Z 8310:2010
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 3
4 図面の目的 ······················································································································ 3
5 図面の具備すべき要件 ······································································································· 3
6 図面の大きさ及び様式 ······································································································· 4
7 製図に用いる線 ················································································································ 4
8 製図に用いる文字 ············································································································· 4
9 製図に用いる記号 ············································································································· 4
10 図形の表し方 ················································································································· 5
10.1 投影法 ························································································································ 5
10.2 尺度 ··························································································································· 5
10.3 図形の表し方 ··············································································································· 5
10.4 その他の事項 ··············································································································· 5
11 寸法及び寸法の許容限界 ·································································································· 6
12 当てはめ方法の適用 ········································································································ 6
13 幾何公差 ······················································································································· 7
14 表面性状 ······················································································································· 8
15 文書用図記号 ················································································································· 8
16 溶接 ····························································································································· 8
17 熱処理 ·························································································································· 8
18 表面処理 ······················································································································· 8
19 文章の書き方 ················································································································· 8
20 図面の変更 ···················································································································· 9
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本機械
学会(JSME)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき
との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS Z 8310:1984は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責
任はもたない。
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日本工業規格 JIS
Z 8310:2010
製図総則
Technical drawings-General code of drafting practices
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適用範囲
この規格は,工業分野で用いる図面を作成する場合(以下,製図という。)の基本的事項及び総括的な製
図体系について規定する。
なお,ここでいう図面とは,対象物を平面上に図示するもの又はCADモニタ上に図示するものであっ
て,設計者・製作者の間,発注者・受注者の間などで必要な情報を伝えるもの,及び所定の様式を備えた
ものをいう。また,ここでいう図面には,原図から複製したもの,原図を部分的に複製したもの及び合成
して作成したもので,原図と同じ機能をもつものを含む。
製図に関する分野別の規格は,次のとおり規定されている。
a) 土木製図は,JIS A 0101
b) 建築製図は,JIS A 0150
c) 機械製図は,JIS B 0001
d) 電気製図は,JIS C 1082-1〜JIS C 1082-4
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)
は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 0101 土木製図通則
JIS A 0150 建築製図通則
JIS B 0001 機械製図
JIS B 0021 製品の幾何特性仕様(GPS)−幾何公差表示方式−形状,姿勢,位置及び振れの公差表示
方式
JIS B 0022 幾何公差のためのデータム
JIS B 0023 製図−幾何公差表示方式−最大実体公差方式及び最小実体公差方式
JIS B 0024 製図−公差表示方式の基本原則
JIS B 0026 製図−寸法及び公差の表示方式−非剛性部品
JIS B 0029 製図−姿勢及び位置の公差表示方式−突出公差域
JIS B 0031 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状の図示方法
JIS B 0051 製図−部品のエッジ−用語及び指示方法
JIS B 0125-1 油圧・空気圧システム及び機器−図記号及び回路図−第1部:図記号
JIS B 0125-2 油圧・空気圧システム及び機器−図記号及び回路図−第2部:回路図
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JIS B 0209-1 一般用メートルねじ−公差−第1部:原則及び基礎データ
JIS B 0401-1 寸法公差及びはめあいの方式−第1部:公差,寸法差及びはめあいの基礎
JIS B 0419 普通公差−第2部:個々に公差の指示がない形体に対する幾何公差
JIS B 0601 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメ
ータ
JIS B 0610 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−転がり円うねりの定義及び表示
JIS B 0614 円すい公差方式
JIS B 0616 円すいはめあい方式
JIS B 0621 幾何偏差の定義及び表示
JIS B 0631 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−モチーフパラメータ
JIS B 0672-1 製品の幾何特性仕様(GPS)−形体−第1部:一般用語及び定義
JIS B 0680 製品の幾何特性仕様(GPS)−製品の幾何特性仕様及び検証に用いる標準温度
JIS B 1566 転がり軸受の取付関係寸法及びはめあい
JIS B 3402 CAD機械製図
JIS C 0617-1 電気用図記号 第1部:概説
JIS C 0617-2 電気用図記号 第2部:図記号要素,限定図記号及びその他の一般用途図記号
JIS C 0617-3 電気用図記号 第3部:導体及び接続部品
JIS C 0617-4 電気用図記号 第4部:基礎受動部品
JIS C 0617-5 電気用図記号 第5部:半導体及び電子管
JIS C 0617-6 電気用図記号 第6部:電気エネルギーの発生及び変換
JIS C 0617-7 電気用図記号 第7部:開閉装置,制御装置及び保護装置
JIS C 0617-8 電気用図記号 第8部:計器,ランプ及び信号装置
JIS C 0617-9 電気用図記号 第9部:電気通信:交換機器及び周辺機器
JIS C 0617-10 電気用図記号 第10部:電気通信:伝送
JIS C 0617-11 電気用図記号 第11部:建築設備及び地図上の設備を示す設置平面図及び線図
JIS C 0617-12 電気用図記号 第12部:2値論理素子
