を使用してだけ行える。
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5.5
経験的評価 経験的評価とは,代表的な最終ユーザーを用いた,推奨事項の適合性を判定する試験
手続きの適用を指す。附属書Aの3.5で述べたように,この方法は,プロトタイプ又は実システムが利用
でき,予想される又は実際のユーザー層を代表するユーザーが参加できる場合に最も向いている。多種の
試験手続きを使用できるが,どの場合でも,被験者は最終ユーザー集団を代表していて,結果をユーザー
集団全体に向けて一般化できるほど十分な人数とする必要がある。コマンド対話を利用しているユーザー
の作業成績を分析することによって,種々の条件付き推奨事項の適合を判定することもできる。例えば,
学習時間及びキー入力時間,誤りを分析して,コマンド言語の構文が適切かを判定することができる(4.5
参照)。そのような試験は,開発過程で(例えば,手早くプロトタイプを作って)行われることも,システ
ムの設計及び具体化の後で(例えば,システム評価手法を用いて)行われることもある。また,客観的及
び主観的なユーザーデータを基盤として行われることもある。ある推奨事項の適合を測る特別な試験を計
画することもある。例えば,コマンド短縮に用いた規則が単純かを判定するのに,習熟性研究を計画する
こともある(5.2.2参照)。
通常は,経験的評価を用いてそのテスト結果と,あるコマンド対話推奨事項とを比較し適合を判定する。
しかし,有効性の観点,例えば,コマンド対話が作業能率を改善したり,難しい作業を少しでも容易にし
たり,できない仕事をできるようにしたりしてユーザーを支援するなどの観点から,テスト結果を評価す
ることもしばしば必要である。
6. 手順 あるコマンド対話をこの規格中の推奨事項に照らして評価する際に,次の手順に従って行って
もよい(図A.1参照)。
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図A.1 決定の手順(評価の状況)
6.1
“もし−の場合”型条件付き推奨事項
a) 適用可能性 条件付き推奨事項は,推奨事項の本文中に(例えば,4.3),又は細分箇条の標題部(例
えば,5.3)中に暗黙に,“もし−の場合”型条件をもつ。各条件付き推奨事項では,“もし−の場合”
条件が成立するかを調べる方法として提案されている方法を用いて,“もし−の場合”型推奨事項が適
用できるかどうかを決める(例えば,5.2.2では,資料的論拠,分析的評価,又は経験的評価によって
コマンドの短縮に切り詰めを使うのがよいかを決める。)。また,6.8a)及び6.8b)のように条件付き推奨
事項が一つの組になっているとき,提案された方法によって採用する手法を決定するのがよい。表A.1
のチェックリストには,論理和(又は)・論理積(及び)を使って条件付き推奨事項の組合せ方を示し
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ている。
b) 適合 a)によって適用すると決まったすべての推奨事項に対し,提案された方法によって適合の検討
を行う(例えば,5.2.2が適用可能な場合には,附属書Aの5.2に示す観察を用いて,コマンドの短縮
に切り詰めが用いられているかどうかを判定する。)。
6.2
他の条件付き推奨事項
a) 適用可能性 “もし−の場合”型でない条件付き推奨事項は,一般にすべてのコマンド言語に当ては
まる。しかし,多くの箇条(例えば,5.3機能キー及びホットキー)は,その特徴を採用している特定
のコマンド言語にだけ適用可能である。機能キー又はソフトキーをコマンド入力に使用していれば,
その箇条の条件付き推奨事項は適用可能である(そして“もし−の場合”文の適用可能性を,附属書
Aの6.1と同様に決定する。)。
b) 適合 a)で適用すると決まった“もし−の場合”型でない条件付き推奨事項では,上記の附属書Aの
6.1b)に述べたような推奨事項への適合についての情報が必要である。例えば,コマンド名が意味的に
区別しやすく,かつ,あいまい(曖昧)でないか [5.1.2a)] についての適合を判定するのに,分析的評
価及び経験的評価は適切な方法である。もし推奨事項に従わない正当な理由がある場合には,その理
由及び選択した設計案は,この規格を使用するうえで重要である。
上に述べた適合性試験手順を適用する手助けとして,適用可能性と適合との評価のためのチェックリス
トを表A.1に記載する。
7. チェックリスト 表A.1のチェックリストは,この規格中の各条件付き推奨事項の適用可能性と適合
とを決定する際に,コマンド対話の設計者及び評価者の補助となるよう意図したものである。このチェッ
クリストは,この規格中のすべての条件付き推奨事項の縮約版を含み,適用可能性を決定するうえでの助