JIS C 0617-13 電気用図記号 第13部:アナログ素子
JIS C 1082-1 電気技術文書−第1部:一般要求事項
JIS C 1082-2 電気技術文書−第2部:機能図
JIS C 1082-3 電気技術文書−第3部:接続図,表及びリスト
JIS C 1082-4 電気技術文書−第4部:配置及び据付け文書
JIS H 0404 電気めっきの記号による表示方法
JIS Z 3021 溶接記号
JIS Z 8114 製図−製図用語
JIS Z 8222-1 製品技術文書に用いる図記号のデザイン−第1部:基本規則
JIS Z 8222-2 製品技術文書に用いる図記号のデザイン−第2部:参照ライブラリ用図記号を含む電子
化形式の図記号の仕様,及びその相互交換の要求事項
JIS Z 8311 製図−製図用紙のサイズ及び図面の様式
JIS Z 8312 製図−表示の一般原則−線の基本原則
JIS Z 8313-1 製図−文字−第1部:ローマ字,数字及び記号
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JIS Z 8313-2 製図−文字−第2部:ギリシャ文字
JIS Z 8313-5 製図−文字−第5部:CAD用文字,数字及び記号
JIS Z 8313-10 製図−文字−第10部:平仮名,片仮名及び漢字
JIS Z 8314 製図−尺度
JIS Z 8315-2 製図−投影法−第2部:正投影法
JIS Z 8315-3 製図−投影法−第3部:軸測投影
JIS Z 8315-4 製図−投影法−第4部:透視投影
JIS Z 8316 製図−図形の表し方の原則
JIS Z 8317-1 製図−寸法及び公差の記入方法−第1部:一般原則
JIS Z 8318 製図−長さ寸法及び角度寸法の許容限界記入方法
JIS Z 8321 製図−表示の一般原則−CADに用いる線
JIS Z 8617-1 ダイヤグラム用図記号−第1部:一般事項及び索引
JIS Z 8617-2 ダイヤグラム用図記号−第2部:一般用途
JIS Z 8617-3 ダイヤグラム用図記号−第3部:接続及び関連装置
JIS Z 8617-4 ダイヤグラム用図記号−第4部:アクチュエータ及び関連装置
JIS Z 8617-5 ダイヤグラム用図記号−第5部:計測及び制御装置
JIS Z 8617-6 ダイヤグラム用図記号−第6部:計測及び制御機能
JIS Z 8617-7 ダイヤグラム用図記号−第7部:基本的機械部品
JIS Z 8617-8 ダイヤグラム用図記号−第8部:バルブ及びダンパ
JIS Z 8617-9 ダイヤグラム用図記号−第9部:ポンプ,コンプレッサ及びファン
JIS Z 8617-10 ダイヤグラム用図記号−第10部:フルードパワー変換器
JIS Z 8617-11 ダイヤグラム用図記号−第11部:熱輸送及び熱機関用の装置
JIS Z 8617-12 ダイヤグラム用図記号−第12部:分離,清浄及び混合用の装置
JIS Z 8617-13 ダイヤグラム用図記号−第13部:材料加工用装置
JIS Z 8617-14 ダイヤグラム用図記号−第14部:材料の輸送及び取扱い用の装置
JIS Z 8617-15 ダイヤグラム用図記号−第15部:据付け線図及びネットワークマップ
ISO 15787:2001,Technical product documentation−Heat-treated ferrous parts−Presentation and indications
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 8114による。
4
図面の目的
図面の目的は,図面使用者に要求事項を,確実に伝達することにある。さらに,その図面に示す情報の
保存・検索・利用を確実に行うことができるように,図面を管理した状態にしておかなければならない。
5
図面の具備すべき要件
図面は,要求事項を達成するために,次の要件を満たしていなければならない。
a) 要求される情報を含む。製作図の場合には,対象物の図形とともに,必要とする大きさ・形状・姿勢・
位置・質量の情報を含む。必要に応じて,更に材料,加工方法,表面性状,表面処理方法,検証方法,
図面履歴,引用規格・文書,図面管理などの情報を含む。
4
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
b) 表題欄を設ける。
c) a) の情報を, 明確,かつ,理解しやすい方法で表現する。
d) あいまいな解釈が生じないように,表現・解釈の一義性をもつ。
e) 複数の技術分野との交流の立場から,できるだけ広い分野にわたる整合性・普遍性をもつ。
f)
貿易及び技術の国際交流の立場から,国際性を保持する。
g) 複写及び図面の保存・検索・利用が確実にできる内容と様式を備える。
6
図面の大きさ及び様式
図面の大きさ及び様式は,次による。
a) 図面の大きさ及び様式は,JIS Z 8311の規定によって,製図・複写・保存・検索・使用などの便宜を
考慮して選定する。
b) 図面の大きさは,対象物の大きさ,図形の複雑さなどを考慮し,図の明りょう(瞭)さを保つことが
できる範囲で,なるべく小さいものを選ぶ。ただし,図面の取扱いの便宜のため,図面の大きさをそ
ろえる必要がある場合には,この限りではない。
7
製図に用いる線
製図に用いる線は,次による。
a) 製図に用いる線は,JIS Z 8312による。ただし,他の規格で別に規定している場合には,その用法に
従った線を用いる。
なお,これらによらない用法の線を用いる場合には,その線が何を表しているかを図面に注記する。
b) JIS Z 8312に規定する線は,定規,コンパスなどの製図用具を用いて手書きするときに用いる。CAD
で製図するときは,JIS Z 8321によるのがよい。
8
製図に用いる文字
製図に用いる文字は,次による。