けとなる論理的構造を提供する。条件付き推奨事項の多くは,複数の代替的解決案を認めている。チェッ
クリストは,そのような相互依存性を“及び”,“又は”論理記号で表現している。これら論理接続記号は,
箇条中の条件付き推奨事項についてだけ示す(箇条には,その箇条に適用可能な度合いに対して固有の“及
び”が付けられているとみなす。)。ある場合には,選択が互いに背反ではないため“及び/又は”が指定
されている。
備考 この規格のユーザーは,チェックリストの意図した用途に用いるために附属書中のチェックリ
ストを自由に複製してよいし,記入完了したチェックリストを刊行してもよい。
7.1
チェックリストの説明
7.1.1
条件付き推奨事項の列 チェックリストの先頭列は,縮約版の条件付き推奨事項を含み,論理記号
で結ばれ,細分箇条ごとに分かれている。各条件付き推奨事項には,この規格の細分箇条の番号が付けら
れているので,ユーザーは,容易に各条件付き推奨事項の全文を当該細分箇条に見ることができる。
7.1.2
適用可能性の列 チェックリストの適用可能性部分の初めの二列は,適用可能かどうかの結果を,
“可”,“否”欄にチェックマークで示し記録するようになっている。さらに,各条件付き推奨事項に対し
て適用の可能性を調べるにはどの方法が適切かを示し,設計者又は評価者が用いた方法にチェックマーク
を付ける列を提供する。ある推奨事項の適用可能性を調べるのに適切ではない方法の欄に網掛けを施して
使いやすくしてある。適用の可能性を調べる方法の記号は:
S=システム文書の分析
D=資料的論拠
O=観察
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A=分析的評価
E=経験的評価
DM=その他の方法
他の方法を使用した場合(DMにマークした場合)は,その方法を注釈列に記述してもよい。用いた手
法列にマークを記入することは,このチェックリストでは随意としていることを指摘しておく。
7.1.3
適合の列 チェックリストのこの部分は,各条件付き推奨事項に適合しているか決定するのに,ど
の方法が適切かを示し,設計者又は評価者によって使われた方法にチェックマークを付ける列を用意する。
適合しているかどうかの検査結果が,肯定的な場合には“適”列に,否定的な場合には“否”列にしるし
を付ける。
適合を調べる方法の記号は:
M=測定
O=観察
D=資料的論拠
A=分析的評価
E=経験的評価
DM=その他の方法
適用可能性と同様,他の方法を使用した場合(DMにマークした場合)は,その方法を注釈列に記述す
る。適用可能性で指摘したように,用いた手法列にマークを記入することは,このチェックリストでは随
意である。
7.1.4
注釈 注釈列は,各条件付き推奨事項に関する付加的な意見及び注釈を記入する。また,別の方法
を使用した場合,その方法の解説を記入したり,査定時の情報(専門家の名前,資料の表題など)を示す
のにも使ってもよい。特定の状況では,幾つかの方法が適切な場合もあるので,その際の解決案を注釈列
で説明するとよい。この説明には,解決案がコマンド対話設計の推奨事項,及び該当する対話の原則にど
のように関連しているかを含めてもよい。
7.2
要約データ このチェックリストのユーザーは,評価の結果を適合指数 (AR : Adherence Rating) を
算出することで要約できる。ARは,適用可能な条件付き推奨事項のうちの,適合しているものの割合で
ある(すなわち,“適”欄のチェック数を“可”欄のチェック数で除したもの。)。AR値と一緒に,すべて
のデータ(すなわち,“適”の数及び“可”の数)を報告することを強く推奨する。コマンド対話の複雑さ
によっては,システムの各コマンドセットごとにチェックリストを記入し,各コマンドセットのARを平
均して,コマンド対話全体の平均ARを決めたほうが役立つかもしれない。しかし,コマンド対話のAR
は,算術的な計数値以上のものではなく,各項の重み(それ自体での,及び利用の状況下での)を考慮し
なければ,適用可能な推奨事項がどれほど適合しているかの信頼すべき測定値とはなり得ないことに注意
したほうがよい。
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表A.1 適用性及び適合のチェックリスト
推奨事項
適用可能性
適合
注釈
(資料源を含む。)
結果
用いた手法
用いた手法
結果
可
否
S
D
O
A
E
DM
M O
D
A
E
DM
適
不
4. 構造及び文法
4.2 一貫性
一つのアプリケーション内では状況によらず同じに機能する。
4.3 マクロコマンド
多用するコマンドは,マクロを作れるように。
4.4 引数の構造
a) 多数の引数 引数が8個を超える場合,別のコマンド名,機能の
組合せを検討する。
及び
b) 依存性 引数の相互関係によってコマンド句の意味が大きく変わ
ることがないように。
4.5 文法構造
a) モダリティに対する適切さ コマンド句の構造は,入力のモダリ
ティと添うように。
及び
b) モダリティ内での一貫性 モダリティ内で一貫性をもたせる。
及び
c) モダリティ間での一貫性 モダリティ間で一貫性をもたせる。
4.6 コマンドの区切り
a) 空白 区切り文字としては句読記号より空白を用いる。
又は
b) 標準的記号 空白を用いない場合,標準的な記号を一貫して用い
る。
4.7 言語との対応 ユーザーになじみのある用語及び構造を。
4.8 コマンドの引数
4.8.1 コマンド要素の連係
コマンド句要素間の関係を明白に。
及び
4.8.2 引数の形式 位置形式よりもキーワード形式を用いる。
又は
4.8.3 省略可能な引数の配置
キーワード形式でなければ,引数の最後に置く。
及び
4.8.4 引数の区切り
a) 空白 使えるなら要素間に何個でも。
又は
b) その他の区切り記号 単純な標準的記号を一貫して。
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推奨事項
適用可能性
適合
注釈
(資料源を含む。)
結果
用いた手法
用いた手法
結果
可
否
S
D
O
A
E
DM
M O
D
A
E
DM
適
不
4.9 数量詞 不正確で必す(須)ではない数量詞は使わない。
5. コマンド表現
5.1 コマンド名
5.1.2 区別の付けやすさ 区別の付きやすい名前を。
及び
a) 意味の区別 名前は意味の区別の付くものであいまいでないもの
を。
及び
b) 具体的な意味 具体的で限定的な名前を。
及び
c) 視覚上の/聴覚上の類似性 見た目又は聞こえが似ていない名
前。
及び
d) 符合するコマンド対 逆動作又は対になる動作があれば,対にな
るコマンドを用意する。
及び
5.1.3 ユーザー指向 ユーザーの経験及び使用言語に添ったコマンド
名を。
及び
5.1.4 情緒的内容 情緒的に中立なコマンド名を。
及び
5.1.5 コマンド語の長さ
キー入力する場合,コマンド語は7字を超えないように
及び
5.1.6 接頭語及び接尾語
不要な接頭語,接尾語を避ける。
5.2 短縮形
5.2.1 一般
キー入力の場合は,短縮形を許す。
及び
5.2.2 短縮規則
a) 単純な規則 全コマンドに一つの単純な短縮規則を。
及び
b) 切り詰め ユーザーがコマンドを作り記憶する必要があれば,短
縮するのに単純な切り詰めを。
5.3 機能キー及びホットキー
5.3.2 機能キーの一貫性 キーの割当ては関連した仕事にわたり一貫
性をもたせる。
及び
5.3.3 ホットキーの一貫性 キーは常に同じ意味で用いる。
及び
5.3.4 修飾キーの一貫した使用
修飾キーを用いる場合,使い方に論理的一貫性を。
及び
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7
)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
推奨事項
適用可能性
適合
注釈
(資料源を含む。)
結果
用いた手法
用いた手法
結果
可
否
S
D
O
A
E
DM
M O
D
A
E
DM
適
不
5.3.5 修飾キーの限定使用
一つの修飾キーで足らないほどコマンドが多数のときだけ複数の修飾
キーの組合せを。
6. 入力及び出力についての配慮
6.2 コマンドの再利用
多用するコマンドには,再キー入力を避ける再利用手段を。
6.3 コマンドの積み上げ
実行の前に一連のコマンドを入力することを可能に。
6.4 誤りの訂正
誤りがあった場合,誤りの箇所だけを打ち直しすればよいように。
6.5 編集
a) 実行に先立って 実行の前にコマンド編集できるように。
b) 編集慣習
テキストの編集と同じ編集慣習を。
6.6 つづ(綴)りの誤り
つづりを間違ったコマンドも解釈して受け入れるように。
6.7 既定値
キー入力の必要を減らすため既定値を。
6.8 破壊的なコマンド
コマンドが思いもかけない又は破壊的な結果をもたらす場合:
a) 復元 直前のコマンドとその効果とを取り消せるように。
又は
b) 確認 実行の前に意思の確認を。
6.9 カスタム化 コマンドの同意語及びコマンドのマクロを指定でき
る,また元に戻せる。
6.10 打けん(鍵)したコマンドの表示
a) 一貫した入力位置 打けん入力の場合,入力を一貫した位置に表
示。
b) タイミング 打けんする文字ごとに復唱表示を。
6.11 出力の制御 出力先を変更,一時停止,中止を可能に。
6.12 一貫した出力形式
同じ又は関連した結果をもたらすコマンドは,一貫した形式で。
2
2
Z
8
5
2
5
:
2
0
0
0
(I
S
O
9
2
4
1
-1
5
:
1
9
9
7
)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