a) 寸法数字,文字記号,注記など,製図に用いる文字はJIS Z 8313-1,JIS Z 8313-2,JIS Z 8313-5及び
JIS Z 8313-10のいずれか,又は複数の規格を用いる。
注記 JIS Z 8313-1,JIS Z 8313-2,JIS Z 8313-5及びJIS Z 8313-10を総称してJIS Z 8313規格群と
いう。
b) JIS Z 8313規格群に規定する文字は,テンプレートなどの助けを借りるときを含め,手書きをすると
きに用いる。
c) CADで用いる文字は,JIS B 3402によるのがよい。
9
製図に用いる記号
製図に用いる記号は,次による。
a) 製図を簡潔にするとともに,指示内容の解釈を統一するために,図記号,文字記号などの記号を用い
て,図面に指示してもよい。
b) JISに規定していない記号を用いる場合には,記号について注記するのがよい。
c) 特に製図に用いるものと指定しないで規定したJISの記号又はJIS以外の公知の規格に規定した記号
を用いる場合には,その規格番号を図面の適切な箇所に注記する。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
d) b) 及びc) によらない記号を用いる場合には,その記号の意味を図面の適切な箇所に注記する。
10 図形の表し方
10.1 投影法
図形を描くときの投影法は,図面の目的及び用途に応じて,次のいずれかによる。
a) 通常の二次元製図の場合には,JIS Z 8315-2に規定する正投影図を用いる。
b) 図形を三次元で表す場合には,JIS Z 8315-3に規定する等角投影若しくはキャビネット図,又はJIS Z
8315-4に規定する透視投影法を用いる。
注記 JIS Z 8315-2,JIS Z 8315-3,JIS Z 8315-4を総称してJIS Z 8315規格群という。
c) 必要に応じてa) 及びb) によらない投影法を用いてもよいが,その場合には,投影図の名称を書き添
えるのがよい。
10.2 尺度
尺度は,次による。
a) 尺度は,JIS Z 8314による。
b) 使用する尺度は,対象物の大きさ,図形の複雑さなどを考慮して,図の明りょうさを保つように,JIS
Z 8314に示す推奨尺度に従って選定する。
なお,JIS Z 8314に規定する尺度は,縮小・拡大した複写図には適用しない。
c) 図形の横方向と縦方向との尺度を変える必要がある場合には,図面にそれらの尺度を表示する。
10.3 図形の表し方
対象物の図形を描く方法は,次による。
a) 正投影図を用いる場合,必要に応じて,補助投影図,局部投影図,部分投影図,断面図などを併用す
る。
b) 正投影法以外の方法によって描く場合でも,投影に直接関係しない事項,例えば,断面図の表し方に
ついては,なるべくJIS Z 8316を準用する。
c) 正投影法以外のうち,矢示法を用いて投影図を表す場合には,主投影図に示した投影方向を示す矢印
に付記した文字記号を投影図に示す(JIS Z 8316参照)。
d) 特有の図形を忠実に描いても,その割に効果がないような対象物(例えば,ねじ,歯車,電気配線な
ど。)の図示又は特定の部分の図示はa) によらず,それぞれに図示方法を規定するJISによる。
注記 三次元図形をCADによって描く場合には,適切な規格,例えば,ISO 16792によるのがよい。
10.4 その他の事項
図形の大きさと対象物の大きさとの間には,正しい比例関係を保つように描く。ただし,次に示すよう
な場合には,図の一部又は全部について,この比例関係を保たなくてもよい。
a) 説明図,又はJIS B 0125-1,JIS B 0125-2,JIS Z 8617-1〜JIS Z 8617-15などで規定する文書用図記号
を用いた油圧・空気圧回路図,工程図など。
なお,図記号のデザインについては,JIS Z 8222-1及びJIS Z 8222-2による。
b) JIS C 0617-1〜JIS C 0617-13で規定する電気用図記号を用いた電気回路図,ネットワーク図など。
c) JIS Z 8617-1〜JIS Z 8617-15で規定する文書用図記号を用いたダイヤグラムなど。
d) 簡単な図形で,寸法記入なども少なく,読み誤るおそれがないと考えられる図面。例えば,図形だけ
をあらかじめ印刷してある図面用紙に,その都度,寸法などを記入して作成するような図面。
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Z 8310:2010
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11 寸法及び寸法の許容限界
図形に寸法を記入する方法は,次による。
a) 対象物の大きさ,姿勢,位置などを定量的に示すために寸法を記入する方法は,JIS Z 8317-1による。
b) 対象とする図形に記入する寸法は,機能上(互換性を含む。)必要な場合には,JIS Z 8318に規定する
寸法の許容限界を指示する。ただし,JIS B 0021に規定する“理論的に正確な寸法”を除く。
c) 形体のエッジを規制することを要求する場合には,JIS B 0051による。
d) サイズ形体に,はめあいを要求する場合には,JIS B 0401-1に規定する“公差域クラス”を指示する。
なお,ねじに,はめあいを要求する場合には,JIS B 0209-1に規定する“公差域クラス”を指示す
る。
e) 円すい公差を要求する場合には,JIS B 0614による。
なお,円すいに,はめあいを要求する場合には,JIS B 0616による。
f)
転がり軸受及び/又はハウジングに,はめあいを要求する場合には,JIS B 1566による。
g) 寸法の許容差又は寸法公差が,幾何公差,表面性状など属性情報と独立して適用することを要求する