推奨事項
適用可能性
適合
注釈
(資料源を含む。)
結果
用いた手法
用いた手法
結果
可
否
S
D
O
A
E
DM
M O
D
A
E
DM
適
不
7. フィードバック及びヘルプ
7.2 コマンドの処理
a) 処理の完了
コマンド処理の終了を結果の表示か次のコマンドの催促で。
b) 処理継続中のフィードバック
コマンド処理に5秒以上を要する場合,処理の進行を示すフィ
ードバックを。
c) 処理状況
可能なら残りの処理時間を示すフィードバックを。
7.3 誤りのフィードバック
誤りの指摘は,コマンド全部を入れ終わってから。
7.4
誤りの強調表示
コマンド行にフィードバックを与える場合,誤りの部分を強調表示し
て。
7.5 コマンドについての情報 仕事に適切な場合,次の情報を。
a) 使えるコマンド及びその意味
b) 文法構造
c) 必す(須)及び省略可能引数
d) コマンド入力の履歴
7.6 操作支援
コマンドの特性について表示する支援を。
7.7 多数の引数
引数が多数の場合,ダイアログボックスなどの他の対話手法を活用し
た支援を。
可=適用可能
S=システム文書の分析
A=分析的評価
M=測定
否=適用不可
D=資料的論拠
E=経験的評価
適=適合
O=観察
DM=その他の方法
不=不適合
23
Z 8525 : 2000 (ISO 9241-15 : 1997)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書B(参考) 参考文献
1. ISO規格
ISO 9241-10 : 1996 Ergonomic requirements for office work with visual display terminals (VDTs)−part 10 :
Dialogue principles.
備考 JIS Z 8520 : 1999 人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−対話の原則がこの規格に
一致する。
ISO 9241-12 : 1998 Ergonomic requirements for office work with visual display terminals (VDTs)−part 12 :
Presentation of information.
ISO 9241-13 : 1998 Ergonomic requirements for office work with visual display terminals (VDTs)−part 13 :
User guidance.
2. 出典
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26
Z 8525 : 2000 (ISO 9241-15 : 1997)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3. 推奨事項−原文献対照表
*Key : R=研究文献,G=指針,E=専門家の意見
推奨事項
原文献*
4. 構造及び文法
4.2
一貫性
G : BRI89, SMI84, FOL82, BCR86, SHN87, CHR85,
BRO88
4.3
マクロコマンド
G : SMI84, FOL82, BCR86, SHN87, CHR85, BRO88,
MIL-STD-1472D
4.4
引数の構造
G : FOL82, BCR86 ; E
4.5
文法構造
a) モダリティに対する適切さ
G : FOL82, BCR86, JON89, BRO88, BRI89
b) モダリティ内での一貫性
R : BRI89 ; G : FOL82, BCR86, SHN87, BRO88
c) モダリティ間での一貫性
E
4.6
コマンドの区切り
a) 空白
R : LED80, RAD84 ; G : SMI84, RUB84, CHR85,
MIL-STD-1472D
b) 標準的記号
G : SMI84, BAT85, BCR86, CHR85
4.7
言語との対応
G : SMI84, BCR86
4.8
コマンドの引数
4.8.1
コマンド要素の連係
E
4.8.2
引数の形式
R : LED80 ; G : CHR85
4.8.3
省略可能な引数の配置
G : SHN87, E
4.8.4
引数の区切り
a) 空白
G : CHR85
b) その他の区切り記号
G : SHN87, E
4.9
数量詞
R : THO76 ; G : RUB84, SMI84, BCR86
5
コマンド表現
5.1
コマンド名
5.1.2
区別の付けやすさ
a) 意味の区別
R : HAM80, ROS82 ; G : CHR85, GAL85, BRO88
b) 具体的な意味