場合には,表題欄の中又はその付近にJIS B 0024を指示する。そして,包絡の条件を要求する場合に
は,JIS B 0024による。
h) 図面に描いた図形は対象物の形を示すものであり,その寸法は図形を測るのではなく,指示した寸法
数値による。
i)
鋳造・鍛造などの工程ごとに普通寸法公差が規定されているJISがある場合には,その規格番号及び
等級記号を指示する。
例 鋳放し鋳造品の普通寸法公差:JIS B 0403 CT 12
普通寸法公差:JIS B 0405 m
j)
寸法検証時の環境温度は,必要に応じてJIS B 0680に規定する20 ℃とする。
なお,室温で寸法を検証する場合には,必要に応じて温度補正を行う。
k) 特に指示がない限り,JIS B 0024を適用した対象物は2点測定によって行うものとする。
12 当てはめ方法の適用
対象物から得られる測定点を最小二乗法,最小領域法などで演算処理をする当てはめ方法を適用するこ
とを要求する場合には,表題欄の中又はその付近にJIS B 0672-1を指示する。
当てはめ方法の例を,図1に示す。
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A
図示外殻形体
E
測得誘導形体
B
図示誘導形体
F
当てはめ外殻形体
C
実形体
G
当てはめ誘導形体
D
測得外殻形体
図1−当てはめ方法を円筒に適用する例(JIS B 0672-1)
13 幾何公差
対象物の形体に対して幾何公差を要求する方法は,次による。
なお,幾何公差は,機能上の要求,互換性,製作技術水準などに基づいて,不可欠な場合にだけ図示す
る。
a) 幾何公差は,JIS B 0621に規定する幾何偏差の定義に基づき,対象とする形体に対して,JIS B 0021
に規定する幾何公差を意味する記号を用いて指示する。
b) 関連形体に対する理論的な基準となるデータムについては,JIS B 0022による。
c) 寸法公差と幾何公差との相互依存関係を要求して,対象とする形体のサイズ寸法が最大実体寸法から
最小実体寸法のほうへ離れて仕上がったとき,その離れた寸法分だけ指示した幾何公差を増分できる
方式(これを最大実体公差方式という。)を適用する場合には,JIS B 0023による。
d) 寸法公差と幾何公差との相互依存関係を要求して,対象とする形体のサイズ寸法が最小実体寸法から
最大実体寸法のほうへ離れて仕上がったとき,その離れた寸法分だけ指示した幾何公差を増分できる
方式(これを最小実体公差方式という。)を適用する場合には,JIS B 0023による。
e) 対象とする形体から突出した位置に公差域を設定する突出公差域を要求する場合には,JIS B 0029に
よる。
f)
自由状態で非剛性の形体に対して,寸法及び幾何偏差を規制する要求がある場合には,JIS B 0026に
よる。
g) 各形体に幾何公差を個々に指示しないで,その公差を一括して指示する必要がある場合には,表題欄
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又はその付近にJIS B 0419及びその等級記号を指示する。
h) 特定の検証方法による場合には,注記などでそのことを指示する。
14 表面性状
形体に対して表面性状を要求する場合には,次による。
a) 粗さパラメータは,JIS B 0601に規定する粗さ曲線から求めるのがよい。
b) 粗さパラメータの要求事項を,記号を用いて指示する方法は,JIS B 0031の規定によって,除去加工
の要否及び粗さについて行う。
なお,モチーフパラメータを指示する場合には,JIS B 0631による。
c) 機能上及び体裁上,特に必要がある場合,その面の加工方法,筋目方向及びうねりパラメータを指示
する場合には,JIS B 0031による。
なお,転がり円うねりパラメータを指示する場合には,JIS B 0610による。
15 文書用図記号
工程図,フローチャート,回路図などを,図記号を用いて表す場合には,JIS Z 8617-1〜JIS Z 8617-15,
JIS C 0617-1〜JIS C 0617-13及びその他のJISに規定する図記号による。
注記 例えば,真空装置用図記号についてはJIS Z 8207が,化学プラント用配管図記号についてはJIS
Z 8209がある。
16 溶接
対象物に溶接施工の要求をする場合には,JIS Z 3021に規定する溶接記号を用いる。
17 熱処理
対象物に熱処理の要求をする場合には,ISO 15787:2001によって指示してもよい。
18 表面処理
対象物に電気めっき処理の要求をする場合には,JIS H 0404による。その他,対象物に塗装,塗覆装,
塗布,蒸着などの処理の要求をする場合には,図面上又は文書によって必要事項を指示する。
19 文章の書き方
図面又は関連文書に書く文章は,確実に情報を伝達するために,次による。
a) 文体は,口語体とする。
b) 文章は,漢字,平仮名,アラビア数字,ローマ字などの混用とする。
なお,片仮名は,外来語,動・植物名,特に注意を喚起する用語(例えば,塗装のブツ,機械のギ
ーギー音など。)などに用いる。
c) 文章は簡潔にし,なるべく箇条書きとする。
d) 書き方は,左横書きとし,必要に応じて分かち書きとする。
e) 専門用語は,JISに規定した用語を用いるのがよい。
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Z 8310:2010
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
20 図面の変更
出図後に図面内容を変更するときは,変更箇所に適切な記号を付記し,訂正又は変更前の図形,寸法,
公差などは読み取ることができるように適切に保存し,訂正又は変更事由,氏名,年月日などを図面管理
部署へ届け出る。