R : BAR82, GRU84, BLA82 ; G : GAL85, SHN87,
BRO88
c) 視覚上の/聴覚上の類似性
G : CHR85, JON89
d) 符合するコマンド対
G : BRO88
5.1.3
ユーザー指向
R : LAN83, LED80 ; G : SMI84, RUB84, CAR86,
BCR86, CHR85
5.1.4
情緒的内容
E
5.1.5
コマンド語の長さ
G : CHR85
27
Z 8525 : 2000 (ISO 9241-15 : 1997)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5.1.6
接頭語及び接尾語
E
5.2
短縮形
5.2.2
短縮規則
a) 単純な規則
G : FOL82, SHN87, EHR82, BCR86, BRO88
b) 切り詰め
R : HIR82, STR83 ; G : BRO88
5.3
機能キー及びホットキー
5.3.2
機能キーの一貫性
G : SMI84, BCR86, CHR85
5.3.3
ホットキーの一貫性
E
5.3.4
修飾キーの一貫した使用
E
5.3.5
修飾キーの限定使用
E
6. 入力及び出力についての配慮
6.2
コマンドの再利用
E
6.3
コマンドの積み上げ
G : SMI84, BCR86
6.4
誤りの訂正
G : SMI84, FOL82, BCR86
6.5
編集
G : SMI84, RUB84
6.6
つづ(綴)りの誤り
G : SMI84, BRO88
6.7
既定値
G : FOL82, BCR86
6.8
破壊的なコマンド
a) 復元
G : FOL82, BCR86, DIN86
b) 確認
G : SMI84, BCR86, BRO88, MIL-147
6.9
カスタム化
E
6.10 打けん(鍵)したコマンドの表示
a) 一貫した入力位置
G : SMI84, RAM79, CHR85, BRO88, MIL-STD-1472D
b) タイミング
G : FOL82, BCR86
6.11 出力の制御
G : SMI84, BCR86
6.12 一貫した出力形式
G : SMI84
7. フィードバック及びヘルプ
7.2
コマンドの処理
B : FOL82, RUB84, BCR86
a) 処理の完了
G : FOL82, BCR86
b) 処理継続中のフィードバック
G : RUB84, FOL82, BCR86, STI80 ; E
c) 処理状況
7.3
誤りのフィードバック
G : FOL82, BCR86
7.4
誤りの強調表示
G : FOL82, BCR86
7.5
コマンドについての情報
G : SMI84, RAM79, BCR86, MIL-1472D
7.6
操作支援
G : BCR86
7.7
多数の引数
G : CHR85
28
Z 8525 : 2000 (ISO 9241-15 : 1997)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS Z 8525(人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−コマンド対話)
原案作成委員会本委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
○ 林 喜 男
慶応義塾大学
(幹事)
○ 中 野 義 彦
沖電気工業株式会社
○ 渡 邊 武 夫
通商産業省工業技術院
○ 橋 本 進
財団法人日本規格協会
中 込 常 雄
中込技術士事務所
○ 堀 野 定 雄
神奈川大学
○ 山 本 栄
東京理科大学
黒 須 正 明
静岡大学
○ 吉 武 良 治
日本アイ・ビー・エム株式会社
堀 部 保 弘
株式会社三菱総合研究所
青 木 和 夫
日本大学
谷 井 克 則
武蔵工業大学
栃 原 裕
九州芸術工科大学
○ 米 村 俊 一
NTT東日本株式会社
(事務局)
森 みどり
日本人間工学会(神奈川大学)
JIS Z 8525(人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−コマンド対話)
原案作成委員会分科会 構成表
氏名
所属
(主査)
林 喜 男
慶応義塾大学
(幹事)
米 村 俊 一
NTT東日本株式会社
渡 邊 武 夫
通商産業省工業技術院
橋 本 進
財団法人日本規格協会
中 込 常 雄
中込技術士事務所
堀 野 定 雄
神奈川大学
中 野 義 彦
沖電気工業株式会社
山 本 栄
東京理科大学
矢 頭 祐 介
青山学院大学
福 住 伸 一
ヒューマンインタフェース学会
三 樹 弘 之
沖電気工業株式会社
永 野 行 記
富士通株式会社
岡 田 英 彦
日本電気株式会社
吉 武 良 治
日本アイ・ビー・エム株式会社
羽 山 和 紀
日本総合技術研究所
備考 本委員会の○印は,分科会委員を兼ねる。